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Title:
AQUEOUS POLYURETHANE RESIN, COATING FILM, AND ARTIFICIAL AND SYNTHETIC LEATHER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/063729
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an aqueous polyurethane resin which is obtained by a reaction between a prepolymer having a terminal isocyanate group and a chain extender. The prepolymer having a terminal isocyanate group is obtained by reacting at least a polyisocyanate, which contains not less than 50% by mole of isocyanate groups of 1,4-bis(isocyanatomethyl)cyclohexane relative to the total mole number of the isocyanate groups, a high-molecular-weight polyol, and an active hydrogen compound containing a hydrophilic group.

Inventors:
KUWAMURA GORO (JP)
NAKAGAWA TOSHIHIKO (JP)
YAMASAKI SATOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/069233
Publication Date:
May 22, 2009
Filing Date:
October 23, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MITSUI CHEMICALS POLYURETHANES (JP)
KUWAMURA GORO (JP)
NAKAGAWA TOSHIHIKO (JP)
YAMASAKI SATOSHI (JP)
International Classes:
C08G18/75; C08G18/38; C09D5/02; C09D175/04; D06N3/14
Domestic Patent References:
WO2008035585A12008-03-27
Foreign References:
JP2006504849A2006-02-09
JP2006509863A2006-03-23
JPH1160939A1999-03-05
JPH1160936A1999-03-05
JP2002179758A2002-06-26
Attorney, Agent or Firm:
OKAMOTO, Hiroyuki (TRADEMARK ATTORNEYSSun Mullion NBF Tower, 21st Floor,6-12, Minamihommachi 2-chome,Chuo-k, Osaka-shi Osaka 54, JP)
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Claims:
 イソシアネート基の総モル数に対して、1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンのイソシアネート基を50モル%以上の割合で含有するポリイソシアネート、高分子量ポリオール、および、親水基を含有する活性水素化合物を、少なくとも反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマーと、
 鎖伸長剤と
の反応により得られることを特徴とする、水性ポリウレタン樹脂。
 前記鎖伸長剤が、アルコキシシリル基を含有する活性水素化合物を含むことを特徴とする、請求項1に記載の水性ポリウレタン樹脂。
 Si原子を0.05~1.5質量%含有することを特徴とする、請求項1記載の水性ポリウレタン樹脂。
 前記鎖伸長剤が、下記一般式(1)で示される化合物であることを特徴とする、請求項2記載の水性ポリウレタン樹脂。
一般式(1):
(式中、R1およびR2は、同一または相異なって炭素数1~4のアルキル基を示す。R3およびR4は、同一または相異なって炭素数1~4のアルキレン基を示す。mは、1~3の整数を示す。)
 1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンが、トランス-1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンを50質量%以上含有することを特徴とする、請求項1記載の水性ポリウレタン樹脂。
 請求項1に記載の水性ポリウレタン樹脂から得られることを特徴とする、塗膜。
 請求項1に記載の水性ポリウレタン樹脂が用いられていることを特徴とする、人工および合成皮革。
Description:
水性ポリウレタン樹脂、塗膜、 工および合成皮革

 本発明は、水性ポリウレタン樹脂、およ 、その水性ポリウレタン樹脂から得られる 膜、さらには、その水性ポリウレタン樹脂 用いられている、人工および合成皮革に関 る。

 近年、環境保全、省資源、安全性などの観 から水性樹脂が普及しつつあり、なかでも 水性ポリウレタン樹脂は、耐久性、耐薬品 、耐摩耗性に優れる観点から、塗料、接着 、バインダーまたはコーティング剤などの 野で普及している。
 しかるに、水性ポリウレタン樹脂は、高速 コーティング処理しようとすると、その処 において生じるせん断力に耐えられずに、 集物を発生する場合がある。そのため、高 せん断力の下でも安定して分散し、凝集物 発生を抑制できる、分散安定性に優れる水 ポリウレタン樹脂が要望されている。

 また、一般的に、水性ポリウレタン樹脂か 得られる塗膜は、溶剤型ポリウレタン樹脂 ら得られる塗膜よりも、水性に起因しての 水性が低く、また、耐熱性および耐久性も 分でないため、さらなる改良が要望されて る。
 上記した要望に関して、例えば、(A)(i)ポリ ソシアネート、(ii)高分子量活性水素含有物 質;および(iii)親水性アルキレンオキシドポリ オールまたはポリアミンを含むプレポリマー ;(B)水;並びに(C)場合によっては、連鎖延長剤 よび/または界面活性剤の反応生成物を含ん でなる水性ポリウレタン分散液であって、分 散液中の反応生成物の量が40~60質量%である水 性ポリウレタン分散液が提案されており(例 ば、下記特許文献1参照。)、好ましいポリイ ソシアネートとして、1,3-ビス(イソシアナト チル)シクロヘキサン、1,4-ビス(イソシアナ メチル)シクロヘキサンまたはそれらの混合 物が挙げられている。

特表2006-509863号公報

 ところが、上記特許文献1に記載の水性ポリ ウレタン樹脂であっても、その分散安定性お よび耐熱性が依然として不十分であり、これ らのさらなる向上が望まれる。また、この水 性ポリウレタン樹脂から得られる塗膜には、 タック(べとつき感)が生じるという不具合が る。
 本発明の目的は、分散安定性、耐溶剤性お び耐熱性に優れ、優れた風合を実現するこ のできる水性ポリウレタン樹脂を提供する と、および、その水性ポリウレタン樹脂か 得られる塗膜、さらには、その水性ポリウ タン樹脂が用いられている、人工および合 皮革を提供することにある。

 上記目的を達成するために、本発明の水 ポリウレタン樹脂は、イソシアネート基の モル数に対して、1,4-ビス(イソシアナトメ ル)シクロヘキサンのイソシアネート基を50 ル%以上の割合で含有するポリイソシアネー 、高分子量ポリオール、および、親水基を 有する活性水素化合物を、少なくとも反応 せて得られるイソシアネート基末端プレポ マーと、鎖伸長剤との反応により得られる とを特徴としている。

 また、本発明の水性ポリウレタン樹脂では 前記鎖伸長剤が、アルコキシシリル基を含 する活性水素化合物を含むことが好適であ 。
 また、本発明の水性ポリウレタン樹脂は、S i原子を0.05~1.5質量%含有することが好適であ 。
 また、本発明の水性ポリウレタン樹脂では 前記鎖伸長剤が、下記一般式(1)で示される 合物であることが好適である。
一般式(1):

(式中、R1およびR2は、同一または相異なって 素数1~4のアルキル基を示す。R3およびR4は、 同一または相異なって炭素数1~4のアルキレン 基を示す。mは、1~3の整数を示す。)
 また、本発明の水性ポリウレタン樹脂では 1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサ が、トランス-1,4-ビス(イソシアナトメチル) シクロヘキサンを50質量%以上含有することが 好適である。

 また、本発明の塗膜は、上記水性ポリウレ ン樹脂から得られることを特徴としている
 さらに、本発明の人工および合成皮革は、 記水性ポリウレタン樹脂が用いられている とを特徴としている。

 本発明の水性ポリウレタン樹脂によれば 分散安定性、耐溶剤性および耐熱性を向上 せることができ、さらには、優れた風合を 現することができる。そのため、これらの 性を生かした、本発明の塗膜、人工および 成皮革を提供することができる。

発明の実施形態

 本発明の水性ポリウレタン樹脂は、イソシ ネート基末端プレポリマーと、鎖伸長剤と 反応により得られる。
 イソシアネート基末端プレポリマーは、ポ イソシアネート、高分子量ポリオール、お び、親水基を含有する活性水素化合物を少 くとも反応させて得られる。
 本発明において、ポリイソシアネートは、 ソシアネート基の総モル数に対して、1,4-ビ ス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンのイ シアネート基を、50モル%以上、好ましくは 70モル%以上、さらに好ましくは、80モル%以 、とりわけ好ましくは、90モル%の割合で含 している。最も好ましくは、100モル%含有し ている。

 1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキ ンには、シス-1,4-ビス(イソシアナトメチル) シクロヘキサン(以下、シス1,4体とする。)、 よび、トランス-1,4-ビス(イソシアナトメチ )シクロヘキサン(以下、トランス1,4体とす 。)の立体異性体があり、本発明では、1,4-ビ ス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンは、 ランス1,4体を、好ましくは、50質量%以上、 らに好ましくは、70質量%、とりわけ好まし は、80質量%以上含有する。最も好ましくは 90質量%含有している。

 1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサ は、例えば、特開平7-309827号公報に記載さ る冷熱2段法(直接法)や造塩法、あるいは、 開2004-244349号公報や特開2003-212835号公報など 記載されるホスゲンを使用しない方法など より、製造することができる。
 また、上記ポリイソシアネートにおいて、1 ,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン 併用できるポリイソシアネートとして、例 ば、1,3-シクロペンタンジイソシアネート、 1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1,3-シ ロヘキサンジイソシアネート、3-イソシア トメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイ シアネート、4,4´-メチレンビス(シクロヘキ シルイソシアネート)、メチル-2,4-シクロヘキ サンジイソシアネート、メチル-2,6-シクロヘ サンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシア トメチル)シクロヘキサン、1,3-ビス(イソシ ナトエチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(イソ アナトエチル)シクロヘキサン、2,5-または2,6 -ビス(イソシアナトメチル)ノルボルナンおよ びその混合物などの脂環族ジイソシアネート が挙げられる。また、例えば、トリメチレン ジイソシアネート、テトラメチレンジイソシ アネート、ペンタメチレンジイソシアネート 、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,2-プ ピレンジイソシアネート、1,2-ブチレンジイ シアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート 、1,3-ブチレンジイソシアネート、2,4,4-また 2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシア ート、2,6-ジイソシアネートメチルカプロエ トなどの脂肪族ジイソシアネートが挙げら る。また、水性ポリウレタン樹脂の成膜性 損なわない範囲で、これらポリイソシアネ トのイソシアヌレート、アロファネート、 ュレット、オキサジアジントリオンおよび レトジオン変性体を併用することもできる

 さらに、水性ポリウレタン樹脂の分散安 性、耐溶剤性、耐熱性および風合を損なわ い範囲で、モノイソシアネートを併用する ともできる。モノイソシアネートとしては 例えば、メチルイソシアネート、エチルイ シアネート、n-ヘキシルイソシアネート,シ ロヘキシルイソシアネート、2-エチルヘキ ルイソシアネート、フェニルイソシアネー 、ベンジルイソシアネートなどが挙げられ 。

 1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキ ンと併用できるポリイソシアネートとして 好ましくは、3-イソシアナトメチル-3,5,5-ト メチルシクロヘキシルイソシアネート(別名 :イソフォロンジイソシアネート(IPDI))、4,4´- チレンビス(シクロヘキシルイソシアネート )、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1,3- ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2 ,5-または2,6-ビス(イソシアナトメチル)ノルボ ルナンおよびその混合物、ヘキサメチレンジ イソシアネート、ならびに上記した、これら ポリイソシアネートの変性体が挙げられる。

 なお、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シク ヘキサンには、シス-1,3-ビス(イソシアナト チル)シクロヘキサン(以下、シス1,3体とす 。)、および、トランス-1,3-ビス(イソシアナ メチル)シクロヘキサン(以下、トランス1,3 とする。)の立体異性体があり、1,3-ビス(イ シアナトメチル)シクロヘキサンを1,4-ビス( ソシアナトメチル)シクロヘキサンと併用す 場合には、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シ ロヘキサンは、トランス1,3体を、好ましく 、50質量%以上、さらに好ましくは、70質量% とりわけ好ましくは、90質量%以上含有する

 本発明において、高分子量ポリオールは、 酸基を2つ以上有する数平均分子量400以上の 化合物であって、例えば、ポリエーテルポリ オール、ポリエステルポリオール、ポリカー ボネートポリオールが挙げられる。
 高分子量ポリオールの数平均分子量は、例 ば、400~5000、好ましくは、1400~3000、さらに ましくは、1500~2500であり、その水酸基価は 例えば、10~125mgKOH/gである。

 ポリエーテルポリオールとしては、例えば ポリプロピレングリコール、ポリテトラメ レンエーテルグリコールなどが挙げられる ポリプロピレングリコールとして、好まし は、特許第3905638号公報に記載のホスファゼ ニウム化合物を触媒とするモノオール副生量 が少ないポリオキシアルキレンポリオールが 挙げられる。
 ポリプロピレングリコールとしては、例え 、低分子量ポリオールまたは低分子量ポリ ミンを開始剤とする、主としてプロピレン キサイドの付加重合物であって、必要によ エチレンオキサイドが併用される(つまり、 プロピレンオキサイドおよびエチレンオキサ イドのランダムおよび/またはブロック共重 体を含む。)。

 なお、低分子量ポリオールは、水酸基を2 つ以上有する数平均分子量60~400未満の化合物 であって、エチレングリコール、プロパンジ オール、1,4-ブチレングリコール、1,3-ブチレ グリコール、1,2-ブチレングリコール、1,6- キサンジオール、ネオペンチルグリコール 3-メチル-1,5-ペンタンジオール、アルカン(7~2 2)ジオール、ジエチレングリコール、トリエ レングリコール、ジプロピレングリコール 1,3-または1,4-シクロヘキサンジメタノール よびそれらの混合物、1,4-シクロヘキサンジ ール、アルカン-1,2-ジオール(C17~20)、水素化 ビスフェノールA、1,4-ジヒドロキシ-2-ブテン 2,6-ジメチル-1-オクテン-3,8-ジオール、ビス ェノールAなどの2価アルコール、例えば、 リセリン、トリメチロールプロパンなどの3 アルコール、例えば、テトラメチロールメ ン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリ リトール、D-ソルビトール、キシリトール D-マンニトール、D-マンニットなどの水酸基 4つ以上有する多価アルコールなどが挙げら れる。

 また、低分子量ポリアミンとしては、例え 、エチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン 例えば、トリレンジアミンなどの芳香族ジ ミンなどが挙げられる。
 ポリテトラメチレンエーテルグリコールと ては、例えば、テトラヒドロフランのカチ ン重合により得られる開環重合物や、テト ヒドロフランの重合単位に上記した2価アル コールを共重合した非晶性ポリテトラメチレ ンエーテルグリコールなどが挙げられる。

 ポリエステルポリオールとしては、例えば 上記した多価アルコールと多塩基酸とを、 知の条件下、反応させて得られる重縮合物 挙げられる。
 多塩基酸としては、例えば、シュウ酸、マ ン酸、コハク酸、メチルコハク酸、グルタ ル酸、アジピン酸、1,1-ジメチル-1,3-ジカル キシプロパン、3-メチル-3-エチルグルター 酸、アゼライン酸、セバチン酸、その他の 肪族ジカルボン酸(炭素数11~13)、スベリン酸 ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカ 二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二 、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、エ コサン二酸、メチルヘキサン二酸、シトラ ン酸、水添ダイマー酸、マレイン酸、フマ 酸、イタコン酸、オルソフタル酸、イソフ ル酸、テレフタル酸、トルエンジカルボン 、ダイマー酸、ヘット酸、ピメリン酸、な のカルボン酸、および、それらカルボン酸 ら誘導される酸無水物、酸ハライド、リシ レイン酸、12-ヒドロキシステアリン酸など 挙げられる。

 また、ポリエステルポリオールとして、例 ば、上記した2価アルコールを開始剤として 、例えば、ε-カプロラクトン、γ-バレロラク トンなどのラクトン類を開環重合して得られ る、ポリカプロラクトンポリオール、ポリバ レロラクトンポリオール、さらには、それら に上記した2価アルコールを共重合したラク ン系ポリオールなどが挙げられる。
 ポリカーボネートポリオールとしては、例 ば、上記した2価アルコールを開始剤とする エチレンカーボネートの開環重合物や、例え ば、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオー 、1,5-ペンタンジオールや1,6-ヘキサンジオ ルなどの2価アルコールと、開環重合物とを 重合した非晶性ポリカーボネートポリオー などが挙げられる。

 これら高分子量ポリオールは、単独使用ま は2種類以上併用することができる。また、 これらのうち、好ましくは、ポリカーボネー トポリオールが挙げられ、さらに好ましくは 、ポリカーボネートジオールが挙げられ、と りわけ好ましくは、非晶性(常温液状)ポリカ ボネートジオールが挙げられる。
 本発明において、親水基を含有する活性水 化合物は、親水基と活性水素基とを併有す 化合物であって、親水基としては、例えば アニオン性基、カチオン性基、ノニオン性 が挙げられる。活性水素基としては、イソ アネート基と反応する基であって、例えば 水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポ シ基などが挙げられる。親水基を含有する 性水素化合物として、より具体的には、カ ボン酸基含有活性水素化合物、スルホン酸 含有活性水素化合物、水酸基含有活性水素 合物、親水基含有多塩基酸、ポリオキシエ レン基含有活性水素化合物が挙げられる。

 カルボン酸基含有活性水素化合物として 、例えば、2,2-ジメチロール酢酸、2,2-ジメ ロール乳酸、2,2-ジメチロールプロピオン酸( 以下、DMPAと略する。)、2,2-ジメチロールブタ ン酸(以下、DMBAと略する。)、2,2-ジメチロー 酪酸、2,2-ジメチロール吉草酸などのジヒド キシルカルボン酸、例えば、リジン、アル ニンなどのジアミノカルボン酸、または、 れらの金属塩類やアンモニウム塩類などが げられる。好ましくは、2,2-ジメチロールプ ロピオン酸(DMPA)、2,2-ジメチロールブタン酸(D MBA)が挙げられる。

 スルホン酸基含有活性水素化合物として 、例えば、エポキシ基含有化合物と酸性亜 酸塩との合成反応から得られる、ジヒドロ シブタンスルホン酸、ジヒドロキシプロパ スルホン酸が挙げられる。また、例えば、N ,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタン ルホン酸、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-ア ミノブタンスルホン酸、1,3-フェニレンジア ン-4,6-ジスルホン酸、ジアミノブタンスルホ ン酸、ジアミノプロパンスルホン酸、3,6-ジ ミノ-2-トルエンスルホン酸、2,4-ジアミノ-5- ルエンスルホン酸、N-(2-アミノエチル)-2-ア ノエタンスルホン酸、2-アミノエタンスル ン酸、N-(2-アミノエチル)-2-アミノブタンス ホン酸、または、それらスルホン酸の金属 類やアンモニウム塩類などが挙げられる。

 水酸基含有活性水素化合物としては、例え 、N-(2-アミノエチル)エタノールアミンが挙 られる。
 親水基含有多塩基酸としては、例えば、ス ホン酸を含有する多塩基酸、より具体的に 、5-スルホイソフタル酸、スルホテレフタ 酸、4-スルホフタル酸、5-(p-スルホフェノキ )イソフタル酸、5-(スルホプロポキシ)イソ タル酸、4-スルホナフタレン-2,7-ジカルボン 、スルホプロピルマロン酸、スルホコハク 、2-スルホ安息香酸、2,3-スルホ安息香酸、5 -スルホサリチル酸、および、それらカルボ 酸のアルキルエステル、さらには、それら ルホン酸の金属塩類やアンモニウム塩類な が挙げられる。好ましくは、5-スルホイソフ タル酸のナトリウム塩、5-スルホイソフタル ジメチルのナトリウム塩が挙げられる。

 ポリオキシエチレン基含有活性水素化合物 、主鎖または側鎖にポリオキシエチレン基 含み、2つ以上の活性水素基を有する化合物 である。
 ポリオキシエチレン基含有化合物としては 例えば、ポリエチレングリコール(例えば、 数平均分子量200~6000、好ましくは300~3000)、ポ オキシエチレン側鎖含有ポリオールが挙げ れる。

 ポリオキシエチレン側鎖含有ポリオールは 側鎖にポリオキシエチレン基を含み、2つ以 上の活性水素基を有する化合物であって、次 のように合成することができる。
 すなわち、まず、上記したジイソシアネー と片末端封鎖ポリオキシエチレングリコー (例えば、炭素数1~4のアルキル基で片末端封 止したアルコキシエチレングリコールであっ て、数平均分子量200~6000、好ましくは300~3000) を、片末端封鎖ポリオキシエチレングリコ ルの水酸基に対して、ジイソシアネートの ソシアネート基が過剰となる割合でウレタ 化反応させ、必要により未反応のジイソシ ネートを除去することにより、ポリオキシ チレン鎖含有モノイソシアネートを得る。

 次いで、ポリオキシエチレン鎖含有モノイ シアネートと、ジアルカノールアミン(例え ば、ジエタノールアミンなど)とを、ジアル ノールアミンの2級アミノ基に対して、ポリ キシエチレン基含有モノイソシアネートの ソシアネート基がほぼ等量となる割合でウ ア化反応させる。
 ポリオキシエチレン側鎖含有ポリオールを るためのジイソシアネートとして、好まし は、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI) どの脂肪族ジイソシアネート、1,3-もしくは1 ,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン( H 6 XDI)またはそれらの混合物、3-イソシアナトメ チル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシ ネート(別名:イソフォロンジイソシアネート (IPDI))、4,4´-メチレンビス(シクロヘキシルイ シアネート)(H 12 MDI)、2,5-もしくは2,6-ビス(イソシアナトメチ )ノルボナン(NBDI)またはそれらの混合物など 脂環族ジイソシアネートが挙げられる。さ に好ましくは、HDIが挙げられる。

 なお、ポリオキシエチレン基含有化合物が 合される場合には、ポリオキシエチレン基 、その水性ポリウレタン樹脂(固形分)に対 る含量が、例えば、0.9~30質量%、好ましくは 2~20質量%、さらに好ましくは、2~10質量%であ る。
 これら親水基を含有する活性水素化合物は 単独使用または2種類以上併用することがで きる。また、これらのうち、好ましくは、カ ルボン酸基含有活性水素化合物およびポリオ キシエチレン基含有活性水素化合物が挙げら れる。

 そして、イソシアネート基末端プレポリマ を得るには、例えば、ポリイソシアネート 高分子量ポリオール、および、親水基を含 する活性水素化合物を、バルク重合や溶液 合などの公知の重合方法によって反応させ 。
 なお、親水基を含有する活性水素化合物を 分子量ポリオールに含有させれば、その高 子量ポリオールとポリイソシアネートとを 応させて、イソシアネート基末端プレポリ ーを得ることができる。

 例えば、上記したポリエステルポリオール 合成において、多価アルコールとして、上 した親水基を含有する活性水素化合物を配 することにより、高分子量ポリオールに、 水基を含有する活性水素化合物を含有させ ことができる。
 また、例えば、上記したポリエステルポリ ールの合成において、多塩基酸として、親 基含有多塩基酸を配合することにより、高 子量ポリオールに、親水基を含有する活性 素化合物を含有させることもできる。

 また、例えば、開環重合により得られるポ エステルポリオール、ポリエーテルポリオ ル、ポリカーボネートポリオール、エポキ ポリオールの合成において、開始剤または 重合成分として、上記した親水基を含有す 活性水素化合物を配合することにより、高 子量ポリオールに、親水基を含有する活性 素化合物を含有させることもできる。
 さらには、親水基を含有する活性水素化合 と、例えば、ポリエーテルポリオール(好ま しくは、ポリテトラメチレンエーテルグリコ ール)などの高分子量ポリオールとを、反応 せることにより、高分子量ポリオールに、 水基を含有する活性水素化合物を含有させ こともできる。

 そして、上記各成分は、高分子量ポリオ ルおよび親水基を含有する活性水素化合物 活性水素基(水酸基およびアミノ基など)(後 する低分子量ポリオールを配合する場合に 、その低分子量ポリオールの水酸基を含む )に対する、ポリイソシアネートのイソシア ネート基の当量比(イソシアネート基/活性水 基)が、例えば、1.1~2.5、好ましくは、1.2~2.3 さらに好ましくは、1.2~2の割合となるよう 処方(混合)する。イソシアネート基の当量比 が、この範囲にあれば、水性ポリウレタン樹 脂の分散安定性を向上させることができる。 そのため、この水性ポリウレタン樹脂を用い て、風合に優れる塗膜、人工皮革および合成 皮革を得ることができる。

 バルク重合では、例えば、窒素気流下にお て、ポリイソシアネートを撹拌しつつ、こ に、高分子量ポリオールおよび親水基を含 する活性水素化合物を加えて、反応温度50~1 30℃、さらに好ましくは50~80℃で、3~15時間程 反応させる。
 溶液重合では、有機溶媒に、ポリイソシア ート、高分子量ポリオール、および、親水 を含有する活性水素化合物を加えて、反応 度50~120℃、さらに好ましくは50~80℃で、3~15 間程度反応させる。

 有機溶媒としては、イソシアネート基に して不活性で、かつ、親水性に富み、除去 容易な低沸点溶媒である、例えば、アセト 、メチルエチルケトンなどのケトン類、例 ば、テトラヒドロフランなどのエーテル類 メチルセロソルブアセテート、エチルセロ ルブアセテートなどのセロソルブアセテー 類、例えば、メチルカルビトールアセテー 、エチルカルビトールアセテートなどのカ ビトールアセテート類、例えば、アセトニ リルなどのニトリル類、酢酸エチル、酢酸 チルなどのエステル類などが挙げられる。

 また、上記重合反応においては、その目的 よび用途に応じて、上記した低分子量ポリ ールを適宜配合することもできる。
 さらに、上記重合反応においては、必要に じて、例えば、アミン系、スズ系、鉛系、 スマス系などの公知のウレタン化触媒を添 してもよく、また、得られるイソシアネー 基末端プレポリマーから遊離の(未反応の) リイソシアネートを、例えば、蒸留や抽出 どの公知の除去手段により除去してもよい

 そして、得られるイソシアネート基末端プ ポリマーにおいて、親水基として、アニオ 性基またはカチオン性基が含まれている場 には、好ましくは、中和剤を添加して、ア オン性基またはカチオン性基の塩を形成さ る。
 例えば、アニオン性基が含まれている場合 は、中和剤としては、慣用の塩基、例えば 有機塩基[例えば、第3級アミン類(トリメチ アミン、トリエチルアミンなどのトリC1-4ア ルキルアミン、ジメチルエタノールアミン、 メチルジエタノールアミン、トリエタノール アミン、トリイソプロパノールアミンなどの アルカノールアミン、モルホリンなどの複素 環式アミンなど)]、無機塩基[アンモニア、ア ルカリ金属水酸化物(水酸化リチウム、水酸 ナトリウム、水酸化カリウムなど)、アルカ 土類金属水酸化物(水酸化マグネシウム、水 酸化カルシウムなど)、アルカリ金属炭酸塩( 酸ナトリウム、炭酸カリウムなど)]が挙げ れる。これらの塩基は、単独使用または2種 上併用できる。

 中和剤は、アニオン性基1当量あたり、0.4~1. 2当量、好ましくは、0.6~1当量の割合で添加す る。
 このようにして得られるイソシアネート基 端プレポリマーは、その分子末端に、2つ以 上の遊離のイソシアネート基を有するポリウ レタンプレポリマーであって、そのイソシア ネート基の含有量(イソシアネート基含量)が 例えば、0.3~10質量%、好ましくは、0.5~6質量% 、さらに好ましくは、1.0~5.0質量%である。ま 、イソシアネート基の平均官能基数は、例 ば、1.5~3.0、好ましくは、1.9~2.5である。ま 、その数平均分子量(標準ポリスチレンを検 線とするGPC測定による数平均分子量)が、例 えば、1000~30000、好ましくは、1500~20000である また、イソシアネート基末端プレポリマー 親水基濃度は、例えば、0.1~1.0mmol/g、好まし くは、0.2~0.7mmol/g、さらに好ましくは、0.2~0.6m mol/gである。

 本発明の水性ポリウレタン樹脂を得るには 次いで、上記により得られるイソシアネー 基末端プレポリマーと鎖伸長剤とを反応さ る。
 本発明において、鎖伸長剤としては、例え 、低分子量ポリオール、ポリアミン、アミ アルコールなどが挙げられる。
 低分子量ポリオールとしては、例えば、上 した低分子量ポリオールが挙げられる。

 ポリアミンとしては、例えば、4,4´-ジフ ニルメタンジアミンなどの芳香族ポリアミ 、例えば、1,3-または1,4-キシリレンジアミ もしくはその混合物などの芳香脂肪族ポリ ミン、例えば、3-アミノメチル-3,5,5-トリメ ルシクロヘキシルアミン(慣用名:イソホロン ジアミン)、4,4´-ジシクロヘキシルメタンジ ミン、2,5(2,6)-ビス(アミノメチル)ビシクロ[2. 2.1]ヘプタン、1,3-もしくは1,4-ビス(アミノメ ル)シクロヘキサンまたはそれらの混合物、1 ,3-もしくは1,4-シクロヘキサンジアミンまた それらの混合物などの脂環族ポリアミン、 えば、エチレンジアミン、1,3-プロパンジア ン、1,4-ブタンジアミン、1,6-ヘキサメチレ ジアミン、ヒドラジン(水和物を含む。)、ジ エチレントリアミン、トリエチレンテトラミ ン、テトラエチレンペンタミンなどの脂肪族 ポリアミンなどが挙げられる。

 また、アミノアルコールとしては、例えば N-(2-アミノエチル)エタノールアミンなどが げられる。
 また、鎖伸長剤として、例えば、アルコキ シリル基を含有する活性水素化合物が挙げ れる。アルコキシシリル基を含有する活性 素化合物は、アルコキシシリル基と活性水 基とを併有する化合物である。

 アルコキシシリル基において、Si原子に 合するアルコキシ基としては、例えば、メ キシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブト シ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基 どの炭素数1~4のアルコキシ基などが挙げら 、好ましくは、メトキシ基、エトキシ基が げられる。また、上記アルコキシ基のSi原子 への結合数は、通常1~3つ、好ましくは、1~2つ である。

 活性水素基としては、イソシアネート基と 応する活性水素基であって、例えば、アミ 基、水酸基などが挙げられ、好ましくは、 ミノ基が挙げられる。
 このようなアルコキシシリル基を含有する 性水素化合物としては、例えば、下記一般 (1)で示される。
一般式(1):

(式中、R1およびR2は、同一または相異なって 素数1~4のアルキル基を示す。R3およびR4は、 同一または相異なって炭素数1~4のアルキレン 基を示す。mは、1~3の整数を示す。)
 上記一般式(1)において、R1およびR2としては 、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基 、ブチル基などの炭素数1~4のアルキル基が挙 げられる。また、R3およびR4としては、例え 、メチレン基、エチレン基、プロピレン基 ブチレン基などの炭素数1~4のアルキレン基 挙げられる。

 アルコキシシリル基を含有する活性水素 合物として、より具体的には、例えば、N-β -(アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジ トキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノ プロピルトリメトキシシラン、γ-(2-アミノエ チル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ -(2-アミノエチル)アミノプロピルジメトキシ ラン、γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルジ エトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメト キシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシ シラン、γ-アミノプロピルジメトキシシラン 、γ-アミノプロピルジエトキシシラン、N,N´- ビス〔γ-(トリメトキシシリル)プロピル〕エ レンジアミンなどが挙げられる。好ましく 、N-β(アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチ ルジメトキシシランが挙げられる。

 また、鎖伸長剤に含有される活性水素基の 度は、好ましくは、250~800mgKOH/gであり、さ に好ましくは、350~600mgKOH/gである。活性水素 基の濃度がこの範囲にあれば、耐久性に優れ る水性ポリウレタン樹脂を得ることができる 。
 これら鎖伸長剤は、単独または2種類以上併 用することができる。また、これらのうち、 好ましくは、ポリアミンとアルコキシシリル 基を含有する活性水素化合物との併用が挙げ られる。

 そして、本発明の水性ポリウレタン樹脂を るには、上記により得られるイソシアネー 基末端プレポリマーと鎖伸長剤とを水中で 応させて分散させる。これによって、イソ アネート基末端プレポリマーが鎖伸長剤に って鎖伸長された水性ポリウレタン樹脂を 水分散液(ディスパージョン)として得るこ ができる。
 イソシアネート基末端プレポリマーと鎖伸 剤とを水中で反応させるには、例えば、ま 、イソシアネート基末端プレポリマーを水 添加して、イソシアネート基末端プレポリ ーを分散させる。次いで、これに鎖伸長剤 添加して、イソシアネート基末端プレポリ ーを鎖伸長する。

 イソシアネート基末端プレポリマーを分散 せるには、攪拌下、イソシアネート基末端 レポリマーを水に徐々に添加する。水は、 ソシアネート基末端プレポリマー100質量部 対して、好ましくは60~1000質量部の割合とな るように添加される。
 そして、水中に分散したイソシアネート基 端プレポリマーに鎖伸長剤を、攪拌下、イ シアネート基末端プレポリマーのイソシア ート基に対する鎖伸長剤の活性水素基(水酸 基およびアミノ基など)の当量比(活性水素基/ イソシアネート基)が、例えば、0.5~1.1、好ま くは、0.7~1の割合となるように、添加する

 また、鎖伸長剤としてジアミン(アルコキ シシリル基を含有するジアミンを含む)を用 る場合には、そのアミノ基は、イソシアネ ト基末端プレポリマーのイソシアネート基 の反応性が高く、また、反応により生成さ るウレア結合は、分子間凝集力が非常に高 ことから、鎖伸長剤とイソシアネートモノ ーとの局所的な反応の低減が必要である。 のため、鎖伸長剤は、好ましくは、水溶液 しくは溶液として配合する。水溶液もしく 溶液中のジアミンの濃度は、少なくとも20質 量%が好ましく、さらに好ましくは、少なく も50質量%である。また、鎖伸長剤は、好ま くは、40℃以下の温度で添加し、添加終了後 は、さらに撹拌しつつ、例えば、常温にて反 応を完結させる。

 なお、イソシアネート基末端プレポリマー 溶液重合により得られている場合には、イ シアネート基末端プレポリマーの反応終了 に、有機溶媒を、例えば、減圧下において 適宜の温度で加熱することにより除去する
 このようにして得られる水性ポリウレタン 脂の水分散液は、その固形分が、例えば、1 0~70質量%、好ましくは、20~50質量%となるよう 調製される。

 また、この水性ポリウレタン樹脂は、そ 数平均分子量(標準ポリスチレンを検量線と するGPC測定による数平均分子量)が、例えば 3,000~100,000、好ましくは、5,000~80,000である。 た、水性ポリウレタン樹脂(固形分)は、そ ウレア基に対するウレタン基の仕込み比が 例えば、0.05~1.2が好ましく、さらに好ましく は、0.1~0.8である。

 また、鎖伸長剤として、アルコキシシリ 基を含有する活性水素化合物が用いられる 合には、この水性ポリウレタン樹脂は、そ Si原子の含有量が、例えば、0.05~1.5質量%、 ましくは、0.05~1.2質量%、さらに好ましくは 0.07~0.8質量%である。Si原子の含有量が、上記 範囲であれば、イソシアネート基の総モル数 に対して、1,4-ビス(イソシアナトメチル)シク ロヘキサンのイソシアネート基を50モル%以上 の割合で含有するポリイソシアネートからな る水性ポリウレタン樹脂の機械安定性の向上 、耐溶剤性や軟化温度が上昇した塗膜が得ら れるなどの利点がある。

 Si原子の含有量を測定する方法としては 例えば、水性ポリウレタン樹脂に含まれる 分を留去し、水性ポリウレタン樹脂が用い れるフィルムを作製した後、フィルムの固 高分解能NMRを測定する方法、フィルムの有 成分を湿式灰化法(下記〔実施例〕にて後述) により完全に分解した後、原子吸光法、ICP発 光法、および蛍光X線法などで測定する方法 挙げられる。これらのうち、好ましくは、IC P発光分析法が挙げられる。

 また、水性ポリウレタン樹脂は、例えば、 ロン試験(下記〔実施例〕にて後述)による 械安定性が、200μg/g以下、好ましくは、180μg /g以下、さらに好ましくは、160μg/g以下であ 。
 そして、本発明の水性ポリウレタン樹脂を 膜すれば、分散安定性、耐溶剤性および耐 性、さらには、風合に優れる塗膜を得るこ ができる。そのため、本発明の水性ポリウ タン樹脂は、上記特性を生かした人工皮革 よび合成皮革などに好適に用いることがで る。

 なお、成膜は、例えば、グラビアコート法 リバースコート法、ロールコート法、バー ート法、スプレーコート法、エアナイフコ ト法、ディッピング法などの公知のコーテ ング方法により、水性ポリウレタン樹脂を 材に塗布し、その後、加熱乾燥する。
 本発明の水性ポリウレタン樹脂を人工皮革 よび合成皮革の製造に用いる場合には、例 ば、湿式法、乾式法の原料として用いるこ ができる。

 なお、本発明の水性ポリウレタン樹脂は 上記したような人工皮革および合成皮革に らず、例えば、自動車、電子機器、衣料、 療、建材、塗料、接着剤などの各種用途に 用いることができる。

 次に、本発明を、製造例、合成例、実施例 よび比較例に基づいて説明するが、本発明 、下記の実施例によって限定されるもので ない。なお、以下の説明において、特に言 がない限り、「部」および「%」は質量基準 である。また、合成例などに用いられる測定 方法を、以下に示す。
(イソシアネート基末端プレポリマーの親水 濃度/単位:mmol/g)
 イソシアネート基末端プレポリマーの親水 濃度は、電位差滴定装置(平沼産業株式会社 製、モデル:COM-980)を用いて中和滴定法により 求めた。

 より具体的には、TEAを添加する前のプレポ マー溶液を1.5g程度秤量し、予め調製した40m lのトルエン/エタノール混合溶媒(トルエン/ タノールの体積比が2/1)に溶解した。次いで 0.1mol/Lのエタノール性水酸化カリウム(力価 き滴定用試薬)を用いた電位差滴定を行い、 親水基濃度を測定した。
 なお、親水基濃度において、親水基は、イ シアネート基末端プレポリマー中のカルボ シル基に相当する。

 なお、測定した試料は、プレポリマーのア トニトリル溶液であるため、仕込んだ溶媒 量に基づいてプレポリマーの質量に補正し 実測値からプレポリマーの親水基濃度を算 した。
(イソシアネート基末端プレポリマーのオキ エチレン基濃度/単位:質量%)
 イソシアネート末端プレポリマー0.5gに、内 部標準物質として重水素化クロロホルムに溶 解させたテトラクロロエタンを一定量加え、 さらに重水素化クロロホルムを加え、全体積 を5mLとした。この溶液の 1 H-NMR(JEOL製、JNM-AL400)測定によりオキシエチレ 基濃度を求めた。
(イソシアネート基末端プレポリマー溶液に 有されるイソシアネート基含量/単位:質量%)
 イソシアネート基末端プレポリマー溶液の ソシアネート基含量は、電位差滴定装置を いて、JIS K-1556に準拠したn-ジブチルアミン 法により測定した。

  製造例1(1,4-ビス(イソシアナトメチル)シク ロヘキサン)の製造方法)
  13 C-NMR測定によるトランス/シス比が93/7の1,4-ビ (アミノメチル)シクロヘキサン(三菱瓦斯化 社製)を原料として、冷熱2段ホスゲン化法 常圧下で実施した。
 すなわち、フラスコに、攪拌棒、温度計、 スゲン導入管、滴下ロートおよび冷却管を り付けて、そのフラスコにオルトジクロロ ンゼン400質量部を仕込んだ。フラスコを冷 で冷却しながら、フラスコ内の温度を10℃ 下とし、ホスゲン導入管よりホスゲン280質 部を導入した。滴下ロートに1,4-ビス(アミノ メチル)シクロヘキサン100質量部およびオル ジクロロベンゼン500質量部の混合液を仕込 、その混合液を、30分かけてフラスコ内に添 加した。この間、フラスコ内の温度を30℃以 に維持した。添加終了後、フラスコ内は、 色スラリー状液となった。再び、ホスゲン 導入しながら反応温度を150℃まで上昇させ 150℃で5時間反応を継続させた。フラスコ内 の反応液は淡褐色澄明な液体となった。

 反応終了後、100~150℃で窒素ガスを10L/時で 気し、脱ガスした。
 減圧下で溶媒のオルトジクロルベンゼンを 去し、さらに減圧蒸留により、沸点138~140℃ /0.7KPaの留分を採取した。
 これによって、無色透明液体として、1,4-ビ ス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン123質 部(収率90%)を得た。

 得られた1,4-ビス(イソシアナトメチル)シク ヘキサンのガスクロマトグラフィー測定に る純度は99.9%、APHA測定による色相は5、 13 C-NMR測定によるトランス/シス比は93/7であっ 。
  製造例2(ポリオキシエチレン側鎖含有ジオ ールの合成)
 攪拌機、温度計、還流管、および、窒素導 管を備えた4つ口フラスコに、数平均分子量 1000のメトキシポリエチレングリコール1000質 部(東邦化学工業株式会社製)と1,6-ヘキサメ レンジイソシアネート(商品名:タケネート-7 00、三井化学ポリウレタン株式会社製)1682質 部を仕込み、窒素雰囲気下90℃で9時間反応 せた。得られた反応液を薄膜蒸留して、未 応の1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートを り除き、ポリオキシエチレン基含有モノイ シアネートを得た。次いで、攪拌機、温度 、還流管、および、窒素導入管を備えた4つ 口フラスコに、ジエタノールアミン82.5質量 を仕込み、窒素雰囲気下、空冷しながら上 ポリオキシエチレン基含有モノイソシアネ ト917.5質量部を、反応温度が70℃を越えない うに徐々に滴下した。滴下終了後、約1時間 、窒素雰囲気下において70℃で攪拌し、イソ アネート基が消失したことを確認し、ポリ キシエチレン側鎖含有ジオールを得た。

 ポリオキシエチレン側鎖含有ジオール中の キシエチレン基濃度は、 1 H-NMRにて実測した結果76質量%であった。
  合成例1(親水基含有プレポリマー溶液(A)の 合成)
 攪拌機、温度計、還流管、および、窒素導 管を備えた4つ口フラスコに、製造例1の1,4- ス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(以 、1,4-BICと略する。)を780質量部、予め110℃ 加熱し、減圧乾燥した数平均分子量2000の非 性ポリカーボネートジオール(商品名:T-5652 旭化成ケミカルズ株式会社製)を3000質量部、 アセトニトリル(以下、ANと略する。)を1000質 部、および、非晶性ポリカーボネートジオ ルと同様に加熱し、減圧乾燥したジメチロ ルプロピオン酸(以下、DMPAと略する。)を220 量部装入し、窒素雰囲気下、75℃で8時間反 させた。これにより、イソシアネート基含 が1.40質量%のイソシアネート基末端プレポ マー(以下、プレポリマーと略する。)溶液を 得た。

 次いで、この反応液を20℃まで冷却し、ト エチルアミン(以下、TEAと略する。)を158質量 部添加した。すなわち、イソシアネート基末 端プレポリマー中の親水基(カルボキシル基) 対して、0.95の当量となるように、TEAを添加 した。
 その後、同温度にて、30分間撹拌混合する とにより、TEAによってカルボン酸が中和さ た親水基含有イソシアネート基末端プレポ マー(以下、親水基含有プレポリマーと略す 。)溶液(A)を得た。得られた親水基含有プレ ポリマー溶液(A)の合成条件の詳細および性状 を表1に示す。

 なお、表1において、「イソシアネート基の 当量比」とは、高分子量ポリオールおよび親 水基を含有する活性水素化合物の水酸基に対 する、ポリイソシアネートのイソシアネート 基の当量比を表わしている。
 合成例2(親水基含有プレポリマー溶液(B)の 成)
 1,4-BICを950質量部、ANを1045質量部、DMPAを230 量部、TEAを165質量部用いた以外は、合成例1 同様の操作にて、イソシアネート基含量が2 .65質量%の親水基含有プレポリマー溶液(B)を た。得られた親水基含有プレポリマー溶液(B )の合成条件の詳細および性状を表1に示す。

  合成例3(親水基含有プレポリマー溶液(C)の 合成)
 1,4-BICを1200質量部、ANを1111質量部、DMPAを244 量部、TEAを175質量部用いた以外は、合成例1 と同様の操作にて、イソシアネート基含量が 4.23質量%の親水基含有プレポリマー溶液(C)を た。得られた親水基含有プレポリマー溶液( C)の合成条件の詳細および性状を表1に示す。

  合成例4(親水基含有プレポリマー溶液(D)の 合成)
 1,4-BICを1500質量部、ANを1190質量部、DMPAを260 量部、TEAを186質量部用いた以外は、合成例1 と同様の操作にて、イソシアネート基含量が 5.96質量%の親水基含有プレポリマー溶液(D)を た。得られた親水基含有プレポリマー溶液( D)の合成条件の詳細および性状を表1に示す。

  合成例5(親水基含有プレポリマー溶液(E)の 合成)
 1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサ (商品名:タケネートT-600、三井化学ポリウレ タン社製)(以下、1,3-BICと略する。)950質量部 ANを1045質量部、DMPAを230質量部、TEAを165質量 用いた以外は、合成例1と同様の操作にて、 イソシアネート基含量が2.62質量%の親水基含 プレポリマー溶液(E)を得た。得られた親水 含有プレポリマー溶液(E)の合成条件の詳細 よび性状を表1に示す。

  合成例6(親水基含有プレポリマー溶液(F)の 合成)
 1,3-BICを428質量部および1,4-BICを523質量部、AN を1045質量部、DMPAを230質量部、TEAを165質量部 いた以外は、合成例1と同様の操作にて、イ ソシアネート基含量が2.69質量%の親水基含有 レポリマー溶液(F)を得た。得られた親水基 有プレポリマー溶液(F)の合成条件の詳細お び性状を表1に示す。

  合成例7(親水基含有プレポリマー溶液(G)の 合成)
 イソフォロンジイソシアネート(IPDI、商品 :VESTANAT IPDI、デグサ社製)を1160質量部、ANを1 105質量部、DMPAを260質量部、TEAを186質量部用 た以外は、合成例1と同様の操作にて、イソ アネート基含量が2.68質量%の親水基含有プ ポリマー溶液(G)を得た。得られた親水基含 プレポリマー溶液(G)の合成条件の詳細およ 性状を表1に示す。

  合成例8(親水基含有プレポリマー溶液(H)の 合成)
 4,4´-メチレンビス(シクロヘキシルイソシア ネート)(商品名:VESTANAT H 12 MDI、デグサ社製)(以下、H 12 MDIと略する。)を1370質量部、ANを1158質量部、D MPAを260質量部、TEAを186質量部用いた以外は、 合成例1と同様の操作にて、イソシアネート 含量が2.54質量%の親水基含有プレポリマー溶 液(H)を得た。得られた親水基含有プレポリマ ー溶液(H)の合成条件の詳細および性状を表1 示す。

  合成例9(親水基含有プレポリマー溶液(I)の 合成)
 攪拌機、温度計、還流管、および、窒素導 管を備えた4つ口フラスコに、4,4´-メチレン ビス(シクロヘキシルイソシアネート)(H 12 MDI)を129質量部、非晶性ポリカーボネートジ ール(商品名:T-5652)を3000質量部、ANを1054質量 、DMPAを232質量部装入し、窒素雰囲気下、75 、3時間反応させた後、1,4-BICを856質量部添 し、さらに同温度で6時間反応させた。これ より、イソシアネート基含量が2.65質量%の レポリマー溶液を得た。

 次いで、この反応液を20℃まで冷却し、TE Aを166質量部添加した。すなわち、イソシア ート基プレポリマー中の親水基(カルボキシ 基)に対して、0.95の当量となるように、TEA 添加した。その後、同温度にて、30分間撹拌 混合することにより、TEAによってカルボン酸 が中和された親水基含有プレポリマー溶液(I) を得た。得られた親水基含有プレポリマー溶 液(I)の合成条件および性状を表1に示す。

  合成例10(プレポリマー溶液(J)の合成)
 攪拌機、温度計、還流管、および、窒素導 管を備えた4つ口フラスコに、1,4-BICを447質 部、予め110℃に加熱し、減圧乾燥した数平 分子量2000の非晶性ポリカーボネートジオー (商品名:T-5652、旭化成ケミカルズ株式会社 )を3000質量部、ANを1452質量部、アセトンを181 5質量部、および、非晶性ポリカーボネート オールと同様に加熱し、減圧乾燥したポリ キシエチレン側鎖含有ジオールを389質量部 入し、窒素雰囲気下、75℃で7時間反応させ 。これにより、イソシアネート基含量が0.57 量%のプレポリマー溶液(J)を得た。得られた プレポリマー溶液(J)の合成条件の詳細および 性状を表1に示す。

  合成例11(プレポリマー溶液(K)の合成)
 1,4-BICを496質量部、ANを1473質量部、アセトン を1841質量部、ポリオキシエチレン側鎖含有 オールを394質量部用いた以外は、合成例10と 同様の操作にて、イソシアネート基含量が0.8 1質量%のプレポリマー溶液(K)を得た。得られ プレポリマー溶液(K)の合成条件の詳細およ 性状を表1に示す。

  合成例12(プレポリマー溶液(L)の合成)
 1,4-BICを799質量部、ANを1600質量部、アセトン を2001質量部、ポリオキシエチレン側鎖含有 オールを428質量部用いた以外は、合成例10と 同様の操作にて、イソシアネート基含量が2.3 5質量%のプレポリマー溶液(L)を得た。得られ プレポリマー溶液(L)の合成条件の詳細およ 性状を表1に示す。

  合成例13(プレポリマー溶液(M)の合成)
 H 12 MDIを676質量部、ANを1548質量部、アセトンを193 6質量部、ポリオキシエチレン側鎖含有ジオ ルを414質量部用いた以外は、合成例10と同様 の操作にて、イソシアネート基含量が0.8質量 %のプレポリマー溶液(M)を得た。得られたプ ポリマー溶液(M)の合成条件の詳細および性 を表1に示す。

  実施例1(水性ポリウレタン樹脂(A)の合成)
 予め10℃に調整したイオン交換水1000質量部 3L容積のステンレス容器に入れ、ホモディ パー(商品名:T.K.ホモディスパー、プライミ ス社製)を使用して、2000rpmの撹拌下、予め20 に調整した親水基含有プレポリマー溶液(A)5 00質量部を徐々に添加して分散させた。

 次いで、ヒドラジン3.85質量部を、20質量%水 溶液に調製した鎖伸長剤液19.2質量部を発熱 注意しながら徐々に加えた。なお、プレポ マー中のイソシアネート基に対する鎖伸長 中のアミノ基の当量比(以下、鎖伸長剤の当 比と略する。)は、0.95とした。
 また、ヒドラジンは、ヒドラジン一水和物( 和光純薬工業株式会社製)を用いており、ヒ ラジンの質量部とは、ヒドラジン一水和物 相当する(以下の実施例および比較例におけ 、鎖伸長剤の当量比およびヒドラジンの使 量に関する記載についても同様である。)
 そして、鎖伸長剤液の添加後、10~25℃にて 2時間撹拌し、鎖伸長反応させた。さらに、A Nを減圧下、留去させることにより、固形分35 質量%の水性ポリウレタン樹脂(A)の水分散液 得た。得られた水性ポリウレタン樹脂(A)の 成条件の詳細および性状を表2に示す。

  実施例2(水性ポリウレタン樹脂(B)の合成)
 親水基含有プレポリマー溶液(B)を用い、鎖 長剤として、ヒドラジン5.82質量部と、N-β( ミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメ キシシラン(商品名:KBM602 信越化学工業株式 社製、Si原子含有量13.6質量%)6.00質量部とを 20質量%水溶液に調製した鎖伸長剤液を59.1質 量部用いた以外は、実施例1と同様の条件お び操作にて、水性ポリウレタン樹脂(B)の水 散液を得た。得られた水性ポリウレタン樹 (B)の合成条件の詳細および性状を表2に示す

  実施例3(水性ポリウレタン樹脂(C)の合成)
 親水基含有プレポリマー溶液(B)を用い、鎖 長剤として、ヒドラジン7.27質量部を、20質 %水溶液に調製した鎖伸長剤液36.4質量部用 た以外は、実施例1と同様の条件および操作 て、水性ポリウレタン樹脂(C)の水分散液を た。得られた水性ポリウレタン樹脂(C)の合 条件の詳細および性状を表2に示す。

  実施例4(水性ポリウレタン樹脂(D)の合成)
 親水基含有プレポリマー溶液(B)を用い、鎖 長剤として、N-β(アミノエチル)-γ-アミノプ ロピルメチルジメトキシシラン(KBM602)30.0質量 部を、20質量%水溶液に調製した鎖伸長剤液149 .9質量部用いた以外は、実施例1と同様の条件 および操作にて、水性ポリウレタン樹脂(D)の 水分散液を得た。得られた水性ポリウレタン 樹脂(D)の合成条件の詳細および性状を表2に す。

  実施例5(水性ポリウレタン樹脂(E)の合成)
 親水基含有プレポリマー溶液(C)を用い、鎖 長剤として、ヒドラジン11.6質量部を、20質 %水溶液に調製した鎖伸長剤液58.0質量部用 た以外は、実施例1と同様の条件および操作 て、水性ポリウレタン樹脂(E)の水分散液を た。得られた水性ポリウレタン樹脂(E)の合 条件の詳細および性状を表2に示す。

  実施例6(水性ポリウレタン樹脂(F)の合成)
 親水基含有プレポリマー溶液(D)を用い、鎖 長剤として、ヒドラジン4.91質量部と、N-β( ミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメ キシシラン(KBM602)47.2質量部とを、20質量%水 液に調製した鎖伸長剤液を260.5質量部用いた 以外は、実施例1と同様の条件および操作に 、水性ポリウレタン樹脂(F)の水分散液を得 。得られた水性ポリウレタン樹脂(F)の合成 件の詳細および性状を表2に示す。

  実施例7(水性ポリウレタン樹脂(G)の合成)
 親水基含有プレポリマー溶液(D)を用い、鎖 長剤として、ヒドラジン16.4質量部を、20質 %水溶液に調製した鎖伸長剤液81.8質量部用 た以外は、実施例1と同様の条件および操作 て、水性ポリウレタン樹脂(G)の水分散液を た。得られた水性ポリウレタン樹脂(G)の合 条件の詳細および性状を表2に示す。

  実施例8(水性ポリウレタン樹脂(H)の合成)
 親水基含有プレポリマー溶液(I)を用い、鎖 長剤として、ヒドラジン7.27質量部を、20質 %水溶液に調製した鎖伸長剤液36.4質量部用 た以外は、実施例1と同様の条件および操作 て、水性ポリウレタン樹脂(H)の水分散液を た。得られた水性ポリウレタン樹脂(H)の合 条件の詳細および性状を表2に示す。

  実施例9(水性ポリウレタン樹脂(I)の合成)
 攪拌機、温度計、還流管、および、窒素導 管を備えた4つ口フラスコに、合成例10で合 したプレポリマー溶液(J)を500g装入し、30℃ で加温した。次いで予め20℃に調整したイ ン交換水850gを徐々に添加して水性化し、ヘ サメチレンジアミン(和光純薬工業株式会社 製、以下、HDAと略する。)0.85質量部と、N-β( ミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメト キシシラン(KBM602)5.06質量部とを、20質量%水溶 液に調製した鎖伸長剤液を29.6質量部加えて 伸長した。

 そして、鎖伸長剤液の添加後、10~25℃にて 2時間撹拌し、鎖伸長反応させた。さらに、A Nおよびアセトンを減圧下、留去させること より、固形分35質量%の水性ポリウレタン樹 (I)の水分散液を得た。得られた水性ポリウ タン樹脂(I)の合成条件の詳細および性状を 3に示す。
  実施例10(水性ポリウレタン樹脂(J)の合成)
 プレポリマー溶液(K)を用い、鎖伸長剤とし 、HDA2.4質量部と、N-β(アミノエチル)-γ-アミ ノプロピルメチルジメトキシシラン(KBM602)5.09 質量部とを、20質量%水溶液に調製した鎖伸長 剤液を37.4質量部用いた以外は、実施例9と同 の条件および操作にて、水性ポリウレタン 脂(J)の水分散液を得た。得られた水性ポリ レタン樹脂(J)の合成条件の詳細および性状 表3に示す。

  実施例11(水性ポリウレタン樹脂(K)の合成)
 プレポリマー溶液(L)を用い、鎖伸長剤とし 、HDA12.3質量部と、N-β(アミノエチル)-γ-ア ノプロピルメチルジメトキシシラン(KBM602)5.2 8質量部とを、20質量%水溶液に調製した鎖伸 剤液を87.9質量部用いた以外は、実施例9と同 様の条件および操作にて、水性ポリウレタン 樹脂(K)の水分散液を得た。得られた水性ポリ ウレタン樹脂(K)の合成条件の詳細および性状 を表3に示す。

  比較例1(水性ポリウレタン樹脂(L)の合成)
 親水基含有プレポリマー溶液(E)を用い、鎖 長剤として、ヒドラジン5.75質量部と、N-β( ミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメ キシシラン)(KBM602)5.93質量部とを、20質量%水 液に調製した鎖伸長剤液を58.4質量部用いた 以外は、実施例1と同様の条件および操作に 、水性ポリウレタン樹脂(L)の水分散液を得 。得られた水性ポリウレタン樹脂(L)の合成 件の詳細および性状を表2に示す。

  比較例2(水性ポリウレタン樹脂(M)の合成)
 親水基含有プレポリマー溶液(F)を用い、鎖 長剤として、ヒドラジン7.38質量部を、20質 %水溶液に調製した鎖伸長剤液36.9質量部用 た以外は、実施例1と同様の条件および操作 て、水性ポリウレタン樹脂(M)の水分散液を た。得られた水性ポリウレタン樹脂(M)の合 条件の詳細および性状を表2に示す。

  比較例3(水性ポリウレタン樹脂(N)の合成)
 親水基含有プレポリマー溶液(G)を用い、鎖 長剤として、N-β(アミノエチル)-γ-アミノプ ロピルメチルジメトキシシラン(KBM602)30.2質量 部を、20質量%水溶液に調製した鎖伸長剤液151 .1質量部用いた以外は、実施例1と同様の条件 および操作にて、水性ポリウレタン樹脂(N)の 水分散液を得た。得られた水性ポリウレタン 樹脂(N)の合成条件の詳細および性状を表2に す。

  比較例4(水性ポリウレタン樹脂(O)の合成)
 親水基含有プレポリマー(H)を用い、鎖伸長 として、N-β(アミノエチル)-γ-アミノプロピ ルメチルジメトキシシラン(KBM602)28.7質量部を 、20質量%水溶液に調製した鎖伸長剤液143.5質 部用いた以外は、実施例1と同様の条件にて 、水性ポリウレタン樹脂(O)の水分散液を得た 。得られた水性ポリウレタン樹脂(O)の合成条 件の詳細および性状を表2に示す。

  比較例5(水性ポリウレタン樹脂(P)の合成)
 プレポリマー溶液(M)を用い、鎖伸長剤とし 、HDA2.35質量部と、N-β(アミノエチル)-γ-ア ノプロピルメチルジメトキシシラン(KBM602)5.1 0質量部とを、20質量%水溶液に調製した鎖伸 剤液を37.3質量部用いた以外は、実施例9と同 様の条件および操作にて、水性ポリウレタン 樹脂(P)の水分散液を得た。得られた水性ポリ ウレタン樹脂(P)の合成条件の詳細および性状 を表3に示す。

  物性評価
 各実施例および各比較例で得られた水性ポ ウレタン樹脂(以下、各水性ポリウレタン樹 脂と略する。)のSi原子の濃度、機械的安定性 、耐オレイン酸性、破断伸び、軟化温度、風 合および触感を、以下の方法で測定した。そ の結果を表2に示す。
<試験サンプルの作製>
 実施例1~8、および、比較例1~4
 各水性ポリウレタン樹脂を、アセトンで脱 したOHPフィルム上にアプリケーターを用い 塗布し、110℃で1時間乾燥することで、厚さ 約60μmのフィルムを得た。その後、当該フィ ムを、23℃、相対湿度55%の実験室で1週間養 した。これにより、試験サンプルを作製し 。

 実施例9~11、比較例5
 各水性ポリウレタン樹脂を、プラスチック レイに入れ、90℃以上の飽和水蒸気を約1分 当てることで凝固させた。一昼夜、23℃、 対湿度55%の実験室内にて静置した後、110℃ 2時間乾燥することで、厚さ約250μmのフィル を得た。その後、当該フィルムを、23℃、 対湿度55%の実験室で1週間養生した。これに り、試験サンプルを作製した。
<Si原子の濃度(単位:質量%)>
 硝酸および硫酸を用いた湿式灰化法(例えば 、「分析化学便覧」、編者 社団法人 日本 析化学会、発行所 丸善株式会社、平成3年11 月30日発行、ページ1292参照)により、各水性 リウレタンの試験サンプルの有機成分を完 に分解した後、加熱し、乾固物を得た。

 次いで、この乾固物に粉体形状の炭酸ナト ウムを加えて、さらに加熱し、乾固物を炭 ナトリウムの溶融塩に溶解させた。
 そして、これを放置冷却し、固化させた後 弱酸性になるまで希塩酸をゆっくり加える とにより、分析用試料を作製した(例えば、 「分析化学便覧」、編者 社団法人 日本分 化学会、発行所 丸善株式会社、平成3年11月 30日発行、ページ265~266参照)。

 この分析用試料を用いて、ICP発光分析装置( ICP-AES、セイコーインスツル(株)製、モデル:VI STA-PRO)にて、各水性ポリウレタン樹脂中のSi 子の濃度を測定した。
 なお、表2中の「n.d.」の記載は、Si原子が含 有されていないため、測定値がないことを意 味している。
<機械安定性:マロン試験(単位:μg/g)>
 イオン交換水で希釈した固形分5質量%の各 性ポリウレタン樹脂の水分散液の試験液を 予め#300メッシュの金網に通した後、金網に 存した樹脂100gを、機械安定性試験の専用カ ップに計量した。

 次いで、マロン式機械安定性試験機(理学工 業株式会社製)を用いて、荷重147N(15kgf)、回転 数1000rpmの条件で、20分間、せん断を印加した (マロン試験)。
 次いで、試験後の樹脂を#300メッシュの金網 にてろ過し、その金網を110℃で1時間乾燥し 。

 マロン試験前後の金網の質量を測定し、金 に残存した樹脂の質量を測定した。測定し 質量をもとに、各水性ポリウレタン樹脂の 形分あたりの金網への残存樹脂量に換算し 。
<耐オレイン酸性(単位:%)>
 各水性ポリウレタン樹脂の試験サンプルを1 ×10cmのサイズに切り出し、この試験サンプル の質量を測定した。次いで、23℃にてオレイ 酸に7日間浸漬した。浸漬後、試験サンプル の質量測定前に、試験サンプルの表面に付着 したオレイン酸を素早く拭き取った。そして 、浸漬後の試験サンプルの質量を測定した。 オレイン酸への浸漬前後の試験サンプルの質 量から、次式にて、耐オレイン酸性(%)を計算 した。
耐オレイン酸性(%)=(浸漬後の試験サンプルの 量(g)-浸漬前の試験サンプルの質量(g))/浸漬 の試験サンプルの質量×100
<軟化温度(単位:℃)>
 各水性ポリウレタン樹脂の試験サンプルを 幅5mm、長さ50mmのサイズにダンベルで打ち抜 いた。次いで、この試験サンプルに対して、 動的粘弾性測定装置(アイティ計測制御社製 モデル:DVA-200)を用いて、引張モード、標線 長25mm、昇温速度5℃/min、測定周波数10Hzの条 で、試験サンプルの動的粘弾性を測定した ゴムもしくは皮革状平坦領域の貯蔵弾性率 変曲する領域にて、貯蔵弾性率のそれぞれ 接線の交点を求め、この温度を軟化温度と 義した。
<破断伸び(EL)(単位:%)>
 各水性ポリウレタン樹脂の試験サンプルを 幅1cm、長さ10cmのサイズにダンベルで打ち抜 いた。次いで、この試験サンプルに対して、 引張圧縮試験機(インテスコ社製、Model205N)を いて、23℃、引張速度300mm/min、チャック間 離50mmの条件で引張試験した。これにより、 水性ポリウレタン樹脂の破断伸び(EL)を測定 した。
<風合>
 各水性ポリウレタン樹脂の試験サンプルの ック(べとつき感)および触感を、それぞれ 下の評価基準にて触診により評価した。こ らの結果をもとに、さらに以下の評価基準 て風合を評価した。
(風合)
○:タック、触感ともに○である。
△:タックが○、触感が△である。
×:タック、触感のいずれかが×である。
(タックの評価基準)
○:タックが認められない。
△:タックが僅かに認められる。
×:タックが認められる。
(触感の評価基準)
○:柔軟な触感である。
△:折れ曲げた際、筋がわずかに残る。
×:折れ曲げた際、すじが明確に残る。

 なお、上記説明は、本発明の例示の実施 態として提供したが、これは単なる例示に ぎず、限定的に解釈してはならない。当該 術分野の当業者によって明らかな本発明の 形例は、後記の特許請求の範囲に含まれる のである。

 本発明の水性ポリウレタン樹脂は、塗膜 、人工および合成皮革を提供するために好 に用いられる。