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Title:
RADIATING MATERIAL AND RADIATING SHEET MOLDED FROM RADIATING MATERIAL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/084512
Kind Code:
A1
Abstract:
A radiating material characterized by having excellent heat conductivity and insulating properties and having flame retardancy while retaining flexibility and toughness. The radiating material comprises: a hydrogenated copolymer (1) and/or a modified hydrogenated copolymer (2) which each has a specific structure and is contained in a specific amount; and zinc oxide (3) comprising a core part and acicular crystal parts extending from the core part in four axial directions. The radiating material optionally further contains a paraffin oil (4), a flame retardant (5), or a filler (6) having a thermal conductivity of 10-400 W/m·K (the zinc oxide (3) is excluded).

Inventors:
NAKAMICHI MOTONORI (JP)
KONOMI YASUAKI (JP)
YASUI TAKESHI (JP)
SUZUKI KATSUMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2006/325846
Publication Date:
July 17, 2008
Filing Date:
December 26, 2006
Export Citation:
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Assignee:
ASAHI KASEI CHEMICALS CORP (JP)
NAKAMICHI MOTONORI (JP)
KONOMI YASUAKI (JP)
YASUI TAKESHI (JP)
SUZUKI KATSUMI (JP)
International Classes:
C08L25/02; C08F212/06; C08K3/10; C08K5/00; C08L53/02; F28F21/06; H01L23/36
Foreign References:
JP2003082245A2003-03-19
JPH01225663A1989-09-08
JPH01217072A1989-08-30
JPH0578516A1993-03-30
JP2003277560A2003-10-02
JP2004059741A2004-02-26
JP2002194197A2002-07-10
JP2001247870A2001-09-14
JP2000256551A2000-09-19
JP2003113318A2003-04-18
JP2003113272A2003-04-18
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Claims:
 共役ジエンとビニル芳香族の共重合体に水素を添加してなる下記(a)~(d)を満たす水添共重合体(1)および/または共役ジエンとビニル芳香族の共重合体に水素を添加してなり、かつ官能基を少なくとも1つ有する下記(a)~(d)を満たす変性水添共重合体(2)、および核部とこの核部から異なる4軸方向に伸びた針状結晶部を有する酸化亜鉛(3)を含み、パラフィンオイル(4)、難燃剤(5)を含まず、下記(A)及び(B)を満たすことを特徴とする放熱材料。
(a)ビニル芳香族単位の含有量が45質量%を越え90質量%以下
(b)ビニル芳香族からなる重合体ブロックの含有量が40質量%以下
(c)重量平均分子量が5×10 4 ~100×10 4
(d)共役ジエンに基づく二重結合の水素添加率が10%以上
放熱材料100質量%に対して、
(A)水添共重合体(1)と変性水添共重合体(2)の和[(1)+(2)]の配合割合が10質量%以上90質量%以下
(B)核部とこの核部から異なる4軸方向に伸びた針状結晶部を有する酸化亜鉛(3)の配合割合が10質量%以上90質量%以下
 共役ジエンとビニル芳香族の共重合体に水素を添加してなる下記(a)~(d)を満たす水添共重合体(1)および/または共役ジエンとビニル芳香族の共重合体に水素を添加してなり、かつ官能基を少なくとも1つ有する下記(a)~(d)を満たす変性水添共重合体(2)、核部とこの核部から異なる4軸方向に伸びた針状結晶部を有する酸化亜鉛(3)、およびパラフィンオイル(4)を含み、難燃剤(5)を含まず、下記(A)~(C)を満たすことを特徴とする放熱材料。
(a)ビニル芳香族単位の含有量が45質量%を越え90質量%以下
(b)ビニル芳香族からなる重合体ブロックの含有量が40質量%以下
(c)重量平均分子量が5×10 4 ~100×10 4
(d)共役ジエンに基づく二重結合の水素添加率が10%以上
放熱材料100質量%に対して、
(A)水添共重合体(1)、変性水添共重合体(2)、およびパラフィンオイル(4)の総和[(1)+(2)+(4)]の配合割合が10質量%以上90質量%以下
(B)酸化亜鉛(3)の配合割合が10質量%以上90質量%以下
(C)水添共重合体(1)と変性水添共重合体(2)の和に対するパラフィンオイル(4)の質量比率[(4)/{(1)+(2)}]が0を超えて2以下
 共役ジエンとビニル芳香族の共重合体に水素を添加してなる下記(a)~(d)を満たす水添共重合体(1)および/または共役ジエンとビニル芳香族の共重合体に水素を添加してなり、かつ官能基を少なくとも1つ有する下記(a)~(d)を満たす変性水添共重合体(2)、核部とこの核部から異なる4軸方向に伸びた針状結晶部を有する酸化亜鉛(3)、パラフィンオイル(4)、および難燃剤(5)を含み、下記(A)~(E)を満たすことを特徴とする放熱材料。
(a)ビニル芳香族単位の含有量が45質量%を越え90質量%以下
(b)ビニル芳香族からなる重合体ブロックの含有量が40質量%以下
(c)重量平均分子量が5×10 4 ~100×10 4
(d)共役ジエンに基づく二重結合の水素添加率が10%以上
放熱材料100質量%に対して、
(A)水添共重合体(1)、変性水添共重合体(2)、およびパラフィンオイル(4)の総和[(1)+(2)+(4)]の配合割合が10質量%以上87質量%以下
(B)酸化亜鉛(3)の配合割合が10質量%以上87質量%以下
(C)水添共重合体(1)と変性水添共重合体(2)の和に対するパラフィンオイル(4)の質量比率[(4)/{(1)+(2)}]が0を超えて2以下
(D)難燃剤(5)の配合割合が3質量%以上30質量%以下
(E)水添共重合体(1)、変性水添共重合体(2)、およびパラフィンオイル(4)の総和に対する難燃剤(5)の質量比率[(5)/{(1)+(2)+(4)}]が0.2以上3以下
 共役ジエンとビニル芳香族の共重合体に水素を添加してなる下記(a)~(d)を満たす水添共重合体(1)および/または共役ジエンとビニル芳香族の共重合体に水素を添加してなり、かつ官能基を少なくとも1つ有する下記(a)~(d)を満たす変性水添共重合体(2)、核部とこの核部から異なる4軸方向に伸びた針状結晶部を有する酸化亜鉛(3)、パラフィンオイル(4)、難燃剤(5)、および熱伝導率が10~400W/m・Kの充填剤(6)(酸化亜鉛(3)を除く)を含み、下記(A)~(F)を満たすことを特徴とする放熱材料。
(a)ビニル芳香族単位の含有量が45質量%を越え90質量%以下
(b)ビニル芳香族からなる重合体ブロックの含有量が40質量%以下
(c)重量平均分子量が5×10 4 ~100×10 4
(d)共役ジエンに基づく二重結合の水素添加率が10%以上
放熱材料100質量%に対して、
(A)水添共重合体(1)、変性水添共重合体(2)、およびパラフィンオイル(4)の総和[(1)+(2)+(4)]の配合割合が10質量%以上87質量%以下
(B)酸化亜鉛(3)と充填剤(6)の和[(3)+(6)]の配合割合が10質量%以上87質量%以下
(C)水添共重合体(1)と変性水添共重合体(2)の和に対するパラフィンオイル(4)の質量比率[(4)/{(1)+(2)}]が0を超えて2以下
(D)難燃剤(5)の配合割合が3質量%以上30質量%以下
(E)水添共重合体(1)、変性水添共重合体(2)、およびパラフィンオイル(4)の総和に対する難燃剤(5)の質量比率[(5)/{(1)+(2)+(4)}]が0.2以上3以下
(F)酸化亜鉛(3)と充填剤(6)の和[(3)+(6)]に対する充填剤(6)の質量比率が0を超えて0.5未満
 変性水添共重合体(2)が、水酸基、エポキシ基、アミノ基、シラノール基、及びアルコキシシラン基から選ばれる官能基を少なくとも1個有することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の放熱材料。
 水添共重合体(1)および/または変性水添共重合体(2)中のビニル芳香族重合体ブロックの含有量が10~40質量%である請求項1~5のいずれか1項に記載の放熱材料。
 水添共重合体(1)および/または変性水添共重合体(2)中のビニル芳香族重合体ブロックの含有量が10質量%未満である請求項1~5のいずれか1項に記載の放熱材料。
 水添共重合体(1)および/または変性水添共重合体(2)が、下記一般式から選ばれる少なくとも一つの構造を有することを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の放熱材料。
(i)B
(ii)B-A
(iii)B-A-B
(iv)(B-A) m -Z
(v)(B-A) n -Z-A p
 (ここで、Bは共役ジエンとビニル芳香族とのランダム共重合体ブロックであり、Aはビニル芳香族重合体ブロックである。mは2以上の整数であり、n及びpはそれぞれ1以上の整数である。Zはカップリング剤残基を示す。)
 変性水添共重合体(2)が、下記式(a)~(n)から選ばれる官能基を少なくとも1個有することを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の放熱材料。
 (上式で、R1~R4は、水素又は炭素数1~24の炭化水素基、あるいは水酸基、エポキシ基、アミノ基、シラノール基、アルコキシシラン基から選ばれる官能基を有する炭素数1~24の炭化水素基。R5は炭素数1~48の炭化水素鎖、あるいは水酸基、エポキシ基、アミノ基、シラノール基、アルコキシシラン基から選ばれる官能基を有する炭素数1~48の炭化水素鎖。なおR1~R4の炭化水素基、及びR5の炭化水素鎖中には、水酸基、エポキシ基、シラノール基、アルコキシシラン基以外の結合様式で、酸素、窒素、シリコン等の元素が結合しても良い。R6は水素又は炭素数1~8のアルキル基。)
 変性水添共重合体(2)が、有機リチウム化合物を重合触媒として得た水添前共重合体のリビング末端に官能基を含有する変性剤を付加反応させ、得られた変性水添前共重合体(2)に水素添加して得られることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の放熱材料。
 難燃剤(5)の内、リン系難燃剤を含有することを特徴とする請求項3~10のいずれか1項に記載の放熱材料。
 該リン系難燃剤がホスファゼンであることを特徴とする請求項11に記載の放熱材料。
 充填剤(6)が窒化ケイ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ホウ素、および黒鉛から選ばれる少なくとも1種類以上含有することを特徴とする請求項4~12のいずれか1項に記載の放熱材料。
 充填剤(6)が窒化アルミニウムまたは窒化ホウ素から選ばれる少なくとも1種類以上含有することを特徴とする請求項4~12のいずれか1項に記載の記載の放熱材料。
 酸化亜鉛(3)の配合割合が、放熱材料100質量%に対し、65質量%以上90質量%以下であることを特徴とする請求項1、2及び5~14のいずれか1項に記載の放熱材料。
 難燃剤(5)を含み、酸化亜鉛(3)の配合割合が、放熱材料100質量%に対し、65質量%以上87質量%以下であることを特徴とする請求項3~14のいずれか1項に記載の放熱材料。
 厚みが30μm以上1mm以下の、請求項1~16のいずれか1項に記載の放熱材料を成形した放熱シート。
 厚みが1mmを超えて3cm以下の、請求項1~16のいずれか1項に記載の放熱材料を成形した放熱シート。
Description:
放熱材料及び放熱材料で成形し 放熱シート

 本発明は、電気機器及び電子機器内部の 子基板上のIC、CPU、LED、LSI等の半導体素子 密着させ、半導体素子からの熱を放散させ 用途に使用される、放熱材料及び放熱材料 成形した放熱シートに関する。

 従来からデジタル家電の普及に伴い、電 機器や電子機器の高速化や高機能化の要求 高まっている。電気機器や電子機器におい 、電子制御を行うLSIやCPU等の半導体素子は コンピュータの集積度の増大及び動作の高 化により消費電力が増大し、結果として発 量も増大している。半導体素子に不具合が じる等の問題を解決するためには、放熱す 必要がある。一般の電気機器及び電子機器 おける放熱方法は、ヒートシンクなどの冷 用部品を取り付け、さらにヒートシンクを 却ファン等により強制的に空冷する方法で る。ノート型パーソナルコンピュータを始 とする小型の電気機器や、高密度実装され 電子機器は、冷却ファンなど設置する空間 小さいなどの制約から、シリコーングリー を塗布することにより放熱が行われている しかし、シリコーングリースには、作業効 が低い、塗布後のはみだしにより部品が汚 される、クッション性が劣るため高荷重下 の使用が制限される、等の問題点がある。

 電気機器や電子機器に対する高性能化の 求に対応するため、放熱シートが使用され いる。放熱シートとは、ヒートシンクなど 硬質な冷却用部品と硬質な発熱体間に挟み 両者の近接性を向上させるのに有効な軟質 シートである。両者が近接すれば、熱を冷 用部品へ効率よく伝達することができる。

 放熱シートとして、現在シリコーンゴム 比較的熱伝導性の高い充填剤を混合させた 熱シートが主に使用されている。このシリ ーンゴム製放熱シートは、取り扱いが容易 ある。しかしながら、シリコーンゴム製放 シートは、原料となるシリコーン樹脂その のが高価である他、硬化工程が必要である め、工程数が増加する等の問題がある。ま 、シリコーン樹脂は樹脂中に低分子量シロ サンが含まれている。よって発熱体に貼り けて使用する場合、低分子シロキサンガス 発生する。該ガスは電極接点などへ付着し 二酸化珪素を生成し、接点不良が発生する 能性がある。

 また、放熱シートには、熱伝導性以外に 々な物性を満たすことが要求される。

 例えば、電子基板の通電による故障を防 するために、放熱シートには絶縁性が求め れる。これは、電子基板に接触した状態で 着されることが多いためである。

 また、CPU等の発熱体とヒートシンク等の 却用部品間に距離がある場合、厚みが1mmを えて3cm以下の放熱シートが使用されること ある。このときは、柔軟性と靭性も要求さ る。これは、発熱体と冷却用部品間で放熱 ートに圧力がかかった状態で固定された時 、材料割れを防ぐためである。

 また、厚みが1mm以下の放熱シートを、例 ば電子基板上のCPU上に貼る場合、位置決め 一度でうまくいかず、貼り直しをするため 剥がすことがある。その際、靭性が不足し いると、放熱シート自体が引きちぎれ、歩 まりが悪化する。

 また、放熱シートは電気機器や電子機器 けでなく、住宅の床暖房にも使用される。 環パイプ内を流れる温水の熱を床面へ伝え ためである。現在、放熱シートとして使用 れているものは薄いアルミニウムフィルム ある。しかし、アルミニウムフィルムはク ション性に欠けるため、パイプと床の近接 が不足し、効率よく床面全体を均一に暖め ことができない。

 さらに、消費電力の高い電気機器や電子 器の内部部品に放熱シートが使用される場 、安全性の観点から、難燃性が要求される

 特許文献1および特許文献2には、樹脂に 化亜鉛ウィスカーを配合することが提案さ ている。これは、樹脂組成物に導電性を付 することや、樹脂の機械的強度を強くする とが目的である。

 特許文献3には、共役ジエンとビニル芳香 族からなる共重合体に水素添加してなるスチ レン系水添共重合体に充填剤を配合すること が提案されている。これは樹脂組成物の耐摩 耗性や機械的強度を向上させることが目的で ある。充填剤として、球状の酸化亜鉛の記載 があるが、球状の酸化亜鉛を使用しても、優 れた熱伝導性は発現しない。また難燃性の記 載もない。

 特許文献4には、スチレン系熱可塑性エラ ストマーとプロピレン系重合体の混合物に、 パラフィンオイル、熱伝導性充填剤および難 燃剤を混合した樹脂組成物が提案されている 。該樹脂組成物は、加工性と耐熱性を向上さ せるためにプロピレン系重合体を、多量の充 填剤を使用するためと柔軟性のためにパラフ ィンオイルを使用している。スチレン系エラ ストマーとプロピレン系重合体は、パラフィ ンオイルの添加の有無に係わらず、非相溶で ある。このため、材料として靭性が不足し、 シートまたは成形体に加工した場合、脆いと いう欠点が生じる。またスチレン系熱可塑性 エラストマーとプロピレン系重合体の合計量 に対し、パラフィンオイル量が3.5倍以上と非 常に多いために、相溶していないスチレン系 エラストマーとプロピレン系重合体の両相の 界面よりパラフィンオイルがブリードアウト し易い。例えばCPU上に該組成物からなる放熱 シートを実装した場合、CPUの作動により放熱 シートが冷熱サイクルにさらされ、パラフィ ンオイルがブリードアウトし、CPUを含む電子 基板汚染が生じる。また、硬質成分であるプ ロピレン重合体を用いているため、柔軟性に 欠ける。よってCPUまたはヒートシンクとの近 接性が不充分となり、放熱シートが本来持つ 熱伝導性を有効に発現させることができない 。結果として放熱性が劣る。

 特許文献5には、スチレン系熱可塑性エラ ストマーにアルミナ(酸化アルミニウム)等の 填剤を配合することが提案されている。こ は樹脂組成物の熱伝導性を向上させること 目的である。しかし熱伝導性を付与する充 剤として酸化亜鉛を使用すること、充填剤 好ましい形状、および組成物の製造時に生 る切粉についての記載はない。通常のアル ナの構造である不定形状または球状のアル ナを使用すると、ストランド切断時やシー カット時に、アルミナの脱落による切粉が 生し、絶縁性不良による電子基板の故障の 因となる。

 特許文献6には、黒鉛を熱可塑性樹脂に混 合した熱伝導性樹脂成形品が提案されている 。単に黒鉛を多量に混合すれば、熱伝導性は 大幅に向上するが、絶縁性は悪化する。よっ て電子基板に接触すると、通電によりショー トし半導体素子を破壊する原因になる。また 放熱シートに要求される柔軟性と靭性が欠け た材料となり好ましくない。逆に黒鉛を少量 混合する場合、絶縁性は保持できるが、熱伝 導性が不足する。よって近年の発熱量が増大 している半導体素子に対する放熱材料として は十分ではない。

 特許文献7には、熱可塑性樹脂、酸化亜鉛 ウィスカーからなる熱伝導性成形体が提案さ れている。しかし、軟質材料やパラフィンオ イル使用に関する記載がないため、柔軟性や 靭性に欠ける材料である。よって、冷却用部 品と発熱体の近接性が劣り、熱伝導性を有効 に発現することができず、放熱シートには不 適である。

特開平1-225663号公報

特公平7-51646号公報

特開2003-277560号公報

特開2003-49046号公報

特開2002-206030号公報

特開昭62-131033号公報

特開2006-57064号公報

 本発明は、上記の如き放熱材料の抱える 題を解決するためになされたものであって 優れた熱伝導性と絶縁性を有し、かつ柔軟 と靭性を有することを特徴とする放熱材料 び放熱材料で成形した放熱シートを提供す ことを目的とする。

 本発明者らは、前記課題を解決するため 意検討した結果、特定の構造を有する水添 重合体および/または特定の構造を有する変 性水添共重合体および核部とこの核部から4 方向に伸びた針状結晶部を有する酸化亜鉛 特定の割合で含み、さらに必要に応じて、 ラフィンオイル、難燃剤、または熱伝導率 10~400W/m・Kの充填剤を加えられた放熱材料が 優れた熱伝導性と絶縁性を有し、かつ柔軟 と靭性を保持することを見出した。そして 該放熱材料を成形した放熱シートが、放熱 ートに要求される物性において優れている とを見出し、本発明をなすに至った。

 即ち、本発明は、
[1]
 共役ジエンとビニル芳香族の共重合体に水 を添加してなる下記(a)~(d)を満たす水添共重 合体(1)および/または共役ジエンとビニル芳 族の共重合体に水素を添加してなり、かつ 能基を少なくとも1つ有する下記(a)~(d)を満た す変性水添共重合体(2)、および核部とこの核 部から異なる4軸方向に伸びた針状結晶部を する酸化亜鉛(3)を含み、パラフィンオイル(4 )、難燃剤(5)を含まず、下記(A)及び(B)を満た ことを特徴とする放熱材料。
(a)ビニル芳香族単位の含有量が45質量%を越え 90質量%以下
(b)ビニル芳香族からなる重合体ブロックの含 有量が40質量%以下
(c)重量平均分子量が5×10 4 ~100×10 4
(d)共役ジエンに基づく二重結合の水素添加率 が10%以上
放熱材料100質量%に対して、
(A)水添共重合体(1)と変性水添共重合体(2)の和 [(1)+(2)]の配合割合が10質量%以上90質量%以下
(B)核部とこの核部から異なる4軸方向に伸び 針状結晶部を有する酸化亜鉛(3)の配合割合 10質量%以上90質量%以下
[2]
 共役ジエンとビニル芳香族の共重合体に水 を添加してなる下記(a)~(d)を満たす水添共重 合体(1)および/または共役ジエンとビニル芳 族の共重合体に水素を添加してなり、かつ 能基を少なくとも1つ有する下記(a)~(d)を満た す変性水添共重合体(2)、核部とこの核部から 異なる4軸方向に伸びた針状結晶部を有する 化亜鉛(3)、およびパラフィンオイル(4)を含 、難燃剤(5)を含まず、下記(A)~(C)を満たすこ を特徴とする放熱材料。
(a)ビニル芳香族単位の含有量が45質量%を越え 90質量%以下
(b)ビニル芳香族からなる重合体ブロックの含 有量が40質量%以下
(c)重量平均分子量が5×10 4 ~100×10 4
(d)共役ジエンに基づく二重結合の水素添加率 が10%以上
放熱材料100質量%に対して、
(A)水添共重合体(1)、変性水添共重合体(2)、お よびパラフィンオイル(4)の総和[(1)+(2)+(4)]の 合割合が10質量%以上90質量%以下
(B)酸化亜鉛(3)の配合割合が10質量%以上90質量% 以下
(C)水添共重合体(1)と変性水添共重合体(2)の和 に対するパラフィンオイル(4)の質量比率[(4)/{ (1)+(2)}]が0を超えて2以下
[3]
 共役ジエンとビニル芳香族の共重合体に水 を添加してなる下記(a)~(d)を満たす水添共重 合体(1)および/または共役ジエンとビニル芳 族の共重合体に水素を添加してなり、かつ 能基を少なくとも1つ有する下記(a)~(d)を満た す変性水添共重合体(2)、核部とこの核部から 異なる4軸方向に伸びた針状結晶部を有する 化亜鉛(3)、パラフィンオイル(4)、および難 剤(5)を含み、下記(A)~(E)を満たすことを特徴 する放熱材料。
(a)ビニル芳香族単位の含有量が45質量%を越え 90質量%以下
(b)ビニル芳香族からなる重合体ブロックの含 有量が40質量%以下
(c)重量平均分子量が5×10 4 ~100×10 4
(d)共役ジエンに基づく二重結合の水素添加率 が10%以上
放熱材料100質量%に対して、
(A)水添共重合体(1)、変性水添共重合体(2)、お よびパラフィンオイル(4)の総和[(1)+(2)+(4)]の 合割合が10質量%以上87質量%以下
(B)酸化亜鉛(3)の配合割合が10質量%以上87質量% 以下
(C)水添共重合体(1)と変性水添共重合体(2)の和 に対するパラフィンオイル(4)の質量比率[(4)/{ (1)+(2)}]が0を超えて2以下
(D)難燃剤(5)の配合割合が3質量%以上30質量%以
(E)水添共重合体(1)、変性水添共重合体(2)、お よびパラフィンオイル(4)の総和に対する難燃 剤(5)の質量比率[(5)/{(1)+(2)+(4)}]が0.2以上3以下
[4]
 共役ジエンとビニル芳香族の共重合体に水 を添加してなる下記(a)~(d)を満たす水添共重 合体(1)および/または共役ジエンとビニル芳 族の共重合体に水素を添加してなり、かつ 能基を少なくとも1つ有する下記(a)~(d)を満た す変性水添共重合体(2)、核部とこの核部から 異なる4軸方向に伸びた針状結晶部を有する 化亜鉛(3)、パラフィンオイル(4)、難燃剤(5) および熱伝導率が10~400W/m・Kの充填剤(6)(酸化 亜鉛(3)を除く)を含み、下記(A)~(F)を満たすこ を特徴とする放熱材料。
(a)ビニル芳香族単位の含有量が45質量%を越え 90質量%以下
(b)ビニル芳香族からなる重合体ブロックの含 有量が40質量%以下
(c)重量平均分子量が5×10 4 ~100×10 4
(d)共役ジエンに基づく二重結合の水素添加率 が10%以上
放熱材料100質量%に対して、
(A)水添共重合体(1)、変性水添共重合体(2)、お よびパラフィンオイル(4)の総和[(1)+(2)+(4)]の 合割合が10質量%以上87質量%以下
(B)酸化亜鉛(3)と充填剤(6)の和[(3)+(6)]の配合割 合が10質量%以上87質量%以下
(C)水添共重合体(1)と変性水添共重合体(2)の和 に対するパラフィンオイル(4)の質量比率[(4)/{ (1)+(2)}]が0を超えて2以下
(D)難燃剤(5)の配合割合が3質量%以上30質量%以
(E)水添共重合体(1)、変性水添共重合体(2)、お よびパラフィンオイル(4)の総和に対する難燃 剤(5)の質量比率[(5)/{(1)+(2)+(4)}]が0.2以上3以下
(F)酸化亜鉛(3)と充填剤(6)の和[(3)+(6)]に対する 充填剤(6)の質量比率が0を超えて0.5未満
[5]
 変性水添共重合体(2)が、水酸基、エポキシ 、アミノ基、シラノール基、及びアルコキ シラン基から選ばれる官能基を少なくとも1 個有することを特徴とする[1]~[4]のいずれか1 に記載の放熱材料。
[6]
 水添共重合体(1)および/または変性水添共重 合体(2)中のビニル芳香族重合体ブロックの含 有量が10~40質量%である[1]~[5]のいずれか1つに 載の放熱材料。
[7]
 水添共重合体(1)および/または変性水添共重 合体(2)中のビニル芳香族重合体ブロックの含 有量が10質量%未満である[1]~[5]のいずれか1つ 記載の放熱材料。
[8]
 水添共重合体(1)および/または変性水添共重 合体(2)が、下記一般式から選ばれる少なくと も一つの構造を有することを特徴とする[1]~[7 ]のいずれか1つに記載の放熱材料。
(i)B
(ii)B-A
(iii)B-A-B
(iv)(B-A) m -Z
(v)(B-A) n -Z-A p
 (ここで、Bは共役ジエンとビニル芳香族と ランダム共重合体ブロックであり、Aはビニ 芳香族重合体ブロックである。mは2以上の 数であり、n及びpはそれぞれ1以上の整数で る。Zはカップリング剤残基を示す。)
[9]
 変性水添共重合体(2)が、下記式(a)~(n)から選 ばれる官能基を少なくとも1個有することを 徴とする[1]~[8]のいずれか1つに記載の放熱材 料。

 (上式で、R1~R4は、水素又は炭素数1~24の炭化 水素基、あるいは水酸基、エポキシ基、アミ ノ基、シラノール基、アルコキシシラン基か ら選ばれる官能基を有する炭素数1~24の炭化 素基。R5は炭素数1~48の炭化水素鎖、あるい 水酸基、エポキシ基、アミノ基、シラノー 基、アルコキシシラン基から選ばれる官能 を有する炭素数1~48の炭化水素鎖。なおR1~R4 炭化水素基、及びR5の炭化水素鎖中には、水 酸基、エポキシ基、シラノール基、アルコキ シシラン基以外の結合様式で、酸素、窒素、 シリコン等の元素が結合しても良い。R6は水 又は炭素数1~8のアルキル基。)
[10]
 変性水添共重合体(2)が、有機リチウム化合 を重合触媒として得た水添前共重合体のリ ング末端に官能基を含有する変性剤を付加 応させ、得られた変性水添前共重合体(2)に 素添加して得られることを特徴とする[1]~[9] のいずれか1つに記載の放熱材料。
[11]
 難燃剤(5)の内、リン系難燃剤を含有するこ を特徴とする[3]~[10]のいずれか1つに記載の 熱材料。
[12]
 該リン系難燃剤がホスファゼンであること 特徴とする[11]に記載の放熱材料。
[13]
 充填剤(6)が窒化ケイ素、窒化アルミニウム 炭化ケイ素、窒化ホウ素、および黒鉛から ばれる少なくとも1種類以上含有することを 特徴とする[4]~[12]のいずれか1つに記載の放熱 材料。
[14]
 充填剤(6)が窒化アルミニウムまたは窒化ホ 素から選ばれる少なくとも1種類以上含有す ることを特徴とする[4]~[12]のいずれか1つに記 載の記載の放熱材料。
[15]
 酸化亜鉛(3)の配合割合が、放熱材料100質量% に対し、65質量%以上90質量%以下であることを 特徴とする[1]、[2]及び[5]~[14]のいずれか1つに 記載の放熱材料。
[16]
 難燃剤(5)を含み、酸化亜鉛(3)の配合割合が 放熱材料100質量%に対し、65質量%以上87質量% 以下であることを特徴とする[3]~[14]のいずれ 1つに記載の放熱材料。
[17]
 厚みが30μm以上1mm以下の、[1]~[16]のいずれか 1つに記載の放熱材料を成形した放熱シート
[18]
 厚みが1mmを超えて3cm以下の、[1]~[16]のいず か1つに記載の放熱材料を成形した放熱シー 。

 本発明によって、優れた熱伝導性と絶縁 を有し、かつ柔軟性と靭性を有すことを特 とする放熱材料及び放熱材料で成形した放 シートを提供できる。

 本発明において、特定の構造を有する水 共重合体(1)および/または特定の構造を有す る変性水添共重合体(2)と核部とこの核部から 異なる4軸方向に伸びた針状結晶部を有する 化亜鉛(3)を特定の割合で用いることが必須 ある。特定の構造を有する水添共重合体(1) よび/または特定の構造を有する変性水添共 合体(2)を特定の割合で含むと、核部とこの 部から異なる4軸方向に伸びた針状結晶部を 有する酸化亜鉛(3)を多量に混合することでき 、優れた熱伝導性を有する放熱材料および放 熱材料で成形した放熱シートを得ることがで きる。また、核部とこの核部から異なる4軸 向に伸びた針状結晶部を有する酸化亜鉛(3) 用いると、優れた熱伝導性を有する放熱材 および放熱材料で成形した放熱シートを得 ことができる。

 さらに、パラフィンオイル(4)を特定の割 で含むと、柔軟性、熱伝導性、および成形 工性を向上させることができる。また、難 剤(5)を特定の割合で含むと、他の物性をほ 保持したまま難燃性を付与することができ 。さらに熱伝導率が10~400W/m・Kの充填剤(6)( 化亜鉛(3)を除く)を特定の割合で含むと、よ 優れた熱伝導性を付することができる。

 水添共重合体(1)および/または変性水添共 重合体(2)とは、共役ジエンとビニル芳香族の 共重合体に、水素を添加してなる。以下、水 添すると水添共重合体(1)になる共役ジエンと ビニル芳香族の共重合体を水添前共重合体(1) 、水添すると変性水添共重合体(2)になる共役 ジエンとビニル芳香族の共重合体を変性水添 前共重合体(2)、水添前共重合体(1)と変性水添 前共重合体(2)を合せて水添前共重合体と呼ぶ 。

 共役ジエンとは1対の共役二重結合を有す るジオレフィンである。例えば、1,3-ブタジ ン、2-メチル-1,3-ブタジエン(イソプレン)、2, 3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン 2-メチル-1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエ 等であり、特に一般的なものとしては、1,3- タジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン(イソプ ン)が挙げられる。これらは一種のみならず 種以上を使用してもよい。

 また、ビニル芳香族としては、例えばス レン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレ 、ジビニルベンゼン、1,1-ジフェニルエチレ 、N、N-ジメチル-p-アミノエチルスチレン、N 、N-ジエチル-p-アミノエチルスチレン等があ られる。これらは一種のみならず二種以上 使用してもよい。

 水添共重合体(1)および変性水添共重合体( 2)のビニル芳香族単位の含有量は各々45質量% 越え90質量%以下、好ましくは45質量%を越え8 8質量%以下、さらに好ましくは45質量%を越え8 6質量%以下である。この範囲であれば、柔軟 に富み、靭性等に優れた本発明の放熱材料 得ることができる。

 ビニル芳香族単位の含有量は、紫外分光 度計、赤外分光光度計や核磁気共鳴装置(NMR )等を用いて知ることができる。

 水添共重合体(1)および変性水添共重合体( 2)は各々、ビニル芳香族からなる重合体ブロ クの含有量は40質量%以下である。この場合 水添共重合体(1)および変性水添共重合体(2) 良好な柔軟性と耐ブロッキング性を有する

 耐ブロッキング性に優れた水添共重合体( 1)および変性水添共重合体(2)を得たい場合は ビニル芳香族からなる重合体ブロックの含 量は10~40質量%が好ましく、より好ましくは1 3~37質量%、さらに好ましくは15~35質量%である

 柔軟性に優れた水添共重合体(1)および変 水添共重合体(2)を得たい場合は、ビニル芳 族からなる重合体ブロックの含有量は10質 %未満が好ましく、より好ましくは8質量%未 、さらに好ましくは5質量%未満である。

 ビニル芳香族からなる重合体ブロックの 有量の測定は、例えば四酸化オスミウムを 媒として水添前共重合体をターシャルブチ ハイドロパーオキサイドにより酸化分解す 方法(I.M.KOLTHOFF,etal.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載 の方法)により得たビニル芳香族からなる重 体ブロック成分の重量(但し平均重合度が約3 0以下のビニル芳香族重合体成分は除かれて る)を用いて、次の式から求めることができ 。

 ビニル芳香族からなる重合体ブロックの 有量(質量%)={(水添前共重合体(1)および/また は変性水添前共重合体(2)中のビニル芳香族か らなる重合体ブロック質量)/(水添前共重合体 (1)および/または変性水添前共重合体(2)の質 )}×100

 なお、水添共重合体(1)および変性水添共 合体(2)におけるビニル芳香族のブロック率 各々、40質量%未満が好ましく、より好まし は20質量%以下、さらに好ましくは18質量%以 である。ここでいうブロック率とは、水添 重合体(1)や変性水添共重合体(2)の全ビニル 香族量に対するビニル芳香族重合体ブロッ 量の割合をいう。上記範囲内であることが 柔軟性の良好な組成物を得るうえで奨励さ る。

 水添共重合体(1)および変性水添共重合体( 2)は各々、ビニル芳香族からなる重合体ブロ ク以外にビニル芳香族単位を5質量%以上含 でいる。ビニル芳香族からなる重合体ブロ ク以外のビニル芳香族単位の含有量が5質量% 以上なら、水添共重合体(1)および変性水添共 重合体(2)の耐熱性向上効果が見られる。また 、ビニル芳香族からなる重合体ブロックでは ない部分の結晶化の阻害ができ、柔軟性が良 い。また酸化亜鉛(3)や充填剤(6)を多量に配合 できるため、熱伝導性も良好である。

 水添共重合体(1)および変性水添共重合体(2) 重量平均分子量は各々5×10 4 ~100×10 4 であり、好ましくは10×10 4 ~80×10 4 、より好ましくは13×10 4 ~50×10 4 である。ビニル芳香族からなる重合体ブロッ クの含有量が10~40質量%の水添共重合体(1)およ び変性水添共重合体(2)を使用する場合、その 重量平均分子量は10×10 4 を越え、50×10 4 未満、好ましくは13×10 4 ~40×10 4 、さらに好ましくは15×10 4 ~30×10 4 であることが奨励される。重量平均分子量が 5×10 4 以上であれば靭性が良く、また100×10 4 以下であれば柔軟性が良いため好ましい。さ らに、重量平均分子量が5×10 4 ~100×10 4 の場合、低分子量成分の含有量が少ないため 揮発成分が少ない。水添共重合体(1)および変 性水添共重合体(2)の分子量分布(Mw/Mn)(重量平 分子量(Mw)の数平均分子量(Mn)に対する比)は 々、成形加工性の点で、1.01~8.0が好ましく より好ましくは1.1~6.0、さらに好ましくは1.1~ 5.0であることが奨励される。ゲルパーミュエ ーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した 子量分布の形状に特に制限はない。山(ピー ク)が二ヶ所以上存在するポリモーダルの分 量分布を持つものでもよいが、山が一つで るモノモーダルの分子量分布を持つことが ましい。

 水添共重合体(1)および変性水添共重合体( 2)の分子量は、ゲルパーミュエーションクロ トグラフィー(GPC)による測定を行い、クロ トグラムのピークの分子量を、市販の標準 リスチレンの測定から求めた検量線(標準ポ スチレンのピーク分子量を使用して作成)を 使用して求めた重量平均分子量である。水添 共重合体(1)および変性水添共重合体(2)の分子 量分布も、同様にGPCによる測定から求めるこ とができる。

 水添共重合体(1)および変性水添共重合体( 2)は、各々水添前共重合体中の共役ジエンに づく二重結合の水素添加率が10%以上であり 好ましくは75%以上、さらに好ましくは85%以 である。水素添加率が10%以上の場合、熱劣 による柔軟性、強度、伸びが低下せず良好 耐熱性を示す。耐熱性に優れた放熱材料を たい場合、水素添加率が好ましくは85%以上 より好ましくは90%以上、さらに好ましくは9 5%以上であることが奨励される。耐候性に優 た放熱材料を得る場合は、水素添加率が好 しくは75%以上、より好ましくは85%以上、さ に好ましくは90%以上であることが奨励され 。また、架橋をする場合には、水素添加率 98%以下が好ましく、より好ましくは95%以下 さらに好ましくは90%以下であることが奨励 れる。

 ここで、共役ジエンに基づく二重結合の 素添加率とは、水添前共重合体(1)および変 水添前共重合体(2)各々が含んでいた共役ジ ンの二重結合に対する、水添共重合体(1)お び変性水添共重合体(2)各々の水素添加され 二重結合の割合をいう。

 水添共重合体(1)および変性水添共重合体( 2)の水素添加率は、赤外分光光度計や核磁気 鳴装置(NMR)等を用いて知ることができる。

 なお、共重合体中のビニル芳香族に基づく 香族二重結合の水素添加率については特に 限はないが、好ましくは50%以下、より好ま くは30%以下、さらに好ましくは20%以下であ 。 
 水添共重合体(1)および変性水添共重合体(2) 、下記(i)~(v)の一般式から選ばれる少なくと も一つの構造を有することが特に好ましい。 また、下記構造を複数種類、任意の割合で含 む混合物でもよい。
(i)B
(ii)B-A
(iii)B-A-B
(iv)(B-A) m -Z
(v)(B-A) n -Z-A p
(ここで、Bは共役ジエンとビニル芳香族との ンダム共重合体ブロック(以下、ブロックB 称する)であり、Aはビニル芳香族重合体ブロ ック(以下、ブロックAと称する)である。mは2 上の整数であり、n及びpはそれぞれ1以上の 数である。Zはカップリング剤残基を示す。 )
 一般式において、ブロックB中のビニル芳香 族は均一に分布していても、テーパー状に分 布していてもよい。またブロックBには、ビ ル芳香族が均一に分布している部分及び/又 テーパー状に分布している部分がそれぞれ 数個存在していてもよい。また、mは2以上 好ましくは2~10の整数であり、n及びpはそれ れ1以上、好ましくは1~10の整数である。ブロ ックBを共役ジエンとビニル芳香族とのラン ム構造にすることで、共重合体中の結晶部 を極力少なくする、またはなくすことがで 、酸化亜鉛(3)および/または充填剤(6)を多量 混合することが可能となる。

 変性水添共重合体(2)は、重合体鎖に官能 を有する。官能基としては、例えば水酸基 カルボキシル基、カルボニル基、チオカル ニル基、酸ハロゲン化物基、酸無水物基、 ルボン酸基、チオカルボン酸基、アルデヒ 基、チオアルデヒド基、カルボン酸エステ 基、エポキシ基、チオエポキシ基、スルフ ド基、イソシアネート基、イソチオシアネ ト基、アミド基、スルホン酸基、スルホン エステル基、リン酸基、リン酸エステル基 アミノ基、イミノ基、ニトリル基、ピリジ 基、キノリン基、ハロゲン化ケイ素基、シ ノール基、アルコキシシラン基、ハロゲン スズ基、アルコキシスズ基およびフェニル ズ基等から選ばれる官能基が挙げられる。 ましくは水酸基、アミノ基、エポキシ基、 ラノール基、およびアルコキシシラン基か 選ばれる官能基を少なくとも1個し、より好 ましくは水酸基、アミノ基、およびエポキシ 基から選ばれる官能基を少なくとも1つ有す 。本発明において、特に好ましくは、下記 般式で示されるものから選ばれる官能基を することである。

(上式で、R1~R4は、水素又は炭素数1~24の炭化 素基、あるいは水酸基、エポキシ基、アミ 基、シラノール基、アルコキシシラン基か 選ばれる官能基を有する炭素数1~24の炭化水 基。R5は炭素数1~48の炭化水素鎖、あるいは 酸基、エポキシ基、アミノ基、シラノール 、アルコキシシラン基から選ばれる官能基 有する炭素数1~48の炭化水素鎖。なおR1~R4の 化水素基、及びR5の炭化水素鎖中には、水 基、エポキシ基、シラノール基、アルコキ シラン基以外の結合様式で、酸素、窒素、 リコーン等の元素を含む官能基が結合して ても良い。R6は水素又は炭素数1~8のアルキル 基。)
 変性水添共重合体(2)は、共重合体の重合終 時にこれらの官能基を含有する変性剤を反 させることにより得られる。

 変性水添共重合体(2)は、有機リチウム化 物を重合触媒として得た水添前共重合体の ビング末端に、官能基を含有する変性剤を 加反応させ、それに水素を添加して得るこ ができる。

 変性水添共重合体(2)を得る他の方法とし 、水添共重合体(1)に有機リチウム化合物等 有機アルカリ金属化合物を反応(メタレーシ ョン反応)させ、有機アルカリ金属が付加し 共重合体に官能基を含有する変性剤を付加 応させる方法が挙げられる。

 水添共重合体(1)および/または変性水添共 重合体(2)には、示差走査熱量測定法(DSC法)に いて、-50~100℃の温度範囲において結晶化ピ ークが実質的に存在しないことが好ましい。 ここで、-50~100℃の温度範囲において結晶化 ークが実質的に存在しないとは、この温度 囲において結晶化に起因するピークが現れ い、もしくは結晶化に起因するピークが認 られる場合においても、その結晶化におけ 結晶化ピーク熱量が3J/g未満であることを意 する。結晶部分を極力少なくする、または くすことで、酸化亜鉛(3)および/または充填 剤(6)の多量に混合することが可能となる。こ れは、結晶部分には、酸化亜鉛(3)および/ま は充填剤(6)が侵入できないためである。

 水添共重合体(1)および/または変性水添共重 合体(2)の動的粘弾性スペクトルにおける損失 正接(tanδ)のピークが少なくとも1つは、-30~80 に存在することが好ましく、より好ましく -20~70℃、さらに好ましくは-20~50℃である。- 30~80℃の範囲に存在するtanδのピークは、ブ ックBに起因するピークである。tanδのピー が-30~80℃の範囲に少なくとも1つ存在するこ で、柔軟性と靭性が共に優れる。 
 水添前共重合体(1)および変性水添前共重合 (2)の共役ジエン部分のミクロ構造(シス、ト ランス、ビニルの比率)は、後述する極性化 物等の使用により任意に変えることができ 特に制限はない。一般的に共役ジエンとし 1,3-ブタジエンを使用した場合には、1,2-ビニ ル結合含有量は共役ジエン部分100%に対して5~ 80%、好ましくは10~60%である。共役ジエンとし てイソプレンを使用した場合又は1,3-ブタジ ンとイソプレンを併用した場合には、1,2-ビ ル結合と3,4-ビニル結合の合計含有量は好ま しくは3~75%、より好ましくは5~60%であること 推奨される。なお、本発明においては、1,2- ニル結合と3,4-ビニル結合の合計含有量(但 、共役ジエンとして1,3-ブタジエンを使用し 場合には、1,2-ビニル結合含有量)を以後ビ ル結合含有量と呼ぶ。

 水添前共重合体(1)および変性水添前共重 体(2)の共役ジエンに基づくビニル結合含有 は、赤外分光光度計(例えば、ハンプトン法 )や核磁気共鳴装置(NMR)等を用いて知ることが できる。

 また、水添前共重合体(1)および変性水添 共重合体(2)中における各分子鎖中のビニル 合含有量の最大値と最小値との差が好まし は10%未満、より好ましくは8%以下、さらに ましくは6%以下であることが奨励される。共 重合体鎖中のビニル結合は、均一に分布して いてもテーパー状に分布していてもよい。こ こで、ビニル結合含有量の最大値と最小値と の差とは、重合条件、すなわちビニル量調整 剤の種類、量及び重合温度で決定されるビニ ル結合含有量の最大値と最小値である。

 共役ジエン重合体鎖中のビニル結合含有 の最大値と最小値との差は、例えば共役ジ ンの重合時又は共役ジエンとビニル芳香族 共重合時の重合温度によって制御すること できる。第3級アミン化合物またはエーテル 化合物のようなビニル量調整剤の種類と量が 一定の場合、重合中のポリマー鎖に組み込ま れるビニル結合含有量は、重合温度によって 決まる。従って、等温で重合した重合体はビ ニル結合が均一に分散した重合体となる。こ れに対し、昇温で重合した重合体は、初期( 温で重合)が高ビニル結合含有量、後半(高温 で重合)が低ビニル結合含有量といった具合 各分子鎖中のビニル結合含有量に差のある 合体となる。かかる構造を有する共重合体 、水素を添加することにより各分子鎖中の ニル結合含有量に差のある水添共重合体(1) よび変性水添共重合体(2)が得られる。

 本発明において、水添前共重合体は、例 ば、炭化水素溶媒中で有機アルカリ金属化 物等の開始剤を用いてアニオンリビング重 により得られる。炭化水素溶媒としては、 えばn-ブタン、イソブタン、n-ペンタン、n- キサン、n-ヘプタン、n-オクタンの如き脂肪 族炭化水素類、シクロヘキサン、シクロヘプ タン、メチルシクロヘプタンの如き脂環式炭 化水素類、また、ベンゼン、トルエン、キシ レン、エチルベンゼンの如き芳香族炭化水素 類である。

 また、開始剤としては、一般的に共役ジ ン及びビニル芳香族に対し、アニオン重合 性があることが知られている脂肪族炭化水 アルカリ金属化合物、芳香族炭化水素アル リ金属化合物、有機アミノアルカリ金属化 物等が含まれる。該開始剤に含まれるアル リ金属としてはリチウム、ナトリウム、カ ウム等である。好適な有機アルカリ金属化 物としては、炭素数1~20の脂肪族および芳香 族炭化水素リチウム化合物であり、1分子中 1個のリチウムを含む化合物、1分子中に複数 のリチウムを含むジリチウム化合物、トリリ チウム化合物、テトラリチウム化合物が含ま れる。

 具体的にはn-プロピルリチウム、n-ブチル リチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリ チウム、n-ペンチルリチウム、n-ヘキシルリ ウム、ベンジルリチウム、フェニルリチウ 、トリルリチウム、ジイソプロペニルベン ンとsec-ブチルリチウムの反応生成物、さら ジビニルベンゼンとsec-ブチルリチウムと少 量の1,3-ブタジエンの反応生成物等があげら る。さらに、米国特許5,708,092号明細書に開 されている1-(t-ブトキシ)プロピルリチウム よびその溶解性改善のために1~数分子のイソ プレンモノマーを挿入したリチウム化合物、 英国特許2,241,239号明細書に開示されている1-( t-ブチルジメチルシロキシ)ヘキシルリチウム 等のシロキシ基含有アルキルリチウム、米国 特許5,527,753号明細書に開示されているアミノ 基含有アルキルリチウム、ジイソプロピルア ミドリチウムおよびヘキサメチルジシラジド リチウム等のアミノリチウム類も使用するこ とができる。

 本発明において有機アルカリ金属化合物 重合開始剤として共役ジエンとビニル芳香 を共重合する際に、重合体に組み込まれる 役ジエンに起因するビニル結合(1,2結合また は3,4結合)の含有量の調整や共役ジエンとビ ル芳香族とのランダム共重合性を調整する めに、調整剤として第3級アミン化合物また エーテル化合物を添加することができる。

 第3級アミン化合物としては一般式R 1 R 2 R 3 N(ただしR 1 、R 2 、R 3 は炭素数1から20の炭化水素基または第3級ア ノ基を有する炭化水素基である。)の化合物 ある。例えば、トリメチルアミン、トリエ ルアミン、トリブチルアミン、N,N-ジメチル アニリン、N-エチルピペリジン、N-メチルピ リジン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジ アミン、N,N,N’,N’-テトラエチルエチレンジ ミン、1,2-ジピペリジノエタン、トリメチル アミノエチルピペラジン、N,N,N’,N”,N”-ペ タメチルエチレントリアミン、N,N’-ジオク ル-p-フェニレンジアミン等である。

 エーテル化合物としては、直鎖状エーテ 化合物および環状エーテル化合物から選ば る。

 直鎖状エーテル化合物としてはジメチル ーテル、ジエチルエーテル、ジフェニルエ テル、エチレングリコールジメチルエーテ 、エチレングリコールジエチルエーテル、 チレングリコールジブチルエーテル等のエ レングリコールのジアルキルエーテル化合 類、ジエチレングリコールジメチルエーテ 、ジエチレングリコールジエチルエーテル ジエチレングリコールジブチルエーテル等 ジエチレングリコールのジアルキルエーテ 化合物類が挙げられる。

 環状エーテル化合物としてはテトラヒド フラン、ジオキサン、2,5-ジメチルオキソラ ン、2,2,5,5-テトラメチルオキソラン、2,2-ビス (2-オキソラニル)プロパン、フルフリルアル ールのアルキルエーテル等が挙げられる。

 本発明において有機アルカリ金属化合物 重合開始剤として共役ジエンとビニル芳香 を共重合する方法は、バッチ重合であって 連続重合であっても、或いはそれらの組み わせであってもよい。特に分子量分布を好 しい適正範囲に調整する上で連続重合方法 推奨される。重合温度は、一般に0℃乃至180 ℃、好ましくは30℃乃至150℃である。重合に する時間は条件によって異なるが、通常は4 8時間以内であり、特に好適には0.1乃至10時間 である。また、窒素ガス等の不活性ガス雰囲 気下で重合することが好ましい。重合圧力は 、上記重合温度範囲でモノマー及び溶媒を液 相に維持するに充分な圧力の範囲で行えばよ く、特に限定されるものではない。更に、重 合系内は触媒及びリビングポリマーを不活性 化させるような不純物、例えば水、酸素、炭 酸ガス等が混入しないように留意する必要が ある。

 重合終了時に2官能基以上のカップリング 剤を必要量添加してカップリング反応を行う ことができる。2官能基カップリング剤とし は公知のものいずれでも良く、特に限定さ ない。例えば、ジメチルジクロロシラン、 メチルジブロモシラン等のジハロゲン化合 、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息 酸フェニル、フタル酸エステル類等の酸エ テル類等が挙げられる。

 また、3官能基以上の多官能カップリング剤 としては公知のものいずれでも良く、特に限 定されない。例えば、3価以上のポリアルコ ル類、エポキシ化大豆油、ジグリシジルビ フェノールA等の多価エポキシ化合物、一般 R (4-n) SiX n (ただし、Rは炭素数1から20の炭化水素基、Xは ハロゲン、nは3または4)で示されるハロゲン 珪素化合物、ハロゲン化錫化合物が挙げら る。ハロゲン化珪素化合物としては例えば チルシリルトリクロリド、t-ブチルシリルト リクロリド、四塩化珪素およびこれらの臭素 化物等、ハロゲン化錫化合物としては、例え ばメチル錫トリクロリド、t-ブチル錫トリク リド、四塩化錫等の多価ハロゲン化合物が げられる。炭酸ジメチルや炭酸ジエチル等 使用できる。 
 本発明において、水酸基、エポキシ基、ア ノ基、シラノール基、およびアルコキシシ ン基から選ばれる官能基を少なくとも1つ有 する変性水添共重合体(2)を得るために使用さ れる変性剤としては、特公平4-39495号公報に 載された変性剤または下記のものが挙げら る。

 請求項9に示される、一般式(a)~(f)の官能基 有する変性剤の例としては、テトラグリシ ルメタキシレンジアミン、テトラグリシジ -1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン、テト ラグリシジル-p-フェニレンジアミン、テトラ グリシジルジアミノジフェニルメタン、ジグ リシジルアニリン、ジグリシジルオルソトル イジン、N-(1,3-ジブチルブチリデン)-3-(トリエ トキシシリル)-1-プロパンアミン、4-ジ(β-ト メトキシシリルエチル)アミノスチレン、4- (β-トリエトキシシリルエチル)アミノスチレ ン、4-ジ(β-トリエトキシシリルプロピル)ア ノスチレン、4-ジ(γ-トリエトキシシリルプ ピル)アミノスチレン等;
 式(g)の官能基を有する変性剤の例としては ε-カプロラクトン、δ-バレロラクトン、ブ ロラクトン、γ-カプロラクトン、γ-バレロ クトン等の環状ラクトン等;
 式(h)の官能基を有する変性剤の例としては 4-メトキシベンゾフェノン、4-エトキシベン ゾフェノン、4,4’-ビス(メトキシ)ベンゾフェ ノン、4,4’-ビス(エトキシ)ベンゾフェノン、 γ-グリシドキシプロピルトリプロポキシシラ ン、γ-グリシドキシプロピルトリブトキシシ ラン等;
 式(i)および(j)の官能基を有する変性剤の例 しては、γ-グリシドキシエチルトリメトキ シラン、γ-グリシドキシプロピルトリメト シシラン、γ-グリシドキシブチルトリメト シシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエ キシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリ ロポキシシラン、γ-グリシドキシプロピル リブトキシシラン、γ-グリシドキシプロピ トリフェノキシシラン等;
 γ-グリシドキシプロピルメチルジメトキシ ラン、γ-グリシドキシプロピルエチルジメ キシシラン、γ-グリシドキシプロピルエチ ジエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピ メチルジエトキシシラン、γ-グリシドキシ ロピルメチルジプロポキシシラン、γ-グリ ドキシプロピルメチルジブトキシシラン、 -グリシドキシプロピルメチルジフェノキシ ラン、γ-グリシドキシプロピルジメチルメ キシシラン、γ-グリシドキシプロピルジエ ルエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピ ジメチルエトキシシラン、γ-グリシドキシ ロピルジメチルフェノキシシラン、γ-グリ ドキシプロピルジエチルメトキシシラン、 -グリシドキシプロピルメチルジイソプロペ オキシシラン等;
 ビス(γ-グリシドキシプロピル)ジメトキシ ラン、ビス(γ-グリシドキシプロピル)ジエト キシシラン、ビス(γ-グリシドキシプロピル) プロポキシシラン、ビス(γ-グリシドキシプ ロピル)ジブトキシシラン、ビス(γ-グリシド シプロピル)ジフェノキシシラン、ビス(γ- リシドキシプロピル)メチルメトキシシラン ビス(γ-グリシドキシプロピル)メチルエト シシラン、ビス(γ-グリシドキシプロピル)メ チルプロポキシシラン、ビス(γ-グリシドキ プロピル)メチルブトキシシラン、ビス(γ-グ リシドキシプロピル)メチルフェノキシシラ 等;
 トリス(γ-グリシドキシプロピル)メトキシ ラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメト シシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリ トキシシラン、γ-メタクリロキシメチルト メトキシシラン、γ-メタクリロキシエチル リエトキシシラン、ビス(γ-メタクリロキシ ロピル)ジメトキシシラン、トリス(γ-メタ リロキシプロピル)メトキシシラン等;
 β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル-トリ メトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキ ル)エチル-トリエトキシシラン、β-(3,4-エポ キシシクロヘキシル)エチル-トリプロポキシ ラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチ -トリブトキシシラン、β-(3,4-エポキシシク ヘキシル)エチル-トリフェノキシシラン、β -(3,4-エポキシシクロヘキシル)プロピル-トリ トキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキ ル)エチル-メチルジメトキシシラン、β-(3,4- ポキシシクロヘキシル)エチル-エチルジメ キシシラン等;
 β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル-エチ ルジエトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロ キシル)エチル-メチルジエトキシシラン、β -(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル-メチル プロポキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロ キシル)エチル-メチルジブトキシシラン、β- (3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル-メチル フェノキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘ キシル)エチル-ジメチルメトキシシラン、β-( 3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル-ジエチル エトキシシラン等;
 β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル-ジメ チルエトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロ キシル)エチル-ジメチルプロポキシシラン β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル-ジメ ルブトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロ キシル)エチル-ジメチルフェノキシシラン、 β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル-ジエ ルメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘ キシル)エチル-メチルジイソプロペンオキシ ラン等;
 式(k)の官能基を有する変性剤の例としては 1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、1,3-ジエ ル-2-イミダゾリジノン等;
 式(l)の官能基を有する変性剤の例としては N,N’-ジメチルプロピレンウレア、N-メチル ロリドン等;
 ただし、式(m)および(n)の官能基を有する変 水添共重合体(2)は、それぞれ式(k)および(l) 官能基を有する変性水添前共重合体(2)を水 添加することによって得られる。 
 なお、変性剤の種類により、変性剤を反応 せた段階で一般に水酸基やアミノ基等は有 金属塩となっていることもあるが、その場 には水やアルコール等活性水素を有する化 物で処理することにより、水酸基やアミノ 等にすることができる。

 水添共重合体(1)および変性水添共重合体(2) 製造するために用いられる水添触媒は、特 制限されず、従来から公知である以下の触 が用いられる。
(1)Ni、Pt、Pd、Ru等の金属をカーボン、シリカ アルミナ、ケイソウ土等に担持させた担持 不均一系水添触媒、
(2)Ni、Co、Fe、Cr等の有機酸塩又はアセチルア トン塩等の遷移金属塩と有機アルミニウム の還元剤とを用いる、いわゆるチーグラー 水添触媒、及び
(3)Ti、Ru、Rh、Zr等の有機金属化合物等のいわ る有機金属錯体等の均一系水添触媒等。

 具体的な水添触媒としては、特公昭42-8704 号公報、特公昭43-6636号公報、特公昭63-4841号 報、特公平1-37970号公報、特公平1-53851号公 、特公平2-9041号公報に記載された水添触媒 使用することができる。好ましい水添触媒 してはチタノセン化合物および/または還元 有機金属化合物との混合物があげられる。 タノセン化合物としては、特開平8-109219号 報に記載された化合物が使用できる。具体 としては、ビスシクロペンタジエニルチタ ジクロライド、モノペンタメチルシクロペ タジエニルチタントリクロライド等の(置換) シクロペンタジエニル構造、インデニル構造 、およびフルオレニル構造を有する配位子を 少なくとも1つ以上持つ化合物が挙げられる また、還元性有機金属化合物としては、有 リチウム等の有機アルカリ金属化合物、有 マグネシウム化合物、有機アルミニウム化 物、有機ホウ素化合物あるいは有機亜鉛化 物等が挙げられる。

 水添反応は一般的に0~200℃、より好まし は30~150℃の温度範囲で実施される。水添反 に使用される水素の圧力は好ましくは0.1~15MP a、より好ましくは0.2~10MPa、更に好ましくは0. 3~5MPaが推奨される。また、水添反応時間は通 常3分~10時間、好ましくは10分~5時間である。 添反応は、バッチプロセス、連続プロセス 或いはそれらの組み合わせのいずれでも用 ることができる。

 水添反応後の反応溶液は、必要に応じて 媒残査を除去し、水添共重合体(1)および変 水添共重合体(2)を溶媒から分離することが きる。分離の方法としては、例えば水添後 溶液にアセトンまたはアルコール等の重合 に対する貧溶媒となる極性溶媒を加えて重 体を沈澱させて回収する方法、水添共重合 (1)および変性水添共重合体(2)の溶液を撹拌 熱湯中に投入し、スチームストリッピング より溶媒を除去して回収する方法、または 接重合体溶液を加熱して溶媒を留去する方 等を挙げることができる。

 なお、水添共重合体(1)および変性水添共 合体(2)には、各種フェノール系安定剤、リ 系安定剤、イオウ系安定剤、アミン系安定 等の安定剤を添加することができる。

 水添共重合体(1)および/または変性水添共 重合体(2)の代わりに、ブロック構造を持つス チレン系水添熱可塑性エラストマーであるSEB S(スチレン/エチレン・ブチレン/スチレン)を いた場合、エチレン・ブチレン部分で結晶 存在するため、酸化亜鉛(3)を多量に混合す ことできず、熱伝導性が不足する。また、 の熱可塑性樹脂、例えばポリプロピレン樹 を使用した場合、放熱材料に必要な柔軟性 劣り、かつ酸化亜鉛(3)が多量に混合できな ため、熱伝導性も劣る。

 酸化亜鉛(3)は、核部と核部から異なる4軸 方向に伸びた針状結晶部を有する酸化亜鉛で ある。例えば株式会社アムテック製「パナテ トラ(登録商標)」等が挙げられる。このよう 核部と核部から異なる4軸方向に伸びた針状 結晶部を有する酸化亜鉛の場合、樹脂中の酸 化亜鉛の接触点が多くなり、伝熱経路が形成 されやすく、優れた熱伝導性を発現すること が可能となる。

 また、酸化亜鉛(3)は、他の充填剤と比較 て、相対的に粒径が大きく、かつ4軸方向に 結晶が伸びていることにより、水添共重合体 (1)および/または変性水添共重合体(2)との接 面積が大きく、アンカー効果で欠落しにく ため、成形加工時の切粉を大幅に減らすこ ができ、絶縁性不良による電子基板の故障 抑制できる。

 酸化亜鉛(3)の針状結晶部の基部の径は、0 .7~14μmが好ましく、針状結晶部の基部から先 までの長さが3~200μmであることが好ましい より好ましくは針状結晶部の基部の径が1~14 mであり、針状結晶部の基部から先端までの さが10~200μmである。なお、基部の径とは、 部と針状結晶部の連結部分における針状結 部の径をいう。

 酸化亜鉛(3)の構造は、核部から伸びた針 結晶部の1つを基準としてその針状結晶部と は別の方向に伸びた各針状結晶部との角度が 、好ましくはそれぞれ90~140°の範囲にあるこ であり、より好ましくは100~120°の範囲にあ ことである。針状結晶部がテトラポッド状 均等方向に伸びた109.5°が最も好ましい。

 酸化亜鉛(3)には、カップリング剤で表面 理された核部と核部から異なる4軸方向に伸 びた針状結晶部を有する酸化亜鉛も本発明に 含まれ、カップリング剤の種類として、シラ ンカップリング剤、チタネート系カップリン グ剤、アルミニウム系カップリング剤が好適 に用いられる。

 また、本発明の放熱材料中に針状の酸化 鉛が存在することがあるが、これは酸化亜 (3)の4軸方向に伸びた針状結晶部が折損した ものであり、本発明の主要な特性を何ら損な うものではない。

 酸化亜鉛(3)を用いると、不定形状または 状の酸化亜鉛を使用した場合とは異なり、 伝導性が良好である。かつ切粉が発生しに いため絶縁不良も起こし難い。

 ただし、酸化亜鉛(3)以外の酸化亜鉛、例 ば粒状酸化亜鉛、球状酸化亜鉛も、本発明 目的を損なわない範囲の量を用いることも 能である。

 パラフィンオイル(4)とは、石油留分又は 油を水素添加し、精製したもの又は分解に り得られる潤滑油基油のことであり、パラ ィン鎖の炭素数が全炭素中50%以上を占める イルをいう。パラフィンオイル(4)は、放熱 料または放熱シートを製造する際、酸化亜 (3)を大量に混合するためと、溶融混練して られる放熱材料及び放熱材料で成形した放 シートの熱伝導性向上、ならびに柔軟性付 のために用いられる。

 パラフィンオイル(4)の40℃における動粘度 、100mm 2 /sec以上のもの、好ましくは100~10000mm 2 /sec、さらに好ましくは200~5000mm 2 /secである。

 パラフィンオイル(4)として、例えば、日 油脂株式会社製「NAソルベント(商品名)」、 出光興産株式会社製「ダイアナ(登録商標)プ セスオイルPW-90、PW-380」、出光石油化学株 会社製「IP-ソルベント2835(商品名)」、三光 学工業株式会社製「ネオチオゾール(商品名) 」等が挙げられる。

 パラフィンオイル(4)以外に、柔軟性付与 目的で、ナフテン環炭素数が30~45%のナフテ 系オイル、芳香族炭素数が30%を超える芳香 系オイル、ヒマシ油、アマニ油、ポリブテ 、低分子量ポリブタジエン、流動パラフィ 等を本発明の目的を損なわない量を用いる とが可能である。

 難燃剤(5)の例としては、ハロゲン系難燃 、金属水酸化物系難燃剤、リン系難燃剤、 リコーン系難燃剤等が挙げられる。

 ハロゲン系難燃剤の例としては、以下の のが挙げられる。

 塩素系難燃剤の例として、塩素化パラフ ン、塩素化ポリエチレン、パークロロシク ペンタデカン等が挙げられる。

 臭素系難燃剤の例として、ヘキサブロモ クロドデカン(HBCD)、デカブロモジフェニル キサイド(DBDPO)、オクタブロモジフェニルオ キサイド、テトラブロモビスフェノールA(TBBA )、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、ビス (ペンタブロモフェノキシ)エタン(BPBPE)、テト ラブロモビスフェノールAエポキシ樹脂(TBBAエ ポキシ)、テトラブロモビスフェノールAカー ネート(TBBA-PC)、エチレン(ビステトラブロモ フタル)イミド(EBTBPI)、エチレンビスペンタブ ロモジフェニル、トリス(トリブロモフェノ シ)トリアジン(TTBPTA)、ビス(ジブロモプロピ )テトラブロモビスフェノールA(DBP-TBBA)、ビ (ジブロモプロピル)テトラブロモビスフェ ールS(DBP-TBBS)、テトラブロモビスフェノール S(TBBS)、トリス(トリブロモネオペンチル)フォ スフェート(TTBNPP)、ポリブロモトリメチルフ ニルインダン(PBPI)、トリス(ジブロモプロピ ル)-イソシアヌレート(TDBPIC)等。

 上記ハロゲン系難燃剤の中でも、本発明 放熱材料の難燃性を少量添加で発現させる めに、臭素系難燃剤が好ましい。難燃剤の 散性を良くするために、融点が50℃以上150 以下の臭素系難燃剤がより好ましい。難燃 のブリードアウト防止のために、ビス(ジブ モプロピル)テトラブロモビスフェノールA(D BP-TBBA)がさらに好ましい。

 金属水酸化物系難燃剤の例としては、水 化マグネシウム、水酸化アルミニウム等が げられる。また、表面処理した金属水酸化 を用いることもできる。具体的にはステア ン酸、脂肪酸、チタン酸、シランカップリ グ剤、硝酸化合物等で表面処理した水酸化 グネシウム、水酸化アルミニウムを挙げら る。これらの内、硝酸化合物で表面処理さ た水酸化アルミニウムがより好ましい。そ 理由は、非ハロゲン系かつ非リン系である め環境に優しい難燃性を発現でき、他の金 水酸化物難燃剤と比較して、低温で高い吸 反応が生じ、かつ少量使用で難燃効果を発 でき、柔軟性と靭性が保持されるからであ 。ここで用いる硝酸化合物としては、硝酸 チル、硝酸エチル、硝酸ブチル、硝酸イソ ロピル、硝酸イソブチル、硝酸アンモニウ 、硝酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カ ウム、硝酸セシウム、硝酸マグネシウム、 酸カルシウム、硝酸鉄、硝酸ニッケル、硝 銅、硝酸亜鉛、硝酸グアニジン、硝酸セル ース、硝酸ヒドロキシアンモニウム、亜硝 メチル、亜硝酸エチル、亜硝酸ブチル、亜 酸イソプロピル、亜硝酸イソブチル、亜硝 アンモニウム、亜硝酸リチウム、亜硝酸ナ リウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸セシウム 亜硝酸マグネシウム、亜硝酸カルシウム、 酸鉄、硝酸ニッケル、硝酸銅、硝酸亜鉛、 が挙げられる。これらの内の2種類以上の硝 酸化合物を混合しても良い。分解温度と樹脂 の着色防止の観点から、硝酸アンモニウムが より好ましい。硝酸化合物で表面処理された 水酸化アルミニウムとして、例えば、石塚硝 子株式会社製「パイロライザー(登録商標)HG (硝酸アンモニウムで表面処理された水酸化 ルミニウム)等が挙げられる。

 金属水酸化物系難燃剤の平均粒径は、機 的強度や靭性保持の観点から、0.1μm以上5μm 以下の範囲にあることが好ましく、0.5μm以上 3μm以下の範囲にあることがより好ましい。

 リン系難燃剤の例としては、以下のもの 挙げることができる。ホスファゼン化合物 リン酸エステル、縮合リン酸エステル、ホ フィン酸塩、三級ホスフィン類、さらに赤 系化合物、ホスホン酸塩、リン酸エステル ミド、リン含有ポリマー、ホスフィンオキ ド、ホスフィンスルフィド等が挙げられる

 上記リン系難燃剤の中でも、難燃性と安 性の観点からホスファゼン化合物が好まし 。これらは一種単独又は二種以上の混合物 して使用することができる。

 リン系難燃剤の含有水分量は、電気特性 耐加水分解性等を考慮した場合、好ましく 1000ppm以下、より好ましくは800ppm以下、さら に好ましくは650ppm以下、さらには500ppm以下、 より好ましくは300ppm以下である。且つJIS K675 1に基づき測定された酸価が好ましくは1.0以 、より好ましくは0.5以下であることが望ま い。

 また、リン系難燃剤は、耐加水分解性、耐 湿性の観点から、水への溶解度(サンプルを 0.1g/mLの濃度で蒸留水に混合し、室温で1時間 拌した後の溶解度を指す)が好ましくは100ppm 以下、より好ましくは50ppm、さらに好ましく 、25ppm以下であるものが良い。 
 リン系難燃剤は、難燃性、燃焼時の低発煙 、低揮発性等を考慮すると、TGA(ThermoGravimetr ic Analysis)測定による不活性ガス雰囲気下、 温速度10℃/minで常温から600℃まで加熱した 、50質量%の質量減少時の温度と5質量%の質量 減少時の温度の差が、20~150℃であるものが好 ましく、20~120℃であるものがさらに好ましい 。また、リン系難燃剤を樹脂に対して用いた 場合、燃焼時の炭化層形成促進効果による難 燃効率を考えると、50質量%の質量減少時の温 度が320~500℃であるものが好ましく、より好 しくは350~460℃である。

 リン系難燃剤は、含有する置換基の種類 構造の違いによっても異なるが、液状、ワ クス状、固体状等、さまざまな形態を取る とができ、本発明の効果を損なわないもの あれば、どのような形状でも構わない。

 リン系難燃剤自体の耐熱性や、低揮発性 考慮する必要がある場合、本発明に好適に いることができるリン系難燃剤の中で、ホ ファゼン化合物、リン酸エステル、縮合リ 酸エステル、三級ホスフィン類、ホスフィ 酸塩が特に好適に用いられる。また、更に 加水分解性を考慮する必要がある場合、ホ ファゼン化合物が特に好適に用いられる。

 ホスファゼン化合物としては、従来公知 ものを広く用いることができる。本発明で 適に用いられるホスファゼン化合物の構造 、例えばJames E. Mark,Harry R. Allcock, Robert W est 著、”Inorganic Polymers” Pretice-HallInternatio nal, Inc., 1992, p61-p140に記載されている。例 ば、下記一般式(1)で示される環状ホスファ ン化合物及び/又は下記一般式(2)で示される 状ホスファゼン化合物が挙げられる。その でもこれらの構造を有するホスファゼン化 物を95質量%以上含有するものが好ましい。

(式中のnは3~25の整数、mは3~10000の整数であり 置換基Xは、炭素数が1~6のアルキル基、炭素 数が6~11のアリール基、フッ素原子、下記一 式(3)で示される置換基を有するアリールオ シ基、ナフチルオキシ基、炭素数が1~6のア コキシ基およびアルコキシ置換アルコキシ で表される置換基から選ばれる置換基であ 、それぞれ異なっていても、同じでも良い 置換基上の水素は一部又は全部がフッ素に 換されていても構わない。また、式中のYは- N=P(O)(X)又は-N=P(X) 3 を表し、Zは-P(X) 4 又は-P(O)(X) 2 を表す。)

(式中のY 1 、Y 2 、Y 3 、Y 4 及びY 5 は、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子、 炭素数が1~5のアルキル基またはアルコキシ基 、フェニル基、ヘテロ元素含有基の中からな る群より選ればれる置換基を表す。) 
 ホスファゼン化合物中の置換基Xの例として 、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソ ロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、tert-ブ ル基、n-アミル基、イソアミル基等のアル ル基、フェニル基、2-メチルフェニル基、3- チルフェニル基、4-メチルフェニル基、2,6- メチルフェニル基、3,5-ジメチルフェニル基 、2,5-ジメチルフェニル基、2,4-ジメチルフェ ル基、3,4-ジメチルフェニル基、4-ターシャ ーブチルフェニル基、2-メチル-4-ターシャ ーブチルフェニル基等のアリール基、メト シ基、エトキシ基、n-プロピルオキシ基、イ ソプロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、tert -ブチルオキシ基、s-ブチルオキシ基、n-アミ オキシ基、イソアミルオキシ基、tert-アミ オキシ基、n-ヘキシルオキシ基等のアルコキ シ基、メトキシメトキシ基、メトキシエトキ シ基、メトキシエトキシメトキシ基、メトキ シエトキシエトキシ基、メトキシプロピルオ キシ基等のアルコキシ置換アルコキシ基、フ ェノキシ基、2-メチルフェノキシ基、3-メチ フェノキシ基、4-メチルフェノキシ基、2,6- メチルフェノキシ基、2,5-ジメチルフェノキ 基、2,4-ジメチルフェノキシ基、3,5-ジメチ フェノキシ基、3,4-ジメチルフェノキシ基、2 ,3,4-トリメチルフェノキシ基、2,3,5-トリメチ フェノキシ基、2,3,6-トリメチルフェノキシ 、2,4,6-トリメチルフェノキシ基、2,4,5-トリ チルフェノキシ基、3,4,5-トリメチルフェノ シ基、2-エチルフェノキシ基、3-エチルフェ ノキシ基、4-エチルフェノキシ基、2,6-ジエチ ルフェノキシ基、2,5-ジエチルフェノキシ基 2,4-ジエチルフェノキシ基、3,5-ジエチルフェ ノキシ基、3,4-ジエチルフェノキシ基、4-n-プ ピルフェノキシ基、4-イソプロピルフェノ シ基、4-ターシャリーブチルフェノキシ基、 2-メチル-4-ターシャリーブチルフェノキシ基 2-フェニルフェノキシ基、3-フェニルフェノ キシ基、4-フェニルフェノキシ基等のアルキ 置換フェノキシ基、アリール置換フェノキ 基ナフチル基、ナフチルオキシ基等が挙げ れる。これらの基の一部又は全部の水素が ッ素及び/又はヘテロ元素を含有する基に置 き換わっていても構わない。

 ヘテロ元素を含有する基とは、B、N、O、S i、P、S原子を含有する基である。一例として 、アミノ基、アミド基、アルデヒド基、グリ シジル基、カルボキシル基、水酸基、メルカ プト基、シリル基等を含有する基が挙げられ る。

 さらに、これらのホスファゼン化合物は 際公開番号WO00/09518号に開示されている技術 により、フェニレン基、ビフェニレン基およ び下記に示す基(4)からなる群より選ばれた架 橋基によって架橋されていても良い。

(式中、Xqは、-C(CH 3 ) 2 -、-SO 2 -、-S-、または-O-を、yは0又は1を表す。)
 これらの架橋構造を有するホスファゼン化 物は、具体的にはジクロルホスファゼンオ ゴマーにフェノールのアルカリ金属塩およ 芳香族ジヒドロキシ化合物のアルカリ金属 を反応させることにより製造される。これ のアルカリ金属塩は、ジクロロホスファゼ オリゴマーに対して理論量よりもやや過剰 添加される。

 これらの化合物は、一種単独で用いても 二種以上の混合物として用いても良い。

 難燃性を決める因子の一つとして、分子 に含有するリン原子の濃度が挙げられる。 スファゼン化合物において、鎖状構造を有 る鎖状ホスファゼンは分子末端に置換基を することから、環状ホスファゼン化合物よ もリン含有率が低くなる。よって同じ重量 添加した場合、鎖状ホスファゼン化合物よ も環状ホスファゼン化合物の方がより難燃 付与効果が高いと考えられる。このことか 、本発明においては、環状構造を有するホ ファゼン化合物の使用が好ましく、環状ホ ファゼン化合物を95質量%以上含有する難燃 が好ましい。

 また、ホスファゼン化合物は環状三量体 環状四量体等の環状体や鎖状ホスファゼン いった構造の異なる混合物であるが、樹脂 添加した場合の加工性は環状三量体、四量 含有率が高いほど好ましい傾向にあり、具 的には環状三量体及び/又は四量体化合物を 80質量%以上含むホスファゼン化合物、より好 ましくは三量体及び/又は四量体化合物を85質 量%以上、さらに好ましくは93質量%以上含有 るホスファゼン化合物が好ましい。

 また、本発明において、三量体を好まし は70質量%以上、より好ましくは三量体を76 量%以上、更に好ましくは三量体を80質量%以 、特に好ましくは三量体を85質量%以上含有 るホスファゼン化合物を用いると、特に優 た難燃性付与効果が得られる上、優れた機 特性の向上効果が得られる。

 また、ホスファゼン化合物は、置換基の種 や構造の違いによっても異なるが、液状、 ックス状、固体状等、さまざまな形態を取 ことができ、本発明の効果を損なわないも であれば、どのような形状でも構わない。 体状態の場合、嵩密度が好ましくは0.45g/cm 3 以上、より好ましくは0.45g/cm 3 以上、0.75g/cm 3 以下であることが好ましい。

 該ホスファゼン化合物中に含有するナト ウム、カリウム等のアルカリ金属成分はそ ぞれ好ましくは200ppm以下、さらに好ましく 50ppm以下であり、より好ましくは、全アル リ金属成分が50ppm以下である。

 また、該ホスファゼン化合物中の、一般 (1)中の置換基Xのうち少なくとも一つが水酸 基であるホスファゼン化合物、即ちP-OH結合 含有するホスファゼン化合物の含有量は1質 %未満であることが望ましく、且つ、塩素含 有量が好ましくは1000ppm以下、より好ましく 500ppm以下、さらに好ましくは300ppm以下であ ことが望ましい。

 置換基Xのうち少なくとも一つが水酸基で あるホスファゼン化合物は、下記一般式(5)で 表されるオキソ体構造を含有しても良い。た だし、このようなオキソ体構造を有するホス ファゼン化合物は1質量%未満であることが望 しい。上記一般式(2)で表される鎖状構造を するホスファゼン化合物でも同様である。

(式中のa、bはいずれも整数であり、その和(a+ b)は3以上の整数である。また、式中のXは同 であっても異なっても良い。)
 リン酸エステルとしては、公知のものを用 ることができる。一例として、トリフェニ ホスフェート、トリフェニルホスフェート トリクレジルホスフェート、トリキシレニ ホスフェート、クレジルジフェニルホスフ ート、キシレニルジフェニルホスフェート ジキシレニルフェニルホスフェート、クレ ルジキシレニルホスフェート、ジクレジル シレニルホスフェート等が挙げられる。

 縮合リン酸エステルとしては、例えばペ タエリスリトールジホスフェートや、下記 般式(6)、(7)を有するリン酸エステル系化合 が挙げられる。ビスフェノールAとフェノー ルを原料として合成される縮合リン酸エステ ル、ビスフェノールAまたはレゾルシンと2,6- シレノールを原料として得られる縮合リン エステルが特に好適である。

(ここで、Q 1 、Q 2 、Q 3 、Q 4 、Q 9 、Q 10 、Q 11 、Q 12 は、独立に水素原子又は炭素数1から6のアル ル基を表し、Q 5 ,Q 6 、Q 7 、Q 8 、Q 13 は独立に水素原子、またはメチル基を表す。 m1、m2、m3、m4、m7、m8、m9、m10は、独立に0~3の 数を示し、m5、m6は独立に0から2の整数を表 、m11は独立に0~4の整数を表す。)
 ホスフィン酸塩としては、下記一般式(8)及 /又は(9)で表されるホスフィン酸塩及び/又 これらのポリマーから選ばれる少なくとも 種が挙げられる。

(式中Q 1 、Q 2 、Q 3 、Q 4 は、水素原子、炭素数が1~12のアルキル基、 素数が1~12のアルコキシ基、アリール基、ア ールオキシ基を表し、Q 5 は炭素数が1~18のアルキレン、アリールアル レン、アリーレン、アルキルアリーレン、 アリーレンから選ばれる基を表す。n、mはそ れぞれ1~3の整数であり、xは1又は2である。ま た、Mは、周期表第四周期以降の金属原子、 ミド、アンモニウム基及びメラミン誘導体 ら選ばれる基を表し、xが2の場合は同じ基で あっても異なる基であっても良い。) 
 三級ホスフィン類としては、公知のものを 適に用いることができる。例えば、トリア ールホスフィン、トリアルキルホスフィン トリアリールオキシホスフィン、トリアル キシホスフィン、ビス(ジアリールホスフィ ノ)ベンゼン、トリス(ジアリールホスフィノ) ベンゼン等が挙げられる。耐熱性及び、難燃 性、機械特性のバランスを考慮すると、TGAに よる不活性ガス雰囲気下、昇温速度10℃/minで 常温から600℃まで加熱した時の10%減量温度が 、150℃~320℃であることが好ましい。具体的 は、トリアリールホスフィン、トリアルキ ホスフィン、トリアリールオキシホスフィ 、トリアルコキシホスフィンが好ましく、 り好ましくは。下記一般式(10)で表されるト アリールホスフィン類である。

(式中、T 1 、T 2 、T 3 、T 4 は、それぞれ、独立に水素原子又は炭素数1~1 2のアルキル基又はアリール基を表し、T 5 は水素原子又はメチル基を表す。m1、m2、m3、 m4は、それぞれ、独立に0から5の整数を示し m5は独立に0から4の整数を表す。また、式中 nは、0~3の整数を表す。また、アリール基と して、ナフチル基も好適に用いることができ る。また、リン原子上の三つのアリール基は 、すべて同じ基であっても、それぞれ異なる 基であっても良い。)
 本発明において、アンチモン系化合物を難 剤と併用して使用することができる。該ア チモン化合物の具体例としては、三酸化ア チモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチ ン等の酸化アンチモン類やアンチモン酸ソ ダ等が挙げられる。

 さらに熱伝導性を向上させたい場合、充填 (6)を加えることができる。充填剤(6)とは、 伝導率が10~400W/m・Kの充填剤であり、酸化亜 鉛(3)は含まない。充填剤(6)の例として、例え ば金属粉、金属窒化物、金属炭化物、金属酸 化物、炭素化合物等を挙げることができる。 具体的には、
 金属粉:金、銀、銅、アルミニウム、銅・ア ルミニウム合金、銅・錫合金、アルミニウム ・錫合金等;
 金属窒化物:窒化珪素、窒化アルミニウム、 窒化ホウ素等;
 金属炭化物:炭化珪素、炭化アルミニウム、 炭化ホウ素等;
 金属酸化物:酸化亜鉛、酸化マグネシウム、 酸化アルミニウム、二酸化ケイ素等;
 炭素化合物:黒鉛、グラファイト、ケッチェ ンブラック、カーボンファイバー、CNT等;
が挙げられる。

 上記に例示した充填剤の内、熱伝導性、 縁性制御、及びコンパウンド時の取り扱い 、安全性等の点から、窒化ケイ素、窒化ア ミニウム、炭化ケイ素、窒化ホウ素、及び 鉛が好ましく、熱伝導性の点から、より好 しくは黒鉛、窒化アルミニウムまたは窒化 ウ素である。熱伝導性と絶縁性の点から、 に好ましくは窒化アルミニウムまたは窒化 ウ素である。

 黒鉛を用いる場合、種々の天然黒鉛また 人造黒鉛を用いることができる。天然黒鉛 して、鱗片状黒鉛、塊状黒鉛、土状黒鉛を いることができる。鱗片状黒鉛等の層間に 酸等を挿入(インターカーレーション)し、80 0~1000℃の温度で加熱し、層間を大きく膨張さ せた膨張黒鉛も用いることができる。用いる 黒鉛の形状として、靭性の点から、球状黒鉛 が好ましい。また、本発明に用いることがで きる充填剤(6)の平均粒径は、0.5μm以上100μm以 下が好ましく、より好ましくは0.5μm以上50μm 下である。さらに好ましくは、充填剤(6)が 化アルミニウムの場合0.5μm以上2μm以下であ り、窒化ホウ素の場合0.8μm以上30μm以下であ 。黒鉛の場合、熱伝導率を向上させるため は25μm以上50μm以下であり、靭性を向上させ るためには1μm以上25μm未満である。

 また、本発明の放熱材料で成形した放熱 ートのシート厚みT1(μm)と、酸化亜鉛(3)また は充填剤(6)の内、大きい方の平均粒径T2(μm) の比率T2/T1は、1以下であることが好ましく より好ましくは0.8以下であり、さらに好ま くは0.5以下である。T2/T1が1以下の場合、シ ト表面より酸化亜鉛(3)または充填剤(6)の粒 が突出せず、シート表面の平滑性が保持さ る。よって、絶縁性が要求される、例えば 子基板用に用いても、通電する等の問題が 生しない。

 充填剤(6)の純度は、熱伝導率と絶縁性制御 易性の点から、90%以上であることが好まし 、より好ましくは97%以上、さらに好ましく 99%以上である。 
 本発明の放熱材料において、水添共重合体( 1)と変性水添共重合体(2)の割合は、付着性に れた放熱材料を得たい場合、水添共重合体( 1)と変性水添共重合体(2)の各含有量の和に対 る変性水添共重合体(2)の含有量が、好まし は50質量%以上、より好ましくは70質量%以上 さらに好ましくは90質量%以上であることが 励される。また、耐腐食性に優れた放熱材 を得たい場合は、変性水添共重合体(2)の含 量が好ましくは30質量%以下、より好ましく 20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下 あることが奨励される。

 本発明の放熱材料において、水添共重合 (1)と変性水添共重合体(2)の和[(1)+(2)]の配合 合は、パラフィンオイル(4)を含まない場合 放熱材料100質量%に対し、10質量%以上90質量% 以下である。[(1)+(2)]の配合割合が10質量%以上 の場合、充分な柔軟性と靭性が得られ、90質 %以下の場合、充分な熱伝導性が得られる。

 酸化亜鉛(3)の配合割合は、放熱材料100質 %に対し10質量%以上90質量%以下であり、好ま しくは50質量%以上90質量%以下、より好ましく は65質量%以上90質量%以下、さらに好ましくは 70質量%以上90質量%以下である。ただし、難燃 剤(5)を含む場合、放熱材料100質量%に対し、10 質量%以上87質量%以下であり、好ましくは50質 量%以上87質量%以下、より好ましくは65質量% 上87質量%以下、さらに好ましくは70質量%以 87量%以下である。この範囲にあると放熱性 柔軟性、および靭性が優れる。

 水添共重合体(1)、変性水添共重合体(2)、 よびパラフィンオイル(4)の総和[(1)+(2)+(4)]の 配合割合は、放熱材料100質量%に対し、10質量 %以上90質量%以下である。ただし、難燃剤(5) 含む場合は、パラフィンオイル(4)の総和[(1)+ (2)+(4)]の配合割合は、放熱材料100質量%に対し 、10質量%以上87質量%以下である。いずれもこ の範囲であれば、良好な柔軟性と靭性が得ら れ、良好な熱伝導性を示す。より好ましくは 10質量%以上60質量%以下であり、さらに好まし くは10質量%以上40質量%以下である。

 また、本発明に用いる水添共重合体(1)と 性水添共重合体(2)の和に対するパラフィン イル(4)の質量比率[(4)/{(1)+(2)}]は、0を超えて 2以下であり、好ましくは0.5以上1.5以下であ 、より好ましくは0.8以上1.2以下である。2以 であればパラフィンオイル(4)のブリードア トを防止することができる。パラフィンオ ル(4)を使用することで柔軟性がさらに向上 、かつ酸化亜鉛(3)をさらに多量に混合する とが可能となり、熱伝導性も向上する。

 上記配合量、比率を満たした上で、パラ ィンオイル(4)の配合割合は、放熱材料100質 %に対し、0質量%以上90質量%以下であること 好ましい。より好ましくは0質量%以上50質量 %以下、さらに好ましくは0質量%以上20質量%以 下である。

 本発明に用いる難燃剤(5)の配合割合は、 熱材料100質量%に対し、3質量%以上30質量%以 である。3質量%以上20質量%以下であること 好ましく、3質量%以上15質量%以下であること がより好ましい。30質量%以下であれば充分な 熱伝導性を示し、3質量%以上であれば難燃性 付与することができる。

 水添共重合体(1)、変性水添共重合体(2)、 よびパラフィンオイル(4)の総和に対する難 剤(5)の質量比率[(5)/{(1)+(2)+(4)}]は、0.2以上3 下であることが好ましく、0.4以上3以下であ ことがより好ましく、0.6以上2.5以下である とがさらに好ましく、1以上2以下であるこ が最も好ましい。0.2以上であれば難燃性を 与することができ、3以下であれば充分な柔 性と靭性が得られる。

 酸化亜鉛(3)と充填剤(6)の配合割合[(3)+(6)] 、難燃剤(5)を含まない場合、放熱材料100質 %に対し、10質量%以上90質量%以下であること が好ましい。より好ましくは50質量%以上90質 %以下、さらに好ましくは65質量%以上90質量% 以下、最も好ましくは70質量%以上90質量%以下 である。

 難燃剤(5)を含む場合、放熱材料100質量%に 対し、10質量%以上87質量%以下であることが好 ましい。より好ましくは50質量%以上87質量%以 下、さらに好ましくは65質量%以上87質量%以下 、最も好ましくは70質量%以上87量%以下である 。この範囲にあると放熱性、柔軟性、および 靭性が優れる。

 酸化亜鉛(3)と充填剤(6)の和[(3)+(6)]に対す 充填剤(6)の質量比率は0を超えて0.5未満が好 ましく、より好ましくは0.1以上0.3以下であり 、さらに好ましくは0.1以上0.15以下である。 填剤(6)の質量比率が0.5以下であれば、酸化 鉛(3)との接触等により熱伝導性が向上する

 なお、用いる充填剤(6)の種類、形状、粒径 粒径分布により、充填剤(6)と酸化亜鉛(3)と 接触等の態様が異なるため、充填剤(6)が与 る熱伝導性と絶縁性への影響が異なる。電 ・電子分野において放熱材料及び放熱材料 成形した放熱シートに要求される絶縁性を たすために、印加電圧100Vでの体積抵抗率が 1×10 8 ω・cm以上1×10 16 ω・cm未満となるように、充填剤(6)の配合割 を、上記に記載した酸化亜鉛(3)と充填剤(6) 和[(3)+(6)]に対する充填剤(6)の質量比率0以上0 .5未満の範囲内から決定する。

 上記配合量、比率を満たした上で、充填 (6)の配合割合は、放熱材料100質量%に対し、 0質量%以上45質量%未満であることが好ましい より好ましくは3質量%以上45質量%未満、さ に好ましくは8質量%以上45質量%未満である。

 本発明の放熱材料は、本発明の目的を損 わない範囲で必要に応じて、ビニル芳香族 みからなる重合体、アクリル系樹脂、脂肪 、脂肪酸塩、難燃助剤であるドリップ防止 、酸化防止剤、紫外線吸収剤、剛性向上剤 熱安定剤、帯電防止剤、光安定剤、老化防 剤、着色剤等の添加剤を含んでいてもよい

 アクリル系樹脂とは、具体的には(メタ) クリル酸アルキルエステルからなる群より ばれる少なくとも1種の化合物の重合体又は 重合体のことである。(メタ)アクリル酸ア キルエステルとしては、例えば、メチルア リレート、メチルメタクリレート、エチル クリレート、エチルメタクリレート、n-プロ ピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、2 -エチルヘキシルアクリレート、ヘキシルメ クリレート、2-エチルヘキシルメタクリレー ト、ドデシルメタクリレートが挙げられる。 これら化合物を単独で、または2種類以上組 合わせて重合させて得られる共重合体であ ばアクリル系樹脂として使用することがで る。またアクリル酸アルキルエステルを重 して得られるアクリル系ゴム粒子に(メタ)ア クリル酸アルキルエステルを主成分として得 られるグラフト共重合体も使用することがで きる。例えば、ゼオン化成株式会社製「ハイ ブレン(商品名)」等が挙げられる。

 アクリル系樹脂の配合割合は、放熱材料1 00質量%に対し、0を超えて5質量%以下が好まし く、0.01質量%以上5質量%以下がより好ましく 0.05質量%以上2質量%以下がさらに好ましい。 クリル系樹脂を加えることで、伝熱方向異 性を減らすことができ、かつカレンダー成 等で作成したシートの厚みムラが大幅に減 する。しかし、アクリル系樹脂の配合割合 5質量%を超えると熱伝導性が低下する。

 脂肪酸、脂肪酸塩は、飽和脂肪酸、飽和 肪酸塩であっても不飽和脂肪酸、不飽和脂 酸塩であってもよい。炭素数8~34であること がより好ましく、炭素数14~22であることがさ に好ましい。また飽和脂肪酸、飽和脂肪酸 であることが好ましい。具体的には、ラウ ン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペン デシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸 ステアリン酸、ノナデカン酸、オレイン酸 カプリン酸、ベヘニン酸、リノール酸、モ タン酸等の脂肪酸およびそれら脂肪酸のマ ネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩等 アルカリ土類金属塩の他、亜鉛金属塩等を げることができる。これらの中でもステア ン酸、オレイン酸、ラウリン酸およびそれ のアルカリ土類金属塩(マグネシウム塩、カ ルシウム塩)、亜鉛金属塩が好適に用いられ 。

 脂肪酸、脂肪酸塩の配合割合は、放熱材 100質量%に対し、0を超えて5質量%以下が好ま しく、0.2質量%以上3質量%以下がより好ましく 、0.5質量%以上2質量%以下がさらに好ましい。 脂肪酸、脂肪酸塩を加えることで、Tダイシ ト成形やカレンダー成形において、高温時 のロールからのシートリリース性が大幅に 上する。その結果、平滑性に優れた放熱シ トを得ることができ、得られた放熱シート 電子基板に装着した際に密着性が増し、熱 導性が大幅に向上する。また、カレンダー 形等で作成した場合の放熱シートの厚みム が大幅に減少する。脂肪酸、脂肪酸塩の配 割合が5質量%以下であれば充分な熱伝導性も 保持される。

 難燃助剤として、ポリテトラフルオロエチ ンなどのドリップ防止剤を配合することも きる。このポリテトラフルオロエチレンは 分子量10×10 4 以上、好ましくは20×10 4 から300×10 4 程度のものが望ましい。分子量が10×10 4 以上の場合、ポリテトラフルオロエチレンが 配合された放熱材料は、燃焼時のドリップが 抑制される。例えば、三菱レイヨン株式会社 製「メタブレン(登録商標)」等が挙げられる

 本発明に用いることができる酸化防止剤 しては、ヒンダードフェノール系酸化防止 やアミン系やヒドロキシルアミン系の酸化 止剤が挙げられる。ヒンダードフェノール 酸化防止剤としては、例えば、トリエチレ グリコール-ビス〔3-(3-t-ブチル-5-メチル-4- ドロキシフェニル)-プロピオネート〕、及び ペンタエリスリチル-テトラキス〔3-(3,5-ジ-t- チル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート 〕が挙げられる。

 本発明に用いることができる紫外線吸収 としては、ベンゾトリアゾ-ル系紫外線吸収 剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシ レート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート 系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩紫外線吸収剤 が挙げられる。特に好ましいのはベンゾトリ アゾール系紫外線吸収剤とベンゾフェノン系 紫外線吸収剤である。

 本発明の放熱材料の機械的強度を向上さ るために、剛性向上材である、例えば、炭 カルシウム、炭酸マグネシウム等を用いる とができる。

 本発明の放熱材料及び放熱材料で成形した 熱シートの絶縁性は、印加電圧100Vでの体積 抵抗率が1×10 8 ω・cm以上1×10 16 ω・cm未満であれば帯電した静電気や、通電 より電子部品等が壊れることはない。1×10 10 ω・cm以上1×10 16 ω・cm未満であることが好ましく、1×10 12 ω・cm以上1×10 16 ω・cm未満であることがより好ましい。また 体積抵抗率が1×10 8 ω・cm以上1×10 16 ω・cm未満になる印加電圧は、好ましくは100V 上、より好ましくは250V以上、さらに好まし くは500V以上、最も好ましくは1kV以上である  
 本発明の放熱材料は、ブラベンダー、ニー ー、バンバリーミキサー、二軸あるいは一 押出機など従来の公知技術によって容易に 造できる。

 本発明の放熱材料は、優れた熱伝導率を し、熱可塑性であるため、溶融して型に注 し、賦型できる。このことから、本発明の 熱材料は、様々な放熱用途に、成形体とし 好適に使用される。

 このような特性を有する成形体は、本発 の放熱材料を加熱溶融可塑化して成形する とにより得られる。具体的には、射出成形 インジェクションプレス成形、またはガス ンジェクション成形など公知の成形方法に 成形体を製造することが可能である。

 中でも、本発明の放熱材料が熱可塑性で ること、加熱可塑化させた溶融物を容易に 続した薄肉シート状に賦型できること、か 加熱による揮発成分が少ないこと等の点か 、シート形状の成形体が好ましい。

 本発明の放熱材料で成形した放熱シート 、上記の方法で混練した後、射出成形、イ ジェクションプレス成形、またはガスイン ェクション成形以外の成形方法として、Tダ イシート成形、カレンダー成形、ブロー成形 、プレス成形、インフレーション成形等によ り製造することができる。中でも、0.2mm厚み 下の放熱材料で成形した放熱シートを製造 るためには、Tダイシート成形またはインフ レーション成形が好ましい。表面平滑性に優 れる放熱シートを製造するためには、カレン ダー成形またはプレス成形が好ましい。表面 平滑性に優れる放熱シートは、発熱体に実装 時、発熱体および冷却用部品と密着し、両者 を近接させるため、優れた放熱性を発揮する 。

 放熱シートの平滑性は、具体的にはJIS K7 105に準拠して測定した放熱材料で成形した放 熱シートの表面における60度表面グロスの値 10以上であることが好ましい。

 本発明の放熱材料で成形した放熱シート 厚みは、30μm以上3cm以下が好ましい。厚み 30μm以上なら、絶縁性が保持され、厚みが3cm 以下であれば、成形加工や取り扱いが容易で ある。また、放熱シートは厚くなる程、絶縁 性と難燃性が向上する。

 発熱体からの熱を迅速に放散ことが要求 れる用途の場合、熱伝導経路の短い薄いシ トが好ましい。具体的にシート厚みとして3 0μm以上1mm以下がより好ましく、30μm以上0.5mm 下がさらに好ましい。またCPU等の発熱体と ートシンク等の冷却用部品間のスペーサー して用いる場合、クッション性のある厚い ートが好ましい。具体的には、シート厚み して1mmを超えて3cm以下が好ましく、かつJIS A硬度で65以下であることが好ましく、45以下 であることがさらに好ましい。このクッショ ン性のある厚い放熱シートは、住宅の床暖房 のスペーサー(床と循環パイプ間に装着)にも 適である。

 本発明の放熱材料で成形した放熱シート 硬度は、JIS A硬度で20以上95以下であること が好ましい。95以下であれば、半導体素子と 却用部品が充分に近接し、熱伝導性が良好 なる。20以上であれば、取り扱いが容易で る。

 本発明の放熱材料及び放熱材料で成形した 熱シートは、廃棄物等の環境問題の観点か 再利用することができる。具体的には、以 のようにして再利用することができる。
1)一度市場に流通などした後に回収された放 シートを必要に応じ破砕した後放熱材料を えて溶融し再度シート化する。
2)回収された放熱シートと、放熱材料ペレッ あるいは本発明の原材料を共に再度溶融混 してシート状に成形し、放熱シートを製造 る。

 回収された放熱シートの、放熱材料ある は本発明の原材料に対する好ましい割合は 全体100質量%に対し、100質量%以下、より好 しくは50質量%以下、さらに好ましくは30質量 %以下である。この範囲であれば放熱材料及 放熱材料で成形した放熱シートの特性を維 しつつ、放熱材料及び放熱材料で成形した 熱シートを再利用することができる。

 本発明の放熱材料及び放熱材料で成形した 熱シートは、
 コンピュータ類の放熱部品:パソコン、家庭 用ゲーム機等、携帯電話等;
 ディスプレイ電源ユニット等の放熱部品:家 庭用テレビ、プラズマディスプレイ、液晶テ レビ等;AV機器、OA機器等の放熱部品:DVDプレー ヤー、DVDレコーダー、HDDレコーダー、家庭用 テレビ、プラズマディスプレイ、液晶テレビ 等;LEDバックライト光源の放熱部品:液晶TV等;
自動車電装部材の放熱部品:カーステレオ、 ーナビゲーショシステム等;
その他の放熱部品:インバーター、照明、エ コン等;
などの高熱伝導性、絶縁性、柔軟性、靭性及 び難燃性が必要とされる用途に好適に使用さ れる。

 本発明の水素添加条件下では、ビニル芳 族単位の含有量、ビニル芳香族からなる重 体ブロックの含有量は水添の前後で変わら いため、水添前共重合体を用いて測定した

 なお、放熱材料や放熱シートの状態から 各原材料の含有量や組成を測定するには、 ロロホルム、シクロヘキサン、または適当 割合のシクロヘキサン-クロロホルム混合溶 媒等を用いて該放熱材料や放熱シートを溶解 し、該溶液を測定に用いる。

 また、水添共重合体から、ビニル芳香族重 体ブロック含有量を算出する場合は、核磁 共鳴装置(NMR、JMN-270WB:日本電子株式会社製 )を使用して、Y. Tanaka, et al., Rubber Chemistry  and Technology 54. 685(1981)に記載の方法に準じ る。具体的には、水添共重合体30mgを1g重クロ ロホルムに溶解したものを試料とし、 1 H-NMRを測定する。ビニル芳香族がスチレンの 合、NMR測定によって得られる見かけ上のビ ル芳香族重合体ブロック含有量(Ns)を、下記 数値と下記式を用い、ビニル芳香族重合体ブ ロック含有量(Os)を算出する。

 ブロックスチレン強度(S1)=(6.9~6.3ppmの積算値 )/2
 ランダムスチレン強度(S2)=(7.5~6.9ppmの積算値 )-3×(S1)
 エチレン・ブチレン強度(EB)=全積算値-3×[(S1 )+(S2)]/8
 見かけ上のビニル芳香族重合体ブロック含 量(Ns)=104×(S1)/[104×{(S1)+(S2)}+56×(EB)]
 Os=-0.012×(Ns) 2 +1.8×(Ns)-13.0

 以下に本発明を実施例により具体的に説明 るが、本発明はこれらの実施例のみに限定
されるものではない。
[原料]
<水添共重合体(1)>
(ポリマー1)
 下記重合方法で製造した。
・反応条件等
反応器:内容積が10Lの撹拌装置及びジャケッ 付き槽型反応器
反応温度:重合中は70℃を保持した。水添反応 中は65℃を保持した。
水添触媒:窒素置換した水添触媒調整用反応 器に乾燥、精製したシクロヘキサン1リット を仕込み、ビス(η5-シクロペンタジエニル) タニウムジクロリド100ミリモルを添加した 充分に攪拌しながら、トリメチルアルミニ ム200ミリモルを含むn-ヘキサン溶液を添加 て、室温にて約3日間反応させたものを用い 。
・反応手順
(i)シクロヘキサン10質量部を反応器に仕込ん 温度70℃に調整する。
(ii)1段目反応として、n-ブチルリチウム0.076質 量部、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジア ン(以下TMEDA)をn-ブチルリチウム1モルに対し て0.4モル添加する。
(iii)スチレン8質量部を含有するシクロヘキサ ン溶液(モノマー濃度22質量%)を約3分間かけて 添加し、添加終了後30分間反応させた。
(iv)2段目反応として、1,3-ブタジエン48質量部 スチレン36質量部とを含有するシクロヘキ ン溶液(モノマー濃度22質量%)を60分かけて一 速度で連続的に反応器に供給し、添加終了 30分間反応させた。
(v)3段目反応としてスチレン8質量部を含有す シクロヘキサン溶液(モノマー濃度22質量%) 約3分間かけて添加し、添加終了後30分間反 させ、共重合体を得た。
(vi)得られた共重合体に、上記水添触媒をチ ン量換算で、100質量ppm添加し、水素圧0.7MPa 温度65℃で水添反応を行った。
(vii)反応終了後にメタノールを添加し、次に 定剤としてオクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4 -ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、共 合体に対して0.3質量%添加し、水添共重合体 を得た。

 得られた水添共重合体の重量平均分子量は1 6.5×10 4 、分子量分布は1.2、水
素添加率は99%であった。また動的粘弾性測定 の結果、tanδのピーク温度は-15℃に存在した また、DSC測定の結果、結晶化ピークは無か た。

 また、3段目反応後に得られた水添前共重合 体から求めたビニル芳香族単位の含有量は52 量%、ビニル芳香族からなる重合体ブロック の含有量は16質量%、1,3-ブタジエン部のビニ 結合含有量は21質量%であった。
(ポリマー2)
 下記重合方法で製造した。 
 1段目でスチレン4.5質量部、2段目で1,3-ブタ エン49質量部とスチレン42質量部、3段目で チレン4.5質量部を使用した以外は、ポリマ 1と同様の方法で水添前共重合体を得た。次 ポリマー1と同様に水添反応を行い、水添共 重合体を得た。重量平均分子量は17.5×10 4 、分子量分布は1.2、水素添加率は99%であった 。また動的粘弾性測定の結果、tanδのピーク 度は-14℃に存在した。また、DSC測定の結果 結晶化ピークは無かった。

 また、3段目反応後に得られた水添前共重合 体から求めたビニル芳香族単位の含有量は51 量%であり、ビニル芳香族からなる重合体ブ ロックの含有量は9質量%、ブタジエン部のビ ル結合含有量は21質量%であった。
<変性水添共重合体(2)>
(ポリマー3)
 下記重合方法で製造した。

 ポリマー1を製造する際の3段目の反応とし 、2段目の反応で得られたリビングポリマー 溶液に、スチレンと変性剤であるテトラグ シジル-1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサ をn-ブチルリチウムに対して等モル使用・反 応させたこと以外は、ポリマー1と同様の方 で変性共重合体を得た。重量平均分子量は16 .5×10 4 、分子量分布は1.2、水素添加率は99%、変性率 は80%であった。また動的粘弾性測定の結果、 tanδのピーク温度は-15℃に存在した。また、D SC測定の結果、結晶化ピークは無かった。

 また、3段目反応後に得られた水添前変性共 重合体から求めたビニル芳香族単位の含有量 は52質量%、ビニル芳香族からなる重合体ブロ ックの含有量は16質量%、ブタジエン部のビニ ル結合含有量は21質量%であった。
<その他熱可塑性樹脂>
(ポリマー4)
 水添スチレン系熱可塑性エラストマー(SEBS) ある旭化成ケミカルズ株式会社製「タフテ ク(登録商標)H1043」(スチレン/エチレン・ブ レン=67/33)
(ポリマー5)
 ポリプロピレン樹脂であるサンアロマー株 会社製「サンアロマー(商品名)PM900A」
<酸化亜鉛(3)>
[酸化亜鉛A]
 核部と核部から異なる4軸方向に伸びた針状 結晶部を有する、株式会社アムテック製「パ ナテトラ(登録商標)WZ-0501」(表面処理なし、 状結晶部の基部の径が0.7~14μm、針状結晶部 基部から先端までの長さが3~200μm)
[酸化亜鉛B]
 球状構造である、東邦亜鉛株式会社製「銀 (登録商標)A」(平均粒径0.2μm)
<パラフィンオイル(4)>
 出光興産株式会社製[ダイアナ(登録商標)プ セスオイルPW380](40℃における動粘度が382mm 2 /sec)
<難燃剤(5)>
[難燃剤A]
 ハロゲン系難燃剤である鈴裕化学株式会社 [ファイアカット(商品名)P-680](ビス(ジブロ プロピル)テトラブロモビスフェノールA(DBP-T BBA))
[難燃剤B]
 第一工業製薬株式会社製[ピロガード(登録 標)AN-800(T)](三酸化アンチモン)
[難燃剤C]
 リン系難燃剤である大塚化学株式会社製[SPS -100(商品名)](フェノキシフォスファゼン、n=3 90質量%以上)
[難燃剤D]
 非ハロゲン・非リン系難燃剤である石塚硝 株式会社製[パイロライザー(登録商標)HG](硝 酸アンモニウムで表面処理された水酸化アル ミニウム、平均粒径1.1μm)
[難燃剤E]
 ポリテトラフルオロエチレンである三菱レ ヨン社製「メタブレン(登録商標)A-3800」
<充填剤(6)>
[充填剤A]
 窒化ホウ素である昭和電工株式会社製「シ ウビーエヌ(登録商標)UHP-1」(平均粒径10μm、 熱伝導率約130W/m・K)。
[充填剤B]
 宇部興産株式会社製「高純度窒化珪素粉末S N-E03(商品名)」(平均粒径1.0μm、熱伝導率約80W/ m・K)。
[充填剤C]
 株式会社トクヤマ製「シェイパル(登録商標 )高純度窒化アルミニウム粉末E-グレード」( 均粒径1.1μm、熱伝導率約200W/m・K)。
[充填剤D]
 球状構造である伊藤黒鉛工業株式会社製[球 状黒鉛SG-BL40(商品名)](平均粒径40μm)。
[充填剤E]
 膨張黒鉛である三洋貿易株式会社製[SYZR3252( 商品名)](平均粒径45μm)。膨張黒鉛は、難燃効 果を有する。
<添加剤>
[添加剤A]
株式会社ADEKA製「アデカ(登録商標)脂肪酸SA-20 0」(ステアリン酸)。
[添加剤B]
 アクリル系樹脂であるゼオン化成株式会社 「ハイブレン(商品名)B403」。
[サンプル成形方法]
・実施例1~22、比較例1~9で評価したサンプル うち、成形品は下記の方法で成形した。
(プレス成形品シート)
 放熱材料ペレットを3インチロール混練機を 用い、200℃で混練し、シート状にした。さら に200℃で加熱したプレス成形にて、縦120mm× 220mm、1mm厚のプレス成形品シートを得た。同 様に、2mm厚、5mm厚のプレス成形品シートも作 成した。
(0.3mm厚Tダイシート成形品シート)
 放熱材料ペレットを、190℃に設定された単 押出機(株式会社東洋精機製作所製、ラボプ ラストミル型式:50M、スクリュー型式:D2020)及 120mm幅Tダイ(株式会社東洋精機製作所製)を い、Tダイのリップ厚みを0.3mmに調整し、幅 100mm、0.3mm厚のTダイシート成形品シートを得 た。
・実施例19,20で評価したサンプルのうち、成 品は下記の方法で成形した。
(カレンダー成形)
 実施例2の配合組成で容量75L、温度170℃、ブ レード回転数20rpmに設定した加圧ニーダーに 原材料を5分間溶融混練し、放熱材料の塊を 得た。該放熱材料の塊を、シリンダー温度150 ℃で、押出機先端にダイスを取り付けた異方 向二軸押出機で、幅200mm、10mm厚のシートにし た。該シートをカレンダーロール径1000mm、幅 1600mm、温度140℃、ロールギャップ間隔を1mmに 調整した後、カレンダーロール成形機にて成 形を実施し、幅約1000mm、1mm厚のシートを得た 。
(Tダイシート成形)
 実施例2で得た放熱材料ペレットを用い、190 ℃に設定された単軸押出機(株式会社東洋精 製作所製、ラボプラストミル型式:50M、スク ュー型式:D2020)及び120mm幅Tダイ(株式会社東 精機製作所製)を用い、Tダイのリップ厚を1mm に調整し、さらに引取速度を調整することで (株式会社東洋精機製作所製、コンベア式引 装置;コンベアCON型)、1mm厚のシートを得た。
[物性測定法]
1)ビニル芳香族単位の含有量
 測定装置:紫外分光光度計(株式会社島津製 所製、UV-2450)
 サンプル:50mgの水添前共重合体を100mlのクロ ロホルム溶解したもの
 測定波長:254nm
 検量線:スチレン/クロロホルム溶液のスチ ン濃度を変え、絶対検量線を作成
2)ビニル芳香族からなる重合体ブロック含有
  水添前共重合体を用い、I.M. Kolthohoff, et  al., J. Polym. Sci. 1,429(1946)に記載の四酸化オ ミウム分解法で測定した。水添前共重合体 分解にはオスミウム酸0.1g/125ml第3級ブタノ ル溶液を用いた。
3)共役ジエンに基づくビニル結合の含有量
 測定装置:赤外分光光度計(日立製作所製、FT /IR-230)
 サンプル:50mgの水添共重合体または変性水 共重合体を二硫化炭素10ccに溶解したもの
 測定方法:上記溶液を1mm厚KBr液体セルに入れ 、960cm -1 (トランス)、910cm -1 (ビニル)、724cm -1 (シス)、699cm -1 (スチレン)の透過率を測定、ハンプトン法に り算出
4)水素添加率
 測定装置:核磁気共鳴装置(日本電子社製、JN M-LA400)
 サンプル:水添共重合体または変性共重合体 5重量%の重クロロホルム溶液
 観測周波数:400MHz
 化学シフト基準:TMS
 パルスディレイ:2.9秒
 スキャン回数:128回
 パルス幅:45°
 測定温度:23℃
  上記条件で1H-NMR測定を実施し、スチレン 位(0~8ppm)、1,4-ブタジエン(4.5~4.8ppm)、1,2-ブタ エン単位(4.9~5.7ppm)から水素添加率を算出。
5)重量平均分子量及び分子量分布
 測定装置:GPC(島津製作所製、LC-10)
 カラム:島津製作所製、Shim-pac 803:1本、804:2 、805:1本の計4本を直列接続
 検出器:RI(示差屈折)検出器
 サンプル:10mgの水添共重合体または変性水 共重合体を20ccのテトラヒドロ
      フランに溶解したもの
 展開溶媒:テトラヒドロフラン、流速:1ml/min
 測定温度:40℃
 検量線用標準サンプル:東ソー社製、TSK標準 ポリスチレン(Mw/Mn<1.2、10 2 <Mw≦10 8 、8種類)、サンプルと同濃度のテトラヒドロ ラン溶液を作成。

  尚、クロマトグラム中にピークが複数有 場合の分子量は、各ピークの分子量と各ピ クの組成比(クロマトグラムのそれぞれのピ クの面積比より求める)から求めた平均分子 量をいう。また、分子量分布は得られた重量 平均分子量と数平均分子量の比である。
6)結晶化ピーク及び結晶化ピーク熱量
 測定装置:示差走査熱量分析装置(DSC)(マック サイエンス社製、DSC3200S)
 昇温条件:
 step1:室温から30℃/分の昇温速度で150℃まで 温
 step2:10℃/分の降温速度で-100℃まで降温
  結晶化カーブを測定して結晶化ピークの 無を確認した。結晶化ピークがある場合、 のピークが出る温度を結晶化ピーク温度と た。そのピーク面積から結晶化ピーク熱量 算出した。
7)変性率
  変性共重合体はシリカ系ゲルを充填剤と たGPCカラムに吸着するが、ポリスチレン系 ルを充填剤としたGPCカラムには吸着しない 性を利用して、変性率を算出した。

 測定装置:GPC(島津製作所製、LC-10)
 カラム:
  1)ポリスチレン系ゲルカラム:島津製作所 製、Shim-pac 803×1本、
    804×2本、805×1本の計4本を直列接続
  2)シリカゲルカラム:デュポン社製、Zorbax  PSM60S×1本、PSM300S×2本の計3本を直列接続
 検出器:RI(示差屈折)検出器
 サンプル:10mgの水添共重合体または変性水 共重合体を20ccのテトラヒドロ
      フランに溶解したもの
 展開溶媒:テトラヒドロフラン、流速:1ml/min
 測定温度:40℃
 検量線用標準サンプル:東ソー社製、TSK標準 ポリスチレン(Mw/Mn<1.2、10 2 <Mw≦10 8 、8種類)、サンプルと同濃度のテトラヒドロ ラン溶液
  上記ポリスチレン系ゲルカラムを用いた 合とシリカ系ゲルカラムを用い、各サンプ のクロマトグラムを2種類測定した。それら ピーク面積の差分よりシリカ系ゲルカラム の吸着量を算出し、変性率を求めた。
8)損失正接(tanδ)
 測定装置:粘弾性測定解析装置(レオロジ社 、DVE-V4)
 昇温速度:1℃/min
 測定モード:ずりモード
 測定周波数:10MHz
 評価サンプル:1mm厚プレス成形シート
 上記の条件で粘弾性スペクトルを測定する とによりtanδのピーク温度を求めた。
[物性評価法]
1)熱伝導率評価サンプル:0.3mm厚Tダイ成形シー ト
 評価装置:迅速熱伝導率測定機(京都電子工 株式会社製、QTM-500)
 測定方式:細線加熱法(ホットワイヤ法)
 使用ソフト:薄膜測定用ソフト(京都電子工 社製、SOFT-QTM5W)
 測定方法:測定は、熱伝導率が既知であるレ ファレインスプレート(発泡ポリエチレン、 リコーンゴム、石英ガラス、ムライト、ジ コニア)を用いてボックス式プローブ(型番:PD -11)で熱伝導率を求める方法(特公平5-12361号公 報記載)で実施した。
2)絶縁性
 評価サンプル:0.3mm厚Tダイ成形シート
 評価装置:超絶縁計(東亜電波工業社製、型 :SM-8220)
 測定電極:平板試料用電極(東亜電波工業社 、型番SME-8311)
 測定方法:放熱材料で成形した10cm角放熱シ トに、印加電圧100Vを50秒チャージした後、10 秒後の体積抵抗(Rv)を測定し、次式より体積 抗率を算出した。

 体積抵抗率(ω・cm)=30/(シート厚み(mm))-Rv
 異なる5箇所の相加平均を持って、体積抵抗 率(ω・cm)とした。
3)硬度
 評価サンプル:1mm厚プレス成形シート
 評価装置:デュロメータタイプA、島津製作 製、JIS A硬度計
 測定方法:JIS K6253に準じ、10秒後の測定値
4)靭性
<靭性1>
 評価サンプル:1mm厚プレス成形シートを2つ りにしたシート(2つ折後:縦120mm×横約110mm)
  評価サンプルに2kgのおもりをのせ(圧力:約 15g/cm 2 )、室温で24時間放置後の折れ目割れの有無を 評価した。

 評価基準:
 折れ目割れ無:○
 折れ目割れ有:△
 2つ折り不可(柔軟性不足):×
<靭性2>
 評価サンプル:0.3mm厚Tダイ成形シート
 試験速度:200mm/min
 JIS K7128-3直角形引裂法に従い、引裂強度を 定した。

 評価基準:
 引裂強度30N/mm以上:○
 引裂強度10N/mm以上30N/mm未満:△
 引裂強度10N/mm未満:×
5)難燃性
 評価サンプル:1mm厚プレス成形シートから作 成した127mm×12.7mm×1mm厚
  UL-94(米国Under Writers Laboratories Incで定め れた規格)垂直燃焼試験に基づき、10秒接炎 、炎を放してから消炎までの燃焼時間を測 。消炎したら、再度10秒接炎し、炎を放して から消炎までの燃焼時間を測定。5本1組で評 (計10回燃焼時間を測定)。10回中の最大燃焼 間、10回の合計燃焼時間、及び燃焼時のド ップ有無を評価した。

  分類される難燃性のクラスを以下に示 。その他詳細はUL94規格に準じる。

 V-0:最大燃焼時間10秒以下、合計燃焼時間50 以下、ドリップなし
 V-1:最大燃焼時間30秒以下、合計燃焼時間250 以下、ドリップなし
 V-2:最大燃焼時間30秒以下、合計燃焼時間250 以下、ドリップあり
 燃焼:上記条件を満たさないもの
6)切粉発生率
  放熱材料ペレット製造時、押出機より出 ストランドの直径が2~3mmになるように、ペレ タイザーの引取速度を調整する。得られたペ レットの切粉発生率を下記式に従って求めた 。

 切粉発生率(質量%)=[(W1-W2)/W1]×100
 W1:ペレタイズされたペレット約100gの精秤値
 W2:W1精評後、60メッシュ金属ふるいで切粉と 分別し、金網上に残ったペレット量の精秤値
 評価基準:
 切粉発生量が0.1質量%未満:◆
 切粉発生量が0.1質量%以上0.3質量%未満:○
 切粉発生量が0.3質量%以上0.6質量%未満:△
 切粉発生量が0.6質量%以上:×
[実施例1~18及び比較例1~9]
 各成分を表1及び表2に示す配合組成にて、 リンダー温度200℃、スクリュー回転数200rpm 設定した二軸押出機(ZSK-25 25mmφ、L/D=52、加 部分の全長1300mm、WERNER&PFLEIDERE社製)にて 融混練を行い、放熱材料ペレットを得た。

 但し、比較例3はパラフィンオイル(4)がブリ ードアウトし、予定した配合の組成物を得る ことができず、また比較例4と比較例8は均一 組成物を得ることができなかった。
[実施例19、20]
 実施例19は、実施例2の配合組成で、カレン ー成形により、1mm厚の樹脂シートを得た。

 実施例20は、実施例2の配合組成でTダイシ ート成形により、厚み1mmの放熱材料で成形し た放熱シート試験片を得た。

 上記成形品を、実施例2の1mm厚プレス成形シ ートと比較した評価結果を表3に示す。
[実施例21~22]
 実施例9の配合組成で、プレス成形により、 実施例21は2mm厚の樹脂シートを、実施例22は5m m厚の樹脂シートを得た。上記成形品を、実 例9の1mm厚プレス成形シートと比較した評価 果を表4に示す。

 本発明における放熱材料及び放熱材料で成 した放熱シートは、
コンピュータ類の放熱部品:パソコン、家庭 ゲーム機等、携帯電話等;
ディスプレイ電源ユニット等の放熱部品:家 用テレビ、プラズマディスプレイ、液晶テ ビ等;
AV機器、OA機器等の放熱部品:DVDプレーヤー、D VDレコーダー、HDDレコーダー、家庭用テレビ プラズマディスプレイ、液晶テレビ等;
LEDバックライト光源の放熱部品:液晶TV等;
自動車電装部材の放熱部品:カーステレオ、 ーナビゲーショシステム等;
その他の放熱部品:インバーター、照明、エ コン等;
などの高熱伝導性、絶縁性、柔軟性、靭性及 び難燃性が必要とされる用途に好適に使用さ れる。