Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
RESIN COMPOSITION AND MULTILAYER RESIN FILM EMPLOYING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/096507
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed are a resin composition in which the UV laser processability of the resin is improved, and which not only can be employed as an electronic material such as an insulating film of a build-up substrate, but also to fabricate a circuit substrate in which the electrical insulating properties do not degrade, and a multilayer resin film employing the same. This resin composition contains a thermocurable resin (A), a curing agent (B), silica (C ), an ultraviolet light absorbing agent (D) and a solvent (E), wherein the ultraviolet light absorbing agent (D) is contained in an amount of 0.5 to 50 weight parts relative to the total amount of thermocurable resin (A), curing agent (B) and ultraviolet light absorbing agent (D), and the solvent (E) is contained in an amount of 20 to 500 weight parts relative to a total 100 weight parts of thermocurable resin (A) and curing agent (B). The multilayer resin film is fabricated from sheets of the resin composition laminated on a substrate, wherein the sheets of the resin composition on the substrate are dried, and the solvent is contained in an amount of 0.01 to 5 weight parts relative to the total resin composition.

Inventors:
YOKOTA REONA (JP)
SHIBAYAMA KOICHI (JP)
SHIOMI KAZUYOSHI (JP)
KOUYANAGI HIROSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/051540
Publication Date:
August 06, 2009
Filing Date:
January 30, 2009
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
SEKISUI CHEMICAL CO LTD (JP)
YOKOTA REONA (JP)
SHIBAYAMA KOICHI (JP)
SHIOMI KAZUYOSHI (JP)
KOUYANAGI HIROSHI (JP)
International Classes:
C08L101/02; B32B27/18; C08K3/36; C08K5/07; C08K5/315; C08K9/06; C08L63/00; H05K1/03; H05K3/46
Foreign References:
JP2002164661A2002-06-07
JP2003013002A2003-01-15
JP2005097497A2005-04-14
JP2002121360A2002-04-23
JP2001233647A2001-08-28
JPH03208844A1991-09-12
Attorney, Agent or Firm:
KAWABI, Kenji (6th floor 9-7,Higashi-ikebukuro 3-chome,Toshima-ku, Tokyo 13, JP)
Download PDF:
Claims:
 熱硬化性樹脂(A)、硬化剤(B)、シリカ(C)、紫外線吸収剤(D)および溶媒(E)を含有する樹脂組成物であって、
 紫外線吸収剤(D)は、シアノアクリレート化合物(D1)及び/またはベンゾフェノン化合物(D2)で、その含有量が、硬化性樹脂(A)、硬化剤(B)及び紫外線吸収剤(D)の合計に対して、0.5~50重量部であり、また、溶媒(E)の配合量が、熱硬化性樹脂(A)と硬化剤(B)との合計100重量部に対して、20~500重量部であることを特徴とする樹脂組成物。
 紫外線吸収剤(D)の含有量が、硬化性樹脂(A)、硬化剤(B)及び紫外線吸収剤(D)の合計に対して、1.0~30重量部であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
 シアノアクリレート化合物(D1)又はベンゾフェノン化合物(D2)が、200~380nmの波長領域に吸収極大を有することを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物。
 シアノアクリレート化合物(D1)が、炭素数1~10のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、及び/又は2個以上のアリールアクリルオキシ基を有する化合物であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
 シアノアクリレート化合物(D1)が、炭素数2~8のアルキル基、及び2個のアリール基を有する化合物、又は2個以上のアリールアクリルオキシ基を有する化合物であることを特徴とする請求項4に記載の樹脂組成物。
 ベンゾフェノン化合物(D2)が、ベンゾフェノンであるか、水酸基、ヒドロキシアルキル基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アリールアルキルオキシ基、カルボキシ基のいずれかの官能基を有する化合物又はそれらの酸無水物であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
 ベンゾフェノン化合物(D2)が、水酸基、又ヒドロキシアルキル基のいずれかの官能基を有する化合物又はそれらの酸無水物であることを特徴とする請求項6に記載の樹脂組成物。
 熱硬化性樹脂(A)と硬化剤(B)との重量比が、30:70~70:30であることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
 熱硬化性樹脂(A)が、エポキシ樹脂を少なくとも含むことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
 硬化剤(B)が、ジシアンジアミド、フェノール型硬化剤、又は酸無水物から選ばれる1種以上の化合物を少なくとも含むことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
 シリカ(C)の配合量が、熱硬化性樹脂(A)と硬化剤(B)との合計100重量部に対して、10~100重量部であることを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
 シリカ(C)が、シランカップリング剤で表面処理されていることを特徴とする請求項11に記載の樹脂組成物。
 さらに層状珪酸塩を含み、その含有量が熱硬化性樹脂(A)と硬化剤(B)との合計100重量部に対して、0.1~25重量部であることを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
 請求項1~13のいずれか1項に記載の樹脂組成物と基材とが積層されている積層樹脂フィルムであって、
樹脂組成物がシート状に成形され、シート状の樹脂組成物が乾燥されてなり、シート状の樹脂組成物中の溶媒の含有量が樹脂組成物全体に対し、0.01~5重量部であることを特徴とする積層樹脂フィルム。
 回路基板の絶縁材料として用いられ、紫外線レーザー加工による加工性に優れることを特徴とする請求項14に記載の積層樹脂フィルム。
Description:
樹脂組成物、及びそれを用いた 層樹脂フィルム

 本発明は、樹脂組成物、及びそれを用い 積層樹脂フィルムに関し、さらに詳しくは 樹脂の紫外線レーザー加工性を向上でき、 ルドアップ基板の絶縁膜などの電子材料と て用いることができるだけでなく、電気絶 性を損なわない回路基板を形成しうる樹脂 成物、及びそれを用いた積層樹脂フィルム 関する。

 電子機器が高機能化するに従って、電子 品の高密度集積化、さらには高密度実装化 進んでいる。これら電子部品では、多層配 板などの絶縁材料としてエポキシ樹脂やポ イミド樹脂が使用されてきた。近年、電子 器が一層高速化、小型化するに伴い、導体 の良好な密着性、耐薬品性が要求されてい 。その要求に応えるべく、水酸基を有する リシラン化合物とエポキシ化合物を含有す エポキシ樹脂組成物が提案されている(例え ば、特許文献1参照。)。

 また、多層配線板を製造する場合、最近 はレーザーによる穴あけ加工が適用される うになってきた。しかし、エポキシ樹脂組 物はレーザーの波長の吸収帯が少なく加工 多くのショット数を要し、多くのエネルギ を必要とする。特に紫外線レーザーは炭酸 スレーザーに比べて微細な樹脂加工が可能 あるが、炭酸ガスレーザーに比べて樹脂加 を行う際にレーザーのショット数が多くな たり、大量のエネルギーが必要となったり る問題がある。そのため樹脂へのダメージ 大きくなりやすく、絶縁層にクラックが発 したり、内層銅箔ランドのえぐれや、ラン 下のクラックが発生したりする場合がある これらを解決するには、レーザーの条件を 適化する方法があるが許容幅が狭いという 題がある。

 このような中で、熱可塑性樹脂や熱硬化性 脂に紫外線吸収剤を配合してなる樹脂組成 を用い、多層配線基板の絶縁層を形成する とが提供されている(例えば、特許文献2参 。)。これは、例えば、紫外吸収帯が少ない 硬化性樹脂、熱可塑性樹脂に対し、紫外線 収剤を0.1重量%~0.5重量%添加しているので、 の樹脂組成物を硬化後、レーザー加工する 少ないレーザーショット数でクラック発生 無くすことができるとしている。
 しかし、この樹脂組成物から得られる絶縁 を、200~250℃で乾燥・硬化すると、樹脂組成 物中に含まれる紫外線吸収剤が分解・失活し て、その機能を失い、レーザー加工時のビア においてクラック発生またはビアの形状不良 の原因となって絶縁不良を生じてしまう恐れ がある。

特開2000-265064号公報

特開2002-121360号公報

 本発明の目的は、上記従来技術の問題点 鑑み、樹脂の紫外線レーザー加工性を向上 き、ビルドアップ基板の絶縁膜などの電子 料として用いることができるだけでなく、 気絶縁性を損なわない回路基板を形成しう 樹脂組成物、それを用いた積層樹脂フィル を提供することにある。

 本発明者は、上記目的を達成するために 鋭意研究を重ねた結果、エポキシ樹脂など 熱硬化性樹脂に、硬化剤、シリカとともに シアノアクリレート化合物またはベンゾフ ノン化合物を紫外線吸収剤として特定量配 し、特定量の溶媒とともに混練することで 得られた樹脂組成物は、それを硬化した後 紫外線レーザーによる溝の形成の際にレー ー加工性が向上することを見出し、本発明 完成するに至った。

 すなわち、本発明の第1の発明によれば、 熱硬化性樹脂(A)、硬化剤(B)、シリカ(C)、紫外 線吸収剤(D)および溶媒(E)を含有する樹脂組成 物であって、紫外線吸収剤(D)は、シアノアク リレート化合物(D1)及び/またはベンゾフェノ 化合物(D2)で、その含有量が、硬化性樹脂(A) 、硬化剤(B)及び紫外線吸収剤(D)との合計に対 して、0.5重量部~50重量部であり、また、溶媒 (E)の配合量が、熱硬化性樹脂(A)と硬化剤(B)と の合計100重量部に対して、20~500重量部である ことを特徴とする樹脂組成物が提供される。

 また、本発明の第2の発明によれば、第1の 明において、紫外線吸収剤(D)の含有量が、 化性樹脂(A)、硬化剤(B)及び紫外線吸収剤(D) 合計に対して、1.0~30重量部であることを特 とする樹脂組成物が提供される。
 また、本発明の第3の発明によれば、第1又 2の発明において、シアノアクリレート化合 (D1)又はベンゾフェノン化合物(D2)が、200~380n mの波長領域に吸収極大を有することを特徴 する樹脂組成物が提供される。
 また、本発明の第4の発明によれば、第1~3の いずれかの発明において、シアノアクリレー ト化合物(D1)が、炭素数1~10のアルキル基、シ ロアルキル基、アリール基、アリールアル ル基、及び/又は2個以上のアリールアクリ オキシ基を有する化合物であることを特徴 する樹脂組成物が提供される。
 また、本発明の第5の発明によれば、第4の 明において、シアノアクリレート化合物(D1) 、炭素数2~8のアルキル基、及び2個のアリー ル基を有する化合物、又は2個以上のアリー アクリルオキシ基を有する化合物であるこ を特徴とする樹脂組成物が提供される。
 また、本発明の第6の発明によれば、第1~5の いずれかの発明において、ベンゾフェノン化 合物(D2)が、ベンゾフェノンであるか、水酸 、ヒドロキシアルキル基、アルキルオキシ 、アリールオキシ基、アリールアルキルオ シ基、カルボキシ基のいずれかの官能基を する化合物又はそれらの酸無水物であるこ を特徴とする樹脂組成物が提供される。
 また、本発明の第7の発明によれば、第6の 明において、ベンゾフェノン化合物(D2)が、 酸基、又ヒドロキシアルキル基のいずれか 官能基を有する化合物又はそれらの酸無水 であることを特徴とする樹脂組成物が提供 れる。
 また、本発明の第8の発明によれば、第1~7の いずれかの発明において、熱硬化性樹脂(A)と 硬化剤(B)との重量比が、30:70~70:30であること 特徴とする樹脂組成物が提供される。
 また、本発明の第9の発明によれば、第1~8の いずれかの発明において、熱硬化性樹脂(A)が 、エポキシ樹脂であることを特徴とする樹脂 組成物が提供される。
 また、本発明の第10の発明によれば、第1~9 いずれかの発明において、硬化剤(B)が、ジ アンジアミド、フェノール型硬化剤、又は 無水物から選ばれる1種以上の化合物である とを特徴とする樹脂組成物が提供される。
 また、本発明の第11の発明によれば、第1~10 いずれかの発明において、シリカ(C)の配合 が、熱硬化性樹脂(A)と硬化剤(B)との合計100 量部に対して、10~100重量部であることを特 とする樹脂組成物が提供される。
 また、本発明の第12の発明によれば、第11の 発明において、シリカ(C)が、シランカップリ ング剤で表面処理されていることを特徴とす る樹脂組成物が提供される。
 さらに、本発明の第13の発明によれば、第1~ 12のいずれかの発明において、さらに層状珪 塩を含み、その含有量が熱硬化性樹脂(A)と 化剤(B)との合計100重量部に対して、0.1~25重 部であることを特徴とする樹脂組成物が提 される。
 また、本発明の第14の発明によれば、第13の 発明において、層状珪酸塩が、スメクタイト 系粘土鉱物及び/又は膨潤性マイカであるこ を特徴とする樹脂組成物が提供される。

 一方、本発明の第15の発明によれば、第1~14 いずれかの発明に係り、前記樹脂組成物を 材上にシート状に積層してなる積層樹脂フ ルムであって、基材上のシート状の樹脂組 物が乾燥されてなり、溶媒の含有量が樹脂 成物全体に対し、0.01~5重量部であることを 徴とする積層樹脂フィルムが提供される。
 また、本発明の第16の発明によれば、第15の 発明において、回路基板の絶縁材料として用 いられ、紫外線レーザーによる加工性に優れ ることを特徴とする積層樹脂フィルムが提供 される。

 本発明の樹脂組成物は、特定の紫外線吸収 を特定量含有し、特定量の溶媒によって各 分が均一に分散しているので、紫外線波長 傍の光の吸収が多くなり、樹脂のレーザー 工性が向上する。
 また、これら樹脂組成物や樹脂フィルムな をビルドアップ基板の絶縁膜などの電子材 で用いると、電気絶縁性を損なうことがな という効果がある。

 以下に、本発明の樹脂組成物、それを用 た積層樹脂フィルムにつき、詳細に説明す 。

1.樹脂組成物
 本発明の樹脂組成物は、熱硬化性樹脂(A)、 化剤(B)、シリカ(C)、紫外線吸収剤(D)および 媒(E)を含有する樹脂組成物であって、紫外 吸収剤(D)は、シアノアクリレート化合物(D1) 及び/またはベンゾフェノン化合物(D2)であり その含有量が、硬化性樹脂(A)、硬化剤(B)及 紫外線吸収剤(D)との合計に対して、0.5重量 ~50重量部、また、溶媒(E)の配合量が、熱硬 性樹脂(A)と硬化剤(B)との合計100重量部に対 て、20~500重量部であることを特徴とする。

(1)熱硬化性樹脂(A)
 本発明において、熱硬化性樹脂は、特に限 されるものではなく、例えば、エポキシ樹 、フェノキシ樹脂、フェノール系樹脂、尿 樹脂、メラミン樹脂などのアミノ系樹脂、 飽和ポリエステル系樹脂、熱硬化性ウレタ 系樹脂、熱硬化性ポリイミド系樹脂、ベン オキサジン樹脂、アミノアルキド系樹脂等 挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、単 で用いられても良いし、2種類以上が併用さ れても良い。

 これらの中でも、1分子当たり2個以上の ポキシ基(オキシラン環)を有するエポキシ樹 脂が好ましい。

 エポキシ樹脂としては、従来この分野で 用されている公知のものを用いることがで 、例えば、以下に示した芳香族エポキシ樹 、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹 、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グ シジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジル クリル型エポキシ樹脂、ポリエステル型エ キシ樹脂などの各種エポキシ化合物が挙げ れる。これらのエポキシ樹脂は、単独で、 るいは2種以上を併用してもよい。

 まず、芳香族エポキシ系樹脂として、ビ ェニルフェノール型エポキシ樹脂、ビスフ ノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポ シ樹脂が挙げられる。ビスフェノール型エ キシ樹脂としては、例えば、ビスフェノー A型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポ シ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、 ビスフェノールS型エポキシ樹脂等が挙げら る。ノボラック型エポキシ樹脂としては、 ェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレ ールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げら る。また、この他には、トリスフェノール タントリグリシジルエーテル等の芳香族化 物からなるエポキシ樹脂等も挙げられる。

 また、脂環族エポキシ樹脂、例えば、3,4- エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシ クロヘキサンカルボキシレート、3,4-エポキ シ-2-メチルシクロヘキシルメチル-3,4-エポキ -2-メチルシクロヘキサンカルボキシレート ビス(3,4-エポキシシクロヘキシル)アジペー 、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル) ジペート、ビス(3,4-エポキシ-6-メチルシク ヘキシルメチル)アジペート、2-(3,4-エポキシ シクロヘキシル-5,5-スピロ-3,4-エポキシ)シク ヘキサノン-メタ-ジオキサン、ビス(2,3-エポ キシシクロペンチル)エーテル等が挙げられ 。このようなエポキシ樹脂の市販品として 、例えば、ダイセル化学工業社製の商品名 EHPE-3150」(軟化温度71℃)等が挙げられる。

 また、脂肪族エポキシ樹脂、例えば、ネ ペンチルグリコールのジグリシジルエーテ 、1,4-ブタンジオールのジグリシジルエーテ ル、1,6-ヘキサンジオールのジグリシジルエ テル、グリセリンのトリグリシジルエーテ 、トリメチロールプロパンのトリグリシジ エーテル、ポリエチレングリコールのジグ シジルエーテル、ポリプロピレングリコー のジグリシジルエーテル、炭素数が2~9(好ま くは2~4)のアルキレン基を含むポリオキシア ルキレングリコールやポリテトラメチレンエ ーテルグリコール等を含む長鎖ポリオールの ポリグリシジルエーテル等が挙げられる。

 さらに、グリシジルエステル型エポキシ系 脂、例えば、フタル酸ジグリシジルエステ 、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエス ル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエ テル、ジグリシジル-p-オキシ安息香酸、サ チル酸のグリシジルエーテル-グリシジルエ ステル、ダイマー酸グリシジルエステル等が 挙げられる。
 また、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、 えば、トリグリシジルイソシアヌレート、 状アルキレン尿素のN,N´-ジグリシジル誘導 、p-アミノフェノールのN,N,O-トリグリシジ 誘導体、m-アミノフェノールのN,N,O-トリグリ シジル誘導体等が挙げられる。

 また、グリシジルアクリル型エポキシ樹 、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート 、エチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸 エステル等のラジカル重合性モノマーとの共 重合体等が挙げられる。

 さらに、ポリエステル型エポキシ樹脂、例 ば、1分子当たり1個以上、好ましくは2個以 のエポキシ基を有するポリエステル樹脂等 挙げられる。
 このほかに、エポキシ樹脂としては、例え 、エポキシ化ポリブタジエン等の共役ジエ 化合物を主体とする重合体またはその部分 添物の重合体における不飽和炭素の二重結 をエポキシ化した化合物等が挙げられる。

 エポキシ樹脂としては、ビニル芳香族化合 を主体とする重合体ブロックと、共役ジエ 化合物を主体とする重合体ブロック又はそ 部分水添物の重合体ブロックとを同一分子 にもつブロック共重合体において、共役ジ ン化合物が有する不飽和炭素の二重結合部 をエポキシ化した化合物等が挙げられる。 のような化合物としては、例えば、エポキ 化SBS等が挙げられる。
 さらに、エポキシ樹脂としては、これらの ポキシ化合物の誘導体又は水添物を用いて よい。例えば、上記いずれかのエポキシ樹 の構造中にウレタン結合やポリカプロラク ン結合を導入した、ウレタン変性エポキシ 脂やポリカプロラクトン変性エポキシ樹脂 が挙げられる。

 熱硬化性樹脂に常温で液状のエポキシ樹脂 含まれる場合には、回路基板との密着性に れるため好ましい。
 熱硬化性樹脂を100重量部とした場合、常温 液状のエポキシ樹脂が25重量部以上含まれ 場合には、紫外線レーザー加工性が更に向 するので好ましい。
 前記常温で液状のエポキシ樹脂は、ビスフ ノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポ シ樹脂などが挙げられる。

(2)硬化剤(B)
 本発明において、硬化剤は、熱硬化性樹脂 硬化させる機能を有するものであれば特に 定されず、従来公知の硬化剤を用いること できる。エポキシ樹脂用であれば、例えば アミン化合物、アミン化合物から合成され 化合物、イミダゾール化合物、ヒドラジド 合物、メラミン化合物、酸無水物、フェノ ル化合物(フェノール型硬化剤)、エステル 化合物、熱潜在性カチオン重合触媒、光潜 性カチオン重合開始剤、ジシアンジアミド びそれらの誘導体等が挙げられる。
 このうち好ましいものは、ジシアンジアミ 、フェノール型硬化剤、又は酸無水物であ 。これらの硬化剤は、単独で用いてもよく 2種以上を併用してもよい。

 上記アミン化合物としては、例えば、鎖状 肪族アミン化合物、環状脂肪族アミン、芳 族アミン等が挙げられる。鎖状脂肪族アミ 化合物としては、例えば、エチレンジアミ 、ジエチレントリアミン、トリエチレンテ ラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリ キシプロピレンジアミン、ポリオキシプロ レントリアミン等が挙げられる。環状脂肪 アミン化合物としては、例えば、メンセン アミン、イソフォロンジアミン、ビス(4-ア ノ-3-メチルシクロヘキシル)メタン、ジアミ ノジシクロヘキシルメタン、ビス(アミノメ ル)シクロヘキサン、N-アミノエチルピペラ ン、3,9-ビス(3-アミノプロピル)-2,4,8,10-テト オキサスピロ(5,5)ウンデカン等が挙げられる 。
 芳香族アミン化合物としては、m-キシレン アミン、α-(m/p-アミノフェニル)エチルアミ 、m-フェニレンジアミン、ジアミノジフェニ ルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、 α,α-ビス(4-アミノフェニル)-p-ジイソプロピ ベンゼン等が挙げられる。

 上記アミン化合物から合成される化合物と ては、例えば、ポリアミノアミド化合物、 リアミノイミド化合物、ケチミン化合物等 挙げられる。ポリアミノアミド化合物とし は、例えば、上記のアミン化合物とカルボ 酸とから合成される化合物等が挙げられる カルボン酸としては、例えば、コハク酸、 ジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ド カ二酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ジ ドロイソフタル酸、テトラヒドロイソフタ 酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等が挙げら る。ポリアミノイミド化合物としては、例 ば、上記のアミン化合物とマレイミド化合 とから合成される化合物等が挙げられる。 レイミド化合物としては、例えば、ジアミ ジフェニルメタンビスマレイミド等が挙げ れる。ケチミン化合物としては、例えば、 記のアミン化合物とケトン化合物とから合 される化合物等が挙げられる。
 この他に、上記アミン化合物から合成され 化合物としては、例えば、上記のアミン化 物と、エポキシ化合物、尿素化合物、チオ 素化合物、アルデヒド化合物、フェノール 合物、アクリル系化合物等の化合物とから 成される化合物が挙げられる。

 また、3級アミン化合物としては、例えば、 N,N-ジメチルピペラジン、ピリジン、ピコリ 、ベンジルジメチルアミン、2-(ジメチルア ノメチル)フェノール、2,4,6-トリス(ジメチル アミノメチル)フェノール、1,8-ジアザビスシ ロ(5,4,0)ウンデセン-1等が挙げられる。
 上記イミダゾール化合物としては、例えば 2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-メチルイ ミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2- プタデシルイミダゾール、2-フェニルイミダ ゾール等が挙げられる。
 上記ヒドラジド化合物としては、例えば、1 ,3-ビス(ヒドラジノカルボエチル)-5-イソプロ ルヒダントイン、7,11-オクタデカジエン-1,18 -ジカルボヒドラジド、エイコサン二酸ジヒ ラジド、アジピン酸ジヒドラジド等が挙げ れる。
 上記メラミン化合物としては、例えば、2,4- ジアミノ-6-ビニル-1,3,5-トリアジン等が挙げ れる。

 上記酸無水物としては、例えば、フタル 無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリ ト酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボ 酸無水物、エチレングリコールビスアンヒ ロトリメリテート、グリセロールトリスア ヒドロトリメリテート、メチルテトラヒド 無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸 ナジック酸無水物、メチルナジック酸無水 、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸 ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサ ドロ無水フタル酸、5-(2,5-ジオキソテトラヒ ドロフリル)-3-メチル-3-シクロヘキセン-1,2-ジ カルボン酸無水物、トリアルキルテトラヒド ロ無水フタル酸-無水マレイン酸付加物、ド セニル無水コハク酸、ポリアゼライン酸無 物、ポリドデカン二酸無水物、クロレンド 無水物等が挙げられる。

 フェノール化合物としては、例えば、フェ ールノボラック、o-クレゾールノボラック p-クレゾールノボラック、t-ブチルフェノー ノボラック、ジシクロペンタジエンクレゾ ル、これらの誘導体等が挙げられる。フェ ールノボラックの誘導体としては、下記の (1)で示されるアミノトリアジンノボラック( ATN)樹脂や、式(2)で示されるテルペン変性樹 を用いることができる。なお、式(1)中、繰 返し単位数nは、1~10、式(2)中、繰り返し単位 数mは、1~10である。また、クレゾールノボラ クの誘導体としてはクレゾールアミノトリ ジンノボラック(CATN)樹脂がある。これらフ ノール化合物は、単独で用いてもよいし、2 種以上を併用してもよい。
 上記フェノール型硬化剤であれば、耐熱性 低吸水性や、寸法安定性を向上させること できる。このようなことから、フェノール 硬化剤として、ベンゾフェノンテトラカル ン酸二無水物を選択したときには、紫外線 収剤の配合を大幅に削減でき、他の条件を 適化することで、それを配合しないことも 能となる。

 本発明の樹脂組成物においては、硬化速 や硬化物の物性などを調整するために、上 エポキシ樹脂用硬化剤とともに、硬化促進 を併用しても良い。硬化促進剤としては、 に限定されるものではないが、例えば、イ ダゾール系硬化促進剤、3級アミン系硬化促 進剤などが挙げられ、なかでも、硬化速度や 硬化物の物性などの調整をするための反応系 の制御をしやすいことから、イミダゾール系 硬化促進剤が好適に用いられる。これらの硬 化促進剤は、単独で用いても良いし、2種類 上を併用しても良い。

 上記イミダゾールの1位をシアノエチル基 で保護した1-シアノエチル-2-フェニルイミダ ールや、イソシアヌル酸で塩基性を保護し 商品名「2MA-OK」(四国化成工業社製)などが げられる。これらのイミダゾール系硬化促 剤は、単独で用いても良いし、2種類以上を 用しても良い。

 本発明の樹脂組成物において、熱硬化性樹 と硬化剤との重量比は、30~70:70~30である。 硬化性樹脂と硬化剤との好ましい重量比は 40~70:60~30であり、より好ましくは50~70:50~30で る。エポキシ樹脂に対して硬化剤が重量比 30以上では、エポキシ樹脂の硬化不足の恐 が少ない。また、硬化剤が70以下では、過剰 の硬化剤によりエポキシ樹脂硬化物の強度物 性、接着力信頼性が低下する恐れが少ない。
 本発明の樹脂組成物において、熱硬化性樹 と硬化剤との当量比でエポキシ1:硬化剤0.7~1 .5であることが好ましい。

(3)シリカ(C)
 本発明において、シリカは、無機フィラー して配合される。無機フィラーには、シリ のほかに、層状珪酸塩、アルミナ、窒化珪 、ハイドロタルサイト、カオリンなどが挙 られる。
 上記シリカのなかでも、平均粒子径2~15μmの 球状シリカが好適である。2μm以上であると 充填することができ、15μm以下では表面に凹 凸が発生し難く、平滑性が得られる。

 シリカは、特に限定されるものではないが シランカップリング剤(接着性付与剤)で処 されたものが好ましい。シランカップリン 剤としては、エポキシシランカップリング 、アミノシランカップリング剤、ケチミン ランカップリング剤、イミダゾールシラン ップリング剤、カチオン系シランカップリ グ剤等が挙げられる。
 シランカップリング剤を用いると、シリカ の親和性がよくなるため、シランカップリ グ剤で処理をされたシリカは、樹脂の補強 果に優れたものとなる。

 本発明の樹脂組成物において、シリカの 合量は、熱硬化性樹脂と硬化剤との合計を1 00重量部とした場合、10~100重量部とする。特 50~85重量部配合するのが好ましい。10重量部 以上では、シリカによる線膨張低下の効果が 十分得られ、冷熱サイクル性及び高温放置性 といった耐熱性も得られる。一方、100重量部 以下では、樹脂硬化物が積層された回路基板 への接着力や密着性を十分得られる。

さらには、本発明の樹脂組成物において、 シリカの配合量は、熱硬化性樹脂組成物中の 溶剤を除く成分を100重量部とした場合、10~120 重量部とし、好ましくは25~120重量部とする。 特に35~100重量部配合するのが好ましい。25重 部以上であれば、シリカによる線膨張低下 効果を十分に得られ、冷熱サイクル性及び 温放置性といった耐熱性も得られる。一方 120重量部以下では、樹脂硬化物が積層され 回路基板への接着力や密着性を十分に得ら る。

 また、上記無機フィラーとして用いるこ ができる層状珪酸塩は、層間に交換性金属 チオンを有するケイ酸塩鉱物であり、モン リロナイト、膨潤性マイカ及びヘクトライ 等が挙げられる。これら層状珪酸塩は、上 シリカに比べ、少量添加で線膨張係数低下 よる冷熱サイクル性及び高温放置性といっ 耐熱性が向上する。そのため、樹脂硬化物 積層された基板との接着力低下を抑制する とができる。

 層状珪酸塩を用いる場合は、熱硬化性樹脂( A)と硬化剤(B)との合計100重量部に対して、0.1~ 25重量部配合するのが好ましい。層状珪酸塩 より好ましい範囲は、0.5~10重量部である。
 層状珪酸塩が0.1重量部以上では、層状珪酸 による線膨張低下の効果や冷熱サイクル性 び高温放置性といった耐熱性向上の効果が 著となる。一方、25重量部以下であれば、 脂組成物の粘度がフィルム状等の形状への 形性を確保できるようになる。

(4)紫外線吸収剤(D)
 本発明において、紫外線吸収剤は、シアノ クリレート化合物(D1)またはベンゾフェノン 化合物(D2)のいずれかであって、使用する紫 線レーザーの波長に対応する吸収帯を有す ものを適宜選ぶことが出来る。例えば、200~3 80nmの紫外線波長領域に吸収を持ち、特に300~3 20nmの紫外線波長領域に吸収極大を有するも が好ましい。

 シアノアクリレート化合物またはベンゾ ェノン化合物は、300nm付近に吸収極大を有 るために、エポキシ樹脂硬化物の紫外線レ ザーによる加工性を向上することができる シアノアクリレートおよびベンゾフェノン 、溶媒に対する溶解性の良いものが好まし 。ただし、電気絶縁性が悪化する恐れがあ 程度に塩素が含まれるものは除外される。

(4-1)シアノアクリレート化合物(D1)
 本発明において、シアノアクリレート化合 は、炭素数1~10のアルキル基、シクロアルキ ル基、アリール基、アリールアルキル基、及 び/又は2個以上のアリールアクリルオキシ基 有する化合物であり、炭素数2~8のアルキル 、及び2個のアリール基を有する化合物、又 は2個以上のアリールアクリルオキシ基を有 る化合物が好ましい。置換基の数は、たと ば1~5個である。具体的には、エチル-2-シア -3,3-ジフェニルアクリレート、2-エチルヘキ ル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート、 び1,3-ビス-[2’-シアノ-(3’,3-ジフェニルアク リロイル)オキシ]-2,2-ビス-{[2’-シアノ-(3’,3- ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル}プロ パンなどがあげられる。

(4-2)ベンゾフェノン化合物(D2)
 本発明において、ベンゾフェノン化合物と て、ベンゾフェノン、あるいは水酸基、ヒ ロキシアルキル基、アルキルオキシ基、ア ールオキシ基、アリールアルキルオキシ基 カルボキシ基のいずれかの官能基を有する 合物又はそれらの酸無水物が挙げられ、水 基、又ヒドロキシアルキル基のいずれかの 能基を有する化合物又はそれらの酸無水物 好ましい。水酸基など官能基の数は、たと ば1~5個で、2~4個が好ましい。
 具体的には、ベンゾフェノン、2-ヒドロキ -4-メトキシベンゾフェノン、2,2-ジヒドロキ -4,4-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’- テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2″-ジ ドロキシ-4,4″-ジメトキシ-ベンゾフェノン 3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸 二無水物などが挙げられる。

 上記紫外線吸収剤は、1種単独で使用する こともできるし、2種以上を組合せて使用す こともできる。紫外線吸収剤の含有量は、 硬化性樹脂、硬化剤を加えた合計量に対し 、0.5重量部~50重量部であることが好ましい より好ましくは、1.0~30重量部であり、更に ましくは、2.5~10重量部である。含有量が、0. 5重量部未満では加工性への効果が少なく、2. 5重量部を超えると顕著な効果が現れる。一 、50重量部以下では熱可塑性樹脂と硬化剤と による機械物性や電気特性などを著しく低下 させない。

 前記特許文献2には、熱硬化性樹脂にヒド ロキシフェニルベンゾトリアゾールなどの紫 外線吸収剤を配合してなる多層プリント配線 板用層間絶縁樹脂組成物が開示されている。 そして、「紫外線レーザー加工時にエネルギ ー吸収効率を大きくして、照射するレーザー のエネルギーを小さくすることにより加工性 を向上させ、BVH周辺のクラックを減少させる 」ことができる旨記載されている。しかしな がら、このようなヒドロキシフェニルベンゾ トリアゾールを用いても、レーザーで絶縁材 料の表面に溝を掘る技術において、生産性( 工性)を向上することはできない。

(5)溶媒(E)
 本発明の樹脂組成物においては、樹脂やシ カ、紫外線吸収剤 を溶解または分散させるために溶媒が使用さ れる。
 例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、 ルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒;メタ ノール、エタノール、イソプロパノール、ブ タノール、アミノアルコール、2-エチルヘキ ルアルコール、シクロヘキサノール等のア コール系溶媒;ヘキシルエーテル、ジオキサ ン、エチレングリコールモノメチルエーテル 、エチレングリコールモノエチルエーテル、 エチレングリコールモノブチルエーテル、エ チレングリコールジエチルエーテル、ジエチ レングリコールモノブチルエーテル等のエー テル系溶媒;メチルエチルケトン、メチルイ ブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホ ン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチ 、酢酸アミル、酢酸エチレングリコールモ メチルエーテル、酢酸ジエチレングリコー モノエチルエーテル等のエステル系溶媒;ソ ルベッソ#100、ソルベッソ#150(シェル化学(株) 、いずれも商標)等の芳香族石油誘導体など があげられる。
これらの中でも、ヘキサン、トルエン、メチ ルエチルケトンが好ましい。

 溶媒の配合量は、樹脂組成物において熱 化性樹脂と硬化剤との合計を100重量部とし 場合、20~500重量部であり、好ましくは50~300 量部で、より好ましくは100~200重量部である 。配合量が20重量部以上では、樹脂やシリカ 紫外線吸収剤、層状珪酸塩などを充分には 解または分散することができる。一方、500 量部以下では、溶剤を揮発させるためのエ ルギーが少なく、また、溶剤揮発による樹 組成物を硬化させる際の温度ムラが生じに い。

(6)その他添加剤(F)
 本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、 可塑性樹脂を配合しても良い。熱可塑性樹 としては、特に限定されるものではないが 例えば、酢酸ビニル系樹脂、エチレン-酢酸 ビニル系共重合体、アクリル系樹脂、ポリビ ニルブチラール樹脂等のポリビニルアセター ル系樹脂、スチレン系樹脂、飽和ポリエステ ル系樹脂、熱可塑性ウレタン系樹脂、ポリア ミド系樹脂、熱可塑性ポリイミド系樹脂、ケ トン系樹脂、ノルボルネン系樹脂、スチレン -ブタジエン系ブロック共重合体、ポリフェ レンエーテルなどが挙げられる。これらの 可塑性樹脂は、エポキシ樹脂成分などとの 溶性を向上する目的などで変性されていて よく、単独で用いても良いし、2種類以上を 用しても良い。

 また、本発明の樹脂組成物には、必要に じて、チキソ性付与剤、分散剤を含有させ も良い。チキソ性付与剤としては、特に限 されないが、ポリアマイド樹脂、脂肪酸ア イド樹脂、ポリアミド樹脂、フタル酸ジオ チル樹脂などがあげられる。

2.樹脂フィルム
 本発明に係る樹脂フィルムは、前記前記樹 組成物を乾燥し、フィルム状に成形してな 樹脂フィルムであって、溶媒の含有量が樹 組成物全体に対し、0.01~5重量部である。
 柔軟性が必要な場合は、溶媒の含有量が樹 組成物全体に対し、0.1重量部以上、より好 しくは0.5重量部以上含有することが好まし 。
 樹脂フィルムは、単層でも多層でもよいが 多層であることが好ましい(以下、多層絶縁 フィルムともいう)。

(多層絶縁フィルムの製造方法)
 本発明に係る多層絶縁フィルムを製造する 法は、特に限定されないが、例えば、(イ) 硬化性樹脂、硬化剤、紫外線吸収剤、シリ 、溶媒等の原料を、押出機にて混練した後 押出し、Tダイやサーキュラーダイなどを用 てシート状に成形する押出成形法、(ロ)熱 化性樹脂、硬化剤、紫外線吸収剤、シリカ の原料を、有機溶剤等の溶媒に溶解又は分 させた後、キャスティングしてシート状に 形するキャスティング成形法、(ハ)従来公知 のその他のシート成形法等が挙げられる。

 上記多層絶縁フィルムの膜厚は、特に限 はされないが、例えば10~300μm、好ましくは2 5~200μm、より好ましくは50~180μmである。膜厚 10μm以上であれば絶縁性を得ることが出来 。また、300μm以下であれば電極間の回路の 離が必要以上に長くならない。

3.積層樹脂フィルム
 本発明の積層樹脂フィルムは、前記樹脂組 物を基材上にシート状に積層してなる積層 脂フィルムであって、基材上のシート状樹 組成物が乾燥されてなり、溶媒の含有量が 脂組成物全体に対し、0.01~5重量部ぶである とを特徴とする。積層樹脂フィルム中の溶 の含有量が樹脂組成物全体に対し、0.01重量 部以上であれば、回路基板へ積層する際に密 着性や接着性が得られ、また、5重量部以下 あれば加熱硬化後の平坦性が得られる。ま 、本発明の積層樹脂フィルムは、回路基板 絶縁材料として用いられ、紫外線レーザー よる加工性に優れることを特徴とする。

(基材)
 本発明の積層樹脂フィルムを構成する基材 しては、ポリエチレンテレフタレート(PET) ィルム、ポリブチレンテレフタレート(PBT)フ ィルムなどのポリエステルフィルム、ポリプ ロピレン(PP)フィルム、ポリイミドフィルム ポリイミドアミドフィルム、ポリフェニレ サルファイドフィルム、ポリエーテルイミ フィルム、フッ素樹脂フィルムおよび液晶 リマーフィルム、銅箔などが挙げられ、必 に応じて、更に離型処理されたものでもよ 。平均厚さは5~150μm、好ましくは5~125μm、特 好ましくは25~75μmである。

 基材には、更にごみなどの付着を防ぐため 、樹脂側および基材側に保護フィルムが積 されていてもよい。保護フィルムとしては 基材と同じ材質であってもよく、異なる材 であってもよい。
 保護フィルムは、基材に対して比較的容易 剥離できる程度に圧着されていることが好 しい。保護フィルムの基材側に微粘着層が 成され、圧着されてもよい。保護フィルム 樹脂側には、樹脂との離型の際に離型しや いように離型層が形成されてもよい。離型 は離型性を有する樹脂層あるいは、離型剤 塗布されて形成されてもよい。

4.回路基板の形成方法
 本発明においては、上記樹脂組成物を回路 板に塗布あるいはシート状樹脂組成物を回 基板に積層した後、それを半硬化あるいは 化させ、得られた硬化フィルムの表面に、 外線レーザーにより溝を掘り、次に該溝を 填するように、該硬化フィルム表面にメッ を行い、その後、溝以外のメッキを除去す ことで回路基板を形成することができる。 た、回路基板に積層した本発明の樹脂フィ ムを硬化させた後、得られた硬化フィルム 表面に、紫外線レーザーにより溝を掘り、 に該溝を充填するように、該硬化フィルム 面にメッキを行い、その後、溝以外のメッ を除去することで回路基板を形成すること できる。これらの方法では、前記各工程の なくとも一部を繰り返して行うことを含み こうして得られた回路基板は、以下、多層 リント配線板ともいう。

 また、前記溝に充填しない程度にメッキ 行い、必要に応じて回路を形成し、あるい メッキを行わず、当該溝に半導体素子やコ デンサーなどの電子部品を設置し、必要に じて電気配線を行った後に、溝と電子部品 、絶縁性樹脂で充填することで部品内蔵型 板を得ることができる。前記絶縁性樹脂の 填は、本発明の樹脂組成物を塗布して乾燥 たり、本発明の樹脂フィルムをラミネート やプレス機を用いることで行うことができ 。そして、充填した絶縁性樹脂に更に溝を 成して前記各工程を繰り返したり、充填し 絶縁性樹脂に銅箔をラミネートしたり、メ キを形成したりした後に、回路を形成する とができる。

(多層プリント配線板の製造方法)
 次に、本発明に係る多層絶縁フィルムを用 た多層プリント配線板の製造方法について 例を用いて説明する。本発明に係る多層プ ント配線板の製造方法は、(イ)基材と、熱 化性樹脂、硬化剤、紫外線吸収剤、シリカ 溶媒を含む樹脂組成物からなる積層フィル を回路基板上に載置し、温度10~200℃、かつ 圧力0.1~30MPaにて加熱加圧する第1の工程と、( ロ)第1の工程の後、多層絶縁フィルムを温度6 0~200℃で加温処理する第2の工程とを含む。
 第1の工程は、多層絶縁フィルムの第2層を リント基板上に形成された回路面上に設置 、プレス機にて温度10~200℃、かつ、圧力0.1~3 0MPaにて加熱加圧する。第1の工程~第2の工程 同一の装置で行っても、別の装置で行って よい。同一の装置であれば温度の変更に時 がかかり生産性は低くなる傾向があるが、 坦性は良好である。別の装置であれば、温 変更の時間がない代わりに、多くの設備が 要となる。
 本発明に係る多層プリント配線板の製造に いる加熱加圧装置としては、加熱プレス機 ロールラミネーターを挙げることができる 例えばプレス機を用いる場合は、プレス金 と多層積層フィルムの基材との間に表面が 滑な金属板、クッション材、離型フィルム 保護フィルムなど公知の板状物を挿入する とができる。同様にロールラミネーターを いる場合には、クッション材、離型フィル 、保護フィルムなどを用いることができる

(紫外線加工)
 次に、紫外線加工では、硬化した樹脂フィ ムの上から紫外線レーザーを照射する。こ で、紫外線レーザーとは、一般的には、紫 線(波長領域100~400nm)波長のうち、近紫外線( 長380~200nm)波長領域の波長を有するレーザー を指す。
 このような波長を有するレーザーとしては 例えばKrFエキシマレーザー(波長248nm)、YAG-FH Gレーザー(波長266nm)、YAG-THGレーザー(波長366nm )などが挙げられる。
 紫外線レーザーの照射条件は、処理対象の ィルムの厚さなどによって異なるので一概 規定できないが、例えば、出力0.04mJ、ショ ト数は適宜可変である。本発明においては 炭酸ガスレーザーではなく、紫外線レーザ であるために加工性が大きい。そのため、 機物が含まれている樹脂組成物であっても 従来よりも深く、形状が整った溝を形成す ことができる。
 また、必要に応じて他のレーザー、炭酸ガ レーザー(波長1064nm)などによる加工を行っ もよい。

(めっきの前処理)
 積層した多層プリント配線板をセミアディ ィブ法により導体(めっき又はパターン)を 成する際、樹脂表面を膨潤工程、粗化させ 工程、粗化した樹脂表面にメッキ触媒を付 させる工程、更にメッキする工程を行う。 潤処理方法としては、特に限定されず、従 公知の手法が採用される。例えば、ジメチ ホルムアミド、ジメチルスルホシキド、N-メ チル-2-ピロリドン、ピリジン、硫酸、スルホ ン酸などを主成分とする化合物の水溶液や有 機溶媒分散溶液による処理方法等が挙げられ る。この中で、例えば、エチレングリコール を含んだ水溶液などを用いて、処理温度40~85 で1~20分間、多層プリント配線板を浸漬揺動 させる方法が好適である。

(粗化メッキ)
 配線パターンの表面は、電解銅箔の鏡面に 応した表面粗度を有しており、その表面粗 (Rz)は、通常は0.5~2.5μm、多くの場合0.5~1.5μm 範囲内にある。このように非常に平滑な表 を有する配線パターンに金属メッキ層を形 すると、配線パターンの平滑度はさらに高 なる傾向がある。従って、上記のようにし 形成された配線パターンに直接金属メッキ を形成すると、その表面粗度(Rz)は、多くの 場合、1.1μm未満になってしまう。そのため、 多層絶縁フィルムの表面を粗化処理すること が望ましい。
 多層絶縁フィルムの表面を粗化処理する方 は、特に限定されず、従来公知の手法が採 される。例えば、過マンガン酸カリウム、 マンガン酸ナトリウムなどのマンガン化合 、重クロム酸カリウム、無水クロム酸カリ ムなどのクロム化合物、過硫酸ナトリウム 過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなど 過硫酸化合物を主成分とする化学酸化剤の 溶液や有機溶媒分散溶液による処理方法な が挙げられる。この中で、過マンガン酸塩 液、又は水酸化ナトリウム溶液を用いて、 理温度70~85℃で上記多層プリント配線板を 漬揺動させる方法が好適である。粗化した 脂表面にメッキ触媒を付着させる工程や、 にメッキする工程については公知の方法に り行うことができる。
 次いで、過マンガン酸塩などにより処理が 了した多層絶縁フィルムは、25℃の洗浄液 用いて処理した後、純粋でよく洗浄し、乾 させる。

 次に、粗化処理された第1層が最外面となっ た多層絶縁フィルムに銅メッキ処理を行う。 ここで形成する金属メッキとしては、銅メッ キのほか、スズメッキ、ハンダメッキ、鉛フ リーハンダメッキ、ニッケルメッキなどであ ってもよい。多層絶縁フィルムをアルカリク リーナで処理し、表面を脱脂洗浄する。洗浄 後、多層絶縁フィルムをプリディップ液で処 理した後、多層絶縁フィルムをアクチベータ ー液で処理し、パラジウム触媒を付ける。
 次に、還元液で処理し、多層絶縁フィルム 化学銅液に入れ、無電解メッキをメッキ厚 が0.5μm程度になるまで実施する。金属メッ 層は、上記のようにして表面粗化処理した 線パターンの全面に形成される。無電解メ キ後は残留水素ガスを除去するため、アニ ルをかける。次に、無電解メッキ処理され 樹脂シートに、電解メッキする。その後、 水で洗浄し、真空乾燥機で充分に乾燥させ 。最後に、溝以外のメッキを研磨すること 、表面が平滑な回路基板が得られる。

 以下、本発明の実施例、比較例を説明する 、本発明はこれらの実施例に限定されるも ではない。
 なお、樹脂組成物の製造において、以下の 材料を用いた。
・(1)熱硬化性樹脂1:ビフェニルフェノール型 ポキシ (日本化薬(株)製 NC-3000H)
・(2)熱硬化性樹脂2:ビスフェノールA型エポキ シ(エピクロン828US,ジャパンエポキシレジン )
・(3)熱硬化性樹脂3:フェノキシ樹脂(YP-40ASM40 固形分40%、東都化成製)
・(4)硬化剤1:ビフェニルフェノール型硬化剤 (明和化成(株)製 MEH-7851H)
・(5)硬化剤2:ジシアンジアミド ((株)ADEKA製 E H3636-AS)
・(6)硬化剤3:アミノトリアジンノボラック樹  (大日本インキ化学(株)製 フェノライトATN  LA-1356)
・(7)硬化剤4:ベンゾフェノンテトラカルボン 二無水物 (ダイセル化学(株)製 BTDN)
・(8)硬化剤5:テルペン変性フェノールノボラ ク樹脂 (ジャパンエポキシレジン(株)製 MP4 02FPY)
・(9)紫外線吸収剤1:シアノアクリレート化合 1 (BASF製 Uvinul3035)
・(10)紫外線吸収剤2:シアノアクリレート化合 物2 (BASF製 Uvinul3030)
・(11)紫外線吸収剤3:ベンゾフェノン化合物 ( BASF製 Uvinul3050)
・(12)紫外線吸収剤4:ヒドロキシフェニルベン ゾトリアゾール (住友化学製 スミソーブ-200 )
・(13)シリカ: ((株)アドマテックス製 アドマ ファインSO-Cl、粒子径0.25μm、エポキシシラン カップリング処理を施したもの)
・(14)層状珪酸塩: 合成スメクタイト(コープ ミカル製,ルーセンタイトSTN)
・(15)溶媒:メチルエチルルケトン硬化促進剤:
・(16)硬化触媒: イミダゾール化合物 (四国 成(株)製 2MAOK-PW)

 また、回路基板の電気絶縁性は、配線間 離を20μm、線幅20μmの銅パターンを形成し、 6Vの電圧を100時間印加し、絶縁抵抗計で絶縁 Aを測定した。更に、130℃、湿度85%の環境下 で6Vの電圧を100時間印加し、絶縁抵抗計で絶 率Bを測定した。BがAに対して75%以上の値を 持し、かつ、電圧印加後のサンプルを裁断 、断面を顕微鏡観察により電極間にマイグ ーションが発生していない場合は良好(○) マイグレーションが発生していた場合は不 格(×)と評価した。

 積層樹脂フィルムを構成する、シート状の 脂組成物を約1cm角に裁断し、50個の重量(a) 測定した。これを真空乾燥機中でほぼ真空 態で3日間乾燥し、重量(b)を測定した。
 シート状の樹脂組成物中の溶媒の含有量は 以下の式により求めた。
  {(a)-(b)}/(a)×100(%)

(実施例1)
 ビフェニルフェノール型エポキシ樹脂(日本 化薬(株)製 NC-3000H) 32.4重量部と、ビフェニ フェノール樹脂(硬化剤) 32.4重量部と、ジシ アンジアミド 1.62重量部と、イミダゾール化 合物 0.03重量部と、シアノアクリレート化合 物1と、無機フィラーとしてシリカ 30重量部 を配合した。シアノアクリレート化合物1は 、3.5重量部配合した。そして、ホモディスパ ー型攪拌機を用い、溶剤としてのメチルエチ ルケトン130重量部と共に均一に混練し、樹脂 組成物を調製した。
 上記樹脂組成物を厚さが50μmの離型処理が されているPETシート上に、乾燥後に80μm厚と なるように塗工し、70℃オーブンにて1時間乾 燥したシート2枚を40℃熱ラミネーターで貼り 合せ、160μm厚のシート状の積層フィルムを作 製した。
 離型PET上の樹脂組成物の溶媒の含有量は、 記積層フィルムを10cm角に切り取ったサンプ ルを作成し、重量を測定した後、23℃の減圧 燥器内に投入して24時間乾燥を行った。乾 機から取り出したサンプルの重量を測定し 乾燥前と乾燥後の重量差を、乾燥前の重量 除して溶媒の含有量を求めた。
 上記のようにして得られた積層フィルムを いて、回路基板上に載置し、温度100℃、か 、圧力0.4MPaにて加熱加圧し積層した後、多 絶縁フィルムを温度180℃で2時間加温処理し て硬化した。
 次に、紫外線レーザー加工機(日立ビアメカ ニクス製)にて、波長355nm、パルス周波数30kHz 出力0.04mJ、ショット数10で、幅20μm、深さ10. 5μmの溝を形成した。加工深さは、下記比較 1を100%とすると128%であった。
 また、上記と同様にして積層フィルムを作 し、その後エチレングリコールを含んだ水 液などを用いて、処理温度75℃で20分間、回 路基板上の多層絶縁フィルムを浸漬揺動させ 、樹脂表面を前処理した。
 次いで、多層絶縁フィルムの表面を粗化す ために、70℃の過マンガン酸カリウム(コン ントレートコンパクトCP、アトテックジャ ン社製)粗化水溶液に、多層絶縁フィルムを れて5分間揺動させる処理を行った。又、過 マンガン酸塩処理が終了した多層絶縁フィル ムを、25℃の洗浄液(リダクションセキュリガ ントP、アトテックジャパン社製)を用いて2分 間処理した後、純水でよく洗浄し、乾燥させ た。
 次に、粗化処理された第1層が最外面となっ た多層絶縁フィルムに銅メッキ処理を行うた めに、多層絶縁フィルムを60℃のアルカリク ーナ(クリーナーセキュリガント902)で5分間 理し、表面を脱脂洗浄した。
 洗浄後、多層絶縁フィルムを25℃のプリデ ップ液(プリディップネオガントB)で2分間処 した。その後、多層絶縁フィルムを40℃の クチベーター液(アクチベーターネオガント8 34)で5分間処理し、パラジウム触媒を付けた 次に、30℃の還元液(リデューサーネオガン WA)で5分間処理した。次に、多層絶縁フィル を化学銅液(ベーシックプリントガントMSK-DK 、カッパープリントガントMSK、スタビライザ ープリントガントMSK)に入れ、無電解メッキ メッキ厚さが0.5μm程度になるまで実施した
 無電解メッキ後は残留水素ガス除去のため 120℃の温度で30分間アニールをかけた。無 解メッキの工程までのすべての工程におい は、ビーカースケールで処理液を1Lとし、多 層絶縁フィルムを揺動させながら各工程を実 施した。
 次に、無電解メッキ上に感光性ドライフィ ム(日立化成工業社製 フォテックRY-3315)を 度80~100℃、かつ、圧力0.3~0.4MPaにて加熱加圧 接着させ、露光および現像処理を行うこと 、めっきレジストパターンを形成した。
 次に、上記試料の電解メッキをメッキ厚さ 10μmとなるまで実施し、パターン幅20μm、パ ターン間距離20μmの配線パターンを形成した 電気銅メッキとして硫酸銅めっき液を用い 電流は0.6A/cm 2 とした。次いで、メッキレジストを剥離し、 クイックエッチング(荏原電産 SAC)でパター 間の無電解メッキを除去し、配線を形成し 。その後、180℃×1hrのアフターベークを行っ た。その後、純水でよく洗浄し、真空乾燥機 でよく乾燥させ回路基板を作製した。
 最後に、上記回路基板に上記樹脂組成物を 度100℃、かつ、圧力0.4MPaにて加熱加圧し積 した後、多層絶縁フィルムを温度180℃で2時 間加温処理して硬化し、電気絶縁性評価用回 路基板を作製した。この回路基板の電気絶縁 性は、○(良好)であった。結果を下記の表1に 示す。なお、表1中、熱硬化性樹脂、硬化剤 シリカ、紫外線吸収剤の含有量の単位は、 量部である。

(比較例1)
 紫外線吸収剤を配合しなかったこと以外は 実施例1と同様にして樹脂組成物を調製した 。実施例1と同様にして、積層フィルムを調 し、これを回路基板上に積層した後、多層 縁フィルムの硬化体を得た。
 次に、前記紫外線レーザー加工機にて、実 例1と同様にして、溝を形成した。加工深さ は、実施例1と比べて、28%浅かった(他の実施 、比較例を評価するに当たっては、この深 を100%とする。)
 その後、実施例1と同様にして、処理を行い 、表面が平滑な回路基板を得た。この回路基 板の電気絶縁性を評価し、結果を下記の表1 示す。

(実施例2)
 紫外線吸収剤を下記の表1に示すようにシア ノアクリレート化合物2としたこと以外は、 施例1と同様にして樹脂組成物を調製した。 施例1と同様にして、積層フィルムを調製し 、多層絶縁フィルムの硬化体を得た。
 次に、前記紫外線レーザー加工機にて、溝 形成し、その後、実施例1と同様にして、処 理を行い、表面が平滑な回路基板を得た。こ の回路基板の電気絶縁性を評価し、結果を下 記の表1に示す。

(実施例3)
 紫外線吸収剤を下記の表1に示すようにベン ゾフェノン化合物としたこと以外は、実施例 1と同様にして樹脂組成物を調製した。実施 1と同様にして、積層フィルムを調製し、多 絶縁フィルムの硬化体を得た。
 次に、前記紫外線レーザー加工機にて、実 例1と同様にして、溝を形成した。その後、 実施例1と同様にして、処理を行い、表面が 滑な回路基板を得た。この回路基板の電気 縁性を測定し、結果を下記の表1に示す。

(実施例4~6、実施例12)
 紫外線吸収剤の配合量を、下記の表1に示す ように変更し、その他は実施例1と同様にし 樹脂組成物を調製した。実施例1と同様にし 、積層フィルムを調製し、多層絶縁フィル の硬化体を得た。
 次に、前記紫外線レーザー加工機にて、実 例1と同様にして、溝を形成した。溝の加工 深さは、表1に示すとおりであった。その後 実施例1と同様にして処理を行い、表面が平 な回路基板を得た。この回路基板の電気絶 性を評価し、結果を下記の表1に示す。

(比較例3)
 紫外線吸収剤をヒドロキシフェニルベンゾ リアゾールとしたこと以外は、実施例4と同 様にして樹脂組成物を調製した。実施例1と 様にして、積層フィルムを調製し、多層絶 フィルムの硬化体を得た。
 次に、前記紫外線レーザー加工機にて、実 例1と同様にして、溝を形成した。その後、 実施例1と同様にして、処理を行い、表面が 滑な回路基板を得た。この回路基板の電気 縁性を評価し、結果を下記の表1に示す。

(実施例7)
 ビフェニルフェノール樹脂の代わりに、ア ノトリアジンノボラック樹脂を用い、各成 を次のようにしたこと以外は、実施例1と同 様にして樹脂組成物を調製した。
 ビフェニルフェノール型エポキシ樹脂 41.5 量部、アミノトリアジンノボラック樹脂 21 .9重量部、ジシアンジアミド 3.15重量部、イ ダゾール化合物 0.03重量部、シリカ 30重量 部、シアノアクリレート化合物1が3.5重量部
 この樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に して、積層フィルムを調製し、多層絶縁フィ ルムの硬化体を得た。
 次に、前記紫外線レーザー加工機にて、実 例1と同様にして、溝を形成した。その後、 実施例1と同様にして、処理を行い、表面が 滑な回路基板を得た。この回路基板の電気 縁性を評価し、結果を下記の表2に示す。な 、表2中、熱硬化性樹脂、硬化剤、シリカ、 紫外線吸収剤の含有量の単位は、重量部であ る。

(比較例4)
 紫外線吸収剤を配合しなかったこと以外は 実施例7と同様にして樹脂組成物を調製した 。実施例7と同様にして、積層フィルムを調 し、多層絶縁フィルムの硬化体を得た。
 次に、前記紫外線レーザー加工機にて、実 例1と同様にして、溝を形成した。その後、 実施例1と同様にして、処理を行い、表面が 滑な回路基板を得た。この回路基板の電気 縁性を評価し、結果を下記の表2に示す。

(実施例8、9)
 ビフェニルフェノール樹脂の代わりに、ベ ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物又は ルペン変性フェノールノボラック樹脂を用 、各成分を次のようにしたこと以外は、実 例1と同様にして樹脂組成物を調製した。
 すなわち、実施例8では、ビフェニルフェノ ール型エポキシ樹脂 43.0重量部、ベンゾフェ ノンテトラカルボン酸二無水物 20.1重量部、 ジシアンジアミド 3.28重量部、イミダゾール 化合物 0.03重量部、シリカ 30重量部、シア アクリレート化合物1が3.5重量部とし、また 実施例9では、ビフェニルフェノール型エポ キシ樹脂 43.0重量部、テルペン変性フェノー ルノボラック樹脂 25.3重量部、ジシアンジア ミド 3.28重量部、イミダゾール化合物 0.03重 量部、シリカ 30重量部、シアノアクリレー 化合物1 3.5重量部とした。
 これらの樹脂組成物を用いて、実施例1と同 様にして、積層フィルムを調製し、多層絶縁 フィルムの硬化体を得た。
 次に、前記紫外線レーザー加工機にて、出 0.04mJ、ショット数10で溝を形成した。溝の 工深さは、表2に示すとおりであった。
 その後、実施例1と同様にして、処理を行い 、表面が平滑な回路基板を得た。この回路基 板の電気絶縁性を評価し、結果を下記の表2 示す。

(参考例1、比較例6)
 紫外線吸収剤を配合しなかったこと以外は 実施例8,9と同様にして樹脂組成物を調製し 。実施例1と同様にして、積層フィルムを調 製し、多層絶縁フィルムの硬化体を得た。
 次に、前記紫外線レーザー加工機にて、実 例1と同様にして、溝を形成した。溝の加工 深さは、表2に示すとおりとなった。
 その後、実施例1と同様にして、処理を行い 、表面が平滑な回路基板を得た。この回路基 板の電気絶縁性を評価し、結果を下記の表2 示す。

(実施例10)
 ビフェニルフェノール型エポキシ樹脂(NC-300 0H)の代わりに、前記ビスフェノールA型エポ シ樹脂を用い、各成分を次のようにしたこ 以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を 製した。
 ビスフェノールA型エポキシ樹脂 27.5重量部 、ビフェニルフェノール硬化剤 37.3重量部、 ジシアンジアミド 1.62重量部と、イミダゾー ル化合物 0.03重量部と、シアノアクリレート 化合物1と、無機フィラーとしてシリカ 30重 部とを配合した。シアノアクリレート化合 1は、ビフェニルフェノール型エポキシ樹脂 とビフェニルフェノール樹脂(硬化剤)に対し 、3.5重量部配合した。そして、ホモディス ー型攪拌機を用い、溶剤としてのメチルエ ルケトン130重量部と共に均一に混練し、樹 組成物を調製した。
 この樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に して、積層フィルムを調製し、多層絶縁フィ ルムの硬化体を得た。
 次に、前記紫外線レーザー加工機にて、実 例1と同様にして、溝を形成した。その後、 実施例1と同様にして、処理を行い、表面が 滑な回路基板を得た。この回路基板の電気 縁性を評価したところ、結果は良好(○)であ った。結果を下記の表1に示す。

(実施例11)
 層状珪酸塩(合成スメクタイト)を添加し、 成分を次のようにしたこと以外は、実施例1 同様にして樹脂組成物を調製した。
 ビフェニルフェノール型エポキシ樹脂(NC-300 0H) 32.1重量部、ビフェニルフェノール硬化剤  32.1重量部、ジシアンジアミド 1.60重量部と 、イミダゾール化合物 0.03重量部と、シアノ アクリレート化合物1と、無機フィラーとし シリカ 29.6重量部とを配合した。シアノア リレート化合物1は、ビフェニルフェノール エポキシ樹脂とビフェニルフェノール樹脂( 硬化剤)に対して、3.5重量部配合した。そし 、ホモディスパー型攪拌機を用い、溶剤と てのメチルエチルケトン130重量部と共に均 に混練し、樹脂組成物を調製した。
 この樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に して、積層フィルムを調製し、多層絶縁フィ ルムの硬化体を得た。
 次に、前記紫外線レーザー加工機にて、実 例1と同様にして、溝を形成した。その後、 実施例1と同様にして、処理を行い、表面が 滑な回路基板を得た。この回路基板の電気 縁性を評価したところ、結果は良好(○)であ った。結果を下記の表1に示す。

(実施例13~15)
 表1のように、熱硬化性樹脂として熱硬化性 樹脂1と熱硬化性樹脂2の混合物を用いたこと 及び溶媒の配合量を変更した以外は、実施 1と同様にして樹脂組成物を調製した。実施 例1と同様にして、積層フィルムを調製し、 れを回路基板上に積層した後、多層絶縁フ ルムの硬化体を得た。
 次に、前記紫外線レーザー加工機にて、実 例1と同様にして、溝を形成した。加工深さ を評価し、結果を表1に示す。
 その後、実施例1と同様にして、処理を行い 、表面が平滑な回路基板を得た。この回路基 板の電気絶縁性を評価し、結果を下記の表1 示す。

(実施例16)
 表1のように、熱硬化性樹脂として、熱硬化 性樹脂1と熱硬化性樹脂3の混合物を用いたこ 以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を 調製した。実施例1と同様にして、積層フィ ムを調製し、これを回路基板上に積層した 、多層絶縁フィルムの硬化体を得た。
 次に、前記紫外線レーザー加工機にて、実 例1と同様にして、溝を形成した。加工深さ を評価し、結果を表1に示す。
 その後、実施例1と同様にして、処理を行い 、表面が平滑な回路基板を得た。この回路基 板の電気絶縁性を評価し、結果を下記の表1 示す。

(比較例7)
 紫外線吸収剤としてヒドロキシフェニルベ ゾトリアゾールを配合したこと以外は、実 例8と同様にして樹脂組成物を調製した。
実施例1と同様にして、積層フィルムを調製 、多層絶縁フィルムの硬化体を得た。
 次に、前記紫外線レーザー加工機にて、実 例1と同様にして、溝を形成した。溝の加工 深さは、表2に示すとおりとなった。
 その後、実施例1と同様にして、処理を行い 、表面が平滑な回路基板を得た。この回路基 板の電気絶縁性を評価し、結果を下記の表2 示す。

「評価」
 上記表1、2に示す結果から判るように、実 例1~16では、いずれも特定の硬化剤と、シリ と、紫外線吸収剤として、シアノアクリレ ト化合物またはベンゾフェノン化合物を0.5~ 20重量部、溶媒を特定量含む熱硬化性樹脂組 物を用いているために、紫外線レーザーに る加工深さが大きく、加工性が高いことが かる。しかも、得られた回路基板の電気絶 性も良好である。
 これに対して、比較例1,4、6は、紫外線吸収 剤を用いないために、紫外線レーザー加工に よる加工深さが浅く、加工性が低いことがわ かる。比較例3、7では、紫外線吸収剤として 特許文献2に記載されたヒドロキシフェニル ベンゾトリアゾールを用いた結果、紫外線レ ーザーによる加工性が悪く、しかも得られた 回路基板の電気絶縁性も劣っていた。

 本発明の樹脂組成物は、紫外線レーザー よる加工深さが大きく、加工性が高いこと ら、これ用いて得られた樹脂フィルムは回 基板の電気絶縁材料として好適である。