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Title:
Σ-Δ TYPE ANALOG-TO-DIGITAL (AD) CONVERTER AND ANGULAR VELOCITY SENSOR USING SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/090747
Kind Code:
A1
Abstract:
An angular velocity sensor with a stable output characteristic using a Σ-Δ analog-to-digital converter comprising an integrating device (62) for integrating charges outputted from an input switching device (44) and a digital-to-analog converter (48) and holding at least the two values of the integration, a comparator (63) for comparing at least the two values of the integration outputted from the integrating device (62) with a predetermined value, and an operation unit (73) for operating an output signal of the comparator (63) and having a differential operation unit (70) for operating the difference between at least the two comparison signals outputted from the comparator (63) in the operation unit (73).

Inventors:
MURAKAMI HIDEYUKI
KAWAI TAKASHI
NABETANI KOUJI
Application Number:
PCT/JP2008/000087
Publication Date:
July 31, 2008
Filing Date:
January 25, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MATSUSHITA ELECTRIC IND CO LTD (JP)
MURAKAMI HIDEYUKI
KAWAI TAKASHI
NABETANI KOUJI
International Classes:
H03M3/02; G01C19/56; G01C19/5614
Foreign References:
JPH07249989A1995-09-26
JP2005274458A2005-10-06
JP2001237706A2001-08-31
Other References:
See also references of EP 2096759A4
Attorney, Agent or Firm:
IWAHASHI, Fumio et al. (1006, Oaza Kadoma, Kadoma-sh, Osaka 01, JP)
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Claims:
少なくとも2つの入力信号を切り替える入力切替装置と、
少なくとも2つのレベルの電荷量を出力するDA変換装置と、
前記入力切替装置と前記DA変換装置とから出力される電荷を積分しその少なくとも2つの積分値を保持する積分装置と、
前記積分装置から出力される少なくとも2つの積分値を所定の値と比較する比較装置と、
前記比較装置の少なくとも2つの出力に基づいて前記DA変換装置の出力を切り替えるDA切替装置と、
前記比較装置の出力信号を演算する演算装置と、を備え、
前記演算装置は、前記比較装置から出力される少なくとも2つの比較信号の差を演算する差分演算装置を有する
σδ型AD変換器。
前記差分演算装置は、一対の比較信号を1ビット差分演算することにより、1ビット差分信号を形成する
請求項1記載のσδ型AD変換器。
前記演算装置は、1ビット差分信号を所定の補正情報と乗算する補正演算部をさらに備えた
請求項1記載のσδ型AD変換器。
所定の入力信号の位相に基づいて前記入力切替装置と前記積分装置の切り替えを行うタイミング制御回路をさらに備えた
請求項1記載のσδ型AD変換器。
前記タイミング制御回路は、PLL回路を備えた
請求項4記載のσδ型AD変換器。
駆動電極と、
センス電極と、
モニタ電極を有するセンサ素子と、
前記センサ素子を所定の駆動周波数で駆動させるドライブ回路と、
前記センス電極から出力される信号を電気的に処理するとともに、少なくとも2つの入力信号を切り替える入力切替装置と、
少なくとも2つのレベルの電荷量を出力するDA変換装置と、
前記入力切替装置と前記DA変換装置とから出力される電荷を積分しその少なくとも2つの積分値を保持する積分装置と、
前記積分装置から出力される少なくとも2つの積分値を所定の値と比較する比較装置と、
前記比較装置の少なくとも2つの出力に基づいて前記DA変換装置の出力を切り替えるDA切替装置と、
前記比較装置の出力信号を演算する演算装置と、を備え、
前記演算装置に、前記比較装置から出力される少なくとも2つの比較信号の差を演算する差分演算装置を有するσδ型AD変換器を用いた
角速度センサ。
前記差分演算装置は、一対の比較信号を1ビット差分演算することにより、1ビット差分信号を形成する
請求項6記載の角速度センサ。
前記演算装置は、1ビット差分信号を所定の補正情報と演算する補正演算部をさらに備えた
請求項6記載の角速度センサ。
所定の入力信号の位相に基づいて前記入力切替装置と前記積分装置と前記演算装置の切り替えを行うタイミング制御回路をさらに備えた
請求項6記載の角速度センサ。
前記タイミング制御回路は、PLL回路を備えた
請求項9記載の角速度センサ。
Description:
σδ型AD変換器およびそれを用い 角速度センサ

 本発明は、航空機、車両などの移動体の 勢制御やナビゲーションシステム等に用い れるσδ型AD変換器およびそれを用いた角速 センサに関する。

 従来のこの種の複数の入力を扱うσδ型AD 換器について、以下、図面を参照しながら 明する。

 図7は従来のσδ型AD変換器の回路図である 。図7において、入力部1は第1の入力につなが るコンデンサ2と、第2の入力につながるコン ンサ3と、これらのコンデンサ2、3を切り替 る入力切替装置4と、で構成されている。DA 換装置5は、基準電圧6、7と、これらの基準 圧6、7を切り替えることにより出力される 荷レベルを切り替えるDA切替装置8と、で構 されている。積分装置9は、入力部1とDA変換 置5とから出力される電荷が入力される演算 増幅器10と、入力された電荷を蓄積するコン ンサ11、12と、これらのコンデンサ11、12を り替える積分切替装置13と、で構成されてい る。

 比較装置14は、積分装置9から出力される 圧と所定の電圧とを比較する比較器15と、 の比較器15から出力される比較信号を保持す るDフリップフロップ16と、で構成される。そ して、このDフリップフロップ16の出力がDA切 装置8に入力され、DA変換装置5の出力レベル を切り替える。

 以上のように構成された従来のσδ型AD変 器について、次にその動作を説明する。

 入力部1と積分装置9は、第1の入力が選択 れた場合には、第1の入力に比例した電荷を コンデンサ2に充放電する。そして、この充 電された電荷をコンデンサ11へ転送する。同 様に、第2の入力が選択された場合には第2の 力に比例した電荷をコンデンサ3に充放電す る。そして、この充放電された電荷をコンデ ンサ12へ転送する。

 このように、従来のσδ型AD変換器は入力 号の切り替えに応じて積分用のコンデンサ1 1、12を切り替えるように動作する。従って、 入力切替時のσδ型AD変換器による遅延を短縮 し、入力信号の数と同じ数のAD変換器を配置 る方法に比べ、回路規模を小さくすること できる。なお、この出願の発明に関する先 技術文献情報としては、例えば、特許文献1 が知られている。

 しかしながら、上記従来の構成においては 積分装置9を構成する演算増幅器10に入力さ る基準電圧やDA変換装置5の基準電圧6,7が電 電圧変化や温度変化の影響により変動する 従来のσδ型AD変換器の出力信号はその影響 そのまま受けるため、AD変換器の出力精度 劣化する。

特開2001-237706号公報

 本発明は、電源電圧変化や温度変化の影 により、DA変換装置、積分回路からの出力 号が変動することなく、出力特性が安定し σδ型AD変換器およびそれを用いた角速度セ サを提供する。

 本発明に係るσδ型AD変換器は、少なくと 2つの入力信号を切り替える入力切替装置と 、少なくとも2つのレベルの電荷量を出力す DA変換装置と、入力切替装置とDA変換装置と ら出力される電荷を積分しその少なくとも2 つの積分値を保持する積分装置と、この積分 装置から出力される少なくとも2つの積分値 所定の値と比較する比較装置と、この比較 置の少なくとも2つの出力に基づいてDA変換 置の出力を切り替えるDA切替装置と、比較装 置の出力信号を演算する演算装置と、を備え る。そして、演算装置に、比較装置から出力 される少なくとも2つの比較信号の差を演算 る差分演算装置が設けられている。

 このような構成によれば、入力切替装置 DA変換装置、積分装置、比較装置およびDA切 替装置からの出力信号が、演算装置に対する 少なくとも2つの入力信号に対し同様に加わ 。そして、演算装置が有する差分演算装置 少なくとも2つの入力信号の信号処理結果の を演算することによって、入力切替装置、D A変換装置、積分装置、比較装置およびDA切替 装置からの出力信号における基準電圧変動等 の影響をキャンセルできる。

図1は本発明の実施の形態1におけるσδ AD変換器を用いた角速度センサの回路図で る。 図2は本発明の実施の形態1におけるσδ AD変換器を用いた角速度センサの動作状態 示す図である。 図3は本発明の実施の形態2におけるσδ AD変換器を用いた角速度センサの回路図で る。 図4は本発明の実施の形態2におけるσδ AD変換器を用いた角速度センサの動作状態 示す図である。 図5は本発明の実施の形態3におけるσδ AD変換器を用いた角速度センサの回路図で る。 図6は本発明の実施の形態3におけるσδ AD変換器を用いた角速度センサの動作状態 示す図である。 図7は従来のσδ型AD変換器の回路図であ る。

符号の説明

30  センサ素子
32  駆動電極
33  モニタ電極
34,35  センス電極
40,131  ドライブ回路
41  PLL回路
43  タイミング制御回路
44,81,101,132  入力切替装置
47,84,104,136  DA切替装置
48,85,105,133  DA変換装置
62,99,119,134  積分装置
63,135  比較装置
70  差分演算装置
71  補正演算部
73  演算装置

 (実施の形態1)
 以下、本発明の実施の形態1におけるσδ型AD 変換器およびそれを用いた角速度センサにつ いて、図面を参照しながら説明する。

 図1は本発明の実施の形態1におけるσδ型A D変換器を用いた角速度センサの回路図であ 。図1において、センサ素子30は、振動体31と 、この振動体31を振動させるための圧電体を する駆動電極32と、振動状態に応じて電荷 発生する圧電体を有するモニタ電極33と、セ ンサ素子30に角速度が印加されると電荷を発 する圧電体を有する一対のセンス電極と、 有する。また、センサ素子30における一対 センス電極は、第1のセンス電極34と、この 1のセンス電極34と逆極性の電荷を発生する 2のセンス電極35とにより、構成されている 電荷増幅器36には、センサ素子30におけるモ タ電極33が出力する電荷が入力される。こ 入力された電荷は、所定の倍率で電圧に変 される。バンドパスフィルタ37には電荷増幅 器36の出力が入力される。入力された信号の イズ成分は除去されてモニタ信号が出力さ る。AGC回路38は半波整流平滑回路(図示せず) を有する。バンドパスフィルタ37の出力信号 半波整流され平滑されたDC信号となる。こ DC信号をもとにバンドパスフィルタ37の出力 るモニタ信号が増幅あるいは減衰されて出 される。駆動回路39にはAGC回路38の出力が入 力され、センサ素子30の駆動電極32に駆動信 が出力される。そして、電荷増幅器36、バン ドパスフィルタ37、AGC回路38および駆動回路39 により、ドライブ回路40が構成される。

 PLL回路41は、ドライブ回路40におけるバン ドパスフィルタ37が出力するモニタ信号を逓 し、位相ノイズを時間的に積分し低減して 力する。タイミング生成回路42はPLL回路41か ら出力されるモニタ信号を逓倍した信号をも とに、モニタ信号の2周期間を第1のタイミン 信号ф1、第2のタイミング信号ф2、第3のタ ミング信号ф3、第4のタイミング信号ф4に分 し、これら4つのタイミング信号を生成して 出力する。詳細は、後述する。タイミング制 御回路43は、PLL回路41と、タイミング生成回 42とにより、構成される。

 入力切替装置44は、センサ素子30における 第1のセンス電極34と接続され第2のタイミン 信号φ2に基づき動作するアナログスイッチ45 と、第2のセンス電極35と接続され第4のタイ ング信号ф4に基づき動作するアナログスイ チ46とにより、構成されている。この構成に より、入力切替装置44は、第1のセンス電極34 たは第2のセンス電極35からの入力信号を、 2のタイミング信号ф2または第4のタイミン 信号ф4に基づき、切り替えて出力する。

 DA切替装置47は、第1の基準電圧49および第 2の基準電圧50を有する。第1の基準電圧49と第 2の基準電圧50は所定の信号により切り替えら れ、第2のタイミング信号ф2では第1の基準電 49の信号が出力され、一方、第4のタイミン 信号ф4では第2の基準電圧50の信号が出力さ る。DA出力装置51は、DA切替装置47の出力信 が入力されるコンデンサ52と、このコンデン サ52の両端に接続され、かつ、第1のタイミン グ信号ф1と第3のタイミング信号ф3に基づき 作してコンデンサ52の電荷を放電するアナロ グスイッチ53、54により、構成されている。 して、DA切替装置47とDA出力装置51とにより、 DA変換装置48が構成される。このDA変換装置48 、第1のタイミング信号ф1と第3のタイミン 信号ф3とに基づきコンデンサ52の電荷を放電 し、さらに第2のタイミング信号ф2と第4のタ ミング信号ф4とに基づきDA切替装置47が出力 する基準電圧に応じた電荷を入出力する。

 アナログスイッチ55では、入力切替装置44 とDA変換装置48の出力が入力され、第2のタイ ング信号ф2と第4のタイミング信号ф4とに基 づき出力される。積分回路56では、アナログ イッチ55の出力が入力される。積分回路56は 、演算増幅器57と、この演算増幅器57の帰還 並列に接続される一対のコンデンサ58,59と、 このコンデンサ58,59に接続される一対のアナ グスイッチ60,61とにより、構成されている また、アナログスイッチ60は、第1のタイミ グ信号ф1と第2のタイミング信号ф2に基づき 作し、積分回路56への入力信号がコンデン 58に積分されて積分値が保持される。アナロ グスイッチ61は、第3のタイミング信号ф3と第 4のタイミング信号ф4に基づき動作し、積分 路56への入力信号がコンデンサ59に積分され 積分値が保持される。積分装置62は、アナ グスイッチ55と積分回路56とにより構成され 。この積分装置62は、第1のタイミング信号 1と第2のタイミングф2信号に基づき、アナロ グスイッチ55の出力をコンデンサ58に積分し その積分値を出力するとともに、第3のタイ ング信号ф3と第4のタイミング信号ф4に基づ きアナログスイッチ55の出力をコンデンサ59 積分してその積分値を出力する。

 比較装置63には積分装置62が出力する積分 信号が入力される。比較装置63は、この積分 号と所定の値とを比較する比較器64と、こ 比較器64が出力する1ビットデジタル信号が 力されるD型フリップフロップ65とにより構 されている。D型フリップフロップ65は、第2 タイミング信号ф2と第4のタイミング信号ф4 の立上がり時に前記1ビットデジタル信号を ッチしてラッチ信号を出力する。このラッ 信号は、DA変換装置48のDA切替装置47に入力さ れ、第1の基準電圧49と第2の基準電圧50とを切 り替える。そして、入力切替装置44、DA変換 置48、積分装置62および比較装置63によりσδ 調器66が構成される。

 このσδ変調器66は、上記構成により、セ サ素子30における一対のセンス電極34,35から 出力される電荷をσδ変調し、1ビットデジタ 信号に変換して出力する。

 ラッチ回路67では、σδ変調器66の比較装 63における比較器64から出力される1ビットデ ジタル信号が入力される。ラッチ回路67は、1 ビットデジタル信号をラッチする一対のD型 リップフロップ68、69により構成されている D型フリップフロップ68は、第2のタイミング 信号ф2に基づき1ビットデジタル信号をラッ し、D型フリップフロップ69は、第4のタイミ グ信号ф4に基づき1ビットデジタル信号をラ ッチする。差分演算装置70では、ラッチ回路6 7における一対のD型フリップフロップ68、69が ラッチして出力する一対の1ビットデジタル 号が入力される。そして、この一対の1ビッ デジタル信号の差を演算する1ビット差分演 算が置換処理により実現される。つまり、差 分演算装置70に入力される一対の1ビットデジ タル信号が、“00”“01”“10”“11”である 、それぞれ“0”“-1”“1”“0”と置き換 て出力される。補正演算部71では、差分演算 装置70が出力する1ビット差分信号が入力され 、この1ビット差分信号と所定の補正情報と 補正演算が置換処理により実現される。つ り、上記したように補正演算部71に入力され る1ビット差分信号が“0”“1”“-1”であり 例えば、補正情報が“5”である場合にはそ れぞれ“0”“5”“-5”と置き換えられて出 される。デジタルフィルタ72では、補正演算 部71から出力されるデジタル差分信号が入力 れ、ノイズ成分を除去するフィルタリング 理が行なわれる。そして、演算装置73は、 ッチ回路67、差分演算装置70、補正演算部71 よびデジタルフィルタ72により、構成される 。また、この演算装置73は、第2のタイミング 信号φ2および第4のタイミング信号φ4に基づ 一対の1ビットデジタル信号をラッチして、 分演算、補正演算、フィルタリング処理を い、マルチビット信号を出力する。そして センス回路74は、タイミング制御回路43とσ 変調器66および演算装置73により、構成され 。

 以上のように構成された本発明の実施の 態1における角速度センサについて、次にそ の動作を説明する。

 センサ素子30の駆動電極32に交流電圧を加 えると、振動体31が共振し、モニタ電極33に 荷が発生する。このモニタ電極33に発生した 電荷をドライブ回路40における電荷増幅器36 入力し、正弦波形の出力電圧に変換する。

 図2は本発明の実施の形態1におけるσδ型A D変換器を用いた角速度センサの動作状態を す図である。図2において、電荷増幅器36の 力電圧がバンドパスフィルタ37に入力され、 振動体31の共振周波数のみを抽出し、ノイズ 分が除去された正弦波形信号Aがバンドパス フィルタ37から出力される。この正弦波形信 Aは、AGC回路38が有する半波整流平滑回路(図 示せず)に入力されることにより、DC信号に変 換される。

 AGC回路38は、このDC信号が大きい場合、ド ライブ回路40におけるバンドパスフィルタ37 出力信号を減衰させるような信号を、駆動 路39に入力する。一方、DC信号が小さい場合 ドライブ回路40におけるバンドパスフィル 37の出力信号を増幅させるような信号を駆動 回路39に入力する。このような動作により、 動体31の振動は一定振幅となるように調整 れる。

 センス回路74におけるタイミング制御回 43に、図2に示される正弦波信号Aが入力され 。そして、PLL回路41で逓倍した信号に基づ 、タイミング生成回路42により図2で示され 第1のタイミング信号ф1、第2のタイミング信 号ф2、第3のタイミング信号ф3、第4のタイミ グ信号ф4が形成される。これらのタイミン 信号φ1、φ2、φ3、φ4が、σδ変調器66および 算装置73に、アナログスイッチ45、46、53、54 、55、60、61の切替信号およびラッチ回路のラ ッチタイミング信号として入力される。

 なお、位相器で位相を90度シフトさせた 弦波信号を所定の基準電圧(図示せず)と比較 する電圧コンパレータ(図示せず)に入力し、 してその出力をロジック回路(図示せず)に 力するようにした場合でも、タイミング信 φ1、φ2、φ3、φ4を形成することは可能であ 。しかし、この場合、正弦波信号の電圧ノ ズおよび温度変化や電源変動による電圧ノ ズが位相ノイズとして表れる。この位相ノ ズは、入力信号や積分切替装置を切り替え タイミングノイズとして信号処理の精度に 影響を与える要因となる。そこで、PLL回路41 を用いて時間的に積分され位相ノイズの低減 されたタイミング信号とすることにより、切 替タイミングノイズを低減し信号処理の精度 を高めることができる。

 センサ素子30が図1に図示する駆動方向に 度Vで屈曲振動している状態において、振動 体31の長手方向の中心軸周りにセンサ素子30 角速度ωで回転すると、このセンサ素子30にF =2mV×ωのコリオリ力が発生する。このコリオ 力によりセンサ素子30が有する一対のセン 電極34および35に、図2に示されるCおよびDの 圧が、各発生する。このセンス電極34,35に 生する電圧はコリオリ力により発生するた 、モニタ電極33に発生する信号より位相が90 進んでいる。そしてまた、一対のセンス電 34,35に発生した出力信号は図2のCおよびDに す通り、正極性信号と負極性信号の関係に る。

 この場合におけるσδ変調器66の動作を以 に説明する。σδ変調器66は第1のタイミング 信号ф1、第2のタイミング信号ф2、第3のタイ ング信号ф3および第4のタイミング信号ф4を 繰り返すことによって動作する。第1のタイ ング信号ф1および第2のタイミング信号ф2で センサ素子30におけるセンス電極34から出力 される正極性信号がσδ変調されて1ビットデ タル信号に変換され、また第3のタイミング 信号ф3および第4のタイミング信号ф4では負 性信号がσδ変調されて1ビットデジタル信号 に変換される。

 上記した4つのタイミング信号での動作を ひとつずつ説明する。まず第1のタイミング 号ф1の立上りでは、積分装置62におけるコン デンサ58と接続されているアナログスイッチ6 0がオンになり、このコンデンサ58に保持され ている積分値が比較装置63における比較器64 入力され比較結果が1ビットデジタル信号と て出力される。また、DA変換装置48における アナログスイッチ53、54がオンになり、コン ンサ52に保持されている電荷が放電される。

 次に第2のタイミング信号ф2の立上りでは 、比較装置63の比較器64から出力される1ビッ デジタル信号がD型フリップフロップ65にラ チされ、このラッチ信号がDA変換装置48のDA 替装置47に入力される。この入力されたラ チ信号に応じて基準電圧49,50が切り替えられ てコンデンサ52に入力され、DA変換装置48から 切り替えられた基準電圧に応じた電荷が出力 される。一方、入力切替装置44ではアナログ イッチ45がオンになり、センサ素子30のセン ス電極34から発生する電荷が出力される。さ に、積分装置62におけるアナログスイッチ55 がオンになり、入力切替装置44とDA変換装置48 から出力される電荷が積分回路56に入力され 。これにより第2のタイミング信号ф2では、 積分回路56におけるコンデンサ58に、図2のCの 斜線部で示される電荷量とDA変換装置48から 力される電荷量の総和が積分されて保持さ る。

 上記した第1のタイミング信号ф1および第 2のタイミング信号ф2の動作により、センサ 子30のセンス電極34から出力される電圧振幅 の半分に相当する電荷量がσδ変調され、第 1のタイミング信号ф1と第2のタイミング信号 2の信号の立上り時に1ビットデジタル信号と して出力される。

 同様に、第3のタイミング信号ф3および第 4のタイミング信号ф4では、センサ素子30のセ ンス電極35から出力される電圧振幅値の半分 相当する電荷量がσδ変調され、第3のタイ ング信号ф3と第4のタイミング信号ф4の信号 立上り時に1ビットデジタル信号に変換され て出力される。

 以上の動作により、センサ素子30におけ 一対のセンス電極34,35から出力される電圧振 幅値の半分に相当する電荷量が、σδ変調器66 によりσδ変調され、一対の1ビットデジタル 号として上記タイミングで出力される。

 センサ素子30における一対のセンス電極34 、35から出力される電荷は、モニタ電極33に 生する信号より位相が90度進んだセンス信号 だけでなく、モニタ信号と同相の不要信号を 発生させる。ここで、センサ素子30における 対のセンス電極34,35からセンス信号と不要 号の合成信号が出力される場合について説 する。

 角速度によるコリオリ力で発生するセン 信号は、図2のCおよびDで示される。上記で 明した通り、第2のタイミング信号ф2と第4 タイミング信号ф4で、積分回路56により図2 CおよびDの斜線部で示される電荷量、つまり 、電圧振幅値の半分に相当する電荷量が積分 される。さらに、センス電極34,35から発生す 不要信号は図2のEおよびFで示される。不要 号EおよびFにおいて、センス信号CおよびDと 同様に、第2のタイミング信号ф2と第4のタイ ング信号ф4により、EおよびFの斜線部で示 れる電荷量、つまり、不要信号の電圧振幅 最大値から最小値までの区間の電荷量が積 される。EおよびFの電圧振幅の中央値を基準 に積分され、キャンセルされて電荷量は“0 となる。つまり、第2のタイミング信号ф2と 4のタイミング信号ф4の立上りでの積分装置 62の動作により、CおよびFに示される不要信 がキャンセルされる。従って、センス信号C よびDの電圧振幅に応じた電荷量が積分され 、いわゆる同期検波処理が一対の入力信号C よびDのそれぞれに対し実施される。よって 上記不要信号EおよびFのない場合の動作の 明と同様に、σδ変調器66からは同期検波処 された信号がσδ変調され、1ビットデジタル 信号に変換されて出力される。

 以上の動作により、センサ素子30におけ 一対の出力信号を同期検波処理しながらσδ 調することができる。このように同期検波 れたデジタル信号が、通常のIV変換回路、 相器、同期検波回路などのアナログ回路を 要とすることなく得られる。従って、小型 、かつ、低コストのσδ型AD変換器を実現で る。

 次に、演算装置73について、その動作を 明する。まず、第2のタイミング信号ф2に基 き、σδ変調器66の比較装置63における比較 64から出力される1ビットデジタル信号が、 ッチ回路67のD型フリップフロップ68にラッチ される。また、第4のタイミング信号ф4に基 き、σδ変調器66の比較装置63における比較器 64から出力される1ビットデジタル信号が、ラ ッチ回路67のD型フリップフロップ69にラッチ れる。

 この一対のD型フリップフロップ68、69に ッチされた一対の1ビットデジタル信号は、 記で説明した通り、センサ素子30における 対のセンス電極34、35より出力された信号の 要信号を除いた電圧振幅値の半分に相当す 電荷量をそれぞれσδ変調によりデジタル値 に変換したものである。

 次に、ラッチ回路67が出力する一対の1ビ トデジタル信号が1ビット差分演算装置70に 力され、この一対の1ビットデジタル信号の 差が演算されて1ビット差分信号が出力され 。ここで、第1のタイミング信号ф1での1ビッ ト差分信号は、一つ前の周期における第2の イミング信号ф2、第4のタイミング信号ф4で ッチされた1ビットデジタル信号の差である 。そして、この1ビット差分信号は、図2のCお よびDで示されるセンサ素子30における一対の センス電極34,35の出力する信号からEおよびF 示される不要信号を除いた電圧振幅値を表 。

 以上の動作により、センサ素子30におけ 一対のセンス電極34,35から出力される正極性 信号と負極性信号の関係にある一対の入力信 号が、同じ1つの積分装置62を用いて積分され る。従って、2つの積分装置で別々に積分を う場合よりも個々の積分装置の特性による 対の入力信号の積分結果の相対誤差への影 が著しく低減される。これと同様に、DA変換 装置48も一対の入力信号の信号処理に対し同 1つのDA変換装置を用いる構成となっている また、比較装置63でも一対の積分結果を同 基準電圧と比較器を用いて比較を行うこと より、比較器の特性や基準電圧の変動の比 結果の相対誤差への影響が著しく低減され 。

 また、電源電圧変化や温度変化の影響に る各装置における基準電圧変動等の影響も 一対の入力信号に対して加わる。しかし、 算装置73が有する1ビット差分演算装置70に り一対の入力信号の信号処理結果の差が演 されるので、各装置における基準電圧変動 の影響がキャンセルされる。さらに、セン 素子30における一対のセンス電極34,35から出 されてσδ型AD変換器に入力される一対の入 信号が含んでいる同相ノイズ成分やオフセ ト成分の影響もキャンセルされる。これに り、精度良く一対の入力信号の差信号を形 できる。

 また、一対の入力信号の差をとる1ビット 差分演算は、比較装置の出力信号が“1”“0 からなる1ビット信号である場合、差分演算 装置に入力される一対の比較信号が“00”“0 1”“10”“11”の4種類に限られる。従って、 差をとった結果もそれぞれ“0”“-1”“1” 0”と予め決まっているので、非常に簡単な 路構成で入力信号に応じた減算処理が可能 ある。減算処理を行った一対の入力信号を1 つの差分信号とした後にσδAD変換で通常必要 となるデジタルフィルタによるローパスやデ シメーション等の信号処理を行うことにより 、一対の入力信号をローパスやデシメーショ ン等で信号処理するデジタルフィルタを入力 信号のそれぞれに用意しデジタルフィルタに よりマルチビット化した後にマルチビットの 加減算を行える演算器を用いて差分演算処理 する場合に比べて、差分演算回路、デジタル フィルタなどの演算回路が非常に小さな回路 規模で、高精度な信号処理が実現される。

 次に、1ビット差分演算装置70が出力する1 ビット差分信号が補正演算部71に入力され、 の1ビット差分信号と所定の補正情報との補 正演算が置換処理により行われる。この補正 演算は、上記したように、1ビット差分信号 “0”“1”“-1”の3値に限られることを利用 する。例えば、所定の補正情報が“5”であ 場合に、補正演算部に入力される1ビット差 信号“0”“1”“-1”を、それぞれ“0”“5 “-5”と置換処理することにより乗算を実 させて信号の補正を可能としている。

 これにより、センサ素子30の製造バラツ などに起因する角速度に対する感度のバラ キや、温度変動によるセンサ素子30の感度変 動を、適切な補正情報を設定することにより 補正することが可能となる。また、デジタル フィルタによりマルチビット信号に変換した 後にマルチビット信号を乗算処理する乗算器 を用意して乗算処理することにより信号の補 正を行う場合に比べて、非常に小さな回路規 模で実現できる。さらに、この置換処理では 有限語調によるデータの切捨てなどは存在せ ず、高精度な補正演算を実現できる。その結 果、センサ素子30およびセンス回路74の感度 整が、小型で、かつ低コストで高精度を実 できる。

 (実施の形態2)
 以下、本発明の実施の形態2におけるσδ型AD 変換器を用いた角速度センサについて、図面 を参照しながら説明する。なお、前述した本 発明の実施の形態1と同様の構成を有するも については、同一符号を付し、その説明は 略する。

 図3は本発明の実施の形態2におけるσδ型A D変換器を用いた角速度センサの回路図であ 。図3において、入力切替装置81は、アナロ スイッチ82、83で構成される。アナログスイ チ83は、センサ素子30における第1のセンス 極34と接続され、第2のタイミング信号ф2に づき動作する。アナログスイッチ82は、第2 センス電極35と接続され、第4のタイミング 号ф4に基づき動作する。入力切替装置81は、 一対のセンス電極34,35からの入力信号を第2の タイミング信号ф2と第4のタイミング信号ф4 に基づき切り替えて出力する。

 DA切替装置84は、第1の基準電圧86と第2の 準電圧87を有する。そして、この第1の基準 圧86と第2の基準電圧87を、所定の信号により 切り替え、第2のタイミング信号ф2と第4のタ ミング信号ф4とに基づき出力する。DA出力 置88は、コンデンサ89とアナログスイッチ90 91で構成される。コンデンサ89には、DA切替 置84の出力信号が入力される。アナログスイ ッチ90、91は、このコンデンサ89の各端に接続 され、第1のタイミング信号ф1と第3のタイミ グ信号ф3に基づき動作してコンデンサ89の 荷を放電させる。そして、DA変換装置85は、D A切替装置84とDA出力装置88とで構成される。 のDA変換装置85は、第1のタイミング信号ф1と 第3のタイミング信号ф3に基づき、コンデン 89の電荷を放電させる。さらに、第2のタイ ング信号ф2と第4のタイミング信号ф4に基づ 、DA切替装置84が出力する基準電圧に応じた 電荷を入出力させる。

 アナログスイッチ92には入力切替装置81と DA変換装置85の出力が入力され、第2のタイミ グ信号ф2と第4のタイミング信号ф4に基づき 出力される。積分回路93にはアナログスイッ 92の出力が入力される。積分回路93は、演算 増幅器94と、この演算増幅器94の帰還に並列 接続される一対のコンデンサ95、96と、これ のコンデンサ95、96に接続される一対のアナ ログスイッチ97、98とにより構成されている アナログスイッチ97は第1のタイミング信号ф 1と第2のタイミング信号ф2に基づき動作し、 分回路93への入力信号がコンデンサ95に積分 されて積分値が保持される。アナログスイッ チ98は第3のタイミング信号ф3と第4のタイミ グ信号ф4に基づき動作し、積分回路93への入 力信号がコンデンサ96に積分されて積分値が 持される。そして、積分装置99は、アナロ スイッチ92と積分回路93とで構成される。こ 積分装置99は、第1のタイミング信号ф1と第2 のタイミング信号ф2に基づき、アナログスイ ッチ92の出力をコンデンサ95に積分してその 分値を出力する。また、第3のタイミング信 ф3と第4のタイミング信号ф4に基づき、アナ ログスイッチ92の出力をコンデンサ96に積分 てその積分値を出力する。

 入力切替装置101は、アナログスイッチ102 103で構成される。アナログスイッチ103は、 ンサ素子30における第1のセンス電極34と接 され、第4のタイミング信号ф4に基づき動作 る。アナログスイッチ102は、第2のセンス電 極35と接続され、第2のタイミング信号ф2に基 づき動作する。入力切替装置101は、一対のセ ンス電極34,35からの入力信号を第4のタイミン グ信号ф4と第2のタイミング信号ф2とに基づ 切り替えて出力する。

 DA切替装置104は、第1の基準電圧106と第2の 基準電圧107を有する。そして、この第1の基 電圧106と第2の基準電圧107を所定の信号によ 切り替え、第2のタイミング信号ф2と第4の イミング信号ф4とに基づき出力する。DA出力 装置108は、コンデンサ109とアナログスイッチ 110、111で構成される。コンデンサ109には、DA 替装置104の出力信号が入力される。アナロ スイッチ110、111は、このコンデンサ109の各 に接続され、第1のタイミング信号ф1と第3 タイミング信号ф3に基づき、コンデンサ109 電荷を放電させる。そして、DA変換装置105は 、DA切替装置104とDA出力装置108とで構成され 。このDA変換装置105は第1のタイミング信号ф 1と第3のタイミング信号ф3に基づき、コンデ サ109の電荷を放電させる。さらに、第2のタ イミング信号ф2と第4のタイミング信号ф4に づき、DA切替装置104が出力する基準電圧に応 じた電荷を入出力させる。

 アナログスイッチ112には入力切替装置101 DA変換装置105の出力が入力され、第2のタイ ング信号ф2と第4のタイミング信号ф4に基づ き出力される。積分回路113にはアナログスイ ッチ112の出力が入力される。積分回路113は、 演算増幅器114と、この演算増幅器114の帰還に 並列に接続される一対のコンデンサ115、116と 、これらのコンデンサ115、116に接続される一 対のアナログスイッチ117、118とにより構成さ れている。アナログスイッチ117は第1のタイ ング信号ф1と第2のタイミング信号ф2に基づ 動作し、積分回路113への入力信号がコンデ サ115に積分されて積分値が保持される。ア ログスイッチ118は第3のタイミング信号ф3と 第4のタイミング信号ф4に基づきで動作し、 分回路113への入力信号がコンデンサ116に積 されて積分値が保持される。そして、積分 置119は、アナログスイッチ112と積分回路113 で構成される。この積分装置119は、第1のタ ミング信号ф1と第2のタイミング信号ф2に基 づき、アナログスイッチ112の出力をコンデン サ115に積分してその積分値を出力する。また 、第3のタイミング信号ф3と第4のタイミング 号ф4に基づき、アナログスイッチ112の出力 コンデンサ116に積分してその積分値を出力 る。

 比較装置120には積分装置99、119が出力す 積分信号が入力される。比較装置120は、こ 積分信号と所定の値とを比較する比較器121 、この比較器121が出力する1ビットデジタル 号が入力されるD型フリップフロップ122とで 構成されている。D型フリップフロップ122は 第2のタイミング信号ф2と第4のタイミング信 号ф4の立上り時に1ビットデジタル信号をラ チしてラッチ信号を出力する。このラッチ 号は、DA変換装置85、105のDA切替装置84、104に 入力されて基準電圧86、87、106、107を切り替 る。そして、σδ変調器13は、入力切替装置81 、101、DA変換装置85、105、積分装置99、119およ び比較装置120により構成されている。

 このσδ変調器123は、センサ素子30におけ 一対のセンス電極34,35より出力される電荷 σδ変調し、1ビットデジタル信号に変換して 出力する。

 以上のように構成された本発明の実施の 態2における角速度センサについて、次にそ の動作を説明する。まず、上記σδ変調器123 ついて、その動作を説明する。

 図4は本発明の実施の形態2におけるσδ型A D変換器を用いた角速度センサの動作状態を す図である。図4において、このσδ変調器123 は第1のタイミング信号ф1、第2のタイミング 号ф2、第3のタイミング信号ф3および第4の イミング信号ф4を繰り返すことによって動 する。

 第1のタイミング信号ф1および第2のタイ ング信号ф2では、センサ素子30におけるセン ス電極34から出力される正極性信号が第1の入 力切替装置81と第1のDA変換装置85および第1の 分装置99により積分される。また、センサ 子30におけるセンス電極35から出力される負 性信号が第2の入力切替装置101と第2のDA変換 装置105および第2の積分装置119により積分さ る。そして、この第1の積分装置99と第2の積 装置119が出力する一対の積分値が、比較装 120の比較器121に入力されて比較され、その 較結果が1ビットデジタル信号として出力さ れる。

 第2のタイミング信号ф2の立上り時におい ては、比較装置120の比較器121から出力される 1ビットデジタル信号がD型フリップフロップ1 22にラッチされ、このラッチ信号がDA変換装 85,105のDA切替装置84,104に入力される。このと き、第2のタイミング信号ф2の立上り時にσδ 調されて1ビットデジタル信号として出力さ れる値は、正極性信号の出力する信号の電圧 振幅値から負極性信号の出力する信号の電圧 振幅値を減算した値となる。この値は一対の センス電極34,35における出力の電圧振幅の正 情報を意味し、これが演算装置73のD型フリ プフロップ68にラッチされる。

 第3のタイミング信号ф3および第4のタイ ングф4ではセンサ素子30におけるセンス電極 34から出力される正極性信号が第2の入力切替 装置101と第2のDA変換装置105および第2の積分 置119により積分される。また、センサ素子30 におけるセンス電極35から出力される負極性 号が第1の入力切替装置81と第1のDA変換装置8 5および第1の積分装置99により積分される。 して、この第1の積分装置99と第2の積分装置1 19が出力する一対の積分値が、比較装置120の 較器121に入力されて比較され、その比較結 が1ビットデジタル信号として出力される。

 第4のタイミング信号ф4の立上り時におい ては、比較装置120の比較器121から出力される 1ビットデジタル信号がD型フリップフロップ1 22にラッチされ、このラッチ信号が前記DA変 装置85,105のDA切替装置84,104に入力される。こ のとき、第4のタイミング信号ф4の立上り時 σδ変調されて1ビットデジタル信号として出 力される値は、負極性信号の出力する信号の 電圧振幅値から正極性信号の出力する信号の 振幅値を減算した値となる。この値は一対の センス電極34,35における出力の電圧振幅の負 情報を意味し、これが演算装置73のD型フリ プフロップ69にラッチされる。

 上記した4つのタイミング信号での動作を ひとつずつ説明する。まず第1のタイミング 号ф1の立上りでは、積分装置99におけるコン デンサ95と接続されているアナログスイッチ9 7がオンになり、このコンデンサ95に保持され ている積分値が比較装置120における比較器121 に入力される。同時に、積分装置119における コンデンサ115と接続されているアナログスイ ッチ117がオンになり、このコンデンサ115に保 持されている積分値が比較装置120における比 較器121に入力される。そして、この一対の積 分値の比較結果が1ビットデジタル信号とし 出力される。また、DA変換装置85,105における アナログスイッチ90、91、110、111がオンにな 、コンデンサ89,109に保持されている電荷が 電される。

 次に第2のタイミング信号ф2の立上りでは 、比較装置120の比較器121から出力される1ビ トデジタル信号がD型フリップフロップ122に ッチされ、このラッチ信号がDA変換装置85、 105のDA切替装置84、104に入力される。この入 されたラッチ信号に応じて基準電圧86、87、1 06、107が切り替えられてコンデンサ89、109に 力され、DA変換装置85、105から切り替えられ 基準電圧に応じた電荷が出力される。それ ともに、入力切替装置81ではアナログスイ チ83がオンになり、センサ素子30のセンス電 34から発生する電荷が出力される。一方、 力切替装置101ではアナログスイッチ102がオ になり、センサ素子30のセンス電極35から発 する電荷が出力される。さらに、積分装置9 9、119におけるアナログスイッチ92,112がオン なり、入力切替装置81とDA変換装置85から出 される電荷が積分回路93に入力されるととも に、入力切替装置101とDA変換装置105から出力 れる電荷が積分回路113に入力される。これ より第2のタイミング信号ф2では、積分回路 93におけるコンデンサ95に、図4のCの斜線部で 示される電荷量とDA変換装置85から出力され 電荷量の総和が積分されて保持されるとと に、積分回路113におけるコンデンサ115に、 4のDの斜線部で示される電荷量とDA変換装置1 05より出力される電荷量の総和が積分されて 持される。

 上記した第1のタイミング信号ф1および第 2のタイミング信号ф2の動作により、センサ 子30のセンス電極34、35から出力される電圧 幅値の正の値に相当する電荷量がσδ変調さ 、第1のタイミング信号ф1と第2のタイミン 信号ф2の信号の立上り時に1ビットデジタル 号として出力される。

 同様に、第3のタイミング信号ф3および第 4のタイミング信号ф4では、センサ素子30にお ける一対のセンス電極34、35から出力される 荷の電圧振幅値の負の値に相当する電荷量 σδ変調され、第3のタイミング信号ф3と第4 タイミング信号ф4の信号の立上り時に1ビッ デジタル信号に変換されて出力される。

 以上の動作により、センサ素子30におけ 一対のセンス電極34,35から出力される電圧振 幅値の正・負に相当する電荷量が、σδ変調 123によりσδ変調され、一対の1ビットデジタ ル信号として上記タイミングで出力される。 また、正極性信号と負極性信号が同時に積分 され、その差がσδ変調されるので、瞬時の 相ノイズが除去されて出力される。さらに 第1のタイミング信号ф1・第2のタイミング信 号ф2および第3のタイミング信号ф3・第4のタ ミング信号ф4の動作では、2つの積分装置お よびDA変換装置が正極性信号および負極性信 を切り替えて信号処理するので、第2のタイ ミング信号ф2と第4のタイミング信号ф4の立 りで出力される一対の1ビットデジタル信号 は、2つの積分装置99、119およびDA変換装置85 、105の基準電圧変動・オフセット変動などが 同様に影響する。

 センサ素子30における一対のセンス電極34 、35から出力される電荷は、モニタ電極33に 生する信号より位相が90度進んだセンス信号 だけでなく、モニタ信号と同相の不要信号を 発生させる。センサ素子30における一対のセ ス電極34、35からセンス信号と不要信号の合 成信号が出力される場合については、本発明 の実施の形態1と同様に、いわゆる同期検波 理が一対の入力信号のそれぞれに対し実施 れる。そして、この同期検波処理により、 要信号はキャンセルされ、センス信号の電 振幅に応じた電荷量が積分される。

 以上の動作により、センサ素子30におけ 一対の出力信号を同期検波処理しながらσδ 調することができる。このように同期検波 れたデジタル信号が、通常のIV変換回路、 相器、同期検波回路などのアナログ回路を 要とすることなく得られる。従って、小型 、かつ、低コストのσδ型AD変換器を実現で る。

 次に、演算装置73について、その動作を 明する。まず、第2のタイミング信号ф2で、 δ変調器123の比較装置120における比較器121か ら出力される1ビットデジタル信号が、ラッ 回路67のD型フリップフロップ68にラッチされ る。また、第4のタイミング信号ф4で、σδ変 器123の比較装置120における比較器121から出 される1ビットデジタル信号が、ラッチ回路 67のD型フリップフロップ69にラッチされる。

 この一対のD型フリップフロップ68、69に ッチされた一対の1ビットデジタル信号は、 記で説明した通り、センサ素子30における 対のセンス電極34,35より出力された信号の不 要信号を除いた電圧振幅値の正および負に相 当する電荷量をそれぞれσδ変調によりデジ ル値に変換したものである。また、第1のタ ミング信号ф1・第2のタイミング信号ф2およ び第3のタイミング信号ф3・第4のタイミング 号ф4では、2つの積分装置およびDA変換装置 正極性信号および負極性信号を切り替えて 号処理する。電源電圧変化や温度変化の影 による各装置における基準電圧変動やオフ ット変動等の影響も、一対の1ビットデジタ ル信号に対し同じ極性で加わっている。ここ で、演算装置73が有する1ビット差分演算装置 70が、一対の入力信号の信号処理結果の差を 算する。この演算処理により、各装置にお る基準電圧変動等の影響がキャンセルされ 。さらに、センサ素子30における一対のセ ス電極34、35から出力され、かつ、σδ型AD変 器に入力される一対の入力信号が含んでい 瞬時の同相ノイズ成分やオフセット成分の 響もキャンセルされるので、精度良く一対 入力信号の差の2倍の信号を形成できる。

 (実施の形態3)
 以下、本発明の実施の形態3におけるσδ型AD 変換器を用いた角速度センサについて、図面 を参照しながら説明する。なお、前述した本 発明の実施の形態1と同様の構成を有するも については、同一符号を付し、その説明は 略する。

 図5は本発明の実施の形態3におけるσδ型A D変換器を用いた角速度センサの回路図であ 。図6は本発明の実施の形態3におけるσδ型AD 変換器を用いた角速度センサの動作状態を示 す図である。図5において、ドライブ回路131 入力切替装置132、DA変換装置133、積分装置134 、比較装置135、DA切替装置136、デジタルバン パスフィルタ137、AGC回路138および駆動回路1 39とで構成されている。

 入力切替装置132は、振動体31におけるモ タ電極33と接続され、図6に示された第6のタ ミング信号φ6に基づき動作するアナログス ッチで構成されている。DA切替装置136は、 1の基準電圧140および第2の基準電圧141を有し 、この第1の基準電圧140と第2の基準電圧141を 定の信号により切り替えている。第6のタイ ミングφ6では第1の基準電圧140の信号または 2の基準電圧141の信号を出力する。DA出力装 142は、DA切替装置136の出力信号が入力される コンデンサ143と、アナログスイッチ144、145に より構成されている。アナログスイッチ144、 145は、コンデンサ143の各端に接続され、図6 示された第5のタイミング信号φ5に基づき動 し、コンデンサ143の電荷を放電させる。そ て、DA変換装置133はDA切替装置136とDA出力装 142とで構成される。このDA変換装置133は第5 タイミング信号φ5に基づきコンデンサ143の 荷を放電させ、第6のタイミング信号φ6に基 づきDA切替装置136の出力する基準電圧に応じ 電荷を入出力させる。アナログスイッチ146 は入力切替装置132とDA変換装置133の出力が 力され、第6のタイミング信号φ6に基づき出 される。

 積分装置134にはアナログスイッチ146の出 が入力され、演算増幅器147と、この演算増 器147の帰還に接続されるコンデンサ148とに り構成されている。積分装置134は、第6のタ イミング信号φ6に基づき動作し、積分装置134 への入力信号がコンデンサ148により積分され 、積分値が保持される。そして、第5のタイ ング信号φ5に基づき、その積分値が出力さ る。

 比較装置135には積分装置134の出力する積 信号が入力され、この積分信号と所定の値 を比較する比較器149と、この比較器149が出 する1ビットデジタル信号が入力されるD型 リップフロップ150とにより構成されている D型フリップフロップ150は、第5のタイミング 信号φ5の立上り時に1ビットデジタル信号を ッチし、出力する。このラッチ信号は、DA変 換装置133のDA切替装置136に入力され、第1の基 準電圧140と第2の基準電圧141とを切り替える そして、σδ変換器151は入力切替装置132、DA 換装置133、積分装置134および比較装置135に り構成されている。そして、D型フリップフ ップ150からの出力電圧がバンドパスフィル 137に入力される。バンドパスフィルタ137は 振動体31の共振周波数のみを抽出し、ノイ 成分を除去した図6のPに示すような正弦波形 を出力する。そして、デジタルバンドパスフ ィルタ137の出力信号がAGC回路138の有する半波 整流平滑回路(図示せず)に入力されることに り、DC信号に変換される。

 AGC回路138は、このDC信号が大きい場合、 ライブ回路131におけるデジタルバンドパス ィルタ137の出力信号を減衰させるような信 を駆動回路139に入力する。一方、DC信号が小 さい場合、ドライブ回路131におけるデジタル バンドパスフィルタ137の出力信号を増幅させ るような信号を駆動回路139に入力する。この ような動作により、振動体31の振動は一定振 となるように調整される。

 タイミング制御回路43に、図6のQに示され る正弦波信号が入力される。そして、PLL回路 41で逓倍した信号をもとにタイミング生成回 152により図6に示される第5のタイミング信 ф5、第6のタイミング信号ф6が形成される。 れらのタイミング信号φ5、φ6がドライブ回 131のσδ変調器151における入力切替装置132、 DA切替装置136、アナログスイッチ144、アナロ スイッチ145およびアナログスイッチ146の切 タイミングとして入力される。

 第1のタイミング切替スイッチ153には、タ イミング制御回路43におけるタイミング生成 路152から第5のタイミング信号φ5と、クロッ ク154のタイミング信号T5と、が入力される。 お、第5のタイミング信号φ5とクロック154の タイミング信号T5とは、ほぼ同じ周波数であ 。同様に、第2のタイミング切替スイッチ155 には、タイミング制御回路43におけるタイミ グ生成回路152から第5のタイミングφ5と逆位 相の関係にある第6のタイミング信号φ6信号 、クロック154の第6のタイミング信号T6と、 入力される。なお、第6のタイミング信号φ6 クロック155のタイミング信号T6とは、ほぼ じ周波数である。

 振幅判定回路156にはデジタルバンドパス ィルタ137の出力信号が入力される。また、 幅判定回路156は、デジタルバンドパスフィ タ137から出力される出力信号の振幅量を監 している。この振幅量がAGC回路138における 標振幅量の75%以上である場合には、タイミ グ制御回路43におけるタイミング生成回路15 2の出力信号φ5およびφ6をクロック信号とし 、ドライブ回路131における入力切替信号132 DA切替装置136、アナログスイッチ144、アナロ グスイッチ145およびアナログスイッチ146の切 替タイミングとするように、第1のタイミン 切替スイッチ153および第2のタイミング切替 イッチ155を切り替えている。一方、デジタ バンドパスフィルタ137から出力される出力 号の振幅量がAGC回路138における目標振幅量 75%以下である場合には、クロック154からの 力信号T5およびT6をクロック信号として、ド ライブ回路131における入力切替装置132、DA切 装置136、アナログスイッチ144、アナログス ッチ145およびアナログスイッチ146の切替タ ミングとするように、第1のタイミング切替 スイッチ153および第2のタイミング切替スイ チ155を切り替えている。

 本発明の実施の形態3においては、σδ型AD 変換器が、ドライブ回路131を振動体31におけ モニタ電極33から出力される信号をオン・ フする入力切替装置132と、少なくとも2つの ベルの電荷量を出力するDA変換装置133と、 力切替装置132とDA変換装置133とから出力され る電荷を積分し、その積分値を保持する積分 装置134と、この積分装置134から出力される積 分値を所定の値と比較する比較装置135と、こ の比較装置135の出力に応じてDA変換装置133の 力を切り替えるDA切替装置136と、デジタル ンドパスフィルタ137と、AGC回路138および駆 回路139と、を備える。従って、ドライブ回 131の大部分をデジタル回路のみで構成する とにより、ドライブ回路131の全てをアナロ 回路で構成するよりもドライブ回路131の体 が小さくなるので、ドライブ回路131を小型 することができる。

 本発明のσδ型AD変換器およびそれを用い 角速度センサは、入力切替装置、DA変換装 、積分装置、比較装置およびDA切替装置から の出力信号における基準電圧変動等の影響を キャンセルできるという効果を有し、航空機 、車両などの移動体の姿勢制御やナビゲーシ ョンシステム等に用いられるσδ型AD変換器お よびそれを用いた角速度センサとして有用で ある。