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Patent Searching and Data


Title:
SEALING MECHANISM AND HEAT TREATMENT FURNACE EMPLOYING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/125794
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a sealing mechanism comprising a sealing member having a rigid pad portion and a flexible elastic portion. The rigid pad portion is caused to protrude from an annular groove to enable prompt sealing of an opening and the opening can be continuously and reliably sealed with very little deformation of the rigid pad portion when the opening has been sealed. Also disclosed is a heat treatment furnace employing this sealing mechanism, which can perform the heat treatment of an article to be treated according to a set treatment process and under set treatment conditions to produce a treated article possessing desired properties.

Inventors:
KATSUMATA KAZUHIKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/057209
Publication Date:
October 15, 2009
Filing Date:
April 08, 2009
Export Citation:
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Assignee:
IHI CORP (JP)
KATSUMATA KAZUHIKO (JP)
International Classes:
F16J15/46; C21D1/00; C21D1/74; F16J15/06; F16J15/14; F27B9/30; F27D1/18; F27D7/06
Foreign References:
JPH11257498A1999-09-21
JP2004034847A2004-02-05
JPS4512975Y11970-06-04
JP2007139299A2007-06-07
JP2002093770A2002-03-29
JPS3928807B1
JP2007315707A2007-12-06
Attorney, Agent or Firm:
SHIGA, Masatake et al. (JP)
Masatake Shiga (JP)
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Claims:
 開口部を有する壁部と、
 前記開口部を封止する扉と、を備えた構造を対象として、
  前記開口部を前記扉で封止した状態において互いに対抗した前記壁部の面と前記扉の面との少なくとも一方に前記開口部を取り囲むように形成された環状溝部と、
  この環状溝部内に配置され流体の封入部を内部に有する封止部材と、
 を備え、
 前記封止部材は、
  少なくとも前記環状溝部の開放側に肉厚に構成された剛性パッド部と、
  前記剛性パッド部に連設しこの剛性パッド部よりも肉薄に形成され前記環状溝部内で伸縮可能な可撓伸縮部と、
 を備えた封止機構において、
  前記流体の圧力を制御することにより前記封止部材を変形させ前記扉により前記開口部を封止する封止機構。
 前記可撓伸縮部は、屈曲部を備え、
 前記封止部材を前記環状溝部に折り曲げて収容することを特徴とする請求項1に記載の封止機構。
 前記封止部材を前記環状溝部の形成面に密着して固定する固定部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の封止機構。
 前記剛性パッド部は、前記環状溝部の開放側に向けて延設された突起部を備えることを特徴とする請求項1に記載の封止機構。
 前記開口部は、被処理品を収容する熱処理室の内部空間と外部空間とを連通させる搬入搬出口であり、
 請求項1に記載の封止機構を用いたことを特徴とする熱処理炉。
Description:
封止機構及びこれを用いた熱処 炉

 本発明は、開口部を有する壁部と開口部を 止する扉とを備えた構造を対象とした封止 構及びこれを用いた熱処理炉に関するもの ある。
  本願は、2008年4月9日に日本に出願された 願2008-101117号に基づき優先権を主張し、その 内容をここに援用する。

 一般に、金属等の熱処理を行う熱処理炉 おいては、被処理品に対して加熱処理を行 加熱処理室と冷却処理を行う冷却処理室と 隣接して配置させている。これら加熱処理 と冷却処理室とを隔絶する隔壁には、被処 品を移動させるための開口部と、この開口 を封止可能な中間扉と、この中間扉に配置 れ前記開口部を封止する封止機構と、が設 られている。特に冷却処理室に不活性ガス 充填して被処理品に冷却処理を行う際は、 口部を封止すると共にこの開口部を封止し いる。

 このような構造を対象とした封止機構の つとして、周知のように、開口部と対向す 扉の対向面に固定され開口部を扉で封止し 状態において開口部を取り囲むOリングと、 開口部を扉で封止した状態で扉を壁部に押し 付ける押し付け装置と、を備えたものがある 。

 また、下記特許文献1には、気密室の開口部 の周縁又は扉のこの気密室の開口部の周縁に 対応する部位に形成された環状の凹溝と、こ の凹溝の開口部の両口縁に凹溝に沿って設け られたパッキン保持部と、環状の外形を有し て凹溝の開口部全体を覆うように配され両側 縁がパッキン保持部で保持されたシート状パ ッキンと、を具備した封止機構が開示されて いる。この封止樹脂では、凹溝とパッキンと の間の空間内に高圧の作動流体を供給してこ のパッキンを膨出させ、凹溝と対向する扉又 は気密室の部位と接触させることにより気密 室の開口部を封止する。

特開平11-257498号公報

 しかしながら、上記Oリングを設けた封止 機構では、扉を壁部に押し付けて開口部を封 止するまでに長時間を要するという問題があ る。このような封止機構を上記例示した熱処 理炉に用いると、封止完了まで冷却処理が行 えないので熱処理が遅延し、被処理品につい て所望する品質が得られない。

 また、上記特許文献1に記載の封止機構で は、封止機構が高圧下又は減圧下で使用され る場合にシート状パッキンがこの圧力により 大きく変形し、このシート状パッキンと、凹 溝と対向する扉又は気密室の部位との接触が 解消されて、開口部が封止されなくなってし まうという問題がある。このような封止機構 を上記例示した熱処理炉に用いると、冷却処 理室に充填した不活性ガスが熱処理室に漏出 する可能性が高くなり、冷却処理中に雰囲気 が変化して被処理品について所望する品質が 得られない可能性がある。

 本発明は、上述した事情に鑑みてなされた のであり、以下を目的とする。
(1)開口部の封止を迅速に行うと共に、開口部 の封止を継続して確実に行う。
(2)被処理品を遅滞なく一定の雰囲気下で熱処 理して、被処理品について所望の性質を得る 。

 本発明は、上記課題を解決するために以下 手段を採用する。
 すなわち、本発明は、封止機構に係る第1の 解決手段として、開口部を有する壁部と、前 記開口部を封止する扉と、を備えた構造を対 象として、前記開口部を前記扉で封止した状 態において互いに対抗した前記壁部の面と前 記扉の面との少なくとも一方に前記開口部を 取り囲むように形成された環状溝部と、この 環状溝部内に配置され流体の封入部を内部に 有する封止部材と、を備え、前記封止部材は 、少なくとも前記環状溝部の開放側に肉厚に 構成された剛性パッド部と、前記剛性パッド 部に連設しこの剛性パッド部よりも肉薄に形 成され前記環状溝部内で伸縮可能な可撓伸縮 部と、を備えた封止機構において、前記流体 の圧力を制御することにより前記封止部材を 変形させ前記扉により前記開口部を封止する 、という手段を採用する。

 また、封止機構に係る第2の解決手段として 、上記封止機構に係る第1の解決手段におい 、前記可撓伸縮部は、屈曲部を備え、前記 止部材を前記環状溝部に折り曲げて収容す 、という手段を採用する。
 また、封止機構に係る第3の解決手段として 、上記封止機構に係る第1の解決手段におい 、前記封止部材を固定する固定部材を備え この固定部材は、前記封止部材を前記環状 部の形成面に密着して固定する、という手 を採用する。

 また、封止機構に係る第4の解決手段として 、上記封止機構に係る第1の解決手段におい 、前記剛性パッド部は、前記環状溝部の開 側に向けて延設された突起部を備える、と う手段を採用する。
 また、熱処理炉に係る解決手段として、前 開口部は、被処理品を収容する熱処理室の 部空間と外部空間とを連通させる搬入搬出 であり、上記封止機構に係る第1から第3の 決手段うちいずれかの解決手段における封 機構を用いる、という手段を採用する。

 本発明に係る封止機構によれば、封止部 が、剛性パッド部と可撓伸縮部とを備えて るので、封止機構が用いられる雰囲気で剛 パッド部が変形し難く、また、封入部に流 を出入させると可撓伸縮部が伸縮する。従 て、剛性パッド部を環状溝部から突出させ 開口部を迅速に封止することができると共 開口部を封止した状態の剛性パッド部の変 を極めて小さいものとし、開口部を継続し 確実に封止することができる。

 また、本発明に係る熱処理炉によれば、 記のような封止機構を用いているので、迅 に開口部の封止を行って速やかに熱処理を うことができると共に、一定の雰囲気下で 処理を行うことができる。従って、設定し 処理工程及び処理条件で被処理品に熱処理 行って、所望の性質の被処理品を得ること 可能となる。

本発明の実施形態における構造体1を示 す外観構成図である。 本発明の実施形態における扉板面5a側 ら見た封止扉5を示す一部断面図である。 本発明の実施形態における封止扉5の 部断面図であって、図2におけるA-A線断面図 ある。 本発明の実施形態における封止扉5の 部断面図であって、図2におけるB-B線断面図 ある。 本発明の実施形態における封止機構10 動作図である。 本発明の実施形態における封止機構10 動作図である。 本発明の実施形態における封止機構10 動作図である。 本発明の実施形態における封止機構10 採用した多室型熱処理炉30の全体構成を示す 垂直断面図である。 本発明の実施形態における多室型熱処 炉30の全体構成を示す水平断面図である。 本発明の実施形態におけるスライド機 52の構成を示す構成断面図である。

 3…壁部、5…封止扉(扉)、10…封止機構、1 1…環状溝部、13…封止部材、13a…剛性パッド 部、13b…可撓伸縮部、13c…突起部、13e…屈曲 部、13s…封入部、15…固定部材、30…多室型 処理炉(熱処理炉)、R1…加熱処理室(熱処理室 )、R2…冷却処理室(熱処理室)、A…空気(流体)

 以下、本発明の実施形態について、図面 参照して説明する。なお、以下の説明にお ては、まず本発明に係る封止機構を説明し 後に、この封止機構を用いた熱処理炉につ て説明する。

 図1は、本発明に係る構造体1を示す外観構 図である。
 図1に示すように、構造体1は、開口部2が形 された壁部3等により密閉室Rが構成された 体4と、開口部2を封止する封止扉(扉)5と、封 止扉5を上下に可動させる昇降装置6と、封止 5の鉛直方向以外の動きを規制するスライド ガイド7(7A,7B)と、開口部2を封止する封止機構 10とから概略構成されている。

 本体4は、床Gに鉛直に立設された壁部3と天 部4a等から構成されており、これら壁部3や 板部4a等により密閉室Rが形成されている。 の密閉室Rを形成する壁部3には、密閉室Rと 部空間とを連通させ、その開口断面が矩形 なった開口部2が形成されている。
 なお、密閉室Rは、封止扉5が開口部2を封止 ると共に封止機構10が開口部2を封止した状 において、比較的に高圧となる。

 封止扉5は、開口部2の開口面積よりも大 な面積を有する扉板面5a,5bを備える略矩形板 状をしている。この封止扉5は、昇降装置6及 スライドガイド7により、壁部3に沿って鉛 方向に移動させることができ、開口部2を封 することが可能である。

 昇降装置6は、天板部4aに固定されたワイ 巻取装置6aと、封止扉5の上方に配置された 車6bと、滑車6bを介してワイヤ巻取装置6aと 止扉5とを連結するワイヤ6cとから構成され 、封止扉5を上下に移動させる。

 スライドガイド7(7A,7B)は、細長状に形成 れると共に断面が略L字型に形成された部材 ある。このスライドガイド7は、封止扉5の 手方向の長さとほぼ同様の長さを空けて、 口部2の両側に対向配置されている。より具 的には、スライドガイド7(7A,7B)の壁面が壁 3と直交する方向に封止扉5の厚さとほぼ同様 の長さだけ延びた後に、他方のスライドガイ ド7(7A,7B)の方向に屈曲し、同方向へ向けて開 部2に重ならない長さだけ延びているもので ある。

 すなわち、このスライドガイド7(7A,7B)と 部3とで封止扉5を挟むことで、封止扉5の鉛 方向以外の移動が規制されている。このス イドガイド7(7A,7B)の下部には、封止扉5の下 向の移動を制限するストッパ(不図示)が形成 されている。このストッパが封止扉5に接触 ることにより、封止扉5が定位置において開 部2を封止する。以下では、特に言及しない 限り、封止扉5が開口部2を封止した状態とは この定位置での封止状態を指すものとする

 図2は、扉板面5a側から見た封止扉5を示す一 部断面図である。図3は、封止扉5の要部断面 であって、図3Aは、図2におけるA-A線断面図 あり、図3Bは、図2におけるB-B線断面図であ 。
 図2に示すように、封止機構10は、封止扉5に 形成された環状溝部11と、この環状溝部11内 配置された封止部材13と、この封止部材13を 状溝部11に固定する固定部材15と、封止部材 13に空気(空気)Aを供給すると共に空気Aを排気 するポンプ機構17(図3B参照)とを備えている。

 環状溝部11は、壁部3と対向する扉板面5aに 封止扉5が開口部2を封止した状態において、 開口部2を取り囲むように形成されている。 り正確には、封止扉5が開口部2を封止した状 態において、扉板面5aに開口部2を投影した投 影線2pを取り囲むように環状に形成されてい 。
 この環状溝部11は、図3A及び図3Bに示すよう 、溝深さ方向の断面が矩形に形成されてお 、扉板面5aと直交するように形成された溝 面11a,11bと、これら溝側面11a,11bとに直交する ように形成された溝底面11cと、を備えている 。

 溝底面11cには、溝底面11cと扉板面5bとを 通する複数のボルト貫通孔11dが一定間隔を けて開口していると共に、溝底面11cと扉板 5bとを貫通する一つのノズル貫通孔11eが開口 している(図2参照)。

 封止部材13は、フッ素ゴム製のものであ 、図2に示すように、環状に形成され、環状 部11に配置されている。この封止部材13は、 図3Aおよび図3Bに示すように、剛性パッド部13 aと、可撓伸縮部13bと、突起部13cと、被固定 13dとを備えている。

 剛性パッド部13aは、環状溝部11の開放側 位置する肉厚の部位であり、環状、かつ、 状に形成され、溝側面11a,11bに挟まれるよう して環状溝部11に嵌合している。この剛性 ッド部13aは、扉板面5aから壁部3までの長さ( 状溝部11の溝深さ方向)以上の厚さを有して る。すなわち、剛性パッド部13aを突出させ 壁部3に密着させた状態において、剛性パッ ド部13aに扉板面5aの方向に沿って荷重を作用 せても、その荷重を環状溝部11で受けるこ ができるようになっている。

 また、剛性パッド部13aの各寸法は、密閉室R と外部空間との圧力差によって剛性パッド部 13aに生じる変形が極めて小さくなるように設 定されている。
 具体的には、フッ素ゴムの機械的性質を考 し、剛性パッド部13aを突出させて壁部3に密 着させた状態において、密閉室Rと外部空間 の圧力差によって作用するせん断力(後述す )に十分に耐え得る寸法が設定されている。

 また、剛性パッド部13aには、環状溝部11 開放側に延設された突起部13cが形成されて る。具体的には、環状溝部11の溝底面11cの幅 方向における中心から、この幅方向に直交す る方向に延在する仮想中心面Q上の位置と、 の仮想中心面Qを挟んで対称となる二つの位 とに一定の距離を空けて、突起部13cは形成 れている。

 可撓伸縮部13bは、剛性パッド部13aの両端 から溝底面11cに向けて延設された肉薄の部 であり、屈曲部13eを備えている。すなわち 可撓伸縮部13bは、環状溝部11の開放側から 底面11cに向けて、仮想中心面Qに次第に近接 、仮想中心面Qに最も近接した屈曲部13eを経 た後に、仮想中心面Qから次第に離間するよ に形成されている。つまり、溝深さ方向に った断面が略L字状又は略逆L字状に形成され ている。

 被固定部13dは、可撓伸縮部13bから仮想中 面Qに向けて所定の長さだけ封止部材13が延 されたものである。また、この被固定部13d 端部は、仮想中心面Qを挟んで対向し、固定 部材15により溝底面11cに密着固定されている

 固定部材15は、環状に形成されて、環状溝 11に配置されており、環状溝部11の溝深さの 半分程度の高さを有している。この固定部 15は、溝底面11cから仮想中心面Qに沿って被 定部13dの厚さより長く延ばした後に、溝底 11cの幅方向に張り出し、その後、環状溝部1 1の開放側に向けて次第に張り出しの幅が狭 る形状となっている。
 この固定部材15には、ボルト貫通孔11dと同 をなす雌ネジ15aが形成されると共に、ノズ 貫通孔11eと同軸をなす一つの空気給排気孔15 bが形成されている。

 すなわち、この固定部材15は、張り出した 分と溝底面11cとで被固定部13dを挟んで封止 材13を環状溝部11に固定している。すなわち ボルト16をボルト貫通孔11dに挿入すると共 雌ネジ15aに螺着させることにより、このボ ト16の緊締力が被固定部13dを溝底面11cに押圧 し、封止部材13を環状溝部11に密着固定して る。
 なお、ノズル貫通孔11eには空気給排気孔15b 密着固定されたノズル18が配置固定されて る。

 このような構成により封止部材13は、環 溝部11に固定収容されると共に、その内部が 空気Aの封入部13sとなっている。また、この 入部13sは、空気給排気孔15b(ノズル18)と連通 るようになっている。

 ポンプ機構17は、空気Aを圧送及び排気す ものであり、封入部13s内の空気Aの圧力を制 御することを可能にしている。

 続いて、上記の構成からなる構造体1におい て、開口部2を封止する方法及びこの封止状 を解除する方法を、図1及び図4を用いて説明 する。
 まず、図1に示すように、封止扉5を開口部2 りも上方に位置させて開口部2を開放した状 態から、昇降装置6を作動させて封止扉5をス イドガイド7に沿ってスライドさせる。そし て、封止扉5をスライドガイド7のストッパ(不 図示)に接触させて、開口部2を封止する。

 開口部2を封止扉5で封止した状態におい 、図4Aに示すように、ポンプ機構17から封入 13sに空気Aを供給し、封入部13sの圧力を上昇 させる。封入部13sの圧力が上昇するにつれて 、図4Bに示すように、可撓伸縮部13bが速やか 伸長すると共に、剛性パッド部13aが環状溝 11(溝側面11a,11b)に沿って、環状溝部11の開放 側に変位し、突起部13cの先端が壁部3に接触 る。

 さらに、封入部13sの圧力を上昇させると 図4Cに示すように、剛性パッド部13aが壁部3 向かって変位し、突起部13cを押しつぶしな ら剛性パッド部13aが壁部3に密着し、開口部 2を迅速に封止する。

 開口部2が封止されて密閉室Rが密閉され と、密閉室Rに不活性ガスが注入されて、密 室Rの圧力が上昇する。密閉室Rが高圧にな と、この密閉室Rと外部空間とに圧力差が生 て、環状溝部11から突出した剛性パッド部13 aの一部が、扉板面5aの中心から外方へ向けて 押し出す力を受ける。すなわち、剛性パッド 部13aに、扉板面5aの方向に沿って、せん断力 発生する。

 剛性パッド部13aは、扉板面5aの方向に沿 たせん断力により極めて小さく変形するが 壁部3との接触状態が解消されるほどには変 せず、壁部3と密着して開口部2を継続して 止する。

 最後に開口部2を再度開放するために、密閉 室Rに注入された不活性ガスを排気管(不図示) から排気して密閉室Rを減圧する。その後に 封入部13sから空気Aを排気して、可撓伸縮部1 3bを短縮すると共に、剛性パッド部13aを壁部3 から離間させ、開口部2の封止を解除する(図4 B参照)。さらに、封入部13sの減圧を続け、可 伸縮部13bが固定部材15と接触するように、 性パッド部13aを環状溝部11に収容する(図4A参 照)。
 そして、剛性パッド部13aを環状溝部11に収 した状態で、昇降装置6を作動させ、封止扉5 を上方に移動させて開口部2を開放する(図1参 照)。

 以上説明したように、構造体1の封止機構10 よれば、封止部材13が剛性パッド部13aと可 伸縮部13bとを備えているので、開口部2の封 を迅速に行うと共に、開口部2の封止を継続 して確実に行うことができる。
 すなわち、剛性パッド部13aが壁部3に密着し た状態において、剛性パッド部13aの溝底面11c 側の一部が環状溝部11に嵌合しているので、 性パッド部13aに作用する圧力を環状溝部11 受けることができる。また、剛性パッド部13 aの各寸法は、扉板面5aの方向に沿ったせん断 力に十分に耐え得るように設定されており、 剛性パッド部13aは肉厚に形成されている。こ れにより、密閉室Rが高圧で、外部空間と圧 差がある場合でも、剛性パッド部13aの変形 極めて小さくなり、壁部3との密着状態が解 されるほどの変形が生じない。従って、剛 パッド部13aを壁部3に密着させ続けることで 、開口部2を継続して確実に封止することが きる。
 また、封入部13sに空気Aを出入させると可撓 伸縮部13bが伸縮する。これにより、開口部2 封止時では、剛性パッド部13aを環状溝部11か ら突出させて開口部2を迅速に封止すること できる。
 よって、開口部2の封止を迅速に行うと共に 、開口部2の封止を継続して確実に行うこと できる。

 また、可撓伸縮部13bは屈曲部を備えるので 封止部材13を折り畳んでコンパクトに収容 ることができる一方、開口部2を封止する場 には速やかに伸長することが可能となる。
 また、固定部材15が被固定部13dを環状溝部11 の溝底面11cに密着固定するので、封入部13sの 密閉を確実なものとすることができる。従っ て、空気Aを圧送又は排気することで、可撓 縮部13bを良好に変形させることができる。
 また、剛性パッド部13aは突起部13cを備える で、この突起部13cを押し潰して剛性パッド 13aを壁部3に密着させることで、開口部2の 止を確実にすることができる。

 続いて、上述した封止機構10を採用した 処理炉について説明する。図5は、封止機構1 0を採用した多室型熱処理炉(熱処理炉)30の全 構成を示す垂直断面図であり、図6は、多室 型熱処理炉30の全体構成を示す水平断面図で る。なお、図5~図7において、図1~図4に示す 成要素と同様の構成要素については、同一 符号を付し説明を省略する。

 図5、図6に示すように、本実施形態にお る多室型熱処理炉30は、真空加熱炉40と、真 加熱炉40と壁部3を介して隣接配置されるガ 冷却炉60と、真空加熱炉40とガス冷却炉60と 接続された真空装置70と(図5で不図示)、ガ 冷却炉60に接続された冷却ガス供給装置80と( 図5で不図示)、真空加熱炉40に配置された移 装置90と、を備えている。

 真空加熱炉40は、内部に搬入された被処 品Wを減圧下で加熱する機能を有している。 の真空加熱炉40は、耐圧設計されて壁部3と 熱処理室(熱処理室)R1を構成する真空容器41 、被処理品Wを内部に収容する箱型断熱材42 、被処理品Wをガス冷却炉60の方向に前後移 可能に載置する載置台45(図6で不図示)と、 型断熱材42の内部空間に配置され被処理品W 加熱するためのヒータ46(図6で不図示)と、を 備えている。

 真空容器41は、内部に箱型断熱材42が配置 されている略円筒部41aと、壁部3の開口部2を 止できる封止扉5が上下に移動する空間Sが 成された箱型部41bと、から一体的に構成さ ている。

 箱型断熱材42は、ガス冷却炉60の方向に被 処理品Wを出し入れするための前口42aと、移 装置90を被処理品Wに接触させるための後口42 bと、が形成されており、それぞれに開放及 封止が可能な前扉42cと後扉42dとが設けられ いる。

 載置台45は、図5に示すように、細長形状の レーム45aが対向配置されて、このフレーム4 5aにフリーローラFが取り付けられたものであ る。この載置台45は、フレーム45aの長手方向 おける両端部がそれぞれ前口42aまたは後口4 2bとの開口部を向くように配置されている。
 なお、空間Sにおいて、載置台45のフリーロ ラFと同一の高さに、被処理品Wを真空加熱 40とガス冷却炉60との間で移動させる為のフ ーローラFが設けられている。

 壁部3は、真空加熱炉40とガス冷却炉60との に配置されて、加熱処理室R1と後述の冷却処 理室R2とを隔絶する隔壁として機能している また、この壁部3の開口部2は、被処理品Wが 過可能な大きさを有しており、加熱処理室R 1と冷却処理室R2とを連通する搬入搬の為の開 口として機能する。
 さらに、壁部3の加熱処理室R1側に封止扉5が 配置され、箱型部41bの上方に封止扉5を上下 移動させる昇降装置51が配置されている。さ らに、空間Sに封止扉5の鉛直方向以外の動き 規制するスライドガイド機構52が配され、 止扉5の扉板面5aに封止機構10が設けられてい る。

 昇降装置51は、空圧シリンダからなり、封 扉5に接続された連結部材51aを介して封止扉5 を上下に昇降させる。
 スライドガイド機構52は、2つのクランプ部 53(53A,53B)と4つのガイド部材54とから構成さ ている。

 図7は、スライドガイド機構52の構成を示す 成断面図であり、図6の一部拡大図である。
 クランプ部材53(53A,53B)は、細長い略四角柱 部材であって、方形の断面を有する本体部53 aと、本体部53aの一側面53cから突出する矩形 の断面を有するレール部53bと、を備えてい 。レール部53bは、本体部53aの一側面53cと隣 した位置に、一側面53cと直交して形成され と共に、本体部53aの長手方向に沿って形成 れた取付面53dから封止扉5の厚さと略同一の さだけ離間した位置に突設されている。
 このクランプ部材53A,53Bは、クランプ部材53A ,53Bのレール部53bを互いに向き合わせるよう 、その長手方向を鉛直方向に重ねて壁部3に ルトで固定されている。

 ガイド部材54は、二つの屈曲部を備えた部 であって、封止扉5の扉板面5bに接触して固 される固定部54aと、この固定部54aのクラン 部材53側の端部から固定部54aと直交する方向 に向けて形成された中間部54bと、この中間部 54bのクランプ部材53側の端部から中間部54bと 交する方向、かつ、固定部54aの延設方向と 対方向に向けて形成されたスライド部54cと からなる部材である。
 このガイド部材54は、スライド部54cと封止 5の扉板面5bとがレール部53bを微小な隙間を して挟むように、封止扉5にボルトで固定さ ている。
 なお、ガイド部材54の下部には、上述した ライドガイド7と同様に封止扉5の下方向の移 動を制限するストッパ(不図示)が形成されて る。

 このようなスライドガイド機構52は、封 扉5の鉛直方向以外への移動を規制すると共 、封止扉5と壁部3とが常に一定の隙間が生 るようにしている。さらに、図5に示すよう 、封止扉5が連結部材51aを介して昇降装置51 ぶら下がるように構成されている。

 ガス冷却炉60は、図5、図6に示すように、 加熱処理後の被処理品Wを、加圧した不活性 スCによって冷却するものである。このガス 却炉60は、耐圧設計された壁部3と冷却処理 R2(熱処理室)を構成する真空容器61と、壁部3 に隣接すると共に、その内側に鉛直方向に断 面一定のガス流路が形成された整流容器62と この整流容器62の内部に配置され載置台45と 同様の構成の載置台63(図6で不図示)と、不活 ガスCを冷却すると共にこの不活性ガスCを 却処理室R2に循環させるガス冷却循環装置64 を備えている。

 真空容器61は、整流容器62が配置されると共 に一方の端部が壁部3と接合された円筒形の 器胴部61bと、ガス冷却循環装置64を収容しこ の容器胴部61bの他方の端部と接合可能な循環 部61cと、気密性を確保できるクラッチリング 61e及びクランプ61dを備えて構成されている。
 このような真空容器61は、クラッチリング61 eを開放し循環部61cを容器胴部61bから図5にお る右方向に後退させることによって、被処 品Wを容器胴部61bの内部に直接収容する。ま た、クラッチリング61e及びクランプ61dにより 、気密性を確保した状態で容器胴部61bの端部 と循環部61cとを連結し、壁部3の開口部2を封 すると共に冷却処理室R2が密閉されるよう なっている。

 真空装置70は、真空加熱炉40とガス冷却炉60 に接続されており、加熱処理室R1と冷却処 室R2とを減圧することができる。
 ガス供給装置80は、ガス冷却炉60に接続され ており、アルゴン、ヘリウム、窒素等の不活 性ガスを冷却処理室R2に加圧供給する。

 移動装置90は、被処理品Wを真空加熱炉40 ガス冷却炉60との間で移動させる為のもので ある。この移動装置90は、先端に被処理品Wと 係合可能な係合部91aを備え、フリーローラF 下を水平移動可能な搬送棒91と、搬送棒91を 動するラックピニオン機構と、を備えてい 。

 続いて、上記構成からなる多室型熱処理炉3 0の熱処理工程について説明する。
 まず、図5に示すように、クラッチリング61e を開放し循環部61cを容器胴部61bから図5にお る右方向に後退させて、整流容器62の載置台 63に被処理品Wを載置する。その後、循環部61c を容器胴部61bに接合すると共に、クラッチリ ング61eを装着して循環部61cと容器胴部61bとの 接合部を気密にする。

 次に、箱型断熱材42の前口42a、後口42bと 壁部3の開口部2とを開放させて、搬送棒91を 処理品Wの下部まで移動させ、係合部91aを被 処理品Wに係合させる。その後冷却処理室R2か ら加熱処理室R1に搬送棒91を移動させること 、被処理品WがフリーローラF上を移動して箱 型断熱材42に収容される。

 次に、昇降装置51を作動させて、開口部2 上方に位置していた封止扉5を下方にスライ ドさせて開口部2を封止する。そして、封止 構10により開口部2を速やかに封止して、加 処理室R1及び冷却処理室R2を密閉する。この 態において、加熱処理室R1及び冷却処理室R2 を所定の真空度まで減圧し、加熱処理室R1が 定の真空度になった後に、前口42aを前扉42c 封止し、後口42bを後扉42dで封止する。

 この状態で被処理品Wをヒータ46で加熱し 所定の時間が経過した後に、前口42a、後口4 2bを再び開放すると共に、開口部2の封止を解 除する。そして、昇降装置51を作動させて、 止扉5が開口部2を封止した状態から上方ま 移動する。この際、封止扉5は、壁部3と接触 せず、速やかに上方に移動して開口部2を開 する。

 そして、搬送棒91により、箱型断熱材42か ら整流容器62まで被処理品WがフリーローラF を移動する。被処理品Wが整流容器62まで移 した後に、昇降装置51を作動させて、封止扉 5を上方から下方に移動させて開口部2を封止 る。その後、封止機構10で開口部2を速やか 封止し、再度加熱処理室R1と冷却処理室R2と を密閉する。

 冷却処理室R2を密閉した状態で、ガス供 装置80により不活性ガスCを冷却処理室R2に加 圧供給する。そして、冷却処理室R2に充填さ た不活性ガスCをガス冷却循環装置64で冷却 ると共に循環させて、整流容器62に収容さ た被処理品Wを冷却する。この際、冷却処理 R2は、比較的に高圧となるが、封止機構10の 剛性パッド部13aの変形が極めて小さく壁部3 の接触状態が解消されるほどには変形しな ので、開口部2を封止し続ける。すなわち、 活性ガスCが加熱処理室R1に漏出しない。

 所定の時間が経過した後に、不活性ガスC を不図示の排気管により排気して冷却処理室 R2を減圧し、減圧後にクラッチリング61eを開 する。そして、循環部61cを容器胴部61bから 5における右方向に後退させて、整流容器62 載置台63から被処理品Wを回収する。

 以上説明したように、多室型熱処理炉30 よれば、封止機構10を用いているので、迅速 に開口部2の封止を行って速やかに冷却処理 行うことができる。さらに、不活性ガスCが 熱処理室R1へ漏出することも防止し、一定 雰囲気下で冷却処理を行うことができる。 って、設定した処理工程及び処理条件で被 理品Wに熱処理を行い、所望の性質の被処理 Wを得ることが可能となる。

 また、上記構成の封止扉5は、壁部3と常 一定の距離以上の隙間を維持した状態で、 結部材51aを介して昇降装置51にぶら下がって いるので、昇降装置51を作動させて迅速に開 部2の開放及び風止を行うことができる。

 なお、本発明は上記実施形態に限定される のではなく、例えば以下の変形例が考えら る。
(1)上記実施形態では、封止扉5に環状溝部11を 形成して封止機構10を構成したが、環状溝部 壁部3における開口部2の周縁近傍に形成し 封止機構10を構成してもよい。
(2)上記実施形態では、封止機構10の封止部材1 3の材質にフッ素ゴムを用いたが、他の材質 例えばシリコンゴムを用いてもよい。
(3)上記実施形態では、封入部13sに封入する流 体として空気Aを用いたが、液体や他のガス 用いても良い。
(4)上記実施形態では、封止扉5を上下に移動 能に構成したが、例えば、封止扉5の下方に 輪等を設けて、左右の方向(水平方向)に移 可能に構成してもよい。
(5)上記実施形態では、加熱処理室R1と冷却処 室R2の隔壁として機能する封止扉5によって 開口部2を封止する場合について説明したが 、例えば、炉外の空間と、加熱処理室R1又は 却処理室R2とを連通する装入用抽出口を設 、これを封止する場合について本発明を適 してもよい。
(6)上記実施形態では、多室型熱処理炉30につ て本発明を適用したが、他の構成の熱処理 、例えば、加熱処理と冷却処理を一つの熱 理室において行う単室型熱処理炉や、加熱 理炉と冷却処理炉を列設し、これらの間を 動して被処理品を搬送する搬送炉を設けた 処理炉についても本発明を適用することが きる。

 本発明に係る封止機構によれば、封止部 が、剛性パッド部と可撓伸縮部とを備えて るので、封止機構が用いられる雰囲気で剛 パッド部が変形し難く、また、封入部に流 を出入させると可撓伸縮部が伸縮する。従 て、剛性パッド部を環状溝部から突出させ 開口部を迅速に封止することができると共 開口部を封止した状態の剛性パッド部の変 を極めて小さいものとし、開口部を継続し 確実に封止することができる。

 また、本発明に係る熱処理炉によれば、 記のような封止機構を用いているので、迅 に開口部の封止を行って速やかに熱処理を うことができると共に、一定の雰囲気下で 処理を行うことができる。従って、設定し 処理工程及び処理条件で被処理品に熱処理 行って、所望の性質の被処理品を得ること 可能となる。




 
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