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Title:
REFRIGERATING DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/117511
Kind Code:
A1
Abstract:
An opening/closing valve (70) is provided in an oil feed pipe (43). When a liquid refrigerant enters from an oil separator (22) into the oil feed pipe (43), the temperature of the liquid refrigerant depressurized by the opening/closing valve (70) is suddenly lowered. When the lowering amount of the temperature detected by a temperature sensor (73) exceeds a prescribed value, it is judged that the liquid refrigerant enters into the oil feed pipe (43), and the valve (70) is closed.

Inventors:
OKAMOTO MASAKAZU (JP)
OKAMOTO TETSUYA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/000383
Publication Date:
October 02, 2008
Filing Date:
February 28, 2008
Export Citation:
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Assignee:
DAIKIN IND LTD (JP)
OKAMOTO MASAKAZU (JP)
OKAMOTO TETSUYA (JP)
International Classes:
F25B1/00; F25B1/04; F25B43/02
Foreign References:
JP2006349298A2006-12-28
JPH11294873A1999-10-29
JP2006038453A2006-02-09
JP2003139420A2003-05-14
Other References:
See also references of EP 2136158A4
Attorney, Agent or Firm:
MAEDA, Hiroshi et al. (5-7 Hommachi 2-chome, Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 53, JP)
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Claims:
 圧縮機(32)、放熱器(21)、膨張機(33)、及び蒸発器(51a,51b,51c)を有して冷凍サイクルを行う冷媒回路(11)を備え、
 上記冷媒回路(11)には、上記膨張機(33)を流出した気液二相冷媒から油を分離する油分離器(22)と、該油分離器(22)で分離されて底部に溜まり込む油を圧縮機(32)の吸入側へ送るための油送り通路(43)とが設けられる冷凍装置であって、
 上記油分離器(22)内の液冷媒が上記油送り通路(43)を通じて上記圧縮機(32)へ吸入されるのを防ぐために、油送り通路(43)を流れる流体の流量を制限する冷媒流通制限手段(70,71,73,75,80)を備えていることを特徴とする冷凍装置。
 請求項1において、
 上記冷媒流通制限手段は、上記油送り通路(43)に設けられるキャピラリーチューブ(75)で構成されていることを特徴とする冷凍装置。
 請求項1において、
 上記冷媒流通制限手段は、上記油分離器(22)内の油量を検出する油量検出手段(71,80)と、該油量検出手段(71,80)で検出した油量に応じて上記油送り通路(43)の開度を調節する開度調節機構(70)とを有することを特徴とする冷凍装置。
 請求項3において、
 上記油量検出手段は、上記油分離器(22)内の油面高さを検知する油面検知手段(71,80)で構成され、
 上記開度調節機構(70)は、上記油面検知手段(71,80)で検知した油面高さに応じて油送り通路(43)の開度を調節するように構成されていることを特徴とする冷凍装置。
 請求項4において、
 上記開度調節機構は、上記油面検知手段(71,80)で検知した油面高さが所定高さよりも低くなると上記油送り通路(43)を閉鎖するように構成されていることを特徴とする冷凍装置。
 請求項1において、
 上記冷媒流通制限手段は、上記油分離器(22)から上記油送り通路(43)への液冷媒の侵入を検出する冷媒検出手段(70,73,74,80)と、該冷媒検出手段(70,73,74,80)によって液冷媒の侵入が検出されると油送り通路(43)の開度を小さくする開度調節機構(70)とを有することを特徴とする冷凍装置。
 請求項6において、
 上記冷媒検出手段は、上記油送り通路(43)に流入した流体を減圧する減圧機構(70)と、該減圧機構(70)の下流側の流体の温度を検知する温度センサ(73)とを有し、上記温度センサ(73)の検知温度に基づいて油送り通路(43)への液冷媒の侵入を検出するように構成されていることを特徴とする冷凍装置。
 請求項6において、
 上記冷媒検出手段は、上記油送り通路(43)に流入した流体を加熱する加熱手段(74)と、該加熱手段(74)の下流側の流体の温度を検知する温度センサ(73)とを有し、上記温度センサ(73)の検知温度に基づいて油送り通路(43)への液冷媒の侵入を検出するように構成されていることを特徴とする冷凍装置。
 請求項8において、
 上記加熱手段は、上記油送り通路(43)を流れる流体と、上記膨張機(33)の流入側の冷媒とを熱交換させる加熱用熱交換器(74)で構成されていることを特徴とする冷凍装置。
 請求項8において、
 上記加熱手段は、上記油送り通路(43)を流れる流体と、上記圧縮機(32)の吐出側の冷媒とを熱交換させる加熱用熱交換器(74)で構成されていることを特徴とする冷凍装置。
 請求項8において、
 上記冷媒回路(11)には、圧縮機(32)の吐出冷媒から油を分離する高圧側油分離器(27)と、該高圧側油分離器(27)で分離した油を圧縮機(32)の吸入側へ戻すための油戻し通路(45)とが設けられ、
 上記加熱手段は、上記油送り通路(43)を流れる流体と、油戻し通路(45)を流れる油とを熱交換させる加熱用熱交換器(74)で構成されていることを特徴とする冷凍装置。
 請求項6において、
 上記冷媒検出手段は、上記油送り通路(43)に流入した流体を減圧する減圧機構(70)と、上記圧縮機(32)の吸入側の冷媒過熱度を検知する過熱度検出手段(90)とを有し、該過熱度検出手段(90)で検知した冷媒過熱度に基づいて油送り通路(43)への液冷媒の侵入を検出するように構成されていることを特徴とする冷凍装置。
 請求項1において、
 上記冷媒流量制限手段は、上記油送り通路(43)に設けられる開閉弁(70)と、該開閉弁(70)が閉鎖状態となる時間が所定の閉鎖時間δtcを経過する毎に、上記開閉弁(70)を一時的に開放させる弁制御手段(80)とを備えていることを特徴とする冷凍装置。
 請求項13において、
 上記冷媒流量制限手段は、上記開閉弁(70)の開放時における上記油分離器(22)から上記油送り通路(43)への液冷媒の侵入を検出する冷媒検出手段(90)を備え、
 上記弁制御手段(80)は、上記冷媒検出手段(90)によって液冷媒の侵入が検出されると開放状態の開閉弁(70)を閉鎖させることを特徴とする冷凍装置。
 請求項14において、
 上記弁制御手段(80)は、上記開閉弁(70)が開放されてから該開閉弁(70)が閉鎖されるまでの間の開放時間δtoを測定する開放時間測定手段(82)を備え、該開放時間測定手段(82)で測定した開放時間δtoに応じて、上記閉鎖時間δtcを補正するように構成されていることを特徴とする冷凍装置。
 請求項15において、
 上記弁制御手段(80)は、開閉弁(70)の開放時に上記油分離器(22)から上記油送り通路(43)へ排出される油の排出流量Wを推定する油流量推定手段(83)を備え、油分離器(22)での基準となる油貯留量Vmaxを上記油の排出流量Wで除した理論開放時間δtoiを算出し、上記開放時間測定手段(82)で測定した上記開放時間δtoが上記理論開放時間δtoiよりも短い場合に、上記閉鎖時間δtcを長くする補正を行い、開放時間δtoが理論開放時間δtoiよりも長い場合に、上記閉鎖時間δtcを短くする補正を行うように構成されていることを特徴とする冷凍装置。
 請求項16において、
 上記油流量推定手段(83)は、上記油分離器(22)内に作用する圧力と、上記圧縮機(32)の吸入側の圧力との差に基づいて、上記油の排出流量Wを推定するように構成されていることを特徴とする冷凍装置。
 請求項1乃至17のいずれか1つにおいて、
 上記油分離器(22)は、気液二相冷媒を液冷媒とガス冷媒とに分離して、液冷媒を上記蒸発器(51a,51b,51c)へ供給するように構成されていることを特徴とする冷凍装置。
 請求項18において、
 上記冷媒回路(11)には、油分離器(22)によって分離されたガス冷媒を圧縮機(32)の吸入側へ送るためのガスインジェクション通路(44)が設けられていることを特徴とする冷凍装置。
 請求項19において、
 上記ガスインジェクション通路(44)を流通するガス冷媒の流量を調節するガス流量調節機構(44a)を備えていることを特徴とする冷凍装置。
 請求項20において、
 上記ガスインジェクション通路(44)において上記ガス流量調節機構(44a)を通過したガス冷媒と、上記油分離器(22)から蒸発器(51a,51b,51c)へ供給される冷媒とを熱交換させる内部熱交換器(24)を備えていることを特徴とする冷凍装置。
Description:
冷凍装置

 本発明は、冷凍サイクルを行う冷凍装置 関し、特に膨張機から流出した冷媒中から を分離し、この油を圧縮機の吸入側に送る うにした冷凍装置に係るものである。

 従来より、冷媒が循環して冷凍サイクル 行う冷媒回路を備えた冷凍装置が知られて り、室内の空調や庫内の冷却等に広く利用 れている。この種の冷凍装置として、膨張 に代わって膨張機を冷媒回路に設け、この 張機で動力を回収するものがある。

 特許文献1には、このような膨張機を有す る冷凍装置が開示されている。冷凍装置は、 圧縮機、放熱器、膨張機、及び蒸発器が順に 接続された冷媒回路を備えている。冷媒回路 には、冷媒として二酸化炭素が充填されてい る。また、この冷媒回路では、圧縮機や膨張 機の各摺動部を潤滑する冷凍機油としてポリ アルキレングリコールが用いられている。圧 縮機と膨張機とは、回転軸によって機械的に 連結されている。

 この冷凍装置の冷房運転時には、圧縮機 吐出された冷媒が、放熱器で放熱した後に 張機へ流入する。膨張機では、冷媒が膨張 る際の膨張動力が回転軸の回転動力として 収される。膨張機を流出した気液二相冷媒 、油分離器へ流入する。ここで、この気液 相冷媒には、膨張機の潤滑に利用された油 含まれている。このため、油分離器では、 液二相冷媒中から油が分離され、この油が 部に溜まり込む。油分離器で油が分離され 冷媒は、蒸発器へ流入する。蒸発器では、 媒が室内空気から吸熱することで室内空気 冷却される。蒸発器で蒸発した冷媒は、圧 機へ吸入されて再び圧縮される。

 一方、特許文献1の油分離器の底部には、圧 縮機の吸入側と繋がる油戻し管が接続されて いる。このため、上述のようにして油分離器 で分離された油は、油戻し管を通じて圧縮機 に吸入され、圧縮機の各摺動部の潤滑に利用 される。以上のように、この冷凍装置では、 膨張機の流出側で冷媒中から油を分離し、こ の油を圧縮機の吸入側へ送るようにしている 。従って、この冷凍装置では、膨張機から流 出した油が蒸発器へ流入してしまうことが防 止される。その結果、蒸発器の伝熱管内の油 の付着に起因して蒸発器の伝熱性能が低下し てしまうことが防止され、蒸発器の冷却能力 が確保される。

特開2003-139420号公報

 上述のように、特許文献1では、膨張機か ら流出した気液二相冷媒中の油を油分離器に よって分離し、分離した油を油戻し管を通じ て圧縮機の吸入側に送るようにしている。と ころが、油分離器内に溜まり込む油の量は、 膨張機から流出する油の量や、油戻し管を通 じて圧縮機へ送られる油の量等に応じて変動 する。このため、油分離器内に溜まり込む油 の量が減少すると、油分離器内の液冷媒が油 戻し管へ流入してしまい、圧縮機の吸入側へ 送られることになる。その結果、蒸発器に供 給される冷媒の量が減少するため、蒸発器の 冷却能力が低下してしまう。

 本発明は、かかる点に鑑みてなされたも であり、その目的は、膨張機の流出側に設 られた油分離器(22)から蒸発器(51a,51b,51c)へ られる液冷媒を充分確保できるようにする とである。

 第1の発明は、圧縮機(32)、放熱器(21)、膨 機(33)、及び蒸発器(51a,51b,51c)を有して冷凍 イクルを行う冷媒回路(11)を備え、該冷媒回 (11)には、上記膨張機(33)を流出した気液二 冷媒から油を分離する油分離器(22)と、該油 離器(22)で分離されて底部に溜まり込む油を 圧縮機(32)の吸入側へ送るための油送り通路(4 3)とが設けられる冷凍装置を前提としている そして、この冷凍装置は、上記油分離器(22) 内の液冷媒が上記油送り通路(43)を通じて上 圧縮機(32)へ吸入されるのを防ぐために、油 り通路(43)を流れる流体の流量を制限する冷 媒流通制限手段(70,71,73,75,80)を備えているこ を特徴とするものである。なお、ここでい 「液冷媒」とは、気液二相冷媒に含まれる 冷媒、及び液単相冷媒の双方を含むものを 味する。

 第1の発明の冷凍装置では、冷媒回路(11) 冷媒が循環することにより、蒸気圧縮式の 凍サイクルが行われる。具体的に、この冷 サイクルでは、圧縮機(32)で圧縮された冷媒 、放熱器(21)で放熱した後に膨張機(33)へ流 する。膨張機(33)で膨張された冷媒は、気液 相状態で油分離器(22)へ流入する。ここで、 気液二相冷媒には、圧縮機(32)や膨張機(33)の 動部等の潤滑に利用される油(冷凍機油)が まれている。油分離器(22)では、気液二相冷 中から油が分離し、この油が底部に溜まり む。油が分離された後の冷媒は、蒸発器(51a ,51b,51c)へ送られる。蒸発器(51a,51b,51c)では、 えば冷媒が室内空気から吸熱して蒸発し、 内空気が冷却される。蒸発器(51a,51b,51c)で蒸 した冷媒は、圧縮機(32)へ吸入されて再び圧 縮される。一方、油分離器(22)に溜まった油 、油送り通路(43)を通じて圧縮機(32)へ吸入さ れる。

 ここで、本発明では、油分離器(22)内の液 冷媒が油送り通路(43)を流通する流体の流量 冷媒流通制限手段(70,71,73,75,80)が制限するよ にしている。このため、油分離器(22)内の油 面高さが低くなり、液冷媒が油送り通路(43) 流入し易い条件下において、この液冷媒が 送り通路(43)を流れて圧縮機(32)の吸入側へ送 られるのを防止できる。

 第2の発明は、第1の発明の冷凍装置にお て、上記冷媒流通制限手段は、上記油送り 路(43)に設けられるキャピラリーチューブ(75) で構成されていることを特徴とするものであ る。

 第2の発明では、油送り通路(43)に冷媒流 制限手段としてのキャピラリーチューブ(75) 設けられる。油分離器(22)内の油面高さが低 くなり、液冷媒が油送り通路(43)へ流入した しても、キャピラリーチューブ(75)が液冷媒 所定の抵抗を付与する。このため、圧縮機( 32)の吸入側へ多量の液冷媒が送られてしまう ことが防止される。

 第3の発明は、第1の発明の冷凍装置にお て、上記冷媒流通制限手段は、上記油分離 (22)内の油量を検出する油量検出手段(71,80)と 、該油量検出手段(71,80)で検出した油量に応 て上記油送り通路(43)の開度を調節する開度 節機構(70)とを有することを特徴とするもの である。

 第3の発明では、油量検出手段(71,80)が、 分離器(22)内に溜まった油の量を検出する。 度調節機構(70)は、油量検出手段(71,80)で検 した油量に応じて、油送り通路(43)の開度を 節する。従って、本発明では、油分離器(22) 内の油量が減少して液冷媒が油送り通路(43) 流入し易い条件下において、油送り通路(43) 開度を開度調節機構(70)によって小さくする ことができる。その結果、液冷媒が圧縮機(32 )の吸入側へ送られてしまうことが抑制され 。

 第4の発明は、第3の発明の冷凍装置にお て、上記油量検出手段は、上記油分離器(22) の油面高さを検知する油面検知手段(71,80)で 構成され、上記開度調節機構(70)は、上記油 検知手段(71,80)で検知した油面高さに応じて 送り通路(43)の開度を調節するように構成さ れていることを特徴とするものである。

 第4の発明では、油分離器(22)内の油量を 出するために油面検知手段(71,80)が用いられ 。油面検知手段(71,80)は、油分離器(22)内の 量の減少を、この油の油面高さによって検 する。従って、本発明では、油面高さが比 的低くなり液冷媒が油送り通路(43)に流入し い条件下において、油送り通路(43)の開度を 開度調節機構(70)によって小さくすることが きる。その結果、液冷媒が圧縮機(32)の吸入 へ送られてしまうことが抑制される。

 第5の発明は、第4の発明の冷凍装置にお て、上記開度調節機構は、上記油面検知手 (71,80)で検知した油面高さが所定高さよりも くなると上記油送り通路(43)を閉鎖するよう に構成されていることを特徴とするものであ る。

 第5の発明では、油面検知手段(71,80)で検 した油面高さが所定高さより低くなると、 度調節機構(70)が油送り通路(43)を閉鎖する。 つまり、油分離器(22)内の油量が減少して液 媒が油送り通路(43)に流入し易くなると、閉 状態の開度調節機構(70)によって油送り通路 (43)での液冷媒の流通が禁止される。その結 、液冷媒が圧縮機(32)の吸入側へ送られてし うことが抑制される。

 第6の発明は、第1の発明の冷凍装置にお て、上記冷媒流通制限手段は、上記油分離 (22)から上記油送り通路(43)への液冷媒の侵入 を検出する冷媒検出手段(70,73,74,80)と、該冷 検出手段(70,73,74,80)によって液冷媒の侵入が 出されると油送り通路(43)の開度を小さくす る開度調節機構(70)とを有することを特徴と るものである。

 第6の発明では、油分離器(22)内の油量が 少して液冷媒が油送り通路(43)へ流入すると このような液冷媒の侵入を冷媒検出手段(70, 73,74,80)が検出する。その結果、開度調節機構 (70)の開度が小さくなり、油送り通路(43)での 冷媒の流通が制限される。従って、液冷媒 圧縮機(32)の吸入側へ送られてしまうことが 抑制される。

 第7の発明は、第6の発明の冷凍装置にお て、上記冷媒検出手段は、上記油送り通路(4 3)に流入した流体を減圧する減圧機構(70)と、 該減圧機構(70)の下流側の流体の温度を検知 る温度センサ(73)とを有し、上記温度センサ( 73)の検知温度に基づいて油送り通路(43)への 冷媒の侵入を検出するように構成されてい ことを特徴とするものである。

 第7の発明の油送り通路(43)には、冷媒検 手段としての減圧機構(70)と温度センサ(73)と が設けられる。油分離器(22)内の油が油送り 路(43)へ流入する場合、油が減圧機構(70)で減 圧されても、減圧後の油の温度はほとんど低 下しない。これに対して、油分離器(22)内の 冷媒が油送り通路(43)へ流入する場合、液冷 が減圧機構(70)で減圧されると、減圧後の液 冷媒の温度が大きく低下する。以上のように 、本発明では、油と液冷媒とでは減圧に伴う 温度降下の度合が異なることを利用すること で、油送り通路(43)に液冷媒が侵入している 否かを検出している。

 第8の発明は、第6の発明の冷凍装置にお て、上記冷媒検出手段は、上記油送り通路(4 3)に流入した流体を加熱する加熱手段(74)と、 該加熱手段(74)の下流側の流体の温度を検知 る温度センサ(73)とを有し、上記温度センサ( 73)の検知温度に基づいて油送り通路(43)への 冷媒の侵入を検出するように構成されてい ことを特徴とするものである。

 第8の発明の油送り通路(43)には、冷媒検 手段としての加熱手段(74)と温度センサ(73)と が設けられる。油分離器(22)内の油が油送り 路(43)へ流入する場合、油が加熱手段(74)で加 熱されると、加熱後の油の温度が上昇する。 これに対して、油分離器(22)内の液冷媒が油 り通路(43)へ流入する場合、液冷媒が加熱手 (74)で加熱されても、液冷媒の温度は変わら ない。つまり、液冷媒は、加熱手段(74)から 発のための潜熱を奪うだけであり、その温 は上昇しない。以上のように、本発明では 油と液冷媒とでは加熱に伴う温度上昇の度 が異なることを利用することで、油送り通 (43)に液冷媒が侵入しているか否かを検出し いる。

 第9の発明は、第8の発明の冷凍装置にお て、上記加熱手段は、上記油送り通路(43)を れる流体と、上記膨張機(33)の流入側の冷媒 とを熱交換させる加熱用熱交換器(74)で構成 れていることを特徴とするものである。

 第9の発明では、油送り通路(43)を流れる 体を加熱する加熱手段として加熱用熱交換 (74)が設けられる。本発明の加熱用熱交換器( 74)では、油送り通路(43)を流れる流体が、膨 機(33)の流入側の冷媒によって加熱される。

 第10の発明は、第8の発明の冷凍装置にお て、上記加熱手段は、上記油送り通路(43)を 流れる流体と、上記圧縮機(32)の吐出側の冷 とを熱交換させる加熱用熱交換器(74)で構成 れていることを特徴とするものである。

 第10の発明の加熱用熱交換器(74)では、油 り通路(43)を流れる流体が、圧縮機(32)から 出された高温の冷媒によって加熱される。

 第11の発明は、第8の発明の冷凍装置にお て、上記冷媒回路(11)には、圧縮機(32)の吐 冷媒から油を分離する高圧側油分離器(27)と 圧側油分離器(27)と、該高圧側油分離器(27) 分離した油を圧縮機(32)の吸入側へ戻すため 油戻し通路(45)とが設けられ、上記加熱手段 は、上記油送り通路(43)を流れる流体と、油 し通路(45)を流れる油とを熱交換させる加熱 熱交換器(74)で構成されていることを特徴と するものである。

 第11の発明では、圧縮機(32)から吐出され 冷媒中に含まれる油が、高圧側油分離器(27) へ流入する。高圧側油分離器(27)では、冷媒 から油が分離する。分離された油は、油戻 通路(45)を通じて圧縮機(32)の吸入側へ戻され る。ここで、本発明の加熱用熱交換器(74)で 、油送り通路(43)を流れる流体が、油戻し通 (45)を流れる高温の油によって加熱される。

 第12の発明は、第6の発明の冷凍装置にお て、上記冷媒検出手段は、上記油送り通路( 43)に流入した流体を減圧する減圧機構(70)と 上記圧縮機(32)の吸入側の冷媒過熱度を検知 る過熱度検出手段(90)とを有し、該過熱度検 出手段(90)で検知した冷媒過熱度に基づいて 送り通路(43)への液冷媒の侵入を検出するよ に構成されていることを特徴とするもので る。

 第12の発明には、圧縮機(32)の吸入側の冷 過熱度を検知する過熱度検出手段(90)が設け られる。油分離器(22)内の油が油送り通路(43) 流入する場合、油が減圧機構(70)で減圧され ても、減圧後の油の温度はあまり低下しない 。従って、油送り通路(43)から圧縮機(32)の吸 側へ油が流出しても、過熱度検出手段(90)で 検知される冷媒過熱度はほとんど変化しない 。これに対して、油分離器(22)内の液冷媒が 送り通路(43)へ流出する場合、液冷媒が減圧 構(70)で減圧されると、減圧後の液冷媒の温 度が大きく低下する。従って、油送り通路(43 )から圧縮機(32)の吸入側へ液冷媒が流出する 、過熱度検出手段(90)で検知される冷媒過熱 度も大きく低下する。

 以上のように、本発明では、油と液冷媒 では減圧に伴う温度降下の度合が異なるこ を利用することで、油送り通路(43)に液冷媒 が侵入しているか否かを検出している。しか も、圧縮機(32)の冷媒過熱度は、冷媒回路(11) 定常時において比較的安定しているので、 の冷媒過熱度に基づいて油送り通路(43)への 液冷媒の侵入を確実に検出することができる 。

 第13の発明は、第1の発明の冷凍装置にお て、上記冷媒流量制限手段は、上記油送り 路(43)に設けられる開閉弁(70)と、該開閉弁(7 0)が閉鎖状態となる時間が所定の閉鎖時間δtc を経過する毎に、上記開閉弁(70)を一時的に 放させる弁制御手段(80)とを備えていること 特徴とするものである。

 第13の発明では、油送り通路(43)に冷媒流 制限手段としての開閉弁(70)が設けられる。 弁制御手段(80)は、所定の閉鎖時間δtcを経過 るまでの間、開閉弁(70)を閉鎖状態とする。 従って、この閉鎖時間δtcの間は、油分離器(2 2)内の油が油送り通路(43)を通じて圧縮機(32) 吸入されることがなく、油分離器(22)内に油 蓄積していくことになる。一方、弁制御手 (80)は、上記閉鎖時間δtcが経過する毎に開 弁(70)を一時的に開放させる。その結果、油 離器(22)内に溜まった油は、油送り通路(43) 通じて圧縮機(32)へ吸入される。ここで、こ 時点には、既に油分離器(22)内にある程度の 油が溜まっているので、開閉弁(70)を一時的 開放状態としても、多量の液冷媒が圧縮機(3 2)へ吸入されるのを回避できる。

 第14の発明は、第13の発明の冷凍装置にお いて、上記冷媒流量制限手段は、上記開閉弁 (70)の開放時における上記油分離器(22)から上 油送り通路(43)への液冷媒の侵入を検出する 冷媒検出手段(90)を備え、上記弁制御手段(80) 、上記冷媒検出手段(90)によって液冷媒の侵 入が検出されると開放状態の開閉弁(70)を閉 させることを特徴とするものである。

 第14の発明では、弁制御手段(80)によって 閉弁(70)が開放されている状態において、油 分離器(22)から油送り通路(43)への液冷媒の侵 を冷媒検出手段(90)が検出すると、開閉弁(70 )が閉鎖状態となる。これにより、油分離器(2 2)からの液冷媒の流出を確実に回避すること できる。そして、油分離器(22)には、油が徐 々に溜まり込んでいく。その後、開閉弁(70) 閉鎖された状態が所定の閉鎖時間δtcを経過 ると、再び開閉弁(70)が開放状態となる。

 第15の発明は、第14の発明の冷凍装置にお いて、上記弁制御手段(80)は、上記開閉弁(70) 開放されてから該開閉弁(70)が閉鎖されるま での間の開放時間δtoを測定する開放時間測 手段(82)を備え、該開放時間測定手段(82)で測 定した開放時間δtoに応じて、上記閉鎖時間δ tcを補正するように構成されていることを特 とするものである。

 第15の発明では、所定の閉鎖時間δtcが経 して開閉弁(70)が開放してから、上記冷媒検 出手段(90)が油送り通路(43)への液冷媒の侵入 検出するまでの間で、開閉弁(70)が開放状態 となる開放時間δtoを開放時間測定手段(82)が 測する。そして、弁制御手段(80)は、この開 放時間δtoに基づいて、それ以降に開閉弁(70) 閉鎖すべき閉鎖時間δtcを補正する。

 具体的には、例えば開放時間δtoが比較的 短い場合には、開閉弁(70)を開放させた時点 油分離器(22)内に溜まっていた油が比較的少 であったと予測できる。即ち、開閉弁(70)を 開放させる直前には、油分離器(22)内にもう し余分に油を貯留できたとみなすことがで る。従って、このような場合には、上記閉 時間δtcを長くするように補正することで、 分離器(22)内に所望とする油を溜めることが できる。その結果、この補正後には、開閉弁 (70)を一時的に開放させる頻度を低減するこ ができる。

 逆に、例えば開放時間δtoが比較的長い場 合には、開閉弁(70)を開放させた時点で油分 器(22)内に溜まっていた油が比較的多量であ たと予測できる。即ち、開閉弁(70)を開放さ せる直前には、油分離器(22)内に油が過剰に まっていたとみなすことができる。従って このような場合には、上記閉鎖時間δtcを短 するように補正することで、油分離器(22)内 に過剰な油が溜まってしまうことを防止でき る。

 第16の発明は、第15の発明の冷凍装置にお いて、上記弁制御手段(80)は、開閉弁(70)の開 時に上記油分離器(22)から上記油送り通路(43 )へ排出される油の排出流量Wを推定する油流 推定手段(83)を備え、油分離器(22)での基準 なる油貯留量Vmaxを上記油の排出流量Wで除し た理論開放時間δtoiを算出し、上記開放時間 定手段(82)で測定した上記開放時間δtoが上 理論開放時間δtoiよりも短い場合に、上記閉 鎖時間δtcを長くする補正を行い、開放時間δ toが理論開放時間δtoiよりも長い場合に、上 閉鎖時間δtcを短くする補正を行うように構 されていることを特徴とするものである。

 第16の発明では、油流量推定手段(83)が、 閉弁(70)の開放時に油分離器(22)から油送り 路(43)へ排出される油の排出流量Wを算出する 。次に、弁制御手段(80)は、油分離器(22)での 準となる油貯留量Vmaxを上記油の排出流量W 除することで、油貯留量Vmaxの油を排出する に要する理論開放時間δtoi(=Vmax/W)を算出す 。

 ここで、上記開放時間測定手段(82)で測定 した開放時間δtoが、上述のようにして算出 た理論開放時間δtoiよりも短い場合には、開 閉弁(70)を開放させる直前において、油分離 (22)内に基準の油貯留量Vmaxまで油が溜まって いなかったと推定できる。従って、弁制御手 段(80)は、閉鎖時間δtcを長くする補正を行う とで、それ以降には、油分離器(22)内に溜ま り込む油の量を増大させて基準の油貯留量Vma xへ近づけることができる。

 逆に、上記開放時間測定手段(82)で測定し た開放時間δtoが、上記の理論開放時間δtoiよ りも長い場合には、開閉弁(70)を開放させる 前において、油分離器(22)内に基準の油貯留 Vmaxよりも多くの油が溜まっていたと推定で きる。従って、弁制御手段(80)は、閉鎖時間δ tcを短くする補正を行うことで、それ以降に 、油分離器(22)内に溜まり込む油の量を減少 させて基準の油貯留量Vmaxへ近づけることが きる。

 第17の発明は、第16の発明の冷凍装置にお いて、上記油流量推定手段(83)は、上記油分 器(22)内に作用する圧力と、上記圧縮機(32)の 吸入側の圧力との差に基づいて、上記油の排 出流量Wを推定するように構成されているこ を特徴とするものである。

 第17の発明では、開閉弁(70)の開放時にお て、油流量推定手段(83)は、油分離器(22)内 作用する圧力と、圧縮機(32)の吸入側の圧力 の差に基づいて、油分離器(22)から油送り通 路(43)へ排出される油の排出流量Wを推定する

 第18の発明は、第1乃至第17のいずれか1つ 発明の冷凍装置において、上記油分離器(22) は、気液二相冷媒を液冷媒とガス冷媒とに分 離して、液冷媒を上記蒸発器(51a,51b,51c)へ供 するように構成されていることを特徴とす ものである。

 第18の発明では、油分離器(22)に流入した 液二相冷媒が、液冷媒とガス冷媒とに分離 れる。つまり、油分離器(22)に流入した油を 含む冷媒は、油と液冷媒とガス冷媒とに分離 される。蒸発器(51a,51b,51c)へは、油分離器(22) 分離された液冷媒が供給される。このため 蒸発器(51a,51b,51c)の冷却能力が向上する。

 第19の発明は、第18の発明の冷凍装置にお いて、上記冷媒回路(11)には、油分離器(22)に って分離されたガス冷媒を圧縮機(32)の吸入 側へ送るためのガスインジェクション通路(44 )が設けられていることを特徴とするもので る。

 第19の発明では、油分離器(22)で分離され ガス冷媒がガスインジェクション通路(44)を 通じて圧縮機(32)へ送られる。このため、油 離器(22)内にガス冷媒が溜まり過ぎることが く、油分離器(22)内では気液二相冷媒がガス 冷媒と液冷媒とに分離し易くなる。

 第20の発明は、第19の発明の冷凍装置にお いて、上記ガスインジェクション通路(44)を 通するガス冷媒の流量を調節するガス流量 節機構(44a)を備えていることを特徴とするも のである。

 第20の発明では、ガスインジェクション 路(44)を流通するガス冷媒の流量がガス流量 節機構(44a)によって調節可能となる。

 第21の発明は、第20の発明の冷凍装置にお いて、上記ガスインジェクション通路(44)に いて上記ガス流量調節機構(44a)を通過したガ ス冷媒と、上記油分離器(22)から蒸発器(51a,51b ,51c)へ供給される冷媒とを熱交換させる内部 交換器(24)を備えていることを特徴とするも のである。

 第21の発明では、内部熱交換器(24)におい 、ガスインジェクション通路(44)を流通する ガス冷媒と、油分離器(22)から蒸発器(51a,51b,51 c)へ供給される液冷媒とが熱交換する。ここ 、ガスインジェクション通路(44)を流れるガ ス冷媒は、ガス流量調節機構(44a)を通過する に減圧されるので、蒸発器(51a,51b,51c)側へ供 給される液冷媒よりも温度が低くなっている 。従って、内部熱交換器(24)では、液冷媒が ス冷媒へ放熱して冷却される。

 本発明では、油分離器(22)内の液冷媒が油 送り通路(43)を流通するのを冷媒流通制限手 (70,71,73,75,80)によって制限するようにしてい 。このため、本発明によれば、油分離器(22) 内の液冷媒が油送り通路(43)を通じて圧縮機(3 2)に吸入されることを回避でき、油分離器(22) から蒸発器(51a,51b,51c)へ充分な量の液冷媒を 給することができる。従って、蒸発器(51a,51b ,51c)の冷却能力を維持することができる。ま 、本発明によれば、液冷媒が油送り通路(43) を通じて圧縮機(32)に吸入されて圧縮されて まうことを回避できるので、いわゆる液圧 現象(液バック現象)による圧縮機(32)の損傷 防止することができる。

 第2の発明によれば、油送り通路(43)にキ ピラリーチューブ(75)を設けるようにしたの 、比較的単純な構造により、油分離器(22)内 の液冷媒が圧縮機(32)の吸入側へ送られてし うのを抑制することができる。

 第3の発明では、油量検出手段(71,80)で検 した油分離器(22)内の油量に応じて、油送り 路(43)の開度を開度調節機構(70)によって調 するようにしている。このため、本発明に れば、油分離器(22)内の油量が減少した際に 送り通路(43)の開度を小さくすることで、液 冷媒が油送り通路(43)を通じて圧縮機(32)に送 れてしまうのを回避できる。

 第4の発明では、油面検知手段(71,80)で検 した油分離器(22)内の油面高さに応じて、油 り通路(43)の開度を開度調節機構(70)によっ 調節するようにしている。このため、本発 によれば、油面高さが低下した際に油送り 路(43)の開度を小さくすることで、液冷媒が 送り通路(43)を通じて圧縮機(32)に吸入され しまうのを回避できる。

 特に、第5の発明では、油面高さが所定高 さよりも低くなると、油送り通路(43)を開度 節機構(70)によって閉鎖するようにしている で、液冷媒が油送り通路(43)を通じて圧縮機 (32)に吸入されてしまうのを確実に防止でき 。

 第6の発明では、油分離器(22)から油送り 路(43)への液冷媒の侵入を冷媒検出手段(70,73, 74,80)が検出すると、開度調節機構(70)によっ 油送り通路(43)の開度を小さくするようにし いる。このため、本発明によれば、油送り 路(43)へ液冷媒が流入していることを確実に 検出して、油送り通路(43)での液冷媒の流通 速やかに制限することができる。

 特に、第7の発明では、油送り通路(43)に いて、減圧機構(70)によって減圧された後の 体の温度を温度センサ(73)で検知し、温度セ ンサ(73)で検知した流体の温度に基づいて、 送り通路(43)への液冷媒の侵入を検出してい 。また、第8の発明では、油送り通路(43)に いて、加熱手段(74)によって加熱した後の流 の温度を温度センサ(73)で検知し、温度セン サ(73)で検知した流体の温度に基づいて、油 り通路(43)への液冷媒の侵入を検出している このため、第7や第8の発明によれば、比較 単純な装置構造によって第6の発明を実現で る。また、これらの冷媒検出手段(70,73,74,80) は、油分離器(22)の外側の油送り通路(43)に設 られるので、メンテナンスや交換等も容易 行える。

 また、第7の発明の減圧機構(70)を油送り 路(43)に設けると、液冷媒が油送り通路(43)へ 流入したとしても、この液冷媒の流通が減圧 機構(70)によって制限される。従って、第7の 明によれば、多量の液冷媒が圧縮機(32)に吸 入されてしまうことを確実に回避できる。

 また、第8の発明の加熱手段(74)を油送り 路(43)に設けると、液冷媒が油送り通路(43)へ 流入したとしても、この液冷媒を加熱手段(74 )によって加熱して蒸発させることができる つまり、加熱手段(74)で冷媒を加熱すること 、この冷媒の乾き度が大きくなるので、圧 機(32)での液圧縮現象を未然に防止すること ができる。

 第9乃至第11の発明では、加熱用熱交換器( 74)において、油送り通路(43)を流れる流体を 冷媒回路(11)内の他の流体と熱交換させるよ にしている。従って、これらの発明では、 ータ等の熱源を別に設けることなく、油送 通路(43)の流体を加熱することができる。特 に第9の発明では、膨張機(33)の流入側の冷媒 油送り通路(43)の流体とを熱交換させている 。このため、第9の発明によれば、膨張機(33) 流入側の冷媒を冷却することができ、蒸発 (51a,51b,51c)の冷却能力を向上できる。また、 第10や第11の発明では、圧縮機(32)の吐出側の 媒や油を利用して、油送り通路(43)の流体を 加熱している。このため、これらの発明によ れば、油送り通路(43)の流体の加熱量が比較 大きくなるので、加熱された流体の温度変 が、液冷媒と油との間で顕著となる。従っ 、これらの発明によれば、油送り通路(43)へ 冷媒の侵入を精度良く検出することができ 。

 第12の発明では、油分離器(22)から油送り 路(43)への液冷媒の侵入を、圧縮機(32)の吸 側の冷媒過熱度に基づいて検出するように ている。これにより、本発明によれば、冷 回路(11)の冷凍サイクル時に用いる冷媒過熱 検出用のセンサを利用して、油送り通路(43) への液冷媒の侵入を検出することができる。 従って、部品点数やコストの増大を招くこと なく、本発明の作用効果を奏することができ る。

 また、圧縮機(32)の吸入側の冷媒過熱度は 、冷媒回路(11)の定常時において比較的安定 ているので、この冷媒過熱度を用いること 、油送り通路(43)への液冷媒の侵入を確実に 出することができる。

 第13の発明では、開閉弁(70)を所定の閉鎖 間δtcが経過する毎に一時的に開放させるよ うにしている。これにより、本発明によれば 、容易且つ単純な構造により、油分離器(22) ら油送り通路(43)への液冷媒の侵入を防止す ことができる。

 特に、第14の発明では、開閉弁(70)の開放 において、冷媒検出手段(90)が油送り通路(43 )への液冷媒の侵入を検出すると、開閉弁(70) 閉鎖するようにしている。従って、本発明 よれば、開閉弁(70)の開放時において、開放 時間を設定することなく、液冷媒が圧縮機(32 )へ吸入されてしまうのを確実に回避するこ ができる。

 また、第15の発明によれば、開閉弁(70)の 放時間δtoに基づいて、その後の開閉弁(70) 閉鎖時間δtcを補正することができる。更に 第16の発明では、開閉弁(70)の開放時に油の 出流量Wを算出し、油分離器(22)の基準の油 留量Vmaxを排出流量Wで除することで、油貯留 量Vmaxの油を排出するのに要する理論開放時 δtoiを算出している。

 ここで、本発明では、実際に測定した開 時間δtoが理論開放時間δtoiよりも短い場合 は、開閉弁(70)の閉鎖時間δtcを長くするよ にしている。これにより、油分離器(22)内の 貯留量が不足気味であった場合において、 正後には、開閉弁(70)の閉鎖時により多くの 油を貯留させて油の貯留量をVmaxに近づける とができる。その結果、開閉弁(70)を開放さ る頻度を低減できるので、油分離器(22)内の 油が圧縮機(32)へ吸入されてしまうリスクを に低減できる。また、開閉弁(70)の開閉動作 伴う開閉弁(70)の機械的な劣化を抑制できる 。

 また、本発明では、実際に測定した開放 間δtoが理論開放時間δtoiよりも長い場合に 、開閉弁(70)の閉鎖時間δtcを短くするよう している。これにより、油分離器(22)内の油 留量が過剰気味であった場合において、補 後には、開閉弁(70)の閉鎖時に溜まり込む油 の量を少なくして油の貯留量をVmaxに近づけ ことができる。その結果、油分離器(22)内に 剰の油が溜まり込むことに起因して油分離 が低下したり、分離されなかった油が蒸発 (51a,51b,51c)側へ流出してしまうのを未然に回 避できる。

 また、第17の発明では、油分離器(22)内に 用する圧力と、圧縮機(32)の吸入側の圧力と の差圧を用いることで、既存のセンサ等を用 いながら、油分離器(22)から油送り通路(43)へ 油の排出流量Wを、運転条件の変化によらず 容易に精度良く推定することができる。

 第18の発明では、油分離器(22)で気液二相 媒をガス冷媒と液冷媒とに分離し、液冷媒 蒸発器(51a,51b,51c)へ供給するようにしている 。このため、本発明によれば、ガス冷媒と液 冷媒との双方が供給される場合と比較して、 蒸発器(51a,51b,51c)の冷却能力を更に向上でき 。

 第19の発明では、油分離器(22)内のガス冷 をガスインジェクション通路(44)を通して圧 縮機(32)の吸入側へ送るようにしている。こ ため、本発明によれば、油分離器(22)内にガ 冷媒が溜まりにくくなるので、油分離器(22) での気液二相冷媒の気液分離効率を向上でき る。また、油分離器(22)は、ガスインジェク ョン通路(44)を介して圧縮機(32)の吸入側と繋 がるため、油分離器(22)内の圧力を低下させ ことができる。その結果、膨張機(33)の流入 の圧力と、流出側の圧力(油分離器の内圧) の間の差圧が大きくなるので、膨張機(33)で 収し得る動力を増大できる。

 第20の発明では、ガスインジェクション 路(44)のガス冷媒の流量をガス流量調節機構( 44a)によって調節できるようにしている。こ ため、本発明によれば、圧縮機(32)に吸入さ るガス冷媒の量を任意に変更することがで る。

 第21の発明では、ガスインジェクション 路(44)でガス流量調節機構(44a)を通過したガ 冷媒と、油分離器(22)から蒸発器(51a,51b,51c)へ 送られる液冷媒とを内部熱交換器(24)で熱交 させている。このため、本発明によれば、 発器(51a,51b,51c)へ送られる液冷媒をガス冷媒 よって冷却することができる。その結果、 発器(51a,51b,51c)の冷却能力を更に向上できる 。

図1は、実施形態1に係る空気調和装置 概略構成を示す配管系統図である。 図2は、実施形態1に係る空気調和装置 ついて、油分離器の近傍を示す配管系統図 ある。 図3は、実施形態1に係る空気調和装置 ついて、油分離器の近傍を示す配管系統図 あり、図3(A)は油面高さが低い状態を、図3(B) は油面高さが高い状態を示したものである。 図4は、実施形態2に係る空気調和装置 ついて、油分離器の近傍を示す配管系統図 ある。 図5は、実施形態3に係る空気調和装置 概略構成を示す配管系統図である。 図6は、実施形態3の第1の変形例に係る 気調和装置の概略構成を示す配管系統図で る。 図7は、実施形態3の第2の変形例に係る 気調和装置の概略構成を示す配管系統図で る。 図8は、実施形態4に係る空気調和装置 概略構成を示す配管系統図である。 図9は、実施形態5に係る空気調和装置 ついて、油分離器の近傍を示す配管系統図 ある。 図10は、実施形態5に係る空気調和装置 について、冷媒過熱度、流体温度、油分離器 内の油面高さ、及び開閉弁の開閉状態の変化 を示すタイムチャートである。 図11は、実施形態5に係る空気調和装置 について、油分離器内の油面高さ及び開閉弁 の開閉状態の変化を示すタイムチャートであ り、図5(A)は閉鎖時間を補正しなかった場合 、図5(B)は閉鎖時間を長く補正した場合を、 5(C)は閉鎖時間を短く補正した場合を、それ ぞれ示すものである。 図12は、その他の実施形態に係る空気 和装置の概略構成を示す配管系統図である

符号の説明

 10  空気調和装置(冷凍装置)
 11  冷媒回路
 21  室外熱交換器(放熱器)
 22  油分離器
 24  内部熱交換器
 27  高圧側油分離器
 32  圧縮機
 33  膨張機
 43  油送り管(油送り通路)
 44a ガスインジェクション弁
 45  油戻し管(油戻し通路)
 51a 室内熱交換器(蒸発器)
 51b 室内熱交換器(蒸発器)
 51c 室内熱交換器(蒸発器)
 70  開閉弁(開度調節機構,減圧機構,冷媒検 手段,冷媒流通制限手段)
 71  下限フロートスイッチ(油面検知手段, 量検知手段,冷媒流通制限手段)
 73  温度センサ(冷媒検出手段)
 74  加熱用熱交換器(加熱手段,冷媒検出手 )
 75  キャピラリーチューブ(冷媒流通制限手 段)
 80  制御部(油量検出手段,油面検知手段,冷 検出手段,冷媒流通制御手段、弁制御手段)
 82  開放時間カウンタ(開放時間測定手段)
 83  油流量推定手段(油流量推定部)
 90  過熱度検出手段

 以下、本発明の実施形態を図面に基づい 詳細に説明する。

 《発明の実施形態1》
 本発明に係る冷凍装置は、室内の冷房や暖 が可能な空気調和装置(10)を構成するもので ある。図1に示すように、空気調和装置(10)は 1台の室外ユニット(20)と3台の室内ユニット( 50a,50b,50c)とを備えている。なお、室内ユニッ ト(50a,50b,50c)の台数は単なる一例であり、こ に限るものではない。

 空気調和装置(10)は、冷媒回路(11)を備えて る。この冷媒回路(11)は、二酸化炭素(CO 2 )が冷媒として充填された閉回路である。冷 回路(11)は、1つの室外回路(12)と、3つの室内 路(15a,15b,15c)とを備えている。これらの室内 回路(15a,15b,15c)は、第1連絡管(16)及び第2連絡 (17)によって室外回路(12)に並列に接続されて いる。具体的に、第1連絡管(16)は、一端が室 回路(12)の第1閉鎖弁(18)に接続され、他端が3 方に分岐して各室内回路(15a,15b,15c)の液側端 接続されている。第2連絡管(17)は、一端が室 外回路(12)の第2閉鎖弁(19)に接続され、他端が 3方に分岐して各室内回路(15a,15b,15c)のガス側 に接続されている。

 各室内回路(15a,15b,15c)は、各室内ユニット (50a,50b,50c)に1つずつ収容されている。各室内 路(15a,15b,15c)には、そのガス側端から液側端 へ向かって順に、室内熱交換器(51a,51b,51c)と 室内膨張弁(52a,52b,52c)とが設けられている。 室内ユニット(50a,50b,50c)には、各室内熱交換 器(51a,51b,51c)に室内空気を送るための室内フ ンが設けられている(図示省略)。

 各室内熱交換器(51a,51b,51c)は、クロスフィ ン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器を 構成している。各室内熱交換器(51a,51b,51c)へ 、室内ファンによって室内空気が供給され 。各室内熱交換器(51a,51b,51c)では、室内空気 冷媒との間で熱交換が行われる。また、各 内膨張弁(52a,52b,52c)は、開度可変の電子膨張 弁によって構成されている。

 室外回路(12)は、室外ユニット(20)に収容 れている。室外回路(12)には、圧縮・膨張ユ ット(30)、室外熱交換器(21)、油分離器(22)、 外膨張弁(23)、内部熱交換器(24)、ブリッジ 路(25)、及び四路切換弁(26)が設けられている 。室外ユニット(20)には、室外熱交換器(21)に 外空気を送るための室外ファンが設けられ いる(図示省略)。

 圧縮・膨張ユニット(30)は、縦長で円筒形の 密閉容器であるケーシング(31)を備えている ケーシング(31)内には、圧縮機(32)と膨張機(33 )と電動機(34)とが収容されている。ケーシン (31)内では、圧縮機(32)と電動機(34)と膨張機( 33)とが下から上へ向かって順に配置され、1 の駆動軸(35)によって互いに連結されている
 圧縮機(32)及び膨張機(33)は、何れも容積型 流体機械(揺動ピストン型のロータリ流体機 、ローリングピストン型のロータリ流体機 、スクロール流体機械等)によって構成され ている。圧縮機(32)は、吸入した冷媒(CO 2 )をその臨界圧力以上にまで圧縮する。膨張 (33)は、流入した冷媒(CO 2 )を膨張させて動力(膨張動力)を回収する。圧 縮機(32)は、膨張機(33)で回収された動力と、 電状態の電動機(34)で発生する動力との両方 によって回転駆動される。電動機(34)には、 外のインバータから所定周波数の交流電力 供給される。圧縮機(32)は、電動機(34)へ供給 される電力の周波数を変更することで、その 容量が可変に構成されている。圧縮機(32)と 張機(33)とは、常に同じ回転速度で回転する

 ケーシング(31)の底部には、圧縮機(32)や 張機(33)の各摺動部を潤滑するための油(冷凍 機油)が溜まり込んでいる。本実施形態では この油としてポリアルキレングリコールが いられている。しかしながら、この冷凍機 は、少なくとも-20℃以上の温度域で冷媒と 離可能で、且つその温度域で冷媒よりも密 が大きくなるものであれば他のものであっ も良い。具体的に、この油としては、ポリ ニルエーテル、ポリオールエステル、ポリ ーボネート、アルキルベンゼン等が挙げら る。

 駆動軸(35)の下端には、ケーシング(31)の 部に溜まった油を汲み上げるための油ポン (36)が設けられている。油ポンプ(36)は、駆動 軸(35)と共に回転し、遠心力によって油を汲 上げる遠心式のポンプを構成している。油 ンプ(36)によって汲み上げられた油は、駆動 (35)の油通路(図示省略)を経由して、圧縮機( 32)や膨張機(33)へ供給される。圧縮機(32)や膨 機(33)へ供給された各油は、各摺動部の潤滑 に利用され、その後に冷媒と共に冷媒回路(11 )へ流出する。

 室外熱交換器(21)は、クロスフィン型のフ ィン・アンド・チューブ熱交換器として構成 されている。室外熱交換器(21)へは、室外フ ンによって室外空気が供給される。室外熱 換器(21)では、室外空気と冷媒との間で熱交 が行われる。室外熱交換器(21)は、一端が四 路切換弁(26)の第3のポートに接続され、他端 室外膨張弁(23)を介してブリッジ回路(25)に 続されている。室外膨張弁(23)は、開度可変 電子膨張弁で構成されている。

 油分離器(22)は、膨張機(33)から流出した 液二相冷媒から油を分離するためのもので る。油分離器(22)は、縦長で円筒状の密閉容 である。具体的に、油分離器(22)は、筒状の 周壁部(22a)と、周壁部(22a)の下端を閉塞する 壁部(22b)と、周壁部(22a)の上端を閉塞する頂 部(22c)とが一体に形成されて構成されてい 。

 油分離器(22)の周壁部(22a)には、流入管(41) が接続されている。流入管(41)は、一端が周 部(22a)を接線方向に貫通して油分離器(22)の 部に開口している。流入管(41)の一端の開口 、水平方向を向いている。また、流入管(41) の一端の開口高さは、油分離器(22)のやや頂 部(22c)側寄りに位置している。流入管(41)の 端は、膨張機(33)の流出口と繋がっている。

 油分離器(22)の底壁部(22b)には、流出管(42) が接続されている。流出管(42)は、一端が底 部(22b)を鉛直方向に貫通して油分離器(22)の 部に開口している。流出管(42)の一端の開口 、鉛直上方を向いている。また、流出管(42) の一端の開口高さは、流入管(41)の一端より 下側に位置している。流出管(42)の他端は、 部熱交換器(24)を介してブリッジ回路(25)と がっている。

 油分離器(22)の底壁部(22b)には、油送り通 としての油送り管(43)も接続されている。油 送り管(43)は、一端が底壁部(22b)に開口し、油 分離器(22)の内部に臨んでいる。油送り管(43) 一端の開口高さは、流出管(42)の一端よりも 下側に位置し、底壁部(22b)の内面(底面)と略 致している。油送り管(43)の他端は、圧縮機( 32)の吸入側と繋がっている。

 油分離器(22)の頂壁部(22c)には、ガスイン ェクション通路としてのガスインジェクシ ン管(44)が接続されている。ガスインジェク ション管(44)は、一端が頂壁部(22c)に開口し、 油分離器(22)の内部に臨んでいる。ガスイン ェクション管(44)の一端の開口高さは、流入 (41)の一端よりも上側に位置し、頂壁部(22c) 内面(天面)と略一致している。ガスインジ クション管(44)の他端は、内部熱交換器(24)を 介して圧縮機(32)の吸入側と繋がっている。 た、ガスインジェクション管(44)には、ガス 量調節機構としてのガスインジェクション (44a)が、内部熱交換器(24)の流入側に設けら ている。ガスインジェクション弁(44a)は、 度が可変の電子膨張弁によって構成されて る。

 油分離器(22)は、膨張機(33)を流出した気 二相冷媒から油を分離すると同時に、気液 相冷媒を液冷媒とガス冷媒とに分離するよ に構成されている。つまり、油分離器(22)へ 入した気液二相冷媒中には、密度が大きい のから順に、油(冷凍機油)、液冷媒、ガス 媒が混在している。このため、油分離器(22) は、最も密度が大きい油が底部に溜まり込 で油溜まり(40b)を形成し、最も密度が小さ ガス冷媒が頂部に溜まり込んでガス溜まり(4 0c)を形成する。更に、油分離器(22)では、油 まり(40b)とガス溜まり(40c)の間に、液冷媒が まり込んで液溜まり(40a)を形成する。油分 器(22)では、原則として、流出管(42)が液溜ま り(40a)に臨み、油送り管(43)が油溜まり(40b)に み、流入管(41)及びガスインジェクション管 (44)がガス溜まり(40c)に臨んでいる。

 内部熱交換器(24)は、流出管(42)とガスイ ジェクション管(44)とに跨るように設けられ いる。内部熱交換器(24)は、流出管(42)の途 に形成される放熱部(24a)と、ガスインジェク ション管(44)の途中に形成される吸熱部(24b)と を有している。内部熱交換器(24)は、放熱部(2 4a)を流通する液冷媒と、吸熱部(24b)を流通す ガス冷媒とを熱交換させる。

 ブリッジ回路(25)は、4つの逆止弁(CV-1~CV-4) をブリッジ状に接続したものである。このブ リッジ回路(25)における第1逆止弁(CV-1)及び第4 逆止弁(CV-4)の流入側には、流出管(42)が接続 れている。第2逆止弁(CV-2)及び第3逆止弁(CV-3) の流出側は、膨張機(33)の流入側に接続され いる。第1逆止弁(CV-1)の流出側及び第2逆止弁 (CV-2)の流入側は、第1閉鎖弁(18)に接続されて る。第3逆止弁(CV-3)の流入側及び第4逆止弁(C V-4)の流出側は、室外膨張弁(23)に接続されて る。各逆止弁(CV-1,CV-2,CV-3,CV-4)は、図1に矢印 で示す方向への冷媒の流通のみを許容し、こ れとは逆の方向への冷媒の流通を禁止してい る。

 四路切換弁(26)の第1のポートは、圧縮機(3 2)の吸入側に接続されている。第2のポートは 、第2閉鎖弁(19)に接続されている。第3のポー トは、室外熱交換器(44)に接続されている。 4のポートは、圧縮機(32)の吐出側に接続され ている。四路切換弁(26)は、第1のポートと第2 のポートとを連通させると同時に第3のポー と第4のポートとを連通させる状態(図1に実 で示す第1状態)と、第1のポートと第3のポー とが連通させると同時に第2のポートと第4 ポートとを連通させる状態(図1に破線で示す 第2状態)とが切り換え可能に構成されている

 図2に示すように、本実施形態の空気調和 装置(10)は、開閉弁(70)と、2つのフロートスイ ッチ(71,72)と、制御部(80)とを備えている。開 弁(70)は、油送り管(43)に設けられている。 閉弁(70)は、油送り管(43)の開度を調節するた めの開度調節機構を構成している。具体的に 、開閉弁(70)は、開閉自在な電磁弁で構成さ ている。つまり、開閉弁(70)は、油送り管(43) を開放する状態と、閉鎖する状態とに切換可 能となっている。また、開放状態の開閉弁(70 )は、油送り管(43)よりも流路面積が小さくな ており、通過する流体を絞り込んで抵抗を 与するように構成されている。つまり、開 弁(70)は、油送り管(43)を流れる流体を減圧 る減圧機構を兼ねている。

 2つのフロートスイッチ(71,72)は、油分離 (22)の内部に設けられている。各フロートス ッチ(71,72)は、油分離器(22)内の油面高さを 知する油面検知手段であって、ひいては油 離器(22)内の油量を検出する油量検出手段を 成している。具体的には、油分離器(22)には 、底壁部(22b)寄りに下限フロートスイッチ(71) が設けられ、下限フロートスイッチ(71)の上 に上限フロートスイッチ(72)が設けられてい 。各フロートスイッチ(71,72)は、縦長の筒状 のガイド部(71a,72a)と、各ガイド部(71a,72a)の内 部に保持される球状のフロート部(71b,72b)とを 有している。各ガイド部(71a,72a)内には、フロ ート部(71b,72b)が鉛直方向に変位自在に保持さ れている。また、各フロート部(71b,72b)は、油 分離器(22)内の油よりも密度が小さく、且つ 冷媒よりも密度が大きくなるように構成さ ている。つまり、各フロート部(71b,72b)は、 分離器(22)内において、油中では浮遊するが 冷媒中では浮遊しない。

 下限フロートスイッチ(71)は、油分離器(22 )内の油面高さが下限レベルLよりも低くなっ いるか否かを検知するものである。下限レ ルLは、油分離器(22)の底面より僅かに高い 置に設定されている。上限フロートスイッ (72)は、油分離器(22)の油面高さが上限レベル Hより高くなっているか否かを検知するもの ある。上限レベルHは、下限レベルLよりも高 く、且つ流出管(42)の開口高さ以下の位置に 定されている。本実施形態では、下限レベ Lと、流出管(42)の開口高さとがほぼ一致して いる。

 制御部(80)は、下限フロートスイッチ(71) び上限フロートスイッチ(72)の検知信号を入 し、この検知信号に応じて開閉弁(70)の開閉 制御を行うものである。開閉弁(70)と下限フ ートスイッチ(71)と制御部(80)とは、油分離器 (22)内の液冷媒が油送り管(43)を通じて圧縮機( 32)へ吸入されるのを防ぐために、油送り管(43 )を流通する流体の流量を制限する冷媒流通 限手段を構成している。また、開閉弁(70)と 限フロートスイッチ(72)と制御部(80)とは、 分離器(22)内の油が、流出管(42)を流通するの を制限する油流通制限手段を構成している。 このような制御部(80)による油送り管(43)の開 制御動作の詳細は後述する。

  -運転動作-
 空気調和装置(10)の運転動作について説明す る。空気調和装置(10)は、室内を冷房する冷 運転と、室内を暖房する暖房運転とが可能 なっている。

 《暖房運転》
 暖房運転時には、四路切換弁(26)が図1の破 で示す状態に設定される。暖房運転では、 室内膨張弁(52a,52b,52c)の開度が個別に調節さ 、室外膨張弁(23)の開度も適宜調節される。 また、油送り管(43)の開閉弁(70)は原則として 放状態となり、ガスインジェクション弁(44a )の開度が適宜調節される。このような状態 電動機(34)が通電されると、圧縮機(32)が駆動 され、冷媒回路(11)で冷媒が循環する。その 果、暖房運転では、各室内熱交換器(51a,51b,51 c)が放熱器として機能し、室外熱交換器(21)が 蒸発器として機能する冷凍サイクルが行われ る。

 具体的に、圧縮機(32)からは、臨界圧力よ りも高圧となった冷媒が吐出される。この高 圧の冷媒は、第2連絡管(17)を経て各室内回路( 15a,15b,15c)へ分流する。各室内回路(15a,15b,15c) 流入した冷媒は、各室内熱交換器(51a,51b,51c) それぞれ流れる。各室内熱交換器(51a,51b,51c) では、冷媒が室内空気へ放熱し、これにより 室内の暖房が行われる。なお、各室内回路(15 a,15b,15c)では、各室内膨張弁(52a,52b,52c)の開度 応じて、各室内熱交換器(51a,51b,51c)の暖房能 力が個別に調節される。各室内熱交換器(51a,5 1b,51c)で放熱した冷媒は、第1連絡管(16)で合流 して室外回路(12)へ流入する。

 室外回路(12)へ流入した冷媒は、膨張機(33 )で中間圧まで減圧される。この際、膨張機(3 3)の膨張動力が駆動軸(35)の回転動力として回 収される。膨張機(33)で減圧された冷媒は、 液二相状態で流入管(41)を流れ、油分離器(22) 内へ流入する。この際、油分離器(22)へは、 張機(33)の各摺動部の潤滑に利用された油も 入する。

 油分離器(22)では、油を含む気液二相冷媒 が周壁部(22a)の内周面に沿うように旋回する その結果、冷媒中から油が分離されると共 、気液二相冷媒が液冷媒とガス冷媒とに分 される。その結果、油が油溜まり(40b)に、 冷媒が液溜まり(40a)に、ガス冷媒がガス溜ま り(40c)にそれぞれ貯留される。

 油分離器(22)の液溜まり(40a)の液冷媒は、 出管(42)へ流出して内部熱交換器(24)を流れ 。一方、油分離器(22)のガス溜まり(40c)のガ 冷媒は、ガスインジェクション管(44)へ流出 る。このガス冷媒は、ガスインジェクショ 弁(44a)を通過する際に減圧され、内部熱交 器(24)を流れる。内部熱交換器(24)では、放熱 部(24a)を流れる液冷媒と、吸熱部(24b)を流れ ガス冷媒との間で熱交換が行われる。その 果、放熱部(24a)の液冷媒は、吸熱部(24b)のガ 冷媒へ熱を付与して過冷却される。過冷却 れた液冷媒は、室外膨張弁(23)を通過する際 に低圧まで減圧されてから、室外熱交換器(21 )へ流入する。室外熱交換器(21)では、冷媒が 外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換 (21)で蒸発した冷媒は、ガスインジェクショ ン管(44)を流出したガス冷媒と混合されて、 縮機(32)へ吸入される。

 一方、油分離器(22)の油溜まり(40b)に溜ま た油は、油送り管(43)へ流入する。この油は 、開放状態の開閉弁(70)を通過する際に低圧 で減圧されてから圧縮機(32)へ吸入される。 縮機(32)へ吸入された油は、圧縮機(32)や膨 機(33)の各摺動部の潤滑に利用される。

 《冷房運転》
 冷房運転時には、四路切換弁(26)が図1の実 で示す状態に設定される。冷房運転では、 室内膨張弁(52a,52b,52c)の開度が個別に調節さ 、室外膨張弁(23)が全開状態となる。また、 油送り管(43)の開閉弁(70)は原則として開放状 となり、ガスインジェクション弁(44a)の開 が適宜調節される。このような状態で電動 (34)が通電されると、圧縮機(32)が駆動され、 冷媒回路(11)で冷媒が循環する。その結果、 房運転では、各室内熱交換器(51a,51b,51c)が蒸 器として機能し、室外熱交換器(21)が放熱器 として機能する冷凍サイクルが行われる。

 具体的に、圧縮機(32)からは、臨界圧力よ りも高圧となった冷媒が吐出される。この高 圧の冷媒は、室外熱交換器(21)で放熱し、膨 機(33)で中間圧まで減圧された後、油分離器( 22)へ流入する。油分離器(22)では、油を含む 液二相冷媒が、油と液冷媒とガス冷媒とに 離される。

 油分離器(22)から流出管(42)へ流出した冷 は、内部熱交換器(24)の放熱部(24a)を流れる 一方、油分離器(22)からガスインジェクショ 管(44)へ流出した冷媒は、ガスインジェクシ ョン弁(44a)で減圧された後、内部熱交換器(24) の吸熱部(24b)を流れる。内部熱交換器(24)では 、放熱部(24a)の液冷媒が吸熱部(24b)のガス冷 へ放熱して過冷却される。過冷却後の液冷 は、第1連絡管(16)を経て各室内回路(15a,15b,15c )へ分流する。

 ここで、このように内部熱交換器(24)で液 冷媒を過冷却すると、第1連絡管(16)から各室 膨張弁(52a,52b,52c)までの冷媒経路において、 液冷媒が気液二相状態に変化してしまうのを 抑制できる。即ち、このような冷媒経路の圧 力損失が比較的大きい場合には、液冷媒が減 圧されて気液二相状態となり易いが、充分に 過冷却された液冷媒であれば、減圧されても 気液二相状態となりにくい。その結果、例え ば液冷媒が気液二相状態に変化してしまう場 合には、各室内ユニット(50a,50b,50c)へ供給さ る液冷媒が偏流してしまうことがあるが、 実施形態の各室内ユニット(50a,50b,50c)へは、 冷媒が均等に供給されることになる。

 各室内回路(15a,15b,15c)へ供給された液冷媒 は、各室内膨張弁(52a,52b,52c)を通過する際に 圧される。この際、各室内膨張弁(52a,52b,52c) 通過する冷媒は液単相状態であるので、気 二相状態である場合と比較して、各室内膨 弁(52a,52b,52c)での冷媒の通過音が小さくなる 。各室内膨張弁(52a,52b,52c)で低圧まで減圧さ た冷媒は、各室内熱交換器(51a,51b,51c)を流れ 。各室内熱交換器(51a,51b,51c)では、冷媒が室 内空気から吸熱して蒸発する。その結果、室 内空気が冷却されて室内の冷房が行われる。 各室内熱交換器(51a,51b,51c)で蒸発した冷媒は ガスインジェクション管(44)を流出したガス 媒と混合されて、圧縮機(32)へ吸入される。

 一方、油分離器(22)の油溜まり(40b)に溜ま た油は、油送り管(43)へ流入する。この油は 、開放状態の開閉弁(70)を通過する際に低圧 で減圧されてから圧縮機(32)へ吸入される。 縮機(32)へ吸入された油は、圧縮機(32)や膨 機(33)の各摺動部の潤滑に利用される。

  -油送り管の開度制御動作-
 上述のように、空気調和装置(10)の暖房運転 や冷房運転では、油分離器(22)の底部に溜ま た油を圧縮機(32)の吸入側へ送るようにして る。ところが、油分離器(22)に溜まり込む油 の量は、圧縮・膨張ユニット(30)の出力周波 等の各種の運転条件に応じて変動する。こ ような油分離器(22)内の油量の変動に伴い、 面高さが低くなり過ぎると、油分離器(22)内 の液冷媒が油送り管(43)を通じて圧縮機(32)の 入側へ送られることがある。その結果、例 ば冷房運転時において、蒸発器となる各室 熱交換器(51a,51b,51c)へ供給される液冷媒の量 が減少してしまい、各室内ユニット(50a,50b,50c )の冷房能力が低下してしまう虞がある。ま 、圧縮機(32)に液冷媒が吸入されることで、 わゆる液圧縮(液バック)現象が生じ、圧縮 (32)が損傷してしまう虞もある。

 一方、油分離器(22)内の油面高さが高くな り過ぎると、油分離器(22)内の油が流出管(42) 流入してしまうこともある。その結果、例 ば冷房運転時において、蒸発器となる各室 熱交換器(51a,51b,51c)の伝熱管に油が付着し、 各室内熱交換器(51a,51b,51c)の伝熱性能が低下 てしまうこともある。従って、このような 合にも各室内ユニット(50a,50b,50c)の冷房能力 低下してしまう虞がある。そこで、本実施 態の空気調和装置(10)では、このような不具 合を解消すべく、以下のような油送り管(43) 開度制御動作を行うようにしている。

 例えば冷房運転において、図3(A)に示すよ うに、油分離器(22)内の油面高さが下限レベ Lを下回るとする。この場合、下限フロート イッチ(71)のフロート部(71b)が、油面ととも 下限レベルLの下側に変位する。その結果、 下限フロートスイッチ(71)からは、制御部(80) 検知信号が出力される。制御部(80)に検知信 号が入力されると、制御部(80)は開閉弁(70)を 鎖状態とする。その結果、油分離器(22)内の 油面高さが低すぎる状態であっても、液冷媒 が油送り管(43)を通じて圧縮機(32)へ送られて まうことが、閉鎖状態の開閉弁(70)によって 阻止される。

 この状態で冷房運転が継続して行われる 、油分離器(22)内の油面高さが徐々に上がっ ていく。ここで、開閉弁(70)が閉鎖されてか 油面高さが下限レベルLより高くなっても、 閉弁(70)の閉鎖状態は保持される。この状態 から更に油面高さが高くなり、図3(B)に示す うに、油面高さが上限レベルHを越えるとす 。この場合、上限フロートスイッチ(72)のフ ロート部(72b)が、油面とともに上限レベルHの 上側に変位する。その結果、上限フロートス イッチ(72)からは、制御部(80)へ検知信号が出 される。制御部(80)に検知信号が入力される と、制御部(80)は開閉弁(70)を開放状態とする その結果、油分離器(22)内の油は、油送り管 (43)を通じて圧縮機(32)へ送られ、油面高さが び低下していく。このため、流出管(42)へ油 が流入してしまうことが未然に回避されるの で、各室内熱交換器(51aw,51b,51c)へは液冷媒だ が供給されることになる。

  -実施形態1の効果-
 上記実施形態1では、油分離器(22)内の液冷 が油送り通路(43)を流通するのを冷媒流通制 手段によって制限するようにしている。具 的には、上記実施形態1では、油分離器(22) の油面高さが所定の下限レベルLより低くな と、開閉弁(70)を開放状態としている。その 結果、上記実施形態1によれば、油分離器(22) の油面高さが低くなり液冷媒が油送り管(43) に流入し易い条件下において、液冷媒が油送 り管(43)を流通するのを速やかに回避するこ ができる。従って、液冷媒が油送り管(43)を じて圧縮機(32)に吸入されてしまうことを未 然に回避できる。このようにすると、油分離 器(22)からは、例えば冷房運転時の室内熱交 器(51a,51b,51c)へ充分な量の液冷媒を供給する とができる。その結果、室内熱交換器(51a,51 b,51c)の冷房能力を充分確保することができる 。また、圧縮機(32)へ液冷媒が吸入されてし うことを回避することで、いわゆる液圧縮 象(液バック現象)による圧縮機(32)の損傷を 止することができる。

 また、上記実施形態1では、油分離器(22) の油面高さが所定の上限レベルHより高くな と、開閉弁(70)を開放状態としている。つま り、上記実施形態1では、油分離器(22)内の油 高さが高くなり分離後の油が流出管(42)へ流 入し易い条件下において、油送り管(43)にお る油の流通を許容するようにしている。従 て、上記実施形態1によれば、このような状 から速やかに油分離器(22)内の油面高さを低 くできるので、分離後の油が流出管(42)に流 してしまうのを未然に回避できる。その結 、分離後の油が、例えば冷房運転時の室内 交換器(51a,51b,51c)の伝熱管に付着することを 止でき、このような油の付着に起因して室 熱交換器(51a,51b,51c)の伝熱性能が低下してし まうのも防止できる。

 更に、上記実施形態1では、油分離器(22) で気液二相冷媒をガス冷媒と液冷媒とに分 し、分離後の液単相冷媒を冷房運転時の室 熱交換器(51a,51b,51c)へ供給するようにしてい 。このため、室内熱交換器(51a,51b,51c)の冷房 能力の向上を図ることができる。

 ここで、分離後のガス冷媒は、ガスイン ェクション管(44)を通じて圧縮機(32)の吸入 に送られるので、油分離器(22)内にガス冷媒 溜まりすぎることがない。その結果、油分 器(22)内での気液分離能力を充分確保できる 。また、油分離器(22)にガスインジェクショ 管(44)を繋ぐと、油分離器(22)内の圧力を低下 させることができる。その結果、膨張機(33) 流入側の圧力と、流出側の圧力(油分離器の 圧)との間の差圧が大きくなるので、膨張機 (33)で回収できる動力を増大できる。また、 スインジェクション管(44)にガスインジェク ョン弁(44a)を設けるようにしたので、この スインジェクション弁(44a)の開度に応じて圧 縮機(32)へ吸入されるガス冷媒の量を調節で る。

 更に、ガスインジェクション管(44)でガス インジェクション弁(44a)を通過したガス冷媒 、流出管(42)を流れる液冷媒とを内部熱交換 器(24)で熱交換させている。このため、冷房 転時の室内熱交換器(51a,51b,51c)へ送られる冷 を過冷却でき、室内熱交換器(51a,51b,51c)の冷 房能力を更に向上できる。

  〈実施形態1の変形例〉
 上記実施形態1について、以下のような構成 としても良い。

 上記実施形態1では、油分離器(22)内の液 高さをフロートスイッチ(71,72)で検知するよ にしている。しかしながら、上述の上限レ ルHや下限レベルLを他の油面高さ検知手段 検知するようにしても良い。この油面高さ 知手段としては、高周波パルス式、超音波 、マイクロ波式等が挙げられる。

 また、油分離器(22)内の油量を直接的、あ るいは間接的に検出し、検出した油量に応じ て開閉弁(70)の開閉制御を行うようにしても い。具体的には、例えば圧縮・膨張ユニッ (30)の出力周波数(即ち、駆動軸の回転数)に づいて圧縮・膨張ユニット(30)のケーシング( 31)内における油上がり量を推定し、この油上 がり量(即ち、膨張機(33)から流出する油の量) を積算していくことで、油分離器(22)内の油 を求めることができる。また、例えば油分 器(22)の重量を測定することで、油分離器(22) 内の油量を求めることもできる。

  《発明の実施形態2》
 実施形態2に係る空気調和装置(10)は、上記 施形態1と冷媒流通制限手段の構成が異なる のである。具体的には、図4に示すように、 冷媒流通制限手段は、開閉制御手段として開 閉弁(70)と、温度センサ(73)と、制御部(80)とを 備えている。また、実施形態2の油分離器(22) には、実施形態1の上限フロートスイッチ(72 )が設けられている一方、実施形態1の下限フ ートスイッチ(71)は設けられていない。

 開閉弁(70)は、上記実施形態1と同様に、 放状態において通過する流体に対して所定 抵抗を付与するように構成されている。つ り、開閉弁(70)は、通過する流体を減圧する 圧機構を兼ねている。温度センサ(73)は、油 送り管(43)における開閉弁(70)の下流側に設け れている。温度センサ(73)は、開閉弁(70)の 流側の温度を検知する。温度センサ(73)で検 した温度は、制御部(80)へ出力される。

 制御部(80)は、温度センサ(73)の検知温度 ついて、所定時間内(例えば5秒)における減 変化量を算出する。そして、この検知温度 減少変化量δTが規定量より大きくなると、 送り管(43)内に冷媒が侵入していると判定す 。以上のようにして、開閉弁(70)、温度セン サ(73)、及び制御部(80)は、油分離器(22)から油 送り管(43)への冷媒の侵入を検出する冷媒検 手段を構成している。

  -油送り管の開度制御動作-
 実施形態2の空気調和装置(10)の運転開始時 は、油送り管(43)の開閉弁(70)が開放状態とな る。このため、油分離器(22)内の油は、油送 管(43)に流入して開閉弁(70)を通過する。この 際、油は開閉弁(70)によって減圧される。こ で、油が開閉弁(70)によって減圧されても、 の温度はほとんど低下しない。このため温 センサ(73)で検出される流体の温度は比較的 高温のままである。

 このような状態から油分離器(22)内の油量 が減少すると、液冷媒が油送り管(43)へ侵入 る。この液冷媒が開閉弁(70)を通過する際に 圧されると、液冷媒の温度が急激に低下す 。このため、温度センサ(73)で検出される流 体の温度も急激に低下する。その結果、油送 り管(43)に油が流れていた状態から液冷媒が れる状態に遷移する際には、制御部(80)へ出 される検知温度が大きく減少変化すること なる。このようにして、制御部(80)において 、検知温度の減少変化量が規定量よりも大き くなると、油分離器(22)から油送り管(43)へ液 媒が侵入していると判定される。すると、 御部(80)は、開閉弁(70)を閉鎖状態とする。 の結果、油送り管(43)での液冷媒の流通が開 弁(70)によって阻止される。

 この状態で運転が継続して行われると、 分離器(22)内の油面高さが徐々に上がってい く。そして、油面高さが上限レベルHを越え と、上記実施形態1と同様、上限フロートス ッチ(72)が作動して、開閉弁(70)が開放状態 なる。その結果、油分離器(22)内の油は、油 り管(43)を通じて圧縮機(32)へ送られ、油面 さが再び低下していく。このため、流出管(4 2)へ油が流入してしまうことが未然に回避さ るので、各室内熱交換器(51aw,51b,51c)へは液 媒だけが供給されることになる。 

  -実施形態2の効果-
 実施形態2では、油送り管(43)において減圧 の流体の温度を検出し、この温度の減少変 量に基づいて油送り管(43)への液冷媒の侵入 検出している。そして、油送り管(43)へ液冷 媒が侵入していると判定すると、速やかに開 閉弁(70)を閉鎖状態とするようにしている。 って、本実施形態においても、冷房運転時 室内熱交換器(51a,51b,51c)へ液冷媒を充分に供 することができ、この室内熱交換器(51a,51b,5 1c)の冷房能力を確保できることができる。

 また、実施形態2では、油送り管(43)に温 センサ(73)を設けているので、例えば油分離 (22)内にセンサを設ける場合と比較して、セ ンサの交換やメンテナンスが容易となる。ま た、開放状態の開閉弁(70)は、通過する流体 対して所定の抵抗を付与するように構成さ ているので、油分離器(22)内に液冷媒が油送 管(43)に流入したとしても、この液冷媒が圧 縮機(32)の吸入側へ多量に送り込まれてしま ことがない。また、開閉弁(70)は、流体を減 するための減圧機構も兼ねているため、別 膨張弁等の減圧手段を設ける必要がない。 って、部品点数の削減を図ることができる

  〈実施形態2の変形例〉
 上記実施形態2について、以下のような構成 としても良い。

 上記実施形態2では、開閉弁(70)の下流側 検出した流体の温度の減少変化量に基づい 油送り管(43)への油の侵入を検出するように ている。しかしながら、開閉弁(70)の上流側 と下流側との双方の流体の温度を温度センサ 等でそれぞれ検出し、これらの温度差によっ て油送り管(43)への油の侵入を検出するよう しても良い。具体的には、例えば油送り管(4 3)に油が流通している場合、開閉弁(70)の上流 側と下流側とでは、その油の温度はほとんど 変化しない。一方、油送り管(43)に液冷媒が 入すると、開閉弁(70)の下流側の液冷媒の温 は、開閉弁(70)の上流側と比較して低温とな る。従って、このような開閉弁(70)の流入前 び流出後の液冷媒の温度をそれぞれ検出し これらの温度差が規定量より大きくなると 液冷媒が油送り管(43)へ侵入していると判断 て開閉弁(70)を閉鎖状態とする。これにより 、油送り管(43)における液冷媒の流通を速や に阻止することができる。なお、開閉弁(70) 上流側の流体の温度を検出する場合、開閉 (70)の上流側に温度センサを設けても良いし 、この温度を他の方法で検出するようにして も良い。具体的には、膨張機(33)の流出側な に圧力センサを設け、この圧力センサで検 した圧力の相当飽和温度を開閉弁(70)の上流 の流体の温度として用いるようにしても良 。

  《発明の実施形態3》
 実施形態3に係る空気調和装置(10)は、上記 施形態2の油送り管(43)に加熱手段としての加 熱用熱交換器(74)を付与したものである。こ 例の加熱用熱交換器(74)は、油送り管(43)と、 膨張機(33)の流入側の配管とに跨るように配 されている。加熱用熱交換器(74)では、油送 管(43)を流れる流体と、膨張機(33)の流入側 冷媒とが熱交換する。また、油送り管(43)で 、加熱用熱交換器(74)の上流側に開閉弁(70) 設けられ、開閉弁(70)の下流側に温度センサ( 73)が設けられている。以上のようにして、開 閉弁(70)、温度センサ(73)、加熱用熱交換器(74) 、及び制御部(80)は、油分離器(22)から油送り (43)への冷媒の侵入を検出する冷媒検出手段 を構成している。

  -油送り管の開度制御動作-
 実施形態3の空気調和装置(10)の運転開始時 は、油送り管(43)の開閉弁(70)が開放状態とな る。このため、油分離器(22)内の油は、油送 管(43)に流入して開閉弁(70)を通過する。この 際、油は開閉弁(70)によって減圧される。こ で、油が開閉弁(70)によって減圧されても、 の温度はほとんど低下しない。その後、油 、加熱用熱交換器(74)を流れる。加熱用熱交 換器(74)では、膨張機(33)の流入側を流れる冷 が、油送り管(43)を流れる油に放熱する。そ の結果、油送り管(43)を流れる油が加熱され 。その結果、温度センサ(73)で検出される流 の温度は比較的高温となる。

 このような状態から油分離器(22)内の油量 が減少すると、液冷媒が油送り管(43)へ侵入 る。この液冷媒が開閉弁(70)を通過する際に 圧されると、液冷媒の温度が急激に低下す 。その後、液冷媒は、加熱用熱交換器(74)を 流れる。加熱用熱交換器(74)では、膨張機(33) 流入側を流れる冷媒によって、油送り管(43) を流れる液冷媒が加熱される。その結果、加 熱用熱交換器(74)では、液冷媒が潜熱を奪っ 蒸発するが、その温度は上昇しない。従っ 、温度センサ(73)で検出される流体の温度は 較的低温となる。以上のように、上述の如 油送り管(43)を油が流通する場合には、油が 加熱用熱交換器(74)で昇温され易いのに対し 液冷媒が油送り管(43)を流通する場合には、 冷媒は加熱用熱交換器(74)で昇温されにくい 。更に、液冷媒は開閉弁(70)で減圧されてい ので、この冷媒が加熱用熱交換器(74)で過熱 味となることがなく、一層昇温されにくく る。従って、実施形態3では、油送り管(43) 油が流通する場合と液冷媒が流通する場合 で比較すると、加熱用熱交換器(74)の下流側 流体の温度(温度センサの検知温度)の差が 層顕著となる。

 以上のような理由により、油送り管(43)に 油が流れていた状態から液冷媒が流れる状態 に遷移する際には、制御部(80)へ出力される 知温度が大きく減少変化することになる。 のようにして、制御部(80)において、検知温 の減少変化量が規定量よりも大きくなると 油分離器(22)から油送り管(43)へ液冷媒が侵 していると判定される。すると、制御部(80) 、開閉弁(70)を閉鎖状態とする。その結果、 油送り管(43)での液冷媒の流通が開閉弁(70)に って阻止される。

 この状態で運転が継続して行われると、 分離器(22)内の油面高さが徐々に上がってい く。そして、油面高さが上限レベルHを越え と、上記実施形態1と同様、上限フロートス ッチ(72)が作動して、開閉弁(70)が開放状態 なる。その結果、油分離器(22)内の油は、油 り管(43)を通じて圧縮機(32)へ送られ、油面 さが再び低下していく。このため、流出管(4 2)へ油が流入してしまうことが未然に回避さ るので、各室内熱交換器(51aw,51b,51c)へは液 媒だけが供給されることになる。

  -実施形態3の効果-
 上記実施形態3では、油送り通路(43)におい 加熱用熱交換器(74)で加熱した後の流体の温 を検出し、この温度の減少変化量に基づい 油送り管(43)への液冷媒の侵入を検出してい る。そして、油送り管(43)へ液冷媒が侵入し いると判定すると、速やかに開閉弁(70)を閉 状態とするようにしている。従って、本実 形態においても、冷房運転時の室内熱交換 (51a,51b,51c)へ液冷媒を充分に供給することが でき、この室内熱交換器(51a,51b,51c)の冷房能 を確保できることができる。

 また、このように加熱用熱交換器(74)を設 けると、仮に油送り管(43)へ液冷媒が侵入し としても、この液冷媒を加熱用熱交換器(74) 蒸発させることができる。従って、圧縮機( 32)での液圧縮現象を一層確実に防止すること ができる。

 更に、加熱用熱交換器(74)では、冷房運転 時の放熱器(21)から流出した冷媒が冷却され ことになるので、この冷媒を過冷却するこ ができる。従って、室内熱交換器(51a,51b,51c) 冷房能力を更に向上できる。

  〈実施形態3の変形例〉
 上記実施形態3の加熱用熱交換器(74)を以下 ように配置しても良い。

 図6に示す例では、加熱用熱交換器(74)が 油送り管(43)と圧縮機(32)の吐出配管とに跨る ように配置されている。つまり、加熱用熱交 換器(74)では、油送り管(43)を流れる流体と、 縮機(32)の吐出冷媒とが熱交換する。この例 において、その他の構成及び油送り管(43)の 度制御は、上記実施形態3と同様となってい 。

 この例の加熱用熱交換器(74)では、油送り 管(43)を流れる流体が、圧縮機(32)の吐出側の 温冷媒によって加熱されるため、上記実施 態3と比較して流体の加熱量が増す。このた め、油送り管(43)を油が流通している場合と 液冷媒が流通している場合とで、温度セン (73)で検出される温度の差がより顕著となる 従って、この例では、油送り管(43)への液冷 媒の侵入を一層確実に検出することができる 。

 また、図7に示す例の冷媒回路(11)には、 縮機(32)の吐出側に高圧側油分離器(27)が設け られている。高圧側油分離器(27)は、圧縮機(3 2)の吐出冷媒から油を分離するものである。 た、この例の冷媒回路(11)には、一端が高圧 側油分離器(27)の底部に接続し、他端が圧縮 (32)の吸入側に繋がる油戻し管(45)が設けられ ている。油戻し管(45)は、高圧側油分離器(27) 分離した油を圧縮機(32)の吸入側へ戻すため の油戻し通路を構成している。そして、加熱 用熱交換器(74)は、油送り管(43)と油戻し管(45) に跨るように配置されている。つまり、加熱 用熱交換器(74)では、油送り管(43)を流れる流 と、油戻し管(45)を流れる油とが熱交換する 。この例において、その他の構成及び油送り 管(43)の開度制御は、上記実施形態3と同様と っている。

 この例の加熱用熱交換器(74)では、油送り 管(43)を流れる流体が、油戻し管(45)を流れる 温の油によって加熱されるため、上記実施 態3と比較して流体の加熱量が増す。このた め、油送り管(43)を油が流通している場合と 液冷媒が流通している場合とで、温度セン (73)で検出される温度の差がより顕著となる 従って、この例では、油送り管(43)への液冷 媒の侵入を一層確実に検出することができる 。

 また、上記実施形態3の加熱用熱交換器(74 )に代わってヒータ等の他の加熱手段を用い 、油送り管(43)を流れる流体を加熱しても良 。

  《発明の実施形態4》
 実施形態4に係る空気調和装置(10)は、油送 管(43)において、上記各実施形態の開閉弁(70) に代わって冷媒流通制御手段としてのキャピ ラリーチューブ(75)を設けるようにしたもの ある。従って、実施形態4では、開閉弁(70)を 制御するための制御部(80)も設けられていな 。実施形態4のキャピラリーチューブ(75)は、 油送り管(43)を流通する流体に対して所定の 抗を付与する。このため、油分離器(22)内の 量が減少して油送り管(43)内に液冷媒が侵入 しても、油送り管(43)での液冷媒の流通がキ ピラリーチューブ(75)によって制限される。 って、実施形態4では、比較的単純な構造に より、油分離器(22)内の液冷媒が圧縮機(32)の 入側へ送られてしまうのを抑制することが きる。

  《発明の実施形態5》
 実施形態5に係る空気調和装置(10)は、上記 施形態1の各フロートスイッチ(71,72)を省略し ながらも、油分離器(22)内の油を圧縮機(32)へ 宜戻すように開閉弁(70)を制御するものであ る。

 具体的には、図9に示す実施形態5の空気 和装置(10)では、上記実施形態1と同様の冷媒 回路(11)を有し、油分離器(22)の油溜まり(40b) 、圧縮機(32)の吸入側の配管(吸入管(32a))とが 、油送り管(43)を介して互いに接続されてい 。油送り管(43)には、開閉自在な開閉弁(70)が 設けられている。開閉弁(70)は、開放状態に いて油送り管(43)よりも流路面積が小さくな ており、その内部の流路を通過する流体を り込んで抵抗を付与するように構成されて る。つまり、開閉弁(70)は、油送り管(43)を れる流体を減圧する減圧機構を兼ねている

 実施形態5の冷媒回路(11)には、圧縮機(32) 吸入側の冷媒過熱度を検出するための過熱 検出手段(90)が設けられている。具体的に、 過熱度検出手段(90)は、圧縮機(32)の吸入管(32a )を流れる冷媒の温度を検出する吸入冷媒温 センサ(91)と、圧縮機(32)の吸入側(低圧側)の 媒の圧力を検出する低圧圧力センサ(92)とを 有している。即ち、過熱度検出手段(90)では 低圧圧力センサ(92)で検出した低圧の圧力に 当する飽和温度と、上記吸入冷媒温度セン (91)で検出した吸入冷媒温度との差から、圧 縮機(32)の吸入側の冷媒過熱度Tshが導出され 。

 実施形態5の制御部(80)は、開閉弁(70)の開 制御を行う弁制御手段を構成している。こ で、本実施形態では、上記過熱度検出手段( 90)が、開閉弁(70)の開放時における油分離器(2 2)から油送り管(43)への侵入を検出する冷媒検 出手段を構成している。即ち、本実施形態の 制御部(80)では、開閉弁(70)が開放された後に 圧縮機(32)の吸入側の冷媒過熱度Tshに基づい て開閉弁(70)を閉鎖すべきか否かの判定が行 れる。より詳細には、制御部(80)には、所定 間における所定の温度変化量δTstdが設定さ ており、開閉弁(70)の開放時において、所定 時間における冷媒過熱度の変化量δTshがδTstd 越える場合に、開閉弁(70)が閉鎖される。こ の点について、図10を参照しながら詳細に説 する。

 開閉弁(70)が時点tonより開放状態となると 、油分離器(22)内の油が油送り管(43)へ流出す 。ここで、油が開閉弁(70)を通過すると、油 が減圧することで油送り管(43)における開閉 (70)の下流側の流体温度T'が若干低くなる。 れに対し、油分離器(22)内の油が油送り管(43) を通じて吸入管(32a)へ流出しても、過熱度検 手段(90)で検出される冷媒過熱度Tshはほとん ど変化しない。つまり、冷媒回路(11)の冷媒 熱度Tshは、減圧後の油の影響をほとんど受 ずに若干小さくなるだけである。

 一方、油分離器(22)内の油が無くなって液 冷媒が油送り管(43)へ流出すると、液冷媒は 閉弁(70)で減圧されることで、油よりも低温 まで冷やされる。すると、冷媒回路(11)の冷 媒過熱度Tshは、油送り管(43)を通じて吸入管(3 2a)へ流出する液冷媒の影響を受けて急激に低 下する。そして、所定時間における冷媒過熱 度の変化量δTshが、基準となる変化量δTstdを えると、制御部(80)は、液冷媒が油送り管(43 )へ侵入していると判断して、開閉弁(70)を閉 する(時点toff)。その結果、油分離器(22)から の液冷媒が圧縮機(32)へ多量に吸入されるこ が未然に回避され、その後には油分離器(22) に徐々に油が溜まっていくことになる。

 以上のように、本実施形態では、圧縮機( 32)の吸入側の冷媒過熱度の温度変化に基づい て、油分離器(22)から油送り管(43)への液冷媒 侵入を検出しているので、液冷媒の侵入を 層確実に検出でき、且つ冷媒過熱度を把握 るためのセンサ以外に別途センサを設ける 要もない。即ち、本実施形態では、センサ の部品点数を増加することなく、油分離器( 22)から油送り管(43)への液冷媒の侵入を容易 つ確実に検出することができる。

 加えて、本実施形態の制御部(80)には、閉 鎖時間タイマ(81)と、開放時間カウンタ(82)と 油流量推定部(83)とが設けられている。閉鎖 時間タイマ(81)には、開閉弁(70)を閉鎖してか 開放させるまでの時間(閉鎖時間tc)が設定さ れている。即ち、制御部(80)は、予め設定さ た閉鎖時間tcが経過する毎に開閉弁(70)を一 的に開放させるように構成されている。な 、この閉鎖時間tcの初期値としては、圧縮機 (32)の通常運転時における油上がり量等に基 いて予め実験的に求めた時間が設定されて る。

 開放時間カウンタ(82)は、開閉弁(70)が開 されてから閉鎖されるまでの時間を随時計 するように構成されている。つまり、開放 間カウンタ(82)は、図10に示すように、時刻to n時に開閉弁(70)が開放されてから、冷媒過熱 の変化量δTshがδTstdを越えて時刻toff時に開 弁(70)が閉鎖されるまでの間の時間(δto)を適 宜計測して記憶するように構成されている。

 また、上述の油流量推定部(83)は、開閉弁(70 )の開放時において、油分離器(22)から油送り (43)へ排出される理論上の油の流量(排出流 W)を推定/算出するように構成されている。 こで、上記排出流量W[m 3 /s]は、油の体積流量であり、例えば以下の式 により算出される。

 ここで、上記(1)式のCvは、流量係数であり 例えば油の温度Toとの関係式(Cv=f(To))で得る とができる。上記(1)式のAoは、開閉弁(70)の 路断面積[m 2 ]である。上記(1)式のδPは、冷媒回路(11)の中 圧力Pmと低圧圧力Plとの差圧である。ここで 、Pmは、油分離器(22)内に作用する圧力であり 、換言すると冷媒回路(11)の中間圧力[Pa]であ 。従って、冷媒回路(11)で中間圧が作用する ライン(例えば油分離器(22)の流入管(41)等)に 力センサを設けることで、この中間圧力Pmを 検出することができる。また、上記Plは、冷 回路(11)の低圧圧力[Pa]であり、例えば上述 た低圧圧力センサ(92)で検出することができ 。上記(1)式のρは、油の密度[kg/m 3 ]である。

 上記(1)式により、油流量推定部(83)は、冷 媒回路(11)の中間圧力Pmや低圧圧力Plの変化に 応するようにして、開閉弁(70)の開放時にお ける油分離器(22)の排出流量Wを算出するよう 構成されている。なお、上記(1)式を簡略化 て、以下の(2)式を用いて排出流量Wを算出し ても良い。

 更に、上記の(1)(2)式以外の理論式や実験 を用いて排出流量Wを算出しても良いし、他 のパラメータ(例えば油の粘度等)を考慮して 出流量Wを求めるようにしても良い。

 実施形態5の制御部(80)は、上記開放時間カ ンタ(82)で計測した開放時間δto
と、この開放時間δtoの期間中における排出 量Wとに応じて、開閉弁(70)の閉鎖時間tcを補 するように構成されており、これにより、 閉弁(70)の閉鎖時において、油分離器(22)内 溜まり込む油量が、最適な量(即ち、基準と る油貯留量Vmax)に近づくように制御される

 具体的には、制御部(80)には、図9に示す うに、油分離器(22)の上限位置Hと下限位置L の間に貯留される油の体積量(上述の基準の 貯留量Vmax)が設定されている。そして、制 部(80)は、このVmaxを排出流量Wで除すること 、理論開放時間δtoiを算出する。更に、制御 部(80)は、この理論開放時間δtoiと、対応する 期間における開放時間δtoとを比較し、開放 間δtoが理論開放時間δtoiよりも短い場合に 閉鎖時間δtcを長くする補正を行い、開放時 δtoが理論開放時間δtoiよりも長い場合に、 鎖時間δtcを短くする補正を行う。このよう な閉鎖時間tcの補正動作について、図11を参 しながら更に詳細に説明する。

 上述のように、本実施形態の制御部(80)で は、閉鎖時間タイマ(81)を用いて開閉弁(70)の 放動作を制御している。これにより、例え 上記実施形態1のように、上限フロートスイ ッチ(72)を用いることなく、油分離器(22)内の を定期的に排出することができ、装置構造 簡素化を図ることができる。一方、油分離 (22)内に溜まり込む油の流量は、圧縮機(32) 油上がり量等に応じて変化するため、上記 閉鎖時間タイマ(81)によるタイマ制御だけで 、油分離器(22)内に適切な量(即ち、上記Vmax) の油を溜めることができない。従って、油分 離器(22)内に溜まる油量がVmaxに至っていない も拘わらず、開閉弁(70)が開放されてしまい 開閉動作の頻度が多くなる虞が生ずる。また 、油分離器(22)内に溜まる油量がVmaxよりも過 となってしまい、油分離器(22)内の油が流出 管(44)へ流出してしまう虞も生ずる。そこで 本実施形態では、このような不具合を回避 べく、油上がり量の変化に対応するように 鎖時間δtcを補正することで、油分離器(22)内 に溜まる油量をVmaxに近づけるようにしてい 。

 具体的には、まず制御部(80)が、時点toff1 開閉弁(70)を閉鎖状態にすると、油分離器(22 )からの油の排出動作が完了し、油分離器(22) に徐々に油が溜まっていく。このような開 弁(70)の閉鎖状態は、予め設定された閉鎖時 間δtc(δtck)が完了するまで継続される。ここ 、例えば図11(A)に示すように、圧縮機(32)の 上がり量が標準的な油上がり量である場合 は、開閉弁(70)の開放直前(時点ton1)に、油分 離器(22)の油面高さがちょうど上限位置と一 することになる。つまり、この場合には、 鎖時間δtckの経過時に油分離器(22)内にVmaxが まり込むことになる。

 図11(A)に示すような場合には、次に開閉 (70)を時点toff2時に閉鎖してから時点ton2時に 放させるまでの閉鎖時間δtck+1を前回の閉鎖 時間δtckと同じ時間としても、油分離器(22)内 に基準の油貯留量Vmaxの油を溜めることがで るので、次の閉鎖時間δtck+1の補正は行われ い。

 具体的には、時点ton1で開閉弁(70)が開放 れた後には、図10に示すようにして、冷媒過 熱度の変化量δTshが基準変化量δTstdを越える 点(時点toff2)まで開閉弁(70)が閉鎖されず、 の間に要した時間が開放時間δtoとして開放 間カウンタ(82)に計測/記憶される。同時に 油流量推定部(83)は、この間(δtoの期間中)に いて、冷媒回路(11)の差圧δP等に基づいて、 上述の式により上記排出流量Wを算出する。 に、制御部(80)は、基準油貯留量Vmaxを排出流 量Wで除することで、油分離器(22)内にVmaxの油 が溜まっていた場合に、このVmaxの油を全量 出するのに要する開閉弁(70)の開放時間(即ち 、理論開放時間δtoi)を算出する。そして、制 御部(80)は、次に開閉弁(70)が閉鎖された後の 鎖時間δtck+1を以下のような式により補正す る。

 δtck+1=δtck×(δtoi/δto)・・・(3)
 即ち、制御部(80)は、前回の閉鎖時間δtckに して、理論開放時間δtoiを実際の計測した 放時間δtoで除した値を補正係数として乗ず ことで、次の閉鎖時間δtck+1を補正するよう にしている。

 ここで、図11(A)に示すように、当初の閉 時間δtckの経過時において油分離器(22)内にVm axの油が溜まっていたとすると、理論開放時 δtoiと、実際の開放時間δtoとは略一致する 従って、この場合には、補正係数(δtoi/δto)= 1となり、次の閉鎖時間δtck+1が補正されない その結果、次の閉鎖時間δtck+1の期間内につ いても、油上がり量が急激に変化しない限り 、油分離器(22)内に基準の油貯留量Vmaxの油を めることができる。

 次に、例えば図11(B)に示すように、圧縮 (32)の油上がり量が標準的な油上がり量より 少ない場合には、開閉弁(70)の開放直前(時 ton1)に、油分離器(22)の油面高さが上限高さ りも低い位置となる。つまり、この場合に 、閉鎖時間δtcの経過時における油分離器(22) 内の油の貯留量がVmaxよりも不足しているこ になる。

 図11(B)に示すような場合には、次に開閉 (70)を閉鎖した際の閉鎖時間δtck+1を前回の閉 鎖時間δtckと同じ時間にしても、油分離器(22) 内に基準の油貯留量Vmaxの油を溜めることが きない。そこで、制御部(80)は、次の閉鎖時 δtck+1を前回の閉鎖時間δtckよりも長くする うに補正を行う。

 具体的には、時点ton1で開閉弁(70)が開放 れた後には、上記と同様にして、開閉弁(70) 実際の開放時間δtoが計測/記憶される。同 に、油流量推定部(83)は、この間(δtoの期間 )において、冷媒回路(11)の差圧δP等に基づい て、上述の式により上記排出流量Wを算出す 。次に、制御部(80)は、基準油貯留量Vmaxを排 出流量Wで除することで、油分離器(22)内にVmax の油が溜まっていた場合に、このVmaxの油を 量排出するのに要する開閉弁(70)の開放時間( 即ち、理論開放時間δtoi)を算出する。そして 、制御部(80)は、次に開閉弁(70)が閉鎖された の閉鎖時間δtck+1を上記(3)式(δtck+1=δtck×(δto i/δto))により算出する。

 ここで、図11(B)に示すように、当初の閉 時間δtckの経過時において油分離器(22)内の 量がVmaxよりも少ない場合には、実際の開放 間δtoが理論開放時間δtoiより短くなる。従 て、この場合には、補正係数(δtoi/δto)>1 なり、次の閉鎖時間δtck+1が長期化されるよ に補正がなされる。その結果、次の閉鎖時 δtck+1の期間内では、油分離器(22)内に溜ま 込む油量がVmaxに近づくように増大変化する

 次に、例えば図11(C)に示すように、圧縮 (32)の油上がり量が標準的な油上がり量より 多い場合には、開閉弁(70)の開放直前(時点to n1)に、油分離器(22)の油面高さが上限高さよ も高い位置となる。つまり、この場合には 閉鎖時間δtcの経過時における油分離器(22)内 の油の貯留量がVmaxより多くなっている。

 図11(C)に示すような場合には、次に開閉 (70)を閉鎖した際の閉鎖時間δtck+1を前回の閉 鎖時間δtckと同じ時間にすると、油分離器(22) 内の油量が基準の油貯留量Vmaxを越えてしま 。そこで、制御部(80)は、次の閉鎖時間δtck+1 を前回の閉鎖時間δtckよりも短くするように 正を行う。

 具体的には、時点ton1で開閉弁(70)が開放 れた後には、上記と同様にして、開閉弁(70) 実際の開放時間δtoが計測/記憶される。同 に、油流量推定部(83)は、この間(δtoの期間 )において、冷媒回路(11)の差圧δP等に基づい て、上述の式により上記排出流量Wを算出す 。次に、制御部(80)は、基準油貯留量Vmaxを排 出流量Wで除することで、油分離器(22)内にVmax の油が溜まっていた場合に、このVmaxの油を 量排出するのに要する開閉弁(70)の開放時間( 即ち、理論開放時間δtoi)を算出する。そして 、制御部(80)は、次に開閉弁(70)が閉鎖された の閉鎖時間δtck+1を上記(3)式(δtck+1=δtck×(δto i/δto))により算出する。

 ここで、図11(C)に示すように、当初の閉 時間δtckの経過時において油分離器(22)内の 量がVmaxよりも多い場合には、実際の開放時 δtoが理論開放時間δtoiより長くなる。従っ 、この場合には、補正係数(δtoi/δto)<1と り、次の閉鎖時間δtck+1が短期化されるよう 補正がなされる。その結果、次の閉鎖時間 tck+1の期間内では、油分離器(22)内に溜まり む油量がVmaxに近づくように減少変化する。

 以上のように、本実施形態では、閉鎖時 タイマ(81)を用いて開閉弁(70)の開放動作を 御すると同時に、開放時間δtoや排出流量Wに 基づいて、閉鎖時間δtcを適宜補正するよう している。これにより、本実施形態では、 上がり量等が変動したとしても、開閉弁(70) 閉鎖時において油の貯留量を基準となる油 留量Vmaxに近づけることができる。従って、 油の貯留量がVmaxに至っていないに拘わらず 開閉弁(70)が開放されることを防止でき、開 弁(70)の開閉動作が無駄に多くなって開閉弁 (70)の機械的な寿命が短くなってしまうのを 避できる。また、油の貯留量がVmaxを越えて まうことで、油分離器(22)の油分離効率が低 下してしまうことを防止でき、油が流出管(44 )へ流出してしまうことも回避できる。その 果、この空気調和装置(10)の信頼性の向上を ることができる。

 なお、本実施形態では、圧縮機(32)の吸入 過熱度に基づいて、油分離器(22)から油送り (43)への液冷媒の侵入を検出するようにして るが、これに代わって他の実施形態で述べ 他の冷媒検出手段で、これを検出しても良 。この場合にも、図11に示すような閉鎖時 δtcの補正を同様に行うことができる。

 《その他の実施形態》
 上記各実施形態については、以下のような 成としてもよい。

 図12に示すように、複数の圧縮機(32a,32b) 備え、二段圧縮式の冷凍サイクルを行う冷 装置(10)に本発明を適用するようにしても良 。図9の例では、駆動軸(35)の下端側寄りに 段側圧縮機(32a)が設けられ、低段側圧縮機(32 a)の上側に高段側圧縮機(32b)が設けられてい 。また、この空気調和装置(10)では、低圧の 媒が低段側圧縮機(32a)に吸入されて中間圧 で圧縮された後、この冷媒が更に高段側圧 機(32b)で圧縮されて高圧となる。ガスインジ ェクション管(44)の流出端は、低段側圧縮機(3 2a)と吐出側と高段側圧縮機(32b)の間の中間圧 管に接続されている。更に、油送り管(43)は 、油分離器(22)の底部と低段側圧縮機(32a)の吸 入側とを繋いでいる。この例においても、油 送り管(43)の開閉弁(70)を実施形態1と同様にし て制御することで、液冷媒が低段側圧縮機(32 a)の吸入側へ送られてしまうことを回避でき 。なお、このような二段圧縮式冷凍サイク を行う空気調和装置(10)に上記実施形態2~4の 冷媒流通制限手段を適用しても良いのは勿論 のことである。

 また、上記各実施形態では、油送り管(43) の開度を調節するための開度調節機構として 、電磁弁から成る開閉弁(70)を用いている。 かしながら、この開度調節機構として開度 微調節が可能な流量調整弁(膨張弁)を用いる ようにしても良い。この場合には、油分離器 (22)内の油量が減少する、あるいは液面高さ 低くなると、流量調整弁の開度を小さくす 、あるいは全閉とするように制御する。ま 、油分離器(22)内の油量が増大する、あるい 液面高さが高くなると、流量調整弁の開度 大きくする、あるいは全開とするように制 する。

 また、上記各実施形態では、複数の室内 ニット(50a,50b,50c)を備えた、マルチ式の冷凍 装置に本発明を適用しているが、1台の室内 ニットと1台の室外ユニットとから成る、い ゆるペア式の冷凍装置に本発明を適用して 良い。また、冷媒回路(11)に充填される冷媒 として、二酸化炭素以外の他の冷媒を用いる ようにしても良い。

 なお、以上の実施形態は、本質的に好ま い例示であって、本発明、その適用物、あ いはその用途の範囲を制限することを意図 るものではない。

 以上説明したように、本発明は、膨張機 ら流出した冷媒中から油を分離し、この油 圧縮機の吸入側に送るようにした冷凍装置 ついて有用である。