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Patent Searching and Data


Title:
RETINOID PRODRUG COMPOUND
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/057199
Kind Code:
A1
Abstract:
A compound represented by the following general formula (I), which is converted into retinoid after being absorbed in vivo, or its salt or ester: wherein R1 to R5 represent each a hydrogen atom, an alkyl group or a trialkylsilyl group; X represents -NH-CO-, -CO-NH-, -N(COR6)-CO-, -CO-N(COR7)- (wherein R6 and R7 represent each a lower alkoxy group or a carboxy-substituted phenyl group), etc.; and Z represents -Y-CH(R12)-COOH, -CHO, -CH=CH-COOH or -COOR13 (wherein Y represents a single bond, -CH2-, -CH(OH)-, -CO-, -CO-NH- or -CO-NH-CH2-CO-NH-; R12 represents a hydrogen atom, or a lower alkyl group; and R13 represents a hydrogen atom, -CH(R14)-COOH (wherein R14 represents a hydrogen atom, a lower alkyl group or a hydroxyl group), -[CH2CH2-O]n-CH2-CH2-OH, -CH2-O-[CH2CH2-O]m-CH2-OH or -[CH(CH3)-CO-O]p-CH(CH3)-COOH (wherein n, m and p represent each an integer of 1 to 100).

Inventors:
MURATAKE HIDEAKI (JP)
SHUDO KOICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/071184
Publication Date:
May 07, 2009
Filing Date:
October 31, 2007
Export Citation:
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Assignee:
RES FOUND ITSUU LAB (JP)
MURATAKE HIDEAKI (JP)
SHUDO KOICHI (JP)
International Classes:
C07C235/88; C07C235/84; C07C237/48; C07C237/52; C07C271/30; C07F7/10
Domestic Patent References:
WO1999024415A11999-05-20
Foreign References:
JPH11507960A1999-07-13
JPH02247185A1990-10-02
Other References:
None
Attorney, Agent or Firm:
SIKs & Co. (Kyobashi-Nisshoku Bldg.8-7, Kyobashi 1-chom, Chuo-ku Tokyo 31, JP)
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Claims:
下記の一般式(I):
〔式中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、及びR 5 はそれぞれ独立に水素原子、低級アルキル基、又はトリ低級アルキルシリル基を示し、それらのうちの隣接する2つの低級アルキル基は一緒になってそれらが結合するベンゼン環上の炭素原子とともに1又は2以上のアルキル基を有することもある5員環又は6員環を形成してもよく;X は-NH-CO-、-CO-NH-、-N(COR 6 )-CO-、-CO-N(COR 7 )-、-CO-N[CON(R 8 )(R 9 )]-、又は-N[CON(R 10 )(R 11 )](R 6 及びR 7 は低級アルコキシ基(該アルコキシ基は置換基を有していてもよい)又はフェニル基(該フェニル基は少なくとも1個のアルコキシカルボニル基又はカルボキシ基を置換基として有し、その他の置換基を有していてもよい)を示し、R 8 、R 9 、R 10 、及びR 11 はそれぞれ独立に水素原子又は低級アルキル基を示す)を示し;Zは-Y-CH(R 12 )-COOH、-CHO、-CH=CH-COOH、又は-COOR 13 (Yは単結合、-CH 2 -、-CH(OH)-、-CO-、-CO-NH-、又は-CO-NH-CH 2 -CO-NH-を示し、R 12 は水素原子又は低級アルキル基を示し、R 13 は水素原子、-CH(R 14 )-COOH(R 14 は水素原子、低級アルキル基、又は水酸基を示す)、-[CH 2 CH 2 -O] n -CH 2 -CH 2 -OH(nは1から100の整数を示す)、-CH 2 -O-[CH 2 CH 2 -O] m -CH 2 -OH(mは1から100の整数を示す)、又は-[CH(CH 3 )-CO-O] p -CH(CH 3 )-COOH(pは1から100の整数を示す)を示すが、X が-NH-CO-又は-CO-NH-の場合にはR 13 は水素原子以外の基を示す〕で表される化合物又はその塩、あるいはそのエステル。
XとZがこれらが結合するベンゼン環上においてパラ位である請求項1に記載の化合物又はその塩、あるいはそのエステル。
R 1 、R 4 、及びR 5 が水素原子であり、R 2 及びR 3 が互いに結合してそれらが結合するベンゼン環とともに5,5,8,8-テトラメチル-5,6,7,8- テトラヒドロナフタレン環を形成する請求項1に記載の化合物又はその塩、あるいはそのエステル。
R 1 、R 3 、及びR 5 が水素原子であり、R 2 及びR 4 がトリメチルシリル基である請求項1に記載の化合物又はその塩、あるいはそのエステル。
X が-N(COR 6 )-CO-又は-CO-N(COR 7 )-(R 6 又はR 7 はメトキシ基又はエトキシ基である)であり、Zが-COOR 13 (R 13 は水素原子である)である請求項1に記載の化合物又はその塩、あるいはそのエステル。
Xが-NH-CO-(該アミド基の炭素原子はZが置換するベンゼン環に結合する)であり、Zが-Y-CH(R 12 )-COOH(Yは-CH 2 -、-CH(OH)-、又は-CO-である)又は-COOR 13 である請求項1に記載の化合物又はその塩、あるいはそのエステル。
Description:
レチノイドプロドラッグ化合物

 本発明は、生体内においてレチノイン酸 どのレチノイドと同様な生理活性を発揮す レチノイドプロドラッグ化合物に関するも である。

 レチノイン酸(ビタミンA酸)はビタミンAの 活性代謝産物であり、発生途上にある未熟な 細胞を特有な機能を有する成熟細胞へと分化 させる作用や、細胞の増殖促進作用や生命維 持作用などの極めて重要な生理作用を有して いる。これまでに合成された種々のビタミン A誘導体、例えば、特開昭61-22047号公報や特開 昭61-76440号公報記載の安息香酸誘導体、及び ャーナル・オブ・メディシナル・ケミスト ー(Journal of Medicinal Chemistry, 1988, Vol. 31,  No. 11, p.2182)に記載の化合物なども、同様な 理作用を有することが明らかにされている レチノイン酸及びレチノイン酸様の生物活 を有する上記化合物は「レチノイド」と総 されている。

 例えば、オール・トランス(all-trans)・レ ノイン酸は、細胞核内に存在する核内レセ ター・スーパーファミリー (Evans, R.M., Scien ce, 240, p.889, 1988) に属するレチノイン酸レ プター(RAR)にリガンドとして結合して、動 細胞の増殖・分化あるいは細胞死などを制 することが明らかにされている(Petkovich, M., et al., Nature, 330, pp.444-450, 1987)。また、レ ノイン酸の生理活性の発現については、レ ノイドX レセプター(RXR, 9-cis-レチノイン酸 をリガンドとする)の存在が証明されている レチノイドX レセプターは、レチノイン酸 セプター(RAR) と二量体を形成し、遺伝子の 写を惹起ないし抑制して、レチノイン酸の 理活性の発現を調節していることが明らか された(Mangelsdorf, D.J. et al., Nature, 345, pp. 224-229) 。

 レチノイン酸様の生物活性を有する上記 合物(例えば、4-[(5,6,7,8-テトラヒドロ-5,5,8,8- テトラメチル-2-ナフタレニル)カルバモイル] 息香酸: Am80など)も、レチノイン酸と同様 RAR に結合して生理活性を発揮することが示 唆されている(Hashimoto, Y., Cell struct. Funct.,  16, pp.113-123, 1991; Hashimoto, Y., et al., Biochem.  Biophys. Res. Commun., 166, pp.1300-1307, 1990を参 )。これらの化合物は、臨床的には、ビタミ ンA欠乏症、上皮組織の角化症、リウマチ、 延型アレルギー、骨疾患、及び白血病やあ 種の癌の治療や予防に有用であることが見 されている。例えば、Am80は再発白血病の治 剤として臨床的に用いられており、4-[3,5-ビ ス(トリメチルシリル)ベンズアミド]安息香酸 (Am555S、特開平2-247185号公報等)は経口投与可 な抗腫瘍剤として米国で臨床開発中である

 このようにレチノイドは癌治療薬や皮膚科 薬などに用いられ、そのほかの種々の難治 疾患の治療薬として大きな可能性を有して る。しかしながら、現在用いられているレ ノイドは副作用などの観点から決して満足 べきものではなく、ターゲット臓器への選 性の増強や酸性基による臓器障害の減少の か、特に経口投与における消化管への直接 用の軽減などの点で改良が求められている 後者の問題は生体内に吸収された後にレチ イドに変換される性質を有するレチノイド ロドラッグ化合物を提供することにより解 できる可能性があるが、従来、そのような 点で提案された化合物はほとんどない。

特開昭61-22047号公報

特開昭61-76440号公報

特開平2-247185号公報 Journal of Medicinal Chemistry, 31, No. 11, p.2 182, 1988 Cell struct. Funct., 16, pp.113-123, 1991 Biochem. Biophys. Res. Commun., 166, pp.1300-1307 , 1990

 本発明の課題は、生体内に吸収された後 レチノイドに変換される性質を有するレチ イドプロドラッグ化合物を提供することに る。より具体的には、それ自体はレチノイ としての生理作用を有していないか、ある は弱いレチノイド作用を有する化合物であ て、生体内に吸収された後に酵素的な化学 化を受けて強力なレチノイドに変換される チノイドプロドラッグ化合物を提供するこ が本発明の課題である。

 本発明者は上記の課題を解決すべく鋭意 力した結果、下記の一般式で示される化合 がレチノイドプロドラッグ化合物として極 て有用であることを見出し、本発明を完成 るに至った。

 すなわり、本発明により、下記の一般式(I):
〔式中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、及びR 5 はそれぞれ独立に水素原子、低級アルキル基 、又はトリ低級アルキルシリル基を示し、そ れらのうちの隣接する2つの低級アルキル基 一緒になってそれらが結合するベンゼン環 の炭素原子とともに1又は2以上のアルキル基 を有することもある5員環又は6員環を形成し もよく;X は-NH-CO-、-CO-NH-、-N(COR 6 )-CO-、-CO-N(COR 7 )-、-CO-N[CON(R 8 )(R 9 )]-、又は-N[CON(R 10 )(R 11 )](R 6 及びR 7 は低級アルコキシ基(該アルコキシ基は置換 を有していてもよい)又はフェニル基(該フェ ニル基は少なくとも1個のアルコキシカルボ ル基又はカルボキシ基を置換基として有し その他の置換基を有していてもよい)を示し R 8 、R 9 、R 10 、及びR 11 はそれぞれ独立に水素原子又は低級アルキル 基を示す)を示し;Zは-Y-CH(R 12 )-COOH、-CHO、-CH=CH-COOH、又は-COOR 13 (Yは単結合、-CH 2 -、-CH(OH)-、-CO-、-CO-NH-、又は-CO-NH-CH 2 -CO-NH-を示し、R 12 は水素原子又は低級アルキル基を示し、R 13 は水素原子、-CH(R 14 )-COOH(R 14 は水素原子、低級アルキル基、又は水酸基を 示す)、-[CH 2 CH 2 -O] n -CH 2 -CH 2 -OH(nは1から100の整数を示す)、-CH 2 -O-[CH 2 CH 2 -O] m -CH 2 -OH(mは1から100の整数を示す)、又は-[CH(CH 3 )-CO-O] p -CH(CH 3 )-COOH(pは1から100の整数を示す)を示すが、X  -NH-CO-又は-CO-NH-の場合にはR 13 は水素原子以外の基を示す〕で表される化合 物又はその塩が提供される。

 上記発明の好ましい態様によれば、XとZが ラ位である上記化合物又はその塩;R 1 、R 4 、及びR 5 が水素原子であり、R 2 及びR 3 が低級アルキル基である上記化合物又はその 塩;R 1 、R 4 、及びR 5 が水素原子であり、R 2 及びR 3 が互いに結合して6員環を形成する上記化合 又はその塩;R 1 、R 4 、及びR 5 が水素原子であり、R 2 及びR 3 が互いに結合して5,5,8,8-テトラメチル-5,6,7,8- テトラヒドロナフタレン環を形成する上記 合物又はその塩;R 1 、R 3 、及びR 5 が水素原子であり、R 2 及びR 4 がトリメチルシリル基である上記化合物又は その塩が提供される。

 また、さらに好ましい態様によれば、X が- N(COR 6 )-CO-又は-CO-N(COR 7 )-(R 6 又はR 7 はメトキシ基又はエトキシ基、あるいはカル ボキシル基で置換されたフェニル基である) あり、Zが-COOR 13 (R 13 は水素原子である)である上記化合物又はそ 塩;Xが-NH-CO-(該アミド基の炭素原子はZが置換 するベンゼン環に結合する)であり、Zが-Y-CH(R 12 )-COOH(Yは-CH 2 -、-CH(OH)-、又は-CO-である)又は-COOR 13 である上記化合物又はその塩が提供される。

 別の観点からは、上記一般式で表される 合物及び生理学的に許容されるそれらの塩 有効成分として含む医薬が提供される。こ 医薬は、レチノイド様作用剤として有用で る。さらに、上記の医薬の製造のための上 化合物又はその塩の使用が提供される。

 上記一般式(I) において、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、及びR 5 はそれぞれ独立に水素原子、低級アルキル基 、又はトリ低級アルキルシリル基を示す。低 級アルキル基としては、炭素数1ないし6個程 、好ましくは炭素数1ないし4個の直鎖又は 枝鎖のアルキル基を用いることができる。 えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、 イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、 又はtert- ブチル基などを用いることができ 。本明細書において言及する他の低級アル ル基についても同様であり、アルキル部分 有する置換基(例えばアルコキシ基)のアルキ ル部分についても同様である。トリ低級アル キルシリル基としては例えばトリメチルシリ ル基が好ましい。例えば、R 1 、R 4 、及びR 5 が水素原子であり、R 2 及びR 3 が低級アルキル基であることが好ましい。ま た、R 1 、R 3 、及びR 5 が水素原子であり、R 2 及びR 4 がトリ低級アルキルシリル基であることが好 ましく、R 1 、R 3 、及びR 5 が水素原子であり、R 2 及びR 4 がトリメチルシリル基であることがさらに好 ましい。

 R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、及びR 5 からなる群から選ばれる隣接する2つの低級 ルキル基が一緒になって、それらが結合す ベンゼン環上の炭素原子とともに1又は2以上 のアルキル基を有することもある5員環又は6 環を1個又は2個、好ましくは1個形成しても い。環上に置換可能なアルキル基としては 炭素数1ないし6個程度、好ましくは炭素数1 いし4個の直鎖又は分枝鎖のアルキル基を用 いることができる。例えば、メチル基、エチ ル基などを用いることができ、好ましくは2~4 個のメチル基、さらに好ましくは4個のメチ 基が置換していてもよい。例えば、R 2 及びR 3 が置換するベンゼン環とR 2 及びR 3 とにより、5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン環 5,5,8,8-テトラメチル-5,6,7,8- テトラヒドロナ フタレン環などが形成されることが好ましい 。

 X は-NH-CO-、-CO-NH-、-N(COR 6 )-CO-、-CO-N(COR 7 )-、-CO-N[CON(R 8 )(R 9 )]-、又は-N[CON(R 10 )(R 11 )]を示し、R 6 及びR 7 は置換基を有していてもよい低級アルコキシ 基を示すか、フェニル基(該フェニル基は少 くとも1個のアルコキシカルボニル基又はカ ボキシ基を置換基として有し、その他の置 基を有していてもよい)を示し、R 8 、R 9 、R 10 、及びR 11 はそれぞれ独立に水素原子又は低級アルキル 基を示す。XとZとはこれらが結合するベンゼ 環上においてパラ位であることが好ましい X としては-NH-CO-(該アミド基の炭素原子はZ 置換するベンゼン環に結合する)が好ましい 。X が-N(COR 6 )-CO-、-CO-N(COR 7 )-、-CO-N[CON(R 8 )(R 9 )]-、又は-N[CON(R 10 )(R 11 )]を示す場合にはZが-COOHであることが好まし 。Xが-NH-CO-(該アミド基の炭素原子はZが置換 するベンゼン環に結合する)である場合には Zは-Y-CH(R 12 )-COOH(Yは-CH 2 -、-CH(OH)-、又は-CO-であることが好ましく、Y -CH 2 -であることがより好ましい)又は-COOR 13 (R 13 は水素原子以外の基である)であることが好 しい。m、n、及びpはそれぞれ1~100の整数を示 すが、それぞれ5~50程度、より好ましくは5~30 度の範囲であってもよい。

 上記化合物は塩基付加塩を形成する場合 あり、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩 マグネシウム塩、若しくはカルシウム塩な の金属塩、アンモニウム塩、又はトリエチ アミン塩若しくはエタノールアミン塩など 有機アミン塩などとして存在することがあ が、このような塩のうち、生理学的に許容 れる塩を本発明の医薬の有効成分として用 ることができる。また、上記化合物では、Z 部位に存在するカルボキシル基がエステルを 形成していてもよい。本明細書において、「 化合物又はその塩、あるいはそのエステル」 と呼ぶ場合のエステルはZ部位に存在するカ ボキシル基がエステルを形成する場合を意 する。

 上記エステルとしては生理学的に許容さ るエステルが好ましい。好適なエステル残 の具体例としては、例えば、メチル基、エ ル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチ 基、イソブチル基、t-ブチル基、ベンジル 、アセトキシメチル基、1-(アセトキシ)エチ 基、プロピオニルオキシメチル基、1-(プロ オニルオキシ)エチル基、ブチリルオキシメ チル基、1-(ブチリルオキシ)エチル基、イソ チリルオキシメチル基、1-(イソブチリルオ シ)エチル基、バレリルオキシメチル基、1-( レリルオキシ)エチル基、イソバレリルオキ シメチル基、1-(イソバレリルオキシ)エチル 、ピバロイルオキシメチル基、1-(ピバロイ オキシ)エチル基、メトキシカルボニルオキ メチル基、1-(メトキシカルボニルオキシ)エ チル基、エトキシカルボニルオキシメチル基 、1-(エトキシカルボニルオキシ)エチル基、 ロポキシカルボニルオキシメチル基、1-(プ ポキシカルボニルオキシ)エチル基、イソプ ポキシカルボニルオキシメチル基、1-(イソ ロポキシカルボニルオキシ)エチル基、ブト キシカルボニルオキシメチル基、1-(ブトキシ カルボニルオキシ)エチル基、イソブトキシ ルボニルオキシメチル基、1-(イソブトキシ ルボニルオキシ)エチル基、t-ブトキシカル ニルオキシメチル基、1-(t-ブトキシカルボニ ルオキシ)エチル基、シクロペンタンカルボ ルオキシメチル基、1-(シクロペンタンカル ニルオキシ)エチル基、シクロヘキサンカル ニルオキシメチル基、1-(シクロヘキサンカ ボニルオキシ)エチル基、シクロペンチルオ キシカルボニルオキシメチル基、1-(シクロペ ンチルオキシカルボニルオキシ)エチル基、 クロヘキシルオキシカルボニルオキシメチ 基、1-(シクロヘキシルオキシカルボニルオ シ)エチル基、ベンゾイルオキシメチル基、1 -(ベンゾイルオキシ)エチル基、フェノキシカ ルボニルオキシメチル基、1-(フェノキシカル ボニルオキシ)エチル基、(5-メチル-2-オキソ-1 ,3-ジオキソレン-4-イル)メチル基、又は2-トリ メチルシリルエチル基などを挙げることがで きるが、これらに限定されることはない。

 また、本発明の化合物は、置換基の種類 応じて1個または2個以上の不斉炭素を有す 場合があるが、これらの不斉炭素に基づく 意の光学異性体、光学異性体の任意の混合 、ラセミ体、2個以上の不斉炭素に基づくジ ステレオ異性体、ジアステレオ異性体の任 の混合物などは、いずれも本発明の範囲に 含される。さらに、遊離化合物又は塩の形 の化合物の任意の水和物又は溶媒和物も本 明の範囲に包含される。

 本発明の化合物のうち、好ましい化合物 して以下の化合物を挙げることができるが 本発明の化合物、又は本発明の医薬の有効 分として利用可能な化合物は下記の化合物 限定されることはない。例示化合物中、Me メチル基、Etはエチル基、nは例えば12程度の 整数を示す(分子量600のPEGを用いた場合にはn 約12.2となる)。

 上記の一般式(I)で表される化合物の製造方 については、上記の化合物のうちの代表的 合物についての合成例が本明細書の実施例 具体的かつ詳細に示されている。また、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、及びR 5 が置換するベンゼン環の修飾については、例 えばAm80やAm555Sの製造方法を記載した公知文 を参考にすることができる。従って、これ の実施例や公知文献を参照することにより さらに必要に応じてこれらの方法に適宜の 変や修飾を加えることにより、上記一般式(I )に包含される任意の化合物を当業者は容易 製造することが可能である。

 上記の一般式(I)で表される化合物は、そ 自体はレチノイドとしての生理作用を有し いないか、あるいは弱いレチノイド作用を する化合物であり、生体内に吸収された後 酵素的な化学変化を受けて強力なレチノイ に変換され、レチノイドレセプターに結合 てレチノイド様の作用を発揮する。本明細 において用いられる「レチノイドレセプタ 」という用語は、レチノイン酸レセプターR AR 及びRXR を包含しており、レチノイン酸な どのレチノイドが相互作用可能なレセプター の1種又は2種以上を意味している。上記化合 はレチノイドのプロドラッグとして有用で り、上記化合物を有効成分として含む医薬 、レチノイド作用剤として有用である。い なる特定の理論に拘泥するわけではないが 本発明の一般式(I)で表される化合物がレチ イド様の作用を発揮するためには、上記一 式(I)においてZがカルボキシル基の化合物に 代謝される必要があり、このカルボキシル基 を有する化合物が活性代謝物となってレチノ イド様の作用を発揮する。レチノイド様作用 を有する上記活性代謝物は、例えば、細胞分 化作用、細胞増殖促進作用、及び生命維持作 用などを有しており、ビタミンA欠乏症、上 組織の角化症、乾癬、アレルギー疾患、リ マチなどの免疫性疾患、骨疾患、白血病、 は癌に対して予防及び/又は治療作用を発揮 る。

 上記の一般式(I)で表される化合物をレチ イドプロドッラッグ化合物として含む医薬 、上記の一般式式(I)で表される化合物及び の塩、並びにそれらの水和物及び溶媒和物 らなる群から選ばれる物質の1種または2種 上を有効成分として含んでいる。本発明の 薬としては上記物質それ自体を投与しても いが、好ましくは、当業者に周知の方法に って製造可能な経口用あるいは非経口用の 薬組成物として投与することができる。経 投与に適する医薬用組成物としては、例え 、錠剤、カプセル剤、散剤、細粒剤、顆粒 、液剤、及びシロップ剤等を挙げることが き、非経口投与に適する医薬組成物として 、例えば、注射剤、坐剤、吸入剤、点眼剤 点鼻剤等を挙げることができる。

 上記の医薬組成物は、薬理学的、製剤学 に許容しうる添加物を加えて製造すること できる。薬理学的、製剤学的に許容しうる 加物の例としては、例えば、賦形剤、崩壊 ないし崩壊補助剤、結合剤、滑沢剤、コー ィング剤、色素、希釈剤、基剤、溶解剤な し溶解補助剤、等張化剤、pH調節剤、安定 剤、噴射剤、及び粘着剤等を挙げることが きる。

 本発明の医薬の投与量は特に限定されず その作用の種類や作用の強弱などに応じて 宜選択することができ、さらに患者の体重 年齢、疾患の種類や症状、投与経路など通 考慮すべき種々の要因に応じて、適宜増減 ることができる。一般的には、レチノイン などを医薬として用いる場合の投与量に準 て、プロドラッグの吸収効率や代謝効率を 案して適宜選択することが可能である。例 ば、経口投与の場合には成人一日あたり 0. 01 ~1,000 mg程度の範囲で用いることができる

 以下、本発明を実施例によりさらに具体的 説明するが、本発明の範囲は下記の実施例 範囲に限定されることはない。
例1:2-[2-(2-ヒドロキシ)エトキシ]エチル 4-[(5,6 ,7,8-テトラヒドロ-5,5,8,8-テトラメチル-2-ナフ ル)カルバモイル]ベンゾアート
 氷冷したAm-80 (1, 40 mg, 0.114 mmol)とトリエ ルアミン(48 μl, 0.345 mmol)のジクロロメタ (2.5 ml)溶液にクロロギ酸イソブチル(16・l, 0 .123 mmol)を添加し、1時間攪拌した。この反応 液にトリエチレングリコール(152 μl, 1.14 mmo l)を加え、さらに室温にて16時間攪拌した。 和重曹水を加え、酢酸エチルにて抽出した 有機層を水洗、無水硫酸ナトリウム上で乾 後、溶媒を留去し残渣をシリカゲルカラム ロマトグラフィー(7-10% メタノール-クロロ ルムにて溶出)で精製することにより表記化 物2を44 mg (80%)得た。
無色微細針状晶、融点123.5-124.5℃ (ジクロロ タン-ヘキサン)
MS (m/z): 483 (M + , 15), 468 (21), 378 (4), 318 (13), 291 (7), 149  (15), 104 (16), 89 (9), 75 (8), 58 (8), 45 (100), 31 (14)
IR (KBr) cm -1 : 1711, 1646
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 1.28 (6H, s), 1.30 (6H, s), 1.69 (4H, s), 2 .48 (1H, br s, OH), 3.58-3.64 (2H, m), 3.66-3.75 (6 H, m), 3.84-3.89 (2H, m), 4.50-4.55 (2H, m), 7.31 ( 1H, d, J=8.5 Hz), 7.45 (1H, dd, J=8.5, 2.5 Hz), 7. 55 (1H, d, J=2.5 Hz), 7.92 (2H,  A 2 B 2 , J=8 Hz), 7.94 (1H, br s, CONH), 8.15 (2H, A 2 B 2 , J=8 Hz).

例2:Am-80のヘキサエチレングリコールエステ
 上記と全く同様にしてAm-80 (1, 40 mg, 0.114  mmol)とヘキサエチレングリコール(322 mg, 1.14 mmol)から表記化合物3 (49 mg, 70%)を得た。
無色ガラス状物質
MS (m/z): 615 (M + , 5), 600 (2), 378 (3), 362 (3), 334 (3), 318 (3) , 291 (4), 193 (3), 149 (4), 133 (4), 104 (7), 89  (21), 45 (100)
IR (CHCl 3 ) cm -1 : 1713, 1669
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 1.28 (6H, s), 1.30 (6H, s), 1.69 (4H, s), 2 .28 (1H, br s, OH), 3.55-3.74 (20H, m), 3.82-3.88 ( 2H, m), 4.47-4.53 (2H, m), 7.30 (1H, d, J=8.5 Hz), 7.46 (1H, dd, J=8.5, 2.5 Hz), 7.57 (1H, d, J=2.5  Hz), 7.94 (2H,  A 2 B 2 , J=8 Hz), 8.14 (2H, A 2 B 2 , J=8 Hz), 8.20 (1H, br s, CONH).

例3:Am-80のポリエチレングリコール(平均分子 600)エステル
 上記と全く同様にしてAm-80 (1, 60 mg, 0.171  mmol)とポリエチレングリコール(1.026 g, 約1.71  mmol)から表記化合物4 (132 mg, 約83%)を得た
無色飴状物質
MS (m/z): 703 (corresponding to octaethylene derivativ e, 0.3), 672 (0.3), 615 (0.3), 351 (24), 336 (100),  149 (68), 121 (23), 104 (21), 65 (28), 45 (33)
IR (CHCl 3 ) cm -1 : 1713, 1668
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 1.27 (6H, s), 1.28 (6H, s), 1.68 (4H, s), 3 .00 (1H, br s, OH), 3.55-3.73 (ca. 45H, m), 3.81-3. 87 (2H, m), 4.46-4.52 (2H, m), 7.28 (1H, d, J=8.5  Hz), 7.51 (1H, dd, J=8.5, 2 Hz), 7.62 (1H, d, J=2 Hz), 8.01 (2H,  A 2 B 2 , J=8 Hz), 8.10 (2H, A 2 B 2 , J=8 Hz), 8.74 (1H, br s, CONH).

例4:(S)-1-(ベンジルオキシカルボニル)エチル  4-[[3,5-ジ(トリメチルシリル)フェニル]カルバ イル]ベンゾアート
 Am-55S (3, 60 mg, 0.156 mmol)とL-乳酸ベンジル (31 mg, 0.172 mmol)のジクロロメタン(3 ml)溶液 にジシクロヘキシルカルボジイミド(39 mg, 0. 189 mmol)と4-ジメチルアミノピリジン(2 mg, 16. 4 μmol)を添加し、室温下5時間攪拌した。飽 重曹水を加え、酢酸エチルにて抽出した。 機層を水洗し、無水硫酸ナトリウム上乾燥 た後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲル ラムクロマトグラフィー(クロロホルムにて 出)で精製することにより表記化合物4を56 m g (66%)得た。
無色飴状物
MS (m/z): 547 (M + , 18), 368 (4), 311 (5), 104 (6), 91 (100), 73 (1 1).  IR (CHCl 3 ) cm -1 : 1721, 1671
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 0.29 (18H, s), 1.65 (3H, d, J=7 Hz), 5.17 ( 1H, d, J=12.5 Hz), 5.23 (1H, d, J=12.5 Hz), 7.30-7. 37 (5H, m), 7.46 (1H, t, J=0.5 Hz), 7.80 (2H, br  s), 7.93 (2H,  A 2 B 2 , J=8.5 Hz), 8.13 (2H, A 2 B 2 , J=8.5 Hz), 8.13 (1H, br s, CONH).

例5:(S)-1-(カルボキシル)エチル 4-[[3,5-ジ(トリ メチルシリル)フェニル]カルバモイル]ベンゾ アート
 上記で得た化合物6 (54 mg, 98.7 μmol)とパラ ジウム-炭素 (10%, 6 mg)のメタノール(4 ml)  濁液を大気圧の水素雰囲気下30分間接触還元 した。反応液をセライトろ過し、セライトを 10% メタノール-クロロホルムにて洗浄した。 溶媒を留去後得られる結晶を再結晶すること により、表記化合物7 (38 mg, 84%)を得た。
無色鱗片状晶、融点198-200℃ (ジクロロメタ -ヘキサン)
MS (m/z): 457 (M + , 89), 370 (93), 221 (33), 176 (39), 149 (60), 129  (29), 104 (35), 75 (29), 73 (100)
IR (CHCl 3 ) cm -1 : 1720, 1709, 1644, 1626
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 0.30 (18H, s), 1.72 (3H, d, J=7 Hz), 5.42 ( 1H, q, J=7 Hz), 7.46 (1H, br s), 7.77 (2H, br s),  7.80 (1H, br s, CONH), 7.97 (2H,  A 2 B 2 , J=8.5 Hz), 8.21 (2H, A 2 B 2 , J=8.5 Hz).

例6:(S)-O-tert-ブチル乳酸ベンジルエステル
 (S)-乳酸ベンジルエステル (18.0 g, 0.100 mol) と二炭酸ジ-t-ブチル (54.5 g, 0.250 mol)のジク ロロメタン(100 ml)溶液に過塩素酸マグネシウ ム (2.23 g, 10 mmol)を加え、24時間加熱還流し た。放冷後、反応液を飽和重曹水に注ぎ、酢 酸エチルにて抽出した。有機層を水洗し、無 水硫酸ナトリウム上で乾燥した後、溶媒を留 去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグ ラフィー [ヘキサン-酢酸エチル(19:1) にて溶 出]で精製することにより、回収原料 (3.11 g,  17%) とともに表記化合物8 (18.4 g, 78%)を無 油状物として得た。
IR (neat) cm -1 : 1747
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 1.18 (9H, s), 1.35 (3H, d, J=7 Hz), 4.16 (1 H, q, J=7 Hz), 5.13 (1H, d, J=12.5 Hz), 5.19 (1H, d, J=12.5 Hz), 7.29-7.42 (5H, m).

例7:O-t-ブチル乳酸二量体ベンジルエステルの 調製
 上記で得た化合物8 (660 mg, 2.80 mmol) とパ ジウム-炭素 (10%, 42 mg)のメタノール (12 m l) 懸濁液を大気圧の水素雰囲気下1時間接触 元した。反応液をセライトろ過し、セライ を10% メタノール-クロロホルムにて洗浄。 媒を留去後382 mgの残渣を得た。この残渣と 乳酸ベンジル (471 mg, 2.62 mmol) のジクロロ タン(8 ml) 溶液にジシクロヘキシルカルボ イミド(DCC, 664 mg, 3.22 mmol)と4-ジメチルア ノピリジン(15 mg, 0.123 mmol)を添加し、室温 下27時間攪拌した。反応液を氷浴にて冷却後 エチルアルコール(0.45 ml, 7.72 mmol)と酢酸  (0.12 ml, 2.10 mmol)を添加し、攪拌して過剰のD CCを分解した。飽和重曹水を加え、セライト 過し、酢酸エチルにて抽出した。有機層を 洗、無水硫酸ナトリウム上乾燥後、溶媒を 去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグ フィー[ヘキサン-酢酸エチル(6:1) にて溶出] で精製することにより表記化合物9 (688 mg, 8 0%)を無色粘稠性油状物として得た。
IR (neat) cm -1 : 1747
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 1.19 (9H, s), 1.35 (3H, d, J=7 Hz), 1.52 (3 H, d, J=7 Hz), 4.18 (1H, q, J=7 Hz), 5.16 (2H, s) , 5.19 (1H, q, J=7 Hz), 7.30-7.40 (5H, m).

例8:O-t-ブチル乳酸四量体ベンジルエステルの 調製
 上記で得た化合物9 (80 mg, 0.260 mmol) のジ ロロメタン(0.8 ml) 溶液を氷冷し、トリフ ロ酢酸 (0.20 ml) を添加して30分間攪拌し、 らに室温下30分間攪拌した。飽和重曹水を え、酢酸エチルにて抽出した。無水硫酸ナ リウム上で乾燥した後、溶媒を留去し、67 m gの残渣-1を得た。一方、9 (80 mg, 0.260 mmol)  とパラジウム-炭素 (10%, 5 mg)のメタノール  (3 ml) 懸濁液を大気圧の水素雰囲気下1時間 触還元した。常法処理して60 mgの残渣-2を得 た。残渣-1と残渣-2とを併せてジクロロメタ (2.5 ml) に溶解し、ジシクロヘキシルカルボ ジイミド(60 mg, 0.291 mmol)と4-ジメチルアミノ ピリジン(3 mg, 24.6 μmol)を添加し、室温下18 間攪拌した。常法で処理した後、シリカゲ カラムクロマトグラフィー[ヘキサン-酢酸 チル(5:1) にて溶出]で精製することにより表 記化合物10 (99 mg, 84%)を無色粘稠性油状物と して得た。
IR (neat) cm -1 : 1748, 1670
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 1.21 (9H, s), 1.39 (3H, d, J=7 Hz), 1.517 ( 3H, d, J=7 Hz), 1.520 (3H, d, J=7 Hz), 1.57 (3H,  d, J=7 Hz), 4.20 (1H, q, J=7 Hz), 5.10-5.23 (5H, m ), 7.28-7.40 (5H, m).

例9:Am-55s (5)の乳酸四量体エステル(ベンジル ステル)
 上記で得た化合物10 (84 mg, 0.186 mmol) のジ クロロメタン(0.8 ml) 溶液を氷冷し、トリフ オロ酢酸 (0.20 ml) を添加して15分間攪拌、 さらに室温下45分間攪拌した。飽和重曹水を え、酢酸エチルにて抽出した。無水硫酸ナ リウム上乾燥後、溶媒を留去し、74 mgの残 -1を得た。この残渣と5 (72 mg, 0.187 mmol)  クロロメタン(4 ml) 溶液にジシクロヘキシ カルボジイミド(46 mg, 0.223 mmol)と4-ジメチ アミノピリジン(2 mg, 16.4 μmol)を添加し、 温下4時間攪拌した。常法で処理した後、シ カゲルカラムクロマトグラフィー[ベンゼン -酢酸エチル(14:1) にて溶出]で精製すること より表記化合物11 (105 mg, 74%)を無色粘稠性 状物として得た。
MS (m/z): 763 (M + , 12), 512 (2), 440 (2), 368 (17), 176 (9), 104 ( 9), 91 (100), 73 (15), 56 (11)
IR (CHCl 3 ) cm -1 : 1748, 1672
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 0.29 (18H, s), 1.50 (3H, d, J=7.5 Hz), 1.51 (3H, d, J=7 Hz), 1.59 (3H, d, J=7.5 Hz), 1.72 (3H , d, J=7 Hz), 5.08-5.24 (5H, m), 5.37 (1H, q, J=7 Hz), 7.28-7.39 (5H, m), 7.45 (1H, dif t, J=1 Hz), 7.80 (2H, br s), 7.92 (2H,  A 2 B 2 , J=8.5 Hz), 8.12 (2H, A 2 B 2 , J=8.5 Hz), 8.22 (1H, br s, CONH).

例10:Am-55s (5)の乳酸四量体エステル(カルボン 酸)
 上記で得た化合物11 (102 mg, 0.134 mmol) パ ジウム-炭素 (10%, 10 mg)のメタノール (5 ml)  懸濁液を大気圧の水素雰囲気下30分間接触 元した。常法で処理した後、残渣をシリカ ルカラムクロマトグラフィー[クロロホルム~ メタノール-クロロホルム(19:1) にて溶出]で 製することにより表記化合物12 (89 mg, 99%) 無色泡状物として得た。
MS (m/z): 673 (M + , 69), 601 (42), 370 (79), 368 (71), 296 (45), 176  (88), 149 (62), 104 (65), 73 (100), 55 (58), 45  (49)
IR (KBr) cm -1 : 1753, 1726, 1652
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 0.31 (18H, s), 1.56 (3H, d, J=7 Hz), 1.57 ( 3H, d, J=7.5 Hz), 1.62 (3H, d, J=7 Hz), 1.73 (3H, d, J=7.5 Hz), 5.12-5.28 (3H, m), 5.40 (1H, q, J=7 Hz), 7.46 (1H, br s), 7.76 (2H, br s), 7.87 (1H, br s, CONH), 7.95 (2H,  A 2 B 2 , J=8 Hz), 8.19 (2H, A 2 B 2 , J=8 Hz).

例11:Am-81 (13)のN-エトキシカルボニル体 (14)
 Am-81 (13, 110 mg, 0.301 mmol) のDMF (3 ml)溶液 を氷冷し、水素化ナトリウム(60%, 30 mg, 0.750  mmol) を添加して10分間攪拌した。クロロ蟻 エチル (72 μl, 0.753 mmol)を添加して、さら に氷冷下2時間攪拌。飽和塩化アンモニウム 溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有 層を水洗し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥 た後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲル ラムクロマトグラフィー[ベンゼン-酢酸エチ ル(119:1)にて溶出]で精製、再結晶することに り表記化合物14 (96 mg, 73%)を回収13 (23 mg, 21%)と共に得た。
14: 無色微細針状晶、融点131-132℃ (ジクロロ メタン-ヘキサン)。
MS (m/z): 437 (M + , 17), 422 (10), 350 (7), 229 (10), 214 (72), 163 (100), 135 (19), 103 (13), 43 (11), 29 (16)
IR (KBr) cm -1 : 1736, 1722, 1687
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 1.04 (3H, t, J=7 Hz), 1.23 (6H, s), 1.28 (6 H, s), 1.68 (4H, s), 3.94 (3H, s), 4.12 (2H, q, J =7 Hz), 6.98 (1H, dd, J=8, 2.5 Hz), 7.09 (1H, d,  J=2.5 Hz), 7.33 (1H, d, J=8 Hz), 7.72 (2H,  A 2 B 2 , J=8 Hz), 8.08 (2H, A 2 B 2 , J=8 Hz).

例12:Am-580エチルエステル (15)のN-エトキシカ ボニル体 (16)
 上記14調製時と同様にして15 (120 mg, 0.317 m mol)より169 mgの反応混合物を得た。これをエ ルアルコール(3 ml)に溶解し、50℃にて1.5時 過熱攪拌後、溶媒留去した。残渣をシリカ ルカラムクロマトグラフィー[ベンゼン-酢 エチル(79:1)にて溶出]で精製して再結晶する とにより表記化合物16 (120 mg, 84%)を回収15 (12 mg, 10%)と共に得た。
16: 無色プリズム晶、融点125-126℃ (ジクロロ メタン-ヘキサン)
MS (m/z): 451 (M + , 1), 406 (1), 215 (100), 172 (4), 157 (5), 43 (4 )
IR (KBr) cm -1 : 1737, 1708, 1688
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 1.02 (3H, t, J=7 Hz), 1.25 (6H, s), 1.28 (6 H, s), 1.38 (3H, t, J=7 Hz), 1.68 (4H, s), 4.13 ( 2H, q, J=7 Hz), 4.37 (2H, q, J=7 Hz), 7.31 (2H,  A 2 B 2 , J=8 Hz), 7.35 (1H, d, J=8 Hz), 7.49 (1H, dd, J= 8, 2 Hz), 7.67 (1H, d, J=2 Hz), 8.08 (2H, A 2 B 2 , J=8 Hz).

実施例13:Am-580のプロピオン酸エステル類縁体  (18)
 化合物17 (39 mg, 0.168 mmol) のベンゼン(2.5  ml)溶液に塩化チオニル(122 μl, 1.67 mmol)とDMF (1滴) を加え、1時間加熱還流した。揮発性 を留去後、ベンゼン(3 ml)を添加、再度留去 て残渣を減圧下乾燥した。この残渣のジク ロメタン(1 ml) 溶液を氷冷し、この中に3-(4 -アミノフェニル)プロピオン酸メチル (36 mg,  0.201 mmol)とトリエチルアミン(117 μl, 0.841  mmol) のジクロロメタン(2 ml) 溶液を添加し 0℃にて30分、さらに室温下16時間攪拌した。 飽和重曹水を加え酢酸エチルにて抽出した。 有機層を水洗し、無水硫酸ナトリウム上で乾 燥した後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲ ルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム て溶出)で精製、再結晶することにより表記 合物18 (55 mg, 83%)を回収17 (6 mg, 15%)と共 得た。
18: 無色針状晶、融点118.5-119.5℃ (ジクロロ タン-ヘキサン)
MS (m/z): 393 (M + , 15), 249 (4), 215 (100), 172 (5), 157 (10), 91  (6), 43 (9)
IR (KBr) cm -1 : 1731, 1638
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 1.29 (6H, s), 1.30 (6H, s), 1.70 (4H, s), 2 .61 (2H, t, J=8 Hz), 2.92 (2H, t, J=8 Hz), 3.66 ( 3H, s), 7.17 (2H,  A 2 B 2 , J=8.5 Hz), 7.36 (1H, d, J=8 Hz), 7.55 (1H, dd,  J=8, 2 Hz), 7.56 (2H, A 2 B 2 , J=8.5 Hz), 7.86 (1H, d, J=2 Hz), 7.99 (1H, br s , CONH).

例14:Am-580のプロピオン酸類縁体 (19)
 上記で得た化合物18 (30 mg, 76.3・mol)をメタ ノール-1,2-ジメトキシエタン-水 (3:2:1, 3ml)に 溶解し、水酸化リチウム一水和物 (6.5 mg, 0. 155 mmol) を加えて1時間加熱還流した。反応 液を氷冷後、塩酸水 (1 N, 155 μl, 0.155 mmol ) を加えて酢酸エチルにて抽出した。有機層 を水洗し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した 後、溶媒を留去した。残渣を再結晶すること により表記化合物19 (28 mg, 97%)を得た。
無色プリズム晶、融点172.5-174℃ (ジクロロメ タン-ヘキサン)
MS (m/z): 379 (M + , 15), 215 (100), 157 (12), 131 (5), 128 (6), 91  (5), 43 (12)
IR (KBr) cm -1 : 1704, 1638
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 1.30 (6H, s), 1.32 (6H, s), 1.71 (4H, s), 2 .68 (2H, t, J=8 Hz), 2.96 (2H, t, J=8 Hz), 7.22 ( 2H,  A 2 B 2 , J=8.5 Hz), 7.39 (1H, d, J=8 Hz), 7.54 (1H, dd,  J=8, 2 Hz), 7.57 (2H, A 2 B 2 , J=8.5 Hz), 7.75 (1H, br s, CONH), 7.85 (1H, d,  J=2 Hz).

例15:Am-80のプロピオン酸エステル類縁体 (21)
 4-[2-(メトキシカルボニル)エチル]安息香酸  (77 mg, 0.370 mmol) と塩化チオニル(135 μl, 1.8 5 mmol)のベンゼン溶液(3 ml)を1時間加熱還流 た。実施冷13と同処理を行ない酸塩化物を得 た。これをジクロロメタン(1 ml)に溶解し、 の溶液中に20 (50 mg, 0.246 mmol)とトリエチル アミン(171 μl, 1.23 mmol)のジクロロメタン(1  ml)溶液を氷冷下滴下し10分間攪拌後、さらに 温にて4時間攪拌した。飽和重曹水を加え酢 酸エチルにて抽出した。有機層を水洗し、無 水硫酸ナトリウム上で乾燥した後、溶媒を留 去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグ ラフィー[ベンゼン-酢酸エチル(8:1)にて溶出] 精製、再結晶することにより表記化合物21  (94 mg, 97%)を得た。
21: 無色プリズム晶、融点135-136℃ (ジクロロ メタン-ヘキサン)
MS (m/z): 393 (M + , 35), 378 (100), 362 (5), 191 (76), 131 (35), 103  (18), 91 (10), 59 (7), 43 (10)
IR (KBr) cm -1 : 1707, 1659
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 1.28 (6H, s), 1.30 (6H, s), 1.69 (4H, s), 2 .67 (2H, t, J=7.5 Hz), 3.02 (2H, t, J=7.5 Hz), 3.6 8 (3H, s), 7.30 (1H, d, J=8.5 Hz), 7.32 (2H,  A 2 B 2 , J=8 Hz), 7.41 (1H, dd, J=8.5, 2.5 Hz), 7.53 (1H,  d, J=2.5 Hz), 7.69 (1H, br s, CONH), 7.80 (2H, A 2 B 2 , J=8 Hz).

例16:Am-80のプロピオン酸類縁体 (22)
 例14と同様にして21 (50 mg, 0.127 mmol)を水酸 化リチウムにて加水分解して後処理後、残渣 を再結晶することにより表記化合物22 (45 mg,  93%)を得た。
無色針状晶、融点229-230℃ (メタノール-ジク ロメタン)
MS (m/z): 379 (M + , 33), 364 (100), 177 (92), 131 (14), 107 (22), 10 3 (20), 77 (16)
IR (KBr) cm -1 : 1711, 1616
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 1.28 (6H, s), 1.30 (6H, s), 1.69 (4H, s), 2 .72 (2H, t, J=7.5 Hz), 3.04 (2H, t, J=7.5 Hz), 7.3 0 (1H, d, J=8.5 Hz), 7.33 (2H,  A 2 B 2 , J=8.5 Hz), 7.41 (1H, dd, J=8.5, 2 Hz), 7.53 (1H,  d, J=2 Hz), 7.73 (1H, br s, CONH), 7.80 (2H, A 2 B 2 , J=8.5 Hz).

例17:Am-80とアラニンメチルエステルの縮合
 氷冷したAm-80 (1, 60 mg, 0.171 mmol)とトリエ ルアミン(95 μl, 0.683 mmol)のジクロロメタ (3 ml)溶液にクロロギ酸イソブチル(24 μl, 0. 185 mmol)を添加し、1時間攪拌した。この反応 にL-アラニンメチルエステル塩酸塩(29 mg, 0 .208 mmol)を加え、さらに室温にて16時間攪拌 た。飽和重曹水を加え、酢酸エチルにて抽 した。有機層を水洗し、無水硫酸ナトリウ 上で乾燥した後、溶媒を留去した。残渣を リカゲルカラムクロマト(5-10% メタノール- ロロホルムにて溶出)で精製することにより 記化合物23 (64 mg, 86%)を回収1 (6.5 mg, 11%) 共に得た。
23: 無色飴状物質
MS (m/z): 436 (M + , 58), 421 (84), 334 (17), 318 (100), 234 (26), 17 4 (23), 104 (62), 76 (25), 43 (34)
IR (CHCl 3 ) cm -1 : 1733, 1657
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 1.27 (12H, s), 1.50 (3H, d, J=7 Hz), 1.68 ( 4H, s), 3.75 (3H, s), 4.74 (1H, dq, J=7.5, 7 Hz), 7.22 (1H, br d, J=7.5 Hz, NH), 7.27 (1H, d, J=8.5  Hz), 7.51 (1H, dd, J=8.5, 2 Hz), 7.65 (2H,  A 2 B 2 , J=8.5 Hz), ca. 7.64-7.67 (1H, m), 7.73 (2H, A 2 B 2 , J=8.5 Hz), 8.69 (1H, br s, CONH).

例18:Am-80とアラニンメチルエステル縮合体の 水分解
 例14と同様にして、上記で得た化合物23 (61 mg, 0.140 mmol)をメタノール-1,2-ジメトキシエ ン-水 (3:2:1, 3ml)に溶解し、水酸化リチウム 一水和物 (7 mg, 0.167 mmol) を加えて1時間加 還流した。反応溶液を氷冷後、塩酸水 (1 N , 167・l, 0.167 mmol) を加えて酢酸エチルにて 抽出した。有機層を水洗し、無水硫酸ナトリ ウム上で乾燥した後、溶媒を留去した。残渣 を再結晶することにより表記化合物24 (51 mg,  86%)を得た。
無色プリズム晶、融点197-198℃ (ジクロロメ ン-酢酸エチル)
MS (m/z): 422 (M + , 57), 407 (89), 318 (100), 220 (34), 174 (30), 10 4 (73), 76 (36), 43 (45)
IR (KBr) cm -1 : 1720, 1660, 1624
1 H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.23 (6H, s), 1.24 (6H, s), 1.4 1 (3H, d, J=7 Hz), 1.64 (4H, s), 4.43 (1H, dq, J= 7, 7 Hz), 7.28 (1H, d, J=8.5 Hz), 7.57 (1H, dd, J =8.5, 2 Hz), 7.67 (1H, d, J=2 Hz), 7.99 (2H,  A 2 B 2 , J=8.5 Hz), 8.04 (2H, A 2 B 2 , J=8.5 Hz), 8.81 (1H, d, J=7 Hz, NH), 10.19 (1H, br s, CONH).

例19:Am-80とグリシジルグリシンメチルエステ の縮合
 例17と同様にして、Am-80 (1, 60 mg, 0.171 mmol ) をグリシジルグリシンメチルエステル塩酸 塩(38 mg, 0.208 mmol)と縮合した。後処理後、 リカゲルカラムクロマトグラフィー(5-10% メ タノール-クロロホルムにて溶出)で精製する とにより表記化合物25 (58 mg, 71%)を回収1 ( 9 mg, 15%)と共に得た。
25: 無色針状晶、融点240-242℃ (メタノール- クロロメタン)
MS (m/z): 479 (M + , 92), 464 (48), 375 (56), 334 (30), 318 (100), 29 1 (26), 160 (67), 104 (89), 88 (42)
IR (KBr) cm -1 : 1745, 1655, 1637
1 H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.23 (6H, s), 1.24 (6H, s), 1.6 4 (4H, s), 3.62 (3H, s), 3.87 (2H, d, J=6 Hz), 3. 94 (2H, d, J=6 Hz), 7.28 (1H, d, J=8.5 Hz), 7.57  (1H, dd, J=8.5, 2 Hz), 7.67 (1H, d, J=2 Hz), 8.00 (2H,  A 2 B 2 , J=9 Hz), 8.04 (2H, A 2 B 2 , J=9 Hz), 8.38 (1H, t, J=6 Hz, NH), 8.95 (1H, t,  J=6 Hz, NH), 10.19 (1H, br s, CONH).

例20:Am-80とグリシジルグリシンメチルエステ 縮合体の加水分解
 例18と同様にして、上記で得た化合物25 (50 mg, 0.104 mmol)を水酸化リチウム一水和物 (6  mg, 0.143 mmol) で加熱還流下に加水分解した 常法処理後、残渣を再結晶して表記化合物26  (44 mg, 91%)を得た。
無色プリズム晶、融点228-229℃ (メタノール- 酸エチル)
MS (m/z): 465 (M + , 15), 432 (18), 408 (47), 393 (83), 375 (83), 347  (34), 336 (63), 318 (90), 206 (44), 160 (100), 14 9 (49), 104 (100), 76 (51), 43 (47)
IR (KBr) cm -1 : 1715, 1664, 1634
1 H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.23 (6H, s), 1.24 (6H, s), 1.6 4 (4H, s), 3.76 (2H, d, J=6 Hz), 3.94 (2H, d, J=6  Hz), 7.28 (1H, d, J=8.5 Hz), 7.57 (1H, dd, J=8.5,  2 Hz), 7.67 (1H, d, J=2 Hz), 8.00 (2H,  A 2 B 2 , J=8.5 Hz), 8.04 (2H, A 2 B 2 , J=8.5 Hz), 8.23 (1H, t, J=6 Hz, NH), 8.93 (1H,  t, J=6 Hz, NH), 10.19 (1H, br s, CONH).

例21:Am-81 (13)のN-(4-メトキシカルボニル)-ベン ゾイル(27)
 例11と同様にして、Am-81 (13, 100 mg, 0.274 mm ol) をDMF (3 ml)中氷冷下、水素化ナトリウム( 60%, 22 mg, 0.550 mmol) とテレフタル酸モノメ ルクロリド(71 mg, 0.358 mmol)と処理した。反 応生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフ ィー[ヘキサン-酢酸エチル(6:1)にて溶出]で精 することにより表記化合物27 (71 mg, 49%)を 収13 (22 mg, 22%)と共に得た。
MS (m/z): 527 (M + , 13), 512 (4), 163 (100), 135 (14), 103 (10), 77 (5)
IR (KBr) cm -1 : 1720, 1696, 1668
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 1.05 (6H, s), 1.23 (6H, s), 1.61 (4H, s), 3 .92 (6H, s), 6.91 (1H, d, J=2 Hz), 6.96 (1H, dd,  J=8.5, 2 Hz), 7.29 (1H, d, J=8.5 Hz), 7.75 (4H,  A 2 B 2 , J=8 Hz), 8.01 (4H, A 2 B 2 , J=8 Hz).

例22:4-(3,5-ビストリメチルシラニルベンゾイ アミノ)フェニルプロピオン酸
 3,5-ビス(トリメチルシリル)安息香酸(120 mg, 0.451 mmol)と塩化シアヌル(125 mg, 0.678 mmol)の アセトン(4 ml)溶液を氷冷し、トリエチルア ン(251 μl, 1.80 mmol)を添加、5分間攪拌した さらに室温にて3.5時間攪拌後、3-(4-アミノフ ェニル)プロピオン酸メチル(121 mg, 0.676 mmol) を添加してさらに16時間攪拌した。飽和重曹 を加えて酢酸エチル抽出し、常法処理後、 渣をシリカゲルクロマトグラフィー[ベンゼ ン-酢酸エチル(14:1)にて溶出]にて分離した後 再結晶することにより4-(3,5-ビストリメチル シラニルベンゾイルアミノ)フェニルプロピ ン酸メチル(169 mg, 88%)を無色鱗片状晶とし 得た。
Mp: 119-120.5℃ and 136-137℃ (ジクロロメタン- キサン)
MS (m/z): 427 (M + , 25), 249 (100), 221 (9), 73 (64)
IR (KBr) cm -1 : 1733, 1643, 1600
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 0.32 (18H, s), 2.64 (2H, t, J=8 Hz), 2.95 ( 2H, t, J=8 Hz), 3.68 (3H, s), 7.22 (2H, A 2 B 2 , J=8.5 Hz), 7.58 (2H, A 2 B 2 , J=8.5 Hz), 7.72 (1H, br s, NH), 7.82 (1H, dd, J =1, 1 Hz), 7.93 (2H, d, J=1 Hz).

  上記メチルエステル (556 mg, 1.30 mmol)を タノール-DME-水(3:2:1, 9 ml)に溶解し、水酸化 リチウム一水塩(LiOH・H 2 O, 82 mg, 1.95 mmol)を添加して2時間加熱還流 た。氷冷後、塩酸水(1 N, 2.00 ml, 2.00 mmol)  を加えて酢酸エチルにて抽出した。有機層を 水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、 溶媒を留去して残渣を再結晶することにより 表記化合物(522 mg, 97%)を無色プリズム晶とし て得た。
Mp: 151-152℃ (ジクロロメタン-ヘキサン)
MS (m/z): 413 (M + , 22), 398 (3), 249 (100), 221 (9), 133 (7), 83 ( 9), 73 (71)
IR (KBr) cm-1: 1706, 1639
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 0.31 (18H, s), 2.69 (2H, t, J=7.5 Hz), 2.97 (2H, t, J=7.5 Hz), 7.23 (2H,  A 2 B 2 , J=8.5 Hz), 7.59 (2H, A 2 B 2 , J=8.5 Hz), 7.78 (1H, br s, NH), 7.81 (1H, dd, J =1, 1 Hz), 7.93 (2H, d, J=1 Hz).

例23:4-ホルミル-N-(5,6,7,8-テトラヒドロ-5,5,8,8- トラメチル-2-ナフチル)ベンズアミド
 Am-80 (320 mg, 0.912 mmol)とトリエチルアミン (152 μl, 1.09 mmol)のテトラヒドロフラン(5 ml ) 溶液を-20℃に冷却し、これにクロロギ酸メ チル (82・l, 1.06 mmol) のテトラヒドロフラ 溶液を滴下し、1時間攪拌する。 反応液を ライトろ過後、テトラヒドロフラン (3 ml) て洗浄した。ろ液を氷冷し、NaBH 4  (208 mg, 5.47 mmol)を添加後、激しく攪拌しつ つ水 (4 ml)をゆっくり滴下し、さらに26℃ま 18時間攪拌を続けた。飽和塩化アンモニア を加えて酢酸エチル抽出し、常法により処 した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ [ヘキサン-酢酸エチル(2:1)にて溶出]にて分離 し、再結晶して4-ヒドロキシメチル-N-(5,6,7,8- トラヒドロ-5,5,8,8-テトラメチル-2-ナフチル) ベンズアミド (290 mg, 94%)を無色プリズム晶 して得た。
Mp: 161-162.5℃ (ジクロロメタン-ヘキサン)
MS (m/z): 337 (M + , 27), 322 (87), 135 (100), 107 (18), 89 (34), 77 (28)
IR (KBr) cm -1 : 1634
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 1.28 (6H, s), 1.30 (6H, s), 1.69 (4H, s), 1 .93 (1H, t, J=4.5 Hz, OH), 4.78 (2H, d, J=4.5 Hz),  7.30 (1H, d, J=8.5 Hz), 7.43 (1H, dd, J=8.5, 2.5 Hz), 7.47 (2H,  A 2 B 2 , J=8 Hz), 7.54 (1H, d, J=2.5 Hz), 7.76 (1H, br s , NH), 7.85 (2H, A 2 B 2 , J=8 Hz).

  上記アルコール (1.891 g, 5.61 mmol)のジク ロメタン(35 ml)溶液に二酸化マンガン(3.905  g, 44.9 mmol)を添加し、攪拌しつつ2時間加熱 流した。反応液を減圧下セライトろ過し、 ロロホルムにてセライト洗浄した。溶媒留 後、残渣を再結晶することにより表記化合 (1.802 g, 96%)を無色プリズム晶として得た。
Mp: 185.5-186.5℃ (ジクロロメタン-ヘキサン)
MS (m/z): 335 (M + , 32), 320 (100), 133 (68), 105 (28), 77 (24), 51 (9)
IR (KBr) cm -1 : 1690, 1662
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 1.29 (6H, s), 1.30 (6H, s), 1.70 (4H, s), 7 .33 (1H, d, J=8.5 Hz), 7.44 (1H, dd, J=8.5, 2 Hz),  7.53 (1H, d, J=2 Hz), 7.79 (1H, br s, NH), 7.99 (2H,  A 2 B 2 , J=8.5 Hz), 8.03 (2H, A 2 B 2 , J=8.5 Hz).

例24:4-[(5,6,7,8-テトラヒドロ-5,5,8,8-テトラメチ ル-2-ナフチル)カルバモイル]ケイ皮酸
 4-ホルミル-N-(5,6,7,8-テトラヒドロ-5,5,8,8-テ ラメチル-2-ナフチル)ベンズアミド(1.765 g, 5 .27 mmol)とホスホノ酢酸トリエチル(1.523 g, 6. 80 mmol)のエタノール(40 ml) 溶液に炭酸カリ ム(910 mg, 6.59 mmol)を加え、62-64℃にて3時間 拌した。反応液を氷冷後、飽和塩化アンモ ア水を加えて酢酸エチル抽出した。常法処 後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー[ ベンゼン-酢酸エチル(39:1~14:1)にて溶出]で分 し、再結晶して4-[(5,6,7,8-テトラヒドロ-5,5,8,8 -テトラメチル-2-ナフチル)カルバモイル]ケイ 皮酸エチル(2.076 g, 97%)を無色針状晶として た。
Mp: 166-166.5℃ (ジクロロメタン-ヘキサン)
MS (m/z): 405 (M + , 31), 390 (100), 203 (60), 175 (22), 102 (29), 91  (20)
IR (KBr) cm -1 : 1697, 1663, 1644
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 1.28 (6H, s), 1.30 (6H, s), 1.35 (3H, t, J= 7 Hz), 1.70 (4H, s), 4.29 (2H, q, J=7 Hz), 6.52 ( 1H, d, J=16 Hz), 7.31 (1H, d, J=8.5 Hz), 7.43 (1H,  dd, J=8.5, 2.5 Hz), 7.53 (1H, d, J=2.5 Hz), 7.63 (2H,  A 2 B 2 , J=8 Hz), 7.71 (1H, d, J=16 Hz), 7.74 (1H, br s,  NH), 7.89 (2H, A 2 B 2 , J=8 Hz)

 上記エステル (109 mg, 0.269 mmol)をメタノー ル-DME-水(3:2:1, 4.2 ml)に溶解し、水酸化リチ ム一水塩(LiOH・H 2 O, 15 mg, 0.357 mmol)を添加して1時間加熱還流 た。氷冷後、塩酸水(1 N, 0.36 ml, 0.36 mmol) を加えて酢酸エチルにて抽出した。有機層 水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後 溶媒を留去した。残渣を再結晶することに り表記化合物(96 mg, 95%)を無色プリズム晶と して得た。
Mp: 226-227℃ (ジクロロメタン)
MS (m/z): 377 (M + , 29), 362 (100), 175 (96), 147 (18), 102 (17), 91  (41), 44 (32)
IR (KBr) cm -1 : 1682, 1646, 1625
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 1.29 (6H, s), 1.31 (6H, s), 1.70 (4H, s), 6 .54 (1H, d, J=16 Hz), 7.32 (1H, d, J=8.5 Hz), 7.43  (1H, dd, J=8.5, 2.5 Hz), 7.53 (1H, d, J=2.5 Hz), 7.66 (2H,  A 2 B 2 , J=8 Hz), 7.74 (1H, br s, NH), 7.81 (1H, d, J=16  Hz), 7.91 (2H, A 2 B 2 , J=8 Hz).

 本発明の化合物は、生体内に吸収された にレチノイドに変換される性質を有するの 、レチノイドプロドラッグ化合物として有 である。