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Patent Searching and Data


Title:
EMBRYO-MONITORING APPARATUS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/157530
Kind Code:
A1
Abstract:
An embryo-monitoring apparatus whereby it can be more easily and accurately determined whether an embryo is appropriate or inappropriate. In an image acquisition section (61), time-lapse monitor images of an embryo, which is set in a microscope as a specimen, captured with a camera are acquired.  Then, these images are supplied to a monitor section (62).  In the monitor section (62), egg cleavage is detected based on the monitor images thus acquired and the division of each of the cells in the embryo is traced.  In a grading section (81), the time required for the division of the individual cells of the same generation in the embryo is determined at a predetermined timing based on the cleavage data supplied from the monitor section (62) and thus the grading value of the embryo is calculated.  In an appropriate/inappropriate determining section (82), whether an embryo is appropriate or inappropriate is determined based on the grading thereof at a predetermined timing.  This is applicable to, for example, an embryo-monitoring apparatus.

Inventors:
WATANABE HIROTADA (JP)
MIMURA MASAFUMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/061680
Publication Date:
December 30, 2009
Filing Date:
June 26, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NIKON CORP (JP)
WATANABE HIROTADA (JP)
MIMURA MASAFUMI (JP)
International Classes:
C12M1/34; G01N21/27
Foreign References:
JP2006333710A2006-12-14
JP2007011977A2007-01-18
Other References:
BACZKOWSKI T. ET AL.: "Methods of embryo scoring in in vitro fertilization.", REPRODUCTIVE BIOLOGY, vol. 4, no. 1, 2004, pages 5 - 22
Attorney, Agent or Firm:
INAMOTO YOSHIO (JP)
Yoshio Inemoto (JP)
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Claims:
 胚の生育を観察する胚観察装置において、
 前記胚を時系列に撮影した画像に基づいて、前記胚の卵割を検出し、前記胚内の各細胞の分裂を追跡する観察手段と、
 前記胚内の同世代の各細胞の分裂に要した時間に基づいて、前記胚の生育状態を評価する評価手段と
 を含むことを特徴とする胚観察装置。
 前記評価手段は、前記胚内の同世代の各細胞の分裂に要した時間の分散値に基づいて、前記胚の生育状態を評価する
 ことを特徴とする請求項1に記載の胚観察装置。
 前記評価手段は、前記胚内の各細胞が分裂するスピードに基づいて、前記胚の生育状態を評価する
 ことを特徴とする請求項1に記載の胚観察装置。
 前記観察手段は、さらに、前記胚内の各細胞の大きさを検出し、
 前記評価手段は、さらに、前記胚内の同世代の細胞の大きさに基づいて、前記胚の生育状態を評価する
 ことを特徴とする請求項1に記載の胚観察装置。
 前記評価手段は、前記胚内の同世代の細胞の大きさの分散値に基づいて、前記胚の生育状態を評価する
 ことを特徴とする請求項4に記載の胚観察装置。
 前記観察手段は、前記胚の外周のへこみを検出することにより前記胚の卵割を検出する ことを特徴とする請求項1に記載の胚観察装置。
 前記観察手段は、前記胚の深さ方向にフォーカス位置を変化させながら前記胚を撮影した複数の画像に基づいて、前記胚の深さ方向において、フォーカスの合い具合を表すパラメータが極大となり、かつ、所定の閾値以上となるフォーカス位置を検出し、検出したフォーカス位置が複数ある場合、検出した各フォーカス位置の間において卵割が発生していると判定する
 ことを特徴とする請求項1に記載の胚観察装置。
Description:
胚観察装置

 本発明は、胚観察装置に関し、特に、胚 生育を観察する胚観察装置に関する。

 従来、体外受精の成功率を上げるなどの 的で、受精卵(以下、単に卵とも称する)を 影した画像内の胚の形態に基づいて、胚の 態を分類し、胚の生育状態を評価すること 行われている。胚の生育状態の評価方法と ては、例えば、Veeckによる分類法、Gardnerに る分類法などが知られている(例えば、非特 文献1参照)。

Baczkowski, T., Kurzawa, R. and Glabowski, W.,  Methods of embryo scoring in in vitro fertilization, Reprod, Biol. v4. p.5-22

 しかしながら、従来の分類法では、良好 あると判定された胚においてDNA(Deoxyribo Nucl eic Acid)の異常が検出されたり、不良である 判定された胚が正常に卵割を続けていくな の誤判定が発生することが知られている。

 本発明は、このような状況を鑑みてなさ たものであり、より簡単かつ正確に胚の良 を判定できるようにするものである。

 本発明の一側面の胚観察装置は、胚の生 を観察する胚観察装置であって、前記胚を 系列に撮影した画像に基づいて、前記胚の 割を検出し、前記胚内の各細胞の分裂を追 する観察手段と、前記胚内の同世代の各細 の分裂に要した時間に基づいて、前記胚の 育状態を評価する評価手段とを備える。

 本発明の一側面においては、胚を時系列 撮影した画像に基づいて、前記胚の卵割が 出され、前記胚内の各細胞の分裂が追跡さ 、前記胚内の同世代の各細胞の分裂に要し 時間に基づいて、前記胚の生育状態が評価 れる。

 本発明によれば、より簡単かつ正確に胚 良否を判定することができる。

本発明を適用した観察システムの一実 の形態を示す図である。 胚観察部の機能的構成の例を示すブロ ク図である。 胚観察処理を説明するためのフローチ ートである。 卵検出処理を説明するためのフローチ ートである。 垂直方向卵割検出処理を説明するため フローチャートである。 胚の外周のへこみの検出方法の例を説 するための図である。 胚の外周の極座標の例を示すグラフで る。 胚の外周の極座標の微分波形の例を示 グラフである。 垂直方向の卵割の検出方法の例を説明 るための図である。 垂直方向の卵割の検出方法の他の例を 説明するための図である。 水平方向卵割検出処理を説明するため のフローチャートである。 水平方向の卵割の検出方法の例を説明 するための図である。 水平方向の卵割の検出方法の他の例を 説明するための図である。 水平方向の卵割の検出方法のさらに他 の例を説明するための図である。 細胞認識処理を説明するためのフロー チャートである。 グレーディング処理を説明するための フローチャートである。 人の胚の系統図の例を示す図である。 胚の外周のへこみの検出方法の他の例 を説明するための図である。

 以下、図面を参照して、本発明を適用し 実施の形態について説明する。

 図1は、本発明を適用した観察システムの 一実施の形態の構成例を示す図である。この 観察システムは、顕微鏡11、操作部12、コン ローラ13、カメラ14、パーソナルコンピュー 15、および観察モニタ16から構成される。

 顕微鏡11には、図示せぬステッピングモ タ等により駆動される電動ステージ21が設け られている。この電動ステージ21には、観察 対象となる細胞等の標本が入れられたガラ ボトムディッシュやウェルプレートなどの 器が配置され、ユーザは、操作部12を操作 て、標本を適切に観察できるように電動ス ージ21を移動させる。なお、以下、電動ステ ージ21の移動方向について、顕微鏡11の左右 向をx軸方向、前後方向をy軸方向、上下方向 をz軸方向と定義する。

 また、カメラ14は、顕微鏡11の視野内の標 本を被写体として撮像し、その結果得られた 画像(以下、観察画像と称する)をパーソナル ンピュータ15に供給する。そして、パーソ ルコンピュータ15は、カメラ14からの観察画 を観察モニタ16に供給して表示させる。こ により、ユーザは観察モニタ16に表示される 観察画像を見ることで、顕微鏡11の視野内に る標本を観察することができる。

 コントローラ13は、操作部12を操作するこ とによりユーザが登録した、タイムラプス観 察における標本の観察位置を示す観察位置情 報を記録する。コントローラ13は、記録した 察位置情報をパーソナルコンピュータ15に 給する。

 パーソナルコンピュータ15は、コントロ ラ13から供給された観察位置情報を記録し、 この観察位置情報に基づいて、タイムラプス 観察のための制御を行う。すなわち、パーソ ナルコンピュータ15は、記録している観察位 情報に基づいて、一定の時間間隔でコント ーラ13に、登録された観察位置への電動ス ージ21の移動を指示する。そして、コントロ ーラ13は、パーソナルコンピュータ15の指示 応じて、登録された観察位置に電動ステー 21を移動させ、パーソナルコンピュータ15は 観察位置における標本の画像をカメラ14か 取得して記録する。

 なお、以下、顕微鏡11は、正立型の顕微 であり、カメラ14は、電動ステージ21の上方 ら標本を撮影するものとする。

 図2は、パーソナルコンピュータ15が、所 の制御プログラムを実行することにより実 される胚観察部51の機能的構成の例を示す ロック図である。

 胚観察部51は、画像取得部61、観察部62お び評価部63を含むように構成され、胚の生 を観察し、胚の生育状態を評価する機能を 現する。

 画像取得部61は、観察部62からの指令に基 づいて、カメラ14を制御し、電動ステージ21 に標本として設置されている卵(受精卵)を撮 影させる。画像取得部61は、カメラ14により 影された卵の観察画像を取得し、観察部62に 供給する。

 観察部62は、卵検出部71、垂直方向卵割検 出部72、水平方向卵割検出部73、および、細 認識部74を含むように構成され、卵および卵 内の胚を時系列に撮影した観察画像に基づい て、胚の卵割を検出し、胚内の各細胞の分裂 を追跡する。

 卵検出部71は、画像取得部61を介して、観 察画像をカメラ14から取得する。卵検出部71 、図4などを参照して後述するように、取得 た観察画像内の卵の検出処理を行う。卵検 部71は、観察画像内の卵の位置を示す情報 および、卵の検出に用いた観察画像を垂直 向卵割検出部72に供給する。

 垂直方向卵割検出部72は、図5などを参照 て後述するように、胚内の細胞が垂直方向 分裂する場合の卵割の検出処理を行う。垂 方向卵割検出部72は、検出結果に応じて、 および胚を垂直方向に分割する卵割境界面 設定する。また、垂直方向卵割検出部72は、 設定した卵割境界面により卵を分割すること により単位領域を設定する。垂直方向卵割検 出部72は、設定した卵割境界面および単位領 を示す情報を水平方向卵割検出部73に供給 る。

 水平方向卵割検出部73は、画像取得部61を 介して、フォーカス位置が異なる複数の観察 画像をカメラ14から取得する。水平方向卵割 出部73は、図11などを参照して後述するよう に、取得した複数の観察画像に基づいて、単 位領域毎に、胚内の細胞が水平方向に分裂す る場合の卵割の検出処理を行う。水平方向卵 割検出部73は、検出結果に応じて、卵および を水平方向に分割する卵割境界面を設定す 。水平方向卵割検出部73は、観察画像にお る卵および胚の位置、並びに、垂直方向卵 検出部72および水平方向卵割検出部73により 定された卵割境界面の位置を示す情報を細 認識部74に供給する。また、水平方向卵割 出部73は、卵割の検出に用いた観察画像を細 胞認識部74に供給する。

 細胞認識部74は、設定された卵割境界面 基づいて、観察画像内の胚内の細胞を個々 認識する。細胞認識部74は、認識した各細胞 を一意に識別するために各細胞にラベルを割 り当てる。また、細胞認識部74は、取得した 察画像に基づいて、認識した各細胞の大き を検出する。細胞認識部74は、各細胞に割 当てたラベル、並びに、各細胞の位置およ 大きさを示す卵割情報を評価部63に供給する 。

 評価部63は、グレーディング部81および良 否判定部82を含むように構成され、細胞認識 74から取得した卵割情報に基づいて、胚の 育状態を評価する。

 グレーディング部81は、細胞認識部74から 取得した卵割情報を時系列に記録する。また 、グレーディング部81は、時系列に記録した 割情報に基づいて、胚の生育状態をグレー 分けするグレーディング処理を行う。グレ ディング部81は、グレーディング処理によ 算出したグレーディング値を良否判定部82に 供給する。

 良否判定部82は、グレーディング部81によ り算出されたグレーディング値に基づいて、 胚の良否を判定する。良否判定部82は、判定 果を示す情報を外部に出力する。

 次に、図3のフローチャートを参照して、 図1の観察システムにより実行される胚観察 理について説明する。なお、この処理は、 えば、電動ステージ21上に観察対象となる卵 が標本として設置され、ユーザが操作部12を 作することにより、コントローラ13を介し 、パーソナルコンピュータ15に胚観察処理の 実行の指令を入力したとき、開始される。な お、以下、人の受精卵を観察対象とする場合 の処理について説明する。

 ステップS1において、胚観察部51は、観察 画像を取得する。具体的には、卵検出部71は 観察画像を取得するように画像取得部61に 令する。カメラ14は、画像取得部61の制御の に、観察画像を撮影し、撮影した観察画像 、画像取得部61を介して卵検出部71に供給す る。

 ステップS2において、卵検出部71は、卵検 出処理を実行する。ここで、図4のフローチ ートを参照して、卵検出処理の詳細につい 説明する。

 ステップS21において、卵検出部71は、観察 像に分散フィルタを適用する。ここで、分 フィルタとは、所定の大きさのフィルタ窓 の輝度の分散を算出するフィルタである。 って、分散フィルタは、フィルタ窓内に何 かの物体が存在し、その物体の輝度のバラ キが大きいほど大きな値を返し、フィルタ 内に何も存在しなければ0を返す。
卵検出部71は、観察画像の全ての領域に分散 ィルタを適用する。

 ステップS22において、卵検出部71は、観 画像を二値化する。すなわち、卵検出部71は 、分散フィルタを施した後の観察画像の各画 素の画素値を、所定の閾値を用いて二値化す る。これにより、観察画像内の物体が存在す る部分と存在しない部分とが区別して表示さ れる。

 ステップS23において、胚観察部51は、二 化画像に基づいて、観察画像内の物体を検 する。卵検出部71は、検出した物体を個々に 区別できるように、各物体にそれぞれ異なる ラベルを割り当てる。

 ステップS24において、卵検出部71は、検 した各物体の面積とモーメント(画像のモー ント)を算出する。

 ステップS25において、卵検出部71は、検 した物体の中から卵を選定する。具体的に 、卵検出部71は、各物体の面積とモーメント に基づいて、標準的な人の受精卵の大きさお よび形状に最も近い物体を卵として選定する 。卵検出部71は、観察画像内の卵の位置を示 情報、および、画像処理を施す前の観察画 を垂直方向卵割検出部72に供給する。その 、卵検出処理は終了する。

 図3に戻り、ステップS3において、垂直方 卵割検出部72は、垂直方向卵割検出処理を 行する。ここで、図5のフローチャートを参 して、垂直方向卵割検出処理の詳細につい 説明する。

 ステップS41において、垂直方向卵割検出 72は、観察画像のノイズを除去する。すな ち、垂直方向卵割検出部72は、卵検出部71か 取得した観察画像に、ローパスフィルタを 用し、高調波成分のノイズを除去する。

 ステップS42において、垂直方向卵割検出 72は、観察画像のエッジを抽出する。例え 、垂直方向卵割検出部72は、観察画像に二次 微分フィルタを適用することにより、観察画 像のエッジを抽出する。

 ステップS43において、垂直方向卵割検出 72は、観察画像を二値化する。すなわち、 直方向卵割検出部72は、エッジ抽出を行った 後の観察画像の各画素の画素値を、所定の閾 値を用いて二値化する。これにより、観察画 像内のエッジ部分とエッジ以外の部分とが区 別して表示される。

 ステップS44において、垂直方向卵割検出 72は、二値化画像に基づいて、胚の外周を 出する。具体的には、垂直方向卵割検出部72 は、二値化画像に基づいて、卵検出部71によ 検出された観察画像の卵内の領域において 抽出されたエッジにより囲まれた物体を胚 して認識し、エッジの外枠の部分を、胚の 周(細胞膜)として認識する。

 ステップS45において、垂直方向卵割検出 72は、胚の外周の極座標を算出する。例え 、図6に示されるように、左側の卵101内の胚1 02が、右側に示されるように、細胞C1と細胞C2 に卵割した場合について考える。なお、図6 、卵101を上から見た図である。

 垂直方向卵割検出部72は、胚102の中心Oを め、胚102の外周の各点の座標を、中心Oを中 心とする極座標(θ,r)により表す。図7は、図6 右側の胚102の外周の極座標のグラフであり 横軸が偏角θ、縦軸が動径rを示している。

 ステップS46において、垂直方向卵割検出 72は、胚の外周の極座標の微分波形に基づ て、胚の外周のへこみを検出する。具体的 は、垂直方向卵割検出部72は、胚の外周の極 座標を偏角θにより微分した微分波形(以下、 極座標微分波形と称する)を求める。例えば 図7の胚の外周の極座標の波形は、図6の右側 の胚102の外周の各へこみの頂点DP1および頂点 DP2における偏角θ1および偏角θ2において極小 となる。従って、例えば、偏角θ1の近傍の極 座標微分波形は、図8に示されるように、偏 θ1の少し前の偏角θaで極小となった後、偏 θ1で0になり、偏角θ1の少し後の偏角θbで極 となる。

 垂直方向卵割検出部72は、極座標微分波 において、所定の偏角θの範囲内(例えば、5 以内)で値が極小から極大となり、かつ、そ の極小値と極大値の絶対値がともに所定の閾 値以上となる区間を抽出する。そして、垂直 方向卵割検出部72は、抽出した区間において 極座標微分波形が0になる偏角θに対応する の外周上の点およびその近傍を、胚の外周 へこみとして検出する。なお、抽出した区 内において、極座標微分波形が0になる偏角 θが複数存在する場合、例えば、その区間の 心に最も近い偏角θに対応する胚の外周上 点およびその近傍が、胚の外周のへこみと て検出される。例えば、図6の右側の胚102の 合、図9に示されるように、頂点DP1およびそ の近傍がへこみD1として検出され、頂点DP2お びその近傍がへこみD2として検出される。

 ステップS47において、垂直方向卵割検出 72は、検出したへこみの数が1より大きいか かを判定する。検出したへこみの数が1より 大きいと判定された場合、処理はステップS48 に進む。

 ステップS48において、垂直方向卵割検出 72は、胚の外周のへこみの位置と数に応じ 、垂直方向の卵割境界面を設定する。例え 、図9に示される例の場合、垂直方向卵割検 部72は、頂点DP1と頂点DP2を結ぶ境界線L1を通 りz軸に平行な面、すなわち、境界線L1を通り 卵101および胚102を垂直方向に分割する面を、 卵割境界面に設定する。

 また、例えば、図10に示されるように、 102の細胞C1が細胞C11と細胞C12に分裂し、細胞 C2が細胞C13と細胞C14に分裂し、胚102の外周に いて新たにへこみD11とへこみD12が検出され 場合、垂直方向卵割検出部72は、へこみD11 頂点DP11とへこみD12の頂点DP12を結ぶ境界線L11 を通りz軸に平行な面、すなわち、境界線L11 通り卵101および胚102を垂直方向に分割する を、新たに卵割境界面に設定する。

 ステップS49において、垂直方向卵割検出 72は、卵割境界面に基づいて単位領域を設 する。すなわち、垂直方向卵割検出部72は、 観察画像内の卵が写っている領域を、設定し た卵割境界面により分割し、分割後の各領域 を単位領域に設定する。例えば、図9の例の 合、卵101は、境界線L1を通る卵割境界面によ り、単位領域R1と単位領域R2に分割される。 た、例えば、図10の例の場合、卵101は、境界 線L1を通る卵割境界面および境界線L11を通る 割境界面により、単位領域R11乃至R14に分割 れる。垂直方向卵割検出部72は、設定した 割境界面および単位領域を示す情報を水平 向卵割検出部73に供給する。その後、垂直方 向卵割検出処理は終了する。

 一方、ステップS47において、検出したへ みの数が1以下であると判定された場合、処 理はステップS50に進む。

 ステップS50において、垂直方向卵割検出 72は、垂直方向の卵割は発生していないと 定する。そして、垂直方向卵割検出部72は、 観察画像内の卵が写っている領域全体を単位 領域に設定する。垂直方向卵割検出部72は、 定した単位領域を示す情報を水平方向卵割 出部73に供給する。その後、垂直方向卵割 出処理は終了する。

 図3に戻り、ステップS4において、胚観察 51は、水平方向卵割検出処理を実行する。 こで、図11のフローチャートを参照して、水 平方向卵割検出処理の詳細について説明する 。

 ステップS71において、胚観察部51は、フ ーカス位置が異なる観察画像を複数取得す 。具体的には、水平方向卵割検出部73は、観 察画像の取得を画像取得部61に指令する。画 取得部61は、電動ステージ21をz軸方向に所 の間隔で移動させながら、各位置において カメラ14に観察画像を撮影させる。これによ り、卵(胚)の深さ方向(z軸方向)のフォーカス 置が異なる複数の観察画像が撮影される。 メラ14は、撮影した複数の観察画像を、画 取得部61を介して水平方向卵割検出部73に供 する。

 ステップS72において、水平方向卵割検出 73は、未処理の単位領域を1つ選択し、注目 域に設定する。

 ステップS73において、水平方向卵割検出 73は、注目領域内の検出パラメータを算出 る。例えば、水平方向卵割検出部73は、各観 察画像ごとに、注目領域内のコントラスト値 の総和、または、注目領域内の輝度の微分値 の総和を、検出パラメータとして算出する。

 ステップS74において、水平方向卵割検出 73は、検出パラメータが極大となり、かつ 閾値以上となるフォーカス位置を抽出する 具体的には、水平方向卵割検出部73は、カメ ラ14のフォーカス位置に対する注目領域にお る検出パラメータの分布を求める。水平方 卵割検出部73は、求めた分布において、検 パラメータが極大となり、かつ、所定の閾 以上となるフォーカス位置を抽出する。

 ここで、図12を参照して、ステップS73お びS74の処理の具体例について説明する。な 、図12は、卵151を横から見た図であり、垂直 方向がz軸方向である。また、図12の方向から 見て、卵151内の胚152は、細胞C51および細胞C52 に分裂しており、垂直方向の卵割境界面は設 定されていない。なお、図12の実線の丸で囲 れた部分は、胚152の外周の水平方向の広が が極大となる部分を示している。

 上述したように、電動ステージ21をz軸方 に移動させながら観察画像を撮影すること より、胚152の深さ方向にフォーカス位置が なる複数の観察画像が得られる。胚152は半 明で丸みを帯びた形状をしているため、電 ステージ21の上方から胚152を撮影した場合 カメラ14のフォーカス位置が、胚152の水平方 向の幅が極大となる位置F51またはF52と一致す るとき、観察画像における胚152の外周のボケ が極小となり、カメラ14のフォーカス位置が 152に対して適切になる。

 上述した2種類の検出パラメータは、いず れも観察画像内の被写体へのフォーカスの合 い具合を表すパラメータである。従って、注 目領域のz軸方向(胚の深さ方向)において、検 出パラメータが極大となり、かつ、閾値以上 となるカメラ14のフォーカス位置を抽出する とにより、胚152の水平方向の幅が極大とな 位置F51およびF52(以下、フォーカス位置F51お よびフォーカス位置F52と称する)を検出する とができる。

 ステップS75において、水平方向卵割検出 73は、抽出したフォーカス位置の数が1を超 るか否かを判定する。抽出したフォーカス 置の数が1を超えると判定された場合、処理 はステップS76に進む。

 ステップS76において、水平方向卵割検出 73は、抽出したフォーカス位置に基づいて 注目領域における胚の分割位置を設定する 例えば、図12の例のように、胚152が上下に分 割している場合、細胞C51と細胞C52の境界にお いてへこみが生じる。そのへこみの位置は、 細胞C51の水平方向の幅が極大となるフォーカ ス位置F51と、細胞C52の水平方向の幅が極大と なるフォーカス位置F52の間に存在する。そこ で、水平方向卵割検出部73は、検出されたフ ーカス位置F51とF52の間において卵割が発生 ていると判定し、z軸方向においてフォーカ ス位置F51とF52の中央にある位置D51を胚152の分 割位置に設定する。その後、処理はステップ S81に進む。

 一方、ステップS75において、抽出したフ ーカス位置の数が1以下であると判定された 場合、処理はステップS77に進む。

 ステップS77において、水平方向卵割検出 73は、検出パラメータが最大となるフォー ス位置を検出する。

 ステップS78において、水平方向卵割検出 73は、検出したフォーカス位置が、初期ベ トフォーカス位置よりカメラ14に近い位置に あるか否かを判定する。なお、初期ベストフ ォーカス位置とは、胚が水平方向に卵割して いない場合に、胚の水平方向の幅が最大とな り、カメラ14のフォーカスが最も適切になる 想定される位置であり、胚の高さの方向(z 方向)の中央に設定される。水平方向卵割検 部73が、検出したフォーカス位置が、初期 ストフォーカス位置から所定の距離以上カ ラ14に近い位置にあると判定した場合、処理 はステップS79に進む。

 ステップS79において、水平方向卵割検出 73は、初期ベストフォーカス位置を、注目 域における胚の分割位置に設定する。その 、処理はステップS81に進む。

 ここで、図13および図14を参照して、ステ ップS77乃至S79の処理の具体例について説明す る。図13は、卵161を横から見た図であり、垂 方向がz軸方向である。なお、図13の方向か 見て、卵161内の胚162は、細胞C61乃至C63の3つ の細胞に分裂している。また、卵161において 、垂直方向卵割検出処理により、卵割境界面 Bv61が設定され、単位領域R61と単位領域R62が 定されている。さらに、初期ベストフォー ス位置BF61は、胚162の高さ方向の中央に設定 れる。

 卵161を上方向から撮影した場合、細胞C61 よび細胞C62により、細胞C63が隠れてしまう め、細胞C63の外周のエッジの検出が困難に る。その結果、水平方向の卵割を見逃して まう恐れがある。なお、図中、胚162の外周 水平方向の広がりが極大となる部分のうち 実線の丸で囲まれた部分は、上方向から観 できる部分を示し、点線の丸で囲まれた部 は、上方向からの観察が困難な部分を示し いる。

 一方、この場合、単位領域R61において、 162の水平方向の外周が最大となり、検出パ メータが最大となるフォーカス位置F61が、 期ベストフォーカス位置BF61よりカメラ14に い位置となる。従って、水平方向卵割検出 73は、フォーカス位置F61が初期ベストフォ カス位置BF61よりカメラ14に近い位置にある とにより、単位領域R61において水平方向の 割が発生しており、下に細胞が隠れている 判定し、単位領域R61における分割位置を、 期ベストフォーカス位置BF61に設定する。

 単位領域R62についても同様に、水平方向 割検出部73は、フォーカス位置F62が初期ベ トフォーカス位置BF61よりカメラ14に近い位 にあることにより、単位領域R62において水 方向の卵割が発生しており、下に細胞が隠 ていると判定し、単位領域R62における分割 置を、初期ベストフォーカス位置BF61に設定 る。

 また、図14は、卵171を横から見た図であ 、垂直方向がz軸方向である。なお、図14の 向から見て、卵171内の胚172は、細胞C71乃至C7 4の4つの細胞に分裂している。また、卵171に いて、垂直方向卵割検出処理により、卵割 界面Bv71が設定され、単位領域R71と単位領域 R72が設定されている。なお、図中、胚172の外 周の水平方向の広がりが極大となる部分のう ち、実線の丸で囲まれた部分は、上方向から 観察できる部分を示し、点線の丸で囲まれた 部分は、上方向からの観察が困難な部分を示 している。

 この場合、単位領域R71については、フォ カス位置F71,F72の2つのフォーカス位置が抽 されるため、ステップS76において、z軸方向 おいてフォーカス位置F71とフォーカス位置F 72の中央にある位置D71が分割位置に設定され 。

 一方、単位領域R72については、上方向か 撮影した場合、細胞C73により細胞C74が隠れ しまい、細胞C74の外周のエッジが困難であ 、フォーカス位置F73のみ抽出される。しか 、フォーカス位置F73は、初期ベストフォー ス位置BF71よりカメラ14に近いため、ステッ S79の処理において、初期ベストフォーカス 置BF71が、単位領域R72における分割位置に設 定される。

 図10に戻り、一方、ステップS78において 検出したフォーカス位置が、初期ベストフ ーカス位置よりカメラ14に近い位置にないと 判定された場合、処理はステップS80に進む。

 ステップS80において、水平方向卵割検出 73は、注目領域において、水平方向の卵割 発生していないと判定する。その後、処理 ステップS81に進む。

 ステップS81において、水平方向卵割検出 73は、全ての単位領域を処理したか否かを 定する。まだ処理していない単位領域があ と判定された場合、処理はステップS72に戻 、ステップS81において、全ての単位領域を 理したと判定されるまで、ステップS72乃至S8 1の処理が繰り返し実行される。これにより 全ての単位領域において、z軸方向の分割位 を設定する処理が実行される。

 一方、ステップS81において、全ての単位 域を処理したと判定された場合、処理はス ップS82に進む。

 ステップS82において、水平方向卵割検出 73は、設定した分割位置の数と位置に応じ 、水平方向の卵割境界面を設定する。例え 、図12の例の場合、分割位置D51を通り、胚152 を水平方向に分割する面が、卵割境界面に設 定される。また、例えば、図13の例の場合、 割位置である初期ベストフォーカス位置BF61 を通り、胚162を水平方向に分割する面が、卵 割境界面に設定される。さらに、例えば、図 14の例の場合、単位領域R71については、分割 置D71を通り、胚172を水平方向に分割する面 、卵割境界面に設定され、単位領域R72につ ては、分割位置である初期ベストフォーカ 位置BF71を通り、胚172を水平方向に分割する 面が、卵割境界面に設定される。

 水平方向卵割検出部73は、観察画像にお る卵および胚の位置、並びに、垂直方向卵 検出部72および水平方向卵割検出部73により 定された卵割境界面の位置を示す情報を細 認識部74に供給する。なお、このとき、水 方向卵割検出部73は、初期ベストフォーカス 位置に基づいて設定した卵割境界面と他の卵 割境界面とを区別して、細胞認識部74に通知 る。また、水平方向卵割検出部73は、画像 理を施す前の、フォーカス位置が異なる複 の観察画像を細胞認識部74に供給する。その 後、水平方向卵割検出処理は終了する。

 図3に戻り、ステップS5において、細胞認 部74は、細胞認識処理を実行する。ここで 図15のフローチャートを参照して、細胞認識 処理の詳細について説明する。

 ステップS101において、細胞認識部74は、 割境界面に基づいて、胚内の各細胞を認識 る。具体的には、細胞認識部74は、観察画 に写っている胚を、垂直方向および水平方 の卵割境界面に基づいて分割することによ 、胚内の細胞の数および位置を認識する。

 また、細胞認識部74は、認識した各細胞 一意に識別するためにラベルを割り当てる なお、細胞認識部74は、所定の間隔で胚内の 各細胞の認識処理を行っており、胚内の各細 胞の分裂を追跡することが可能であり、胚内 の各細胞がどの細胞から分裂したかを把握す ることができる。そこで、細胞認識部74は、 細胞が同じ細胞を容易に認識できるように ベルを割り当てる。

 例えば、上述した図9の例の場合、細胞認 識部74は、細胞C1および細胞C2に、それぞれ異 なる2進数のラベル0000およびラベル1000を割り 当てる。そして、胚102が、図9に示される状 から図10に示される状態に変化した場合、細 胞認識部74は、細胞C11にはラベル0000を割り当 て、細胞C12にはラベル0100を割り当て、細胞C1 3にはラベル1000を割り当て、細胞C14にはラベ 1100を割り当てる。すなわち、細胞C11と細胞 C12のラベルは、同じ親細胞C1から分裂したこ が分かるように、1桁目が同じ値0に設定さ 、2桁目が異なる値0または1に設定される。 た、細胞C13と細胞C14のラベルは、細胞C11と 胞C12の親細胞C1とは異なる親細胞C2から分裂 たことが分かるように、1桁目が同じ値1に 定され、2桁目が異なる値0または1に設定さ る。

 なお、細胞のラベリングの方法は、この 法に限定されるものではなく、各細胞を一 に識別でき、かつ、各細胞の親細胞を容易 識別できる方法を適用すればよい。

 ステップS102において、細胞認識部74は、 平方向卵割検出部73から取得した複数の観 画像に二次微分フィルタを適用し、各観察 像のエッジを抽出する。

 ステップS103において、細胞認識部74は、 細胞の大きさを求める。具体的には、細胞 識部74は、エッジを抽出した各観察画像に づいて、ステップS101において認識した各細 の形状をより詳細に認識し、各細胞の大き を求める。細胞認識部74は、各細胞に割り てたラベル、並びに、各細胞の位置および きさを示す卵割情報をグレーディング部81に 供給する。グレーディング部81は、卵割情報 取得した時刻とともに記録する。その後、 胞認識処理は終了する。

 図3に戻り、ステップS6において、グレー ィング部81は、胚のグレーディングを行う イミングであるか否かを判定する。胚のグ ーディングを行うタイミングでないと判定 れた場合、処理はステップS7に進む。なお、 胚のグレーディングを行うタイミングとして は、例えば、胚観察処理を開始してから所定 の時間が経過したタイミング、前回グレーデ ィングを行った時点から所定の時間が経過し たタイミング、一世代前の細胞の分裂が開始 されてから所定の時間が経過したタイミング 、一世代前の全ての細胞の分裂が終了したタ イミングなどが考えられる。

 ステップS7において、卵検出部71は、卵割 の検出を行うタイミングであるか否かを判定 する。卵割の検出を行うタイミングでないと 判定された場合、処理はステップ6に戻り、 テップS6において、胚のグレーディングを行 うタイミングであると判定されるか、ステッ プS7において、卵割の検出を行うタイミング あると判定されるまで、ステップS6およびS7 の処理が繰り返し実行される。なお、卵割の 検出を行うタイミングは、例えば、所定の時 間間隔ごとに設定される。

 一方、ステップS7において、卵割の検出 行うタイミングであると判定された場合、 理はステップS1に戻り、ステップS6において 胚のグレーディングを行うタイミングであ と判定されるまで、ステップS1乃至S7の処理 が繰り返し実行される。

 また、ステップS6において、胚のグレー ィングを行うタイミングであると判定され 場合、処理はステップS8に進む。

 ステップS8において、グレーディング部81 は、グレーディング処理を実行する。ここで 、図16のフローチャートおよび図17を参照し 、グレーディング処理の詳細について説明 る。

 まず、図17を参照しながら、正常な胚と 常な胚の違いについて説明する。図17は、人 の受精卵の卵割の様子を模式的に示す図であ る。卵割前の胚を第0世代とすると、第0世代 胚が分裂することにより、第1世代の2つの 胞が生成される。そして、第1世代の各細胞 それぞれ2つに分裂し、第2世代の4つの細胞 生成され、第2世代の各細胞がそれぞれ2つ 分裂し、第3世代の8つの細胞が生成され、第 3世代の各細胞がそれぞれ2つに分裂し、第4世 代の16個の細胞が生成される。すなわち、胚 の各細胞はそれぞれ2つに分裂し、世代を重 ねるごとに、胚内の細胞の数は2倍ずつ増え いく。

 正常な胚においては、同じ世代の細胞が 裂するスピードはほぼ同じであり、ほぼ同 タイミングで分裂する。従って、図17に示 れるような細胞の系統図を時系列に沿って 成した場合、系統図はほぼ左右対称に伸び いき、卵割が行われているタイミングを除 て、胚内には同じ世代の細胞のみ存在する また、正常な胚においては、同じ世代の細 の大きさはほぼ同じになる。従って、卵割 行われているタイミングを除いて、胚内の 胞の大きさはほぼ均等になる。

 一方、異常な胚においては、同じ世代の 胞が分裂するスピードがばらついたり、一 の細胞の分裂が停止したりする。従って、 17に示されるような細胞の系統図を時系列 沿って作成した場合、系統図が左右対称に びていかず、胚内には異なる世代の細胞が 在する。また、異常な胚においては、同じ 代の細胞の大きさに差が生じる。従って、 内の細胞の大きさは、均等にはならずバラ キが生じる。

 図16のグレーディング処理においては、 の正常な胚と異常な胚の特徴の違いに基づ て、胚のグレーディングを行う。

 ステップS121において、グレーディング部 81は、一世代前の細胞が分裂に要した時間に づいてグレーディングを行う。具体的には グレーディング部81は、記録している卵割 報に基づいて、一世代前の各細胞が、現在 世代の細胞に分裂するのに要した時間(以下 分裂時間と称する)を算出する。そして、グ レーディング部81は、一世代前の各細胞の分 時間に基づいて、換言すれば、一世代前の 細胞が分裂したスピードに基づいて、現時 の胚のグレーディング値Aを求める。グレー ディング値Aは、例えば、一世代前の各細胞 分裂時間が全て正常な範囲内に入っている 合、すなわち、一世代前の各細胞の分裂ス ードが全て正常である場合、最も小さくな 、分裂時間が正常な範囲に入っていない細 の数が多いほど、また、正常な分裂時間と 差が大きくなるほど、大きくなる。

 ステップS122において、グレーディング部 81は、細胞の大きさに基づいてグレーディン を行う。具体的には、グレーディング部81 、卵割情報に基づいて、胚内においてフラ メンテーションと認められる大きさの細胞 割合を算出する。そして、グレーディング 81は、算出した割合に基づいて、現時点の胚 のグレーディング値Bを求める。グレーディ グ値Bは、例えば、フラグメンテーションと められる大きさの細胞の割合が小さいほど 小さくなり、割合が大きいほど、大きくな 。なお、細胞の大きさとは、面積に基づく の、あるいは形状に基づくものなどを指し いる。

 ステップS123において、グレーディング部 81は、一世代前の細胞が分裂に要した時間の 散値や平均値などの統計量に基づいてグレ ディングを行う。具体的には、グレーディ グ部81は、卵割情報に基づいて、一世代前 各細胞の分裂時間の分散値や平均値などの 計量を算出する。そして、グレーディング 81は、一世代前の各細胞の分裂時間の分散値 に基づいて、現時点の胚のグレーディング値 Cを求める。グレーディング値Cは、例えば、 世代前の各細胞の分裂時間の分散値が小さ ほど、小さくなり、分散値が大きいほど、 きくなる。

 ステップS124において、グレーディング部 81は、現在の世代の各細胞の大きさの分散値 平均値などの統計量に基づいてグレーディ グを行う。具体的には、グレーディング部8 1は、卵割情報に基づいて、現在の世代の各 胞の大きさの分散値や平均値などの統計量 算出する。そして、グレーディング部81は、 現在の世代の各細胞の大きさの分散値に基づ いて、現時点の胚のグレーディング値Dを求 る。グレーディング値Dは、例えば、現在の 代の各細胞の大きさの分散値が小さいほど 小さくなり、分散値が大きいほど、大きく る。

 ステップS125において、グレーディング部 81は、グレーディング値を積算する。具体的 は、グレーディング部81は、これまでの胚 グレーディング値の積算値に、今回のグレ ディング処理により算出したグレーディン 値A乃至Dを積算する。グレーディング部81は 積算したグレーディング値を良否判定部82 供給する。その後、グレーディング処理は 了する。

 また、グレーディング部81は、ユーザの 定によりグレーディング値A乃至Dのうち、適 宜2つ以上のグレーディング値を選び、積算 てもよい。さらにまた、グレーディング部81 は、グレーディング値A乃至Dのうち1つを選択 し、出力してもよい。

 図3に戻り、ステップS9において、良否判 部82は、胚の良否を判定するタイミングで るか否かを判定する。胚の良否を判定する イミングでないと判定された場合、処理は テップS6に戻り、ステップS9において、胚の 否を判定するタイミングであると判定され まで、ステップS1乃至S9の処理が繰り返し実 行される。なお、胚の良否を判定するタイミ ングとしては、例えば、胚観察処理を開始し てから所定の時間が経過したタイミング、胚 のグレーディングを所定の回数行ったタイミ ング、胚内の細胞が所定の世代(例えば、第3 代あるいは第4世代)まで分裂したタイミン 、グレーディング値の積算値が所定の閾値 超えたタイミングなどが考えられる。

 一方、ステップS9において、胚の良否を 定するタイミングであると判定された場合 処理はステップS10に進む。

 ステップS10において、良否判定部82は、 の良否を判定する。例えば、良否判定部82は 、グレーディング値の積算値が所定の閾値未 満である場合、観察中の胚が正常であると判 定し、グレーディング値の積算値が所定の閾 値以上である場合、観察中の胚が異常である と判定する。良否判定部82は、判定結果を示 情報を外部に出力する。その後、胚観察処 は終了する。

 以上のように、胚内の各細胞の分裂を所 の時間間隔で追跡することにより、胚の生 状態をより正確に把握することができ、胚 良否を正確に判定することができる。また 複雑な画像処理や演算を行うことなく、簡 に胚の良否を判定することができる。

 なお、本発明は、胚が8分割または16分割 た時点で、良否判定を行うことを想定して る。

 また、胚の卵割の検出方法は、上述した 法に限定されるものではなく、他の検出方 を用いるようにしてもよい。ここで、図18 参照して、胚の卵割の検出方法の他の例に いて説明する。なお、図18には、図6と同じ 101が示されている。

 例えば、まず、胚102の外周を円近似した 201を求める。そして、胚102の外周が円201の 側に入り込んだ部分のうち、円201との距離 、極大となり、かつ、所定の閾値以上とな 点(いまの場合、頂点DP1および頂点DP2)を検 し、検出した点の近傍をへこみとして検出 るようにしてもよい。

 さらに、胚の良否の判定に用いるグレー ィング値の種類は、上述した例に限定され ものではなく、グレーディング値の種類を 減させたり、例えば、胚の外周がへこんで る位置の偏り、胚の分裂位置を示す境界線 長さの偏りなど、他の判定要素に基づくグ ーディング値を用いるようにしてもよい。

 上述した胚観察部51の一連の処理は、ハ ドウエアにより実行することもできるし、 フトウエアにより実行することもできる。 連の処理をソフトウエアにより実行する場 には、そのソフトウエアを構成するプログ ムが、専用のハードウエアに組み込まれて るコンピュータ、または、各種のプログラ をインストールすることで、各種の機能を 行することが可能な、例えば汎用のコンピ ータ(例えば、パーソナルコンピュータ15)な に、プログラム記録媒体からインストール れる。

 なお、コンピュータが実行するプログラ は、本明細書で説明する順序に沿って時系 に処理が行われるプログラムであっても良 し、並列に、あるいは呼び出しが行われた き等の必要なタイミングで処理が行われる ログラムであっても良い。

 また、本明細書において、システムの用 は、複数の装置、手段などより構成される 体的な装置を意味するものとする。

 さらに、本発明の実施の形態は、上述し 実施の形態に限定されるものではなく、本 明の要旨を逸脱しない範囲において種々の 更が可能である。

 11 顕微鏡, 13 コントローラ, 14 カメラ,  15 パーソナルコンピュータ, 21 電動ステ ジ, 51 胚観察部, 61 画像取得部, 62 観察 , 71 卵検出部, 72 垂直方向卵割検出部, 73 水平方向卵割検出部, 74 細胞認識部, 81 グ レーディング部, 82 良否判定部