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Patent Searching and Data


Title:
SCINTILLATOR PANEL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/022518
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a scintillator panel having a small deterioration in luminance (emission light extraction efficiency of scintillator) and sharpness between the scintillator panel and a planar light receiving element surface. The scintillator panel has a metal reflection layer and a scintillator layer on a graphite sheet substrate. An insulating layer is arranged between the metal reflection layer and the scintillator layer.

Inventors:
SHOJI TAKEHIKO (JP)
KUDO SHINJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/062923
Publication Date:
February 19, 2009
Filing Date:
July 17, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KONICA MINOLTA MED & GRAPHIC (JP)
SHOJI TAKEHIKO (JP)
KUDO SHINJI (JP)
International Classes:
G21K4/00; C09K11/00; C09K11/61
Domestic Patent References:
WO2002023220A12002-03-21
Foreign References:
JP2003177180A2003-06-27
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Claims:
グラファイトシート基板上に金属反射層及びシンチレータ層を有するシンチレータパネルであって、該金属反射層とシンチレータ層の間に絶縁層が設けられたことを特徴とするシンチレータパネル。
前記グラファイトシート基板の厚さが50~500μmであり、シンチレータパネルの全面が保護層で覆われていることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のシンチレータパネル。
前記金属反射層が炭素原子と反応性のある第1の金属薄膜と該金属薄膜上に形成された第2の金属薄膜からなることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載のシンチレータパネル。
前記第1の金属薄膜が、ニッケル、コバルト、及びチタンから選択される金属を含有することを特徴とする請求の範囲第3項に記載のシンチレータパネル。
前記第2の金属薄膜が、アルミ、銀、クロム、ニッケル、白金、及び金から選択される金属を含有することを特徴とする請求の範囲第3項又は第4項に記載のシンチレータパネル。
前記シンチレータ層が、ヨウ化セシウムとタリウムを含む添加剤を原材料として気相法にて形成されたことを特徴とする請求の範囲第1項乃至第5項のいずれか一項に記載のシンチレータパネル。
前記絶縁層が、ガラス転位点が30~100℃の範囲内にあるポリマーを含有することを特徴とする請求の範囲第1項乃至第6項のいずれか一項に記載のシンチレータパネル。
前記保護層が、CVD法によりシンチレータパネル全面に形成されたポリパラキシリレン膜、又は全面を覆う樹脂フィルムからなることを特徴とする請求の範囲第2項乃至第7項のいずれか一項に記載のシンチレータパネル。
Description:
シンチレータパネル

 本発明は、被写体の放射線画像を形成す 際に用いられるシンチレータパネルに関す 。

 従来、X線画像のような放射線画像は、医 療現場において病状の診断に広く用いられて いる。特に、増感紙-フィルム系による放射 画像は、長い歴史のなかで高感度化と高画 化が図られた結果、高い信頼性と優れたコ トパフォーマンスを併せ持った撮像システ として、今なお、世界中の医療現場で用い れている。しかしながら、これら画像情報 いわゆるアナログ画像情報であって、近年 展を続けているデジタル画像情報のような 由な画像処理や瞬時の電送が出来ない。

 そして、近年では、コンピューテッドラ オグラフィ(computed radiography:CR)やフラット ネル型の放射線ディテクタ(flat panel detector: FPD)等に代表されるデジタル方式の放射線画 検出装置が登場している。これらは、デジ ルの放射線画像が直接得られ、陰極管や液 パネル等の画像表示装置に画像を直接表示 ることが可能なので、必ずしも写真フィル 上への画像形成が必要なものではない。そ 結果、これらのデジタル方式のX線画像検出 置は、銀塩写真方式による画像形成の必要 を低減させ、病院や診療所での診断作業の 便性を大幅に向上させている。

 X線画像のデジタル技術の一つとしてコン ピューテッド・ラジオグラフィ(CR)が現在医 現場で受け入れられている。しかしながら 鋭性が十分でなく空間分解能も不十分であ 、スクリーン・フィルムシステムの画質レ ルには到達していない。そして、更に新た デジタルX線画像技術として、例えば、薄膜 ランジスタ(TFT)を用いた平板X線検出装置(FPD )が開発されている(例えば非特許文献1及び2 照)。

 放射線を可視光に変換するために、放射 により発光する特性を有するX線蛍光体で作 られたシンチレータパネルが使用されるが、 低線量の撮影においてのSN比を向上するため は、発光効率の高いシンチレータパネルを 用することが必要になってくる。一般にシ チレータパネルの発光効率は、シンチレー 層(蛍光体層)の厚さ、蛍光体のX線吸収係数 よって決まるが、蛍光体層の厚さは厚くす ばするほど、蛍光体層内での発光光の散乱 発生し、鮮鋭性は低下する。そのため、画 に必要な鮮鋭性を決めると、膜厚が決定す 。

 なかでもヨウ化セシウム(CsI)はX線から可 光に対する変更率が比較的高く、蒸着によ て容易に蛍光体を柱状結晶構造に形成出来 ため、光ガイド効果により結晶内での発光 の散乱が抑えられ、蛍光体層の厚さを厚く ることが可能であった。

 しかしながらCsIのみでは発光効率が低い めに、例えば、CsIとヨウ化ナトリウム(NaI) 任意のモル比で混合したものを、蒸着を用 て基板上にナトリウム賦活ヨウ化セシウム(C sI:Na)として堆積、又近年ではCsIとヨウ化タリ ウム(TlI)を任意のモル比で混合したしたもの 、蒸着を用いて基板上にタリウム賦活ヨウ セシウム(CsI:Tl)として堆積したものに、後 程としてアニールを行うことで可視変換効 を向上させ、X線蛍光体として使用している

 また他の光出力を増大する手段としては シンチレータを形成する基板を反射性とす 方法(例えば特許文献1参照)、基板上に反射 を設ける方法(例えば特許文献2参照)、基板 に設けられた反射性金属薄膜と、金属薄膜 覆う透明有機膜上にシンチレータを形成す 方法(例えば特許文献3参照)などが提案され いる。

 またシンチレータパネルを平面受光素子 上に配置する方法があるが生産効率が悪く シンチレータパネルと平面受光素子面での 鋭性の劣化は避けられない(例えば特許文献 4及び5参照)。

 従来、気相法によるシンチレータの製造 法としては、アルミやアモルファスカーボ など剛直な基板上に蛍光体層を形成し、そ 上にシンチレータの表面全体を保護層(保護 膜)で被覆させることが一般的である(例えば 許文献6参照)。しかしながら、自由に曲げ ことのできないこれらの基板上に蛍光体層 形成した場合、シンチレータパネルと平面 光素子面を貼り合せる際に、基板の変形や 着時の反りなどの影響を受け、フラットパ ルデテイクタの受光面内で均一な画質特性 得られないという欠点がある。この問題は 年のフラットパネルデテイクタの大型化に い深刻化してきている。

 この問題を回避するために撮像素子上に 接、蒸着でシンチレータを形成する方法や 鮮鋭性の低いが、可とう性を有する医用増 紙などをシンチレータパネルの代用として いることが一般的に行われている。また、 護層としてポリパラキシリレン等の柔軟な 護層を使用した例が示されている(例えば特 許文献7参照)。

 しかしながら、基板として使用している ルミやアモルファスカーボンなどは剛直で り、基板の凹凸や反りなどの影響により、 ンチレータパネル面と平面受光素子面の均 接触は達成し難い。また基板としてグラフ イト板を使用する例も示されているがこれ 剛直な基板でありシンチレータパネル面と 面受光素子面の均一接触は達成し難い(例え ば特許文献8参照)。

 この問題を回避するために、可とう性を する耐熱性高分子フィルム上に蒸着でシン レータを形成する方法も考えられるが、フ ルムの耐熱性により後工程のアニール処理 よる変換効率向上が十分に出来ない問題が る。

 この様な状況から、輝度が高く、すなわち シンチレータの発光取り出し効率に優れ、 ンチレータパネルと平面受光素子面間での 鋭性の劣化が少ない放射線フラットパネル テイクタを開発することが望まれている。

特公平7-21560号公報

特公平1-240887号公報

特開2000-356679号公報

特開平5-312961号公報

特開平6-331749号公報

特許第3566926号公報

特開2002-116258号公報

特開2001-33597号公報 Physics Today,1997年11月号24頁のジョン・ロ ランズ論文“Amorphous Semiconductor Usher in Dig ital X-ray Imaging” SPIEの1997年32巻2頁のエル・イー・アント クの論文”Development of a High Resolution,Active  Matrix,Flat-Panel Imager with Enhanced Fill Factor”

 本発明は、上記問題・状況に鑑みて成さ たものであり、その解決課題は、輝度(シン チレータの発光取り出し効率)及び平面受光 子面間での鮮鋭性の劣化が少ないシンチレ タパネルを提供することである。

 本発明者らは、上記課題を解決するため 鋭意検討を加えた結果、特定条件下でグラ ァイトシート基板上にシンチレータを形成 ることでシンチレータパネル面と平面受光 子面の均一接触が達成されること等により 記課題が解決され得る知見を得て、本発明 至った。

 すなわち、本発明に係る上記課題は、以 の手段により解決される。

 1.グラファイトシート基板上に金属反射 及びシンチレータ層を有するシンチレータ ネルであって、該金属反射層とシンチレー 層の間に絶縁層が設けられたことを特徴と るシンチレータパネル。

 2.前記グラファイトシート基板の厚さが50 ~500μmであり、シンチレータパネルの全面が 護層で覆われていることを特徴とする前記1 記載のシンチレータパネル。

 3.前記金属反射層が炭素原子と反応性の る第1の金属薄膜と該金属薄膜上に形成され 第2の金属薄膜からなることを特徴とする前 記1又は2に記載のシンチレータパネル。

 4.前記第1の金属薄膜が、ニッケル、コバ ト、及びチタンから選択される金属を含有 ることを特徴とする前記3に記載のシンチレ ータパネル。

 5.前記第2の金属薄膜が、アルミ、銀、ク ム、ニッケル、白金、及び金から選択され 金属を含有することを特徴とする前記3又は 4に記載のシンチレータパネル。

 6.前記シンチレータ層が、ヨウ化セシウ とタリウムを含む添加剤を原材料として気 法にて形成されたことを特徴とする前記1乃 5のいずれか一項に記載のシンチレータパネ ル。

 7.前記絶縁層が、ガラス転位点が30~100℃ 範囲内にあるポリマーを含有することを特 とする前記1乃至6のいずれか一項に記載のシ ンチレータパネル。

 8.前記保護層が、CVD法によりシンチレー パネル全面に形成されたポリパラキシリレ 膜、又は全面を覆う樹脂フィルムからなる とを特徴とする前記2乃至7のいずれか一項に 記載のシンチレータパネル。

 本発明の上記手段により、輝度(シンチレ ータの発光取り出し効率)及び平面受光素子 間での鮮鋭性の劣化が少ないシンチレータ ネルを提供することができる。

放射線用シンチレータパネル10の概略 成を示す断面図 放射線用シンチレータパネル10の拡大 面図 蒸着装置61の概略構成を示す図 放射線画像検出器100の概略構成を示す 部破断斜視図 撮像パネル51の拡大断面図

符号の説明

 1,122 基板
 2 シンチレータ(蛍光体)層
 3 反射層
 4 保護層
 10 放射線用シンチレータパネル
 61 蒸着装置
 62 真空容器
 63 ボート(被充填部材)
 64 ホルダ
 65 回転機構
 66 真空ポンプ
 100 放射線画像検出器

 本発明のシンチレータパネルは、グラフ イトシート基板上に金属反射層及びシンチ ータ層を有するシンチレータパネルであっ 、当該金属反射層とシンチレータ層の間に 縁層が設けられたことを特徴とする。この 徴は、請求の範囲第1項乃至第8項に係る発 に共通する技術的特徴である。

 なお、本願において、「シンチレータ」 は、X線等の入射された放射線のエネルギー を吸収して、波長が300~800nmの電磁波、すなわ ち、可視光線を中心に電磁波(光)を発光する 光体をいう。

 また、「グラファイトシート基板」とは 後で詳述するように、当該基板の主たる構 要素としてグラファイトシートを含有する 板をいう。

 (シンチレータパネルの構成と好ましい態様 )
 本発明のシンチレータパネルは、可とう性 有するグラファイトシート基板上に金属反 層及びシンチレータ層を設けて成るシンチ ータパネルであって、当該金属反射層とシ チレータ層の間に絶縁層が設けられたこと 特徴とする。

 なお、本発明においては、前記グラファ トシート基板の厚さが50~500μmであり、シン レータパネルの全面が保護層で覆われてい 態様が好ましい。また、前記金属反射層が 素原子と反応性のある第1の金属薄膜と該金 属薄膜上に形成された第2の金属薄膜からな ことが好ましい。

 更に、前記第1の金属薄膜が、ニッケル、 コバルト、及びチタンから選択される金属を 含有すること、及び前記第2の金属薄膜が、 ルミ、銀、クロム、ニッケル、白金、及び から選択される金属を含有することが好ま い。

 また、前記シンチレータ層が、ヨウ化セ ウムとタリウムを含む添加剤を原材料とし 気相法にて形成されたこと、前記絶縁層が ガラス転位点が30~100℃の範囲内にあるポリ ーを含有すること、前記保護層が、CVD法(Che mical Vapor Depositionの略で「化学蒸着法」とも いわれる。)によりシンチレータパネル全面 形成されたポリパラキシリレン膜、又は全 を覆う樹脂フィルムからなることなどが好 しい態様である。

 以下、本発明とその構成要素、及び発明 実施するための最良の形態・態様について 細な説明をする。

 (グラファイトシート基板)
 本発明に係る「グラファイトシート基板」 は、上述のように、当該基板の主たる構成 素としてグラファイトシートを含有する基 をいう。

 ここで、「グラファイトシート」とは、 料の高分子フィルム、例えば、ポリフェニ ンオキサジアゾール、ポリベンゾチアゾー 、ポリベンゾビスチアゾール、ポリベンゾ キサゾール、ポリベンゾビスオキサゾール ポリチアゾール、芳香族ポリアミド、芳香 ポリイミドから選択され、円筒状グラファ ト質炭素に巻き付け不活性ガス中あるいは 空中摂氏1800度以上の温度で加熱して炭化( ラファイト化)し、炭化(グラファイト化)後 ローラーなどで圧延することにより、炭素 子同士の結合面がシートの面にほぼ平行に たものをいう。このグラファイトシートは 柔軟性をも有するものである。もちろん、 ぼ同等の特性を有するものが得られれば、 にこれらの態様に限定されるものではない

 本発明のシンチレータパネルの作製に際 ては、グラファイトシート基板の厚さは、 とう性等の観点から、50~500μmの範囲にする とが好ましい。また、市場での入手容易性 を考慮すると、より好ましい厚さは、50~300 mである。

 なお、300μm以上の厚さのグラファイトシ ト基板は、インジウムなどの柔らかい金属 間に挟んだ複数枚のグラファイトフィルム 圧延処理し、その金属が両側のグラファイ シート表面の微細な凹凸に入り込むことに りグラファイトシート同士が接合されるよ にして製造することができる(例えば特開平 11-240706号公報参照。)。

 なお、シンチレータパネルと平面受光素 面を貼り合せる際に、基板の変形や蒸着時 反りなどの影響を受け、フラットパネルデ イクタの受光面内で均一な画質特性が得ら ないという点に関しては、グラファイトシ ト基板を、厚さ50~500μmとすることでシンチ ータパネルが平面受光素子面形状に合った 状に変形し、フラットパネルデテイクタの 光面全体で均一な鮮鋭性が得られる。

 (金属反射層)
 本発明に係る金属反射層は、グラファイト ート基板とシンチレータ層の間に存在し、 ラファイトシート表面の炭素原子と反応性 ある第1の金属薄膜を設けた後に、高反射率 の第2の金属薄膜を設けることが好ましい。

 第1の金属薄膜としては金属自体の安定性 や他の第2の金属薄膜とのなじみの良さ等か ニッケル及びニッケルを含む合金がより好 しい。

 なお、グラファイトシート基板上に反射 を設けることで光出力をさらに向上できる 、グラファイトシート表面が非常に反応性 乏しいことから、高反射率のアルミや銀な の金属薄膜との接着性が悪く、シンチレー 形成後のアニール処理により、剥がれが発 する。

 本発明者らは、この問題に対し検討を加 た結果、グラファイトシート表面の炭素原 と反応性のある第1の金属薄膜を設けた後に 、高反射率のアルミや銀などの金属薄膜を形 成することでこの問題が解決できること、金 属反射層とシンチレータ層の間に絶縁層を設 けることで金属反射層の腐食防止できること を見出した。

 本願において、「炭素原子と反応性のあ 金属」とは、炭素と化合物を作るような金 元素又は当該金属元素を主たる成分として む合金のことをいう。これら金属は確実に ラファイトシートの表面に結合する。より 体的には、選ばれる金属としてはニッケル コバルト、チタンなど炭素との間で反応し すい金属及びそれらの金属元素を主たる成 として含む合金であるが、金属自体の安定 や他の第2の金属薄膜とのなじみの良さ等か らニッケル及びニッケルを含む合金がより好 ましい。

 ここで、「反応性」とは、金属-グラファ イト間で反応をしない温度領域でも、ミクロ には反応が起こり、グラファイト、つまり炭 素原子と金属が接着することをいう。

 第1の金属薄膜は、真空蒸着、スパッタ蒸 着、又はメッキによりグラファイトシート上 に直接付着されていることができ、簡便かつ 確実にグラファイトシートの表面に結合し得 る。

 以下、金属反射層の構成要素について更 詳しく説明する。

 〈第1の金属薄膜〉
 第1の金属薄膜の例としては、ニッケル、コ バルト、及びチタンから選択される金属を含 有する金属薄膜を挙げることができるが、金 属自体の安定性や他の第2の金属薄膜とのな みの良さ等からニッケル及びニッケルクロ 合金がより好ましい。第1の金属薄膜は、真 蒸着、スパッタ蒸着、又はメッキによりグ ファイトシート上に直接付着することがで るが、生産性の観点からスパッタ蒸着が好 しい。

 膜厚に関しては、付着方法によるが、真 蒸着の場合は10~100nm、スパッタ蒸着の場合 5~50nmであることが好ましい。

 〈第2の金属薄膜〉
 第2の金属薄膜の例としては、アルミ、銀、 クロム、ニッケル、白金、及び金から選択さ れる金属及びその合金を含有する金属薄膜が 挙げられるが、シンチレータプレートの光出 力向上の観点から、反射率の高いアルミ又は 銀が好ましい。

 第2の金属薄膜は、真空蒸着、スパッタ蒸 着、又はメッキによりグラファイトシート上 に直接付着することができるが、生産性の観 点からスパッタ蒸着が好ましい。膜厚に関し ては、付着方法によるが、真空蒸着の場合は 50~400nm、スパッタ蒸着の場合は20~200nmが好ま い。

 〈絶縁層〉
 本発明に係る絶縁層は、金属反射層とシン レータ層を電気的に絶縁するものであれば 既知のいかなるものも使用可能であるが、 剤に溶解したポリマー(樹脂)を塗布、乾燥 て形成することが好ましい。ガラス転位点 30~100℃のポリマーであることが蒸着結晶と 板との膜付の点で好ましい。

 具体的には、ポリウレタン樹脂、塩化ビ ル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合 体、塩化ビニル-塩化ビニリデン共重合体、 化ビニル-アクリロニトリル共重合体、ブタ エン-アクリロニトリル共重合体、ポリアミ ド樹脂、ポリビニルブチラール、ポリエステ ル樹脂、セルロース誘導体(ニトロセルロー 等)、スチレン-ブタジエン共重合体、各種の 合成ゴム系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ 樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ 樹脂、シリコン樹脂、アクリル系樹脂、尿素 ホルムアミド樹脂等が挙げられるが、特にポ リエステル樹脂であることが好ましい。

 絶縁層の膜厚としては接着性の点で0.1μm 上が好ましく、絶縁層表面の平滑性確保の で3.0μm以下が好ましい。より好ましくは絶 層の厚さが0.2~2.5μmの範囲である。

 絶縁層作製に用いる溶剤としては、メタ ール、エタノール、n-プロパノール、n-ブタ ノールなどの低級アルコール、メチレンクロ ライド、エチレンクロライドなどの塩素原子 含有炭化水素、アセトン、メチルエチルケト ン、メチルイソブチルケトンなどのケトン、 トルエン、ベンゼン、シクロヘキサン、シク ロヘキサノン、キシレンなどの芳香族化合物 、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなど の低級脂肪酸と低級アルコールとのエステル 、ジオキサン、エチレングリコールモノエチ ルエステル、エチレングリコールモノメチル エステルなどのエーテル及びそれらの混合物 を挙げることができる。

 (シンチレータ層)
 シンチレータ層(「蛍光体層」ともいう。) 形成する材料としては、種々の公知の蛍光 材料を使用することができるが、X線から可 光に対する変更率が比較的高く、蒸着によ て容易に蛍光体を柱状結晶構造に形成出来 ため、光ガイド効果により結晶内での発光 の散乱が抑えられ、シンチレータ層(蛍光体 層)の厚さを厚くすることが可能であること ら、ヨウ化セシウム(CsI)が好ましい。

 但し、CsIのみでは発光効率が低いために 各種の賦活剤が添加される。例えば、特公 54-35060号公報の如く、CsIとヨウ化ナトリウ (NaI)を任意のモル比で混合したものが挙げら れる。また、例えば特開2001-59899号公報に開 されているようなCsIを蒸着で、インジウム(I n)、タリウム(Tl)、リチウム(Li)、カリウム(K) ルビジウム(Rb)、ナトリウム(Na)などの賦活物 質を含有するCsIが好ましい。

 なお、本発明においては、特に、タリウ 化合物を含む添加剤とヨウ化セシウムとを 材料とすることが好ましい。すなわち、タ ウム賦活ヨウ化セシウム(CsI:Tl)は400nmから750 nmまでの広い発光波長をもつことから好まし 。

 本発明に係るタリウム化合物を含有する 加剤のタリウム化合物としては、種々のタ ウム化合物(+Iと+IIIの酸化数の化合物)を使 することができる。本発明において、好ま いタリウム化合物は、ヨウ化タリウム(TlI)、 臭化タリウム(TlBr)、塩化タリウム(TlCl)等であ る。

 また、当該添加剤をシンチレータ層内(柱 状結晶内)において均一に存在させる観点か 、本発明に係るタリウム化合物の融点は、40 0~700℃の範囲内にあることが好ましい。なお 本発明での融点とは、常温常圧下における 点である。

 本発明のシンチレータ層において、当該 加剤の含有量は目的性能等に応じて、最適 にすることが望ましいが、発光輝度及びヨ 化セシウムの性質・機能を保持する等の観 から、ヨウ化セシウムの含有量に対して、0 .001~50mol%、更に0.1~10.0mol%であることが好まし 。

 (保護層)
 本発明に係る保護層は、シンチレータ層の 護を主眼とするものである。すなわち、ヨ 化セシウム(CsI)は、吸湿性が高く露出した まにしておくと空気中の水蒸気を吸湿して 解してしまうため、これを防止することを 眼とする。

 当該保護層は、種々の材料を用いて形成 ることができる。例えば、CVD法(「化学蒸着 法」ともいわれる。)によりポリパラキシリ ン膜を形成することが好ましい。即ち、シ チレータ及び基板の表面全体にポリパラキ リレン膜を形成し、保護層とすることがで る。

 また、別の態様の保護層として、シンチ ータ層上に高分子保護フィルムを設けるこ もできる。

 上記高分子保護フィルムの厚さは、シン レータ(蛍光体)層の保護性、鮮鋭性、防湿 、作業性等を考慮し、12~100μmが好ましく、 には20~60μmが好ましい。また、ヘイズ率が、 鮮鋭性、放射線画像ムラ、製造安定性、作業 性等を考慮し、3~40%が好ましく、更には3~10% 好ましい。ヘイズ率は、日本電色工業株式 社NDH 5000Wにより測定した値を示す。必要と るヘイズ率は、市販されている高分子フィ ムから適宜選択し、容易に入手することが 能である。

 保護フィルムの光透過率は、光電変換効 、シンチレータ発光波長等を考慮し、550nm 70%以上あることが好ましいが、99%以上の光 過率のフィルムは工業的に入手が困難であ ため実質的に99%~70%が好ましい。

 保護フィルムの透湿度は、シンチレータ層 保護性、潮解性等を考慮し50g/m 2 ・day(40℃・90%RH)(JIS Z0208に準じて測定)以下が 好ましく、更には10g/m 2 ・day(40℃・90%RH)(JIS Z0208に準じて測定)以下が 好ましいが、0.01g/m 2 ・day(40℃・90%RH)以下の透湿度のフィルムは工 業的に入手が困難であるため実質的に、0.01g/ m 2 ・day(40℃・90%RH)以上、50g/m 2 ・day(40℃・90%RH)(JIS Z0208に準じて測定)以下が 好ましく、更には0.1g/m 2 ・day(40℃・90%RH)以上、10g/m 2 ・day(40℃・90%RH)(JIS Z0208に準じて測定)以下が 好ましい。

 (シンチレータパネルの作製方法)
 本発明のシンチレータパネルの作製方法の 型的例について、図を参照しながら説明す 。なお、図1は、放射線用シンチレータパネ ル10の概略構成を示す断面図である。図2は、 放射線用シンチレータパネル10の拡大断面図 ある。図3は、蒸着装置61の概略構成を示す 面である。

 〈蒸着装置〉
 図3に示す通り、蒸着装置61は箱状の真空容 62を有しており、真空容器62の内部には真空 蒸着用のボート63が配されている。ボート63 蒸着源の被充填部材であり、当該ボート63に は電極が接続されている。当該電極を通じて ボート63に電流が流れると、ボート63がジュ ル熱で発熱するようになっている。放射線 シンチレータパネル10の製造時においては、 ヨウ化セシウムと賦活剤化合物とを含む混合 物がボート63に充填され、そのボート63に電 が流れることで、上記混合物を加熱・蒸発 せることができるようになっている。

 なお、被充填部材として、ヒータを巻回 たアルミナ製のるつぼを適用してもよいし 高融点金属製のヒータを適用してもよい。

 真空容器62の内部であってボート63の直上 にはグラファイトシート基板122を保持するホ ルダ64が配されている。ホルダ64にはヒータ( 示略)が配されており、当該ヒータを作動さ せることでホルダ64に装着した基板122を加熱 ることができるようになっている。基板122 加熱した場合には、基板122の表面の吸着物 離脱・除去したり、基板122とその表面に形 されるシンチレータ層(蛍光体層)2との間に 純物層が形成されるのを防止したり、基板1 22とその表面に形成されるシンチレータ層2と の密着性を強化したり、基板122の表面に形成 されるシンチレータ層2の膜質の調整をおこ ったりすることができるようになっている

 ホルダ64には当該ホルダ64を回転させる回 転機構65が配されている。回転機構65は、ホ ダ64に接続された回転軸65aとその駆動源とな るモータ(図示略)から構成されたもので、当 モータを駆動させると、回転軸65aが回転し ホルダ64をボート63に対向させた状態で回転 させることができるようになっている。

 蒸着装置61では、上記構成の他に、真空 器62に真空ポンプ66が配されている。真空ポ プ66は、真空容器62の内部の排気と真空容器 62の内部へのガスの導入とをおこなうもので 当該真空ポンプ66を作動させることにより 真空容器62の内部を一定圧力のガス雰囲気下 に維持することができるようになっている。

 〈シンチレータパネル〉
 次に、本発明に係るシンチレータパネル10 作製方法について説明する。
当該放射線用シンチレータパネル10の作製方 においては、上記で説明した蒸発装置61を 適に用いることができる。蒸発装置61を用い て放射線用シンチレータパネル10を作製する 法について説明する。

 《反射層の形成》
 グラファイトシート基板の一方の表面に第1 の金属薄膜(ニッケル膜、ニッケルクロム合 膜等)をスパッタ法により形成する。続いて 2の金属薄膜としてスパッタ蒸着で金属薄膜 (アルミ、銀)を形成する。

 《絶縁層の形成》
 絶縁層は、有機溶剤に高分子結合材を分散 溶解した組成物を塗布、乾燥して形成する 高分子結合材としては、接着性、導電性金 反射層の耐腐食性の観点でポリエステル樹 、ポリウレタン樹脂等の疎水性樹脂が好ま い。

 《シンチレータ層の形成》
 上記のように反射層及び絶縁層3を設けたグ ラファイトシート基板1(122)をホルダ64に取り けるとともに、ボート63にヨウ化セシウム ヨウ化タリウムとを含む粉末状の混合物を 填する(準備工程)。この場合、ボート63と基 1(122)との間隔を100~1500mmに設定し、その設定 値の範囲内のままで後述の蒸着工程の処理を おこなうのが好ましい。

 準備工程の処理を終えたら、真空ポンプ66 作動させて真空容器62の内部を排気し、真空 容器62の内部を0.1Pa以下の真空雰囲気下にす (真空雰囲気形成工程)。ここでいう「真空雰 囲気下」とは、100Pa以下の圧力雰囲気下のこ を意味し、0.1Pa以下の圧力雰囲気下である が好適である。
その後。アルゴン等の不活性ガスを真空容器 62の内部に導入し、当該真空容器62の内部を0. 1Pa以下の真空雰囲気下に維持する。次に、ホ ルダ64のヒータと回転機構65のモータとを駆 させ、ホルダ64に取付け済みの基板1(122)をボ ート63に対向させた状態で加熱しながら回転 せる。

 この状態において、電極からボート63に 流を流し、ヨウ化セシウムとヨウ化タリウ とを含む混合物を700℃~800℃程度で所定時間 熱してその混合物を蒸発させる。その結果 基板1(122)の表面に無数の柱状結晶体2aが順 成長して所望の厚さのシンチレータ層2が形 される(蒸着工程)。これにより、本発明に る放射線用シンチレータパネル10を製造する ことができる。

 《保護層の形成》
 前記シンチレータ層2を形成するヨウ化セシ ウム(CsI)は、吸湿性が高く、露出したままに ておくと空気中の水蒸気を吸湿して潮解す 。そこで、これを防止するために、CVD法に りポリパラキシリレンをシンチレータパネ 全面に5μm~30μm厚さに被覆することで保護層 4を形成する。CsIの柱状結晶には隙間があり ポリパラキシリレンがこの狭い隙間に入り むので、保護層がヨウ化セシウム(CsI)に密着 する。

 (放射線画像検出器)
 以下に、上記放射線用シンチレータパネル1 0の一適用例として、図4及び図5を参照しなが ら、当該放射線用シンチレータプレート10を 備した放射線画像検出器100の構成について 明する。なお、図4は放射線画像検出器100の 概略構成を示す一部破断斜視図である。また 、図5は撮像パネル51の拡大断面図である。

 図4に示す通り、放射線画像検出器100には 、撮像パネル51、放射線画像検出器100の動作 制御する制御部52、書き換え可能な専用メ リ(例えばフラッシュメモリ)等を用いて撮像 パネル51から出力された画像信号を記憶する 憶手段であるメモリ部53、撮像パネル51を駆 動して画像信号を得るために必要とされる電 力を供給する電力供給手段である電源部54、 が筐体55の内部に設けられている。筐体55に は必要に応じて放射線画像検出器100から外部 に通信を行うための通信用のコネクタ56、放 線画像検出器100の動作を切り換えるための 作部57、放射線画像の撮影準備の完了やメ リ部53に所定量の画像信号が書き込まれたこ とを示す表示部58、等が設けられている。

 ここで、放射線画像検出器100に電源部54 設けるとともに放射線画像の画像信号を記 するメモリ部53を設け、コネクタ56を介して 射線画像検出器100を着脱自在にすれば、放 線画像検出器100を持ち運びできる可搬構造 することができる。

 図5に示すように、撮像パネル51は、放射 用シンチレータパネル10と、放射線用シン レータパネル10からの電磁波を吸収して画像 信号を出力する出力基板20と、から構成され いる。

 放射線用シンチレータパネル10は、放射 照射面側に配置されており、入射した放射 の強度に応じた電磁波を発光するように構 されている。

 出力基板20は、放射線用シンチレータパ ル10の放射線照射面と反対側の面に設けられ ており、放射線用シンチレータパネル10側か 順に、隔膜20a、光電変換素子20b、画像信号 力層20c及び基板20dを備えている。

 隔膜20aは、放射線用シンチレータパネル1 0と他の層を分離するためのものである。

 光電変換素子20bは、透明電極21と、透明 極21を透過して入光した電磁波により励起さ れて電荷を発生する電荷発生層22と、透明電 21に対しての対極になる対電極23とから構成 されており、隔膜20a側から順に透明電極21、 荷発生層22、対電極23が配置される。

 透明電極21とは、光電変換される電磁波を 過させる電極であり、例えばインジウムチ オキシド(ITO)、SnO 2 、ZnOなどの導電性透明材料を用いて形成され る。

 電荷発生層22は、透明電極21の一面側に薄 膜状に形成されており、光電変換可能な化合 物として光によって電荷分離する有機化合物 を含有するものであり、電荷を発生し得る電 子供与体及び電子受容体としての導電性化合 物をそれぞれ含有している。電荷発生層22で 、電磁波が入射されると、電子供与体は励 されて電子を放出し、放出された電子は電 受容体に移動して、電荷発生層22内に電荷 すなわち、正孔と電子のキャリアが発生す ようになっている。

 ここで、電子供与体としての導電性化合 としては、p型導電性高分子化合物が挙げら れ、p型導電性高分子化合物としては、ポリ ェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリ( オフェンビニレン)、ポリアセチレン、ポリ ピロール、ポリフルオレン、ポリ(p-フェニレ ン)又はポリアニリンの基本骨格を持つもの 好ましい。

 また、電子受容体としての導電性化合物 しては、n型導電性高分子化合物が挙げられ 、n型導電性高分子化合物としては、ポリピ ジンの基本骨格を持つものが好ましく、特 ポリ(p-ピリジルビニレン)の基本骨格を持つ のが好ましい。

 電荷発生層22の膜厚は、光吸収量を確保 るといった観点から、10nm以上(特に100nm以上) が好ましく、また電気抵抗が大きくなりすぎ ないといった観点から、1μm以下(特に300nm以 )が好ましい。

 対電極23は、電荷発生層22の電磁波が入光 される側の面と反対側に配置されている。対 電極23は、例えば、金、銀、アルミニウム、 ロムなどの一般の金属電極や、透明電極21 中から選択して用いることが可能であるが 良好な特性を得るためには仕事関数の小さ (4.5eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物及 これらの混合物を電極物質とするのが好ま い。

 また、電荷発生層22を挟む各電極(透明電 21及び対電極23)との間には、電荷発生層22と これら電極が反応しないように緩衝地帯とし て作用させるためのバッファー層を設けても よい。バッファー層は、例えば、フッ化リチ ウム及びポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェ ):ポリ(4-スチレンスルホナート)、2,9-ジメチ ル-4,7-ジフェニル[1,10]フェナントロリンなど 用いて形成される。

 画像信号出力層20cは、光電変換素子20bで られた電荷の蓄積および蓄積された電荷に づく信号の出力を行うものであり、光電変 素子20bで生成された電荷を画素毎に蓄積す 電荷蓄積素子であるコンデンサ24と、蓄積 れた電荷を信号として出力する画像信号出 素子であるトランジスタ25とを用いて構成さ れている。

 トランジスタ25は、例えばTFT(薄膜トラン スタ)を用いるものとする。このTFTは、液晶 ディスプレイ等に使用されている無機半導体 系のものでも、有機半導体を用いたものでも よく、好ましくはプラスチックフィルム上に 形成されたTFTである。プラスチックフィルム 上に形成されたTFTとしては、アモルファスシ リコン系のものが知られているが、その他、 米国Alien Technology社が開発しているFSA(Fluidic  Self Assembly)技術、即ち、単結晶シリコンで作 製した微小CMOS(Nanoblocks)をエンボス加工した ラスチックフィルム上に配列させることで フレキシブルなプラスチックフィルム上にTF Tを形成するものとしても良い。さらに、Scien ce,283,822(1999)やAppl.Phys.Lett,771488(1998)、Nature,403, 521(2000)等の文献に記載されているような有機 半導体を用いたTFTであってもよい。

 このように、本発明に用いられるトラン スタ25としては、上記FSA技術で作製したTFT び有機半導体を用いたTFTが好ましく、特に ましいものは有機半導体を用いたTFTである この有機半導体を用いてTFTを構成すれば、 リコンを用いてTFTを構成する場合のように 空蒸着装置等の設備が不要となり、印刷技 やインクジェット技術を活用してTFTを形成 きるので、製造コストが安価となる。さら 、加工温度を低くできることから熱に弱い ラスチック基板上にも形成できる。

 トランジスタ25には、光電変換素子20bで 生した電荷を蓄積するとともに、コンデン 24の一方の電極となる収集電極(図示せず)が 気的に接続されている。コンデンサ24には 電変換素子20bで生成された電荷が蓄積され とともに、この蓄積された電荷はトランジ タ25を駆動することで読み出される。すなわ ちトランジスタ25を駆動させることで放射線 像の画素毎の信号を出力させることができ 。

 基板20dは、撮像パネル51の支持体として 能するものであり、基板1と同様の素材で構 することが可能である。

 次に、放射線画像検出器100の作用につい 説明する。

 まず、放射線画像検出器100に対し入射さ た放射線は、撮像パネル51の放射線用シン レータパネル10側から基板20d側に向けて放射 線を入射する。

 すると、放射線用シンチレータパネル10 入射された放射線は、放射線用シンチレー パネル10中のシンチレータ層2が放射線のエ ルギーを吸収し、その強度に応じた電磁波 発光する。発光された電磁波のうち、出力 板20に入光される電磁波は、出力基板20の隔 20a、透明電極21を貫通し、電荷発生層22に到 達する。そして、電荷発生層22において電磁 は吸収され、その強度に応じて正孔と電子 ペア(電荷分離状態)が形成される。

 その後、発生した電荷は、電源部54によ バイアス電圧の印加により生じる内部電界 より正孔と電子はそれぞれ異なる電極(透明 極膜及び導電層)へ運ばれ、光電流が流れる 。

 その後、対電極23側に運ばれた正孔は画 信号出力層20cのコンデンサ24に蓄積される。 蓄積された正孔はコンデンサ24に接続されて るトランジスタ25を駆動させると、画像信 を出力すると共に、出力された画像信号は モリ部53に記憶される。

 以上の放射線画像検出器100によれば、上 放射線用シンチレータパネル10を備えてい ので、光電変換効率を高めることができ、 射線画像における低線量撮影時のSN比を向上 させるとともに、画像ムラや線状ノイズの発 生を防止することができる。

 以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説 するが、本発明はこれらに限定されない。

 〔実施例〕
 〈シンチレータパネル1の作製〉
 (金属反射層の形成)
 厚さ200μmのグラファイトシート基板の一方 表面に第1の金属薄膜として厚さ20nmのニッ ルクロム合金薄膜をスパッタ法により形成 た。続いて第2の金属薄膜として厚さ100nmの 薄膜をスパッタ蒸着で形成した。

 (絶縁層の形成)
 バイロン630(東洋紡社製:高分子ポリエステ 樹脂)     100質量部
 メチルエチルケトン(MEK)                   90質量部
 トルエン                             90質量部
 上記処方を混合し、ビーズミルにて15時間 散し、塗設用の塗布液を得た。この塗布液 上記グラファイトシート基板のスパッタ面 乾燥膜厚が1.0μmになるようにバーコーター 塗布した後、100℃で8時間乾燥することで絶 層を作製した。

 (基板の断裁)
 保護層を作製したグラファイトシート基板 、図3の蒸着装置の基板ホルダ64の金属製の 70に合わせて断裁し、金属製の枠70にセット した。

 (シンチレータ層の形成)
 基板の絶縁層側に蛍光体(CsI:0.003Tl)を図3に した蒸着装置を使用して蒸着させ、シンチ ータ層(蛍光体層)を形成した。

 即ち、先ず上記蛍光体原料を蒸着材料と て抵抗加熱ルツボ(ボード)に充填し、また 転する基板ホルダの金属製の枠に基板を設 し、基板と蒸発源との間隔を400mmに調節した 。

 続いて蒸着装置内を一旦排気し、Arガス 導入して0.5Paに真空度を調整した後、10rpmの 度で基板を回転しながら基板の温度を200℃ 保持した。次いで、抵抗加熱ルツボ(ボード )を加熱して蛍光体を蒸着し、シンチレータ の膜厚が450μmとなったところで蒸着を終了 せ、シンチレータ層が形成された基板を得 。

 (アニール処理)
上記シンチレータ層が形成された基板を25cm× 20cmサイズに断裁し、得られた2枚のうち1枚に 対し窒素雰囲気下で350℃2時間のアニール処 を実施した。

 (保護層の作製)
 上記シンチレータ層が形成された2枚の基板 を両者ともCVD装置の蒸着室に入れ、ポリパラ キシリレンの原料が昇華した蒸気中に露出さ せておくことにより、シンチレータと基板の 全面表面が10μmの厚さのポリパラキシリレン で被服された25cm×20cmのサイズのシンチレー タパネル2枚を得た。

 (シンチレータパネル2~5の作製)
 グラファイトシート基板の厚さを表1に示し たように変えた以外はシンチレータパネル1 同様にしてシンチレータパネル2~5を作製し 。

 (シンチレータパネル6の作製)
 第1の金属薄膜が無い以外はシンチレータパ ネル1と同様にしてシンチレータパネル6を作 した。

 (シンチレータパネル7の作製)
 第2の金属薄膜をアルミとした以外はシンチ レータパネル1と同様にしてシンチレータパ ル7を作製した。

 〔比較例〕
 (シンチレータパネル8の作製)
 グラファイトシート基板を厚さ200μmのポリ ミドシートに変えた以外はシンチレータパ ル1と同様にしてシンチレータパネル8を作 した。

 (シンチレータパネル9の作製)
 絶縁層がない以外はシンチレータパネル1と 同様にしてシンチレータパネル9を作製した

 〈評価〉
 得られたシンチレータパネルを、PaxScan(Varia n社製FPD:2520)にセットし、シンチレータパネ 全面の平均発光量(輝度)、及びシンチレータ パネル全面の鮮鋭性の平均値を、以下に示す 方法で評価した。結果を表1に示す。
表中の記号×は蒸着又はアニール処理時に、 ンチレータ層の変形、または剥がれが発生 、測定不可能であったことを示す。

 〈鮮鋭性の評価方法〉
 鉛製のMTFチャートを通して管電圧80kVpのX線 FPDの放射線入射面側に照射し、画像データ 検出しハードディスクに記録した。その後 ハードディスク上の記録をコンピュータで 析して当該ハードディスクに記録されたX線 像の変調伝達関数MTF(空間周波数1サイクル/mm おけるMTF値)を鮮鋭性の指標とした。表中、 MTF値が高いほど鮮鋭性に優れていることを示 す。MTFはModulation Transfer Functionの略号を示す 。

 表1中のMTF値はシンチレータパネル内の10 所を測定し、その平均値である。

 〈輝度の評価方法〉
 FPDに管電圧80kVpのX線を照射し、得られた画 データの平均シグナル値を発光量とした。 1ではアニール処理をしていないシンチレー タパネル7の発光量を輝度1.0とした。

 表1に示した結果から明らかなように、本 発明に係る実施例は比較例に比べ輝度や鮮鋭 性が優れていることが分かる。