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Patent Searching and Data


Title:
SEMICONDUCTOR DEVICE, MANUFACTURING METHOD THEREOF, AND DISPLAY DEVICE USING THE SEMICONDUCTOR DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/157531
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method to promote the formation of a semiconductor crystal nucleus on an insulation film such as a silicon oxide film at a low temperature of 450°C or less with reactive thermal CVD. A first semiconductor film (4a) is formed on an insulating substrate (1), next a semiconductor crystal nucleus (4b) is formed on a portion of the first semiconductor film (4a), and the first semiconductor film (4a) is etched off, except in the region where semiconductor crystal nucleus (4b) is generated and the periphery thereof. Subsequently, a second semiconductor film (4c) is formed using the semiconductor crystal nucleus (4b) as the seed.

Inventors:
HANNA JUNICHI (JP)
SUZUMURA ISAO (JP)
MATSUMURA MIEKO (JP)
HATANO MUTSUKO (JP)
ONISAWA KENICHI (JP)
WAKAGI MASATOSHI (JP)
NISHIMURA ETSUKO (JP)
KAGATSUME AKIKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/061687
Publication Date:
December 30, 2009
Filing Date:
June 26, 2009
Export Citation:
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Assignee:
HITACHI LTD (JP)
TOKYO INST TECH (JP)
HANNA JUNICHI (JP)
SUZUMURA ISAO (JP)
MATSUMURA MIEKO (JP)
HATANO MUTSUKO (JP)
ONISAWA KENICHI (JP)
WAKAGI MASATOSHI (JP)
NISHIMURA ETSUKO (JP)
KAGATSUME AKIKO (JP)
International Classes:
H01L21/205; H01L21/336; H01L29/786
Foreign References:
JP2000232065A2000-08-22
JP2007165921A2007-06-28
JP2002299264A2002-10-11
Attorney, Agent or Firm:
TSUTSUI, YAMATO (JP)
Tsutsui Daiwa (JP)
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Claims:
 絶縁基板上に第1の半導体膜を形成する第1の工程と、
 前記第1の半導体膜上の一部に半導体結晶核を形成し、これと共に前記半導体結晶核の発生領域とその周辺を除いて前記第1の半導体膜をエッチング除去する第2の工程と、
 前記半導体結晶核をシードとして第2の半導体膜を形成する第3の工程を少なくとも含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
 前記第1の工程では、前記第1の半導体膜として非晶質シリコン膜または微結晶シリコン膜を形成することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
 前記第2の工程では、前記半導体結晶核として原料ガスにシラン類とハロゲン化ゲルマニウムを用い、形成温度を450°C以下とする反応性熱CVD法によってシリコンゲルマニウム結晶核を形成し、
 前記ハロゲン化ゲルマニウムの供給によって前記第1の半導体膜のエッチングを行うことを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
 前記第3の工程では、前記第2の半導体膜として、原料ガスにシラン類とハロゲン化ゲルマニウムを用い、
 形成温度を450°C以下とする反応性熱CVD法によって多結晶シリコンゲルマニウム膜を形成することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
 前記第3の工程では、前記第2の半導体膜として、多結晶シリコン膜を形成していることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
 前記第2の半導体膜上に第3の半導体膜を形成する第4の工程を含むことを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
 前記第4の工程では、前記第3の半導体膜として、プラズマCVD法により非晶質または微結晶、もしくは多結晶からなるシリコン膜を形成することを特徴とする請求項6記載の半導体装置の製造方法。
 絶縁基板上に、半導体膜、ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極を有する半導体装置であって、
 前記半導体膜は、前記絶縁膜上の一部に核状に形成された第1の半導体膜と、前記第1の半導体膜上とその周囲に形成された半導体結晶核と、前記半導体結晶核上に形成された第2の半導体膜から成ることを特徴とする半導体装置。
 前記第1の半導体膜が非晶質シリコン膜、または微結晶シリコン膜から成ることを特徴とする請求項8記載の半導体装置。
 前記半導体結晶核がシリコンゲルマニウム結晶核からなることを特徴とする請求項8記載の半導体装置。
 前記第2の半導体膜が多結晶シリコン膜、または多結晶シリコンゲルマニウム膜から成ることを特徴とする請求項8記載の半導体装置。
 前記第2の半導体膜上に第3の半導体膜を有することを特徴とする請求項8記載の半導体装置。
 前記第3の半導体膜が非晶質シリコン膜、または微結晶シリコン膜、もしくは多結晶シリコン膜から成ることを特徴とする請求項12記載の半導体装置。
 第1絶縁基板に形成された複数の画素電極と、この複数の画素電極ごとに当該画素電極上に積層された複数の有機層からなる有機EL層と、この有機EL層を覆い、複数の画素に共通に形成された対向電極と、この対向電極を覆って設置された封止用の第2絶縁膜を備えた表示装置であって、
 前記第1絶縁基板上には、半導体膜、ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極を備えて、前記画素電極に表示信号を供給する薄膜トランジスタを有しており、
 前記半導体膜は、前記第1絶縁膜上の一部に核状に形成された第1の半導体膜と、前記第1の半導体膜上とその周囲に形成された半導体結晶核と、前記半導体結晶核上に形成された第2の半導体膜から成ることを特徴とする表示装置。
 第1絶縁基板に形成された複数の画素電極と、カラーフィルタ層、オーバーコート層、ITO膜からなる対向電極、配向膜を順に形成した第2絶縁基板と、前記第1絶縁基板と前記第2絶縁基板の貼り合わせ間隙に封入された液晶を有する表示装置であって、
 前記第1絶縁基板上には、半導体膜、ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極を備えて、前記画素電極に表示信号を供給する薄膜トランジスタを有しており、
 前記半導体膜は、前記第1絶縁膜上の一部に核状に形成された第1の半導体膜と、前記第1の半導体膜上とその周囲に形成された半導体結晶核と、前記半導体結晶核上に形成された第2の半導体膜から成ることを特徴とする表示装置。
 前記第1の半導体膜が非晶質シリコン膜、または微結晶シリコン膜から成ることを特徴とする請求項14記載の表示装置。
 前記半導体結晶核がシリコンゲルマニウム結晶核からなることを特徴とする請求項14記載の表示装置。
 前記第2の半導体膜が多結晶シリコン膜、または多結晶シリコンゲルマニウム膜から成ることを特徴とする請求項14記載の表示装置。
 前記第2の半導体膜上に第3の半導体膜を有することを特徴とする請求項14記載の表示装置。
 前記第3の半導体膜が非晶質シリコン膜、または微結晶シリコン膜、もしくは多結晶シリコン膜から成ることを特徴とする請求項19記載の表示装置。
Description:
半導体装置とその製造方法、及 この半導体装置を用いた表示装置

 本発明は、有機EL表示装置や液晶表示装 等に好適な薄膜トランジスタに代表される 導体装置とその製造方法、及びこの半導体 置を用いた表示装置に関する。

 近年、携帯電話やPDA等のモバイル情報端 では、その表示装置において軽量薄型化及 高画質化の要求が増大していることから、 発光でバックライトが不要、またコントラ ト比が高いといった特長を持つ有機EL表示 置(以下、OLEDとも称する)の中小型パネルが 用され始めている。さらに、高い応答速度 が動画表示に適していることから、TV用の表 示装置として、大型のOLEDパネルの開発が現 活発化している。

 OLEDパネルでは、その画質向上のため、薄 膜トランジスタ基板に形成した各画素の輝度 バラツキを抑制する必要がある。このことか ら、OLEDを構成する有機EL素子(OLED素子)の発光 層に流れる電流を厳密に制御することが不可 欠であり、各画素に設ける駆動用TFTとしては 閾値電圧バラツキの小さいものが強く要求さ れている。また、OLEDパネルの消費電力を低 するには、TFTの移動度向上が必要である。

 液晶表示装置(以下、LCDとも称する)の場 も同様である。LCDは、薄膜トランジスタ基 に形成した各画素電極とカラーフィルタ基 の間に液晶を封入して構成される。LCDの消 電力低減、高精細度化のためにはTFTの移動 向上が必要である。

 これらのことから、既存の中小型パネル 多くではレーザアニール法によって形成し 低温多結晶Si膜を用いたTFTを使用している ところが、この方法による多結晶SiTFTの形成 は大型パネル向けには不向きである。なぜな ら、アモルファスSi膜をレーザ照射により一 に結晶化させることのできる面積に限界が ることから、大型基板上に同TFTを形成する は繰り返しのレーザアニール工程が必要と り、プロセスコストが増大してしまうから ある。

 ところで、多結晶Si膜の形成はレーザア ール以外の方法でも可能である。例えば、 CVD法により、Siの結晶化温度以上である600°C 程度に基板を加熱すれば形成できる。しかし ながら、例えば大型OLEDパネルでは軟化温度 600°以下のガラス基板を用いることから、熱 CVD法の適用は困難である。さらに、プラズマ CVD法により低温で多結晶Si膜を形成できるが 成膜初期において絶縁膜上にアモルファス 分を含むインキュベーションレイヤーが形 されやすいことから、この成膜方法は基板 にチャネルを形成するボトムゲート型TFTへ 適用には不向きである。

 以上のことから、大型パネルの駆動用TFT けには低温で絶縁基板上に直接多結晶Si膜 形成する技術が要求されており、これに対 て、反応性熱CVD法と呼ばれる技術が近年提 されている。

 反応性熱CVD法は、原料ガスに例えばジシラ (Si 2 H 6 )と四フッ化ゲルマニウム(GeF 4 )を用い、GeF 4 中のフッ素(F)によるSi 2 H 6 からのH引き抜き反応により、通常の熱CVDに る成膜温度以下で多結晶シリコンゲルマニ ム(SiGe)膜を高い成膜レートで形成すること 可能な技術である。同方法では主に基板表 で原料ガスを反応させることができること ら、アモルファス組織を伴うことなく大面 の絶縁基板上に半導体結晶核を直接形成さ ることが可能で、さらにこの結晶核を起点 して種々の成膜技術を用いて結晶成長を行 ば、結晶性に優れた多結晶半導体膜を低温 形成できるという特長がある。

 さらに、初期の半導体結晶核の形成条件 形成した初期半導体結晶核の厚さを選択す ことにより、成長する多結晶の優先配向を えば(111)、(110)、(100)とすることが可能とい 利点がある。

 この反応性熱CVD法を用いた成膜の従来例に 例えば特許文献1がある。同文献に記載され ている多結晶SiGe膜の形成例を以下に示す。 許文献1に記載の第1の例では、Siウェハ上に 成したSiOを基板として、GeF 4 とSi 2 H 6 をそれぞれ2.7sccm及び20sccm、希釈のためにHeを 500sccm反応容器に流し、圧力を15~50torrまで変 させて、425°Cで20分堆積させる。その結果、 15torrでは約10 5 ~10 6 cm -2 、20torrでは約10 7 ~10 8 cm -2 、25torrでは約10 8 ~10 9 cm -2 、50torrでは約10 9 ~10 10 cm -2 の密度で半導体結晶核を生成する。

 次に、基板上に形成された半導体結晶核 において、375°Cに成長温度を下げて成長を 続する。以上によって、結晶性の高いSiGeの 多結晶膜を形成している。また、特許文献1 記載の第2の例では、半導体結晶核の形成を った後にシラン-フッ化シラン-水素をそれ れ2sccm、98sccm、50sccmの流量に設定して、圧力 1torrでグロー放電分解法により400°CでSiの多 晶膜を成膜している。

 さらに、特許文献1に記載の第3の例では 半導体結晶核の形成を行った後に水素希釈 たシラン(2%)を用いてrf-グロー放電法により3 00°CでSiの多結晶膜を成膜している。

特開2007-13194号公報

 多結晶SiGe膜を半導体層に用いたTFTの特性向 上には、トラップとなる膜中欠陥をHで終端 れていることが望ましい。一方で、反応性 CVD法では、例えばSi 2 H 6 とGeF 4 の反応においてHの引き抜きを伴う。そのた 、反応性熱CVD法による多結晶SiGe膜中に残留 るH濃度を高めるには、SiやGe原子からのH原 の脱離を抑制することが必要である。

 しかし、Si 2 H 6 とGeF 4 を用いた反応性熱CVD法によってSiGeの結晶核 形成する場合、従来例のように基板温度と て425°Cが必要であり、さらに核形成のスル プット向上のため、成膜速度が大きいこと 望ましいことから、実用上では450°C以上が 要である。ところが、この450°Cという温度 、Si原子からH原子の脱離が大きく生じやす 温度である。従って、絶縁膜上に成長させ 膜では、H濃度が低くなり易い。

 また、450°Cという温度は、ガラス基板の 化温度よりは低いが、金属膜にヒロックや イドが発生する温度と同等かそれよりは高 。従って、例えばボトムゲート型TFTでは、 縁膜上への半導体層の形成時において、絶 膜より下層に配置した電極用配線膜にダメ ジが入り、配線抵抗が増大してしまうとい 問題がある。

 本発明の目的は、反応性熱CVD法において 450°C以下という低温でもSi酸化膜のような 縁膜上において半導体結晶核の形成を促進 る方法を提供することにある。

 具体的には、反応性熱CVD法による成膜前 おいて、下地として半導体膜を形成してお ばよい。この半導体膜は、供給ガス中に含 れるハロゲン原子によってエッチングでき ものである。よって、本願発明の半導体装 の製造方法では、絶縁基板上に第1の半導体 膜を形成する第1の工程を実施し、次いで、 1の半導体膜上の一部に半導体結晶核を形成 、これと共に半導体結晶核の発生領域とそ 周辺を除いて第1の半導体膜をエッチング除 去する第2の工程を実施し、さらに半導体結 核をシードとして第2の半導体膜を形成する 3の工程を少なくとも実施することを特徴と している。

 また、第1の工程では、450°C以下の低温で 成膜できることから、第1の半導体膜として 晶質シリコン膜または微結晶シリコン膜を 成していることを特徴としている。

 また、第2の工程では、良好な結晶性を実 現するため、半導体結晶核として、原料ガス にシラン類とハロゲン化ゲルマニウムを供給 し、形成温度450°C以下とする反応性熱CVD法に よってシリコンゲルマニウム結晶核を形成し ており、ハロゲン化ゲルマニウムに起因する ハロゲン原子やハロゲン化物によって第1の 導体膜のエッチングが生じていることを特 としている。

 また、シリコン膜のような半導体多結晶 上とシリコン酸化膜やシリコン窒化膜とい た絶縁膜上では、シリコンは下地材料に殆 よらずに成膜するが、シリコンゲルマニウ は半導体多結晶膜上には結晶成長するもの 絶縁膜上には膜がつきにくい。そのため、 導体結晶核とその周辺に選択的に多結晶膜 成長させるべく、第3の工程では、第2の半 体膜として、原料ガスにシラン類とハロゲ 化ゲルマニウムを供給し、形成温度450°C以 とする反応性熱CVD法によって多結晶シリコ ゲルマニウム膜を形成していることを特徴 している。

 または、第3の工程では、第2の半導体膜 して、多結晶シリコン膜を形成することが 能である。成膜方法は熱CVD法でも可能であ が、以下の理由からプラズマCVD法が好適で る。反応性熱CVD法では基板温度が500°Cでも 膜レートは毎分約50nm以下と低いが、プラズ CVD法によるアモルファスSi膜の成膜では、25 0°C前後で毎分約200nmという高い成膜レートを 実現しているからである。多結晶シリコン膜 の形成は、半導体結晶核上に形成することか ら、プラズマCVD法のアモルファスSi成膜の条 で可能となる。また、第2の半導体膜上に第 3の半導体膜を形成する第4の工程を実施すれ 望ましい。

 さらに、第4の工程では、TFTの要求特性に 応じつつ成膜のスループット向上を図るため 、プラズマCVD法により非晶質、または微結晶 、または多結晶からなるシリコン膜を形成し ていることが好適である。

 また、本願発明のTFTは、絶縁基板上に、 導体膜、ソース電極、ドレイン電極、ゲー 電極を有しており、半導体膜は、絶縁膜上 一部に離散的に形成された第1の半導体膜と 、第1の半導体膜上とその周囲に形成された 導体結晶核と、半導体結晶核上に形成され 第2の半導体膜から成ることを特徴としてい 。

 また、例えばプラズマCVD法を用いること より低温で成膜出来ることから、第1の半導 体膜は非晶質シリコン膜、あるいは微結晶シ リコン膜が好適である。さらに、ハロゲン原 子によるエッチングレートが100°C程度以上で あれば十分速いことからも、それらの膜の選 択が好都合である。

 さらに、絶縁膜上に450°C以下の低温で形 することから、半導体結晶核がシリコンゲ マニウム結晶核から成れば好適である。

 また、TFTの性能向上が図れることから、 2の半導体膜は多結晶シリコン膜が好適であ る。さらに、半導体結晶核とその周辺に選択 的に結晶成長することから、第2の半導体膜 多結晶シリコンゲルマニウム膜であれば、 お好適である。

 また、本願発明のTFTは、第2の半導体膜上 に第3の半導体膜を有していれば好適である

 さらに、半導体層中のリーク電流を低減 て、オフ電流特性の良好なTFTを実現するに 、第3の半導体膜は非晶質シリコン膜、ある いは微結晶シリコン膜、あるいは多結晶シリ コン膜から成れば好適である。

 また、高画質で長寿命の表示装置を低コ トで提供するには、本願発明のTFTを有機EL 動に適用すれば好適である。

 また、高精細の表示装置を低コストで提 するには、本願発明のTFTを液晶表示装置に 用すれば好適である。

 本願発明の半導体装置の製造方法によれ 、TFTの半導体層として適用する直接成長多 晶膜を成膜する際に、下地の絶縁膜上には 1の半導体膜を堆積している。このため、絶 縁膜上よりも半導体膜上の方が低温で半導体 結晶核が形成しやすいことから、成膜温度の 低下を図ることができる。よって、膜中欠陥 のH終端を維持し、さらに電極用配線膜の抵 増大を抑制することが可能となり、TFT特性 向上が実現する。

本発明に係る半導体装置の製造方法を いて形成した半導体装置の実施の形態1を説 明するボトムゲート型TFTの断面構造図である 。 図1に示すTFTの製造方法を工程順に示 部分拡大断面図である。 図1に示すTFTの製造方法を工程順に示 図2Aに続く工程の部分拡大断面図である。 図1に示すTFTの製造方法を工程順に示 図2Bに続く工程の部分拡大断面図である。 図1に示すTFTの製造方法を工程順に示 図2Cに続く工程の部分拡大断面図である。 図1に示すTFTの製造方法を工程順に示 図2Dに続く工程の部分拡大断面図である。 図1に示すTFTの半導体層におけるGe組成 プロファイルを示す図である。 図1に示すTFTを用いて形成したOLED表示 置の断面構造を示す図である。 図1に示すTFTを用いて形成した液晶表示 装置の断面構造を示す図である。 本発明に係る半導体装置の製造方法を いて形成した半導体装置の実施の形態4を説 明するボトムゲート型TFTの断面構造図である 。 本発明に係る半導体装置の製造方法を いて形成した半導体装置の実施の形態5を説 明するトップゲート型TFTの断面構造図である 。 図7に示すTFTを用いて形成したOLEDの断 構造を示す図である。 図7に示すTFTを用いて形成した液晶表示 装置の断面構造図である。 本発明に係る半導体装置の製造方法を 用いて形成した半導体装置の実施の形態8を 明するトップゲート型TFTの断面構造図であ 。

 以下、本発明の最良の実施形態について 実施の形態の図面を参照して詳細に説明す 。

 (実施の形態1)
 図1は、本発明に係る半導体装置の製造方法 を用いて作製した半導体装置の実施の形態1 説明する要部断面図である。図1に示した半 体装置は絶縁基板1上に形成したボトムゲー ト型のTFTである。このTFTは、概略、ゲート電 極2の上に設けた半導体膜4と、半導体膜4上に チャネルで離間配置されたソース電極配線6a ドレイン電極配線6bで構成される。以下、 の構造を詳しく説明する。

 表面の一部にゲート電極配線2を加工した 絶縁基板1上にゲート絶縁膜3が形成されてお 、このゲート絶縁膜3のTFT形成領域に半導体 膜4が形成されている。この半導体膜4は、チ ネル部を拡大して示したように、ゲート絶 膜3上に形成した例えばアモルファスSiから る半導体膜の一部4aと、半導体膜の一部4a上 に形成した例えばSiGeから成る半導体結晶核4b と、半導体結晶核4b上に形成した例えばSiGeか ら成る半導体膜4cから構成されている。

 さらに、半導体膜4の一方の端部にはソース 領域のn + シリコン膜5aとソース電極配線6aが形成され おり、また、もう一方の端部にはドレイン 域のn + シリコン膜5bとドレイン電極配線6bが形成さ ている。ソース電極配線6aとドレイン電極配 線6b上にはさらに保護絶縁膜7と層間絶縁層8 堆積されている。さらに、ドレイン電極配 6bと接続する画素電極9が形成されている。

 次いで、図1の構造を有するTFTの製造工程 を図2Aから図2Eにより説明する。なお、これ の図は製造工程のうち主要なものを示した のである。まず、例えばガラスからなる絶 基板1の上にゲート電極配線2を形成する。配 線材料としては、Nb、Mo、W、Ta、Cr、Ti、Fe、Ni 、Co等の金属やそれらの合金、及びそれらの 層膜を用いることができる。または、プロ スの上限温度を低下させられることから、A lやCu等の低抵抗金属を用いることも可能であ る。これらの膜は、スパッタリング法で形成 することができる。本実施の形態ではAlNd合 膜を用いている。膜厚は200nmとしている。次 に、ホトリソグラフィーを用いて、ゲート電 極配線パターン2に加工する。

 この後、基板上へのゲート絶縁膜3の形成 を行う。絶縁膜材料としては、SiO、SiN、SiON を用いることができる。これらの膜は、プ ズマCVD法またはスパッタリング法などで成 できる。あるいは、プラズマ酸化、光酸化 どを併用してもよい。本実施の形態では、 ラズマCVD法によって、標準的な条件でTEOSを いて形成したSiO膜を膜厚100nm形成している 以上により、図2Aに示す構造を得る。

 次いで、ゲート絶縁膜3上に半導体膜4aを 積する。半導体膜4aとしては、例えばアモ ファスSi膜や微結晶Si膜とするのが好適であ 。ここで、微結晶膜とは、結晶成分とアモ ファス成分が混在しており、結晶粒径が1~30 nm程度となっている膜のことである。半導体 4aの成膜は、例えば、プラズマCVD法により 施すればよい。成膜温度は室温以上を用い ことが可能であるが、TFT製造のスループッ を向上するには一定以上の成膜速度の確保 必要であることから200°C以上とするのが望 しく、一方、ゲート電極配線2におけるヒロ クやボイドの発生を抑制するために450°C以 とするのが好適である。

 半導体膜4aの膜厚は、この後に行う半導体 晶核4bの形成時において、半導体結晶核4bと の周辺以外では膜がエッチング除去される が望ましいことから、50nm以下とするのが好 適である。また、TFTのオフ電流増大に起因す るSi原子の未結合手を終端するために、アモ ファスSi膜や微結晶Si膜には、水素が1×10 19 cm -3 以上、1×10 22 cm -3 以下含まれていることが望ましい。以上から 、水素化アモルファスSi膜を成膜するには、 えばプラズマ周波数13.56MHzを用い、水素希 した10%のモノシラン(SiH 4 )を100sccm供給し、基板温度200℃、ガス圧力133P aと設定すればよい。また、微結晶Si膜を成膜 するには、例えばプラズマ周波数13.56MHzを用 、フッ化シラン(SiF 4 ):H 2 =3:1、基板温度250℃、ガス圧力40Paの条件を用 ることが可能である。以上により、図2Bに す構造を得る。

 この後、半導体膜4a上に半導体結晶核4bと 半導体膜4cの形成を行う。図2Bの破線で囲ま た領域におけるそれらの膜の形成過程につ て図2Cを用いて説明する。

 半導体結晶核4bの形成には反応性熱CVD法を 用し、材料にはSiGeを選択するのが好適であ 。この場合、反応性熱CVD法では半導体水素 ガスとハロゲン化ガスによる酸化還元反応 利用することから、供給する原料ガスには 導体水素化ガスとしてSi n H 2n+2 (n>1)、ハロゲン化ガスとして例えばGeF 4 を使用すればよい。ただし、反応性熱CVD法の 成膜では酸化還元反応だけでなく原料ガスの 熱分解が影響を及ぼすことから、より低温で の成膜を実現するには例えば熱分解温度の低 いSi 2 H 6 の使用が望ましい。

 また、半導体水素化ガスとハロゲン化ガス 組み合わせは、例えばシラン類、及びゲル ン(GeH 4 )とF 2 、さらにGeH 4 とSiF 4 等でも可能であるが、低い核形成温度、一定 以上の核形成レート、ガスの使用コスト等を 考慮すると、Si 2 H 6 とGeF 4 の組み合わせが好都合である。流量比はSi 2 H 6 が1に対してGeF 4 は例えば0.005~2とすればよい。

 また、反応性熱CVD法では、結晶核を一定以 の形成レートで発生させるために10Paから100 00Pa程度の成膜圧力を確保すべく、成膜中に 例えばHe、Ar、H 2 といったキャリアガスを導入する。これらの 中で例えばHeを選択すれば、Si 2 H 6 とHeの流量比としては例えば1:10~5000と設定す ば好適である。また、成膜温度は、核形成 生じる300°C以上とし、結晶核中からのH脱離 を抑制するため、450℃以下とすれば好適であ る。

 以上から、例えばSi 2 H 6 流量:0.5sccm、GeF 4 流量:0.5sccm、He流量:1000sccm、基板温度400℃、 圧1300Paという成膜条件のもとで、例えばア ルファスSi膜からなる半導体膜4a上に反応性 CVD成膜を開始すると、半導体膜4aの表面の 部にはSiGeからなる初期核が発生する。また GeF 4 の供給により、アモルファスSi膜の一部では 面から結晶化が起こる。

 一方、この温度ではGeF 4 に含まれていたFがSiとの結合によりSiF 4 となって表面から脱離することから、核発生 と同時に初期核の形成領域とその周辺を除い た半導体膜4aではエッチングが生じる(図2C(a)) 。この後、初期核をシードとしてSiGeが結晶 長するとともに半導体膜4aのエッチングが進 むと、SiGe結晶の成長領域以外ではゲート絶 膜3の表面が露出するようになる。この結果 アイランド状に残存した半導体膜4aの表面 SiGe結晶が取り囲んだ半導体結晶核4bが形成 れる(図2C(b))。ここで、半導体結晶核4bは、 り合うもの同士が離れている場合を示した 接触していても構わない。結晶核の大きさ 、後ほど成膜する半導体膜4cで良好な結晶性 を実現するために10nm以上であることが望ま く、一方、表面凹凸の増大を抑制するため 100nm以下であることが好ましい。

 また、半導体結晶核としてはGeだけから成 ものを形成しても構わない。この後、引き いて成膜を実施すると、SiGeは絶縁膜上に殆 堆積せずに半導体結晶上に結晶成長するこ から、半導体結晶核4bをシードとして選択 長した多結晶からなる半導体膜4cが形成され る(図2C(c))。ここで、多結晶膜とはほぼ結晶 分からなる膜のことで、膜中の結晶粒径は30 nm程度以上となっている。半導体膜4cの成膜 件は半導体結晶核4bのものと全く同じでも良 い。しかし、Geの組成比が小さくてもSiGe膜で あれば選択成長が可能であることから、例え ばSi 2 H 6 流量のみを増やして1.5sccmと変化させても構 ない。また、後ほどTFTのソース・ドレイン 成においてエッチングを実施するが、それ よってTFT特性を維持できないほど薄い膜と るのを回避するため、半導体膜4cの膜厚は、 半導体結晶核4bの膜厚と併せて100~300nmとなる うに調整するのが好適である。

 半導体膜4中におけるGe組成比プロファイル 、例えば図3のようになっている。このプロ ファイルは、図2C(c)に示したa-a’間の点線部 におけるものである。ここで、半導体結晶 4bは上記の成膜条件1で形成しており、半導 膜4cの形成条件はSi 2 H 6 流量を1.5sccmとし、他は成膜条件1と同じであ 。アモルファスSiあるいは微結晶Siからなる 半導体膜4a中にGeは入っていないが、SiGeから る半導体結晶核4b中には50%程度のGe組成比が 含まれる。さらに、SiGeからなる半導体膜4c中 ではGe組成比は20%程度となっている。

 このように、本実施の形態の半導体装置の 造方法では、半導体結晶核4b中においてGe組 成比が高くなる傾向にある。この理由は、核 形成温度を450°C以下としていることから、GeF 4 に比べてSi 2 H 6 の熱分解が進まず、半導体結晶核4b中にSiが り込まれにくいからである。なお、このGe組 成比プロファイルは、反応性熱CVD法による膜 形成を実施していれば、以下の実施の形態に おける半導体膜中でも同様となる。また、半 導体結晶核4b、及び半導体膜4c中のGe組成比は 上記の値に限定されることはなく、原料ガス の例えばSi 2 H 6 とGeF 4 の流量比や成膜温度の調整により、種々の値 に制御することが可能である。以上により、 図2Cに示す構造を得る。

 次いで、半導体膜4上に、コンタクト層とな るn + Si膜5をプラズマCVD法により形成する。膜形成 では、例えば水素化アモルファスSiからなる 導体膜4aの条件を用い、追加でn型のドーピ グガスとしてホスフィン(PH 3 )、またはその水素希釈ガス(PH 3 /H 2 )を供給すれば良い。ドーピング濃度は低抵 なコンタクト層を形成するために1×10 17 cm -3 以上とし、またドーパント原子のクラスタリ ングや偏析による結晶性の悪化と高抵抗化を 抑制するために1×10 22 cm -3 以下とすることが望ましい。さらに、膜厚は コンタクトとして40nm程度が好適である。こ 後、ホトリソグラフィーを用いてn + Si膜5、半導体膜4からなる積層膜を島状に加 する。以上により、図2Dに示す構造を得る。

 次いで、積層膜を加工した基板上への金 膜の堆積を行う。この材料としては、Nb、Mo 、W、Ta、Cr、Ti、Fe、Ni、Co等やこれらの合金 及びそれらの金属の積層膜を用いることが 能である。または、プロセスの上限温度を 下させられることから、AlやCu等の低抵抗金 を用いることも可能である。これらの膜は スパッタリング法で形成することができる 本実施の形態ではAlNd合金/Cr積層膜を用いて いる。膜厚は200/50nmとしている。この後、ホ リソグラフィーを用いて、ソース電極配線 ターン6a、ドレイン電極配線パターン6bに加 工する。

 さらに、この後、ソース電極配線6a、ドレ ン電極配線6bをマスクとしてTFTのチャネルと なる領域上のn + Si膜5と半導体膜4の表面側の一部をエッチン して、コンタクト層5a、5bを形成する。以上 より、図2Eに示す構造を得る。

 次に、ソース電極配線6a、ドレイン電極 線6b上に、SiN膜からなる保護絶縁膜7をプラ マCVD法で形成する。膜厚は例えば500nmであれ ば好適である。

 次いで、保護絶縁膜7上に例えば有機樹脂 から成る層間絶縁層8を形成し、この後、ホ リソグラフィーを用いて層間絶縁層8と保護 縁膜7のドレイン電極配線6bの形成領域にコ タクトホールを設ける。

 最後に、例えばAl膜をスパッタリング法 堆積し、ホトリソグラフィーを用いて加工 ることにより画素電極9を形成する。画素電 9には例えば反射金属膜や透明導電膜を用い ることが可能であり、膜厚は100nmが好適であ 。以上により、図1に示すボトムゲート型TFT が完成する。

 本実施の形態のTFTでは、ゲート絶縁膜3上 にアモルファスSi、または微結晶Siからなる 導体膜4aが残存しているが、隣り合う同膜の 間には半導体結晶核4b及び多結晶から成る半 体膜4cが形成されており、さらにゲート絶 膜上の専有領域として半導体膜4aよりも半導 体結晶核4bと半導体膜4cを併せた方を大きく ることが可能であることから、本実施の形 のTFTでは、既存のアモルファスSi-TFTや、通 のプラズマCVD法による成膜で形成した多結 Siを有するTFTを大きく上回る性能が達成され る。

 本実施の形態に示した半導体製造の製造 法を用いれば、ゲート絶縁膜3上に予め半導 体膜4aを形成していることから、反応性熱CVD による半導体結晶核4bの形成が450°C以下と う低温でも実現可能である。このような低 温度ならば、TFTの半導体層中における欠陥 はH終端が維持されやすい。よって、例えば フリーク電流が発生しにくくなることから 良好なTFT特性を実現することが可能となる

 また、450°C以下での半導体結晶の核形成 可能とする本実施の形態に示した半導体装 の製造方法を用いれば、ガラス基板は軟化 ず、また金属膜にヒロックやボイドが発生 る可能性は小さい。従って、電極用配線膜 ダメージに伴う配線抵抗の増大が抑制され ことから、良好な特性を有するTFTを作製で るという利点がある。

 また、450°C以下の低温で反応性熱CVD成膜 実施すれば、より高い温度で成膜するのに べて、各半導体結晶核4bのサイズが揃いや くなる。そのため、低温形成した半導体結 核4b上では、多結晶の半導体膜4cにおける結 粒のサイズが均一化する。よって、本実施 形態における半導体装置の製造方法は、閾 電圧バラツキの小さい画素TFTを大面積ガラ 基板上に形成するのに適しており、故に大 OLEDディスプレイの開発に好適である。

 また、シラン系の原料ガスとGeF 4 の反応では、Ge核は低温形成されやすい。よ て、本実施の形態の半導体装置の製造方法 おける半導体結晶核4bはGeを少なくとも含ん でいることから、450°C以下のような低温で核 形成が可能である。

 さらに、半導体膜4cにおいてもGeを含有さ せれば、同膜を半導体膜4aのエッチング除去 た領域に殆ど形成させずに、半導体結晶核4 bとその周辺に選択的に結晶成長させること できる。これにより、半導体膜4cにおいてTFT 特性確保に十分な結晶性が得られるという利 点がある。

 (実施の形態2)
 本発明の実施の形態2として、OLEDへの適用 を、図4を用いて説明する。まず、実施の形 1と同様な方法で、ボトムゲート型TFTを形成 する。次に、図4に示すように画素電極9上に OLEDの電荷輸送層10、発光層11、電荷輸送層12 を蒸着法などにより形成する。さらに、透明 導電膜からなる上部電極13を蒸着やスパッタ ング法などで形成してから封止層14を形成 ると、図4に示すOLED表示装置が完成する。

 実施の形態1において説明したように、本 願発明の製造方法によって大面積基板に形成 したTFTでは閾値電圧バラツキが小さくなる。 これにより、OLEDの発光層に流れる電流が厳 に制御されて各画素の輝度バラツキが抑制 れることから、本実施の形態のOLEDでは大型 ネルへの適用且つ高画質化を実現すること 可能である。

 (実施の形態3)
 本発明の実施の形態3として、液晶表示装置 への適用例を、図5を用いて説明する。まず 実施の形態1と同様な方法で、ボトムゲート TFTを形成する。なお、画素電極9として、透 明導電膜を用いている。具体的には、ITO膜を スパッタリング法で形成し、ホトリソグラフ ィーを用いて加工したものである。膜厚は70n mが好適である。次に、図5に示すように、画 電極9上に配向膜20を形成している。次に、 ラーフィルタ層21、オーバーコート層22、ITO 膜からなる対向電極23、配向膜24を順番に形 した対向基板25を、スペーサ26を介して張り わせている。これに液晶27を封入すると、 5に示す液晶表示装置が完成する。

 実施の形態1において説明したように、本 願発明の製造方法によって形成したTFTではオ フリーク電流が発生しにくいことから、液晶 ディスプレイの画素駆動に適用した場合にお いてもリーク電流が小さく、高画質の映像を 得ることが可能である。

 (実施の形態4)
 本発明に係る半導体装置の製造方法を用い 作製した半導体装置の実施の形態4を図6に って説明する。実施の形態4が実施の形態1と 違う点は、ボトムゲート型TFTに形成している 半導体膜の層構成である。

 実施の形態1のTFTと同様に、絶縁基板101上の 一部にゲート電極配線102を形成しており、さ らにゲート絶縁膜103を堆積している。このゲ ート絶縁膜103のTFT形成領域には半導体膜104を 形成している。この半導体膜104は、半導体膜 104aと、半導体膜104aの周囲に形成した半導体 晶核104bと、半導体結晶核104b上に形成した 導体膜104cと、さらに半導体膜104dから成って いる。さらに、ソース領域のn + シリコン膜105aとソース電極配線106a、また、 レイン領域のn + シリコン膜105bとドレイン電極配線106bを形成 ている。ソース電極配線106aとドレイン電極 配線106b上にはさらに保護絶縁膜107と層間絶 層108を堆積している。さらに、ドレイン電 配線106bと接続する画素電極109を形成してい 。

 以下に、図6の構造を有するTFTの製造工程 を説明する。まず、絶縁基板101上へのゲート 電極配線102とゲート絶縁膜103の形成は実施の 形態1と同様に実施すればよいので説明は省 する。

 また、次のゲート絶縁膜103上への半導体 104a、半導体結晶核104b、半導体膜104cの順次 成も、実施の形態1における半導体膜4a、半 体結晶核4b、半導体膜4cと同じ材料、膜質、 形成方法・条件を用いればよい。

 次いで、半導体膜104c上に半導体膜104dを 長させる。膜材料は例えば水素を含む非晶 Si、あるいは微結晶Si、あるいは多結晶Siが い。また、プラズマCVD法により膜形成でき ば好適である。成膜条件としては、例えば 晶質Siを成膜するならば、実施の形態1の半 体膜4aを形成するときに用いたものと同等で よい。また、半導体膜104として200nm程度とな ように、半導体膜104dの膜厚を調整するのが 望ましい。

 以下、ソース領域のn + シリコン膜105aおよびドレイン領域のn + シリコン膜105bを堆積する工程から、画素電 109の形成までは、実施の形態1で示した同じ 程の材料、条件を同様に使用すればよいの 、ここでは説明を省略する。以上により、 6に示す構造を得る。

 本実施の形態によれば、例えば水素を含 非晶質Siからなる半導体膜104dを形成してい 。このため、水素含有量の少ない半導体結 核104b、及び半導体膜104cを用いた場合にお ても、高水素含有半導体膜104dからの水素供 により、半導体結晶核104b、及び半導体膜104 cにおける結晶欠陥の水素終端化に必要な水 濃度を確保することができる。よって、実 の形態1のTFTに比べ、チャネル部の界面準位 低減され、移動度が高く、閾値電圧シフト 少ない、良好な特性のTFTを作製することが 能となる。

 (実施の形態5)
 本発明に係る半導体装置の製造方法を用い 作製した半導体装置の実施の形態5を図7に って説明する。実施の形態5が実施の形態1と 違う点は、半導体装置がトップゲート型TFTと なっている点である。絶縁基板31上に下地絶 膜となるSiN膜32とSiO膜33を形成しており、SiO 膜33のTFT形成領域には半導体膜34を形成して る。この半導体膜34は、SiO膜33上に形成した えばアモルファスSiから成る半導体膜34aと 半導体膜34a上に形成した例えばSiGeから成る 導体結晶核34bと、半導体結晶核34b上に形成 た例えば多結晶SiGeから成る半導体膜34cから 構成している。

 さらに、半導体膜34の上部にはゲート絶 膜35とゲート電極配線36を形成している。ま 、ゲート電極配線36の下部を除く半導体層34 にはコンタクト領域37、38を形成している。 上を形成した基板上には層間絶縁層39を堆積 しており、コンタクト領域37、38上にはさら コンタクトホールを開口している。これら 開口部にはソース電極配線40とドレイン電極 配線41を埋め込んでいる。さらに、これらの 線上と層間絶縁層39上に保護絶縁膜42を堆積 しており、ドレイン電極配線41上にはコンタ トホールを開口し、画素電極43を形成して る。

 以下に、図7の構造を有するTFTの製造工程 を説明する。まず、例えばガラスからなる絶 縁基板31の上に、下地絶縁膜となるSiN膜32とSi O膜33を形成する。成膜方法には、プラズマCVD 法またはスパッタリング法等の利用が可能で ある。次いで、SiO膜33上にTFTの半導体層34の 部となる半導体膜34aを堆積する。半導体膜34 aは、例えばアモルファスSi膜や微結晶Si膜と るのが好適であり、成膜方法や条件は、実 の形態1で示した半導体膜4aで用いたものと 様でよい。

 この後、半導体膜34a上に、さらにTFTの半 体層34の一部として半導体結晶核34bと半導 膜34cを形成する。これらの形成方法や成膜 件、さらに結晶核と膜の形成過程やGe組成比 プロファイル等は、実施の形態1の半導体結 核4bと半導体膜4cの形成時に示したものと同 でよい。次いで、成膜した半導体層34を、 トリソグラフィーを用いて島状に加工する

 次に、SiO膜33と半導体膜34上にゲート絶縁 膜35を形成する。同膜の材料としては、SiOやS iN等が好適である。これらの材料の膜はプラ マCVD法またはスパッタリング法などによっ 成膜すればよい。あるいは、プラズマ酸化 光酸化等を併用することも可能である。よ て、ゲート絶縁膜35としては、例えばTEOSを いたプラズマCVD法により形成した膜厚100nm SiO膜を適用する。

 引き続いて、ゲート絶縁膜35上に配線膜 堆積する。同膜の材料としては、Si、Geやそ 合金、Nb、Mo、W、Ta、Cr、Ti、Fe、Ni、Co等の 属やそれらの合金、及びそれらの積層膜を 択するのが好適である。さらに、AlやCu等の 抵抗金属を用いることも可能である。これ の膜は、スパッタリング法で形成すればよ 。よって、配線膜には、例えば膜厚200nmのNb 膜を適用する。この後、この配線膜をホトリ ソグラフィーによって加工し、ゲート電極配 線パターン36を形成する。

 さらに、ゲート電極配線パターン36をマ クとして、イオン打ち込み法により、ゲー 絶縁膜35越しに半導体層34の一部にPまたはB 注入し、コンタクト領域37、38を形成する。

 この後、以上を形成した基板上に層間絶 層39として、SiO膜あるいはSiN膜を、プラズ CVD法またはスパッタリング法で形成する。 って、層間絶縁層39には、例えばTEOSを用い プラズマCVD法により形成した膜厚300nmのSiO膜 を適用する。

 次に、コンタクト領域37上と38上の層間絶 縁層39にコンタクトホールを開口し、この開 部の内部と層間絶縁層39上に配線膜を堆積 る。この膜の材料としては、Nb、Mo、W、Ta、C r、Ti、Fe、Ni、Co等の金属やそれらの合金、及 びそれらの積層膜を選択するのが好適である 。さらに、AlやCu等の低抵抗金属を用いるこ も可能である。これらの膜は、スパッタリ グ法で形成すればよい。よって、配線膜に 、例えば膜厚200nmのCr膜を適用する。この後 この配線膜をホトリソグラフィーによって 工し、ソース電極配線40、ドレイン電極配 41を形成する。

 次に、層間絶縁層39、ソース電極配線40、 ドレイン電極配線41上に保護性絶縁膜42を形 する。同膜には、例えばプラズマCVD法によ 形成した膜厚500nmのSiN膜を適用する。

 次いで、ドレイン電極配線41上の保護絶 膜42にコンタクトホールを開口し、この開口 部の内側と保護絶縁膜42上に配線膜を堆積す 。この膜の材料としては、反射金属膜やITO IZO、ZnO等の透明導電膜を選択するのが好適 ある。よって、スパッタリング法で形成し 膜厚100nmのCr膜を適用する。この後、この配 線膜をホトリソグラフィーによって加工し画 素電極43を形成すると、図6に示す構造のTFTが 完成する。

 本実施の形態のようなトップゲート型TFT は、半導体膜34の表面側に成膜された多結 からなる半導体膜34cにチャネル部分が形成 れることから、移動度が高く閾値電圧バラ キの少ないTFTを実現しやすい。よって、本 発明の半導体装置の製造方法は、実施の形 1のボトムゲート型TFTだけでなく、本実施の 態のようなトップゲート型TFTの作製に適用 るのに好都合である。

 (実施の形態6)
 本発明の実施の形態6として、OLEDへの適用 を、図8を用いて説明する。まず、例えば実 の形態5と同様な方法で、トップゲート型TFT を形成する。次に、図8に示すように、画素 極43上に、OLEDの電荷輸送層70、発光層71、電 輸送層72を蒸着法などにより形成する。さ に、透明導電膜からなる上部電極73を蒸着や スパッタリング法などで形成してから封止層 74を形成すると、図8に示すOLED表示装置が完 する。

 実施の形態5の製造方法によって大面積基 板に形成したTFTでは閾値電圧バラツキが小さ くなる。これにより、OLEDの発光層に流れる 流が厳密に制御されて各画素の輝度バラツ が抑制されることから、本実施の形態のOLED 示装置では大型パネルへの適用且つ高画質 を実現することが可能である。

 (実施の形態7)
 本発明の実施の形態7として、液晶表示装置 への適用例を、図9を用いて説明する。まず 実施の形態5と同様な方法で、トップゲート TFTを形成する。なお、画素電極43として透 導電膜を用いている。具体的には、ITO膜を パッタリング法で形成し、ホトリソグラフ ーを用いて加工したものである。膜厚は70nm 好適である。次に、図9に示すように、画素 電極43上に配向膜120を形成している。次に、 ラーフィルタ層121、オーバーコート層122、I TO膜からなる対向電極123、配向膜124を順番に 成した対向基板125を、スペーサ126を介して り合わせている。これに液晶127を封入する 、図9に示す液晶表示装置が完成する。

 実施の形態5の製造方法によって形成した TFTではオフリーク電流が発生しにくいことか ら、液晶ディスプレイの画素駆動に適用した 場合においてもリーク電流が小さく、高画質 の映像を得ることが可能である。

 (実施の形態8)
 本発明に係る半導体装置の製造方法を用い 作製した半導体装置の別の実施形態を図10 よって説明する。実施の形態5と違うのは、 ップゲート型TFTに形成している半導体結晶 の形成の仕方と半導体膜の材料である。

 実施の形態5のTFTと同様に、絶縁基板81、 地絶縁膜となるSiN膜82、及びSiO膜83を形成し ている。さらに、SiO膜83のTFT形成領域に半導 膜84を形成しているが、この半導体膜84は、 実施の形態4と違って例えばアモルファスSiか らなる半導体膜84aと、例えばSiGeからなる半 体結晶核84bと、例えば多結晶Siから成る半導 体膜84cという積層構造になっている。また、 半導体膜84上部に設けるゲート絶縁膜85とゲ ト電極配線86、及び半導体層84に設けるコン クト領域87、88、さらに層間絶縁層89、ソー 電極配線90、ドレイン電極配線91、保護絶縁 膜92、画素電極93といったものは、実施の形 5のTFTと同様に形成している。

 以下に、図10の構造を有するTFTの製造工 を説明する。まず、絶縁基板81上へのSiN膜82 SiO膜83の形成は、実施の形態5におけるSiN膜3 2とSiO膜33の場合と同様でよいので説明は省略 する。

 また、次のSiO膜83上への半導体膜84aの形 も、実施の形態5における半導体膜34aと同じ 料、膜質、形成方法・条件を用いればよい

 次に、半導体結晶核84bの形成は、実施の 態4における半導体結晶核34bと同じ材料、膜 質、形成方法を用いればよいが、本実施の形 態では、隣り合う半導体結晶核84bが出来るだ け接するように形成している。これは、半導 体膜84cとして多結晶Si膜を形成することに対 するためである。上述したように、SiGe膜は 、Si酸化膜やSi窒化膜といった絶縁膜上に比 てSi膜のような半導体多結晶膜上に選択成長 しやすいが、Si膜は下地材料に殆どよらずに 膜しやすい。このため、半導体結晶核84bの にSiO膜83の表面が露出していると、半導体 晶核84b上とその周辺では多結晶Si膜が成長す るが、SiO膜83上には、TFT特性の向上を阻む例 ば非晶質Si膜が堆積してしまうからである

 次いで、半導体結晶核84b上に半導体膜84c 成長させる。膜材料は例えば水素を含む多 晶Siがよい。また、成膜方法は熱CVD法でも 能であるが、プラズマCVD法であれば好適で る。プラズマCVD法と用いた場合の成膜条件 しては、例えば実施の形態1の半導体膜4aを 成するときに用いたものと同等でよい。ま 、半導体膜84として200nm程度となるように、 導体膜84cの膜厚を調整するのが望ましい。

 以下、半導体層84をホトリソグラフィー より島状加工する工程から、画素電極93の形 成までは、実施の形態5で示した同じ工程の 料、条件を同様に使用すればよいので、こ では説明を省略する。以上により、図10に示 す構造を得る。

 本実施の形態によれば、多結晶Siからな 半導体膜84cをトップゲート型TFTのチャネル 分として使用できる。実施の形態5ではチャ ル部分は多結晶SiGeであったことから、本実 施の形態の方が、半導体層中のリーク電流を 低減しやすく、オフ電流特性の良好なTFTを実 現できるという利点がある。

 また、反応性熱CVD法による多結晶膜の成 速度は、基板温度が450°C程度では毎分5nm以 となり非常に遅いが、一方のプラズマCVD法 は、基板温度250°C程度で毎分100nm以上とい 高い成膜速度が得られる。従って、TFTに形 する半導体層を反応性熱CVD法のみで形成す よりも、本実施の形態のようにプラズマCVD を併用した方がTFT製造におけるスループッ の大幅な向上が可能である。

 なお、本実施の形態では、トップゲート TFTの半導体層形成に適用した例を示したが 適用先はボトムケート型TFTの半導体層形成 あっても良い。

 1、31、81、101 絶縁基板、
 2、36、86、102 ゲート電極配線、
 3、35、85、103 ゲート絶縁膜、
 4、34、84、104 半導体膜、
 4a、34a、84a、104a 例えば、アモルファスSiか ら成る半導体膜、
 4b、34b、84b、104b 例えば、SiGeから成る半導 結晶核、
 4c、34c、104c 例えば、SiGeから成る半導体膜
 5a、105a ソース領域のn + シリコン膜、
 5b、105b ドレイン領域のn + シリコン膜、
 6a、40、90、106a ソース電極配線、
 6b、41、91、106b ドレイン電極配線、
 7、42、92、107 保護絶縁膜、
 8、39、89、108 層間絶縁層、
 9、43、93、109 画素電極、
 10、70 電荷輸送層、
 11、71 発光層、
 12、72 電荷輸送層、
 13、73 上部電極、
 14、74 封止層、
 20、120 配向膜、
 21、121 カラーフィルタ層、
 22、122 オーバーコート層、
 23、123 対向電極、
 24、124 配向膜、
 25、125 対向基板、
 26、126 スペーサ、
 27、127 液晶、
 32、82 SiN膜、
 33、83 SiO膜、
 37、38、87、88 コンタクト領域、
 84c 多結晶Siからなる半導体膜、
 104d 例えば非晶質Siからなる半導体膜。