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Title:
SAMPLE INTRODUCTION DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/041442
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] To reduce carry-over. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] When a high pressure valve (51) of a sample introduction device of the full injection system is switched from the load state into the inject state, a stator hole (d) communicated with an injection port (25) is communicated with a port (c) connecting a channel communicated with a separation/detection section (30) at a higher speed than the communication of a stator hole (b) communicated with a liquid feeder (10) with a stator hole (a) communicated with a needle (54). A rotor groove (Y) communicating between the stator holes (d) and (e) or the stator holes (d) and (c) is made longer than another rotor groove (X).

Inventors:
MAEDA YOSHIAKI (JP)
MARUYAMA SHUZO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/067199
Publication Date:
April 02, 2009
Filing Date:
September 24, 2008
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Assignee:
SHIMADZU CORP (JP)
MAEDA YOSHIAKI (JP)
MARUYAMA SHUZO (JP)
International Classes:
G01N1/00; G01N30/20; G01N30/24; G01N30/26
Domestic Patent References:
WO2006083776A22006-08-10
Foreign References:
JPH10170488A1998-06-26
JP2006038809A2006-02-09
JP2001255315A2001-09-21
JPH0319962U1991-02-27
Attorney, Agent or Firm:
KITA, TOSHIFUMI et al. (1 Nishinokyo-kuwabaracho, Nakagyo-ku, Kyoto-sh, Kyoto 11, JP)
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Claims:
 面上の円周上に6つの孔が穿設されたステータと、前記ステータ面と摺動可能に接合され、前記ステータの面上の円周上で隣接する2つの孔を連通する3つの溝を有するロータと、各々の前記6つの孔に連通する6つのポートを有し、前記ロータを回転させて、前記溝が連通する孔の組み合わせを切り換える流路切換弁を備え、
 前記6つのポートには、少なくとも、a)先端にニードルを備えたサンプルループに連通する流路、b)溶液を送液する送液装置に連通する流路、c)試料を分析する分析部に連通する流路、d)前記ニードルが嵌挿される注入ポートに連通する流路が接続され、
 前記流路切換弁が前記サンプルループ、前記注入ポートを介して前記送液装置と前記分析部とを連通する第1の状態と、前記サンプルループ及び前記注入ポートを介さず前記送液装置と前記分析部とを連通する第2の状態とを切り換える流路切換機構を備えた試料導入装置において、
 第1の状態で前記注入ポートと前記分析部とを連通するロータ溝は、第1の状態で前記送液装置と前記サンプルループとを連通するロータ溝より長く刻設されていることを特徴とする試料導入装置。
 第1の状態で前記注入ポートと前記分析部とを連通するロータ溝は、第1の状態から第2の状態に切り換える際の回転方向に沿って長く刻設されていることを特徴とする請求項1に記載の試料導入装置。
 面上の円周上に6つの孔が穿設されたステータと、前記ステータ面と摺動可能に接合され、前記ステータの面上の円周上で隣接する2つの孔を連通する3つの溝を有するロータと、各々の前記6つの孔に連通する6つのポートを有し、前記ロータを回転させて、前記溝が連通する孔の組み合わせを切り換える流路切換弁を備え、
 前記6つのポートには、少なくとも、a)先端にニードルを備えたサンプルループに連通する流路、b)溶液を送液する送液装置に連通する流路、c)試料を分析する分析部に連通する流路、d)前記ニードルが嵌挿される注入ポートに連通する流路が接続され、
 前記流路切換弁が前記サンプルループ、前記注入ポートを介して前記送液装置と前記分析部とを連通する第1の状態と、前記サンプルループ及び前記注入ポートを介さず前記送液装置と前記分析部とを連通する第2の状態とを切り換える流路切換機構を備えた試料導入装置において、
 前記分析部への流路が接続されるポートと連通するステータ孔は、前記ロータとの接合面で前記注入ポートへの流路が接続されるポートと連通するステータ孔側に偏心するように穿設されていることを特徴とする試料導入装置。
Description:
試料導入装置

 本発明は、分析機器に液体試料を導入す 試料導入装置に関し、詳細には、流路切換 に接続されるニードル及び注入ポートを有 る試料導入装置に関する。

 多数の試料を分析するために、試料を所 の順序で自動的に液体クロマトグラフ等の 析機器に導入する試料導入装置が使用され 。図5(a)は、液体クロマトグラフの概略を示 すものである。液体クロマトグラフは、送液 装置10、試料導入装置20、分離・検出部30、制 御・解析部40からなり、試料導入装置20は、 液装置10と分離・検出部30の間に設置される 分離・検出部30は、分析カラム31や検出器32 含まれ、分析の目的に応じて様々な流路が 成され、分析部として機能する。送液装置1 0、試料導入装置20、分離・検出部30は、制御 解析部40により制御され、また、制御・解 部40においては、検出器32からの信号を受け 、試料の定性・定量等の解析を行い、解析 ータの保存や分析レポートの作成・出力が なわれる。

 試料導入装置には、試料容器から計量し 試料の全量を注入することが可能な「全量 入方式」と、試料容器から計量した試料の 部をサンプルループに充填し注入を行なう 部分注入方式」とがある(特許文献1,2、非特 許文献1等)。試料が極微量しか採取できない 野では、採取した試料を無駄なく分析する とができるという理由で全量注入方式を採 したものが広く用いられている。

 図5(b)は、全量注入方式の試料導入装置20 内部の流路の概略を示すものである。試料 入装置20は、6ポート2ポジションバルブ21と 6ポジションバルブ22を中心に流路が構成さ ている。送液装置10から試料導入装置20に流 入する移動相溶液の流路は、まず、6ポート2 ジションバルブ21のポートの1つに接続され 。サンプルループ23からその先端に設けら たニードル24、さらにニードル24が嵌挿され 注入ポート25を経て、上流側の送液装置10か らの流路と下流側の分離・検出部30への流路 連通されるので、ニードル24~サンプルルー 23に充填された試料は全て分離・検出部30に 導かれる。6ポジションバルブ22には、洗浄液 容器に連通する流路、洗浄液容器から洗浄液 や試料容器28から試料を吸入する計量ポンプ2 6に連通する流路、ニードル24を挿入してニー ドルの洗浄を行なう洗浄ポート27に連通する 路が接続されており、また、6ポート2ポジ ョンバルブ21を経由してニードル24及びサン ルループ23と計量ポンプ26の流路を連通させ るようになっている。なお、6ポート2ポジシ ンバルブ21は、送液装置10で加圧された移動 相溶液が流れる流路を切り換えるので“高圧 バルブ”と呼ばれ、6ポジションバルブ22には 大きな圧力が係る流路が接続されないので“ 低圧バルブ”と呼ばれる。これに倣い、本明 細書においても、6ポート2ポジションバルブ “高圧バルブ”、6ポジションバルブを“低 圧バルブ”と称することとする。

 理解の容易のために、高圧バルブ21や低 バルブ22のような流路切換弁について説明す る。流路切換弁の内部では、孔が設けられた ステータ面と溝が設けられたロータ面が接合 されており、ロータ面上の溝(ロータ溝)がス ータ面上の2つの孔(ステータ孔)を連通させ いる。ロータを回転させることでロータ面 ステータ面が摺動し、ロータ溝とステータ との相対的な位置関係が変わり、あるステ タ孔と他のステータ孔との連通状態を切り えるものである。一方でステータ孔はそれ れ流路切換弁上に設けられたポートに連通 ており、それぞれのポートには流路が接続 れる。したがって、ロータを回転させてロ タ溝とステータ孔の位置関係を変化させる 、ポートに接続した流路の連通状態が切り わるのである。

 図8は、高圧バルブ21及び低圧バルブ22の 合面での連通状態を示したものである。図8( a)の高圧バルブ21は、2つの状態のいずれかの 態をとって流路を切り換えるものである。 圧バルブ21は、ステータ孔(a,b,c,d,e,f)と、ロ タの回転軸を中心として円弧状に設けられ ロータ溝(X,Y,Z)を有する。ロータ溝Xがステ タ孔aとbとを連通、ロータ溝Yがステータ孔c dとを連通、ロータ溝Zがステータ孔eとfと連 通させる第1の状態と、ロータ溝Xがステータ bとcとを連通、ロータ溝Yがステータ孔dとe を連通、ロータ溝Zがステータ孔fとaとを連 させる第2の状態のいずれかの状態をとる。 5(b)においては、高圧バルブ21には、サンプ ループ23を経てニードル24に連通する流路が ステータ孔aに連通するポートに接続され、 液装置10に連通する流路がステータ孔bに連 するポート接続され、分離・検出部30に連通 する流路がステータ孔cに連通するポートに 続され、注入ポート25に連通する流路がステ ータ孔dに連通するポートに接続される。ス ータ孔eに連通するポート、ステータ孔fに連 通するポートに接続される流路は、目的・用 途に応じて様々である。高圧バルブ21が第1の 状態では、サンプルループ23、ニードル24、 入ポート25を介して、上流側の送液装置10か の流路と下流側の分離・検出部30への流路 連通する状態(“インジェクト状態”と称す )となる。高圧バルブ21が第2の状態では、サ ンプルループ23、ニードル24、注入ポート25を 介さずに、上流側の送液装置10からの流路と 流側の分離・検出部30への流路が連通する 態(“ロード状態”と称する)となる。

 第1の状態と第2の状態の切り換えには数 ~数百ミリ秒を要し、その間は、ステータ孔 いずれも連通されないのが一般的であるが 非特許文献1のように意図的にロータ溝を長 く形成しているものがある。図8(b)は、非特 文献1の高圧バルブを描いたもので、ロータ Xが他のロータ溝Y,Zよりも長く設定されてい る。この高圧バルブ21’は、ロード状態を保 つつ、計量ポンプで吸入・吐出を繰り返し 計量ポンプの容量以上の容量を有するサン ルループに試料を充填する動作を行なうた のもので、特許文献2に開示された構成に改 良を施したものである。

 図8(c)の低圧バルブ22は、6通りの連通状態を 切り換え、共通ポートとその他のポートを連 通、及び/又は、各ポート同士を連通させる のである。低圧バルブ22は、ステータ孔(h,p,r ,s,t,u)と、ロータ溝(V,W)を有する。ステータ孔 hはロータ溝Vの一端と常時接しており、一方 、低圧バルブ22の共通ポートと連通する。 の他のポートには、計量ポンプ26や洗浄ポー ト27洗浄液容器が接続され、また、高圧バル 21のポートにも接続され、ニードル24や注入 ポート25等と連通するようになっている。図5 (b)において、ステータ孔hに連通する共通ポ トには、計量ポンプ26が接続される流路が接 続されている。低圧バルブ22の切り換えによ て、試料容器28からの吸入・吐出、洗浄液 吸入・吐出を行い、また、計量ポンプ26によ り正確に吸入するためにサンプリング流路( ードル24、サンプルループ23)内の圧力を大気 圧に開放する等の動作を行なう。なお、非特 許文献1では共通ポートを有さない低圧バル を用いている。

特開平 6-148157号公報

特開平10-170488号公報 株式会社島津製作所、“HPLC // LCtalk46号 TEC 試料導入装置の注入方式(全量注入方式と 部分注入方式の比較)”、[online]、[平成19年9 25日検索]、インターネット<URL:http://www.an.s himadzu.co.jp/support/lib/lctalk/46/46tec.htm>

 図5(b)に示す全量注入方式においては、ま ず、高圧バルブ21がロード状態のときに、試 容器28から所定量の試料をニードル24を介し て吸入し、試料をニードル24の基部に接続さ たサンプルループ23内に充填する。続いて ニードル24を洗浄ポート27に移動してニード 24の外面を洗浄し、その後、注入ポート25に 嵌挿して、高圧バルブ21をインジェクト状態 切り換える。サンプルループ23内を移動相 液が流通することでサンプルループ23内に充 填されていた試料が押し出され、その全量が 分離・検出部30に導入される。導入された試 について、分析を終えるまでは高圧バルブ インジェクト状態のままである。つまり、 析中はニードル24内部を移動相溶液が常に れる状態、言い換えれば、ニードル24内部は 、常に移動相溶液によって洗浄されている状 態にある。

 ニードル24の外側は洗浄ポート27で洗浄さ れ、内側は移動相溶液によって洗浄されてい るにもかかわらず、キャリーオーバという問 題が生じる。キャリーオーバとは、注入した 試料の一部が残留し、次の分析を妨害する現 象をいう。キャリーオーバについては、ニー ドルの表面処理、ニードルの洗浄、注入ポー トの形状の変更により、大幅に改善されてき たが、なおも問題として生じており、さらに 近年の分析の極微量化および検出の高感度化 に伴い、その問題も深刻化してきている。キ ャリーオーバは、試料を試料容器28から採取 た量に対する正確な分析を妨げる原因とな 。

 本発明者は鋭意研究の末、ニードル24の 浄を行なっても生じるキャリーオーバの原 を、高圧バルブをロード状態からインジェ ト状態に切り換える過程に見出した。

 流路の切り換えは高圧バルブ21の動作に り行われ、この動作によってロータ溝がス ータ孔を連通させる状態を形成する過程と きく関わっている。図8(a)のように、3つのロ ータ溝が同じ長さのものであっても、長期間 の使用により摺動を繰り返したロータ面とス テータ面とが磨耗し、ロータ溝やステータ孔 を形成した部分が損傷する。損傷の場所によ っては、ロータ溝を長く形成したものと同じ 状態となり、結果、本来とは異なるタイミン グで連通される流路が生じることとなる。損 傷の場所と程度によっては、高圧バルブ21は 8(b)と同様なものとなっているのである。図 8(b)のものは、上述のように計量ポンプ26の1 トローク分容量を超える大容量(数百μl~数ml) の試料を扱うことには適しているが、微量の 試料を扱う場合には適していない。

 図6(a)~(d)は、ニードル24が注入ポート25に 挿された直後からインジェクト状態に切り えて試料が全て下流側に流れるまでについ 、ニードル24と注入ポート25の嵌挿部分周辺 と、ニードル24内の試料の動きを示したもの 、損耗した高圧バルブ21’によって生じる ャリーオーバの発生の機構を示すものであ 。

 まず、図6(a)は、試料溶液を計量した後、 ニードル24が注入ポート25に嵌挿された状態 示すものである。高圧バルブ21’がロード状 態からインジェクト状態に切り換えられるま では、試料がニードル24内の先端にあり、試 を挟むように移動相溶液が満たされている

 ロード状態からインジェクト状態に切り える過程で、3つのロータ溝のうちステータ 孔aとbを連通するロータ溝Xのみが2つのステ タ孔を連通する状態、すなわち、送液装置10 とニードル24とが連通する状態が形成される このとき、送液装置10の圧力によって試料 一部がニードル24の先端から注入ポート25に し出される(図6(b))。この時点では、注入ポ ト25と分離・検出部30とは連通していないの で試料は下流側には流れることができず、送 液装置の圧力により押された試料は、ニード ル24の先端と注入ポート25の空隙に押し込ま る(図6(c))。丸で囲った部分はニードル先端 分の拡大図である。テーパー加工されたニ ドル24先端と、ほぼ垂直に形成された注入ポ ート25の内壁との間に空隙があり、ここに試 が押し込まれてるのである。

 その後、注入ポート25と分離・検出部30と が連通し、送液装置10により送液される移動 溶液によって試料が分離・検出部30に導入 れるが、空隙に押し込まれた一部の試料が 離・検出部30に導入されずに注入ポート25に る(図6(d))。つまり、ニードル24の洗浄を行 っても生じるキャリーオーバは、ロード状 からインジェクト状態に切り換える過程で 注入ポート25と分離・検出部30とが連通(ロー タ溝Yによりステータ孔c,dが連通)されるより 、ニードル24と送液装置10が連通(ロータ溝X よりステータ孔a,bが連通)されることが原因 で生じるのである。

 本発明は、ニードルと注入ポートと嵌挿 分の空隙に押し込まれる試料の量を低減す ことにより、キャリーオーバを低減するこ を目的とする。

 上記課題を解決するためになされた本発 は、面上の円周上に6つの孔が穿設されたス テータと、前記ステータ面と摺動可能に接合 され、前記ステータの面上の円周上で隣接す る2つの孔を連通する3つの溝を有するロータ 、各々の前記6つの孔に連通する6つのポー を有し、前記ロータを回転させて、前記溝 連通する孔の組み合わせを切り換える流路 換弁を備え、前記6つのポートには、少なく も、a)先端にニードルを備えたサンプルル プに連通する流路、b)溶液を送液する送液装 置に連通する流路、c)試料を分析する分析部 連通する流路、d)前記ニードルが嵌挿され 注入ポートに連通する流路が接続され、前 流路切換弁が前記サンプルループ、前記注 ポートを介して前記送液装置と前記分析部 を連通する第1の状態と、前記サンプルルー 及び前記注入ポートを介さず前記送液装置 前記分析部とを連通する第2の状態とを切り 換える流路切換機構を備えた試料導入装置に おいて、第1の状態で前記注入ポートと前記 析部とを連通するロータ溝は、第1の状態で 記送液装置と前記サンプルループとを連通 るロータ溝より長く刻設されていることを 徴とする。

 さらには、第1の状態で前記注入ポートと 前記分析部とを連通するロータ溝は、第1の 態から第2の状態に切り換える際の回転方向 沿って長く刻設されていることを特徴とす 。

 この構成により、高圧バルブを第2の状態 から第1の状態に切り換えるとき、注入ポー と分離・検出部へ連通する流路を接続する ートとの連通が、送液装置に連通する流路 接続するポートとサンプルループを経てニ ドルに連通する流路を接続するポートとの 通よりも早くなる。流路切換弁を切り換え 過程で、わずかでも早く注入ポートと分離 検出部へ連通する流路を接続するポートと 連通が生じることにより、分析部の圧力(残 )と、大気圧に開放されたサンプリング部に 圧力差が生じ、ニードル先端に存在する試料 がニードルの奥に押し込まれる。そして、ニ ードル先端には試料の代わりに移動相溶液が 存在することになる。

 全量注入方式の試料導入装置で、下流の 離・検出部に導入するように流路を切り換 た後、試料ニードルの先端と注入ポートの に残る試料を低減することができ、残った 料が次の試料と共に導入されてしまうキャ ーオーバを低減することができる。試料の 確な定量が可能になり、また、キャリーオ バが低減されるので分析の精度が向上する 分析結果に対してキャリーオーバの影響が きい極微量の分析では、特に顕著な効果を する。ステータ面とロータ面の接合部分に けるロータ溝の長さを変更するものである で、その他の配管部分や制御は従来装置と 通とすることができる。

本発明に試料導入装置の高圧バルブ(6 ート2ポジションバルブ)を説明する図である 。 (a)待機状態、(b)サンプリング流路の圧 開放、(c)試料の吸入とニードルの洗浄、(d) 料導入、のときの流路である。 本発明に係る試料導入装置でのサンプ ングと注入ポートの嵌挿部分での試料の状 を示す図である。 本発明の試料導入装置により得たキャ ーオーバ試験のクロマトグラムである。 (a)液体クロマトグラフの構成の概略図 (b)全量注入方式の試料導入装置の流路の概 図である。 従来の試料導入装置でのサンプリング 注入ポートの嵌挿部分での試料の状態を示 図である。 従来の試料導入装置により得たキャリ オーバ試験のクロマトグラムである。 高圧バルブ(6ポート2ポジションバルブ) と低圧バルブ(6ポジションバルブ)の切り換え の状態を説明する図である。 高圧バルブのロータとステータ接合面 近での孔と溝の位置関係を示す断面図であ 。

符号の説明

  10・・・・・送液装置
  20,50・・試料導入装置
  21,51・・6ポート2ポジションバルブ(高圧バ ルブ)
  22,52・・6ポジションバルブ(低圧バルブ)
  23,53・・サンプルループ
  24,54・・ニードル
  25,55・・注入ポート
  26,56・・計量ポンプ
  27,57・・洗浄ポート
  28,58・・試料容器
  29・・・・・中間液
  30・・・・・分離・検出部
  31・・・・・カラム
  32・・・・・検出器
  40・・・・・制御・解析部

 本発明に係る試料導入装置について図を参 しつつ説明する。
 本発明の試料導入装置は、高圧バルブに特 を有する。図1に示すように、高圧バルブ51 、円周上に等間隔で配置された6つのステー タ孔aからfを備えたステータと、ステータ孔b をステータ孔a又はステータ孔cに切り換えて 通するためのロータ溝X、ステータ孔dをス ータ孔c又はステータ孔eに切り換えて連通す るためのロータ溝Y、ステータ孔fをステータ a又はeに切り換えて連通するためのロータ Zを有するロータとを備え、ロータ溝Yはステ ータ孔cとステータ孔d、或いは、ステータ孔d とステータ孔eを連通するだけの長さよりも く、ロータ溝Xよりも長くなっている。“円 上に等間隔で配置された6つのステータ孔の うち隣り合う2つを連通するロータ溝の長さ を便宜上“60°の円弧”と称することとする 、ロータ溝X,Zは、60°の円弧であり、ロータ 溝Yは61~65°の円弧である。したがって、ロー 溝Yは、ロード状態(ステータ孔dとeが連通す る第2の状態)のとき注入ポートと連通するス ータ孔d側に余剰分を有し、インジェクト状 態(ステータ孔cとdが連通する第1の状態)のと 分離・検出部30への流路が接続されるポー と連通するステータ孔c側に余剰分を有する ととなる。

 ロータ溝Yがロータ溝Xより長い、という 係であれば、ロータ溝Xやロータ溝Zを通常(60 °の円弧)より短くしても良い。ロータ溝Yを60 °の円弧とし、ロータ溝X,Zを55~59°の円弧とす るのである。つまり、インジェクト状態にお ける場合で説明すると、ロータ溝Yについて ステータ孔cとステータ孔dを連通するだけの 長さとし、ロータ溝Xについてはその両端が テータ孔a、bの全てを覆わず、ロータ溝Zに いてはその両端がステータ孔e、fの全てを覆 わない長さとすることが可能である。

 ロータ溝の長さを説明するために、図1(b) の如く示した。ステータ孔aとステータ孔fを 通する溝が60°、ステータ孔bとステータ孔c 連通する溝が55~59°、ステータ孔dとステー 孔eを連通する溝が61~65°を示している。これ らの角度は、隣接する2つのステータ孔の中 線の各々の交点と、ロータの中心とがなす 度である。ロータ溝の長さは、この2つのス ータ孔が角度による位置関係にあると仮定 たときに、溝の長さが過不足なく2つのステ ータ孔を連通する長さとなる。本明細書では 、ロータ溝を図示する上で長めに作図してい る。数μL~数mL/分の微小流量を扱う液体クロ トグラフの高圧バルブでは、ロータ面とス ータ面の接合部分の直径が5mm程度、ロータ は幅が数百μm、長さが数mmであり、ステータ 孔は直径が数百μmである。

 図2に示すように、試料導入装置50は、高 バルブ51を備え、試料導入装置50は、高圧バ ルブ51と、低圧バルブ52を中心に流路が構成 れている。送液装置10から試料導入装置50に 入する移動相溶液の流路は、まず、高圧バ ブ51のポートの1つに接続される。サンプル ープ53からその先端に設けられたニードル54 、さらにニードル54が嵌挿された注入ポート5 5を経て、上流側の送液装置10からの流路と下 流側の分離・検出部30への流路が連通される で、ニードル54~サンプルループ53に充填さ た試料は全て分離・検出部30に導かれる。低 圧バルブ52には、洗浄液容器に連通する流路 洗浄液容器から洗浄液や試料容器58から試 を吸入する計量ポンプ56に連通する流路、ニ ードル54を挿入してニードルの洗浄を行なう 浄ポート57に連通する流路が接続されてお 、また、高圧バルブ51を経由してニードル54 びサンプルループ53と計量ポンプ56の流路を 連通させるようになっている。なお、図2と 5(b)とで対応する高圧バルブ51以外の構成要 については、同一であってもよい。

 試料を試料容器58から吸入する段階(新た 試料を導入する前、待機状態)においては、 試料導入装置50内部は、上述の図2(a)の状態で 連通しており、高圧バルブ51はインジェクト 態である。送液装置10によって移動相溶液 高圧(数MPa~数十MPa)で送液されているので、 ず、試料を吸入する前にサンプリング流路 圧力を大気圧に開放する必要がある。すな ち、図2(b)に示すように、高圧バルブ21をロ ド状態にし、一方で、低圧バルブ52は、ニー ドル54、サンプルループ53、洗浄ポート57を連 通し、注入ポート55と計量ポンプ56を連通す 状態にする。これにより、サンプリング流 が大気圧に開放される。

 次に、図2(c)に示すように、低圧バルブ52を 転させ、ニードル54をサンプルループ53、高 圧バルブ51、低圧バルブ52を経て計量ポンプ56 に連通させる。また、ニードル54が移動機構( 図示せず)により、注入ポート55から離されて 試料容器58内の試料に浸される。そして、計 ポンプ56が吸入動作を行い、試料容器28内か ら所望量の試料が吸入される。所望量の試料 を吸入した後、続いて、図2(c)の破線で示す うに、ニードル54は、洗浄ポート57に挿入さ 、洗浄ポート57に溜められた洗浄液で外側 洗浄される。
 図3(a)~(d)に、ニードル54を注入ポート55に嵌 してから高圧バルブ51をロード状態からイ ジェクト状態に切り換えるまでの間のニー ル54内の液体の動きを示す。図3(a)に示すよ に、ニードル54が注入ポート55に嵌挿された 後には、ニードル54の先端部分には試料を 持している。
 高圧バルブ51をの切り換えの動作が始まる 、ロード状態からインジェクト状態に切り わる過程で、ロータの回転に伴いロータ溝X Y、Zの位置が変わり、図3(b)に示すように、 テータ孔b、d、fは、隣接するステータ孔と 通しない状態となる。

 さらにロータが回転し、ロータ溝X、Y、Z 位置がさらに変わると、図3(c)に示すように 、ロータ溝Yのみが2つのステータ孔(c,d)を連 させる状態になる。ステータ孔cは下流の分 ・検出部30に連通し、ステータ孔dは注入ポ ト55に連通する。高圧バルブ51がロード状態 からインジェクト状態への切り換え動作を始 める直前までは、ロード状態で分離・検出部 30には送液装置10から送液が行なわれており 送液によって圧力が上昇した状態が保たれ いる。一方で、サンプリング流路や注入ポ ト55は大気圧に開放された後にニードル54が 料を吸引し注入ポート55と嵌合しており、 合部分の圧力はほぼ大気圧である。ロータ Yのみが2つのステータ孔(c,d)を連通させると 高圧側の分離・検出部30から、低圧側のニ ドル54側に圧力が開放されることになる。こ のとき、ニードル54先端の液面が高圧バルブ5 1側に押し込まれる。しかし、ニードル54と連 通する高圧バルブ51のステータ孔aはこの時点 ではいずれとも連通しておらず、封止されて いるので、押し込まれる量はわずかである。

 その後、図3(d)に示すように、ニードル54 サンプルループ53、高圧バルブ51(ステータ a,b、ロータ溝X)を経て送液装置10と連通し、 料溶液は送液装置10から供給される移動相 液に押されて、サンプルループ53に充填され た試料がニードル54から注入ポート55を経て 下流の分離・検出部30にへ導入される。導入 した試料を分析する期間中は、インジェクト 状態であり、ニードル24と注入ポート55の嵌 部分に移動相溶液が流れ続けるので、試料 空隙に残ることはない。

 分析中には、図2(d)に示すように低圧バル ブ52が回転し計量ポンプ56と洗浄ポート57が連 通する状態になる。計量ポンプ56が吐出動作 行い、プランジャポンプ52の流路にあった 浄液が洗浄ポート57へ排出され、さらにドレ インに排出される。

 キャリーオーバが低減するためになされた 発明の試料導入装置の構成及び動作は上述 通りである。次に、本発明の試料導入装置 よるキャリーオーバの低減効果の実測例を す。ここでは、キャリーオーバ量を表現す ために、カフェイン水溶液を試料として分 を行い、カフェイン水溶液について得られ クロマトグラムのピークの面積αを求め、 いて、移動相溶液と同じ組成の液体(ブラン 試料)について同様に分析を行い、カフェイ ン水溶液と同じ保持時間に出現するピークの 面積βを算出し、そして、αに対するβの比率 を以ってキャリーオーバ量とした。これを、 従来の試料導入装置、本発明の試料導入装置 について行なった。
[分析条件]
試料    250mg/L カフェイン水溶液
試料注入量 10μL
移動相組成 水:メタノール=4:1
流量    0.8mL/min(送液圧力:64MPa)
カラム   逆相カラム(内径2mm×長さ100mm)
検出器   紫外可視分光光度検出器(検出波 :272nm)

 図7は従来の試料導入装置により得たクロマ トグラムで、図7(a)は上記カフェイン水溶液 図7(b)はブランク試料のものである。図4は本 発明に係る試料導入装置により得たクロマト グラムで、図4(a)は上記カフェイン水溶液、 4(b)はブランク試料のものである。各クロマ グラムは時間軸である横軸の目盛りは同一 あるが、強度軸である縦軸の目盛りについ はいずれも(b)が(a)よりも遙かに小さくなっ いる。
 図7は、従来の試料導入装置では、カフェイ ン水溶液分析時に検出されたカフェインに対 応するピークの面積αは4477650、ブランク試料 分析時に検出されたカフェインに対応するピ ークの面積βは108であり、キャリーオーバ量 /αは0.002%であることを示している。

 図4は、本発明の試料導入装置では、カフ ェイン水溶液分析時に検出されたカフェイン に対応するピークの面積αは4256546、ブランク 試料分析時に検出されたカフェインに対応す るピークの面積βは0(未検出)であり、キャリ オーバ量β/αは0.000%であることを示してい 。すなわち、本発明の試料導入装置ではキ リーオーバを生じていないことを示してい 。

 以上のように、本発明に係る試料導入装 により、キャリーオーバが激減された。な 、比較対象とした従来の試料導入装置は、 開2006-38809号公報に記載のものに改良を施し た登録実用新案第3129670号公報に記載のもの 同等である。発明の説明に際して、注入ポ ト25と高圧バルブ21との間の流路を長く図示 ているが、図示する上で流路が交差するこ を防ぐためである。分析時間の短縮化やデ ドボリュームの低減といった観点からは、 の流路は短い方が好ましく、特開2004-215118 公報に記載の発明のように、注入ポート25を 高圧バルブ21のポート上に直接設けたものも る。また、サンプルループ23については明 的にらせん部を有するように図示している 、特開2004-85499号公報に記載の発明のように らせん部を有さずにサンプルループ23とし 必要な容量を確保するものもある。これら 文献に開示される試料導入装置の特徴を、 発明に係る試料導入装置に適用することに ら支障はない。

 ロータに刻設された溝の長さを特定の方 に長くする代わりに、ステータの穿設され 孔の表面(ロータとの接合面)における孔径 大きくして、表面の孔の中心がステータ孔 中心に対して偏心するように穿設しても良 。図9は、(a)従来技術、(b)ロータ溝を長くし もの、(c)ステータ孔を大きくしたものにつ て、ステータ孔(e,d,c)とロータ溝Yを含む接 面付近の断面図を示しており、ステータ孔e- dの連通状態(第2の状態)からステータ孔d-cの 通状態(第1の状態)への切換動作を図示した のである。上述の説明から理解されるよう 、第2の状態から第1の状態に切換える過程に おいて、従来技術(a)ではロータ溝Yは2つのス ータ孔を連通することはなく、ロータ溝Yが 長く刻設されたもの(b)は切換えの途中から2 のステータ孔を連通して第1の状態に切り換 られる。(c)は、溝を長くする代わりにステ タ孔cの孔径をステータの表面で数十μmだけ 大きくしてステータ孔d側に偏心させたもの ある。この場合も、(b)と同様に、切換えの 中から2つのステータ孔を連通して第1の状態 に切り換えられ、上述の説明と同様に利用す ることが可能である。

 上記実施例は本発明の単に一例にすぎず 本発明の趣旨の範囲で適宜変更や修正する とも可能である。これら変更や修正したも も本発明に包含されることは明らかである