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Patent Searching and Data


Title:
SEMICONDUCTOR ELEMENT AND METHOD FOR MANUFACTURING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/093462
Kind Code:
A1
Abstract:
A semiconductor element wherein both high on-current and low off-current are achieved is provided. A method for manufacturing such semiconductor element is also provided. The semiconductor element is provided with a glass substrate (1); an island-shaped semiconductor layer (4) having a first region (4c), a second region (4a) and a third region (4c); a source region (5a) and a drain region (5b); a source electrode (6a); a drain electrode (6b); and a gate electrode (2) which controls conductivity of the first region (4c). An upper surface of the first region (4c) is positioned closer to the glass substrate (1) than upper surfaces of end sections on the side of the first region (4c) in the second region (4a) and the third region (4b). Distances of the semiconductor layer (4) in the thickness direction from the upper surfaces of the end sections of the second region (4a) and the third region (4b) to the upper surface of the first region (4c) are independently one or more times but not more than seven times the thickness of the first region (4b).

Inventors:
MORIGUCHI MASAO
SAITO YUICHI
KOHNO AKIHIKO
Application Number:
PCT/JP2009/000252
Publication Date:
July 30, 2009
Filing Date:
January 23, 2009
Export Citation:
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Assignee:
SHARP KK (JP)
MORIGUCHI MASAO
SAITO YUICHI
KOHNO AKIHIKO
International Classes:
H01L29/786; H01L21/205; H01L21/336
Foreign References:
JP2001127296A2001-05-11
JPH06196701A1994-07-15
JPH08148690A1996-06-07
Attorney, Agent or Firm:
OKUDA, Seiji (10th Floor Osaka Securities Exchange Bldg., 8-16, Kitahama 1-chome, Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 41, JP)
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Claims:
 基板と、
 前記基板に形成され、第1領域と、前記第1領域の両側にそれぞれ位置する第2領域および第3領域とを有する島状の活性層と、
 前記活性層の第2領域の上に接する第1コンタクト層および前記活性層の第3領域の上に接する第2コンタクト層と、
 前記第1コンタクト層を介して前記第2領域と電気的に接続された第1電極と、
 前記第2コンタクト層を介して前記第3領域と電気的に接続された第2電極と、
 前記第1領域に対して、ゲート絶縁膜を介して対向するように設けられたゲート電極であって、前記第1領域の導電性を制御するゲート電極と
を備えた半導体素子であって、
 前記第1領域の上面は、前記第2領域および前記第3領域のうち前記第1領域側の端部の上面よりも基板側に位置し、前記第2領域および前記第3領域の前記端部の上面から前記第1領域の前記上面までの、前記活性層の厚さ方向の距離は、互いに独立に、前記第1領域の厚さの1倍以上7倍以下である、半導体素子。
 少なくとも前記第1領域は、結晶粒およびアモルファス相を有する微結晶シリコン膜から形成される、請求項1に記載の半導体素子。
 前記微結晶シリコン膜のうち前記アモルファス相の体積分率は、5%以上40%以下である、請求項2に記載の半導体素子。
 前記距離は60nm以上140nm以下であって、前記第1領域の厚さは20nm以上60nm以下である、請求項2または3に記載の半導体素子。
 前記第2領域および前記第3領域のうち前記第1領域側の端部は、微結晶シリコンから形成される、請求項1から4のいずれかに記載の半導体素子。
 前記第2領域および前記第3領域のうち前記第1領域側の端部は、非晶質シリコンから形成される、請求項1から4のいずれかに記載の半導体素子。
 前記ゲート電極は、前記活性層と前記基板との間に配置されている、請求項1から6のいずれかに記載の半導体素子。
 前記ゲート電極は、前記活性層に対して、前記基板と反対側に配置されている、請求項1から6のいずれかに記載の半導体素子。
 前記活性層は、第1活性層と、中間層と、第2活性層とを基板側からこの順に有し、
 前記第1領域は前記第1活性層から形成され前記第2活性層を含まず、前記第2領域および前記第3領域は、前記第1活性層、前記中間層および前記第2活性層から形成されている、請求項1から8のいずれかに記載の半導体素子。
 前記第1活性層および前記第2活性層はシリコン層であり、
 前記中間層はシリコン酸化物から形成されている膜である、請求項9に記載の半導体素子。
 前記シリコン酸化物から形成されている膜の厚さは1nm以上3nm以下である、請求項10に記載の半導体素子。
 基板にゲート電極を形成する工程(a)と、
 前記ゲート電極の上を覆うゲート絶縁膜を形成する工程(b)と、
 前記ゲート絶縁膜の上に半導体層を形成する工程(c)と、
 前記半導体層の上に、不純物含有半導体層を形成する工程(d)と、
 前記不純物含有半導体層のうち前記ゲート電極の上に位置する部分と、前記半導体層のうち前記ゲート電極の上に位置する部分の上部とを除去することにより、前記半導体層のうち前記ゲート電極上に位置する部分を第1領域とする活性層を形成し、前記活性層のうち前記第1領域となる部分の厚さを他の部分よりも小さくする工程(e)とを包含し、
 前記第1領域の厚さを、前記半導体層の厚さの1/8以上1/2以下とする、半導体素子の製造方法。
 前記工程(c)は、前記ゲート絶縁膜側から、第1半導体層と、前記第1半導体層の上に位置する中間層と、前記中間層の上に位置する第2半導体層とをこの順に有する前記半導体層を形成する工程であり、
 前記工程(e)は、前記中間層のエッチングレートよりも前記第2半導体層のエッチングレートが高い条件で、少なくとも前記第2半導体層を除去する工程を含む、請求項12に記載の半導体素子の製造方法。
 前記工程(c)において、前記第1半導体層として、結晶粒およびアモルファス相を有する微結晶シリコン膜を形成し、前記第2半導体層として、微結晶シリコン膜または非晶質シリコン膜を形成する、請求項13に記載の半導体素子の製造方法。
 前記工程(c)は、前記第1半導体層に対して、酸素プラズマ処理、UV処理、またはオゾン処理を行うことにより、前記中間層として、前記第1半導体層の表面を酸化する工程を含む、請求項14に記載の半導体素子の製造方法。
 前記工程(c)は、前記ゲート絶縁膜側から、前記ゲート絶縁膜の上面に接する第1半導体層と、前記第1半導体層のうち少なくとも前記ゲート電極の上に位置する部分を覆うエッチングストッパー膜と、前記エッチングストッパー膜の上に位置する第2半導体層とをこの順に有する前記半導体層を形成する工程であり、
 前記工程(e)は、前記エッチングストッパー膜のエッチングレートよりも前記第2半導体層のエッチングレートが高い条件で、少なくとも前記第2半導体層を除去する工程を含む、請求項12に記載の半導体素子の製造方法。
 基板にゲート電極を形成する工程(a)と、
 前記ゲート電極の上を覆うゲート絶縁膜を形成する工程(b)と、
 前記ゲート絶縁膜の上に第1半導体膜を形成し、前記第1半導体膜のうち前記ゲート電極の上に位置する部分を除去することにより、前記ゲート電極上に溝部を有する第1半導体層を形成する工程(c)と、
 前記溝部を有する第1半導体層の上に第2半導体層を形成して、前記第1半導体層および前記第2半導体層から形成される活性層を形成する工程(d)とを包含し、
 前記第2半導体層の厚さを前記第1半導体層の厚さの1倍以上7倍以下とする、半導体素子の製造方法。
 前記第1半導体層は、結晶粒およびアモルファス相を有する微結晶シリコン膜から形成される、請求項17に記載の半導体素子の製造方法。
 基板に第1半導体層を形成する工程(a)と、
 前記第1半導体層の上に不純物含有半導体層を形成する工程(b)と、
 前記不純物含有半導体層および前記第1半導体層に溝部を形成することにより、前記第1半導体層と不純物含有半導体層とを分離し、第1領域と第2領域を形成する工程(c)
と、
 前記第1領域、前記第2領域および前記溝部を覆う第2半導体層を形成する工程(d)と、
 前記第2半導体層を覆うゲート絶縁膜を形成し、前記ゲート絶縁膜を介した前記溝部の上にゲート電極を形成する工程(e)とを包含し、
 前記第2半導体層の厚さを、前記第1半導体層の厚さの1/8以上1/2以下とする、半導体素子の製造方法。
 前記第2半導体層は、結晶粒およびアモルファス相を有する微結晶シリコン膜から形成される、請求項19に記載の半導体素子の製造方法。
 基板に第1半導体層を形成する工程(a)と、
 前記第1半導体層の上に第2半導体層を形成する工程(b)と、
 前記第2半導体層の上に不純物含有半導体層を形成する工程(c)と、
 前記不純物含有半導体層および前記第2半導体層に溝部を形成することにより、前記第1半導体層と、前記溝部を有する第2半導体層とから形成される活性層を形成する工程(d)と、
 前記不純物含有半導体層と前記溝部の表面を覆うゲート絶縁膜を形成し、前記ゲート絶縁膜を介した前記溝部の上にゲート電極を形成する工程(e)とを包含し、
 前記第2半導体層の厚さを、前記第1半導体層の厚さの1倍以上7倍以下とする、半導体素子の製造方法。
 前記第1半導体層は、結晶粒およびアモルファス相を有する微結晶シリコン膜から形成される、請求項21に記載の半導体素子の製造方法。
 前記微結晶シリコン膜は、ICP方式、表面波プラズマ方式またはECR方式の高密度プラズマCVDにより形成される、請求項18、20または22に記載の半導体素子の製造方法。
Description:
半導体素子およびその製造方法

 本発明は、半導体素子およびその製造方 に関する。

 従来から、液晶表示装置や有機EL表示装 の画素を駆動するための半導体素子として 薄膜トランジスタ(Thin film Transistor:以下で TFTと略称する。)が知られている。

 TFTとしては、アモルファスシリコン(以下で はa-Siと略称する。)などの非晶質のチャネル 域を有するTFT(以下ではa-SiTFTと略称する。) 、一般的に用いられている。ところが、a-Si の移動度は0.2~0.5cm 2 /Vs程度であり、a-SiTFTはオン特性が悪い。そ 反面、a-Siのバンドギャップは広いため、a-Si TFTのリーク電流(オフ電流)の値は小さい。こ ように、a-SiTFTには、オフ電流の値が小さい という利点はあるものの、オン電流の値が小 さいという課題がある。

 一方、チャネル領域の少なくとも一部が 結晶シリコン膜であるTFT(以下では微結晶シ リコンTFTと略称する)も知られている。ここ 、「微結晶シリコン膜」とは、結晶質シリ ン相と非晶質シリコン相とが混在した膜の とを言う。

 微結晶シリコン膜は結晶を有するため、微 晶シリコンTFTのチャネル領域の移動度は0.7~ 3cm 2 /Vsであり、a-SiTFTと比較してオン電流の値が きい。その一方、微結晶シリコン膜には欠 準位が多く含まれているため、微結晶シリ ン膜を含むチャネル領域と、ソース領域お びドレイン領域(n + Si膜)との接合状態が悪い。また、微結晶シリ コン膜は、a-Si膜よりも電気抵抗が低く、バ ドギャップも狭いため、オフ電流の値が大 い。すなわち、微結晶シリコンTFTでは、a-SiT FTと比較して大きいオン電流が得られるが、 フ電流の値も大きいという課題がある。

 微結晶シリコンTFTのオフ電流を低減するた に、特許文献1では、活性層の厚さを100nm以 にすることが開示されている。特許文献1で は、活性層として機能する微結晶シリコン膜 の上に、不純物を含む非晶質シリコン膜を形 成した後、これらの膜のエッチング選択比を 利用して、非結晶シリコン膜のみを選択的に 除去している。

特開平5-304171号公報

 特許文献1において、微結晶シリコン膜の 厚さ、すなわちチャネルの厚さは100nm以下と 載されている。しかしながら、チャネルの さをこの範囲内にすることだけでは、オフ 流を低減することはできない。

 また、非晶質シリコンのエッチングレー と微結晶シリコンのエッチングレートとは とんど変わらないため、非結晶シリコン膜 みを選択的にエッチングすることは現実に 困難である。つまり、特許文献1のように、 微結晶シリコン膜と非結晶シリコン膜とを積 層し、これらのエッチングレートの差のみを 利用して、チャネルの厚さを制御することは 困難である。

 本発明は、上記課題を解決するためにな れたものであり、その主な目的は、オフ電 の値の小さな半導体素子およびその製造方 を提供することにある。

 本発明の半導体素子は、基板と、前記基 に形成され、第1領域と、前記第1領域の両 にそれぞれ位置する第2領域および第3領域と を有する島状の活性層と、前記活性層の第2 域の上に接する第1コンタクト層および前記 性層の第3領域の上に接する第2コンタクト と、前記第1コンタクト層を介して前記第2領 域と電気的に接続された第1電極と、前記第2 ンタクト層を介して前記第3領域と電気的に 接続された第2電極と、前記第1領域に対して ゲート絶縁膜を介して対向するように設け れたゲート電極であって、前記第1領域の導 電性を制御するゲート電極とを備えた半導体 素子であって、前記第1領域の上面は、前記 2領域および前記第3領域のうち前記第1領域 の端部の上面よりも基板側に位置し、前記 2領域および前記第3領域の前記端部の上面か ら前記第1領域の前記上面までの、前記活性 の厚さ方向の距離は、互いに独立に、前記 1領域の厚さの1倍以上7倍以下である。

 ある実施形態において、少なくとも前記 1領域は、結晶粒およびアモルファス相を有 する微結晶シリコン膜から形成される。

 ある実施形態において、前記微結晶シリ ン膜のうち前記アモルファス相の体積分率 、5%以上40%以下である。

 ある実施形態において、前記距離は60nm以 上140nm以下であって、前記第1領域の厚さは20n m以上60nm以下である。

 ある実施形態において、前記第2領域およ び前記第3領域のうち前記第1領域側の端部は 微結晶シリコンから形成される。

 ある実施形態において、前記第2領域およ び前記第3領域のうち前記第1領域側の端部は 非晶質シリコンから形成される。

 ある実施形態において、前記ゲート電極 、前記活性層と前記基板との間に配置され いる。

 ある実施形態において、前記ゲート電極 、前記活性層に対して、前記基板と反対側 配置されている。

 ある実施形態において、前記活性層は、 1活性層と、中間層と、第2活性層とを基板 からこの順に有し、前記第1領域は前記第1活 性層から形成され前記第2活性層を含まず、 記第2領域および前記第3領域は、前記第1活 層、前記中間層および前記第2活性層から形 されている。

 ある実施形態において、前記第1活性層お よび前記第2活性層はシリコン層であり、前 中間層はシリコン酸化物から形成されてい 膜である。

 ある実施形態において、前記シリコン酸 物から形成されている膜の厚さは1nm以上3nm 下である。

 本発明の半導体素子の製造方法は、基板 ゲート電極を形成する工程(a)と、前記ゲー 電極の上を覆うゲート絶縁膜を形成する工 (b)と、前記ゲート絶縁膜の上に半導体層を 成する工程(c)と、前記半導体層の上に、不 物含有半導体層を形成する工程(d)と、前記 純物含有半導体層のうち前記ゲート電極の に位置する部分と、前記半導体層のうち前 ゲート電極の上に位置する部分の上部とを 去することにより、前記半導体層のうち前 ゲート電極上に位置する部分を第1領域とす る活性層を形成し、前記活性層のうち前記第 1領域となる部分の厚さを他の部分よりも小 くする工程(e)とを包含し、前記第1領域の厚 を、前記半導体層の厚さの1/8以上1/2以下と る。

 ある実施形態において、前記工程(c)は、 記ゲート絶縁膜側から、第1半導体層と、前 記第1半導体層の上に位置する中間層と、前 中間層の上に位置する第2半導体層とをこの に有する前記半導体層を形成する工程であ 、前記工程(e)は、前記中間層のエッチング ートよりも前記第2半導体層のエッチングレ ートが高い条件で、少なくとも前記第2半導 層を除去する工程を含む。

 ある実施形態では、前記工程(c)において 前記第1半導体層として、結晶粒およびアモ ルファス相を有する微結晶シリコン膜を形成 し、前記第2半導体層として、微結晶シリコ 膜または非晶質シリコン膜を形成する。

 ある実施形態において、前記工程(c)は、 記第1半導体層に対して、酸素プラズマ処理 、UV処理、またはオゾン処理を行うことによ 、前記中間層として、前記第1半導体層の表 面を酸化する工程を含む。

 ある実施形態において、前記工程(c)は、 記ゲート絶縁膜側から、前記ゲート絶縁膜 上面に接する第1半導体層と、前記第1半導 層のうち少なくとも前記ゲート電極の上に 置する部分を覆うエッチングストッパー膜 、前記エッチングストッパー膜の上に位置 る第2半導体層とをこの順に有する前記半導 層を形成する工程であり、前記工程(e)は、 記エッチングストッパー膜のエッチングレ トよりも前記第2半導体層のエッチングレー トが高い条件で、少なくとも前記第2半導体 を除去する工程を含む。

 本発明の半導体素子の製造方法は、基板 ゲート電極を形成する工程(a)と、前記ゲー 電極の上を覆うゲート絶縁膜を形成する工 (b)と、前記ゲート絶縁膜の上に第1半導体膜 を形成し、前記第1半導体膜のうち前記ゲー 電極の上に位置する部分を除去することに り、前記ゲート電極上に溝部を有する第1半 体層を形成する工程(c)と、前記溝部を有す 第1半導体層の上に第2半導体層を形成して 前記第1半導体層および前記第2半導体層から 形成される活性層を形成する工程(d)とを包含 し、前記第2半導体層の厚さを前記第1半導体 の厚さの1倍以上7倍以下とする。

 ある実施形態において、前記第1半導体層 は、結晶粒およびアモルファス相を有する微 結晶シリコン膜から形成される。

 本発明の半導体素子の製造方法は、基板 第1半導体層を形成する工程(a)と、前記第1 導体層の上に不純物含有半導体層を形成す 工程(b)と、前記不純物含有半導体層および 記第1半導体層に溝部を形成することにより 前記第1半導体層と不純物含有半導体層とを 分離し、第1領域と第2領域を形成する工程(c) 、前記第1領域、前記第2領域および前記溝 を覆う第2半導体層を形成する工程(d)と、前 第2半導体層を覆うゲート絶縁膜を形成し、 前記ゲート絶縁膜を介した前記溝部の上にゲ ート電極を形成する工程(e)とを包含し、前記 第2半導体層の厚さを、前記第1半導体層の厚 の1/8以上1/2以下とする。

 ある実施形態において、前記第2半導体層 は、結晶粒およびアモルファス相を有する微 結晶シリコン膜から形成される。

 本発明の半導体素子の製造方法は、基板 第1半導体層を形成する工程(a)と、前記第1 導体層の上に第2半導体層を形成する工程(b) 、前記第2半導体層の上に不純物含有半導体 層を形成する工程(c)と、前記不純物含有半導 体層および前記第2半導体層に溝部を形成す ことにより、前記第1半導体層と、前記溝部 有する第2半導体層とから形成される活性層 を形成する工程(d)と、前記不純物含有半導体 層と前記溝部の表面を覆うゲート絶縁膜を形 成し、前記ゲート絶縁膜を介した前記溝部の 上にゲート電極を形成する工程(e)とを包含し 、前記第2半導体層の厚さを、前記第1半導体 の厚さの1倍以上7倍以下とする。

 ある実施形態において、前記第1半導体層 は、結晶粒およびアモルファス相を有する微 結晶シリコン膜から形成される。

 ある実施形態において、前記微結晶シリ ン膜は、ICP方式、表面波プラズマ方式また ECR方式の高密度プラズマCVDにより形成され 。

 本発明の半導体素子では、活性層におけ 第1領域の上面を、第2領域および第3領域の 面よりも基板側に位置させることにより、 来よりも、オフ電流の値を小さくすること できる。

 半導体素子では、ゲート電圧が負のとき 、急激にオフ電流が増加してしまうが、第2 領域および第3領域の端部の上面から第1領域 上面までの、活性層の厚さ方向の距離を第1 領域の厚さの1倍以上とすることにより、オ 電流の増加を抑制することができる。また 上記距離を第1領域の厚さの7倍以下とするこ とにより、寄生抵抗が大きくなることによる オン電流の低下を回避することができる。

実施形態1の半導体素子を示す断面図で ある。 (a)は、実施形態1の半導体素子における チャネル領域の移動度を測定した結果を示す 図であり、(b)は、実施形態1の半導体素子に ける最低オフ電流を測定した結果を示す図 ある。 (a)~(e)は、オフセット部の長さ(L1、L3)と TFT特性との関係を示す図である。 (a)~(f)は、実施形態1の半導体素子の製 工程を示す断面図である。 微結晶シリコン膜における結晶性シリ ン層および非結晶シリコン層の状態を模式 に示す図である。 実施形態1の半導体素子が搭載される液 晶表示装置を概略的に示す断面図である。 実施形態2の半導体素子を示す断面図で ある。 (a)~(f)は、実施形態2の半導体素子の製 工程を示す断面図である。 実施形態3の半導体素子を示す断面図で ある。 (a)~(f)は、実施形態3の半導体素子の製 工程を示す断面図である。 実施形態4の半導体素子を示す断面図 ある。 (a)~(f)は、実施形態4の半導体素子の製 工程を示す断面図である。 実施形態5の半導体素子を示す断面図 ある。 (a)~(e)は、実施形態5の半導体素子の製 工程を示す断面図である。 実施形態6の半導体素子を示す断面図 ある。 (a)~(d)は、実施形態6の半導体素子の製 工程を示す断面図である。 実施形態7の半導体素子を示す断面図 ある。 (a)~(e)は、実施形態7の半導体素子の製 工程を示す断面図である。

符号の説明

1       ガラス基板
2       ゲート電極
3       ゲート絶縁膜
4       半導体層
5       不純物含有層
5a、5b   ソース領域、ドレイン領域
6       電極層
6a、6b   ソース電極、ドレイン電極
7       フォトレジスト
21      第1半導体層
22      中間層
23      第2半導体層
31a、31b 第1半導体層
32      第2半導体層
41      第1半導体層
42a、42b 第2半導体層
43      エッチングストッパー層
51      ガラス基板
52      ゲート電極
53      ゲート絶縁膜
54      半導体層
55      不純物含有層
55a、55b ソース領域、ドレイン領域
56a、56b ソース電極、ドレイン電極
57      フォトレジスト
61a、61b 第1半導体層
62      第2半導体層
71      第1半導体層
72a、72b 第2半導体層
81      酸素を含む層

 以下では、本発明による半導体素子の実 形態を詳細に説明する。

  (実施形態1)
 まず、図面を参照しながら、本発明による 導体素子の第1の実施形態を説明する。図1 、実施形態1の半導体素子を示す断面図であ 。本実施形態の半導体素子は、ゲート電極 半導体層とガラス基板との間に配置するボ ムゲート構造を有するTFTである。

 本実施形態のTFTは、図1に示すように、絶 縁基板であるガラス基板1と、ガラス基板1の に形成されたゲート電極2と、ガラス基板1 よびゲート電極2を覆うゲート絶縁膜3とを備 えている。ゲート電極2は例えばTaN膜、Ta膜お よびTaN膜から形成され、ゲート絶縁膜3は例 ばシリコン窒化膜から形成されている。ゲ ト絶縁膜3の表面の断面は、ゲート電極2の断 面形状を反映した凸状となっている。

 ゲート電極2の上には、ゲート絶縁膜3を して、島状の半導体層4が形成されている。 導体層4は、結晶粒およびアモルファス相を 有する微結晶シリコンから構成されている。

 半導体層4のうちゲート電極2の上に位置 る部分は、他の部分よりも上側に突出して る。この突出している部分の中央部には、 部12が形成されている。

 半導体層4のうち凹部12の底面より下の部 の厚さは、他の部分よりも小さくなってい 。この部分を第1領域4cと呼び、半導体層4の うち第1領域4cの両側に位置する部分をそれぞ れ第2領域4aおよび第3領域4bと呼ぶ。凹部12が 成されることにより、第1領域4cの上面は、 2領域4aおよび第3領域4bのうち第1領域4c側の 部の上面よりもガラス基板1側に位置してい る。

 第2領域4aの上にはソース領域5aが形成さ 、第3領域4bの上にはドレイン領域5bが形成さ れている。ソース領域5aおよびドレイン領域5 bは、非晶質シリコンまたは微結晶シリコン ら形成され、例えばリンなどのn型不純物を んでいる。

 ソース領域5aはソース電極6aに覆われ、ド レイン領域5bはドレイン電極6bによって覆わ ている。ソース電極6aおよびドレイン電極6b 金属などの導電体から構成され、ソース領 5aおよびドレイン領域5bの上だけでなく、ソ ース領域5aおよびドレイン領域5bの側面、半 体層4の側面を覆うとともに、半導体層4の周 囲のゲート絶縁膜3の上に延びている。

 ソース電極6aおよびドレイン電極6bは、例 えばシリコン窒化膜のパッシベーション膜8 よって覆われている。パッシベーション膜8 、凹部12の内部も覆っている。さらに、パ シベーション膜8は、透明樹脂膜である平坦 膜9によって覆われている。

 上記平坦化膜9およびパッシベーション膜 8には、これらを貫通するコンタクトホール13 が形成されている。コンタクトホール13はド イン電極6bの表面に達している。そして、 ンタクトホール13内には、例えばITO(Indium-tin- oxide)の透明電極10が形成されている。

 ゲート電極2に閾値以上の電圧を印加する と、ソース領域5aから、半導体層4を介してド レイン領域5bに電流が流れる。このとき、電 は、ソース領域5aから、第2領域4aを通過し 第1領域4cに達し、第1領域4cから第3領域4bを 過した後、ドレイン領域5bに達する。第2領 4aおよび第3領域4bのうち凹部12の側面に位置 る部分を「オフセット部」と呼ぶ。このと 、チャネル長は、オフセット部の上下方向 長さL1、L3と、第1領域4cの長さL4との和とな 。ただし、オフセット部の上下方向の長さL 1、L3が第1領域4cの長さL4の値と比較してごく さい場合には、長さL1、L3を無視できるため 、実質的には、チャネル長は第1領域4cの長さ L4となる。

 本実施形態において、第1領域4cの上面は 第2領域4aおよび第3領域4bのうち第1領域4c側 端部の上面よりもガラス基板1側に位置して いる。そして、第2領域4aおよび第3領域4bの端 部の上面から第1領域4cの上面までの、活性層 の厚さ方向の距離(オフセット部の長さ)は、 いに独立に、第1領域4cの厚さの1倍以上7倍 下である。

 本実施形態の微結晶シリコンTFTでは、第1 領域4cの両側のオフセット部を設けることに り、オフセット部を設けない場合と比較し 、オフ電流を少なくすることができる。す わち、微結晶シリコンTFTの利点である高い ン電流(高移動度)を確保しつつ、オフ電流 少なくすることができるため、高ON/OFF比を 現することができる。

 また、半導体層4として微結晶シリコン膜 を形成したため、一般的なa-SiTFTと同様の製 プロセスによってTFTを容易に製造すること できる。

 次に、本実施形態のTFTの特性を測定した 果について説明する。図2(a)は、本実施形態 のTFTにおけるチャネル領域の移動度を測定し た結果を示す図であり、図2(b)は、本実施形 のTFTにおける最低オフ電流を測定した結果 示す図である。図2(a)の横軸は第1領域4cの厚 (nm)を示し、縦軸は移動度(a-SiTFTの移動度を1 とした場合の値)を示す。図2(b)の横軸は第1領 域4cの厚さ(nm)を示し、縦軸は最低オフ電流(pA )を示す。図2(a)に示すように、第1領域4cの厚 が20nm以上になれば、移動度がほぼ一定の高 い値となる。また、図14(b)に示すように、第1 領域4cの厚さが60nm以下であれば、最低オフ電 流が許容範囲(15pA)内に収まっていることがわ かる。これらの結果から、第1領域4cの厚さが 20nm以上60nm以下であれば、高移動度(オン特性 )と低オフ電流(最低オフ電流)を両立できるこ とがわかる。

 図3(a)~(e)は、オフセット部の長さ(L1、L3) TFT特性との関係を示す図である。図3(a)、(b) (c)、(d)は、それぞれ、オフセット部の長さ 35nm、50nm、90nmまたは110nmのときのTFT特性を す。図3(a)~(d)における横軸はゲート電圧Vg(V) 示し、縦軸はドレイン電流Id(A)を示す。な 、この測定で用いたTFTのチャネル長(L)は3μm あり、チャネル幅(W)は20μmである。チャネ 長は、図1に示す断面におけるソース電極6a ドレイン電極6bとの間の距離(第1領域4cの長 L4)であり、チャネル幅は、図1に示す断面と 行する方向のソース電極6aおよびドレイン 極6bの長さである。

 また、ドレイン電圧Vdは10Vとする。図3(e) 示すように、オフセット長が90nm、110nmのと には、オフ電流(Vg=-30Vのときのドレイン電 Id)が少なくなっていることがわかる。図3(a)~ (d)で得られたオフ電流をオフセット部の長さ (L1、L3)ごとにプロットしたグラフを図3(e)に す。図3(e)に示すように、オフセット部の長 が70nm以上になれば、オフ電流が許容範囲内 となる。また、オフセット部が長くなりすぎ ると寄生抵抗が大きくなるため、オフセット 部の長さは、70nm以上140nm以下が好ましい。

 以上のデータから、第1領域4cの厚さ(L2)と オフセット部(L1、L3)の長さとの好ましい比を 算出することができる。すなわち、第1領域4c の厚さの最小値は20nm、オフセット部の長さ 最大値は140nmであるため、オフセット部の長 さは、第1領域4cの厚さの7倍以下であること 好ましい。また、第1領域4cの厚さの最大値 60nm、オフセット部の長さの最小値は60nmであ るため、オフセット部の長さは、第1領域4cの 厚さの1倍以上であることが好ましい。

 次に、本実施形態の半導体素子の製造方 について、図4(a)~(f)を参照しながら説明す 。図4(a)~(f)は、実施形態1の半導体素子の製 工程を示す断面図である。

 まず、図4(a)に示すように、ガラス基板1 ゲート電極2を形成する。具体的には、スパ タリング法により、ガラス基板1の表面にTaN 膜、Ta膜およびTaN膜をこの順に成膜する。そ 後、ドライエッチングを行うことにより不 な部分を除去し、ゲート電極2を形成する。 このとき、エッチングガスに酸素を導入する ことにより、フォトレジスト(図示せず)を後 させながらエッチングを行う。これにより ゲート電極2の側面を、ガラス基板1の表面 対して45°の角度をなすテーパ形状にする。

 次に、図4(b)に示すように、ゲート電極2 上に、ゲート絶縁膜3、半導体層4および不純 物含有層5をこの順に形成する。このとき、 導体層4の厚さを90以上200nm以下の範囲内(例 ば130nm)とし、不純物含有層5の厚さを30nmとす る。不純物含有層5は、微結晶シリコンであ てもよいし、アモルファスシリコンであっ もよい。

 ゲート絶縁膜3および不純物含有層5は、 行平板型のCVD装置によって形成される。ま 、ゲート絶縁膜3、半導体層4および不純物含 有層5は、マルチチャンバー型装置を用い、 空中にて連続して成膜される。

 具体的には、プラズマCVDを行うことにより 厚さ約400nmのシリコン窒化膜(SiN x 膜)のゲート絶縁膜3を成膜する。その後、高 度プラズマCVD(ICP方式、表面波プラズマ方式 又はECR方式)を行うことにより、微結晶シリ ン膜の半導体層4を形成する。続いて、リン どのn型不純物を含むガス雰囲気下でプラズ マCVDを行うことにより、不純物含有層5を形 する。

 ゲート絶縁膜3および不純物含有層5につい は、一般的なa-SiTFTの製造プロセスと同じ成 条件で形成することができる。一方、半導 層4は、プラズマCVDの原料ガスとしてSiH 4 およびH 2 を用い、SiH 4 とH 2 との流量の比SiH 4 /H 2 を約1/20とし、約1.33Pa(10mTorr)の圧力で成膜す ばよい。成膜時の圧力の範囲は、0.133Pa以上1 3.3Pa以下であることが好ましく、SiH 4 /H 2 の範囲は、1/30以上1以下であることが好まし 。半導体層4の成膜時には、ガラス基板1の 度を例えば約300℃とする。また、半導体層4 形成する前に、ゲート絶縁膜3に対してH 2 プラズマによる表面処理を行ってもよい。こ のときの圧力は約1.33Paとする。

 次に、図4(c)に示すように、フォトリソグラ フィにより、半導体層4および不純物含有層5 島状にパターニングする。エッチングとし ドライエッチングを行えば、微細な形状で 形成することが可能になる。エッチングガ には、ゲート絶縁膜3のシリコン窒化膜と選 択比のとりやすい塩素(Cl 2 )を用いる。そして、エッチング時には、エ ドポイントディテクタ(EPD)によってエッチン グ部分をモニタリングし、ゲート絶縁膜3が 出するまでエッチングを行う。

 次に、図4(d)に示すように、スパッタリン グ法により、島状の不純物含有層5の上に、 さ100nmのAl膜と厚さ100nmのMo膜とを備える電極 層を形成する。

 その後、電極層を覆うようにフォトレジ ト7を形成する。フォトレジスト7には、ゲ ト電極2の上方位置で電極層が露出するよう 開口11を形成する。このフォトレジスト7を スクとしてエッチングを行うことにより、 ず、電極層に開口11を貫通させる。これに り、開口11の両側に、ソース電極6aおよびド イン電極6bを形成する。なお、開口11を形成 する際のエッチングとしてウェットエッチン グを行うことにより、電極層のみを選択的に エッチングできる。エッチャントとしては、 例えばSLAエッチャントを適用する。

 次に、図4(e)に示すように、フォトレジス ト7を残した状態で、ドライエッチングを行 ことにより、露出している不純物含有層5を ッチングし、ソース領域5aおよびドレイン 域5bを形成する。このとき、不純物含有層5 うち露出する部分が完全に除去された後も ッチングを進行させると、半導体層4の一部 除去され、開口11の底面が、半導体層4の上 よりも低い位置に到達する。これにより、 口11の下に位置する半導体層4(第1領域4c)の さが、他の部分よりも小さくなる。その後 第1領域4cの厚さが所望の値になれば、開口11 が半導体層4を貫通する前にエッチングを停 させる。具体的には、第1領域4cの厚さが、 導体層4の厚さの1/8以上1/2以下の範囲内とな と、エッチングを停止する。その後、フォ レジスト7を除去する。以上の工程により、 半導体層4に凹部12を形成することができる。

 次に、図4(f)に示すように、プラズマCVDを 行うことにより、ソース電極6aおよびドレイ 電極6bの上をシリコン窒化膜のパッシベー ョン膜8で覆う。このとき、開口11の内部に パッシベーション膜8が充填され、ソース領 5aとドレイン領域5bとの間、およびソース電 極6aとドレイン電極6bとの間がパッシベーシ ン膜8によって絶縁される。

 続いて、パッシベーション膜8を覆うよう に、樹脂膜(JAS膜)の平坦化膜9を形成する。次 に、ドレイン電極6bの上方に、平坦化膜9およ びパッシベーション膜8を貫通するコンタク ホール13を形成する。その後、スパッタリン グを行うことにより、平坦化膜9およびコン クトホール13の表面にITO膜を形成し、パター ニングを行うことにより、透明電極10を形成 る。以上の各工程によって、本実施形態の 導体素子が得られる。

 一般に、微結晶シリコンTFTでは、ゲート 圧が負(~-30V)のときに、急激にオフ電流が増 加してしまう。しかしながら、オフセット部 の長さL1、L3を、第1領域4cの厚さL2の1倍以上 することにより、オフ電流の増加を抑制す ことができる。また、第1領域4cの厚さを、 部12を形成する前の半導体層4の厚さの1/8以 1/2以下とすることにより、寄生抵抗が大き なることによるオン電流の低下を回避する とができる。

  (微結晶シリコン膜について)
 微結晶シリコン膜の半導体層4は、結晶質シ リコン相と非晶質シリコン相とが混在した構 造を有する。半導体層4が微結晶シリコン膜 あるかどうかは、ラマン分光測定によって 定することができる。結晶質シリコンは520cm -1 の波長で鋭いピークを示す一方、非晶質シリ コンは480cm -1 の波長でブロードなピークを示す。微結晶シ リコン膜には両者が混在するので、そのラマ ン分光測定の結果は、520cm -1 の波長で最も高いピークを有するとともに、 その低波長側にブロードなピークを有するよ うなスペクトルとなる。また、520cm -1 のピークと480cm -1 のピークとの強度比によって結晶化率を比較 することができる。

 固相成長(SPC)又はレーザー結晶化によっ シリコン膜を形成すると、上記ピーク強度 が30~80程度となる。この結果から、形成され た膜には非晶質成分が事実上存在しておらず 、多結晶シリコン膜が形成されたと推測でき る。

 例えば、高密度プラズマCVDにより形成した 結晶シリコン膜のピーク強度比(520cm -1 /480cm -1 )は、2~20程度になる。高密度プラズマCVDの条 によって、微結晶シリコン膜における結晶 シリコン相の比率を高めることはできるが 完全な結晶質シリコン膜を形成することは きない。すなわち、高密度プラズマCVDによ シリコン層を形成すると、ほぼ確実に結晶 シリコン相と非晶質シリコン相とを混在さ ることができる。

 また、半導体膜4を、高密度プラズマCVDに より形成することにより、低温で成膜を行う ことができる。これにより、高温処理に適し ていないガラス基板やプラスチック基板等を 上記ガラス基板1に適用することができ、そ 生産性を向上させることが可能になる。

 図5は、微結晶シリコン膜における結晶質 シリコン相および非結晶シリコン相の状態を 模式的に示す図である。図5に示す微結晶シ コン膜のうちガラス基板111との界面部分に 、数nmの厚さを有するアモルファス相である インキュベーション層112が形成されている。 インキュベーション層112の上には結晶質シリ コン相114が配置しており、結晶質シリコン相 114は、ガラス基板111の表面に対して垂直に伸 びる柱状の形状を有する。隣合う結晶質シリ コン相114の間には、インキュベーション層112 から伸びる結晶粒界113が形成されている。結 晶質シリコン相114の断面の直径を5nm以上40nm 下とすると、結晶断面が素子の大きさに比 て十分に小さくなるため、素子の特性を均 化することができる。微結晶シリコン膜の 膜初期では、アモルファス相のインキュベ ション層112が成長しやすいが、成膜が進む 、徐々に結晶質シリコン相114の占める割合 高くなる傾向がある。このインキュベーシ ン層112は、微結晶シリコン膜が成長するま の前駆体であり、膜中に大量のボイドを含 でいるため、非常に低い移動度を示す。

 高密度プラズマCVDによると、微結晶シリコ 膜の結晶化率、特に、成膜初期の結晶化率 よび密度を顕著に向上させることができる つまり、高密度プラズマCVDによると、図5の インキュベーション層112を薄くすることがで き、アモルファス相の体積分率を5%以上40%以 にすることができる。また、高密度プラズ CVDによると、SiH 4 およびH 2 の流量の比SiH 4 /H 2 を1/30以上1/1以下にできるため、SiH 4 の供給速度を速くでき、成膜速度を高めるこ とができる。

 一方、いわゆる平行平板型の一般的なプラ マCVD装置では、成膜初期段階から結晶質シ コン相を得ることが難しく、初期の厚み50nm 程度の部分はインキュベーション層112になっ てしまう。また、この平行平板型のプラズマ CVD装置によって微結晶シリコン膜を得るため には、SiH 4 /H 2 比を1/300~1/100程度にする必要があり、SiH 4 の供給速度が低くなって、成膜速度が低くな ってしまう。

 以上の結果から、本実施形態1では、半導体 層4を形成するときに、高密度プラズマCVD装 (ICP、表面波、ECR)を用いることが好ましい。 さらに、半導体層4を形成する前に、H 2 プラズマによる表面処理を行うことによって 、成膜初期からの結晶性をより向上させるこ とができる。

 次に、本実施形態のTFTが搭載される液晶 示装置について説明する。図6は、実施形態 1のTFTが搭載される液晶表示装置を概略的に す断面図である。本実施形態の液晶表示装 は、図6に示すように、半導体装置であり且 第1基板であるアクティブマトリクス基板102 と、表示媒体層である液晶層104と、液晶層104 を介してアクティブマトリクス基板102に対向 して配置された第2基板である対向基板103と 備えている。液晶層104は、アクティブマト クス基板102と対向基板103との間に介在され シール部材109によって封止されている。

 アクティブマトリクス基板102のうち液晶 104側の面には配向膜105が設けられ、対向基 103のうち液晶層104側の面には配向膜107が設 られている。一方、アクティブマトリクス 板102のうち液晶層104とは反対側の面には偏 板106が設けられ、対向基板103のうち液晶層1 04とは反対側の面には偏光板108が設けられて る。

 アクティブマトリクス基板102には、図示 省略するが複数の画素が設けられ、図1に示 すようなスイッチング素子であるTFTが画素ご とに形成されている。また、アクティブマト リクス基板102には、各TFTを駆動制御するため のドライバIC(図示省略)が実装されている。

 対向基板103には、図示を省略するが、カ ーフィルタやITOの共通電極が形成されてい 。

 図6に示すアクティブマトリクス基板102は 、ガラス基板に上記TFTや配線等を形成した後 に、配向膜105を形成し、偏光板106を貼り付け ると共にドライバIC(図示省略)等を実装する とにより形成する。液晶表示装置は、TFTに り液晶層104における液晶分子の配向状態を 素ごとに制御して、所望の表示を行うよう なっている。

  (実施形態2)
 次に、本実施形態による半導体素子の第2の 実施形態を説明する。図7は、実施形態2の半 体素子を示す断面図である。本実施形態の 導体素子は、ゲート電極が半導体層とガラ 基板との間に配置するボトムゲート構造を するTFTである。

 図7に示すように、本実施形態のTFTは、半 導体層4として、微結晶シリコン膜の第1半導 層21と、第1半導体層21の上に形成されたシ コン酸化物である中間層22と、中間層22の上 形成され、微結晶シリコン膜または非結晶 リコン膜である第2半導体層23とを備える。 1半導体層21の厚さは20nm以上60nm以下であり 中間層22の厚さは1nm以上3nm以下であり、第2 導体層23の厚さは60nm以上140nm以下である。

 半導体層4の第1領域4cは、第1半導体層21か ら形成されており、第2半導体層23は含まれな い。半導体層4の第2領域4aおよび第3領域4bは 第1領域4cの両側に位置する部分の第1半導体 21と、その上の中間層22と、その上の第2半 体層23とから形成されている。

 本実施形態において、第1領域4cの上面は 第2領域4aおよび第3領域4bのうち第1領域4c側 端部の上面よりもガラス基板1側に位置して いる。そして、第2領域4aおよび第3領域4bの端 部の上面から第1領域4cの上面までの、活性層 の厚さ方向の距離(オフセット部の長さ)は、 いに独立に、第1領域4cの厚さの1倍以上7倍 下である。それ以外の構造は実施形態1と同 であるため、その説明を省略する。

 本実施形態の微結晶シリコンTFTでは、第1 の実施形態と同様の効果を得ることができる 。それに加えて、第1半導体層21と第2半導体 23との間に中間層22を設けることにより、第2 半導体層23の選択的なエッチングが容易にな 。したがって、第1半導体層21(第1領域4c)の さ(L2)とオフセット部の厚さ(L1、L3)とを確実 制御することができる。

 次に、実施形態2のTFTの製造方法について 説明する。図8(a)~(f)は、実施形態2の半導体素 子の製造工程を示す断面図である。ここでは 、製造工程のうち実施形態1と異なる部分の 詳細に説明する。

 まず、図8(a)に示すように、スパッタリン グ法により、ガラス基板1に、TaN膜、Ta膜およ びTaN膜から構成されるゲート電極2を形成す 。

 次に、図8(b)に示すように、プラズマCVDを 行うことにより、ゲート電極2の上に、シリ ン窒化膜のゲート絶縁膜3を形成する。その 、ゲート絶縁膜3の上に、半導体層4を形成 る。本実施形態では、半導体層4として、第1 半導体層21、中間層22および第2半導体層23を 成する。具体的には、まず、高密度プラズ CVD(ICP方式、表面波プラズマ方式又はECR方式) を行うことにより、ゲート絶縁膜3の上に微 晶シリコン膜の第1半導体層21を形成する。 の後、酸素プラズマ処理、オゾン処理また UV処理などを行って、第1の半導体層21の表面 を酸化することにより、シリコン酸化物の中 間層22を形成する。次に、再び高密度プラズ CVDを行うことにより、中間層22の上に微結 シリコン膜の第2半導体層23を形成する。な 、第2半導体層23として、微結晶シリコン膜 はなく非結晶シリコン膜を形成する場合に 、例えば、通常のプラズマCVDを行えばよい 続いて、半導体層4の上に、リンなどのn型不 純物を含むガス雰囲気下でプラズマCVDを行う ことにより、不純物含有層5を形成する。

 次に、図8(c)に示すように、フォトリソグ ラフィにより、半導体層4および不純物含有 5を島状にパターニングする。

 次に、図8(d)に示すように、スパッタリン グ法により、島状の不純物含有層5の上に、Al 膜とMo膜から構成される電極層を形成する。 の後、電極層を覆うフォトレジスト7を形成 する。フォトレジスト7には、ゲート電極2の 方位置で電極層が露出するように開口11を 成する。このフォトレジスト7をマスクとし エッチングを行うことにより、まず、電極 6に開口11を貫通させる。これにより、開口1 1の両側に、ソース電極6aおよびドレイン電極 6bを形成する。

 次に、図8(e)に示すように、フォトレジス ト7を残した状態でドライエッチングを行う とにより、露出している不純物含有層5をエ チングする。これにより、不純物含有層5が ソース領域5aおよびドレイン領域5bに分離さ る。開口11が不純物含有層5を貫通した後も ッチングを進行させ、第2半導体層23を除去 る。

 このとき、第2半導体層23は微結晶シリコ 層または非結晶シリコン層であり、中間層2 2はシリコン酸化物であるため、これらのエ チングレートは異なる。したがって、中間 22よりも第2半導体層23のエッチングレートが 高いエッチングガスを用いることにより、エ ッチングを中間層22で止めることができる。 えば、塩素ガスを用いてエッチングを行っ 場合には、シリコン酸化物に対する微結晶 リコン膜または非結晶シリコン膜のエッチ グ選択比は、10~20程度となる。

 本実施形態のTFTでは、第1領域4cの厚さを 凹部12を形成する前の半導体層4の厚さの1/8 上1/2以下とする。これらの厚さの比を得る めには、図8(c)に示す工程で、第2半導体層23 を、第1半導体層21の1倍以上7倍以下程度の厚 で形成しておくことが好ましい。

 その後、フッ酸処理を行うことにより、 口11内に残存するシリコン酸化物を容易に 去することができる。また、第1半導体層21 第2半導体層23との間にシリコン酸化物の中 層22が存在すると、そのままでは導電特性の 妨げとなるが、TFT特性に影響しない200~300℃ 熱処理を行えば、第1半導体層21と第2半導体 23との間を通電させることができる。これ 、プラズマ酸化、UV処理、オゾン処理による シリコン酸化物が非常に薄く、また多孔質な ためである。一般的な熱処理によって形成さ れたシリコン酸化物(熱酸化膜)の密度は高い め、200~300℃の温度で熱処理を行うことによ り通電させることは不可能である。なお、第 1半導体層21と第2半導体層23との間を通電させ るための熱処理は、第1半導体層21および第2 導体層23を形成した後であれば、いつ行って もよい。

 その後、図8(f)に示すように、パッシベー ション膜8、平坦化膜9および透明電極10を形 することによって、TFTを形成することがで る。

  (実施形態3)
 次に、本発明による第3の実施形態の半導体 素子を説明する。図9は、実施形態3の半導体 子を示す断面図である。本実施形態の半導 素子は、ゲート電極が半導体層とガラス基 との間に配置するボトムゲート構造を有す TFTである。

 図9に示すように、本実施形態のTFTは、半 導体層4として、微結晶シリコン膜または非 晶シリコン膜である第1半導体層31a、31bと、 結晶シリコン膜である第2半導体層32とを備 る。第1半導体層31a、31bは、それぞれ、ゲー ト電極2の両側に位置する部分に形成されて る。第1半導体層31a、31bの間、すなわちゲー 電極2の上に位置する部分には溝33が形成さ ている。第2半導体層32は、第1半導体層31a、 31bの上を覆うとともに、溝33の表面を覆って る。

 第1半導体層31a、31bおよび第2半導体層32が このように配置されることにより、半導体層 4の第1領域4c(ゲート電極2の上に位置する部分 )は第2半導体層32により構成され、半導体層4 第2領域4aおよび第3領域4bは、第1半導体層31a 、31bと、その上に形成された第2半導体層32と により構成されている。第1半導体層31a、31b 厚さは60nm以上140nm以下であり、第2半導体層3 2の厚さは20nm以上80nm以下である。

 本実施形態のTFTでは、第2半導体層32の厚 (第1領域4cの厚さ:L2)を、オフセット部の長 (第2半導体層32のうち、第2領域4aおよび第3領 域4bにおける端部の上面から第1領域4cの上面 での、活性層の厚さ方向の距離)、すなわち 第1半導体層31a、31bの厚さ(L1、L3)の1倍以上7倍 以下とする。それ以外の構造は実施形態1と 様であるため、その説明を省略する。

 次に、実施形態3のTFTの製造方法について 説明する。図10(a)~(f)は、実施形態3の半導体 子の製造工程を示す断面図である。ここで 、製造工程のうち実施形態1と異なる部分の 詳細に説明する。

 まず、図10(a)に示すように、スパッタリ グ法により、ガラス基板1に、TaN膜、Ta膜お びTaN膜の積層であるゲート電極2を形成する

 次に、図10(b)に示すように、プラズマCVD 行うことにより、ゲート電極2の上に、シリ ン窒化膜のゲート絶縁膜3を形成する。その 後、ゲート絶縁膜3の上に、第1半導体層31a、3 1bを形成する。具体的には、ゲート絶縁膜3の 上全体に微結晶シリコン膜または非結晶シリ コン膜を形成した後、パターニングを行うこ とにより、ゲート電極2の上に位置する部分 溝33を形成すると共に、溝33の両側に、第1半 導体層31a、31bを形成する。

 次に、図10(c)に示すように、第1半導体層3 1a、31bの上および溝33の表面に、微結晶シリ ン膜の第2半導体層32を形成する。さらに、 2半導体層32の上に、リンなどのn型不純物を むガス雰囲気下でプラズマCVDを行うことに り、不純物含有層5を形成する。

 次に、図10(d)に示すように、スパッタリ グ法により、島状の不純物含有層5の上に、A l膜とMo膜から構成される電極層を形成する。 その後、電極層を覆うフォトレジスト7を形 する。フォトレジスト7には、ゲート電極2の 上方位置で電極層が露出するように開口11を 成する。このフォトレジスト7をマスクとし てエッチングを行うことにより、まず、電極 層に開口11を貫通させる。これにより、開口1 1の両側に、ソース電極6aおよびドレイン電極 6bを形成する。

 次に、図10(e)に示すように、フォトレジ ト7を残した状態で、ドライエッチングを行 ことにより、露出している不純物含有層5を エッチングする。これにより、不純物含有層 5がソース領域5aおよびドレイン領域5bに分離 れる。

 その後、図10(f)に示すように、パッシベ ション膜8、平坦化膜9および透明電極10を形 することによって、TFTを形成することがで る。

 本実施形態では、実施形態1と同様の効果 を得ることができる。それに加えて、第1半 体層31a、31bを予め分離させて形成しておく とにより、第2半導体層32の厚さを第1領域4c 厚さとすることができる。これにより、第2 導体層32(第1領域4c)の厚さ(L2)とオフセット の厚さ(L1、L3)とを確実に制御することがで る。

 本実施形態のTFTの製造方法では、開口11 形成するためのエッチング量を少なくする とができるといった利点もある。具体的に 、実施形態1では、溝12を形成するときに、 純物含有層5の厚さ(例えば40nm)およびオフセ ト部の厚さ(L1、L3、例えば60~140nm)の分のエ チング(例えば110~180nm)を行う必要がある。こ の場合、エッチング分布が±10%であるなら、 さが±11~18nmばらつくことになる。それに対 、本実施形態では、不純物含有層5の厚さ( えば40nm)+α分のエッチングを行えばよいため 、50~70nm程度を除去すればすむ。この場合、 ッチング分布が±10%であるなら、厚さがばら つくのは±5~7nmの範囲内となる。したがって より少ない誤差で厚さを制御することがで る。

  (実施形態4)
 次に、本発明による第4の実施形態の半導体 素子を説明する。図11は、実施形態4の半導体 素子を示す断面図である。本実施形態の半導 体素子は、ゲート電極が半導体層とガラス基 板との間に配置するボトムゲート構造を有す るTFTである。

 図11に示すように、本実施形態のTFTでは ゲート絶縁膜3の上に、微結晶シリコン膜の 1半導体層41が形成され、第1半導体層41のう ゲート電極2の上に位置する部分の上には、 シリコン窒化膜のエッチングストッパー層43 形成されている。エッチングストッパー層4 3および第1半導体層41の上には、微結晶シリ ン膜または非結晶シリコン膜の第2半導体層4 2a、42bが形成されている。第1半導体層41およ 第2半導体層42a、42bは、半導体層4を構成す 。

 本実施形態では、第2半導体層42a、42bの厚 さ(L1、L3)を、第1半導体層41の厚さ(第1領域4c 厚さL2)の1倍以上7倍以下とする。言い換える と、第2領域4aおよび第3領域4bの端部の上面か ら第1領域4cの上面までの、第2半導体層42a、42 bの厚さ方向の距離は、互いに独立に、第1領 4cの厚さの1倍以上7倍以下である。このとき 、「第2領域4aおよび第3領域4bの端部」とは、 第2半導体層42aのうちエッチングストッパー 43の側面を覆っている部分ではなく、第2半 体層42aのうち第1半導体層41の上を覆ってい 部分のことをいう。

 例えば、第1半導体層41の厚さは20nm以上60n m以下であり、第2半導体層42a、42bの厚さは20nm 以上140nm以下であることが好ましい。それ以 の構成は、実施形態1と同様であるため、そ の説明を省略する。

 本実施形態では、実施形態1と同様の効果 を得ることができる。それに加えて、エッチ ングストッパー層43を設けてエッチングを行 ため、より確実にエッチングを停止させる とができる。したがって、第1半導体層41(第 1領域4c)の厚さ(L2)とオフセット部の厚さ(L1、L 3)とを確実に制御することができる。

 次に、実施形態4の製造方法について説明 する。図12(a)~(f)は、実施形態4の半導体素子 製造工程を示す断面図である。

 まず、図12(a)に示すように、スパッタリ グ法により、ガラス基板1に、TaN膜、Ta膜お びTaN膜の積層から構成されるゲート電極2を 成する。

 次に、図12(b)に示すように、プラズマCVD 行うことにより、ゲート電極2の上に、シリ ン窒化膜のゲート絶縁膜3を形成する。ゲー ト絶縁膜3の上に微結晶シリコン膜の第1半導 層41を形成する。

 次に、図12(c)に示すように、プラズマCVD 行うことにより、第1半導体層41の上にシリ ン窒化膜を形成した後、パターニングを行 ことにより、第1半導体層41のうちゲート電 2の上に位置する部分の上に、エッチングス ッパー層43を形成する。

 さらに、図12(d)に示すように、第1半導体 41およびエッチングストッパー層43を覆う第 2半導体層42を形成し、第2半導体層42の上に、 不純物含有層5を形成する。

 次に、図12(e)に示すように、パターニン を行うことにより、第1半導体層41、第2半導 層42および不純物含有層5を島状にする。

 次に、図12(f)に示すように、島状の不純 含有層5、第2半導体層42および第1半導体層41 上を覆う電極層を形成した後、電極層の上 フォトレジスト7を形成する。フォトレジス ト7には、ゲート電極2の上方位置で電極層が 出するように開口11を形成する。このフォ レジスト7をマスクとしてエッチングを行う とにより、まず、電極層に開口11を貫通さ る。これにより、開口11の両側に、ソース電 極6aおよびドレイン電極6bを形成する。その 、エッチングストッパー層43に到達するまで エッチングを進行させることにより、ソース 領域5aおよびドレイン領域5bを形成するとと に、第2半導体層42a、42bを形成する。

 その後、図示は省略するがフォトレジス 7を除去し、パッシベーション膜8、平坦化 9および透明電極10を形成することにより、TF Tを形成することができる。

  (実施形態5)
 次に、本発明による第5の実施形態の半導体 素子を説明する。図13は、実施形態5の半導体 素子を示す断面図である。実施形態1~4の半導 体素子がボトムゲート型構造を有するのに対 し、本実施形態の半導体素子はトップゲート 型構造(スタガ構造)を有するTFTである。

 図13に示すように、本実施形態のTFTでは 絶縁基板であるガラス基板51の上に互いに離 間して配置する、微結晶シリコン膜または非 結晶シリコン膜の第1半導体層61a、61bが形成 れている。第1半導体層61a、61bの厚さは60nm以 上140nm以下であり、第1半導体層61a、61bの間に は、溝63が配置されている。第1半導体層61aの 上にはソース領域55aが形成され、第2半導体 61bの上にはドレイン領域55bが形成されてい 。ソース領域55aおよびドレイン領域55bは、 晶質シリコンまたは微結晶シリコンであり 例えばリンなどのn型不純物を含んでいる。

 ソース領域55a、ドレイン領域55bおよび溝6 3の表面は、第2半導体層62によって覆われて る。第2半導体層62は、厚さ20nm以上60nm以下の 微結晶シリコン膜または非結晶シリコン膜か ら形成されている。第1半導体層61a、61bおよ 第2半導体層62により、半導体層54が構成され る。また、第2半導体層62のうち、溝63の表面 覆う部分を第1領域54cと呼び、第1半導体層61 aを第2領域54aと呼び、第1半導体層61bを第3領 54bと呼ぶ。なお、第2半導体層62のうちソー 領域55aおよびドレイン領域55bの上を覆う部 は、電流が流れる活性層として機能しない め、半導体層54の第1領域54c、第2領域54aおよ 第3領域54bには含めない。

 本実施形態において、第1領域54cの上面( こでは、第2半導体層62のうち溝63の底面を覆 う部分の上面をいう)は、第2領域54aおよび第3 領域54bのうち第1領域54c側の端部の上面(第1半 導体層61a、61bの上面)よりもガラス基板1側に 置している。また、第2領域54aにおける第1 導体層61aの上面から第1領域54cにおける第2半 導体層62の上面までの、上下方向の距離(オフ セット部の長さL1)は、第2半導体層62の厚さ( 1領域4cの厚さL2)の1倍以上7倍以下である。か つ、第3領域54bにおける第1半導体層61bの上面 ら第1領域54cにおける第2半導体層62の上面ま での、上下方向の距離(オフセット部の長さL3 )は、第2半導体層62の厚さ(第1領域4cの厚さL2) 1倍以上7倍以下である。

 第2半導体層62の上は、シリコン窒化膜の ート絶縁膜53により覆われている。ゲート 縁膜53のうち第1領域54cに対向する部分の上 は、Al/Mo積層(Moが下層)のゲート電極52が形成 されている。一方、ゲート絶縁膜53のうち第2 領域54aに対向する部分の上には、Al/Mo積層(Mo 下層)のソース電極56aが形成されている。ソ ース電極56aは、ゲート絶縁膜53および第2半導 体層62を貫通して、ソース領域55aに接触して る。また、ゲート絶縁膜53のうち第3領域54b 対向する部分の上には、Al/Mo積層(Moが下層) ドレイン電極56bが形成されている。ドレイ 電極56bは、ゲート絶縁膜53および第2半導体 62を貫通して、ドレイン領域55bに接触して る。ゲート絶縁膜53、ゲート電極52、ソース 極56aおよびドレイン電極56bの上は、保護膜5 8によって覆われている。

 本実施形態の微結晶シリコンTFTでは、オ セット部を設けることにより、オフセット を設けない場合と比較して、オフ電流を少 くすることができる。すなわち、微結晶シ コンTFTの利点であるオン電流の多さ(高移動 度)を確保しつつ、オフ電流を少なくするこ ができるため、高ON/OFF比を実現することが きる。

 微結晶シリコンTFTでは、ゲート電圧が負( ~-30V)のときに、急激にオフ電流が増加してし まうが、オフセット部の長さL1、L3を、第1領 4cの厚さL2の1倍以上とすることにより、オ 電流の増加を抑制することができる。また オフセット部の長さL1、L3を、第1領域4cの厚 L2の7倍以下とすることにより、寄生抵抗が きくなることによるオン電流の低下を回避 ることができる。具体的には、オフセット 域(L1、L3)の長さが60nm以上140nm以下であれば 高移動度(オン特性)と低オフ電流(最低オフ 流)を両立することができる。

 また、半導体層54として微結晶シリコン を形成したため、一般的なa-SiTFTと同様の製 プロセスによってTFTを容易に製造すること できる。

 さらに、第1半導体層61a、61bの厚さから第 2半導体層62の厚さを引いた値をオフセット部 の厚さ(L1、L3)とし、第2半導体層62の厚さを第 1領域4cの厚さ(L2)とすることができるため、 れらの厚さをより確実に制御することがで る。

 次に、本実施形態のTFTの製造方法につい 、図14(a)~(e)を参照しながら説明する。図14(a )~(e)は、実施形態5の半導体素子の製造工程を 示す断面図である。

 まず、図14(a)に示すように、ガラス基板51 の上に、高密度プラズマCVD(ICP方式、表面波 ラズマ方式又はECR方式)を行うことにより、 結晶シリコン膜61を形成する。ここで、微 晶シリコン膜61のかわりに非結晶シリコン膜 を形成してもよく、その場合には、例えば、 プラズマCVDを行えばよい。

 その後、リンなどのn型不純物を含むガス 雰囲気下でプラズマCVDを行うことにより、微 結晶シリコン膜61の上に不純物含有層55を形 する。

 次に、図14(b)に示すように、不純物含有 55の上にレジストマスク(図示せず)を形成し パターニングを行うことにより、不純物含 層55および微結晶シリコン膜61に溝63を形成 る。これにより、溝63の両側に、第1半導体 61a、61bおよびソース領域55a、ドレイン領域5 5bを形成する。

 次に、図14(c)に示すように、高密度プラ マCVD(ICP方式、表面波プラズマ方式又はECR方 )を行うことにより、第1半導体層61a、61bお び溝63を覆う微結晶シリコン膜である第2半 体層62を形成する。本実施形態では、第2半 体層62の厚さを、第1半導体層61a、61bの厚さ 1/8以上1/2以下とする。

 次に、図14(d)に示すように、プラズマCVD 行うことにより、第2半導体層62の上に、シ コン窒化膜のゲート絶縁膜53を形成する。

 その後、図14(e)に示すように、ゲート絶 膜53の上に、ゲート電極52、ソース電極56aお びドレイン電極56bを形成し、これらの上に リコン窒化膜の保護膜58を形成する。以上 工程によりTFTを形成することができる。

  (実施形態6)
 次に、本発明による第6の実施形態の半導体 素子を説明する。図15は、実施形態6の半導体 素子を示す断面図である。本実施形態の半導 体素子はトップゲート型構造(スタガ構造)を するTFTである。

 図15に示すように、本実施形態のTFTでは 絶縁基板であるガラス基板51の上に、厚さ20n m以上60nm以下の微結晶シリコン膜である第1半 導体層71が形成されている。第1半導体層71の には第2半導体層72a、72bが形成されており、 第2半導体層72a、72bの間は、溝73により互いに 分離されている。第2半導体層72a、72bは、厚 60nm以上140nm以下の微結晶シリコン膜または 結晶シリコン膜から形成されている。第1半 体層71および第2半導体層72a、72bにより、半 体層54が構成されている。また、第1半導体 71のうち溝73の底面の下に位置する部分を第 1領域54cと呼び、第2半導体層72aとその下の第1 半導体層71を第2領域54aと呼び、第2半導体層72 bとその下の第1半導体層71を第3領域54bと呼ぶ

 本実施形態において、第1領域54cの上面は 、第2領域54aおよび第3領域54bのうち第1領域54c 側の端部の上面よりもガラス基板51側に位置 ている。また、第2領域54aにおける第2半導 層72aの上面から第1領域54cにおける第1半導体 層71の上面までの、上下方向の距離(オフセッ ト部の長さL1)は、第1半導体層71の厚さ(第1領 54cの厚さL2)の1倍以上7倍以下である。かつ 第3領域54bにおける第2半導体層72bの上面から 第1領域54cにおける第1半導体層71の上面まで 、上下方向の距離(オフセット部の長さL3)は 第1半導体層71の厚さ(第1領域54cの厚さL2)の1 以上7倍以下である。

 第2半導体層72aの上にはソース領域55aが形 成され、第2半導体層72bの上にはドレイン領 55bが形成されている。ソース領域55aおよび レイン領域55bと、溝73の底面に配置する第1 導体層71との上は、シリコン窒化膜のゲート 絶縁膜53が形成されている。

 ゲート絶縁膜53のうち第1領域54cに対向す 部分の上には、Al/Mo積層(Moが下層)のゲート 極52が形成されている。一方、ゲート絶縁 53のうち第2領域54aに対向する部分の上には Al/Mo積層(Moが下層)のソース電極56aが形成さ ている。ソース電極56aは、ゲート絶縁膜53お よび第2半導体層72a、72bを貫通して、ソース 域55aに接触している。また、ゲート絶縁膜53 のうち第3領域54bに対向する部分の上には、Al /Mo積層(Moが下層)のドレイン電極56bが形成さ ている。ドレイン電極56bは、ゲート絶縁膜53 および第2半導体層72a、72bを貫通して、ドレ ン領域55bに接触している。ゲート絶縁膜53、 ゲート電極52、ソース電極56aおよびドレイン 極56bの上は、シリコン窒化膜の保護膜58に って覆われている。

 本実施形態の微結晶シリコンTFTでは、オ セット部を設けることにより、オフセット を設けない場合と比較して、オフ電流を少 くすることができる。すなわち、微結晶シ コンTFTの利点であるオン電流の多さ(高移動 度)を確保しつつ、オフ電流を少なくするこ ができるため、高ON/OFF比を実現することが きる。

 微結晶シリコンTFTでは、ゲート電圧が負( ~-30V)のときに、急激にオフ電流が増加してし まうが、オフセット部の長さL1、L3を、第1領 4cの厚さL2の1倍以上とすることにより、オ 電流の増加を抑制することができる。また オフセット部の長さL1、L3を、第1領域4cの厚 L2の7倍以下とすることにより、寄生抵抗が きくなることによるオン電流の低下を回避 ることができる。具体的には、オフセット 域(L1、L3)の長さが60nm以上140nm以下であれば 高移動度(オン特性)と低オフ電流(最低オフ 流)を両立することができる。

 また、半導体層54として微結晶シリコン を形成したため、一般的なa-SiTFTと同様の製 プロセスによってTFTを容易に製造すること できる。

 次に、本実施形態のTFTの製造方法につい 、図16(a)~(d)を参照しながら説明する。図16(a )~(d)は、実施形態6の半導体素子の製造工程を 示す断面図である。

 まず、図16(a)に示すように、ガラス基板51 の上に、高密度プラズマCVD(ICP方式、表面波 ラズマ方式又はECR方式)を行うことにより、 結晶シリコン膜の第1半導体層71を形成する 続いて、高密度プラズマCVD(ICP方式、表面波 プラズマ方式又はECR方式)を行うことにより 第1半導体層71の上に、微結晶シリコン膜の 2半導体層72を形成する。このとき、第2半導 層72として、非結晶シリコン膜を形成して よい。その後、第2半導体層72の上に、不純 含有層55を形成する。次に、図16(b)に示すよ に、不純物含有層55の上にレジストマスク74 を形成してパターニングを行うことにより、 不純物含有層55および第2半導体層72に溝73を 成する。これにより、溝73の両側に、ソース 領域55a、ドレイン領域55bを形成するとともに 、第2半導体層72a、72bを形成する。その後、 ジストマスク74を除去する。

  次に、図16(c)に示すように、ソース領域 55a、ドレイン領域55bおよび溝73の表面を覆う ート絶縁膜53を形成する。

  次に、図16(d)に示すように、ゲート絶縁 膜53を介した溝73の上にゲート電極52、ソース 電極56aおよびドレイン電極56bを形成する。以 上の工程によりTFTを形成することができる。

 実施形態5、6のようにトップゲート型のTF Tを形成する場合には、微結晶シリコン膜が くなると結晶化率が増加する傾向にあり、 の結晶化率の高い領域がゲート絶縁膜との 面に近い側に配置されるため、ボトムゲー 構造に対して移動度を高めることが可能に る。

  (実施形態7)
 次に、本発明による第7の実施形態の半導体 素子を説明する。図17は、実施形態7の半導体 素子を示す断面図である。本実施形態の半導 体素子は、ゲート電極が半導体層とガラス基 板との間に配置するボトムゲート構造を有す るTFTである。

 図17に示すように、本実施形態のTFTでは、 導体層4と、ソース領域5aおよびドレイン領 5bとの間に、酸素を含む層81が形成されてい 。酸素を含む層81は、その周囲の領域(半導 層4、ソース領域5aおよびドレイン領域5b)よ も高い濃度の酸素を含む。具体的には、酸 を含む層81は、1×10 20 atoms/cm 3 以上1×10 22 atoms/cm 3 以下の酸素を含むことが好ましい。また、よ り好ましくは、1×10 21 atoms/cm 3 以上の酸素を含むことが好ましい。酸素を含 む層81の厚さは、酸素を含む層81の酸素濃度 もよるが、例えば1nm以上30nm以下であること 好ましい。1nm以上であれば、オフ電流をよ 確実に低減できる。一方、30nmを超えると、 酸素を含む層81の電気抵抗が大きくなりすぎ オン電流が低下してしまう可能性がある。

 本実施形態において、第1領域4cの上面は 第2領域4aおよび第3領域4bのうち第1領域4c側 端部の上面よりもガラス基板1側に位置して いる。そして、第2領域4aおよび第3領域4bの端 部の上面から第1領域4cの上面までの、活性層 の厚さ方向の距離(オフセット部の長さ)は、 いに独立に、第1領域4cの厚さの1倍以上7倍 下である。それ以外の構成は、実施形態1と 様であるため、その説明を省略する。

 本実施形態のTFTでは、実施形態1と同様の 効果を得ることができる。さらに、ソース領 域5aとドレイン領域5bとの間の電流経路上に 電気抵抗の高い酸素を含む層81を形成するこ とにより、オフ電流をより低減することがで きるので、オン・オフ比を改善できる。

 次に、酸素を含む層81の製造工程につい 説明する。図18(a)~(e)は、実施形態7の半導体 子の製造工程を示す断面図である。ここで 、製造工程のうち実施形態1と異なる部分の み詳細に説明する。

 まず、図18(a)に示すように、ガラス基板1 ゲート電極2を形成した後、図18(b)に示すよ に、ゲート絶縁膜3および半導体層4を形成 る。

 次に、基板をチャンバーから取り出して 素を含む空気中に晒す。このとき、半導体 4の温度を15℃以上30℃以下に保ち、24時間か ら48時間、半導体層4を空気に接触させる。こ れにより、図18(c)に示すように、半導体層4の 表面が酸化され、酸素を含む層81が形成され 。

 次に、図18(d)に示すように、酸素を含む 81の上に不純物含有層5を形成する。その後 図18(e)に示すように、半導体層4、酸素を含 層81および不純物含有層5を島状にする。

 その後、実施形態1と同様の工程を行うこ とにより、図17に示すようなTFTを得ることが きる。

 半導体層4、ソース領域5aおよびドレイン 域5bを形成する工程では、チャンバー内に 量の酸素が存在するため、意図しなくても 導体層4、ソース領域5aおよびドレイン領域5b には酸素が導入される。また、製造工程の途 中や終了した後に、酸素が入り込むこともあ る。しかしながら、酸素を含む層81を形成す 工程では、半導体層4の表面を意図的に酸素 に晒すため、半導体層4の表面には、他の領 よりも多量の酸素が供給される。したがっ 、酸素を含む層81の酸素濃度は、周囲の領域 の酸素濃度よりも高くなる。

 また、同一のチャンバー内で半導体層4と 酸素を含む層81とをCVD法で連続形成してもよ 。

 なお、上記実施形態1~7では、TFTとして、 晶表示装置のアクティブマトリクス基板102( 図6に示す)に用いるTFTを例に挙げて説明した 、本発明はこれに限らず、有機EL表示装置 アクティブマトリクス基板等に用いてもよ 。また、画素のスイッチング素子であるTFT してだけでなく、その他にも例えばゲート ライバや有機EL表示装置のスイッチング素子 にも適用することができる。

 以上説明したように、一般的に用いられ いるa-SiTFTでは移動度が不足している場合に 非常に有効となり、例えば、大型液晶表示装 置または有機EL表示装置等へ利用することが きる。