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Patent Searching and Data


Title:
RESIN COMPOSITION, AND METHOD FOR TEMPORARILY FIXING WORKPIECE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/096459
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a resin composition for use in an electrostatic adsorption method adopted in electrostatically adsorbing a workpiece such as a semiconductor wafer or an insulating substrate. The resin composition contains an acrylic compound and an electroconductive material. The resin composition is coated on a surface of the workpiece, and the coating is cured followed by fixation of the workpiece onto a working table by electrostatic adsorption. The workpiece can be fixed by electrostatic adsorption by coating an acrylic resin composition containing an electroconductive material onto a surface of the workpiece and curing the coating. After working of the workpiece, the workpiece can be immersed in a warm water of 90°C or below to remove the cured product of the resin composition.

Inventors:
NAKAJIMA GOSUKE (JP)
GOTO YOSHITSUGU (JP)
OSHIMA KAZUHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/051442
Publication Date:
August 06, 2009
Filing Date:
January 29, 2009
Export Citation:
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Assignee:
DENKI KAGAKU KOGYO KK (JP)
NAKAJIMA GOSUKE (JP)
GOTO YOSHITSUGU (JP)
OSHIMA KAZUHIRO (JP)
International Classes:
C09J4/02; B05D3/12; C09J5/02; C09J9/02; C09J11/04; H01L21/302; H01L21/683; H02N13/00
Foreign References:
JP2004147358A2004-05-20
JP2000208594A2000-07-28
JPH11163110A1999-06-18
JP2006186334A2006-07-13
JP2006124571A2006-05-18
JP2003128959A2003-05-08
JP2007327016A2007-12-20
Attorney, Agent or Firm:
SONODA, Yoshitaka et al. (53rd Floor Shinjuku Mitsui Buidling,1-1, Nishi-Shinjuku 2-chome,Shinjuku-k, Tokyo 53, JP)
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Claims:
 アクリル化合物と導電性物質とを含有し、被加工材の表面に塗布・硬化した後に、被加工材を静電吸着によって加工台に固定するための樹脂組成物。
 樹脂組成物が、アクリル化合物として多官能(メタ)アクリレートおよび単官能(メタ)アクリレートを含み、さらに、光重合開始剤を含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
 多官能(メタ)アクリレートおよび単官能(メタ)アクリレートがいずれも疎水性である、請求項2に記載の樹脂組成物。
 多官能(メタ)アクリレートおよび単官能(メタ)アクリレートとの合計量100質量部に対して、多官能(メタ)アクリレートを5~50質量部、単官能(メタ)アクリレートを50~95質量部、導電性物質を10~500質量部、光重合開始剤を0.1~20質量部含有する、請求項2に記載の樹脂組成物。
 導電性物質が、金属、金属被覆した樹脂、導電性金属酸化物、カーボンブラック、及びグラファイトからなる群から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の樹脂組成物。
 樹脂組成物が重合禁止剤を含有する請求項1に記載の樹脂組成物。
 樹脂組成物が(A)及び(B)に溶解しない粒状物質を含有する請求項1に記載の樹脂組成物。
 被加工材の表面にアクリル化合物と導電性物質とを含有する樹脂組成物を塗布・硬化する工程と、
 静電吸着によって被加工材を加工台に固定する工程と、
を含む、被加工材の固定方法。
 樹脂組成物が、アクリル化合物として多官能(メタ)アクリレートおよび単官能(メタ)アクリレートを含み、さらに、光重合開始剤を含む、請求項8に記載の被加工材の固定方法。
 多官能(メタ)アクリレートおよび単官能(メタ)アクリレートがいずれも疎水性である、請求項9に記載の被加工材の固定方法。
 樹脂組成物が、多官能(メタ)アクリレートおよび単官能(メタ)アクリレートとの合計量100質量部に対して、多官能(メタ)アクリレートを5~50質量部、単官能(メタ)アクリレートを50~95質量部、導電性物質を10~500質量部、光重合開始剤を0.1~20質量部含有する、請求項9に記載の被加工材の固定方法。
 導電性物質が、金属、金属被覆した樹脂、導電性金属酸化物、カーボンブラック、及びグラファイトからなる群から選ばれる1種以上である、請求項8に記載の被加工材の固定方法。
 樹脂組成物が重合禁止剤を含有する請求項8に記載の被加工材の固定方法。
 樹脂組成物が(A)及び(B)に溶解しない粒状物質を含有する請求項8に記載の被加工材の固定方法。
 被加工材の表面にアクリル化合物と導電性物質とを含有する樹脂組成物を塗布・硬化する工程と、
 静電吸着によって被加工材を加工台に固定する工程と、
 被加工材を加工後に90℃以下の温水に浸漬して樹脂組成物の硬化体を被加工材から取り外す工程と、
を含む、被加工材の表面保護方法。
 樹脂組成物が、アクリル化合物として多官能(メタ)アクリレートおよび単官能(メタ)アクリレートを含み、さらに、光重合開始剤を含む、請求項15に記載の被加工材の表面保護方法。
 多官能(メタ)アクリレートおよび単官能(メタ)アクリレートがいずれも疎水性である、請求項16に記載の被加工材の表面保護方法。
 樹脂組成物が、多官能(メタ)アクリレートおよび単官能(メタ)アクリレートとの合計量100質量部に対して、多官能(メタ)アクリレートを5~50質量部、単官能(メタ)アクリレートを50~95質量部、導電性物質を10~500質量部、光重合開始剤を0.1~20質量部含有する、請求項15に記載の被加工材の表面保護方法。
 導電性物質が、金属、金属被覆した樹脂、導電性金属酸化物、カーボンブラック、及びグラファイトからなる群から選ばれる1種以上である、請求項15に記載の被加工材の表面保護方法。
 樹脂組成物が重合禁止剤を含有する請求項15に記載の被加工材の表面保護方法。
 樹脂組成物が(A)及び(B)に溶解しない粒状物質を含有する請求項15に記載の被加工材の表面保護方法。
 被加工材の表面にアクリル化合物と導電性物質とを含有する樹脂組成物を塗布・硬化する工程と、静電吸着によって被加工材を加工台に固定する工程と、被加工材を加工後に90℃以下の温水に浸漬して樹脂組成物の硬化体を被加工材から取り外す工程と、を含む、被加工材の仮固定方法。
 樹脂組成物が、アクリル化合物として多官能(メタ)アクリレートおよび単官能(メタ)アクリレートを含み、さらに、光重合開始剤を含む、請求項22に記載の被加工材の仮固定方法。
 多官能(メタ)アクリレートおよび単官能(メタ)アクリレートがいずれも疎水性である、請求項23に記載の被加工材の仮固定方法。
 樹脂組成物が、多官能(メタ)アクリレートおよび単官能(メタ)アクリレートとの合計量100質量部に対して、多官能(メタ)アクリレートを5~50質量部、単官能(メタ)アクリレートを50~95質量部、導電性物質を10~500質量部、光重合開始剤を0.1~20質量部含有する、請求項23に記載の被加工材の仮固定方法。
 導電性物質が、金属、金属被覆した樹脂、導電性金属酸化物、カーボンブラック、及びグラファイトからなる群から選ばれる1種以上である、請求項22に記載の被加工材の仮固定方法。
 樹脂組成物が重合禁止剤を含有する請求項22に記載の被加工材の仮固定方法。
 樹脂組成物が(A)及び(B)に溶解しない粒状物質を含有する請求項22に記載の被加工材の仮固定方法。
Description:
樹脂組成物および被加工材の仮 定方法

 本発明は、静電吸着によって被加工材を 工台に固定するための樹脂組成物に関する また、本発明は、その樹脂組成物を用いた 加工材の固定方法、被加工材の表面保護方 および被加工材の仮固定方法にも関する。

 一般的に、半導体ウエハ、光学部品等の 型化を行う場合、表面保護シートでウエハ 回路面や光学部品の非加工面を保護すると に、前記表面保護シートを介して基材に仮 定され、回路面とは反対側の裏面が研削さ る、いわゆる裏面研削方法で加工される。

 しかし、現在使用されている感圧接着性 表面保護シートは半導体ウエハの回路の凹 に対する追従性には限界がある。このため ウエハと表面保護層との間への研削液の進 等によるコンタミネーションがしばしば問 となる。また、半導体ウエハをダイシング る際にも、典型的な半導体表面保護シート はバンプに代表される100μm以上の突起に追 することが困難であり、コンタミネーショ やチップ飛びを起こすという問題があった

 従来の表面保護シートは、一般に、ポリ ーフィルム材料上に表面保護層として粘着 層を有するシートであり、粘着剤は回路面 凹凸に追従するように低弾性率を有するよ に設計されている。しかしながら、弾性率 低すぎると、シートをウエハからピール除 する際に大きな応力がウエハに掛かり、ウ ハの破損につながる。

 そこで、シートをピールする前に紫外線 どのエネルギー線を照射することにより粘 剤を硬化し、ウエハ・保護シート間の接着 を低下させるエネルギー線易剥離型保護シ トが開発された。しかしながら、研削の間 粘着剤層が未硬化の状態であり、柔軟すぎ 研削中にウエハが破損するという問題があ 。

 特許文献1は、上記のようなエネルギー線 易剥離型保護シートを回路が形成されたウエ ハに貼り付け、エネルギー線で粘着剤層を硬 化した後に、ウエハの裏面研削を行うウエハ 研削方法を開示している。

 一方、特許文献2には、ホットメルト型の 半導体表面保護シートが開示されている。特 許文献2に記載の60~100℃に加熱することによ 溶融し流動性を示すホットメルト型シート 、回路面の凹凸に追従し、優れた研削性を すことができる。

 また、本発明者も、このような問題を少 くとも一部解決するために、ウエハ、光学 品の回路面の凹凸に対する追従性が十分に る材料であって、かつ研削時の支持体とし 十分な剛性を有する組成物として、(メタ) クリルモノマーとシクロペンタジエン骨格 含有する樹脂とを成分とする樹脂組成物を 発している(特許文献3)。

 一方、半導体の製造工程では、エッチン 、CVD(化学気相蒸着)、PVD(物理気相蒸着)など の工程において、半導体ウエハをエッチング 装置などのステージに固定する手段の一つと して、静電吸着が用いられている。しかし、 静電吸着は原理的に絶縁体からなるワークを ステージに吸着することができない。そのた め、シリコンウエハの次世代代替品として期 待されているSOS(シリコンオンサファイア)やS OI(シリコンオンインシュレーター)などでは 電吸着を用いることができなかった。また FPD(フラットパネルディスプレイ)やDVD(デジ ルビデオディスク)においても、ガラス基板 どの絶縁性基板が用いられるため、静電吸 を用いることができなかった。

 このようなワークを真空中で加工処理す 場合、機械的に保持するクランプ方式が用 られるが、クランプ方式ではワークの温度 御が困難であるとともに、クランプに伴う ンタミネーションも問題となる。

 上記課題を解決するため、ワークの吸着 に導電性膜を設けたり、導電性フィルムを 付したりして、静電吸着したい面を導電性 する方法が提案されている(特許文献4、5)。

 また、静電放電や電磁波障害から電子装 や電子素子を一時的に保護するための導電 被膜用組成物として、導電性成分と結着成 (樹脂)と硬化剤を含む組成物が提案されて る(特許文献6)。

 しかしながら、上記従来技術には下記の点 さらなる改善の余地があった。
 第一に、特許文献1に記載のエネルギー線易 剥離型保護シートでは、粘着剤が流動体では ないため、ウエハ回路面の凹凸に対する追従 性が十分ではなく、また、絶縁性基板が用い られる場合には、静電吸着を用いることがで きない。

 第二に、特許文献2に記載のホットメルト 型の半導体表面保護シートは、温度が融点を 上回る度に溶融する性質があり、また、絶縁 性基板が用いられる場合には、静電吸着を用 いることができない。

 第三に、特許文献3に記載の(メタ)アクリ モノマーとシクロペンタジエン骨格を含有 る樹脂とを成分とする樹脂組成物であって 、絶縁性基板が用いられる場合には、やは 静電吸着を用いることができない。

 第四に、特許文献4に記載のワークの吸着 面に導電性膜を設ける方法では、ワーク表面 を保護できないことに加え、主に蒸着によっ て膜を形成するため、加工処理後にエッチン グ等により膜を除去する必要があった。

 第五に、特許文献5に記載の導電性フィル ムを貼付する方法では、加工中にフィルムに 皺が入ったり剥がれが生じたりする問題があ った。さらに、貼付する面に回路などの凹凸 が存在する場合、上記フィルムでは凹凸に対 する追従性が不十分であった。

 第六に、特許文献6に記載の導電性被膜用組 成物では、被膜を除去する際に有機溶剤を使 用しなければならず、環境負荷の低減という 観点から問題があった。

特開平11-026406号公報

特開2000-038556号公報

特開2007-186587号公報

特開2000-208594号公報

特開2006-186334号公報

特開2002-009485号公報

発明の概要

 本発明は上記事情に鑑みてなされたもの あり、被加工材が絶縁性である場合にも静 吸着を可能にし、さらに被加工材表面の凹 に対する追従性、接着強度、加工処理後の 去性に優れる樹脂組成物を提供することを 的とする。

 本発明によれば、アクリル化合物と導電 物質とを含有し、被加工材の表面に塗布・ 化した後に、該被加工材を静電吸着によっ 加工台に固定するための樹脂組成物が提供 れる。

 この樹脂組成物によれば、被加工材が絶 性である場合にも静電吸着を可能にし、さ に被加工材表面の凹凸に対する追従性、接 強度、加工処理後の除去性に優れる樹脂組 物が得られる。

 また、本発明によれば、被加工材の表面 アクリル化合物と導電性物質とを含有する 脂組成物を塗布・硬化する工程と、静電吸 によって被加工材を加工台に固定する工程 、を含む、被加工材の固定方法が提供され 。

 この方法によれば、被加工材表面の凹凸に する追従性、接着強度、加工処理後の除去 に優れる樹脂組成物を、被加工材の表面に 布・硬化することから、CVDやPVDによって被 工材の表面に導電性膜を形成する方法に比 、省力化、省エネルギー化、作業短縮の面 優れた効果が得られる。
 また、被加工材の表面に導電性フィルムを 付する方法に比べ、アクリル化合物と導電 物質とを含有する樹脂組成物は被加工材の 路面などの表面の凹凸に対する追従性が十 にあるため、傷やコンタミネーションから 面を保護することができる。
 さらに、アクリル化合物と導電性物質とを 有する樹脂組成物の硬化体は、90℃以下の 水に接触することで容易に剥離することが きるため、この固定方法で加工台に固定し 加工した後の被加工材から硬化体を除去す 場合には、エッチングなどによって導電性 を除去する方法に比べ、安全かつ作業性に れるという効果が得られる。

 また、本発明によれば、被加工材の表面 アクリル化合物と導電性物質とを含有する 脂組成物を塗布・硬化する工程と、静電吸 によって被加工材を加工台に固定する工程 、被加工材を加工後に90℃以下の温水に浸 して樹脂組成物の硬化体を被加工材から取 外す工程と、を含む、被加工材の表面保護 法が提供される。

 この方法によれば、被加工材表面の凹凸に する追従性、接着強度、加工処理後の除去 に優れる樹脂組成物を、被加工材の表面に 布・硬化することから、CVDやPVDによって被 工材の表面に導電性膜を形成する方法に比 、省力化、省エネルギー化、作業短縮の面 優れた効果が得られる。
 また、被加工材の表面に導電性フィルムを 付する方法に比べ、アクリル化合物と導電 物質とを含有する樹脂組成物は被加工材の 路面などの表面の凹凸に対する追従性が十 にあるため、傷やコンタミネーションから 面を保護することができる。さらに、アク ル化合物と導電性物質とを含有する樹脂組 物の硬化体は、90℃以下の温水に接触する とで容易に剥離することができるため、加 台に固定して加工した後の被加工材から硬 体を除去する場合には、エッチングなどに って導電性膜を除去する方法に比べ、安全 つ作業性に優れるという効果が得られる。 た、被加工材から上記樹脂組成物の硬化体 除去する際は、温水に接触させることで容 に剥離できるため、有機溶剤を使用する従 の除去方法と比べて環境負荷を大幅に低減 せることができる。

 また、本発明によれば、被加工材の表面 アクリル化合物と導電性物質とを含有する 脂組成物を塗布・硬化する工程と、静電吸 によって被加工材を加工台に固定する工程 、被加工材を加工後に90℃以下の温水に浸 して樹脂組成物の硬化体を被加工材から取 外す工程と、を含む、被加工材の仮固定方 が提供される。

 この方法によれば、被加工材表面の凹凸に する追従性、接着強度、加工処理後の除去 に優れる樹脂組成物を、被加工材の表面に 布・硬化することから、CVDやPVDによって被 工材の表面に導電性膜を形成する方法に比 、省力化、省エネルギー化、作業短縮の面 優れた効果が得られる。
 また、被加工材の表面に導電性フィルムを 付する方法に比べ、アクリル化合物と導電 物質とを含有する樹脂組成物は被加工材の 路面などの表面の凹凸に対する追従性が十 にあるため、傷やコンタミネーションから 面を保護することができる。さらに、アク ル化合物と導電性物質とを含有する樹脂組 物の硬化体は、90℃以下の温水に接触する とで容易に剥離することができるため、加 台に固定して加工した後の被加工材から硬 体を除去する場合には、エッチングなどに って導電性膜を除去する方法に比べ、安全 つ作業性に優れるという効果が得られる。 た、被加工材から上記樹脂組成物の硬化体 除去する際は、温水に接触させることで容 に剥離できるため、有機溶剤を使用する従 の除去方法と比べて環境負荷を大幅に低減 せることができる。

本発明の実施の形態に係る被加工材の 定方法について説明するための工程図であ 。 本発明の実施の形態に係る被加工材の 定方法について説明するための工程図であ 。 本発明の実施の形態に係る被加工材の 定方法について説明するための工程図であ 。

符号の説明

 7   半導体ウエハ
 8   ガラス基板
 9   樹脂組成物
 10  加工台
 11  内部電極
 13  電源
 14  交流電源
 15  被加工材
 DL  ダイシングライン
 100 半導体集積回路

発明を実施するための形態

 以下、本発明の実施の形態について詳細 説明する。

<用語の定義>
 本明細書において、「下限数値~上限数値」 とは、下限数値以上かつ上限数値以下の範囲 内にあることを意味するものである。本明細 書において、「(メタ)アクリレート」とは、 クリレートまたはメタアクリレートのいず かに分類される化合物を意味するものであ 。

<発明の経緯>
 本発明者は、上記課題を解決するために試 錯誤を行い、その結果、アクリル系樹脂組 物に導電性を付与することによって、当該 脂組成物を塗布した基板が絶縁性基板であ ても静電吸着可能であること、さらに、静 吸着における傷などから基板の表面を保護 ることができるとの知見を得て、後述する 発明の実施の形態に至ったものである。

 本発明の実施の形態は、いろいろな材料を 工するに際しての当該被加工材の静電吸着 法と表面保護方法に関し、またそれに好適 樹脂組成物に関する。
 より詳細には、本発明の実施の形態は、半 体ウエハおよび絶縁性基板等を加工するに し、被加工材の表面に樹脂組成物を塗布・ 化させて静電吸着による被加工材の固定を 能とする方法を提示するとともに、加工し い部分を異物付着や傷等から保護すること 目的とする被加工材の表面保護方法を提示 る。
 また、被加工材を加工した後、樹脂組成物 接着部分を温水に浸漬して樹脂組成物の硬 体を取り外すことで、被加工材を回収する 加工材の仮固定方法をも提示するものであ 。

<樹脂組成物>
 本実施形態に係る樹脂組成物は、半導体ウ ハおよび絶縁性基板等の被加工材の表面に 布・硬化した後に静電吸着によってその被 工材を加工台に固定するための樹脂組成物 ある。
 また、本実施形態に係る樹脂組成物は、ア リル化合物と導電性物質とを含有する樹脂 成物である。

 本実施形態に係る樹脂組成物は、アクリ 化合物と導電性物質とを含有するため、半 体ウエハおよび絶縁性基板等の被加工材が 縁性である場合にも、被加工材の加工台へ 静電吸着を可能にし、さらに被加工材表面 凹凸に対する追従性、接着強度、加工処理 の除去性に優れている。

 本実施形態に係る樹脂組成物は、特に限定 ることなく、一般にアクリル化合物として 類される化合物であれば任意の化合物を含 ことができるが、例えば、多官能(メタ)ア リレートおよび単官能(メタ)アクリレートを 含み、さらに、光重合開始剤を含むことが好 ましい。
 このようにアクリル化合物として多官能(メ タ)アクリレートおよび単官能(メタ)アクリレ ートを含み、さらに、光重合開始剤を含む樹 脂組成物は光硬化性を有しており、紫外光ま たは可視光によって硬化される。そのため、 このように光硬化性を有する樹脂組成物を被 加工材15の表面に塗布・硬化することによっ 、CVDやPVDによって被加工材15の表面に導電 膜を形成する方法に比べ、省力化、省エネ ギー化、作業短縮の面で優れた効果が得ら る。

 図1~3は、本発明の実施の形態に係る被加 材の固定方法について説明するための工程 である。この樹脂組成物を用いれば、図1~3 示すように、半導体ウエハ7およびガラス基 板8を積層してなる被加工材15の表面にアクリ ル化合物と導電性物質とを含有する樹脂組成 物9を塗布・硬化し(図1)、静電吸着によって 加工材15を加工台10に固定し(図2)、被加工材1 5を加工後に90℃以下の温水に浸漬して樹脂組 成物の硬化体を被加工材から取り外す(図3)こ とによって、被加工材15を加工装置の加工台1 0上に一時的に固定して加工することができ 。

 この方法によれば、被加工材15表面の凹 に対する追従性、接着強度、加工処理後の 去性に優れる樹脂組成物9を、被加工材15の 面に塗布・硬化することから、CVDやPVDによ て被加工材15の表面に導電性膜を形成する方 法に比べ、省力化、省エネルギー化、作業短 縮の面で優れた効果が得られる。

 また、この方法によれば、被加工材15の 面に導電性フィルムを貼付する方法に比べ アクリル化合物と導電性物質とを含有する 脂組成物9は被加工材15の回路面などの表面 凹凸に対する追従性が十分にあるため、傷 コンタミネーションから表面を保護するこ ができる。

 さらに、この方法によれば、アクリル化 物と導電性物質とを含有する樹脂組成物9の 硬化体は、90℃以下の温水に接触することで 易に剥離することができるため、加工台10 固定して加工した後の被加工材15から硬化体 を除去する場合には、エッチングなどによっ て導電性膜を除去する方法に比べ、安全かつ 作業性に優れるという効果が得られる。また 、樹脂組成物9の硬化体は、温水に接触させ ことで容易に剥離することができるため、 機溶剤を使用する従来の除去方法と比べて 境負荷を大幅に低減させることができる。

<(A)多官能(メタ)アクリレート>
 本実施形態で使用する(A)多官能(メタ)アク レートとしては、分子内に複数の(メタ)アク リロイル基を有する化合物であれば、特に限 定されず、任意の化合物を用いることができ るが、例えば、2個以上の(メタ)アクリロイル 基を有する多官能(メタ)アクリレートオリゴ ー/ポリマー/モノマーを使用することがで る。

 多官能(メタ)アクリレートオリゴマー/ポリ ーとしては、分子内に複数の(メタ)アクリ イル基を有するオリゴマー/ポリマーであれ 、特に限定されず、任意の化合物を用いる とができるが、例えば、1,2-ポリブタジエン 末端ウレタン(メタ)アクリレート(例えば、日 本曹達社製、「TE-2000」、「TEA-1000」)、その 素添加物(例えば、日本曹達社製、「TEAI-1000 )、1,4-ポリブタジエン末端ウレタン(メタ)ア クリレート(例えば、大阪有機化学社製、「BA C-45」)、ポリイソプレン末端(メタ)アクリレ ト、ポリエステル系ウレタン(メタ)アクリレ ート(例えば、日本合成社製、「UV-3000B」)、 リエーテル系ウレタン(メタ)アクリレート、 ポリエステル(メタ)アクリレート、ビスフェ ールA型エポキシ(メタ)アクリレート(例えば 、大阪有機化学社製、「ビスコート#540」、 和高分子社製、「ビスコートVR-77」)などが げられる。
 これらの化合物を含む樹脂組成物にさらに 重合開始剤を配合すると、紫外光または可 光に対して優れた光硬化性を発揮する。

 さらに、2官能(メタ)アクリレートモノマー しては、分子内に2つの(メタ)アクリロイル を有するモノマーであれば、特に限定され 、任意の化合物を用いることができるが、 えば、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アク レート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリ ート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリ ート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレ ト、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アク レート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリ レート、2-エチル-2-ブチル-プロパンジオール (メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコー 変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アク レート、ステアリン酸変性ペンタエリスリ ールジアクリレート、ポリプロピレングリ ールジ(メタ)アクリレート、2,2-ビス(4-(メタ) アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン 2,2-ビス(4-(メタ)アクリロキシプロポキシフ ニル)プロパン、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロキ テトラエトキシフェニル)プロパン等が挙げ られ、3官能(メタ)アクリレートモノマーとし ては、トリメチロールプロパントリ(メタ)ア リレート、トリス[(メタ)アクリロイキシエ ル]イソシアヌレート等が挙げられ、4官能 上の(メタ)アクリレートモノマーとしては、 ジメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレ ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)ア リレート、ペンタエリスリトールエトキシ トラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリ トールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタ リスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等 挙げられる。
 これらの化合物を含む樹脂組成物にさらに 重合開始剤を配合すると、紫外光または可 光に対して優れた光硬化性を発揮する。

 これらの中では、効果が大きい点で、分子 に複数の(メタ)アクリロイル基を有するオ ゴマー/ポリマーと2官能(メタ)アクリレート ノマーを含有することが好ましい。
 分子内に複数の(メタ)アクリロイル基を有 るオリゴマー/ポリマーとしては、1,2-ポリブ タジエン末端ウレタン(メタ)アクリレート、 の水素添加物、及び、ポリエステル系ウレ ン(メタ)アクリレートからなる群のうちの1 又は2種以上が好ましく、1,2-ポリブタジエ 末端ウレタン(メタ)アクリレートがより好ま しい。2官能(メタ)アクリレートモノマーとし ては、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレ ト及び/又は1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)ア クリレートが好ましく、ジシクロペンタニル ジ(メタ)アクリレートがより好ましい。分子 に複数の(メタ)アクリロイル基を有するオ ゴマー/ポリマーと2官能(メタ)アクリレート ノマーの含有割合は質量比で、30~85:70~15が ましく、45~70:55~30がより好ましい。

 本実施形態で使用する(A)多官能(メタ)アク レートは、特に親水性のものを除外する趣 ではないが、疎水性のものがより好ましい 疎水性の場合には、水溶性の場合に発生し ちの、加工時に樹脂組成物の硬化体が膨潤 ることにより位置ずれを起こし加工精度が る現象を抑制できる。
 ここで、疎水性とは、水酸基を有さない(メ タ)アクリレートをいう。親水性であっても その樹脂組成物の硬化体が水によって大き 膨潤もしくは一部溶解することが少なけれ 、使用しても差し支えない。

 (A)多官能(メタ)アクリレートの添加量は、(A )多官能(メタ)アクリレート及び後述する(B)単 官能(メタ)アクリレートの合計質量100質量部 、5~50質量部が好ましく、特に好ましくは30~ 40質量部である。
 (A)多官能(メタ)アクリレートの添加量が、(A )多官能(メタ)アクリレート及び後述する(B)単 官能(メタ)アクリレートの合計質量100質量部 、5質量部以上または30質量部以上であれば 剥離性が低下することおよび樹脂組成物の 化体がフィルム状とならないことを抑制で 、50質量部以下または40質量部以下であれば 、硬化収縮が大きくなり初期の接着性が低下 する恐れを低減できる。

<(B)単官能(メタ)アクリレート>
 (B)成分の単官能(メタ)アクリレートモノマ としては、分子内に1つの(メタ)アクリロイ 基を有する化合物であれば、特に限定され 、任意の化合物を用いることができるが、 えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル( タ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレ ト、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘ シル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メ )アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレ ト、ラウリル(メタ)アクリレート、ステア ル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アク レート、ベンジル(メタ)アクリレート、シ ロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペ ンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペン ニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテ ルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボ ルニル(メタ)アクリレート、メトキシ化シク デカトリエン(メタ)アクリレート、2-ヒドロ キシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキ プロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシ ロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブ チル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフル リル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フ ェノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリ ジル(メタ)アクリレート、カプロラクトン 性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレー ト、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)ア リレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ) クリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ )アクリレート、t-ブチルアミノエチル(メタ) クリレート、エトキシカルボニルメチル(メ タ)アクリレート、フェノールエチレンオキ イド変性(メタ)アクリレート、フェノール( チレンオキサイド2モル変性)(メタ)アクリレ ト、フェノール(エチレンオキサイド4モル 性)(メタ)アクリレート、パラクミルフェノ ルエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレー ト、ノニルフェノールエチレンオキサイド変 性(メタ)アクリレート、ノニルフェノール(エ チレンオキサイド4モル変性)(メタ)アクリレ ト、ノニルフェノール(エチレンオキサイド8 モル変性)(メタ)アクリレート、ノニルフェノ ール(プロピレンオキサイド2.5モル変性)(メタ )アクリレート、2-エチルヘキシルカルビトー ル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド 性フタル酸(メタ)アクリレ-ト、エチレンオ サイド変性コハク酸(メタ)アクリレート、 リフロロエチル(メタ)アクリレート、アクリ ル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸 、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノ(メ )アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエ チル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸 イマー、β-(メタ)アクリロイルオキシエチル ハイドロジェンサクシネート、n-(メタ)アク ロイルオキシアルキルヘキサヒドロフタル ミド等が挙げられる。
 これらの化合物を含む樹脂組成物にさらに 重合開始剤を配合すると、紫外光または可 光に対して優れた光硬化性を発揮する。

 これらの中では、効果が大きい点で、2-(1,2- シクロヘキサンジカルボキシイミド)エチル( タ)アクリレート、フェノールエチレンオキ サイド2モル変性(メタ)アクリレート、ジシク ロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレー 、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボル ル(メタ)アクリレートからなる群のうちの1 又は2種以上が好ましく、フェノールエチレ オキサイド2モル変性(メタ)アクリレート及 /又はジシクロペンテニルオキシエチル(メ )アクリレートと、2-(1,2-シクロヘキサンジカ ルボキシイミド)エチル(メタ)アクリレートと を、含有することがより好ましく、フェノー ルエチレンオキサイド2モル変性(メタ)アクリ レートと、2-(1,2-シクロヘキサンジカルボキ イミド)エチル(メタ)アクリレートとを、含 することが最も好ましい。
 2-(1,2-シクロヘキサンジカルボキシイミド) チル(メタ)アクリレートと、フェノールエチ レンオキサイド2モル変性(メタ)アクリレート 及び/又はジシクロペンテニルオキシエチル( タ)アクリレートとの、含有割合は質量比で 、35~80:65~20が好ましく、45~70:55~30が樹脂組成 の硬化体が良好な剥離性を示すという点で り好ましい。

 (B)単官能(メタ)アクリレートは、特に親 性のものを除外する趣旨ではないが、(A)多 能(メタ)アクリレートの場合と同様に疎水性 のものがより好ましい。疎水性の場合には、 水溶性の場合に発生しがちの、加工時に樹脂 組成物の硬化体が膨潤することにより位置ず れを起こし加工精度が劣る現象を抑制できる 。ここで、疎水性とは、水酸基を有さない( タ)アクリレートをいう。また、親水性であ ても、その樹脂組成物の硬化体が水によっ 膨潤もしくは一部溶解することが少なけれ 、使用しても差し支えない。

 (B)単官能(メタ)アクリレートの添加量は、(A )多官能(メタ)アクリレート及び(B)単官能(メ )アクリレートの合計質量100質量部中、50~95 量部が好ましく、特に好ましくは60~70質量部 である。
 (B)単官能(メタ)アクリレートの添加量が、(A )多官能(メタ)アクリレート及び(B)単官能(メ )アクリレートの合計質量100質量部中、50質 部以上または60質量部以上ならば初期の接着 性が低下する恐れも低減できるし、95質量部 下または70質量部以下ならば、剥離性が低 し難いし、樹脂組成物の硬化体がフィルム で得られやすい。

 また、本実施形態の樹脂組成物には、(A) 官能(メタ)アクリレートおよび(B)単官能(メ )アクリレートの配合組成に加えて、さらに 、(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッド ォスフェート、ジブチル2-(メタ)アクリロイ ルオキシエチルアシッドフォスフェート、ジ オクチル2-(メタ)アクリロイルオキシエチル ォスフェート、ジフェニル2-(メタ)アクリロ ルオキシエチルフォスフェート、(メタ)ア リロイルオキシエチルポリエチレングリコ ルアシッドフォスフェート等のビニル基又 (メタ)アクリロイル基を有するリン酸エステ ルを併用することで、金属面への密着性をさ らに向上させることができる。

<(C)導電性物質>
 本実施形態で使用する(C)導電性物質は、導 性を有する物質であれば、特に限定するこ なく、任意の物質を用いることができるが 例えば、金属粒子、金属被覆した樹脂、導 性金属酸化物、カーボンブラック、グラフ イトが十分な導電性を得るうえで、好まし 。これらの中では、効果が大きい点で銀、 ルミニウム、酸化インジウムすずからなる のうちの1種又は2種以上が好ましい。

 金属粒子としては、導電性・安定性の観 から、金、銀(Ag)、銅、アルミニウム(Al)、 ッケルなどが挙げられる。

 導電性金属酸化物としては、導電性・安 性の観点から、酸化亜鉛、酸化すず、酸化 ンジウム、酸化インジウムすず(ITO)、酸化 ずアンチモン(ATO)などが挙げられる。

 上記導電性物質の形状については特に制 はなく、球状のほかに、板状、棒状、鱗片 など、任意の形状を用いることができる。 た、導電性物質として、ポリアセチレンや リピロール、ポリチオフェンなどの導電性 分子やイオン液体、帯電防止剤などを使用 ることも可能である。これら導電性物質は 独で用いても良いし、2種以上を組み合わせ ても良い。

 導電性物質としては、効果が大きい点で 銀、アルミニウム、酸化インジウムすずか なる群のうちの1種又は2種以上が好ましい

 金属粒子の粒子径としては、粒子の平均粒 径で100nm~300μmが好ましく、1μm~50μmがより好 ましい。
 金属粒子の平均粒子径が、100nm以上であれ ハンドリング性が確保でき、300μm以下であ ば、後述する粒状物質による樹脂層の膜厚 均一性が確保できる。平均粒子径は、レー ー回折式粒度分布測定装置(島津製作所社製 SALD-2200」)により測定した。

 また、(C)導電性物質の添加量は、(A)多官能( メタ)アクリレート及び(B)単官能(メタ)アクリ レートの合計質量100質量部に対して、10~500質 量部が好ましく、特に好ましくは50~250質量部 である。
 この添加量が10質量部以上または50質量部以 上であれば、樹脂組成物の導電性が向上し、 樹脂組成物の硬化体を静電吸着することが可 能となる。一方、この添加量が500質量部以下 または250質量部以下であれば、樹脂組成物の 被加工材表面の凹凸に対する追従性、ハンド リング性、接着強度、光硬化性、加工処理後 の除去性の悪化を抑制することができる。

<(D)光重合開始剤>
 本実施形態で使用する(D)光重合開始剤とし は、可視光線や紫外線の活性光線により増 させて樹脂組成物の光硬化を促進するため 配合するものであり、公知の各種光重合開 剤が使用可能である。
 (D)光重合開始剤としては、具体的には、ベ ゾフェノン及びその誘導体、ベンジル及び の誘導体、アントラキノン及びその誘導体 ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、 ンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロ ルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテ 、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイ 誘導体、ジエトキシアセトフェノン、4-t-ブ チルトリクロロアセトフェノン等のアセトフ ェノン誘導体、2-ジメチルアミノエチルベン エート、p-ジメチルアミノエチルベンゾエ ト、ジフェニルジスルフィド、チオキサン ン及びその誘導体、カンファーキノン、7,7- メチル-2,3-ジオキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン- 1-カルボン酸、7,7-ジメチル-2,3-ジオキソビシ ロ[2.2.1]ヘプタン-1-カルボキシ-2-ブロモエチ ルエステル、7,7-ジメチル-2,3-ジオキソビシク ロ[2.2.1]ヘプタン-1-カルボキシ-2-メチルエス ル、7,7-ジメチル-2,3-ジオキソビシクロ[2.2.1] プタン-1-カルボン酸クロライド等のカンフ ーキノン誘導体、2-メチル-1-[4-(メチルチオ) フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2- ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノ フェニル)-ブタノン-1等のα-アミノアルキル ェノン誘導体、ベンゾイルジフェニルホス ィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイ ジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾ ルジエトキシホスフィンオキサイド、2,4,6- リメチルベンゾイルジメトキシフェニルホ フィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾ ルジエトキシフェニルホスフィンオキサイ 等のアシルホスフィンオキサイド誘導体等 挙げられる。

 (A)多官能(メタ)アクリレート及び(B)単官 (メタ)アクリレートなどのアクリル化合物を 含む樹脂組成物にこれらの光重合開始剤をさ らに配合すると、紫外光または可視光に対し て優れた光硬化性を発揮するためである。な お、これらの光重合開始剤は1種又は2種以上 組み合わせて用いることができる。

 (D)光重合開始剤の添加量は、(A)多官能(メタ )アクリレート及び(B)単官能(メタ)アクリレー トの合計質量100質量部に対して、0.1~20質量部 が好ましく、より好ましくは3~10質量部であ 。
 この添加量が0.1質量部以上であれば、硬化 進の効果が確実に得られるし、3質量部以上 添加することで、光照射量に依存なく硬化可 能となるため、切削加工時に位置ずれ等を起 こさなくなる点や剥離性が向上する点でより 好ましい。一方、この添加量が20質量部以下 たは10質量部以下であれば、充分な硬化速 が達成できる。

<その他の成分>
 本実施形態の樹脂組成物は、その貯蔵安定 向上のため少量の重合禁止剤を使用するこ ができる。重合禁止剤としては、(A)多官能( メタ)アクリレート及び(B)単官能(メタ)アクリ レートなどのアクリル化合物の重合を抑制す る物質であれば、特に限定されず、任意の物 質を用いることができるが、例えば、メチル ハイドロキノン、ハイドロキノン、2,2-メチ ン-ビス(4-メチル-6-ターシャリーブチルフェ ール)、カテコール、ハイドロキノンモノメ チルエーテル、モノターシャリーブチルハイ ドロキノン、2,5-ジターシャリーブチルハイ ロキノン、p-ベンゾキノン、2,5-ジフェニル-p -ベンゾキノン、2,5-ジターシャリーブチル-p- ンゾキノン、ピクリン酸、クエン酸、フェ チアジン、ターシャリーブチルカテコール 2-ブチル-4-ヒドロキシアニソール及び2,6-ジ ーシャリーブチル-p-クレゾール等が挙げら る。なぜなら、(A)多官能(メタ)アクリレー 及び(B)単官能(メタ)アクリレートなどのアク リル化合物を含む樹脂組成物にこれらの重合 禁止剤をさらに配合すると、紫外光または可 視光などが照射されるまでは重合が抑制され 、優れた貯蔵安定性を実現できるためである 。

 これらの重合禁止剤の使用量は、(A)多官能( メタ)アクリレート及び(B)単官能(メタ)アクリ レートの合計質量100質量部に対し、0.001~3質 部が好ましく、0.01~2質量部がより好ましい
 重合禁止剤の使用量が、(A)多官能(メタ)ア リレート及び(B)単官能(メタ)アクリレートの 合計質量100質量部に対し、0.001質量部以上ま は0.01質量部以上であれば貯蔵安定性が充分 であるし、この使用量が3質量部以下または2 量部以下で確実な接着性が得られ、未硬化 なるおそれも低減される。

 本発明においては、(A)及び(B)に溶解しない 状物質を含有していてもよい。これにより 樹脂層が一定の厚みを保持できるため、研 厚み精度が向上する。
 (A)及び(B)に溶解しない粒状物質としては、 質として、一般的に使用される有機粒子、 機粒子いずれでもかまわない。具体的には 有機粒子としては、ポリエチレン粒子、ポ プロピレン粒子、架橋ポリメタクリル酸メ ル粒子、架橋ポリスチレン粒子などが挙げ れ、無機粒子としてはガラス、シリカ、ア ミナ、チタンなどのセラミック粒子が挙げ れる。

 (A)及び(B)に溶解しない粒状物質は、研削厚 精度の向上、つまり樹脂層の膜厚の制御の 点から球状で粒径が一定であることが好ま い。
 具体的に、有機粒子としては、メタクリル メチルモノマー、スチレンモノマーと架橋 モノマーとの公知の乳化重合法により単分 粒子として得られる架橋ポリメタクリル酸 チル粒子、架橋ポリスチレン粒子などが挙 られる。無機粒子としては球状シリカが挙 られる。
 これらの粒子は、粒子の変形が少なく、粒 のバラツキによる樹脂層の膜厚が均一にな ため好ましく、その中でもさらに粒子の沈 等の貯蔵安定性や樹脂組成物の反応性の観 から、架橋ポリメタクリル酸メチル粒子、 橋ポリスチレン粒子がより一層好ましい。

 樹脂組成物の硬化物の膜厚は部材の種類、 状、大きさ等に応じて、当業者が適宜選択 きるが、(A)及び(B)に溶解しない粒状物質の 子径としては、粒子の平均粒子径で1~300μm 好ましく、特に10~200μmがより好ましい。
 樹脂組成物の硬化物の膜厚が1μm以上であれ ば剥離性が確保でき、300μm以下であれば、加 工精度が低下しない。

 また、前記粒子径の分布についてはなる く狭いことが望ましい。ここで、平均粒子 とは、レーザー回折式粒度分布測定装置(例 えば、島津製作所社製「SALD-2200」)により測 できる平均粒子径を意味する。

 (A)及び(B)に溶解しない粒状物質の添加量は (A)及び(B)の合計量100質量部に対して、0.1~20 量部が好ましく、特に0.1~10質量部が好まし 。
 (A)及び(B)に溶解しない粒状物質の添加量が (A)及び(B)の合計量100質量部に対して、0.1質 部以上であれば樹脂層の膜厚がほぼ一定で り、20質量部以下であれば、初期の接着性 低下する恐れもない。

 本実施形態に係る樹脂組成物においては、 記の各種成分にくわえて極性有機溶媒を含 でも良い。
 このような極性有機溶媒としては、一般に 性溶媒として分類される溶媒であれば特に 定されないが、例えば、アルコール、ケト 、エステル等が挙げられる。発明者の検討 果(Data not shown)に拠れば、このうちアルコ ルが好ましく選択される。アルコールとし は、メタノール、エタノール、n-プロパノ ル、イソプロパノール、n-ブタノール、イソ ブタノール、第二ブタノール、第三ブタノー ル、n-アミルアルコール、イソアミルアルコ ル、2-エチルブチルアルコール等が挙げら る。さらに、これらのアルコールの中でも 好ましくは沸点が120℃以下であるメタノー 、エタノール、n-プロパノール、イソプロパ ノール、n-ブタノール、イソブタノール、第 ブタノール、第三ブタノールが好ましく、 の中でもメタノ-ル、エタノール、イソプロ パノール、n-ブタノールが一層好ましい。
 本実施形態に係る樹脂組成物中に極性有機 媒を含むことにより、硬化後の組成物が温 と接触して容易に膨潤したりして接着強度 低下する現象を確実に発現することができ 。

 極性有機溶媒に関しては、その沸点が50 以上200℃以下であることが好ましい。沸点 この範囲内の極性有機溶媒を選択する時に 、硬化後の組成物が温水と接触して接着強 が低下する現象をより一層確実に発現する とができるので好ましい。

 極性有機溶媒の添加量は、(A)多官能(メタ) クリレート及び(B)単官能(メタ)アクリレート の合計質量100質量部に対して、0.5~10質量部が 好ましい。
 極性有機溶媒の添加量が、(A)多官能(メタ) クリレート及び(B)単官能(メタ)アクリレート の合計質量100質量部に対して、0.5質量部以上 であれば剥離性が確保でき、この添加量が10 量部以下であれば、初期の接着性が低下す 恐れも低減され、樹脂組成物の硬化体がフ ルム状に剥離しやすくなる。

 本実施形態で用いるアクリル樹脂組成物 、本実施形態の目的を損なわない範囲で、 般に使用されているアクリルゴム、ウレタ ゴム、アクリロニトリル-ブタジエン-スチ ンゴムなどの各種エラストマーを含んでも く、無機フィラー、溶剤、増量材、補強材 可塑剤、増粘剤、染料、顔料、難燃剤、シ ンカップリング剤及び界面活性剤等の添加 を含んでもよい。

<被加工材の固定方法>
 図1~3は、本発明の実施の形態に係る被加工 の固定方法について説明するための工程図 ある。
 本実施形態の被加工材15の固定方法は、被 工材15の表面にアクリル化合物と導電性物質 とを含有する樹脂組成物9を塗布・硬化する 程(図1)と、静電吸着によってこの被加工材15 を加工台10に固定する工程(図2)と、を含む、 加工材15の固定方法である。

 ここで、上記被加工材15の表面にアクリ 化合物と導電性物質とを含有する樹脂組成 9を塗布・硬化する工程においては、ギャッ コーターやスピンコーター、刷毛、スプレ などで樹脂組成物を塗布した後、紫外線照 装置によって紫外線を照射し、樹脂組成物 硬化するといった、塗布・硬化が行われる

 また、静電吸着によってこの被加工材15 加工台10に固定する工程においては、樹脂組 成物9を塗布・硬化させた被加工材15を加工台 10に設置した後、電源13により内部電極11に電 圧を加え、静電吸着によって被加工材15を加 台10に固定するといった、固定が行われる ここで、図2の交流電源14は、残留した静電 着力の除去のために設けられている。

 また、上記静電吸着によって該被加工材を 工台に固定する工程の後、被加工材を加工 る加工工程をさらに含んでいても良い。
 この加工工程においては、エッチングやCVD PVDといった、加工が行われる。

 該被加工材15の固定方法は、さらに、被 工材15を加工後に90℃以下の温水に浸漬して 脂組成物の硬化体を被加工材から取り外す 程(図3)をさらに含んでいても良い。

 なお、この被加工材15の固定方法は、着 する観点によって、被加工材15の表面保護方 法または被加工材15の一次固定方法とも捉え ことが可能である。いずれにしても、この 法により、半導体ウエハ7やガラス基板8な の絶縁体においても静電吸着が可能となり エッチングなどの加工処理を施すことがで る。

 この方法によれば、被加工材15表面の凹凸 対する追従性、接着強度、加工処理後の除 性に優れる樹脂組成物9を、被加工材15の表 に塗布・硬化することから、CVDやPVDによっ 被加工材15の表面に導電性膜を形成する方法 に比べ、省力化、省エネルギー化、作業短縮 の面で優れた効果が得られる。
 また、この方法によれば、被加工材15の表 に導電性フィルムを貼付する方法に比べ、 クリル化合物と導電性物質とを含有する樹 組成物9は被加工材15の回路面などの表面の 凸に対する追従性が十分にあるため、傷や ンタミネーションから表面を保護すること できる。

 さらに、この方法によれば、アクリル化 物と導電性物質とを含有する樹脂組成物9の 硬化体は、90℃以下の温水に接触することで 易に剥離することができるため、加工台10 固定して加工した後の被加工材15から硬化体 を除去する場合には、エッチングなどによっ て導電性膜を除去する方法に比べ、安全かつ 作業性に優れるという効果が得られる。また 、樹脂組成物9の硬化体は、温水に接触させ ことで容易に剥離することができるため、 機溶剤を使用する従来の除去方法と比べて 境負荷を大幅に低減させることができる。

 本実施形態の被加工材15の固定方法にお て、被加工材15は半導体ウエハ7やガラス基 8に限定されず、任意の材質からなる被加工 を用いることができるが、例えば、石英や ラミックス、プラスチックなどの絶縁体や 導体や導体であってもよい。これらの被加 材であっても、上記の方法によれば同様の 用効果が得られるからである。

 また、上記の方法は、別の観点に着目す ば、被加工材15の表面にアクリル化合物と 電性物質とを含有する樹脂組成物9を塗布・ 化する工程と、静電吸着によって被加工材1 5を加工台10に固定する工程と、被加工材15を 工後に90℃以下の温水に浸漬して樹脂組成 9の硬化体を被加工材15から取り外す工程と を含む、被加工材15の表面保護方法でもある 。すなわち、この被加工材15の表面保護方法 よれば、被加工材15の加工されない表面に 脂組成物9を塗布し硬化させることで、加工 に当該表面が汚れたり、傷ついたりするの 防ぐことができる。

 加えて、上記の方法は、別の観点に着目 れば、被加工材15の表面にアクリル化合物 導電性物質とを含有する樹脂組成物9を塗布 硬化する工程と、静電吸着によって被加工 15を加工台10に固定する工程と、被加工材15 加工後に90℃以下の温水に浸漬して樹脂組 物9の硬化体を被加工材15から取り外す工程 、を含む、被加工材15の仮固定方法でもある 。すなわち、この被加工材15の仮固定方法に れば、樹脂組成物9の硬化体を取り外すとき は、フィルム状になった状態で被加工材15か 回収できるため、作業性に優れるという効 が得られる。尚、樹脂組成物9の硬化体と水 との接触の方法については、被加工材15およ 樹脂組成物9の硬化体の接合体ごと水中に浸 漬する方法が簡便であることから推奨される 。

 なお、上記の実施形態の被加工材15の固 方法を、被加工材15の表面保護方法と捉えよ うと、被加工材15の仮固定方法と捉えようと 本質的には被加工材15の固定方法であるこ には変わりはないため、被加工材15の固定方 法の説明箇所で詳しく記載した作用効果につ いては、当然のことながら被加工材15の表面 護方法にも、被加工材15の仮固定方法にも 同様にあてはまることは言うまでもない。

 以上、図面を参照して本発明の実施形態 ついて述べたが、これらは本発明の例示で り、上記以外の様々な構成を採用すること できる。

 本発明によれば、アクリル化合物と導電性 質とを含有し、被加工材の表面に塗布・硬 した後に、該被加工材を静電吸着によって 工台に固定するための樹脂組成物が提供さ る。
 本発明の一態様では、前記樹脂組成物が、 記アクリル化合物として多官能(メタ)アク レートおよび単官能(メタ)アクリレートを含 み、さらに、光重合開始剤を含むことが好ま しい。
 本発明の一態様では、前記多官能(メタ)ア リレートおよび前記単官能(メタ)アクリレー トがいずれも疎水性であることが好ましい。
 本発明の一態様では、前記多官能(メタ)ア リレートおよび前記単官能(メタ)アクリレー トとの合計量100質量部に対して、前記多官能 (メタ)アクリレートを5~50質量部、前記単官能 (メタ)アクリレートを50~95質量部、前記導電 物質を10~500質量部、前記光重合開始剤を0.1~2 0質量部含有することが好ましい。
 本発明の一態様では、前記導電性物質が、 属、金属被覆した樹脂、導電性金属酸化物 カーボンブラック、及びグラファイトから る群から選ばれる1種以上であることが好ま しい。
 本発明の一態様では、前記樹脂組成物が重 禁止剤を含有することが好ましい。
 本発明の一態様では、前記樹脂組成物が(A) び(B)に溶解しない粒状物質を含有すること 好ましい。

 本発明によれば、被加工材の表面にアクリ 化合物と導電性物質とを含有する樹脂組成 を塗布・硬化する工程と、静電吸着によっ 該被加工材を加工台に固定する工程と、を む、被加工材の固定方法が提供される。
 本発明の一態様では、前記樹脂組成物が、 記アクリル化合物として多官能(メタ)アク レートおよび単官能(メタ)アクリレートを含 み、さらに、光重合開始剤を含むことが好ま しい。
 本発明の一態様では、前記多官能(メタ)ア リレートおよび前記単官能(メタ)アクリレー トがいずれも疎水性であることが好ましい。
 本発明の一態様では、前記樹脂組成物が、 記多官能(メタ)アクリレートおよび前記単 能(メタ)アクリレートとの合計量100質量部に 対して、前記多官能(メタ)アクリレートを5~50 質量部、前記単官能(メタ)アクリレートを50~9 5質量部、前記導電性物質を10~500質量部、前 光重合開始剤を0.1~20質量部含有することが ましい。
 本発明の一態様では、前記導電性物質が、 属、金属被覆した樹脂、導電性金属酸化物 カーボンブラック、及びグラファイトから る群から選ばれる1種以上であることが好ま しい。
 本発明の一態様では、前記樹脂組成物が重 禁止剤を含有することが好ましい。
 本発明の一態様では、前記樹脂組成物が(A) び(B)に溶解しない粒状物質を含有すること 好ましい。

 本発明によれば、被加工材の表面にアクリ 化合物と導電性物質とを含有する樹脂組成 を塗布・硬化する工程と、静電吸着によっ 該被加工材を加工台に固定する工程と、該 加工材を加工後に90℃以下の温水に浸漬し 前記樹脂組成物の硬化体を前記被加工材か 取り外す工程と、を含む、被加工材の表面 護方法が提供される。
 本発明の一態様では、前記樹脂組成物が、 記アクリル化合物として多官能(メタ)アク レートおよび単官能(メタ)アクリレートを含 み、さらに、光重合開始剤を含むことが好ま しい。
 本発明の一態様では、前記多官能(メタ)ア リレートおよび前記単官能(メタ)アクリレー トがいずれも疎水性であることが好ましい。
 本発明の一態様では、前記樹脂組成物が、 記多官能(メタ)アクリレートおよび前記単 能(メタ)アクリレートとの合計量100質量部に 対して、前記多官能(メタ)アクリレートを5~50 質量部、前記単官能(メタ)アクリレートを50~9 5質量部、前記導電性物質を10~500質量部、前 光重合開始剤を0.1~20質量部含有することが ましい。
 本発明の一態様では、前記導電性物質が、 属、金属被覆した樹脂、導電性金属酸化物 カーボンブラック、及びグラファイトから る群から選ばれる1種以上であることが好ま しい。
 本発明の一態様では、前記樹脂組成物が重 禁止剤を含有することが好ましい。
 本発明の一態様では、前記樹脂組成物が(A) び(B)に溶解しない粒状物質を含有すること 好ましい。

 本発明によれば、被加工材の表面にアクリ 化合物と導電性物質とを含有する樹脂組成 を塗布・硬化する工程と、静電吸着によっ 該被加工材を加工台に固定する工程と、該 加工材を加工後に90℃以下の温水に浸漬し 前記樹脂組成物の硬化体を前記被加工材か 取り外す工程と、を含む、被加工材の仮固 方法が提供される。
 本発明の一態様では、前記樹脂組成物が、 記アクリル化合物として多官能(メタ)アク レートおよび単官能(メタ)アクリレートを含 み、さらに、光重合開始剤を含むことが好ま しい。
 本発明の一態様では、前記多官能(メタ)ア リレートおよび前記単官能(メタ)アクリレー トがいずれも疎水性であることが好ましい。
 本発明の一態様では、前記樹脂組成物が、 記多官能(メタ)アクリレートおよび前記単 能(メタ)アクリレートとの合計量100質量部に 対して、前記多官能(メタ)アクリレートを5~50 質量部、前記単官能(メタ)アクリレートを50~9 5質量部、前記導電性物質を10~500質量部、前 光重合開始剤を0.1~20質量部含有することが ましい。
 本発明の一態様では、前記導電性物質が、 属、金属被覆した樹脂、導電性金属酸化物 カーボンブラック、及びグラファイトから る群から選ばれる1種以上であることが好ま しい。
 本発明の一態様では、前記樹脂組成物が重 禁止剤を含有することが好ましい。
 本発明の一態様では、前記樹脂組成物が(A) び(B)に溶解しない粒状物質を含有すること 好ましい。

 以上のように、本発明によれば、被加工 の表面に塗布・硬化するための樹脂組成物 して、アクリル化合物と導電性物質とを含 する樹脂組成物を用いるため、被加工材が 縁性である場合にも静電吸着を可能にし、 らにこの樹脂組成物との被加工材表面の凹 に対する追従性、接着強度、加工処理後の 去性をバランスよく実現できる。

 以下、本発明を実施例によりさらに説明 るが、本発明はこれらに限定されるもので ない。

(実施例1)
 (A)多官能(メタ)アクリレートとして、日本 達社製、「TE-2000」(1,2-ポリブタジエン末端 レタンメタクリレート、以下「TE-2000」と略 。)20質量部、ジシクロペンタニルジアクリ ート(日本化薬社製、「KAYARAD R-684」、以下 R-684」と略す。)15質量部、(B)単官能(メタ)ア クリレートとして、2-(1,2-シクロヘキサンジ ルボキシイミド)エチルアクリレート(東亜合 成社製、「アロニックスM-140」、以下「M-140 と略す。)40質量部、フェノールエチレンオ サイド2モル変性アクリレート(東亜合成社製 、「アロニックスM-101A」、以下「M-101A」と略 す。)25質量部からなる組成物の100質量部に、 (C)導電性物質として、酸化インジウムすず( 状、平均粒子径30nm、以下、「ITO」と略す。) 100質量部と、(D)光重合開始剤として、2-メチ -1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノ ロパン-1-オン(チバ・スペシャルティ・ケミ カルズ社製、「IRGACURE907」、以下「I-907」と す。)6質量部と、重合禁止剤として2,2-メチ ン-ビス(4-メチル-6-ターシャリーブチルフェ ール)(以下、「MDP」と略す。)0.1質量部と、( A)及び(B)に溶解しない粒状物質として架橋ポ メタクリル酸メチル粒子GR-200(平均粒子径50 m、根上工業社製「アートパールGR-200」、以 「GR-200」と略す。)0.6質量部を配合してアク リル樹脂組成物を作製した。

 実施例1で得られたアクリル樹脂組成物を 使用して、以下に示す評価方法にて引張せん 断接着強さの測定、剥離試験、静電吸着の可 否および表面保護性の評価を行った。

(評価方法)
引張せん断接着強さ:
 JIS K 6850に従い測定した。具体的には、被 材として耐熱パイレックス(登録商標)ガラ (25mm×25mm×2.0mm)を用いて、接着部位を直径8mm して、作製したアクリル樹脂組成物にて2枚 の耐熱パイレックス(登録商標)ガラスを貼り わせ、無電極放電ランプを使用したフュー ョン社製硬化装置により、365nmの波長の積 光量2000mJ/cm 2 の条件にて硬化させ、引張せん断接着強さ試 験片を作製した。作製した試験片は、万能試 験機を使用して、温度23℃、湿度50%の環境下 引張速度10mm/minで引張せん断接着強さを測 した。

剥離試験:
 上記耐熱パイレックス(登録商標)ガラスに クリル樹脂組成物を塗布し、無電極放電ラ プを使用したフュージョン社製硬化装置に り、365nmの波長の積算光量2000mJ/cm 2 の条件にてアクリル樹脂組成物を硬化させ、 剥離試験体を作製した。得られた試験体を温 水(80℃)に浸漬し、耐熱パイレックス(登録商 )ガラスから剥離する時間を測定し、また剥 離状態も観察した。

静電吸着の可否:
 樹脂組成物を、厚さ50μmとなるように、100mm 角の青板ガラス上に塗布し、無電極放電ラン プを使用したフュージョン社製硬化装置によ り、波長365nm、積算光量2000mJ/cm 2 の条件にて樹脂組成物を硬化させた。樹脂組 成物の硬化体が電極側になるようにして吸着 台に設置し、静電吸着の可否を評価した。
 基板が動いたり浮いたりすることなく吸着 れている場合を○、基板が吸着されずに動 てしまう場合を×とした。

表面保護性:
 100mm角の青板ガラス上に樹脂組成物を厚さ50 μmとして塗布した。無電極放電ランプを使用 したフュージョン社製硬化装置により、波長 365nm、積算光量2000mJ/cm 2 の条件にて樹脂組成物を硬化させ、保護膜を 作製した。試験は、温度23℃、湿度50%の環境 で行った。
 その後、回転数30000rpm、送り速度20mm/sec、チ ップサイズ10mm角の条件にてダイシングを行 、ダイシング後も保護膜が保持されている 観察した。具体的には、ダイシング後のチ プ100枚のうち、保護膜が剥がれていたチッ の枚数を測定し、評価した。

 上記の各評価結果を表1に示した。

(実施例2~6)
 表1に示す種類の原材料を表1に示す組成で 用したこと以外は実施例1と同様にしてアク ル樹脂組成物を作製した。得られたアクリ 樹脂組成物に関して、実施例1と同様に評価 を行った。それらの結果を表1に示す。

 なお、表1中のQMという略称は、ジシクロペ テニルオキシエチルメタクリレート(ローム &ハース社製、「QM-657」)を意味する。また 、表1中のTEAI-1000という略称は、1,2-ポリブタ エン末端ウレタン(メタ)アクリレートの水 添加物(日本曹達社製「TEAI-1000」)を意味する 。また、表1中の1.6HX-Aという略称は、1,6-ヘキ サンジオールジアクリレート(共栄社化学社 「ライトアクリレート1.6HX-A」)を意味する。
 表1中のBZという略称は、ベンジルメタクリ ート(共栄社化学社製「ライトエステルBZ」) を意味する。また、表1中のIBXという略称は イソボルニルメタクリレート(共栄社化学社 「ライトエステルIB-X」)を意味する。

 Agという略称は、銀(球状、平均粒子径10μ m)を意味する。Alという略称は、アルミニウ (球状、平均粒子径20μm)を意味する。

(比較例1~5)
 表1に示す種類の原材料を表1に示す組成で 用したこと以外は実施例1と同様にして樹脂 成物を作製した。得られた樹脂組成物に関 て、実施例1と同様に評価を行った。それら の結果を表1に示す。

<実験結果の考察>
 表1の結果から分かるように、比較例1は(C) 電性物質の配合量が少なかったため、導電 が付与できず、静電吸着によって被加工材 固定することはできなかった。また、比較 2では、(C)導電性物質の配合量が多すぎたた 、光照射後も内部まで硬化しなかった。

 また、比較例3~5では、導電性物質を配合 なかったため、静電吸着によって被加工材 固定することはできなかった。さらに、比 例3では、(D)光重合開始剤を配合しなかった ため、光照射後も硬化しなかった。また、比 較例4では、(A)多官能(メタ)アクリレートの配 合量が少なかったため、樹脂組成物の硬化体 はフィルム状に剥離せず、ガラス基板の表面 に糊残りが見られた。比較例5では(A)多官能( タ)アクリレートの配合量が多かったため、 硬化収縮によるひずみが大きく、硬化体の表 面にひび割れが見られ、また、剥離もできな かった。

 これに対して、実施例1~6では、アクリル樹 組成物に導電性物質を配合したため、いず の場合でも静電吸着によって被加工材を固 することができた。
 特に、実施例1~4では、いずれも(A)多官能(メ タ)アクリレート及び(B)単官能(メタ)アクリレ ートを光重合開始剤とともにバランスよく配 合しているため、光重合後の樹脂組成物の接 着強さが充分であり、被加工材の加工後にガ ラス基板から樹脂組成物の硬化体の剥離状態 も良好であった。さらに、被加工材の加工後 のガラス基板の表面も良好に保護されていた 。

 以上、本発明を実施例に基づいて説明し 。この実施例はあくまで例示であり、種々 変形例が可能なこと、またそうした変形例 本発明の範囲にあることは当業者に理解さ るところである。

 上記の実験結果から分かるように、本発 は、被加工材の表面に、導電性物質を含有 るアクリル樹脂組成物を塗布し、硬化させ ことで、半導体ウエハやガラスなどの絶縁 においても静電吸着が可能となり、エッチ グなどの加工処理を施すことができるとい 特徴があり、例えばSOS、SOI等のウエハの加 や、FPD、DVD等に適用される絶縁性基板の加 等に適用できるので、産業上非常に有用で る。また、上記の樹脂組成物は回路面など 表面の凹凸に対する追従性が十分にあるた 、平滑な面だけでなく、凹凸のある面に対 ても傷やコンタミネーションから表面を保 することが可能である。

 更に、上記の樹脂組成物の硬化体は、温 に接触することで接着強度を低下させ、フ ルム状の形態で被加工部材から回収するこ ができるので作業性に優れるという特徴が り、産業上非常に有用である。