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Title:
PROPHYLACTIC OR THERAPEUTIC AGENT FOR INFLAMMATORY DISEASE COMPRISING THYMIDINE PHOSPHORYLASE INHIBITOR AS ACTIVE INGREDIENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/047903
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is an excellent prophylactic or therapeutic agent for an inflammatory disease. Specifically disclosed is a prophylactic or therapeutic agent for an inflammatory disease, which comprises a thymidine phosphorylase inhibitor as an active ingredient (when the thymidine phosphorylase inhibitor is 5-chloro-6-(2-iminopyrrolidin-1-yl)methyl-2,4(1H,3H)- pyrimidinedione or a salt thereof, inflammatory bowel disease is excluded from the category of the inflammatory disease).

Inventors:
SAKAMOTO KAZUKI (JP)
SUGIMOTO YOSHIKAZU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/002860
Publication Date:
April 16, 2009
Filing Date:
October 10, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TAIHO PHARMACEUTICAL CO LTD (JP)
SAKAMOTO KAZUKI (JP)
SUGIMOTO YOSHIKAZU (JP)
International Classes:
A61K45/00; A61K31/513; A61P1/04; A61P13/10; A61P19/02; A61P29/00; A61P43/00; C07D403/06
Domestic Patent References:
WO1996030346A11996-10-03
WO2007122812A12007-11-01
WO1998013045A11998-04-02
WO2004111237A12004-12-23
Foreign References:
JP2000273044A2000-10-03
JP3088757B22000-09-18
JP3088758B22000-09-18
JP2000273044A2000-10-03
JP2001131075A2001-05-15
Other References:
DATABASE BIOSIS BIOSIS; XP008135194, accession no. STN Database accession no. DN: PREV200100362820
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WAGURI, Y. ET AL.: "Gliostatin/platelet-derived endothelial cell growth factor as a clinical marker of rheumatoid arthritis and its regulation in fibroblast-like synoviocytes", BR J RHEUMATOL, vol. 36, no. 3, 1997, pages 315 - 21, XP008133239
UEDA, T. ET AL.: "Over expression of platelet- derived endothelial cell growth factor/thymidine phosphorylase in patients with interstitial cystitis and bladder carcinoma", J UROL, vol. 167, no. 1, 2002, pages 347 - 51, XP005543610
VAN, D.E. ET AL.: "Systemic aspects of interstitial cystitis, immunology and linkage with autoimmune disorders", INT J UROL, vol. 10, 2003, pages S35 - 8, XP008133240
SAITO, S. ET AL.: "Expression of platelet-derived endothelial cell growth factor in inflammatory bowel disease", J GASTROENTEROL, vol. 38, no. 3, 2003, pages 229 - 37, XP008133005
See also references of EP 2204192A4
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INT. J. CLIN. ONCOL., vol. 11, no. 4, August 2006 (2006-08-01), pages 297 - 302
NEPHRON CLIN. PRACT., vol. 102, no. 3-4, 2006, pages 133 - 42
J. UROL., vol. 167, no. 1, January 2002 (2002-01-01), pages 347 - 51
CLIN. CHIM. ACTA., vol. 217, no. 1, September 1993 (1993-09-01), pages 1 - 4
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CANCER RES., vol. 64, no. 20, 15 October 2004 (2004-10-15), pages 7526 - 32
BIOL. PHARM. BULL., vol. 19, no. 11, November 1996 (1996-11-01), pages 1407 - 11
BJU INT., vol. 100, no. 4, October 2007 (2007-10-01), pages 935 - 9
Attorney, Agent or Firm:
THE PATENT CORPORATE BODY ARUGA PATENT OFFICE (3-6 Nihonbashiningyocho 1-chome, Chuo-k, Tokyo 13, JP)
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Claims:
 チミジンホスホリラーゼ阻害剤を有効成分として含有する炎症性疾患の予防又は治療剤(ただし、チミジンホスホリラーゼ阻害剤が5-クロロ-6-(2-イミノピロリジン-1-イル)メチル-2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン又はその塩である場合は、炎症性疾患から炎症性腸疾患を除く)。
 チミジンホスホリラーゼ阻害剤が、チミジンホスホリラーゼの酵素活性を阻害する物質である、請求項1に記載の予防又は治療剤。
 チミジンホスホリラーゼの酵素活性を阻害する物質が、一般式(1)で表されるウラシル化合物又はその塩である、請求項2記載の予防又は治療剤。
〔式中、R 1 は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基又は低級アルキル基を示し;R 2 は低級アルキル基、イミノ基、水酸基、ヒドロキシメチル基、メタンスルホニルオキシ基、アミノ基若しくはニトロ基で置換されていてもよく、窒素原子を1~3個含有する4~8員の複素環基;窒素原子上の水素原子が低級アルキル基で置換されていてもよいアミジノチオ基;窒素原子上の水素原子が低級アルキル基若しくはシアノ基で置換されていてもよいグアニジノ基;低級アルキルアミジノ基;窒素原子上の水素原子が低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基;基-CH 2 N(R a )R b (ここでR a 及びR b は同一又は異なって水素原子若しくは低級アルキル基を示すか、若しくはR a 及びR b がこれらが結合している窒素原子と一緒になってピロリジン環を形成してもよい);基-NH-(CH 2 ) m -Z(ここでZは窒素原子上の水素原子が低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基若しくはシアノ基を示し、mは0~3の整数を示す);基-NR c (CH 2 ) n -OH(ここでR c は水素原子若しくは低級アルキル基を示し、nは1~4の自然数を示す);基-X-Y(ここでXは、S若しくはNHを示し、Yは低級アルキル基で置換されていてもよい2-イミダゾリン-2-イル、2-イミダゾリル、1-メチルイミダゾール-2-イル、1,2,4-トリアゾール-3-イル、2-ピリミジル若しくは2-ベンズイミダゾリル基を示す);又は窒素原子上の水素原子が低級アルキル基で置換されていてもよいウレイド若しくはチオウレイド基を示す。〕
 一般式(1)中、R 2 で示される基が、低級アルキル基、イミノ基、水酸基、ヒドロキシメチル基、メタンスルホニルオキシ基、アミノ基若しくはニトロ基で置換されていてもよく、窒素原子を1~3個含有する4~8員の複素環基;窒素原子上の水素原子が低級アルキル基で置換されていてもよいアミジノチオ基;窒素原子上の水素原子が低級アルキル基若しくはシアノ基で置換されていてもよいグアニジノ基又は低級アルキルアミジノ基である、請求項3記載の予防又は治療剤。
 一般式(1)中、R 2 の窒素原子を1~3個含有する4~8員の複素環基が1-アゼチジニル、1-ピロリジニル、2-ピロリン-1-イル、3-ピロリン-1-イル、1-ピロリル、1-ピラゾリジニル、2-ピラゾリン-1-イル、3-ピラゾリン-1-イル、4-ピラゾリン-1-イル、1-ピラゾリル、1-イミダゾリジニル、2-イミダゾリン-1-イル、3-イミダゾリン-1-イル、4-イミダゾリン-1-イル、1-イミダゾリル、1,2,3-トリアゾール-1-イル、1,2,4-トリアゾール-1-イル、ピペリジノ、1-ピペラジル、モルホリノ、1-ペルヒドロアゼピニル又は1-ペルヒドロアゾシニル基である請求項3又は4に記載の予防又は治療剤。
 一般式(1)中、R 2 の低級アルキル基、イミノ基、水酸基、ヒドロキシメチル基、メタンスルホニルオキシ基、アミノ基又はニトロ基で置換されていてもよく、窒素原子を1~3個含有する4~8員の複素環基が、1-アゼチジニル、1-ピロリジニル、2,5-ジメチルピロリジン-1-イル、2-イミノピロリジン-1-イル、3-ヒドロキシピロリジン-1-イル、2-ヒドロキシメチルピロリジン-1-イル、3-メタンスルホニルオキシピロリジン-1-イル、3-アミノピロリジン-1-イル、1-ピロリル、2-ピラゾリン-1-イル、1-ピラゾリル、2-イミノイミダゾリジン-1-イル、2-イミノ-3-メチルイミダゾリジン-1-イル、2-イミノ-3-エチルイミダゾリジン-1-イル、2-イミノ-3-イソプロピルイミダゾリジン-1-イル、2-イミダゾリン-1-イル、2-イミノ-3-メチル-4-イミダゾリン-1-イル、2-イミノ-3-エチル-4-イミダゾリン-1-イル、1-イミダゾリル、2-メチルイミダゾール-1-イル、2-ニトロイミダゾール-1-イル、4-ニトロイミダゾール-1-イル、1,2,3-トリアゾール-1-イル、1,2,4-トリアゾール-1-イル、3-ニトロ-1,2,4-トリアゾール-1-イル、ピペリジノ、4-メチルピペラジン-1-イル、モルホリノ、1-ペルヒドロアゼピニル又は1-ペルヒドロアゾシニル基である請求項3~5のいずれか1項記載の予防又は治療剤。
 一般式(1)中、R 2 で示される基が1-アゼチジニル、1-ピロリジニル、2-イミノピロリジン-1-イル、2-イミノイミダゾリジン-1-イル、2-イミノ-3-メチルイミダゾリジン-1-イル、2-イミノ-3-エチルイミダゾリジン-1-イル、2-イミノ-3-イソプロピルイミダゾリジン-1-イル、2-イミダゾリン-1-イル、2-イミノ-3-メチル-4-イミダゾリン-1-イル、2-イミノ-3-エチル-4-イミダゾリン-1-イル、1-イミダゾリル、アミジノチオ、N1-メチルアミジノチオ、N1,N2-ジメチルアミジノチオ、1-グアニジノ、1-メチルグアニジノ、3-メチルグアニジノ、2,3-ジメチルグアニジノ又はアセトアミジノ基である請求項3~6のいずれか1項記載の予防又は治療剤。
 一般式(1)中、R 1 で示される基が、塩素原子、臭素原子又はシアノ基であり;R 2 で示される基が、1-ピロリジニル基、1-アゼチジニル基、2-イミノピロリジン-1-イル基、2-イミノイミダゾリジン-1-イル基、1-イミダゾリル基、アミジノチオ基又は1-グアニジノ基である請求項3~7のいずれか1項記載の予防又は治療剤。
 ウラシル化合物又はその塩が、5-クロロ-6-(1-ピロリジニルメチル)ウラシル、5-ブロモ-6-(1-ピロリジニルメチル)ウラシル、5-クロロ-6-(1-アゼチジニルメチル)ウラシル、5-クロロ-6-(1-(2-イミノピロリジニル)メチル)ウラシル塩酸塩、5-ブロモ-6-(1-(2-イミノピロリジニル)メチル)ウラシル塩酸塩、5-シアノ-6-(1-(2-イミノピロリジニル)メチル)ウラシル、5-クロロ-6-(1-(2-イミノイミダゾリジニル)メチル)ウラシル、5-ブロモ-6-(1-(2-イミノイミダゾリジニル)メチル)ウラシル、5-クロロ-6-(1-イミダゾリルメチル)ウラシル塩酸塩、2-(5-クロロウラシル-6-イルメチル)イソチオウレア塩酸塩、2-(5-シアノウラシル-6-イルメチル)イソチオウレア塩酸塩及び5-クロロ-6-(1-グアニジノ)メチルウラシル塩酸塩から選ばれるものである、請求項3~8のいずれか1項記載の予防又は治療剤。
 炎症性疾患が、関節リウマチ、膀胱炎、急性胃炎、慢性胃炎又は肝炎である請求項1~9のいずれか1項記載の予防又は治療剤。
 チミジンホスホリラーゼ阻害剤の、炎症性疾患の予防又は治療薬製造のための使用(ただし、チミジンホスホリラーゼ阻害剤が5-クロロ-6-(2-イミノピロリジン-1-イル)メチル-2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン又はその塩である場合は、炎症性疾患から炎症性腸疾患を除く)。
 チミジンホスホリラーゼ阻害剤が、チミジンホスホリラーゼの酵素活性を阻害する物質である、請求項11に記載の使用。
 チミジンホスホリラーゼの酵素活性を阻害する物質が、一般式(1)で表されるウラシル化合物又はその塩である、請求項12記載の使用。
〔式中、R 1 は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基又は低級アルキル基を示し;R 2 は低級アルキル基、イミノ基、水酸基、ヒドロキシメチル基、メタンスルホニルオキシ基、アミノ基若しくはニトロ基で置換されていてもよく、窒素原子を1~3個含有する4~8員の複素環基;窒素原子上の水素原子が低級アルキル基で置換されていてもよいアミジノチオ基;窒素原子上の水素原子が低級アルキル基若しくはシアノ基で置換されていてもよいグアニジノ基;低級アルキルアミジノ基;窒素原子上の水素原子が低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基;基-CH 2 N(R a )R b (ここでR a 及びR b は同一又は異なって水素原子若しくは低級アルキル基を示すか、若しくはR a 及びR b がこれらが結合している窒素原子と一緒になってピロリジン環を形成してもよい);基-NH-(CH 2 ) m -Z(ここでZは窒素原子上の水素原子が低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基若しくはシアノ基を示し、mは0~3の整数を示す);基-NR c (CH 2 ) n -OH(ここでR c は水素原子若しくは低級アルキル基を示し、nは1~4の自然数を示す);基-X-Y(ここでXは、S若しくはNHを示し、Yは低級アルキル基で置換されていてもよい2-イミダゾリン-2-イル、2-イミダゾリル、1-メチルイミダゾール-2-イル、1,2,4-トリアゾール-3-イル、2-ピリミジル若しくは2-ベンズイミダゾリル基を示す);又は窒素原子上の水素原子が低級アルキル基で置換されていてもよいウレイド若しくはチオウレイド基を示す。〕
 一般式(1)中、R 2 で示される基が、低級アルキル基、イミノ基、水酸基、ヒドロキシメチル基、メタンスルホニルオキシ基、アミノ基若しくはニトロ基で置換されていてもよく、窒素原子を1~3個含有する4~8員の複素環基;窒素原子上の水素原子が低級アルキル基で置換されていてもよいアミジノチオ基;窒素原子上の水素原子が低級アルキル基若しくはシアノ基で置換されていてもよいグアニジノ基又は低級アルキルアミジノ基である、請求項13記載の使用。
 一般式(1)中、R 2 の窒素原子を1~3個含有する4~8員の複素環基が1-アゼチジニル、1-ピロリジニル、2-ピロリン-1-イル、3-ピロリン-1-イル、1-ピロリル、1-ピラゾリジニル、2-ピラゾリン-1-イル、3-ピラゾリン-1-イル、4-ピラゾリン-1-イル、1-ピラゾリル、1-イミダゾリジニル、2-イミダゾリン-1-イル、3-イミダゾリン-1-イル、4-イミダゾリン-1-イル、1-イミダゾリル、1,2,3-トリアゾール-1-イル、1,2,4-トリアゾール-1-イル、ピペリジノ、1-ピペラジル、モルホリノ、1-ペルヒドロアゼピニル又は1-ペルヒドロアゾシニル基である請求項13又は14に記載の使用。
 一般式(1)中、R 2 の低級アルキル基、イミノ基、水酸基、ヒドロキシメチル基、メタンスルホニルオキシ基、アミノ基又はニトロ基で置換されていてもよく、窒素原子を1~3個含有する4~8員の複素環基が、1-アゼチジニル、1-ピロリジニル、2,5-ジメチルピロリジン-1-イル、2-イミノピロリジン-1-イル、3-ヒドロキシピロリジン-1-イル、2-ヒドロキシメチルピロリジン-1-イル、3-メタンスルホニルオキシピロリジン-1-イル、3-アミノピロリジン-1-イル、1-ピロリル、2-ピラゾリン-1-イル、1-ピラゾリル、2-イミノイミダゾリジン-1-イル、2-イミノ-3-メチルイミダゾリジン-1-イル、2-イミノ-3-エチルイミダゾリジン-1-イル、2-イミノ-3-イソプロピルイミダゾリジン-1-イル、2-イミダゾリン-1-イル、2-イミノ-3-メチル-4-イミダゾリン-1-イル、2-イミノ-3-エチル-4-イミダゾリン-1-イル、1-イミダゾリル、2-メチルイミダゾール-1-イル、2-ニトロイミダゾール-1-イル、4-ニトロイミダゾール-1-イル、1,2,3-トリアゾール-1-イル、1,2,4-トリアゾール-1-イル、3-ニトロ-1,2,4-トリアゾール-1-イル、ピペリジノ、4-メチルピペラジン-1-イル、モルホリノ、1-ペルヒドロアゼピニル又は1-ペルヒドロアゾシニル基である請求項13~15のいずれか1項記載の使用。
 一般式(1)中、R 2 で示される基が1-アゼチジニル、1-ピロリジニル、2-イミノピロリジン-1-イル、2-イミノイミダゾリジン-1-イル、2-イミノ-3-メチルイミダゾリジン-1-イル、2-イミノ-3-エチルイミダゾリジン-1-イル、2-イミノ-3-イソプロピルイミダゾリジン-1-イル、2-イミダゾリン-1-イル、2-イミノ-3-メチル-4-イミダゾリン-1-イル、2-イミノ-3-エチル-4-イミダゾリン-1-イル、1-イミダゾリル、アミジノチオ、N1-メチルアミジノチオ、N1,N2-ジメチルアミジノチオ、1-グアニジノ、1-メチルグアニジノ、3-メチルグアニジノ、2,3-ジメチルグアニジノ又はアセトアミジノ基である請求項13~16のいずれか1項記載の使用。
 一般式(1)中、R 1 で示される基が、塩素原子、臭素原子又はシアノ基であり;R 2 で示される基が、1-ピロリジニル基、1-アゼチジニル基、2-イミノピロリジン-1-イル基、2-イミノイミダゾリジン-1-イル基、1-イミダゾリル基、アミジノチオ基又は1-グアニジノ基である請求項13~17のいずれか1項記載の使用。
 ウラシル化合物又はその塩が、5-クロロ-6-(1-ピロリジニルメチル)ウラシル、5-ブロモ-6-(1-ピロリジニルメチル)ウラシル、5-クロロ-6-(1-アゼチジニルメチル)ウラシル、5-クロロ-6-(1-(2-イミノピロリジニル)メチル)ウラシル塩酸塩、5-ブロモ-6-(1-(2-イミノピロリジニル)メチル)ウラシル塩酸塩、5-シアノ-6-(1-(2-イミノピロリジニル)メチル)ウラシル、5-クロロ-6-(1-(2-イミノイミダゾリジニル)メチル)ウラシル、5-ブロモ-6-(1-(2-イミノイミダゾリジニル)メチル)ウラシル、5-クロロ-6-(1-イミダゾリルメチル)ウラシル塩酸塩、2-(5-クロロウラシル-6-イルメチル)イソチオウレア塩酸塩、2-(5-シアノウラシル-6-イルメチル)イソチオウレア塩酸塩及び5-クロロ-6-(1-グアニジノ)メチルウラシル塩酸塩から選ばれるものである、請求項13~18のいずれか1項記載の使用。
 炎症性疾患が、関節リウマチ、膀胱炎、急性胃炎、慢性胃炎又は肝炎である請求項11~19のいずれか1項記載の使用。
 チミジンホスホリラーゼ阻害剤の有効量を投与することを特徴とする炎症性疾患の予防又は治療方法(ただし、チミジンホスホリラーゼ阻害剤が5-クロロ-6-(2-イミノピロリジン-1-イル)メチル-2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン又はその塩である場合は、炎症性疾患から炎症性腸疾患を除く)。
 チミジンホスホリラーゼ阻害剤が、チミジンホスホリラーゼの酵素活性を阻害する物質である、請求項21に記載の方法。
 チミジンホスホリラーゼの酵素活性を阻害する物質が、一般式(1)で表されるウラシル化合物又はその塩である、請求項22記載の方法。
〔式中、R 1 は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基又は低級アルキル基を示し;R 2 は低級アルキル基、イミノ基、水酸基、ヒドロキシメチル基、メタンスルホニルオキシ基、アミノ基若しくはニトロ基で置換されていてもよく、窒素原子を1~3個含有する4~8員の複素環基;窒素原子上の水素原子が低級アルキル基で置換されていてもよいアミジノチオ基;窒素原子上の水素原子が低級アルキル基若しくはシアノ基で置換されていてもよいグアニジノ基;低級アルキルアミジノ基;窒素原子上の水素原子が低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基;基-CH 2 N(R a )R b (ここでR a 及びR b は同一又は異なって水素原子若しくは低級アルキル基を示すか、若しくはR a 及びR b がこれらが結合している窒素原子と一緒になってピロリジン環を形成してもよい);基-NH-(CH 2 ) m -Z(ここでZは窒素原子上の水素原子が低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基若しくはシアノ基を示し、mは0~3の整数を示す);基-NR c (CH 2 ) n -OH(ここでR c は水素原子若しくは低級アルキル基を示し、nは1~4の自然数を示す);基-X-Y(ここでXは、S若しくはNHを示し、Yは低級アルキル基で置換されていてもよい2-イミダゾリン-2-イル、2-イミダゾリル、1-メチルイミダゾール-2-イル、1,2,4-トリアゾール-3-イル、2-ピリミジル若しくは2-ベンズイミダゾリル基を示す);又は窒素原子上の水素原子が低級アルキル基で置換されていてもよいウレイド若しくはチオウレイド基を示す。〕
 一般式(1)中、R 2 で示される基が、低級アルキル基、イミノ基、水酸基、ヒドロキシメチル基、メタンスルホニルオキシ基、アミノ基若しくはニトロ基で置換されていてもよく、窒素原子を1~3個含有する4~8員の複素環基;窒素原子上の水素原子が低級アルキル基で置換されていてもよいアミジノチオ基;窒素原子上の水素原子が低級アルキル基若しくはシアノ基で置換されていてもよいグアニジノ基又は低級アルキルアミジノ基である、請求項23記載の方法。
 一般式(1)中、R 2 の窒素原子を1~3個含有する4~8員の複素環基が1-アゼチジニル、1-ピロリジニル、2-ピロリン-1-イル、3-ピロリン-1-イル、1-ピロリル、1-ピラゾリジニル、2-ピラゾリン-1-イル、3-ピラゾリン-1-イル、4-ピラゾリン-1-イル、1-ピラゾリル、1-イミダゾリジニル、2-イミダゾリン-1-イル、3-イミダゾリン-1-イル、4-イミダゾリン-1-イル、1-イミダゾリル、1,2,3-トリアゾール-1-イル、1,2,4-トリアゾール-1-イル、ピペリジノ、1-ピペラジル、モルホリノ、1-ペルヒドロアゼピニル又は1-ペルヒドロアゾシニル基である請求項23記載の方法。
 一般式(1)中、R 2 の低級アルキル基、イミノ基、水酸基、ヒドロキシメチル基、メタンスルホニルオキシ基、アミノ基又はニトロ基で置換されていてもよく、窒素原子を1~3個含有する4~8員の複素環基が、1-アゼチジニル、1-ピロリジニル、2,5-ジメチルピロリジン-1-イル、2-イミノピロリジン-1-イル、3-ヒドロキシピロリジン-1-イル、2-ヒドロキシメチルピロリジン-1-イル、3-メタンスルホニルオキシピロリジン-1-イル、3-アミノピロリジン-1-イル、1-ピロリル、2-ピラゾリン-1-イル、1-ピラゾリル、2-イミノイミダゾリジン-1-イル、2-イミノ-3-メチルイミダゾリジン-1-イル、2-イミノ-3-エチルイミダゾリジン-1-イル、2-イミノ-3-イソプロピルイミダゾリジン-1-イル、2-イミダゾリン-1-イル、2-イミノ-3-メチル-4-イミダゾリン-1-イル、2-イミノ-3-エチル-4-イミダゾリン-1-イル、1-イミダゾリル、2-メチルイミダゾール-1-イル、2-ニトロイミダゾール-1-イル、4-ニトロイミダゾール-1-イル、1,2,3-トリアゾール-1-イル、1,2,4-トリアゾール-1-イル、3-ニトロ-1,2,4-トリアゾール-1-イル、ピペリジノ、4-メチルピペラジン-1-イル、モルホリノ、1-ペルヒドロアゼピニル又は1-ペルヒドロアゾシニル基である請求項23記載の方法。
 一般式(1)中、R 2 で示される基が1-アゼチジニル、1-ピロリジニル、2-イミノピロリジン-1-イル、2-イミノイミダゾリジン-1-イル、2-イミノ-3-メチルイミダゾリジン-1-イル、2-イミノ-3-エチルイミダゾリジン-1-イル、2-イミノ-3-イソプロピルイミダゾリジン-1-イル、2-イミダゾリン-1-イル、2-イミノ-3-メチル-4-イミダゾリン-1-イル、2-イミノ-3-エチル-4-イミダゾリン-1-イル、1-イミダゾリル、アミジノチオ、N1-メチルアミジノチオ、N1,N2-ジメチルアミジノチオ、1-グアニジノ、1-メチルグアニジノ、3-メチルグアニジノ、2,3-ジメチルグアニジノ又はアセトアミジノ基である請求項23記載の方法。
 一般式(1)中、R 1 で示される基が、塩素原子、臭素原子又はシアノ基であり;R 2 で示される基が、1-ピロリジニル基、1-アゼチジニル基、2-イミノピロリジン-1-イル基、2-イミノイミダゾリジン-1-イル基、1-イミダゾリル基、アミジノチオ基又は1-グアニジノ基である請求項23記載の方法。
 ウラシル化合物又はその塩が、5-クロロ-6-(1-ピロリジニルメチル)ウラシル、5-ブロモ-6-(1-ピロリジニルメチル)ウラシル、5-クロロ-6-(1-アゼチジニルメチル)ウラシル、5-クロロ-6-(1-(2-イミノピロリジニル)メチル)ウラシル塩酸塩、5-ブロモ-6-(1-(2-イミノピロリジニル)メチル)ウラシル塩酸塩、5-シアノ-6-(1-(2-イミノピロリジニル)メチル)ウラシル、5-クロロ-6-(1-(2-イミノイミダゾリジニル)メチル)ウラシル、5-ブロモ-6-(1-(2-イミノイミダゾリジニル)メチル)ウラシル、5-クロロ-6-(1-イミダゾリルメチル)ウラシル塩酸塩、2-(5-クロロウラシル-6-イルメチル)イソチオウレア塩酸塩、2-(5-シアノウラシル-6-イルメチル)イソチオウレア塩酸塩及び5-クロロ-6-(1-グアニジノ)メチルウラシル塩酸塩から選ばれるものである、請求項23記載の方法。
 炎症性疾患が、関節リウマチ、膀胱炎、急性胃炎、慢性胃炎又は肝炎である請求項21~29のいずれか1項記載の方法。
Description:
チミジンホスホリラーゼ阻害剤 有効成分として含有する炎症性疾患の予防 は治療剤

 本発明は、新規な炎症性疾患の予防又は 療剤に関する。

 炎症反応は生体に有害物質が働いた場合 生じる一種の生体防御反応であり、そこで き起こされる一連の対異物反応全体が、炎 と呼ばれている。炎症反応としては急性期 は微小血管の拡張、内皮間隙の離開による 小静脈の血管透過性の亢進、組織破壊など みられ、慢性期には組織の変性・繊維化が こり炎症組織の修復へとつながる。これら 物排除の仕組みとしての炎症反応は、過剰 場合には生体を阻害する病的現象としての 療の対象となる。

 これまで抗炎症薬は主に、ステロイド性 炎症薬、酸性非ステロイド性抗炎症薬又は 基性非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などが 用されてきた。ステロイド性抗炎症剤は細 質中の受容体と結合して核内に取り込まれ 、リポコルチンの生合成を誘導する。リポ ルチンには、ホスホリパーゼA2の抑制による シクロオキシゲナーゼ系の経路の抑制作用や 、ロイコトリエンB4の抑制に伴うリポキシゲ ーゼ系の経路の抑制作用など、様々なケミ ルメディエーターの抑制により抗炎症作用 発現する事が知られている。ステロイド性 炎症剤は広範な炎症疾患に対して顕著な抑 作用を示し、自己免疫疾患等にも有効であ が、感染症の増悪、消化性潰瘍、骨粗鬆症 視床下部などからのACTH分泌の抑制、水電解 代謝異常などの強い副作用が高頻度で認めら れ、投与量、特に維持量は出来る限り抑える べきであるとされている。また、NSAIDsは、シ クロオキシゲナーゼの活性抑制によるプロス タグランジンの生合成阻害により抗炎症作用 を発揮する。従って、NSAIDsは鎮痛及び解熱作 用も併せ持つという特徴を有する。また、ス テロイド性抗炎症剤と比較すると副作用は軽 度であるとされているものの、胃腸障害、腎 障害、肝障害、血液・造血系障害、中枢神経 症状、皮膚毒性などの副作用が散見され、副 作用を抑えるために胃粘膜保護剤など、別の 薬剤と併用せざるを得ないこともある。

 このように、従来の抗炎症薬は、その薬 メカニズムが副作用を生み出す場合があり 新たな作用メカニズムを持つ効果的な抗炎 薬の開発は臨床上有用であると考えられる

 本発明は、効果的に炎症性疾患の治療が きる治療剤を提供することを目的とする。

 本発明者らは、上記課題を解決するため 鋭意検討した結果、チミジンホスホリラー 阻害剤である下記一般式(1)で表されるウラ ル化合物又はその塩が、関節リウマチ、膀 炎、急性胃炎、慢性胃炎又は肝炎の治療に 用であることを見出した。また、当該ウラ ル化合物又はその塩が、炎症反応の中心的 割をはたすインターロイキン6(以下、IL-6と す)の産生を抑制することを見出した。この ことは、当該ウラシル化合物又はその塩が、 上記疾患のみならず、炎症性疾患全般の治療 ができることを示すものである。以上の知見 から、本発明者らは、本発明を完成するに至 った。

〔式中、R 1 は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ 基又は低級アルキル基を示し;R 2 は低級アルキル基、イミノ基、水酸基、ヒド ロキシメチル基、メタンスルホニルオキシ基 、アミノ基若しくはニトロ基で置換されてい てもよく、窒素原子を1~3個含有する4~8員の複 素環基;窒素原子上の水素原子が低級アルキ 基で置換されていてもよいアミジノチオ基; 素原子上の水素原子が低級アルキル基若し はシアノ基で置換されていてもよいグアニ ノ基;低級アルキルアミジノ基;窒素原子上 水素原子が低級アルキル基で置換されてい もよいアミノ基;基-CH 2 N(R a )R b (ここでR a 及びR b は同一又は異なって水素原子若しくは低級ア ルキル基を示すか、若しくはR a 及びR b がこれらが結合している窒素原子と一緒にな ってピロリジン環を形成してもよい);基-NH-(CH 2 ) m -Z(ここでZは窒素原子上の水素原子が低級ア キル基で置換されていてもよいアミノ基若 くはシアノ基を示し、mは0~3の整数を示す); -NR c (CH 2 ) n -OH(ここでR c は水素原子若しくは低級アルキル基を示し、 nは1~4の自然数を示す);基-X-Y(ここでXは、S若 くはNHを示し、Yは低級アルキル基で置換さ ていてもよい2-イミダゾリン-2-イル、2-イミ ゾリル、1-メチルイミダゾール-2-イル、1,2,4 -トリアゾール-3-イル、2-ピリミジル若しくは 2-ベンズイミダゾリル基を示す);又は窒素原 上の水素原子が低級アルキル基で置換され いてもよいウレイド若しくはチオウレイド を示す。〕

 すなわち、本発明はチミジンホスホリラー 阻害剤を有効成分として含有する炎症性疾 の予防又は治療剤(ただし、チミジンホスホ リラーゼ阻害剤が5-クロロ-6-(2-イミノピロリ ン-1-イル)メチル-2,4(1H,3H)ピリミジンジオン はその塩である場合は、炎症性疾患から炎 性腸疾患を除く)を提供するものである。
 また、本発明はチミジンホスホリラーゼ阻 剤の、炎症性疾患の予防又は治療薬製造の めの使用(ただし、チミジンホスホリラーゼ 阻害剤が5-クロロ-6-(2-イミノピロリジン-1-イ )メチル-2,4(1H,3H)ピリミジンジオン又はその である場合は、炎症性疾患から炎症性腸疾 を除く)を提供するものである。
 また、本発明はチミジンホスホリラーゼ阻 剤の有効量を投与することを特徴とする炎 性疾患の予防又は治療方法(ただし、チミジ ンホスホリラーゼ阻害剤が5-クロロ-6-(2-イミ ピロリジン-1-イル)メチル-2,4(1H,3H)ピリミジ ジオン又はその塩である場合は、炎症性疾 から炎症性腸疾患を除く)を提供するもので ある。

 なお、チミジンホスホリラーゼは、チミ ンをチミンと2-デオキシリボース-1-リン酸 可逆的に変換する酵素でありDNA合成にかか っていることが知られている。また、胃癌 大腸癌を中心として、様々な固形腫瘍にお てチミジンホスホリラーゼの高発現が確認 れ、血管新生、浸潤、転移などと発現量が の相関関係があり、チミジンホスホリラー の発現が予後因子の一つであることが明ら になっている(Cancer Sci.2004 Nov;95(11):851-7,Int.J .Clin.Oncol.2006 Aug;11(4):297-302)。その他の病態の 関連についても、炎症疾患を中心に、糸球体 腎炎、間質性膀胱炎、慢性関節リウマチ、炎 症性腸疾患の患者において病態部位における 高発現が報告されている(Nephron Clin Pract.2006; 102(3-4):c133-42,J.Urol.2002 Jan;167(1):347-51,Clin.Chim.Ac ta.1993 Sep;217(1):1-4,J.Gastroenterol.2003;38(3):229-37) しかしながら、これらの炎症性疾患におけ チミジンホスホリラーゼの機能は必ずしも 確ではない。また、チミジンホスホリラー 阻害剤がIL-6の産生を抑制することも知られ いない。

 本発明によれば、関節リウマチ、膀胱炎 急性胃炎、慢性胃炎及び肝炎などの炎症性 患を効果的に治療できる。

塩酸誘発ラット膀胱炎モデルにおけるT PI投与による膀胱機能改善作用を示す図であ 。 マウス・コラーゲン関節炎モデルでのT PI投与による作用を示す図である。 ラット塩酸誘発胃炎モデルにおけるTPI 与による粘膜傷害の抑制(傷害部長径)を示 図である。 マウス・コンカナバリンA誘発肝炎モデ ルにおける、TPI投与によるAST及びALTに対する 作用を示す図である。 ヒト白血病細胞由来U937のIL-6産生に対 るチミジンの作用とTP阻害作用を有する化合 物のIL-6産生抑制作用を示す図である。

 本発明のチミジンホスホリラーゼ阻害剤と ては、チミジンホスホリラーゼの酵素活性 低下させることができる物質であれば特に 限されず、チミジンホスホリラーゼの酵素 性を阻害する物質であっても、チミジンホ ホリラーゼの発現を抑制する物質であって よい。
 チミジンホスホリラーゼの発現量を抑制す 物質としては、チミジンホスホリラーゼ遺 子の転写産物又はその一部に対するアンチ ンス核酸、チミジンホスホリラーゼ遺伝子 発現をRNAi効果による阻害作用を有する核酸 、チミジンホスホリラーゼ遺伝子の転写産物 を特異的に開裂するリボザイム活性を有する 核酸等が例示できる。上記核酸は、通常公知 の製法により製造することができ、例えば、 チミジンホスホリラーゼ遺伝子の転写産物又 はその一部に対するアンチセンス核酸は、Can cer Res.2004 Oct 15;64(20):7526-32.に記載の製法に り製造でき、チミジンホスホリラーゼ遺伝 の発現をRNAi効果による阻害作用を有する核 酸は、国際公開第2004/111237号パンフレットに 載の製法により製造できる。

 チミジンホスホリラーゼの酵素活性を阻 する物質としては、チミジンホスホリラー に結合する低分子化合物や抗体又はその断 等が例示できる。かかる低分子化合物とし は、下記一般式(1)で表されるウラシル化合 又はその塩、TUPI(5-クロロ-6-アミノウラシル )、7-deazaxanthine、KIN-59(5’-O-tritylinosine)及びSHet A2({[(4-nitrophenyl)amino][(2,2,4,4-tetrametyl thiochroman- 6-yl)amino]methane-1-thione})が挙げられ、下記一般 (1)で表されるウラシル化合物又はその塩が ましい。

〔式中、R 1 は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ 基又は低級アルキル基を示し;R 2 は低級アルキル基、イミノ基、水酸基、ヒド ロキシメチル基、メタンスルホニルオキシ基 、アミノ基若しくはニトロ基で置換されてい てもよく、窒素原子を1~3個含有する4~8員の複 素環基;窒素原子上の水素原子が低級アルキ 基で置換されていてもよいアミジノチオ基; 素原子上の水素原子が低級アルキル基若し はシアノ基で置換されていてもよいグアニ ノ基;低級アルキルアミジノ基;窒素原子上 水素原子が低級アルキル基で置換されてい もよいアミノ基;基-CH 2 N(R a )R b (ここでR a 及びR b は同一又は異なって水素原子若しくは低級ア ルキル基を示すか、若しくはR a 及びR b がこれらが結合している窒素原子と一緒にな ってピロリジン環を形成してもよい);基-NH-(CH 2 ) m -Z(ここでZは窒素原子上の水素原子が低級ア キル基で置換されていてもよいアミノ基若 くはシアノ基を示し、mは0~3の整数を示す); -NR c (CH 2 ) n -OH(ここでR c は水素原子若しくは低級アルキル基を示し、 nは1~4の自然数を示す);基-X-Y(ここでXは、S若 くはNHを示し、Yは低級アルキル基で置換さ ていてもよい2-イミダゾリン-2-イル、2-イミ ゾリル、1-メチルイミダゾール-2-イル、1,2,4 -トリアゾール-3-イル、2-ピリミジル若しくは 2-ベンズイミダゾリル基を示す);又は窒素原 上の水素原子が低級アルキル基で置換され いてもよいウレイド若しくはチオウレイド を示す。〕

 以下、一般式(1)で表されるウラシル化合物 はその塩について説明する。
 一般式(1)で表されるウラシル化合物又はそ 塩は、チミジンホスホリラーゼの阻害活性 有し、抗腫瘍剤(特許3088757号)、癌転移抑制 (特許3088758号)、副作用軽減剤(特開2000-273044 )及び抗HIV剤(特開2001-131075号)として使用で ることが知られている。しかし、一般式(1) 表されるウラシル化合物又はその塩がIL-6の 生を抑制できること及び炎症性疾患の治療 使用できることは知られていない。

 上記一般式(1)中、R 1 及びR 2 で示される低級アルキル基としては、炭素数 1~4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が挙げられ 、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロ ル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソ チル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基が挙げ れ、中でもメチル基が特に好ましい。

 R 2 で示される窒素原子を1~3個含有する4~8員の複 素環基としては、例えば1-アゼチジニル基、1 -ピロリジニル基、2-ピロリン-1-イル基、3-ピ リン-1-イル基、1-ピロリル基、1-ピラゾリジ ニル基、2-ピラゾリン-1-イル基、3-ピラゾリ -1-イル基、4-ピラゾリン-1-イル基、1-ピラゾ ル基、1-イミダゾリジニル基、2-イミダゾリ ン-1-イル基、3-イミダゾリン-1-イル基、4-イ ダゾリン-1-イル基、1-イミダゾリル基、1,2,3- トリアゾール-1-イル基、1,2,4-トリアゾール-1- イル基、ピペリジノ基、1-ピペラジル基、モ ホリノ基、1-ペルヒドロアゼピニル基及び1- ペルヒドロアゾシニル基等が挙げられる。ま た、この複素環基の環上には、1個又は2個の 換基を有していてもよく、このような置換 としては、低級アルキル基、イミノ基、水 基、ヒドロキシメチル基、メタンスルホニ オキシ基、アミノ基及びニトロ基が挙げら る。このような置換基を有していてもよい 素環基の具体例としては、1-アゼチジニル 、1-ピロリジニル基、2,5-ジメチルピロリジ -1-イル基、2-イミノピロリジン-1-イル基、3- ドロキシピロリジン-1-イル基、2-ヒドロキ メチルピロリジン-1-イル基、3-メタンスルホ ニルオキシピロリジン-1-イル基、3-アミノピ リジン-1-イル基、2-ピロリン-1-イル基、3-ピ ロリン-1-イル基、2-イミノ-3-ピロリン-1-イル 、1-ピロリル基、1-ピラゾリジニル基、2-メ ルピラゾリジン-1-イル基、4-イミノピラゾ ジン-1-イル基、2-ピラゾリン-1-イル基、3-ピ ゾリン-1-イル基、2-メチル-3-ピラゾリン-1- ル基、5-イミノ-3-ピラゾリン-1-イル基、4-ピ ゾリン-1-イル基、2-メチル-4-ピラゾリン-1- ル基、3-イミノ-4-ピラゾリン-1-イル基、1-ピ ゾリル基、1-イミダゾリジニル基、3-メチル イミダゾリジン-1-イル基、2-イミノイミダゾ ジン-1-イル基、2-イミノ-3-メチルイミダゾ ジン-1-イル基、2-イミノ-3-エチルイミダゾリ ジン-1-イル基、2-イミノ-3-イソプロピルイミ ゾリジン-1-イル基、2-イミダゾリン-1-イル 、3-イミダゾリン-1-イル基、4-イミダゾリン- 1-イル基、3-メチル-4-イミダゾリン-1-イル基 2-イミノ-4-イミダゾリン-1-イル基、2-イミノ- 3-メチル-4-イミダゾリン-1-イル基、2-イミノ-3 -エチル-4-イミダゾリン-1-イル基、2-イミノ-3- イソプロピル-4-イミダゾリン-1-イル基、1-イ ダゾリル基、2-メチルイミダゾール-1-イル 、2-ニトロイミダゾール-1-イル基、4-ニトロ ミダゾール-1-イル基、1,2,3-トリアゾール-1- ル基、1,2,4-トリアゾール-1-イル基、3-ニト -1,2,4-トリアゾール-1-イル基、ピペリジノ基 1-ピペラジル基、4-メチルピペラジン-1-イル 基、モルホリノ基、1-ペルヒドロアゼピニル 、1-ペルヒドロアゾシニル基等が挙げられ 好ましくは1-アゼチジニル基、1-ピロリジニ 基、2-イミノピロリジン-1-イル基、2-イミノ イミダゾリジン-1-イル基、2-イミノ-3-メチル ミダゾリジン-1-イル基、2-イミノ-3-エチル ミダゾリジン-1-イル基、2-イミノ-3-イソプロ ピルイミダゾリジン-1-イル基、2-イミダゾリ -1-イル基、2-イミノ-3-メチル-4-イミダゾリ -1-イル基、2-イミノ-3-エチル-4-イミダゾリン -1-イル基、1-イミダゾリル基が挙げられる。

 R 2 の窒素原子上の水素原子が低級アルキル基で 置換されていてもよいアミジノチオ基は、ア ミジノ基の窒素原子上の3個の水素原子のう 1~3個が上記低級アルキル基で置換されてい もよいものであり、特に、アミジノチオ基 N 1 -メチルアミジノチオ基及びN 1 ,N 2 -ジメチルアミジノチオ基が好ましい。

 窒素原子上の水素原子が低級アルキル基 はシアノ基で置換されていてもよいグアニ ノ基としては、グアニジノ基の4個の水素原 子のうちの1~4個が上記低級アルキル基又はシ アノ基で置換されていてもよいもので、特に 1-グアニジノ基、1-メチルグアニジノ基、3-メ チルグアニジノ基、2,3-ジメチルグアニジノ 及び2-シアノ-3-メチルグアニジノ基が好まし い。

 低級アルキルアミジノ基はアミジノ基に 記低級アルキル基が結合しているものであ 、このうちアセトアミジノ基が好ましい。

 窒素原子上の水素原子が低級アルキル基 置換されていてもよいアミノ基としては、 ミノ基の2個の水素原子のうち1個又は2個が 記低級アルキル基で置換されていてもよい のであり、中でもアミノ基、N-メチルアミ 基、N,N-ジメチルアミノ基、N-エチルアミノ 、N,N-ジエチルアミノ基、N-プロピルアミノ 及びN-イソプロピルアミノ基が好ましい。

 -CH 2 N(R a )R b で示される基としては、N-メチルアミノメチ 基、N,N-ジメチルアミノメチル基及び1-ピロ ジニルメチル基が好ましい。

 -NH-(CH 2 ) m -Zで示される基としては、N,N-ジメチルヒドラ ジノ基、N-(2-アミノエチル)アミノ基、N-(2-(N,N -ジメチル)アミノエチル)アミノ基、N-(3-アミ プロピル)アミノ基及びN-(2-シアノエチル)ア ミノ基が好ましい。

 -NR c (CH 2 ) n -OHで示される基としては、N-(2-ヒドロキシエ ル)-N-メチルアミノ基、N-(3-ヒドロキシプロ ル)アミノ基及びN-(4-ヒドロキシブチル)アミ ノ基が好ましい。

 -X-Yで示される基としては、2-イミダゾリ -2-チオ基、2-イミダゾリン-2-アミノ基、イ ダゾール-2-チオ基、1-メチルイミダゾール-2- チオ基、1,2,4-トリアゾール-3-チオ基、ピリミ ジン-2-チオ基及びベンズイミダゾール-2-チオ 基が好ましい。

 窒素原子上の水素原子が低級アルキル基 置換されていてもよいウレイド基又はチオ レイド基としては、ウレイド基及び3-メチ チオウレイド基が好ましい。

 一般式(1)中、R 2 で示される基としては、低級アルキル基、イ ミノ基、水酸基、ヒドロキシメチル基、メタ ンスルホニルオキシ基、アミノ基若しくはニ トロ基で置換されていてもよく、窒素原子を 1~3個含有する4~8員の複素環基;窒素原子上の 素原子が低級アルキル基で置換されていて よいアミジノチオ基;窒素原子上の水素原子 低級アルキル基若しくはシアノ基で置換さ ていてもよいグアニジノ基又は低級アルキ アミジノ基が好ましい。

 また、R 2 で示される基のうち、好ましいものの具体例 としては、1-アゼチジニル基、1-ピロリジニ 基、2-イミノピロリジン-1-イル基、2-イミノ ミダゾリジン-1-イル基、2-イミノ-3-メチル ミダゾリジン-1-イル基、2-イミノ-3-エチルイ ミダゾリジン-1-イル基、2-イミノ-3-イソプロ ルイミダゾリジン-1-イル基、2-イミダゾリ -1-イル基、2-イミノ-3-メチル-4-イミダゾリン -1-イル基、2-イミノ-3-エチル-4-イミダゾリン- 1-イル基、1-イミダゾリル基、アミジノチオ 、N 1 -メチルアミジノチオ基、N 1 ,N 2 -ジメチルアミジノチオ基、1-グアニジノ基、 1-メチルグアニジノ基、3-メチルグアニジノ 、2,3-ジメチルグアニジノ基及びアセトアミ ノ基が挙げられる。

 一般式(1)で表わされるウラシル化合物とし は、R 1 が塩素原子、臭素原子又はシアノ基であり、 R 2 が1-ピロリジニル基、1-アゼチジニル基、2-イ ミノピロリジン-1-イル基、2-イミノイミダゾ ジン-1-イル基、1-イミダゾリル基、アミジ チオ基又は1-グアニジノ基であるものが好ま しい。

 一般式(1)で表わされるウラシル化合物の としては、薬学的に許容される塩であれば に制限されないが、薬学的に許容される酸 作用させた酸付加塩が好ましい。この酸付 塩としては、例えば塩酸、硫酸、リン酸、 化水素酸等の無機酸との塩;シュウ酸、マレ イン酸、フマール酸、リンゴ酸、酒石酸、ク エン酸、安息香酸、酢酸、p-トルエンスルホ 酸、メタンスルホン酸等の有機酸との塩が 示できるが、塩酸又はp-トルエンスルホン との塩が好ましい。

 一般式(1)で表わされるウラシル化合物又 その塩の特に好ましい具体例としては、5- ロロ-6-(2-イミノピロリジン-1-イル)メチル-2,4 (1H,3H)-ピリミジンジオン塩酸塩、5-クロロ-6-(2 -イミノピロリジン-1-イル)トシル酸塩が挙げ れる。

 一般式(1)で表わされるウラシル化合物又 その塩は、通常公知の製法により製造する とができ、例えば、特許3088757号公報に記載 の製法により製造できる。

 本発明のチミジンホスホリラーゼ阻害剤と ての抗体は、チミジンホスホリラーゼに結 するものであれば、モノクローナル抗体で ってもポリクローナル抗体であってもよく また、Fab、Fab’、F(ab’) 2 、Fv、scFv等の抗体断片でもよい。かかる抗体 断片は、例えば、パパイン等により抗体を消 化するか、又はこれら抗体断片をコードする 遺伝子を構築し、これを発現ベクターに導入 した後、適当な宿主細胞で発現することによ り得られうる。

 本発明のチミジンホスホリラーゼ阻害剤 しての抗体は、特に由来に制限はなく、マ ス抗体、ラット抗体、ウサギ抗体、ヒツジ 体、ヒト抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体等 適宜用いることができる。

 本発明のチミジンホスホリラーゼ阻害剤 しての抗体は、通常公知の免疫学的手法に り製造でき、例えば、Biol Pharm Bull.1996 Nov; 19(11):1407-11.に記載の製法により製造できる。

 本発明のチミジンホスホリラーゼ阻害剤 、後述する実施例の通り、関節リウマチ、 胱炎、急性胃炎、慢性胃炎、肝炎の予防又 治療において有用である。更に、本発明の ミジンホスホリラーゼ阻害剤は、炎症反応 中心的役割をはたすことが知られているIL-6 の産生を抑制できたことから、上記疾患のみ ならず、炎症性疾患全般に対して予防又は治 療が可能である。

 本発明における「炎症性疾患」としては TPを発現している炎症反応を伴う疾患であ ば特に制限はなく、関節リウマチ、膀胱炎( 質性膀胱炎、急性又は慢性膀胱炎、出血性 胱炎、放射線性膀胱炎、膀胱結核)、急性又 は慢性胃炎、全身型若年性突発性関節炎、キ ャッスルマン病、全身型エリテマトーデス、 強直性脊椎炎、乾癬、強皮症、シェーグレン 症候群、アトピー性皮膚炎、腹膜炎、喘息、 慢性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患、肺炎、ア レルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、慢性 肺炎症性疾患、多発性硬化症、結節性多発性 動脈炎、ヴェグナー肉芽腫、アテローム性動 脈硬化症、移植拒絶反応、若年発症I型糖尿 、糸球体腎炎、慢性腎炎、ブドウ膜炎、ベ チェット病、肝炎(急性肝炎、慢性肝炎を含 )などが例示でき、このうち関節リウマチ、 膀胱炎(間質性膀胱炎、急性又は慢性膀胱炎 出血性膀胱炎、放射線性膀胱炎、膀胱結核) 急性又は慢性胃炎、肝炎が好ましく、関節 ウマチ、間質性膀胱炎、急性胃炎、肝炎が に好ましい。

 本発明における炎症性疾患の「治療」に 、炎症性疾患を治癒させることだけではな 、炎症性疾患に伴う症状を軽減することを む。

 本発明の炎症性疾患の予防又は治療剤は 本発明のチミジンホスホリラーゼ阻害剤と 薬的に許容される担体を用い、通常公知な 剤方法により各種投与形態として製造する とができる。かかる投与形態としては特に 限はなく、錠剤、被覆錠剤、丸剤、散剤、 粒剤、カプセル剤、液剤、縣濁剤、乳剤等 経口剤;注射剤、坐剤等の非経口剤などが例 示できる。

 錠剤の形態に成形するに際しては、担体 して、例えば乳糖、白糖、塩化ナトリウム ブドウ糖、尿素、デンプン、炭酸カルシウ 、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸等の 形剤;水、エタノール、プロパノール、コー ンスターチ、単シロップ、ブドウ糖液、デン プン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセ ルロース、セラック、メチルセルロース、ヒ ドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプ ロピルメチルセルロース、リン酸カリウム、 ポリビニルピロリドン等の結合剤;乾燥デン ン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、 ミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カ シウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂 酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、 テアリン酸モノグリセリド、乳糖等の崩壊 ;白糖、ステアリン酸、カカオバター、水素 加油等の崩壊抑制剤;第4級アンモニウム塩 ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤;グ セリン、デンプン等の保湿剤;デンプン、乳 糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケ イ酸等の吸着剤;精製タルク、ステアリン酸 、ホウ酸末、ポリエチレングリコール等の 沢剤などを使用できる。更に、錠剤は必要 応じ通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣 、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコ ティング錠、二重錠、多層錠等とすること できる。

 丸剤の形態に成形するに際しては、担体 して、例えばブドウ糖、乳糖、デンプン、 カオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等 賦形剤;アラビアゴム末、トラガント末、ゼ ラチン、エタノール等の結合剤;ラミナラン カンテン等の崩壊剤などを使用できる。カ セル剤は常法に従い、上記で例示した各種 担体と混合して硬質ゼラチンカプセル、軟 カプセル等に充填して調製される。

 経口用液体製剤とする場合は、矯味剤、緩 剤、安定化剤、矯臭剤等を用い、常法によ 、内服液剤、シロップ剤、エリキシル剤等 製造することができる。この場合、矯味剤 しては、白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸等 、緩衝剤としては、クエン酸ナトリウム等 、安定化剤としてはトラガント、アラビア ム、ゼラチン等が挙げられる。
 坐剤の形態に成形するに際しては、担体と て、例えばポリエチレングリコール、カカ 脂、高級アルコール、高級アルコールのエ テル類、ゼラチン、半合成グリセライド等 使用できる。

 注射剤とする場合、液剤、乳剤及び懸濁 は殺菌され、且つ血液と等張であるのが好 しく、これらの形態に成形するに際しては 希釈剤として、例えば水、乳酸水溶液、エ ルアルコール、プロピレングリコール、マ ロゴール、エトキシ化イソステアリルアル ール、ポリオキシエチレン化イソステアリ アルコール、ポリオキシエチレンソルビタ 脂肪酸エステル類等を使用できる。

 尚、この場合、等張性の溶液を調製する 充分な量の食塩、ブドウ糖又はグリセリン 医薬製剤中に含有せしめてもよく、また通 の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤等を添加 てもよい。更に上記各製剤には必要に応じ 着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等 、他の医薬品を配合してもよい。

 本発明の炎症性疾患の予防又は治療剤に ける投与方法は特に限定させず、各種投与 態、患者の年齢、性別その他の条件、患者 症状の程度等に応じて適宜決定される。例 ば錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤 液剤、縣濁剤及び乳剤は経口投与される。 射剤は単独で又はブドウ糖、アミノ酸等の 常の補液と混合して静脈内投与され、更に 要に応じて単独で動脈内、筋肉内、皮内、 下もしくは腹腔内投与される。坐剤は直腸 投与される。

 本発明の炎症性疾患の予防又は治療剤に ける有効成分の投与量は、用法、患者の年 、性別その他の条件、疾患の程度等により 宜選択できる。例えば、一般式(1)で表わさ るウラシル化合物又はその塩を有効成分と る場合、その投与量は、0.01~100mg/kg/日程度 好ましくは0.1~100mg/kg/日程度の範囲となる量 目安とするのがよい。

 以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細 説明するが、本発明はこれらに限定される のではない。

実施例1(塩酸誘発ラット膀胱炎モデルでの作 )
 膀胱炎モデルである塩酸誘発膀胱炎ラット 対し5-クロロ-6-(2-イミノピロリジン-1-イル) チル-2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン塩酸塩(以下 、「TPI」と称す)(5、50、100mg/kg)を連日7日間経 口投与し、膀胱機能に対する作用を検討した 。
 10週齡のSDラットを体重による群分け後(n数: 6)、Control群、TPI各投与群にペントバルビター ル(50mg/kg、i.p.)麻酔下で、1回のみ膀胱内に0.4N  HClを0.2mL膀胱内注入しモデルを惹起した。 お、Sham群においては生理食塩液を0.2mL膀胱 注入した。モデル作製翌日よりSham群及びCont rol群には注射用蒸留水(5mL/kg)を、TPI各投与群 はTPI(5、50、100mg/kg)をそれぞれ含有する注射 用蒸留水(5mL/kg)を一日一回連日7日間強制経口 投与した。各群について最終投与翌日にBJU I nt.2007 Oct;100(4):935-9.に記載の方法に準じて麻 下シストメトリー法にて膀胱機能測定(排尿 間隔及び一回排尿量)した。測定結果を図1に す。
 Control群では排尿間隔の短縮、一回排尿量と 有効膀胱容量の低下及び残尿量の増大が認め られた。TPI投与群では投与量依存的にこれら の評価項目を改善した。以上から、TPIは、間 質性膀胱炎の治療に有用である。

実施例2(塩酸誘発ラット間質性膀胱炎モデル の作用)
 間質性膀胱炎モデルである塩酸誘発膀胱炎 ットに対しTPI(50、500mg/kg)を連日7日間経口投 与し、膀胱組織病理組織学的改善作用につい て検討した。
 10週齡のSDラットを体重による群分け後(n数: 6)、Control群、TPI各投与群にペントバルビター ル(50mg/kg、i.p.)麻酔下で、1回のみ膀胱内に0.4N  HClを0.2mL注入し、モデルを惹起した。なお Sham群においては生理食塩液を0.2mL膀胱内注 した。モデル作製翌日より、Sham群及びControl 群には注射用蒸留水(5mL/kg)を、TPI各投与群に TPI(50、500mg/kg)をそれぞれ含有する注射用蒸 水(5mL/kg)を一日一回連日7日間経口投与を行 た。各群について最終投与翌日にエーテル 酔下に、膀胱摘出し、生理食塩水にて洗浄 行い、その後、20%緩衝ホルマリン及び10%緩 ホルマリンにて固定し、HE染色により膀胱 組織学的変化を観察した。測定結果を表1に す。なお、組織学的変化の評価基準として 、移行性上皮の肥大及び増殖、固有層にお る肥満細胞及び好酸球の浸潤、浮腫の発生 筋層への肥満細胞、好酸球浸潤、浮腫の発 をそれぞれ3段階で評価した。

 TPIは50及び500mg/kgの用量で移行上皮の肥厚 と固有層の浮腫、線維芽細胞膨化と炎症性細 胞浸潤、更に筋肉層の間質性浮腫と炎症性細 胞浸潤を改善した。以上から、TPIは、間質性 膀胱炎の治療に有用である。

実施例3(マウス・コラーゲン関節炎モデルで TPI投与による作用)
 リウマチモデルであるコラーゲン関節炎マ スに対しTPI(250、500mg/kg)を連日14日間経口投 し、マウス四肢の浮腫に対する作用につい 検討した。
 関節リウマチ疾患モデルとしてマウスDBA/A1 統を用いたII型コラーゲン誘発関節炎モデ を使用した。すなわち、day1において、100μL ロイントの完全アジュバント(difco)に懸濁し た200μgのウシ関節由来Type2コラーゲン(K42)(コ ーゲン技術研修会)を8週齢のマウス(DBA/1JN m ice、日本チャールス・リバー(株))の背部皮内 に対して投与した。更にday21において、100μL ロイントの完全アジュバントに懸濁した200 gのウシ関節由来Type2コラーゲン(K42)を尾部付 近の皮内へ投与しモデルを惹起した。
 TPI各投与群には、TPI(250及び500mg/kg/day)をday21 ~40に1日1回連日経口投与した。Control群には、 TPIに代えて溶媒(0.5%HPMC水溶液)を設定し、TPI 投与群と同様のスケジュールで投与した。 た、対照薬としてプレドニゾロン(3mg/kg/day) 設定し、TPI各投与群と同様のスケジュール 投与した。

 判定はday42(最終投与日の翌日)に実施した 。評価基準として、1肢について、0点:変化無 し、1点:指1本の発赤、腫脹、2点:指2本以上の 発赤、腫脹あるいは甲のみの発赤、3点:甲の 脹、4点:全指の腫脹かつ手足首におよぶ腫 の4段階でスコア化し、4肢すべてのスコアを 合計したものを用いた(最高16点)。測定結果 図2に示す。

 Arthritis Scoreの推移は、2次免疫後11~14日が 最高の浮腫が認められた、これに対しTPIの500 mg/kg投与群は11日及び14日に有意に抑制した。 以上から、TPIは、関節リウマチの治療に有用 である。

実施例4(ラット塩酸誘発急性胃炎モデルでの 用)
 急性胃炎モデルであるラット塩酸誘発潰瘍 デルに対し、TPI(100及び200mg/kg)を単回経口投 与し、粘膜傷害抑制作用を評価した。
 7週齢雌のSDラット(日本チャールス・リバー (株))を約18時間絶食した後、TPI各投与群には TPI(100及び200mg/kg)を経口投与し、投与30分後 0.6N塩酸(5mL/kg)を経口投与した。Control群には 、0.6N塩酸(5mL/kg)のみを経口投与した。塩酸投 与1時間後、頸椎脱臼により安楽死させ、胃 摘出した。1%ホルマリン緩衝液により組織固 定後、大弯部より切開し、傷害部の長径(mm) 電子ノギスで計測し、総計を指標として、 粘膜傷害の程度を評価した。測定結果を図3 示す。
 Control群では、胃粘膜傷害が120.4±8.5mm発生し た。TPI(100mg/kg)投与群では、63.0±14.3mmと有意 減少したが、TPI(200mg/kg)投与群では76.1±18.3mm 有意な差には至らなかった。以上から、TPI 、急性胃炎の治療に有用である。

実施例5(肝炎モデルでの作用)
 肝炎モデルである肝炎コンカナバリンA(Conca navalinA)誘発肝炎モデルに対し、TPI(100mg/kg)を 回経口投与し、肝炎抑制作用を評価した。
 6週齢雌のC57BL/6NCrlCrljマウス(日本チャール ・リバー(株))に、TPI各投与群には、TPI(100mg/k g)を経口投与し、投与30分後に2mg/mL Concanavalin A(150μL/animal)を尾静脈静脈内投与した。Control には、TPIに変えて媒体のみを経口投与した ConcanavalinA投与24時間後、ジエチルエーテル 酔下に、後大静脈腹部より採血した。採血 た血清中のALT及びAST値(IU/L)を肝障害の指標 して測定した。測定結果を図4に示す。
 Control群では、ASTが4506±864、ALTが6130±800上昇 した。TPI(100mg/kg)投与群ではASTが1540±477、ALT 2538±755と有意に減少した。以上から、TPIは 肝炎の治療に有用である。

実施例6(ヒト白血病細胞由来U937のIL-6産生に するチミジンの作用とTP阻害作用を有する化 合物のIL-6産生抑制作用)
 10%FBSのRPMI1640培地(シグマ アルドリッチ(株) )を用い5%CO 2 、37℃の条件下で培養した、ヒト単球系細胞 U937を用いた。24wellプレートに1×10 5 個のU937を10ng/mL Phorbol-12-myristate-13-acetate(起炎 物質、以下、PMA)と10μmol/L チミジンを両方添 加した培地を用いて24時間培養し、炎症反応 惹起させた。24時間後、培地を新しい培地 交換し、薬剤添加群では、TUPI又はTPIを添加 た。添加48時間後、BioPlex(日本バイオラッド (株))を用い、培養上清中のIL-6を定量した。 定結果を図5に示す。
 その結果、TUPI又はTPIを添加した群では、Con trol群と比べ、IL-6量を顕著に抑制した。以上 ら、TPIは、IL-6の産生抑制作用を有すること が明らかになった。