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Patent Searching and Data


Title:
PULSER PLATE MOUNTING STRUCTURE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/093656
Kind Code:
A1
Abstract:
A pulser plate mounting structure in which a key groove (14) is formed in a mounting surface (10) of a rotation wall section (9) having a crank arm (3) and a counter weight (4), a key section (16) engaging with the key groove (14) is formed on a pulser plate (P) superposed on the mounting surface (10), and the pulser plate (P) is secured to the rotation wall section (9) by a securing member (18). The key section (16) is constructed from an arcuate band-like section (16a) arcuately projecting from the pulser plate (P) toward one end face of the pulser plate and engaging with the key groove (14), and from a pair of connection sections (16b) for integrally connecting both ends of the arcuate band-like section (16a) to the pulser plate (P). The pulser plate mounting structure enables highly accurately positioning of the pulser plate on a crankshaft and provides excellent productivity of the pulser plate.

Inventors:
KOBAYASHI TERUO (JP)
HAMAKAWA TAKERU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/051252
Publication Date:
August 07, 2008
Filing Date:
January 29, 2008
Export Citation:
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Assignee:
HONDA MOTOR CO LTD (JP)
KOBAYASHI TERUO (JP)
HAMAKAWA TAKERU (JP)
International Classes:
F02D35/00; F16C3/12; F16D1/08
Foreign References:
JPH10331681A1998-12-15
JPS6121407A1986-01-30
JPH0953687A1997-02-25
JPH0626104Y21994-07-20
JP2006153107A2006-06-15
JP2006153686A2006-06-15
Attorney, Agent or Firm:
OCHIAI, Takeshi et al. (6-3 Taito 2-chome, Taito-k, Tokyo 16, JP)
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Claims:
 内燃機関用クランク軸(C)の,クランクアーム(3)及びカウンタウエイト(4)よりなる回転壁部(9)の端面(10)にキー溝(14)を形成する一方,前記端面(10)に重ねられるパルサープレート(P)に,前記キー溝(14)に係合するキー部(16)を形成し,このパルサープレート(P)を前記回転壁部(9)に固着部材(18)により固着してなる,パルサープレートの取り付け構造において,
 前記キー部(16)を,前記パルサープレート(P)から,その一端面側に弓なりに突出して前記キー溝(14)に係合する弓なり帯状部(16a)と,この弓なり帯状部(16a)の両端を前記パルサープレート(P)に一体に連結する一対の連結部(16b)とで構成したことを特徴とする,パルサープレートの取り付け構造。
 請求項1記載のパルサープレートの取り付け構造において,
 互いに係合する前記キー溝(14)及び前記弓なり帯状部(16a)を,それらの長手方向が前記パルサープレート(P)の半径線に沿うように配置したことを特徴とする,パルサープレートの取り付け構造。
 請求項1記載のパルサープレートの取り付け構造において,
 前記キー溝(14)を前記カウンタウエイト(4)の端面(10)に形成したことを特徴とする,パルサープレートの取り付け構造。
 請求項1記載のパルサープレートの取り付け構造において,
 前記パルサープレート(P)には,前記弓なり帯状部(16a)の両側面がそれぞれ臨む長孔(19)を穿設したことを特徴とする,パルサープレートの取り付け構造。
 請求項1記載のパルサープレートの取り付け構造において,
 前記固着部材(18)による前記パルサープレート(P)の前記回転壁部(9)に対する固着部(12,15)を,該パルサープレート(P)の周方向に並ぶ複数箇所とすると共に,少なくとも一個所の固着部(12,15)と,この一個所の固着部(12,15)の両側に隣接する他の個所の固着部(12,15)との各周方向間隔(S1,S2)を相互に相違させたことを特徴とする,パルサープレートの取り付け構造。
 請求項1記載のパルサープレートの取り付け構造において,
 前記回転壁部(9)の端面(10)に,その周方向に並ぶ複数の凹部(12)を形成する一方,前記パルサープレート(P)に,前記複数の凹部(12)に収容される複数の有底筒状のボス(15)を形成し,これらボス(15)を前記パルサープレート(P)に固着部材(18)により固着し,前記ボス(15)の筒状部(15a)を,短径(D1)を前記パルサープレート(P)の周方向(A)に向けると共に長径(D2)を前記パルサープレート(P)の半径方向(B)に向ける異形円筒状に形成したことを特徴とする,パルサープレートの取り付け構造。
 請求項6記載のパルサープレートの取り付け構造において,
 前記ボス(15)の筒状部(15a)を楕円筒状に形成したことを特徴とする,パルサープレートの取り付け構造。
 請求項6記載のパルサープレートの取り付け構造において,
 前記ボス(15)の筒状部(15a)両端に連なる曲がり部の曲率を,長径(D2)側より短径(D1)側で小さく設定したことを特徴とする,パルサープレートの取り付け構造。
 請求項1記載のパルサープレートの取り付け構造において,
 前記パルサープレート(P)に,その一端面側に突出して周方向に延びるリブ(25)を形成したことを特徴とする,パルサープレートの取り付け構造。
 請求項9記載のパルサープレートの取り付け構造において,
 前記リブ(25)を,前記パルサープレート(P)の,前記回転壁部(9)側端面に突出させると共に,このリブ(25)を収容するリブ収容溝(26)を該回転壁部(9)に形成したことを特徴とする,パルサープレートの取り付け構造。
 請求項9記載のパルサープレートの取り付け構造において,
 前記リブ(25)を前記パルサープレート(P)の全周に亙るよう環状に形成したことを特徴とする,パルサープレートの取り付け構造。
 請求項9記載のパルサープレートの取り付け構造において,
 前記回転壁部(9)の端面(10)に,その周方向に並ぶ複数の凹部(12)を形成する一方,前記パルサープレートには,前記複数の凹部(12)に収容されて前記固着部材(18)により前記パルサープレート(P)に固着される複数の有底筒状のボス(15)を形成すると共に,これらボス(15)の相互間を,前記パルサープレート(P)の,前記回転壁部(9)側端面に突出した前記環状のリブ(25)を介して連結し,この環状のリブ(25)を収容するリブ収容溝(26)を前記回転壁部(9)の端面(10)に形成したことを特徴とする,パルサープレートの取り付け構造。
 請求項9記載のパルサープレートの取り付け構造において,
 前記リブ(25)の高さ(H1)を,前記ボス(15)の高さ(H2)より小さく設定する一方,前記リブ収容溝(26)の深さ(h1)を,前記ボス(15)を収容する前記凹部(12)の深さ(h2)より小さく設定したことを特徴とする,パルサープレートの取り付け構造。
 請求項9に記載のパルサープレートの取り付け構造において,
 前記パルサープレート(P)の,前記クランクアーム(3)側半部に透孔(27)を穿設したことを特徴とする,パルサープレートの取り付け構造。
Description:
パルサープレートの取り付け構

 本発明は,内燃機関用クランク軸の,クラ クアーム及びカウンタウエイトよりなる回 壁部の端面にキー溝を形成する一方,前記端 に重ねられるパルサープレートに,前記キー 溝に係合するキー部を形成し,このパルサー レートを前記回転壁部に固着部材により固 してなる,パルサープレートの取り付け構造 改良に関する。

 かゝるパルサープレートの取り付け構造は, 特許文献1に開示されるように,既に知られて る。

日本特開平10-331681号公報

 従来のかゝるパルサープレートの取り付 構造では,キー部を,パルサープレートから, の一端面側に切り起こしたL字状の折曲部で 構成しており,こうしたキー部は,片持ち式で ルサープレートに支持されることになるた ,剛性が低く,クランク軸に対するパルサー レートの位置決め精度を高めることが困難 あり,しかもキー部の,パルサープレートから 切り離された鋭利な先端には,面取り等の仕 げ加工を要するので,加工工数が多く,生産性 も良好とは言えない。

 本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたも ので,クランク軸に対するパルサープレート 位置決め精度が高く,しかもパルサープレー の生産性が良好な,前記パルサープレートの 取り付け構造を提供することを目的とする。

 上記目的を達成するために,本発明は,内 機関用クランク軸の,クランクアーム及びカ ンタウエイトよりなる回転壁部の端面にキ 溝を形成する一方,前記端面に重ねられるパ ルサープレートに,前記キー溝に係合するキ 部を形成し,このパルサープレートを前記回 壁部に固着部材により固着してなる,パルサ ープレートの取り付け構造において,前記キ 部を,前記パルサープレートから,その一端面 側に弓なりに突出して前記キー溝に係合する 弓なり帯状部と,この弓なり帯状部の両端を ルサープレートに一体に連結する一対の連 部とで構成したことを第1の特徴とする。

 尚,前記回転壁部の端面は,後述する本発 の実施例中の取り付け面10に対応し,また固 部材はボルト18に,固着部は凹部12及びボス15 それぞれ対応する。

 また本発明は,第1の特徴に加えて,前記弓 り帯状部を,その長手方向が前記パルサープ レートの半径線に沿うように配置したことを 第2の特徴とする。

 さらに本発明は,第1の特徴に加えて,互い 係合する前記キー溝及び前記弓なり帯状部 ,それらの長手方向が前記パルサープレート の半径線に沿うように配置したことを第3の 徴とする。

 さらにまた本発明は,第1の特徴に加えて, 記パルサープレートには,前記弓なり帯状部 の両側面がそれぞれ臨む長孔を穿設したこと を第4の特徴とする。

 さらにまた本発明は,第1の特徴に加えて, 記固着部材による前記パルサープレートの 記回転壁部に対する固着部を,該パルサープ レートの周方向に並ぶ複数箇所とすると共に ,少なくとも一個所の固着部と,この一個所の 着部の両側に隣接する他の個所の固着部と 各周方向間隔を相互に相違させたことを第5 の特徴とする。

 さらにまた本発明は,第1の特徴に加えて, 記回転壁部の端面に,その周方向に並ぶ複数 の凹部を形成する一方,前記パルサープレー に,前記複数の凹部に収容される複数の有底 状のボスを形成し,これらボスをパルサープ レートに固着部材により固着し,前記ボスの 状部を,短径をパルサープレートの周方向に けると共に長径をパルサープレートの半径 向に向ける異形円筒状に形成したことを第6 の特徴とする。

 さらにまた本発明は,第6の特徴に加えて, 記ボスの筒状部を楕円筒状に形成したこと 第7の特徴とする。

 さらにまた本発明は,第6の特徴に加えて, 記ボスの筒状部両端に連なる曲がり部の曲 を,長径側より短径側で小さく設定したこと を第8の特徴とする。

 さらにまた本発明は,第1の特徴に加えて, 記パルサープレートに,その一端面側に突出 して周方向に延びるリブを形成したことを第 9の特徴とする。

 さらにまた本発明は,第9の特徴に加えて, 記リブを,パルサープレートの,前記回転壁 側端面に突出させると共に,このリブを収容 るリブ収容溝を該回転壁部に形成したこと 第10の特徴とする。

 さらにまた本発明は,9の特徴に加えて,前 リブをパルサープレートの全周に亙るよう 状に形成したことを第11の特徴とする。

 さらにまた本発明は,第9の特徴に加えて, 記回転壁部の端面に,その周方向に並ぶ複数 の凹部を形成する一方,パルサープレートに ,前記複数の凹部に収容されて前記固着部材 よりパルサープレートに固着される複数の 底筒状のボスを形成すると共に,これらボス の相互間を,パルサープレートの,前記回転壁 側端面に突出した前記環状のリブを介して 結し,この環状のリブを収容するリブ収容溝 を前記回転壁部の端面に形成したことを第12 特徴とする。

 さらにまた本発明は,第9の特徴に加えて, 記リブの高さを,前記ボスの高さより小さく 設定する一方,前記リブ収容溝の深さを,前記 スを収容する前記凹部の深さより小さく設 したことを第13の特徴とする。

 さらにまた本発明は,第9の特徴の何れか 加えて,パルサープレートの,前記クランクア ーム側半部に透孔を穿設したことを第14の特 とする。

 本発明の第1の特徴によれば,キー部を,パ サープレートから,その一端面側に弓なりに 突出してキー溝に係合する弓なり帯状部と, の弓なり帯状部の両端をこのパルサープレ トに一体に連結する一対の連結部とで構成 たので,キー部は,両持ち式でパルサープレー トに支持されることになって,高い剛性を有 ,したがってキー溝と協働して,パルサープレ ートのクランク軸に対する位置決め精度を高 めることができる。しかも両持ちのキー部に は,鋭利な先端部が存在しないので,プレス加 後,面取り等の仕上げ加工は不要であり,パ サープレートの生産性を高めることができ 。

 本発明の第2の特徴によれば,キー溝及び なり帯状部の,パルサープレートの半径方向 延びる両側面が互いに広い範囲で当接する とになり,クランク軸に対するパルサープレ ートの所定の周方向位置を,より正確に保持 ることができる。

 本発明の第3の特徴によれば,カウンタウ イトには,パルサープレートと重なる広い端 が存在するので,該端面に肉盛りすることな くキー溝を容易に形成することができる。し たがって設計の自由度が高く,生産性が良好 あると共に,クランク軸の肉盛りによる重量 サンスの崩れを防ぐことができる。

 本発明の第4の特徴によれば,キー部の弓 り帯部のプレス成形を,パルサープレート本 に抵抗されることなく容易に行うことがで る。

 本発明の第5の特徴によれば,クランク軸 回転壁部に対するパルサープレートの取り け位置が一箇所に限定されることになり,誤 立を防ぐことができ,したがって誤組立によ るキー部の損傷を防ぐことができる。

 本発明の第6の特徴によれば,パルサープ ートのボスの筒状部は,短径をパルサープレ トの周方向に向けると共に長径をパルサー レートの半径方向に向ける異形円筒状に形 されるので,エンジンの運転中,パルサープ ートの隣接するボス間の板状部で振動が発 すると,その振動は,長径の範囲で異形円筒状 部の周縁部に伝達されることになり,したが てその振動に起因する応力を長径の範囲で 形円筒状部の周縁部に広く分散させること なり,各ボスの周りの耐久性を図ることがで る。

 本発明の第7の特徴によれば,パルサープ ートのボスの楕円筒状部の曲率の変化は極 て滑らかであるから,応力の分散も理想的で, 各ボス周りの耐久性を効果的に高めることが できる。

 本発明の第8の特徴によれば,パルサープ ートのボスの筒状部両端に連なる曲がり部 曲率を,長径側より短径側で小さく設定した とで,パルサープレートの隣接するボス間の 板状部での振動時,特にボスの短径側,即ちパ サープレート周方向側の周縁部に発生する 中応力を,より広く分散することができ,各 ス周りの耐久性を一層高めることができる

 本発明の第9の特徴によれば,パルサープ ートに,その一端面側に突出して周方向に延 るリブを形成したので,このリブによりパル サープレートの剛性を強化することができ, ルサープレートの振動を効果的に抑制する とができる。しかも,パルサープレートの肉 を特別に増やさずに済むので,クランク軸系 の軽量化に寄与し,またパルサープレートの 転壁部に対する固着に当たっては,その固着 所を特別に多くする必要もないから,設計の 自由度が高い。

 本発明の第10の特徴によれば,前記リブを, パルサープレートの,回転壁部側端面に突出 せると共に,このリブを収容するリブ収容溝 該回転壁部に形成したので,前記リブがパル サープレートの外端面からの突出物とはなら ず,したがってパルサープレートの,クランク ース内壁への近接配置を可能にする。

 本発明の第11の特徴によれば,前記リブを ルサープレートの全周に亙るよう環状に形 したので,パルサープレートの剛性をその全 周に亙り万遍なく強化することができ,パル ープレートの振動を効果的に抑制すること できる。

 本発明の第12の特徴によれば,前記リブは 状に形成されると共に,高剛性の複数のボス 間を連結することになるから,環状のリブと 数のボスとの協働により,パルサープレート 剛性を一層効果的に強化することができ,し たがってパルサープレートの振動を一層効果 的に抑制することができる。

 本発明の第13の特徴によれば,前記リブの さを,前記ボスの高さより小さく設定したの で,リブ及びボス間の連結部の剛性を高め,パ サープレートの剛性強化を,より図ることが できる。同時に,リブ収容溝の深さをボス収 用の凹部より小さく設定したので,回転壁部 取り付け面に,リブ収容溝及び凹部を互いに 干渉することなく容易に切削加工することが でき,加工性が良好である。

 本発明の第14の特徴によれば,パルサープ ートの,クランクアーム側半部に透孔を穿設 したので,これら透孔によりパルサープレー のクランクアーム側の半部の軽量化を図る とができ,したがってその分,カウンタウエイ トから減肉して,クランク軸系の軽量化を図 ことができる。

 本発明の上記,その他の目的,特徴及び利 は,添付の図面に沿って以下に詳述する好適 実施例の説明から明らかとなろう。

図1は本発明の第1実施例に係るパルサ プレートの取り付け構造を備える,内燃機関 クランク軸の要部縦断側面図である。(第1 施例) 図2は図1の2矢視図である。(第1実施例) 図3は図2の図3-3線拡大断面図である。( 1実施例) 図4は本発明の第2実施例に係るパルサ プレートの取り付け構造を備える,内燃機関 クランク軸の要部縦断側面図である。(第2 施例) 図5は図4の5矢視図である。(第2実施例) 図6は図5の図6-6線拡大断面図である。( 2実施例) 図7は図5の図7-7線拡大断面図である。( 2実施例) 図8は本発明の第3実施例を示す,図5の要 部に対応する拡大図である。(第3実施例), 図9は本発明の第4実施例を示す,図3との 対応図である。(第4実施例) 図10は本発明の第5実施例に係るパルサ ープレートの取り付け構造を備える,内燃機 用クランク軸の要部縦断側面図である。(第5 実施例) 図11は図10の11矢視図である。(第5実施 ) 図12は図11の図12-12線拡大断面図である 。(第5実施例) 図13は図11の図13-13線拡大断面図である 。(第5実施例) 図14は図11の図14-14線拡大断面図である 。(第5実施例) 図15は図11の図15-15線拡大断面図である 。(第5実施例) 図16は本発明の第6実施例を示す,図11と の対応図である。(第6実施例) 図17は図16の17-17線断面図である。(第6 施例)

符号の説明

A・・・・・パルサープレートの周方向
B・・・・・パルサープレートの半径方向
C・・・・・クランク軸
D1・・・・・短径
D2・・・・・長径
H1・・・・・リブの高さ
H2・・・・・ボスの高さ
h1・・・・・リブ収容溝の深さ
h2・・・・・凹部の深さ
P・・・・・パルサープレート
S1,S2・・・・・固着部相互の周方向間隔
3・・・・・クランクアーム
4・・・・・カウンタウエイト
9・・・・・回転壁部
10・・・・・端面
12,15・・・・・固着部(凹部,ボス)
14・・・・・キー溝
15a・・・・・筒状部
16・・・・・キー部
16a・・・・・弓なり帯状部
16b・・・・・連結部
18・・・・・固着部材(ボルト)
19・・・・・長孔
25・・・・・リブ
26・・・・・リブ収容溝
27・・・・・透孔

 以下,添付図面に基づき本発明の好適な実 施例について説明する。

 先ず,図1~図3に示す本発明の第1実施例の 明より始める。図1及び図2において,クラン 軸Cは多気筒内燃機関用であって,クランクケ ースの複数のメインベアリングにより支承さ れる複数のジャーナル1,複数のコンロッドの 端部が連接される複数のクランクピン2,並 に互いに隣接するジャーナル1及びクランク ン2間を一体に連結する複数のクランクアー ム3を備えており,各クランクアーム3には,ジ ーナル1の中心軸線を挟んでクランクアーム3 と反対方向に延びるカウンタウエイト4が一 に連設される。またクランク軸Cの一端には, クランクプーリやフライホイール等の被動部 材がボルト結合されるフランジ5が形成され 。

 図2に示すように,クランクアーム3は周方 に沿って幅狭に,またカウンタウエイト4は 方向に沿って幅広にそれぞれ形成され,これ クランクアーム3及びカウンタウエイト4に り回転壁部9が構成される。そしてフランジ5 側の最外側の回転壁部9に磁性金属板をプレ 成形してなるパルサープレートPが取り付け れる。このパルサープレートPは,その外周 多数の突起7を任意に配列しており,その外周 面に対向して,機関本体に設置される不図示 回転センサが配置される。

 而して,上記回転センサには,その検出部 ホール素子及び磁石を内蔵されるもので,パ サープレートPがクランク軸Cと共に回転す とき,回転センサ内の磁気変動をホール素子 より電気信号に変換し,それを演算すること によりクランク軸Cの回転位置,回転速度,回転 加速度等を知ることができる。

 さて,クランク軸Cの前記回転壁部9へのパ サープレートPの取り付け構造について,図1~ 図3により説明する。

 図1に示すように,最外側の回転壁部9の外 面には,フランジ5より大径でジャーナル1と 心の環状位置決め段部8と,この環状位置決 段部8の根元からクランクアーム3及びカウン タウエイト4に向かって半径方向に広がる取 付け面10が形成される。クランクアーム3の 側面の,回転方向に沿う両側部には,クランク アーム3の減肉のための斜面3aが形成されてお り,このため取り付け面10は,クランクアーム3 ではカウンタウエイト4側に比して一層狭く なっている。

 図1及び図2に示すように,取り付け面10に ,周方向に並ぶ複数個(図示例では4個)の同形( 図示例では円形)の凹部12が設けられる。その 際,4個の凹部12は,少なくとも1つの凹部12と,こ の1つの凹部12の両側に隣接する他の凹部12と 各周方向間隔S1,S2を相互に相違させるよう 配置される。図示例の場合は,4個の凹部12は, ジャーナル1と同心の仮想円20上において各隣 接する凹部12間の周方向間隔を全て相違させ ように配置される。そしてこれら4個の凹部 12の各中心部にはねじ孔13がそれぞれ形成さ る。さらにカウンタウエイト4側の取り付け 10の所定箇所にキー溝14が形成される。その 際,キー溝14は,その長手方向がパルサープレ トPの半径線に沿うように配置される。

 一方,パルサープレートPには,その中心部 前記環状位置決め段部8に嵌合する位置決め 孔11が,またその位置決め孔11を囲繞するよう ,前記4個の凹部12にそれぞれ嵌合する有底円 筒状の4個のボス15が形成され,各ボス15の底部 には,各凹部12のねじ孔13に対応するボルト孔1 7が設けられる。

 さらにパルサープレートPには,前記キー 14に係合するキー部16が一体成形される。こ キー部16は,パルサープレートPから,その一 面側に弓なりに突出した弓なり帯状部16aと, の弓なり帯状部16aの両端をこのパルサープ ートPに一体に連結する一対の連結部16bとよ りなっており,その弓なり帯状部16aは,前記キ 溝14と同様に,その長手方向がパルサープレ トPの半径方向に沿うように配置されて,キ 溝14の両内側面間に嵌合するようになってい る(図3参照)。そして,この弓なり帯状部16aが 記キー溝14に密に嵌合するとき,取り付け面10 の全ての凹部12に,パルサープレートPの全て ボス15が緩く嵌合するようになっている。

 キー部16の成形に際しては,先ず,キー部16 両側面が臨むように一対の長孔19(図2参照) パルサープレートPに打ち抜き,次いで両長孔 19間に挟まれる弓なり帯状部16aを,ボス15の突 方向へ弓なりにプレス成形するものであり, こうすることにより弓なり帯状部16aの成形を ,パルサープレート本体に抵抗されることな 容易に行うことができる。

 次に,この実施例の作用について説明する 。

 回転壁部9の取り付け面10へのパルサープ ートPの取り付けに当たっては,先ず,クラン 軸Cのフランジ5側からパルサープレートPの 置決め孔11を回転壁部9の環状位置決め段部8 に嵌合する。その際,パルサープレートPのキ 部16を取り付け面10のキー溝14に係合すると に,パルサープレートPの各ボス15を,それに 応する取り付け面10の凹部12に嵌合しながら, パルサープレートPを取り付け面10に重ねる。 次いで各ボルト孔17に挿通したボルト18をね 孔13に螺合,緊締すれば,上記取り付け面10の 位置に正確にパルサープレートPを取り付け ことができる。その際,上記各ボルト18の頭 18aは,対応するボス15内に収容され,パルサー プレートPの外端面からの突出物とはならな から,パルサープレートPの,クランクケース 壁への近接配置を可能にする。

 ところで,パルサープレートPのキー部16は ,パルサープレートPから,その一端面側に弓な りに突出してキー溝14に係合する弓なり帯状 16aと,この弓なり帯状部の両端をこのパルサ ープレートPに一体に連結する一対の連結部16 bとで構成されるので,両持ち式でパルサープ ートPに支持され,高い剛性を備えることが きる。したがってキー溝と協働して,パルサ プレートPの取り付け面10,即ちクランク軸C 対する周方向位置決め精度を高めることが きる。しかも両持ちのキー部16には,鋭利な 端部が存在しないので,プレス加工後,面取り 等の仕上げ加工は不要であり,パルサープレ トPの生産性を高めることができる。

 特に,互いに嵌合するキー溝14及び弓なり 状部16aは,パルサープレートPの半径方向に って配置されるので,キー溝14及び弓なり帯 部16aの,パルサープレートPの半径方向に沿う 両側面が互いに広い範囲で当接することにな り,クランク軸Cに対するパルサープレートPの 所定の周方向位置を,より正確に保持するこ ができる。

 また取り付け面10は,前述のように,クラン クアーム3側よりもカウンタウエイト4側が広 ので,カウンタウエイト4側の取り付け面10に キー溝14を形成するときは,その形成位置を広 い範囲で選択することができ,設計の自由度 高くなり,パルサープレートPの位置決め上, 都合である。しかもキー溝14の形成に際して は,取り付け面10に肉盛りする必要もないから ,生産性が良好であると共に,クランク軸Cの肉 盛りによる重量バサンスの崩れを防ぐことが できる。

 さらにボルト18によるパルサープレートP び回転壁部9の固着部,即ち凹部12及びボス15 ,パルサープレートPの周方向に並ぶ複数箇 に設けられると共に,少なくとも一個所の固 部12,15と,この一個所の固着部12,15の両側に 接する他の個所の固着部12,15との各周方向間 隔S1,S2が相互に相違するように配置されるの ,回転壁部9に対するパルサープレートPの取 付け位置が一箇所に限定されることになり, 誤組立を防ぐことができ,したがって誤組立 よるキー部16の損傷を防ぐことができる。

 尚,以上において,ボルト18によるパルサー プレートP及び回転壁部9の固着部は少なくと 2箇所あればよく,単に2箇所の場合には,2箇 の固着部の両側の周方向間隔を相違させれ ,誤組立を防ぐことができる。

 次に,図4~図7に示す本発明の第2実施例に いて説明する。

 パルサープレートPの各ボス15は,有底楕円 筒状をなすもので,その楕円の筒状部15aは,短 D1をパルサープレートPの周方向Aに向け,長 D2をパルサープレートPの半径方向Bに向ける うに配置される。

 ところで,プレス製のパルサープレートP ,肉厚が比較的薄いので,エンジンの運転中, ランク軸Cのトルク変動時,隣接するボス15間 板状部で激しく振動することがあり,その板 状部の振動によれば,各ボス15の筒状部15aの周 縁部に応力が集中的に発生するが,この第2実 例においては,各ボス15の筒状部15aは,短径D1 パルサープレートPの周方向Aに向け,長径D2 パルサープレートPの半径方向Bに向ける楕円 筒状部15aに形成されるので,パルサープレー Pのボス15間の板状部の振動は,長径D2の範囲 楕円筒状部15aの周縁部に伝達されることに り,したがってその振動に起因する応力を長 D2の範囲で楕円筒状部15aの周縁部に広く分 させることになり,各ボス15周りの耐久性を ることができる。特に,楕円筒状部15aの楕円 曲率の変化は極めて滑らかであるから,応力 の分散も理想的で,各ボス15周りの耐久性を効 果的に高めることができる。

  その他,この第2実施例は,前記第1実施例 同様の作用効果を達成し得る構成も有して り,図4~図7中,前記第1実施例と対応する部分 は同一の参照符号を付して,重複する説明を 省略する。

 次に,図8に示す本発明の第3実施例につい 説明する。

 この第3実施例では,パルサープレートPの ス15の筒状部15aは,長径D2に当たる間隔を置 て互いに対向する一対の円弧壁部22と,短径D1 に当る間隔を置いて互いに対向する一対の直 線壁部23とを連続的に接続して断面小判形に 成される。その際,このボス15の筒状部15aは, 前実施例と同様に,短径D1をパルサープレート Pの周方向Aに向け,長径D2をパルサープレートP の半径方向Bに向けるように配置される。そ 他の構成は,前記第2実施例と同様であるので ,図8中,第2実施例と対応する部分には,同一の 照符号を付して,その説明を省略する。

  この第3実施例によっても,前記第2実施 と略同様の作用効果を発揮することができ 。

 次に,図9に示す本発明の第4実施例につい 説明する。

 この第4実施例では,パルサープレートPの ス15の楕円筒状部15aの両端に連なる曲がり は,その曲率が長径D2側(図7参照)より短径D1側 で小さくなるように形成される。その他の構 成は,前記第2実施例と同様であるので,図9中, 記第2実施例と対応する部分には同一の参照 符号を付して,重複する説明を省略する。

 この第4実施例によれば,パルサープレー Pが,隣接するボス15間の板状部で激しく振動 たとき,特にボス15の短径D1側,即ちパルサー レートP周方向B側の周縁部に発生する集中 力を,より広く分散することができ,各ボス15 りの耐久性を一層高めることができる。

 次に,図10~図15に示す本発明の第5実施例に ついて説明する。

  前記第1実施例と同様に,クランク軸Cの 外側の回転壁部9の外端面には,フランジ5よ 大径でジャーナル1と同心の環状位置決め段 8と,この環状位置決め段部8の根元からクラ クアーム3及びカウンタウエイト4に向かっ 半径方向に広がる取り付け面10が形成される 。この取り付け面10には,周方向に並ぶ複数個 (図示例では4個)の同形(図示例では円形)の凹 12が設けられる。その際,4個の凹部12は,少な くとも1つの凹部12と,この1つの凹部12の両側 隣接する他の凹部12との各周方向間隔S1,S2を 互に相違させるように配置される。4個の凹 部12は,ジャーナル1と同心の仮想円20上におい て各隣接する凹部12間の周方向間隔を全て相 させるように配置される。

 パルサープレートPには,上記仮想円20に沿 うと共にパルサープレートPの一端面より突 する環状のリブ25が形成される。したがって ,前記仮想円20上に配列する4個のボス15の相互 間は,このリブ25を介して連結されることにな る。その際,リブ25の高さH1は,ボス15の高さH2 り小さく設定され,その結果,リブ25及びボス1 5間には段差eが設けられる。これに伴ない,取 り付け面10のリブ収容溝26の深さは,ボス15収 用の凹部12の深さより小さく設定される。

 上記リブ25は,パルサープレートPの,回転 部9の取り付け面10側の端面より突出してお ,このリブ25を収容するリブ収容溝26が取り付 け面10に形成される。

 図13及び図14に示すように,リブ収容溝26が 前記取り付け面10上のキー溝14を横断するよ に,リブ収容溝26の溝幅は,キー溝14の長さよ 小さく設定される。これにより,キー溝14と, ルサープレートPのキー部16は,リブ収容溝26 存在に拘らず,互いに確実に係合してパルサ ープレートPに対する位置決め機能を発揮す ことができる。

 さらに図11及び図15に示すように,パルサ プレートPには,クランクアーム3側半部にお てのみ,複数の透孔27が周方向に並ぶように 設される。

  その他,この第5実施例は,前記第1実施例 同様の効果を達成し得る構成も有しており, 図10~図15中,前記第1実施例と対応する部分に 同一の参照符号を付して,重複する説明を省 する。

  ところで,プレス製のパルサープレートP は,肉厚が比較的薄いので,エンジンの運転中, クランク軸Cのトルク変動時,隣接するボス15 の板状部で激しく振動する傾向があるが,こ 第5実施例によれば,パルサープレートPに,そ の一端面より突出する周方向に延びるリブ25 形成されるので,このリブ25によりパルサー レートPの剛性を強化することができる。特 に,上記リブ25は,パルサープレートPの全周に る環状をなすので,パルサープレートPの剛 をその全周に亙り万遍なく強化することが き,パルサープレートPの振動を効果的に抑制 することができる。しかも,パルサープレー Pの肉厚を特別に増やさずに済むので,クラン ク軸C系の軽量化に寄与し,またボルト18によ パルサープレートPの回転壁部9に対する固着 に当たっては,取り付け面積の狭いクランク ーム3側では1箇所のみという,少ない固着個 で対応可能である。即ち,その固着個所を特 に多くする必要もないから,設計の自由度が 高い。

 上記リブ25は,これをパルサープレートPの ,前記回転壁部9側端面に突出させる一方,この リブ25を収容する凹部12が回転壁部9の取り付 面10に形成されるので,このリブ25がパルサ プレートPの外端面からの突出物とはならず, したがってパルサープレートPの,クランクケ ス内壁への近接配置を可能にする。

 また凹部12に収容される各ボルト18の頭部 18aも,対応するボス15内に収容され,パルサー レートPの外端面からの突出物とはならない ら,パルサープレートPの,クランクケース内 への近接配置を可能にする。

 また上記リブ25は環状に形成されると共 ,高剛性の複数のボス15を連結するので,環状 リブ25と複数のボス15との協働により,パル ープレートPの剛性を一層効果的に強化する とができる。その際,リブ25の高さH1をボス15 の高さH2より小さく設定して,リブ25及びボス1 5間に段差eを形成することは,リブ25及びボス1 5間の連結部の剛性を高める上に有効である それに伴ないリブ収容溝26の深さをボス15収 用の凹部12より小さく設定することは,回転 部9の取り付け面10に,リブ収容溝26及び凹部1 2を互いに干渉することなく容易に切削加工 ることができる上で有効である。

 即ち,リブ収容溝26及び凹部12を切削加工 る際,何れを先行して加工しても,他方に干渉 されることがない。若し,リブ収容溝26が凹部 12より深ければ,リブ収容溝26は,凹部12の底部 邪魔されて一挙に切削することができない またリブ収容溝26は,環状のリブ25に沿うも であるから,クランク軸Cをジャーナル1周り 回転することにより,これを容易に旋盤加工 る。

 さらに環状のリブ25によるパルサープレ トPの剛性強化により,パルサープレートPに その軽量化を図るべく複数の透孔27の穿設が 可能となる。その際,複数の透孔27をクランク アーム3側の半部にのみ設ければ,これら透孔2 7がパルサープレートPのクランクアーム3側の 半部の軽量化を図ることになり,その分,カウ タウエイト4から減肉して,クランク軸C系の 量化を図ることができる。

 次に,図16及び図17に示す本発明の第6実施 について説明する。

 この第6実施例では,パルサープレートPの, クランクアーム3側の取り付け面10から食み出 た部分に,環状のリブ25から放射状に延びる複 数状のリブ28が形成される。この他,パルサー プレートPに前実施例のような透孔27を設けな い点を除けば,前記第5実施例と同様の構成で るので,図16及び図17中,前記第5実施例と対応 する部分には,同一の参照符号を付して,その 明を省略する。

 この第6実施例によれば,環状のリブ25と放 射状のリブ28との協働によりパルサープレー Pの,特にクランクアーム3側の取り付け面10 ら食み出た部分の剛性を,より強化し,その部 分の振動を効果的に防ぐことができる。

 本発明は上記実施例に限定されるもので なく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設 計変更が可能である。例えば,上記各実施例 おいて,ボルト18によるパルサープレートP及 回転壁部9の固着部は少なくとも2箇所あれ よく,単に2箇所の場合には,2箇所の固着部の 側の周方向間隔を相違させれば,誤組立を防 ぐことができる。また上記第5及び第6実施例 おいて,環状のリブ25は,同心状に2条以上形 することもでき,またこれを環状配列の複数 ボス15の半径方向内側又は外側に配置する ともできる。またキー部16は,環状のリブ25を 分断しないように,環状のリブ25の内側又は外 側に設けることもでき,その方がリブ25の補強 機能を高める上で有効である。