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Patent Searching and Data


Title:
RADAR DEVICE AND AZIMUTH ANGLE DETECTING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/019881
Kind Code:
A1
Abstract:
An electronic scanning radar device detects an azimuth angle on the basis of the phase difference of a first receiving wave pair received by a first antenna pair spaced at predetermined intervals and combines the first receiving wave pair to generate a first composite wave. The composite wave is larger in level variations than in azimuth angle variations and has a steep antenna pattern. So the radar device has an azimuth angle judging means for making a right and wrong judgment in which the azimuth angle is right when the level of the first composite wave in the azimuth angle is not less than a reference value, and in which the azimuth angle is wrong when the level of the first composite wave in the azimuth angle is less than the reference value. Thereby, even if the level of the composite wave is displaced upward, a composite wave by means of the receiving wave from a target outside a phase reflection section cannot exceed the threshold of the right and wrong judgment to allow for an accurate right and wrong judgment. Therefore, even if an antenna pattern is displaced depending on the reflection cross section of a target, the right and wrong judgment of an azimuth angle detected on the basis of the level of a receiving wave can be accurately made.

Inventors:
UESATO YOSHIHIDE (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/002155
Publication Date:
February 12, 2009
Filing Date:
August 07, 2008
Export Citation:
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Assignee:
FUJITSU TEN LTD (JP)
UESATO YOSHIHIDE (JP)
International Classes:
G01S3/48; G01S7/02; G01S13/931
Foreign References:
JP2000090307A2000-03-31
JP2000230974A2000-08-22
JP2004198189A2004-07-15
JP2006329671A2006-12-07
JP2005172768A2005-06-30
JP2005172768A2005-06-30
Other References:
See also references of EP 2177930A4
Attorney, Agent or Firm:
DOI, Kenji et al. (Doi & Associates 3rd Floor, Toshou-Bldg. No.3, 3-9-5, Shin-yokohama, Kohoku-ku, Yokohama-sh, Kanagawa 33, JP)
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Claims:
 レーダ波を基準方向に送信し、物標により反射された前記レーダ波を受信波.として受信し、前記物標の前記基準方向に対する方位角を検出するレーダ装置において、
 所定間隔離間した第1のアンテナ対により受信される第1の受信波対の位相差に基づいて前記方位角を検出する方位角検出手段と、
 前記第1の受信波対を合成して第1の合成波を生成する合成波生成部と、
 前記検出した方位角における前記第1の合成波のレベルが基準値以上となるときに当該検出した方位角を正、前記基準値を下回るときに当該検出した方位角を誤と判定する正誤判定を行う方位角判定手段とを有することを特徴とするレーダ装置。
 請求項1において、
 前記第1の受信波対のいずれかの受信波の位相を移動させる移相器をさらに有し、
 前記合成波生成部は、位相が移動した受信波を含む第2の受信波対から第2の合成波を生成し、前記方位角判定手段は、前記検出した方位角における前記第1、または第2の合成波いずれかのレベルが基準値以上となるときに当該検出した方位角を正、それ以外のときに当該検出した方位角を誤と判定する正誤判定を行うことを特徴とするレーダ装置。 
 請求項1において、
 前記第1のアンテナ対より大きい間隔離間した第2のアンテナ対により受信される第3の受信波対のいずれかの受信波の位相を移動させる移相器をさらに有し、
 前記合成波生成手段は、位相が移動した受信波を含む第4の受信波対から、前記第1の合成波のレベルが分布する方位角範囲の端部にレベルのピークが形成される第3の合成波を生成し、前記方位角判定手段は、前記検出した方位角における前記第1、または第3の合成波いずれかのレベルが基準値以上となるときに当該検出した方位角を正、それ以外のときに当該検出した方位角を誤と判定する正誤判定を行うことを特徴とするレーダ装置。
 レーダ波を基準方向に送信し、物標により反射された前記レーダ波を受信波として受信するレーダ装置による前記物標の前記基準方向に対する方位角を検出する方位角検出方法において、
 所定間隔離間したアンテナ対により受信される受信波対の位相差に基づいて前記方位角を検出する工程と、
 前記受信波対の合成波を生成する工程と、
 前記検出した方位角における前記合成波のレベルが基準値以上となるときに当該検出した方位角を正、前記基準値を下回るときに当該検出した方位角を誤と判定する正誤判定を行う工程とを有することを特徴とする方位角検出方法。
Description:
レーダ装置、及び方位角検出方

 本発明は、レーダ波を基準方向に送信し 物標により反射された前記レーダ波を受信 として受信し、前記物標の前記基準方向に する方位角を検出するレーダ装置及び方位 検出方法に関し、特に、所定間隔離間した ンテナ対により受信される受信波対の位相 に基づいて前記方位角を検出するレーダ装 及び方位角検出方法に関する。

 走行中の車両周囲を車載レーダ装置によ スキャンし、障害物との衝突が予測される きに車両の加減速や安全装置の作動といっ 衝突対応制御を行う車両制御システムが知 れている。そして、かかるシステムに用い れる車載レーダ装置として、電子スキャン のレーダ装置が知られている。電子スキャ 式レーダ装置は、特許文献1にその例が記載 されているように、物標により反射されたレ ーダ波を複数のアンテナで受信し、アンテナ 間における受信波の位相差に基づいて、受信 波の到来方向、つまり物標の方位角を検出す る。

 図1は、電子スキャン式のレーダ装置が、 物標の方位角を検出する原理について説明す る図である。図1(A)、(B)に示すように、電子 キャン式レーダ装置10は、レーダ装置正面を 基準方向Fとしてレーダ波W1を送信し、物標T より反射されたレーダ波W1を2つのアンテナ 11、12により受信波対W21、W22として受信する ここで、アンテナ11、12の間隔dは、物標Tと 距離に比して微小であるので、アンテナ11 より受信される受信波W21と、アンテナ12によ り受信される受信波W22の伝搬経路は平行であ ると考える。そして、受信波対W21、W22の到来 方向、つまり基準方向F(方位角0度)に対する 標Tの方位角をθとする。

 まず、図1(A)に示すように、物標Tの方位 θが0度のとき、つまり、受信波対W21、W22が 準方向Fから到来するときは、受信波対W21、W 22は同時にアンテナ対11、12に到達する。この とき、受信波対W21、W22は同位相である。つま り、これらの受信波対において、位相差は生 じない。

 次に、図1(B)に示すように、物標Tの方位角θ が基準方向Fから左にずれているときは、受 波対W21、W22の伝搬距離には、アンテナ間隔d 比例してδd(=d・sinθ)の差が生じる。よって 受信波W21がアンテナ11に到達する時間より 受信波
W22がアンテナ12に到達する時間の方が、伝搬 離の差δdの分遅延する。このとき、受信波W 21及びW22の波長をλとすると、受信波対W21、W2 2の間には、遅延時間に応じた位相差φ(=δd・2 π/λ)が生じる。このことは、物標Tの方位角θ が、
基準方向の右側にずれた場合にも妥当する。

 このように、受信波対W21、W22の位相差φ ら、物標Tの方位角θは、次式1により求めら る。

 (式1) θ=arcsin(λ・φ/(2π・d))
 ここで、受信波の位相差φが±πを超えると つまり、いわゆる位相の折返しが生じると 次式2のように、位相差φからθが一意に特 できなくなる。

 (式2) θ=arcsin(λ・(φ±kπ)/(2π・d))  (k=0,1,2,
)
 よって、位相差φから方位角θが一意に求ま る範囲は、式2においてk=1とした次式3により される。

 (式3) -arcsin(λ・φ/(2d))≦θ≦arcsin(λ・φ/(2d))
 式3に示した位相差φと方位角θの関係は、 2(A)の直線Lにより示される。すなわち、±arcs in(λ・φ/(2d))の範囲において、位相差φ1から 位角θ1が一意に求ま
る。以下では、このように位相差φから方位 θが一意に求まる方位角の範囲を、位相折 し区間(A1)といい、位相折返しが生じる方位 -arcsin(λ・φ/(2d))をθa、+arcsin(λ・φ/(2d))をθb 表す。

 すると、位相折返し区間A1の外の範囲に いては、例えば位相差φ2に対し複数の方位 、つまり、位相折返し区間A1外の方位角θ21 、位相折返し区間A1内の方位角θ22とが対応 る。

 ここで、図2(B)に、レーダ装置10のスキャ 平面内における物標Tの方位角を示す。する と、方位角θ21に存在する物標からの受信波 の位相差をφ2としたとき、図2(A)の対応関係 よれば、方位角θ21とθ22が求められる。ま 、車両の動作は、衝突などの危険性が大き 方位角範囲に存在する物標を対象として制 される。そして、かかる方位角の範囲を位 折返し区間A1とする。すると、実際は方位角 θ21に存在する物標Tが方位角θ22にも存在する ものとして(点線で図示)誤検出されることに り、実際には存在しない物標に対して車両 動作が制御される。すると、安全性に支障 生じる。

 よって、かかる誤検出に伴う支障を防ぐ め、従来から種々の方法が提案されている その一例として、上記のように受信波対の 相差から方位角を求めた後、再度レーダ波 送受信し、そのときの受信波のレベルによ 、先に求めた方位角の正誤判定を行う方法 ある。具体的には、位相折返し区間A1内で 出された方位角θ22について、実際にその方 角に物標が存在するか(正)否か(誤)の判定を 行う方法である。図3は、かかる方法につい 説明する図である。

 図3(A)では、方位角を横軸に示し、同一の 物標、例えば乗用車などの小型車が全方位角 に存在するとしたとき、その物標からの反射 により得られるアンテナ11の受信波のレベル 縦軸に示す。すると、基準方向F、つまり方 位角0度に存在する物標から得られる受信波 ベルが最大となる。そして、方位角が0度か ずれるに従い、その方位角に存在する物標 ら得られる受信波のレベルは低下する。す わち、アンテナ11による受信波のレベルは 受信波の到来方向が方位角0度のとき最大と り、到来方向が方位角±90度に近づくにつれ 低下する、つまり、方位角0度に指向性を有 るアンテナパターンP1を描く。そして、この ことは、アンテナ11と同じ構成のアンテナ12 ついても妥当する。

 次に、このようなアンテナパターンP1に 図2(A)で示した位相折り返し区間A1をあては 、かかる区間の端部、つまり方位角θa、θb おいて得られる受信レベルT1を正誤判定の閾 値とする。すると、アンテナ11による受信波 レベルが閾値T1を超えるときは、その受信 は位相折返し区間A1内に存在する物標からの 受信波である。よって、その場合、位相折返 し区間A1内に実際に物標が存在すると推定で る。反対に、受信波のレベルが閾値T1を超 ないときは、その受信波は位相折返し区間A1 外に存在する物標からの受信波であるので、 位相折返し区間A1には物標が存在しないと推 できる。

 このことを利用して、レーダ装置10は、 2(B)で示した方位角θ22を求めた後、レーダ波 の送受信を行い、アンテナ11による受信波の ベルを閾値T1と比較する。そして、受信波 レベルが閾値T1を下回る場合、つまり位相折 返し区間A1内に物標が存在しない場合は、求 た方位角θ22は、位相折返しに起因する、誤 った方位角と推定できる。よって、レーダ装 置10は、これを誤と判定する。そして、その 合は、検出結果を車両の制御装置に出力し いようにする。

 なお、閾値T1以上となる場合には、検出 た方位角θ22に実際に物標が存在すると判定 れる。その場合は、図2(B)の場合とは異なり 、実際に位相折返し区間A1内に物標が存在し その物標からの受信波対の位相差から方位 θ22が求められたことを意味する。よって、 方位角θ22を、正しい方位角と判定し、検出 果を出力する。

 このように、レーダ装置10が受信波のレベ に基づいて検出された方位角の正誤判定を ることにより、誤検出に基づく車両制御が 止される。

特開2005-3393号公報

ところで、同一の方位角における受信波の レベルは、物標の反射断面積が大きいほど大 きくなり、反射断面積が小さいほど小さくな る。ここで、図3(A)で示した、小型車から得 れるアンテナパターンP1と対比して、反射断 面積が大きい場合の例として、トラックなど の大型車から得られるアンテナパターンP2を 3(B)示す。すなわち、アンテナパターンP1を 方に変位させることにより、アンテナパタ ンP2が得られる。

 すると、図2(B)で示した方位角θ22の正誤 定の際に、方位角θ21に存在する物標からの 信波のレベルが閾値T1以上となってしまう すると、受信波のレベルが閾値以上となる とにより、レーダ装置10は、方位角θ22を正 判定してしまう。よって、実際は方位角θ22 は存在しない物標に対して車両の動作が制 され、安全性に支障が生じる。

 そこで、上記に鑑みてなされた本発明の 的は、物標の反射断面積に応じてアンテナ ターンが変位したとしても、受信波のレベ に基づいて検出された方位角を正確に正誤 定できるレーダ装置等を提供することにあ 。

 上記の目的を達成するために、本発明の 1の側面は、レーダ波を基準方向に送信し、 物標により反射された前記レーダ波を受信波 として受信し、前記物標の前記基準方向に対 する方位角を検出するレーダ装置において、 所定間隔離間した第1のアンテナ対により受 される第1の受信波対の位相差に基づいて前 方位角を検出する方位角検出手段と、前記 1の受信波対を合成して第1の合成波を生成 る合成波生成部と、前記検出した方位角に ける前記第1の合成波のレベルが基準値以上 なるときに当該検出した方位角を正、前記 準値を下回るときに当該検出した方位角を と判定する正誤判定を行う方位角判定手段 を有することを特徴とする。

 上記側面の好ましい態様は、前記第1の受 信波対のいずれかの受信波の位相を移動させ る移相器をさらに有し、前記合成波生成部は 、位相が移動した受信波を含む第2の受信波 から第2の合成波を生成し、前記方位角判定 段は、前記検出した方位角における前記第1 、または第2の合成波いずれかのレベルが基 値以上となるときに当該検出した方位角を 、それ以外のときに当該検出した方位角を と判定する正誤判定を行うことを特徴とす 。

 上記側面によれば、方位角の変化量に対 てレベルの変化量が大きく、急峻なアンテ パターンを有する合成波を用い、検出した 位角における前記第1の合成波のレベルが基 準値以上となるときに当該方位角を正、前記 基準値を下回るときに当該方位角を誤と判定 する正誤判定を行う。よって、物標の反射断 面積が大きく、合成波のレベルが上方に変位 した場合であっても、位相折返し区間外の物 標からの受信波による合成波が正誤判定の閾 値を超えることがない。よって、位相折返し により誤検出した方位角を正と判定すること がない。そのため、検出した方位角の正誤判 定を正確に行うことができる。

 上記の態様によれば、前記第1の受信波対 のいずれかの受信波の位相を移動させる移相 器をさらに有するので、位相が移動した受信 波を含む第2の受信波対から生成される第2の 成波の指向性を移動させることができ、広 範囲の方位角において、合成波のレベルと 誤判定の閾値とを比較することができる。 って、正誤判定の対象となる方位角の範囲 広げることができる。

電子スキャン式のレーダ装置が、物標 方位角を検出する原理について説明する図 ある。 受信波対の位相差と方位角の関係を説 する図である。 受信波のレベルに基づいて検出した方 角の正誤判定を行う方法を説明する図であ 。 本実施形態におけるレーダ装置が車両 搭載される例を示す図である。 本実施形態におけるレーダ装置10の第1 構成例を示す図である。 信号処理部24の動作手順を説明するフ ーチャート図である。 第1の構成例において正誤判定に用いら れる、合成波のアンテナパターンについて説 明する図である。 第1の構成例における、検出された方位 角の正誤判定手順を詳細に説明するフローチ ャート図である。 本実施形態におけるレーダ装置10の、 2の構成例を説明する図である。 第2の構成例における合成波のアンテ パターンについて説明する図である。 第2の構成例における、物標の方位角 検出手順と、検出された方位角の正誤判定 順を説明するフローチャート図である。 本実施形態におけるレーダ装置10の、 3の構成例を説明する図である。 第3の構成例における合成波のアンテ パターンについて説明する図である。 第3の構成例における、物標の方位角 検出手順と、検出された方位角の正誤判定 順を説明するフローチャート図である。 本実施形態におけるレーダ装置10の、 4の構成例を説明する図である。 第4の構成例における合成波のアンテ パターンについて説明する図である。 第4の構成例における、物標の方位角 検出手順と、検出された方位角の正誤判定 順を説明するフローチャート図である。

符号の説明

10:レーダ装置、11、12、13、14:アンテナ、26: 合成波生成部、24:信号処理部、30:移相器

 以下、図面にしたがって本発明の実施の 態について説明する。但し、本発明の技術 範囲はこれらの実施の形態に限定されず、 許請求の範囲に記載された事項とその均等 まで及ぶものである。

 図4は、本実施形態におけるレーダ装置が 車両に搭載される例を示す。電子スキャン式 のレーダ装置10は、車両1の前部フロントグリ ル内に搭載され、車両前方を基準方向Fとし レーダ波を送信し、先行車両2などの物標に り反射されたレーダ波を複数のアンテナで 信する。そして、レーダ装置10は、アンテ 間における受信波の位相差に基づいて、受 波の到来方向、つまり自車両1の前方中央に する物標の方位角θを検出する。

 また、レーダ装置10は、送信波として、 波数が上昇する周波数上昇期間と下降する 波数下降期間を定期的に繰返す連続波を用 ることにより、送受信波の周波数差から先 車両2の相対距離R、及び相対速度Vを検出す 。そして、これらの検出結果に基づいて、 両1の図示されない制御装置が、車両2に追従 走行したり、追突を回避したりするように車 両1の動作を制御する。

 図5は、本実施形態におけるレーダ装置10 第1の構成例を示す。特定用途向け集積回路 などで構成される送受信回路22が生成する送 波W1は、送受兼用のアンテナ11により、基準 方向Fに沿って送信される。そして、物標に り反射された送信波はアンテナ対11、12によ 受信される。ここで、アンテナ11とアンテ 12とは、基準方向Fと直角方向に間隔d離間し 配置される。よって、アンテナ11による受 波W21とアンテナ12による受信波W22とでは、受 信波の到来方向と、間隔dに応じた位相差φが 生じる。そして、この位相差φから、後段の 理で受信波の到来方向、つまり物標の方位 θが求められる。

 また、合成波生成部26は、アンテナ対11、 12を接続するスイッチを備え、受信波対W21、W 22を合成して、合成波を生成する。

 そして、送受信回路22は、合成波を送信波W1 とミキシングして、その周波数差に対応する ビート信号を生成し、信号処理部24に出力す 。また、送受信回路22は、受信波対W21、W22 合成波のレベルを検知して、信号処理部24に 出力する。
信号処理部24は、例えばCPUと、CPUが実行する 種処理プログラムを格納するROMと、CPUによ 各種演算の作業領域として用いられるRAMと 有するマイクロコンピュータで構成される

 図6は、信号処理部24の動作手順を説明す フローチャート図である。まず、信号処理 24は、ビート信号をFFT(高速フーリエ変換)処 理し、送信波の周波数上昇期間と下降期間そ れぞれにおける送信波と受信波の周波数差に 対応する周波数、つまりビート周波数と、受 信波対W21、W22の位相差φとを検出する(S10)。 して、信号処理部24は、受信波の位相差φか 、物標の方位角θを算出する(12)。このとき 信号処理部24の内蔵ROMには、図2(A)で示した うな位相差φと方位角θの対応関係データが 予め記憶されており、信号処理部24は、これ 基づいて位相差φから方位角θを求める。よ って、手順S12を実行する信号処理部24が、「 位角検出手段」24aに対応する。

 そして、信号処理部24は、後に詳述する 順に従い、求めた方位角θの正誤判定を行う (S14)。よって、手順S14を実行する信号処理部2 4が、「方位角判定手段」24bに対応する。

 また、信号処理部24は、手順S14の正誤判 の結果が正の方位角について、送信波の周 数上昇期間のビート周波数と、周波数下降 間のビート周波数を対応づけるペアリング 行い(S16)、その方位角の物標の相対速度と相 対距離を算出する(S18)。そして、信号処理部2 4は、検出結果の連続性の有無などに基づい 検出結果の信頼性を判定し(S20)、信頼性を有 すると判定した出力結果を車両の制御装置に 出力する(S22)。

 次に、手順S14における方位角の正誤判定 順について、図7、図8を用いて説明する。

 図7は、第1の構成例において正誤判定に いられる、合成波のアンテナパターンにつ て説明する図である。図7(A)、(B)において、 軸は方位角、縦軸を受信波W21もしくはW22の ベル、または受信波対W21、W22の合成波のレ ルを示す。

 まず、図7(A)に示すように、全方位角に物 標(小型車)を想定したときに、各方位角にお て物標から得られる受信波W21またはW22のレ ルは、図3(A)でも示したアンテナ11(またはア ンテナ12)単体のアンテナパターンP1として示 れる。次に、全方位角における合成波のレ ルは、アンテナパターンP3として示される アンテナパターンP3においては、受信波21と2 2は方位角0度で同位相となるので、合成振幅 対応する受信レベルは最大となる。そして 方位角が0度から±90度に近づくに従い、受 波21、22の位相差が大きくなるので、合成振 に対応するレベルは急速に小さくなる。こ で、アンテナパターンP1とP3とを比較すると 、方位角の変位量に対するレベルの変化量は 、アンテナパターンP3の方が急峻となる。

 次に、図7(B)に示すように、第1の構成例 は、合成波の任意のレベルT2を正誤判定の閾 値とする。また、合成波のレベルがT2となる うな方位角をθ31、θ32とする。すると、合 波のレベルが閾値T2以上となる場合には、方 位角θ31~θ32の範囲内に存在する物標から受信 波対W21、W22が得られたものと判定できる。反 対に、合成波のレベルが閾値T2以上の場合に 、方位角θ31~θ32の範囲外に存在する物標か 受信波が得られたものと判定できる。

 このことを利用し、信号処理部24は、手 S12で方位角θを求めた後、手順S14では合成波 のレベルを閾値T2と比較することにより、方 角θ31~θ32の範囲内に実際に物標が存在する 否かを判定する。すなわち、求めた方位角 が方位角θ31~θ32の範囲内にあるときに、合 波のレベルが閾値T2以上となれば、その方位 角θは正と判定される。一方、閾値T2を下回 ば、その方位角は、方位角θ31~θ32の範囲外 あって、さらに位相折返し区間A1外に存在す る物標から受信波対を受信し、その受信波対 の位相差が折返したことに起因して求められ た方位角であることを意味するので、誤と判 定される。なお、以下では、かかる正誤判定 が可能な方位角範囲(上記例では方位角θ31~θ3 2)を、正誤判定対象範囲という。

 ここで、物標の断面積が大きいと、受信 W21またはW22のレベルは大きくなる。よって 合成波のレベルもこれに伴って大きくなる で、アンテナパターンP3はP31のように上方 変位する。しかし、アンテナパターンP3、P31 においては、方位角の変位量に対するレベル の変化量はアンテナ単体のアンテナパターン P1より大きく、急峻な曲線が描かれる。よっ 、図2(B)で示したように、位相折返し区間A1 の方位角θ21に存在する物標が大型車であっ て、この物標からの受信波対を受信した場合 であっても、アンテナパターンP3がP31に変位 たことによって、方位角θ21における合成波 のレベルが閾値2以上となることはない。す わち、方位角θ22には実際に物標が存在しな にもかかわらず、方位角θ22を正と判定する ことはない。よって、位相折返し区間A1外の 位角に存在する物標からの受信波に起因す 、誤った正誤判定を防ぐことができる。

 図8は、第1の構成例における、検出され 方位角の正誤判定手順を詳細に説明するフ ーチャート図である。図8の手順は、図6の手 順S14に対応する。

 信号処理部24は、まず、検出した方位角θ が正誤判定対象範囲内(θ31~θ32)であるかを判 する(S82)。そして、検出した方位角θが正誤 判定対象範囲内の場合は、信号処理部24は、 受信回路22に送信波の送信を指示するとと に、アンテナ対11、12による受信波対W21、W22 合成を、送受信回路22を介して合成波生成 26に指示する(S83)。

 そして、信号処理部24は、合成波のレベ が閾値T2以上であるか否かに基づいて、方位 角θの正誤判定をする(S84)。このとき、閾値T2 以上であれば、検出された方位角θは、正誤 定対象範囲に実際に存在する物標からの受 波から検出されたと判定できるので、その 出結果を正と判定する。一方、合成波のレ ルが閾値T2を下回るときは、検出された方 角θは、位相折返し区間A1外に存在する物標 らの受信波に起因して誤検出されたと判定 きるので、誤と判定する。

 ところで、上記の図7において、正誤判定 対象範囲は、アンテナパターンP2が閾値T2を える範囲に限定される。そこで、正誤判定 象範囲を広げるのに好適な構成例を次に説 する。

 図9は、本実施形態におけるレーダ装置10 、第2の構成例を説明する図である。第1の 成例と異なる部分について説明する。図9(A) 示すように、レーダ装置10は、第1の構成例 加えて、さらにアンテナ13を有する。そし 、アンテナ13は、アンテナ12から間隔d離間し て配置される。

 このような構成により、信号処理部24は アンテナ11、12、13による受信波を用いてデ ジタルビームフォーミング処理を行うこと より、物標の方位角を検出する。なお、ア テナ11による受信波をW21、アンテナ12による 信波をW22、アンテナ13による受信波をW23と る。

 また、アンテナ13による受信波W23は、移 器30に入力される。すると、移相器30は、受 波W23の位相を遅延させて合成波生成部26に 力する。

 すると、合成波生成部26は、図9(B)のテー ルに従って、スイッチを切り替えてアンテ 11、12、13のいずれか2つを接続する。そして 、接続されたアンテナ対による受信波対を合 成して、合成波を生成する。すなわち、合成 波生成部26は、まずアンテナ11と12のスイッチ をオンにすることにより、受信波対W21、W22を 合成して合成波B1を生成する。次に、合成波 成部26は、アンテナ12と13のスイッチをオン することにより、受信波対W22、W23を合成し 合成波B2を生成する。

 その結果、合成波B1、B2のアンテナパター ンは、図10に示すようになる。まず、図10(A) 示すように、受信波対W21、W22からは、アン ナ11(またはアンテナ12)単体のときより急峻 アンテナパターンP3が形成されることは第1 構成例において述べたとおりである。

 第2の構成例では、合成波B2が生成される きには、アンテナ13による受信波W23の位相 遅延されるので、方位角0度からずれた方位 θ4において、受信波対W22、W23とが同位相と る。よって、合成波B2に対応するアンテナ ターンP4は、アンテナパターンP3が方位角θ4 指向性を有するように平行移動したものと る。

 すると、アンテナパターンP3またはP4にお いて、閾値T2以上となる受信レベルが得られ ような方位角の範囲、つまり正誤判定対象 囲(方位角θ41~θ32)は、第1の構成例において ンテナパターンP3を用いた場合の範囲(方位 θ31~θ32)より広くなる。

 そして、図10(B)に示すように、物標の反 断面積が大きくアンテナパターンP3、P4がそ ぞれアンテナパターンP31、P41のように上方 変位する場合であっても、位相折返し区間A 1外の物標からの受信波対の合成波が閾値T2を 超えないように、合成波B1、B2の指向性を設 することで、位相折返し区間A1の範囲内で正 誤判定が可能となる。

 よって、図2(B)で示したように、位相折返 し区間A1外の方位角θ21に存在する物標が大型 車であって、この物標からの受信波対を受信 した場合であっても、アンテナパターンP3、P 4がP31、P31に変位したことによって、方位角θ 21における合成波のレベルが閾値2以上となる ことはない。よって、位相折返し区間A1外の 位角に存在する物標からの受信波に起因す 、誤った正誤判定を防ぐことができる。

 なお、上記の変形例として、移相器30を ンテナ13ではなくアンテナ11と接続し、受信 W13の代わりに受信波W11の位相を遅延させる 成とすることもできる。その場合、図10(C) 示すような合成波B2のアンテナパターンP5が られる。すなわち、アンテナパターンP3が 図10(A)の場合とは反対に、方位角θ4と反対側 の方位角θ5に指向性を有するように平行移動 したものとなる。そして、アンテナパターン P3またはP5において、閾値T2以上となる受信レ ベルが得られるような方位角の範囲、つまり 正誤判定対象範囲(方位角θ31~θ51)は、第1の構 成例においてアンテナパターンP3を用いた場 の範囲(方位角θ31~θ32)より広くなる。

 また、図10(D)に示すように、物標の反射 面積が大きくアンテナパターンP3、P5がそれ れアンテナパターンP31、P51のように上方に 位する場合であっても、位相折返し区間A1 の物標からの受信波対の合成波が閾値T2を超 えないように、合成波B1、B2の指向性を設定 ることで、正確な正誤判定が可能となる。

 図11は、第2の構成例における、物標の方 角の検出手順と、検出された方位角の正誤 定手順を説明するフローチャート図である 手順S110は、図6の手順S12に対応し、手順S112~ S114は、図6の手順S14に対応する。

 まず、信号処理部24は、アンテナ13(変形 においてはアンテナ11)による受信波W22(変形 においてはアンテナ11による受信波W21)の移 器30による位相遅れ分を補正して、アンテ 11、12、13それぞれの受信波W21、W22、W23をデ ジタルビームフォーミング処理する。そし 、それぞれの受信波の指向性を受信波の到 方向に一致させ、受信波レベルのピークに 応する方位角を物標の方位角θとして検出す る(S110)。

 次に、信号処理部24は、検出した方位角θ が正誤判定対象範囲内(θ41~θ51)であるかを判 する(S112)。そして、検出した方位角θが正 判定対象範囲内である場合は、信号処理部24 は、送受信回路22に送信波の送信を指示する ともに、アンテナ対11、12、及びアンテナ対 12、13による受信波対の合成を、送受信回路22 を介して合成波生成部26に指示する(S113)。

 そして、信号処理部24は、合成波B1または B2のレベルが閾値T2以上であるか否かを判定 る(S114)。そして、閾値T2以上であれば、検出 された方位角θは、正誤判定対象範囲に実際 存在する物標からの受信波から検出された 推定できるので、その検出結果を正と判定 る。一方、合成波のレベルが閾値T2を下回 ときは、検出された方位角θは、位相折返し 区間A1外に存在する物標からの受信波に起因 て誤検出されたと推定できるので、誤と判 する。

 図12は、本実施形態におけるレーダ装置10 の、第3の構成例を説明する図である。第3の 成例では、図12(A)に示すように、アンテナ12 による受信波W22が、移相器30に入力されて位 が遅延させられ、合成波生成部26に入力さ る。

 そして、合成波生成部26は、図12(B)のテー ブルに従って、スイッチを切り替えてアンテ ナ11、12、13のいずれか2つを接続し、接続さ たアンテナ対による受信波対を合成して、 成波を生成する。すなわち、合成波生成部26 は、まずアンテナ11と12のスイッチをオンに ることにより、受信波対W21、W22を合成して 成波B11を生成する。次に、合成波生成部26は 、アンテナ12と13のスイッチをオンにするこ により、受信波対W22、W23を合成して合成波B1 2を生成する。

 その結果、合成波B11、B12のアンテナパタ ンは、図13(A)に示す、アンテナパターンP4ま たはP5のようになる。すなわち、アンテナパ ーンP4、P5は、図10(A)、(C)で示したように、 ンテナパターンP3の指向性が、方位角θ4、 たはθ5に移動したものである。

 このようなアンテナパターンP4、P5におい て、閾値T2以上となる受信レベルが得られる うな方位角の範囲、つまり正誤判定対象範 (方位角θ41~θ51)は、第2の構成例においてア テナパターンP3、P4を用いた場合の範囲(方 角θ41~θ32)、あるいは、アンテナパターンP3 P5を用いた場合の範囲(方位角θ31~θ51)よりさ に広くなる。

 そして、図13(B)に示すように、物標の反 断面積が大きくアンテナパターンP4、P5がそ ぞれアンテナパターンP41、P51のように上方 変位する場合であっても、位相折返し区間A 1外の物標からの受信波対の合成波が閾値T2を 超えないように、合成波B1、B2の指向性を設 することで、位相折返し区間A1の範囲内で正 確な正誤判定が可能となる。

 よって、図2(B)で示したように、位相折返 し区間A1外の方位角θ21に存在する物標が大型 車であって、この物標からの受信波対を受信 した場合であっても、アンテナパターンP4、P 5がP41、P51に変位したことによって、方位角θ 21における合成波のレベルが閾値2以上となる ことはない。よって、位相折返し区間A1外の 位角に存在する物標からの受信波に起因す 、誤った正誤判定を防ぐことができる。

 図14は、第3の構成例における、物標の方 角の検出手順と、検出された方位角の正誤 定手順を説明するフローチャート図である 手順S140は、図6の手順S12に対応し、手順S112~ S114は、図6の手順S14に対応する。

 まず、信号処理部24は、アンテナ12による 受信波W22の移相器30による位相遅れ分を補正 て、アンテナ11、12、13それぞれの受信波W21 W22、W23をディジタルビームフォーミング処 する。そして、それぞれの受信波の指向性 受信波の到来方向に一致させ、受信波レベ のピークに対応する方位角を物標の方位角 として検出する(S140)。

 次に、信号処理部24は、検出した方位角θ が正誤判定対象範囲内(θ41~θ51)であるかを判 する(S142)。そして、検出した方位角θが正 判定対象範囲内である場合は、信号処理部24 は、送受信回路22に送信波の送信を指示する ともに、アンテナ対11、12、及びアンテナ対 12、13による受信波の合成を送受信回路22を介 して合成波生成部26に指示する(S143)。

 そして、信号処理部24は、合成波B11また B12のレベルが閾値T2以上であるか否かを判定 する(S144)。そして、閾値T2以上であれば、検 された方位角θは、正誤判定対象範囲に実 に存在する物標からの受信波から検出され と推定できるので、その検出結果を正と判 する。一方、合成波のレベルが閾値T2を下回 るときは、検出された方位角θは、位相折返 区間A1外に存在する物標からの受信波に起 して誤検出されたと推定できるので、誤と 定する。

 図15は、本実施形態におけるレーダ装置10 の、第4の構成例を説明する図である。第1の 成例と異なる部分について説明する。図15(A )に示すように、レーダ装置10は、第1の構成 に加えて、さらにアンテナ13、14を有する。 して、第4の構成例では、アンテナ13は、ア テナ12から間隔2d離間して配置され、アンテ ナ14はさらにアンテナ13から間隔2d離間して配 置される。

 このような構成とすることにより、レー 装置10は、アンテナ11、12、13、14による受信 波(それぞれ、順に受信波W21、W22,W23、W24とす )を用いて、ディジタルビームフォーミング 処理を行うことにより、物標の方位角θを検 する。

 このとき、アンテナ12と13は間隔2d離間し いるので、図15(B)のマトリクスに示すよう 、アンテナ12の位置にアンテナ11があると仮 したときに、アンテナ11から2d離間した位置 にある仮想のアンテナ15(点線で図示)で受信 を受信する場合と同じ効果が得られる(列C1) また、アンテナ12と14は間隔4d離間している よって、アンテナ12の位置にアンテナ11があ ると仮定したときに、アンテナ11から4d離間 た位置にある仮想のアンテナ16(点線で図示) 受信波を受信する場合と同じ効果が得られ (列C2)。

 同様にして、アンテナ11を基準としたア テナ12、13、14の位置関係を、アンテナ14の位 置にアンテナ11があると仮定した場合にあて めると、仮想のアンテナ17、19、21(いずれも 点線で図示)が得られる(列C3、C4、C5)。さらに 、アンテナ12と13の位置関係を、アンテナ14の 位置にアンテナ12があると仮定した場合に当 はめると、仮想のアンテナ18(点線で図示)が 得られ(列C6)、アンテナ13と14の位置関係をア テナ14の位置にアンテナ13があると仮定した 場合に当てはめると、仮想のアンテナ20(点線 で図示)が得られる(列C7)。

 このように、合計4個のアンテナをアンテ ナ6個分のスペースに配置することにより、 計11個分のアンテナを等間隔dに配置したの 同じ受信波の組合せが得られる。

 そして、信号処理部24は、これらの受信 の組合せをディジタルビームフォーミング 理して、物標の方位角θを検出する。そうす ることにより、より多くの受信波の指向性を 重ね合わせることができ、方位角θの検出精 を向上できる。

 また、アンテナ13による受信波W23は、第4 構成例では、移相器30に入力される。移相 30は、受信波23の位相を遅延させて合成波生 部26に入力する。そして、合成波生成部26は 、図15(C)のテーブルに従って、スイッチを切 替えてアンテナ11、12、13、14のいずれか2つ 接続する。そして、接続されたアンテナ対 よる受信波対を合成して、合成波を生成す 。すなわち、合成波生成部26は、まずアン ナ11と12のスイッチをオンにすることにより 受信波対W21、W22を合成して合成波B3を生成 る。次に、合成波生成部26は、アンテナ12と1 3のスイッチをオンにすることにより、受信 対W22、W23を合成して合成波B6を生成する。ま た、合成波生成部26は、アンテナ13と14のスイ ッチをオンにすることにより、受信波対W23、 W24を合成して合成波B7を生成する。

 その結果、合成波B3、B4、B5のアンテナパ ーンは、図16に示すようになる。まず、図16 (A)に示すように、アンテナ11と12とがスイッ で接続されると、受信波対W21、W22の合成波B3 については、図7(A)でも示したアンテナパタ ンP3が形成される。

 次に、受信波W22、W23から生成される合成 B6のアンテナパターンについて説明する。 こで、アンテナ12と13とは、アンテナ11と12と の間隔dより大きい間隔2d離間している。よっ て、方位角の変位量に対する受信波対W22、W23 の位相差の変化量は合成波B3の場合よりさら 大きくなるので、合成波B6のアンテナパタ ンは、アンテナパターンP3よりさらに急峻に なる。そして、このとき、アンテナ13による 信波W23の位相が遅延されるので、方位角0度 からずれた方位角θ6に指向性を有するアンテ ナパターンP6が形成される。よって、この場 において、移相器30が「指向性制御手段」 対応する。

 同様に、合成波B7が生成されるときには ンテナ13による受信波W23の位相が遅延される ので、方位角0度からずれた方位角θ7に指向 を有するアンテナパターンP7が生成される。 なお、アンテナパターンP6とP7は、いずれも ンテナ13、14による受信波W23、W24から生成さ るので、同形状となる。

 すると、アンテナパターンP6、P7の指向性 を示す方位角θ6、θ7の幅を広くすることで、 アンテナパターンP3、P6、またはP7において、 閾値T2以上となる受信レベルが得られるよう 方位角の範囲、つまり正誤判定対象範囲(方 位角θ61~θ71)は、第3の構成例の場合よりさら 広くなる。

 そして、図16(B)に示すように、物標の反 断面積が大きくアンテナパターンP3、P6、P7 それぞれアンテナパターンP31、P61、P71のよ に上方に変位する場合であっても、位相折 し区間A1外の物標からの受信波対の合成波が 閾値T2を超えないように、合成波B6、B7の指向 性を設定することで、位相折返し区間A1の範 内で正誤判定が可能となる。

 よって、図2(B)で示したように、位相折返 し区間A1外の方位角θ21に存在する物標が大型 車であって、この物標からの受信波を受信し た場合であっても、アンテナパターンP3、P6 P7がP31、P61、P71に変位したことによって、方 位角θ21における合成波のレベルが閾値2以上 なることはない。よって、位相折返し区間A 1外の方位角に存在する物標からの受信波に 因する、誤った正誤判定を防ぐことができ 。

 第4の構成例では、アンテナパターンP6、P 7を第3の構成例のアンテナパターンP4、P5より さらに急峻としたことにより、アンテナパタ ーンP6、P7がP61、P71に変位したことによって 位相折返し区間A1外の方位角にある物標によ る合成波のレベルが閾値2以上となる可能性 第2の構成例よりさらに小さくできる。

 図17は、第4の構成例における、物標の方 角の検出手順と、検出された方位角の正誤 定手順を説明するフローチャート図である 手順S150は、図6の手順S12に対応し、手順S152 S154は、図6の手順S14に対応する。

 まず、信号処理部24は、アンテナ13による 受信波W23の移相器30による位相遅れ分を補正 て、アンテナ11、12、13、及び14による受信 をディジタルビームフォーミング処理する そして、それぞれの受信波の指向性を受信 の到来方向に一致させ、受信波レベルのピ クに対応する方位角を物標の方位角θとして 検出する(S150)。

 次に、信号処理部24は、検出した方位角θ が正誤判定対象範囲内(θ61~θ71)であるかを判 する(S152)。そして、検出した方位角θが正 判定対象範囲内である場合は、信号処理部24 は、送受信回路22に送信波の送信を指示する ともに、アンテナ11、12、13、及び14による 信波の合成を、送受信回路22を介して合成波 生成部26に指示する(S153)。

 そして、信号処理部24は、合成波B3,B4,B5の レベルが閾値T2以上であるか否かを判定する( S154)。そして、閾値T2以上であれば、検出さ た方位角θは、正誤判定対象範囲に実際に存 在する物標からの受信波から検出されたと判 定できるので、その検出結果を正と判定する 。一方、合成波のレベルが閾値T2を下回ると は、検出された方位角θは、位相折返し区 A1外に存在する物標からの受信波に起因して 誤検出されたと判定できるので、誤と判定す る。

 なお、上述の例では、車両前方を監視す 車載レーダ装置を例として説明したが、車 の前方に限らず、後方や側方を監視するレ ダ装置であってもよい。また、物標の反射 面積により受信波のレベルが変化する電子 キャン式レーダ装置であれば、車載レーダ 外であっても、本実施形態は適用できる。

 以上のように、本実施形態によれば、方 角の変化量に対してレベルの変化量が大き 、急峻なアンテナパターンを有する合成波 用い、検出した方位角における合成波のレ ルが基準値以上となるときに当該方位角を 、前記基準値を下回るときに当該方位角を と判定する正誤判定を行う。よって、物標 反射断面積が大きく、合成波のレベルが上 に変位した場合であっても、位相折返し区 外の物標からの受信波による合成波が正誤 定の閾値を超えることがない。よって、位 折返しにより誤検出した方位角を正と判定 ることがない。そのため、検出した方位角 正誤判定を正確に行うことができる。

 なお、ここで、図5、図7に示した第1の構 例におけるアンテナ11、12それぞれ単体での 受信波のレベルP1と合成波のレベルP3との関 について説明する。アンテナ11、12単体での 信波のレベルP1を方位角θに対する指向性P1( θ)、アンテナ11とアンテナ12の合成波のレベ P3を方位角θに対する指向性P3(θ)と表し、方 角θに対応するアンテナ11、12の受信波の位 差をφとする。すると、指向性P3(θ)は次式 より、指向性P1(θ)から求められる。

 また、図15に示した第4の構成例の変形例と て、アンテナ11~14を送受信兼用に構成し、 ンテナ11~14から時分割で順次送信信号を送信 するときにアンテナ11~14で受信波を受信する 成としてもよい。

 その場合、レーダ波が送信されるアンテ の位置が順次変化することにより、異なる ンテナからレーダ波を送信したときには各 信アンテナにおける目標物体までの往復経 長が異なり、したがって各受信アンテナに いて異なる位相の受信波が得られる。その 果、送信アンテナを基準としたときの各受 アンテナの配置は、等間隔dで11個の受信ア テナを配置した場合と等価となる。

 すなわち、合計4個のアンテナをアンテナ 6個分のスペースに配置することにより、合 11個分のアンテナを等間隔dで配置したのと じ受信波の組合せが得られる。そして、信 処理部24は、アンテナ11~14から時分割で順次 信信号を送信するときにアンテナ11~14で受 した受信波の組合せをディジタルビームフ ーミング処理して、物標の方位角θを検出す る。そうすることにより、より多くの受信波 の指向性を重ね合わせることができ、方位角 θの検出精度を向上できる。

 また、上述の第1~第4の構成例において、 号処理装置24は、送受信回路22を介して合成 波生成部26に受信アンテナを切替えるスイッ の切り替え指示信号を入力したが、送受信 路22を介さずに直接合成波生成部26に切り替 え指示信号を入力する構成としてもよい。