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Title:
PROCESS FOR PRODUCING CELLULOSE BASE AMORPHOUS CARBON
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/153861
Kind Code:
A1
Abstract:
A process for producing a cellulose base amorphous carbon, comprising the chipping step (10) of chipping biomass resource into given configuration; the steam distillation step (20) of performing steam distillation of the chipped biomass resource; the enzymatic saccharifying reaction step (40) of causing an enzyme to act on any residue remaining in the steam distillation step to thereby produce a saccharified liquid; the concentrating step (70) of concentrating any distillate component having flowed out in the steam distillation step to thereby yield a liquid concentrate; and the chemical vapor deposition step (60) of spraying in mist form the saccharified liquid and/or the liquid concentrate in a reaction chamber maintained at a given temperature to thereby effect chemical vapor deposition. In this process, a cellulose base amorphous carbon as a raw material of carbon black can be produced efficiently and stably from biomass resource.

Inventors:
NISHIMOTO TETSURO (JP)
NISHIMOTO KIYOSHIRO (JP)
FUJIKAWA NAOHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/061055
Publication Date:
December 23, 2009
Filing Date:
June 17, 2008
Export Citation:
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Assignee:
JUON CO LTD (JP)
NISHIMOTO TETSURO (JP)
NISHIMOTO KIYOSHIRO (JP)
FUJIKAWA NAOHIRO (JP)
International Classes:
C01B31/02; B09B3/00; C09C1/44
Foreign References:
JP2005289666A2005-10-20
JP2007245096A2007-09-27
JP2008104404A2008-05-08
JPS4312421B1
Attorney, Agent or Firm:
SATO, MASARU (JP)
Masaru Sato (JP)
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Claims:
 バイオマス資源を所定の形状にチップ化するチップ化工程と、
 チップ化された前記バイオマス資源を水蒸気蒸留する水蒸気蒸留工程と、
 所定の温度に維持された反応室において前記水蒸気蒸留工程で生成されたセルロース系炭水化物含有水溶液をミスト状に噴霧することで化学蒸着させる化学蒸着工程と、
 を有することを特徴とするセルロース系アモルファスカーボンの製造方法。
 前記セルロース系炭水化物含有水溶液の全有機炭素量は20000ppm以上であることを特徴とする請求項1記載のセルロース系アモルファスカーボンの製造方法。
 前記所定の温度は500℃以上で800℃以下であることを特徴とする請求項1又は2記載のセルロース系アモルファスカーボンの製造方法。
 前記化学蒸着工程は熱化学蒸着であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のセルロース系アモルファスカーボンの製造方法。
 前記化学蒸着工程はプラズマ化学蒸着であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のセルロース系アモルファスカーボンの製造方法。
 バイオマス資源を所定の形状にチップ化するチップ化工程と、
 チップ化された前記バイオマス資源を水蒸気蒸留する水蒸気蒸留工程と、
 前記水蒸気蒸留工程において残留した残渣物に酵素を作用させて糖化液を生成させる酵素糖化反応工程と、
 所定の温度に維持された反応室において前記糖化液をミスト状に噴霧することで化学蒸着させる化学蒸着工程と、
 を有することを特徴とするセルロース系アモルファスカーボンの製造方法。
 前記糖化液の全有機炭素量は20000ppm以上であることを特徴とする請求項6記載のセルロース系アモルファスカーボンの製造方法。
 前記所定の温度は500℃以上で800℃以下であることを特徴とする請求項6又は7記載のセルロース系アモルファスカーボンの製造方法。
 前記化学蒸着工程は熱化学蒸着であることを特徴とする請求項6乃至8の何れかに記載のセルロース系アモルファスカーボンの製造方法。
 前記化学蒸着工程はプラズマ化学蒸着であることを特徴とする請求項6乃至8の何れかに記載のセルロース系アモルファスカーボンの製造方法。
 バイオマス資源を所定の形状にチップ化するチップ化工程と、
 チップ化された前記バイオマス資源を水蒸気蒸留する水蒸気蒸留工程と、
 前記水蒸気蒸留工程において残留した残渣物に酵素を作用させて糖化液を生成させる酵素糖化反応工程と、
 前記水蒸気蒸留工程において流出した流出成分を濃縮することで濃縮液を調整する濃縮工程と、
 所定の温度に維持された反応室において前記糖化液及び/又は前記濃縮液をミスト状に噴霧することで化学蒸着させる化学蒸着工程と、
 を有することを特徴とするセルロース系アモルファスカーボンの製造方法。
 前記糖化液及び/又は前記濃縮液の全有機炭素量は20000ppm以上であることを特徴とする請求項11記載のセルロース系アモルファスカーボンの製造方法。
 前記所定の温度は500℃以上で800℃以下であることを特徴とする請求項11又は12記載のセルロース系アモルファスカーボンの製造方法。
 前記化学蒸着工程は熱化学蒸着であることを特徴とする請求項11乃至13の何れかに記載のセルロース系アモルファスカーボンの製造方法。
 前記化学蒸着工程はプラズマ化学蒸着であることを特徴とする請求項11乃至13の何れかに記載のセルロース系アモルファスカーボンの製造方法。
Description:
セルロース系アモルファスカー ンの製造方法

 本発明はアモルファスカーボンの製造方 、特にセルロース系アモルファスカーボン 製造方法に関するものである。

 従来、複写機用トナーやインク等に使用 れるカーボンブラックの原料として、例え 、ナフサ分解によって得られるエチレンボ ム油や、流動接触分解残渣油等の石油系の 種が使用されてきた。そして、これらの石 系原料油からのカーボンブラックの収量向 を目的として、様々な石油系原料油の改質 行われてきた(例えば、特許文献1参照)。

特開平9-194755号公報

 しかしながら、近年の国際的な地球温暖 防止運動や、発がん性物質にかかる健康問 、さらには昨今の原油高に基づく石油系原 油の安定的確保の困難等の観点から、石油 原料油に代わる新たなカーボンブラックの 料が求められてきた。

 そこで、本発明の発明者等は、上記実情 鑑み鋭意研究を進めた結果、バイオマス資 からカーボンブラックの原料となるセルロ ス系アモルファスカーボンを効率よく製造 きる方法を開発した。すなわち、本発明は バイオマス資源から調整したセルロース系 水化物含有水溶液を所定の条件下で化学蒸 (CVD:Chemical Vapor Deposition)装置に供すること より、効率的に、かつ、安定してセルロー 系アモルファスカーボンを提供することを 的とする。

 本発明にかかるセルロース系アモルファ カーボンの製造方法は、バイオマス資源を 定の形状にチップ化するチップ化工程と、 ップ化されたバイオマス資源を水蒸気蒸留 る水蒸気蒸留工程と、所定の温度に維持さ た反応室において水蒸気蒸留工程で生成さ たセルロース系炭水化物含有水溶液をミス 状に噴霧することで化学蒸着させる化学蒸 工程と、を有することを特徴とする。

 本発明のセルロース系アモルファスカー ンの製造方法では、バイオマス資源を水蒸 蒸留することによりセルロース系炭水化物 含有するセルロース系炭水化物含有水溶液 生成させる。そして、所定の温度に維持さ た反応室においてセルロース系炭水化物含 水溶液をミスト状に噴霧し化学蒸着させる とで、セルロース系アモルファスカーボン 生成させる。

 また、本発明にかかるセルロース系アモ ファスカーボンの製造方法は、バイオマス 源を所定の形状にチップ化するチップ化工 と、チップ化されたバイオマス資源を水蒸 蒸留する水蒸気蒸留工程と、水蒸気蒸留工 において残留した残渣物に酵素を作用させ 糖化液を生成させる酵素糖化反応工程と、 定の温度に維持された反応室において糖化 をミスト状に噴霧することで化学蒸着させ 化学蒸着工程と、を有することを特徴とす 。

 本発明のセルロース系アモルファスカー ンの製造方法では、水蒸気蒸留することに り得られたバイオマス資源の残渣物に酵素 作用させることにより、セルロース系炭水 物含有水溶液である糖化液を生成させる。 該残渣物は水蒸気蒸留によって乾燥してお 、効率よく酵素糖化反応を行うことができ 。そして、所定の温度に維持された反応室 おいて糖化液をミスト状に噴霧し化学蒸着 せることで、セルロース系アモルファスカ ボンを生成させる。

 さらにまた、本発明にかかるセルロース アモルファスカーボンの製造方法は、バイ マス資源を所定の形状にチップ化するチッ 化工程と、チップ化されたバイオマス資源 水蒸気蒸留する水蒸気蒸留工程と、水蒸気 留工程において残留した残渣物に酵素を作 させて糖化液を生成させる酵素糖化反応工 と、水蒸気蒸留工程において流出した流出 分を濃縮することで濃縮液を調整する濃縮 程と、所定の温度に維持された反応室にお て前記糖化液及び/又は前記濃縮液をミスト 状に噴霧することで化学蒸着させる化学蒸着 工程とを有することを特徴とする。

 本発明のセルロース系アモルファスカー ンの製造方法では、水蒸気蒸留することに り得られたバイオマス資源の残渣物に酵素 作用させることにより、セルロース系炭水 物含有水溶液である糖化液を生成させる。 該残渣物は水蒸気蒸留によって乾燥してお 、効率よく酵素糖化反応を行うことができ 。そして、所定の温度に維持された反応室 おいて糖化液をミスト状に噴霧し化学蒸着 せることで、セルロース系アモルファスカ ボンを生成させる。また、本発明において 、水蒸気蒸留することにより得られたバイ マス資源の流出物を濃縮し、セルロース系 水化物含有水溶液である濃縮液を調整する そして、所定の温度に維持された反応室に スト状に噴霧し化学蒸着させることで、セ ロース系アモルファスカーボンを生成させ 。

 本発明のセルロース系アモルファスカー ンの製造方法によれば、バイオマス資源か カーボンブラックの原料となるセルロース アモルファスカーボンを効率的に、かつ、 定して製造することができる。

本発明の実施形態として示すセルロー 系アモルファスカーボンの製造方法を説明 るフローチャートである。 本発明の実施形態として示すCVD装置の 例を説明する図である。 本発明の実施形態として示すCVD装置の 例を説明する図である。 本発明の実施形態として示すプラズマ 生装置の内部構成を説明する図である。

符号の説明

 10   チップ化工程
 20   水蒸気蒸留工程
 30   微粉末化工程
 40   酵素糖化反応工程
 50   分離工程
 60   CVD工程
 70   濃縮工程
 80   CVD工程
 100  ノズル
 110  セルロース系炭水化物
 120  電気炉orプラズマ
 130  バグフィルター
 140  セルロース系アモルファスカーボン
 150  プラズマ発生装置
 200  CVD装置
 300  CVD装置

 以下、本発明の実施形態について詳細に 明する。本実施形態の説明においては、後 する酵素糖化反応工程で得られた糖化液、 び濃縮工程で調整した濃縮液をセルロース 炭水化物含有水溶液としたセルロース系ア ルファスカーボンの製造方法の一例につい 説明する。なお、本発明は以下の記述に限 されるものではなく、本発明の要旨を逸脱 ない範囲において適宜変更可能である。

 本実施形態のセルロース系アモルファス ーボンの製造方法では、図1のフローチャー トに示されるように、原料となるバイオマス 資源に対して、チップ化工程10と、水蒸気蒸 工程20と、微粉末化工程30と、酵素糖化反応 工程40と、分離工程50と、CVD(化学蒸着)工程と 60,80と、濃縮工程70とが行われる。

 本実施形態に用いられるバイオマス資源 しては、リグノセルロース資源等を使用す ことができる。リグノセルロース資源とは 化石燃料を除いた生物由来の有機資源のう 、リグノセルロースを主成分とする資源で る。このリグノセルロース資源の代表的な のとしては、ブナ、ユーカリ、米松、ヒノ 、スギ等の木材、竹、笹、稲わら、ムギワ 、バガス、パルプ、海藻等や、これらの資 から生じるコピー紙等の古紙の廃棄物等が げられる。特に、竹やバガス(トウモロコシ )等のセルロース含有量が比較的高い広葉樹 本発明においては好適なバイオマス資源で る。

 チップ化工程10は、次工程の水蒸気蒸留 程20に適した形状であれば、どのような形状 にチップ化してもかまわない。所定の形状に チップ化することで、形状、大きさが均一の 条件下でバイオマス資源に対して効率よく水 蒸気蒸留を行うことができる。

 水蒸気蒸留工程20は、所定の形状にチッ 化したバイオマス資源を水蒸気蒸留し、バ オマス資源中に含まれる精油及び親水性成 (以降、流出成分と称する)を流出させる工程 である。

 バイオマス資源には、その細胞中に、水 不溶な親油性の精油と水に可溶な親水性成 とが含まれている。精油は、油状から半固 状で得られる揮発性物質である。一方、親 性成分は、バイオマス資源中に含まれる有 酸類や糖類などの物質である。

 この水蒸気蒸留工程20では、精油や沸点 低い親水性成分が蒸気とともに流出し、沸 の高い親水性成分が蒸気中の水滴に溶解し 発生する加熱水蒸気とともに系外に流出す 。この水蒸気蒸留工程20によって発生する加 熱水蒸気により、バイオマス資源から流出成 分を流出させることができる。また、流出成 分をバイオマス資源から流出させることで、 セルロースやキシラン等のセルロース系糖類 の露出面の面積が増加し、セルロースやキシ ランが酵素と接触しやすくなり、セルロース やキシランの糖化が促進される。なお、水蒸 気蒸留工程20で流出した流出成分は、後述す 濃縮工程70で濃縮し、濃縮液とするか、あ いは、本願発明者が別途開発した排気ガス 集液(BCL:Bio Catalyst Liquid)に利用することが きる。

 また、この水蒸気蒸留工程20は、土やそ 他の汚れといった不純物が付着したバイオ ス資源であっても、その不純物を洗い流す とができる。酵素糖化反応工程40のために、 酵素糖化反応を阻害するような不純物を取り 除くような前処理を行う必要がなくなる。

 微粉末化工程30は、バイオマス資源を所 の大きさとなるように機械的に粉砕し、バ オマス資源中のセルロースやキシランを微 化して、酵素糖化反応を容易に受けやすく る工程である。

 この微粉末化工程30では、バイオマス資 を2μm~100μmのサイズに粉砕するのが好ましい 。この微粉末化工程30でのバイオマス資源の 砕は、振動ボールミル、回転ボールミル、 星型ボールミル、ロールミル、ディスクミ 、ビーズミル、高速回転羽根型ミキサー、 モミキサー等を用いて行うことができる。

 この微粉末化工程30で所定の大きさにま バイオマス資源を粉砕することによって、 イオマス資源を構成するセルロース、ヘミ ルロース及びリグニンからなるネットワー 構造を破壊する。そして、セルロースやキ ランから特にリグニンを引き離して、セル ースやキシランが結晶化したものによって 成されるミクロフィブリルの一部を露出さ ることができる。これにより、酵素糖化反 工程40において、セルロース系糖類が酵素群 と接触しやすくなり、酵素糖化反応を容易に 受けやすくなる。

 このように、水蒸気蒸留工程20と微粉末 工程30とを行うことにより、バイオマス資源 を構成するミクロフィブリルの一部を露出さ せるとともに、ミクロフィブリル同士の間隔 が広がりやすくなり、酵素群がよりセルロー スやキシランと接触しやすい状態となり、セ ルロース系糖類の糖化が促進される。

 酵素糖化反応工程40では、まず、水蒸気 留工程20及び微粉末化工程30を行ったバイオ ス資源を液体媒体と混合する。このとき、 素糖化反応のために、酵素の至適pHの範囲 となるように、バイオマス資源と液体媒体 の混合液のpHが調整される。液体媒体との混 合において、バイオマス資源の量は40%以下で あることが好ましい。バイオマス資源の量が 例えば50%以上となると、粉末状のバイオマス 資源が湿り気をおびるだけで混合液とならな い。したがって、この状態で酵素群を投入し ても円滑に酵素糖化反応が進行しない。

 ここで使用される液体媒体としては、酵 糖化反応を阻害しないものであれば特に限 されるものではない。例えば水やpH緩衝溶 等が挙げられる。例えば、液体媒体としてpH 緩衝溶液を使用する場合、酵素糖化反応に使 用する酵素の至適pHに合わせたpH緩衝溶液を 択し、バイオマス資源と混合する。これに り、酵素糖化反応で、酵素の至適pHの範囲内 から外れ難くなり、円滑に酵素糖化反応を行 うことができる。

 また、例えば、液体媒体として水を使用 る場合、バイオマス資源と混合した後、そ 混合液に酸又はアルカリを投入して、酵素 至適pHの範囲内になるようにpHを調整する。 本発明では、水蒸気蒸留工程20により、バイ マス資源から流出成分を流出させているた 、酵素糖化反応中に系中に流出して混合液 pHを変化させるような有機酸等の量が少な なっている。そのため、少量の酸又はアル リで混合液中のpHを至適pHの範囲内に調製す ことができる。また、バイオマス資源から 機酸が流出する量が少ないため、酵素糖化 応中に至適pHの範囲から外れ難くなり、円 に反応が進行する。

 本発明のセルロース系アモルファスカー ンの製造方法では、この酵素糖化反応工程4 0の前に、バイオマス資源に対して水蒸気蒸 工程20が行われる。この水蒸気蒸留工程20は バイオマス資源から流出成分を流出させる この流出成分には、バイオマス資源に含ま る有機酸等が含まれている。例えば、水蒸 蒸留工程20を行わないバイオマス資源を使 して、酵素糖化反応を行うと、反応系中に 機酸等が流出するため、酵素の至適pHの範囲 から外れてしまう可能性が高くなる。そのた めに、大量のpH緩衝溶液やアルカリ等を投入 る必要がある。一方、本発明では、有機酸 の量が少ないため、酵素糖化反応の前、及 、反応中における混合液のpHの調整が容易 なる。

 そして、バイオマス資源と液体媒体とを 合した混合液に、例えば、セルラーゼ等の 素を投入し、酵素糖化反応により糖化液を 成させる。酵素を投入することで、混合液 のセルロースやキシランが加水分解し、セ オリゴ糖,セロビオース,グルコース,キトビ ース,キトオリゴ糖,キシロースが生成する この酵素糖化反応工程40は、回分式でも、固 定化酵素を含むバイオリアクターを用いた連 続式で行ってもよい。

 酵素糖化反応工程40においては、通常の ルロースやキシランをグルコースやキシロ スに分解する方法において用いられる条件 で行うことができる。この酵素糖化反応工 40では、酵素糖化反応を円滑に進めるために 、投入した酵素の至適pH及び至適温度の範囲 となるように、反応系中のpH及び温度を調 する。

 分離工程50では、酵素糖化反応工程50で生 成された糖化液と、リグニン成分とを分離す る。分離工程50においては、例えば、ろ過膜 を使用することができる。使用するろ過膜 限定はされないが、例えば、精密ろ過膜、 外ろ過膜、ナノろ過膜、逆浸透圧膜等を使 することができる。この分離工程50で分離 れたリグニン成分は、例えばプラスチック 料や化学処理を施すことにより新素材とし 利用することができる。

 CVD工程60は、分離工程50で分離された糖化 液をCVD装置に供する工程である。なお、この 時の糖化液における全有機炭素量は20000ppm以 であることが望ましい。さらに、より安定 たセルロース系アモルファスカーボンの収 を得るには、全有機炭素量は40000ppm以上で ることがより好ましい。

 本発明の実施形態にかかるCVD工程60は、 わゆるACCVD法(Alcohol Catalytic Chemical Vapor Depo sition)の改良法であり、分離工程50で分離され た糖化液は、コンプレッサーと好適な形状に 成形されたノズルにより、所定の流速でミス ト状に噴霧される。噴霧された糖化液は、例 えば、アルゴンガスや窒素ガス等のキャリア ガスにより反応室に送られ化学蒸着される。 このときの反応室の設定温度は、300℃以上、 望ましくは500℃~800℃に設定することで、安 してセルロース系アモルファスカーボンを 成することができる。なお、反応室の設定 度が300℃に満たない場合、多環芳香族炭化 素である、例えば、ベンズピレン、ベンズ ントラセン、アフラトキシン等の発がん性 質が発生する可能性があるので、反応室の 定温度は300℃以上に設定するのが好ましい

 上記反応室を備えたCVD装置としては、例 ば、熱CVD装置、プラズマCVD装置等を使用す ことができる。熱CVD装置を使用する場合、 熱方式として、反応室全体を加熱するホッ ウォール型、基盤のみを直接加熱し、炉壁 温度は上昇しないコールドウォール型の何 も使用することができ、反応炉には、例え 、水平型、垂直型、シリンダ型等を使用す ことができる。さらに、電気炉としては、 えば、抵抗加熱炉、高周波誘導加熱炉、直 電型電気炉等を適用することができる。一 、プラズマCVD装置を使用する場合、プラズ の放電方式として、例えば、高周波・容量 合励起方式、高周波・誘導結合方式、マイ ロ波励起方式、ECR(Electron Cyclotron Resonance) ラズマ方式等を適用することができ、反応 器としては、例えば、円筒型、垂直型、水 型等を使用することができる。なお、プラ マCVD装置を使用する場合のプラズマ源の長 方向長さは、おおよそ1mに設定するのが好ま しい。一方、熱CVD装置を使用する場合の電気 炉の長手方向長さは、おおよそ1.8mに設定す のが好ましい。

 図2及び図3は、本発明の実施形態の一例 してのCVD装置200及びCVD装置300の要部構成を 明するための図である。図2及び図3に示され るように、本実施形態においては、コンプレ ッサーと好適な形状に成形されたノズル100に より、所定の流速で糖化液をミスト状に噴霧 できるように改良したプラズマCVD装置を使用 した。また、図4は、CVD装置300の線分4-4’に けるプラズマ発生装置150の断面構造を説明 る図である。図4に示されるように、CVD装置3 00のプラズマ発生装置150は、軸心170に、例え 、ステンレス又はタングステンを備えたプ ズマ源ロッド160をハニカム構造に形成した のである。

 そして、このような構成を備えたCVD装置2 00又はCVD装置300の反応室の設定温度を700℃~800 ℃に設定し、所定の流速で糖化液を噴霧した 。電気炉又はプラズマ120においてセルロース 系炭水化物110から生成したセルロース系アモ ルファスカーボン140は、バグフィルター130で 回収した。

 濃縮工程70は、水蒸気蒸留工程20において 、流出した流出成分を濃縮し、濃縮液を調整 する工程である。ここで使用される濃縮装置 としては、特に限定はされないが、例えば、 蒸発濃縮装置、ろ過濃縮装置等を使用するこ とができる。

 CVD工程80は、CVD工程60と同様に行うことが できる。ここでは、濃縮工程70において調整 れた濃縮液をCVD装置に供する工程である。

 本発明の実施形態にかかるセルロース系 モルファスカーボンの製造方法により、バ オマス資源として、1トンのバガスからセル ロース系アモルファスカーボンが約24kg得ら た。

 なお、本実施形態の説明においては、CVD 程に供するセルロース系炭水化物含有水溶 を酵素糖化反応工程で得られた糖化液、及 濃縮工程で調整した濃縮液として説明した 、本発明はこれに限定されるものではない CVD工程に供されるセルロース系炭水化物含 水溶液は、全有機炭素量が20000ppm以上であ ばよく、例えば、セルロース含有量が高い イオマス資源を用い、水蒸気蒸留後の流出 分の全有機炭素量が20000ppm以上であれば、直 接CVD工程を行うことができる。

 以上のように、本発明の実施形態によれ 、バイオマス資源からカーボンブラックの 料となるセルロース系アモルファスカーボ を効率的に、かつ、安定して製造すること できる。