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Patent Searching and Data


Title:
POLYALCOHOL COMPOUND AND PHARMACEUTICAL AGENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/093655
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a polyalcohol compound which is highly water-soluble, can be formulated into a preparation readily, can be reduced in its dose amount, and can be used as an active ingredient for an antihyperlipidemic agent. The polyalcohol compound is represented by the formula (I). (I) wherein R represents a residue produced by removing a carboxyl group or an ester group from a fibrate-type antihyperlipidemic compound; X represents a linkage group for linking n pieces of polyalcohol moieties to R; and n represents an integer of 1 to 8.

Inventors:
NEMOTO HISAO (JP)
TSUCHIYA KOICHIRO (JP)
KAMIYA MASAKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/051251
Publication Date:
August 07, 2008
Filing Date:
January 29, 2008
Export Citation:
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Assignee:
UNIV TOKUSHIMA (JP)
OTSUKA PHARMA CO LTD (JP)
NEMOTO HISAO (JP)
TSUCHIYA KOICHIRO (JP)
KAMIYA MASAKI (JP)
International Classes:
C07C69/712; A61K31/216; A61P3/06; A61P43/00; C07C69/716; C07C233/73
Domestic Patent References:
WO2005023844A12005-03-17
Foreign References:
JP2006273849A2006-10-12
Other References:
WATANABE T. ET AL.: "Studies of Hypolipidemic Agents. 1. Synthesis and Hypolipidemic Activities of Alkoxycinnamic Acid Derivatives", JOURNAL OF MEDICINAL CHEMISTRY, vol. 23, no. 1, 1980, pages 50 - 59, XP001007865
Attorney, Agent or Firm:
SAEGUSA, Eiji et al. (1-7-1 Doshomachi, Chuo-kuOsaka-sh, Osaka 45, JP)
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Claims:
 下記式(I)で表されるポリアルコール化合物。
[式中、Rは、フィブラート系抗高脂血症化合物からカルボキシル基またはエステル基を除いた残基を示す。Xは、n個のポリアルコール部分をRに結合させるための結合基を示す。nは1~8の整数を示す。]
 Rが下記式(II)で表される基を示す、請求項1に記載のポリアルコール化合物。
[式中、R 1 およびR 2 は、同一または異なってC 1 -C 6 アルキル基を示す。また、R 1 およびR 2 は、これらが結合する炭素原子と共に互いに結合してシクロアルキル環を形成してもよい。Yは、ハロゲン原子基、2-(ハロゲン置換ベンゾイルアミノ)エチル基またはハロゲン置換ベンゾイル基を示す。]
 Rが、クリノフィブラート、クロフィブラート、ベザフィブラートまたはフェノフィブラートからカルボキシル基またはエステル基を除いた残基を示す、請求項1に記載のポリアルコール化合物。
 nが2 m (ここで、mは0~3の整数を示す)を示す、請求項1に記載のポリアルコール化合物。
 nが1または2を示す、請求項1に記載のポリアルコール化合物。
 請求項1~5の何れか1項に記載の化合物を含む医薬。
 請求項1~5の何れか1項に記載の化合物を含む抗高脂血症経口薬。
Description:
ポリアルコール化合物および医

 本発明は、複数の水酸基を有するポリア コール化合物および該ポリアルコール化合 を含む医薬に関する。

 生理活性ペプチドは、血中での安定性が く、投与しても期待された薬効を十分に発 できない場合がある。また、生理活性ペプ ドおよび低分子の生理活性物質の中には、 溶性が低いために注射剤として利用できな ものがある。

 かかる問題を解決するために、本発明者 は、生理活性ペプチド等の安定性および水 性の向上のために、枝分れ型グリセロール( Branched GLycerols、以下、「BGL」という場合が る)を開発した(特許文献1)。また、本発明者 は、当該枝分れ型グリセロールを両親媒性 質等に結合させ、薬剤キャリヤーとして利 する技術も開発している(特許文献2)。

 ところで、フェノフィブラートなどのフ ブラート系の抗高脂血症薬は、ベンゼン環 どの疎水性部分を有する一方において、親 性部分が少ないことから、その水溶性は極 て低い。そのため、フィブラート系の抗高 血症薬の溶媒として水を用いることができ 、製剤化が難しい。また、結晶のまま製剤 せざるを得ないことから腸管吸収性が悪く 服用量を多くせざるを得ない。その結果、 用時に大量の水を飲まなければならないな 、投与条件が厳しい。

 これら問題を克服するために、フィブラー 系の抗高脂血症薬では、製剤時に薬剤を微 化するなどの工夫が行われている。しかし がら、物理的方法により該薬剤を分子レベ にまで微細化することは不可能であること ら、その効果は不十分である。その一方で 製剤化を容易にするため単にフィブラート 抗高脂血症薬の水溶性をたとえ向上させた しても、脂溶性化合物に比べて極性化合物 腸管吸収性は一般的に悪いことから、大量 服用しなければならないという根本的に問 は解決できない。

国際公開第2004/029018号公報

国際公開第2005/023844号公報

 上述した様に、抗高脂血症薬としてフィ ラート系の薬剤が知られているが、その水 性は極めて低く、製剤化が難しい。その結 、服用量を多くせざるを得ず、目的とする 効よりも副作用のおそれが高くなる場合が る。また、服用時に水を大量に飲用しなけ ばならないなど、患者に負担を強いるとい 問題もあった。

 そこで、本発明が解決すべき課題は、水 性が高く製剤化が容易である上に、必要な 用量を低減することができる抗高脂血症薬 提供することにある。

 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭 研究を重ねた。その結果、フィブラート系 抗高脂血症化合物に、本発明者らが既に開 していたBGLを結合させたところ、その水溶 が向上したのみでなく、経口投与した後に ける活性代謝物の血中濃度が向上すること 見出した。このことは、投与化合物の腸管 収性が改善された結果と考えられるが、水 性が高い、即ち極性が高い化合物の腸管吸 性は一般的には悪いということを考えれば 全く予想外の効果であった。本発明者らは かかる知見から本発明を完成した。

 本発明のポリアルコール化合物は、下記 (I)で表されることを特徴とする。

[式中、Rは、フィブラート系抗高脂血症化合 からカルボキシル基またはエステル基を除 た残基を示す。Xは、n個のポリアルコール 分をRに結合させるための結合基を示す。nは 1~8の整数を示す。]
 Rとしては、下記式(II)で表されるものを例 できる。

[式中、R 1 およびR 2 は、同一または異なってC 1 -C 6 アルキル基を示す。また、R 1 およびR 2 は、これらが結合する炭素原子と共に互いに 結合してシクロアルキル環を形成してもよい 。Yは、ハロゲン原子基、2-(ハロゲン置換ベ ゾイルアミノ)エチル基またはハロゲン置換 ンゾイル基を示す。]
 本発明において、「C 1 -C 6 アルキル基」とは、炭素数1~6の直鎖状または 分子鎖状の脂肪族炭化水素基をいう。例えば 、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル 、ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル 、ヘキシル等を挙げることができる。これら のうち、C 1 -C 4 アルキルが好ましく、C 1 -C 2 アルキルがより好ましい。

 「ハロゲン原子基」としては、フルオロ 、クロロ基、ブロモ基、およびヨード基を 示することができ、クロロ基またはブロモ が好ましく、クロロ基がより好ましい。ま 、「ハロゲン置換」とは、上記ハロゲン原 基で置換されていることを示す。

 「R 1 およびR 2 が結合する炭素原子と共に互いに結合して形 成されるシクロアルキル環」とは、例えば、 シクロヘプタン環、シクロヘキサン環等が挙 げられる。

 上記式(II)で表される基の具体例を示すと 、以下の通りである。

 さらに、Rとしては、クリノフィブラート 、クロフィブラート、ベザフィブラートまた はフェノフィブラートからカルボキシル基ま たはエステル基を除いた残基が好適である。 これらフィブラート系化合物の残基を有する 本発明のポリアルコール化合物は、優れた抗 高脂血症効果を示す。

 上記ポリアルコール化合物としては、nが2 m (式中、mは0~3の整数(より好ましくはmは0また 1)を示す)であるものが好適である。かかる 合物は、合成がより容易であるという利点 有する。また、nが2以上の整数を示し、且 Xが直列的分岐構造(dendroidal)を有するポリア コール化合物も好適である。かかる化合物 、水溶性に優れるばかりでなく、ポリアル ール構造により化合物の活性中心部分が被 され難いので、抗高脂血症効果を有効に発 することができる。

 また、本発明の医薬および抗高脂血症経 薬は、上記ポリアルコール化合物を含むこ を特徴とする。

 本発明のポリアルコール化合物は、従来 フィブラート系抗高脂血症薬の難水溶性と う欠点が克服されており、良好な水溶性を す。その上、元のフィブラート系抗高脂血 薬よりも、経口投与後における活性代謝物 血中濃度が高いという優れた効果を有する

 また、本発明のポリアルコール化合物は 動物実験における死亡例はなく、体重減少 も見られなかった。

 従って、本発明のポリアルコール化合物 、良好な水溶性を示すことから製剤化が容 であり、また、投与量を低減することが可 になり得る。さらに、本発明のポリアルコ ル化合物は、安全性や薬効の面からも非常 優れており、新たな抗高脂血症薬として極 て有用である。

 本発明のポリアルコール化合物は、下記 (I)で表されることを特徴とする。

[式中、Rは、フィブラート系抗高脂血症化合 からカルボキシル基またはエステル基を除 た残基を示す。Xは、n個のポリアルコール 分をRに結合させるための結合基を示す。nは 1~8の整数(好ましくはnは1または2)を示す。]
 フィブラート系抗高脂血症化合物は、一般 に、下記の通りベンゼン環部分とカルボキ ル基部分またはエステル基部分とを有する

 本発明のポリアルコール化合物において R基は、例えば上記式(II)など、フィブラー 系抗高脂血症化合物からカルボキシル基ま はエステル基を除いた残基を示し、血中ト グリセライドの低減など、主に抗高脂血症 果を示す。なお、R基は、上記残基に限定さ ず、カルボキシル基またはエステル基を有 るフィブラート系抗高脂血症化合物からカ ボキシル基またはエステル基を除いた残基 あればよい。

 X基は、本発明化合物のポリアルコール部 分を、フィブラート系抗高脂血症化合物由来 の部分を結合する結合基である。ここで、ポ リアルコール部分とは、単数または複数のグ リセリン構造からなる下記構造をいう。

 例えば、nが1である本発明のポリアルコー 化合物は、フィブラート系抗高脂血症化合 由来のカルボキシル基と、グリセリン由来 水酸基をエステル縮合させることにより合 できることから、Xはカルボニル基とするこ ができる。もちろんこれに限定されず、nが 1である本発明のポリアルコール化合物の場 、Xは単なる単結合やC 1 -C 6 アルキレン基等であってもよい。

 また、nが2以上の場合には、X基は、フィ ラート系抗高脂血症化合物の残基と、複数 グリセリン構造とを結合させなければなら い。この場合、X基は、複数のグリセリン構 造を2個ずつ下記構造(III)により結合し、さら に複数の下記構造を2個ずつ同構造により結 するような構造を有することが好ましい。

[式中、Y 1 は、単結合、C 1 -C 6 アルキレン、カルボニル、カルボニルオキシ 、アミノ、イミノ、アミド、-O-、-S-、-S(=O)- または-S(=O) 2 -を示す。Y 2 は-CH=または-N=を示す。Y 3 およびY 4 は、各々、単結合、C 1 -C 6 アルキレン、カルボニル、アミノ、イミノ、 アミド、-O-、-S-、-S(=O)-、または-S(=O) 2 -を示す。]
 X基が、複数の構造(III)からなる直列的分岐 造を有する場合には、本発明のポリアルコ ル化合物は、高い水溶性を有しながらもフ ブラート系抗抗高脂血症化合物由来の部分 X基により被覆されないため、活性は少なく とも保持される。ここでの直列的分岐構造と は、例えば上記構造(III)が枝分かれ状に連な たデンドリマー型の下記構造をいう。

 「アミノ」は、-NH-または-NR 3 -(R 3 は、メチレンやエチレン等のC 1 -C 6 アルキルを示す)をいう。「イミノ」は、-C(=N R 4 )-(R 4 は、水素原子、メチレンやエチレン等のC 1 -C 6 アルキル、または水酸基を示す)をいう。ま 、「アミド」は、-NH-C(=O)-または-C(=O)-NH-の何 れでもよい。

 具体的な構造(III)としては、下記構造を 示することができる。

 X中に複数の構造(III)が含まれる場合、構 (III)は互いに同一であってもよいし、異な ていてもよい。

 例えば、nが2である下記ポリアルコール 合物(I’)の場合、X基は下記構造を示す。

 また、nが4である下記ポリアルコール化 物(I’’)の場合、X基は下記構造を示す。

 nが2以上である場合には、nは偶数である とが好ましい。上限は特に制限されないが 水酸基の数が多過ぎると腸管吸収性が低下 るおそれがあるため、好適には3以下が好ま しい。従って、nは、1または2が好適である。 但し、特に疎水性の高いフィブラート系抗高 脂血症薬の水溶性を高めるには、nを3以上に てもよい。

 本発明のポリアルコール化合物は、フィブ ート系抗高脂血症薬由来の主要部分と、ポ アルコール部分を含む部分を一般的な方法 結合することにより製造することができる 例えば、本発明の化合物(I)は、下記工程Aに より合成できる。
工程A :

[式中、X’はO、SまたはNHを示す。Proは水酸基 の保護基を示す。R、Xおよびnは前述したもの と同義を示す。]
 上記化合物(1)は、カルボキシル基を有する ィブラート系抗高脂血症化合物、またはエ テル基を有するフィブラート系抗高脂血症 合物のエステル基を加水分解したものであ 。また、化合物(2)は、後述する工程Bにより 製造することができる。

 上記工程Aの第一工程の反応条件は特に制 限されないが、例えば、縮合剤の存在下、溶 媒中でカルボン酸化合物(1)とアルコール化合 物(2)を反応させる。縮合剤としては、ジシク ロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロ ルカルボジイミド(DIPCI)、1-エチル-3-(3’-ジ チルアミノプロピル)-カルボジイミド(EDC)な どを用いることができる。また、この場合、 一般的に添加剤を用いる。本工程で用いる添 加剤としては、ジメチルアミノピリジン(DMAP) や1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)を用 ることができる。本工程で用いる溶媒は、 反応において不活性なものであれば特に制 されないが、例えば、塩化メチレンやクロ ホルム等のハロゲン化炭化水素などを用い ことができる。

 本反応時の温度は、出発原料、溶媒など 依存するが、通常は室温とする。添加後の 応時間は、出発原料、溶媒などに依存する 、通常は1時間から24時間とする。

 反応後は、当該混合物を希塩酸などでク ンチし、酢酸エチル、クロロホルムなど水 混和しない有機溶媒で抽出する。当該有機 を飽和食塩水などの水で洗浄した後、洗浄 た有機相を無水硫酸マグネシウム等で乾燥 、減圧濃縮する。得られた残渣をシリカゲ クロマトグラフィなどの常法により精製す ことによって、化合物(3)を得る。

 なお、上記反応と同等の反応として、化 物(1)から酸クロライド化合物を合成したり 或いは化合物(1)を活性エステル化した後に 化合物(2)と反応させることによっても化合 (3)を得ることができる。かかる反応は、当 者にとり周知の技術である。

 次いで、化合物(3)の保護基を、保護基の 類に応じた脱保護方法により除去すること よって、化合物(I)が得られる。例えば、保 基としてアリル基を用いた場合には、パラ ウム触媒を用いて容易に脱保護することが きる。なお、一般的な種類や脱保護の条件 、「PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS Second  Edition」T.W.GreenおよびP.G.M.Wuts,John Wiley&Sons, INC.を参照することができる。

 上記工程Aで用いる化合物(2)は、下記工程B 製造することができる。なお、工程Bはあく で一例であり、当業者であれば工程Bを参照 して、或いは一般的な手法から、X基の構造 nの構造に応じて化合物(2)を製造することが きる。
工程B :

[式中、Halは塩素原子や臭素原子などのハロ ン原子を示し、Pro、X’およびnは前述したも のと同義を示す]
 工程Bでは、エピクロロヒドリン等とアルコ ール化合物、またはグリセリンと保護された 化合物とを反応させ、化合物(4)を製造する。 エピクロロヒドリン等とアルコール化合物の 反応では、第4級アンモニウム塩や塩基を用 ることが好ましい。通常、アルコール化合 自体を溶媒にして、第4級アンモニウム塩と 基を加え、さらにエピクロロヒドリン等を 下する。グリセリンと保護された化合物と 反応では、塩基を用いることが好ましい。 れら反応条件は、当業者にとり周知である

 次に、化合物(4)の水酸基を、ハロゲン原 に変換した上で、さらにグリセリンを反応 せることによって、化合物(6)を得る。かか 反応条件も、当業者にとり周知である。ま 、これら反応を、nの値に応じて繰り返すこ とによって、化合物(2)が得られる。

 本発明のポリアルコール化合物は、水溶 が高い。そのため、本発明のポリアルコー 化合物を水等に溶解することができ、得ら た溶液を用いて製剤化することができるの 、化合物が分子レベルまで分散された製剤 容易に製造することができる。また、本発 のポリアルコール化合物は、水溶性が高い もかかわらず、経口投与後における血中の 性代謝物濃度が高い。従って、本発明のポ アルコール化合物は、経口剤の有効成分と て非常に有用である。ただし、当然に注射 の製剤形態にすることも可能である。しか 、本発明のポリアルコール化合物は、フィ ラート系抗高脂血症薬の主要部分を有する め、当該薬剤に起因する抗高脂血症作用を す。

 本発明のポリアルコール化合物の投与量 、元となるフィブラート系抗高脂血症薬の 与量を参考にし、さらに患者の年齢や症状 性別などにより適宜調整すればよい。但し 本発明のポリアルコール化合物は腸管吸収 が高いことから、水溶性が低い元のフィブ ート系抗高脂血症薬よりも少ない投与量で 高脂血症作用を示すと考えられる。

図1は、本発明のポリアルコール化合物 を投与した場合と、従来の抗高脂血症薬を投 与した場合における、活性代謝物(フェノフ ブリック酸)の血中濃度を示すグラフである

図2は、本発明のポリアルコール化合物 を投与した場合と、カルボキシメチルセルロ ースナトリウム水溶液を投与した場合におけ る、ラットの体重変化を示すグラフである。

 以下、実施例を挙げて本発明をより具体 に説明するが、本発明はもとより下記実施 により制限を受けるものではなく、前・後 の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加 て実施することも可能であり、それらはい れも本発明の技術的範囲に含まれる。

 製造例1 2-ヒドロキシエチル 2-{4-[(4-クロ ロフェニル)カルボニル]フェノキシ}-2-メチル プロパノエート

 ディビスら,シンセシス,第1955~1958頁(2004年 )に記載の方法に従ってフェノフィブリン酸 合成し、さらに、米国特許公報4,146,728号に 載の方法に従って、フェノフィブリン酸か フェノフィブリルクロライドを合成した。

 エチレングリコール(46mg、0.741mmol)のピリジ 溶液(0.5mL)に、フェノフィブリルクロライド (50mg、0.148mmol)を0℃で加え、同温度で3時間撹 した。当該反応溶液を1N塩酸水溶液に注い 後、酢酸エチルを用いて抽出した。得られ 抽出液を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネ ウム上で乾燥し、減圧下濃縮した。得られ 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ( 出液:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製し、目 的化合物(33.4mg、0.092mmol、収率:62%)を得た。
FT-IR(neat):3392,2993,2922,2850,1738,1653,1599,1506,1396,128 6,1252,1144,1090,1014,930,854,764 cm -1
1 H-NMR(CDCl 3 ,400MHz):δ=7.80-7.67(m,4H),7.45(d,J = 8 Hz,2H),6.89(d,J = 8.8 Hz,2H),4.30(t,J = 4.4 Hz,2H),3.77(t,J = 4.8 H z,2H),1.70(s,6H)
13 C-NMR(CDCl 3 ,100MHz): δ= 193.9(C),173.7(C),159.3(C),138.2(C),136.0(C) ,131.9(CH x 2),131.0(CH x 2),130.3(C),128.4(CH x 2),11 7.0(CH x 2),79.3(C),66.9(CH 2 ),60.7(CH 2 ),25.4(CH 3 x 2)。

 製造例2-1 2-フェニル-1,3-ジオキサン-5-イ  2-{4-[(4-クロロフェニル)カルボニル]フェノ キシ}-2-メチルプロパノエート

 2-フェニル-1,3-ジオキサン-5-オール(20mg、0.11 1mmol)を無水塩化メチレン(1mL、アルコールフ ー)に溶解した。当該溶液へ、DMAP(27.1mg、0.222 mmol)とフェノフィブリルクロライド(56.2mg、0.1 67mmol)を順次加えた後、室温で1時間撹拌した 当該反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水 液に注いだ後、酢酸エチルで抽出した。得 れた抽出液を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナ リウム上で乾燥し、減圧下濃縮した。得ら た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ (溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製し 目的化合物(49.3mg、0.103mmol、収率:92%)を得た
FT-IR(neat):3392,2993,2922,2850,1738,1653,1599,1506,1396,128 6,1252,1144,1090,1014,930,854,764 cm -1
1 H-NMR(CDCl 3 ,400MHz):δ= 7.80-7.67(m,4H),7.45(d,J = 8 Hz,2H),6.89(d, J = 8.8 Hz,2H),4.30(t,J = 4.4 Hz,2H),3.77(t,J = 4.8 Hz,2H),1.70(s,6H)
13 C-NMR(CDCl 3 ,100MHz):δ= 193.9(C),173.7(C),159.3(C),138.2(C),136.0(C),1 31.9(CH x 2),131.0(CH x 2),130.3(C),128.4(CH x 2),117. 0(CH x 2),79.3(C),66.9(CH 2 ),60.7(CH 2 ),25.4(CH 3 x 2)。

 製造例2-2 2-ヒドロキシ-1-(ヒドロキシメ ル)エチル 2-{4-[(4-クロロフェニル)カルボニ ]フェノキシ}-2-メチルプロパノエート

 製造例2-1で得たジオキサン化合物(49.3mg、0.1 03mmol)を無水メタノール溶液(1mL)に溶解した。 当該溶液にAmberlyst15(5.0mg)を加え、室温で2日 撹拌した。当該反応溶液を濾過した後、減 下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロ トグラフィ(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=1/2) で精製し、目的化合物(36.1mg、0.092mmol、収率:9 0%)を得た。ただし、得られた目的化合物は、 アシル基がグリセリンの1位の水酸基に転位 たものも少量含んでいた。
FT-IR(neat):3390,2922,2850,1734,1647,1597,1286,1252,1146,930  cm -1
1 H-NMR(CDCl 3 ,400MHz):δ= 7.78-7.64(m,4H),7.44(d,J = 8.4 Hz,2H),6.91( d,J = 8.4 Hz,2H),5.00(quint,J = 4.8 Hz,1H),3.80-3.67(m ,4H),1.70(s,6H)
13 C-NMR(CDCl 3 ,100MHz):δ= 194.2(C),173.4(C),159.3(C),138.3(C),135.9(C),1 31.9(CH x 2),131.0(CH x 2),130.3(C),128.4(CH x 2),117. 0(CH x 2),79.5(CH),76.1(C),61.5(CH 2 x 2),25.4(CH 3  x 2)。

 製造例3-1 2-[2,2-ジメチル(1,3-ジオキサン-5 -イルオキシ)]-1-[(2,2-ジメチル(1,3-ジオキサン- 5-イルオキシ))メチル]エチル 2-{4-[(4-クロロ ェニル)カルボニル]フェノキシ}-2-メチルプ パノエート

 特許文献2に記載の方法で得たアルコール化 合物(50mg、0.156mmol)を、無水塩化メチレン(1mL アルコールフリー)に溶解した。当該溶液に DMAP(38.1mg、0.312mmol)とフェノフィブリルクロ イド(78.9mg、0.234mmol)を順次加えた後、室温 3時間撹拌した。当該反応溶液を5%硫酸銅水 液に注いだ後、酢酸エチルを用いて抽出し 。得られた抽出液を飽和食塩水で洗浄後、 酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下濃縮した 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ( 出液:ヘキサン/酢酸エチル=1/2)で精製し、目 的化合物(84.7mg、0.136mmol、収率:87%)を得た。
FT-IR(neat):2993,2941,2873,1739,1655,1599,1506,1485,1466,137 3,1284,1252,1146,1090,928,854,829,764 cm -1
1 H-NMR(CDCl 3 ,400MHz):δ= 7.77-7.68(m,4H),7.45(d,J = 8.4 Hz,2H),6.90( d,J = 8.8 Hz,2H),5.19(quint,J = 5.2 Hz,1H),3.95-3.83(m ,4H),3.70-3.58(m,8H),3.37-3.30(m,2H),1.68(s,6H),1.37(s,12H)
13 C-NMR(CDCl 3 ,100MHz):δ= 193.8(C),172.8(C),159.3(C),138.1(C),136.1(C),1 31.8(CH x 2),130.9(CH x 2),130.2(C),128.3(CH x 2),117. 2(CH x 2),98.0(C x 2),79.2(C),72.6(CH),70.8(CH x 2),67 .0(CH 2  x 2),62.2(CH 2  x 2),62.1(CH 2  x 2),25.3(CH 3 x 2),23.8(CH 3  x 2),23.1(CH 3  x 2)。

 製造例3-2 2-[2-ヒドロキシ-1-(ヒドロキシ チル)エトキシ]-1-{[2-ヒドロキシ-1-(ヒドロキ メチル)エトキシ]メチル}エチル 2-{4-[(4-ク ロフェニル)カルボニル]フェノキシ}-2-メチ プロパノエート

 製造例3-1で得たアセタール化合物(100.0mg、0. 161mmol)を、無水メタノール(0.5mL)と無水THF(0.5mL )の混合溶媒に溶解した。当該溶液にAmberlyst15 (7.0mg)を加え、室温で24時間撹拌した。当該反 応溶液を濾過した後、減圧下濃縮した。残渣 をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶出 :酢酸エチル/メタノール=10/1)で精製し、目的 化合物(73.8mg、0.136mmol、収率:87%)を得た。
FT-IR(neat):3365,2922,1734,1647,1597,1468,1286,1252,1146,108 9,929,854,764 cm -1
1 H-NMR(CDCl 3 ,400MHz):δ= 7.75-7.69(m,4H),7.45(d,J = 8.4 Hz,2H),6.89( d,J = 8.8 Hz,2H),5.20(quint,J = 4.8Hz,1H),3.83-3.51(m,1 2H),3.44-3.36(m,2H),1.69(s,6H)
13 C-NMR(CDCl 3 ,100MHz):δ= 194.4(C),173.1(C),159.2(C),138.4(C),135.8(C),1 31.7(CH x 2),131.0(CH x 2),130.3(C),128.4(CH x 2),117. 2(CH x 2),81.0(CH x 2),79.3(C),72.9(CH),67.7(CH 2 x 2),61.7(CH 2  x 2),61.6(CH 2  x 2),25.3(CH 3  x 2)。

 製造例4-1 1,3-ビス[2-(2-プロペニルオキシ) -1-(2-プロペニルオキシメチル)エトキシ]プロ ン-2-オール

[式中、Allylはアリル基(2-プロペニル基)を示 ]
 1,3-ジアリルオキシ-2-プロパノール(1000mg、5. 81mmol)、臭化テトラブチルアンモニウム(140.4mg 、0.44mmol)、および水酸化カリウム(124.6mg、1.89 mmol)の懸濁液を室温で撹拌しながら、エピク ロヒドリン(134.3mg、1.45mmol)を滴下した。当 反応混合物を、室温で20時間、80℃で24時間 拌した。次いで水を加え、当該懸濁液を酢 エチルで抽出した。得られた抽出液を無水 酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ( 出液:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製し、原 料化合物であるアルコール化合物(535.8mg、3.11 mmol、回収率:54%)を回収し、目的化合物(285.0mg 0.71mmol、原料であるアルコール化合物の転 率ベースの収率:53%)を得た。
FT-IR(neat):3456,3080,2866,1647,1458,1101,997,926 cm -1
1 H-NMR(CDCl 3 ,400MHz):δ= 5.97-5.83(m,4H),5.32-5.13(m,8H),4.07-3.90(m,9H ),3.78-3.45(m,14H)
13 C-NMR(CDCl 3 ,100MHz):δ= 134.3(CH x 4),116.9(CH 2 x 4),78.7(CH x 2),72.2(CH 2  x 4),71.9(CH 2  x 2),70.1,70.0(CH 2 x 4),69.7(CH)。

 製造例4-2 2-[2-(2-プロペニルオキシ)-1-(2- ロペニルオキシメチル)エトキシ]-1-{[2-(2-プ ペニルオキシ)-1-(2-プロペニルオキシメチル) エトキシ]メチル}エチル 2-(4-{2-[(4-クロロフ ニル)カルボニルアミノ]エチル}フェノキシ)- 2-メチルプロパノエート

 製造例4-1で得たアルコール化合物(100mg、0.25 mmol)を無水塩化メチレン(2mL、アルコールフリ ー)に溶解した。当該溶液へ、カルボン酸化 物(180.7mg、0.50mmol)、DMAP(15.3mg、0.12mmol)、およ EDC(95.7mg、0.50mmol)を順次加えた後、室温で4 間撹拌した。当該反応溶液を1N塩酸水溶液に 注いだ後、酢酸エチルで抽出した。得られた 抽出液を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と 飽和食塩水で順次洗浄後、硫酸マグネシウム 上で乾燥し、減圧下濃縮した。残渣を分取薄 層クロマトグラフィ(溶出液:ヘキサン/酢酸エ チル=1/1)で精製し、目的化合物(124.4mg、0.208mmo l、収率:83%)を得た。
FT-IR(neat):3327,3080,2985,2916,1734,1645,1597,1508,1487,138 5,928 cm -1
1 H-NMR(CDCl 3 ,400MHz):δ= 7.63(d,J = 8.4 Hz,2H),7.35(d,J = 8.4 Hz, 2H),7.06(d,J = 8 Hz,2H),6.84(d,J = 8 Hz,2H),6.48(t,J  = 4.8 Hz,1H),5.97-5.79(m,4H),5.34-5.09(m,8H),4.04-3.38(m,2 5H),2.83(t,J = 6.8 Hz,2H),1.58(s,6H)
13 C-NMR(CDCl 3 ,100MHz):δ= 173.5(C),166.2(C),153.9(C),137.3(C),134.4,134. 4(CH x 4),132.8(C),132.2(C),129.2(CH x 2),128.5(CH x 2 ),128.1(CH x 2),119.5(CH x 2),116.7,116.7(CH 2 x 4),78.9(CH x 2),78.4(C),73.0(CH),72.0,72.0(CH 2  x 4),69.9(CH 2 x 4),68.6(CH 2  x 2),41.1(CH 2 ),34.5(CH 2 ),25.2(CH 3 x 2)。

 製造例4-3 2-[2-ヒドロキシ-1-(ヒドロキシ チル)エトキシ]-1-{[2-ヒドロキシ-1-(ヒドロキ メチル)エトキシ]メチル}エチル 2-(4-{2-[(4- ロロフェニル)カルボニルアミノ]エチル}フ ノキシ)-2-メチルプロパノエート

 製造例4-2で得たアリルエーテル化合物(102mg 0.14mmol)を、メタノール(2mL)に溶解した。当 溶液は、Pd/C(29.2mg、0.03mmol)とAmberlyst15(3.3mg)を 順次加えた後、50℃で14時間撹拌した。当該 応溶液を濾過した後、減圧下濃縮した。残 を分取薄層クロマトグラフィ(溶出液:酢酸エ チル/メタノール=9/1)で精製し、目的化合物(5. 6mg、0.010mmol、収率:7%)を得た。
FT-IR(neat):3348,2925,1732,1641,1508,1487,1280,1234,1149,104 7,972 cm -1
1 H-NMR(CDCl 3 ,400MHz):δ= 7.65(d,J = 8.4 Hz,2H),7.37(d,J = 8.4 Hz, 2H),7.09(d,J = 8.4 Hz,2H),6.78(d,J = 8 Hz,2H),5.23(qui nt,J = 4.8 Hz,1H),3.86-3.35(m,16H),2.84(t,J = 6.4 Hz,2 H),1.62(s,6H)
13 C-NMR(CDCl 3 ,100MHz):δ= 173.9(C),166.6(C),153.5(C),137.3(C),132.6(C),1 32.6(C),129.4(CH x 2),128.5(CH x 2),128.3(CH x 2),118. 4(CH x 2),80.9(CH x 2),78.7(C),72.6(CH),67.7(CH 2 x 2),61.6(CH 2  x 4),41.4(CH 2 ),34.5(CH 2 ),25.2(CH 3 x 2)。

 製造例5-1 2-[2-(2-プロペニルオキシ)-1-(2- ロペニルオキシメチル)エトキシ]-1-{[2-(2-プ ペニルオキシ)-1-(2-プロペニルオキシメチル) エトキシ]メチル}エチル 2-(4-クロロフェノキ シ)-2-メチルプロパノエート

 製造例4-1で得たアルコール化合物(100mg、0.25 mmol)を無水塩化メチレン(2mL、アルコールフリ ー)に溶解した。当該溶液へ、カルボン酸化 物(107.2mg、0.50mmol)、DMAP(15.3mg、0.12mmol)、およ DCC(103.0mg、0.50mmol)を順次加えた後、室温で8 間撹拌した。当該反応溶液を1N塩酸水溶液 注いだ後、酢酸エチルで抽出した。得られ 抽出液を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 飽和食塩水で順次洗浄後、硫酸マグネシウ 上で乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残 を取薄層クロマトグラフィ(溶出液:ヘキサン /酢酸エチル=1/1)で精製することによって、目 的化合物(124.5mg、0.208mmol、収率:83%)を得た。
FT-IR(neat):3080,2987,2933,1738,1647,1593,1489,1385,1282,124 0,1009,928 cm -1
1 H-NMR(CDCl 3 ,400MHz):δ= 7.18(d,J = 8.8 Hz,2H),6.83(d,J = 8.8 Hz, 2H),5.93-5.81(m,4H),5.30-5.12(m,8H),4.01-3.38(m,23H),1.57(m, 6H)
13 C-NMR(CDCl 3 ,100MHz):δ= 173.2(C),153.9(C),134.5,134.5(CH x 4),128.8( CH x 2),126.9(C),120.6(CH x 2),116.7(CH 2  x 4),79.3(C),78.4(CH x 2),73.2(CH),72.1,72.1(CH 2  x 4),70.0,70.0(CH 2  x 4),67.7(CH 2 x 2),25.1(CH 3  x 2)。

 製造例5-2 2-[2-ヒドロキシ-1-(ヒドロキシ チル)エトキシ]-1-{[2-ヒドロキシ-1-(ヒドロキ メチル)エトキシ]メチル}エチル 2-(4-クロロ フェノキシ)-2-メチルプロパノエート

 製造例5-1で得たアリルエーテル化合物(124.5m g、0.21mmol)を、メタノール(1mL)に溶解した。当 該溶液へ、Pd/C(44.4mg、0.04mmol)とAmberlyst15(5.0mg) 順次加えた後、50℃で10時間撹拌した。当該 反応溶液を濾過した後、減圧下濃縮した。得 られた残渣を分取薄層クロマトグラフィ(溶 液:酢酸エチル/メタノール=9/1)で精製するこ によって、目的化合物(3.7mg、0.008mmol、収率: 4%)を得た。
FT-IR(neat):3381,2924,1734,1592,1489,1387,1282,1238,1146,971 ,829 cm -1
1 H-NMR(CDCl 3 ,400MHz):δ= 7.21(d,J = 8.8 Hz,2H),6.81(d,J = 8.8 Hz, 2H),5.20(quint,J = 4.8 Hz,1H),3.89-3.43(m,14H),1.59(s,6H)
13 C-NMR(CDCl 3 ,100MHz):δ= 173.5(C),153.5(C),129.0(CH x 2),127.3(C),120 .5(CH x 2),80.9(CH x 2),79.5(C),72.7(CH),67.7(CH 2  x 2),61.8,61.7(CH 2  x 4),25.2(CH 3  x 2)。

 製造例6-1 2-[2,2-ジメチル(1,3-ジオキサン-5- ルオキシ)]-1-{[2,2-ジメチル(1,3-ジオキサン-5- ルオキシ)]メチル}エチル 2-(4-{2-[(4-クロロ ェニル)カルボニルアミノ]エチル}フェノキ )-2-メチルプロパノエート( 16 )

 特許文献2に記載の方法で得たアルコール化 合物 8 (100mg,0.31mmol)の無水塩化メチレン溶液 (2mL,ア コールフリー)に、カルボン酸化合物 14 (225.9mg,0.62mmol)、DMAP(38.2mg,0.31mmol)、およびEDC(11 9.7mg,0.62mmol)を順次加えた後、室温で1.5時間撹 拌した。反応溶液を0.1N塩酸水溶液に注いだ 、酢酸エチルを用いて抽出した。抽出液を 和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水 順次洗浄後、硫酸ナトリウム上で乾燥し、 圧下濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグ フィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で精製し、 的化合物 16 (203.9mg,0.307mmol,収率:98%)を得た。
FT-IR (neat): 2991, 2941, 2873, 1736, 1643, 1373, 12 81, 1250, 914 cm -1
1 H-NMR (CDCl 3 , 400MHz): d = 7.66 (d, J = 8 Hz, 2H), 7.35 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.06 (d, J = 8 Hz, 2H), 6.88-6 .73 (m, 3H), 5.16 (quint, J = 4.8 Hz, 1H), 3.95-3. 53 (m, 14H), 3.37-3.29 (m, 2H), 2.91-2.80 (m, 2H),  1.59 (s, 6H), 1.41-1.32 (m, 12H)
13 C-NMR (CDCl 3 , 100MHz): d = 173.3 (C), 166.1 (C), 153.6, (C), 1 37.0 (C), 132.7 (C), 132.2 (C), 129.1 (CH x 2), 12 8.3 (CH x 2), 128.1 (CH x 2), 118.6 (CH x 2), 97 .8 (C x 2), 78.5 (C), 72.2 (CH), 70.5 (CH x 2),  66.8 (CH 2  x 2), 62.0 (CH 2  x 4), 41.2 (CH 2 ), 34.3 (CH 2 ), 25.0 (CH 3  x 2), 23.8 (CH 3  x 2), 22.8 (CH 3  x 2)。

 製造例6-2 2-[2-ヒドロキシ-1-(ヒドロキシメ ル)エトキシ]-1-{[2-ヒドロキシ-1-(ヒドロキシ チル)エトキシ]メチル}エチル 2-(4-{2-[(4-ク ロフェニル)カルボニルアミノ]エチル}フェ キシ)-2-メチルプロパノエート( 17 )

 製造例6-1で得たケタール化合物 16 (203.9mg,0.307mmol)の無水メタノール(2mL)溶液にAmb erlyst15(13.2mg)を加え、室温で3日間撹拌した。 応溶液を濾過した後、減圧下濃縮し、シリ ゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル :メタノール=85:15)で精製し、目的化合物 17 (135.4mg,0.232mmol,収率:76%)を得た。

 製造例7-1 2-[2,2-ジメチル(1,3-ジオキサン-5- ルオキシ)]-1-{[2,2-ジメチル(1,3-ジオキサン-5- ルオキシ)]メチル}エチル 2-(4-クロロフェノ キシ)-2-メチルプロパノエート( 20 )

 特許文献2に記載の方法で得たアルコール化 合物 8 (100mg,0.31mmol)の無水塩化メチレン溶液(2mL,アル コールフリー)に、カルボン酸化合物 18  (134.0mg,0.62mmol)、DMAP(38.2mg,0.31mmol)、およびEDC( 119.7mg,0.62mmol)を順次加えた後、室温で2時間撹 拌した。反応溶液を0.1N塩酸水溶液に注いだ 、酢酸エチルを用いて抽出した。抽出液を 和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水 順次洗浄後、硫酸ナトリウム上で乾燥し、 圧下濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグ フィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、 的化合物 20 (140.8mg,0.27mmol,収率:87%)を得た。
FT-IR (neat): 2991, 2941, 2873, 1738, 1489, 1373, 12 47, 1200, 1149, 1092, 829 cm -1
1 H-NMR (CDCl 3 , 400MHz): d = 7.20 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.82 (d , J = 8.8 Hz, 2H), 5.16 (quint, J = 4.8 Hz, 1H),  3.95-3.85 (m, 4H), 3.70-3.59 (m, 8H), 3.39-3.32 (m,  2H), 1.59 (s, 6H), 1.44-1.36 (m, 12H)
13 C-NMR (CDCl 3 , 100MHz): d = 173.1 (C), 153.7 (C), 128.8 (CH x  2), 126.9 (C), 120.2 (CH x 2), 98.0 (C x 2), 79.2  (C), 72.5 (CH), 70.8 (CH x 2), 66.9 (CH 2  x 2), 62.2, 62.0 (CH 2 x 4), 25.2 (CH 3  x 2), 23.8, 23.0 (CH 3  x 4)。

 製造例7-2 2-[2-ヒドロキシ-1-(ヒドロキシメ ル)エトキシ]-1-{[2-ヒドロキシ-1-(ヒドロキシ チル)エトキシ]メチル}エチル 2-(4-クロロフ ェノキシ)-2-メチルプロパノエート( 21 )

 製造例7-1で得たケタール化合物 20 (140.8mg,0.272mmol)の無水メタノール(2mL)溶液にAmb erlyst15(11.5mg)を加え、室温で29時間撹拌した。 反応溶液を濾過した後、減圧下濃縮し、シリ カゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチ :メタノール=9:1)で精製し、目的化合物 21 (105.8mg,0.242 mmol,収率:89%)を得た。

 製造例8-1 2-[2-アセチルオキシ-1-(アセチル キシメチル)エトキシ]-1-{[2-アセチルオキシ-1 -(アセチルオキシメチル)エトキシ]メチル}エ ルアセテート( 2 )

 製造例4-1で得たアルコール化合物 1 (100mg,0.25mmol)の無水酢酸溶液(0.5mL)にBF 3 ・OEt 2 (0.012mL,0.10mmol)を加え、室温で20時間撹拌した 反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 注いだ後、酢酸エチルを用いて抽出した。 出液を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシ ム上で乾燥し、減圧下濃縮し、シリカゲル ラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エ ル=1:1)で精製し、目的化合物 2  (94.4mg,0.21mmol,収率:84%)を得た。
FT-IR (neat): 2956, 1741, 1438, 1371, 1232, 1049 cm -1
1 H-NMR (CDCl 3 , 400MHz): d = 5.04 (quint, J = 4.8Hz, 1H), 4.25-4 .04 (m, 8H), 3.82-3.67 (m, 6H), 2.08 (s, 15H)
13 C-NMR (CDCl 3 , 100MHz): d = 170.2 (C x 4), 169.9 (C), 75.8 (CH  x 2), 71.4 (CH), 68.3 (CH 2  x 2), 62.8, 62.8 (CH 2  x 4), 20.8 (CH 3 ), 20.6 (CH 3  x 4)
ESI-HRMS: m/z ([M+Na] + ) Calcd for C 19 H 30 O 12 Na: 473.1635, Found: 473.1636。

 製造例8-2 2-{2-ヒドロキシ-3-[2-ヒドロキシ-1- (ヒドロキシメチル)エトキシ]プロポキシ}-1,3- ジオール( 3 )

 製造例8-2で得たペンタアセチル化合物 2 (94.4mg,0.21mmol)のメタノール溶液(0.5 mL)にナト ウムメトキシド(1.1mg,0.02mmol)を加え、室温で 24時間撹拌した。反応溶液にAmberlyst15(20mg)を えた後ろ過し、減圧下濃縮し、目的化合物 3 (50mg,定量的)を得た。
1 H-NMR (CD 3 OD, 400MHz): d = 3.91 (quint, J = 4.8Hz, 1H), 3.73 -3.53 (m, 12H), 3.46-3.39 (m, 2H)
13 C-NMR (CD 3 OD, 100MHz): d = 82.6 (CH x 2), 72.5 (CH 2  x 2), 70.8 (CH), 62.3, 62.2 (CH 2 x 4)
ESI-HRMS: m/z ([M+Na] + ) Calcd for C 9 H 20 O 7 Na: 263.1107, Found: 263.1104。

 試験例1 経口投与後における活性代謝物の 中濃度
 製造例3-2で製造したポリアルコール化合物( 分子量:540.18)を、カルボキシメチルセルロー ナトリウムの1.5質量%水溶液に溶解し、濃度 150mg/mLの溶液を調製した。また、比較のため 、フェノフィブラート(分子量:360.11)の溶液 同様に調製した。但し、両溶液中における ェノフィブラートのモル数を等しくするた に、フェノフィブラート溶液の濃度は100mg/m Lとした。さらに、内部標準溶液として、フ ルビプロフェンの15μg/mL DMSO溶液を調製した 。

 7週齢のSD系雄性ラット10匹を5匹ずつの2群 に分け、それぞれ上記ポリアルコール化合物 溶液とフェノフィブラート溶液を1mL/kgの割合 で経口投与し、1,2,3,4,6,8,12,24,48,および72時間 に、尾静脈より全血を100μL採取した。この 、餌は自由に摂取させた。採取した全血に パリンを添加した後に、1500×gで5分間遠心 離し、血漿を得た。

 得られた血漿(30μL)に蒸留水(970μL)を加え さらに上記内部標準溶液(10μL)を添加した。 当該混合液に1M塩酸(1mL)とジエチルエーテル(5 mL)を加え、TAITEC社製の振盪器を用いて250rpmで 15分間攪拌した。次いで、1200×g、4℃の条件 15分間遠心分離し、有機層を回収した。さら に、水層に再度ジエチルエーテル(5mL)を加え 同様の処理を行って有機相を回収した。得 れた有機相を、ヒートブロックで40℃に加 しつつ、窒素気流下でエーテルを揮発させ 。得られた残渣にHPLCの移動相溶媒(アセトニ トリル:0.02Mクエン酸緩衝液=40:60、クエン酸緩 衝液のpH:3.7、100μL)を添加して残留物を溶解 た後、メンブランフィルタ(Millipore製、millex- LG、0.2μm)で濾過し、HPLC装置へ60μL注入した。 HPLCカラムは、資生堂製のCAPCELL PAK C18 SG120  (4.6×150mm)を用いた。結果を図1に示す。なお 図1の縦軸である「FA/IS」は、内部標準であ フルルビプロフェンのピーク面積:ISに対す 、活性代謝物、即ちフェノフィブラートの 水分解物であるフェノフィブリック酸のピ ク面積:FAの比を示す。また、「#」はp<0.05 、「##」はp<0.01で、「$」はp<0.001で、そ れぞれフェノフィブラート溶液に対して有意 差があることを示す。

 図1の通り、本発明のポリアルコール化合 物を経口投与した場合における、活性代謝物 であるフェノフィブリック酸の血中濃度は、 フェノフィブラートを経口投与した場合に対 して有意に高い。また、曲線下面積を比較し たところ、本発明のポリアルコール化合物を 投与した場合の面積は、フェノフィブラート 溶液に比べて3.75倍であった。かかる結果は フェノフィブラートを本発明に係るポリア コール部分で修飾したことにより、腸管吸 性が向上したことによると考えられる。こ ことは、一般的に水溶性が向上すると腸管 収性は低下することを考慮すれば、予想外 結果であった。

 以上の結果より、本発明のポリアルコー 化合物は、従来の抗高脂血症薬より少ない 与量で、優れた薬理作用を安全に発揮する とが期待できる。

 試験例2 安全性試験
 製造例3-2で製造したポリアルコール化合物 ポリアルコール部分(1,3-ジ(1,3-ジヒドロキシ イソプロポキシ)-2-プロパノール)を、カルボ シメチルセルロースナトリウムの1.5質量%水 溶液に溶解し、濃度:58mg/mLの溶液とした。10 齢のSD系雄性ラットを5匹ずつ2群に分け、当 溶液と、コントロールとしてカルボキシメ ルセルロースナトリウム水溶液を、1mL/kgの 合で7日間にわたり1日1回経口投与した。体 の変化を図2に示す。

 図2の通り、本発明に係るポリアルコール 部分を投与しても、ラットの体重は、コント ロール群とほとんどかわりなかった。従って 、本発明に係るポリアルコール部分は、体重 を減少させる程の強烈な毒性は無いと結論付 けられた。