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Patent Searching and Data


Title:
PROCESS FOR PRODUCING SEMICONDUCTOR MEMORY DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/090621
Kind Code:
A1
Abstract:
In the step of forming an InGeSbTe film by doping GeSbTe composed of germanium (Ge), antimony (Sb) and tellurium (Te) as a base material with indium (In), while maintaining the temperature of a semiconductor substrate at a temperature between the in-situ crystallization temperature of the base material GeSbTe and the in-situ crystallization temperature of InGeSbTe, the InGeSbTe film is formed by sputtering on the semiconductor substrate. Consequently, any problem of occurrence of phase separation within the InGeSbTe film during the subsequent production processing can be inhibited.

Inventors:
MATSUI YUICHI (JP)
MORIKAWA TAKAHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/051202
Publication Date:
July 31, 2008
Filing Date:
January 25, 2007
Export Citation:
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Assignee:
RENESAS TECH CORP (JP)
MATSUI YUICHI (JP)
MORIKAWA TAKAHIRO (JP)
International Classes:
H01L45/00; H01L27/105
Foreign References:
JP2005117030A2005-04-28
JP2006140395A2006-06-01
Attorney, Agent or Firm:
TSUTSUI, Yamato (6th Floor Kokusai Chusei Kaikan,14, Gobancho, Chiyoda-ku, Tokyo 76, JP)
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Claims:
 相変化に伴う電気抵抗値の差によって情報を記憶する記憶層を半導体基板上に形成する工程を備えた半導体記憶装置の製造方法であって、
 前記記憶層は、ゲルマニウム、アンチモンおよびテルルを母材とし、3族から13族の元素の群の中から選ばれた少なくとも1種類以上の元素が添加されたカルコゲナイド膜から構成され、
 前記母材がその場結晶化する第1温度と、前記カルコゲナイド膜がその場結晶化する第2温度との間に前記半導体基板の温度を保った状態で、非晶質の前記カルコゲナイド膜を形成することを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
 前記カルコゲナイド膜は、前記母材に、9族から13族の元素の群の中から選ばれた少なくとも1種類以上の元素が添加されてなることを特徴とする請求項1記載の半導体記憶装置の製造方法。
 前記カルコゲナイド膜は、前記母材に、インジウム、亜鉛、コバルトおよび銀の群の中から選ばれた少なくとも1種類以上の元素が添加されてなることを特徴とする請求項1記載の半導体記憶装置の製造方法。
 相変化に伴う電気抵抗値の差によって情報を記憶する記憶層を半導体基板上に形成する工程を備えた半導体記憶装置の製造方法であって、
 前記記憶層は、ゲルマニウム、アンチモンおよびテルルを母材とし、インジウムが添加されたカルコゲナイド膜から構成され、
 前記母材がその場結晶化する第1温度と、前記カルコゲナイド膜がその場結晶化する第2温度との間に前記半導体基板の温度を保った状態で、非晶質の前記カルコゲナイド膜を形成することを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
 前記カルコゲナイド膜を構成する前記インジウムの濃度は10原子%以上であることを特徴とする請求項4記載の半導体記憶装置の製造方法。
 前記カルコゲナイド膜は、スパッタリング法を用いて形成することを特徴とする請求項4記載の半導体記憶装置の製造方法。
 前記第1温度を100℃、前記第2温度を240℃とすることを特徴とする請求項4記載の半導体記憶装置の製造方法。
Description:
半導体記憶装置の製造方法

 本発明は、半導体記憶装置の製造技術に し、特に、カルコゲナイド膜を記憶層に用 る相変化メモリの製造に適用して有効な技 に関する。

 情報機器、家電機器、車載機器などには プログラムやデータを格納するためのフラ シュメモリを混載した組込み機器向けマイ ン(メモリ混載マイコン)が搭載されている 近年は、これらの機器の機能向上に伴って メモリ混載マイコンの高性能化の要求が高 っており、混載するフラッシュメモリに対 ても、書換え耐性の向上や集積度のさらな 向上が要求されている。

 また、汎用メモリであるDRAMにおいても、 さらなる高集積化の要求に応えるためにメモ リセルの微細化が進められている。しかし、 キャパシタに蓄えられる電荷の量で情報を記 憶するDRAMは、キャパシタの面積を小さくす と、蓄積容量が減ってしまうという問題が る。また、キャパシタの誘電体材料を一定 以下に薄膜化すると、リーク電流の増加し しまうという問題もある。これまでは、キ パシタを深いトレンチ内に形成するなどし 面積の低下を防いできたが、さらなる微細 を推進しようとすると、トレンチのアスペ ト比が加工の限界に達し、最先端の加工技 を駆使しても歩留りよくデバイスを作るこ ができなくなる。

 このような状況に鑑み、最近は、カルコ ナイド材料の相変化を利用した相変化メモ (Phase change RAM;PRAM)、磁性体のスピンを利用 したMRAM(Magnetic RAM)、有機分子の酸化・還元 利用した分子メモリ、強相関電子系と呼ば る物質を用いるRRAM(Resistance RAM)など、様々 新しい半導体記憶素子の開発が進められて る。なかでも、相変化メモリは、書込み・ 出しが高速で行なえ、高い書換え耐性や集 化に有利であるという特徴から、次世代の モリ混載マイコン用フラッシュメモリやDRAM 代替メモリとして注目されている。

 相変化メモリは、記憶層を構成するカル ゲナイド膜が熱によって電気抵抗の異なる 晶質状態(高抵抗)から結晶状態(低抵抗)に可 逆変化することを利用し、膜を流れる電流量 の違いを“1”と“0”の情報として記憶と読 出しを行うメモリである。記憶層材料であ 多元系カルコゲナイドは、すでにCD-RWやDVD-R AMのような光ディスクの記録層材料として使 されている実績があることから、上記した の半導体記憶素子で使用する材料に比べて いが容易であるという特徴がある。

 光ディスクや半導体ウエハの表面にカル ゲナイド膜を形成するには、スパッタリン 法が用いられている。例えば下記の特許文 1及至6は、スパッタリング法によって、基 温度を制御しながらカルコゲナイド膜を成 する技術を開示している。

 特開2006-156886号公報(特許文献1)は、カル ゲナイド膜形成時の基板温度を室温から150 の範囲で制御する技術を開示している。

 特開2006-140395号公報(特許文献2)は、カル ゲナイド膜形成時の基板温度を100℃付近の い範囲で制御する技術を開示している。

 特開2006-202823号公報(特許文献3)は、カル ゲナイド膜形成時の基板温度を50℃以上100℃ 以下の範囲で制御する技術を開示している。

 特開2006-45675号公報(特許文献4)は、カルコ ゲナイド膜形成時の基板温度を100℃から350℃ の範囲で制御する技術を開示している。

 特開2006-225390号公報(特許文献5)は、カル ゲナイド膜形成時の基板温度を200℃から350 の範囲で制御する技術を開示している。

 特表2000-509204号公報(特許文献6)は、カルコ ナイド膜形成時の基板温度を周囲温度から30 0℃の範囲で制御する技術を開示している。

特開2006-156886号公報

特開2006-140395号公報

特開2006-202823号公報

特開2006-45675号公報

特開2006-225390号公報

特表2000-509204号公報

 半導体チップは、配線基板などに実装さ る際、例えば半田付け工程で250℃、数分、 着工程で180℃、数時間というように、その 作温度よりも高い温度環境に晒される。例 ばメモリ混載マイコンの場合は、メモリ部 にプログラムを記憶させた後に実装を行う が一般的であるため、実装工程での熱負荷 よってデータが消去されてしまうことがな よう、動作温度よりある程度高い温度環境 でもデータ保持特性を保証する必要がある

 ところが、相変化メモリの記憶層材料であ カルコゲナイドは、高抵抗の非晶質状態は 安定相であるため、高温環境では結晶化(低 抵抗化)が急速に進行してしまうという問題 ある。例えば、本発明者らは、相変化メモ の記憶層材料として、Ge(ゲルマニウム)、Sb( ンチモン)およびTe(テルル)からなる3元系カ コゲナイド(GeSbTe)の使用を検討して来たが 例えばGe 2 Sb 2 Te 5 膜を250℃の高温環境に晒すと、数秒で非晶質 状態から結晶状態に変化してデータが失われ てしまうので、実用に適さないことを見出し ている。

 そこで、本発明者らは、高温環境下におい も優れたデータ保持特性を発揮する相変化 モリを実現するために、上記したGeSbTe膜よ も耐熱性の高い記憶層材料として、GeSbTe膜 In(インジウム)を添加したInGeSbTe膜の使用を 討している。例えば、In 20 Ge 15 Sb 10 Te 55 膜は、250℃の高温環境に晒しても数分間は非 晶質状態を保つため、半田付け工程や圧着工 程でデータが失われることはない。

 しかし、記憶層にInGeSbTeを用いると、相変 メモリの製造工程中に、材料組成に起因し 新たな課題が生じる。相変化メモリの製造 程では、記憶層形成後の配線工程で少なく も300℃以上の熱処理が必要である。Inが添加 されたGeSbTeは安定組成ではないため、配線工 程中の熱によってIn 2 Te 3 の相分離が起こりやすい。相分離が発生する と、電気的特性のばらつきや書換え回数の低 下の原因となる。このため、InGeSbTeの相分離 発生させずに相変化メモリを製造する手段 求められる。なお、上記の説明では添加元 としてInを挙げたが、GeSbTeとの間で安定組 にならない添加元素と組成であれば同様の 題が生じる。

 本発明の目的は、カルコゲナイド膜、特 、Inを添加したGeSbTeの製造工程中の相分離 抑制できる技術を提供することにある。

 本発明の前記ならびにその他の目的と新 な特徴は、本明細書の記述および添付図面 ら明らかになるであろう。

 本願において開示される発明のうち、代 的なものの概要を簡単に説明すれば、次の おりである。

 本願の一発明は、Ge、SbおよびTeからなるG eSbTeを母材とし、Inが添加されたInGeSbTe膜を形 成する工程において、母材のGeSbTeのその場結 晶化温度と、InGeSbTeのその場結晶化温度との に半導体基板の温度を保った状態で、その 導体基板上にInGeSbTe膜をスパッタリングに って形成するものである。

 本願において開示される発明のうち、代 的なものによって得られる効果を簡単に説 すれば以下のとおりである。

 記憶層を構成するInGeSbTe膜をスパッタリ グ法で堆積する際、高品質な非晶質のInGeSbTe 膜を形成することができるので、相変化メモ リの製造工程中にInGeSbTe膜中に相分離が発生 る不具合を抑制することができる。これに り、高温環境下においても優れたデータ保 特性を発揮する相変化メモリを歩留まり良 製造することができる。

本発明の一実施の形態である半導体記 装置の製造方法を示す断面図である。 図1に続く半導体記憶装置の製造方法を 示す断面図である。 図2に続く半導体記憶装置の製造方法を 示す断面図である。 図3に続く半導体記憶装置の製造方法を 示す断面図である。 図4に続く半導体記憶装置の製造方法を 示す断面図である。 図5に続く半導体記憶装置の製造方法を 示す断面図である。 図6に続く半導体記憶装置の製造方法を 示す断面図である。 図7に続く半導体記憶装置の製造方法を 示す要部断面図である。 図8に続く半導体記憶装置の製造方法を 示す要部断面図である。 図9に続く半導体記憶装置の製造方法 示す要部断面図である。 図10に続く半導体記憶装置の製造方法 示す要部断面図である。 図11に続く半導体記憶装置の製造方法 示す要部断面図である。 図12に続く半導体記憶装置の製造方法 示す要部断面図である。 図13に続く半導体記憶装置の製造方法 示す要部断面図である。 図14に続く半導体記憶装置の製造方法 示す断面図である。 リテンション時間のIn添加量依存性を す説明図である。 基板温度を変えて堆積したIn 20 Ge 15 Sb 10 Te 55 膜を300℃で後熱処理し、シート抵抗の標準偏 差を比較したグラフである。 InGeSbTeのその場結晶化温度のIn添加量 存性を示すグラフである。 (a)50℃、(b)180℃、(c)240℃と基板温度を変えて 積したIn 20 Ge 15 Sb 10 Te 55 膜を用いて相変化メモリを形成し、それぞれ のリセット電圧の分布を比較したグラフであ る。 非晶質状態から昇温したZnGeSbTe膜の電 伝導率の温度依存性を示すグラフである。

 以下、本発明の実施の形態を図面に基づい 詳細に説明する。なお、実施の形態を説明 るための全図において、同一の機能を有す 部材には同一の符号を付し、その繰り返し 説明は省略する。また、本願におけるGe、Sb およびTeからなる3元系カルコゲナイドの組成 式はGe x Sb y Te z であり、その組成比x、y、zが任意の場合は省 略してGeSbTeと示す場合がある。また、4元系 よびそれ以上の系のカルコゲナイドについ も同様とし、例えば、Ge、Sb、TeおよびInから なる4元系カルコゲナイドの組成式はIn w Ge x Sb y Te z であり、その組成比x、y、z、wが任意の場合 省略してInGeSbTeと示す場合がある。

 図1~図15を用いて、本実施の形態による相 変化メモリの製造方法を工程順に説明する。 まず、図1に示すように、面方位(100)の単結晶 シリコンからなるp型の半導体基板(以下、基 という)1を用意する。基板1としては、単結 シリコン基板の他、例えばSOI(Silicon On Insul ator)基板、単結晶Ge基板、GOI(Ge On Insulator)基 、結晶に歪み応力を加えた歪みシリコン基 などを用いても差し支えない。

 次に、窒化シリコン膜をマスクとして用 たドライエッチングによって基板1に開口を 形成した後、この開口内に酸化シリコン膜を 埋め込む。続いて、CMP(Chemical Mechanical Polishi ng)法によって基板1の表面を平坦化し、素子 離溝2を形成することにより、トランジスタ 形成される活性領域を画定する。

 次に、基板濃度調整用のイオン注入と引 延ばし熱処理、およびしきい値電圧調整用 イオン注入と活性化熱処理を行う。続いて 基板1の表面を希釈フッ酸水溶液によって洗 浄した後、熱酸化処理を行うことにより、基 板1の表面に膜厚3nm程度の酸化シリコン膜か なるゲート絶縁膜3を形成する。ゲート絶縁 3としては、酸化シリコン膜以外の絶縁膜、 例えば表面付近を窒化処理した酸窒化シリコ ン膜(SiON膜)や種々の金属を酸化または窒化処 理したhigh-k膜、あるいはこれらの積層膜など を用いても差し支えない。

 次に、図2に示すように、ゲート絶縁膜3 にCVD(Chemical Vapor Deposition)法で多結晶シリコ ン膜4nを堆積した後、多結晶シリコン膜4n上 CVD法で酸化シリコン膜からなるキャップ絶 膜5を堆積する。多結晶シリコン膜4nには、 の導電型をn型にするために、成膜中にリン たはヒ素を導入する。多結晶シリコン膜4n 、ゲート電極材料となるものであるが、多 晶シリコン膜4n以外のゲート電極材料、例え ばシリサイド膜や金属膜などを用いても差し 支えない。

 次に、図3に示すように、フォトレジスト膜 をマスクに用いたドライエッチングでキャッ プ絶縁膜5と多結晶シリコン膜4nとをパターニ ングしてゲート電極4を形成し、続いて、基 1にリンまたはヒ素をイオン注入してn - 型拡散層6を形成する。

 次に、図4に示すように、基板1上にCVD法で 積した窒化シリコン膜を異方性エッチング てゲート電極4の側壁にサイドウォールスペ サ7を形成し、続いて、基板1にヒ素をイオ 注入した後、活性化熱処理を行うことによ 、ソース、ドレインを構成するn + 拡散層8を形成する。ここまでの工程により nチャネル型のメモリセル選択用MISFETが完成 る。

 なお、上記ゲート電極4は、ダミーゲート プロセスによって形成することもできる。ダ ミーゲートプロセスでは、まずゲート絶縁膜 上に堆積したダミーゲート用の導電膜(多結 シリコン膜など)を加工してダミーゲート電 を形成し、続いてソースおよびドレインを 成した後、ゲート絶縁膜およびダミーゲー 電極を除去する。次に、ゲート絶縁膜を再 形成し、続いてその上部にゲート用の導電 (金属膜など)を堆積した後、この導電膜を 工してゲート電極を形成する。ダミーゲー プロセスを用いた場合は、結晶化温度の低 high-k材料を用いてゲート絶縁膜を形成する ともできる。

 次に、図5に示すように、基板1上にCVD法で 化シリコン膜からなる層間絶縁膜10を堆積し 、続いてその表面をCMP法で平坦化した後、n + 拡散層8(ソース、ドレイン)の上部の層間絶縁 膜10にコンタクトホール11を形成し、コンタ トホール11の内部にプラグ12を形成する。プ グ12は、次の工程で層間絶縁膜10上に形成す る記憶層と下層のメモリセル選択用MISFETとを 電気的に接続する役割をするもので、例えば TiN(窒化チタン)膜とW(タングステン)膜との積 膜で構成する。

 次に、図6に示すように、層間絶縁膜10の上 に、第1層目の配線13を形成する。配線13は 例えば層間絶縁膜10の上部にスパッタリング 法でW膜を堆積した後、フォトレジスト膜を スクにしたドライエッチングでこのW膜をパ ーニングすることによって形成する。配線1 3は、コンタクトホール11の内部のプラグ12を してn + 拡散層8と電気的に接続される。

 次に、図7に示すように、基板1上にCVD法 酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜14を堆積 し、続いてその表面をCMP法で平坦化した後、 前記コンタクトホール11およびプラグ12を形 した方法と同様の方法により、配線13の上部 の層間絶縁膜14にスルーホール15およびプラ 16を形成する。

 次に、Ta金属ターゲットを用いてアルゴン 囲気中でスパッタリングすることによって 基板1(ウエハ)の表面にTa(タンタル)膜18aを形 する(図8)。次に、Ta膜18aをラジカル酸化す ことによって、酸化タンタル(Ta 2 O 5 )膜からなる界面層18を形成する(図9)。界面層 18は、層間絶縁膜14とその上部に形成する記 層材料(カルコゲナイド膜19a)との剥離を防止 する接着層としての役割と、情報の書き換え 時にジュール熱が記憶層からプラグ16に逃げ のを抑制する熱抵抗層としての役割を兼ね いる。界面層18の材料は、酸化タンタルに らず、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸 ハフニウム、酸化ニオブ、酸化クロム、酸 コバルト、酸化ニッケル、などを用いても い。なお、図8~図14では、図面を見易くする めに、配線13よりも下層の部分の図示を省 している。

 次に、InGeSbTeを記憶層に用いる場合、母材 GeSbTeのその場結晶化温度と、InGeSbTeのその場 結晶化温度との間に基板1の温度を保った状 で、例えばInを20原子%添加したGeSbTeターゲッ トを用いてアルゴン雰囲気中でスパッタリン グすることによって、界面層18上に膜厚が50nm 程度のカルコゲナイド膜19aを形成する(図10) スパッタリング条件にも依存するが、母材 Ge 2 Te 2 Sb 5 とした場合のその場結晶化温度は100℃程度で あり、InGeSbTeをIn 20 Ge 15 Sb 10 Te 55 とした場合のその結晶化温度は240℃程度であ るので、基板1の温度を例えば180℃としてカ コゲナイド19aを形成する。なお、その場結 化とは、膜形成中に結晶化することをいう

 Inを20原子%添加したGeSbTeターゲットを用い スパッタリングの場合、カルコゲナイド膜19 aはInの濃度が20原子%のInGeSbTe(In 20 Ge 15 Sb 10 Te 55 )となる。なお、カルコゲナイド膜19aからな 記憶層の相変化温度を調整するために、例 ば、アルゴンと共に酸素(O)や窒素(N)などの 囲気でスパッタリングすることが考えられ 。また、種々のターゲットを用いた同時ス ッタリングによってカルコゲナイド膜19aを 成しても良い。

 また、本実施の形態では、カルコゲナイド 19a中のInの濃度が20原子%とするが、10原子% 上であれば良い。この点について図16を参照 して以下に説明する。図16はリテンション時 のIn添加量の依存性を示す説明図である。 お、リテンション時間とは、非晶質状態の ルコゲナイド材料を一定温度に保持し、抵 が半減するまでの時間である。また、図中 GSTはGe 2 Sb 2 Te 5 を示す。

 図16に示すように、In添加量を増やせばリ テンション時間が長くなることがわかる。180 ℃で1時間の熱負荷でもデータが消去されな ようにするためには、Inを10%以上添加しなけ ればならない。このことからカルコゲナイド 膜19aは、Inの濃度が10原子%以上であればよい Inの濃度が10原子%のカルコゲナイド膜19aを 成する場合、例えば、Inを10原子%添加したGeS bTeターゲットを用いてアルゴン雰囲気中でス パッタリングすることによって形成すること ができる。

 また、本実施の形態では、カルコゲナイ 膜19aの成膜方法としてスパッタリング法を いている。カルコゲナイド膜19aを形成する の方法として、CVD法、ゾル・ゲル法を用い ことができる。CVD法の場合は、原料が十分 分解されるように基板の温度を高くしなけ ばならないので、本発明のように、基板温 を、母材となるカルコゲナイド膜の結晶化 度より高く、添加元素を含むカルコゲナイ 膜の結晶化温度より低い温度に制御するこ は困難であると考えられる。また、ゾル・ ル法は形成する膜厚の制御が困難であると えられる。一方、スパッタリング法の場合 、基板温度を任意に選択することが可能で るため、本発明の実施にはスパッタリング を用いるのが望ましい。

 続いて、Wターゲットを用いてアルゴン雰 囲気中でスパッタリングすることによって、 カルコゲナイド膜19a上にW膜20aを堆積する(図1 1)。

 次に、図12に示すように、W膜20aの上にCVD で酸化シリコン膜を堆積した後、フォトレ スト膜をマスクにしたドライエッチングで の酸化シリコン膜をパターニングすること より、ハードマスク21を形成する。続いて 図13に示すように、ハードマスク21をマスク したドライエッチングでW膜20aをパターニン グすることにより、上部電極20を形成する。

 次に、ハードマスク21を除去した後、図14 に示すように、上部電極20をマスクにしたド イエッチングでカルコゲナイド膜19aをパタ ニングし、続いてカルコゲナイド膜19aの下 の界面層18をパターニングする。ここまで 工程により、層間絶縁膜14の上部にカルコゲ ナイド膜19aからなる記憶層19が形成される。 の記憶層19は、相変化に伴う電気抵抗値の によって情報を記憶するものである。

 次に、図15に示すように、上部電極20の上 部にCVD法で酸化シリコン膜からなる層間絶縁 膜22を堆積し、続いてその表面をCMP法で平坦 した後、前記スルーホール15およびプラグ16 を形成した方法と同様の方法により、上部電 極20の上部の層間絶縁膜22にスルーホール23お よびプラグ24を形成する。次に、前記第1層目 の配線13を形成した方法と同様の方法により 層間絶縁膜22の上に第2層目の配線25を形成 る。配線25は、スルーホール23の内部のプラ 24を介して上部電極20と電気的に接続される 。

 以上の工程により、相変化メモリ(半導体 記憶装置)が略完成する。その製造工程中の 間絶縁膜22、プラグ24および配線25を形成す 工程では、300℃以上の熱処理が必要となる しかしながら、カルコゲナイド膜19aを形成 る工程において、母材のGeSbTeのその場結晶 温度と、InGeSbTeのその場結晶化温度との間に 基板1の温度を保った状態で、カルコゲナイ 膜19aを形成することによって、相変化メモ の製造工程中にInGeSbTe膜が相分離する不具合 を抑制できるため、電気的特性の均一性の高 い相変化メモリが得られる。この点について 以下に詳説する。

 まず、本実施の形態のカルコゲナイド膜19a 成膜工程において、望ましい基板温度につ て説明する。基板温度を変化させてIn 20 Ge 15 Sb 10 Te 55 膜を堆積し、300℃の後熱処理を行った。シー ト抵抗の標準偏差を比較したグラフを図17に す。基板温度が100℃以下及び240℃以上では 準偏差が大きい、すなわち、ばらつきが大 いことがわかる。

 基板温度が100℃以下で、ばらつきが大きく る原因は以下のように説明できる。GeSbTeにI nが添加されてなるIn 20 Ge 15 Sb 10 Te 55 膜は、その母材であるGe 2 Sb 2 Te 5 膜の結晶化温度が約100℃であるため、In 20 Ge 15 Sb 10 Te 55 膜を100℃より高い基板温度で形成すれば膜中 に結晶核が生成する。その結果、In 20 Ge 15 Sb 10 Te 55 膜は高品質な非晶質となり、抵抗のばらつき が小さくなる。一方、In 20 Ge 15 Sb 10 Te 55 膜を100℃以下の基板温度で形成すると膜中の 欠陥が多くなり、抵抗のばらつきが大きくな る。

 ここで、母材となるGeSbTeの結晶化温度はそ 組成によって変化する。例えば、非特許文 (Journal of Applied Physics, Vol.69, pp.2849~2856 (1 991年).)によると、GeSb 4 Te 7 の結晶化温度は117℃、GeSb 2 Te 4 は135℃、Ge 2 Sb 2 Te 5 は143℃である。ただし、結晶化温度は圧力や 時間に依存するため、構造や雰囲気によって 多少変化する。また、上記の結晶化温度は、 後熱処理によって非晶質状態から結晶状態に 変化する温度であり、本発明の結晶化温度と は、成膜中にその場結晶化する温度を指す。 通常、その場結晶化温度は、後熱処理による 結晶化温度よりも40~50℃程度低いことから、 えば、GeSb 4 Te 7 の結晶化温度は70℃程度、GeSb 2 Te 4 は90℃程度、Ge 2 Sb 2 Te 5 は100℃程度と考えてよい。

 基板温度が240℃以上で、ばらつきが大きく る原因は以下のように説明できる。In 20 Ge 15 Sb 10 Te 55 膜の結晶化温度は約240℃であるため、In 20 Ge 15 Sb 10 Te 55 膜を240℃より高い基板温度で形成すればその 場結晶化する。この場合、In 20 Ge 15 Sb 10 Te 55 膜は安定組成ではないため、結晶化に伴って 原子はエネルギー的により安定な構造を取ろ うと表面を移動する結果、膜中に局所的な組 成のばらつきが生じる。本発明者らは、後熱 処理後にIn 2 Te 3 が相分離していることを確認した。相分離が 発生すると、抵抗のばらつきが大きくなる。

 ここで、相分離は以下の方法で確認した。 リコン基板上に膜厚が100nm程度の酸化シリ ン膜を形成し、スパッタリング法を用いてIn 20 Ge 15 Sb 10 Te 55 膜を240℃の基板温度で堆積した。窒素雰囲気 中300℃で30分間の後熱処理を施し、X線回折法 を用いて結晶構造を分析したところ、FCC(Face Centered Cubic)構造に結晶化したInGeSbTeに起因 る回折線に加えて、In 2 Te 3 に起因する回折線が出現していることを確認 した。これは、In 20 Ge 15 Sb 10 Te 55 膜が熱処理によって相分離したことを示す。 一方、基板温度が180℃で堆積したIn 20 Ge 15 Sb 10 Te 55 膜の場合は、300℃熱処理後にFCC構造のInGeSbTe 起因する回折線は確認できるが、In 2 Te 3 に起因する回折線は観察されなかった。これ は、堆積時の基板温度を制御することによっ て相分離を抑制できたことを示す。

 まとめると、本実施の形態では、母材のG eSbTeにInが添加されてなるInGeSbTeを形成する時 の基板温度を、母材のGeSbTeの結晶化温度より 高く、InGeSbTeの結晶化温度より低い温度に制 している。図18は、その場結晶化温度のIn添 加量依存性を示す。図18に示すように、In添 量を増やすと結晶化温度は高くなることが かる。成膜時の基板温度を、母材となるGeSbT e膜の結晶化温度より高く、Inが添加されたGeS bTe膜の結晶化温度より低い温度に制御すると いうことは、すなわち、図18の矢印で示した 囲内に制御することである。例えば、Inの 加量が20原子%であれば、基板温度を100℃か 240℃の範囲内で制御すればよい。

 図19は基板温度を変化させて堆積したIn 20 Ge 15 Sb 10 Te 55 膜を用いた相変化メモリのリセット電圧の分 布を比較した結果であり、(a)~(c)はそれぞれ50 ℃、180℃、および240℃の基板温度で堆積した In 20 Ge 15 Sb 10 Te 55 膜を用いた相変化メモリのリセット電圧の分 布図である。リセット電圧とは、In 20 Ge 15 Sb 10 Te 55 膜を非晶質化(高抵抗化)させるのに必要な電 である。図19のグラフは確率分布になって り、傾きが小さいほどばらつきが大きいこ を示す。基板温度が180℃では、50℃と240℃の 場合に比べてリセット電圧のばらつきが小さ いことがわかる。この理由は、In 20 Ge 15 Sb 10 Te 55 膜を180℃で形成すると、図17で示したように 結晶状態の抵抗のばらつきが小さいため、 セットに必要な電圧のばらつきが小さくな 結果と考えられる。

 このように、本実施の形態では、カルコ ナイド膜19aをスパッタリング法で堆積する に、基板温度を適切に制御することによっ 高品質な非晶質InGeSbTe膜が形成されるので 堆積後の相変化メモリの製造工程中にInGeSbTe 膜の相分離を抑制することができ、電気的特 性の均一性の高い相変化メモリが得られる。

 これにより、耐熱性の高いカルコゲナイ 膜19aからなる記憶層19を備え、高温環境下 おいても優れたデータ保持特性を発揮する 変化メモリを歩留まり良く製造することが きる。

 以上、本発明者によってなされた発明を 施の形態に基づき具体的に説明したが、本 明は前記実施の形態に限定されるものでは く、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更 能であることはいうまでもない。

 前記実施の形態では、1種類の添加元素(In )を用いたが、複数の添加元素を用いた場合 も、GeSbTeとの間で安定組成ではない組成で れば同様の課題が生じるため、本発明の技 を適用することができる。例えば、3族から1 3族の元素の群(望ましくは9族から13族の元素 群)の中から選ばれた2種類以上の元素を添 したカルコゲナイド膜に対して適用しても いし、3族から13族の元素の群(望ましくは9族 から13族の元素の群)の中から選ばれた1種類 上の元素に加えて酸素や窒素を添加したカ コゲナイド膜に対して適用してもよい。

 例えば、3族から13族の元素の群の中から ばれた少なくとも1種類以上の元素を用いた 場合において、MGeSbTe(Mは添加元素)は安定組 ではないため、配線工程中の熱によって添 元素(M)を含む結晶が相分離する場合がある このため、記憶層にMGeSbTeを適用する場合、G eSbTeがその場結晶化する温度と、MGeSbTeがその 場結晶化する温度との間に半導体基板の温度 を保った状態で、MGeSbTe膜を形成する本発明 技術を適用することによって、前記実施の 態で説明した同様の効果を得ることができ 。

 また、9族から13族の元素の群の中から選 れた少なくとも1種類以上の添加元素、例え ばIn(インジウム)、Zn(亜鉛)、Co(コバルト)およ びAg(銀)は、母材となるGeSbTeのGe、Sb、Teとイ ン半径が近いため、GeSbTeと混ざりやすい。 のため、9族から13族の元素の群の中から選 れた少なくとも1種類以上の元素が添加され カルコゲナイド膜は記憶層に適用し易い。

 例えば、母材のGeSbTeにZnを添加した場合 、Inを添加した前記実施の形態と同様の効果 を得ることができる。図20は、非晶質状態か 昇温したZnGeSbTe膜の電気伝導率の温度依存 をGeSbTeと比較して示す。図20に示すように、 GeSbTe膜にZnを添加すると、結晶化温度(電気伝 導率が急激に増大する温度)は約100℃向上す ことがわかる。すなわち、記憶層を構成す ZnGeSbTe膜を形成する際に、その母材のGeSbTeの その場結晶化温度と、ZnGeSbTeのその場結晶化 度との間に半導体基板温度が保たれた状態 あれば、抵抗のばらつきを抑制することが きる。

 また、前記実施の形態では、母材のGeSbTe その場結晶化する100℃と、InGeSbTeがその場 晶化する240℃との間に半導体基板の温度を った状態でInGeSbTe膜を形成したが、基板温度 の範囲は、これに限ったものではない。すな わち、MGeSbTe膜(Mは添加元素)を用いる際に、 の母材となるGeSbTeのその場結晶化温度(Ge、Sb 、Teの組成によって異なる)より高く、MGeSbTe その場結晶化温度(添加元素や組成によって なる)より低い温度であればよい。

 本発明は、記憶層としてカルコゲナイド を用いる相変化メモリの製造に適用するこ ができる。