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Title:
ROTATION SPEED DETECTOR-EQUIPPED BEARING FOR WHEEL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/090746
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] To provide a rotation speed detector-equipped bearing for a wheel, in which hermetic seal performance of a detecting portion is enhanced to prevent foreign matters from entering into the detection section and in which rusting of a cover is suppressed so that reliability of the bearing device is maintained over a long term. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] A sensor holder (10) has an annular cover (11) and also has a synthetic resin holding portion (12) having a rotation speed sensor (14) embedded in it. The cover (11) has a tubular fitting portion (11a) fitted over an end portion of an outer member (5), a flange portion (11b) extending radially inward from the fitting portion, and a bottom portion (11c) extending radially inward from the flange portion. Because the cover (11) is formed by pressing a nonmagnetic austenitic steel plate and at least the outer circumferential surface of the end portion, to which the cover (11) is fitted, of the outer member (5) is subjected to rust prevention treatment, rusting of the cover (11) and an outer member (5) is suppressed to maintain reliability of the bearing device for a long term.

Inventors:
KAWAMURA HIROSHI (JP)
YAMAMOTO KAZUNARI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/000082
Publication Date:
July 31, 2008
Filing Date:
January 24, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NTN TOYO BEARING CO LTD (JP)
KAWAMURA HIROSHI (JP)
YAMAMOTO KAZUNARI (JP)
International Classes:
G01P3/487; F16C19/18; F16C33/80; F16C41/00
Foreign References:
JP2005321375A2005-11-17
JP2006161990A2006-06-22
JP2006312371A2006-11-16
JP2005054910A2005-03-03
JP2005140320A2005-06-02
Attorney, Agent or Firm:
KOSHIKAWA, Takao (111-2 Itayamachi, Naka-ku,Hamamatsu-sh, Shizuoka 91, JP)
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Claims:
 外周にナックルに取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
 一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
 この内方部材および前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、
 前記外方部材の端部に装着され、前記車輪の回転速度を検出する回転速度センサが配設されたセンサホルダと、
 前記内輪に外嵌され、前記回転速度センサに所定のエアギャップを介して対峙されたエンコーダとを備えた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、
 前記センサホルダが、円環状のカバーと、このカバーに結合され、前記回転速度センサが包埋された合成樹脂製の保持部とを備え、前記カバーが、前記外方部材の端部に外嵌される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向内方に延び、前記外方部材の端面に密着される鍔部と、この鍔部からさらに径方向内方に延びる底部とからなり、当該カバーが耐食性を有する鋼板からプレス加工によって形成されると共に、前記外方部材の少なくとも前記カバーが嵌合される端部外周に防錆処理が施されていることを特徴とする回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記カバーが非磁性体のオーステナイト系ステンレス鋼鈑から形成されている請求項1に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記外方部材がマルテンサイト系ステンレス鋼で形成されている請求項1または2に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記カバーの底部の内径が前記内輪の外径よりも小径に形成され、前記内輪の端面と等速自在継手を構成する外側継手部材の外径との間に所定のすきまを有するラビリンスシールが構成されている請求項1乃至3いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記カバーの底部の径方向下部にドレーンが形成されている請求項1乃至4いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
Description:
回転速度検出装置付き車輪用軸 装置

 本発明は、自動車等の車輪を回転自在に 承すると共に、この車輪の回転速度を検出 る回転速度検出装置が内蔵された回転速度 出装置付き車輪用軸受装置に関するもので る。

 自動車の車輪を懸架装置に対して回転自 に支承すると共に、アンチロックブレーキ ステム(ABS)を制御し、車輪の回転速度を検 する回転速度検出装置が内蔵された回転速 検出装置付き車輪用軸受装置が一般的に知 れている。従来、このような車輪用軸受装 は、転動体を介して転接する内方部材およ 外方部材の間にシール装置が設けられ、円 方向に磁極を交互に並べてなる磁気エンコ ダを前記シール装置に一体化させると共に 磁気エンコーダと、この磁気エンコーダに 面配置され、車輪の回転に伴う磁気エンコ ダの磁極変化を検出する回転速度センサと 回転速度検出装置が構成されている。

 前記回転速度センサは、懸架装置を構成 るナックルに車輪用軸受装置が装着された 、当該ナックルに装着されているものが一 的である。しかし、この回転速度センサと 気エンコーダとのエアギャップの調整作業 煩雑さを解消すると共に、よりコンパクト を狙って、最近では回転速度センサをも軸 に内蔵した回転速度検出装置付き車輪用軸 装置が提案されている。

 このような回転速度検出装置付き車輪用 受装置の一例として図6に示すような構造が 知られている。この回転速度検出装置は、内 輪50に外嵌されたエンコーダ51と、これに対 して外方部材52の端部に装着されたセンサホ ルダ53と、これに装着され、エンコーダ51に 定のエアギャップを介して対峙する回転速 センサ54とを備えている。エンコーダ51はシ ル56を構成するスリンガ57の側面に接合され ている。

 シール56は、断面略L字状に形成されたス ンガ57と、このスリンガ57に対向して外方部 材52装着され、断面略L字状に形成された環状 のシール板58とからなる。スリンガ57は、内 50に外嵌された円筒部57aと、この円筒部57aか ら径方向外方に延びる立板部57bとからなる。 一方、シール板58は、外方部材52の端部に内 される芯金59と、この芯金59に加硫接着され シール部材60とからなる。このシール部材60 はゴム等のエラストマからなり、スリンガ57 立板部57bに摺接するサイドリップ60aと、円 部57aに摺接するグリースリップ60bおよび中 リップ60cとからなる。

 センサホルダ53は、外方部材52に外嵌され た鋼板製のカバー55と、このカバー55の底部55 cに結合された合成樹脂製の保持部61とからな り、この保持部61に回転速度センサ54が包埋 れている。カバー55は、外方部材52の外嵌さ た円筒状の嵌合部55aと、この嵌合部55aから 方向内方に延びる鍔部55bと、この鍔部55bか 軸方向に延びる底部55cとからなる。

 回転速度センサ54の出力はハーネス62によ って取り出され、図示しないABSの制御器に送 られる。ハーネス62は、保持部61に設けられ 取出し口63を介して結線されると共に、取出 し口63は、外側継手部材64の外周面の傾斜角β よりも大きく設定された傾斜角αに形成され いる。

 これにより、ハーネス62が垂れ下がって外 継手部材64と干渉するのを防止することがで きるので、ハーネス62の垂れ下がりを止める めのクリップが最小限で済むと共に、ハー ス62自体も過度に曲げる必要がなくなり、 部配線への悪影響を防止して信頼性を一段 向上させることができる。したがって、簡 な構成でハーネス62の固定作業を簡便化でき 、組立の作業性を向上させてコスト低減を図 ることができる。

特開2006-145418号公報

 然しながら、こうした従来の回転速度検 装置付き車輪用軸受装置は、路面に近くて しい環境下に曝されているため、エンコー 51が、例えば、円周方向に磁極を交互に並 てなる磁気エンコーダで構成され、このエ コーダ51に所定のエアギャップを介して対峙 する回転速度センサ54がホール素子等の磁気 出素子からなる場合、エンコーダ51と回転 度センサ54との間の検出部に泥塩水や磁性粉 を含む泥水等の異物が侵入すると、検出精度 が低下して信頼性が損なわれる恐れがある。

 また、カバー55が泥塩水等で発錆した場 、カバー55の固定力が低下して軸方向に移動 して検出精度が低下するだけでなく、嵌合部 55aの錆が外方部材52に移り、所謂もらい錆に って両者が固着し、補修市場において交換 業が難しくなる恐れがある。

 本発明は、このような事情に鑑みてなさ たもので、検出部の密封性を高めて異物が 入するのを防止すると共に、カバーの発錆 抑えて長期間に亘って信頼性を維持させた 転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供 ることを目的としている。

 係る目的を達成すべく、本発明のうち請 項1記載の発明は、外周にナックルに取り付 けられるための車体取付フランジを一体に有 し、内周に複列の外側転走面が一体に形成さ れた外方部材と、一端部に車輪を取り付ける ための車輪取付フランジを一体に有し、外周 に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ 輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され た少なくとも一つの内輪からなり、外周に前 記複列の外側転走面に対向する複列の内側転 走面が形成された内方部材と、この内方部材 および前記外方部材の両転走面間に転動自在 に収容された複列の転動体と、前記外方部材 の端部に装着され、前記車輪の回転速度を検 出する回転速度センサが配設されたセンサホ ルダと、前記内輪に外嵌され、前記回転速度 センサに所定のエアギャップを介して対峙さ れたエンコーダとを備えた回転速度検出装置 付き車輪用軸受装置において、前記センサホ ルダが、円環状のカバーと、このカバーに結 合され、前記回転速度センサが包埋された合 成樹脂製の保持部とを備え、前記カバーが、 前記外方部材の端部に外嵌される円筒状の嵌 合部と、この嵌合部から径方向内方に延び、 前記外方部材の端面に密着される鍔部と、こ の鍔部からさらに径方向内方に延びる底部と からなり、当該カバーが耐食性を有する鋼板 からプレス加工によって形成されると共に、 前記外方部材の少なくとも前記カバーが嵌合 される端部外周に防錆処理が施されている。

 このように、内輪回転タイプの回転速度 出装置付き車輪用軸受装置において、セン ホルダが、耐食性を有する鋼板製のカバー 、回転速度センサが包埋され、この回転速 センサの出力が取り出されるハーネスが結 された合成樹脂製の保持部とを備え、カバ が、外方部材の端部に外嵌される円筒状の 合部と、この嵌合部から径方向内方に延び 外方部材の端面に密着される鍔部と、この 部からさらに径方向内方に延びる底部とか なり、当該カバーが耐食性を有する鋼板か プレス加工によって形成されると共に、外 部材の少なくともカバーが嵌合される端部 周に防錆処理が施されているので、カバー よび外方部材の発錆を抑えて長期間に亘っ 信頼性を維持させた回転速度検出装置付き 輪用軸受装置を提供することができる。

 好ましくは、請求項2に記載の発明のよう に、前記カバーが非磁性体のオーステナイト 系ステンレス鋼鈑から形成されていれば、回 転速度センサの感知性能に悪影響を及ぼさず 、正確な検出精度を確保することができる。

 また、請求項3に記載の発明のように、前 記外方部材がマルテンサイト系ステンレス鋼 で形成されていれば、外方部材の防錆能を高 めると共に、表面硬さを高めて長寿命化を図 ることができる。

 また、請求項4に記載の発明のように、前 記カバーの底部の内径が前記内輪の外径より も小径に形成され、前記内輪の端面と等速自 在継手を構成する外側継手部材の外径との間 に所定のすきまを有するラビリンスシールが 構成されていれば、内輪と外側継手部材との 干渉を避けると共に、検出部の密封性を確保 して異物が侵入するのを防止することができ る。

 また、請求項5に記載の発明のように、前 記カバーの底部の径方向下部にドレーンが形 成されていれば、例えカバー内に外部から雨 水等の異物が浸入したとしても、異物がカバ ー内を流動落下し、底部の径方向下部から異 物を排出させることができる。

 本発明に係る回転速度検出装置付き車輪 軸受装置は、外周にナックルに取り付けら るための車体取付フランジを一体に有し、 周に複列の外側転走面が一体に形成された 方部材と、一端部に車輪を取り付けるため 車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸 向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、 よびこのハブ輪の小径段部に圧入された少 くとも一つの内輪からなり、外周に前記複 の外側転走面に対向する複列の内側転走面 形成された内方部材と、この内方部材およ 前記外方部材の両転走面間に転動自在に収 された複列の転動体と、前記外方部材の端 に装着され、前記車輪の回転速度を検出す 回転速度センサが配設されたセンサホルダ 、前記内輪に外嵌され、前記回転速度セン に所定のエアギャップを介して対峙された ンコーダとを備えた回転速度検出装置付き 輪用軸受装置において、前記センサホルダ 、円環状のカバーと、このカバーに結合さ 、前記回転速度センサが包埋された合成樹 製の保持部とを備え、前記カバーが、前記 方部材の端部に外嵌される円筒状の嵌合部 、この嵌合部から径方向内方に延び、前記 方部材の端面に密着される鍔部と、この鍔 からさらに径方向内方に延びる底部とから り、当該カバーが耐食性を有する鋼板から レス加工によって形成されると共に、前記 方部材の少なくとも前記カバーが嵌合され 端部外周に防錆処理が施されているので、 バーおよび外方部材の発錆を抑えて長期間 亘って信頼性を維持させた回転速度検出装 付き車輪用軸受装置を提供することができ 。

 外周にナックルに取り付けられるための 体取付フランジを一体に有し、内周に複列 外側転走面が一体に形成された外方部材と 一端部に車輪を取り付けるための車輪取付 ランジを一体に有し、外周に前記複列の外 転走面に対向する一方の内側転走面と、こ 内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小 段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ の小径段部に圧入され、外周に前記複列の 側転走面に対向する他方の内側転走面が形 された内輪からなる内方部材と、この内方 材および前記外方部材の両転走面間に転動 在に収容された複列の転動体と、前記外方 材の端部に装着され、前記車輪の回転速度 検出する回転速度センサが配設されたセン ホルダと、前記内輪に外嵌され、前記回転 度センサに所定のエアギャップを介して対 されたエンコーダとを備えた回転速度検出 置付き車輪用軸受装置において、前記セン ホルダが、円環状のカバーと、このカバー 結合され、前記回転速度センサが包埋され 合成樹脂製の保持部とを備え、前記カバー 、前記外方部材の端部に外嵌される円筒状 嵌合部と、この嵌合部から径方向内方に延 、前記外方部材の端面に密着される鍔部と この鍔部からさらに径方向内方に延びる底 とからなり、当該カバーが非磁性体のオー テナイト系ステンレス鋼鈑からプレス加工 よって形成されると共に、前記外方部材の なくとも前記カバーが嵌合される端部外周 防錆処理が施されている。

 以下、本発明の実施の形態を図面に基づい 詳細に説明する。
 図1は、本発明に係る回転速度検出装置付き 車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図 、図2は、図1の側面図、図3は、図1の検出部 示す要部拡大図、図4は、図1のカバーを示す 正面図、図5は、図1の要部拡大図である。な 、以下の説明では、車両に組み付けた状態 車両の外側寄りとなる側をアウター側(図面 左側)、中央寄り側をインナー側(図面右側)と いう。

 この回転速度検出装置付き車輪用軸受装 は駆動輪用の第3世代と称され、ハブ輪1と 輪2からなる内方部材3と、この内方部材3に 列の転動体(ボール)4、4を介して外挿された 方部材5とを備えている。

 ハブ輪1は、アウター側の端部に車輪(図 せず)を取り付けるための車輪取付フランジ6 を一体に有し、この車輪取付フランジ6の円 等配位置にハブボルト6aが植設されている。 また、外周にはアウター側(一方)の内側転走 1aと、この内側転走面1aから軸方向に延びる 円筒状の小径段部1bが形成され、内周にはト ク伝達用のセレーション(またはスプライン )1cが形成されている。ハブ輪1の小径段部1bに は外周にインナー側(他方)の内側転走面2aが 成された内輪2が所定のシメシロを介して圧 固定されている。

 外方部材5はS53C等の炭素0.40~0.80wt%を含む 高炭素鋼からなり、外周にナックル(図示せ )に取り付けるための車体取付フランジ5bを 体に有し、内周には前記内方部材3の複列の 内側転走面1a、2aに対向する複列の外側転走 5a、5aが一体に形成されている。これら外側 走面5a、5aは高周波焼入れによって表面硬さ を58~64HRCの範囲に硬化処理が施されている。 の外方部材5の外側転走面5a、5aと、これら 対向する複列の内側転走面1a、2a間には複列 転動体4、4がそれぞれ収容され、保持器7、7 によって転動自在に保持されている。また、 外方部材5の端部にはシール8、9が装着され、 軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と 、外部から軸受内部に雨水やダスト等が侵入 するのを防止している。

 ハブ輪1はS53C等の炭素0.40~0.80wt%を含む中 炭素鋼からなり、アウター側のシール8が摺 するシールランド部6bから内側転走面1aおよ び小径段部1bに亙って高周波焼入れによって 面硬さを58~64HRCの範囲に硬化処理が施され いる。これにより、車輪取付フランジ6の基 となるシールランド部6bの耐摩耗性が向上 るばかりでなく、内輪2の嵌合面となる小径 部1bのフレッティングが抑制されると共に 車輪取付フランジ6に負荷される回転曲げ荷 に対して充分な機械的強度を有し、ハブ輪1 の耐久性が向上する。

 本実施形態では、センサホルダ10が外方 材5の端部に装着されている。このセンサホ ダ10は、カップ状に形成されたカバー11と、 このカバー11に結合された保持部12とからな 。カバー11は外方部材5の外周に圧入される 筒状の嵌合部11aと、この嵌合部11aから径方 内方に延び、外方部材5の端面に密着する鍔 11bと、この鍔部11bからさらに径方向内方に びる底部11cとからなり、全体として円環状 形成されている。

 このように、鍔部11bを外方部材5の端面に 密着させた状態で、嵌合部11aが外方部材5の 部に外嵌されているので、センサホルダ10が 外方部材5に対して容易に、かつ正確に位置 め固定することができ、車輪の回転速度を 度良く検出することができる。このカバー11 は、耐食性を有する非磁性体の鋼鈑、例えば 、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格 SUS304系等)等のステンレス鋼板をプレス加工 て形成されている。これにより、後述する 転速度センサ14の感知性能に悪影響を及ぼ ず、また、カバー11の発錆を抑えて長期間に 亘って信頼性を維持させた回転速度検出装置 付き車輪用軸受装置を提供することができる 。

 カバー11の素材として、前述したもの以 に、例えば、Cr、Ni、Sn等の各種メッキ鋼板 はじめ、溶融亜鉛メッキ鋼板や、この溶融 鉛メッキ後、加熱によりメッキ層をZn-Feの合 金にした合金化溶融亜鉛メッキ鋼板、亜鉛ア ルミニウム合金メッキ鋼板、クロムやホウ素 を拡散浸透させる、所謂クロマイジング鋼板 やカロライジング鋼板、あるいは、Zn-Al-Mg系 メッキ鋼板(商品名:ZAM)等を例示することが きる。

 ここで、本実施形態では、外方部材5にお けるカバー11との嵌合面、すなわち、インナ 側の端部外周に防錆処理が施されている。 の防錆処理としては、黒染め、リン酸塩皮 処理、Cr、Ni、Zn、Sn等の各種メッキ、ある は、クロムやホウ素を拡散浸透させるクロ イジング処理やカロライジング処理等を例 することができる。これにより、カバー11の 発錆による外方部材5のもらい錆を防止する とができ、両者の固着を防止して、補修市 における交換作業を容易にすることができ 。なお、これ以外に、外方部材5自体を、C1.2 wt%、Cr-Mo18wt%が添加されたSUS440Cのマルテンサ ト系ステンレス鋼等で形成しても良い。こ により、外方部材5の防錆能を高めると共に 、表面硬さを高めて長寿命化を図ることがで きる。

 カバー11における底部11cの径方向外方の 箇所には、回転速度センサ14が包埋された保 持部12が結合されている。この保持部12は合 樹脂からなり、底部11cに形成された後述す 固定部13に装着されている。

 回転速度センサ14は、ホール素子、磁気 抗素子(MR素子)等、磁束の流れ方向に応じて 性を変化させる磁気検出素子と、この磁気 出素子の出力波形を整える波形成形回路が み込まれたICとからなる。

 一方、図3に拡大して示すように、保持部 12と軸方向に対向するように内輪2の外径にス リンガ15が圧入されている。このスリンガ15 、インナー側のシール9を構成し、内輪2に圧 入される円筒部15aと、この円筒部15aから径方 向外方に延びる立板部15bとからなる。なお、 このスリンガ15は、強磁性体の鋼鈑、例えば フェライト系のステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS 430系等)や、防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS 格のSPCC系等)からプレス加工によって断面 L字状に形成されている。そして、スリンガ1 5における立板部15bのインナー側の側面には ゴム等のエラストマにフェライト等の磁性 粉が混入された磁気エンコーダ16が一体に加 硫接着されている。この磁気エンコーダ16は 周方向に交互に磁極N、Sが着磁され、車輪 回転速度検出用のロータリエンコーダを構 している。

 インナー側のシール9は、前記スリンガ15 、このスリンガ15に対向して外方部材5に装 され、断面略L字状に形成された環状のシー ル板17とからなる。このシール板17は、外方 材5の端部に内嵌される円筒部18aと、この円 部18aの一端から径方向内方に延びる立板部1 8bとからなる芯金18と、この芯金18に加硫接着 されたシール部材19とからなる。芯金18は、 ーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS3 04系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延 鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)からプレス加工にて形 成されている。

 シール部材19はゴム等の弾性部材からな 、前記スリンガ15の立板部15bに摺接するサイ ドリップ19aと、円筒部15aに摺接するグリース リップ19bおよび中間リップ19cとからなる。ま た、スリンガ15における立板部15bの外縁は、 金18の円筒部18aと僅かな径方向すきまを介 て対峙してラビリンスシール20を構成してい る。

 本実施形態では、インナー側のシール9と センサホルダ10とが軸方向に対向配置され、 ール9を構成するスリンガ15に磁気エンコー 16が一体接合されると共に、センサホルダ10 を構成する保持部12に回転速度センサ14が包 され、この回転速度センサ14が、磁気エンコ ーダ16に軸方向すきま(エアギャップ)を介し 対向配置されている。そして、図2に示すよ に、回転速度センサ14の出力がハーネス21に よって取り出され、図示しないABSの制御器に 送られる。なお、保持部12は、路面垂直方向 対して30~90°の範囲に配設され、ハーネス21 この保持部12からカバー11の接線方向に延び 、回転速度センサ14に結線されている。これ より、ハーネス21がナックルの外径側へ取 出し易くなって組立の作業性が向上する。

 ここで、カバー11に結合される保持部12の 傾斜角θが路面垂直方向を基準に30°より小さ くなれば、ハーネス21を過度に曲げてナック の外径側へ取り出すことになり、保持部12 対してハーネス21の屈曲角度が大きくなる。 これでは、内部配線への悪影響が生じて信頼 性を損なう恐れがあり好ましくない。一方、 傾斜角θが90°を超えると、ハーネス21自体の さが必要以上に長くなり、組立作業が煩雑 なって作業性が低下するだけでなく、ハー ス21がナックルや他の周辺部品に干渉し易 なるため、信頼性が低下する。

 また、図4に示すように、カバー11におけ 底部11cの径方向外方の一箇所に固定部13が 成され、この固定部13に保持部12が結合され いる。固定部13は、嵌合部11aと底部11cから 方向に一部突出した箱形に形成されている そして、保持部12が嵌挿される矩形の切欠き 部22と、固定用の穴23が2つ穿設されている。 持部12はこの切欠き部22からその一部が嵌挿 され、保持部12に形成された突起を固定用の 23に係合させ、外側から加締めることによ てカバー11に固定されている。これにより、 ガタなく簡便に保持部12をカバーに結合する とができる。なお、切欠き部22は矩形でな とも内径側に開口したものであっても良い また、固定用の穴23は2つに限らず、例えば 1個でも、また3個以上であっても良い。

 ここでは、底部11cの径方向下部にまゆ形 ドレーン24が形成されている。これにより 例えカバー11内に外部から雨水等の異物が浸 入したとしてもこの異物がカバー11内を流動 下し、底部11cの径方向下部から異物を排出 せることができる。このドレーン24として ゆ形を例示したが、これに限らず、例えば 円孔であっても良いし、矩形状の孔であっ も良い。

 ここで、図5に示すように、カバー11の固 部13を除いてその底部11cの内縁が内輪2の外 よりも小径に形成され、内輪2および等速自 在継手を構成する外側継手部材25の外径との に所定のすきまを有するラビリンスシール2 6が構成している。これにより、磁気エンコ ダ16がこの底部11によって外部に露出するこ がないので、磁気エンコーダ16に外部から 石等が直接衝突して破損するのを防止する とができると共に、検出部の密封性を高め 異物が侵入するのを防止し、検出精度を高 て長期間に亘って信頼性を維持させること できる。なお、この内輪2との軸方向すきま 0.5~2.0mmの範囲に、また、外側継手部材25と 径方向すきまは0.5~3.0mmの範囲に設定される が好ましい。これにより、両者との干渉を け、かつ密封性を確保することができる。

 なお、ここでは回転速度検出装置として 磁気エンコーダ16と、ホール素子等の磁気 出素子からなる回転速度センサ14とからなる アクティブタイプの回転速度検出装置を例示 したが、本発明に係る回転速度検出装置はこ れに限らず、例えば、磁気エンコーダと、磁 石と巻回された環状のコイル等からなるパッ シブタイプであっても良い。

 以上、本発明の実施の形態について説明 行ったが、本発明はこうした実施の形態に 等限定されるものではなく、あくまで例示 あって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内 おいて、さらに種々なる形態で実施し得る とは勿論のことであり、本発明の範囲は、 許請求の範囲の記載によって示され、さら 特許請求の範囲に記載の均等の意味、およ 範囲内のすべての変更を含む。

 本発明に係る回転速度検出装置付き車輪 軸受装置は、内輪回転構造においてあらゆ タイプの回転速度検出装置が内蔵された車 用軸受装置に適用することができる。

本発明に係る回転速度検出装置付き車 用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図で る。 同上、側面図である。 図1の検出部を示す要部拡大図である。 本発明に係るカバーを示す正面図であ 。 図1の要部拡大図である。 従来の回転速度検出装置付き車輪用軸 装置を示す要部拡大図である。

符号の説明

1・・・・・・・・・・・・ハブ輪
1a、2a・・・・・・・・内側転走面
1b・・・・・・・・・・・小径段部
1c・・・・・・・・・・・セレーション
2・・・・・・・・・・・・内輪
3・・・・・・・・・・・・内方部材
4・・・・・・・・・・・・転動体
5・・・・・・・・・・・・外方部材
5a・・・・・・・・・・・外側転走面
5b・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
6・・・・・・・・・・・・車輪取付フラン
6a・・・・・・・・・・・ハブボルト
6b・・・・・・・・・・・シールランド部
7・・・・・・・・・・・・保持器
8・・・・・・・・・・・・アウター側のシ ル
9・・・・・・・・・・・・インナー側のシ ル
10・・・・・・・・・・・センサホルダ
11・・・・・・・・・・・カバー
11a・・・・・・・・・・嵌合部
11b・・・・・・・・・・鍔部
11c・・・・・・・・・・底部
12・・・・・・・・・・・保持部
13・・・・・・・・・・・固定部
14・・・・・・・・・・・回転速度センサ
15・・・・・・・・・・・スリンガ
15a、18a・・・・・・円筒部
15b、18b・・・・・・立板部
16・・・・・・・・・・・磁気エンコーダ
17・・・・・・・・・・・シール板
18・・・・・・・・・・・芯金
19・・・・・・・・・・・シール部材
19a・・・・・・・・・・サイドリップ
19b・・・・・・・・・・グリースリップ
19c・・・・・・・・・・中間リップ
20、26・・・・・・・・ラビリンスシール
21・・・・・・・・・・・ハーネス
22・・・・・・・・・・・切欠き部
23・・・・・・・・・・・穴
24・・・・・・・・・・・ドレーン
25・・・・・・・・・・・外側継手部材
50・・・・・・・・・・・内輪
51・・・・・・・・・・・エンコーダ
52・・・・・・・・・・・外方部材
53・・・・・・・・・・・センサホルダ
54・・・・・・・・・・・回転速度センサ
55・・・・・・・・・・・カバー
55a・・・・・・・・・・嵌合部
55b・・・・・・・・・・鍔部
55c・・・・・・・・・・底部
56・・・・・・・・・・・シール
57・・・・・・・・・・・スリンガ
57a・・・・・・・・・・円筒部
57b・・・・・・・・・・立板部
58・・・・・・・・・・・シール板
59・・・・・・・・・・・芯金
60・・・・・・・・・・・シール部材
60a・・・・・・・・・・サイドリップ
60b・・・・・・・・・・グリースリップ
60c・・・・・・・・・・中間リップ
61・・・・・・・・・・・保持部
62・・・・・・・・・・・ハーネス
63・・・・・・・・・・・取出し口
64・・・・・・・・・・・外側継手部材
α、β、θ・・・・・・・・傾斜角