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Patent Searching and Data


Title:
SEMICONDUCTOR DEVICE AND MULTILAYER WIRING BOARD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/026520
Kind Code:
A1
Abstract:
A gas or insulating material having an average relative dielectric constant of not more than 2.5 is interposed between a first wiring layer and a second wiring layer contained in a multilayer wiring structure. A conductive connector is arranged between a wire of the first wiring layer and a wire of the second wiring layer, and an insulated heat conductor having a relative dielectric constant of not more than 5 is arranged between a certain wire of the first wiring layer and a certain wire of the second wiring layer.

Inventors:
OHMI TADAHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/066478
Publication Date:
March 06, 2008
Filing Date:
August 24, 2007
Export Citation:
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Assignee:
UNIV TOHOKU NAT UNIV CORP (JP)
FOUND ADVANCEMENT INT SCIENCE (JP)
OHMI TADAHIRO (JP)
International Classes:
H05K3/46; H01L21/312; H01L21/768; H01L23/12; H01L23/522
Domestic Patent References:
WO2000074135A12000-12-07
Foreign References:
JP2006140326A2006-06-01
JPH0883797A1996-03-26
JPH09129725A1997-05-16
Other References:
See also references of EP 2059103A4
Attorney, Agent or Firm:
IKEDA, Noriyasu et al. (4-10 Nishishinbashi 1-chome, Minato-k, Tokyo 03, JP)
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Claims:
 半導体、導体、および絶縁体の少なくとも一つを含む基板上に多層配線構造を有する多層配線基板において、
 前記多層配線構造中の第1の配線層とその上の第2の配線層との間に比誘電率が平均して2.5以下の気体または絶縁物が介在し、前記第1の配線層における少なくとも一つの配線と前記第2の配線層における少なくとも一つの配線との間に導電接続体を設け、さらに前記第1の配線層における所定の配線と前記第2の配線層における所定の配線との間に比誘電率が5以下の絶縁物熱伝導体を設けたことを特徴とする多層配線基板。
 前記第1の配線層と前記第2の配線層との間に絶縁物が介在し、前記絶縁物熱伝導体の熱伝導率が該絶縁物の熱伝導率よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の多層配線基板。
 前記第1の配線層と前記第2の配線層との間に介在する絶縁物が炭素とフッ素とを含有する材料を含むことを特徴とする請求項2に記載の多層配線基板。
 前記第1の配線層と前記第2の配線層との間に介在する絶縁物が炭素と水素とを含有する材料を含むことを特徴とする請求項2に記載の多層配線基板。
 前記絶縁物熱伝導体が珪素、炭素および窒素を含有する材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の多層配線基板。
 前記絶縁物熱伝導体がSiCNを含むことを特徴とする請求項5に記載の多層配線基板。
 複数の半導体素子が形成された基板上に多層配線構造を有する半導体装置において、
 前記多層配線構造中の第1の配線層とその上の第2の配線層との間に比誘電率が平均して2.5以下の気体または絶縁物が介在し、前記第1の配線層における少なくとも一つの配線と前記第2の配線層における少なくとも一つの配線との間に導電接続体を設け、さらに前記第1の配線層における所定の配線と前記第2の配線層における所定の配線との間に比誘電率が5以下の絶縁物熱伝導体を設けたことを特徴とする半導体装置。
 前記第1の配線層と前記第2の配線層との間に絶縁物が介在し、前記絶縁物熱伝導体の熱伝導率が該絶縁物の熱伝導率よりも大きいことを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
 前記第1の配線層と前記第2の配線層との間に介在する絶縁物が炭素とフッ素とを含有する材料を含むことを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
 前記第1の配線層と前記第2の配線層との間に介在する絶縁物が炭素と水素とを含有する材料を含むことを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
 前記絶縁物熱伝導体が珪素、炭素および窒素を含有する材料を含むことを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
 前記絶縁物熱伝導体がSiCNを含むことを特徴とする請求項11に記載の半導体装置。
Description:
半導体装置および多層配線基板

 本発明は、IC、LSI等の多層配線構造を有 る半導体装置および半導体、導体、および 縁体の少なくとも一つを含む基板上に多層 線構造を有する多層配線基板に関するもの ある。

 ICやLSI等の半導体装置では、その中の各 素子の集積化に伴う配線の長さ及び面積の 加に対応するため、多層配線構造が用いら ている。そして、これらの半導体装置では 更なる高集積化に対応するため、配線パタ ンの微細化が進められ、配線断面積が小さ なる一方で、高速動作を実現するため、配 に流れる電流は増加する傾向にある。つま 、これらの半導体装置では、各配線に流れ 電流の密度が増大する傾向にある。

 各配線における電流密度の増加は、ジュ ル熱の発生量を増大させ、配線の劣化をは めとする種々の問題を招くため、配線に発 した熱を効率よく取り除く必要がある。

 また、この種の半導体装置の動作速度は 配線の抵抗値Rと配線に起因する容量Cとの 、即ちRC時定数によって大きく制限される。 したがって、半導体装置の動作速度を高くす るには、配線の抵抗値Rを低減するだけでな 、容量Cを低減する必要がある。

 上記のような問題は、個別の多層配線構 半導体チップに存在するだけでなく、半導 チップを搭載した半導体パッケージの多層 線構造にも存在するし、また、多数の半導 装置を実装した多層配線構造を有する基板( 所謂プリント基板等)やその他の多層配線基 にも存在する。すなわち、いくら個別の半 体チップにおいて配線の熱を除去したり配 の抵抗値R、容量Cを下げて動作速度を早くし ても、パッケージや配線基板の多層配線構造 が熱対応不備のものだったり抵抗値R、容量C 大きければ、全体として動作速度が遅くな 、熱による問題が回避できないからである

 上記問題を解決すべく従来提案された多層 線構造には、層間絶縁膜として、SiO 2 や、Si 3 N 4 、あるいはポリイミド等の高分子材料を用い 、層間を電気的に接続するスルーホールのみ ならず、層間絶縁膜に形成された貫通孔に層 間絶縁膜よりも大きい熱伝導率を有する絶縁 物(AlN)を充填した熱ビアを設けることによっ 、層間伝熱を行うようにしたものがある(例 えば、特許文献1:特開平9-129725号公報参照)。

 また、従来提案された他の多層配線構造 は、信号伝送速度をさらに上昇させるため 、層間絶縁部の低誘電率化を目的として空 を層間絶縁に利用しているものがある(例え ば、特許文献2:国際公開WO00/74135参照。)。

特開平9-129725号公報

国際公開WO00/74135

 特許文献1および2で提案された多層配線構 では、熱ビアの材料として、熱伝導率の大 いAlN(およびSi 3 N 4 )が用いられている。しかしながら、AlNは、 の比誘電率が8.7(Si 3 N 4 は7.9)と非常に大きいため、層間絶縁に低誘 率の物質を用いたとしても平均の誘電率を 加させてしまうという問題点がある。

 そこで、本発明は、低比誘電率の熱ビア 提供し、もって層間絶縁の低誘電率化と高 伝導率化を同時に実現することができる多 配線構造を提供することを目的とする。

 本発明の他の目的は、多層配線構造の層 絶縁が低誘電率化と高熱伝導率化を同時に 現することができる多層配線基板を提供す ことである。

 本発明の更に他の目的は、低誘電率化と 熱伝導率化を同時に実現することができる 層配線構造を有する半導体装置を提供する とである。

 以下に、本発明の態様を記載する。

(第1の態様)
 本発明の第1の態様によれば、半導体、導体 、および絶縁体の少なくとも一つを含む基板 上に多層配線構造を有する多層配線基板にお いて、前記多層配線構造中の第1の配線層と の上の第2の配線層との間に比誘電率が平均 て2.5以下の気体または絶縁物が介在し、前 第1の配線層における少なくとも一つの配線 と前記第2の配線層における少なくとも一つ 配線との間に導電接続体を設け、さらに前 第1の配線層における所定の配線と前記第2の 配線層における所定の配線との間に比誘電率 が5以下の絶縁物熱伝導体を設けたことを特 とする多層配線基板が得られる。

(第2の態様)
 前記第1の態様による多層配線基板において 、前記第1の配線層と前記第2の配線層との間 絶縁物が介在する場合、前記絶縁物熱伝導 の熱伝導率は該絶縁物の熱伝導率よりも大 いことが好ましい。

(第3の態様)
 前記第2の態様による多層配線基板において 、前記第1の配線層と前記第2の配線層との間 介在する絶縁物は、炭素とフッ素とを含有 る材料層を含んでよい。この材料層は、た えば、フロロカーボン層を主体とする絶縁 が好ましい。

(第4の態様)
 前記第2の態様による多層配線基板において 、前記第1の配線層と前記第2の配線層との間 介在する絶縁物は、炭素と水素とを含有す 材料層を含んでよい。この材料層は、たと ば、ハイドロカーボン層を主体とする絶縁 や、フロロカーボン層およびハイドロカー ン層が混在する絶縁層が好ましい。

(第5の態様)
 前記第1~第4のいずれかの態様による多層配 基板において、前記絶縁物熱伝導体は、珪 、炭素および窒素を含有する材料を含んで く、例えば、SiCNを含む。

(第6の態様)
 本発明の第6の態様によれば、複数の半導体 素子が形成された基板上に多層配線構造を有 する半導体装置において、前記多層配線構造 中の第1の配線層とその上の第2の配線層との に比誘電率が平均して2.5以下の気体または 縁物が介在し、前記第1の配線層における少 なくとも一つの配線と前記第2の配線層にお る少なくとも一つの配線との間に所望の導 接続体を設け、さらに前記第1の配線層にお る所定の配線と前記第2の配線層における所 定の配線との間に比誘電率が5以下の絶縁物 伝導体を設けたことを特徴とする半導体装 が得られる。

(第7の態様)
 前記第6の態様による半導体装置において、 前記第1の配線層と前記第2の配線層との間に 縁物が介在する場合、前記絶縁物熱伝導体 熱伝導率が該絶縁物の熱伝導率よりも大き ことが好ましい。

(第8の態様)
 前記第7の態様による半導体装置において、 前記第1の配線層と前記第2の配線層との間に 在する絶縁物は、炭素とフッ素とを含有す 材料層を含んでよい。この材料層は、たと ば、フロロカーボン層を主体とする絶縁層 好ましい。

(第9の態様)
 前記第7の態様による半導体装置において、 前記第1の配線層と前記第2の配線層との間に 在する絶縁物は、炭素と水素とを含有する 料層を含んでよい。この材料層は、たとえ 、ハイドロカーボン層を主体とする絶縁層 、フロロカーボン層およびハイドロカーボ 層が混在する絶縁層が好ましい。

(第10の態様)
 前記第6~第9のいずれかの態様による半導体 置において、前記絶縁物熱伝導体は、珪素 炭素および窒素を含有する材料を含んでよ 、例えば、SiCNを含む。

 本発明によれば、前記第1の配線層と前記 第2の配線層との間に比誘電率が平均して2.5 下の気体または絶縁物を介在させるととも 、比誘電率が5以下の絶縁物熱伝導体を用い 熱ビアを形成するようにしたことで、低誘 率でかつ高熱伝導率の多層配線構造を実現 ることができる。

本発明が適用される半導体装置の概略 成を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る半導体 装置に用いられる層間絶縁膜の構成を示す断 面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る半導体 装置構成を示す部分断面図である。 図3に示した半導体装置の熱ビアの形 方法を説明するための図である。 図3に示した半導体装置の熱ビアの形 方法を説明するための図である。 図3に示した半導体装置の熱ビアの形 方法を説明するための図である。 図3に示した半導体装置の熱ビアの形 方法を説明するための図である。 図3に示した半導体装置の導電ビアの 成方法を説明するための図である。 図3に示した半導体装置の導電ビアの 成方法を説明するための図である。

 以下、図面を参照して本発明の実施の形 について詳細に説明する。

 本発明の第1の実施の形態に係る半導体装 置は、半導体領域を含む基板上に第1の配線 とその上の第2の配線層とを少なくとも有し いる。例えば、図1に示すように、シリコン 基板100上に形成された7層の配線層101~107と、 れらの間、最下層の配線層101と基板100との 、及び最上層の配線層107と放熱装置108との に配された層間絶縁膜109~116を有するもので あってよい。図1では、便宜上、配線層と層 絶縁膜との境界は図示を省略している。ま 、各配線層の左側に示した数値、各層間絶 膜の右側に示した数値は、それぞれ層厚、 厚の例を示す。配線層101の下側、配線層106 上側に示した数値は、それぞれ配線幅、配 ピッチの例を示す。

 ここで、半導体装置とは、電気回路や電 素子を一つの基板上に高密度に構成したも 、すなわち、トランジスタ、抵抗体、コン ンサ等を使って集積化したものを意味し、 体的には、ICやLSIである。

 基板としては、半導体素子を形成したシ コン基板のほかに、例えば、金属基板、一 の半導体基板、ガラスやプラスティックの うな絶縁体基板、あるいは絶縁体膜で被覆 れた後さらに半導体膜で被覆された金属基 、半導体膜で被覆された絶縁体基板等が利 できる。

 この基板は、導電性基板としての利用を可 にするため、少なくとも表面及び/又は裏面 を構成する材料(SiやGaAsなどの半導体材料)の 気伝導度を10 -8 (ω・cm) -1 以上とすることが望ましい。また、この基板 の表面及び/又は裏面は、その上に各種素子 どを作製することから、可能なかぎり平坦 面であることが好ましい。金属としては、Ta ,Ti,W,Co,Mo,Hf,Ni,Zr,Cr,V,Pd,Au,Pt,Mn,Nb,Cu,Ag,又はAlが ましい。半導体としては、Si,Ge,GaAs,又はC(ダ アモンド)が好ましい。半導体膜で被覆され た絶縁体としては、SiO 2 (酸化シリコン),SiN(窒化シリコン),AlN(窒化ア ミニウム),Al 2 O 3 (酸化アルミニウム),又はSiO x N y からなる混合膜が好ましい。絶縁体膜で被覆 された後さらに半導体膜で被覆された金属と しては、Ta,Ti,W,Co,Mo,Hf,Ni,Zr,Cr,V,Pd,Au,Pt,Mn,Nb,Cu,Ag ,又はAlが好ましい。

 半導体領域を含む基板上に少なくとも2つ の配線層を有する半導体装置の場合、第1の 線層及び第2の配線層の配線としては、金属 線やポリシリコン、ポリサイドが利用でき 。この配線に用いられる金属薄膜は、半導 表面との間に酸化物のような中間層をつく ないように、高真空での金属の蒸着やスパ タ、あるいは金属の塩化物などを用いた高 中でのCVD法により作製される。

 金属薄膜の材料としては、例えば、次に すものが挙げられる。

 Si半導体装置では、Al,Cr,W,Mo,Cu,Ag,Au,Ti,WSi 2 ,MoSi 2 ,TiSi 2 、又は、これらを主成分とする合金(例えば Cu-Mg合金、Cu-Nb合金、Cu-Al合金)、若しくは、 れらの材料が層状に積層された配線(例えば 、Al-Ti-Al、TiN-Al合金-TiN、W-Al合金-W)などがあ 。また、GaAs半導体装置では、Au,Al,Ni,Pt、又 、これらを主成分とする合金がある。

 特に、以下の理由から、Si半導体装置で 、Al,Cu,Ag,Au、又は、これらを主成分とする合 金が重用されている。

 (A)電極材料とオーミック接触になること、
 (B)絶縁膜(SiO 2 ,Si 3 N 4 ,Al 2 O 3 など)との密着性が良いこと、
 (C)導電率が大きいこと、
 (D)加工が容易で加工精度が高いこと、及び
 (E)化学的・物理的、さらに電気的にも安定 あること。

 また、本実施の形態に係る半導体装置は 第1の配線層と第2の配線層との間を電気的 絶縁する第1の絶縁物(層間絶縁膜)を有して る。もちろん、基板と第1の配線層との間や 線層と放熱装置108との間、3以上の配線層を 有する場合にそれらの配線層間にも、層間絶 縁膜は設けられる。

 第1の絶縁物は、図2に示すように、下地 201とその上に形成されたCF(フロロカーボン) 202とを有している。

 下地層は、例えば、SiCN膜、Si 3 N 4 膜、SiCO膜、SiO 2 膜、CH膜、またはそれらの組み合わせからな 多層膜である。これらの比誘電率は4以下で ある。特にSiCO膜の比誘電率は3以下、CH膜の 誘電率は2.5以下である。

 CF膜202は、例えば、反応ガスとしてフル ロカーボンガスをXe又はKrプラズマによって 解するCVDにより形成される。あるいは、CF 202はフルオロカーボンガスをArプラズマによ って分解するCVDにより形成される。あるいは 、これらのCVDを順次行うことにより2層構造 CF膜(図2の202a及び202b)とすることもできる。 お、Xe又はKrプラズマで形成したCF膜よりもA rプラズマにより形成したCF膜のほうが、その 比誘電率は低い。いずれにしても、その比誘 電率は2以下、1.7程度まで低くすることも可 である。

 フルオロカーボンガスとしては、一般式C n F 2n (但し、nは2~8の整数)もしくは、C n F 2n-2 (nは2~8の整数)で示される不飽和脂肪族フッ化 物を用いることができる。特に、オクタフル オロペンチン、オクタフルオロベンタジエン 、オクタフルオロシクロペンテン、オクタフ ルオロメチルブタジエン、オクタフルオロメ チルブチン、フルオロシクロプロペンもしく はフルオロシクロプロパンを含むフッ化炭素 、フルオロシクロブテンもしくはフルオロシ クロブタンを含むフッ化炭素等の一般式C 5 F 8 で示されるフルオロカーボンが好ましい。

 例えば、CF膜を2層構造とする場合、Xe又 Krプラズマにより、第1のCF膜を5~10nm形成し、 続いて、Arプラズマにより第2のCF膜を280~500nm 成する。

 また、CF膜の形成後、好ましくは、さらに ニールを行った後、Arガスによるプラズマに N 2 ガスを導入して窒素ラジカルを生成し(N 2 ガスのみによりプラズマを発生させ窒素ラジ カルを生成しても良い)、CF膜の表面(厚み1~5nm 、好ましくは2~3nm)を窒化することにより、こ のCF膜の表面からの脱ガスを低減するように てもよい。これによって、膜剥がれをなく 、比誘電率を1.7~2.2の範囲で制御することが できる。

 なお、アニールを行う場合は、不活性ガ 雰囲気下で、好ましくは1Torr(約133Pa)程度の 圧下で行う。

 CF膜の代わりに、またはCF膜に積層して、CH を用いても良い。CH膜は上記のように2.5以 の低比誘電率とすることができる。CH膜はC 2 H 2 やC 2 H 4 のようなC x H y ガスをAr等とともに導入しプラズマ化させてC VDで成膜される。

 さらに、層間絶縁膜は、形成したCF膜およ /またはCH膜の上面にSi 3 N 4 膜、SiCN膜、SiCO膜、CH膜、またはそれらの組 合わせからなる多層膜を形成したものであ てもよい。

 以上のように構成された層間絶縁膜の比 電率は、平均して(全体として)2.5以下とな ように形成される。

 なお、CF膜の熱伝導率は、0.13~0.21(W/mK)であ 、SiO 2 の10.7~6.2(W/mK)よりも2桁小さい。この熱伝導の 悪さを、後述の熱ビアにより解消する。

 層間絶縁膜には、その上下に位置する配 層の配線間(例えば、第1の配線層と第2の配 層との配線間)を電気的、熱的に接続するた めに貫通孔(図示せず)が形成されている。こ 貫通孔はビアホールとも呼ばれ、一般的に フォトエッチングと呼ばれる手法で作製で る。孔径は、上下に位置する配線の幅に基 いて決定される。この貫通孔は、電気的に 線間を接続するためのスルーホール、また 的に配線間を接続するためのダミーホール して利用される。

 スルーホール(導電接続体)は、層間絶縁 に形成された貫通孔の中に導電物質を充填 たものである。スルーホールは、第1の絶縁 によって電気的に分離された上下に位置す 配線の間の導通をとることが役目である。 たがって、スルーホールは回路形成上必要 位置に限って設けられるもので、任意の位 に設けることはできない。スルーホールは 知の方法により形成することができる。な 、スルーホールは、電気信号のみならず、 も伝達することができる。

 ダミーホール(絶縁性熱伝導体)は、層間 縁膜に形成された貫通孔の中に第1の絶縁物 りも大きな熱伝導率を有する第2の絶縁物を 充填したものである。ダミーホールは、第1 絶縁物によって電気的に分離された上下に 置する配線間において、一方の配線から他 の配線へ、第1の絶縁物よりも早く熱を伝達 ることができる。従って、ダミーホールを ビアとも呼称する。熱ビアを設けることに り、ある配線の温度が上昇した場合に、熱 迅速に他の配線へ伝達し、放熱を促して、 配線の異常な温度上昇を抑えることができ 。ダミーホールは絶縁物であるため、電気 号を伝達しない。したがって、ダミーホー は、任意の場所に設けることが可能である

 第2の絶縁物としては、SiCNが用いられる SiCNは、熱伝導率が約100W/mKと高く、層間絶縁 膜としてCF膜を用いても、十分な熱伝導を実 できる。また、SiCNの比誘電率は5以下(4.0程 )であり、層間絶縁膜の平均の比誘電率を大 きく上昇させることもない。

 SiCNは、例えば、SiH 4 /C 2 H 4 /N 2 を用いたプラズマ処理によって形成すること ができる。なお、シランガス(SiH 4 )/エチレン(C 2 H 4 )の代わりに、有機シランを用いることもで る。

 本実施の形態の半導体装置の最上層には 放熱装置108が設けられてもよい。放熱装置 、例えば、熱伝導率の大きな材料(例えば、 Ag,Cu,Au,Al,Ta,Mo)で作製された導電性膜やフィン 構造などである。

 以上の構成によれば、実質的な層間絶縁 の比誘電率を小さくして高速動作を保証し かつ、熱伝導率の高いSiCNで配線間の要所要 所にダミーホールを導入することにより、配 線の温度上昇を抑えて配線の信頼性を向上さ せることが可能となる。SiCNの代わりに、誘 率が5以下で、熱伝導率がCF膜やCH膜よりも高 い絶縁物を用いることができる。

 次に、本発明の第2の実施の形態について 説明する。

 図3に、本発明の第2の実施の形態に係る 導体装置の部分構成を示す。図示の半導体 置は、配線層間の層間絶縁膜が熱ビア(第1の 実施の形態におけるダミーホールに相当)を いて除去され、気体により層間絶縁が成さ ている多層配線構造の集積回路である。

 詳述すると、この半導体装置は、p型基板301 、CMOS構成用nウェル302、nMOSのソース領域303、 nMOSのドレイン領域304、nMOSのゲート絶縁膜305 nMOSのゲート電極306、nMOSのソース電極307、nM OSのドレイン電極308を含む。半導体装置はま 、pMOSのドレイン領域309、pMOSのソース領域31 0、pMOSのゲート絶縁膜312、pMOSのゲート電極311 、pMOSのソース電極313、pMOSのドレイン電極314 含む。半導体装置はさらに、素子分離領域( SiO 2 等)315、その上面側に形成された絶縁膜(SiO 2 等)316、p型基板301の裏面側に形成された裏面 極317、1層以上の金属配線318、導電ビア(第1 実施の形態のスルーホールに相当)319、及び 熱ビア320を含む。

 図3において、熱ビア320は、図の上下方向 に隣接する金属配線318間を接続するように示 されているが、構造強度を高めるために、図 の左右方向に隣接する金属配線318間をも接続 するようにしてもよい。

 図3の半導体装置は、金属配線としてCuを いる。Cu配線は、その抵抗率を低減するた 、ジャイアントグレイン構造とする。この 属配線と、気体を用いた層間絶縁により、 配線における信号遅延を1/8程度にすること できる。代表的な層間絶縁膜であるBPSG(Boron- doped Phospho-Silicate Glass)の比誘電率が4.0程度 あるのに対して、気体(望ましくは、熱伝導 の大きいHe)では、その比誘電率が1.0と低い らである。

 金属配線318及び導電ビア319は、その表面 図示しない窒化物(窒化チタン、窒化タンタ ル、あるいは窒化シリコン等)により覆われ いる。

 導電ビア319の挿入個所は、回路設計によ 決定される一方、熱ビア320は、任意位置に 入することが可能であり、構造的丈夫さと 線温度の上昇の程度等に基づいて挿入個所 決定される。

 次に、図3の半導体装置の製造方法につい て説明する。

 この半導体装置は、層間絶縁膜としてBPSG を有する半導体装置(半完成品)として製造さ た後、BPSGを除去することにより得ることが できる。したがって、半完成品の製造は、従 来の半導体装置と同様の方法により行われる 。熱ビアと導電ビアの形成は、以下のように 行われる。

 まず、熱ビアの形成方法について説明す 。

 図4Aに示すように、Cu(合金)配線401上に、Cu 線401の表面を安定化させる導電性窒化膜(TiN はTaN等)402、薄いSi 3 N 4 403、BPSG404、Si 3 N 4 405、及びビアホール形成用パターンとしての フォトレジスト406が順次形成されているもの とする。なお、Si 3 N 4 403、BPSG404及びSi 3 N 4 405が、層間絶縁膜に相当する。

 次に、バランスド・エレクトロン・ドリフ (BED)マグネトロンプラズマRIE装置で、C 4 F 8 /CO/O 2 /Arガスを用い、Si 3 N 4 403、BPSG404及びSi 3 N 4 405をエッチングすると、図4Bに示す状態とな 。エッチングの最終工程(Si 3 N 4 405の残りをエッチする工程)を、C 4 F 8 /CO/O 2 /Xe(又はKr)ガスを用いて行うことにより、導 性窒化膜402に与える表面損傷を十分小さく ることができる。

 次に、SiH 4 /C 2 H 4 /N 2 を用いたプラズマ処理により、図4Cに示すよ に、SiCN407,408を堆積させる。なお、シラン ス(SiH 4 )/エチレン(C 2 H 4 )の代わりに、有機シランを用いてもよい。

 続いて、IPA(30%程度)/KF(10%程度)/H 2 O溶液を用いて、0.5~3MHz程度のメガソニック超 音波を照射する処理を行うと、図4Dに示すよ に、フォトレジスト406がSi 3 N 4 405より剥離する。その結果、フォトレジスト 406上に堆積したSiCN408は、リフトオフにより 去される。なお、必要なら、CMP(Chemical Mechan ical Polishing)等の平坦化処理を行う。

 以上のようにして、BPSG404中に熱ビア(SiCN) 407を形成することができる。

 配線層間が空気の場合、空気の熱伝導率は 0.0241(W/mK)であり、SiO 2 の10.7~6.2(W/mK)より3桁小さい。しかしながら、 SiCNの熱伝導率は約100(W/mK)であり、配線層間 熱伝導を十分に行うことができる。しかも SiCNは、比誘電率が4程度なので、層間絶縁部 (空間)の平均の比誘電率を大きく増加させる ともない。

 次に、導電ビア及び配線を形成する工程 ついて説明する。導電ビア及び配線の形成 は、ダマシンあるいはデュアルダマシン工 が用いられる。配線には前述の通り、Cuが いられる。導電ビアには、Al又はAl合金を用 ることもできるが、ここでは、配線と同じC uを用いる場合について説明する。

 2段シャワープレートマイクロ波プラズマ装 置を用い、図4Bと同様に、Si 3 N 4 403、BPSG404及びSi 3 N 4 405にビアホールを形成する。

 次に、上記装置にて、基板電極の高周波電 をゼロにするとともに、導入するガスをHe/O 2 、Kr/O 2 、またはKr/H 2 Oなどに切り換え、RLSA(Radial Line Slot Antenna) 通してマイクロ波を印加する。これにより O * やOH * を大量に発生させて、表面及びビアホール壁 面に堆積した薄いフロロカーボン膜を除去す る。

 次に、Cuの拡散を抑制するための窒化膜をBP SG404のビアホール壁面に形成するため、NH 3 /Ar(又はKr)、あるいはN 2 /H 2 /Ar(またはKr)等のガスを流し、マイクロ波に り高密度プラズマを励起する。これにより 大量のNH * が発生し、図5Aに示すように、BPSG404のビアホ ール壁面の表面が5~20nm程度、Si 3 N 4 409に変わる。

 この状態で、Ar,Kr,Xe等の希ガスを1段目のシ ワープレートから供給し、Cuの供給源とな Cu(hgac)(tmvs)、Cu(hgac)(teovs)等をArキャリアガス ともに2段目のシャワープレートから供給す る。マイクロ波によるプラズマ励起は、1段 のシャワープレート直下数mmの距離のところ で行われ、2段目のシャワープレートは拡散 ラズマ領域に設置されているため、原料ガ は過度に分解されることはない。Ar + ,Kr + ,Xe + やAr * ,Kr * ,Xe * との衝突により、励起されたりイオン化され たりするものがほとんどであり、表面吸着後 イオン照射によりCu膜が堆積する。CuのCMPや リコンブロック表面に数μmのダイアモンド 膜形成を行った後、研磨用の溝パターンを けたダイアモンド研削面による研削を行っ 後、臭酸(COOH) 2 による洗浄を行うと、図5Bに示すようなCu410 埋め込まれた導電ビアが形成される。

 Cu410の周囲は、Si 3 N 4 409により覆われており、CuのBPSG404への拡散は 抑制される。

 なお、Cu410の表面に、TiNやTaNを熱CVDによ 5~10nm程度選択堆積させておくとその酸化を 止することができる。

 以上のようにして、層間絶縁膜としてBPSG を有し、BPSGの所定個所に熱ビア及び導電ビ が形成された半完成品が得られる。

 次に、少なくとも水分量を1ppmに低減したN 2 やArなどのガス中に無水のHFガスを1~7%添加し ガスを用いて、層間絶縁膜としてのBPSGのみ を選択的に取り除く。

 HF分子は、水に溶解して、SiO 2 をエッチングするHF 2 - イオンを発生させる。それゆえ、BPSGの除去 行う際には、ウェーハ表面に吸着している 分を少なくとも単分子層以下にまで除去し おく。例えば、水分量1ppm以下のN 2 ガス雰囲気下でウェーハをベーキング(200℃ 上、望ましくは300℃以上)する。その後は、B PSGとHFとの反応により発生する水(H 2 O)がウェーハ表面に吸着しないように、ウェ ハ温度を120~140℃に維持する。

 HFガスの濃度は、低すぎるとエッチング速 が遅くなりすぎ、高すぎるとSiO 2 等、BPSG以外の部分をエッチングし始める。

 配線はSi 3 N 4 ,TaN,TiNなどで覆われており、これら窒化物はH Fガスと反応しないので、配線がエッチング れることはない。

 以上のようにして、図3の半導体装置が製 造できる。

 以上、実施例を半導体装置の場合につい 説明したが、本発明は半導体、導体、およ 絶縁体の少なくとも一つを含む基板上に多 配線構造を有する多層配線基板全般に適用 きることは言うまでもない。