Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
ROTATION SPEED DETECTOR-EQUIPPED BEARING FOR WHEEL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/090741
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] To provide a rotation speed detector-equipped bearing for a wheel, in which hermetic seal performance of a detecting portion is enhanced to prevent foreign matters from entering into the detection section and in which rusting of a cover is suppressed so that reliability of the bearing device is maintained over a long term. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] A cover (26) constituting a sensor holder (10) has a tubular fitting portion (11a) made of a corrosion resistant nonmagnetic steel plate and fitted over an end portion of an outer member (5), a flange portion (11b) extending radially inward from the fitting portion, and a bottom portion (11c) extending radially inward from the flange portion. The inner edge of the bottom portion (11c) is extended in the direction of an inner ring (2) to form a curved portion (26a), and the inner diameter of the curved portion (26a) is set to be smaller than the outer diameter of the inner ring (2) to form a labyrinth seal (27) having a predetermined axial clearance between the curved portion (26a) and the inner ring (2). Because the axial clearance is set in the range of 0.5 - 2.0 mm, an encoder (16) is prevented from being damaged by a pebble directly colliding with it from the outside and hermetic seal performance of the detection portion is enhanced.

Inventors:
KAWAMURA HIROSHI (JP)
YAMAMOTO KAZUNARI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/000068
Publication Date:
July 31, 2008
Filing Date:
January 23, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
NTN TOYO BEARING CO LTD (JP)
KAWAMURA HIROSHI (JP)
YAMAMOTO KAZUNARI (JP)
International Classes:
G01P3/487; F16C19/18; F16C33/80; F16C41/00
Foreign References:
JP2005291478A2005-10-20
JP2005140320A2005-06-02
JP2006258427A2006-09-28
JPH0514634U1993-02-26
JPS6313305U1988-01-28
Attorney, Agent or Firm:
KOSHIKAWA, Takao (111-2 Itayamachi, Naka-ku, Hamamatsu-sh, Shizuoka 91, JP)
Download PDF:
Claims:
 外周にナックルに取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
 一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
 この内方部材および前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、
 前記外方部材の端部に装着され、前記車輪の回転速度を検出する回転速度センサが配設されたセンサホルダと、
 前記内輪に外嵌され、前記回転速度センサに所定のエアギャップを介して対峙されたエンコーダとを備えた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、
 前記センサホルダが、耐食性を有する鋼板製のカバーと、前記回転速度センサが包埋され、この回転速度センサの出力が取り出されるハーネスが結線された合成樹脂製の保持部とを備え、前記カバーが、前記外方部材の端部に外嵌される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向内方に延び、前記外方部材の端面に密着される鍔部と、この鍔部からさらに径方向内方に延びる底部とからなり、全体として円環状に形成されると共に、前記底部が前記内輪との間に所定のすきまを有するラビリンスシールを構成していることを特徴とする回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記底部の内径が前記内輪の外径よりも小径に形成され、当該内輪との軸方向すきまが0.5~2.0mmの範囲に設定されている請求項1に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記底部の内径と等速自在継手を構成する外側継手部材の外径との間に所定の径方向すきまからなるラビリンスシールが形成され、この径方向すきまが0.5~3.0mmの範囲に設定されている請求項1または2に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記カバーの嵌合部の端部と前記車体取付フランジの側面との間に所定の軸方向すきまが形成されている請求項1乃至3いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記カバーが嵌合される前記外方部材の嵌合面と前記車体取付フランジとの隅部に環状の盗みが形成されている請求項4に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記カバーの嵌合部の端部に径方向外方に延びる係止片が形成されている請求項4または5に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記底部の径方向下部にドレーンが形成されている請求項1乃至6いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記カバーが非磁性体の鋼鈑から形成されている請求項1乃至7いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
Description:
回転速度検出装置付き車輪用軸 装置

 本発明は、自動車等の車輪を回転自在に 承すると共に、この車輪の回転速度を検出 る回転速度検出装置が内蔵された回転速度 出装置付き車輪用軸受装置に関するもので る。

 自動車の車輪を懸架装置に対して回転自 に支承すると共に、アンチロックブレーキ ステム(ABS)を制御し、車輪の回転速度を検 する回転速度検出装置が内蔵された回転速 検出装置付き車輪用軸受装置が一般的に知 れている。従来、このような車輪用軸受装 は、転動体を介して転接する内方部材およ 外方部材の間にシール装置が設けられ、円 方向に磁極を交互に並べてなる磁気エンコ ダを前記シール装置に一体化させると共に 磁気エンコーダと、この磁気エンコーダに 面配置され、車輪の回転に伴う磁気エンコ ダの磁極変化を検出する回転速度センサと 回転速度検出装置が構成されている。

 前記回転速度センサは、懸架装置を構成 るナックルに車輪用軸受装置が装着された 、当該ナックルに装着されているものが一 的である。しかし、この回転速度センサと 気エンコーダとのエアギャップの調整作業 煩雑さを解消すると共に、よりコンパクト を狙って、最近では回転速度センサをも軸 に内蔵した回転速度検出装置付き車輪用軸 装置が提案されている。

 このような回転速度検出装置付き車輪用 受装置の一例として図9に示すような構造が 知られている。この回転速度検出装置は、内 輪50に外嵌されたエンコーダ51と、これに対 して外方部材52の端部に装着されたセンサホ ルダ53と、これに装着され、エンコーダ51に 定のエアギャップを介して対峙する回転速 センサ54とを備えている。エンコーダ51はシ ル56を構成するスリンガ57の側面に接合され ている。

 シール56は、断面略L字状に形成されたス ンガ57と、このスリンガ57に対向して外方部 材52装着され、断面略L字状に形成された環状 のシール板58とからなる。スリンガ57は、内 50に外嵌された円筒部57aと、この円筒部57aか ら径方向外方に延びる立板部57bとからなる。 一方、シール板58は、外方部材52の端部に内 される芯金59と、この芯金59に加硫接着され シール部材60とからなる。このシール部材60 はゴム等のエラストマからなり、スリンガ57 立板部57bに摺接するサイドリップ60aと、円 部57aに摺接するグリースリップ60bおよび中 リップ60cとからなる。

 センサホルダ53は、外方部材52に外嵌され た鋼板製のカバー55と、このカバー55の底部55 cに結合された合成樹脂製の保持部61とからな り、この保持部61に回転速度センサ54が包埋 れている。カバー55は、外方部材52の外嵌さ た円筒状の嵌合部55aと、この嵌合部55aから 方向内方に延びる鍔部55bと、この鍔部55bか 軸方向に延びる底部55cとからなる。

 回転速度センサ54の出力はハーネス62によ って取り出され、図示しないABSの制御器に送 られる。ハーネス62は、保持部61に設けられ 取出し口63を介して結線されると共に、取出 し口63は、外側継手部材64の外周面の傾斜角β よりも大きく設定された傾斜角αに形成され いる。

 これにより、ハーネス62が垂れ下がって 側継手部材64と干渉するのを防止することが できるので、ハーネス62の垂れ下がりを止め ためのクリップが最小限で済むと共に、ハ ネス62自体も過度に曲げる必要がなくなり 内部配線への悪影響を防止して信頼性を一 と向上させることができる。したがって、 単な構成でハーネス62の固定作業を簡便化で き、組立の作業性を向上させてコスト低減を 図ることができる(例えば、特許文献1参照。) 。

 また、図10に示すように、車両走行時に振 が発生したり、外方部材52に大きな荷重が負 荷されて外方部材52が繰り返し楕円形状に変 しても、カバー55が外方部材52に対して移動 することがないように、カバー55における嵌 部55aの先端部に径方向外方に延びる係止片6 5が形成され、この係止片65が、外方部材52の 郭形状に沿う形状に形成されると共に、ナ クルNと車体取付フランジ52bに挟持された状 態で軸方向に固定されたものが知られている (例えば、特許文献2参照。)。これにより、長 期間に亘ってエンコーダ51と回転速度センサ5 4との間のエアギャップを初期に設定された 態に維持することができ、車輪の回転速度 出の信頼性を向上させることができる。

特開2006-145418号公報

特開2006-284402号公報

 然しながら、こうした従来の回転速度検 装置付き車輪用軸受装置は、路面に近くて しい環境下に曝されているため、エンコー 51が、例えば、円周方向に磁極を交互に並 てなる磁気エンコーダで構成され、このエ コーダ51に所定のエアギャップを介して対峙 する回転速度センサ54がホール素子等の磁気 出素子からなる場合、エンコーダ51と回転 度センサ54との間の検出部に泥塩水や磁性粉 を含む泥水等の異物が侵入すると、検出精度 が低下して信頼性が損なわれる恐れがある。

 また、後者の回転速度検出装置付き車輪 軸受装置において、例えば、回転速度セン 54が故障したり、その他の部品が不具合を こした場合、外方部材52からセンサホルダ53 引抜いて新品に交換する必要がある。この ンサホルダ53を引抜く方法としては、カバ 55における嵌合部55aの係止片65と外方部材52 車体取付フランジ52bとのすきまに引抜き用 治具(図示せず)を差し込んで行うことが考え られるが、係止片65と車体取付フランジ52bと 間のすきまは実質的にはなく、作業が煩雑 なって補修市場において交換作業が難しく る恐れがある。

 本発明は、このような事情に鑑みてなさ たもので、検出部の密封性を高めて異物が 入するのを防止すると共に、検出精度を高 て長期間に亘って信頼性を維持させた回転 度検出装置付き車輪用軸受装置を提供する とを目的としている。また、本発明の他の 的は、センサホルダの交換作業を容易にし 補修性を向上させことにある。

 係る目的を達成すべく、本発明は、外周 ナックルに取り付けられるための車体取付 ランジを一体に有し、内周に複列の外側転 面が一体に形成された外方部材と、一端部 車輪を取り付けるための車輪取付フランジ 一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段 が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の 径段部に圧入された少なくとも一つの内輪 らなり、外周に前記複列の外側転走面に対 する複列の内側転走面が形成された内方部 と、この内方部材および前記外方部材の両 走面間に転動自在に収容された複列の転動 と、前記外方部材の端部に装着され、前記 輪の回転速度を検出する回転速度センサが 設されたセンサホルダと、前記内輪に外嵌 れ、前記回転速度センサに所定のエアギャ プを介して対峙されたエンコーダとを備え 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置にお て、前記センサホルダが、耐食性を有する 板製のカバーと、前記回転速度センサが包 され、この回転速度センサの出力が取り出 れるハーネスが結線された合成樹脂製の保 部とを備え、前記カバーが、前記外方部材 端部に外嵌される円筒状の嵌合部と、この 合部から径方向内方に延び、前記外方部材 端面に密着される鍔部と、この鍔部からさ に径方向内方に延びる底部とからなり、全 として円環状に形成されると共に、前記底 が前記内輪との間に所定のすきまを有する ビリンスシールを構成している。・・請求 1

 このように、内輪回転タイプの回転速度 出装置付き車輪用軸受装置において、セン ホルダが、耐食性を有する鋼板製のカバー 、回転速度センサが包埋され、この回転速 センサの出力が取り出されるハーネスが結 された合成樹脂製の保持部とを備え、カバ が、外方部材の端部に外嵌される円筒状の 合部と、この嵌合部から径方向内方に延び 外方部材の端面に密着される鍔部と、この 部からさらに径方向内方に延びる底部とか なり、全体として円環状に形成されると共 、底部が内輪との間に所定のすきまを有す ラビリンスシールを構成しているので、エ コーダに外部から小石等が直接衝突して破 するのを防止することができると共に、検 部の密封性を高めて異物が侵入するのを防 し、検出精度を高めて長期間に亘って信頼 を維持させた回転速度検出装置付き車輪用 受装置を提供することができる。

 好ましくは、本発明のように、前記底部 内径が前記内輪の外径よりも小径に形成さ 、当該内輪との軸方向すきまが0.5~2.0mmの範 に設定されていれば、内輪との干渉を避け かつ密封性を確保して異物が侵入するのを 止することができる。・・請求項2

 また、本発明のように、前記底部の内径 等速自在継手を構成する外側継手部材の外 との間に所定の径方向すきまからなるラビ ンスシールが形成され、この径方向すきま 0.5~3.0mmの範囲に設定されていれば、検出部 密封性を一段と高めることができる。・・ 求項3

 また、本発明のように、前記カバーの嵌 部の端部と前記車体取付フランジの側面と 間に所定の軸方向すきまが形成されていれ 、引抜き用の治具をこの軸方向すきまに差 込んで、外方部材からカバーを容易に引抜 ことができ、補修性を向上させることがで る。・・請求項4

 好ましくは、本発明のように、前記カバ が嵌合される前記外方部材の嵌合面と前記 体取付フランジとの隅部に環状の盗みが形 されていれば、引抜き治具が挿入され易く るので、外方部材からカバーを容易に引抜 ことができ、補修性を一層向上させること できる。・・請求項5

 また、本発明のように、前記カバーの嵌 部の端部に径方向外方に延びる係止片が形 されていれば、外方部材からカバーを一層 易に引抜くことができる。・・請求項6

 また、本発明のように、前記底部の径方 下部にドレーンが形成されていれば、例え バー内に外部から雨水等の異物が浸入した しても、異物がカバー内を流動落下し、底 の径方向下部から異物を排出させることが きる。・・請求項7

 また、本発明のように、前記カバーが非 性体の鋼鈑から形成されていれば、回転速 センサの感知性能に悪影響を及ぼさず、正 な検出精度を確保することができる。・・ 求項8

 本発明に係る回転速度検出装置付き車輪 軸受装置は、外周にナックルに取り付けら るための車体取付フランジを一体に有し、 周に複列の外側転走面が一体に形成された 方部材と、一端部に車輪を取り付けるため 車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸 向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、 よびこのハブ輪の小径段部に圧入された少 くとも一つの内輪からなり、外周に前記複 の外側転走面に対向する複列の内側転走面 形成された内方部材と、この内方部材およ 前記外方部材の両転走面間に転動自在に収 された複列の転動体と、前記外方部材の端 に装着され、前記車輪の回転速度を検出す 回転速度センサが配設されたセンサホルダ 、前記内輪に外嵌され、前記回転速度セン に所定のエアギャップを介して対峙された ンコーダとを備えた回転速度検出装置付き 輪用軸受装置において、前記センサホルダ 、耐食性を有する鋼板製のカバーと、前記 転速度センサが包埋され、この回転速度セ サの出力が取り出されるハーネスが結線さ た合成樹脂製の保持部とを備え、前記カバ が、前記外方部材の端部に外嵌される円筒 の嵌合部と、この嵌合部から径方向内方に び、前記外方部材の端面に密着される鍔部 、この鍔部からさらに径方向内方に延びる 部とからなり、全体として円環状に形成さ ると共に、前記底部が前記内輪との間に所 のすきまを有するラビリンスシールを構成 ているので、エンコーダに外部から小石等 直接衝突して破損するのを防止することが きると共に、検出部の密封性を高めて異物 侵入するのを防止し、検出精度を高めて長 間に亘って信頼性を維持させた回転速度検 装置付き車輪用軸受装置を提供することが きる。

 外周にナックルに取り付けられるための 体取付フランジを一体に有し、内周に複列 外側転走面が一体に形成された外方部材と 一端部に車輪を取り付けるための車輪取付 ランジを一体に有し、外周に前記複列の外 転走面に対向する一方の内側転走面と、こ 内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小 段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ の小径段部に圧入され、外周に前記複列の 側転走面に対向する他方の内側転走面が形 された内輪からなる内方部材と、この内方 材および前記外方部材の両転走面間に転動 在に収容された複列の転動体と、前記外方 材の端部に装着され、前記車輪の回転速度 検出する回転速度センサが配設されたセン ホルダと、前記内輪に外嵌され、前記回転 度センサに所定のエアギャップを介して対 されたエンコーダとを備えた回転速度検出 置付き車輪用軸受装置において、前記セン ホルダが、耐食性を有する非磁性体の鋼板 のカバーと、前記回転速度センサが包埋さ 、この回転速度センサの出力が取り出され ハーネスが結線された合成樹脂製の保持部 を備え、前記カバーが、前記外方部材の端 に外嵌される円筒状の嵌合部と、この嵌合 から径方向内方に延び、前記外方部材の端 に密着される鍔部と、この鍔部からさらに 方向内方に延びる底部とからなると共に、 記底部の内径が前記内輪の外径よりも小径 形成されて内輪との間に所定の軸方向すき を有するラビリンスシールが構成され、こ 軸方向すきまが0.5~2.0mmの範囲に設定されて る。

 以下、本発明の実施の形態を図面に基づい 詳細に説明する。
 図1は、本発明に係る回転速度検出装置付き 車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図 、図2は、図1の側面図、図3は、図1の要部拡 図、図4は、図1のカバーを示す正面図、図5 、本発明に係るカバーを示す要部拡大図、 6は、図5の変形例を示す要部拡大図、図7は 図6の変形例を示す要部拡大図、図8は、他の 変形例を示す要部拡大図である。なお、以下 の説明では、車両に組み付けた状態で車両の 外側寄りとなる側をアウター側(図面左側)、 央寄り側をインナー側(図面右側)という。

 この回転速度検出装置付き車輪用軸受装 は駆動輪用の第3世代と称され、ハブ輪1と 輪2からなる内方部材3と、この内方部材3に 列の転動体(ボール)4、4を介して外挿された 方部材5とを備えている。

 ハブ輪1は、アウター側の端部に車輪(図 せず)を取り付けるための車輪取付フランジ6 を一体に有し、この車輪取付フランジ6の円 等配位置にハブボルト6aが植設されている。 また、外周にはアウター側(一方)の内側転走 1aと、この内側転走面1aから軸方向に延びる 円筒状の小径段部1bが形成され、内周にはト ク伝達用のセレーション(またはスプライン )1cが形成されている。ハブ輪1の小径段部1bに は外周にインナー側(他方)の内側転走面2aが 成された内輪2が所定のシメシロを介して圧 固定されている。

 外方部材5はS53C等の炭素0.40~0.80wt%を含む 高炭素鋼からなり、外周にナックル(図示せ )に取り付けるための車体取付フランジ5bを 体に有し、内周には前記内方部材3の複列の 内側転走面1a、2aに対向する複列の外側転走 5a、5aが一体に形成されている。これら外側 走面5a、5aは高周波焼入れによって表面硬さ を58~64HRCの範囲に硬化処理が施されている。 の外方部材5の外側転走面5a、5aと、これら 対向する複列の内側転走面1a、2a間には複列 転動体4、4がそれぞれ収容され、保持器7、7 によって転動自在に保持されている。また、 外方部材5の端部にはシール8、9が装着され、 軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と 、外部から軸受内部に雨水やダスト等が侵入 するのを防止している。

 ハブ輪1はS53C等の炭素0.40~0.80wt%を含む中 炭素鋼からなり、アウター側のシール8が摺 するシールランド部6bから内側転走面1aおよ び小径段部1bに亙って高周波焼入れによって 面硬さを58~64HRCの範囲に硬化処理が施され いる。これにより、車輪取付フランジ6の基 となるシールランド部6bの耐摩耗性が向上 るばかりでなく、内輪2の嵌合面となる小径 部1bのフレッティングが抑制されると共に 車輪取付フランジ6に負荷される回転曲げ荷 に対して充分な機械的強度を有し、ハブ輪1 の耐久性が向上する。

 本実施形態では、センサホルダ10が外方 材5の端部に装着されている。このセンサホ ダ10は、カップ状に形成されたカバー11と、 このカバー11に結合された保持部12とからな 。カバー11は外方部材5の外周に圧入される 筒状の嵌合部11aと、この嵌合部11aから径方 内方に延び、外方部材5の端面に密着する鍔 11bと、この鍔部11bからさらに径方向内方に びる底部11cとからなり、全体として円環状 形成されている。

 このように、鍔部11bを外方部材5の端面に 密着させた状態で、嵌合部11aが外方部材5の 部に外嵌されているので、センサホルダ10が 外方部材5に対して容易に、かつ正確に位置 め固定することができ、車輪の回転速度を 度良く検出することができる。このカバー11 は、耐食性を有するステンレス鋼板等をプレ ス加工にて形成されている。特に、カバー11 、後述する回転速度センサ14の感知性能に 影響を及ぼさないように、非磁性体の鋼鈑 例えば、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(J IS規格のSUS304系等)で形成されるのが好ましい 。

 カバー11における底部11cの径方向外方の 箇所には、回転速度センサ14が包埋された保 持部12が結合されている。この保持部12は合 樹脂からなり、底部11cに形成された後述す 固定部13に装着されている。

 回転速度センサ14は、ホール素子、磁気 抗素子(MR素子)等、磁束の流れ方向に応じて 性を変化させる磁気検出素子と、この磁気 出素子の出力波形を整える波形成形回路が み込まれたICとからなる。

 一方、図3に拡大して示すように、保持部 12と軸方向に対向するように内輪2の外径にス リンガ15が圧入されている。このスリンガ15 、インナー側のシール9を構成し、内輪2に圧 入される円筒部15aと、この円筒部15aから径方 向外方に延びる立板部15bとからなる。なお、 このスリンガ15は、強磁性体の鋼鈑、例えば フェライト系のステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS 430系等)や、防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS 格のSPCC系等)からプレス加工によって断面 L字状に形成されている。スリンガ15におけ 立板部15bのインナー側の側面には、ゴム等 エラストマにフェライト等の磁性体粉が混 された磁気エンコーダ16が一体に加硫接着さ れている。この磁気エンコーダ16は、周方向 交互に磁極N、Sが着磁され、車輪の回転速 検出用のロータリエンコーダを構成してい 。

 インナー側のシール9は、前記スリンガ15 、このスリンガ15に対向して外方部材5に装 され、断面略L字状に形成された環状のシー ル板17とからなる。このシール板17は、外方 材5の端部に内嵌される円筒部18a、およびこ 円筒部18aの一端から径方向内方に延びる立 部18bからなる芯金18と、この芯金18に加硫接 着されたシール部材19とからなる。芯金18は オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のS US304系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧 延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)からプレス加工にて 形成されている。

 シール部材19はゴム等の弾性部材からな 、前記スリンガ15の立板部15bに摺接するサイ ドリップ19aと、円筒部15aに摺接するグリース リップ19bおよび中間リップ19cとからなる。ま た、スリンガ15における立板部15bの外縁は、 金18の円筒部18aと僅かな径方向すきまを介 て対峙してラビリンスシール20を構成してい る。

 ここで、本実施形態では、カバー11が嵌 される外方部材5の嵌合面5cと車体取付フラ ジ5bとの隅部に環状の盗み5dが形成されると に、カバー11の嵌合部11aの端面と車体取付 ランジ5の側面5eとの間に所定の軸方向すき εが形成されている。これにより、引抜き用 の治具(図示せず)をこの軸方向すきまεに差 込んで、外方部材5からカバー11を容易に引 くことができ、補修性を向上させた回転速 検出装置付き車輪用軸受装置を提供するこ ができる。なお、この軸方向すきまεは、治 具の挿入性を考慮して少なくとも0.5mmを確保 るのが好ましい。

 本実施形態では、インナー側のシール9と センサホルダ10とが軸方向に対向配置され、 ール9を構成するスリンガ15に磁気エンコー 16が一体接合されると共に、センサホルダ10 を構成する保持部12に回転速度センサ14が包 され、この回転速度センサ14が、磁気エンコ ーダ16に軸方向すきま(エアギャップ)を介し 対向配置されている。そして、図2に示すよ に、回転速度センサ14の出力がハーネス21に よって取り出され、図示しないABSの制御器に 送られる。なお、保持部12は、路面垂直方向 対して所定の傾斜角θに配設されている。 の傾斜角θは30~90°の範囲に設定されている そして、ハーネス21はこの保持部12からカバ 11の接線方向に延び、回転速度センサ14に結 線されている。これにより、ハーネス21がナ クルの外径側へ取り出し易くなって組立の 業性が向上する。

 ここで、カバー11に結合される保持部12の 傾斜角θが路面垂直方向を基準に30°より小さ くなれば、ハーネス21を過度に曲げてナック の外径側へ取り出すことになり、保持部12 対してハーネス21の屈曲角度が大きくなる。 これでは、内部配線への悪影響が生じて信頼 性を損なう恐れがあり好ましくない。一方、 傾斜角θが90°を超えると、ハーネス21自体の さが必要以上に長くなり、組立作業が煩雑 なって作業性が低下するだけでなく、ハー ス21がナックルや他の周辺部品に干渉し易 なるため、信頼性が低下する。

 また、図4に示すように、カバー11におけ 底部11cの径方向外方の一箇所に固定部13が 成され、この固定部13に保持部12が結合され いる。固定部13は、嵌合部11aと底部11cから 方向に一部突出した箱形に形成されている そして、保持部12が嵌挿される矩形の切欠き 部22と、固定用の穴23が2つ穿設されている。 持部12はこの切欠き部22からその一部が嵌挿 され、保持部12に形成された突起を固定用の 23に係合させ、外側から加締めることによ てカバー11に固定されている。これにより、 ガタなく簡便に保持部12をカバーに結合する とができる。なお、切欠き部22は矩形でな とも内径側に開口したものであっても良い また、固定用の穴23は2つに限らず、例えば 1個でも、また3個以上であっても良い。

 また、底部11cの径方向下部にまゆ形のド ーン24が形成されている。これにより、例 カバー11内に外部から雨水等の異物が浸入し たとしても、異物がカバー11内を流動落下し 底部11cの径方向下部から異物を排出させる とができる。このドレーン24としてまゆ形 例示したが、これに限らず、例えば、円孔 あっても良いし、矩形状の孔であっても良 。

 ここで、図5に示すように、カバー11の固 部13を除いてその底部11cの内縁が内輪2の外 に接近して形成され、内輪2との間にラビリ ンスシール25が形成されている。これにより 磁気エンコーダ16がこの底部11によって外部 に露出することがないので、磁気エンコーダ 16に外部から小石等が直接衝突して破損する を防止することができると共に、検出部の 封性を高めて異物が侵入するのを防止し、 出精度を高めて長期間に亘って信頼性を維 させた回転速度検出装置付き車輪用軸受装 を提供することができる。

 図6に示すカバー26は、図5カバー11の変形 であるが、前述したカバー11の底部11cに、 の内縁から内輪2方向に延長させて湾曲部26a 形成されている。この湾曲部26aの内径は内 2の外径よりも小径に形成されると共に、底 部11cから内輪2側に接近して所定の軸方向す まを有するラビリンスシール27を構成してい る。これにより、検出部の密封性を一層高め て異物が侵入するのを防止することができる 。なお、この軸方向すきまは内輪2との干渉 避け、かつ密封性を確保するために0.5~2.0mm 範囲に設定されるのが好ましい。

 図7は、図6の変形例を示している。この バー28は、嵌合部11aの先端部に径方向外方に 延びる係止片28aが形成されている。そして、 この係止片28aと車体取付フランジ5の側面5eと の間に所定の軸方向すきまεが形成されてい 。これにより、前述した実施形態のように 外方部材5の嵌合面5cと車体取付フランジ5b の隅部に環状の盗み5dを形成しなくても外方 部材5からカバー28を容易に引抜くことができ 、補修性を一層向上させることができる。

 さらに、図8に変形例を示す。このカバー 29は、鍔部11bから径方向内方に底部29aが形成 れ、この底部29aの内縁が内輪2だけでなく、 等速自在継手を構成する外側継手部材30の外 と僅かな径方向すきまを介して対向し、ラ リンスシール31を構成している。これによ 、検出部の密封性を一段と高めることがで る。なお、この径方向すきまは外側継手部 30との干渉を避け、かつ密封性を確保するた めに0.5~3.0mmの範囲に設定されるのが好ましい 。

 なお、ここでは回転速度検出装置として 磁気エンコーダ16と、ホール素子等の磁気 出素子からなる回転速度センサ14とからなる アクティブタイプの回転速度検出装置を例示 したが、本発明に係る回転速度検出装置はこ れに限らず、例えば、磁気エンコーダと、磁 石と巻回された環状のコイル等からなるパッ シブタイプであっても良い。

 以上、本発明の実施の形態について説明 行ったが、本発明はこうした実施の形態に 等限定されるものではなく、あくまで例示 あって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内 おいて、さらに種々なる形態で実施し得る とは勿論のことであり、本発明の範囲は、 許請求の範囲の記載によって示され、さら 特許請求の範囲に記載の均等の意味、およ 範囲内のすべての変更を含む。

 本発明に係る回転速度検出装置付き車輪 軸受装置は、内輪回転構造においてあらゆ タイプの回転速度検出装置が内蔵された車 用軸受装置に適用することができる。

本発明に係る車輪用軸受装置の一実施 態を示す縦断面図である。 同上、側面図である。 図1の要部拡大図である。 本発明に係るカバーを示す正面図であ 。 同上、カバーを示す要部拡大図である 図5の変形例を示す要部拡大図である。 図6の変形例を示す要部拡大図である。 同上、さらに変形例を示す要部拡大図 ある。 従来の回転速度検出装置付き車輪用軸 装置を示す要部拡大図である。 他の従来の回転速度検出装置付き車輪 用軸受装置を示す要部拡大図である。

符号の説明

1・・・・・・・・・・・・ハブ輪
1a、2a・・・・・・・・内側転走面
1b・・・・・・・・・・・小径段部
1c・・・・・・・・・・・セレーション
2・・・・・・・・・・・・内輪
3・・・・・・・・・・・・内方部材
4・・・・・・・・・・・・転動体
5・・・・・・・・・・・・外方部材
5a・・・・・・・・・・・外側転走面
5b・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
5c・・・・・・・・・・・嵌合面
5d・・・・・・・・・・・盗み
5e・・・・・・・・・・・車体取付フランジ 側面
6・・・・・・・・・・・・車輪取付フラン
6a・・・・・・・・・・・ハブボルト
6b・・・・・・・・・・・シールランド部
7・・・・・・・・・・・・保持器
8・・・・・・・・・・・・アウター側のシ ル
9・・・・・・・・・・・・インナー側のシ ル
10・・・・・・・・・・・センサホルダ
11、26、28、29・・カバー
11a・・・・・・・・・・嵌合部
11b・・・・・・・・・・鍔部
11c、29a・・・・・・底部
12・・・・・・・・・・・保持部
13・・・・・・・・・・・固定部
14・・・・・・・・・・・回転速度センサ
15・・・・・・・・・・・スリンガ
15a、18a・・・・・・円筒部
15b、18b・・・・・・立板部
16・・・・・・・・・・・磁気エンコーダ
17・・・・・・・・・・・シール板
18・・・・・・・・・・・芯金
19・・・・・・・・・・・シール部材
19a・・・・・・・・・・サイドリップ
19b・・・・・・・・・・グリースリップ
19c・・・・・・・・・・中間リップ
20、25、27、31・・ラビリンスシール
21・・・・・・・・・・・ハーネス
22・・・・・・・・・・・切欠き部
23・・・・・・・・・・・穴
24・・・・・・・・・・・ドレーン
26a・・・・・・・・・・湾曲部
28a・・・・・・・・・・係止片
30・・・・・・・・・・・外側継手部材
50・・・・・・・・・・・内輪
51・・・・・・・・・・・エンコーダ
52・・・・・・・・・・・外方部材
53・・・・・・・・・・・センサホルダ
54・・・・・・・・・・・回転速度センサ
55・・・・・・・・・・・カバー
55a・・・・・・・・・・嵌合部
55b・・・・・・・・・・鍔部
55c・・・・・・・・・・底部
56・・・・・・・・・・・シール
57・・・・・・・・・・・スリンガ
57a・・・・・・・・・・円筒部
57b・・・・・・・・・・立板部
58・・・・・・・・・・・シール板
59・・・・・・・・・・・芯金
60・・・・・・・・・・・シール部材
60a・・・・・・・・・・サイドリップ
60b・・・・・・・・・・グリースリップ
60c・・・・・・・・・・中間リップ
61・・・・・・・・・・・保持部
62・・・・・・・・・・・ハーネス
63・・・・・・・・・・・取出し口
64・・・・・・・・・・・外側継手部材
65・・・・・・・・・・・係止片
N・・・・・・・・・・・・ナックル
α、β、θ・・・・・・・・傾斜角
ε・・・・・・・・・・・・軸方向すきま




 
Previous Patent: CAKES

Next Patent: NON-HUMAN ANIMAL FOR EYE DISEASE MODEL