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Title:
PROCESS FOR PRODUCTION OF PHOTORESIST RESINS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/063726
Kind Code:
A1
Abstract:
The invention aims at providing a process for the production of photoresist resins which brings about reduction in the quantity of a solvent used and enables efficient removal of impurities such as low-molecular components and metal components and which makes it possible to produce easily resins having narrow molecular weight distributions. The invention relates to a process for producing a photoresist resin by polymerizing a polymerizable compound in the presence of a solvent which comprises the resin solution preparation step (1) of preparing a resin solution containing a photoresist resin and the purification step (2) of purifying the solution with an ultrafiltration membrane.

Inventors:
YONEKURA ISAMU (JP)
HONDA FUMIE (JP)
ITO YASUHIRO (JP)
NIIMI MASATSUGU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/069063
Publication Date:
May 22, 2009
Filing Date:
October 21, 2008
Export Citation:
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Assignee:
JSR CORP (JP)
YONEKURA ISAMU (JP)
HONDA FUMIE (JP)
ITO YASUHIRO (JP)
NIIMI MASATSUGU (JP)
International Classes:
C08F6/06; G03F7/26; H01L21/027
Foreign References:
JP2007186713A2007-07-26
JP2007052182A2007-03-01
JPH0366705A1991-03-22
JPS57159821A1982-10-02
JP2008163152A2008-07-17
JPH05307263A1993-11-19
JPH08100022A1996-04-16
Attorney, Agent or Firm:
KOJIMA, Seiji (8-20 Jingu 3-chome,Atsuta-k, Nagoya-shi Aichi 31, JP)
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Claims:
 溶剤の存在下で重合性化合物を重合させることにより、フォトレジスト用樹脂を製造するフォトレジスト用樹脂の製造方法であって、
 (1)フォトレジスト用樹脂を含有する樹脂溶液を調製する樹脂溶液調製工程と、
 (2)前記樹脂溶液を、限外濾過膜を用いて精製する精製工程と、を備えることを特徴とするフォトレジスト用樹脂の製造方法。
 前記限外濾過膜が、セラミック製である請求項1に記載のフォトレジスト用樹脂の製造方法。
 前記限外濾過膜の膜層が、TiO 2 又はZrO 2 により構成されている請求項1又は2に記載のフォトレジスト用樹脂の製造方法。
 前記限外濾過膜の平均孔径が10nm以下である請求項1乃至3のいずれかに記載のフォトレジスト用樹脂の製造方法。
 前記精製工程は、前記樹脂溶液中の不純物を前記限外濾過膜を用いて除去しつつ、該樹脂溶液を濃縮する濃縮工程と、濃縮された樹脂溶液を溶剤により希釈する希釈工程と、を交互に繰り返す請求項1乃至4のいずれかに記載のフォトレジスト用樹脂の製造方法。
 前記精製工程において生じる廃溶剤を蒸留することによって不純物を分離し、該不純物が分離された廃溶剤を、前記溶剤として再利用する請求項1乃至5のいずれかに記載のフォトレジスト用樹脂の製造方法。
 前記精製工程における前記限外濾過膜内での前記樹脂溶液の線速が2.5m/s以下である請求項1乃至4のいずれかに記載のフォトレジスト用樹脂の製造方法。
Description:
フォトレジスト用樹脂の製造方

 本発明は、フォトレジスト用樹脂の製造 法に関する。更に詳しくは、本発明は、溶 の使用量が少なく、不純物となる低分子成 や金属成分を効率よく除去することができ 分子量分布の狭い樹脂を容易に製造するこ ができるフォトレジスト用樹脂の製造方法 関する。

 集積回路素子の製造に代表される微細加工 分野においては、より高い集積度を得るた に、より微細な加工が可能なリソグラフィ 技術が必要とされている。しかし、従来の ソグラフィープロセスでは、一般に放射線 してi線等の近紫外線が用いられているが、 この近紫外線では、サブクオーターミクロン レベルの微細加工が極めて困難であると言わ れている。そこで、例えば、0.10μm以下のレ ルでの微細加工を可能とするために、より 長の短い放射線の利用が検討されている。 のような短波長の放射線としては、例えば 水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザ に代表される遠紫外線、X線、電子線等を挙 ることができるが、これらのうち、特にKrF キシマレーザー(波長248nm)或いはArFエキシマ レーザー(波長193nm)が注目されている。
 そして、このような放射線による照射に適 た、レジスト形成用の感放射線性樹脂組成 、多層レジストにおける上層膜や下層膜(反 射防止膜等)を形成するための樹脂組成物等 フォトリソグラフィーに使用される樹脂組 物が数多く提案されている。

 そして、前記フォトリソグラフィーに使用 れる樹脂組成物に含まれる樹脂には、レジ ト膜や反射防止膜に求められる光学的性質 化学的性質、塗布性や基板或いは下層膜に する密着性等の物理的な性質に加え、微細 パターン形成を妨げる異物がないこと等の 膜形成用樹脂としての基本的な性質が求め れている。この樹脂組成物に含まれる樹脂 、未反応モノマー、重合開始剤及び連鎖移 剤や、これらのカップリング生成物等、重 反応時に添加又は生成される不純物が残存 ていると、リソグラフィーにおいて揮発し 露光装置を傷めたり、樹脂若しくはリソグ フィー用樹脂組成物として保存中に重合が 行する等してパターン欠陥の原因となる物 が生成したりする可能性がある。
 従って、前記樹脂を製造する際には、これ の不純物を除去する精製工程が必要であり 従来より、再沈法により精製を行う樹脂の 造方法等が知られている(例えば、特許文献 1参照)。

特開2005-132974号公報

 しかしながら、従来の再沈法を用いた樹 の製造方法では、樹脂と、原料である単量 及びこの単量体が2~5個つながったオリゴマ 成分との溶解度が近い場合には、単量体及 オリゴマー成分を分離精製するのが困難で り、得られる樹脂の精製効率が十分である は言えず、より分子量分布が狭く、高精製 れた樹脂をより容易に製造可能な方法が求 られているのが現状である。更に、従来の 沈法を用いた樹脂の製造方法では、重合液 貧溶媒を追加する必要があり、溶剤を多量 必要とするという問題もある。

 本発明は、前記実情に鑑みてなされたも であり、溶剤の使用量が少なく、不純物と る低分子成分や金属成分を効率よく除去す ことができ、分子量分布の狭い樹脂を容易 製造することができるフォトレジスト用樹 の製造方法を提供することを目的とする。

 本発明は、以下のとおりである。
 [1]溶剤の存在下で重合性化合物を重合させ ことにより、フォトレジスト用樹脂を製造 るフォトレジスト用樹脂の製造方法であっ 、(1)フォトレジスト用樹脂を含有する樹脂 液を調製する樹脂溶液調製工程と、(2)前記 脂溶液を、限外濾過膜を用いて精製する精 工程と、を備えることを特徴とするフォト ジスト用樹脂の製造方法。
 [2]前記限外濾過膜が、セラミック製である 記[1]に記載のフォトレジスト用樹脂の製造 法。
 [3]前記限外濾過膜の膜層が、TiO 2 又はZrO 2 により構成されている前記[1]又は[2]に記載の フォトレジスト用樹脂の製造方法。
 [4]前記限外濾過膜の平均孔径が10nm以下であ る前記[1]乃至[3]のいずれかに記載のフォトレ ジスト用樹脂の製造方法。
 [5]前記精製工程は、前記樹脂溶液中の不純 を前記限外濾過膜を用いて除去しつつ、該 脂溶液を濃縮する濃縮工程と、濃縮された 脂溶液を溶剤により希釈する希釈工程と、 交互に繰り返す前記[1]乃至[4]のいずれかに 載のフォトレジスト用樹脂の製造方法。
 [6]前記精製工程において生じる廃溶剤を蒸 することによって不純物を分離し、該不純 が分離された廃溶剤を、前記溶剤として再 用する前記[1]乃至[5]のいずれかに記載のフ トレジスト用樹脂の製造方法。
 [7]前記精製工程における前記限外濾過膜内 の前記樹脂溶液の線速が2.5m/s以下である前 [1]乃至[4]のいずれかに記載のフォトレジス 用樹脂の製造方法。

 本発明のフォトレジスト用樹脂の製造方法 よれば、不純物となる低分子成分や金属成 を効率よく除去することができ、分子量分 が狭く、レジスト性能に優れる樹脂を容易 製造することができる。従って、レジスト 成用の感放射線性樹脂組成物、多層レジス における上層膜や下層膜(反射防止膜等)を 成するための樹脂組成物等のフォトリソグ フィーに使用される樹脂組成物に含まれる 脂の製造分野において好適に用いることが きる。
 また、多種の溶剤を使用する必要がなく、 つ貧溶媒を追加する必要がないため、溶剤 使用量を従来よりも低減することができる 更には、精製工程により生じる廃溶剤は、 留することにより容易に不純物と分離して 収することができ、重合溶剤や希釈溶剤と て再利用することができるため、溶剤の使 量をより低減することができる。
 更に、樹脂は非常に高価であるため、ポリ ー回収率を上げる必要があるが、精製工程 おける限外濾過膜内での樹脂溶液の線速を げることで(例えば、2.5m/s以下)、ポリマー 回収率を大幅に増加させることができる。

 以下、本発明を詳細に説明する。
 本発明のフォトレジスト用樹脂の製造方法 、溶剤の存在下で重合性化合物を重合させ ことにより、フォトレジスト用樹脂を製造 るものであって、(1)フォトレジスト用樹脂 含有する樹脂溶液を調製する樹脂溶液調製 程と、(2)前記樹脂溶液を、限外濾過膜を用 て精製する精製工程と、を備えることを特 とする。

[1]樹脂溶液調製工程
 前記樹脂溶液調製工程では、重合性化合物 溶剤の存在下で重合させることによりフォ レジスト用樹脂を含有する樹脂溶液が調製 れる。
 前記重合性化合物としては、通常、レジス 形成用の感放射線性樹脂組成物、多層レジ トにおける上層膜や下層膜(反射防止膜等) 形成するための樹脂組成物等のフォトリソ ラフィーに使用される樹脂組成物に含まれ フォトレジスト用樹脂の製造に用いられる チレン性不飽和結合を有する重合性化合物( 量体)を挙げることができる。

 ここで、例えば、レジスト形成用のポジ 感放射線性樹脂組成物に含まれる樹脂は、 なくとも、酸によって分解してアルカリ現 液に可溶となる化学構造を有する繰り返し 位、より具体的には、非極性置換基が酸に って解離してアルカリ現像液に可溶な極性 が発現する化学構造を有する繰り返し単位( 1)と、半導体基板等の基板に対する密着性を めるための極性基を有する繰り返し単位(2) を必須成分としており、必要に応じて、溶 やアルカリ現像液への溶解性を調節するた の非極性の置換基を有する繰り返し単位(3) 含んで構成されている。

 前記酸によって分解してアルカリ可溶性 なる繰り返し単位(1)は、従来レジストとし 一般的に用いられている化学構造を意味し 酸によって分解してアルカリ可溶性になる 学構造を有する単量体を重合させるか、或 は、アルカリ可溶性の化学構造を有する単 体を重合させた後、アルカリ可溶性の化学 造におけるアルカリ可溶性基を有する置換 (アルカリ可溶性基)を、アルカリに溶解せ 酸によって解離する基(酸解離性保護基)で保 護することにより得ることができる。

 酸によって分解してアルカリ可溶性になる 学構造を有する単量体としては、アルカリ 溶性置換基を含有する重合性化合物に、酸 離性保護基が結合した化合物を挙げること でき、例えば、非極性の酸解離性保護基で 護されたフェノール性水酸基、カルボキシ 基やヒドロキシフルオロアルキル基を有す 化合物等が挙げられる。具体的には、例え 、p-ヒドロキシスチレン、m-ヒドロキシスチ レン、p-ヒドロキシ-α-メチルスチレン等のヒ ドロキシスチレン類;アクリル酸、メタクリ 酸、マレイン酸、フマル酸、α-トリフルオ メチルアクリル酸、5-ノルボルネン-2-カルボ ン酸、2-トリフルオロメチル-5-ノルボルネン- 2-カルボン酸、カルボキシテトラシクロ[4.4.0. 1 2,5 .1 7,10 ]ドデシルメタクリレート等のエチレン性二 結合を有するカルボン酸類;p-(2-ヒドロキシ-1 ,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロピル)スチレン 、2-(4-(2-ヒドロキシ-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ -2-プロピル)シクロヘキシル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサ フルオロプロピルアクリレート、2-(4-(2-ヒド キシ-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロピル) クロヘキシル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロ ピルトリフルオロメチルアクリレート、5-(2- ドロキシ-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロピ ル)メチル-2-ノルボルネン等のヒドロキシフ オロアルキル基を有する重合性化合物等が げられる。

 また、前記酸解離性の保護基としては、例 ば、tert-ブチル基、tert-アミル基、1-メチル- 1-シクロペンチル基、1-エチル-1-シクロペン ル基、1-メチル-1-シクロヘキシル基、1-エチ -1-シクロヘキシル基、2-メチル-2-アダマン ル基、2-エチル-2-アダマンチル基、2-プロピ -2-アダマンチル基、2-(1-アダマンチル)-2-プ ピル基、8-メチル-8-トリシクロ[5.2.1.0 2,6 ]デカニル基、8-エチル-8-トリシクロ[5.2.1.0 2,6 ]デカニル基、8-メチル-8-テトラシクロ[4.4.0.1 2,5 .1 7,10 ]ドデカニル基、8-エチル-8-テトラシクロ[4.4.0 .1 2,5 .1 7,10 ]ドデカニル基等の飽和炭化水素基;1-メトキ エチル基、2-エトキシエチル基、1-iso-プロポ キシエチル基、1-n-ブトキシエチル基、1-tert- トキシエチル基、1-シクロペンチルオキシ チル基、1-シクロヘキシルオキシエチル基、 1-トリシクロ[5.2.1.0 2,6 ]デカニルオキシエチル基、メトキシメチル 、エトキシメチル基、iso-プロポキシメチル 、n-ブトキシメチル基、tert-ブトキシメチル 基、シクロペンチルオキシメチル基、シクロ ヘキシルオキシメチル基、トリシクロ[5.2.1.0 2,6 ]デカニルオキシメチル基、tert-ブトキシカル ボニル基等の含酸素炭化水素基等が挙げられ る。

 アルカリ可溶性の化学構造を有する単量 を重合させた後、アルカリ可溶性の化学構 におけるアルカリ可溶性基を、酸解離性保 基で保護する場合は、前記のアルカリ可溶 基を有する化合物をそのまま重合反応に用 、その後、酸触媒のもとでビニルエーテル ハロゲン化アルキルエーテル等のアルカリ 溶解しない置換基を与える化合物と反応さ ることにより、酸解離性保護基を導入する とができる。反応に用いる酸触媒としては p-トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸 強酸性イオン交換樹脂等が挙げられる。

 また、基板に対する密着性を高めるため 極性基を有する繰り返し単位(2)を与える単 体としては、例えば、極性基としてフェノ ル性水酸基、カルボキシル基やヒドロキシ ルオロアルキル基を有する化合物等を挙げ ことができ、具体的には、例えば、アルカ 可溶性基を含有する重合性化合物として前 説明したヒドロキシスチレン類やエチレン 二重結合を有するカルボン酸類、ヒドロキ フルオロアルキル基を有する重合性化合物 及び、これらに更に極性基が置換した単量 のほか、ノルボルネン環、テトラシクロド セン環等の脂環構造に極性基が結合した単 体等を挙げることができる。

 置換基として繰り返し単位(2)に導入される 記極性基としては、ラクトン構造を含むも が特に好ましく、例えば、γ-ブチロラクト 、γ-バレロラクトン、δ-バレロラクトン、1 ,3-シクロヘキサンカルボラクトン、2,6-ノル ルナンカルボラクトン、4-オキサトリシクロ [5.2.1.0 2,6 ]デカン-3-オン、メバロン酸δ-ラクトン等の クトン構造を含む置換基が挙げられる。
 また、ラクトン構造以外の極性基としては ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基 ヒドロキシプロピル基、3-ヒドロキシ-1-ア マンチル基等のヒドロキシアルキル基等が げられる。

 更に、必要に応じ含有される、レジスト溶 やアルカリ現像液への溶解性を調節するた の非極性の置換基を有する繰り返し単位(3) 与える単量体としては、スチレン、α-メチ スチレン、p-メチルスチレン、インデン等 エチレン性二重結合を有する芳香族化合物; クリル酸、メタクリル酸、トリフルオロメ ルアクリル酸、ノルボルネンカルボン酸、2 -トリフルオロメチルノルボルネンカルボン 、カルボキシテトラシクロ[4.4.0.1 2,5 .1 7,10 ]ドデシルメタクリレート等のエチレン性二 結合を有するカルボン酸に酸安定性非極性 が置換したエステル化合物;ノルボルネン、 トラシクロドデセン等のエチレン性二重結 を有する脂環式炭化水素化合物等が挙げら る。
 また、前記カルボン酸にエステル置換する 安定性非極性置換基の例としては、メチル 、エチル基、シクロペンチル基、シクロヘ シル基、イソボルニル基、トリシクロ[5.2.1. 0 2,6 ]デカニル基、2-アダマンチル基、テトラシク ロ[4.4.0.1 2,5 .1 7,10 ]ドデシル基等が挙げられる。

 これらの単量体は、繰り返し単位(1)、(2)及 (3)のそれぞれにおいて、1種単独で用いても よいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ 。
 レジスト形成用のポジ型感放射線性樹脂組 物に含まれる樹脂中の各繰り返し単位の組 比は、レジストとしての基本性能を損なわ い範囲で選択することができる。即ち、一 に、繰り返し単位(1)は10~70モル%であること 好ましく、より好ましくは10~60モル%である また、繰り返し単位(2)の組成比は30~90モル% あることが好ましく、より好ましくは40~90 ル%であるが、同一の極性基を有する単量体 位については、70モル%以下とすることが好 しい。更に、繰り返し単位(3)の組成比は、5 0モル%以下であることが好ましく、より好ま くは40モル%以下である。

 一方、多層レジストにおける上層膜や下 膜(反射防止膜等)を形成するための樹脂組 物に含まれる樹脂は、前述のレジスト形成 のポジ型感放射線性樹脂組成物に含まれる 脂の化学構造から、酸で分解してアルカリ 溶性になる繰り返し単位(1)を除いた化学構 のポリマーが使用される。樹脂中の各繰り し単位の組成比は特に限定されず、塗膜の 用目的により適宜調整される。一般には、 り返し単位(2)の組成比は10~100モル%の範囲か 選択され、繰り返し単位(3)の組成比は0~90モ ル%の範囲から選択される。

 更に、前記多層レジストにおける上層膜 下層膜を反射防止膜として使用する場合に 、前記樹脂は、架橋点と、フォトリソグラ ィーにおいて照射される放射線を吸収する 学構造とを含む必要があり、架橋点として 、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エ キシ基等の、エステル結合やウレタン結合 により架橋可能な反応性の置換基が挙げら る。架橋点となる反応性置換基を含有する 量体としては、p-ヒドロキシスチレン、m-ヒ ドロキシスチレン等のヒドロキシスチレン類 の他、これまで例示してきた重合性化合物に 前記水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エ ポキシ基等の反応性置換基が置換した単量体 を適宜用いることができる。

 放射線を吸収する化学構造は、使用する 射線の波長により異なるが、例えばArFエキ マレーザー光に対しては、ベンゼン環及び の類縁体を含む化学構造が好適に用いられ 。この様な化学構造を含む単量体としては スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルス レン、p-ヒドロキシスチレン、m-ヒドロキシ チレン等のスチレン類及びその誘導体;置換 又は非置換のフェニル(メタ)アクリレート、 換又は非置換のナフタレン(メタ)アクリレ ト、置換又は非置換のアントラセンメチル( タ)アクリレート等のエチレン性二重結合を 有する芳香族含有エステル類等が挙げられる 。この放射線を吸収する化学構造を有する単 量体は、極性基の有無により前記繰り返し単 位(2)又は(3)のどちらとして導入されてもよい が、放射線を吸収する化学構造を有する単量 体としての組成比は10~100モル%の範囲から選 されることが好ましい。尚、本明細書にお て、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレ ート及びメタクリレートを意味する。

 また、前記樹脂溶液は、例えば、前述の 合性化合物(即ち、重合性不飽和単量体)を 重合開始剤を使用し、また必要に応じて連 移動剤の存在下、適当な溶媒中で重合させ ことにより得ることができる。

 前記重合開始剤としては、例えば、2,2’- アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビ (2-メチルブチロニトリル)、2,2’-アゾビスイ ソ酪酸ジメチル、1,1’-アゾビス(シクロヘキ ン-1-カルボニトリル)、4,4’-アゾビス(4-シ ノ吉草酸)等のアゾ化合物、デカノイルパー キサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベ ゾイルパーオキサイド、ビス(3,5,5-トリメチ ルヘキサノイル)パーオキサイド、コハク酸 ーオキサイド、tert-ブチルパーオキシ-2-エチ ルへキサノエート等の有機過酸化物等のラジ カル重合開始剤が挙げられる。これらの重合 開始剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以 を組み合わせて用いてもよい。

 前記連鎖移動剤としては、例えば、ドデ ルメルカプタン、メルカプトエタノール、 ルカプトプロパノール、メルカプト酢酸、 ルカプトプロピオン酸、4,4-ビス(トリフル ロメチル)-4-ヒドロキシ-1-メルカプトブタン のチオール化合物を挙げることができる。 れらの連鎖移動剤は、1種単独で用いてもよ いし、2種以上を組み合わせて用いてもよい

 前記重合開始剤及び連鎖移動剤の使用量は 重合反応に用いる原料モノマー(重合性化合 物)や重合開始剤、連鎖移動剤の種類、重合 度や、重合溶媒、重合方法、精製条件等の 造条件により適宜調整することができる。
 一般に、樹脂の重量平均分子量が高すぎる 、塗膜形成時に使用される溶媒やアルカリ 像液への溶解性が低くなる傾向にある。一 、重量平均分子量が低すぎると、塗膜性能 悪くなる傾向にある。そのため、ゲルパー エーションクロマトグラフィ(GPC)によるポ スチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」 もいう。)は、2000~40000の範囲になるよう調整 することが好ましく、より好ましくは3000~3000 0である。

 また、重合反応に用いられる前記溶剤(重 合溶剤)としては、例えば、アセトン、メチ エチルケトン、メチルアミルケトン、シク ヘキサノン等のケトン類;テトラヒドロフラ 、ジオキサン、グライム、プロピレングリ ールモノメチルエーテル等のエーテル類;酢 酸エチル、乳酸エチル等のエステル類;プロ レングリコールメチルエーテルアセテート のエーテルエステル類、γ-ブチロラクトン のラクトン類等が挙げられる。これらの溶 は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み わせて用いてもよい。

 前記溶剤の使用量は特に限定されないが 通常、単量体1質量部に対して0.5~20質量部、 好ましくは1~10質量部である。溶剤の使用量 少なすぎる場合には、単量体が析出したり 粘度になりすぎて重合系を均一に保てなく ったりするおそれがある。一方、溶剤の使 量が多すぎる場合には、原料モノマーの転 率が不十分であったり、得られる樹脂の分 量を所望の値まで高めることができないお れがある。

 また、前記重合における反応条件は特に 定されないが、反応温度は、通常40~120℃、 ましくは50~100℃である。また、反応時間は 通常1~48時間、好ましくは1~24時間である。

 また、この樹脂溶液調製工程において得 れる樹脂溶液の樹脂濃度(固形分濃度)は、1~ 80質量%であることが好ましく、より好ましく は5~50質量%、更に好ましくは10~50質量%である

[2]精製工程
 前記精製工程では、限外濾過膜を用いた限 濾過により、不純物(特に、残存モノマー、 ダイマー、トリマー、オリゴマー等の低分子 成分)が除去されて、前述のフォトレジスト 樹脂を含む樹脂溶液の精製が行われる。尚 前記低分子成分の分析は、高速液体クロマ グラフィー(HPLC)により行うことができる。

 前記限外濾過膜としては、樹脂溶液への膜 分由来の不純物の混入を抑制できるという 点から、セラミック製の限外濾過膜である とが好ましい。
 この限外濾過膜の形状は特に限定されない 、1個若しくは2個以上の貫通孔を備える円 又は角管型(例えば、チューブラー膜型等、 ニカム膜型等)であることが好ましい。
 また、限外濾過膜の構造は特に限定されな が、例えば、(1)膜層と、中間層と、支持体 からなる三層構造、(2)膜層と、支持体とか なる二層構造、(3)膜層のみからなる単層構 等の限外濾過膜を挙げることができる。

 前記膜層の材質としては、例えば、TiO 2 、ZrO 2 、及びAl 2 O 3 等が挙げられる。これらのなかでも、微細な 孔径を有し且つ強度の高い限外濾過膜が得ら れるため、TiO 2 、ZrO 2 であることが好ましい。
 前記中間層の材質としては、例えば、TiO 2 、ZrO 2 、及びAl 2 O 3 等が挙げられる。
 前記支持体の材質としては、例えば、TiO 2 、ZrO 2 、及びAl 2 O 3 等が挙げられる。これらのなかでも、Al 2 O 3 であることが好ましい。

 また、前記限外濾過膜の平均孔径は、10nm以 下であることが好ましく、より好ましくは3~1 0nm、更に好ましくは4~8nmである。この平均孔 が10nm以下である場合には、樹脂溶液中の樹 脂成分の溶出を防ぐことができる。更に、こ の平均孔径が3nm以上であれば、樹脂溶液中に おける不純物(低分子成分等)を十分に除去す ことができる。
 尚、ここでいう限外濾過膜の「平均孔径」 は、JIS R1655(ファインセラミックスの水銀 入法による成形体気孔径分布試験方法)によ 求めた値である。

 また、本発明における前記精製工程では (1)精製装置における溶液タンクに溶剤を連 供給し、タンク中の液面を一定に保ちなが (即ち、タンク中における樹脂溶液の体積を 一定に保ちながら)、連続的に樹脂溶液を限 濾過膜に接触させ、樹脂溶液中の不純物を 去してもよいし、(2)精製装置における溶液 ンクに樹脂溶液を供給した後、限外濾過膜 用いて、樹脂溶液中の不純物を除去しつつ この樹脂溶液を濃縮する濃縮工程と、濃縮 れた樹脂溶液を溶剤により希釈する希釈工 と、を交互に繰り返すことにより、樹脂溶 中の不純物を除去してもよい。特に、溶剤 使用量を低減することができると共に、樹 溶液中における不純物の除去率をより向上 せることができるため、濃縮工程と希釈工 とを交互に繰り返す前記(2)の精製方法が好 しい。

前記限外濾過を行う際の条件は、樹脂溶液の 樹脂濃度等により適宜調整することができる 。例えば、この精製工程における限外濾過膜 内での樹脂溶液の線速は、0.1~5m/sであること 好ましく、より好ましくは0.1~4m/s、更に好 しくは0.5~3.5m/sである。この樹脂溶液の線速 0.1~5m/sである場合には、不純物となる低分 成分や金属成分を効率よく除去することが きる。
 更に、この樹脂溶液の線速を2.5m/s以下(好ま しくは0.1~2.5m/s、より好ましくは0.5~2.5m/s、更 好ましくは0.5~1.0m/s)とすることにより、ポ マーの回収率を大幅に増加させることがで る。
 また、濾過時間(精製工程全体におけるの濾 過時間の合計)は、30分間~100時間であること 好ましく、より好ましくは1~50時間、更に好 しくは1~30時間である。

 また、前記濃縮工程においては、前記樹脂 液の樹脂濃度(固形分濃度)を28~60質量%まで 縮することが好ましく、より好ましくは28~50 質量%、更に好ましくは28~40質量%である。
 前記希釈工程においては、前記樹脂溶液の 脂濃度を5~25質量%まで希釈することが好ま く、より好ましくは10~25質量%、更に好まし は10~20質量%である。
 尚、濃縮濃度と希釈濃度との差[(濃縮濃度)- (希釈濃度)]は、3~55質量%であることが好まし 、より好ましくは3~40質量%、更に好ましく 8~30質量%である。

 前記濃縮工程と前記希釈工程とを交互に り返す回数は特に限定されないが、1~50回で あることが好ましく、より好ましくは1~30回 更に好ましくは1~10回である。この回数が1~50 回である場合には、樹脂溶液中における不純 物を十分に除去することができる。

 前記精製工程において用いられる溶剤と ては、前述の重合溶剤と同様のものを挙げ ことができる。尚、この精製工程で用いら る溶剤は、樹脂溶液調製工程で用いられる 合溶剤と同一のものであってもよいし、異 っていてもよいが、精製工程において生じ 不純物を含む廃溶剤から、不純物と溶剤と 分離して回収する際における分離のし易さ いう観点から、同一のものを用いることが ましい。

 また、本発明においては、前記精製工程 おいて生じる廃溶剤(即ち、不純物を含む溶 剤)を蒸留することによって不純物を分離し この不純物が分離された廃溶剤を再利用す ことができる。つまり、精製工程において じた廃溶剤から、沸点の差を利用し蒸留す ことによって不純物を分離して、得られる 剤を前記重合溶剤や、精製工程に用いる溶 として(特に、希釈工程に用いる希釈溶剤と て)、再利用することができる。この場合、 フォトレジスト用樹脂の製造に必要な溶剤量 を大幅に低減することができる。

 以下、実施例を挙げて、本発明を更に具 的に説明する。但し、本発明は、これらの 施例に何ら制約されるものではない。

(実施例1)
 5000mLのジムロート管のある三口フラスコに 重合溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)865g いれて十分に窒素置換した後、スリーワン ーターで攪拌しながら80℃まで昇温した。 の後、5-メタクリロイルオキシ-2,6-ノルボル ンカルボラクトン(NLM)355g、及び2-メチル-2- ダマンチルメタクリレート(MAdMA)470gをMEK1680g 溶かした溶液と、アゾビスイソブチロニト ル14.8gをMEK74gに溶かした溶液と、をそれぞ 滴下漏斗により3時間かけて滴下した。滴下 了後、更に3時間熟成した後、室温まで冷却 して、樹脂溶液を調製した。
 尚、高速液体クロマトグラフィーを用いて 定した結果、モノマーの転化率は90%であり 樹脂100質量%に対する残存モノマー量は約11 量%であった。また、得られた樹脂について 、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を 定した結果、分子量分布(分散度Mw/Mn)は1.73 あった。
 その後、得られた樹脂溶液(樹脂濃度:約25質 量%)1000gを、精製装置(ノリタケカンパニーリ テド製、限外濾過ナノフィルターデミ、型 「1P7-250-50NM」)における溶液タンクに入れて 、セラミック製限外濾過膜〔STC社製、商品名 「MEMBRALOX」、平均孔径:5nm、分画分子量:1000、 膜層:TiO 2 、中間層及び支持体:Al 2 O 3 、寸法:直径10mm×長さ250mm、膜形状:直径7mm×1 、膜面積:0.0055m 2 〕を使用して限外濾過〔濾過条件(線速:3m/s、 濾過時間:6時間)〕を実施し、樹脂濃度が30質 %となるまで濃縮した。
 次いで、樹脂濃度30質量%に濃縮された樹脂 液を、希釈溶剤(MEK)を用いて、樹脂濃度が15 .2質量%となるまで希釈した後、限外濾過〔濾 過条件(線速:3m/s、濾過時間:10時間)〕を実施 て、樹脂濃度が30質量%になるまで濃縮する 作を9回繰り返し、樹脂溶液を精製した。
 この際、希釈溶剤として使用したMEKの全量 3760gであった。また、高速液体クロマトグ フィーを用いて測定した結果、樹脂100質量% 対する残存モノマー量は0.04質量%であった 更に、分子量分布は1.30であった。

 尚、前記Mw及びMnは、以下のように測定した 値である。
 東ソー(株)製のGPCカラム(商品名「G2000HXL」2 、商品名「G3000HXL」1本、商品名「G4000HXL」1 )を使用し、流量:1.0ml/分、溶出溶剤:テトラ ドロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で 単分散ポリスチレンを標準とするゲルパー エーションクロマトグラフィ(GPC)により測 した。

(実施例2)
 実施例1における精製工程で得られた廃溶剤 〔不純物(低分子成分等)を含むMEK溶液〕を、5 000mLの丸底フラスコに入れて、常圧下で沸騰 せ、丸底フラスコ内の残溶剤が、初期に仕 んだ液量の10%になるまで蒸留を実施し、不 物を分離した留出液(MEK)を回収した。尚、 の回収作業は3回に分けて行い、約3800gの廃 剤から、合計3380gの溶剤(MEK)を回収した。
 その後、実施例1と同様にして、樹脂溶液( 脂濃度;約25質量%)を調製した後、得られた樹 脂溶液1000gを、精製装置における溶液タンク 入れて、セラミック製限外濾過膜を使用し 限外濾過を実施し、樹脂濃度が30質量%とな まで濃縮した。
 次いで、樹脂濃度30質量%に濃縮された樹脂 液を、希釈溶剤(MEK)を用いて、樹脂濃度が15 .2質量%となるまで希釈した後、限外濾過〔濾 過条件(線速:3m/s、濾過時間:10時間)〕を実施 て、樹脂濃度が30質量%になるまで濃縮する 作を9回繰り返し、樹脂溶液を精製した。
 この際、希釈溶剤として、MEKを全量で3760g いたが、このうちの3380gについては、前述の ように回収したMEKを用いて行った。
 また、高速液体クロマトグラフィーを用い 測定した結果、樹脂100質量%に対する残存モ ノマー量は0.05質量%であった。更に、分子量 布は1.32であった。

(比較例1)
 実施例1と同様にして樹脂溶液(樹脂濃度;約2 5質量%)を調製し、得られた樹脂溶液1000gにメ ノール5000gを加えて再沈殿を実施した。
 次いで、得られた凝集物を濾過した後、回 し、更にメタノール1000gを用いてリパルプ る操作を2回繰り返し、樹脂溶液を精製した
 この際、精製に使用した溶剤(メタノール) 全量は7000gであった。また、高速液体クロマ トグラフィーを用いて測定した結果、樹脂100 質量%に対する残存モノマー量は0.1質量%であ た。更に、分子量分布は1.45であった。

(実施例3)
 5000mLのジムロート管のある三口フラスコに 重合溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)865g いれて十分に窒素置換した後、スリーワン ーターで攪拌しながら80℃まで昇温した。 の後、5-メタクリロイルオキシ-2,6-ノルボル ンカルボラクトン(NLM)355g、及び2-メチル-2- ダマンチルメタクリレート(MAdMA)470gをMEK1680g 溶かした溶液と、アゾビスイソブチロニト ル14.8gをMEK74gに溶かした溶液と、をそれぞ 滴下漏斗により3時間かけて滴下した。滴下 了後、更に3時間熟成した後、室温まで冷却 して、樹脂溶液を調製した。
 尚、高速液体クロマトグラフィーを用いて 定した結果、モノマーの転化率は87%であり 樹脂100質量%に対する残存モノマー量は約15 量%であった。また、得られた樹脂について 、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を 定した結果、分子量分布(分散度Mw/Mn)は1.80 あった。
 その後、得られた樹脂溶液(樹脂濃度:約25質 量%)1000gを、実施例1と同様の精製装置におけ 溶液タンクに入れて、セラミック製限外濾 膜〔日本ガイシ製、商品名「CeLilt」、平均 径:4nm、膜層:TiO 2 、中間層及び支持体:Al 2 O 3 、寸法:直径3mm×37穴×長さ150mm、膜面積:0.052m 2 〕を使用して限外濾過〔濾過条件(線速:1m/s、 濾過時間:1.5時間)〕を実施し、樹脂濃度が30 量%となるまで濃縮した。
 次いで、樹脂濃度30質量%に濃縮された樹脂 液を、希釈溶剤(MEK)を用いて、樹脂濃度が15 .2質量%となるまで希釈した後、限外濾過〔濾 過条件(線速:1m/s、濾過時間:3時間)〕を実施し て、樹脂濃度が30質量%になるまで濃縮する操 作を9回繰り返し、樹脂溶液を精製した。
 この際、希釈溶剤として使用したMEKの全量 3850gであった。また、高速液体クロマトグ フィーを用いて測定した結果、樹脂100質量% 対する残存モノマー量は0.05質量%であった 更に、分子量分布は1.52であった。

(実施例4)
 実施例3と同様にして得られた樹脂溶液(樹 濃度:約25質量%)1000gを、実施例1と同様の精製 装置における溶液タンクに入れて、セラミッ ク製限外濾過膜〔日本ガイシ製、商品名「CeL ilt」、平均孔径:4nm、膜層:TiO 2 、中間層及び支持体:Al 2 O 3 、寸法:直径3mm×19穴×長さ500mm、膜面積:0.174m 2 〕を使用して限外濾過〔濾過条件(線速:1m/s、 濾過時間:1.0時間)〕を実施し、樹脂濃度が30 量%となるまで濃縮した。
 次いで、樹脂濃度30質量%に濃縮された樹脂 液を、希釈溶剤(MEK)を用いて、樹脂濃度が15 .2質量%となるまで希釈した後、限外濾過〔濾 過条件(線速:1m/s、濾過時間:1.0時間)〕を実施 て、樹脂濃度が30質量%になるまで濃縮する 作を7回繰り返し、樹脂溶液を精製した。
 この際、希釈溶剤として使用したMEKの全量 3880gであった。また、高速液体クロマトグ フィーを用いて測定した結果、樹脂100質量% 対する残存モノマー量は0.05質量%であった 更に、分子量分布は1.50であった。
 また、限外濾過後のポリマー溶液の固形分 度を測定した結果、ポリマーの回収率は73% あった。

(比較例2)
 実施例3と同様にして樹脂溶液(樹脂濃度;約2 5質量%)を調製し、得られた樹脂溶液1000gにメ ノール5000gを加えて再沈殿を実施した。
 次いで、得られた凝集物を濾過した後、回 し、更にメタノール1000gを用いてリパルプ る操作を2回繰り返し、樹脂溶液を精製した
 この際、精製に使用した溶剤(メタノール) 全量は7000gであった。また、高速液体クロマ トグラフィーを用いて測定した結果、樹脂100 質量%に対する残存モノマー量は0.1質量%であ た。更に、分子量分布は1.63であった。

 ここで、実施例3及び比較例2の各樹脂溶 (精製後)について、ICP-MS(装置名「ELAN DRC plu s」、Perkin Elmer社製)を用いて、表1に示す種 の残留金属濃度を測定した。その結果を表1 併記する。

(実施例5)
 5000mLのジムロート管のある三口フラスコに 重合溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)777g いれて十分に窒素置換した後、スリーワン ーターで攪拌しながら80℃まで昇温した。 の後、5-メタクリロイルオキシ-2,6-ノルボル ンカルボラクトン(NLM)426g、トリシクロ[5.2.1. 0 2,6 ]デカン-8-イル=メタクリレート(DCM)84g、及び チルシクロペンチルメタクリレート(ECpMA)279g をMEK1381gに溶かした溶液と、アゾビスイソブ ロニトリル43gをMEK170gに溶かした溶液と、を それぞれ滴下漏斗により3時間かけて滴下し 。滴下終了後、更に3時間熟成した後、室温 で冷却して、樹脂溶液を調製した。
 尚、高速液体クロマトグラフィーを用いて 定した結果、モノマーの転化率は96%であり 樹脂100質量%に対する残存モノマー量は約4 量%であった。また、得られた樹脂について 重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を 定した結果、分子量分布(分散度Mw/Mn)は1.90で あった。
 その後、得られた樹脂溶液(樹脂濃度:約25質 量%)1000gを、実施例4と同様に限外濾過を実施 、樹脂溶液を精製した。
 この際、希釈溶剤として使用したMEKの全量 4170gであった。また、高速液体クロマトグ フィーを用いて測定した結果、樹脂100質量% 対する残存モノマー量は0.03質量%であった 更に、分子量分布は1.50であった。

(比較例3)
 実施例5と同様にして樹脂溶液(樹脂濃度;約2 5質量%)を調製し、得られた樹脂溶液1000gにメ ノール10000gを加えて再沈殿を実施した。
 次いで、得られた凝集物を濾過した後、回 し、更にメタノール1000gを用いてリパルプ る操作を2回繰り返し、樹脂溶液を精製した
 この際、精製に使用した溶剤(メタノール) 全量は12000gであった。また、高速液体クロ トグラフィーを用いて測定した結果、樹脂10 0質量%に対する残存モノマー量は0.05質量%で った。更に、分子量分布は1.70であった。

 ここで、実施例5及び比較例3の各樹脂溶 (精製後)について、前述のICP-MSを用いて、表 2に示す種類の残留金属濃度を測定した。そ 結果を表2に併記する。

(実施例6)
 5000mLのジムロート管のある三口フラスコに 重合溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)777g いれて十分に窒素置換した後、スリーワン ーターで攪拌しながら80℃まで昇温した。 の後、5-メタクリロイルオキシ-2,6-ノルボル ンカルボラクトン(NLM)357g、及びエチルシク ペンチルメタクリレート(ECpMA)96g、2-メチル- 2-アダマンチルメタクリレート(MAdMA)319gをMEK14 23gに溶かした溶液と、アゾビスイソブチロニ トリル29gをMEK116gに溶かした溶液と、をそれ れ滴下漏斗により3時間かけて滴下した。滴 終了後、更に3時間熟成した後、室温まで冷 却して、樹脂溶液を調製した。
 尚、高速液体クロマトグラフィーを用いて 定した結果、モノマーの転化率は91%であり 樹脂100質量%に対する残存モノマー量は約10 量%であった。また、得られた樹脂について 、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を 定した結果、分子量分布(分散度Mw/Mn)は1.67 あった。
 その後、得られた樹脂溶液(樹脂濃度:約25質 量%)1000gを、実施例4と同様に限外濾過を実施 、樹脂溶液を精製した。
 この際、希釈溶剤として使用したMEKの全量 4250gであった。また、高速液体クロマトグ フィーを用いて測定した結果、樹脂100質量% 対する残存モノマー量は0.04質量%であった 更に、分子量分布は1.45であった。

(比較例4)
 実施例6と同様にして樹脂溶液(樹脂濃度;約2 5質量%)を調製し、得られた樹脂溶液1000gにメ ノール5000gを加えて再沈殿を実施した。
 次いで、得られた凝集物を濾過した後、回 し、更にメタノール1000gを用いてリパルプ る操作を2回繰り返し、樹脂溶液を精製した
 この際、精製に使用した溶剤(メタノール) 全量は7000gであった。また、高速液体クロマ トグラフィーを用いて測定した結果、樹脂100 質量%に対する残存モノマー量は0.08質量%であ った。更に、分子量分布は1.59であった。

(実施例7)
 実施例3と同様にして得られた樹脂用液(樹 濃度:約25質量%)1000gを、実施例1と同様の精製 装置における溶液タンクに入れて、実施例4 同様のセラミック製限外濾過膜を使用して 外濾過〔濾過条件(線速:4m/s、濾過時間:0.5時 )〕を実施し、樹脂濃度が30質量%となるまで 濃縮した。
 次いで、樹脂濃度30質量%に濃縮された樹脂 液を、希釈溶剤(MEK)を用いて、樹脂濃度が15 .2質量%となるまで希釈した後、限外濾過〔濾 過条件(線速:4m/s、濾過時間:0.45時間)〕を実施 して、樹脂濃度が30質量%になるまで濃縮する 操作を9回繰り返し、樹脂溶液を精製した。
 この際、希釈溶剤として使用したMEKの全量 3800gであった。また、高速液体クロマトグ フィーを用いて測定した結果、樹脂100質量% 対する残存モノマー量は0.03質量%であった 更に、分子量分布は1.40であった。
 また、限外濾過後のポリマー溶液の固形分 度を測定した結果、ポリマーの回収率は66% あった。

(実施例8)
 実施例3と同様にして得られた樹脂用液(樹 濃度:約25質量%)1000gを、実施例1と同様の精製 装置における溶液タンクに入れて、実施例4 同様のセラミック製限外濾過膜を使用して 外濾過〔濾過条件(線速:0.5m/s、濾過時間:1.5 間)〕を実施し、樹脂濃度が30質量%となるま 濃縮した。
 次いで、樹脂濃度30質量%に濃縮された樹脂 液を、希釈溶剤(MEK)を用いて、樹脂濃度が15 .2質量%となるまで希釈した後、限外濾過〔濾 過条件(線速:0.5m/s、濾過時間:2.0時間)〕を実 して、樹脂濃度が30質量%になるまで濃縮す 操作を9回繰り返し、樹脂溶液を精製した。
 この際、希釈溶剤として使用したMEKの全量 3800gであった。また、高速液体クロマトグ フィーを用いて測定した結果、樹脂100質量% 対する残存モノマー量は0.03質量%であった 更に、分子量分布は1.50であった。
 また、限外濾過後のポリマー溶液の固形分 度を測定した結果、ポリマーの回収率は74% あった。

 以上のことから、本実施例におけるフォト ジスト用樹脂の製造方法によれば、溶剤の 用量が少なく、不純物となる低分子成分や 属成分を効率よく除去することができ、分 量分布の狭い樹脂を容易に製造することが きることが分かった。
 また、精製工程における限外濾過膜内での 脂溶液の線速を下げると、意外にも、ポリ ーの回収率が大幅に増加することが分かっ (実施例4、7及び8参照)。