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Title:
PROPELLER AIRCRAFT, PROPELLER APPARATUS, AND POSTURE CONTROLLER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/096010
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a system which utilizes interaction between an airflow and a stabilizer disposed in the airflow and along the flowing direction of the airflow to secure the stability of an apparatus or an air frame integrated with the stabilizer or the stabilizer itself by the effect of the interaction. The interaction is that applying the airflow to the stabilizer at some angle changes the direction of the airflow, and the reaction of this applies force according to the reaction to the stabilizer. The stabilizer or the apparatus or the air frame integrated with the stabilizer receive the action of the force to secure stability by the effect of the action.

Inventors:
KAWAGUCHI, Hiroshi (753-10, Konda 7-chome Habikino-sh, Osaka 57, 5830857, JP)
Application Number:
JP2008/051415
Publication Date:
August 06, 2009
Filing Date:
January 30, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KAWAGUCHI, Yasuko (753-10, Konda 7-chome Habikino-sh, Osaka 57, 5830857, JP)
川口 泰子 (〒57 大阪府羽曳野市誉田7丁目753番10号 Osaka, 5830857, JP)
KAWAGUCHI, Syuichi (753-10, Konda 7-chome Habikino-sh, Osaka 57, 5830857, JP)
川口 修一 (〒57 大阪府羽曳野市誉田7丁目753番10号 Osaka, 5830857, JP)
KAWAGUCHI, Megumi (753-10, Konda 7-chome Habikino-sh, Osaka 57, 5830857, JP)
International Classes:
B64C29/00
Foreign References:
JPH06293296A
JPH11217099A
US5746390A
Attorney, Agent or Firm:
YOSHITAKE, Hidetoshi et al. (10th floor, Sumitomo-seimei OBPPlaza Bldg., 4-70, Shiromi 1-chome,Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 01, 5400001, JP)
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Claims:
 放射状に組まれた複数の垂直主翼を備え、
 プロペラの直径をr 0 としたときに、前記プロペラが周囲の空気から受けるモーメントの2πr 0 倍のモーメントが、プロペラ後流により前記複数の垂直主翼に掛かるように、前記垂直主翼の形状が形成されることを特徴とするプロペラ機。
 前記機体は、放射状に組まれた複数の垂直主翼を備え、
 前記各垂直主翼は、プロペラ後流の拡がりと同じ広さに形成され、
 前記各垂直主翼の高さδlは、前記プロペラの直径をr 0 とし、前記垂直主翼の直径単位の枚数をmとすると、δl=2πr 0  /mを満たすように設定されることを特徴とする請求項1に記載のプロペラ機。
 放射状に組まれた複数枚の垂直仕切板を有する機体と、
 前記複数枚の垂直仕切板の上側に配置されたプロペラと、
を備え、
 前記プロペラの直径をr 0 としたときに、前記プロペラが周囲の空気から受けるモーメントの2πr 0 倍のモーメントが、プロペラ後流により前記複数の垂直仕切板に掛かるように、前記垂直仕切板の形状が形成されることを特徴とするプロペラ装置。
 前記各垂直仕切板は、プロペラ後流の拡がりと同じ広さに形成され、
 前記各垂直主翼の高さδlは、前記プロペラの直径をr 0 とし、前記垂直仕切板の直径単位の枚数をmとすると、δl=2πr 0  /mを満たすように設定されることを特徴とする請求項3に記載のプロペラ装置。
 前記機体は、前記複数枚の垂直仕切板の周囲に被された筒状体を更に有することを特徴とする請求項3または4に記載のプロペラ装置。
 前記機体は、n(n:2以上の整数)層に分割構成され、それら各層はそれぞれ、放射状に組まれた複数枚の垂直仕切板を備え、
 i番目の前記層の高さおよび垂直仕切板の直径単位の枚数をそれぞれδl i およびm i とすると、前記各層の高さδl 1 ,δl 2 ,,…,δl n および垂直仕切板の直径単位の枚数m 1 ,m 2 ,,…,m n は、δl 1 m 1 +δl 2 m 2 +…+δl n m n ≒2πr 0 を満たすように設定されることを特徴とする請求項3に記載のプロペラ装置。
 前記各層はそれぞれ、前記複数枚の垂直仕切板の周囲に被された筒状体を更に備えることを特徴とする請求項6に記載のプロペラ装置。
 放射状安定翼または筒状安定翼を備えることを特徴とする姿勢制御装置。
 筒状安定翼と、
 前記筒状安定翼の中心軸線上に沿って同軸線状に配設された1つ以上の放射状安定翼と、
を備えることを特徴とする姿勢制御装置。
 前記筒状安定翼と、その内部に同軸線状に1つ以上の筒内筒状安定翼とを更に備えることを特徴とする請求項8または9に記載の姿勢制御装置。
 前記筒状安定翼または/および前記放射状安定翼の中心軸線上に配設され、前記中心軸線方向に風流を発生させる風流発生装置を更に備えることを特徴とする請求項8~10の何れかに記載の姿勢制御装置。
 前記放射状安定翼または/および前記筒状安定翼は、当該姿勢制御装置の重心と各安定翼の風圧中心点の総合風圧中心点との距離n GC および重心と外部風圧中心点Wとの距離n GW との関係が式19-(5)で表される様に配置されることを特徴とする請求項8~11の何れかに記載の姿勢制御装置。
 前記筒状安定翼の上端から下に前記筒状安定翼の長さの1/8以上の距離の位置に、前記筒状安定翼の中心軸線方向に風流を発生させる風流発生装置を配置したことを特徴とする請求項11または12に記載の姿勢制御装置。
 前記風流発生装置は、風流を発生させるプロペラと、プロペラ用駆動部とを備えることを特徴とする請求項11または13に記載の姿勢制御装置。
 前記筒状安定翼の下に補助安定翼を配置させたことを特徴とする請求項11~13の何れかに記載の姿勢制御装置。
 前記放射状安定翼が中心軸線対称に形成された場合において、
 前記プロペラの実効角度をβ T とし、i番目の前記放射状安定翼の安定翼の直径単位の枚数をm i とし、i番目の前記放射状安定翼の中心軸線方向の長さを前記プロペラの直径で割った値をn i とすると、式14-(1)が成立することを特徴とする請求項11~15の何れかに記載の姿勢制御装置。
 請求項11~16の何れかの姿勢制御装置のうちの同じものを2つ組み合わせた姿勢制御装置であって、
 それぞれその吸気側開口端を上側に向けると共にその排気側開口端を下側に向け、且つ互いの吸気側開口端を互いの対向方向に傾斜(傾斜角度0°も含む)させる様にして、互いに間隔空けて配置された前記2つの姿勢制御装置と、
 前記2つの姿勢制御装置を相互連結する連結部材と、
を備えることを特徴とする姿勢制御装置。
Description:
プロペラ機、プロペラ装置およ 姿勢制御装置

 本発明は、安定した垂直離着陸およびホ リングが可能なプロペラ機およびその技術 応用に関する。

 現在において垂直離着陸および空中で静 できる機体としては、ヘリコプターおよび れに類似した飛行機(例えばティルトロータ ー式の米軍機V-22)等が存在し、それ以外では 噴射口の方向を変えることのできる可変ノ ルを使用した米軍機F-35B等が存在する。こ らは全て垂直離着陸時および空中静止時(ホ リング時)には、相当高度な操縦技術が要求 され、その上、高度なセンサおよび高速コン ピュータによる制御が不可欠になっている。 このため、機体重量が増大し、製造コストも 非常に大きくなり、一般機への応用は殆どで きない状況である。

 今、この状況の中で、上記の様な問題を 決する方法が発見されれば、航空分野にお て飛躍的な発展が期待できる。

 尚、本発明の背景技術に関連する先行技 文献として特許文献1~8が既に公開されてい 。

実開平4-5199号公報

特開平6-293296号公報

特開2006-327219号公報

特開2007-118891号公報

特表2005-533700号公報

特表2007-521174号公報

特開平5-39092号公報

特開平7-232699号公報

 これまでに開発された上述の実用機等は 自ら発した風流により不安定さが増大する いう問題点があった。その上、回転翼(プロ ペラ)の回転振動による機体の揺れおよび横 による機体のふらつき等の他の不安定要素 加わり、垂直離着陸時およびホバリング時 機体の安定性の確保は、大変大きな問題と て今も残っている。

 また回転翼を使用する垂直離着陸機等は 転翼の回転による反トルク相殺の方法とし 、二重反転翼システム、テールローターシ テムおよびツインローターシステムを使用 てローターの反トルクを相殺しているが、 れらのシステムは構造が複雑になり、且つ 縦も大変難しいという問題点がある。

 空を飛んでいる物体が自らの姿勢を制御 る問題は、周りに自らを支える物が全く無 故に非常に難しい課題として、人類が空を び始めた時から人類の前に立ちはだかって た。

 同様に従来から大規模な空調設備あるい 空洞設備等に使用するプロペラ装置では、 台への設置に際してプロペラ回転の反作用 よる反トルクに対して静的安定性を確保す ための手段を確保するのに多きな負担が掛 るという課題があった。

 そこで、この発明の課題は、第1に、安定 した垂直離着陸あるいはホバリングが可能な プロペラ機を提供すること、第2に、静的安 性を確保するための負担を低減できるプロ ラ装置を提供すること、第3に、それらを応 して安定性に優れた姿勢制御装置を提供す ことにある。

 本発明の第1の態様のプロペラ機は、前記機 体は、放射状に組まれた複数の垂直主翼を備 え、前記プロペラの直径をr 0 としたときに、前記プロペラが周囲の空気か ら受けるモーメントの2πr 0 倍のモーメントが、プロペラ後流により前記 複数の垂直主翼に掛かるように、前記垂直主 翼の形状が形成されるものである。

 この態様によれば、プロペラが周囲の空 から受ける総モーメントと機体に掛かるプ ペラ後流による総モーメントとを等しくで 、これにより機体におけるプロペラ回転の 作用による反回転を止める事ができる。

 本発明の第2の態様のプロペラ機は、前記機 体は、放射状に組まれた複数の垂直主翼を備 え、前記各垂直主翼は、プロペラ後流の拡が りと同じ広さに形成され、前記各垂直主翼の 高さδl(δl=n B r 0 とする)は、前記プロペラの直径をr 0 とし、前記垂直主翼の直径単位の枚数をmと ると、δl=2πr 0  /mを満たすように設定されるものである。

 この態様によれば、垂直主翼の高さδlをδl= 2πr 0  /mを満たすように設定するだけで簡単に、 体におけるプロペラ回転の反作用による反 転を止める事ができる。

 本発明の第3の態様のプロペラ装置は、放射 状に組まれた複数枚の垂直仕切板を有する機 体と、前記複数枚の垂直仕切板の上側に配置 されたプロペラと、を備え、前記プロペラの 直径をr 0 としたときに、前記プロペラが周囲の空気か ら受けるモーメントの2πr 0 倍のモーメントが、プロペラ後流により前記 複数の垂直仕切板に掛かるように、前記垂直 仕切板の形状が形成されるものである。

 この態様によれば、プロペラが周囲の空気 ら受けるモーメントの2πr 0 倍のモーメントが、プロペラ後流により複数 の垂直仕切板に掛かるように、垂直仕切板の 形状が形成されるので、プロペラが周囲の空 気から受ける総モーメントと機体に掛かるプ ロペラ後流による総モーメントとを等しくで き、これにより機体におけるプロペラ回転の 反作用による反トルクを打ち消す事ができる 。よって、静的安定性を確保するための負担 を低減できる。

 本発明の第4の態様のプロペラ装置は、前記 各垂直仕切板は、プロペラ後流の拡がりと同 じ広さに形成され、前記各垂直主翼の高さδl は、前記プロペラの直径をr 0 とし、前記垂直仕切板の直径単位の枚数をm すると、δl=2πr 0  /mを満たすように設定されるものである。

 この態様によれば、垂直仕切板の高さδlを l=2πr 0  /mを満たすように設定するだけで簡単に、 体におけるプロペラ回転の反作用による反 ルクを打ち消す事ができる。

 本発明の第5の態様のプロペラ装置は、前 記機体は、前記複数枚の垂直仕切板の周囲に 被された筒状体を更に有するものである。

 この態様によれば、プロペラ後流をプロ ラの後方に集中させて噴出させることがで る。

 本発明の第6の態様のプロペラ装置は、前記 機体は、n(n:2以上の整数)層に分割構成され、 それら各層はそれぞれ、放射状に組まれた複 数枚の垂直仕切板を備え、i番目の前記層の さおよび垂直仕切板の直径単位の枚数をそ ぞれδl i およびm i とすると、前記各層の高さδl 1 ,δl 2 ,…,δl n および垂直仕切板の枚数m 1 ,m 2 ,,…,m n は、δl 1 m 1 +δl 2 m 2 +…+δl n m n ≒2πr 0 を満たすように設定されるものである。

 この態様によれば、機体が複数層に分割構 されるので、層を追加するだけで、簡単に 体の高さを調整できる。その際、各層の高 δl 1 ,δl 2 ,,…,δl n および垂直仕切板の直径単位の枚数m 1 ,m 2 ,,…,m n が、δl 1 m 1 +δl 2 m 2 +…+δl n m n ≒2πr 0 を満たすように設定されるので、機体におけ るプロペラ回転の反作用による反トルクを打 ち消す事ができる。

 本発明の第7の態様のプロペラ装置は、前 記各層はそれぞれ、前記複数枚の垂直仕切板 の周囲に被された筒状体を更に備えるもので ある。

 この態様によれば、プロペラ風をプロペ 後方に有効に射出させる事ができる。

 本発明の第8の態様の姿勢制御装置は、放 射状安定翼または筒状安定翼を備えるもので ある。

 この態様によれば、放射状安定翼または 状安定翼にその中心軸方向から高速度で風 進入する状況で、放射状安定翼または筒状 定翼がその径方向に揺れると、その中心軸 向からの風流が放射状安定翼または筒状安 翼の径方向の揺れに対する抵抗となり、当 姿勢制御装置(従ってこの姿勢制御装置を搭 載した飛行機)の安定性を飛躍的に向上でき 。

 本発明の第9の態様の姿勢制御装置は、筒 状安定翼と、前記筒状安定翼の中心軸線上に 沿って同軸線状に配設された1つ以上の放射 安定翼と、を備えるものである。

 この態様によれば、筒状安定翼により、 射状安定翼への風流が筒状安定翼の外側に がる事を防止できると共にその風流を一様 できるので、風流の中において当該姿勢制 装置の安定性を向上できる。従って、この 勢制御装置が配設された飛行機の飛行時の 定性を向上できる。

 本発明の第10の態様の姿勢制御装置は、 記筒状安定翼と、その内部に同軸線状に1つ 上の筒内筒状安定翼を更に備えるものであ 。

 この態様によれば、更に風流の中におい 当該姿勢制御装置の安定性を向上できる。

 本発明の第11の態様の姿勢制御装置は、 記筒状安定翼または/および前記放射状安定 の中心軸線上に配設され、前記中心軸線方 に風流を発生させる風流発生装置を更に備 るものである。

 この態様によれば、風流発生装置を備え ので当該姿勢制御装置を推進装置として利 でき、安定した飛行を行う事ができる。

 本発明の第12の態様の姿勢制御装置は、放 状安定翼または/および筒状安定翼は、当該 勢制御装置の重心と各安定翼の風圧中心点 総合風圧中心点との距離n GC および重心と外部風圧中心点Wとの距離n GW との関係が式19-(5)で表される様に配置される ものである。

 この態様によれば、当該姿勢制御装置を 定してホバリングさせる事ができる。

 本発明の第13の態様の姿勢制御装置は、 記筒状安定翼の上端から下に前記筒状安定 の長さの1/8以上の距離の位置に、前記筒状 定翼の中心軸線方向に風流を発生させる風 発生装置を配置したものである。

 この態様によれば、当該姿勢制御装置が 定してホバリングする重心位置を変化させ こと無く、放射状安定翼の位置を任意に選 でき、当該姿勢制御装置の設計の自由度を 上できる。

 本発明の第14の態様の姿勢制御装置は、 記風流発生装置が、風流を発生させるプロ ラと、プロペラ用駆動部とを備えるもので る。

 この形態によれば、プロペラを用いた比 的簡単な原理で風流を発生させる事ができ 。

 本発明の第15の態様の姿勢制御装置は、 記筒状安定翼の下に補助安定翼を配置させ ものである。

 この形態によれば、当該姿勢制御装置全 の総合風圧中心点が下に下がるため、当該 勢制御装置を安定してホバリングさせるた の重心位置も下に下がることになり、重心 よる復元効果が増大し、より一層に安定で る。

 本発明の第16の態様の姿勢制御装置は、前 放射状安定翼が中心軸線対称に形成された 合において、前記プロペラの実効角度をβ T とし、i番目の前記放射状安定翼の安定翼の 径単位の枚数をm i とし、i番目の前記放射状安定翼の中心軸線 向の長さを前記プロペラの直径で割った値 n i とすると、式14-(1)が成立するものである。

 この態様によれば、プロペラ回転による トルクを相殺でき、当該姿勢制御装置がプ ペラ回転により反回転する事を防止できる

 本発明の第17の態様の姿勢制御装置は、 11~第16の何れかの姿勢制御装置のうちの同じ ものを2つ組み合わせた姿勢制御装置であっ 、それぞれその吸気側開口端を上側に向け と共にその排気側開口端を下側に向け、且 互いの吸気側開口端を互いの対向方向に傾 (傾斜角度0°も含む)させる様にして、互いに 間隔空けて配置された前記2つの姿勢制御装 と、前記2つの姿勢制御装置を相互連結する 結部材と、を備えるものである。

 この態様によれば、横揺れに対して更に 定性の増した姿勢制御装置を提供できる。

実施の形態1に係るプロペラ機40を説明 るための図である。 図1および図3のVI-VI断面図である。 プロペラ後流による風圧中心点の求め を説明する図である。 プロペラの一例図である。 実施の形態2に係るプロペラ装置50Bの一 例図である。 三角翼の機体の側面図および平面図で る。 6枚の放射状安定翼の平面視図である。 プロペラ回転軸の傾きをαおよびプロ ラ回転軸の先端のブレの角度をβとしたとき の機体の側面視概略図である。 mgの力を持つ風力が安定翼61に作用する 状態を示した図である。 プロペラ後流pkが安定翼61に作用する 態を示した図である。 筒状安定翼および放射状安定翼を備え た機体の一例の斜視図および側面図である。 筒状安定翼および放射状安定翼を備え た機体の他の一例の斜視図である。 筒状安定翼および放射状安定翼を備え た機体の更に他の一例の斜視図および平面図 である。 図13の機体を2つ組み合わせた機体の一 例図である。 プロペラ回転軸の振れによる影響を相 殺し且つ安定するための条件を説明する図で ある。 機体80の下方に補助安定翼83bを取り付 た場合の機体80aの斜視図である。

 <実施の形態1>
 この実施の形態では、図1または図3の様な ロペラ機40Aまたは40Bのホバリングを安定さ るための条件(機体が左右に揺れず、且つ機 がプロペラ回転の反作用により反回転しな 条件)を検討する。

 この実施の形態のプロペラ機40Aは、図1の 様に、2枚の垂直主翼(以後、主翼と呼ぶ)41aが 放射状且つ互いに平行に組まれてなる機体41 、機体41の上端に配置されたプロペラ43とを 備えて主構成されている。各主翼41aは互いに 同形同大の半台形状の板状に形成されており 、機体41全体としては台形状の板状(即ちデル タ翼)に形成されている。各主翼41aの外側辺 傾斜角度αは、ホバリング時のプロペラ43か の風(以後、プロペラ後流と呼ぶ)の拡がり 合わせた角度になっている。

 尚、図1中の点Pは、機体41の台形を仮想的 に補完してなる三角形の頂点であり、この点 Pからプロペラ後流となる全ての風が発生し いると仮定している。

 また図1中の符号Lは、点Pとプロペラ43との の長さであり、符号Rは、点Pと機体41の下辺 の間の長さであり、符号lは、プロペラ43と 体41の下辺との間の長さであり、符号δlは 機体41の長さ(より詳細には、機体41のプロペ ラ下側部分(主翼部分)の長さ)であり、符号r 0 は、プロペラ直径であり、符号r l は、プロペラ43から下に距離l離れた点での機 体41の横幅(より詳細には、隣り合う2枚の主 間での主翼表面に沿っての横幅)であり、符 ρ 0  およびρ l はそれぞれ、プロペラ43直下の風量密度およ プロペラ43から下に距離l離れた点での風量 度である。

 またここでは、機体41のプロペラ下側部 (主翼部分)の高さδlは、プロペラ後流の最終 到達距離に比べて充分に短いと想定している ので、機体41の表面を流れるプロペラ後流の 速は、ほぼ一定とみなすことができる。

 上記の設定の下で、プロペラ回転によっ プロペラ43が受ける反トルクを相殺する条 を求める。

 点Pから下に距離R離れた点でのプロペラ後 による風量密度ρは、R 2  に反比例するので、式(1)となる。

 図1の点Pから全風量が下に向かって角度αで 広がっている状態で、点Pから下に距離L離れ 点の水平線上の風量密度(即ちプロペラ43直 の風量密度)をρ 0 とすると、風量密度ρ 0 は式(2)となる。

 Ltanα=r 0 /2だから、tanα=ωとおくと、L=r 0 /2ωとなるので、式(2)は式(3)となる。

 そして式(3)を式(1)に代入すると、風量密 ρは式(4)となる。

 ここで、図1からR=L+lの関係が成立している で、l=nr 0 (以後、このnを距離変数と呼ぶ)とおくと、R=( 1/(2ω)+n)r 0 となる。このRの式を式(4)に代入すると、プ ペラ43から下に距離l離れた点での風量密度ρ l は、式(5)となる。

 そしてr l =2ωRなので、式(6)となる。

 よって式(7)を得る。

 そして式(5)に式(7)を代入すると、式(8)を る。

 そしてプロペラ43直下の全風量を[ρ 0 ]とすると、[ρ 0 ]は式(9)となる。

 プロペラ43から距離l離れた点を含む水平線 の全風量を[ρ l ]とすると、[ρ l ]=ρ l r l となり、この[ρ l ]の式、式(8)および式(9)から式(10)を得る。

 この実施の形態のプロペラ機40Bでは、例 ば図1の台形状の機体41がプロペラ回転の反 用により反回転しないためには(即ち機体41 プロペラ下側部分の形状を台形に保ったま で機体41の反回転を止めるには)、どのよう 条件が必要かを図2および図3に基づいて検 する。

 尚、この実施の形態では、計算便宜上、 体41は、図3の様に、プロペラ43の上側に三 形状の安定翼41cを有し、主翼41aと安定翼41c を合わせた形状が三角形となるように形成 れている。

 図2では、プロペラ43に当たる空気によりプ ペラ43が受ける力a(a:ベクトル)に対し、力b(b :ベクトル)が空気に与えられ、力aの水平成分 asinθの大きさの力Fが、機体41のプロペラ回転 軸回りの回転モーメントに関わってくる。図 2で力の大きさはすべて、その力の総量を表 すとする。力bを受けた空気は風となり最終 に機体41の主翼41a(プロペラ下側部分)に当た り、その当たる角度θはプロペラ43が受ける aの角度θとほぼ等しいとみなすことができ 。よって、摩擦などの損失を無視すれば、 ロペラ43が機体41に平行になったときのプロ ラ後流による機体41を回転させる力F’(総量 )は、プロペラ43が受ける水平成分の力F(総量) と一致し、その力F’は風の広がりを考えた 量密度の式(8)で与えられるρ l (=ρ 0 (r 0 /r l ) 2 )に比例すると考えられる。

 言い換えれば、プロペラ43が受ける単位面 当たりの力f 0 およびプロペラ43から下に任意の距離l離れた 点での機体41が受ける単位面積当たりの力f l はそれぞれ、kを定数として、f 0 =kρ 0 、f l =kρ l  と表される。

 そして、プロペラ43が受けるプロペラ回転 周りのモーメントM 0 は、式(15)となる。

 ここで、図3の機体41を考えたときのプロペ 43から下に任意の距離l(=nr 0 )離れた点での機体41上の水平線上のプロペラ 回転軸周りのモーメントM l を考えると、式(16)になる。

 式(15)および式(16)より式(16a)が成立するこ とが分かる。

  M 0 =M l  ・・・(16a)
 即ち式(16a)より、主翼41a上の任意の距離lで 水平線上のモーメントは、プロペラ43の瞬 モーメントと一致することが分かる。

 今、機体41がホバリング状態で安定してい と仮定すると、機体41に掛かる総モーメント [M l ]は、機体41のプロペラ下側部分(主翼部分)の さをδl(=δn B ・r 0 と置く)とすると、式(17)となる。

 ここで、プロペラ43の総モーメント[M 0 ]を考える。プロペラ43からの風は、現実には 、プロペラ43が機体41にほぼ平行になった時 の風が断続的に機体41の下に降りていくこと になる。プロペラ43が主翼41aと平行でない間 は、プロペラ43の各瞬間のモーメントM 0 は、主翼41aには伝わっていかないことになる 。しかし、プロペラ43の回転数は極めて高い め、一回転して次の平行時までの時間が非 に短く、一回転分のモーメントをすべて加 たモーメントを総モーメントと考えても良 と思われる。そうすると、プロペラ43の総 ーメント[M 0 ]は、式(18)になると考えられる。

 そして、機体41におけるプロペラ回転の反 用による反回転が止まる状態では、2つの総 ーメント[M 0 ],[M l ]は釣り合いがとれている状態なので、式(19) 成り立つ。

 よって式(17)および式(18)よりδn B r 0 M l =2πr 0 M 0 となり、M l =M 0 なので、式(20)を得る。

 式(20)から、機体41のプロペラ下側部分(主翼 部分)の高さδlは、プロペラ43の直径r 0 の2π倍であれば、機体41の反回転を止めるこ ができることになる。但しこの計算は、主 41aが直径単位で1枚(尚ここでは、主翼41の枚 数の数え方は直径単位で数える(即ち直径分 1枚と数える))の場合である。主翼41aと直交 る様に更に同じく直径単位で1枚の同形同大 主翼がある場合は、式(19)は、式(21)となる

 尚、式(20)は、主翼41aがm枚ある場合は、 (45)となる。

 次に、図2および図3に基づいて、上記の 体41におけるプロペラ後流に対する風圧中心 点を計算する。

 図3の点Cをプロペラ後流に対する風圧中 点とし、水平線a,b,cをそれぞれ機体41のプロ ラ下側部分の上辺,下辺,点Cを通る水平線と ると、水平線a,c間のプロペラ後流による点C を含む水平線回りのモーメントMacと水平線c,b 間のプロペラ後流による点Cを含む水平線回 のモーメントMcbとは等しいことになる(即ち Mac=Mcb)。

 式(7)を参照して、各水平線a,b,cに対応するn( 距離変数),Tの値をそれぞれn a ,T a ,n b ,T b ,n c ,T c とすると、T a =2n a ω+1,T b =2n b ω+1,T c =2n c ω+1の関係が成り立つ。

 そしてモーメントMacは、式(61)で表される 。

 同様にモーメントMcbは、式(62)で表される 。

そしてMac=Mcbから、式(64)が成立する。

 そして、水平線a,bに対応するTの実測値T a ,T b を式(64)に代入して、プロペラ後流に対する 圧中心点Cに対応するTの値T c を計算し、その値T c から、T c =2n c ω+1の関係に基づいて、T c に対応する距離変数nの値n c を計算し、その値n c から、風圧中心点Cにおけるプロペラ43からの 距離l c (=n c r 0 )を計算すれば、風圧中心点Cが求まる。

 尚、式(18)の最右辺の「2」という数字は、 ロペラ43が2枚羽根になっている理由から2倍 しているのであるが、これは、前提として ロペラ43は2枚羽根を基本とし、このプロペ 43が機体41に平行になるときは、2枚の羽根 同時に機体41に平行になることを想定して、 機体41全体の風量およびモーメントを計算し いるので、プロペラ43の全モーメント[M 0 ]は、2枚の羽根の合計モーメントとしなけれ ならないからである。ここで、羽根の枚数 増えてプロペラ43全体のモーメント[M 0 ]が増えても、式(45)は変わらない。それは、 ロペラ43の枚数が増えた分、機体41上の風量 密度が大きくなるからである。従って、図4 A,Bのように、3枚羽根または4枚羽根のプロペ ラ43の場合でも、式(45)は共通して使える。

 以上の結果に基づいた機体41を造り、重 を上記式(64)で計算される風圧中心点Cと外部 風圧による中心点(以後、外部風圧中心点と ぶ)との間の平衡点に配置して垂直離着陸及 ホバリングを行うと、理論通り、反回転も 右の揺れも全く起こらないことが実証され 。尚、図3の上部安定翼41Cは、外部風圧中心 点の位置を調整するために設けられている。

 以上の様に構成されたプロペラ機40Bによれ 、プロペラ43が周囲の空気から受けるモー ントM 0 の2πr 0 倍のモーメント[M 0 ]が、プロペラ後流により複数の主翼(垂直主 )41aに掛かるように、垂直主翼41aの形状が形 成されるので、プロペラが周囲の空気から受 ける総モーメント[M 0 ]と機体41に掛かるプロペラ後流による総モー メント[M l ]とを等しくでき、これにより機体41における プロペラ回転の反作用による反回転を止める 事ができる。

 また、各垂直主翼41aは、プロペラ後流の拡 りと同じ広さに形成され、各垂直主翼41aの さδlは、δl=2πr 0  /m(式(45)参照)を満たすように設定されるの 、垂直主翼41aの高さδlを、δl=2πr 0  /mを満たすように設定するだけで簡単に、 体41におけるプロペラ回転の反作用による反 回転を止める事ができる。

 尚、この実施の形態では、主翼41aの形状( 主翼41aの傾斜角度α)は、プロペラ後流の拡が りと同じ広さに形成される場合で説明したが 、プロペラ後流の拡がりよりも広く形成され ても構わない。その場合は、幅ω(=tanα)を大 くした分だけ、主翼41aの長さδlを少し短く 調整しなければならない。なぜならば、想 していたプロペラ後流の拡がりの外側にも ある程度のプロペラ後流の流れが存在する めである。

 尚、上記の実施の形態1では、操舵翼、制 御部、駆動部および電源等については、特に 記載されてないが、当然にして機体に備えら れるものとする。

 <実施の形態2>
 この実施の形態のプロペラ装置50Bは、図5の 様に、プロペラ装置50Bの機体41Bを複数層(n層: nは2以上の整数。図5ではn=3の場合で図示)H1,H2 ,…,Hnに分離構成したものである。

 i(i=1,2,…,n)番目の層H i は、放射状に組まれた複数枚m i の例えば矩形状の仕切板(垂直仕切板)41a i と、それら仕切板41a i の周囲に被され、それら仕切板41a i と同じ高さを有する例えば円筒状の筒状体47 i とを備えて構成されている。尚、筒状体47 i は、例えば仕切板41a i の側端面に固定されている。尚、各層H i (i=1,2,…,n)の仕切板41a i の直径単位の枚数m i は、同じ枚数でも、異なる枚数でも構わない 。尚、各層H i は、例えば各筒状体47 i の周面を介して連結部材(不図示)によって、 下に隣接するもの同士、連結固定されてい 。

 各層H i の直径r i は、各層H i がプロペラ回転軸43aに同心状に上下一列に配 置されたときに、各層H i の下面47a i がプロペラ後流の拡がりの境界線Qに一致す 様に形成されている。各層H i は、互いに間隔を空けて配置しても、互いに 間隔を空けずに配置しても、どちらでも構わ ない。尚、各層H i の下面47a i がプロペラ後流の拡がりの境界線Qから外側 はみ出す場合は、各層H i の高さδl i を少し小さくする微調整が必要である。

 そして、各層H i におけるその高さδl i とその仕切板41a i の直径単位の枚数m i との積算値を、各層H i に渡って足し合わせたものが、ほぼ2πr 0 となるように(即ち式(60)を満たすように)、各 層H i の高さδl i および仕切板41a i の直径単位の枚数m i を設定すれば、上記の実施の形態1の場合と 様に、機体41におけるプロペラ回転の反作用 による反トルクを無くす事ができる。尚、r 0 は、プロペラ43の直径である。

 例えば図5では、n=3、m 1 =4、m 2 =3、m 3 =6の場合なので、この場合は、式(60)は、4δl 1 +3δl 2 +6δl 3 ≒2πr 0 となり、この関係を満たすように各層H 1 ,H 2 ,H 3 の高さδl 1 ,δl 2 ,δl 3 を設定すればよい。

 以上の様に構成されたプロペラ装置50Bによ ば、機体41Bが複数層に分割構成されるので 層を追加するだけで、簡単に機体41Bの高さ( 仕切板部分の高さ)を調整できる。その際、 層の高さδl 1 ,δl 2 ,…,δl n および垂直仕切板の直径単位の枚数m 1 ,m 2 ,,…,m n が式(60)を満たすように設定されるので、上 の実施の形態1の場合と同様に、機体41Bにお るプロペラ回転の反作用による反トルクを ち消す事ができる。

 また各層H i はそれぞれ、複数枚の垂直仕切板41a i の周囲に被された筒状体47 i を備えるので、プロペラ風をプロペラ後方に 有効に射出させる事ができる。

 <実施の形態3>
 この実施の形態では、下記のS1~S9,S12~S15,S17,S 19~S20の順に沿って、実施の形態1~2の応用例で ある姿勢制御装置について述べる。

 S1.(三角翼の機体のプロペラ後流による風圧 中心点Cに掛かる力F C )
 図6の様な三角翼の機体63を考える。機体63 、例えば、プロペラ60と、プロペラ60の下側 配置された側面視台形状で放射状(例えば十 字状)の下部安定翼61と、プロペラ60の上側に 置された側面視三角形状で放射状(例えば十 字状)の上部安定翼62と、下部放射状安定翼61 配設されたプロペラ用の駆動部(不図示)と 備えている。

 尚、r 0 、n C r 0 、n W r 0 、n a r 0 、n b r 0 を以下の様に定義し、tanα=ωとする。

 G:機体60の重心
 C:プロペラ後流による風圧中心点
 W:外部風による風圧中心点
 r 0 :プロペラ直径
 n a r 0 :プロペラ60と下部安定翼61の上辺との間の距
 n b r 0 :プロペラ60と下部安定翼61の底辺との間の距
 n c r 0 :風圧中心点Cのプロペラ60からの距離
 n W r 0 :風圧中心点Wのプロペラ60からの距離。

 また実施の形態1~2より式1-(18)および式1-(1 )が得られる。

 図6の機体63で実験を行った。その際の機 63の数値条件は以下である。

 ω=1/2、r 0   =11.43cm、n a =0.08、n b -n a
 この数値条件の下、式1-(18)および式1-(1)よ n c =1.304となる。

 三角翼の機体63では、外部風圧中心点Wのプ ペラ60からの距離のn値であるn W は、機体63の頂点Pから底辺までのn値であるπ +1を3で割って更に2を掛けた値から、上部安 翼62の高さのn値である1を引くことで求まる よってn W =1.76となる。

 この機体63を無風の中でホバリングさせて 定したホバリングを行う重心Gの位置を求め と、重心Gのn値であるn G の実測値は、約1.419であった。ここで各点CG の距離と各点GW間の距離との比を求めると、 式1-(2)となった。

 ここで、機体63の下部安定翼61の一枚分の面 積S C と機体63全体の投影面積(即ち上部安定翼62の1 枚分の面積と下部安定翼61の1枚分の面積とを 足した面積)S W との面積比W(=S W /S C )を計算すると、W=1.06であった。

 このWがW=1のときのn GC とn GW との比を求めると、式1-(2)のn GW に係数W=1.06を掛ければ良いから、その結果、 式1-(9)を得る。

 この式1-(9)の意味するところは、プロペラ 流が流れている安定翼61の面積S C に掛かるプロペラ後流による力F C が、同じ面積に掛かる外部風圧力F W ’のπ倍であると言うことである。よって、 体63全体の投影面積S W が、プロペラ後流が流れている安定翼61の面 S C のW倍であるとき、一般式として式1-(10)およ 式1-(11)と表すことができる。

 また機体63が安定してホバリングすること ら、このF C は、機体63の重さmg(m:機体63の質量、g:重力加 度)に比例した力であるはずである。よって 比例係数をKとすると、F C 、F W  はそれぞれ、式1-(12)、式1-(13)と表されると えられる。

 そしてその場合のn GC およびn GW の関係式は式1-(14)となる。

 式1-(12)、式1-(13)および式1-(14)中のπは、機 63の下部安定翼61の高さがプロペラ60の直径r 0 のπ倍であることに起因していることは容易 推測できる。よってそれらの式の一般式(即 ち機体63の下部安定翼61の高さがプロペラ60の 直径r 0 のn倍である場合の式)は、式1-(15)、式1-(16)お び式1-(17)と表す事ができる。

 機体63の下部安定翼61の高さのn値を3.0、2. 9、2.8として実験を行い、式1-(17)で表される 率の位置に重心Gを置くと、機体63が安定し ホバリングしたことから、式1-(15)、式1-(16) よび式1-(17)は、一般式と考えても良いこと 分かる。

 S2.(下部安定翼の直径単位の枚数をm枚とし ときの倍数係数N)
 ここでは、図6の機体63において、図7の様に 三角翼(上部安定翼62および下部安定翼61)を放 射状に6枚設けた場合を考える。下部安定翼61 の各安定翼61-1,61-2,61-3,61-4,61-5,61-6に掛かるプ ペラ後流による風圧力をそれぞれF C-1 ,F C-2 ,F C-3 ,F C-4 ,F C-5 ,F C-6 とする。安定翼61-1には、それ自身に掛かる ロペラ後流による風圧力F C-1 以外に、各安定翼61-2~61-6に係る風圧力F C-2 ~F C-6 における安定翼61-1に垂直な成分が掛かる。 の事を考慮すると、安定翼61-1に掛かる風圧 の総和力〔F C 〕は、式2-(1)となる。

 そして1-(15)式よりF C-1 =F C であり、また式2-(7)の関係式が成立するので 式2-(1)は式2-(2)と表される。

 ここで式2-(2)の{ }内をNと置くと、式2-(2) 式2-(3)となる。

 一般に下部安定翼(放射状安定翼)61の安定 翼の直径単位の枚数をmとしたときのNは、式2 -(4)で表されることが分かる。

 尚、図7の場合、式2-(8)の関係式が成立す ので、その場合のNは、N=2となる。

 一般に下部安定翼61が中心軸線対称で、 に下部安定翼61の安定翼の直径単位の枚数m 式2-(5)で表されるとき、式2-(6)が常に成立す 。

 S3.(放射状安定翼におけるプロペラ後流によ る風圧中心点)
 上述の様に、プロペラ後流による風圧中心 Cのプロペラ60からの距離は、式1-(1)で表さ る。

 この式1-(1)は、その後の実験より、n B (=n b -n a )の値(下部安定翼61の高さのn値)が充分に大き いときは成立するが、n B の値が小さくなると成立しなくなくなること が分かった。少なくともn B ≧2.6のときは、式1-(1)は成立するが、n B ≦2.1のときは、揚力の一般理論(即ち、平行 の中の平板に対する理論)で示される位置(即 ち、下部安定翼61の上辺から下部安定翼61の さの1/4下がった位置)にプロペラ後流による 圧中心点Cが現れる。

 プロペラ後流による風圧中心点Cが、少なく ともn B >3のときは、揚力の一般理論で表される位 ではなく式1-(1)で表される位置に移行する 由は、次の様に考えられる。揚力の一般理 は一様な平行流の中の平板に関するもので るが、プロペラ後流は一様な平行流でなく ロペラからの距離の2乗に比例して拡散する で、揚力の一般理論と一致するのは、プロ ラ後流があまり拡散していない範囲だけで り、ある程度拡散した範囲では揚力の一般 論には従わなくなると思われる。

 但し、機体63を筒状にしてプロペラ後流が 散しない様にすれば、後々の実験で実証さ る様に筒状の内側ではプロペラ後流は一様 平行流となり、プロペラ後流による風圧中 点Cは、n B >3の場合でも、揚力の一般理論で表される 置に現れる。そしてここで重要なことは、 の実験で確認されるが、F C の一般式1-(15)中に新たな倍数要素πが出現す ことである。よって式1-(15)、式1-(16)、式1-(1 7)は、式3-(1)、式3-(2)、式3-(3)の様になる。但 、ここでNは、前記倍数係数Nである。

 S4.(F C の定義の補正)
 無風の中での図6の機体63のホバリング実験 、プロペラ後流による風圧力F C が下部安定翼61におけるプロペラ後流による 圧中心点Cに掛かり且つ機体63の重心Gが式1-( 17)を満たさない限り、機体63が不安定になる 実から、下記1~4が推測できる。

 1.機体63を不安定にしている原因はプロペラ 後流であること
 2.F C なる力は、プロペラ後流が下部安定翼61にほ 平行に流れることから、揚力に似た力(疑似 揚力)であると推測できること
 3.平行流の中の下部安定翼61に擬似揚力が掛 かるということは、平行流と思われたプロペ ラ後流は、実際には、下部安定翼61に対して 行ではなく或る角度を持っていることにな こと
 4.プロペラ後流が下部安定翼61に対して角度 を持つ原因は、プロペラ60の回転軸が下部安 翼61に対して元々或る角度だけ傾いていた 、あるいはプロペラ60の回転による回転軸の 先端のブレであると考えられること。

 これらの推測からF C は疑似揚力であると推測して、F C の定義を補正する。一般に揚力Lの一般式の1 として式4-(1)が知られている。

 またF C の定義式は式3-(1)である。

 式4-(1)と式3-(1)の比較により、F C の定義式を式4-(2)の様に補正する。よってF W の定義式も式4-(3)の様に補正される。尚、式 のkは、疑似揚力係数であり、βは、プロペ 後流が下部安定翼(放射状安定翼)61の各安定 翼の主面に対して成す角度である。

 式4-(2)および4-(3)がほぼ正しいことは、後 の実験により証明される。更にそれらの実験 から、疑似揚力係数kはk≒1であることも証明 される。

 S5.(擬似揚力係数kの決定)
 図8は、機体63のホバリング時の不安定要素 あるプロペラ回転軸の傾きをα、プロペラ 転時のプロペラ回転軸の先端のブレの角度 βとしたときの機体63の側面視概略図である

 無風の中で機体63がホバリングしていると ると、疑似揚力F C とプロペラ推進力F P とに関する機体63の重力G周りのモーメントバ ランス式は、式5-(9)となる。

 ここで、α、βは共に極めて小さな値とする と、式5-(9)の左辺のmg[…]の項は、同式の左辺 のn GC F C の項に対して無視できる。またF C は、既述の通り式4-(2)で与えられる。またF P は、推進力F P の鉛直成分と機体63の重量mgとの釣り合いか 式5-(10)で与えられる。

 これらの事を考慮すると、式5-(9)は式5-(1) になる。

 この式5-(1)から疑似揚力係数kを求めるには 機体63の重心Gと外部風圧中心点Wとを一致さ せて安定する重心Gの位置を決め、そのとき 機体63からn GC ,n C ,N,n,cos(α+β)の値を求め、それらの値を式5-(1) 代入して疑似揚力係数kを求めればよい。

 尚ここでは、プロペラ回転軸の位置の固定 下部安定翼61の上辺の中央でなされている で、式5-(1)の右辺の分子はn C となっているが、その固定位置を点Cから距 n X r 0 上がった位置に設定した場合は、式5-(1)のn C はn X に置き換えることができる。その場合の式5-( 1)式(即ち一般式)は、式5-(2)になる。

 無風の中、下記の条件の下で、機体63のホ リング実験を行った(条件:sinα≒0.006、sinβ≒ 0.008、従ってcos(α+β)≒0.9999≒1、下部安定翼61 の安定翼の枚数2(故にN=1)、n=3.0436、n C =1.1946、n a =0.098、r 0 =15.24cm)。疑似揚力係数k=1と仮定して式5-(1)か 求める距離n GC r 0 だけ点Cから下がった位置に、機体63の重心G よび外部風圧中心点Wを配置して、機体63を バリングさせると、機体63はほとんど安定し かける。

 疑似揚力係数kの値を決定するこの実験では 、各点G,Wを点Cから式5-(1)で求まる距離n GC r 0 だけ下がった位置だけでなく、その位置付近 に各点G、Wを配置した場合についても実験を った。その結果は、明らかに点Cから式5-(1) 求まる距離n GC r 0 だけ下がった位置に各点G,Wを配置した場合に 限り、機体63は安定しかかることが分かった よって疑似揚力係数kの値は、k=1と考えて良 いと思われる。

 しかし、この実験で、式5-(1)で求まる距離n GC r 0 の位置に各点G,Wを配置したとき、確かに機体 63は安定しかかるが、徐々にまた横に揺れ始 ることも分かった。このことは、機体63が 安定になる原因がまだ他にあるのか、また 図8で分かる様にプロペラ回転軸の先端のブ によりプロペラ後流の流入角度がα+βとα-β との間で揺れていることが原因なのかは分か らないが、以後この疑問について実験を行っ た。

 以上の結果からF C およびF W の関係式をまとめると以下の様になる。

 i)下部安定翼61の高さのn値が大きいとき (少なくともn≧2.6のときは)、式5-(3)、式5-(4) 式5-(5)の関係が成立する。

 ii)下部安定翼61の高さのn値が小さいとき 、式5-(6)、式5-(7)、式5-(8)の関係が成立する

 S6.(擬似揚力F C の正体)
 擬似揚力F C が本当に一般に言われる揚力なのかどうかを 確認するため、平板に掛かる揚力が下部安定 翼61に掛かっているのかを実験で確かめた。 の結果は、プロペラ60を安定翼61に対してど の様な角度に設定しても揚力の様な力が掛か っていないことが分かった。

 今までの実験の中で何度か感じた事である 、プロペラ60の回転数を上げてゆき、ホバ ングできる程の推進力を得た機体63を手で横 に平行移動しようとすると、プロペラ後流に よる風圧中心点C辺りに抵抗を感じて、機体63 はどうしても斜めに傾いてしまうことが多か った。この事からF C なる力は抵抗力である可能性があり、それを 確認する実験を行った。

 F C なる力が抵抗力であるならば、上記のS5の実 において、機体63の重心Gと風圧中心点Cとの 位置を逆にすると(即ち重心Gを風圧中心点Cよ りも上に配置すると)、それに伴ってF C の向きは逆向きになるはずである。そしてそ の場合のモーメントバランス式から式5-(2)に 応する式を求め、その式を用いて、同じ条 の下で同じホバリング実験を行えば、同じ 果(即ち機体63が安定しかかるという結果)が 得られるはずである。

 そこで実際に、重心Gと風圧中心点Cとの位 を逆にし(即ち重心Gを風圧中心点Cより上に 置し)、更にF C の向きを逆にしたモーメントバランス式を考 えると、式5-(2)に対応する式として式6-(1)が られる。ここで、k=1としたときの式5-(2),式6- (1)を書き換えると、式6-(2),式6-(3)となる。

 そしてこの式6-(3)で求まる距離n GC r 0 だけ風圧中心点Cよりも上に各点G,Wを配置し 上記のS5の実験と同じ実験を行うと、その結 果は、上記のS5の実験結果と全く同じであっ 。

 以上より、F C なる力は機体63がどちらの方向に動いても、 のような方向に傾きかけても発生する抵抗 であると思われる。この事が、前記実験で 定しかかった機体がまた不安定になりかけ 原因ではないかと考えられる。そこで、こ 実験のn GC に対応したn GW を式5-(5)から求め、そのn GW で決まる距離n GW r 0 の位置に点Wを配置して、再びホバリング実 を行うと、機体63は安定してホバリングした 。

 これらの実験による検証により、F C なる力は機体63が動こうとしたときの抵抗力 あることが分かった。よって機体63が全く いていないときには何らの力も発生しない とが分かる。F C なる力が抵抗力であるならば、F C は外部風に対する抵抗となり、ホバリング時 の外部風に対する機体63の安定性が増大する とになる。外部風により機体63が押されて き始めたときにF C なる抵抗力が発生し、その動きの加速度が低 減されることとなる。

 ここでF C の定義式である式5-(6)の意味を考える。

 式5-(6)中のβは、平行流の下部安定翼61に対 る流入角度である。図9の様に、mgsinβは、mg の力を持つ風力(総量)が下部安定翼61に角度β で当たった際のその風力の下部安定翼61に垂 な成分である。nは、下部安定翼61の高さのn 値である。Nは、下部安定翼61の安定翼の直径 単位の枚数による倍数係数である。説明便宜 上、安定翼の直径単位の枚数が2枚(即ちN=1)の 場合を考える。まずn値が大きい場合(即ちF C が式5-(3)で表される場合)を考える。即ちこの 場合のF C は式5-(3)’となる。

 この式は、以下の状況を表していると考 られる。即ち、プロペラ60から発せられた が下部安定翼61に流入角度βで当たりそのま 下部安定翼61に沿って下に流れて行き、同 にほとんど間断無く次の風が当たり下に流 て行く。その間、プロペラ60の回転が非常に 高速なので下部安定翼61上の風は連続した風 みなされ、また非常に高速で下部安定翼61 通り過ぎるから、下部安定翼61上の全ての風 力(総量)の総和の下部安定翼61に垂直な成分 力が下部安定翼61に一瞬に掛かっていると考 えられる。

 では、下部安定翼61の高さのn値が小さい場 に、F C の定義式に係数πが現れるのはなぜなのか。 の様な場合は風量密度が大きくなり、プロ ラ60の1回転の力の総和πmgの下部安定翼61に 直な成分の総和がnπmgsinβになると考えられ る。しかしこのπ倍になる効果(π倍効果)が実 際なぜ起こるのかはわからない。

 F C の定義式では、流入角度βが少しでもあれば 似揚力F C が発生し、機体63はプロペラ60の傾いた方向 は逆方向に動き始めるはずである。しかし 験では、プロペラ60を下部安定翼61に対して のような角度に設定しても、疑似揚力F C は発生しなかったのはなぜなのか。

 図10を参照してその原因と思われる理由 説明する。図10から明らかな様に、プロペラ 後流pkは、プロペラ回転軸65に対して対称な で、下部安定翼61の表面と裏面とでは逆方向 となり、下部安定翼61に垂直なその成分の力 相殺される。このため機体63は動かなかっ ものと考えられる。しかしこの力は、既述 通り、プロペラ回転による反トルクによる 体63の反回転を止めるための源泉となってお り、一般にプロペラ後流pkは渦を巻いて進ん 行くと言われている所以である。

 この事からプロペラ後流では揚力(疑似揚 力)は発生しないが、揚力の源泉となる風力 存在することが分かる。

 式5-(3)および式5-(6)のもう1つの意味するこ は、流入角度βが0°のときはF C は全く発生しないが、ひとたび機体63が動き めると、プロペラ後流と下部安定翼61の間 角度が発生し、機体63の動く方向とは逆方向 にF C なる力が機体63に掛かるということで、機体6 3の動く加速度が大きければ大きい程(換言す ば、機体63の動く速度が大きければ大きい )プロペラ後流と下部安定翼61の角度が大き なり、F C の大きさもsinβに比例して大きくなるという とである。

 以上の事からF C なる力は、プロペラ後流の総量の力の下部安 定翼61に垂直な成分の下部安定翼61上の総和 あると言うことができる。一般に言われる 力の源泉になると言える。

 S7.(筒状安定翼)
 図11の様な機体70を考える。この機体70は、 ロペラ71と、プロペラ71の下側に配置された 側面視矩形状で例えば十字状の下部放射状安 定翼72と、その下部放射状安定翼72と同じ高 で且つその下部放射状安定翼72の周囲を囲繞 する様に同軸線状に配設された例えば円筒状 の下部筒状安定翼73と、プロペラ71の上側に 軸線状に配置され、下部筒状安定翼73と同径 の例えば円筒状の上部筒状安定翼74と、各筒 安定翼73,74を相互に連結する例えば棒状の 結部材76と、下部放射状安定翼72に配設され プロペラ用の駆動部75とを備える。プロペ 71の直径r 0 は、下部筒状安定翼73の口径よりも小さいも とする。

 この機体70において、外部風圧中心点Wの位 を調整しながら機体70の揺れが安定する機 70の重心Gの位置を求め、その際のn GC とn GW との比がどの様になるかを測定した。プロペ ラ後流は下部筒状安定翼73の周りには全く漏 ていないことを確認して、無風の中で実験 行った。

 下部筒状安定翼73におけるプロペラ後流 よる風圧中心点Cは、予想として下部筒状安 翼73の上面からその下部筒状安定翼73の高さ の1/4下がった位置にあると思われる。即ち下 部筒状安定翼73と下部放射状安定翼72とのプ ペラ後流による風圧中心点Cは一致すると思 れる。

 尚、実験の各条件値は、n=π、N=1、n X =0.7134,r 0 =15.24cmである。

 またここで、下記の2つの仮定1,2を置き、式 6-(2)および式5-(8)を用いてn GC およびn GW の値を求め、それらの値から求まる重心およ び外部風圧中心点に実際の重心Gおよび外部 圧中心点Wを配置して実験を試みた。

 尚、上記の2つの仮定1,2は、以下の通りで ある。

 仮定1:下部筒状安定翼73に掛かるプロペラ後 流による風圧力F C は、下部放射状安定翼72の安定翼1枚分(即ち 部筒状安定翼73の高さ×直径の面積)に掛かる F C と同じである。

 仮定2:面積比W(=S W /S C )を求めるときの面積S C は、下部放射状安定翼72の安定翼1枚分だけで はなく、更に仮定1を考慮して下部筒状安定 7の安定翼1枚分の面積も加えた値とする。換 言すれば、下部放射状安定翼72の安定翼1枚の 面積の2倍の面積をS C とする。

 この仮定に基づき式6-(2)および式5-(8)を用い てn GC およびn GW を計算すると、n GC =0.038(従ってn GC r 0 =0.58cm)およびn GW =1.00(従ってn GW r 0 =15.24cm)となった。そしてこの計算値n GW に一致する様に、機体70の上部筒状安定翼74 下部筒状安定翼73との間隔xr 0 のx値を計算すると、x=2.875(従ってxr 0 =43,8cm)となった。

 上記の条件値および計算値を満たす様に 体70を調整すると、機体70は安定してホバリ ングした。

 図11の機体70の実験では、左右の揺れは全 く無く安定してホバリングを行ったが、機体 70はプロペラ71の回転方向と同じ方向に正回 していた。この正回転を止めるためには、 部放射状安定翼72の高さを短くすれば良いこ とは明らかである。この正回転を止める放射 状安定翼72の高さは、後の実験で明らかにな 。

 次に図11の機体70において、下部筒状安定 翼73および下部放射状安定翼72の高さを共に くして、下部筒状安定翼73の内部に下部筒状 安定翼73の直径の1/2の直径の筒内筒状安定翼( 不図示)を追加して同じ実験を試みた。この きも下記の2つの仮定3,4を置いた。

 仮定3:筒内筒状安定翼の側壁には、外側の 状安定翼73の側壁の様に内側だけなく内外両 側にプロペラ後流が流れるので、筒内筒状安 定翼に掛かるプロペラ後流による風圧力F C は、下部放射状安定翼72の幅1/2の安定翼2枚分 に掛かるF C と同じである。

 仮定4:面積比W(=S W /S C )を求めるときには、下部放射状安定翼72の安 定翼1枚分の面積を既述の仮定1を考慮して2倍 にした面積に、更に仮定3を考慮して下部放 状安定翼72の安定翼1枚分の面積を加えた面 をS C とする。換言すれば、下部放射状安定翼72の 定翼1枚の面積の3倍の面積をS C とする。

 以上の仮定に基づき図11の機体70での実験 (以後、第1の実験と呼ぶ)と同じ実験を行うと 、今回の実験(以後、第2の実験と呼ぶ)でも、 第1の実験と同様に、機体70は全く安定してホ バリングをした。しかし今回の実験でも、第 1の実験と同様に、機体70はプロペラ71の回転 向と同方向に正回転し、その回転速度は、 部放射状安定翼72を短くした分、小さくな ていた。

 下部筒状安定翼73および上部筒状安定翼74の 各々の直径および下部放射状安定翼72の横幅 共に1.115r 0 (r 0 =15.24cm)と大きくして上記の第1の実験および 2の実験を再度行った。それらの実験結果が じであったことから、下部筒状安定翼73の 側にプロペラ後流が漏れない様にすれば、 部筒状安定翼73の直径および下部放射状安定 翼72の横幅に関係なく、同じ結果(安定してホ バリングするという結果)が得られることが かった。

 上記の第1および第2の実験により、下部筒 安定翼(即ち外側の筒状安定翼)73に対するF C 、F W 、W、n GC 、n GW の各関係式は次の様になる。下部筒状安定翼 73の高さのn値をh 0 とし、下部筒状安定翼73の直径をR 0 とすると式7-(1)~式7-(3)となる。

 またこの下部筒状安定翼73内に筒内筒状安 翼(直径R 1 ,高さh 1 )を組み合わせた場合は、式7-(4)~式7-(6)となる 。

 更に下部筒状安定翼73、筒内筒状安定翼 よび放射状安定翼72を組み合わせた場合は、 式7-(7)~式7-(9)となる。

 これらの式は全て、下部筒状安定翼73、筒 筒状安定翼および放射状安定翼72の各々のプ ロペラ後流による風圧中心点Cを一致させた きの合力F C に対する式である。

 m個の筒内筒状安定翼を組み合わせたときに は、それぞれの筒内筒状安定翼の直径R m の下部筒状安定翼の直径R 0 に対する比R m /R 0 をε m とすれば、式7-(7)~式7-(9)は、一般式として式7 -(10)~式7-(12)となる。

 ここで式7-(13)と置けば、S C は式7-(14)となり、また式7-(15)と置けば、式7-( 16)~式7-(18)を得る。また式6-(2),式6-(3)は、式7-( 19),式7-(20)となる。

 安定翼の形状としては、放射状、円筒状の 、偶数角正多角形筒状およびそれらの組み わせ等がある。他にも中心軸線方向から見 中心軸線対称な網目状等がある。要するに 定翼の形状としては、プロペラ回転軸に垂 な、どの方向から見てもF C の大きさが変わらない様な形状であればどん な形状であってもよい。プロペラ回転による 反トルクを相殺するには、放射状の安定翼が 一番良いと思われる。なぜならば、円筒状あ るいは偶数角多角形筒状の安定翼の場合は、 実験より、プロペラ回転による反トルクの防 止には、殆ど寄与しないことが分かっている からである。また筒状安定翼の形状を円筒で はなく角柱型の角筒にした場合は、上記の偶 数角正多角形の部類に入るが、外側の筒状安 定翼の場合は、外側にはプロペラ後流が無い ので、同じ大きさの筒内筒状安定翼に掛かる F C の1/2の力のF C しか働かないことに注意を要する。

 S8.(筒状安定翼と放射状安定翼を備えた機体 のプロペラ回転による反トルクの相殺条件)
 図11の機体70は、安定してホバリングを行っ たが、プロペラ回転と同方向に正回転した。 この正回転を止めるための下部放射安定翼72 高さのn値を求める。

 図6の様な三角翼の機体63のプロペラ回転 よる反トルクの相殺条件(以後、反トルク相 殺条件と呼ぶ)は、実施の形態1で示した様に その機体63の下部放射状安定翼61の安定翼の 直径単位の枚数をmとしたとき、その下部放 状安定翼61の高さのn値が式8-(1)で与えられる 事である。

 しかし図11の様に下部筒状安定翼73により プロペラ後流が下部筒状安定翼73の外側に漏 なくされた機体70(放射状安定翼72の安定翼 直径単位の枚数m=2)では、下部放射状安定翼7 2の高さのn値を、式8-(1)に基づきn=πに設定し も、機体70の回転は止まらずに正回転した このことは、プロペラ後流による回転モー ント力の方がプロペラ71が受ける反トルクよ りも大きいことを意味する。

 ここで考えられることは、F C の定義式(例えば式7-(16))の中にπが含まれる とから、プロペラ後流による回転モーメン 力もπ倍になっていると推測できる。その場 合の式8-(1)の右辺は1/π倍に修正されるので、 機体70の反トルク相殺条件は、式8-(1)の右辺 1/π倍したものになると推測できる。この推 に基づき、機体70の下部放射状安定翼72の高 さのn値を求めるとn=1となる。このn値の下で 重心Gおよび外部風圧中心点W等を調整して 再度、機体70で実験(上記の第1の実験)を行っ た。その結果、機体70は反回転をしながらホ リングを始めた。これは、下部放射状安定 72の高さが短すぎたからであると思われる

 「最新流体工学の基本」(著者:小峯龍男、20 06年4月6日発行)の揚力の項の中に「揚力L=KρSU V=KρSU 2 (α+β)、ここで比例定数(揚力係数)Kは、理論 でπ、実験値で2.7~2.9の値をとります。」と う一文があり、揚力に関しては、揚力Lがπ にならずに2.7~2.9倍位になるということであ 。

 その一文を参考にすれば、図11の機体70で 再度実験(上記の第1の実験)をするにあたり、 下部放射状安定翼72の高さのn値を式8-(1)の値 1/π倍ではなく1/2.7倍に設定すれば、機体70 反回転を止めることができると思われる。 してその実験(第3の実験)の結果、下部放射 安定翼72の高さのn値をπ/2.545=1.234に設定する と、機体70はほとんど反回転せずに安定して バリングを行った。

 この事実から、前述の三角翼の機体63の下 放射状安定翼61の高さのn値も約1.234位に設定 すると、前述の三角翼の機体63も反回転が止 ることを意味する。なぜならば、一般に三 翼の機体の場合、下部放射状安定翼の高さ n値が小さいときは、F C の力にπ倍効果が出現するからである。

 S9.(F C =Hπmgsinβの修正)
 上述の様にF C の力にπ倍効果がある場合は、機体の反回転 止めるための計算では、1/π倍ではなく約1/2 .545倍であった。このことは何を意味するの 。

 2.545/π=0.8101の数字を考えると、2.545は、π( ってπ倍効果)の約81%になっている。しかし 今までの機体の左右の揺れのモーメントバ ンスを考えたとき、100%π倍効果を考慮した 算結果は、実験結果と良く合っていた。F C なる力は、機体が動くときの抵抗力であり、 機体が垂直姿勢で安定しているときには発生 しないこと、および機体が傾き始めたときに も抵抗力として働くことから、プロペラ後流 がプロペラから離れた後に機体が動いたとき 、プロペラ後流と機体の下部放射状安定翼と の間に極わずかな角度(流入角度)βが生じ、 の角度分だけのF C なる力が機体に掛かると考えられる。その角 度βが0°のときはF C =0であり、その角度βが増大するに連れてF C も増大する。故に反回転相殺のF C なる力は、機体を正回転させることができる 積極的な力であり、抵抗力であるF C とは、異種の力である事が分かる。平行流の 中の平板の揚力係数と流入角度との関係は、 ほぼ直線的な比例関係にあることが知られて いる。これらの事を総合的に考えたとき、式 9-(1)が今までの実験と一番合う反回転相殺F C の定義式(近似式)ではないかと思われる。

 上記のS8の実験値から式9-(1)中のβを計算 ると、β≒10.95°となる。

 このとき、プロペラ後流は下部放射状安定 に対して10.95°の角度で当たっていたことに なる。ということは、プロペラの平均ピッチ 角度が10.95°ということになる。それでは、 ッチ角度の異なるプロペラで同じ実験を行 ば式9-(1)を確認できるものと思われる。ここ で注意をしなければならないのは、下部放射 状安定翼には、実際には常に或る一定の角度 でプロペラ後流が当たっているが、下部放射 状安定翼の各安定翼の左右の前後で流入角度 が逆のため、機体には実際には前後の力は相 殺され、F C なる力は専ら機体の回転モーメントに関して のみ作用しているということである。

 β≒10.95°なる風を発生させたプロペラのピ チが3インチであったので、次にピッチ5イ チのプロペラで同じ実験を行うと、機体の 回転が止まる下部放射状安定翼の高さは、 (π/2.18)r 0 であった。このとき、式9-(1)よりβを求める 、β≒17.82°となった。

 プロペラのピッチとは、プロペラが1回転 して前に進む距離だから、このピッチの異な る2つのプロペラの平均ピッチ角(ねじれ角度) の比が上記の10.95°と17.82°の比となって現れ と思われる。

 ここで、プロペラの平均ピッチ角度がプロ ラのどの位置に現れるのかを考える。プロ ラのピッチとは、プロペラが1回転したとき にプロペラが進む距離であるので、上記のピ ッチ3インチの場合とピッチ5インチの場合の 験結果に基づき、式9-(3)および式9-(4)から、 それぞれのピッチの場合の平均ピッチ角度の 位置を求めることができる(但し、r 0 =6インチ=15.24cm)。

 この結果から、プロペラの中心軸から半 の82.5%位の所のピッチ角度がそのプロペラ 実効角度であると言える。上記のピッチ5イ チのプロペラの最先端のピッチ角度を求め と、式9-(5)となる。

 この結果から、揚力が最大となる角度15° に殆ど近い事が分かる。そしてこのプロペラ 使用時の反トルクを相殺する下部放射状安定 翼の高さのn値は、式9-(6)であった。

 一般にプロペラの実効角度(流入角度)をβ T とすれば、π倍効果が現れている状態でのプ ペラ回転による反トルクを相殺する下部放 状安定翼の高さのn値は(そのときのn値をn T として置く)、式9-(2)となる。

 尚、下部放射状安定翼の直径単位の枚数 m枚の場合は、式9-(9)となる。

 尚、ピッチ5インチのプロペラの場合は、 反回転を止めるための下部放射状安定翼のn には幅があり、約1.4~1.6位の間のn値のときに 、機体は、1回のホバリング中に正回転と反 転とを繰り返していた。上記のn値1.44という 値は、一番安定していると思われるn値の値 ある。このプロペラの先端のピッチ角度が ぼ15°になっていることにより、先端から内 のピッチ角度は15°を超えていることになる 。一般の揚力理論では、仰角15°を越えると 揚力は減少して行くので、このプロペラの 合、プロペラの内側に行くほど、ピッチ角 が15°よりも増加して行き、それとは逆に、 力は減少して行くことになる。この事がプ ペラの反トルクを相殺するための下部放射 安定翼のn値に幅を持たせているものと思わ れる。

 S12.(F C =nπmgsinβの物理的意味)
 上述の様にF C の式は全てプロペラの直径r 0 が計算の基本となっている。プロペラの回転 中の一瞬一瞬でプロペラの直径r 0 全体が機体の重量mgを支えていることを考え ば、πmgの意味は、プロペラ1回転のプロペ の浮力の総和である。

 nはプロペラ直径r 0 の倍数係数なので、プロペラ後流の拡がり角 度がどうであれ、安定翼がプロペラ後流全て を受け留められるものである限り、安定翼に 掛かるプロペラ後流による風圧力(揚力)F C は、安定翼の高さnr 0 に正比例して増大する。

 しかもプロペラ1回転の力の総和πmgがn値に 例して安定翼に掛かることになる。このこ は、プロペラ1回転の円の内にある全総力(π mg)がほとんど一瞬にプロペラから風となって 離れ、下に間断無く流れてゆき常に安定翼に 対して力を及ぼしていること、即ち換言すれ ば、口径r 0 の穴から噴出する間断無い風が安定翼に対し て口径r 0 のn倍に比例した力を与えていることと同じ ある。

 風の発生がプロペラに依らない風(例えば爆 発による風)が、口径r 0 の穴から噴出しているとき、その穴全体から 噴出する風の一瞬の風圧力をP e とすれば、筒状安定翼内の安定翼に掛かるプ ロペラ後流による風圧力F C の基本式である式7-(16)は、式12-(2)と書き換え る事ができると思われる。

 そしてF W およびWの式も式12-(3)~式12-(5)の様になる。

 式12-(2)~式12-(5)は全てπ倍効果が出現してい 場合の式である。π倍効果が出現していな ときのF C 、F W およびWは、式12-(6)~式12-(9)の様になる。

 以上からこれまでの議論は、プロペラ機だ ではなく口径r 0 の穴から噴出される風によるホバリング機( えばロケット、ジェット機およびガス噴射 によるホバリング機)にも応用可能である事 分かる。

 S13.(下部筒状安定翼をプロペラよりも上に 長した場合)
 図12の機体80は、プロペラ81と、プロペラ81 下側に配置された側面視矩形状で例えば十 状の下部放射状安定翼82と、下部放射状安定 翼82の周囲を囲繞する様に同軸線状に配設さ 、その下端が下部放射状安定翼82と同じ高 で且つその上端がプロペラ81よりも上側に延 長された筒状安定翼83と、下部放射状安定翼8 2に配設されたプロペラ用の駆動部(不図示)と を備えている。

 この機体80の様に、筒状安定翼83の高さをプ ロペラ81の上側まで延長した場合、筒状安定 83のプロペラ後流による風圧中心点Hは、ど ような位置に出現し、その位置に作用するF C なる力(揚力)はどういう式で表されるのかを 験で確認した。

 この実験を行うに当たり、予想として、筒 安定翼83のプロペラ後流による風圧中心点H 、筒状安定翼83の上端から距離h 0 r 0 /4下がった所に位置し、そしてそこに作用す F C なる力(揚力)は式13-(1)で表されると仮定した 式9-(1)を採用しない理由は、抵抗力の計算 には、(1-sinβ)の要素が無い式13-(1)の様な式 、経験上、実験値と良く合うからである。

 機体80の重心Gを、筒状安定翼83におけるプ ペラ後流による風圧中心点Hと下部放射状安 翼82におけるプロペラ後流による風圧中心 Cとの合力の風圧中心点(総合風圧中心点)C 0 から式7-(20)で表される距離だけ離した点に置 き、点Wの位置は、式7-(18)で与えられる距離 りも少し大きく取り、且つn≒1,44として機体 80をホバリングさせた。尚、上記の総合風圧 心点C 0 は、各点H,C間の距離を式13-(2)の比率で割った 点である。

 尚、nは、下部放射状安定翼82の高さのn値で ある。またここでは、下部放射状安定翼82に けるプロペラ後流による風圧中心点Cは、揚 力の一般理論に従って、下部放射状安定翼82 上端から距離nr 0 /4下がった位置になる場合を考えている。

 その結果は予想通り、機体80は、非常に 定してホバリングし、反回転も生じなかっ 。今回の実験も無風の中で行った。今回の 験では外部風圧中心点Wが式7-(9)で表される よりも少し下にあったが、無風の中の実験 は、今までで一番安定したホバリングを行 た様に見えた。

 この機体80を少し風のある中でホバリン させると、機体80はほとんど平行に風に流さ れ始め、風が止まるとまたその移動先で安定 したホバリングを行っていた。この機体80で 各点G,Wの平衡点が少しずれていたので、外 に流されて平行移動しているときには少し き加減ではあったが計算通りの安定性を見 てくれた。

 この実験結果から途切れのない筒状安定翼8 3の中にプロペラ81を配置したとき、プロペラ 81の上側と下側においては、筒状安定翼83の 面を単位時間当たり通過する空気の流量が しいことが分かる。その結果、筒状安定翼83 におけるプロペラ後流による風圧中心点Hも 想通り、筒状安定翼83の上端から距離h 0 r 0 /4下がった位置に存在し、重心G周りのモーメ ントが平衡する点から式7-(19)または式7-(20)で 表される点に重心Gを配置すれば、非常に安 したホバリングを得られることが分かった

 S14.(色々な種類の安定翼の組み合わせによ 姿勢制御装置)
 図13の機体(姿勢制御装置)90は、筒状安定翼9 1と、筒状安定翼91の内部に筒状安定翼91の中 軸線92上に沿って同軸線状に配設された1つ 上(ここでは2つ)の中心軸線対称で例えば側 視矩形の放射状安定翼93,94と、筒状安定翼91 の内部に同軸線状に配設された1つ以上(ここ は2つ)の筒内筒状安定翼95,96と、筒状安定翼 (例えば91)の中心軸線上に配設されたプロペ 97と、放射状安定翼(例えば93)に配設された ロペラ用の駆動部(不図示)とを備える。ここ では、各筒状安定翼91,95,96は例えば円筒状に 成されている。またプロペラ97の直径は、 状安定翼91の口径よりも小さいものとする。

 放射状安定翼93は、例えば、2枚の安定翼 有しており、筒状安定翼91内の上段に配設 れている。また放射状安定翼94は、例えば、 4枚の安定翼を有しており、筒状安定翼91内の 下段に配設されている。各筒内筒状安定翼95, 96は、例えば、それぞれ異なる口径を有して り、下段放射状安定翼94と交差する様に筒 安定翼91内の下段に配設されている。

 この機体90では、筒状安定翼91と上段放射状 安定翼93との各々におけるプロペラ後流によ 風圧中心点H 0 ,C 1 を互いに一致させ、また下段放射状安定翼94 各筒内筒状安定翼95,96との各々におけるプ ペラ後流による風圧中心点C 2 ,H 1 ,H 2 を互いに一致させ、上記の各風圧中心点H 0 ,C 1 の一致点に掛かるプロペラ後流の風圧力の合 力F C1 の大きさと上記の各風圧中心点C 2 ,H 1 ,H 2 の一致点に掛かるプロペラ後流の風圧力の合 力F C2 の大きさとの比率を調整して、プロペラ後流 総合風圧中心点C 0 から機体90の重心までの距離n GC0 と、外部風圧中心点Wから機体90の重心までの 距離n GW と、プロペラ回転軸の固定点0から機体90の重 心までの距離n G との3要素が式19-(5)を満たす様に調整されて る。

 F C1 とF C2 との大きさの比率を調整する方法は、例えば 下記(1)~(8)が考えられる。

 (1)放射状安定翼93,94の安定翼の枚数を増減 る
 (2)放射状安定翼93,94の高さを増減する
 (3)筒状安定翼91の高さを増減する
 (4)筒内筒状安定翼95,96の高さを増減する
 (5)筒内筒状安定翼95,96の直径を増減する
 (6)筒内筒状安定翼の個数を増減する
 (7)各安定翼93,94,95,96の位置を調整する
 (8)幾つかの安定翼(放射状安定翼および/ま は筒内筒状安定翼)を追加する。

 その他、筒状安定翼91の外側に更に通常 翼(即ち板状の翼)を追加して外部風圧中心点 Wの位置を調整することもできる。

 この様に構成した機体90は、全く安定し ホバリングを行い、外部風による影響に対 ても抵抗力を持ち、驚くべき安定性を保ち つホバリングを行うことができる。

 ここで機体90のプロペラ回転による反回転 止めるためには、各放射状安定翼93,94のn値n 1 ,n 2 および各放射状安定翼93,94の安定翼の直径単 の枚数m 1 ,m 2 を、式14-(1)を満たす様に調整すれば良い。尚 、β T は、プロペラ後流が放射状安定翼93,94の各安 翼の主面に当たる流入角度(換言すればプロ ペラ97の実効角度)である。尚、一般にはi番 の放射状安定翼のn値をn i とし、安定翼の枚数をm i とすれば良い。

 以上の様に構成された機体(姿勢制御装置 )90によれば、筒状安定翼91により、放射状安 翼93,94への風流が筒状安定翼91の外側に拡が る事を防止できると共にその風流を一様にで きるので、風流の中において当該機体90の安 性を向上できる。

 また筒状安定翼91の内部に同軸線状に1つ 上の筒内筒状安定翼95,96を更に備えるので 更に風流の中において機体90の安定性を向上 できる。

 またプロペラ97を備えるので機体90を推進 装置として利用でき、安定した飛行を行う事 ができる。

 また放射状安定翼93,94および筒内筒状安定 95,96は、機体90の重心G、総合風圧中心点C 0 、外部風圧中心点Wおよびプロペラ回転軸の 定点0が互いに式19-(5)を満たす様に配置され ので、機体90の横揺れを防止できる。

 また式14-(1)を満たす様に設計されるので プロペラ回転による反トルクを相殺でき、 体90がプロペラ回転により反回転する事を 止できる。

 S15.(姿勢制御装置の使用例)
 図14の機体(姿勢制御装置)110は、上記S14の機 体90を2つ(以後、それらを機体90a,90bと呼ぶ)組 み合わせたものである。より詳細には、この 機体110は、それぞれその吸気側開口端を上側 に向けると共にその排気側開口端を下側に向 け、且つ互いの吸気側開口端を互いの対向方 向に傾斜(傾斜角度0°)させる様にして、互い 間隔空けて配置された上記の2つの機体90a,90 bと、各機体90a,90bを相互連結する連結部材111 を備える。

 連結部材111は、その中心点G 0 で屈曲された略V字状の例えば棒状に形成さ ており、その一端に機体90aが配設され、そ 他端に機体90bが配設されている。より詳細 は、連結部材111の一端の延長線が機体90aの 心軸線に直交し且つ機体90aの重心G 1 を通過する様に、連結部材111の一端に機体90a が配設されている。同様に、連結部材111の他 端の延長線が機体90bの中心軸線に直交し且つ 機体90bの重心G 2 を通過する様に、連結部材111の他端に機体90b が配設されている。

 尚、各機体90a,90bのプロペラ97の回転方向 逆向きに設定する場合は、各機体90a,90bの各 安定翼(円筒状安定翼および放射状安定翼)を その機体90a,90bの重量の許される範囲内で、 高さ、安定翼の枚数および安定翼の個数等を 大きくして、機体110の横揺れの抵抗力を最大 限にしておくことが望ましい。

 尚、図14中の点P 1 ,P 2 はそれぞれ、機体90a,90bのプロペラ97の中心点 であり、αは、線分G 1 G 0 (および線分G 2 G 0 )と水平方向との間の角度であり、βは、線分 P 1 G 0 (および線分P 2 G 0 )と鉛直方向との間の角度であり、θは、線分 G 1 G 0 と線分P 1 G 0 との間の角度および線分G 2 G 0 と線分P 2 G 0 との間の角度である。

 ここで、線分G 0 G 1 =線分G 0 G 2 =L、線分G 0 P 1 =線分G 0 P 2 =lとし、各機体90a,90bの推進力をそれぞれF,F’ (但し、F=F’)とし、F,F’の重心G 0 周りのモーメントをそれぞれM,M’とすると、 式15-(1)となる。

 この機体110が角度γだけ一方の機体(例え 90a)側に傾いた状態を考えると、M,M’は、式 15-(2)となる。

 従って、機体110を元に戻そうとするモー ント〔M〕を求めると、式15-(3)となる。

 また機体110が角度γだけ傾いたときのFとF ’の合力〔F〕は、式15-(4)となる。

 式15-(3)および式15-(4)より式15-(5)を得る。

 式15-(5)の右辺のlsinβtanαは線分G 0 Oの長さなので、点G 0 から上に線分G 0 O上がった点OにFとF’の合力〔F〕の作用点が ることになる。そして機体110が角度γだけ くと、〔F〕・線分G 0 O・sinγで与えられる偶力(復元力)が発生し、 の偶力により機体110の傾きが元の鉛直方向 復元される。

 尚、図14でl=L/cosθなので、式15-(5)は式15-(7 )の様に表わせる。

 式15-(5)および式15-(7)より復元力を大きくす 要素として、下記(i)(ii)が考えられる。
(i)lまたはLを大きくする
(ii)α,β,θを共に大きくする(但し、α+β+θ=π/2) (尚、αを大きくすると、推進力が減少するの で注意を要する)
 以上の様な機体(姿勢制御装置)110であれば 横揺れに対して更に安定したホバリングを ることができる。問題は、機体90a,90bの推進 F,F’に差があり過ぎて、その差が復元力を えてしまう場合であるが、この問題は、事 に機体90a,90bの動力を調整しておけば良いこ とである。

 以上の説明では、この機体110の各機体90a,90b の対向方向の揺れに対する復元力に関して説 明したが、この機体110の各機体90a,90bの対向 向に直交する方向の揺れに対する復元力に しては、図14の点P(線分P 1 P 2 の中点)に各機体90a,90bの推進力F,F’の合力〔F 〕(=2Fcosα)が作用するので、その場合の揺れ( ち各機体90a,90bの対向方向に直交する方向の 揺れ)に対する復元力の方が、各機体90a,90bの 向方向の揺れに対する復元力よりも格段に きくなることが分かる。

 よって機体110を2個使用し、それらを互いの 点G 0 で平面視で直交する様に組み合わせた機体( 勢制御装置)を考えれば、その機体は、機器1 10を1個だけで使用する場合よりも復元力が格 段に増大することは明らかである。故にこの 機器110は2個以上組み合わせて使用されるこ が望ましい。

 S17.(図13のプロペラが無い場合の姿勢制御装 置)
 図13において、プロペラ93(および駆動部)を いた場合の機体(姿勢制御装置)90cを考える

 例えば、この機体90cを一般的な飛行機の 後部および両翼に飛行機の進行方向に向け 取り付けておけば、飛行機の上下左右の安 性が格段に増大する。即ち飛行機が飛んで るとき、この機体90cに前方(機体90cの中心軸 方向)から高速度で風が進入し、その状況で この機体90cが横方向(その径方向)に揺れると 、その前方からの風流が機体90cの筒状安定翼 91および安定翼93,94,95,96の横方向の揺れに対 る抵抗となり、機体90c(従って当該飛行機)の 安定性が飛躍的に向上する。

 機体90cの放射状安定翼93,94の枚数および 状安定翼95,96の個数を増やせば、この機体90c の横揺れに対する抵抗力は増大する。但し、 飛行機等にこの機体90cを使用する場合、この 機体90cの外側の筒状安定翼91には、実験とは って内外両側に風が流れるので、式12-(2)中 Hは、式17-(1)の様になる。

 以上の様な発明または発明原理を利用す ば、機体の安定翼に掛かる風圧自体により その機体またはその機体を備えた飛行機の 勢制御が自動的に行われるので、姿勢制御 ための精密で高感度なセンサーおよび高価 高速度なコンピューターシステムが不必要 なる。その上、機体の安定翼の周囲に流れ 風流による慣性モーメントの増大効果によ 、その機体自身またはその機体を備えた飛 機自体に、外部風による影響に対する抵抗 が発生し、その結果、その機体自身または の機体を備えた飛行機は、外部風に対して 常に強くなる。

 この発明は、プロペラ機のみではなくジ ット機、ロケットおよびガス噴射等の飛行 に対しても応用できるので、広く姿勢制御 必要な分野に利用できる。またこの発明を 用した図12,図13または図14の様なフライング ユニット(姿勢制御装置)により、フライング ーの実現も夢ではなくなる。

 S19(プロペラ回転軸の振れによる影響を相殺 して機体を安定化させる条件)
 図15は、例えば図12の機体80において、プロ ラ回転時のある一瞬を側面から視たときの である。図15中、点Oは、プロペラ回転軸の 定点であり、点Pは、プロペラの作用点(中 点)Yを含む水平線と点Oを含む垂直線との交 であり、点G 1 は、機体80の重心Gが点Oよりも下にある場合 重心の位置であり、点G 2 は、機体80の重心Gが各点O,P間にある場合の重 心の位置であり、点G 3 は、機体80の重心Gが点Pよりも上にある場合 重心の位置である。また点Oと機体80の重心G の間の距離のn値をn G とする。

 ここで、機体80の重心Gが各点G 1 ~G 3 にある場合のモーメントバランス式を考える 。

 (1)機体80の重心Gが点G 1 にある場合
 この場合は、プロペラ81の推進力F P の水平成分(F p sinβ)のモーメントの方が、F P の垂直成分(mg)のモーメントよりも大きくな 、それらのモーメントは互いに逆向きにな ので、モーメントバランス式は、式19-(6)と る。

 尚、式中のF C は、風圧中心点Cに掛かるプロペラ後流の風 力であり、F W は、外部風圧点Wに掛かる外部風圧力である

 F P =mg/cosβ、F C =Hπmgsinβ、F W =Wmgsinβなので、これらの式を式19-(6)に代入す ると、式19-(1)を得る。尚、βは、微小な角度 ので、cosβ≒1と考えられる。

 (2)機体80の重心Gが点G 2 にある場合
 この場合は、プロペラ推進力F P の水平成分(F p sinβ)と垂直成分(mg)との各々のモーメントの きさが上記(1)の場合と逆になるが、モーメ トバランス式を考えると、上記(1)と同様に 式19-(1)を得る。

 (3)機体80の重心Gが点G 3 にある場合
 この場合は、プロペラ推進力F P の水平成分(F p sinβ)と垂直成分(mg)との各々のモーメントの きは同じになるので、上記(1)の場合と同様 、式19-(1)を得る。

 上記(1)~(3)より式19-(1)が常に成立することが 分かる。ここで、プロペラ回転軸の振れによ る影響を相殺して機体80を安定化させるには 機体80に作用するモーメントが釣り合うか 或いはプロペラ回転軸を垂直方向に向ける ーメントが優勢であれば良い(即ち、式19-(1) 左辺がn G の値と同じか、或いはそれよりも大きければ 良い)ので、プロペラ回転軸の振れによる影 を相殺して機体80を安定化させるための条件 は、式19-(2)となる。

 式19-(1)の右辺のn G をS5(疑似揚力係数kの決定)の項で説明したn X で表すと、式19-(3)となる。

 式19-(3)を式19-(1)に代入し、且つn GW =0とおくと、式7-(19)および式7-(20)が得られる よって、式7-(19)および式7-(20)は、式19-(2)の 件の一態様と言える。またn GC およびn GW は、必ず式19-(4)を満たさなければならない。  

 よって、機体80が安定してホバリングす 条件は、式19-(5)の様に表す事ができる。

 機体80が安定してホバリングしていると は、式19-(5)が必ず成立していると言える。

 但し、機体80の重心Gがプロペラ81よりも上 ある場合は、重心Gの復元効果が無いばかり なく、逆に重力Gにより機体80を傾けるモー ントが発生するので、非常に不安定になる また機体80の重心Gがプロペラ81よりも下に る場合でも、プロペラ81から重心Gまでの距 n PG が短い場合は、重力Gによる復元効果が小さ ので、プロペラ回転軸の振れによる影響以 の雑力の影響が相対的に大きくなり、機体80 が左右に揺れる可能性が大きくなる。よって 、雑力の影響を無視できる程度にn PG を長く取ることが重要である。n PG の長さに制限がある場合は、機体80の慣性モ メントを大きくするために、式19-(5)の第2式 の左辺をできるだけ大きくすればよい。

 S20(筒状安定翼内のプロペラ位置によらない 風圧中心点の位置固定)
 例えば図12の機体80において、筒状安定翼83 の放射状安定翼82の長さを例えば半分位に くして、放射状安定翼82と共にプロペラ81の 置を筒状安定翼83の鉛直方向に変化させ、 のそれぞれの位置において、機体80が安定し てホバリングする重心位置を求める実験を行 った。

 その結果、プロペラ位置が筒状安定翼83 上端から筒状安定翼83の長さの1/8以上に下に 位置したときの実験では、機体80の各安定翼8 2,83に掛かる総合風圧力が全て、筒状安定翼83 の上端から筒状安定翼83の長さの1/8だけ下が た点付近に集中して掛かっている事が分か た。プロペラ位置を更に下げた実験におい も、機体80の各安定翼82,83に掛かる総合風圧 力が集中して掛かる点(総合風圧中心点)の位 は、変化せず、筒状安定翼83の上端から筒 安定翼83の長さの1/8だけ下がった点付近のま まであった。

 言い換えれば、プロペラ位置が筒状安定 83の上端から筒状安定翼83の長さの1/8以上に 下がると、機体80の総合風圧中心点が筒状安 翼83の上端から筒状安定翼83の長さの1/8だけ 下がった点に固定されるということである。 尚、プロペラ位置が筒状安定翼83の上端から 状安定翼83の長さの1/8だけ下がった点より 上に位置する場合は、S13で説明した通りの 置に、機体80の総合風圧中心点が現れていた 。

 尚、上記の実験において機体80の総合風圧 心点の位置は、以下の様に求めた。即ち、 16の様に、機体80の筒状安定翼83の下方に連 部83cを介して筒状の補助安定翼83bを同心軸 に取り付けた機体80aを作成し、安定してホ リングする機体80aの重心を求めることで、 体80の総合風圧中心点を求められる。機体80 掛かる総合風圧力および補助安定翼83bに掛 る風圧力の各々の大きさの比は計算できる そして外部風に対する風圧中心点の位置も 算できるので、式19-(5)の第1式(Hπn GC =Wn GW )よりn GC が求まり、機体80aの各安定翼82,83,83bに掛かる 総合風圧力が集中して掛かる点(総合風圧中 点)の位置が決定される。その後、機体80全 に掛かる風圧力と補助安定翼83bに掛かる風 力との比に基づき、機体80の総合風圧中心点 の位置を求める事ができる。

 上記の実験の結果は、予想もできない結 となった。このことは、機体80aにおいて、 安定翼83,83bのサイズおよび各安定翼83,83b間 距離を全く変えずに、放射状安定翼82と共 プロペラ81の位置を上下に変化させても、安 定してホバリングする重心位置が変化しなか ったことからも分かる。

 この事実は、機体を設計の自由度を向上 せる上で大変都合が良い。プロペラ位置を 状安定翼83の上端から筒状安定翼83の長さの 1/8以上下がった位置に配置すれば、放射状安 定翼82の位置は、任意に選択できる事になる 但し、このとき、機体80全体を安定させる めには、図16の様に、機体80全体の下に、筒 または放射状の補助安定翼83bを取り付ける 要がある。

 この場合、補助安定翼83bは機体80の下で なく上に取り付けても良いが、上に取り付 た場合は、補助安定翼83bに掛かる風圧力は 下に取り付けた場合に補助安定翼83bに掛か 風圧力に比べて非常に弱いため、補助安定 83bの投影面積を非常に大きくするか、或い 、機体80から非常に離れた位置に取り付ける 必要があるので、現実的ではない。

 図16の機体80aの様に、筒状安定翼83の下方に 補助安定翼83bを取り付けると、その補助安定 翼83bに掛かる風圧力のために、機体80a全体の 総合風圧中心点C 0 が結果的に下に下がることになる。そのため 、機体80aを安定してホバリングさせるための 重心位置も下に下がることになり、重心によ る復元効果が増大する。その上、機体80a全体 の慣性モーメントも同じく増大するので、機 体80aは、補助安定翼83bが無い場合に比べてよ り一層に安定することになる。

 尚、上記の実施の形態1~3の機体では、風 を発生させる手段(風流発生装置)を、プロ ラとプロペラ用駆動部とにより構成したが その様に限定するものではなく、例えばガ 噴射機、ジェット噴流機またはロケット噴 機により構成しても良い。風流発生装置を ロペラとプロペラ用駆動部とにより構成す ば、比較的簡単な原理で風流を発生させる ができる。また風流発生装置をガス噴射機 ジェット噴流機またはロケット噴射機によ 構成すれば、より強力な風流を発生させる ができる。