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Patent Searching and Data


Title:
PULSE SIGNAL GENERATOR, ROTATING MACHINE, CONTROLLER AND POWER WINDOW CONTROLLER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/078118
Kind Code:
A1
Abstract:
A magnetic path is formed by a magnetic detector (24) or (26) (more specifically, a magnetic wire (70)), the magnetic pole of a magnet (22), and a rotating shaft (20) as a motor rotates. Since the magnetic wire (70) consists of a magnetic body which may cause a great Barkhausen jump, the direction of a magnetic field forming a magnetic path is switched steeply every time when the magnetic pole facing each magnetic detector is switched depending on rotation of the motor, and a pulse signal dependent on the switching is outputted from the magnetic detector. Since the direction of magnetization of the magnetic wire (70) is switched by variation in magnetic flux density received from the magnet (22), an induction electromotive force is generated by variation in magnetic flux received by a detection coil and a pulse signal can be outputted from the magnetic detector with no power supply.

Inventors:
TATEGAMI TORU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/003131
Publication Date:
June 25, 2009
Filing Date:
October 31, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MABUCHI MOTOR CO (JP)
TATEGAMI TORU (JP)
International Classes:
G01B7/00; E05F15/60; G01D5/245; H03K3/45; G01P3/481; H02P6/06; H02P6/08; H02P6/17
Foreign References:
JP2006352608A2006-12-28
JPH08181575A1996-07-12
JP2002026698A2002-01-25
JPH11107624A1999-04-20
JP3673413B22005-07-20
Other References:
See also references of EP 2224592A4
Attorney, Agent or Firm:
MORISHITA, Sakaki (Ebisu-Nishi Shibuya-k, Tokyo 21, JP)
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Claims:
 回転体の回転に応じてパルス信号を発生するパルス信号発生装置において、
 前記回転体の回転軸に固定されたマグネットと、
 大バルクハウゼンジャンプを起こしうる磁性体からなる磁性素子と、その磁性素子に巻回された検出コイルとを含み、前記回転体の回転に伴って前記マグネットが近傍を通過するときにパルス信号を出力する磁気検出器と、を備え、
 前記磁気検出器の磁性素子と、その磁性素子に対向配置される前記マグネットの一方の磁極と、前記回転軸とにより磁路が形成されるよう、これら磁性素子、磁極および回転軸の位置決めがなされていることを特徴とするパルス信号発生装置。
 前記磁気検出器が、前記回転軸の周方向に対して所定の間隔で複数配置されていることを特徴とする請求項1に記載のパルス信号発生装置。
 前記磁性素子が前記回転軸と所定の間隔をもって並設されており、前記マグネットに対して長手方向にずれるように対向配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のパルス信号発生装置。
 前記磁性素子の一端が他端より前記マグネットに近接するように配置されていることを特徴とする請求項3に記載のパルス信号発生装置。
 前記磁性素子の他端が前記一端よりも前記回転軸に近接するように配置されていることを特徴とする請求項4に記載のパルス信号発生装置。
 回転軸の回転に応じてパルス信号を発生するパルス信号発生部を含む回転機において、
 前記パルス信号発生部は、
 前記回転軸に固定されたマグネットと、
 大バルクハウゼンジャンプを起こしうる磁性体からなる磁性素子と、その磁性素子に巻回された検出コイルとを含み、前記回転軸の回転に伴って前記マグネットが近傍を通過するときにパルス信号を出力する磁気検出器と、を備え、
 前記磁気検出器の磁性素子と、その磁性素子に対向配置される前記マグネットの一方の磁極と、前記回転軸とにより磁路が形成されるよう、これら磁性素子、磁極および回転軸の位置決めがなされていることを特徴とする回転機。
 前記磁気検出器と、その磁気検出器から出力されるパルス信号を処理する回路とが実装された回路基板をさらに備え、
 前記回路基板が、前記回転軸を回転可能に支持するボディに組み付けられていることを特徴とする請求項6に記載の回転機。
 モータの回転特性を取得し、その回転特性に基づいて前記モータを駆動することにより制御対象を制御する制御装置において、
 前記モータの回転軸に固定されたマグネットと、
 大バルクハウゼンジャンプを起こしうる磁性体からなる磁性素子と、その磁性素子に巻回された検出コイルとを含み、前記モータの回転に伴って前記マグネットが近傍を通過するときにパルス信号を出力する磁気検出器と、を備え、
 前記磁気検出器から出力されるパルス信号を処理して出力する回路と、
 前記回路からの出力信号に基づいて前記回転特性を算出する演算部と、
 算出された回転特性に基づいて前記モータを駆動制御する制御部と、を備え、
 前記磁気検出器の磁性素子と、その磁性素子に対向配置される前記マグネットの一方の磁極と、前記回転軸とにより磁路が形成されるよう、これら磁性素子、磁極および回転軸の位置決めがなされていることを特徴とする制御装置。
 モータの回転制御によりレギュレータを駆動して車両のドアガラスを開閉動作させるパワーウィンド制御装置において、
 前記モータの回転軸に固定されたマグネットと、
 大バルクハウゼンジャンプを起こしうる磁性体からなる磁性素子と、その磁性素子に巻回された検出コイルとを含み、前記モータの回転に伴って前記マグネットが近傍を通過するときにパルス信号を出力する磁気検出器と、
 前記磁気検出器から出力されるパルス信号を処理して出力する回路と、
 前記回路からの出力信号に基づいて前記モータの回転速度を算出する演算部と、
 前記モータの回転速度に応じて予め設定した制御モードへ移行し、前記モータの回転制御を実行する制御部と、を備え、
 前記磁気検出器の磁性素子と、その磁性素子に対向配置される前記マグネットの一方の磁極と、前記回転軸とにより磁路が形成されるよう、これら磁性素子、磁極および回転軸の位置決めがなされていることを特徴とするパワーウィンド制御装置。
 前記制御部は、非制御時に前記回路から信号が出力された場合、予め設定された制御モードを実行することを特徴とする請求項9に記載のパワーウィンド制御装置。 
Description:
パルス信号発生装置、回転機、 御装置およびパワーウィンド制御装置

 本発明は、回転体の回転に応じてパルス 号を発生する装置、およびそのパルス信号 検出して制御を行う装置に関する。

 車両に搭載されるパワーウィンド制御装 は、モータを駆動してガラス昇降機構を動 させることによりドアガラスを所望の位置 昇降させる。そのモータの回転数からドア ラスの昇降位置が算出できるため、制御部 、常にそのモータの回転状態を検出しつつ 御を行っている(例えば特許文献1参照)。

 このモータの回転状態は、モータの回転軸 設けられた回転検出センサにより検出され 。この回転検出センサは、例えばその回転 上にN極およびS極が対向配置されたマグネ トと、その周囲に配置されたホール素子と 含んで構成される。モータの回転軸ととも マグネットが回転することにより、ホール 子から磁束密度に比例したパルス状の検出 号(ホール電圧)が出力される。この検出信号 のパルス間隔からモータの回転周期を算出す ることにより、その回転速度を取得すること ができる。その場合、例えば1つのマグネッ に対して2つのホール素子を互いに位相をず して配置し、両ホール素子から出力される 出信号のオン・オフ状態を比較すれば、モ タの回転方向を検出することもできる。

特開平11-107624号公報

 ところで、このような回転検出センサを 能させるためには、ホール素子に常に電源 供給しておく必要がある。しかしながら、 電力化の観点から、車両のエンジンが停止 れるとホール素子への給電もカットされる が一般的である。このため、例えば車上ね いなどの防犯対策のために駐車中にドアガ スに外的負荷が加わった場合にこれを検知 たい、といった要請に応えることができな 。このような要請に応えるためには、回転 出センサを無電源でも作動させる必要があ 。また、その場合には装置構成を低コスト て実現できるのが好ましい。

 このような問題は、車両のパワーウィン のみならず、例えばスライティングルーフ あるいは自動ドアやシャッタなど、モータ 駆動され、そのモータの回転数を回転検出 ンサにより検出しつつ駆動制御が行われる 置には同様に見受けられる。また、無電源 の回転検出を低コストに実現することは、 ータに限らず発電機等の回転機その他の回 体についてもメリットとなりうる。

 本発明はこのような問題に鑑みてなされ ものであり、回転体の回転検出のための装 を無電源で、しかも低コストに実現可能に ることを目的とする。

 上記課題を解決するために、本発明のあ 態様は、回転体の回転に応じてパルス信号 発生するパルス信号発生装置において、回 体の回転軸に固定されたマグネットと、磁 素子とその磁性素子に巻回された検出コイ とを含み、回転体の回転に伴ってマグネッ が近傍を通過するときにパルス信号を出力 る磁気検出器と、を備える。磁気検出器の 性素子と、その磁性素子に対向配置される グネットの一方の磁極と、回転軸とにより 路が形成されるよう、これら磁性素子、磁 および回転軸の位置決めがなされている。

 ここでいう「磁性素子」は鉄心等の磁芯 あってもよいが、好ましくは大バルクハウ ンジャンプを起こしうる磁性体からなるも がよい。磁性素子は、棒状など長尺状の磁 部材からなるものでもよいし、磁性ワイヤ どからなるものでもよい。回転軸は強磁性 からなるものが好ましい。

 この態様によると、回転体の回転に応じ 磁性素子とこれに対向する磁極と回転軸と より磁路が形成される。このため、回転体 回転に応じて磁性素子に対向する磁極が切 替わるごとに磁路を形成する磁界の方向が り替わり、磁気検出器からその切り替わり 応じたパルス信号が出力される。すなわち 磁性素子がマグネットから受ける磁束密度 変化によってその磁化方向が切り替わるた 、検出コイルが受ける磁束の変化による誘 起電力が発生する。このため、磁気検出器 らは無電源にてパルス信号の出力が可能に る。また、回転体の回転軸が磁路の一部を 成するため、バイアス用のマグネットを別 設けたり、あるいは交番磁界を発生させる めの一対の磁石を設けたりするといった必 がなく、装置構成が簡素になり、低コスト 実現することができる。

 本発明によれば、回転体の回転検出のた の装置を無電源で低コストに実現できる。

実施例に係るパワーウィンド制御装置 概略構成を表す図である。 モータの具体的構成を表す斜視図であ 。 モータの本体の構成を表す斜視図であ 。 回転検出センサの構成を表す斜視図で る。 磁気検出器の構成を表す斜視図である 回路基板上に構成されるパルス変換回 を表す図である。 モータの回転検出部の概略構成を表す である。 モータの回転周期の算出方法を表す説 図である。

符号の説明

 2 ドアガラス、 4 レギュレータ、 6 モ ータアクチュエータ、 8 制御ユニット、 10  モータ、 12 モータ駆動回路、 14 回転検 センサ、 20 回転軸、 22 マグネット、 24  磁気検出器、 26 磁気検出器、 30 マイコ 、 32 電源回路、 34 スイッチ入力回路、 36 通信回路、 42 PWスイッチ、 50 ハウジ グ、 52 ブラケット、 54 円筒ギヤ、 56  気シールド板、 60 ホルダ、 62 回路基板  64 本体、 66 支持部、 68 テーパ面、 70 磁性ワイヤ、 72 検出コイル、 74 端子、  76 端子、 78 ケース。

 本発明の一実施形態は、回転体の回転に じてパルス信号を発生するパルス信号発生 として構成される。このパルス信号発生装 は、回転体の回転軸に固定されたマグネッ と、磁性素子とその磁性素子に巻回された 出コイルとを含み、回転体の回転に伴って グネットが近傍を通過するときにパルス信 を出力する磁気検出器とを備える。磁気検 器の磁性素子と、これに対向配置されるマ ネットの一方の磁極と、回転軸とにより磁 が形成されるよう、これら磁性素子、磁極 よび回転軸の位置決めがなされている。

 磁気検出器は、回転軸の周方向に対して 定の間隔で複数配置されていてもよい。こ ように構成すれば、各磁気検出器から出力 れる複数のパルス信号の状態を比較するこ により、回転体の回転方向を検出すること できる。

 磁性素子は、回転軸に対して所定の間隔 もって並設され、マグネットに対して長手 向にずれるように対向配置されるのが好ま い。磁性素子の長手方向中央位置がマグネ トとの対向位置からずれるようにすること 、磁性素子、磁極および回転軸による磁路 一方向に確定し、安定に形成されるように る。

 その場合、磁性素子の一端が他端よりマ ネットに近接するように配置されると、マ ネットからの磁束が磁性素子に効率よく導 れ、マグネット、磁性素子および回転軸に まれる磁気回路が形成されやすくなる。

 さらに、磁性素子の他端が一端よりも回 軸に近接するように配置されていると、磁 素子と回転軸との磁気ギャップが小さくな 、安定した磁路を形成することができる。

 磁性素子は、大バルクハウゼンジャンプ 起こしうる磁性体からなるものが好ましい その場合、磁性素子は磁性ワイヤとして構 されていてもよい。ここでいう「大バルク ウゼンジャンプを起こしうる磁性素子」と 、マグネットから受ける磁束密度が所定値 超えたときに急激な磁化状態の反転を発生 せる素子であり、無電源で動作できる。こ ため、低消費電力が要求される装置に効果 に組み込むことができる。

 なお、「大バルクハウゼンジャンプを起 しうる磁性素子」の動作原理については、 えば特許第3673413号公報にも記載のように公 知である。ここでは、そのような磁性素子と して、強磁性体を線引きして得られた強磁性 体ワイヤにひねり応力を加えて形成した磁性 ワイヤを用いることができる。この磁性ワイ ヤは、中心部から外周部へいくほど多くひね られた結果、外周部と中心部で磁気特性が異 なり、中心部が外周部よりも大きな磁界によ ってその磁化方向を変える。すなわち、外部 磁界の大きさによっては外周部の磁化方向が 変わっても中心部の磁化方向が変わらない状 態が存在し、その外部磁界の強さがある臨界 強度を超えたときに磁性ワイヤ全体として磁 化方向が急激に反転する。「大バルクハウゼ ンジャンプ」は、このように磁化状態が急激 に反転する現象であり、その現象を利用する ことにより、急峻なパルス状の出力信号(電 信号)を得ることができる。したがって、回 体の回転速度が低い状態であってもパルス 確実にとらえることができ、回転検出の精 を確保することができる。なお、「大バル ハウゼンジャンプを起こしうる磁性素子」 ついては、このようなワイヤ状の磁性素子 限らず、薄膜状、厚膜状その他の形状で同 の挙動を示す他の種々な磁性素子を使用す ことができる。

 以上に述べたパルス信号発生装置は、回 軸の回転に応じてパルス信号を発生するモ タや発電機などの回転機に、パルス信号発 部として組み込むことができる。その場合 上記磁気検出器とそのパルス信号を処理す 回路とが実装された回路基板を、回転機の ディに組み付けるように構成してもよい。 るいは、回転機を含むアクチュエータのボ ィにその回路基板を組み付けるようにして よい。回転機の制御装置が別途設けられて る場合には、その制御装置内にその回路基 を設置してもよい。

 また、モータの回転特性を取得し、その 転特性に基づいて前記モータを駆動するこ により制御対象を制御する制御装置に対し このパルス信号発生装置の機能を組み込ん もよい。ここでいう「回転特性」は、モー の回転数、回転速度、回転周期、あるいは 転周波数などを含みうる。その制御装置は 磁気検出器から出力されるパルス信号を処 して出力する回路と、その回路からの出力 号に基づいてモータの回転特性を算出する 算部と、算出された回転特性に基づいてモ タを駆動制御する制御部とを備えるもので よい。例えばパワーウィンド、スライティ グルーフ、あるいは自動ドアやシャッタな 、モータに駆動され、そのモータの回転数 回転検出センサにより検出しつつ駆動制御 行われる装置の制御装置として構成されて よい。その制御装置は、上記回路からの出 信号に基づいてモータの回転速度を算出し その回転速度に応じて予め設定した制御モ ドへ移行して、モータの回転制御を実行す ものでもよい。パワーウィンド制御装置と て構成された場合、その制御部は、非制御 にもかかわらず信号が出力された場合に、 め設定された制御モードを実行するように てもよい。この制御モードは、例えば外部 荷によりドアガラスが開方向に強制的に動 された場合に所定の閉動作をさせるような キュリティモードであってもよい。

 以下、図面を参照しつつ本発明を具体化 た実施例について詳細に説明する。以下の 施例は、本発明のパルス信号発生装置の機 をパワーウィンド制御装置に組み込んで具 化したものである。

[実施例]
 図1は、実施例に係るパワーウィンド制御装 置の概略構成を表す図である。説明の便宜上 、同図には運転席に設けられたパワーウィン ド制御装置が示されている。 
 本実施例のパワーウインド制御装置は、車 のドアガラス2を昇降させるレギュレータ4 駆動制御するものであり、そのレギュレー 4を駆動するモータアクチュエータ6と、モー タアクチュエータ6を駆動する制御ユニット8 備える。

 モータアクチュエータ6は、レギュレータ 4を駆動するモータ10、そのモータ10を駆動す モータ駆動回路12、モータ10の回転状態を検 出する回転検出センサ14を含む。モータ10は その回転軸が減速ギヤを介してレギュレー 4の図示しないアームに接続されており、正 によりアームを伸長させてドアガラス2を閉 じる方向に上昇させ、逆転によりアームを縮 小させてドアガラス2を開く方向に下降させ 。

 モータ駆動回路12は、制御ユニット8から 指令信号に基づいてオン・オフ動作を行う 数のリレー回路を含む。各リレー回路はト ンジスタを備えており、このトランジスタ の通電状態を切り替えることで各リレーの 続切替えが行われる。それにより、モータ1 0に正転方向または逆転方向の電圧が印加さ るように構成されている。

 回転検出センサ14は、モータ10の回転に応 じたパルス信号を制御ユニット8に向けて出 するものであり、本実施例ではモータ10に一 体に組み付けられている。回転検出センサ14 、モータ10の回転軸に固定されたマグネッ 22に対向配置されて大バルクハウゼンジャン プを起こしうる2つの磁気検出器24,26を含んで 構成される。この回転検出センサ14の詳細な 成については後述する。

 制御ユニット8は、マイクロコンピュータ (以下「マイコン」と表記する)30を中心に構 されており、電源回路32、スイッチ入力回路 34、通信回路36を含んで構成される。電源回 32は、図示しないバッテリの電源電圧をマイ コン30等の各部に供給する。また、イグニッ ョンスイッチ(以下「IGスイッチ」と表記す )40からの入力信号が、電源回路32を介して イコン30に入力される。マイコン30は、各種 算処理を実行するCPU、各種制御プログラム 格納するROM、データ格納やプログラム実行 ためのワークエリアとして利用されるRAM、 出力インターフェース、計時用のタイマ等 備える。

 スイッチ入力回路34は、運転者によるパ ーウィンドスイッチ(「PWスイッチ」と表記 る)42の操作に応じた入力信号をマイコン30に 入力する。スイッチ入力回路34はマニュアル イッチおよびオートスイッチを含み、マニ アルスイッチは開スイッチおよび閉スイッ からなる。開スイッチは、運転者がPWスイ チ42を1段階押し下げたときにオンされ、そ 押し下げ操作の期間中のみドアガラス2を開 向に動作させるための信号を出力する。閉 イッチは、運転者がPWスイッチ42を1段階引 上げたときにオンされ、その引き上げ操作 期間中のみドアガラス2を閉方向に動作させ ための信号を出力する。一方、オートスイ チは、PWスイッチ42が2段階操作されること よりオンし、運転者の操作解除後もドアガ ス2の開方向または閉方向の動作を継続させ ための信号を出力する。

 通信回路36は、車両に搭載された図示し い中央制御ユニットとの双方向通信を行う めの回路であり、図示しない通信ラインを して中央制御ユニットに接続されている。 央制御ユニットは、運転席に設けられた制 ユニット8、助手席に設けられた制御ユニッ 、および左右後席にそれぞれ設けられた制 ユニットに接続されており、これらを統括 に管理する。運転席には、助手席および後 のドアガラスを駆動制御するためのPWスイ チも設けられており、運転者がこれらを操 することにより、その操作指令信号が中央 御ユニットを介して各席の制御ユニットに 送される。

 マイコン30は、各種センサ・スイッチや 信回路36からの入力信号に基づいて所定の演 算処理を行い、モータ駆動回路12に向けて制 信号を出力する。また、必要に応じて中央 御ユニットとの通信を行う。

 図2は、モータの具体的構成を表す斜視図で ある。 
 モータ10は、小型直流モータとして構成さ ており、筒状のハウジング50の内部に図示し ない固定子および回転子が収容され、その端 部を封止するブラケット52から回転軸20の一 を露出させている。モータ10の内部には、回 転子を構成する回転軸20,電機子,整流子、回 軸20を回転自在に支持する軸受部、整流子に 摺動接触するブラシ等が配置されているが、 その内部構成については一般的であるため、 ここではその詳細な説明を省略する。

 回転軸20は、強磁性体からなる出力軸で り、その先端部には円筒ギヤ54が圧入されて いる。モータ10の動力は、回転軸20、円筒ギ 54および減速ギヤを介してレギュレータ4に 達される。回転軸20のブラケット52と円筒ギ 54との間には、円板状のマグネット22が固定 され、そのマグネット22に対向するように回 検出センサ14が配置されている。

 図3は、モータの本体の構成を表す斜視図で ある。図4は、回転検出センサの構成を表す 視図である。図5は、磁気検出器の構成を表 斜視図である。 
 図3に示すように、モータ10のブラケット52 端面には、内部からの磁束の漏洩を遮蔽す 磁気シールド板56が装着されている。マグネ ット22は、N極とS極がその周方向に約90度の幅 で隣接配置されるように設けられた4極のマ ネットからなり、回転位相の約90度ごとにそ の磁極の境界が現れるように構成されている 。

 図4に示すように、回転検出センサ14は、 グネット22に対向配置されるホルダ60、ホル ダ60に埋設された回路基板62、およびホルダ60 に固定されるとともに回路基板62に実装され 磁気検出器24,26を含んで構成されている。 ルダ60は、非磁性体からなる平板状の本体64 、その本体64の端縁にて立設された支持部66 を有する。回路基板62は、この本体64に埋設 れており、後述するパルス変換回路を構成 る複数の回路素子を実装している。支持部66 は、回転軸20およびマグネット22を半円状に 囲可能なボス部からなる。そのボス部は、 の先端に向かうほど回転軸20に近接するテー パ面68を有し、そのテーパ面68に沿って磁気 出器24,26が固定されている。したがって、図 示のように、磁気検出器24と磁気検出器26と 、その一端側が他端側よりも互いに近接す ように配置されている。図2に示したように 本体64は、回転軸20に対してほぼ直角に配置 され、その回転軸20側の端部に支持部66が連 されている。本体64は、図示しない固定部材 によりモータ10のハウジング50に固定されて る。支持部66は、その本体64側の基端部にて グネット22に近接するようにこれを包囲し その先端側にて回転軸20に近接するようにこ れを包囲している。

 図5に示すように、磁気検出器24は、長尺 の磁性ワイヤ70の一部に検出コイル72が巻回 されて構成されている。磁性ワイヤ70は、大 ルクハウゼンジャンプを起こしうる磁性体 らなる。検出コイル72の両端には端子74,76が それぞれ接続されている。これら磁性ワイヤ 70、検出コイル72および端子74,76は、非磁性体 からなる有底円筒状のケース78に収容されて る。ケース78内には樹脂材が充填され、各 を安定に固定している。ケース78の開口部か らは端子74,76が露出しており、各端子は半田 より回路基板62上の配線に接続されている なお、磁気検出器26については磁気検出器24 同様の構成を有するため、その説明につい は省略する。

 図6は、回路基板上に構成されるパルス変換 回路を表す図である。なお、説明の便宜上、 同図には一方の磁気検出器24についての回路 成が示されている。 
 図示のように、磁気検出器24における検出 イル72の一方の端子74は、トランジスタ80の ースに接続されており、このトランジスタ80 のコレクタに接続された抵抗82を介して電源 路32に接続されている。トランジスタ80のエ ミッタは、グランドラインに接続されている 。トランジスタ80のベースとグランドライン の間にはダイオード84が接続されている。 イオード84のカソードが検出コイル72とトラ ジスタ80との接続点に接続されており、ア ードがグランドラインに接続されている。 方、検出コイル72の他方の端子76は、トラン スタ90のベースに接続されており、このト ンジスタ90のコレクタに接続された抵抗92を して電源回路32に接続されている。トラン スタ90のエミッタは、グランドラインに接続 されている。トランジスタ90のベースとグラ ドラインとの間にはダイオード94が接続さ ている。ダイオード94のカソードが検出コイ ル72とトランジスタ90との接続点に接続され おり、アノードがグランドラインに接続さ ている。

 これにより、検出コイル72、トランジス 80、ダイオード94による閉回路が形成され、 出コイル72の端子74側が正電圧となったとき にトランジスタ80がオンにされる。一方、検 コイル72、トランジスタ90、ダイオード84に る閉回路が形成され、検出コイル72の端子76 側が正電圧となったときにはトランジスタ90 オンにされる。トランジスタ80と抵抗82との 接続点からは出力信号SA1(出力電圧)が取り出 れて、マイコン30に入力されるようになっ いる。また、トランジスタ90と抵抗92との接 点からは出力信号SA2(出力電圧)が取り出さ て、マイコン30に入力されるようになってい る。

 このような構成から、モータ10が回転し マグネット22のN極が磁気検出器24を通過する ときにトランジスタ80がオンされ、出力信号S A1(出力電圧)がオンからオフに切り替わる矩 のパルス信号として出力される。また、マ ネット22のS極が磁気検出器24を通過するとき にはトランジスタ90がオンされ、出力信号SA2( 出力電圧)がオンからオフに切り替わる矩形 パルス信号として出力される。上述のよう 、磁気検出器24は、磁性素子として大バルク ハウゼンジャンプを起こしうる磁性ワイヤ70 含むため、誘導起電力によるその出力信号 、急峻な出力信号として各トランジスタに 力される。このため、各パルス信号SA1,SA2も 急峻なパルス信号としてマイコン30に入力さ ることになる。

 なお、磁気検出器26についても同様の回 構成を有し、回転検出センサ14は、マグネッ ト22のN極が磁気検出器26を通過するときに同 のパルス信号SB1を出力し、S極が磁気検出器 26を通過するときに同様のパルス信号SB2を出 する。その詳細については後述する。

 図7は、モータの回転検出部の概略構成を表 す図である。(A)はその斜視図を表し、(B)はそ の側面図を表している。 
 同図(A)に示すように、モータ10の回転軸20に は、N極およびS極が周方向に順次配置された4 極のマグネット22が固定されている。一方、 気検出器24,26は、回転軸20の周方向に約45度 間隔で配置されている。各磁気検出器は、 転軸20やマグネット22と非接触にて配置され ているが、その端子側の端部がマグネットに 近接するように配置され、その反対側の端部 が回転軸20に近接するように配置されている その結果、同図(B)に示すように、モータ10 回転に応じて磁気検出器24または26(より正確 にはその磁性ワイヤ70)と、これに対向するマ グネット22の磁極と、回転軸20とにより囲ま る磁路(図中一点鎖線参照)が形成される。こ のため、モータ10の回転に応じて各磁気検出 に対向する磁極が切り替わるごとに磁路を 成する磁界の方向が切り替わり、各磁気検 器からその切り替わりに応じたパルス信号( パルス電圧)が出力される。なお、本実施例 おいては、磁路における磁気ギャップを極 小さくするために各磁気検出器を回転軸20に 対して傾けるようにしたが、変形例において は、各磁気検出器を回転軸20に対して平行に 置してもよい。

 次に、本実施例に係るモータ10の回転速 の検出方法について説明する。図8は、モー の回転周期の算出方法を表す説明図である 同図には、上段から磁気検出器24から出力 れる信号A、磁気検出器26から出力される信 B、回転検出センサ14を介して出力される信 Aに基づくパルス信号SA1,SA2、回転検出センサ 14を介して出力される信号Bに基づくパルス信 号SB1,SB2が示されている。同図の横軸は時間 経過を表している。

 図示のように、モータ10の回転に応じて グネット22が90度回転するごとに、磁気検出 24から信号Aが出力される。すなわち、磁気 出器24がマグネット22のS極に対向した状態 らN極に対応する状態に切り替わったときに パルス信号SA1が瞬時的にHレベルからLレベ に切り替わる。一方、磁気検出器24がマグネ ット22のN極に対向した状態からS極に対応す 状態に切り替わったときに、パルス信号SA2 瞬時的にHレベルからLレベルに切り替わる。 また、磁気検出器26がマグネット22のS極に対 した状態からN極に対応する状態に切り替わ ったときに、パルス信号SB1が瞬時的にHレベ からLレベルに切り替わる。一方、磁気検出 26がマグネット22のN極に対向した状態からS に対応する状態に切り替わったときに、パ ス信号SB2が瞬時的にHレベルからLレベルに り替わる。本実施例においては、磁気検出 24と磁気検出器26との配置がマグネット22を 心に互いに約45度ずれているため、各磁気検 出器から出力されるパルス信号も約45度の位 差をもって出力される。変形例においては 磁気検出器24と磁気検出器26との配置が、こ れとは異なる角度で互いにずれるように配置 されていてもよい。

 本実施例では図示のように、時刻t1からt7 にかけて回転軸20が45度回転するごとに、い れかのパルス信号が出力される。マイコン30 は、回転検出センサ14から順次出力されるパ ス信号を取得し、そのパルス間の経過時間 位相差に基づいて1回転あたりの時間、つま りモータ10の回転周期を算出する。そして、 の回転周期から回転速度を算出してパワー ィンド制御に用いる。仮に、時刻t6とt7との 間に図示のようにモータ10の停止期間があっ としても、時刻t7にてパルス信号が出力さ ると、マイコン30がこれを検知してモータ10 回転再開、つまりドアガラス2の駆動を検出 することができる。なお、パルス信号が急峻 でありそのオフ期間が短いため、マイコン30 これをラッチするためのラッチ回路を備え が、その詳細については省略する。

 マイコン30は、通常の制御時においては 次検出されるパルス信号に基づいて、モー 10の回転数、ひいてはドアガラス2の位置を 出し、予め設定されたパワーウィンド制御 実行する。一方、車両の駐車時などエンジ 停止時において、例えば車上ねらい等によ てドアガラス2が強制的に開かれようとする 、各磁気検出器からパルス信号が出力され 。マイコン30は、仮にスリープ状態にあっ も、そのパルス信号の入力によってウエイ アップし、ドアガラス2を閉方向に駆動して の腕が入らない程度の所定の小開度状態に 持するなど、予め設定されたセキュリティ 御モードを実行する。

 以上に説明したように、本実施例におい は、モータ10の回転に応じて磁気検出器24ま たは26(より正確には磁性ワイヤ70)と、これに 対向するマグネット22の磁極と、回転軸20と より磁路が形成される。磁性ワイヤ70が大バ ルクハウゼンジャンプを起こしうる磁性体か らなるため、モータ10の回転に応じて各磁気 出器に対向する磁極が切り替わるごとに磁 を形成する磁界の方向が急峻に切り替わり 磁気検出器からその切り替わりに応じたパ ス信号が出力される。磁性ワイヤ70の磁化 向がマグネット22から受ける磁束密度の変化 によって切り替わるため、検出コイル72が受 る磁束の変化による誘導起電力が発生し、 気検出器からは無電源にてパルス信号の出 が可能になる。また、回転軸20が磁路の一 を構成するため、マグネット22以外にバイア ス用のマグネットを別途設けたり、あるいは 交番磁界を発生させるための一対の磁石を設 けたりするといった必要がなく、簡素な構成 にて低コストに実現することができる。また 、パルス信号が急峻であるため、モータ10が 低速で回転しても、マイコン30側でこれを 出することができる。

 本発明は上述の各実施例に限定されるも ではなく、当業者の知識に基づいて各種の 計変更等の変形を各実施例に対して加える とも可能であり、そのような変形が加えら た実施例も本発明の範囲に含まれうる。

 上記実施例では、磁性素子の具体例とし 直線状の磁性ワイヤ70を例示したが、例え L字状あるいはU字状といったように、屈曲し た形状をなすワイヤであってもよい。あるい は、ワイヤではなく所定断面を有する柱状の 部材、あるいは膜状の部材により磁性素子を 形成してもよい。いずれにしても、その磁性 素子の一端がマグネット22に近接する一方、 端が回転軸20に近接するようにして磁路を 定に形成するのが好ましい。

 上記実施例では、N極およびS極を2つずつ 置した4極のマグネット22を例示したが、N極 とS極が1つずつ、あるいは3つ以上ずつ設けら れて、周方向に順次配置される2極、6極・・ といったマグネットを採用することもでき 。

 上記実施例では、図8に示したように、各 磁気検出器が対向する磁極が切り替わるごと に各磁気検出器から出力される全てのパルス 信号に基づいて回転周期、ひいては回転速度 が算出される例を示した。変形例においては 、その一部のパルス信号を用いてその演算処 理を行うようにしてもよい。例えば、各磁気 検出器が対向する磁極がS極からN極に切り替 るごとに各磁気検出器から出力されるパル 信号SA1,SB1のみに基づいて回転速度等を算出 するようにしてもよい。逆に、各磁気検出器 が対向する磁極がN極からS極に切り替わるご に各磁気検出器から出力されるパルス信号S A2,SB2のみに基づいて回転速度等を算出するよ うにしてもよい。例えば、磁性素子に対して 一方の磁極による磁化の影響が大きい場合な どの偏りがある場合に、その磁化の影響の大 きい側のパルス信号のみを用いるようにして もよい。

 上記実施例では、本発明の回転検出方法 パワーウィンド制御装置におけるモータの 転検出に適用したが、車両のスライティン ルーフ、自動ドアやシャッタなど、モータ 駆動され、そのモータの回転数を回転検出 ンサにより検出しつつ駆動制御が行われる 御装置に適用してもよい。あるいは、モー ではなく、発電機等その他の回転機の回転 出や、流量センサ等の回転体の回転検出に 用してもよい。