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Patent Searching and Data


Title:
RUBBER COMPOSITION FOR TIRE, TIRE MEMBER, RUBBER COMPOSITION FOR BASE TREAD, BASE TREAD, AND TIRE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/149588
Kind Code:
A1
Abstract:
A rubber composition for tires which comprises a rubber ingredient comprising at least either of natural rubber and epoxidized natural rubber, silica, and a natural wax, wherein the silica is contained in an amount of at least 10 parts by mass per 100 parts by mass of the rubber ingredient and the natural wax is contained in an amount of 1.2-2 mass%, excluding 2 mass%, based on the whole rubber composition. Also provided are a tread (2), a sidewall (3), a clinch (4), and a tire (1) each made with the composition. Furthermore provided is a rubber composition for use in forming a base tread (12b) of a tire (11), which comprises 100 parts by mass of a rubber ingredient comprising a diene rubber, 20-70 parts by mass of silica, and 2-15 parts by mass of a natural wax. The base tread (12b) and the tire (11) each formed with the rubber composition are furthermore provided.

Inventors:
HIRAYAMA TOMOAKI (JP)
WADA TAKAO (JP)
WAKABAYASHI NOBORU (JP)
IKEDA KEIJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/054761
Publication Date:
December 11, 2008
Filing Date:
March 14, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO RUBBER IND (JP)
HIRAYAMA TOMOAKI (JP)
WADA TAKAO (JP)
WAKABAYASHI NOBORU (JP)
IKEDA KEIJI (JP)
International Classes:
C08L7/00; B60C1/00; B60C15/06; C08K3/36; C08L15/00; C08L91/06
Foreign References:
JP2007308624A2007-11-29
JP2007308623A2007-11-29
JP2003522065A2003-07-22
JP2004269684A2004-09-30
Other References:
See also references of EP 2157128A4
Attorney, Agent or Firm:
FUKAMI, Hisao et al. (Nakanoshima Central Tower 22nd Floor,2-7, Nakanoshima 2-chome,Kita-ku, Osaka-shi, Osaka, JP)
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Claims:
 天然ゴムおよびエポキシ化天然ゴムの少なくとも一方を含有するゴム成分と、シリカと、天然系ワックスと、を含むタイヤ用ゴム組成物であって、
 前記シリカは、前記ゴム成分100質量部に対して10質量部以上含まれており、
 前記天然系ワックスは、前記タイヤ用ゴム組成物の全質量の1.2質量%以上2質量%未満含まれていることを特徴とする、タイヤ用ゴム組成物。
 前記天然系ワックスは、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックスおよびジャパンワックスの群から選択された少なくとも1種からなることを特徴とする、請求の範囲第1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
 カーボンブラックが前記ゴム成分100質量部に対して5質量部以下含まれていることを特徴とする、請求の範囲第1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
 シランカップリング剤を含むことを特徴とする、請求の範囲第1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
 請求の範囲第1項に記載のタイヤ用ゴム組成物からなる、トレッド(2)。
 請求の範囲第1項に記載のタイヤ用ゴム組成物からなる、サイドウォール(3)。
 請求の範囲第1項に記載のタイヤ用ゴム組成物からなる、クリンチ(4)。
 請求の範囲第5項に記載のトレッド(2)、請求の範囲第6項に記載のサイドウォール(3)、および請求の範囲第7項に記載のクリンチ(4)からなる群から選択された少なくとも1種を用いて製造された、タイヤ(1)。
 タイヤ(11)のベーストレッド(12b)の形成に用いられるベーストレッド用ゴム組成物であって、
 ジエン系ゴムからなるゴム成分と、前記ゴム成分100質量部に対して20質量部以上70質量部以下のシリカと、前記ゴム成分100質量部に対して2質量部以上15質量部以下の天然系ワックスと、を含む、ベーストレッド用ゴム組成物。
 前記天然系ワックスは、カルナバワックスであることを特徴とする、請求の範囲第9項に記載のベーストレッド用ゴム組成物。
 カーボンブラックが前記ゴム成分100質量部に対して5質量部以下含まれていることを特徴とする、請求の範囲第9項に記載のベーストレッド用ゴム組成物。
 シランカップリング剤を含むことを特徴とする、請求の範囲第9項に記載のベーストレッド用ゴム組成物。
 請求の範囲第9項に記載のベーストレッド用ゴム組成物から形成された、ベーストレッド(12b)。
 請求の範囲第13項に記載のベーストレッド(12b)を用いて形成された、タイヤ(11)。
Description:
タイヤ用ゴム組成物、タイヤ部 、ベーストレッド用ゴム組成物、ベースト ッドおよびタイヤ

 本発明は、タイヤ用ゴム組成物、タイヤ 材およびタイヤに関し、特に、石油資源に 来する成分の使用量を抑えることができる ともに耐オゾン性および非ブルーミング性 優れたタイヤ用ゴム組成物、それを用いた イヤ部材およびタイヤに関する。

 また、本発明は、ベーストレッド用ゴム 成物、ベーストレッドおよびタイヤに関し 特に、石油資源に由来する成分の使用量を えることができるとともにタイヤの優れた オゾン性および車両の低燃費化を実現する とができるベーストレッド用ゴム組成物、 のベーストレッド用ゴム組成物を用いて形 したベーストレッドおよびタイヤに関する

 一般に、タイヤのトレッドおよびサイド ォール等のタイヤの表面を構成する部位に 耐オゾン性が要求される。したがって、た えば特開2004-269684号公報(特許文献1)に開示 れているように、タイヤのトレッドおよび イドウォールを構成するゴム組成物に石油 原料としたワックスを配合し(たとえば特開2 004-269684号公報(特許文献1)の段落[0021]等参照) タイヤのトレッドおよびサイドウォールの オゾン性を向上させている。

 一方、タイヤのトレッドおよびサイドウォ ル等のタイヤの外周面を構成するゴムにつ ては耐オゾン性だけでなく、耐オゾン性を 上させるために配合されたワックスがゴム 表面にブルーミングしないように非ブルー ング性にも優れている必要がある。

特開2004-269684号公報

 現在市販されているタイヤは、その全質 の半分以上が石油資源に由来する成分から 成されている。しかしながら、石油資源は 限であって供給量が年々減少していること ら、将来的に石油価格の高騰が予測され、 とえば石油系ワックスのような石油資源に 来する成分の使用には限界がある。

 したがって、石油資源に由来する成分の 用量を抑え、石油資源に由来しない成分(石 油外資源に由来する成分)をなるべく用いて タイヤの優れた耐オゾン性を得る技術の開 が求められている。

 さらに、近年、環境問題が重視されるよう なり、CO 2 の排出を抑制する規制が強化されていること から、車両の低燃費化も求められている。し たがって、車両の低燃費化の実現が可能なタ イヤを製造する技術の開発も求められている 。

 上記の事情に鑑みて、本発明の目的は、 油資源に由来する成分の使用量を抑えるこ ができるとともに耐オゾン性および非ブル ミング性に優れたタイヤ用ゴム組成物、そ を用いたタイヤ部材およびタイヤを提供す ことにある。

 また、本発明の目的は、石油資源に由来 る成分の使用量を抑えることができるとと に、タイヤの優れた耐オゾン性および車両 低燃費化を実現することができるベースト ッド用ゴム組成物、そのベーストレッド用 ム組成物を用いて形成したベーストレッド よびタイヤを提供することにある。

 本発明は、天然ゴムおよびエポキシ化天 ゴムの少なくとも一方を含有するゴム成分 シリカと天然系ワックスとを含むタイヤ用 ム組成物であって、シリカはゴム成分100質 部に対して10質量部以上含まれており、天 系ワックスはタイヤ用ゴム組成物の全質量 1.2質量%以上2質量%未満含まれているタイヤ ゴム組成物である。

 ここで、本発明のタイヤ用ゴム組成物に いて、天然系ワックスは、カルナバワック 、キャンデリラワックス、ライスワックス よびジャパンワックスの群から選択された なくとも1種からなることが好ましい。

 また、本発明のタイヤ用ゴム組成物にお て、カーボンブラックはゴム成分100質量部 対して5質量部以下含まれていることが好ま しい。

 また、本発明のタイヤ用ゴム組成物は、シ ンカップリング剤を含むことが好ましい。
 また、本発明は、上記のいずれかのタイヤ ゴム組成物からなるトレッドである。

 また、本発明は、上記のいずれかのタイ 用ゴム組成物からなるサイドウォールであ 。

 また、本発明は、上記のいずれかのタイヤ ゴム組成物からなるクリンチである。
 さらに、本発明は、上記のトレッド、サイ ウォール、およびクリンチからなる群から 択された少なくとも1種を用いて製造された タイヤである。

 また、本発明は、タイヤのベーストレッ の形成に用いられるベーストレッド用ゴム 成物であって、ジエン系ゴムからなるゴム 分と、ジエン系ゴムからなるゴム成分100質 部に対して20質量部以上70質量部以下のシリ カと、ジエン系ゴムからなるゴム成分100質量 部に対して2質量部以上15質量部以下の天然系 ワックスと、を含む、ベーストレッド用ゴム 組成物である。

 ここで、本発明のベーストレッド用ゴム 成物において、天然系ワックスは、カルナ ワックスであることが好ましい。

 また、本発明のベーストレッド用ゴム組 物において、カーボンブラックがジエン系 ムからなるゴム成分100質量部に対して5質量 部以下含まれていてもよい。

 また、本発明のベーストレッド用ゴム組 物は、シランカップリング剤を含むことが ましい。

 また、本発明は、上記のいずれかのベー トレッド用ゴム組成物から形成されたベー トレッドである。

 さらに、本発明は、上記のベーストレッ を用いて形成されたタイヤである。

 本発明によれば、石油資源に由来する成 の使用量を抑えることができるとともに耐 ゾン性および非ブルーミング性に優れたタ ヤ用ゴム組成物、それを用いたタイヤ部材 よびタイヤを提供することができる。

 本発明によれば、石油資源に由来する成 の使用量を抑えることができるとともに、 イヤの優れた耐オゾン性および車両の低燃 化を実現することができるベーストレッド ゴム組成物、そのベーストレッド用ゴム組 物を用いて形成したベーストレッドおよび イヤを提供することができる。

本発明のタイヤ用ゴム組成物を用いて 造されたタイヤの一例の左上部半分の模式 な断面図である。 本発明のベーストレッド用ゴム組成物 用いて製造されたタイヤの一例の左上部半 の模式的な断面図である。

符号の説明

 1,11 タイヤ、2 トレッド、3,13 サイドウ ール、4,14 クリンチ、5,15 ビードコア、6,16  プライ、7,17 ベルト、8,18 ビードエイペッ ス、9,19 インナーライナー、12a キャップ レッド、12b ベーストレッド。

 以下、本発明の実施の形態について説明 る。なお、本発明の図面について、同一の 照符号は、同一部分または相当部分を表わ ものとする。

 <タイヤ用ゴム組成物のゴム成分>
 本発明のタイヤ用ゴム組成物においては、 ム成分として、天然ゴム若しくはエポキシ 天然ゴムのいずれか一方のゴム、または天 ゴムおよびエポキシ化天然ゴムの双方を混 した混合ゴム等が用いられる。

 上記のように、ゴム成分として、天然ゴ およびエポキシ化天然ゴムの少なくとも一 を含有するゴム成分を用いることによって 石油資源に由来する成分の使用量を低減す ことができる。

 ここで、天然ゴムとしては、従来から公 のものを使用することができ、たとえば、K R7、RSSまたはTSR等のタイヤ工業において一般 なものを用いることができる。

 エポキシ化天然ゴムとしては、従来から 知のものを使用することができ、たとえば 販のエポキシ化天然ゴム、または天然ゴム エポキシ化したもの等を用いることができ 。

 ここで、市販のエポキシ化天然ゴムとし は、たとえば、Kumplan Guthrie Berhadから販売 れているエポキシ化率が25%のENR25やエポキ 化率が50%のENR50等を用いることができる。

 また、天然ゴムをエポキシ化する方法と ては、たとえば、クロルヒドリン法、直接 化法、アルキルヒドロペルオキシド法、過 法等の方法を用いることができる。ここで 過酸法としては、たとえば、天然ゴムに過 酸または過ギ酸等の有機過酸を反応させる 法等を用いることができる。

 ここで、本発明のタイヤ用ゴム組成物を いてトレッドおよび/またはサイドウォール を形成する場合には、エポキシ化天然ゴムに おけるエポキシ化率は5モル%以上であること 好ましく、10モル%以上であることがより好 しい。エポキシ化率が5モル%以上、特に10モ ル%以上である場合には、本発明のタイヤ用 ム組成物を用いて形成したトレッドのグリ プ性能が向上し、本発明のタイヤ用ゴム組 物を用いて形成したサイドウォールの耐亀 成長性が良好となる傾向にある。

 また、エポキシ化天然ゴムにおけるエポ シ化率は60モル%以下であることが好ましく 55モル%以下であることがより好ましい。エ キシ化率が60モル%以下、特に55モル%以下で る場合には、リバージョンが少なくなる傾 にある。

 なお、エポキシ化率とは、エポキシ化さ る前のゴム中の二重結合の総数に対するそ ゴム中の二重結合がエポキシ化された数の 合(モル%)のことである。

 また、天然ゴムおよびエポキシ化天然ゴ の双方を混合した混合ゴムをゴム成分とす 本発明のタイヤ用ゴム組成物を用いてサイ ウォールを形成する場合には、天然ゴムの 有量は、天然ゴムおよびエポキシ化天然ゴ からなるゴム成分の20質量%以上であること 好ましく、25質量%以上であることがより好 しい。天然ゴムの含有量がゴム成分の20質 %以上である場合、特に25質量%以上である場 には、本発明のタイヤ用ゴム組成物を用い 形成したサイドウォールの耐亀裂成長性が 好となる傾向にある。

 また、本発明においては、ゴム成分に天 ゴムおよびエポキシ化天然ゴムの少なくと 一方が含まれていれば、たとえば、ブタジ ンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、 ソプレンゴム(IR)またはブチルゴム(IIR)等の なくとも1種の他のゴムが含まれていてもよ い。

 <タイヤ用ゴム組成物のシリカ>
 本発明のタイヤ用ゴム組成物には、上記の ム成分100質量部に対してシリカが10質量部 上含まれる。このような構成とすることに って、充填剤としてのカーボンブラックの 用量を低減することができるため、石油資 に由来する成分の使用量を低減することが きるとともに、シリカによる十分な補強効 を得ることができる。なお、シリカとして 、従来から公知のものを用いることができ たとえば、無水シリカおよび/または含水シ カ等を用いることができる。

 ここで、補強性を向上する観点からは、 リカの含有量は、上記のゴム成分100質量部 対して、15質量部以上であることが好まし 、20質量部以上であることがより好ましい。

 また、加工性を向上する観点からは、シ カの含有量は、上記のゴム成分100質量部に して、110質量部以下であることが好ましく 100質量部以下であることがより好ましい。

 <タイヤ用ゴム組成物の天然系ワックス> ;
 本発明のタイヤ用ゴム組成物には、天然系 ックスが本発明のタイヤ用ゴム組成物の全 量の1.2質量%以上2質量%未満含まれている。 れにより、本発明のタイヤ用ゴム組成物を いて作製したタイヤ部材において十分な耐 ゾン性および非ブルーミング性が得られる ともに、石油を原料とするワックスの使用 を低減することができるため石油資源に由 する原料の使用量を低減することができる

 なお、天然系ワックスが本発明のタイヤ ゴム組成物の全質量の1.2質量%未満である場 合には耐オゾン性が不十分となり、2質量%以 の場合には白色に変色する。

 ここで、天然系ワックスとしては、石油 原料としないワックスであれば特に限定な 用いることができるが、なかでもカルナバ ックス、キャンデリラワックス、ライスワ クスおよびジャパンワックスからなる群か 選択された少なくとも1種を用いることが好 ましい。

 なお、カルナバワックスとしては従来か 公知のものを用いることができ、たとえば ブラジル地方を産地とするヤシ科の植物の を原料としたもの等を用いることができる

 また、キャンデリラワックスとしては従 から公知のものを用いることができ、たと ばメキシコ高原に生育するキャンデリラ草 ら採取したもの等を用いることができる。

 また、ライスワックスとしては従来から 知のものを用いることができ、たとえば、 ぬかから抽出された米油を精製する際に分 したもの等を用いることができる。

 また、ジャパンワックスとしては従来か 公知のものを用いることができ、たとえば ハゼの実から抽出されたもの等を用いるこ ができる。

 また、天然系ワックスの含有量は、本発 のタイヤ用ゴム組成物の全質量の1.3質量%以 上であることが好ましい。

 また、天然系ワックスの含有量は、本発 のタイヤ用ゴム組成物の全質量の1.9質量%以 下であることが好ましい。

 <タイヤ用ゴム組成物のシランカップリン グ剤>
 また、本発明のタイヤ用ゴム組成物には、 ランカップリング剤が含まれることが好ま い。ここで、シランカップリング剤として 、従来から公知のものを用いることができ たとえば、ビス(3-トリエトキシシリルプロ ル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシ シリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3-ト メトキシシリルプロピル)テトラスルフィド ビス(2-トリメトキシシリルエチル)テトラス ルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピ ル)トリスルフィド、ビス(3-トリメトキシシ ルプロピル)トリスルフィド、ビス(3-トリエ キシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3- トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド 3-トリメトキシシリルプロピル-N,N-ジメチル オカルバモイルテトラスルフィド、3-トリ トキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカル バモイルテトラスルフィド、2-トリエトキシ リルエチル-N,N-ジメチルチオカルバモイル トラスルフィド、2-トリメトキシシリルエチ ル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスル ィド、3-トリメトキシシリルプロピルベン チアゾリルテトラスルフィド、3-トリエトキ シシリルプロピルベンゾチアゾールテトラス ルフィド、3-トリエトキシシリルプロピルメ クリレートモノスルフィド、3-トリメトキ シリルプロピルメタクリレートモノスルフ ド等のスルフィド系、3-メルカプトプロピル トリメトキシシラン、3-メルカプトプロピル リエトキシシラン、2-メルカプトエチルト メトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエ トキシシラン等のメルカプト系、ビニルトリ エトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン 等のビニル系、3-アミノプロピルトリエトキ シラン、3-アミノプロピルトリメトキシシ ン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリ トキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプ ピルトリメトキシシラン等のアミノ系、γ- リシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ -グリシドキシプロピルトリメトキシシラン γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシ ラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジメ キシシラン等のグリシドキシ系、3-ニトロプ ロピルトリメトキシシラン、3-ニトロプロピ トリエトキシシラン等のニトロ系、3-クロ プロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロ ピルトリエトキシシラン、2-クロロエチルト メトキシシラン、2-クロロエチルトリエト シシラン等のクロロ系が挙げられる。なお 上記のシランカップリング剤は、単独で用 てもよく、2種以上組み合わせて用いてもよ 。

 シランカップリング剤の含有量は、シリ 100質量部に対して、4質量部以上であること が好ましく、8質量部以上であることがより ましい。シランカップリング剤の含有量が リカ100質量部に対して4質量部以上、特に8質 量部以上である場合には、シリカの加工性お よび分散性が良好となる傾向にある。

 <タイヤ用ゴム組成物のカーボンブラック >
 本発明のタイヤ用ゴム組成物は、石油資源 由来する従来から公知のカーボンブラック 含んでいてもよいが、石油資源に由来する 分の使用量を低減する観点からは、上記の ム成分100質量部に対してカーボンブラック 含有量は5質量部以下であることが好ましく 、全く含まれていないことが最も好ましい。

 また、カーボンブラックとしては、たと ば、SAF、ISAF、HAF、FEF等の従来から公知のカ ーボンブラックを用いることができる。

 <タイヤ用ゴム組成物のその他成分>
 本発明のタイヤ用ゴム組成物には、上記の 分以外にも、たとえば、タイヤ工業におい 一般的に用いられている老化防止剤、ステ リン酸、酸化亜鉛、オイル、硫黄または加 促進剤等の各種成分が適宜配合されていて よい。

 老化防止剤としては、従来から公知のも を用いることができ、たとえば、アミン系 フェノール系、イミダゾール系、カルバミ 酸金属塩等の老化防止剤を用いることがで る。

 ステアリン酸としては、従来から公知の のを用いることができ、たとえば、日本油 (株)製のステアリン酸等を用いることがで る。

 また、酸化亜鉛としては、従来から公知 ものを用いることができ、たとえば、三井 属鉱業(株)製の亜鉛華1号等を用いることが きる。

 オイルとしては、従来から公知のものを いることができ、たとえば、プロセスオイ 、植物油脂、またはこれらの混合物等を用 ることができる。プロセスオイルとしては たとえば、パラフィン系プロセスオイル、 フテン系プロセスオイル、芳香族系プロセ オイル等を用いることができる。植物油脂 しては、たとえば、ひまし油、綿実油、あ に油、なたね油、大豆油、パーム油、やし 、落花生油、ロジン、パインオイル、パイ タール、トール油、コーン油、こめ油、べ 花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、 ーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナ ツ油、サフラワー油、桐油等を用いること できる。

 硫黄としては、従来から公知のものを用 ることができ、たとえば、鶴見化学工業(株 )製の粉末硫黄を用いることができる。

 加硫促進剤としては、従来から公知のも を用いることができ、たとえば、スルフェ アミド系、チアゾール系、チウラム系、チ ウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミ 酸系、アルデヒド-アミン系またはアルデヒ ド-アンモニア系、イミダゾリン系、もしく 、キサンテート系加硫促進剤のうち少なく も一つを含有するもの等を用いることがで る。スルフェンアミド系としては、たとえ CBS(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスル ェンアミド)、TBBS(N-tert-ブチル-2-ベンゾチア ルスルフェンアミド)、N,N-ジシクロヘキシ -2-ベンゾチアジルスルフェンアミド、N-オキ シジエチレン-2-ベンゾチアジルスルフェンア ミド、N,N-ジイソプロピル-2-ベンゾチアゾー スルフェンアミドなどのスルフェンアミド 化合物等を使用することができる。チアゾ ル系としては、たとえばMBT(2-メルカプトベ ゾチアゾール)、MBTS(ジベンゾチアジルジス フィド)、2-メルカプトベンゾチアゾールの トリウム塩、亜鉛塩、銅塩、シクロヘキシ アミン塩、2-(2,4-ジニトロフェニル)メルカプ トベンゾチアゾール、2-(2,6-ジエチル-4-モル リノチオ)ベンゾチアゾール等のチアゾール 化合物を用いることができる。チウラム系 しては、たとえばTMTD(テトラメチルチウラ ジスルフィド)、テトラエチルチウラムジス フィド、テトラメチルチウラムモノスルフ ド、ジペンタメチレンチウラムジスルフィ 、ジペンタメチレンチウラムモノスルフィ 、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフ ド、ジペンタメチレンチウラムヘキサスル ィド、テトラブチルチウラムジスルフィド ペンタメチレンチウラムテトラスルフィド のチウラム系化合物を用いることができる チオウレア系としては、たとえばチアカル ミド、ジエチルチオ尿素、ジブチルチオ尿 、トリメチルチオ尿素、ジオルトトリルチ 尿素などのチオ尿素化合物などを使用する とができる。グアニジン系としては、たと ばジフェニルグアニジン、ジオルトトリル アニジン、トリフェニルグアニジン、オル トリルビグアニド、ジフェニルグアニジン タレート等のグアニジン系化合物を用いる とができる。ジチオカルバミン酸系として 、たとえばエチルフェニルジチオカルバミ 酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン 亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリ ム、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ チルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジ オカルバミン酸亜鉛、ジアミルジチオカル ミン酸亜鉛、ジプロピルジチオカルバミン 亜鉛、ペンタメチレンジチオカルバミン酸 鉛とピペリジンの錯塩、ヘキサデシル(また はオクタデシル)イソプロピルジチオカルバ ン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸 鉛、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウ 、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペ ジン、ジメチルジチオカルバミン酸セレン ジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジア ルジチオカルバミン酸カドミウム等のジチ カルバミン酸系化合物を用いることができ 。アルデヒド-アミン系またはアルデヒド-ア ンモニア系としては、たとえばアセトアルデ ヒド-アニリン反応物、ブチルアルデヒド-ア リン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、 セトアルデヒド-アンモニア反応物等のアル デヒド-アミン系またはアルデヒド-アンモニ 系化合物等を用いることができる。イミダ リン系としては、たとえば2-メルカプトイ ダゾリン等のイミダゾリン系化合物等を用 ることができる。キサンテート系としては たとえばジブチルキサントゲン酸亜鉛など キサンテート系化合物等を用いることがで る。これらの加硫促進剤は、単独で用いて よく、2種以上を組み合わせて用いてもよい

 <タイヤ用ゴム組成物を用いて製造された タイヤ>
 上記の本発明のタイヤ用ゴム組成物は、未 硫の状態で押出し加工等により所定の形状 加工されて、トレッド、サイドウォールお びクリンチが形成される。そして、これら タイヤ部材を所定の位置に配置すること等 よってグリーンタイヤを作製し、その後、 リーンタイヤの各部材を構成するゴム組成 を加硫すること等によって、本発明のタイ が製造される。

 図1に、本発明のタイヤ用ゴム組成物を用 いて製造されたタイヤの一例の左上部半分の 模式的な断面図を示す。ここで、タイヤ1は タイヤ1の接地面となるトレッド2と、トレッ ド2の両端からタイヤ半径方向内方に延びて イヤ1の側面を構成する一対のサイドウォー 3と、各サイドウォール3の内方端に位置す ビードコア5とを備える。また、ビードコア5 ,5間にはプライ6が架け渡されるとともに、こ のプライ6の外側かつトレッド2の内側にはタ 効果を有してトレッド2を補強するベルト7 設置されている。

 プライ6は、たとえば、タイヤ赤道CO(タイ ヤ1の外周面の幅の中心をタイヤ1の外周面の 方向に1回転させて得られる仮想線)に対し たとえば70°~90°の角度を為す複数のコード ゴム組成物中に埋設されたゴムシートから 成することができる。また、プライ6は、ト ッド2からサイドウォール3を経てビードコ 5の廻りをタイヤ軸方向の内側から外側に折 返されて係止される。

 ベルト7は、たとえば、タイヤ赤道COに対 てたとえば40°以下の角度を為す複数のコー ドがゴム組成物中に埋設されたゴムシートか ら形成することができる。

 また、タイヤ1には、必要に応じてベルト 7の剥離を抑止するためのバンド(図示せず)が 設けられていてもよい。ここで、バンドは、 たとえば、複数のコードがゴム組成物中に埋 設されたゴムシートからなり、タイヤ赤道CO ほぼ平行にベルト7の外側に螺旋巻きするこ とによって設置することができる。

 また、タイヤ1には、ビードコア5からタ ヤ半径方向外方に延びるビードエイペック 8が形成されているとともに、プライ6の内側 にはインナーライナー9が設置されており、 ライ6の折返し部の外側はサイドウォール3お よびサイドウォール3からタイヤ半径方向内 に延びるクリンチ4で被覆されている。

 なお、図1に示すタイヤ1は乗用車用のタ ヤとなっている、本発明はこれに限定され 、たとえば、乗用車用、トラック用、バス 、重車両用等の各種タイヤに適用される。

 以上の構成を有するタイヤ1は、本発明の タイヤ用ゴム組成物を用いてトレッド2、サ ドウォール3およびクリンチ4が形成されてい ることから、耐オゾン性および非ブルーミン グ性に優れるタイヤとすることができる。

 また、上記構成のタイヤ1は、石油資源に 由来する成分の使用量を抑えることができる ことから、環境に配慮することも、将来の石 油の供給量の減少に備えることもできるエコ タイヤとすることができる。

 なお、上記においては、トレッド2、サイ ドウォール3およびクリンチ4が本発明のタイ 用ゴム組成物から形成されているが、本発 においては、タイヤ1の外周面の少なくとも 一部が本発明のタイヤ用ゴム組成物から形成 されていればよく、たとえば、トレッド2、 イドウォール3およびクリンチ4からなる群か ら選択された少なくとも1種を本発明のタイ 用ゴム組成物から形成することができる。

 また、石油資源に由来する成分の使用量 抑制する観点からは、トレッド2、サイドウ ォール3およびクリンチ4以外のタイヤの部位 ついても石油資源に由来する成分以外の成 をできるだけ用いて作製することが好まし ことは言うまでもない。また、本発明のタ ヤ用ゴム組成物を用いてトレッド2を製造す る場合には、タイヤ1の半径方向外方に配置 れるトレッド部分であるキャップトレッド よびタイヤ1の半径方向内方に配置されるト ッド部分であるベーストレッドの少なくと 一方を製造すればよい。

 <ベーストレッド用ゴム組成物>
 本発明者が、将来の石油枯渇時に備えて、 油資源に由来する成分の使用量を抑えなが タイヤの優れた耐候性を得ることについて 意検討を重ねた結果、ジエン系ゴムからな ゴム成分に、充填剤として所定量のシリカ 配合し、さらには所定量の天然系ワックス 配合することによって、タイヤの優れた耐 ゾン性と車両の低燃費性を実現することが きることを見いだし、本発明のベーストレ ド用ゴム組成物を完成するに至ったもので る。

 <ベーストレッド用ゴム組成物のゴム成分 >
 本発明において、ジエン系ゴムからなるゴ 成分としては、従来から公知のジエン系ゴ を単独で若しくは2種以上を組み合わせて用 いることができ、たとえば、天然ゴム(NR)、 チレンブタジエンゴム(SBR)およびブタジエン ゴム(BR)の群から選択された少なくとも1種の エン系ゴムを用いることができる。

 ここで、天然ゴム(NR)としては、従来から 公知のものを使用することができ、たとえば 、KR7、RSS、TSR、またはSIR20等のタイヤ工業に いて一般的に用いられている天然ゴム(NR)を 用いることができる。また、スチレンブタジ エンゴム(SBR)およびブタジエンゴム(BR)もそれ ぞれ従来から公知のものを用いることができ る。

 <ベーストレッド用ゴム組成物のシリカ> ;
 本発明のベーストレッド用ゴム組成物には 上記のジエン系ゴムからなるゴム成分100質 部に対して20質量部以上70質量部以下のシリ カが含まれる。このような構成とすることに よって、充填剤としてのカーボンブラックの 使用量を低減することができるため、石油資 源に由来する成分の使用量を低減することが できるとともに、シリカによる十分な補強効 果を得ることができ、さらには車両の低燃費 性も実現することが可能となる。

 すなわち、シリカの配合量が上記のジエ 系ゴムからなるゴム成分100質量部に対して2 0質量部未満である場合には、シリカの配合 が少なすぎてシリカによる補強効果が得ら ない。また、シリカの配合量が上記のジエ 系ゴムからなるゴム成分100質量部に対して70 質量部を超える場合には、シリカの配合量が 多すぎて転がり抵抗が大きくなる等の要因に よって車両の低燃費性を実現することができ ない。

 ここで、タイヤの耐久性を十分に確保す ためにゴムを補強する観点からは、シリカ 含有量は、上記のジエン系ゴムからなるゴ 成分100質量部に対して、20質量部以上であ ことが好ましく、35質量部以上であることが より好ましい。

 また、タイヤの転がり抵抗を十分に低減 せるだけの低発熱性を確保する観点からは シリカの含有量は、上記のジエン系ゴムか なるゴム成分100質量部に対して、70質量部 下であることが好ましく、55質量部以下であ ることがより好ましい。

 また、シリカのBET法による窒素吸着比表面 (以下、「BET比表面積」という。)は、95m 2 /g以上であることが好ましく、110m 2 /g以上であることがより好ましい。シリカのB ET比表面積が110m 2 /g未満である場合、特に95m 2 /g未満である場合には、ゴムの十分な補強性 得られず、タイヤの耐久性が悪化する要因 なる傾向にある。

 また、シリカのBET比表面積は、260m 2 /g以下であることが好ましく、220m 2 /g以下であることがより好ましい。シリカのB ETが220m 2 /gよりも大きい場合、特に260m 2 /gよりも大きい場合には、ムーニー粘度の上 等によって本発明のベーストレッド用ゴム 成物の加工性が悪化し、タイヤの転がり抵 の低減効果も小さくなる傾向にある。

 なお、シリカとしては、従来から公知の のを用いることができ、たとえば、無水シ カおよび/または含水シリカ等を用いること ができる。

 <ベーストレッド用ゴム組成物の天然系ワ ックス>
 本発明のベーストレッド用ゴム組成物には 上記のジエン系ゴム100質量部に対して2質量 部以上15質量部以下の天然系ワックスが含ま る。これにより、石油資源に由来する成分 使用量を低減することができるとともに、 発明のベーストレッド用ゴム組成物により 成されたベーストレッドを用いたタイヤに れた耐オゾン性が発現し、加硫後のベース レッドの強度(破断強度)も優れたものとな 。

 すなわち、天然系ワックスが上記のジエ 系ゴムからなるゴム成分100質量部に対して2 質量部未満である場合には、天然系ワックス の配合量が少なすぎてタイヤの優れた耐オゾ ン性が得られず、15質量部を超える場合には 発明のベーストレッド用ゴム組成物を加硫 て作製されたベーストレッドの破断強度が くなる。

 ワックスは濃度勾配により、ゴム中を動 と考えられている。ワックスはタイヤのキ ップトレッド表面に析出して耐オゾン性を 揮するが、キャップトレッド表面に析出し ワックスはタイヤの走行時におけるタイヤ 磨耗、車両の保管時における雨天や車両の 浄等の要因によってタイヤから脱落するこ で効果を失う。この脱落により、トレッド ムの内部と表面との間にワックスの濃度勾 が発生し、タイヤ内部に配合されたワック が表面へと連続的に移動することで耐オゾ 性を発揮し続ける。最終的にあらかじめ配 されたワックスが全て脱落することでワッ スによる耐オゾン性能力が終了することに る。

 今回、天然系ワックスとしてカルナバワ クスをベーストレッドを形成するためのベ ストレッド用ゴム組成物に配合することに って、ベーストレッドからキャップトレッ へのワックスの移動速度を石油を原料とす 石油系ワックスよりも遅くできることを見 だした。すなわち、長期間、タイヤの内部 ら表面にワックスを移動させることが可能 なり、タイヤの耐オゾン性効果をより長時 持続することができる。

 したがって、以上の理由から、上記の天 系ワックスとしては、カルナバワックスを いることが好ましい。カルナバワックスと ては、従来から公知のカルナバワックスを いることができる。

 ここで、カルナバワックスの含有量は、 記のジエン系ゴムからなるゴム成分100質量 に対して2質量部以上15質量部以下であるこ が好ましく、5質量部以上10質量部以下であ ことがより好ましい。カルナバワックスの 有量が上記のジエン系ゴムからなるゴム成 100質量部に対して2質量部未満である場合に は十分な耐オゾン性が得られない傾向にあり 、15質量部を超える場合には製造コストが著 く上昇するとともに加硫後のゴムの引張強 が得られない傾向にある。

 <ベーストレッド用ゴム組成物のシランカ ップリング剤>
 また、本発明のベーストレッド用ゴム組成 には、シランカップリング剤が含まれるこ が好ましい。ここで、シランカップリング としては、従来から公知のものを用いるこ ができ、たとえば、ビス(3-トリエトキシシ ルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリ エトキシシリルエチル)テトラスルフィド、 ス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラス フィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル) テトラスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリ ルプロピル)トリスルフィド、ビス(3-トリメ キシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス( 3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド 、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)ジス フィド、3-トリメトキシシリルプロピル-N,N- メチルチオカルバモイルテトラスルフィド 3-トリエトキシシリルプロピル-N,N-ジメチル チオカルバモイルテトラスルフィド、2-トリ トキシシリルエチル-N,N-ジメチルチオカル モイルテトラスルフィド、2-トリメトキシシ リルエチル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテ ラスルフィド、3-トリメトキシシリルプロ ルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3-ト リエトキシシリルプロピルベンゾチアゾール テトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプ ピルメタクリレートモノスルフィド、3-ト メトキシシリルプロピルメタクリレートモ スルフィド等のスルフィド系、3-メルカプト プロピルトリメトキシシラン、3-メルカプト ロピルトリエトキシシラン、2-メルカプト チルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチ ルトリエトキシシラン等のメルカプト系、ビ ニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキ シシラン等のビニル系、3-アミノプロピルト エトキシシラン、3-アミノプロピルトリメ キシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロ ルトリエトキシシラン、3-(2-アミノエチル) ミノプロピルトリメトキシシラン等のアミ 系、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシ ラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキ シラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジ トキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメ ルジメトキシシラン等のグリシドキシ系、3- ニトロプロピルトリメトキシシラン、3-ニト プロピルトリエトキシシラン等のニトロ系 3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-ク ロロプロピルトリエトキシシラン、2-クロロ チルトリメトキシシラン、2-クロロエチル リエトキシシラン等のクロロ系が挙げられ 。なお、上記のシランカップリング剤は、 独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用 てもよい。

 シランカップリング剤の含有量は、シリ 100質量部に対して、4質量部以上であること が好ましく、8質量部以上であることがより ましい。シランカップリング剤の含有量が リカ100質量部に対して4質量部以上、特に8質 量部以上である場合には、シリカとシランカ ップリング剤との間に化学結合が形成され、 ゴムの十分な補強性を確保することができる 傾向にある。

 <ベーストレッド用ゴム組成物のカーボン ブラック>
 本発明のベーストレッド用ゴム組成物は、 油資源に由来する従来から公知のカーボン ラックを含んでいてもよいが、石油資源に 来する成分の使用量を低減する観点からは カーボンブラックの含有量は、上記のジエ 系ゴム100質量部に対して25質量部以下であ ことが好ましく、5質量部以下であることが り好ましく、全く含まれていないことが最 好ましい。

 また、カーボンブラックとしては、たと ば、SAF、ISAF、HAF、FEF等の従来から公知のカ ーボンブラックを用いることができる。

 <ベーストレッド用ゴム組成物のその他成 分>
 本発明のベーストレッド用ゴム組成物には 上記の成分以外にも、たとえば、タイヤ工 において一般的に用いられている老化防止 、オイル、ステアリン酸、酸化亜鉛、硫黄 たは加硫促進剤等の各種成分が適宜配合さ ていてもよい。

 老化防止剤としては、従来から公知のも を用いることができ、たとえば、アミン系 フェノール系、イミダゾール系、カルバミ 酸金属塩等の老化防止剤を用いることがで る。

 オイルとしては、従来から公知のものを いることができ、たとえば、プロセスオイ 、植物油脂、またはこれらの混合物等を用 ることができる。プロセスオイルとしては たとえば、パラフィン系プロセスオイル、 フテン系プロセスオイル、芳香族系プロセ オイル等を用いることができる。植物油脂 しては、たとえば、ひまし油、綿実油、あ に油、なたね油、大豆油、パーム油、やし 、落花生油、ロジン、パインオイル、パイ タール、トール油、コーン油、こめ油、べ 花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、 ーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナ ツ油、サフラワー油、桐油等を用いること できる。

 ステアリン酸としては、従来から公知の のを用いることができ、たとえば、日本油 (株)製のステアリン酸等を用いることがで る。

 酸化亜鉛としては、従来から公知のもの 用いることができ、たとえば、三井金属鉱 (株)製の亜鉛華等を用いることができる。

 硫黄としては、従来から公知のものを用 ることができ、たとえば、鶴見化学工業(株 )製の硫黄等を用いることができる。

 加硫促進剤としては、従来から公知のも を用いることができ、たとえば、スルフェ アミド系、チアゾール系、チウラム系、チ ウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミ 酸系、アルデヒド-アミン系またはアルデヒ ド-アンモニア系、イミダゾリン系、もしく 、キサンテート系加硫促進剤のうち少なく も一つを含有するもの等を用いることがで る。スルフェンアミド系としては、たとえ CBS(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスル ェンアミド)、TBBS(N-tert-ブチル-2-ベンゾチア ルスルフェンアミド)、N,N-ジシクロヘキシ -2-ベンゾチアジルスルフェンアミド、N-オキ シジエチレン-2-ベンゾチアジルスルフェンア ミド、N,N-ジイソプロピル-2-ベンゾチアゾー スルフェンアミドなどのスルフェンアミド 化合物等を使用することができる。チアゾ ル系としては、たとえばMBT(2-メルカプトベ ゾチアゾール)、MBTS(ジベンゾチアジルジス フィド)、2-メルカプトベンゾチアゾールの トリウム塩、亜鉛塩、銅塩、シクロヘキシ アミン塩、2-(2,4-ジニトロフェニル)メルカプ トベンゾチアゾール、2-(2,6-ジエチル-4-モル リノチオ)ベンゾチアゾール等のチアゾール 化合物を用いることができる。チウラム系 しては、たとえばTMTD(テトラメチルチウラ ジスルフィド)、テトラエチルチウラムジス フィド、テトラメチルチウラムモノスルフ ド、ジペンタメチレンチウラムジスルフィ 、ジペンタメチレンチウラムモノスルフィ 、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフ ド、ジペンタメチレンチウラムヘキサスル ィド、テトラブチルチウラムジスルフィド ペンタメチレンチウラムテトラスルフィド のチウラム系化合物を用いることができる チオウレア系としては、たとえばチアカル ミド、ジエチルチオ尿素、ジブチルチオ尿 、トリメチルチオ尿素、ジオルトトリルチ 尿素などのチオ尿素化合物などを使用する とができる。グアニジン系としては、たと ばジフェニルグアニジン、ジオルトトリル アニジン、トリフェニルグアニジン、オル トリルビグアニド、ジフェニルグアニジン タレート等のグアニジン系化合物を用いる とができる。ジチオカルバミン酸系として 、たとえばエチルフェニルジチオカルバミ 酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン 亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリ ム、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ チルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジ オカルバミン酸亜鉛、ジアミルジチオカル ミン酸亜鉛、ジプロピルジチオカルバミン 亜鉛、ペンタメチレンジチオカルバミン酸 鉛とピペリジンの錯塩、ヘキサデシル(また はオクタデシル)イソプロピルジチオカルバ ン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸 鉛、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウ 、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペ ジン、ジメチルジチオカルバミン酸セレン ジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジア ルジチオカルバミン酸カドミウム等のジチ カルバミン酸系化合物を用いることができ 。アルデヒド-アミン系またはアルデヒド-ア ンモニア系としては、たとえばアセトアルデ ヒド-アニリン反応物、ブチルアルデヒド-ア リン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、 セトアルデヒド-アンモニア反応物等のアル デヒド-アミン系またはアルデヒド-アンモニ 系化合物等を用いることができる。イミダ リン系としては、たとえば2-メルカプトイ ダゾリン等のイミダゾリン系化合物等を用 ることができる。キサンテート系としては たとえばジブチルキサントゲン酸亜鉛など キサンテート系化合物等を用いることがで る。これらの加硫促進剤は、単独で用いて よく、2種以上を組み合わせて用いてもよい

 <ベーストレッド用ゴム組成物を用いて製 造されたタイヤ>
 本発明のベーストレッド用ゴム組成物は、 なくとも、上記のジエン系ゴムからなるゴ 成分と、シリカと、天然系ワックスとを混 り等により混合することによって作製する とができる。

 そして、上記の本発明のベーストレッド ゴム組成物を未加硫の状態で押出し加工等 ることによって、ベーストレッドを形成す ことができる。

 そして、本発明のベーストレッド用ゴム 成物から形成されたベーストレッドを含む イヤ部材を所定の位置に配置すること等に ってグリーンタイヤを作製し、その後、グ ーンタイヤの各部材を構成するゴム組成物 加硫すること等によって、本発明のタイヤ 製造される。

 図2に、本発明のベーストレッド用ゴム組 成物を用いて製造されたタイヤの一例の左上 部半分の模式的な断面図を示す。ここで、タ イヤ11は、タイヤ11の接地面となるキャップ レッド12aと、キャップトレッド12aのタイヤ 径方向内方に位置するベーストレッド12bと ベーストレッド12bの両端からタイヤ半径方 内方に延びてタイヤ11の側面を構成する一対 のサイドウォール13と、各サイドウォール13 タイヤ半径方向内方端に位置するビードコ 15とを備える。また、ビードコア15,15間には ライ16が架け渡されるとともに、このプラ 16の外側かつベーストレッド12bの内側にはベ ルト17が設置されている。

 プライ16は、たとえば、タイヤ赤道CO(タ ヤ11の外周面の幅の中心をタイヤ11の外周面 周方向に1回転させて得られる仮想線)に対 てたとえば70°~90°の角度を為す複数のコー がゴム組成物中に埋設されたゴムシートか 形成することができる。また、プライ16は、 ベーストレッド12bからサイドウォール13を経 ビードコア15の廻りをタイヤ軸方向の内側 ら外側に折り返されて係止される。

 ベルト17は、たとえば、タイヤ赤道COに対 してたとえば40°以下の角度を為す複数のコ ドがゴム組成物中に埋設されたゴムシート ら形成することができる。

 また、タイヤ11には、必要に応じてベル 17の剥離を抑止するためのバンド(図示せず) 設けられていてもよい。ここで、バンドは たとえば、複数のコードがゴム組成物中に 設されたゴムシートからなり、タイヤ赤道C Oとほぼ平行にベルト17の外側に螺旋巻きする ことによって設置することができる。

 また、タイヤ11には、ビードコア15からタ イヤ半径方向外方に延びるビードエイペック ス18が形成されているとともに、プライ16の 側にはインナーライナー19が設置されており 、プライ16の折返し部の外側はサイドウォー 13およびサイドウォール13からタイヤ半径方 向内方に延びるクリンチ14で被覆されている

 なお、図2に示すタイヤ11は乗用車用のタ ヤとなっているが、本発明はこれに限定さ ず、たとえば、乗用車用、トラック用、バ 用、重車両用等の各種タイヤに適用される

 本発明のベーストレッド用ゴム組成物に いては、ジエン系ゴムからなるゴム成分に シリカと、カルナバワックスのようなゴム の移動速度が遅い天然系ワックスとが、そ ぞれ上記の適切な含有量だけ配合されてお 、このような本発明のベーストレッド用ゴ 組成物を用いてタイヤのベーストレッドを 成した場合には、タイヤの優れた耐オゾン とそのタイヤを装着した車両の低燃費化を 現することが可能となる。したがって、本 明のベーストレッド用ゴム組成物はベース レッドの形成に用いられるのが好適である

 また、上記構成のタイヤ11には、カーボ ブラック等の石油資源に由来する材料の使 量が抑えられたベーストレッド12bが用いら ていることから、環境に配慮することも、 来の石油の供給量の減少に備えることもで るエコタイヤとすることができる。

 また、石油資源に由来する成分の使用量 抑制する観点からは、ベーストレッド12b以 のタイヤの部位についても石油資源に由来 る成分以外の成分をできるだけ用いて作製 ることが好ましいことは言うまでもない。

 表1に示す配合に従って、硫黄および加硫 促進剤以外の成分をバンバリーミキサーを用 いて、130℃で2分間混練りし、混練り物を得 。次に、得られた混練り物に硫黄および加 促進剤を添加し、オープンロールを用いて 95℃で2分間混練りして、未加硫ゴム組成物 得た。その後、得られた未加硫ゴム組成物 それぞれ150℃で30分間加硫することによって サンプル1~15のそれぞれの加硫ゴムシートを た。

 なお、表1の石油系ワックス、カルナバワ ックスおよびキャンデリラワックス以外の成 分の欄に示されている数値は、ゴム成分を100 質量部としたときの各成分の配合量が質量部 で表わされている。

 また、サンプル1~7の加硫ゴムシートはタ ヤのトレッド用途を意図して形成されてい 。

 また、サンプル8~11の加硫ゴムシートはタ イヤのサイドウォール用途を意図して形成さ れている。

 さらに、サンプル12~15の加硫ゴムシート タイヤのクリンチ用途を意図して形成され いる。

(注1)天然ゴム:KR7、TSR
(注2)エポキシ化天然ゴム:MRB(エポキシ化率:50 ル%)
(注3)カーボンブラック:三菱化学(株)製のN220
(注4)シリカ:ローディアジャパン(株)製のZEOSIL -195GR(BET比表面積:180m 2 /g)、ZEOSIL-215GR(BET比表面積:248m 2 /g)
(注5)シランカップリング剤:デグッサ社製のSi 75
(注6)オイル:ジャパンエナジー社製のプロセ 140
(注7)石油系ワックス;大内新興化学工業(株)製 のサンノックワックス
(注8)カルナバワックス:東亜化成(株)製
(注9)キャンデリラワックス:東亜化成(株)製
(注10)老化防止剤:大内新興化学工業(株)製の クラック6C(N-1,3-ジメチルブチル-N’-フェニ -p-フェニレンジアミン)
(注11)ステアリン酸:日本油脂(株)製
(注12)酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1
(注13)硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
(注14)加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製の クセラーNS
 なお、上記の石油系ワックスは石油から製 されたワックスであり、炭素数5~55までの広 がりを持った成分からなる石油系ワックスで ある。

 また、上記のカルナバワックスは、北ブ ジル地方を産地とするヤシ科の植物の葉か 採取される天然系ワックスであり、炭素数2 8~38の範囲にブロードな成分と炭素数50にシャ ープ(高含有量)な成分を有する。

 また、上記のキャンデリラワックスは、 キシコ高原に生育するキャンデリラ草によ 採取される天然系ワックスであり、炭素数3 1にシャープな成分を有する。

 <静的オゾンテスト>
 上記のようにして得られたサンプル1~15の加 硫ゴムシートをそれぞれ20%伸長させた状態で 3ヶ月間屋外曝露し、3ヶ月後の各加硫ゴムシ トの表面を目視で観察してクラック発生の 無を確認した。その結果を表1に示す。

 なお、表1の静的オゾンテストの欄におい て、Aはクラック未発生を示しており、Bはク ック発生を示している。

 <白変化テスト>
 上記の静的オゾンテスト後の各加硫ゴムシ トの表面について、ワックスの表面への移 による表面の白変化の有無を目視で観察し 確認した。その結果を表1に示す。

 なお、表1の白変化テストの欄において、 Aは表面の白変化無しを示しており、Bは表面 白変化有りを示している。

 <結果>
 (1)トレッド用途
 表1に示すように、カルナバワックスおよび /またはキャンデリラワックスからなる天然 ワックスの含有量が未加硫ゴム組成物の全 量の1.2質量%以上2質量%未満である未加硫ゴ 組成物を加硫して作製されたサンプル1~3の 硫ゴムシートは、静的オゾンテストにおい クラックが発生せず、白変化テストでも表 の白変化がないことが確認された。

 一方、天然系ワックスが全く含有されず 作製されたサンプル5の加硫ゴムシートは静 的オゾンテストにおいてクラックが発生して いるため、サンプル1~3の加硫ゴムシートは、 サンプル5の加硫ゴムシートと比べて耐オゾ 性に優れることが確認された。

 また、天然系ワックスの含有量が未加硫 ム組成物の全質量の2.1質量%である未加硫ゴ ム組成物を加硫して作製されたサンプル6の 硫ゴムシートは、白変化テストで表面の白 化が発生しているため、サンプル1~3の加硫 ムシートは、サンプル6の加硫ゴムシートと べてワックスの非ブルーミング性にも優れ ことが確認された。

 また、天然系ワックスの含有量が未加硫 ム組成物の全質量の0.86質量%である未加硫 ム組成物を加硫して作製されたサンプル7の 硫ゴムシートは、静的オゾンテストにおい クラックが発生しているため、サンプル1~3 加硫ゴムシートは、サンプル7の加硫ゴムシ ートと比べて耐オゾン性に優れることが確認 された。

 なお、サンプル4の加硫ゴムシートにおい ても静的オゾンテストにおいてクラックが発 生せず、白変化テストにおいても表面の白変 化がないことが確認されているが、サンプル 4の加硫ゴムシートにおいては石油系ワック が配合されているため、石油資源に由来す 成分の使用量を低減するという点では天然 ワックスのみが配合されているサンプル1~3 加硫ゴムシートの方がサンプル4の加硫ゴム ートと比べて優位性がある。

 (2)サイドウォール用途
 表1に示すように、天然系ワックスの含有量 が未加硫ゴム組成物の全質量の1.2質量%以上2 量%未満である未加硫ゴム組成物を加硫して 作製されたサンプル8~9の加硫ゴムシートは、 静的オゾンテストにおいてクラックが発生せ ず、白変化テストでも表面の白変化がないこ とが確認された。

 また、天然系ワックスの含有量が未加硫 ム組成物の全質量の0.87質量%である未加硫 ム組成物を加硫して作製されたサンプル11の 加硫ゴムシートは、静的オゾンテストにおい てクラックが発生しているため、サンプル1~3 の加硫ゴムシートは、サンプル11の加硫ゴム ートと比べて耐オゾン性に優れることが確 された。

 なお、サンプル10の加硫ゴムシートにお ても静的オゾンテストにおいてクラックが 生せず、白変化テストにおいても表面の白 化がないことが確認されているが、サンプ 10の加硫ゴムシートにおいては石油系ワック スが配合されているため、石油資源に由来す る成分の使用量を低減するという点では天然 系ワックスのみが配合されているサンプル8~9 の加硫ゴムシートの方がサンプル10の加硫ゴ シートと比べて優位性がある。

 (3)クリンチ用途
 表1に示すように、天然系ワックスの含有量 が未加硫ゴム組成物の全質量の1.2質量%以上2 量%未満である未加硫ゴム組成物を加硫して 作製されたサンプル12~13の加硫ゴムシートは 静的オゾンテストにおいてクラックが発生 ず、白変化テストでも表面の白変化がない とが確認された。

 また、天然系ワックスの含有量が未加硫 ム組成物の全質量の0.78質量%である未加硫 ム組成物を加硫して作製されたサンプル15の 加硫ゴムシートは、静的オゾンテストにおい てクラックが発生しているため、サンプル1~3 の加硫ゴムシートは、サンプル15の加硫ゴム ートと比べて耐オゾン性に優れることが確 された。

 なお、サンプル14の加硫ゴムシートにお ても静的オゾンテストにおいてクラックが 生せず、白変化テストにおいても表面の白 化がないことが確認されているが、サンプ 14の加硫ゴムシートにおいては石油系ワック スが配合されているため、石油資源に由来す る成分の使用量を低減するという点では天然 系ワックスのみが配合されているサンプル12~ 13の加硫ゴムシートの方がサンプル14の加硫 ムシートと比べて優位性がある。

 (4)まとめ
 以上の結果から、天然系ワックスの含有量 未加硫ゴム組成物の全質量の1.2質量%以上2 量%未満である未加硫ゴム組成物を加硫して 製された加硫ゴムシートは、トレッド用途 サイドウォール用途およびクリンチ用途の ずれの用途のゴム配合にも対応して耐オゾ 性および非ブルーミング性に優れることが 認された。

 <未加硫ゴム組成物の作製>
 表2に示す配合に従って、硫黄および加硫促 進剤以外の成分を神戸製鋼製の1.7Lバンバリ ミキサーを用いて、排出温度を155℃に設定 て混練りし、混練り物を得た。次に、得ら た混練り物に硫黄および加硫促進剤を添加 、オープンロールを用いて、90℃で2分間混 りして、未加硫ゴム組成物を得た。

 なお、表2のその他成分の欄に記載されて いる数値は、天然ゴム(NR)とブタジエンゴム(B R)との混合物であるジエン系ゴム(NRの質量:BR 質量=40:60)の配合量を100質量部としたときの 、各成分の配合量が質量部で表わされている 。

(注15)天然ゴム(NR):SIR20
(注16)ブタジエンゴム(BR):宇部興産(株)製のブ ジエンゴム
(注17)N339:三菱化学(株)製のカーボンブラック
(注18)シリカVN3:デグサ社製のシリカ(BET比表面 積:210m 2 /g)
(注19)シランカップリング剤Si266:デグサ社製 シランカップリング剤
(注20)カルナバワックス:東亜化成(株)製のカ ナバワックス
(注21)石油系ワックス:日本精蝋(株)製のオゾ ース0355
(注22)老化防止剤6PPD:住友化学(株)製
(注23)プロセスオイル:JOMO(株)製のアロマオイ
(注24)ステアリン酸:日本油脂(株)製の椿
(注25)酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製
(注26)硫黄:鶴見化学工業(株)製
(注27)促進剤TBBS:大内新興化学工業(株)製の加 促進剤
 <静的オゾンテスト>
 上記のサンプル16~25の未加硫ゴム組成物を いてベーストレッドをそれぞれ作製し、そ ぞれのベーストレッドを用いて195/65R15の乗 車タイヤを作製し、静的オゾンテストの評 を行なった。なお、サンプル16~25の未加硫ゴ ム組成物のいずれを用いて乗用車タイヤを作 製した場合でも、乗用車タイヤのキャップト レッドについては、同一配合のゴムを用いる ことによって同一の条件としている。

 ここで、作製した乗用車タイヤの基本構造 次のとおりである。
プライ
  コード角度   タイヤ周方向に90度
  コード材料   ポリエステル
ベルト
  コード角度   タイヤ周方向に25度×25度
  コード材料   スチール(真鍮メッキ(銅- 鉛合金メッキ))
ジョイントレスバンド
  コード角度   タイヤ周方向に0度
  コード材料   ナイロン
 そして、上記で作製した乗用車タイヤをそ ぞれ、リム:15×6JJ、内圧:200kPaの条件で、50pp hmのオゾンチャンバーに放置して、乗用車タ ヤにクラックが発生するまでの日数を測定 た。その結果を表2に示す。

 <引張試験>
 上記のサンプル16~25のそれぞれの未加硫ゴ 組成物をそれぞれ150℃で30分間加硫すること によってサンプル16~25のそれぞれの加硫ゴム ートを得た。

 そして、上記のようにして得た加硫ゴム ートについて、JIS K6251「加硫ゴム及び熱可 塑性ゴム-引張特性の求め方」に準じ、ダン ル状3号形試験片を用いて引張試験を実施し 破断時の引張強度(MPa)を求めた。その結果 表2に示す。

 <転がり抵抗>
 静的オゾンテストのときと同様にして、サ プル16~25の未加硫ゴム組成物を用いてベー トレッドをそれぞれ作製し、それぞれのベ ストレッドを用いて静的オゾンテストのと と同様の構成の乗用車タイヤを作製した。 お、サンプル16~25の未加硫ゴム組成物のいず れを用いて乗用車タイヤを作製した場合でも 、乗用車タイヤのキャップトレッドについて は、同一配合のゴムを用いることによって同 一の条件としている。

 そして、転がり抵抗試験機を用い、それ れの乗用車タイヤを、荷重3.0kN、タイヤの 圧200kPa、速度80km/時間の条件で走行させて、 転がり抵抗を測定した。その結果を表2に示 。

 なお、表2の転がり抵抗の欄において、転 がり抵抗の測定値をサンプル21の未加硫ゴム 成物を用いてベーストレッドを作製した乗 車タイヤの転がり抵抗を100(基準)として、 の相対値で表わしている。表2の転がり抵抗 欄の数値が小さいほど、転がり抵抗が小さ 、低燃費性であることを示す。

 <評価>
 表2に示すように、ジエン系ゴムからなるゴ ム成分100質量部に対して20質量部以上70質量 以下のシリカと、ジエン系ゴムからなるゴ 成分100質量部に対して2質量部以上15質量部 下のカルナバワックスとを含むサンプル16~20 の未加硫ゴム組成物を用いてベーストレッド が作製された乗用車タイヤについては、静的 オゾンテスト、引張強度および転がり抵抗の いずれの試験においても良好な結果が得られ ていることが確認された。

 なお、サンプル21の未加硫ゴム組成物を いてベーストレッドが作製された乗用車タ ヤについては、カルナバワックスの代わり 石油系ワックスが配合されていることから 石油資源に由来する成分の使用量を抑える とができていない。

 また、サンプル22の未加硫ゴム組成物を いてベーストレッドが作製された乗用車タ ヤについては、ワックス自体が配合されて ないことから、静的オゾンテストの結果が かった。

 また、サンプル23の未加硫ゴム組成物を いてベーストレッドが作製された乗用車タ ヤについては、カルナバワックスの含有量 ジエン系ゴム100質量部に対して18質量部と多 すぎるために、引張強度が低くなる結果とな った。

 また、サンプル24の未加硫ゴム組成物を いてベーストレッドが作製された乗用車タ ヤについては、シリカの含有量がジエン系 ム100質量部に対して10質量部と少なすぎるた めに、引張強度が低くなる結果となった。

 また、サンプル25の未加硫ゴム組成物を いてベーストレッドが作製された乗用車タ ヤについては、シリカの含有量がジエン系 ム100質量部に対して80質量部と多すぎるため に、転がり抵抗が高くなる結果となった。

 以上の結果から、ジエン系ゴムからなる ム成分100質量部に対して20質量部以上70質量 部以下のシリカと、ジエン系ゴムからなるゴ ム成分100質量部に対して2質量部以上15質量部 以下のカルナバワックスとを含むサンプル16~ 20の未加硫ゴム組成物を用いてベーストレッ を形成し、そのベーストレッドをタイヤに いた場合には、石油資源に由来する成分の 用量を抑えることができるとともにタイヤ 優れた耐オゾン性および車両の低燃費化を 現することができると考えられる。

 今回開示された実施の形態および実施例 すべての点で例示であって制限的なもので ないと考えられるべきである。本発明の範 は上記した説明ではなくて請求の範囲によ て示され、請求の範囲と均等の意味および 囲内でのすべての変更が含まれることが意 される。

 本発明によれば、石油資源に由来する成 の使用量を抑えることができるとともに耐 ゾン性および非ブルーミング性に優れたタ ヤ用ゴム組成物、それを用いたタイヤ部材 よびタイヤを提供することができる。

 また、本発明によれば、石油資源に由来 る成分の使用量を抑えることができるとと にタイヤの優れた耐オゾン性および車両の 燃費化を実現することができるベーストレ ド用ゴム組成物、そのベーストレッド用ゴ 組成物を用いて形成したベーストレッドお びタイヤを提供することができる。