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Patent Searching and Data


Title:
RESONATOR, SUBSTRATE EQUIPPED WITH THE SAME, AND METHOD OF PRODUCING RESONANCE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/081662
Kind Code:
A1
Abstract:
Each of the electrode planes of a first internal electrode and a second internal electrode constituting a resonator (100) is disposed so as to be substantially in parallel with lines of magnetic force of a magnetic field. In addition, in planes different from each of the electrode planes of the first internal electrode and the second internal electrode, each of the electrode planes of a first external electrode and a second external electrode is disposed so as to be substantially in parallel with lines of magnetic force of the magnetic field.

Inventors:
TOUJO ATSUSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/070407
Publication Date:
July 02, 2009
Filing Date:
November 10, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MURATA MANUFACTURING CO (JP)
TOUJO ATSUSHI (JP)
International Classes:
H01P7/00; H01P1/20; H01P1/219
Domestic Patent References:
WO2006023195A22006-03-02
Foreign References:
JP2005033579A2005-02-03
Other References:
"Proceedings of the 36th European Microwave Conference", September 2006, HORIZON HOUSE PUBLICATIONS LTD., article NEETHLING M. ET AL.: "A Composite Right/Left-Handed Transmission Line Implementing Quasi-Exponential Inductive Stubs", pages: 431 - 434, XP031005593
Attorney, Agent or Firm:
FUKAMI, Hisao et al. (Nakanoshima Central Tower 22nd Floor,2-7, Nakanoshima 2-chome,Kita-ku, Osaka-shi, Osaka 05, JP)
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Claims:
 所定の周波数成分を含む電流が流れる導体(14)に近接して配置されることで、当該電流が発生する電磁波を受けて共振を生じる共振器(100,200)であって、
 各々が絶縁物(6)を介して互いに対向する第1および第2電極(4,5)からなる複数の電極対と、
 前記第1電極(4)の各々と電気的に接続される第3電極(2;2#)と、
 前記第2電極(5)の各々と電気的に接続される第4電極(3;3#)とを備え、
 前記共振器は、
  前記第1および第2電極の各電極面が、前記導体に電流が流れた場合に生じる磁力線に対して実質的に平行となり、かつ
  前記第3および第4電極の各電極面が、前記第1および第2電極の各電極面とは異なる面において前記磁力線に対して実質的に平行となる、ように配置される、共振器。
 所定の周波数成分を含む電流が流れる導体(14)に近接して配置されることで、当該電流が発生する電磁波を受けて共振を生じる共振器(100,200)であって、
 平行に対向して形成された2つの外部電極(2,3;2#,3#)からなる外部電極対と、
 前記外部電極対の一方と電気的に接続された複数の第1内部電極(4)と、前記外部電極対の他方と電気的に接続された複数の第2内部電極(5)とからなる内部電極群とを備え、
 前記内部電極群の各電極面は、前記外部電極の電極面に対して垂直に形成され、
 前記外部電極対の各電極面は、前記導体を流れる電流の伝搬方向に対する垂直面と平行に形成され、
 1つの前記第1内部電極と当該第1内部電極に隣接する第2内部電極との間で形成される第1静電容量(C1)と、別の前記第1内部電極と当該第1内部電極に隣接する別の第2内部電極との間で形成される第2静電容量(C2)と、前記外部電極対とを含む電気的な循環経路が形成される、共振器。
 前記内部電極群の各電極と前記外部電極との接続面において、前記外部電極(2#,3#)の幅は前記内部電極群の各電極の幅より狭い、請求の範囲第2項に記載の共振器。
 所定の周波数成分を含む電流が流れる導体(14)に近接して配置されることで、当該電流が発生する電磁波を受けて共振を生じる共振器(100,200)であって、
 絶縁物(6)を介して互いに平行に配列された複数の平板電極(4,5)と、
 前記複数の平板電極の偶数番目の平板電極と電気的に接続された第1接続電極(2;2#)と、
 前記複数の平板電極の奇数番目の平板電極と電気的に接続された第2接続電極(3;3#)とを備え、
 前記第1および第2接続電極の各電極面は、前記複数の平板電極の電極面に対して垂直に形成され、
 前記複数の平板電極の各電極面は、前記導体に電流が流れた場合に生じる磁力線に対して実質的に平行となる配置を可能に構成される、共振器。
 前記導体(14)としてストリップ状導体が前記複数の平板電極の最上面から所定距離だけ離れた位置に配置され、
 前記複数の平板電極の最下面から所定距離だけ離れた位置にグランド電極(16)がさらに配置される、請求の範囲第4項に記載の共振器。
 所定の周波数成分を含む電流が流れる導体(14)に近接して配置されることで、当該電流が発生する電磁波を受けて共振を生じる共振器(100,200)であって、
 各々が互いに平行する複数の電極面を有する第1および第2くし型電極(4,5)を備え、
 前記第1くし型電極の最上層の電極面と前記第2くし型電極の最上層の電極面とが所定の間隔をもって平行に対向するように形成され、かつ前記第1くし型電極の最下層の電極面と前記第2くし型電極の最下層の電極面とが所定の間隔をもって平行に対向するように形成され、
 前記第1および第2くし型電極の各電極面は、前記導体に電流が流れた場合に生じる磁力線に対して実質的に平行となる配置を可能に構成される、共振器。
 前記共振器の前記導体に沿った長さは、前記所定の周波数成分に相当する1波長の1/4より短くなるように形成される、請求の範囲第1項~第6項のいずれか1項に記載の共振器。
 複数の請求の範囲第1項~第7項のいずれか1項に記載の共振器(100,200)と、
 所定の周波数成分を含む電流が流れるストリップ状導体(14)とを備え、
 前記複数の共振器は、前記ストリップ状導体に沿って周期的に配置される、基板。
 導体(14)に流れる電流の所定の周波数成分との間で共振を生じさせる方法であって、
 前記導体に近接して共振器(100,200)を配置するステップを備え、
 前記共振器は、
 各々が絶縁物を介して互いに対向する第1および第2電極からなる複数の電極対(4,5)と、
 前記第1電極の各々と電気的に接続される第3電極(2,2#)と、
 前記第2電極の各々と電気的に接続される第4電極(3,3#)とを含み、
 前記配置するステップは、
 前記第1および第2電極の各電極面が、前記導体に電流が流れた場合に生じる磁力線に対して実質的に平行となるように配置するステップと、
 前記第3および第4電極の各電極面が、前記第1および第2電極の各電極面とは異なる面において前記磁力線に対して実質的に平行となるように配置するステップとを含む、共振を生じさせる方法。
Description:
共振器およびそれを備える基板 ならびに共振を生じさせる方法

 この発明は、電流が流れる導体に近接さ ることで共振を生じ得る共振器およびそれ 備える基板、ならびに共振を生じさせる方 に関し、特に負の透磁率を発現させて利用 る構成に関する。

 近年、メタマテリアル(metamaterial)と称さ るデバイスが注目されている。このメタマ リアルとは、自然界に存在する物質が有さ いような電磁気的あるいは光学的な特性を つ人工物質である。このようなメタマテリ ルの代表的な特性として、負の透磁率(μ<0 )、負の誘電率(ε<0)、あるいは負の屈折率( 磁率および誘電率がいずれも負の場合)が挙 げられる。なお、μ<0かつε>0の領域、ま はμ>0かつε<0の領域は「エバネッセン 解領域」とも称され、μ<0かつε<0の領域 は「左手系領域」とも称される。

 図10は、透磁率μおよび誘電率εの符号別 媒質への入射波に対して表れる特性を示す4 象限図である。自然界に存在する物質の大部 分は、図10に示す第1象限に位置する右手系媒 質に相当し、当該媒質に入射する波は、透磁 率および誘電率によって定まる屈折率だけ屈 折された後、入射方向に伝搬する。これに対 して、図10に示す第2象限および第4象限(エバ ッセント解領域)では、入射波は伝播するこ とができない。また、図10に示す第3領域(左 系領域)では、屈折率が負となるため、当該 質に入射した波は入射方向と逆方向に伝搬 る。

 このようなメタマテリアルの実現例とし 、“「左手系メタマテリアル」、日経エレ トロニクス1月2日号、日経BP社、2006年1月2日 、p.75-81”には、マイクロ波向けのスプリッ ・リング共振器(SRR:Split Ring Resonator)が開示 れている。このスプリット・リング共振器 、円周の一部を切り欠いた大小2つのリング パターンからなる単位セルを周期的に配置し たものである。このスプリット・リング共振 器では、特定の周波数領域において共振(共 )が生じて、μ<0が発現する。このスプリッ ト・リング共振器と金属棒(ε<0)とを近接配 置することでμ<0かつε<0が発現し、左手 媒質を実現できる。

 ところで、負の透磁率を発現させることで 子機器などから放射される不要な電磁波を 制することができる。すなわち、負の透磁 が発現する媒質に磁束が入射すると、電子 器などから放射される不要な電磁波を反射 るいは抑制することができる。
「左手系メタマテリアル」、日経エレク トロニクス1月2日号、日経BP社、2006年1月2日 p.75-81

 しかしながら、上述の先行文献に開示さ るようなスプリット・リング共振器では、 面的に導体が形成されているため、キャパ タンスを十分に大きくとることができず、 望の特性を実現するためには、比較的大型 するという課題があった。

 そこで、この発明は、かかる課題を解決 るためになされたものであり、その目的は 外部からの電磁波を受けて共振を生じるこ で負の透磁率を発現させることが可能な、 り小型な共振器を提供することである。

 この発明のある局面に従えば、所定の周 数成分を含む電流が流れる導体に近接して 置されることで、当該電流が発生する電磁 を受けて共振を生じる共振器を提供する。 振器は、各々が絶縁物を介して互いに対向 る第1および第2電極からなる複数の電極対 、第1電極の各々と電気的に接続される第3電 極と、第2電極の各々と電気的に接続される 4電極とを含む。第1および第2電極の各電極 は、導体に電流が流れた場合に生じる磁力 に対して実質的に平行となる配置を可能に 成されるとともに、第3および第4電極の各電 極面は、第1および第2電極の各電極面とは異 る面において磁力線に対して実質的に平行 なる配置を可能に構成される。

 この発明の別の局面に従えば、所定の周 数成分を含む電流が流れる導体に近接して 置されることで、当該電流が発生する電磁 を受けて共振を生じる共振器を提供する。 振器は、平行に対向して形成された2つの外 部電極からなる外部電極対と、外部電極対の 一方と電気的に接続された複数の第1内部電 と、外部電極対の他方と電気的に接続され 複数の第2内部電極とからなる内部電極群と 含む。内部電極群の各電極面は、外部電極 電極面に対して垂直に形成される。外部電 対の各電極面は、導体を流れる電流の伝搬 向に対する垂直面と平行に形成される。1つ の第1内部電極と当該第1内部電極に隣接する 2内部電極との間で形成される第1静電容量 、別の第1内部電極と当該第1内部電極に隣接 する別の第2内部電極との間で形成される第2 電容量と、外部電極対とを含む電気的な循 経路が形成される。

 好ましくは、内部電極群の各電極と外部 極との接続面において、外部電極の幅は内 電極群の各電極の幅より狭い。

 この発明のさらに別の局面に従えば、所 の周波数成分を含む電流が流れる導体に近 して配置されることで、当該電流が発生す 電磁波を受けて共振を生じる共振器を提供 る。共振器は、絶縁物を介して互いに平行 配列された複数の平板電極と、複数の平板 極の偶数番目の平板電極と電気的に接続さ た第1接続電極と、複数の平板電極の奇数番 目の平板電極と電気的に接続された第2接続 極とを含む。共振器は、第1および第2電極の 各電極面が、導体に電流が流れた場合に生じ る磁力線に対して実質的に平行となり、かつ 第3および第4電極の各電極面が、第1および第 2電極の各電極面とは異なる面において磁力 に対して実質的に平行となるように配置さ る。

 好ましくは、導体としてストリップ状導 が複数の平板電極の最上面から所定距離だ 離れた位置に配置され、複数の平板電極の 下面から所定距離だけ離れた位置にグラン 電極がさらに配置される。

 この発明のさらに別の局面に従えば、所 の周波数成分を含む電流が流れる導体に近 して配置されることで、当該電流が発生す 電磁波を受けて共振を生じる共振器を提供 る。共振器は、各々が互いに平行する複数 電極面を有する第1および第2くし型電極を む。第1くし型電極の最上層の電極面と第2く し型電極の最上層の電極面とが所定の間隔を もって平行に対向するように形成され、かつ 第1くし型電極の最下層の電極面と第2くし型 極の最下層の電極面とが所定の間隔をもっ 平行に対向するように形成される。第1およ び第2くし型電極の各電極面は、導体に電流 流れた場合に生じる磁力線に対して実質的 平行となる配置を可能に構成される。

 好ましくは、共振器の導体に沿った長さ 、所定の周波数成分に相当する1波長の1/4よ り短くなるように形成される。

 この発明のさらに別の局面に従う基板は 上述の共振器を複数個含む。さらに、基板 、所定の周波数成分を含む電流が流れるス リップ状導体を含み、複数の共振器は、ス リップ状導体に沿って周期的に配置される

 この発明のさらに別の局面に従えば、導 に流れる電流の所定の周波数成分との間で 振を生じさせる方法を提供する。共振を生 させる方法は、導体に近接して共振器を配 するステップを含む。共振器は、各々が絶 物を介して互いに対向する第1および第2電 からなる複数の電極対と、第1電極の各々と 気的に接続される第3電極と、第2電極の各 と電気的に接続される第4電極とを含む。配 するステップは、第1および第2電極の各電 面が、導体に電流が流れた場合に生じる磁 線に対して実質的に平行となるように配置 るステップと、第3および第4電極の各電極面 が、第1および第2電極の各電極面とは異なる において磁力線に対して実質的に平行とな ように配置するステップとを含む。

 この発明によれば、外部からの電磁波を けて共振を生じることで負の透磁率を発現 せることが可能なより小型化した共振器を 現できる。

この発明の実施の形態1に従う共振器内 蔵基板の概略の外観図である。 図1に示すII-II線断面図である。 共振周波数において共振器で形成され 共振回路を説明するための図である。 この発明の実施の形態1に従う共振器内 蔵基板で生じる比透磁率の周波数特性の一例 を示す図である。 この発明の実施の形態1に従う共振器で 生じる比透磁率の周波数特性を積層コンデン サの配向別にシミュレーションした結果を示 す図である。 この発明の実施の形態2に従う共振器内 蔵基板の概略の外観図である。 この発明の実施の形態2に従う共振器内 蔵基板において、導体を流れる電流の減衰量 の周波数特性の一例を示す図である。 この発明の実施の形態3に従う共振器の 概略の外観図である。 この発明の実施の形態4に従う基板の概 略の外観図である。 透磁率μおよび誘電率εの符号別に媒 への入射波に対して表れる特性を示す4象限 である。

符号の説明

 2,2# 第1外部電極、3,3# 第2外部電極、4  1内部電極、4a,4b,5a,5b 電極、5 第2内部電極 6 スペーサ、12 外装部、14 ストリップ状導 体(導体)、16 グランド電極、100,200 共振器、 110,210 共振器内蔵基板、310,410 基板、C1,C2  ャパシタンス、L1~L6 インダクタンス。

 この発明の実施の形態について、図面を 照しながら詳細に説明する。なお、図中の 一または相当部分については、同一符号を してその説明は繰返さない。

 [概要]
 本発明に係る実施形態は、メタマテリアル 分類される共振器またはこの共振器を複数 む基板を提供する。具体的には、これらの 振器および基板では、互いに所定間隔だけ れて配置された複数の電極を含むデバイス( 代表的に、積層コンデンサ)を用いて、当該 極間に生じる静電容量(キャパシタンス)を主 体とした共振回路が形成される。この共振回 路は、導体に交流電流が流れることで発生す る電磁波の特定の周波数成分に感受性をもち 、この周波数成分の電磁波を受けて電気的な 共振現象を生じ得る。この共振現象によって 、負の透磁率が発現し、導体から放射される 電磁波を反射あるいは抑制することができる 。

 ここで、メタマテリアルとしての機能で る負の透磁率を発現させるため、すなわち 振を生じさせるためには、各共振器の電流 伝搬方向における長さが、対象とすべき周 数における電磁波の波長λに対して、少な ともλ/4より短い必要がある。さらに、各共 器の電流の伝搬方向における長さは、λ/20 下であることが好ましい。

 以下の実施の形態1~4では、複数の平板電 を絶縁物(誘電体)を積層して形成された積 コンデンサなどを用いることで、より容易 本発明に係る共振器あるいは基板を実現す 構成について例示する。

 [実施の形態1]
 この発明の実施の形態1では、一般的な積層 コンデンサを用いて共振器を実現する構成に ついて例示する。

 図1は、この発明の実施の形態1に従う共振 内蔵基板110の概略の外観図である。
 図1を参照して、共振器内蔵基板110は、共振 器100と、共振器100の周辺を覆う非磁性体であ る外装部12とを含む。なお、外装部12として 、テフロン(登録商標)などの樹脂材料が適し ている。この共振器100は、所定の周波数成分 を含む電流が流れるストリップ状導体14(以下 単に「導体14」とも記す。)に近接して配置さ れることで、当該電流が発生する電磁波の特 定の周波数成分(共振周波数)を受けて共振を じる。また、共振器100の導体14に接する面 は反対側の面には、グランド電極16(図示せ )が配置される。

 共振器100内での共振によって、共振器100 内部から外部に向けて磁束が発生し、この 生する磁束によって誘導される電界によっ 、当該電流が発生する電磁波が妨げられる この結果、導体14では、共振器100における 振周波数成分の交流電流の流れが妨げられ 共振器内蔵基板110は一種の帯域遮断フィル のように機能する。

 なお、本実施の形態に従う共振器内蔵基 110は、外部電源などからの電気エネルギー 必要とせず、導体14から放射される電磁波( に磁束)だけで共振を生じる、パッシブなデ バイスである。すなわち、共振器100は、スト リップ状導体14やグランド電極16に電気的に 続されておらず、浮いた状態となっている そして、共振器100は、このような共振を生 させることによって、負の透磁率を発現さ る。

 なお、共振器100が負の透磁率を発現する すなわちメタマテリアルとしての機能を発 するためには、共振器100の導体14における 流の伝搬方向における長さlが、共振周波数 おける電磁波の波長λに対して、少なくと λ/4より短い必要がある。さらに、共振器100 長さlは、λ/20以下であることが好ましい。

 以下では、共振器100の一例として、長さl ’=1.6mm、幅W=0.8mm、高さH=0.8mmの8層の内部電極 を有する積層コンデンサを用いる場合につい て例示する。なお、導体14と積層コンデンサ の距離h=0.2mm、積層コンデンサとグランドの 距離h’=0.2mmとする。

 ここで、λ/4=長さl’=1.6mmとすると、λ=6.4m mとなり、これは、空気中では周波数fmax=46.875 GHzに相当する。従って、この共振器100をλ/4 下のピッチで並べると、ギガヘルツ帯にお てメタマテリアルとして用いることができ 。当然のことながら、適用すべき周波数領 に応じて、共振器の長さlを適宜設計するこ ができる。

 次に、図1および図2を参照して、共振器10 0の構造について説明する。図2は、図1に示す II-II線断面図である。

 図1を参照して、導体14に電流が流れるこ によって、導体14を中心とした円周方向に 流の磁界が発生する。すなわち、磁界の磁 線は、導体14を中心とする同心円となる。ま た、導体14には電流が流れる際に電位が発生 るので、導体14とグランド電極16との間には 交流の電界が発生する。

 図2を参照して、共振器100は、各々が比誘 電率の高い絶縁物であるスペーサ6を介して いに対向する第1内部電極4および第2内部電 5をそれぞれ複数含む。複数の第1内部電極4 、第1外部電極2と電気的に接続されており、 複数の第2内部電極5は、第2外部電極3と電気 に接続されている。このように、共振器100 は、平板状の複数の内部電極4と内部電極5と が交互に積層されている。隣接する第1内部 極4と第2内部電極5との間には、その電極の 積、電極間の距離、スペーサ6の比誘電率な によってその値が定まる静電容量(キャパシ タンス)が生じる。

 特に、本実施の形態に従う共振器内蔵基 110では、積層コンデンサを構成する第1内部 電極4および第2内部電極5の各電極面が磁界の 磁力線に対して実質的に平行となるように配 置される。それとともに、第1外部電極2およ 第2外部電極3の各電極面が、第1外部電極2お よび第2外部電極3の各電極面とは異なる面に いて、磁界の磁力線に対して実質的に平行 なるように配置される。すなわち、図2に示 すように、導体14を流れる電流によって生じ 磁界の磁力線が紙面前後方向に発生してい 場合において、共振器100は、第1内部電極4 よび第2内部電極5の電極断面長手方向が紙面 左右方向と一致し、かつ第1外部電極2および 2外部電極3の電極断面長手方向が紙面上下 向と一致するように配置される。

 共振器100が図2に示すような位置関係を保 って配置されることで、所定の周波数成分に 対して図3に示すような共振回路が形成され この共振回路によって、負の透磁率が発現 る。

 図3は、共振周波数において共振器100で形 成される共振回路を説明するための図である 。

 図3を参照して、その電極面が磁界の磁力 線に対して実質的に平行となるように配置さ れる第1内部電極4および第2内部電極5、なら に第1外部電極2および第2外部電極3は、その 路長さに応じたコイル(インダクタ)として 用する。

 共振器100では、第1内部電極のうち最上層 の電極4aと、第1外部電極2と、第1内部電極の ち最下層の電極4bとは互いに電気的に接続 れており、これらを含む電流経路が形成さ る。同様に、第2内部電極のうち最上層の電 5aと、第2外部電極3と、第2内部電極のうち 下層の電極5bとは互いに電気的に接続されて おり、これらを含む電流経路が形成される。 ここで、電極4aと電極5aとの間の静電容量(キ パシタンスC1)と、電極4bと電極5bとの間の静 電容量(キャパシタンスC2)とを介して、両電 経路は互いに電気的に接続され、キャパシ ンスC1,C2と各電極によって生じるインダクタ ンスL1~L6とを含む共振回路が形成される。し がって、本実施の形態に従う共振器100は、 ャパシタンス(C1+C2)と、インダクタンス(L1+L2 +L3+L4+L5+L6)とによって定まる共振周波数をも 、この共振周波数の電磁波が入射すること 、透磁率共振が発現する。

 なお、積層コンデンサでは、隣接する内 電極の間の各々で静電容量が発生するが、 上層の静電容量および最下層の静電容量を いた他の静電容量は、この共振回路の形成 の影響は小さい。これは、共振を起こす循 経路の最外層に電流が集中するためである

 図4は、この発明の実施の形態1に従う共 器内蔵基板110で生じる比透磁率の周波数特 の一例を示す図である。なお、図4に示す変 特性は、シミュレーションによって算出さ たものである。ここで、比透磁率とは、真 の透磁率に対する透磁率の比を表す。

 図4を参照して、本実施の形態に従う共振 器内蔵基板110は、その1つの共振周波数とし 約4.9GHzをもち、その前後で比透磁率が大き 変動していることが分かる。これによりイ ピーダンスも大きく変動して不整合がおこ 、この周波数領域において導体14を流れる電 流に対して、帯域遮断フィルタとして機能す る。

 上述の説明では、第1内部電極4および第2 部電極5、ならびに第1外部電極2および第2外 部電極3の各電極面が磁界の磁力線に対して 質的に平行となるように配置されることで メタマテリアルとしての機能である負の透 率を発現させることができるとことについ 述べた。ここで、「実質的に平行」とは、 電極面が磁界の磁力線と直交する状態を除 する意味であり、各電極面が磁界の磁力線 まったく平行である状態に加えて、磁力線 対して所定角度をもつ状態をも含む。実用 は、共振器100で発現する負の透磁率の大き が適用アプリケーションなどの要求を満足 きる値であれば、「実質的に平行」とみな ことができる。

 図5は、この発明の実施の形態1に従う共 器100で生じる比透磁率の周波数特性を積層 ンデンサの配向別にシミュレーションした 果を示す図である。

 図5を参照して、配置(a)および配置(b)は、 第1内部電極4および第2内部電極5、ならびに 1外部電極2および第2外部電極3の各電極面が 界の磁力線に対して平行に配置された場合 示す。また、配置(c)は、第1内部電極4およ 第2内部電極5の各電極面が磁界の磁力線に対 して45°の角度をもって配置された場合を示 。配置(d)は、第1外部電極2および第2外部電 3の各電極面が磁界の磁力線に対して直交す ように配置された場合を示し、配置(e)は、 1内部電極4および第2内部電極5の各電極面が 磁界の磁力線に対して直交するように配置さ れた場合を示す。

 配置(a)および配置(b)では、共振周波数に かな違いがあるものの、比透磁率の周波数 性が示すように、十分に大きな負の透磁率 発現していることがわかる。また、配置(c) は、負の透磁率が発現しているものの、そ 大きさは配置(a)や配置(b)において発現する の透磁率の大きさに比較して小さくなって ることがわかる。

 一方、配置(d)および配置(e)では、比透磁 の周波数特性が示すように、共振も生じて らず、負の透磁率も発現していない。

 以上のように、第1内部電極4および第2内 電極5、ならびに第1外部電極2および第2外部 電極3のうち、いずれかの電極面が磁界の磁 線に対して直交して配置される場合には、 の透磁率が発現しないが、それ以外の配置 あれば、各電極面が磁界の磁力線に対して ったくの平行でなくとも、負の透磁率が発 することがわかる。

 なお、上述の説明では、導体14と共振器10 0との位置関係が予め定まっている共振器内 基板110の構成について例示したが、共振器10 0を導体14に対して所定の位置に配置すること で、負の透磁率を発現させてもよい。

 この場合の手順としては、まず、第1内部 電極4および第2内部電極5の各電極面が導体14 電流が流れた場合に生じる磁力線に対して 質的に平行となるように配置する。具体的 は、共振器100の上下の電極面を導体14の延 方向に対して平行となるように配置する。 に、第1外部電極2および第2外部電極3の各電 面が、導体14に電流が流れた場合に生じる 力線に対して実質的に平行となるように配 する。具体的には、共振器100の外部電極面 導体14の延伸方向に対する垂直面と一致する ように、共振器100の向きを調整する。このよ うな手順に従って共振器100を配置することで 、負の透磁率を発現させることができる。

 なお、上述の2つの手順は、その順序を入れ 替えてもよい。
 再度、図1~図3を参照して、本実施の形態に う共振器100の構成については、以下のよう 表現することもできる。

 共振器100は、平行に対向して形成された 1外部電極2および第2外部電極3からなる外部 電極対と、この外部電極対の一方である第1 部電極2と電気的に接続された複数の第1内部 電極4と、この外部電極対の他方である第2外 電極3と電気的に接続された複数の第2内部 極5とを含む。そして、第1内部電極4および 2内部電極5からなる内部電極群の各電極面は 、第1外部電極2および第2外部電極3の電極面 対して垂直となるように形成されている。 た、第1外部電極2および第2外部電極3の各電 面は、導体14を流れる電流の伝搬方向に対 る垂直面と一致するように形成される。さ に、第1内部電極のうち最上層の電極4aと、 極4aに隣接する第2内部電極のうち最上層の 極5aとの間で形成される静電容量(キャパシ ンスC1)と、第1内部電極のうち最下層の電極4 bと、電極4bに隣接する第2内部電極のうち最 層の電極5bとの間で形成される静電容量(キ パシタンスC2)と、第1外部電極2および第2外 電極3とを含む電気的な循環経路が形成され 。

 また、共振器100は、絶縁物であるスペー 6を介して互いに平行に配列された複数の平 板電極である第1内部電極4および第2内部電極 5と、複数の平板電極の偶数番目の第1内部電 4と電気的に接続された第1接続電極である 1外部電極2と、複数の平板電極の奇数番目の 第2内部電極5と電気的に接続された第2接続電 極である第2外部電極3とを含む。第1外部電極 2および第2外部電極3の各電極面は、複数の平 板電極の電極面に対して垂直に形成されてい る。また、複数の平板電極の電極面は、導体 14に電流が流れた場合に生じる磁力線に対し 実質的に平行となるように配置されている

 また、共振器100は、互いに平行する複数 第1内部電極4と第1外部電極2とからなる第1 し型電極と、互いに平行する複数の第2内部 極5と第2外部電極3とからなる第2くし型電極 とを含む。第1くし型電極の最上層の電極4aの 電極面と、第2くし型電極の最上層の電極5aの 電極面とが所定の間隔をもって平行に対向す るように形成される。これにより、両者の間 には静電容量(キャパシタンスC1)が形成され 。また、第1くし型電極の最下層の電極4bの 極面と、第2くし型電極の最下層の電極5bの 極面とが所定の間隔をもって平行に対向す ように形成される。これにより、両者の間 は静電容量(キャパシタンスC2)が形成される そして、第1くし型電極および第2くし型電 の各電極面は、導体14に電流が流れた場合に 生じる磁力線に対して実質的に平行となるよ うに配置されている。

 この発明の実施の形態1によれば、積層さ れた電極間に生じる静電容量(キャパシタン )を主体とした共振回路を用いるので、共振 路に含まれるキャパシタンスを比較的大き することができる。そのため、スプリット リング共振器のようにリングパターンを周 的に配置する構成に比較して、必要な共振 性を得るためのデバイスサイズを小さくで る。これによって、より小型化したデバイ で、負の誘電率を実現できる。

 また、この発明の実施の形態1によれば、 市販の積層コンデンサを用いて、共振器を構 成できるので、より容易に負の誘電率を実現 できる。

 [実施の形態2]
 上述の実施の形態1では、1つの共振器につ て説明したが、より大きな効果を得るため は、複数の共振器を用いることが好ましい そこで、この発明の実施の形態2では、複数 共振器から構成される基板について説明す 。

 図6は、この発明の実施の形態2に従う共振 内蔵基板210の概略の外観図である。
 図6を参照して、共振器内蔵基板210は、上述 した共振器100を導体14に沿って周期的に複数 (図6では5個)配置したものである。このとき 、各共振器100を構成する第1内部電極4(図2)お び第2内部電極5(図2)の各電極面は、いずれ 磁界の磁力線に対して実質的に平行となる うに配置される。また、第1外部電極2(図2)お よび第2外部電極3(図2)の各電極面についても 磁界の磁力線に対して実質的に平行となる うに配置される。

 なお、各共振器100の構成については上述 た実施の形態1と同様であるので、詳細な説 明は繰返さない。

 図7は、この発明の実施の形態2に従う共 器内蔵基板210において、導体14を流れる電流 の減衰量の周波数特性の一例を示す図である 。なお、図7に示す変化特性は、シミュレー ョンによって算出されたものである。

 図7を参照して、本実施の形態に従う共振 器内蔵基板210は、6.5GHz~7.0GHz付近に共振点を し、この周波数領域において通過波が大き 減衰されることがわかる。

 この発明の実施の形態2によれば、要求さ れる特性(代表的に、必要な減衰量)に応じて 必要な個数の共振器を配置できるので、適 先のアプリケーションに応じて、最適な負 誘電率を実現する基板を容易に構成できる

 [実施の形態3]
 上述の実施の形態1では、内部電極と外部電 極との接続面における両者の幅が等しい積層 コンデンサの構成について例示したが、外部 電極で生じるインダクタンスを大きくするた めに、外部電極の幅をより狭くしてもよい。

 図8は、この発明の実施の形態3に従う共振 200の概略の外観図である。
 図8を参照して、本実施の形態に従う共振器 200は、スペーサを介して交互に対向配置され た複数の第1内部電極4および複数の第2内部電 極5と、第1内部電極4の各々と電気的に接続さ れる第1外部電極2#と、第2内部電極5の各々と 気的に接続される第2外部電極3#とを含む。

 ここで、第1内部電極4と第1外部電極2#と 接続面において、第1外部電極2#の幅は第1内 電極4の幅より狭くなっており、第2内部電 5と第2外部電極3#との接続面において、第2外 部電極3#の幅は第2内部電極5の幅より狭くな ている。

 第1外部電極2#および第2外部電極3#の線幅 狭くすることで、第1外部電極2#および第2外 部電極3#で生じるインダクタンスを大きくで る。そのため、図3に示すような共振回路に おいて、同一の共振周波数を生じるために必 要なキャパシタンス(C1+C2)が小さくて済むの 、内部電極をより小さくすることができ、 の結果、積層コンデンサ全体を小型化でき 。

 その他の構成については、上述した実施 形態1と同様であるので、詳細な説明は繰返 さない。

 この発明の実施の形態3によれば、上述の 実施の形態1と同様の効果を得られるととも 、実施の形態1に従う共振器に比較して、よ 小型化を図ることができる。

 [実施の形態4]
 上述の実施の形態2では、導体14に沿って共 器100を周期的に一列に配置した構成につい 例示したが、複数列、あるいは複数段にわ って複数の共振器100を配置してもよい。

 図9(a)は、この発明の実施の形態4に従う 板310の概略の外観図であり、図9(b)は、この 明の実施の形態4の別形態に従う基板410の概 略の外観図である。

 図9(a)を参照して、基板310は、導体14を中 にして、上述した複数の共振器100を周期的 2次元的に配置したものである。また、図9(b )を参照して、基板410は、導体14を中心にして 、上述した複数の共振器100を周期的に3次元 に配置したものである。

 この基板310および410においても、各共振 100を構成する第1内部電極4および第2内部電 5の各電極面(図2)は、いずれも磁界の磁力線 に対して実質的に平行となるように配置され る。また、第1外部電極2および第2外部電極3 各電極面(図2)についても、磁界の磁力線に して実質的に平行となるように配置される なお、図9(a)および図9(b)においては、理解を 容易にするために内部電極を意図的に見える 様に描いている。

 このような基板310,410は、例えば、高周波 の電磁波を発生するような電子装置や、外乱 ノイズによる影響を受けやすい電子装置に装 着することで、電磁シールドとしても機能さ せることができる。

 この発明の実施の形態4によれば、電磁波 の発生源が直線以外の形状に配置されている 場合であっても、任意の形状に共振器を配置 することで、電磁波の吸収あるいは抑制を適 切に行なうことができる。

 [その他の形態]
 なお、上述の実施の形態1~4においては、一 的な積層コンデンサを用いて、負の誘電率 発現させる構成について例示したが、本発 に係る共振器あるいは基板を構成するため 専用に設計された電極部材を用いてもよい

 今回開示された実施の形態はすべての点 例示であって制限的なものではないと考え れるべきである。本発明の範囲は、上記し 説明ではなく、請求の範囲によって示され 請求の範囲と均等の意味および範囲内での べての変更が含まれることが意図される。