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Title:
REFORMER FOR COKE OVEN GAS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/129676
Kind Code:
A1
Abstract:
A reformer furnace that is capable of recovering the sensible heat of 700° to 800°C coke oven gas, and that is capable of gasifying any tar fraction and tar sludge of the coke oven gas to thereby attain efficient production of a gas fuel with low unreacted tar content. There is provided a reformer of coke oven gas from coke oven comprising a mixing zone and, connected to the downstream side thereof, a diffusion zone, wherein a coke oven gas and a reaction gas are introduced in the mixing zone, and wherein structuring is made so that the cross-section area of flow channel in diffusion zone entrance space at which the mixing zone shifts to the diffusion zone is smaller than the cross-section area of the mixing zone, and wherein the reformer internal wall at diffusion zone entrance space connected to the exit of the mixing zone exhibits a divergent angle of 5 to 10 degrees from the central axis of the diffusion zone in the direction of flow of gas mixture.

Inventors:
KATAYAMA YUKUO (JP)
TSUCHIYA KATSUMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/058461
Publication Date:
October 30, 2008
Filing Date:
April 18, 2007
Export Citation:
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Assignee:
K E M CORP (JP)
KATAYAMA YUKUO (JP)
TSUCHIYA KATSUMI (JP)
International Classes:
C10B27/00
Foreign References:
JP2001220584A2001-08-14
JP2003082355A2003-03-19
JP2003513148A2003-04-08
Attorney, Agent or Firm:
MATSUI, Mitsuo (3F Nishishinbashi YS Bldg.,19-2, Nishishinbashi 2-chome, Minato-k, Tokyo 03, JP)
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Claims:
コークス炉から出てくるコークス炉ガスを改質する改質器において、
該改質器が混合ゾーンおよび該混合ゾーンの下流に連結されている拡散ゾーンを有し、混合ゾーンから拡散ゾーンへと移る拡散ゾーン入口区間の流路断面積が混合ゾーンの断面積より狭い構造とし、混合ゾーンにはコークス炉ガスおよび該ガスと反応されるべき反応気体が導入されて反応が起き、生じたガス混合物は次いで拡散ゾーンに送られ、そこで反応が更に進行すること、および、該混合ゾーン出口に接続している拡散ゾーンの入口区間の器内壁が、ガス混合物の流れ方向に拡散ゾーンの中心軸と5~10度の広がり角度を成していることを特徴とする、上記コークス炉ガス用改質器。
反応ガスが一酸化炭素および酸素または空気であり、混合ゾーンの温度が900℃以上になってガス化反応が起き、拡散ゾーンにおいてタール留分がほぼ完全に熱分解される、請求項1記載のコークス炉ガス用改質器。
反応ガスが酸素または空気および200℃以上の水蒸気であり、混合ゾーンでコークス炉ガスの一部を燃焼させて混合ゾーンの温度が950℃以上となり、拡散ゾーンにおいてタールおよびタールスラッジを含むコークス炉ガスがほぼ完全にガス化される請求項1記載のコークス炉ガス用改質器。
反応ガスが酸素、水素及び200℃以上の蒸気であり、混合ゾーンの入口近傍に反応ガス吹込みのためのノズルが備えられており、ノズルの先端部で酸水素炎が発生し、生じた2000℃以上の燃焼生成蒸気と上記200℃以上の蒸気とが混合されて蒸気温度を1500℃以上とし、該蒸気とコークス炉ガスとの混合物の温度が950℃以上となるように構成され、拡散ゾーンにおいてガス化反応もしくは水蒸気改質ガス化反応がおきて、ほぼ完全なガス化がおこなわれる請求項1記載のコークス炉ガス用改質器。
反応ガスが混合ゾーンの入口近傍に備えられたノズルを介して混合ゾーンに吹き込まれ、コークス炉への石炭投入時、コークス化反応中期、反応終了時の各段階における生成コークス炉ガス量は、反応中期での毎秒当りの量を1とすると、石炭投入時での量を2.5~3.5、反応初期と終了時における量を1.5~2.5と変化する際に、このコークス炉ガス量の変化に合わせてノズルからの吹き込みの反応ガス流量を1から3.5倍に変更できる、あるいは稼動するノズルの本数を変更できる請求項1、請求項2及び請求項3のいずれか1項に記載のコークス炉ガス用改質器。
ノズルが、ガスの流れ方向で見てガスの流れ方向の垂線に対して30度~60度の角度をなすことによってエジェクター効果を発揮して、ノズルから吹き込まれる酸素又は空気を含む反応ガスが、混合ゾーンからコークス炉側に逆流することを防ぐところの請求項1~5のいずれか1項記載のコークス炉ガス用改質器。
コークス炉ガス用改質器が1秒当りのコークス炉ガスの最大発生量の0.5倍~2.5倍の容量を有し、拡散ゾーンの容積が混合ゾーンの容積と同等またはそれ以上であること特徴とする請求項1~6のいずれか1項記載のコークス炉ガス用改質器。
Description:
コークス炉ガス用改質器

 本発明は、コークス炉ガスの改質器に関 る。より詳しくは、本発明は、今まで熱回 が不可能であった高温度のコークス炉ガス らの顕熱回収を可能にするとともに、環境 染物質を多量に含むタール留分をガスに転 して、未反応タール量をほとんど無くすこ を可能とする反応器の形状に関するもので る。

 従来、コークス炉から出てくる700~800℃のコ ークス炉ガスは、アンモニア水を散布されて 80~100℃にまで冷却されており、従って顕熱の 利用が全くなされていなかった。この顕熱を 利用する方法として、特許文献1(特開2001-22058 4号公報)には、コークス炉ガスの改質並びに 熱回収方法が開示されている。該公報には コークス炉ガスに含まれるタール留分の凝 コーキングによるトラブルの故に今まで利 されずに捨てられていた700~800℃のコークス 炉ガスが持つ顕熱を回収可能とし、かつコー クス炉ガス中のタール留分やタールスラッジ をガスやチャーに転換させて、クリーンなガ ス燃料を製造するための処理方法が記されて いる。しかし、改質器の形状については特に 記載が無い。
上記特許文献1の発明の実験結果が、経済産 省鉄鋼課製鉄企画室からの補助事業として 団法人金属系材料研究開発センターが受託 た平成16年度の「製鉄プロセスガス利用水素 製造技術開発」成果報告書に記載されている 。その46~47頁のデータから算出した未反応タ ル量は、炭素ベースで2~8%である。この数値 は、コークス炉ガス処理量が1Nm 3 /時の小型実験装置での値であり、装置が大 化するにしたがって未反応タール量は増加 る傾向にある。
実際のコークス炉におけるコークス炉ガスの 流量は、上記報告書にあるベンチプラントと 比べて、1門当り500~600倍であり、未反応ター の量が全炭素量換算で10%以上になる可能性 有している。未反応タールが多くなれば熱 収や生成ガスのクリンナップに支障をきた こととなる。

特開2001-220584号公報

本発明は、コークス炉ガスに含まれるター ル留分の凝集コーキングトラブルの故に今ま で利用されずに捨てられていた700~800℃のコ クス炉ガスが持つ顕熱を回収可能とし、ま コークス炉ガス中のタール留分やタールス ッジをガスやチャーに転換させて未反応タ ル分を殆んどゼロとする、クリーンなガス 料を製造することを可能にする改質器を提 しようとするものである。上記成果報告書 35頁では、拡散ゾーン(該報告書では、ソー ングゾーンと称している)が円柱形である故 、混合ゾーン(該報告書ではドライガス化ヘ ッドと称している)で生成した乱流が拡散ゾ ンで消滅せず、渦の中心部に巻き込まれた ール溜分が未反応タール生成の主要因とな ていると考えられる。そこでこの未反応タ ル留分やタールスラッジを熱分解、水蒸気 質やガス化等の反応によって効率よく消滅 しくは無害化させる事が重要である。

本発明者は、改質器を、コークス炉ガスと 反応気体とが混合されて反応がある程度進む 混合ゾーンと、この気体混合物が更に反応し て熱分解或いはガス化がほぼ完全に進行する 拡散ゾーンと、に分け、混合ゾーンから拡散 ゾーンへと移る拡散ゾーン入口区間の流路断 面積を一旦狭めた構造とし、この入口区間の 形状を流れ方向に向かって、特定の角度で広 げることによって、上記の渦が消せることを 見出し、本改質器を発明した。

即ち、(1)本発明は、コークス炉から出てくる コークス炉ガスを改質する改質器において、
該改質器が混合ゾーンおよび該混合ゾーンの 下流に連結されている拡散ゾーンを有し、混 合ゾーンから拡散ゾーンへと移る拡散ゾーン 入口区間の流路断面積が混合ゾーンの断面積 より狭い構造とし、混合ゾーンにはコークス 炉ガスおよび該ガスと反応されるべき反応気 体が導入されて反応が起き、生じたガス混合 物は次いで拡散ゾーンに送られ、そこで反応 が更に進行すること、および、該混合ゾーン 出口に接続している拡散ゾーンの入口区間の 器内壁が、ガス混合物の流れ方向に拡散ゾー ンの中心軸と5~10度の広がり角度を成してい ことを特徴とする、上記コークス炉ガス用 質器である。

本発明の好ましい態様は、以下の通りである 。
(2)反応ガスが一酸化炭素および酸素または空 気であり、混合ゾーンの温度が900℃以上にな ってガス化反応が起き、拡散ゾーンにおいて タール留分がほぼ完全に熱分解される、上記 (1)記載のコークス炉ガス用改質器。
(3)反応ガスが酸素または空気および200℃以上 の水蒸気であり、混合ゾーンでコークス炉ガ スの一部を燃焼させて混合ゾーンの温度が950 ℃以上となり、拡散ゾーンにおいてタールお よびタールスラッジを含むコークス炉ガスが ほぼ完全にガス化される上記(1)記載のコーク ス炉ガス用改質器。
(4) 反応ガスが酸素、水素及び200℃以上の蒸 であり、混合ゾーンの入口近傍に反応ガス 込みのためのノズルが備えられており、ノ ルの先端部で酸水素炎が発生し、生じた2000 ℃以上の燃焼生成蒸気と上記200℃以上の蒸気 とが混合されて蒸気温度を1500℃以上とし、 蒸気とコークスガスとの混合物の温度が950 以上となるように構成され、拡散ゾーンに いてガス化反応もしくは水蒸気改質ガス化 応がおきて、殆んど完全なガス化がおこな れる上記(1)記載のコークス炉ガス用改質器 この場合、ノズルからの酸素等の反応ガス 吹込み速度は、炎がノズル先端から離れた 置に常にあるようにするために8m/秒以上と ることが好ましい。これは、炎および炎か の輻射熱によるノズル先端の溶融を防ぐた である。
(5)反応ガスが混合ゾーンの入口近傍に備えら れたノズルを介して混合ゾーンに吹き込まれ 、コークス炉への石炭投入時、コークス化反 応中期、反応終了時の各段階における生成コ ークス炉ガス量は、反応中期での毎秒当りの 量を1とすると、石炭投入時での量を2.5~3.5、 応初期と終了時における量を1.5~2.5と変化す る際に、コークス炉ガス量の変化に合わせて ノズルからの吹き込む反応ガス流量を1から3. 5倍に変更できる、あるいは稼動するノズル 本数を変更できる、上記(1)ないし(3)のいず か1項に記載のコークス炉ガス用改質器。
(6)ノズルが、ガスの流れ方向で見てガスの流 れ方向の垂線に対して30度~60度の角度をなす とによってエジェクター効果を発揮して、 素あるいは空気を含むノズルからの吹き込 ガスが混合ゾーンからコークス炉側に逆流 ることを防ぐところの上記(1)ないし(5)のい れか1項記載のコークス炉ガス用改質器。
(7)コークス炉ガス用改質器が1秒当りのコー ス炉ガスの最大発生量の0.5倍~2.5倍の容量を し、拡散ゾーンの容積が混合ゾーンの容積 同等またはそれ以上であること特徴とする 記(1)ないし(6)のいずれか1項記載のコークス 炉ガス用改質器。

 本明細書において、「ほぼ完全に熱分解さ 」或いは「ほぼ完全にガス化され」とは、 象物の好ましくは90重量%以上、より好まし は95重量%以上、もっとも好ましくは98重量% 上が熱分解され或いはガス化されることを 味する。
コークス炉から出てくるコークス炉ガスは、 通常700~800℃の温度を持ち、混合ゾーンでこ に酸素又は空気と上記を吹き込んで混合さ て950℃以上でガス化反応が起きる。あるい 、1000℃以上の上記もしくは燃焼ガスを混合 せた混合ゾーン以降の拡散ゾーンにおいて 燃焼によって生成した高温の蒸気又は吹き まれた高温の蒸気によって、メタンないし ールにわたる炭化水素類が効率よく水蒸気 質される。部分燃焼が起きるあるいは1000℃ 以上の高温水蒸気の混合を行う混合ゾーンか ら、拡散反応が起きる拡散ゾーンへの出口が 、5~10度、より好ましくは6.5~8.5度、特に約7.5 の広がりを持っていることが重要である。

本発明を実証するために、実用規模のスケ ールの約125分の1のスケールの透明ポリ塩化 ニル製のコールドモデルを作成した。図1に の形状を示す。図の最左のモデルは円筒に 口と出口が取り付けられた形をしている。 5つのモデルでは、下方のふくらみが混合ゾ ーンであり、上方のふくらみが拡散ゾーンで ある。二つのゾーンの間でガス流れ方向の断 面積が絞られており、従って、ガス混合物は 混合ゾーンから拡散ゾーンに入っていくと更 に混合を受け、拡散ゾーンで各気体は相互に 混合される。拡散ゾーンの広がり角度は、図 1のモデルの左から順に0度、2.5度、5度、7.5度 、10度、12.5度である。ガスの拡散状況を可視 化するために、コークス炉ガスの代わりに低 温度の炭酸ガスを、吹き込み用酸素と蒸気の 代わりに蒸気ミストを含む空気を用いた。改 質器内の気体の定性的な流れ・混合の可視化 を行うために、連続発振Arイオンレーザ(Spectr a-Physics:Model 177G0-2)より発する波長488 nm(青緑 色)の光を、円柱レンズにより可視化領域で さ約2~3 mmのスリット光にしたものを光源と て用いた。撮影は、高速度ビデオカメラ(Pho tron:FASTCAM-Net 500)を用いて、撮影速度500 frames /secシャッタースピード1/500 secで行った。こ 条件下では、記録画素数は512×240となり、 2.1秒間の連続撮影が可能であった。この装 を用いてコールドモデルの内部の流動状況 ビデオ撮影し、PIV(Particle Image Velocimetry)に る画像処理により、内部流内の速度ベクト の瞬時分布を明確に定量化した。そして、 散ゾーンにおけるガス流速を色分けしてデ スプレイした。図2は、色分けを白黒に転換 たものではあるが、速度の違いが縞模様と て認識できる。それぞれの表示において、 端はモデルの容器の中心軸に対応し、右端 容器の壁に対応する。

広がり角度0度では、混合ゾーンで発生し 乱流が消えず、拡散ゾーン出口まで壁面の 速が若干遅く、壁面から離れた位置と中心 はほぼ同じ流れであることが分かった。つ り乱流が消滅しない。拡散ゾーンの広がり 度が2.5度、5度、7.5度、10度、12.5度であると 縞模様が現れる。図2において同一流速 (同 じ濃さ) の帯状区間の容器中心部と壁面部の 塔頂方向の高さ(絶対値)を求めた(図3の右側 参照)。

図3のグラフは、コークス炉ガス量が通常 とその2倍量の二つの状況に於ける、上記高 を示す。7.5度において高さが最も小さく、 れより角度が大きくなる或いは小さくなる 従って、高さが大きくなる。つまり中心部 速と壁面流速の差が増大し、渦が生じてい 。ガス流量を倍にすると、この傾向はより 著になる。従って、拡散ゾーンに於いて渦 少なく乱流が少ないためには、広がり角度 、5~10度であることが好ましく、より好まし くは7.5度近傍、例えば7~9度である。

 次に、実用規模の大きさ(コールドモデル 実験に用いた装置の125倍)の装置を想定した ミュレーションを行った。図5左に装置の概 を、また図5右にシミュレーションに使用し た装置の主要サイズを示す。図中の数字1は ークス炉からのコークス炉ガス出口、2は混 ゾーン、3は反応ガスを吹き込むためのノズ ル、4は拡散ゾーン、5は改質ガス出口を示す 図5では、広がり角度を7.5度としている。コ ールドモデル実験の解析で得られた流動に関 する壁面の摩擦抵抗係数等のファクターを用 いたシュミレーション結果の例を図4に示す 白黒の濃淡は、図下に示す速度に対応する ただし、下方のノズル先端および上方の出 では速度が一番速く、色月の表示では赤色 あり、白黒表示にすると不正確になるので その箇所を図4では白抜きとして省略した。 ールドモデル実験結果と同じく、7.5度の広 りを持つ拡散ソーンにおける乱流の消滅が 一番効果的であり、次いで5~10度が効果的で あるとの結果が得られた。

次に、7.5度の広がりを持つ拡散ゾーンを設 けた改質器(図5)について、酸素または空気等 の酸化剤と蒸気、または1000℃以上の高温蒸 もしくは燃焼ガスを吹き込むためのノズル 本数を変化させた場合、拡散混合状態がど ように変わるかのシミュレーションを実施 た。各ノズルからの流量を互いに同じとし 従ってノズル本数に応じて吹き込みガス流 が変わる。

図6に結果を示す。中心軸における速度が 定の値にある中心位置を、図内の「同一中 位置流速の変化」と示した線で示す。同様 、壁面における速度が特定の値にある壁面 置を「同一壁面流速の変化」と示した線で す。ノズルの数が多くなるに従って、図3で 定した「差」は少しずつ大きくなるが、吹 みガス流量が多くなってもガス流の大きな れは生じないことが確認され、図5に示す改 質器が混合ゾーンで発生した乱流を消す効果 がノズル本数に関わらず大きい。

図7は、ノズルの角度を示す概念図である 分かり易くするために、向かい合った位置 二つのノズルを示してある。1は混合ゾーン 下にあるコークス炉ガスの入口であり、そ にノズル3がαの角度で配置されている。ガ の流れ方向で見てガスの流れ方向の垂線に する角度αが30度~60度、特に40~50度であるこ が好ましく、これによってエジェクター効 を発揮して、酸素あるいは空気を含むノズ からの吹き込みガスが混合ゾーンからコー ス炉側に逆流することを防ぐことが出来る

 本発明によるコークス炉ガスの改質処理 法の3つの態様を以下に説明する。

 1.混合ゾーン2にノズル3から一酸化炭素と酸 素または空気を吹き込み、高温の燃焼ガスを 発生させコークス炉ガスの温度を900℃以上、 好ましくは950℃以上でコークス炉ガス中に含 まれる約30%近いタール留分を拡散ゾーン4に いてほとんど完全に熱分解させる方法。よ 詳しくは、コークス炉1より700~800℃のコーク ス炉ガスが混合ゾーン2に導かれる。ここで 複数本のノズル3から一酸化炭素と酸素また 空気を吹き込み高温の燃焼ガスを発生させ コークス炉ガスの温度を900℃以上、好まし は950℃以上で約30%近いタール留分を熱分解 せる。この時ノズル3からは酸素または空気 のみを吹き込みコークス炉ガスの一部を燃焼 させガス温度を900℃以上としても良い。900℃ 以上で熱分解を促進させるためにコークス炉 ガスは拡散ゾーン4に送られ熱分解反応が完 し、未反応タール分の割合を全炭素量の5%以 下に抑えることが出来る。
 2.混合ゾーン2にノズル3から酸素または空気 と200℃以上の温度の蒸気を吹き込み充分に混 合させ、コークス炉ガスの一部を燃焼させ炉 内温度を950℃以上、好ましくは1000℃以上で ールやタールスラッジを含むコークス炉ガ を拡散ゾーン4において殆んど完全なガス化 させる方法。詳しくは、コークス炉1より700 ~800℃のコークス炉ガスが混合ゾーン2に導か る。ここでは複数本のノズル3から酸素また は空気と蒸気を吹き込み充分に混合させ、コ ークス炉ガスの一部を燃焼させ炉内温度を950 ℃以上、好ましくは1000℃以上でタールやタ ルスラッジを含むコークス炉ガスを完全ガ 化させ、未反応タール分の割合を全炭素量 5%以下に抑えることが出来る。
 3.混合ゾーン2にノズル3からは、酸素と水素 及び蒸気を吹き込み、ノズル先端部に酸水素 炎を発生させ、生成する蒸気温度が1500℃以 として混合ゾーン2に吹き込み、混合ゾーン 温度を950℃以上、好ましくは1000℃以上とし 、拡散ゾーン4においてガス化反応もしくは 蒸気改質ガス化反応を完結させ殆んど完全 ガス化をさせる方法。詳しくは、コークス 1より700~800℃のコークス炉ガスが混合ゾーン 2に導かれる。ここでは複数本のノズル3から 、酸素と水素及び蒸気を吹き込み、水素ガ を燃焼させ、蒸気温度が1500℃以上の蒸気と して混合ゾーン2に吹き込まれる。950℃以上 好ましくは1000℃以上で、ガス化反応もしく 水蒸気改質ガス化反応を促進させるために コークス炉ガスは混合ゾーン2から拡散ゾー ン4に送られ反応が完結し、未反応タール分 割合を全炭素量の5%以下に抑えることが出来 る。

[発明の効果]
 本発明によれば、コークス炉ガスは、熱分 やガス化、水蒸気改質ガス化の転換処理を け、環境汚染を引き起こすタール留分が殆 ど無くなるためクリーンな燃料ガスが得ら 、該燃料ガスは1Nm 3 当たり3350 Kcal以上のカロリーを持つ。この 料ガスは水素に富んでおり、水蒸気改質反 と組み合わせれば効率の良い水素供給源と る。上記した3つの態様のすべての製品にお て未反応タール含有量が炭素換算で5%以下 少ない故に、ガスのクリンナップが容易で り、安価にクリーンなガスとすることが出 る。従って、製品ガスは、ガスタービン燃 としても利用可能である。

改質器のコールドモデルの外見を示す 取り図。 コールドモデルの内部のガス流動状況 示すビデオ記録から、拡散ゾーンにおける ス流速を色分けしてディスプレイし、色分 を白黒に転換した図。 改質器の拡散ゾーンの広がり角度と、 面と中心部のガス流速の差との関係を表し グラフ。 実用化規模の炉について行ったシミュ ーションの結果における、ガス流動を示す 実用化規模の炉の概念図。 図5に示す改質路についてノズル本数の 変化が拡散ゾーンのガスの流れに与える影響 についてのシミュレーション結果を表したも のである。 ノズルの角度を示す概念図。

符号の説明

1   コークス炉ガスの入り口
2   混合ゾーン
3   ノズル
4   拡散ゾーン
5   改質ガス出口