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Title:
PROCESS AND APPARATUS FOR PRODUCING LONG-FIBER-REINFORCED THERMOPLASTIC RESIN PELLET
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/044641
Kind Code:
A1
Abstract:
A process and apparatus for producing long-fiber-reinforced resin/thermoplastic resin pellets in which a reinforcing fiber bundle (long-fiber-reinforced resin strand) can be continuously unwound smoothly. The rear end of a reinforcing fiber bundle (A) in a roll the use of which has been finished and the front end of a reinforcing fiber bundle (B) in a fresh roll are processed to form half-fiber-amount end parts (A1) and (B1), respectively, where the amount of fibers is about half the original one. The reinforcing single fibers in these half-fiber-amount end parts are interlaced with one another by means of an air splicer to form an interlaced part (C1). Furthermore, in the reinforcing fiber bundle (B) in the fresh roll, the reinforcing single fibers in a part downstream from the half-fiber-amount end part are interlaced with one another by means of the air splicer to form an interlaced part (C2).

Inventors:
TASHIRO NAOYUKI
FUJIURA TAKAYASU
TAKAMURA KADUYA
ZENKE SEIJI
Application Number:
PCT/JP2008/066970
Publication Date:
April 09, 2009
Filing Date:
September 19, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KOBE STEEL LTD (JP)
TASHIRO NAOYUKI
FUJIURA TAKAYASU
TAKAMURA KADUYA
ZENKE SEIJI
International Classes:
B29B9/14; B29B9/06; B65H49/10; B65H69/06; C08J5/06
Foreign References:
JP2004025482A2004-01-29
JPS62173348U1987-11-04
JPS62140973A1987-06-24
JPH0947814A1997-02-18
JPH07205317A1995-08-08
JPS54112452A1979-09-03
JPH0663547U1994-09-09
JPH0679348A1994-03-22
JPH04286574A1992-10-12
JPH06114832A1994-04-26
JPH05169445A1993-07-09
JPS6015370A1985-01-26
JP2003301340A2003-10-24
JP2001088881A2001-04-03
Other References:
See also references of EP 2206591A4
Attorney, Agent or Firm:
KOTANI, Etsuji et al. (2-2 Nakanoshima 2-chome, Kita-ku, Osaka-sh, Osaka 05, JP)
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Claims:
 長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットを製造する方法であって、
 多数の強化用単繊維が集束された強化用繊維束を回巻体から連続的に引き出す工程と、
 前記回巻体から引き出された強化用繊維束を連続的に含浸ダイに導入するとともに、導入された強化用繊維束に対して溶融した熱可塑性樹脂を含浸させて樹脂含浸強化用繊維束を生成する工程と、
 前記含浸ダイの下流側に設けられた撚り機により、前記含浸ダイを連続的に通過している樹脂含浸強化用繊維束に撚りを付与して長繊維強化樹脂ストランドを生成する工程と、
 前記長繊維強化樹脂ストランドを連続的に引き取りつつ、前記長繊維強化樹脂ストランドを切断してペレットを生成する工程とを含み、
 前記回巻体から強化用繊維束を連続的に引き出す工程は、使い終わりの回巻体の強化用繊維束と新しい回巻体の強化用繊維束とを繋ぎ合わせる作業を含み、
 前記繋ぎ合わせる作業では、前記使い終わりの回巻体の強化用繊維束の終端部分と新しい回巻体の強化用繊維束の始端部分の双方について、それぞれ、強化用繊維束の長手方向の所定範囲にわたり当該長手方向と直交する断面方向の一部を除去することにより、前記強化用繊維束の断面における繊維量が本来の約半分である繊維量半減端部を形成するとともに、エアスプライサにより、前記使い終わりの回巻体の繊維量半減端部及び新しい回巻体の繊維量半減端部のそれぞれの強化用単繊維同士をその長手方向における1箇所以上にて交絡させ、かつ、前記新しい回巻体の強化用繊維束における前記繊維量半減端部よりも上流側の部分であって前記断面方向の一部が除去されていない部分である繊維量非削減端部において、その長手方向における1箇所以上にて、エアスプライサにより、強化用単繊維同士を交絡させることを特徴とする長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの製造方法。
 前記繋ぎ合わせる作業では、
 エアスプライサによって前記強化用単繊維同士が交絡された交絡部に対し、前記強化用繊維束に含浸させる熱可塑性樹脂と同一の樹脂からなる接着剤をさらに付与することを特徴とする請求項1記載の長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの製造方法。
 前記回巻体から強化用繊維束を連続的に引き出す工程は、
 前記回巻体の内周側より強化用繊維束を順次引き出す作業を含み、
 この引き出し作業に際し、前記回巻体の内周面に対し径方向の外側へ押し付けられた複数の崩落抑制部材を、強化用繊維束が引き出されるにつれて次第に径方向の外側に変位する前記回巻体の内周面に追随して変位させることにより、回巻体の強化用繊維束の崩落を抑制することを特徴とする請求項1記載の長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの製造方法。
 前記回巻体から強化用繊維束を連続的に引き出す工程は、
 繋ぎ合わされた複数の回巻体を回転させることなく、かつ、各回巻体の軸線が上下方向に向く起立姿勢に各回巻体を保持しつつ、前記各回巻体の外周側から当該各回巻体の上方に設けられた強化用繊維束取出ガイドを経由させて強化用繊維束を取り出す作業を含み、
 この取り出し作業に際し、平面視において前記強化用繊維束取出しガイドと前記回巻体の軸心点とを結ぶ直線の延長線が当該回巻体の外周円と交わる点を最遠点とした場合に、前記軸心点と前記最遠点とを含む鉛直面に直交する方向から見る正面視において、前記最遠点から前記強化用繊維束取出ガイドへ延びる強化用繊維束パスラインと当該回巻体の軸心線とのなす取り出し角が当該回巻体の外周円の直径寸法にかかわらず常に45°以下となるようにして、強化用繊維束の取り出しを行うことを特徴とする請求項1記載の長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの製造方法。
 前記回巻体から強化用繊維束を連続的に引き出す工程では、
 前記回巻体を常時2つ配置しておくとともに、これら2つの回巻体を連結し、
 前記2つの回巻体のうち、一方の回巻体の強化用繊維束が無くなった後に当該一方の回巻体を新たな回巻体と交換するとともに、他方の回巻体の末端と前記新たな回巻体の先端とを連結することを特徴とする請求項1記載の長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの製造方法。
 長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットを製造するための装置であって、
 強化用繊維束が円筒状に回巻きされた回巻体と、
 前記回巻体の内周側から強化用繊維束を順次引き出すための強化用繊維束繰り出し装置と、
 前記強化用繊維束繰り出し装置により前記回巻体から連続的に引き出された強化用繊維束が導入され、当該強化用繊維束に対して溶融した熱可塑性樹脂を含浸させて樹脂含浸強化用繊維束を生成するための含浸ダイと、
 前記含浸ダイの下流側に設けられ、前記含浸ダイから前記樹脂含浸強化用繊維束からなる長繊維強化樹脂ストランドを連続的に引き取るための引取り機と、
 前記長繊維強化樹脂ストランドを切断するための切断部材とを備え、
 前記強化用繊維束繰り出し装置は、前記回巻体の内周面に対し径方向の外側へ押し付けられることにより前記巻層の崩落を抑制する複数の崩落抑制部材と、強化用繊維束が順次引き出されるにつれて次第に径方向の外側に変位する前記回巻体の内周面に追随して前記複数の崩落抑制部材を径方向の外側に変位させる押し付け手段とを有していることを特徴とする長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの製造装置。
 前記押し付け手段は、前記回巻体の内側で当該回巻体の軸線上に設けられた支柱と、前記支柱に対し前記軸線と直交する軸回りに回動可能にピン結合されたリンクとを備え、
 前記崩落抑制部材は、前記回巻体の内側面に対し前記軸線方向の全長にわたり当接可能な崩落抑制棒を備え、
 前記押し付け手段と崩落抑制部材によって、前記支柱に対して前記各崩落抑制棒を平行運動させるリンク機構が構成されていることを特徴とする請求項6記載の長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの製造装置。
 長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットを製造するための装置であって、
 強化用繊維束がそれぞれ円筒状に回巻きされた複数の回巻体と、
 一の回巻体の強化用繊維束の末端と次に強化用繊維束を取り出す対象となる回巻体の強化用繊維束の先端とが直列に連結された前記各回巻体をそれぞれ回転させることなく、当該各回巻体から順に強化用繊維束を繰り出すように構成された強化用繊維束繰り出し装置と、
 前記強化用繊維束繰り出し装置により前記回巻体から連続的に引き出された強化用繊維束が導入され、当該強化用繊維束に対して溶融した熱可塑性樹脂を含浸させて樹脂含浸強化用繊維束を生成するための含浸ダイと、
 前記含浸ダイの下流側に設けられ、前記含浸ダイから前記樹脂含浸強化用繊維束からなる長繊維強化樹脂ストランドを連続的に引き取るための引取り機と、
 前記長繊維強化樹脂ストランドを切断するための切断部材とを備え、
 前記強化用繊維束繰り出し装置は、前記各回巻体をそれぞれの軸線が上下方向に向いた起立姿勢で保持する芯ガイドと、前記各回巻体の上方に設けられ、前記回巻体から含浸ダイへ導かれる強化用繊維束の途中部を支持する強化用繊維束取出ガイドとを備え、
 平面視において前記強化用繊維束取出しガイドと前記回巻体の軸心点とを結ぶ直線の延長線が当該回巻体の外周円と交わる点を最遠点とした場合に、前記軸心点と前記最遠点とを含む鉛直面に直交する方向から見る正面視において、前記最遠点から前記強化用繊維束取出ガイドへ延びる強化用繊維束パスラインと当該回巻体の軸心線とのなす取り出し角が当該回巻体の外周円の直径寸法にかかわらず常に45°以下となるように、前記各回巻体と強化用繊維束取出ガイドとが配置されていることを特徴とする長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの製造装置。
 前記芯ガイドは、前記回巻体を2つ保持することが可能に構成されていることを特徴とする請求項8記載の長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの製造装置。
Description:
長繊維強化熱可塑性樹脂ペレッ の製造方法及び製造装置

 本発明は、回巻体から連続的に引き出さ る強化用繊維束を使用して長繊維強化熱可 性樹脂ペレットを製造する方法及び装置に する。

 長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット(以下、 単に長繊維強化樹脂ペレットともいう)は、 出成形用の原料として使用されるものであ 。

 長繊維強化樹脂ペレットの製造には、多 本の強化用単繊維(フィラメント)を集束し なる強化用繊維束(ロービング)が巻回された 回巻体(ロービングパッケージ)が用いられる 具体的に、回巻体から引き出された強化用 維束を連続的に含浸ダイに導入して、強化 繊維束に溶融した熱可塑性樹脂を含浸させ とともに、この含浸ダイから連続的に引き られた長繊維強化樹脂ストランドを所定長 に切断することにより、長繊維強化樹脂ペ ットが製造される。

 上述のように、長繊維強化樹脂ペレット 製造には、強化用繊維束(長繊維強化樹脂ス トランド)を連続的に引き出すことを要する め、この引き出し作業に障害が生じると、 繊維強化樹脂ペレットを効率良く生産する とができない。

 本発明は、上記の問題を解決するために されたものであり、強化用繊維束(長繊維強 化樹脂ストランド)の連続的な引き出し作業 円滑に行うことができる長繊維強化樹脂熱 塑性樹脂ペレットの製造方法及び製造装置 提供することを目的とするものである。

 上記課題を解決するために、第1の発明は 、長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットを製造す る方法であって、多数の強化用単繊維が集束 された強化用繊維束を回巻体から連続的に引 き出す工程と、前記回巻体から引き出された 強化用繊維束を連続的に含浸ダイに導入する とともに、導入された強化用繊維束に対して 溶融した熱可塑性樹脂を含浸させて樹脂含浸 強化用繊維束を生成する工程と、前記含浸ダ イの下流側に設けられた撚り機により、前記 含浸ダイを連続的に通過している樹脂含浸強 化用繊維束に撚りを付与して長繊維強化樹脂 ストランドを生成する工程と、前記長繊維強 化樹脂ストランドを連続的に引き取りつつ、 前記長繊維強化樹脂ストランドを切断してペ レットを生成する工程とを含み、前記回巻体 から強化用繊維束を連続的に引き出す工程は 、使い終わりの回巻体の強化用繊維束と新し い回巻体の強化用繊維束とを繋ぎ合わせる作 業を含み、前記繋ぎ合わせる作業では、前記 使い終わりの回巻体の強化用繊維束の終端部 分と新しい回巻体の強化用繊維束の始端部分 の双方について、それぞれ、強化用繊維束の 長手方向の所定範囲にわたり当該長手方向と 直交する断面方向の一部を除去することによ り、前記強化用繊維束の断面における繊維量 が本来の約半分である繊維量半減端部を形成 するとともに、エアスプライサにより、前記 使い終わりの回巻体の繊維量半減端部及び新 しい回巻体の繊維量半減端部のそれぞれの強 化用単繊維同士をその長手方向における1箇 以上にて交絡させ、かつ、前記新しい回巻 の強化用繊維束における前記繊維量半減端 よりも上流側の部分であって前記断面方向 一部が除去されていない部分である繊維量 削減端部において、その長手方向における1 所以上にて、エアスプライサにより、強化 単繊維同士を交絡させることを特徴とする 繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの製造方法 提供する。

 また、第2の発明は、長繊維強化熱可塑性 樹脂ペレットを製造するための装置であって 、強化用繊維束が円筒状に回巻きされた回巻 体と、前記回巻体の内周側から強化用繊維束 を順次引き出すための強化用繊維束繰り出し 装置と、前記強化用繊維束繰り出し装置によ り前記回巻体から連続的に引き出された強化 用繊維束が導入され、当該強化用繊維束に対 して溶融した熱可塑性樹脂を含浸させて樹脂 含浸強化用繊維束を生成するための含浸ダイ と、前記含浸ダイの下流側に設けられ、前記 含浸ダイから前記樹脂含浸強化用繊維束から なる長繊維強化樹脂ストランドを連続的に引 き取るための引取り機と、前記長繊維強化樹 脂ストランドを切断するための切断部材とを 備え、前記強化用繊維束繰り出し装置は、前 記回巻体の内周面に対し径方向の外側へ押し 付けられることにより前記巻層の崩落を抑制 する複数の崩落抑制部材と、強化用繊維束が 順次引き出されるにつれて次第に径方向の外 側に変位する前記回巻体の内周面に追随して 前記複数の崩落抑制部材を径方向の外側に変 位させる押し付け手段とを有していることを 特徴とする長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット の製造装置を提供する。

 さらに、第3の発明は、長繊維強化熱可塑 性樹脂ペレットを製造するための装置であっ て、強化用繊維束がそれぞれ円筒状に回巻き された複数の回巻体と、一の回巻体の強化用 繊維束の末端と次に強化用繊維束を取り出す 対象となる回巻体の強化用繊維束の先端とが 直列に連結された前記各回巻体をそれぞれ回 転させることなく、当該各回巻体から順に強 化用繊維束を繰り出すように構成された強化 用繊維束繰り出し装置と、前記強化用繊維束 繰り出し装置により前記回巻体から連続的に 引き出された強化用繊維束が導入され、当該 強化用繊維束に対して溶融した熱可塑性樹脂 を含浸させて樹脂含浸強化用繊維束を生成す るための含浸ダイと、前記含浸ダイの下流側 に設けられ、前記含浸ダイから前記樹脂含浸 強化用繊維束からなる長繊維強化樹脂ストラ ンドを連続的に引き取るための引取り機と、 前記長繊維強化樹脂ストランドを切断するた めの切断部材とを備え、前記強化用繊維束繰 り出し装置は、前記各回巻体をそれぞれの軸 線が上下方向に向いた起立姿勢で保持する芯 ガイドと、前記各回巻体の上方に設けられ、 前記回巻体から含浸ダイへ導かれる強化用繊 維束の途中部を支持する強化用繊維束取出ガ イドとを備え、平面視において前記強化用繊 維束取出しガイドと前記回巻体の軸心点とを 結ぶ直線の延長線が当該回巻体の外周円と交 わる点を最遠点とした場合に、前記軸心点と 前記最遠点とを含む鉛直面に直交する方向か ら見る正面視において、前記最遠点から前記 強化用繊維束取出ガイドへ延びる強化用繊維 束パスラインと当該回巻体の軸心線とのなす 取り出し角が当該回巻体の外周円の直径寸法 にかかわらず常に45°以下となるように、前 各回巻体と強化用繊維束取出ガイドとが配 されていることを特徴とする長繊維強化熱 塑性樹脂ペレットの製造装置を提供する。

 本発明によれば、強化用繊維束(長繊維強 化樹脂ストランド)の連続的な引き出し作業 円滑に行うことができる。

図1は、第1の発明に係る製造方法を実 するための長繊維強化熱可塑性樹脂ペレッ の製造装置の構成を示す図である。 図2は、図1に示す撚りローラを説明す ための側面図である。 図3は、図2に示す撚りローラの撚り角 を説明するための平面図である。 図4は、第1の発明に係る製造方法のう の強化用繊維束同士を継ぎ合せる方法を説 するための模式図である。 図5は、第2の発明に係る実施形態(第2の 実施形態)の長繊維強化熱可塑性樹脂ペレッ の製造装置の全体構成を示す図である。 図6は、図5における強化用繊維束繰り し装置の構成を示す図である。 図7は、図6におけるベースプレートを す平面図である。 図8は、図6に示す強化用繊維束繰り出 装置の要部の構成を示す平面図である。 図9は、図6に示す強化用繊維束繰り出 装置において回巻体から強化用繊維束が引 出される様子を示す斜視図である。 図10は、図9における浮き上がり防止金 具を示す断面図である。 図11は、繊維束包装体の構成を示す側 断面図である。 図12は、第3の発明に係る実施形態(第3 実施形態)の長繊維強化熱可塑性樹脂ペレッ トの製造装置の全体構成を示す図である。 図13は、第3の実施形態に係る強化用繊 維束繰り出し装置の全体構成を示す正面図で ある。 図14は、図13に示す強化用繊維束繰り し装置の要部を示す断面図である。 図15は、図13に示す強化用繊維束繰り し装置における取り出し角θ2を説明するた の図であって、2つの回巻体と強化用繊維束 出しガイドとの位置関係を示す平面図であ 。 図16は、図15の各回巻体をそれぞれXVI 視方向から見た正面図である。 図17は、第3の発明に係る強化用繊維束 繰り出し装置における取り出し角を説明する ための別の図であって、2つの回巻体及び強 用繊維束取出しガイドの配置位置関係を示 平面図である。 図18は、図17の各回巻体をそれぞれXVIII 矢視方向から見た正面図である。 図19は、第3の発明に係る強化用繊維束 繰り出し装置の別の全体構成を示す正面図で ある。 図20は、撚りを行う引抜き法によって られる長繊維強化樹脂ペレットを示す模式 である。 図21は、撚りを行わない引抜き法によ て得られる長繊維強化樹脂ペレットを示す 式図である。 図22は、第2の従来技術を説明するため 模式図である。

 以下添付図面を参照しながら、本発明の 施の形態について説明する。尚、以下の実 の形態は、本発明を具体化した一例であっ 、本発明の技術的範囲を限定する性格のも ではない。

 (第1の実施形態)
 図1は第1の発明に係る製造方法を実施する めの長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの製 装置の構成を示す図である。

 図1に示すように、回巻体1から引き出さ た強化用繊維束2は、複数本(図1の例では3本) が引き揃えられて、一対の加熱用ローラ6A,6B 備えた予熱用加熱装置5に導かれる。強化用 繊維束2は、予熱用加熱装置5によって昇温さ た状態で、含浸ダイ7内に導かれる。この含 浸ダイ7には、スクリュ11を内蔵する押出機10 ら、溶融樹脂(溶融した熱可塑性樹脂)3が連 供給される。また、前記含浸ダイ7の内部に は、強化用繊維束2に対し溶融樹脂3を含浸さ るための複数個の含浸ローラ9が配設されて いる。含浸ダイ7の出口には、撚りが付与さ た樹脂含浸強化用繊維束からなる断面円形 の長繊維強化樹脂ストランド4の線径を定め ダイノズル8が取り付けられている。

 溶融樹脂は、含浸ダイ7を通過する強化用 繊維束2に対して含浸され、溶融樹脂を含浸 た強化用繊維束2が樹脂含浸強化用繊維束と される。この含浸ダイ7の下流側に設けられ た撚り機としての撚りローラ13A,13Bは、樹脂 浸強化用繊維束に対し撚りを付与するよう なっている。そして、撚りが付与された樹 含浸強化用繊維束からなる長繊維強化樹脂 トランド4は、撚りローラ13A,13Bにより、含浸 ダイ7から連続的に引き取られる。

 含浸ダイ7のダイノズル8から引き出され 高温の長繊維強化樹脂ストランド4は、冷却 槽12によって冷却硬化されて、撚りローラ13 A,13Bへと導かれる。そして、撚りローラ13A,13B の下流側に導かれた長繊維強化樹脂ストラン ド4は、ペレタイザー14で所定長さに切断され て長繊維強化樹脂ペレットとされる。

 図2は、図1に示す撚りローラを説明する めの側面図である。図3は、図2に示す撚りロ ーラの撚り角度を説明するための平面図であ る。

 図2に示すように、一対の撚りローラ13A,13 Bの回転軸線は、平行な平面(水平面)上にそれ ぞれ配置され、かつ、前記平面と直交する方 向から見た平面視において互いに交差して配 置されている。この状態で、各撚りローラ13A 、13Bは、上流側からの長繊維強化樹脂ストラ ンド4を挟むように対向配置されている。す わち、図2における上側の撚りローラ13Aの回 軸線と下側の撚りローラ13Bの回転軸線とは 平面視において、長繊維強化樹脂ストラン 4の引き取り方向に対して互いに相反する方 向に、かつ同角度をなして所定角度(撚り角 θ1:図3参照)だけずれた向きに設定されてい 。

 図3に示すように、撚りローラ13Aの撚り角 度θ1は、平面視において、この撚りローラ13A の回転軸線aと直交する線と長繊維強化樹脂 トランド4の引き取り方向とのなす角度であ 。下側の撚りローラ13Bの撚り角度は、上側 撚りローラ13Aの撚り角度θ1と同一角度であ 。

 ところで、回巻体から強化用繊維束を引 出す(繰り出す)方法としては、外取り法と 取り法とがある。外取り法は、回巻体を回 させながら回巻体外周側から強化用繊維束 引き出す方法である。一方、内取り法は、 巻体をある物の上に置いた状態で、回巻体 周側から強化用繊維束を引き出す方法であ 。なお、回巻体をある物の上に置いた状態 、回巻体外周側から強化用繊維束を引き出 方法もある。図1に示す製造装置では、回巻 1は強化用繊維束2を無心円筒状に巻き取っ なる回巻体であり、この回巻体1の内周側か 強化用繊維束2を引き出す内取り法を採用し ている。

 図4は、第1の発明に係る製造方法のうち 強化用繊維束同士を継ぎ合せる方法を説明 るための模式図である。

 本実施形態に係る製造方法は、使い終わ の回巻体の強化用繊維束Aと新しい回巻体の 強化用繊維束Bとを継ぎ合わせるためのもの ある。具体的には、使い終わり側の強化用 維束Aの終端部分の長さ方向の所定範囲にわ り、当該長さ方向と直交する太さ方向の一 をハサミ等で切除して、繊維量が本来の約 分となる繊維量半減端部A1を形成する。ま 、新しい側の強化用繊維束Bの始端部分の長 方向の所定範囲にわたり、当該長さ方向と 交する太さ方向の一部をハサミ等で切除し 、繊維量が本来の約半分となる繊維量半減 部B1を形成する。なお、繊維量半減端部A1,B1 の長さは、50~150mm程度の範囲である。繊維量 減端部A1,B1の長さは、交絡を行い易い種類 強化用繊維の場合、50mm程度であり、交絡を い難い易い種類の強化用繊維の場合、100~150 mm程度である。

 次に、両方の繊維量半減端部A1,B1を互い 重ね合わせるようにして引き揃え、エアス ライサにより、繊維量半減端部A1,B1同士をそ の長手方向における1箇所以上にて交絡させ 交絡部C1を形成する。図4の例では、2箇所に いて交絡部C1を形成している。したがって 交絡部C1の繊維量は、強化用繊維束A,Bの本来 の繊維量(元の繊維量)とほぼ同じであり、繊 量半減端部A1,B1同士の継ぎ目の太さを、強 用繊維束A,Bの太さとほぼ同じにすることが きる。

 さらに、新しい側の繊維量半減端部B1に く部分(繊維量半減端部B1よりも上流側の部 )であり、繊維量を減らしていない元の強化 繊維束部分と同じ太さである繊維量非削減 部B2において、その長手方向における1箇所 上にて、エアスプライサにより強化用単繊 同士を交絡させ、交絡部C2を形成する。図4 例では、2箇所において交絡部C2を形成して る。この交絡部C2を形成することにより、 浸ダイへ導かれている途中で、繊維量非削 端部B2の強化用繊維がばらけて、継ぎ合わせ 部が切れないようにすることができる。しか も、交絡部C2の太さは、強化用繊維束A,Bの太 とほぼ同じある。なお、使い終わり側の繊 量半減端部A1に続く繊維量非削減端部A2は、 撚りが付与されながら含浸ダイから引き取ら れることになるので、下流側から引っ張られ ても、ダイノズルにつまることがない。よっ て、この繊維量非削減端部A2に交絡部を形成 る必要はない。エアスプライサによる交絡 施した後、新しい側の強化用繊維束Bのうち 、前記交絡部C1よりも先端側に位置してばら が生じ易い強化用繊維部分(図4に符号X,Yで す)を、これがダイノズルにひっかかること ないようにするため、ハサミ等で切除する なお、切除することに代えて、強化用繊維 A,Bに含浸させる熱可塑性樹脂と同種の樹脂 らなる接着剤を用いて、前記ばらけが生じ い強化用繊維部分X,Yを接着固定するように てもよい。

 このように、エアスプライサによって交 部C1及び交絡部C2を形成することにより、使 い終わりの側の強化用繊維束Aと新しい側の 化用繊維束Bとを、継ぎ合わせ部の太さが強 用繊維束A,Bの太さとほぼ同じになるように ぎ合せることができる。したがって、継ぎ わせ部がダイノズルに引っかかってつまる とを抑制することができる。よって、強化 繊維束の断線の発生を抑制しつつ、ダイノ ルに継ぎ合わせ部を通過させることができ 結果、生産速度を向上することができる。

 また、前記方法においては、新しい側の 化用繊維束Bの繊維量非削減端部B2に前記交 部C2を形成している。したがって、継ぎ合 せ部が屈曲のあるパスラインを経て含浸ダ へ導かれている途中で、前記繊維量非削減 部B2にばらけが発生して継ぎ合わせ部が切れ るのを抑制することができる。よって、新し い側の強化用繊維束Bが含浸ダイに到達しな という事態を引き起こすことなく、ダイノ ルに継ぎ合わせ部を通過させることができ 結果、生産速度を向上することができる。

 また、前記のように撚りを行う引抜き法 採用することにより、樹脂含浸強化用繊維 は、撚りをかけられながらダイノズルから き出される。したがって、継ぎ合わせ部が イノズルを通過する時に発生する毛羽をダ ノズルから引き出すことができる。よって 継ぎ合わせ部がダイノズルを通過した後に いて、ダイノズルの毛羽のつまりを原因と て製造を停止せざるを得ないという状況を 避することができる。

 なお、上述した方法により強化用繊維束 継ぎ合わせを行うに際し、強化用繊維束A,B 含浸させる熱可塑性樹脂と同一の樹脂から る接着剤を前記交絡部C1,C2に塗布するよう してよい。このようにすれば、強化用繊維 A,Bをより確実に継ぎ合わせることができる で、強化用繊維束の断線などを抑制しつつ ダイノズルに継ぎ合せ部を通過させること できる結果、生産速度をより向上すること できる。

 次に、前記第1の実施形態に係る実施例に ついて説明する。継ぎ合わせ部を形成した強 化用繊維束を用いて、図1に示す製造装置に って長繊維強化樹脂ペレットを製造する実 を行った。この実験において強化用繊維束 士を継ぎ合せる方法について評価した。強 用繊維束として、ガラス繊維束を用いた。1 あたりのガラス繊維束の構成は、ガラス繊 径(フィラメント径)17μm、重量2400g/kmである

 [実施例1]実験条件は、ガラス繊維束:3本 生産速度(引き取り速度):80m/min、熱可塑性樹 :ポリプロピレン、繊維含有率:約70%、撚り ーラの撚り角度θ1(図3参照):17.5°とした。繊 量半減端部A1,B1の長さは、約150mmとした。繊 維量半減端部A1,B1には、4箇所の交絡部を形成 した。新しい側の繊維量非削減端部B2につい は1箇所の交絡部を形成した。そして、実験 ごとに、3本のガラス繊維束のうち、1本につ て前記方法により継ぎ合せを行うようにし 。これら3本のガラス繊維束を用いる実験を 10回実施した。

 その結果、10回全ておいて、継ぎ合わせ がダイノズルを通過した。継ぎ合わせ部が イノズルを通過する時に発生する毛羽は、 イノズルからねじられながら引き出された このことにより、継ぎ合わせ部のダイノズ 通過後においても、引き続いて良好に長繊 強化樹脂ペレットの製造を行うことができ 。

 [実施例2]実験条件は、ガラス繊維束:3本 生産速度(引き取り速度):80m/min、熱可塑性樹 :ポリプロピレン、繊維含有率:約70%、撚り ーラの撚り角度θ1:17.5°とした。繊維量半減 部A1,B1の長さは、約150mmとした。繊維量半減 端部A1,B1には、4箇所の交絡部を形成した。新 しい側の繊維量非削減端部B2については1箇所 の交絡部を形成した。さらに、前記4箇所の 絡部に、接着剤として液状のポリプロピレ 樹脂を薄い膜状に塗布し、これを硬化させ 。そして、実験ごとに、3本のガラス繊維束 うち、1本について前記方法により継ぎ合せ を行うようにした。これら3本のガラス繊維 を用いる実験を10回実施した。

 その結果、前記実施例1と同様に、10回全 おいて、継ぎ合わせ部がダイノズルを通過 た。継ぎ合わせ部がダイノズルを通過した においても、引き続いて良好に長繊維強化 脂ペレットの製造を行うことができた。

 [比較例1]実験条件は、ガラス繊維束:3本 生産速度:5m/min、熱可塑性樹脂:ポリプロピレ ン、繊維含有率:約70%、撚りローラの撚り角 θ1:17.5°とした。継ぎ合わせるべきガラス繊 束の端部同士をそのままの太さでエアスプ イサにより交絡した。そして、実験ごとに 3本のガラス繊維束のうち、1本について前 方法により継ぎ合わせを行うようにした。 れら3本のガラス繊維束を用いる実験を4回実 施した。

 その結果、4回の実験のうち、2回におい 継ぎ合わせ部がダイノズルを通過した。残 の2回においては断線が発生した。そして、 ぎ合わせ部がダイノズルを通過した場合で 、ダイノズルに毛羽が大量につまり、2回の 実験いずれの場合にも、継ぎ合わせ部のダイ ノズル通過後は、製造を続けることができな かった。

 [比較例2]実験条件は、ガラス繊維束:3本 生産速度:80m/min、熱可塑性樹脂:ポリプロピ ン、繊維含有率:約70%、撚りローラの撚り角 θ1:17.5°とした。繊維量半減端部A1,B1の長さ 、約150mmとした。繊維量半減端部A1,B1には、 4箇所の交絡部を形成した。新しい側の繊維 非削減端部B2には、交絡部を形成しなかった 。そして、実験ごとに、3本のガラス繊維束 うち、1本について前記方法により継ぎ合わ を行うようにした。これら3本のガラス繊維 束を用いる実験を3回実施した。

 その結果、3回とも、継ぎ合わせ部がパス ラインを経て含浸ダイへ導かれている途中で 、新しい側の繊維量非削減端部B2にばらけが 生して、継ぎ合わせ部が切れてしまった。

 [比較例3]実験条件は、ガラス繊維束:1本 生産速度:10m/min、熱可塑性樹脂:ポリプロピ ン、繊維含有率:約30%、撚りローラの撚り角 θ1:0°(撚りなし)とした。繊維量半減端部A1,B 1の長さは、約150mmとした。繊維量半減端部A1, B1には、4箇所の交絡部を形成した。新しい側 の繊維量非削減端部B2には、1箇所の交絡部を 形成した。そして、実験ごとに、1本のガラ 繊維束について前記方法により継ぎ合わせ 行うようにした。これらのガラス繊維束を いる実験を3回実施した。

 その結果、3回全ておいて、継ぎ合わせ部 がダイノズルを通過した。しかしながら、ダ イノズルに毛羽が大量につまり、3回の実験 ずれの場合にも、継ぎ合わせ部のダイノズ 通過後は、製造を続けることができなかっ 。

 [比較例4]実験条件は、ガラス繊維束:1本 生産速度:10m/min、熱可塑性樹脂:ポリプロピ ン、繊維含有率:約30%、撚りローラの撚り角 θ1:0°(撚りなし)とした。繊維量半減端部A1,B 1の長さは、約150mmとした。繊維量半減端部A1, B1には、4箇所の交絡部を形成した。新しい側 の繊維量非削減端部B2には、交絡部を形成し かった。そして、実験ごとに、1本のガラス 繊維束について前記方法により継ぎ合わせを 行うようにした。これらのガラス繊維束を用 いる実験を3回実施した。

 その結果、3回とも、継ぎ合わせ部がパス ラインを経て含浸ダイへ導かれている途中で 、新しい側の繊維量非削減端部B2にばらけが 生して、継ぎ合わせ部が切れてしまった。

 [比較例5]実験条件は、ガラス繊維束:2本 生産速度:5m/min、熱可塑性樹脂:ポリプロピレ ン、繊維含有率:約50%、撚りローラの撚り角 θ1:0°(撚りなし)とした。繊維量半減端部A1,B1 の長さは、約150mmとした。繊維量半減端部A1,B 1には、4箇所の交絡部を形成した。新しい側 繊維量非削減端部B2には、1箇所の交絡部を 成した。そして、実験ごとに、2本のガラス 繊維束のうち、1本について前記方法により ぎ合せを行うようにした。これら2本のガラ 繊維束を用いる実験を3回実施した。

 その結果、3回全ておいて、継ぎ合わせ部 がダイノズルを通過した。しかしながら、ダ イノズルに毛羽が大量につまり、3回の実験 ずれの場合にも、継ぎ合わせ部のダイノズ 通過後は、製造を続けることができなかっ 。

 [比較例6]実験条件は、ガラス繊維束:3本 生産速度:5m/min、熱可塑性樹脂:ポリプロピレ ン、繊維含有率:約70%、撚りローラの撚り角 θ1:0°(撚りなし)とした。繊維量半減端部A1,B1 の長さは、約150mmとした。繊維量半減端部A1,B 1には、4箇所の交絡部を形成した。新しい側 繊維量非削減端部B2には、1箇所の交絡部を 成した。そして、実験ごとに、3本のガラス 繊維束のうち、1本について前記方法により ぎ合せを行うようにした。これら3本のガラ 繊維束を用いる実験を3回実施した。

 その結果、3回全ておいて、継ぎ合わせ部 がダイノズルを通過した。しかしながら、ダ イノズルに毛羽が大量につまり、3回の実験 ずれの場合にも、継ぎ合わせ部のダイノズ 通過後は、製造を続けることができなかっ 。

 (第2の実施形態)
 以下、図面を参照して第2の発明に係る第2 実施形態について説明する。図5は、第2の実 施形態に係る長繊維強化熱可塑性樹脂ペレッ トの製造装置の全体構成を示す図である。

 図5において、30は、強化用繊維束繰り出 装置である。強化用繊維束繰り出し装置30 、装着された繊維束包装体20の回巻体21から の内周側より強化用繊維束2が順次引き出さ れるものである。

 図5に示すように、繊維束包装体20の回巻 21から引き出された強化用繊維束2は、複数 (図1の例では3本)が引き揃えられて、一対の 加熱用ローラ6A,6Bを備えた予熱用加熱装置5に 導かれる。強化用繊維束2は、予熱用加熱装 5によって昇温された後、含浸ダイ7内に導か れる。この含浸ダイ7には、スクリュ11を内蔵 する押出機10から、溶融樹脂(溶融した熱可塑 性樹脂)3が連続供給される。含浸ダイ7の内部 には、強化用繊維束2に溶融樹脂3を含浸させ ための複数個の含浸ローラ9が配設されてい る。また、含浸ダイ7の出口には、撚りが付 された樹脂含浸強化用繊維束からなる断面 形状の長繊維強化樹脂ストランド4の線径を めるダイノズル8が取り付けられている。

 溶融樹脂3は、含浸ダイ7を通過する強化 繊維束2に含浸される。溶融樹脂3が含浸され た強化用繊維束2は、樹脂含浸強化用繊維束 なされる。含浸ダイ7の下流側に設けられた りローラ13A,13Bは、樹脂含浸強化用繊維束に 対し撚りを付与するようになっている。撚り ローラ13A,13Bは、引取り機及び撚り機として 能するものである。そして、撚りが付与さ た樹脂含浸強化用繊維束からなる長繊維強 樹脂ストランド4は、撚りローラ13A,13Bにより 、含浸ダイ7から連続的に引き取られる。

 含浸ダイ7のダイノズル8から引き出され 高温の長繊維強化樹脂ストランド4は、冷却 槽12によって冷却硬化されて、撚りローラ13 A,13Bへと導かれる。そして、撚りローラ13A,13B の下流側に導かれた長繊維強化樹脂ストラン ド4は、ペレタイザー14で所定長さに切断され て長繊維強化樹脂ペレットとされる。

 上述した図2に示すように、一対の撚りロ ーラ13A,13Bの回転軸線は、平行な平面(水平面) 上にそれぞれ配置され、かつ、前記平面と直 交する方向から見た平面視において互いに交 差して配置されている。この状態で、各撚り ローラ13A、13Bは、上流側からの長繊維強化樹 脂ストランド4を挟むように対向配置されて る。すなわち、図2における上側の撚りロー 13Aの回転軸線aと下側の撚りローラ13Bの回転 軸線とは、平面視において、長繊維強化樹脂 ストランド4の引き取り方向に対して互いに 反する方向に、かつ同一角度をなして所定 度(撚り角度θ1:図3参照)だけずれた向きに設 されている。

 次に、前記強化用繊維束繰り出し装置30 ついて説明する。

 図6は、図5における強化用繊維束繰り出 装置の構成を示す図である。図7は、図6にお けるベースプレートを示す平面図である。図 8は、図6に示す強化用繊維束繰り出し装置の 部の構成を示す平面図である。なお、図6で は、繊維束包装体20の熱収縮フィルム22、傘 ガイド35及び浮き上がり防止金具36について 図示していない。

 図6~図8において、31は、円板状のベース レートである。ベースプレート31には、所定 長さを有して床面に当接する支持脚33が取り けられている。このベースプレート31上に 上部ハブ41及び下部ハブ42を有する支柱40が 直に立設されている。34は、ベースプレート 31の上面の中心位置に固定されて、支柱40を 持するブラケットである。このブラケット34 に支柱40が着脱可能に固定されている。繊維 包装体20がベースプレート31上に載置された 状態では、繊維束包装体20(回巻体21)の軸線と 支柱40の軸線とが互いに略同一線上に位置す こととなる。

 50は、中空パイプからなる崩落抑制棒で る。この実施形態では、支柱40を中心とする 同一円周上の角度90°に等分した位置に配置 れる合計4本の崩落抑制棒50が設けられてい (図8参照)。崩落抑制棒50は、回巻体21の高さ 向全長にわたって延びている。具体的に、 落抑制棒50は、回巻体21の高さ寸法よりも大 きな長さとされている。崩落抑制棒50の上端 は、回巻体21から引き出される強化用繊維 2がひっかからないようにするため、内側に 曲されている。これら4本の崩落抑制棒50は 回巻体21の内周面を外側へ押し付けるため 巻層崩落抑制用の崩落抑制部材を構成して る。なお、崩落抑制棒50の個数としては、2 以上がよく、好ましくは4~8本がよい。

 43は上部リンクである。上部リンク43の基 端部は、支柱40の上部ハブ41に対し当該支柱40 の軸線と直交する方向に延びるピン44によっ 回動可能に軸支されている。一方、上部リ ク43の先端部は、崩落抑制棒50の上部に対し 前記ピン44と平行するピン45によって回動可 に軸支されている。

 46は下部リンクである。下部リンク46の基 端部は、支柱40の下部ハブ42に対し当該支柱40 の軸線と直交する方向に延びるピン47によっ 回動可能に軸支されている。一方、下部リ ク46の先端部は、崩落抑制棒50の下部に対し 前記ピン47と平行するピン48によって回動可 に軸支されている。

 つまり、各リンク43、46と、支柱40と、各 落抑制棒50とによって、平行リンク機構が 成されている。そして、この平行リンク機 では、各リンク43、46を支柱40の軸線と直交 る方向に向けた姿勢とした場合に、各崩落 制棒50が回巻体21の外周面と同等又はこれよ も外側に位置するようになっている。した って、各リンク43、46の先端側が上になるよ うに当該各リンク43、46を上に傾斜させた状 で、支柱40の外側に回巻体21を装着すること より、この回巻体21の内周面が外側に変位 ることに応じて各崩落抑制棒50は、その自重 で回巻体21の内周面に追従することとなる。

 このように追従する4本の崩落抑制棒50が ースプレート31に当接しないように、ベー プレート31には、上下方向に貫通するととも に、支柱40から放射状に延びる4本の長孔32が けられている。つまり、各崩落抑制棒50の 端は、ベースプレート31に形成された長孔32( 図3,図4参照)を常に貫通した状態で、当該各 孔32に沿って支柱40に接離する。

 本実施形態において、前記支柱40及び前 4組のリンク43,46は、強化用繊維束2が順次引 出されるにつれて厚みが次第に小さくなる 巻体21の内周面に追随して、当該内周面に4 の崩落抑制棒50を押し付ける押し付け手段 構成している。

 図9は、図6に示す強化用繊維束繰り出し 置において回巻体から強化用繊維束が引き される様子を示す斜視図である。図10は、図 9における浮き上がり防止金具を示す断面図 ある。

 図9において、35は傘状ガイドである。傘 ガイド35は、棒状部と傘部とを有している 起立姿勢の傘状ガイド35は、その棒状部の下 端が支柱40の上端に着脱可能に固定されてい 。回巻体21から引き出された強化用繊維束2 、傘状ガイド35の傘部の円周縁部に接しな ら上方へ導かれる。強化用繊維束2の引き出 中においては、傘部の円周縁部が崩落抑制 材(崩落抑制棒など)の上端部よりも径方向 側に位置するように、傘状ガイド35の傘部の 大きさが設定されている。この傘状ガイド35 傘部は、外周部から中央部に向けて上方に 出する円錐板状(傘状)の形状に限らず、円 状の形状にしてもよい。

 図9,図10において、36は浮き上がり防止金 である。浮き上がり防止金具36は、この実 形態では、繊維束包装体20の外側に設けられ 、繊維束包装体20の高さ方向に延びる棒状部 、この棒状部の上部から屈曲し、繊維束包 体20上面の周縁部を上から押えるヘッド部 を有している。このヘッド部は、平面視でC 状をなしている。2個の浮き上がり防止金具 36は、それぞれ、ベースプレート31に固定さ たボス37に差し込まれ、ボス37に対して固定 ルト38で固定される。繊維束包装体20の種類 によっては、最外巻層の強化用繊維束2に熱 縮フィルム22が貼りついているものがある。 このため、最外巻層の強化用繊維束2が、熱 縮フィルム12ごと上に浮き上がってしまう場 合がある。このことを防止するために、浮き 上がり防止金具36を備えている。崩落抑制棒5 0の移動の軌跡と交差しない位置であって、 維束包装体20の上面の周縁部における少なく とも2箇所の位置を押えることができるよう 、浮き上がり防止金具36を設けることがよい 。

 このように構成される強化用繊維束繰り し装置30には、まず、繊維束包装体20が装着 される。なお、前記繊維束包装体20としては 回巻体21の上下面を覆う部分の熱収縮フィ ム22が予め取り除かれ、回巻体21の外周面が 収縮フィルム22により被覆されたものを使 した。支柱40に固定されている傘状ガイド35 取り外した後、4本の崩落抑制棒50を図6にお ける「P1」で示される位置に移動させる。次 、4本の崩落抑制棒50の上方より繊維束包装 20を下降させ、繊維束包装体20の内側に4本 崩落抑制棒50を通した状態で、当該繊維束包 装体20をベースプレート31上に載置する。そ すると、繊維束包装体20の回巻体21の軸線は 支柱40の軸線と互いに同一線上に配置され 。また、回巻体21の内周面は、4本の崩落抑 棒50によって半径方向の外側へ押し付けられ ている状態となる。このように、繊維束包装 体20の装着が完了すると、支柱40に傘状ガイ 35が固定される。また、浮き上がり防止金具 36が取り付けられる。

 繊維束包装体20の装着が完了すると、前 した撚りローラ13A,13Bの動作によって回巻体2 1から強化用繊維束2が順次引き出される。そ 結果、回巻体21の厚みは次第に小さくなる つまり、回巻体21の内周面は次第に外側に変 位する。4本の崩落抑制棒50は、前記した平行 リンク機構により、回巻体21の外側に変位す 内周面に追随して移動し、常に当該内周面 押し付けられる。

 ここで、前述したように、強化用繊維束 り出し装置に装着される回巻体21の外周面 、熱収縮フィルム22が被覆されている。そし て、装着後の回巻体21の巻層は、この実施形 では、円周方向における4箇所において熱収 縮フィルム22と崩落抑制棒50との間に挟まれ 状態となっている。このように、回巻体21の 内周面に押し付けられている4本の崩落抑制 50により、回巻体21の巻層を崩落しないよう しっかりと支えることができる。なお、回 体21の内周面に向けて押し付け力を付与し けることができる場合には、回巻体21から熱 収縮フィルム22を全て取り除いておいてもよ 。

 強化用繊維束2の引き出しが進行して、回 巻体21の最外巻層付近まで強化用繊維束2が引 き出されると、4本の崩落抑制棒50が図6の「P2 」で示す位置に変位して、回巻体21の内側面 支持するので、巻層の崩落を抑制して強化 繊維束2がもつれるのを抑制することができ る。よって、強化用繊維束2を含浸ダイ7まで くパスラインにおいて前記もつれに起因す 強化用繊維束2の断線を抑制しつつ、この強 化用繊維束2に継ぎ合わされている新しい回 体への切り替えを行うことができるので、 時間にわたり連続して長繊維強化熱可塑性 脂ペレットの製造を行うことができる。

 本実施形態では、複数の崩落抑制部材と て、複数の前記崩落抑制棒50に代えて、複 の湾曲板状体を用いるようにしてもよい。 の湾曲板状体は、回巻体21の内周面の湾曲形 状に対応した外面形状を有するものである。 また、前記崩落抑制棒50を押し付ける押し付 手段として、エアシリンダ、あるいは電動 動アクチュエータを用いてもよい。エアシ ンダ、あるいは電動直動アクチュエータを いた場合、強化用繊維束が強化用繊維束2が 最大に回巻された状態から最外巻層付近まで 強化用繊維束2が引き出された状態の直前ま にわたって、押し付け力を一定に保持する とができるという利点がある。

 次に、前記第2の実施形態に係る実施例に ついて説明する。図5に示す製造装置を用い 長繊維強化樹脂ペレットを製造する実験を い、図6~図10に示す強化用繊維束繰り出し装 について評価した。強化用繊維束として、 ラス繊維束を用いた。1本あたりのガラス繊 維束の仕様(構成)は、ガラス繊維径(フィラメ ント径)17μm、重量2400g/kmである。なお、仕様 同一のガラス繊維束による繊維束包装体で っても、メーカーの違いによって、巻層の 落の起こりやすさに差があるため、メーカ の異なる2種類の繊維束包装体(繊維束包装 G,H)を使用した。繊維束包装体の寸法は、外 :φ300mm、内径:φ150mm、高さ:330mmである。なお 、回巻体の上下面を覆う部分の熱収縮フィル ムが取り除かれて、回巻体の外周面が熱収縮 フィルムで被覆されている繊維束包装体を使 用した。

 [実施例1]実験条件は、繊維束包装体:3個 生産速度(引き取り速度):80m/min、熱可塑性樹 :ポリプロピレン、繊維含有率:約70%、撚り ーラの撚り角度θ1:17.5°とした。図5に示すよ うに、3個の繊維束包装体は、それぞれ、強 用繊維束繰り出し装置に装着してある。そ て、3個の繊維束包装体それぞれから引き出 れた合計3本の強化用繊維束を、パスライン を経て含浸ダイに導入するようにした。

 その結果、繊維束包装体Gの場合、合計10 の繊維束包装体の切り替え実験を行い、10 とも断線を起こすことなく切り替えを行う とができた。また、繊維束包装体Hの場合、 計10回の繊維束包装体の切り替え実験を行 、10回とも断線を起こすことなく切り替えを 行うことができた。

 [比較例1]実験条件は、実施例1と同一であ る。崩落抑制部材及び押し付け手段を備えて いない強化用繊維束繰り出し装置を使用した 。その結果、繊維束包装体Gの場合、合計10回 の繊維束包装体の切り替え実験を行い、8回 け断線を起こすことなく切り替えを行うこ ができた。また、繊維束包装体Hの場合、合 10回の繊維束包装体の切り替え実験を行い 3回だけ断線を起こすことなく切り替えを行 ことができた。

 (第3の実施形態)
 以下、図面を参照して第3の発明に係る実施 形態(第3の実施形態)について説明する。図12 第3の実施形態に係る長繊維強化熱可塑性樹 脂ペレットの製造装置の全体構成を示す図で ある。

 図12において、70は、後述する強化用繊維 束繰り出し装置である。本実施形態に係る長 繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの製造装置は 、3台の強化用繊維束繰り出し装置70を備えて いる。

 図12に示すように、各強化用繊維束繰り し装置70の回巻体61(62)から引き出された強化 用繊維束2は、それら3本が引き揃えられて、 対の加熱用ローラ6A,6Bを備えた予熱用加熱 置5に導かれる。強化用繊維束2は、予熱用加 熱装置5によって昇温された後、含浸ダイ7内 導かれる。この含浸ダイ7には、スクリュ11 内蔵する押出機10から、溶融樹脂(溶融した 可塑性樹脂)3が連続供給される。また、前 含浸ダイ7の内部には、強化用繊維束2に対し 溶融樹脂3を含浸させるための複数個の含浸 ーラ9が配設されている。含浸ダイ23の出口 は、撚りが付与された樹脂含浸強化用繊維 からなる断面円形状の長繊維強化樹脂スト ンド4の線径を定めるダイノズル8が取り付け られている。

 溶融樹脂は、含浸ダイ7を通過する強化用 繊維束2に対して含浸され、溶融樹脂を含浸 た強化用繊維束2が樹脂含浸強化用繊維束と される。この含浸ダイ7の下流側に設けられ た撚りローラ13A,13Bは、樹脂含浸強化用繊維 に対し撚りを付与するようになっている。 りローラ13A,13Bは、撚り機及び引取り機とし 機能するものである。そして、撚りが付与 れた樹脂含浸強化用繊維束からなる長繊維 化樹脂ストランド4は、撚りローラ13A,13Bに り、含浸ダイ7から連続的に引き取られる。

 含浸ダイ7のダイノズル8から引き出され 高温の長繊維強化樹脂ストランド4は、冷却 槽12によって冷却硬化されて、撚りローラ13 A,13Bへと導かれる。そして、撚りローラ13A,13B の下流側に導かれた長繊維強化樹脂ストラン ド4は、ペレタイザー14で所定長さに切断され て長繊維強化樹脂ペレットとされる。

 上述した図2に示すように、一対の撚りロ ーラ13A,13Bの回転軸線は、平行な平面(水平面) 上にそれぞれ配置され、かつ、前記平面と直 交する方向から見た平面視において互いに交 差して配置されている。この状態で、各撚り ローラ13A,13Bは、上流側からの長繊維強化樹 ストランド4を挟むように対向配置されてい 。すなわち、図2における上側の撚りローラ 13Aの回転軸線aと下側の撚りローラ13Bの回転 線とは、平面視において、長繊維強化樹脂 トランド4の引き取り方向に対して互いに相 する方向に、かつ同一角度をなして所定角 (撚り角度θ1:図3参照)だけずれた向きに設定 されている。

 次に、前記強化用繊維束繰り出し装置70 ついて説明する。

 図13は、第3の実施形態に係る強化用繊維 繰り出し装置の全体構成を示す正面図であ 。図14は、図13に示す強化用繊維束繰り出し 装置の要部を示す断面図である。

 本実施形態に係る強化用繊維束繰り出し 置70では、2つの回巻体61,62を装着すること 可能に構成されている。そして、繊維束取 出し中の回巻体(図13の例では回巻体61)の強 用繊維束2の末端と次に強化用繊維束2を取り 出す回巻体(図13の例では回巻体62)の強化用繊 維束2の先端とは、エアスプライサ等を用い 作業者によって予め連結されている(繋ぎ合 されている)。つまり、強化用繊維束繰り出 し装置70では、一方の回巻体(図13では回巻体6 1)の強化用繊維束2が無くなった後に当該一方 の回巻体を新たな回巻体と交換するとともに 、他方の回巻体(図13では回巻体62)の強化用繊 維束2の末端と新たな回巻体の強化用繊維束2 先端とを連結するという方法を採用するこ ができるので、2つの回巻体の強化用繊維束 2の連結を繰り返しつつ、2つの回巻体から交 に強化用繊維束2を長時間にわたり連続して 供給することができる。

 本実施形態における強化用繊維束繰り出 装置70は、起立姿勢に保持された2つの回巻 61,62から非回転式外取り法によって交互に 化用繊維束2が取り出されるようにしたもの ある。非回転式外取り法とは、回巻体自体 回転させずに、例えば回巻体をある物の上 起立姿勢で載置した状態で、回巻体外周側 ら強化用繊維束を取り出す(引き出す)方法 ある。

 図13に示すように、強化用繊維束繰り出 装置70は、無芯円筒状をなす2つの回巻体61,62 の各々が載置される回巻体載置台100と、回巻 体載置台100上に立設された芯ガイド90とを備 ている。回巻体61,62を、芯ガイド90を内側に 挿入しつつ回巻体載置台100上に載置すること により、回巻体61,62は、その軸線方向を上下 向に向けた起立姿勢で回巻体載置台100上に 持される。

 また、強化用繊維束繰り出し装置100は、2 つの回巻体61,62の上方に設けられ、当該回巻 61,62から含浸ダイ7へ導かれる強化用繊維束2 の途中部を支持する強化用繊維束取出しガイ ド80を備えている。強化用繊維束取出しガイ 80には、強化用繊維束2を通過させる貫通孔 設けられている。図13に示す例では、回巻 61(62)から取り出された強化用繊維束2は、強 用繊維束取出しガイド80を通じて図面奥側 引き出されるようになっている。

 前記回巻体載置台100は、図13,図14に示す うに、回巻体61(62)の内径とほぼ同じ寸法の 径を有した有底円筒体102と、この有底円筒 102のドーナツ状の上端面に固着され、回巻 61(62)の内径とほぼ同じ寸法の内径を有し、 の上面に回巻体61(62)が載置される円環状を すテーブル板101とを備えている。テーブル 101には、その裏面に3個乃至4個の支持脚103が 取り付けられている。前記回巻体載置台100は 、水平に延びる床面上に配置される。

 また、前記芯ガイド90は、図13,図14に示す ように、回巻体61(62)の内径よりわずかに小さ い外径寸法を持つ倒立コップ状の胴部91を有 ている。この胴部91の先端は、回巻体61(62) 挿入しやすくするための先細りとされてい 。胴部91は、例えば薄肉鋼板で作製されてい る。胴部91の上面には、取っ手92が取り付け れている。なお、胴部91を塩化ビニールで作 製したものでは、軽量であるものの、最内巻 層付近で静電気が発生した。

 次に、強化用繊維束繰り出し装置70にお る取り出し角θ2について説明する。図15は、 図13に示す強化用繊維束繰り出し装置におけ 取り出し角θ2を説明するための図であって 2つの回巻体と強化用繊維束取出しガイドと の位置関係を示す平面図である。図16は、図1 5の各回巻体をそれぞれXVI矢視方向から見た 面図である。

 ここで、2つの回巻体61,62は、平面視の図1 5に示すようにY方向においては互いに位置ず なく配置されている。また、強化用繊維束 出しガイド80は、Y方向については各回巻体6 1、62と同じ位置に配置され、正面視の図13に すようにZ方向については2つの回巻体61,62の 上方に配置され、平面視の図15に示すようにX 方向については2つの回巻体61,62間の中央位置 に配置されている。

 そして、このような位置関係において、 の強化用繊維束繰り出し装置70では、以下 条件を満たすように、各回巻体61,62間の距離 、強化用繊維束取出ガイド80の高さの少なく も一方が調整されている。前記条件とは、 面視において強化用繊維束取出しガイド80 各回巻体61,62の軸心点CPとをそれぞれ結ぶ直 の延長線が当該各回巻体61,62の外周円とそ ぞれ交わる点を最遠点Pと称した場合に(図15 照)、前記軸心点CPと前記最遠点Pとを含む鉛 直面に直交する方向XVIから見た正面視におい て、前記最遠点Pと強化用繊維束取出ガイド80 とを結ぶ強化用繊維束パスラインPLと当該各 巻体61,62の軸心線CLとのなす取り出し角θ2( 16参照)が45°以下となるように設定されたも である。

 例えば、図13,図15において、回巻体61,62の 外径をφ265mm、回巻体61,62の軸心線CL間の距離 800mm、強化用繊維束取出しガイド80のテーブ ル板101のレベルからの高さを870mmと設定する 、取り出し角θが約44°となる。なお、回巻 61,62は、強化用繊維束2の引き出し量に応じ 外径寸法が小さくなり、外形寸法が小さく ると、前記取り出し角θ2も小さくなる。し がって、本実施形態では、未使用の回巻体6 1,62に対して取り出し角θ2を45°以下となるよ に設定しておけば、当該各回巻体61,62の外 寸法にかかわらず常に取り出し角θ2を45°以 に保つことができる。

 図17は、第3の発明に係る強化用繊維束繰 出し装置における取り出し角を説明するた の別の図であって、2つの回巻体及び強化用 繊維束取出しガイドの配置位置関係を示す平 面図である。図18は、図17の各回巻体をそれ れXVIII矢視方向から見た正面図である。

 ここで、2つの回巻体61,62は、平面視の図1 7に示すようにY方向においては互いに位置ず なく配置されている。一方、強化用繊維束 出しガイド80は、Z方向については2つの回巻 体61、62,12の上方に配置され、平面視の図17に 示すように、Y方向については回巻体61,62に対 して位置ずれして配置され、X方向について 2つの回巻体61,62間の中央位置より回巻体61側 へ位置ずれして配置されている。

 そして、このような位置関係において、 の強化用繊維束繰り出し装置70では、以下 条件を満たすように、図外の回巻体位置調 手段やガイド高さ調整手段を用いて、各回 体61、62間の距離、強化用繊維束取出ガイド8 0の高さの少なくとも一方が調整されている 前記条件とは、平面視において強化用繊維 取出しガイド80と各回巻体61,62の軸心点CPと それぞれ結ぶ直線の延長線が当該各回巻体61 ,62の外周円とそれぞれ交わる点を最遠点Pと した場合に(図17参照)、前記軸心点CPと前記 遠点Pとを含む鉛直面に直交する方向XVIIIか 見た正面視において、前記最遠点Pと強化用 維束取出ガイド80とを結ぶ強化用繊維束パ ラインPLと当該回巻体の軸心線CLとのなす取 出し角θ2(図18参照)が45°以下となるように 定されたものである。なお、使用する回巻 が特定されていることにより取り出し角θ2 当初設定しておけば、以後に調整不要な場 には、回巻体位置調整手段やガイド高さ調 手段は設けなくてもよい。また、ガイド高 調整手段は、回巻体の設置高さを調整する 巻体高さ調整手段に換えてもよい。

 このように、本実施形態に係る長繊維強 熱可塑性樹脂ペレットの製造装置は、強化 繊維束繰り出し装置70を備えており、直列 連結される2つの回巻体61,62から交互に強化 繊維束Rを取り出すに際し、前記取り出し角 2が以下のように設定されている。つまり、 面視において強化用繊維束取出しガイド80 各回巻体61,62の軸心点CPとを結ぶ直線の延長 が当該各回巻体61,62の外周円と交わる点を 遠点Pと称した場合に、前記軸心点CPと前記 遠点Pとを含む鉛直面に直交する方向から見 正面視において、前記最遠点Pと強化用繊維 束取出ガイド80とを結ぶ強化用繊維束パスラ ンPLと当該回巻体の軸心線CLとのなす取り出 し角θ2が45°以下となるように条件設定され いる。

 したがって、非回転式外取り法によって 巻体61,62の外周側より強化用繊維束2を取り すに際し、強化用繊維束2が回巻体上端側の 外周縁部にひっかかるのを抑制しつつ、回巻 体外周側より強化用繊維束2をスムーズに取 出すことができる。

 なお、強化用繊維束取出しガイド80をよ 高く配置することにより、取り出し角θ2を り小さくすることが可能であるが、単に強 用繊維束取出しガイド80を高く配置するだけ では装置設置スペースの増大を招くこととな る。また、取り出し角θ2が大きいほど、強化 用繊維束2に生じる張力が高くなり、さらに 最遠点Pで強化用繊維束2に毛羽立ちが発生す る。これらの点を考慮すると、より好ましく は、取り出し角θ2は、20~34°の範囲がよい。

 また、本実施形態に係る強化用繊維束繰 出し装置70は、各回巻体61,62の内側に挿入さ れ、各回巻体61,62を起立姿勢に保持する芯ガ ド90を備えている。したがって、回巻体61,62 の最内巻層付近まで強化用繊維束2が取り出 れて巻層が薄くなっても、強化用繊維束が つれることを抑制することができるので、 の回巻体に連結されている次の回巻体への り替える作業についても失敗無く確実に行 ことができる。

 よって、本実施形態に係る長繊維強化熱 塑性樹脂ペレットの製造装置によれば、強 用繊維束の断線や、回巻体の切り替え失敗 引き起こすことなく、含浸ダイに対して強 用繊維束を長時間にわたり連続して供給す ことができるので、長繊維強化熱可塑性樹 ペレットの生産性の向上を図ることができ 。

 図19は、第3の発明に係る強化用繊維束繰 出し装置の別の全体構成を示す正面図であ 。傾斜形成板104が付加されている点以外は 図13に示す強化用繊維束繰り出し装置と同 構成である。

 この強化用繊維束繰り出し装置70’は、 19に示すように、回巻体載置台100に付加され た傾斜形成板104を備えている。この傾斜形成 板104は、軸心線CLが各回巻体61,62の上方で強 用繊維束取出しガイド80に近接するように、 例えば設置面に対し10°程度傾斜した状態で 立姿勢の回巻体61,62を保持することが可能に 構成されている。これにより、強化用繊維束 繰り出し装置70’の装置高さを低くできると う利点がある。

 次に、前記第3の実施形態に係る実施例に ついて説明する。図12に示す3台の強化用繊維 束繰り出し装置を備えた製造装置によって長 繊維強化樹脂ペレットの製造実験を行い、図 13~図16に示す強化用繊維束繰り出し装置につ て評価した。強化用繊維束として、ガラス 維束を用いた。1本あたりのガラス繊維束の 仕様(構成)は、ガラス繊維径(フィラメント径 )17μm、重量2400g/kmである。回巻体の寸法は、 径:φ280mm、内径:φ150mm、高さ:330mmである。

 [実施例1]実験条件は、強化用繊維束繰り し装置:3台、取り出し角θ2:45°,34°、生産速 (引き取り速度):80m/min、熱可塑性樹脂:ポリ ロピレン、繊維含有率:約70%、撚りローラの り角度θ1:17.5°とした。

 その結果、10回の回巻体の切り替えを行 、取り出し角θ2が45°の場合、34°の場合とも に、回巻体の最内巻層付近までガラス繊維束 が取り出されてもガラス繊維束のもつれを発 生することがなく、10回とも失敗なく切り替 を行うことができた。ここで、取り出し角 2が45°の場合、取り出されるガラス繊維束が 回巻体上端側の外周縁部にこすれて、ガラス 繊維束に多少の毛羽立ちが発生した。一方、 取り出し角θ2が34°の場合には、毛羽立ちが 生することなくガラス繊維束を良好に取り すことができた。

 [比較例1]芯ガイドを装着しないこと以外 、実施例1と同じ条件で製造実験を行った。 その結果、取り出し角θ2が45°の場合、34°の 合ともに、回巻体の最内巻層付近にてガラ 繊維束のもつれが発生し、10回とも回巻体 切り替えに失敗した。

 [比較例2]取り出し角θ2を47°にしたこと以 外は、実施例1と同じ条件で製造実験を行っ 。その結果、取り出そうとするガラス繊維 が回巻体上端側の外周縁部にひっかかるこ が発生した。

 なお、前記第1~第3の実施形態は、それぞ 別々の実施形態として説明したが、これら 実施形態を組み合わせることも可能である

 具体的に、第1の実施形態に係る長繊維強 化熱可塑性樹脂ペレットの製造装置に対し、 第2の実施形態に係る強化用繊維束繰り出し 置30を採用することや、第3の実施形態に係 強化用繊維束繰出し装置70を採用することが できる。

 なお、上述した具体的実施形態には以下 構成を有する第1~第3の発明が主に含まれて る。

 まず、第1の発明は、長繊維強化熱可塑性 樹脂ペレットを製造する方法であって、多数 の強化用単繊維が集束された強化用繊維束を 回巻体から連続的に引き出す工程と、前記回 巻体から引き出された強化用繊維束を連続的 に含浸ダイに導入するとともに、導入された 強化用繊維束に対して溶融した熱可塑性樹脂 を含浸させて樹脂含浸強化用繊維束を生成す る工程と、前記含浸ダイの下流側に設けられ た撚り機により、前記含浸ダイを連続的に通 過している樹脂含浸強化用繊維束に撚りを付 与して長繊維強化樹脂ストランドを生成する 工程と、前記長繊維強化樹脂ストランドを連 続的に引き取りつつ、前記長繊維強化樹脂ス トランドを切断してペレットを生成する工程 とを含み、前記回巻体から強化用繊維束を連 続的に引き出す工程は、使い終わりの回巻体 の強化用繊維束と新しい回巻体の強化用繊維 束とを繋ぎ合わせる作業を含み、前記繋ぎ合 わせる作業では、前記使い終わりの回巻体の 強化用繊維束の終端部分と新しい回巻体の強 化用繊維束の始端部分の双方について、それ ぞれ、強化用繊維束の長手方向の所定範囲に わたり当該長手方向と直交する断面方向の一 部を除去することにより、前記強化用繊維束 の断面における繊維量が本来の約半分である 繊維量半減端部を形成するとともに、エアス プライサにより、前記使い終わりの回巻体の 繊維量半減端部及び新しい回巻体の繊維量半 減端部のそれぞれの強化用単繊維同士をその 長手方向における1箇所以上にて交絡させ、 つ、前記新しい回巻体の強化用繊維束にお る前記繊維量半減端部よりも上流側の部分 あって前記断面方向の一部が除去されてい い部分である繊維量非削減端部において、 の長手方向における1箇所以上にて、エアス ライサにより、強化用単繊維同士を交絡さ ることを特徴とする長繊維強化熱可塑性樹 ペレットの製造方法を提供する。

 ここで、「エアスプライサ」とは、例え 、特開昭51-19843号公報に開示されるように 交絡加工を行うための装置のことを意味す 。交絡加工とは、流体の乱流を利用して糸 に交絡を与えることをいう。

 この第1の発明によれば、以下のような従 来の問題点を解消することができる。

 長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット(以下、 単に長繊維強化樹脂ペレットともいう)は、 出成形用の原料として使用されるものであ 。長繊維強化樹脂ペレットは、ペレット長( えば3~10mm程度)がほぼそのまま繊維長となる ため、短繊維強化樹脂ペレットに比べて機械 的強度に優れている。

 長繊維強化樹脂ペレットの製造には、多 本の強化用単繊維(フィラメント)を集束し なる強化用繊維束(ロービング)を巻き取って なる回巻体(ロービングパッケージ)が用いら る。そして、この長繊維強化樹脂ペレット 製造方法としては、撚りを行わない引抜き と、撚りを行う引抜き法とが知られている

 撚りを行わない引抜き法では、まず、回 体から引き出された強化用繊維束を連続的 含浸ダイに導入する。含浸ダイでは、強化 繊維束に対し溶融した熱可塑性樹脂を含浸 せる。この含浸ダイから樹脂含浸強化用繊 束からなる長繊維強化樹脂ストランドを連 的に引き取り、この長繊維強化樹脂ストラ ドを所定長さに切断して、長繊維強化樹脂 レットを製造する。図21は、撚りを行わな 引抜き法によって得られる長繊維強化樹脂 レットを示す模式図である。

 また、撚りを行う引抜き法では、まず、 巻体から引き出された強化用繊維束を連続 に含浸ダイに導入する。含浸ダイでは、強 用繊維束に溶融した熱可塑性樹脂を含浸さ る。含浸ダイの下流側に設けられた撚りロ ラ等の撚り機により、含浸ダイを連続的に 過している樹脂含浸強化用繊維束に撚りを 与する。撚りが付与された樹脂含浸強化用 維束からなる長繊維強化樹脂ストランドを 浸ダイから連続的に引き取り、この長繊維 化樹脂ストランドを所定長さに切断して、 繊維強化樹脂ペレットを製造する。図20は 撚りを行う引抜き法によって得られる長繊 強化樹脂ペレットを示す模式図である。

 ところで、回巻体から連続的に引き出さ る強化用繊維束を使用して、長繊維強化樹 ペレットを製造する場合、使い終わりの回 体の強化用繊維束と新しい回巻体の強化用 維束とを継ぎ合わせて、強化用繊維束を長 間にわたり連続的に供給できるようにする 要がある。

 特開平6-114832号公報には、前述した撚り 行わない引抜き法を用いた長繊維強化樹脂 レットの製造方法が開示されている。具体 に、この製造方法は、使い終わりの回巻体 強化用繊維束の終端部分と新しい回巻体の 化用繊維束の始端部分とを重ね合わせ、エ スプライサにより、重ね合わされた部分同 を交絡させるものである。これにより、使 終わりの回巻体の強化用繊維束と新しい回 体の強化用繊維束とを継ぎ合わせるように ている(第1の従来技術)。

 しかしながら、前述した第1の従来技術で は、使い終わりの回巻体の強化用繊維束と新 しい回巻体の強化用繊維束との継ぎ合せ部( ぎ目)の繊維量が、強化用繊維束の繊維量の2 倍となる。つまり、継ぎ合せ部の太さが本来 の強化用繊維束の太さより大きくなる。この ため、繊維含有率が30%程度以上の長繊維強化 樹脂ペレットを製造する場合、継ぎ合せ部が 含浸ダイのダイノズルに引っかかってつまり 易く、高速の生産速度では強化用繊維束が断 線し易いという問題がある。

 また、特開2003-301340号公報には、繊維束 士を継ぎ合せる方法が提案されている(第2の 従来技術)。繊維束は、それぞれ、多数本の 繊維(フィラメント)を集束してなるものであ る。図22は第2の従来技術を説明するため模式 図である。

 この第2の従来技術による方法を説明する 。図7に示すように、一方の繊維束X1と他方の 繊維束X2とを重ね合わせるようにして引き揃 た後、繊維束X1を半割にして、糸Y1'と糸Y1と を形成する。また、繊維束X2を半割にして、 Y2と糸Y2'とを形成する。次いで、糸Y1'と糸Y2 とを重ね合わせるとともに、糸Y1と糸Y2’と 重ね合わせる。そして、エアスプライサに り、Y1'とY2同士を交絡させて交絡部Z1を形成 るとともに、Y1とY2’同士を交絡させて交絡 部Z2を形成する。この場合、交絡部Z1,Z2は、 維束長手方向における異なる位置において 成されている。

 しかしながら、前述した第2の従来技術に おいて、交絡部Z1と糸Y1とからなる(Z1+Y1)部分 繊維量は、繊維束X1の繊維量の1.5倍となり 本来の繊維束X1の太さより大きくなる。同様 に、交絡部Z2と糸Y2とからなる(Z2+Y2)部分の繊 量は、繊維束X2の繊維量の1.5倍となり、本 の繊維束X2の太さより大きくなる。このため 、第2の従来技術によって継ぎ合わされた強 用繊維束を用いて、繊維含有率が高い長繊 強化樹脂ペレットを製造する場合、前記(Z1+Y 1)部分及び前記(Z2+Y2)部分を有する継ぎ合せ部 が、含浸ダイのダイノズルに引っかかってつ まり易いという問題がある。

 そこで、第1の発明の課題は、回巻体から 連続的に引き出される強化用繊維束に撚りを 付与する引抜き法により長繊維強化熱可塑性 樹脂ペレットを製造するに際し、使い終わり の回巻体の強化用繊維束と新しい回巻体の強 化用繊維束との継ぎ合わせ部を、強化用繊維 束の断線などを引き起こさずに、高い生産速 度にて含浸ダイのダイノズルを通過させるこ とができる長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット の製造方法を提供することにある。

 そして、前述した第1の発明に係る製造方 法によれば、回巻体から連続的に引き出され る強化用繊維束に撚りを付与する引抜き法に より長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットを製造 するに際し、繊維量が本来の約半分である繊 維量半減端部同士を交絡させることにより繋 ぎ合わせ部分が元々の強化用繊維束の太さに 比べて太くなるのを抑制しつつ各強化用繊維 束同士を繋ぎ合わせることができる。したが って、ダイノズルを通過できないことによる 強化用繊維束の断線や、ダイノズル通過後に 製造停止を招く要因となるダイノズルへの毛 羽のつまりを引き起こすことなく、高い生産 速度にて含浸ダイのダイノズルを通過させる ことができるため、長繊維強化熱可塑性樹脂 ペレットの生産性を向上させることができる 。

 前記長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの 造方法において、前記繋ぎ合わせる作業で 、エアスプライサによって前記強化用単繊 同士が交絡された交絡部に対し、前記強化 繊維束に含浸させる熱可塑性樹脂と同一の 脂からなる接着剤をさらに付与することが ましい。

 このようにすれば、各強化用繊維束同士 より強固に繋ぎ合わせることができる。

 前記長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの 造方法において、前記回巻体から強化用繊 束を連続的に引き出す工程は、前記回巻体 内周側より強化用繊維束を順次引き出す作 を含み、この引き出し作業に際し、前記回 体の内周面に対し径方向の外側へ押し付け れた複数の崩落抑制部材を、強化用繊維束 引き出されるにつれて次第に径方向の外側 変位する前記回巻体の内周面に追随して変 させることにより、回巻体の強化用繊維束 崩落を抑制することが好ましい。

 このようにすれば、回巻体の最外巻層付 まで強化用繊維束が引き出された場合でも 巻層の崩落を抑制することができるので、 落した巻層の強化用繊維束がもつれを抑制 ることができる。したがって、前記もつれ 起因する強化用繊維束の断線を抑制するこ ができるので、この強化用繊維束に継ぎ合 されている新しい回巻体への切り替えも確 に行うことができ、長時間にわたり連続し 長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの製造を うことができる。

 前記長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの 造方法において、前記回巻体から強化用繊 束を連続的に引き出す工程は、繋ぎ合わさ た複数の回巻体を回転させることなく、か 、各回巻体の軸線が上下方向に向く起立姿 に各回巻体を保持しつつ、前記各回巻体の 周側から当該各回巻体の上方に設けられた 化用繊維束取出ガイドを経由させて強化用 維束を取り出す作業を含み、この取り出し 業に際し、平面視において前記強化用繊維 取出しガイドと前記回巻体の軸心点とを結 直線の延長線が当該回巻体の外周円と交わ 点を最遠点とした場合に、前記軸心点と前 最遠点とを含む鉛直面に直交する方向から る正面視において、前記最遠点から前記強 用繊維束取出ガイドへ延びる強化用繊維束 スラインと当該回巻体の軸心線とのなす取 出し角が当該回巻体の外周円の直径寸法に かわらず常に45°以下となるようにして、強 化用繊維束の取り出しを行うことが好ましい 。

 このようにすれば、強化用繊維束の取り し角が回巻体の外周円の直径寸法にかかわ ず常に45°以下とされているので、各回巻体 を回転することなく回巻体の外周側から強化 用繊維束を取り出すに際し、強化用繊維束が 回巻体上端側の外周縁部にひっかかることな く、回巻体外周側から強化用繊維束をスムー ズに取り出すことができる。

 また、前記方法では、各回巻体を起立姿 に保持しつつ当該各回巻体から強化用繊維 を引き出すようにしているので、回巻体の 内巻層付近まで強化用繊維束が取り出され 巻層が薄くなっても、巻層の強化用繊維束 もつれることを抑えることができる。した って、回巻体に連結されている次の回巻体 の切り替えを確実に行うことができる。

 長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの製造 法において、前記回巻体から強化用繊維束 連続的に引き出す工程では、前記回巻体を 時2つ配置しておくとともに、これら2つの 巻体を連結し、前記2つの回巻体のうち、一 の回巻体の強化用繊維束が無くなった後に 該一方の回巻体を新たな回巻体と交換する ともに、他方の回巻体の末端と前記新たな 巻体の先端とを連結することが好ましい。

 このようにすれば、2つの回巻体の強化用 繊維束の連結を繰り返しつつ、2つの回巻体 ら交互に強化用繊維束を取り出すことが可 となる。

 また、第2の発明は、長繊維強化熱可塑性 樹脂ペレットを製造するための装置であって 、強化用繊維束が円筒状に回巻きされた回巻 体と、前記回巻体の内周側から強化用繊維束 を順次引き出すための強化用繊維束繰り出し 装置と、前記強化用繊維束繰り出し装置によ り前記回巻体から連続的に引き出された強化 用繊維束が導入され、当該強化用繊維束に対 して溶融した熱可塑性樹脂を含浸させて樹脂 含浸強化用繊維束を生成するための含浸ダイ と、前記含浸ダイの下流側に設けられ、前記 含浸ダイから前記樹脂含浸強化用繊維束から なる長繊維強化樹脂ストランドを連続的に引 き取るための引取り機と、前記長繊維強化樹 脂ストランドを切断するための切断部材とを 備え、前記強化用繊維束繰り出し装置は、前 記回巻体の内周面に対し径方向の外側へ押し 付けられることにより前記巻層の崩落を抑制 する複数の崩落抑制部材と、強化用繊維束が 順次引き出されるにつれて次第に径方向の外 側に変位する前記回巻体の内周面に追随して 前記複数の崩落抑制部材を径方向の外側に変 位させる押し付け手段とを有していることを 特徴とする長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット の製造装置を提供する。

 なお、第2の発明に係る製造装置の製造の 対象となる「長繊維強化熱可塑性樹脂ペレッ ト」は、撚りが付与されたもの、及び撚りが 付与されていないものの双方を含む趣旨であ る。

 この第2の発明によれば、以下のような従 来の問題点を解消することができる。

 長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット(以下、 単に長繊維強化樹脂ペレットともいう)は、 出成形用の原料として使用されるものであ 。長繊維強化樹脂ペレットは、ペレット長( えば3~10mm程度)がほぼそのまま繊維長となる ため、短繊維強化樹脂ペレットに比べて機械 的強度に優れている。

 長繊維強化樹脂ペレットの製造には、繊 束包装体が用いられる。図11に示すように 繊維束包装体20は、強化用繊維束(ロービン )を円筒状に回巻きした回巻体21に包装を施 たものであり、回巻体21の外表面が包装用の 熱収縮フィルム22によって被覆されている。 記強化用繊維束は、多数本の単繊維(フィラ メント)を束ねたストランドを所定本数撚ら に結合して扁平な紐状にしたものである。 の繊維束包装体20は、内取り法にて回巻体か ら強化用繊維束が引き出される。つまり、強 化用繊維束は、起立させた回巻体21の内周側 ら前記熱収縮フィルム22の開口部を通って 方へ引き出される。

 そして、長繊維強化樹脂ペレットは、引 き法を用いて製造される。この引抜き法と ては、撚りを行わない引抜き法と、撚りを う引抜き法とが知られている。撚りを行わ い引抜き法を用いるペレット製造方法では まず、繊維束包装体から強化用繊維束を連 的に引き出して含浸ダイに導入する。この 浸ダイでは、強化用繊維束に対し溶融した 可塑性樹脂を含浸させる。前記含浸ダイの 流側に設けられた引取り機により、前記含 ダイから樹脂含浸強化用繊維束からなる長 維強化樹脂ストランドを連続的に引き取る そして、ペレタイザー等により前記長繊維 化樹脂ストランドを所定長さに切断して、 繊維強化樹脂ペレットを製造する。図21は 撚りを行わない引抜き法によって得られる 繊維強化樹脂ペレットを示す模式図である

 また、撚りを行う引抜き法を用いるペレ ト製造方法では、まず、内取り用繊維束包 体から強化用繊維束を連続的に引き出して 浸ダイに導入する。この含浸ダイでは、強 用繊維束に対し溶融した熱可塑性樹脂を含 させる。含浸ダイを通過した強化用繊維束 は撚りが付与され、撚りが付与された樹脂 浸強化用繊維束からなる長繊維強化樹脂ス ランドは、前記含浸ダイの下流側に設けら た引取り機により、含浸ダイから連続的に き取られる。そして、ペレタイザー等によ 前記長繊維強化樹脂ストランドを所定長さ 切断して、長繊維強化樹脂ペレットを製造 る。この場合、前記引取り機としては、撚 ローラなどのように、撚り機としての機能 も兼ね備えたものが用いられる。図20は撚 を行う引抜き法によって得られる長繊維強 樹脂ペレットを示す模式図である。

 ところで、繊維束包装体から強化用繊維 を連続的に引き出しながら、長繊維強化熱 塑性樹脂ペレットを製造する場合、強化用 維束は、回巻体の内周側から順次引き出さ る。したがって、強化用繊維束が引き出さ るにつれて、回巻体の厚みは次第に小さく る。そして、回巻体の最外巻層付近まで強 用繊維束が引き出されると、巻層が崩落し 崩落した巻層の強化用繊維束がもつれるこ があった。このため、前記もつれに起因し 、強化用繊維束の断線が発生し、当該強化 繊維束に継ぎ合わされている新しい内取り 繊維束包装体への切り替えを行うことがで ないという不具合があった。

 前述した巻層の崩落現象を防止すること 目的として、特開2001-88881号公報には、ガラ スロービング包装体が提案されている。この ガラスロービング包装体は、ガラスロービン グを円筒状に回巻したガラス繊維束回巻体の 外表面が、袋状の熱収縮フィルムによって被 覆されてなるガラスロービング包装体である 。そして、前記熱収縮フィルムは、ポリプロ ピレン樹脂組成物あるいはポリエチレンテレ フタレート樹脂組成物から形成されている。 そして、熱収縮フィルムの動摩擦係数は、0.1 ~0.7とされているため、このガラスロービン 包装体では前記崩落現象の発生が抑制され 。

 しかしながら、前述したガラスロービン 包装体では、確実に前記崩落現象を防止す 点において必ずしも十分とはいえなかった

 そこで、第2の発明の課題は、回巻体の最 外巻層付近まで強化用繊維束が引き出されて も、巻層の崩落を抑制することにより巻層の 強化用繊維束がもつれることをなく最後まで 円滑に強化用繊維束を引き出すことができ、 これにより、前記もつれに起因する強化用繊 維束の断線を抑制しつつ、この強化用繊維束 に継ぎ合わされている新しい繊維束包装体へ の切り替えを行うことができる長繊維強化熱 可塑性樹脂ペレットの製造装置を提供するこ とにある。

 そして、第2の発明に係る長繊維強化熱可 塑性樹脂ペレットの製造装置によれば、回巻 体の最外巻層付近まで強化用繊維束が引き出 されても、巻層の崩落を抑えることができ、 これにより巻層の強化用繊維束がもつれるこ とを抑制することができる。よって、前記も つれに起因する強化用繊維束の断線の発生を 抑制しつつ、この強化用繊維束に継ぎ合わさ れている新しい回巻体への切り替えを行うこ とができ、長時間にわたり連続して長繊維強 化熱可塑性樹脂ペレットの製造を行うことが できる。

 前記長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの製 装置において、前記押し付け手段は、前記 巻体の内側で当該回巻体の軸線上に設けら た支柱と、前記支柱に対し前記軸線と直交 る軸回りに回動可能にピン結合されたリン とを備え、
 前記崩落抑制部材は、前記回巻体の内側面 対し前記軸線方向の全長にわたり当接可能 崩落抑制棒を備え、前記押し付け手段と崩 抑制部材によって、前記支柱に対して前記 崩落抑制棒を平行運動させるリンク機構が 成されていることが好ましい。

 このようにすれば、押し付け手段と崩落 制部材によって構成されたリンク機構によ 崩落抑制棒を回巻体の軸線と平行した姿勢 まま、当該回巻体の内側面に当接させるこ ができるので、この崩落抑制棒によって巻 の崩落を有効に抑制することができる。

 また、第3の発明は、長繊維強化熱可塑性 樹脂ペレットを製造するための装置であって 、強化用繊維束がそれぞれ円筒状に回巻きさ れた複数の回巻体と、一の回巻体の強化用繊 維束の末端と次に強化用繊維束を取り出す対 象となる回巻体の強化用繊維束の先端とが直 列に連結された前記各回巻体をそれぞれ回転 させることなく、当該各回巻体から順に強化 用繊維束を繰り出すように構成された強化用 繊維束繰り出し装置と、前記強化用繊維束繰 り出し装置により前記回巻体から連続的に引 き出された強化用繊維束が導入され、当該強 化用繊維束に対して溶融した熱可塑性樹脂を 含浸させて樹脂含浸強化用繊維束を生成する ための含浸ダイと、前記含浸ダイの下流側に 設けられ、前記含浸ダイから前記樹脂含浸強 化用繊維束からなる長繊維強化樹脂ストラン ドを連続的に引き取るための引取り機と、前 記長繊維強化樹脂ストランドを切断するため の切断部材とを備え、前記強化用繊維束繰り 出し装置は、前記各回巻体をそれぞれの軸線 が上下方向に向いた起立姿勢で保持する芯ガ イドと、前記各回巻体の上方に設けられ、前 記回巻体から含浸ダイへ導かれる強化用繊維 束の途中部を支持する強化用繊維束取出ガイ ドとを備え、平面視において前記強化用繊維 束取出しガイドと前記回巻体の軸心点とを結 ぶ直線の延長線が当該回巻体の外周円と交わ る点を最遠点とした場合に、前記軸心点と前 記最遠点とを含む鉛直面に直交する方向から 見る正面視において、前記最遠点から前記強 化用繊維束取出ガイドへ延びる強化用繊維束 パスラインと当該回巻体の軸心線とのなす取 り出し角が当該回巻体の外周円の直径寸法に かかわらず常に45°以下となるように、前記 回巻体と強化用繊維束取出ガイドとが配置 れていることを特徴とする長繊維強化熱可 性樹脂ペレットの製造装置を提供する。

 なお、第3の発明に係る製造装置の製造の 対象となる「長繊維強化熱可塑性樹脂ペレッ ト」は、撚りが付与されたもの、及び撚りが 付与されていないものの双方を含む趣旨であ る。

 この第3の発明によれば、以下のような従 来の問題点を解消することができる。

 長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット(以下、 単に長繊維強化樹脂ペレットともいう)は、 出成形用の原料として使用されるものであ 。長繊維強化樹脂ペレットは、ペレット長( えば3~10mm程度)がほぼそのまま繊維長となる ため、短繊維強化樹脂ペレットに比べて機械 的強度に優れている。

 長繊維強化樹脂ペレットの製造には、強 用繊維束(ロービング)を巻き取ってなる無 円筒状の回巻体(ロービングパッケージ)が用 いられる。前記強化用繊維束は、多数本の単 繊維(フィラメント)を束ねたストランドを所 本数撚らずに結合して扁平な紐状にしたも である。

 そして、長繊維強化樹脂ペレットは、引 き法を用いて製造される。この引抜き法と ては、撚りを行わない引抜き法と、撚りを う引抜き法とが知られている。撚りを行わ い引抜き法を用いるペレット製造方法では まず、回巻体から強化用繊維束を連続的に き出して含浸ダイに導入する。この含浸ダ では、強化用繊維束に対し溶融した熱可塑 樹脂を含浸させる。前記含浸ダイの下流側 設けられた引取り機によって、前記含浸ダ から樹脂含浸強化用繊維束からなる長繊維 化樹脂ストランドを連続的に引き取る。そ て、前記長繊維強化樹脂ストランドをペレ イザー等により所定長さに切断して、長繊 強化樹脂ペレットを製造する。図21は撚り 行わない引抜き法によって得られる長繊維 化樹脂ペレットを示す模式図である。

 また、撚りを行う引抜き法を用いるペレ ト製造方法では、まず、回巻体から強化用 維束を連続的に引き出して含浸ダイに導入 る。この含浸ダイでは、強化用繊維束に対 溶融した熱可塑性樹脂を含浸させる。前記 浸ダイの下流側に設けられた引取り機によ て、撚りがかけられた樹脂含浸強化用繊維 からなる長繊維強化樹脂ストランドを前記 浸ダイから連続的に引き取る。そして、ペ タイザー等により前記長繊維強化樹脂スト ンドを所定長さに切断して、長繊維強化樹 ペレットを製造する。この場合、前記引取 機としては、撚りローラなどのように、撚 機としての機能をも兼ね備えたものが用い れる。図20は、撚りを行う引抜き法によっ 得られる長繊維強化樹脂ペレットを示す模 図である。

 ところで、回巻体から取り出される強化 繊維束を使用して、長繊維強化樹脂ペレッ を製造する場合、強化用繊維束を長時間に たり連続して供給できるようにする必要が る。そこで、予め、複数の回巻体について れらの強化用繊維束がひとつながりとなる うに強化用繊維束の端部を順次連結し、こ ように直列に連結された複数の回巻体から 次連続して強化用繊維束を取り出すことが われている。

 ここで、回巻体から強化用繊維束を取り す(引き出す)方法としては、(1)外取り法、(2 )内取り法、及び(3)非回転式外取り法がある 外取り法は、回巻体自体を回転させながら 巻体外周側から強化用繊維束を取り出す(引 出す)方法である。内取り法は、回巻体自体 を回転させずに、例えばある物の上に回巻体 を起立姿勢で載置した状態で、回巻体内周側 から強化用繊維束を取り出す(引き出す)方法 ある。また、非回転式外取り法は、回巻体 体を回転させずに、例えば回巻体をある物 上に起立姿勢で載置した状態で、回巻体外 側から強化用繊維束を取り出す(引き出す) 法である。

 連結された複数の回巻体から順に取り出 れる強化用繊維束を使用して、長繊維強化 脂ペレットを製造するにあたり、従来は、 記内取り法が広範に採用されており(例えば 、特開平7-205317号公報)、前記非回転式外取り 法を採用したものは少ない。従来は、非回転 式外取り法を採用した場合に、内取り法を採 用する場合に比べて、回巻体から強化用繊維 束を取り出すための強化用繊維束繰り出し装 置の構成が簡単ですむという利点が考慮され ていなかった。

 そこで、第3の発明の課題は、非回転式外 取り法を採用して、直列に連結された複数の 回巻体から順次連続して強化用繊維束を取り 出して長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットを製 造するに際し、強化用繊維束が回巻体上端側 の外周縁部にひっかかることを抑制しつつ、 回巻体外周側より強化用繊維束をスムーズに 取り出すことができるとともに、回巻体の最 内巻層付近まで強化用繊維束が取り出された 場合であっても、強化用繊維束がもつれるこ とを抑制することにより、当該回巻体に連結 されている次の回巻体への切り替えを確実に 行うことができる長繊維強化熱可塑性樹脂ペ レットの製造装置を提供することにある。

 第3の発明によれば、強化用繊維束の取り 出し角が回巻体の外周円の直径寸法にかかわ らず常に45°以下とされているので、非回転 外取り法によって回巻体の外周側から強化 繊維束を取り出すに際し、強化用繊維束が 巻体上端側の外周縁部にひっかかることな 、回巻体外周側から強化用繊維束をスムー に取り出すことができる。

 また、第3の発明に係る製造装置では、各 回巻体を起立姿勢に保持しつつ当該各回巻体 から強化用繊維束を引き出すようにしている ので、回巻体の最内巻層付近まで強化用繊維 束が取り出されて巻層が薄くなっても、巻層 の強化用繊維束がもつれるのを抑えることが できる。したがって、回巻体に連結されてい る次の回巻体への切り替えを確実に行うこと ができる。

 よって、第3の発明に係る製造装置によれ ば、強化用繊維束の断線や、回巻体の切り替 え失敗を抑えつつ、含浸ダイに対して強化用 繊維束を長時間にわたり連続して供給できる ので、長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの生 産性の向上を図ることができる。

 前記長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの 造装置において、前記芯ガイドは、前記回 体を2つ保持することが可能に構成されてい ることが好ましい。

 このようにすれば、芯ガイドにより保持 れた2つの回巻体のうち、一方の回巻体の強 化用繊維束が無くなった後に当該一方の回巻 体を新たな回巻体と交換するとともに、他方 の回巻体の末端と新たな回巻体の先端とを連 結するという方法を採用することができるの で、2つの回巻体の強化用繊維束の連結を繰 返しつつ、2つの回巻体から交互に強化用繊 束を取り出すことが可能となる。

 本発明によれば、強化用繊維束(長繊維強 化樹脂ストランド)の連続的な引き出し作業 円滑に行うことができる。