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Title:
ROTATING ELECTRICAL MACHINE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/119333
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a rotating electrical machine reducing a magneto motive force harmonic without reducing fundamental wave magnetic flux that a stator generates when stator winding is set to be concentrated winding and improving performance. The rotating electrical machine (10) is provided with a rotor (18) and two stators (14 and 16) which are made to confront each other on both sides in an axial direction of the rotor (18) or on both sides in a radial direction through the rotor (18). The stator windings (22) arranged in a plurality of places in a circumferential direction of the stators (14 and 16) are set to be concentrated windings. Directions of magnetic flux , which the stator windings (22) of the same phase cause in the stators (14 and 16), are made to be opposite in the axial direction or the radial direction. The stator windings (22) of the same phase in both stators (14 and 16) are arranged by shifting 180 degrees by an electric angle in the circumferential direction.

Inventors:
AIKI KOSUKE (JP)
NAKAI HIDEO (JP)
UMENO TAKAJI (JP)
YAMADA EIJI (JP)
TATEMATSU KAZATAKA (JP)
MINOSHIMA NORIMOTO (JP)
YOSHIDA TOSHIHIKO (JP)
UEMATSU TATSUYA (JP)
ENDO KENJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/054785
Publication Date:
October 01, 2009
Filing Date:
March 12, 2009
Export Citation:
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Assignee:
TOYOTA MOTOR CO LTD (JP)
AIKI KOSUKE (JP)
NAKAI HIDEO (JP)
UMENO TAKAJI (JP)
YAMADA EIJI (JP)
TATEMATSU KAZATAKA (JP)
MINOSHIMA NORIMOTO (JP)
YOSHIDA TOSHIHIKO (JP)
UEMATSU TATSUYA (JP)
ENDO KENJI (JP)
International Classes:
H02K3/28; H02K16/04; H02K17/02; H02K21/24
Foreign References:
JPH07298578A1995-11-10
JP2002512499A2002-04-23
JPH0497459U1992-08-24
JP2007202333A2007-08-09
JP2004056860A2004-02-19
JP2005237086A2005-09-02
JP2006271187A2006-10-05
JP2005237086A2005-09-02
JP2004056860A2004-02-19
Other References:
See also references of EP 2259411A4
Attorney, Agent or Firm:
YOSHIDA, Kenji et al. (JP)
Kenji Yoshida (JP)
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Claims:
 1個のロータと、
 1個のロータの軸方向両側または径方向両側にロータを介して対向させた2個のステータと、を備え、
 各ステータは、周方向複数個所に設けられたティースと、各ティースに巻回された1次導体であるステータ巻線とを有し、
 各ステータ巻線は、複数のティースのうち、周方向に隣り合うティース同士で異なる相の巻線が巻き付けられる集中巻巻線であり、
 2個のステータ同士で同じ相のステータ巻線が発生する磁束の向きは、軸方向または径方向に関して互いに逆方向としており、
 2個のステータ同士で同じ相のステータ巻線は、周方向に互いに電気角で180度ずれて配置されている回転電機。
 請求項1に記載の回転電機において、
 ロータの少なくとも一部に2次導体が設けられており、
 誘導機として使用可能とする回転電機。
 請求項2に記載の回転電機において、
 ロータは、2次導体である、導電材製の導電体と、導電体の周方向複数個所に設けられた磁性材製のコアとを有する回転電機。
 請求項3に記載の回転電機において、
 導電体の軸方向の全長が、コアの軸方向の全長と同じか、またはコアの軸方向の全長よりも大きい回転電機。
 請求項4に記載の回転電機において、
 磁性材製のコアは、導電体の周方向複数個所に軸方向に貫通するように設けられた孔部内に、導電体の軸方向全長にわたって設けられている回転電機。
 請求項1に記載の回転電機において、
 ロータは、周方向複数個所に設けられた永久磁石を有し、
 同期機として使用可能とする回転電機。
Description:
回転電機

 本発明は、1個のロータと2個のステータ を備える回転電機に関する。

 従来から、誘導電動機、同期電動機等の 転電機において、ステータの巻線を分布巻 型または集中巻線型とすることが考えられ いる。このうちの集中巻線型は、分布巻線 に対して、巻線が単純になり、コイルエン 部を小さくでき、量産性を高くできるとい 利点がある。ただし、集中巻線型では、起 力波形において、基本波に近い周波数を有 る起磁力高調波が発生し、トルク脈動(リッ プル)が発生したり、力率が悪化するという 点が生じる可能性がある。

 例えば、図9は、従来から考えられている 一般的な誘導電動機の電機子巻線である、ス テータ巻線を集中巻巻線にした場合の、ステ ータから出てロータに鎖交する鎖交磁束と時 間との関係を示す図である。また、図10は、 9の鎖交磁束に対応して、2次側導体である ロータ側のロータ巻線に発生する誘導電流 時間との関係を示す図である。図9、図10か 明らかなように、ロータ巻線には、集中巻 型のステータを使用する場合に特有の空間 調波磁束が鎖交する。すなわち、ステータ 回転磁界を発生させる起磁力の分布は、各 のステータ巻線の配置や、ステータの形状 起因して、基本波のみの正弦波分布となら 、高調波成分を含むものとなる。特に、ス ータ側のティースにステータ巻線を集中巻 で巻装する場合には、ステータの起磁力分 に生じる高調波成分の振幅レベルが増大す 。

 このようなステータ巻線の配置やステー の形状に起因する、高調波成分を含む磁束 、空間高調波磁束と呼ばれる。空間高調波 束が鎖交したロータ巻線には、図10に示す うな高調波成分を含む誘導電流である高調 電流が発生する。高調波電流は、2次銅損等 2次導体損失を増加させ、電動機の性能を悪 化させる原因となる。

 これに対して、特許文献1には、固定子コ アに設けられた複数のティースに集中巻方式 によりコイルが巻回され、コイルが3相電源 接続されている固定子と、固定子に対向配 された回転子とを備え、固定子の極数とス ット数との比を1:3としている回転電機が記 されている。そして、基本波に近い次数の 磁力高調波が存在しないとされている。な 、本発明に関連する先行技術文献として、 許文献1の他に、特許文献2,3がある。

特開2006-271187号公報

特開2005-237086号公報

特開2004-56860号公報

 ただし、特許文献1に記載された回転電機 の場合、固定子のティースに巻回された巻線 を、1極対当たりで3本から6本に増やすために 、各極の幅を半分にして、巻線数を増大させ ている。このため、起磁力高調波を低減でき る可能性はあるが、基本波磁束も低減されて しまう。したがって、基本波磁束を低減させ ることなく起磁力高調波を低減させて、回転 電機の性能向上を図る面からは改良の余地が ある。

 また、特許文献2には、効率及び出力の向 上が図れるようにすることを目的として、ロ ータとステータとを軸方向に対向して配置し 、2つのロータにより、ステータを両側から むようにしたアキシャルモータが記載され いる。各ロータを構成する導電性金属製の ータ本体におけるステータとの対向面には 回転子磁心埋め込み用の埋め込み部を有し いる。埋め込み部には、圧粉磁心材料を用 て形成された回転子磁心が、埋め込み部を 型用の型として用いて、埋め込まれている このような特許文献2に記載されたアキシャ モータの場合には、ステータ巻線を集中巻 線とした場合に、ステータが発生する基本 磁束を低減させることなく起磁力高調波を 減させて、回転電機の性能向上を図ること 考慮されていない。

 また、特許文献3の図14には、2個のステー タと、1個のロータとを備える誘導電動機が 載されている。この誘導電動機では、2個の テータの間にロータを配置し、2個のステー タとロータとを軸方向に対向させている。ロ ータは、導電性材料の円板部に設けた複数の 孔にティース部を嵌合している。この場合、 2つのステータにおいて、相対する巻線は同 向きの磁束を発生し、その相対する巻線は れぞれのロータに対して異極となるとされ いる。ただし、このような誘導電動機にお て、ステータの周方向複数個所に設けられ ティースのうち、周方向に隣り合うティー 同士で異なる相の巻線を巻き付ける集中巻 線とすることは考慮されていない。このた 、ステータ巻線を集中巻巻線とした場合に ステータが発生する基本波磁束を低減させ ことなく起磁力高調波を低減させて、回転 機の性能向上を図る面からは改良の余地が る。なお、このような不都合は、回転電機 誘導電動機とする場合だけでなく、回転電 を同期電動機とした場合も同様に生じる。 なわち、同期電動機において、ステータか ロータに鎖交する磁束に高調波磁束が含ま る場合には、高調波磁束により磁束の漏れ 鉄損が増加して、電動機の性能を悪化させ 原因となる。

 本発明の目的は、回転電機において、ス ータ巻線を集中巻巻線とした場合に、ステ タが発生する基本波磁束を低減させること く起磁力高調波を低減させて、性能向上を ることである。

 本発明の回転電機は、1個のロータと、1 のロータの軸方向両側または径方向両側に ータを介して対向させた2個のステータと、 備え、各ステータは、周方向複数個所に設 られたティースと、各ティースに巻回され 1次導体であるステータ巻線とを有し、各ス テータ巻線は、複数のティースのうち、周方 向に隣り合うティース同士で異なる相の巻線 が巻き付けられる集中巻巻線であり、2個の テータ同士で同じ相のステータ巻線が発生 る磁束の向きは、軸方向または径方向に関 て互いに逆方向としており、2個のステータ 士で同じ相のステータ巻線は、周方向に互 に電気角で180度ずれて配置されていること 特徴とする回転電機である。

 また、本発明に係る回転電機において、 ましくは、ロータの少なくとも一部に2次導 体が設けられており、誘導機として使用可能 とする。

 また、本発明に係る回転電機において、 ましくは、ロータは、2次導体である、導電 材製の導電体と、導電体の周方向複数個所に 設けられた磁性材製のコアとを有する。

 また、本発明に係る回転電機において、 ましくは、導電体の軸方向の全長が、コア 軸方向の全長と同じか、またはコアの軸方 の全長よりも大きい。

 また、本発明に係る回転電機において、 ましくは、磁性材製のコアは、導電体の周 向複数個所に軸方向に貫通するように設け れた孔部内に、導電体の軸方向全長にわた て設けられている。

 また、本発明に係る回転電機において、 ましくは、ロータは、周方向複数個所に設 られた永久磁石を有し、同期機として使用 能とする。

 本発明に係る回転電機によれば、それぞ 集中巻巻線のステータ巻線を有する2個のス テータによりロータを挟み、2個のステータ よる空間高調波磁束をロータで互いに相殺 せることができる。このため、ロータで発 する誘導電流において、高調波電流の発生 抑えることができ、さらに各ステータ巻線 各ステータの周方向に関する幅が小さくな ないため、ステータが発生する基本波磁束 低減しない。したがって、ステータ巻線を 中巻巻線とした場合に、ステータが発生す 基本波磁束を低減させることなく起磁力高 波を低減させることにより、ロータ側の2次 損等の2次導体損失を大幅に低減したり、空 間高調波磁束によるロータ側の磁束の漏れや 鉄損等の損失を低減することができ、これに より、回転電機の性能を大きく向上させるこ とができる。また、ロータを2個のステータ 軸方向または径方向の両側から挟むため、 テータからロータに流れる磁束量を調整し すくできる。

本発明の第1の実施形態の回転電機を示 す略断面図である。 図1の略A-A断面図である。 図1の片側ステータ及び他側ステータに おいて、同じ相のステータ巻線の電気角が互 いにずれている様子を説明するためのステー タの周方向一部の周方向を左右方向に伸ばし て示す図である。 図1の片側ステータ及び他側ステータに おいて、発生磁束の分布を示す図である。 ステータ巻線を分布巻巻線とした比較 1と、ステータ巻線を集中巻巻線とした比較 例2と、第1の実施の形態の構造を有する本発 品とにおいて、回転電機の定すべり時の出 と損失とを比較した図である。 定すべり時を説明するための、回転電 のすべりとトルクとの関係の1例を示す図で ある。 本発明の第2の実施の形態の回転電機を 示す略断面図である。 本発明の第3の実施の形態の回転電機を 示す略断面図である。 従来から考えられている一般的な誘導 動機の電機子巻線である、ステータ巻線を 中巻巻線にした場合の、ステータから出て ータに鎖交する鎖交磁束と時間との関係を す図である。 図9の鎖交磁束に対応して、2次側導体 ある、ロータ側のロータ巻線に発生する誘 電流と時間との関係を示す図である。

符号の説明

 10,10a,10b 回転電機、12 ケーシング、14  側ステータ、16 他側ステータ、18,18a,18b ロ タ、20 ステータコア、22 ステータ巻線、24  ティース、26 回転軸、28 ロータ導電体、30  ロータコア、32 埋め込み用孔部、34 筒部 36 孔部、38 抑え部材、40 軸受、42 ロータ ア、44 永久磁石、46 外側ステータ、48 内 ステータ、50,52 ステータコア、54 ステー 巻線、56,58 ティース、60 ロータ導電体、61 筒部、62 ロータコア、64 底板部、66 孔部

[第1の発明の実施の形態]
 以下、本発明の実施形態を、図面を用いて 明する。図1から図6は、本発明の第1の実施 形態を示している。図1は、第1の実施形態 回転電機を示す略断面図である。図2は、図1 の略A-A断面図である。図3は、図1の片側ステ タ及び他側ステータにおいて、同じ相のス ータ巻線の電気角が互いにずれている様子 説明するためのステータの周方向一部の周 向を左右方向に伸ばして示す図である。図4 は、図1の片側ステータ及び他側ステータに いて、発生磁束の分布を示す図である。図5 、ステータ巻線を分布巻巻線とした比較例1 と、ステータ巻線を集中巻巻線とした比較例 2と、第1の実施の形態の構造を有する本発明 とにおいて、回転電機の定すべり時の出力 損失とを比較した図である。図6は、定すべ り時を説明するための、回転電機のすべりと トルクとの関係の1例を示す図である。

 図1に示すように、本実施の形態の回転電 機10は、誘導機である、誘導電動機として使 可能とするもので、ケーシング12に固定さ た2個のステータである片側ステータ14及び 側ステータ16と、両ステータ14,16の間に所定 空隙を空けて各ステータ14,16と軸方向に対 配置され、各ステータ14,16に対し回転可能な 1個のロータ18とを備える。すなわち、回転電 機10は、1個のロータ18と、1個のロータ18の軸 向両側にロータ18を介して対向させた2個の テータ14,16とを備える。図1は、ステータ14,1 6とロータ18とが軸方向に対向するように配置 された、アキシャル型の回転電機の例を示し ている。

 各ステータ14,16は、複数の電磁鋼板を積 する等により構成するステータコア20と、複 数相である、U相、V相、W相の3相のステータ 線22とを備える。ステータ巻線22は、1次導体 である。各ステータコア20の互いに対向する 方向片側面の周方向複数個所の等間隔位置 、軸方向に突出するようにティース24を設 ている。例えば、各ステータコア20に複数の ティース24を設けるために、ステータコア20 周方向複数個所に軸方向の孔部を形成する ともに、孔部に、鋼板等の磁性材製のティ ス構成部材を挿入し、ティース構成部材の テータコア20の片側面から突出した部分によ り、複数のティース24を構成することもでき 。

 そして、各ティース24にステータ巻線22を 巻回している。各ステータ巻線22は、複数の ィース24のうち、周方向に隣り合うティー 24同士で異なる相の巻線が巻き付けられる集 中巻巻線としている。また、図1において、 ステータ巻線22の内側に示した○の中に・ま たは×を示した記号は、ステータ巻線22を流 る電流の向きを表しており、○の中に・を したものは、電流が図の表側に流れること 、○の中に×を示したものは電流が図の裏側 に流れることを表している(後述する図3、図7 、図8で同様とする)。

 また、図2に示すように、ロータ18は、回 軸26の軸方向中間部外径側に固定された、 板状のロータ導電体28と、ロータ導電体28の 方向複数個所の等間隔位置に設けられた磁 材製のロータコア30とを有する。ロータ導 体28は、銅やアルミニウム等により構成する 円板状の導電材に、プレス加工により打ち抜 くことにより、周方向複数個所に埋め込み用 孔部32を、軸方向(図2の表裏方向)に貫通する うに設けるとともに、ロータ導電体28の中 部に回転軸26及び後述する筒部34を挿通する めの孔部36を形成している。そして、ロー 導電体28に形成した複数の埋め込み用孔部32 積層鋼板や圧粉磁心等の磁性材を埋め込む とにより、ロータ導電体28の周方向複数個 に、ロータ導電体28の軸方向全長にわたって ロータコア30を設けている。これにより、ロ タ18を構成する。ロータ導電体28は、2次導 であり、ロータ18の周方向複数個所にロータ 巻線を設ける場合の、ロータ巻線と同様の機 能を有する。ロータ導電体28は、ロータ18の 方向全長にわたって設けている。すなわち ロータ導電体28の軸方向の全長は、ロータコ ア30の軸方向の全長と同じか、またはロータ ア30の軸方向の全長よりも大きくしている

 なお、ロータ導電体28は、プレス加工の ち抜きにより、周方向複数個所に埋め込み 孔部を形成した円板状の薄板素子を、複数 積層することにより構成することもできる

 図1に戻り、このようなロータ18は、回転 26の軸方向中間部外径側に円筒状の筒部34を 介して固定している。そして、筒部34の外径 でロータ18の軸方向両側に部分円錐状の抑 部材38を固定し、抑え部材38によりロータ18 軸方向両側から狭持している。なお、抑え 材38の代わりに、ロータ18の軸方向両側で、 部34とロータ18との間の周方向複数個所に板 状等の補強部材を固定することにより、補強 部材によりロータ18を軸方向両側から狭持す こともできる。なお、回転軸26の外径側に ータ18を、筒部34を介さずに直接固定するこ もできる。また、回転軸26の軸方向に離れ 2個所位置と、ケーシング12の2個所位置に設 た開口部との間に一対の軸受40を設けて、 ーシング12に回転軸26を回転可能に支持して る。

 また、図3に示すように、ロータ18の軸方 両側に設ける片側ステータ14及び他側ステ タ16は、両ステータ14,16同士で同じ相のステ タ巻線22が発生する磁束の向きを、軸方向 ある図3の上下方向に関して互いに逆方向、 なわち、図3に示すように対向する方向、ま たは外側に向く方向としている。図3におい 、ティース24の内側に配置した矢印の向きは 、ステータ14,16の周方向一部に設けたティー 24から出る磁束の向きを表している。なお 実際には、片側ステータ14及び他側ステータ 16の間にロータ18が配置されるが、図3では図 を省略している。また、図3では、ステータ 14,16の周方向が図の左右方向となっている。 3に示すように、片側ステータ14及び他側ス ータ16同士で同じ相のステータ巻線22は、周 方向に互いに電気角で180度ずれて配置されて いる。なお、図1で示した2個のステータ14,16 おいて、ステータ巻線22の周方向に関する配 置関係は、実際の関係を表すものではなく、 実際には、図3に示すように2個のステータ14,1 6同士でステータ巻線22の周方向に関する位置 がずれている。

 このような回転電機10は、次のようにし 回転駆動する。すなわち、3相のステータ巻 22に3相の交流電流を流すことで各ステータ1 4,16により生成された回転磁界がロータ18に作 用すると、ロータコア30の周囲であるロータ1 8の周方向複数個所のロータ導電体28に誘導電 流が流れる。この誘導電流によりロータ18に 磁力が発生し、ロータ18は、各ステータ14,16 の回転磁界と同じ方向に回転駆動する。

 また、本実施の形態の回転電機10によれ 、1個のロータ18の軸方向両側にロータ18を介 して対向させた2個のステータ14,16を備え、各 ステータ14,16は、周方向複数個所に設けられ ティース24と、各ティース24に巻回されたス テータ巻線22とを有し、各ステータ巻線22は 複数のティース24のうち、周方向に隣り合う ティース24同士で異なる相の巻線が巻き付け れる集中巻巻線であり、2個のステータ14,16 士で同じ相のステータ巻線22が発生する磁 の向きは、軸方向に関して互いに逆方向と ており、2個のステータ14,16同士で同じ相の テータ巻線22は、周方向に互いに電気角で180 度ずれて配置されている。このため、それぞ れ集中巻巻線のステータ巻線22を有する2個の ステータ14,16によりロータ18を挟み、2個のス ータ14,16による空間高調波磁束をロータ18で 互いに相殺させることができる。このため、 ロータ18で発生する誘導電流において、高調 電流の発生を抑えることができ、さらに各 テータ巻線22の各ステータ14,16の周方向に関 する幅が小さくならないため、ステータ14,16 発生する基本波磁束が低減しない。したが て、ステータ巻線22を集中巻巻線とした場 に、ステータ14,16が発生する基本波磁束を低 減させることなく起磁力高調波を低減させる ことにより、ロータ18側の2次銅損等の2次導 損失を大幅に低減でき、これにより、回転 機10の性能を大きく向上させることができる 。また、ロータ18を2個のステータ14,16で軸方 の両側から挟むため、ステータ14,16からロ タ18に流れる磁束量を調整しやすくできる。

 図4は、互いに対向する片側ステータ14(図 1、図3)と他側ステータ16(図1、図3)とにおいて 、発生磁束の分布を相対的に示す図である。 なお、以下の本実施の形態の説明において、 図1から図3に示した要素と同一の要素には、 一の符号を用いて説明する。図4において、 実線αは、すべての次数の高調波と基本波と 合成して得られる発生磁束を表す矩形波で る。また、一点鎖線βは、発生磁束の基本 磁束、すなわち1次の磁束であり、破線γは 発生磁束の一部の次数の高調波である、2次 高調波磁束である。図4に示すように、片側 ステータ14と他側ステータ16とで、ステータ 線22を集中巻巻線としている場合には、各ス テータ14,16が生成する磁束の基本波に対して 数倍の次数の空間高調波磁束が多く含まれ 特に2次の空間高調波磁束が多く含まれる。 このような基本波以外の高調波磁束は、ロー タ18に鎖交すると、不必要な誘導電流である 電流を生じさせ、銅損等の2次導体損失を増 大させる原因となる等、回転電機の性能を劣 化させる原因となる。このため、従来から、 ステータが発生する磁束から誘導電流を発生 させる誘導電動機において、ロータに鎖交す る高調波磁束を抑えることが望まれている。

 これに対して、本実施の形態では、上記 ように互いにロータ18を介して対向する2個 ステータ14,16で同じ相のステータ巻線22の電 気角を180度ずれて配置している。このため、 図4に示すように、両ステータ14,16の発生磁束 の基本波は電気角の位相が同じで、同じ大き さとなるが、基本波でない2次の高調波の磁 は、同じ電気角で大きさが同じで向きが反 になる。このため、片側ステータ14と他側ス テータ16とから出る磁束のうち、特に影響が きい2次の高調波の磁束を、ロータ18で互い 相殺することができる。したがって、片側 テータ14と他側ステータ16とからロータ18に 交する磁束において、主に基本波磁束だけ 残ることになり、ロータ18に高調波磁束に づいて高調波電流が誘導されるのを抑制す ことができる。この結果、高調波電流によ ロータ18側の銅損等の導体損失を低減して、 ロータ18の発熱を抑えることができる。また 誘導電動機として使用される回転電機10の 能向上を図れる。

 また、上記の特許文献3に記載された誘導 電動機の場合と異なり、各ステータ巻線22の ステータ14,16の周方向に関する幅が小さく らないため、各ステータ14,16が発生する基本 波磁束が低減しない。

 図5は、本実施の形態の効果を確認するた めに、本実施の形態の構成を有する本発明品 の回転電機と、本発明から外れる構成を有す る比較例1、比較例2との、出力及び損失を計 で求め、その計算結果を比較した図である 比較例1は、従来から一般的に考えられてい るアキシャル型の回転電機、すなわち、1個 ロータに対してステータとして1個のみ設け ロータとステータとを軸方向に対向させた 転電機で、ステータに設けるステータ巻線 分布巻きとした回転電機である。また、比 例2は、やはり従来から一般的に考えられて いる上記のアキシャル型の回転電機で、ステ ータに設けるステータ巻線を集中巻巻線とし た回転電機である。また、図5に示す計算結 では、回転電機10のすべりを一定、すなわち 「定すべり時」としている。

 図6は、この「定すべり時」を説明するた めの図である。すなわち、誘導電動機では、 ステータ14,16が発生する回転磁界の回転速度 、ロータ18の回転速度とは運転時において 同期しない。そして、回転磁界の回転速度 ロータ18の回転速度との速度差を「すべり」 と定義した場合に、「すべり」に対応して誘 導電動機のトルクが発生する。「定すべり時 」とは、この「すべり」を一定とした場合、 例えば、図6の「すべり」を一定のδとするこ とを意味する。

 図5では、斜線部により2次銅損等の2次導 損失、すなわちロータ18側の導体損失を表 ており、斜格子部により1次銅損等の1次導体 損失、すなわちステータ14,16側の導体損失を している。また、図5では、梨地部により、 誘導電動機として使用される回転電機10の出 を表している。図5に示す計算結果から明ら かなように、回転電機10のステータ巻線22を 布巻きから集中巻きとすることにより、す わち、比較例1から比較例2にすることにより 、ロータ18に鎖交する高調波磁束が多くなる により、2次導体損失が大きくなり、出力も これに伴って小さくなる。

 これに対して、本発明品では、図5に示す ように、ステータ巻線22を集中巻巻線とする にもかかわらず、2次導体損失を小さくでき 、このことと、ロータ18の両側に2個のステー タ14,16とを配置し、2個のステータ14,16から出 基本波磁束によりロータ18に鎖交する磁束 大きくなることとが相まって、回転電機10の 出力を大きくできる。

[第2の発明の実施の形態]
 図7は、本発明の第2の実施の形態の回転電 を示す略断面図である。本実施の形態の回 電機10aは、同期機である同期電動機として 用可能とするもので、上記の図1から図6に示 した第1の実施の形態の回転電機10において、 ロータ18aにロータ導電体28(図1参照)を設けず その代わりにロータ導電体28と同形状であ 、円板状の鉄製のロータコア42を設けている 。また、上記の第1の実施の形態において、 ータ18aの周方向複数個所に設けていたロー コア30(図1、図2参照)を設けず、その代わり ロータ18aの周方向複数個所に永久磁石44を設 けている。永久磁石44は、ロータコア42の周 向複数個所の等間隔位置に軸方向に貫通す ように設けた埋め込み用孔部36に挿入してい る。永久磁石44は、ロータ18aの軸方向に着磁 て、その着磁方向をロータ18aの周方向に隣 合う永久磁石44同士で互いに異ならせてい 。このため、ロータ18aの両側面のそれぞれ 、永久磁石44のN極とS極とが周方向に関して 互に配置される。このような永久磁石44は ロータ18aの軸方向の全長にわたる部分に設 ている。また、ロータ18a以外の回転電機10a 構成は、上記の第1の実施の形態の回転電機1 0の構成と同様である。

 このような本実施の形態の回転電機10aの 用時には、3相のステータ巻線22に3相の交流 電流を流すことで片側ステータ14及び他側ス ータ16により生成された回転磁界がロータ18 aに作用すると、回転磁界とロータ18aに設け 永久磁石44による磁界とが相互作用して、吸 引及び反発作用が生じる。このため、ロータ 18aが、各ステータ14,16で生成される回転磁界 同期して回転駆動する。また、ロータ18aの 方向複数個所に永久磁石44を配置すること 、ロータ18aの周方向複数個所に磁気突極を たせることができ、その磁気突極によるリ クタンストルクによっても、ロータ18aが回 駆動する。

 また、本実施の形態の場合も、1個のロー タ18aの両側に2個のステータ14,16を設け、2個 ステータ14,16が発生する磁束の向きを、ステ ータ14,16の軸方向とするとともに、2個のステ ータ14,16同士で同じ相のステータ巻線22は、 方向に互いに電気角で180度ずらせて配置し いる。このため、2個のステータ14,16が発生 る磁束に含まれる空間高調波磁束をロータ18 aで互いに相殺させることができ、磁束の漏 や渦電流による鉄損を低減して、同期電動 として使用される回転電機10aの性能向上を れる。

 さらに各ステータ巻線22の各ステータ14,16 の周方向に関する幅が小さくならないため、 ステータ14,16が発生する基本波磁束が低減し い。したがって、ステータ巻線22を集中巻 線とした場合に、ステータ14,16が発生する基 本波磁束を低減させることなく起磁力高調波 を低減させることにより、空間高調波磁束に よるロータ18a側の磁束の漏れや鉄損を低減す ることができ、これにより、回転電機10aの性 能を大きく向上させることができる。その他 の構成及び作用については、上記の第1の実 の形態と同様であるため、同等部分には同 符号を付して重複する説明を省略する。

[第3の発明の実施の形態]
 図8は、本発明の第3の実施の形態の回転電 を示す略断面図である。本実施の形態の回 電機10bは、上記の図1から図6に示した第1の 施の形態と同様に、誘導電動機として使用 能とする。特に、本実施の形態では、2個の 側ステータである外側ステータ46と、他側 テータである内側ステータ48とを、1個のロ タ18bを介して径方向に対向させている。す わち、本実施の形態の回転電機10bは、ステ タ46,48とロータ18bとが径方向に対向するよう に配置された、ラジアル型の誘導電動機とし ている。

 すなわち、回転電機10bは、ケーシング12 内周面に円筒状の外側ステータ46を嵌合固定 し、ケーシング12の内面の軸方向片側面に軸 向に突出する状態で、内側ステータ48を固 している。外側ステータ46と内側ステータ48 の間に、所定の径方向の空隙を空けている 各ステータ46,48は、複数の電磁鋼板を積層 る等により構成するステータコア50、52と、 数相である、U相、V相、W相の3相のステータ 巻線54とを備える。各ステータコア50,52の互 に対向する径方向片側面の周方向複数個所 等間隔位置に、径方向に突出するようにテ ース56,58を設けている。例えば、各ステータ コア50,52に複数のティース56,58を設けるため 、ステータコア50,52の周方向複数個所に径方 向の孔部を形成するとともに、孔部に、鋼板 等の磁性材製のティース構成部材を挿入し、 ティース構成部材のステータコア50,52の径方 片側面から突出した部分により、複数のテ ース56,58を構成することもできる。

 そして、各ティース56,58にステータ巻線54 を巻回している。各ステータ巻線54は、複数 ティース56,58のうち、周方向に隣り合うテ ース56,58同士で異なる相の巻線が巻き付けら れる集中巻巻線としている。

 また、ロータ18bは、回転軸26の軸方向中 部外径側に固定された有底円筒状のロータ 電体60と、ロータ導電体60を構成する筒部61 周方向複数個所の等間隔位置に設けられた 性材製のロータコア62とを有する。ロータコ ア62は、ロータ導電体60を構成する筒部61の径 方向全長にわたって設けている。

 このようなロータ18bは、回転軸26の軸方 中間部外径側に、ロータ導電体60を構成する 底板部64に設けた孔部66を嵌合することによ 固定している。また、ロータ18bの径方向両 に設ける外側ステータ46及び内側ステータ48 、両ステータ46,48同士で同じ相のステータ 線54が発生する磁束の向きを、径方向に関し て互いに逆方向としている。また、外側ステ ータ46及び内側ステータ48同士で同じ相のス ータ巻線54は、周方向に互いに電気角で180度 ずれて配置されている。なお、図8で示した2 のステータ46,48において、ステータ巻線54の 周方向に関する配置関係は、実際の配置関係 を表すものではなく、実際には、2個のステ タ46,48同士でステータ巻線54の周方向に関す 位置がずれている。

 このような本実施の形態の場合も、上記 図1から図6に示した第1の実施の形態と同様 、ステータ巻線54を集中巻巻線とした場合 、ステータ46,48が発生する基本波磁束を低減 させることなく起磁力高調波を低減させるこ とにより、ロータ18b側の2次銅損等の2次導体 失を大幅に低減でき、回転電機10bの性能を きく向上させることができる。その他の構 及び作用については、上記の第1の実施の形 態と同様であるため、同等部分には同一符号 を付して重複する説明を省略する。

 なお、図示は省略するが、上記の図7に示 した第2の実施の形態と、上記の図8に示した 3の実施の形態とを組み合わせた構成とする こともできる。すなわち、上記の図8に示し 第3の実施の形態において、ロータ導電体60 同形状の鉄製のロータコアとし、ロータ導 体60の周方向複数個所に設けたロータコア62 代わりに、径方向に着磁した永久磁石を配 し、その着磁方向を周方向に隣り合う永久 石同士で逆にすることもできる。

 また、図示は省略するが、上記の図7に示 した第2の実施の形態、または第2の実施の形 と第3の実施の形態とを組み合わせた構成に おいて、ロータ18aに永久磁石44を設けず、ま は永久磁石44を設けるとともに、ロータ18a 軸方向の両側面またはロータの径方向両周 の周方向複数個所に、軸方向または径方向 突出する突部を設け、ロータ18aの回転トル において、リラクタンストルクの利用率を くすることもできる。なお、上記の各実施 形態の回転電機は、電動機として使用する 合に限定するものではなく、発電機として 用することもできる。