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Title:
RETAINER FOR ROLLING BEARING AND BEARING ADAPTED FOR USE IN WIND-DRIVEN GENERATOR AND HAVING THE RETAINER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/126841
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided are a retainer for a rolling bearing lubricated by, for example, a combination of oil bath lubrication and lubrication by a force feed oil pump, and a bearing adapted for use in a wind-driven generator and having the retainer. The retainer prevents a lubrication failure even if the oil pump stops. A lubricant container (24) is formed in a large-diameter ring (21) of the retainer (14) and is provided between adjacent tapered rollers (13) so as not to be in contact with the tapered rollers (13) of the bearing. The retainer is adapted so that lubricant is held in the lubricant container (24) when the container (24) is located in the lubricant contained in the lower part of the bearing and, with subsequent rotation of the bearing, the lubricant held in the container (24) drops.

Inventors:
YASUDA HIROTAKA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/056942
Publication Date:
October 23, 2008
Filing Date:
April 08, 2008
Export Citation:
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Assignee:
JTEKT CORP (JP)
YASUDA HIROTAKA (JP)
International Classes:
F16C33/66; F03D11/00; F16C33/52
Foreign References:
JPS5254743U1977-04-20
JPS6159920U1986-04-22
JP2007032612A2007-02-08
JPS6149128U1986-04-02
Attorney, Agent or Firm:
SUGAHARA, Ichiro (Petit Chateau Gouda 2052-8-25, Tamagawa-gakuen,Machida-sh, Tokyo 41, JP)
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Claims:
 転動体と接触しない面に潤滑油溜まりが設けられており、軸受下部に溜められている潤滑油内に潤滑油溜まりがあるときにこれに潤滑油が保持され、その後の回転に伴って潤滑油溜まりに保持された潤滑油が滴下されるようになされていることを特徴とする転がり軸受用保持器。
 潤滑油溜まりは、保持器に孔があけられることによって形成されていることを特徴とする請求項1の転がり軸受用保持器。
 潤滑油溜まりは、容器状部材が保持器に固定されることによって形成されていることを特徴とする請求項1の転がり軸受用保持器。
 大径リングと、該大径リングより軸方向に所定間隔をおいて配置される小径リングと、該大径リングと該小径リングとの間に掛け渡され、ころ軸受のころを転動自在に保持する複数のピンと備え、
 前記大径リングと前記小径リングとの少なくとも一方におけるころと接触しない面に潤滑油溜まりが形成されており、軸受下部に溜められている潤滑油内に潤滑油溜まりがあるときにこれに潤滑油が保持され、その後の回転に伴って潤滑油溜まりに保持された潤滑油が滴下されるようになされていることを特徴とするころ軸受用ピン型保持器。
 前記潤滑油溜まりは、ころ軸受のころには当接しないように前記ピンとピンとの中間域に設けられている請求項4記載のころ軸受用ピン型保持器。
 前記大径リングの円筒状内径面に径方向内方から前記潤滑油溜まりが設けられている請求項4記載のころ軸受用ピン型保持器。
 前記潤滑油溜まりの開口が回転方向に対して傾斜して形成される請求項4記載のころ軸受用ピン型保持器。
 前記潤滑油溜まりの開口は前記大径リングの径方向外側寄りでかつ軸方向内側よりに設けられている請求項5記載のころ軸受用ピン型保持器。
 外輪と、内輪と、前記外輪と前記内輪との間に転動可能に配置された複数のころと、該複数のころを保持する保持器とを有するころ軸受であって、
 前記保持器は請求項4記載のころ軸受用ピン型保持器であることを特徴とするころ軸受。
 外輪と、内輪と、前記外輪と前記内輪との間に転動可能に配置された複数のころと、該複数のころを保持する保持器とを有するころ軸受と、
 前記ころ軸受を支持するハウジングと、
 前記ハウジングに配置され、前記内輪の外径最下端より上方まで潤滑油を保持する油浴槽と、
 を有するころ軸受装置であって、
 前記保持器は、請求項4記載のころ軸受用ピン型保持器であることを特徴とする転がり軸受装置。
 外輪、内輪、複数の転動体および複数の転動体を保持する保持器を有しており、一端側に風力発電用の回転翼が設けられた主軸を支持する軸受において、保持器が請求項1のものとされていることを特徴とする風力発電用軸受。
Description:
転がり軸受用保持器およびそれ 具備した風力発電用軸受

 この発明は、例えば風力発電機の主軸を 持するために使用される転がり軸受に適し 保持器およびそれを具備した風力発電用軸 に関する。

 風力発電機の主軸を支持するために使用 れる転がり軸受としては、例えば円すいこ 軸受が使用されており、その保持器として 、ピン型保持器が使用されている(特許文献 1)。

 転がり軸受では、潤滑性向上のために、 持器に潤滑油溜まりを設けることが知られ おり、このような潤滑油溜まりは、転動体 近接する位置に配置されるとともに、その 口を転動体に向けるようになされている。

 特許文献1にも、ピン型保持器において、円 すいころの大端面に当接する面に潤滑油溜ま りを設けることが開示されている。

特開2006-300128号公報

 従来の潤滑油溜まりは、軸受にとって厳 い条件として高速回転を考え、高速回転時 軸受の焼付きを防止することを目的として けられている。

 一方、風力発電装置で使用される軸受で 、高速回転だけでなく、次のような厳しい 件での使用に耐えることが必要である。

 すなわち、風力発電では、強風の場合、 転翼が回らないような制御が行われている 、その場合であっても、回転翼は極低速で 転する。このとき、送電が止まると強制給 を行うポンプが止まることになる。油浴潤 によると、転がり軸受の最下部部分は、潤 油内に浸漬しているが、負荷圏が広い場合 油浴潤滑の潤滑油レベルより上方でも負荷 受ける。また、風力発電の主軸は、一端に 転翼が設けられていることから、片持ちの 態となっており、他端側の転がり軸受には 上向きの力が作用しており、負荷圏は、真 (最下部部分)ではなく、油浴潤滑の潤滑油 ベルよりも上方にある。この場合、転がり 受の上部では、大きな負荷を受けているに かかわらず、潤滑油が全く供給されないこ になる。風力発電用転がり軸受に限らず、 荷圏が真下でも負荷圏が広い転がり軸受お び負荷圏が真下にない転がり軸受では、停 時等に、同様の潤滑不良が起こる可能性が り、また、種々の潤滑油供給方法において 通常の潤滑ルートが遮断された場合には、 荷圏の位置に関係なく、潤滑不良が起こり る。

 この発明の目的は、例えば油浴潤滑と強 給油ポンプとの組合せで潤滑されている転 り軸受において、強制給油ポンプが停止し ときであっても、潤滑不良を防止すること できる転がり軸受用保持器およびそれを具 した風力発電用軸受を提供することにある

 この発明による転がり軸受用保持器は、 動体と接触しない面に潤滑油溜まりが設け れており、軸受下部に溜められている潤滑 内に潤滑油溜まりがあるときにこれに潤滑 が保持され、その後の回転に伴って潤滑油 まりに保持された潤滑油が滴下されるよう なされていることを特徴とするものである

 従来の潤滑油溜まりは、高速回転時(通常 時)の潤滑油不良を防止するためのもので、 滑油溜まりから転動体に潤滑油が移動しや いように、潤滑油溜まりは転動体と接触す 面に設けられている。これに対して、この 明における潤滑油溜まりは、非通常時(例え 、後述する風力発電における強風時の極低 運転時や、駆動装置が停止したときの惰性 転時など)における潤滑油不良を防止するた めのもので、そのため、転動体と接触しない 面に(潤滑油溜まりと転動体との間に仕切り なる部分があるように)形成される。そして 保持器の回転に伴って、潤滑油溜まりに保 された潤滑油が転動体または転動体近傍に 下されることで潤滑不良が防止される。潤 油溜まりの形状や数などは、潤滑油の保持 よび滴下が適当に行われるように調整され 。

 この発明による転がり軸受用保持器は、 がり軸受が支持する回転軸が一端側に下向 に負荷がかかった状態で回転するものであ 場合に、特に有効なものとなる。通常、水 な回転軸を支持する転がり軸受の場合、軸 どの自重により、その負荷圏は、下方(最下 部部分)にあるが、油浴潤滑でも、負荷圏が い場合、油浴潤滑の潤滑油レベルより上方 も負荷を受けるため、潤滑不良の心配があ 。さらに、一端側に下向きに負荷がかかっ 状態(片持ち支持状態)で回転する回転軸の場 合、他端側の転がり軸受設置部分では、力が 上向きに作用して負荷圏が上方(油浴のレベ よりも上)になることがあり、上方での潤滑 不足が焼付きの原因となることが考えられ 。そこで、油浴の潤滑油を潤滑油溜まりに って保持し、保持器の回転に伴って、潤滑 溜まりから流れ出す潤滑油を回転方向後方 ある転動体に滴下することにより、負荷圏 ある転動体に潤滑油が供給されるようにな 、この問題が解消する。

 保持器は、例えば、ピン型保持器とされ 。ピン型保持器は、大荷重を受ける場合に しており、軸方向に所定間隔をおいて配置 れる1対のリングと、両リング間に架け渡さ れる複数のピンとからなるものとされ、1対 リングのいずれか一方または両方に潤滑油 まりが形成される。ピン型保持器を使用し 軸受としては、例えば、円すいころ軸受(2つ のリングの径が異なる)があり、円すいころ 受以外の自動調心ころ軸受(2つのリングの径 が異なる)や円筒ころ軸受(2つのリングの径が 同じ)であってもよい。

 保持器は、ピン型保持器に限定されるも ではなく、一体型の保持器でもよく、その 種々のタイプのものであってもよい。材料( 樹脂製か金属製か)や加工方法なども限定さ ない。一体型の保持器は、例えば、プレス 形や鍛造成形により形成され、少なくとも1 の環状部と、環状部の周方向に所定間隔で けられてポケットを形成する複数の柱部か なるものとされ、少なくとも1つの環状部に 潤滑油溜まりが形成される。一体型の保持器 を有する軸受としては、例えば、円すいころ 軸受、自動調心ころ軸受および円筒ころ軸受 があり、これ以外の深溝玉軸受、アンギュラ 玉軸受などであってもよい。

 転がり軸受は、単列のものであってもよ 、複列のものであってもよく、3列以上とさ れてもよい。また、2つの軸受を接触するよ に配置してもよく、所定間隔をおいて配置 てもよい。複列以上の軸受においては、正 合わせで使用されてもよく、背面合わせで 用されてもよい。

 潤滑油溜まりは、例えば、保持器に孔(有 底の孔)があけられることによって形成され 。保持器は、通常、転動体よりも軸方向外 に位置するリングまたは環状部を有してお 、このリングまたは環状部の軸方向内面ま は径方向内面に潤滑油溜まりとしての孔が 工される。孔の数や孔の位置は、限定され い。また、円形の孔であってもよく、長孔 あってもよい。孔の加工を容易とするため 、保持器の形状を変更してもよく、面取り どによって、保持器の一部に孔加工を容易 する面を形成してもよい。通常、孔をあけ 場合には、面に垂直な孔とされるが、これ 限定されることはなく、面に対して傾斜し いてもよい。傾斜させる場合に、保持器の が垂直面に対して傾斜していて、孔の方向 水平方向であってもよく、保持器の面が垂 面に対して傾斜していて、孔の方向が保持 の面に対しても水平に対しても傾斜してい もよい。また、回転方向に対して傾斜させ ようにしてもよい。回転方向に対して傾斜 せることで、回転の初期段階で流出する潤 油の量を減らすことができ、軸受上部にお る潤滑性をより向上させることができる。

 潤滑油溜まりは、また、容器状部材が保 器に固定されることによって形成されるこ がある。容器状部材は、既にある保持器に 接によって後から取付け可能とされている とが好ましい。孔加工の場合、開口の向き 制限されるの対し、容器状部材の溶接とす 場合には、潤滑油を供給したい位置に応じ 容器状部材の開口の向きを設定することが 易となる。例えば、開口の向きを回転方向 対して傾斜させることができ、また、孔の 工では得ることができない最下部で開口の きが真上向き、最上部で開口の向きが真下 きとすることもできる。しかも、既に配置 れている軸受の保持器に後から潤滑油溜ま を設けることも容易となる。

 風力発電機の主軸は、一端側に大きくて い回転翼が設けられていることで、片持ち 態であり、また、回転翼が極低速で回転中 強制給油を行うポンプが止まることがあり この主軸を支持する軸受では、上記保持器 することが好ましい。このような風力発電 軸受は、外輪、内輪、複数の転動体および 数の転動体を保持する保持器を有しており 一端側に風力発電用の回転翼が設けられた 軸を支持する軸受であって、保持器が上記 ずれかのものとされる。

 この発明の転がり軸受用保持器およびそ を具備した風力発電用軸受によると、油浴 潤滑油が潤滑油溜まりに保持されて、軸受 上方において滴下されるので、潤滑性が向 し、例えば油浴潤滑と強制給油ポンプとの 合せで潤滑されている転がり軸受において 強制給油ポンプが停止したときであっても 極低速での潤滑が確保され、潤滑不良を防 することができる。

図1は、この発明による転がり軸受用保 持器およびそれを具備した風力発電用軸受が 対象とする風力発電装置の概略構成を示す垂 直断面図である。 図2は、この発明による転がり軸受用保 持器およびそれを具備した風力発電用軸受の 1例としての円すいころ軸受を示す縦断面図 ある。 図3は、この発明による転がり軸受用保 持器およびそれを具備した風力発電用軸受の 潤滑油供給の原理を模式的に示す図である。 図4は、この発明による転がり軸受用保 持器およびそれを具備した風力発電用軸受の 第1実施形態を示す図で,(a)は、要部の縦断面 、(b)は、要部の軸方向内面側から見た図で る。 図5(a)(b)は、この発明による転がり軸受 用保持器およびそれを具備した風力発電用軸 受の第2実施形態を示す要部の縦断面図であ 。 図6は、この発明による転がり軸受用保 持器およびそれを具備した風力発電用軸受の 第3実施形態を示す図で,(a)は、要部の縦断面 、(b)は、要部の軸方向内面側から見た図で る。 図7は、この発明による転がり軸受用保 持器およびそれを具備した風力発電用軸受の 第4実施形態を示す要部の縦断面図である。 図8は、この発明による転がり軸受用保 持器およびそれを具備した風力発電用軸受の 第5実施形態を示す要部の縦断面図である。 図9(a)(b)は、この発明による転がり軸受 用保持器およびそれを具備した風力発電用軸 受の第6実施形態を示す要部の縦断面図であ 。 図10(a)(b)は、この発明による転がり軸 用保持器およびそれを具備した風力発電用 受の第7実施形態を示す要部の縦断面図であ る。 図11は、この発明による転がり軸受用 持器およびそれを具備した風力発電用軸受 第8実施形態を示す図で,(a)は、要部の軸方 内面側から見た図、(b)は、(a)のb-b線に沿う 面図である。 図12は、この発明による転がり軸受用 持器およびそれを具備した風力発電用軸受 第9実施形態を示す図で,(a)は、要部の縦断 図、(b)は、要部の軸方向内面側から見た図 ある。

 この発明の実施の形態を、以下図面を参 して説明する。なお、以下の説明において 左右は、図2の左右をいうものとする。

 図1は、この発明による転がり軸受用保持 器が使用される1例である風力発電装置の概 構成を示している。また、図2から図4までに 、この発明による転がり軸受用保持器の第1 施形態を示している。

 風力発電装置(1)は、支持台(2)に水平旋回 在に支持されたハウジング(3)と、先端に回 翼(5)を有し水平軸回りに回転自在に支持さ た主軸(4)と、主軸(4)を支持する1対の転がり 軸受(6)と、ハウジング(3)内に装着された発電 機(7)と、主軸(4)と発電機(7)の入力軸とを結合 する増速機(8)とを備えている。

 転がり軸受(6)を支持している軸受ハウジ グ部(3a)には、潤滑油が保持されるように油 浴槽(図示せず)が配置されており、転がり軸 (6)は、油浴潤滑とされているとともに、図 省略したポンプにより強制的に給油される うになされている。

 転がり軸受(6)としては、1対の円すいころ 軸受が使用されており、各円すいころ軸受(6) は、図2に示すように、ハウジング(3)に取り けられる外輪(11)と、主軸(4)に取り付けられ 内輪(12)と、両輪(11)(12)間に配置された複数 円すいころ(13)と、複数の円すいころ(13)を 持するピン型保持器(14)とを有している。

 風力発電装置(1)で使用されている円すい ろ軸受(6)は、図2に一点鎖線で示すように、 例えば内輪(12)の外径の最下端位置よりも少 上方のレベルまで油浴槽に溜めた潤滑油が る油浴潤滑とされている。風力発電装置(1) 主軸(4)は、左端側に大きくて重い回転翼(5) 設けられていることで、片持ち状態であり 右端側の転がり軸受(6)には、上向きの力が 用している。このため、転がり軸受(6)の負 圏は、真下(最下部部分)ではなく、油浴潤滑 の潤滑油レベルよりも上方にあり、転がり軸 受(6)の上部では、大きな負荷を受けているに もかかわらず、潤滑油が供給されないことが 起こり得る。

 内輪(12)には、円すい状の軌道面(12a)の左 部に設けられて円すいころ(13)の軸方向の移 動を規制する小鍔部(12b)と、同右端部に設け れて円すいころ(13)の軸方向の移動を規制す る大鍔部(12c)とが設けられている。

 外輪(11)は、円すい状の軌道面(11a)を有し おり、その右端面は、内輪(12)の右端面より も左方(軸方向内方)にあり、その左端面は、 輪(3)の左端面よりも左方(軸方向外方)にあ 。

 ピン型保持器(14)は、軸方向に所定間隔を おいて配置される大径リング(大径環状部)(21) および小径リング(小径環状部)(22)と、両リン グ(21)(22)間に架け渡される複数のピン(23)とか らなる。各ピン(23)とリング(21)(22)とは、大径 リング(21)側では、ピン(23)端部に形成された ねじがめねじにねじ合わされるねじ固定と れ、小径リング(22)側では、ピン(23)端部が ング(22)に設けられた嵌合孔に挿入されて溶 される溶接固定とされている。各リング(21) (22)およびピン(23)は、合金鋼製とされており リング(21)(22)は熱処理されず、ピン(23)は焼 れ有りまたは高硬度材(通常、焼入れも有り )とされている。

 図4(a)(b)に示すように、ピン型保持器(14) 大径リング(21)の軸方向内側の面には、負荷 が真下にない転がり軸受(6)または負荷圏が 下でも負荷圏が広い転がり軸受(6)に生じや い潤滑油供給不良を解消可能なように、潤 油溜まり(24)が設けられている。ここで、従 来のものでは、円すいころ(13)に少なくとも 部が当接するように潤滑油溜まりが設けら ていたが、この潤滑油溜まり(24)は、円すい ろ(13)には当接しないように円すいころ(13) 円すいころ(13)との間に設けられている。潤 油溜まり(24)は、鍛造成形などで得られた大 径リング(21)に断面円形の有底の孔を加工す ことで得ることができる。図4では、潤滑油 まり(24)が大径リング(21)の径方向外側寄り かつ軸方向内側に設けられているが、潤滑 溜まり(24)は、大径リング(21)の径方向任意の 位置に設けることができ、また、大径リング (21)の軸方向外側に設けるようにしてもよい また、潤滑油溜まり(24)の底面形状について 、図示したように円すい状のものであって よいが、平坦状でもよい。

 図3は、大径リング(21)の1回転に伴う潤滑 溜まり(24)による潤滑油供給の原理を模式的 に示している。同図において、大径リング(21 )は反時計回りに回転するとして、AおよびBで 示す潤滑油溜まりは、油浴槽内にあり、内部 が潤滑油で満たされている。油浴槽から出た 潤滑油溜まりCおよびDからは自重によって潤 油が流れ出す。これにより、CおよびDの潤 油溜まりの回転方向後方にある円すいころ(1 3c)(13d)に潤滑油が滴下される。この状態では 潤滑油の粘性や潤滑油溜まり(24)の形状およ び開口の向きにより、ある程度の量の潤滑油 が潤滑油溜まり(24)内に残っており、この後 さらに回転して、EおよびFの潤滑油溜まり位 置に来ると、潤滑油溜まり(24)内の潤滑油は ぼ空になる。こうして、C、DおよびEの潤滑 溜まりによって、(13c)~(13e)の円すいころに潤 滑油が滴下される。

 上記原理から分かるように、潤滑油溜ま (24)の位置、数、形は種々変更可能であり、 保持器(14)および/または内輪(12)の形状を潤滑 油溜まり(24)の位置や形に応じて変更するよ にしてもよい。

 例えば、潤滑油溜まりは、軸方向内側の ではなく、大径リング(21)の径方向内側の面 に設けられてもよく、この際、図5(a)に示す うに、大径リング(21)の円筒状内径面に径方 内方から潤滑油溜まり(25)が設けられてもよ く、図5(b)に示すように、大径リング(21)の内 面にテーパ状の面取り部(21a)を形成して、 の面取り部に垂直となるように潤滑油溜ま (26)が設けられてもよい。

 また、潤滑油溜まりの形状も断面円形に られるものではなく、図6に示すように、潤 滑油溜まり(27)が径方向に長い長孔からなる うにしてもよい。

 また、図7に示すように、潤滑油溜まり(27 )の形状を変更するとともに、大径リング(28) 形状を変更してもよい。図7において、大径 リング(28)は、軸方向内側の面としてのテー 面(28a)と軸方向外側の面としての垂直面(28b) を有しており、従来軸方向内側のテーパ面( 28a)と略平行のテーパ面とされていた軸方向 側の面を垂直面(28b)とすることにより、径方 向外側の部分が厚肉とされており、これによ り、潤滑油溜まり(29)の深さ増(潤滑油保持容 アップ)が図られている。

 また、図8に示すように、内輪(12)の形状 一部変更してもよい。図8におい潤滑油溜ま (25)は、図5(a)に示したものと同じく、大径 ング(21)の円筒状内径面に径方向内方から孔 加工されることにより形成されたものであ 、その開口は、内輪(12)の大鍔部(12c)の外周 に臨まされている。そして、内輪(12)の大鍔 部(12c)の外周面には、この部分に滴下された 滑油を円すいころ(13)の大端面(13a)に向けて 動させるテーパ面(30)が形成されている。内 輪(12)の大鍔部(12c)と円すいころ(13)の大端面(1 3a)との接触面は、円すいころ軸受(6)において 最も焼付きが起こりやすいところであり、こ の部分の潤滑油の供給が内輪(12)のテーパ面(3 0)によって補助されていることで、耐焼付き が向上している。

 また、孔加工の上からは、面に対して垂 にあけるのが容易であることから、潤滑油 まりの開口の向きを調整するために、大径 ング(21)の軸方向内面に所定の角度で潤滑油 溜まり設置用面を形成してもよい。例えば、 図9(a)では、潤滑油溜まり設置用面(21b)は、垂 直面とされており、この潤滑油溜まり設置用 面(21b)に垂直に孔があけられることにより、 平に開口する潤滑油溜まり(31)が形成されて いる。また、図9(b)では、潤滑油溜まり設置 面(21c)は、図9(a)の垂直の潤滑油溜まり設置 面(21b)面よりもさらに逆方向に傾斜したテー パ面とされており、この潤滑油溜まり設置用 面(21c)に垂直に孔があけられることにより、 平よりも上方に開口する潤滑油溜まり(32)が 形成されている。

 なお、面に対して垂直に孔をあけること 限定されるものではなく、図10(a)に示すよ に、大径リング(21)の軸方向内面は加工せず 、水平に開口する潤滑油溜まり(33)を形成す るようにしてもよく、また、図10(b)に示すよ に、大径リング(21)の軸方向内面は加工せず に、水平よりも上方に開口する潤滑油溜まり (34)を形成するようにしてもよい。

 また、大径リング(21)の軸方向内面を基準 にして潤滑油溜まりの開口を傾斜させる場合 に、図10に示したような傾斜の他に、図11(a)(b )に示すように、潤滑油溜まり(35)の開口を回 方向に対して傾斜させるようにしてもよい このようにすることで、回転時に、潤滑油 まり(35)内に潤滑油が保持されやすいものと なる。

 上記図4から図11までに示す各実施形態で 、潤滑油溜まり(24)(25)(26)(27)(29)(31)(32)(33)(34) 、大径リング(21)(28)に孔加工を施すことで 成されているが、これに限定されるもので ない。すなわち、潤滑油溜まりとなる容器 の部材を例えば溶接により既存の大径リン (21)に一体化することで潤滑油溜まりを形成 ることもできる。その例を図12に示す。図12 において、図4に示した潤滑油溜まり(24)に似 形状を有する軸方向内方に開口した方形状 容器状部材からなる潤滑油溜まり(41)が大径 リング(21)の径方向外側面に固定されている 上記図3に示した潤滑効果は、このような容 状部材からなる潤滑油溜まり(41)によっても 得ることができる。しかも、容器状部材とす る場合、孔加工に伴う制約(開口の向きが大 リング形状によって制限される点、厚みが い場合に強度確保が難しくなる点、孔加工 手間がかかる点)がなく、プレス鋼板製の保 器のような場合にも、容易に潤滑油溜まり 追加することができる。

 なお、上記実施形態においては、単列の すいころ軸受(6)を例にとって説明したが、 記潤滑油溜まり(24)(25)(26)(27)(29)(31)(32)(33)(34)( 41)を設ける軸受としては、複列の円すいころ 軸受であってもよいことはもちろんであり、 同様のピン型保持器を使用する円筒ころ軸受 や自動調心ころ軸受に適用することもできる 。また、図示省略するが、保持器(14)につい も、ピン型保持器に限られるものではない 各種保持器は、少なくとも1つの環状部を有 ており、この環状部を上記の大径リング(21) (28)と同等の構成とみなして、これに上記の(2 4)(25)(26)(27)(29)(31)(32)(33)(34)(41)を設けることに り、各種保持器を潤滑不足改良可能な保持 に変更することができる。