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Patent Searching and Data


Title:
SEMICONDUCTOR ELEMENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/142739
Kind Code:
A1
Abstract:
A semiconductor element (10) comprises a floating gate structure in which charge storage layers (5 and 6) are successively laminated on an SiO2 layer (4) that is formed on a substrate (1) comprising n-type Si. The charge storage layer (5) comprises quantum dots (51a to 51c) comprising undoped Si and an oxide layer (52) coating the quantum dots. The charge storage layer (6) comprises quantum dots (61a to 61c) comprising n+ Si and the oxide layer (62) coating the n+ Si. Electrons existing originally in the quantum dots (61a to 61c) travel between the quantum dots (61a to 61c) and the quantum dots (51a to 51c) through tunnel junction according to the voltage applied on a gate electrode (9) from pads (12 and 13), and are distributed in the quantum dots (51a to 51c) and/or the quantum dots (61a to 61c). This distribution state is detected by electric current (ISD).

Inventors:
MAKIHARA KATSUNORI (JP)
MIYAZAKI SEIICHI (JP)
HIGASHI SEIICHIRO (JP)
MURAKAMI HIDEKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/001360
Publication Date:
November 27, 2008
Filing Date:
December 06, 2007
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Assignee:
UNIV HIROSHIMA (JP)
MAKIHARA KATSUNORI (JP)
MIYAZAKI SEIICHI (JP)
HIGASHI SEIICHIRO (JP)
MURAKAMI HIDEKI (JP)
International Classes:
H01L21/8247; H01L27/115; H01L29/06; H01L29/788; H01L29/792
Foreign References:
JP2000150862A2000-05-30
JP2000040753A2000-02-08
JP2001313386A2001-11-09
JP2005277263A2005-10-06
JP2004259986A2004-09-16
JP2003347434A2003-12-05
JP2003078050A2003-03-14
JP2000164735A2000-06-16
JP2002076358A2002-03-15
Other References:
OBRA R. ET AL.: "Nonvolatile Si Quantum Memory With Self-Aligned Doubly-Sta", IEEE TRANSACTIONS ON ELCTRON DEVICES, vol. 49, no. 8, August 2002 (2002-08-01), pages 1392 - 1398, XP001123235
Attorney, Agent or Firm:
MATSUYAMA, Takao (2-1 Tenma 2-chome, Kita-ku, Osaka-sh, Osaka 43, JP)
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Claims:
 フローティングゲート構造を有する半導体素子(10,100)であって、
 各々が量子ドット(51a~51c,61a~61c)を含み、基板(1)上に積層された複数の電荷蓄積層(5,6;50,60)と、
 前記複数の電荷蓄積層(5,6;50,60)に電圧を印加するゲート電極(9;91~98)とを備え、
 前記複数の電荷蓄積層(5,6;50,60)のうちの1つの電荷蓄積層(6;60)に含まれる量子ドット(61a~61c)は、キャリア濃度が他の電荷蓄積層(5;50)に含まれる量子ドット(51a~51c)よりも高く、
 隣接する2つの電荷蓄積層(5,6;50,60)に含まれる2つの量子ドット(51a,61a;51b,61b;51c,61c)は、トンネル接合される、半導体素子。
 前記複数の電荷蓄積層(5,6;50,60)は、
 キャリア濃度が第1の濃度である第1の量子ドット(61a~61c)を含む第1の電荷蓄積層(6,60)と、
 前記キャリア濃度が前記第1の濃度よりも低い第2の量子ドット(51a~51c)を含む第2の電荷蓄積層(5,50)と、
 前記第1の量子ドット(61a~61c)を前記第2の量子ドット(51a~51c)とトンネル接合させるための絶縁層(52)とを含み、
 前記ゲート電極(9,91~98)は、前記第1の量子ドット(61a~61c)と容量結合するように前記第1の電荷蓄積層(6,60)上に形成される、請求項1に記載の半導体素子。
 前記第1の量子ドット(61a~61c)は、p型またはn型の伝導型を示す半導体材料からなり、
 前記第2の量子ドット(51a~51c)は、真性の伝導型を示す半導体材料からなる、請求項2に記載の半導体素子。
 前記第1の量子ドット(61a~61c)は、n型シリコンからなり、
 前記第2の量子ドット(51a~51c)は、ノンドープのシリコンからなる、請求項3に記載の半導体素子。
 前記ゲート電極(9、91~98)によって前記第1および第2の電荷蓄積層(5,6;50,60)に印加される第1および第2の電圧の比較結果を前記第1および第2の量子ドット(51a~51c,61a~61c)におけるキャリア分布に応じて流れる電流により検出する検出部(2,3)を更に備え、
 前記ゲート電極(9,91~98)は、
 前記第1の電圧を前記第1および第2の電荷蓄積層(5,6;50,60)に印加するための第1のゲート電極(SG1)と、
 前記第1の電圧と比較する前記第2の電圧を前記第1および第2の電荷蓄積層(5,6;50,60)に印加するための第2のゲート電極(SG2)とを含み、
 前記第1および第2の量子ドット(51a~51c,61a~61c)は、前記第1および第2の電圧の比較結果に応じて分布するキャリアを含む、請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の半導体素子。
 前記キャリアは、前記第1および第2の電圧が第1の論理レベルを表す電圧からなるとき、前記第1の量子ドット(61a~61c)のみに分布し、前記第1および第2の電圧の一方が前記第1の論理レベルを表す電圧からなり、かつ、前記第1および第2の電圧の他方が前記第1の論理レベルと異なる第2の論理レベルを表す電圧からなるとき、前記第1および第2の量子ドット(51a~51c,61a~61c)に分布し、前記第1および第2の電圧が前記第2の論理レベルを表す電圧からなるとき、前記第2の量子ドット(51a~51c)のみに分布する、請求項5に記載の半導体素子。
 前記ゲート電極(9,91~98)を前記第1の量子ドット(61a~61c)と容量結合させるための誘電体層(11)を更に備え、
 前記第1のゲート電極(SG1)は、前記誘電体層(11)に接して前記基板(1)の面内方向において中心から一方側に形成され、
 前記第2のゲート電極(SG2)は、前記誘電体層(11)に接して前記基板(1)の面内方向において中心から他方側に形成され、
 前記キャリアは、前記第1の電圧が前記第1の論理レベルを表す電圧からなり、かつ、前記第2の電圧が前記第2の論理レベルを表す電圧からなるとき、前記第1のゲート電極(SG1)の下側に形成された前記第1の量子ドット(61a~61c)と前記第2のゲート電極の下側に形成された前記第2の量子ドット(51a~51c)とに分布し、前記第1の電圧が前記第2の論理レベルを表す電圧からなり、かつ、前記第2の電圧が前記第1の論理レベルを表す電圧からなるとき、前記第1のゲート電極(SG1)の下側に形成された前記第2の量子ドット(51a~51c)と前記第2のゲート電極(SG2)の下側に形成された前記第1の量子ドット(61a~61c)とに分布する、請求項6に記載の半導体素子。
 前記第1および第2の電荷蓄積層(5,6;50,60)および前記ゲート電極(9,91~98)は、前記基板(1)の一主面に形成された電界効果トランジスタのチャネル領域上に配置され、
 前記検出部(2,3)は、前記電界効果トランジスタのソースおよびドレイン間に流れる電流により前記第1および第2の電圧の比較結果を検出する、請求項6または請求項7に記載の半導体素子。
 前記検出部(2,3)は、前記第1および第2の電圧が第1の論理レベルを表す電圧からなるとき、第1の電流を検出し、前記第1の電圧が前記第1の論理レベルを表す電圧からなり、かつ、前記第2の電圧が前記第2の論理レベルを表す電圧からなるとき、前記第1の電流よりも小さい第2の電流を検出し、前記第1の電圧が前記第2の論理レベルを表す電圧からなり、かつ、前記第2の電圧が前記第1の論理レベルを表す電圧からなるとき、前記第2の電流よりも小さい第3の電流を検出し、前記第1および第2の電圧が前記第2の論理レベルを表す電圧からなるとき、前記第3の電流よりも小さい第4の電流を検出する、請求項8に記載の半導体素子。
Description:
半導体素子

 この発明は、半導体素子に関し、特に、 合フローティングゲート構造を有する半導 素子に関するものである。

 従来、情報処理構造体は、特開2001-313386 公報に記載のものが知られている。従来の 報処理構造体は、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)のゲート電極の直上に形 成された量子ドットと、MOSFETが形成された基 板の面内方向において量子ドットの両側にそ れぞれ形成された第1および第2の情報電極と 量子ドットの上側に形成された電源電極と 備える。

 量子ドットは、MOSFETのゲート電極および 源電極とトンネル接合によって結合される また、量子ドットは、第1および第2の情報 極の各々と容量結合される。

 従来の情報処理構造体においては、第1お よび第2の情報電極で決定される電位に応じ 、クーロンブロッケード現象により電子が 量子ドットを通して電源電極とゲート電極 の間を移動する。そして、情報処理構造体 基板との間に形成されたキャパシタの電位 変化する。

 したがって、従来の情報処理構造体は、 1および第2の情報電極で決定される電位に じて変化するキャパシタの電位を検出する とにより、2つの情報電極に印加された電圧 比較する。

 しかし、従来の情報処理構造体は、キャ アを外部から量子ドット中へ供給するため 駆動電圧が高くなるという問題がある。

 そこで、この発明は、かかる問題を解決 るために成されたものであり、その目的は フローティングゲート構造を有し、駆動電 を低減可能な半導体素子を提供することで る。

 この発明によれば、半導体素子は、フロ ティングゲート構造を有する半導体素子で って、複数の電荷蓄積層と、ゲート電極と 備える。複数の電荷蓄積層は、各々が量子 ットを含み、基板上に積層される。ゲート 極は、複数の電荷蓄積層に電圧を印加する そして、複数の電荷蓄積層のうちの1つの電 荷蓄積層に含まれる量子ドットは、キャリア 濃度が他の電荷蓄積層に含まれる量子ドット よりも高い。また、隣接する2つの電荷蓄積 に含まれる2つの量子ドットは、トンネル接 される。

 好ましくは、複数の電荷蓄積層は、第1お よび第2の電荷蓄積層と、絶縁層とを含む。 1の電荷蓄積層は、キャリア濃度が第1の濃度 である第1の量子ドットを含む。第2の電荷蓄 層は、キャリア濃度が第1の濃度よりも低い 第2の量子ドットを含む。絶縁層は、第1の量 ドットを第2の量子ドットとトンネル接合さ せる。そして、ゲート電極は、第1の量子ド トと容量結合するように第1の電荷蓄積層上 形成される。

 好ましくは、第1の量子ドットは、p型ま はn型の伝導型を示す半導体材料からなり、 2の量子ドットは、真性の伝導型を示す半導 体材料からなる。

 好ましくは、第1の量子ドットは、n型シ コンからなり、第2の量子ドットは、ノンド プのシリコンからなる。

 好ましくは、半導体素子は、検出部をさ に備える。検出部は、ゲート電極によって 1および第2の電荷蓄積層に印加される第1お び第2の電圧の比較結果を第1および第2の量 ドットにおけるキャリア分布に応じて流れ 電流により検出する。ゲート電極は、第1お よび第2のゲート電極を含む。第1のゲート電 は、第1の電圧を第1および第2の電荷蓄積層 印加する。第2のゲート電極は、第1の電圧 比較する第2の電圧を第1および第2の電荷蓄 層に印加する。そして、第1および第2の量子 ドットは、第1および第2の電圧の比較結果に じて分布するキャリアを含む。

 好ましくは、キャリアは、第1および第2 電圧が第1の論理レベルを表す電圧からなる き、第1の量子ドットのみに分布し、第1お び第2の電圧の一方が第1の論理レベルを表す 電圧からなり、かつ、第1および第2の電圧の 方が第1の論理レベルと異なる第2の論理レ ルを表す電圧からなるとき、第1および第2の 量子ドットに分布し、第1および第2の電圧が 2の論理レベルを表す電圧からなるとき、第 2の量子ドットのみに分布する。

 好ましくは、半導体素子は、誘電体層を に備える。誘電体層は、ゲート電極を第1の 量子ドットと容量結合させる。第1のゲート 極は、誘電体層に接して基板の面内方向に いて中心から一方側に形成され、第2のゲー 電極は、誘電体層に接して基板の面内方向 おいて中心から他方側に形成される。キャ アは、第1の電圧が第1の論理レベルを表す 圧からなり、かつ、第2の電圧が第2の論理レ ベルを表す電圧からなるとき、第1のゲート 極の下側に形成された第1の量子ドットと第2 のゲート電極の下側に形成された第2の量子 ットとに分布し、第1の電圧が第2の論理レベ ルを表す電圧からなり、かつ、第2の電圧が 1の論理レベルを表す電圧からなるとき、第1 のゲート電極の下側に形成された第2の量子 ットと第2のゲート電極の下側に形成された 1の量子ドットとに分布する。

 好ましくは、第1および第2の電荷蓄積層 よびゲート電極は、基板の一主面に形成さ た電界効果トランジスタのチャネル領域上 配置される。そして、検出部は、電界効果 ランジスタのソースおよびドレイン間に流 る電流により第1および第2の電圧の比較結果 を検出する。

 好ましくは、検出部は、第1および第2の 圧が第1の論理レベルを表す電圧からなると 、第1の電流を検出し、第1の電圧が第1の論 レベルを表す電圧からなり、かつ、第2の電 圧が第2の論理レベルを表す電圧からなると 、第1の電流よりも小さい第2の電流を検出し 、第1の電圧が第2の論理レベルを表す電圧か なり、かつ、第2の電圧が第1の論理レベル 表す電圧からなるとき、第2の電流よりも小 い第3の電流を検出し、第1および第2の電圧 第2の論理レベルを表す電圧からなるとき、 第3の電流よりも小さい第4の電流を検出する

 この発明による半導体素子は、電圧がゲー 電極によって複数の電荷蓄積層に印加され と、キャリア密度が高い量子ドットから供 されたキャリアは、その印加された電圧に じて、複数の電荷蓄積層の量子ドット間を ンネルにより移動し、複数の電荷蓄積層に
 含まれる複数の量子ドットに分布する。そ て、複数の電荷蓄積層に含まれる複数の量 ドットにおけるキャリアの分布状態によっ 、記憶した数値を表すことができ、または ート電極に印加された2つの電圧の比較結果 を表すことができる。

 したがって、この発明によれば、半導体 モリまたは比較器として用いられる半導体 子の駆動電圧を低減できる。

この発明の実施の形態による半導体素 の断面図である。 図1に示す半導体素子の製造方法を示す 第1の工程図である。 図1に示す半導体素子の製造方法を示す 第2の工程図である。 図1に示す半導体素子の電気回路の模式 図である。 半導体メモリとして用いられる半導体 子の動作を説明するための図である。 比較器として用いられる半導体素子の 動作を説明するための図である。 比較器として用いられる半導体素子の 動作を説明するための図である。 比較器として用いられる半導体素子の 動作を説明するための図である。 比較器として用いられる半導体素子の 動作を説明するための図である。 図1に示す半導体素子を用いた他の比較 器の斜視図である。

 本発明の実施の形態について図面を参照 ながら詳細に説明する。なお、図中同一ま は相当部分には同一符号を付してその説明 繰返さない。

 図1は、この発明の実施の形態による半導体 素子の断面図である。図1を参照して、この 明の実施の形態による半導体素子10は、基板 1と、ソース電極2と、ドレイン電極3と、SiO 2 層4,11と、電荷蓄積層5,6と、サイドウォール7, 8と、ゲート電極9,14と、パッド12,13とを備え 。

 基板1は、たとえば、(100)面を有するn型シリ コン(Si)からなる。ソース電極2およびドレイ 電極3は、p + Siからなり、基板1の一主面側に形成される。 SiO 2 層4は、基板1の一主面に形成され、電子がト ネル不可能な膜厚を有する。つまり、SiO 2 層4は、電荷蓄積層5が基板1と容量結合する膜 厚を有する。

 電荷蓄積層5は、SiO 2 層4上にSiO 2 層4に接して形成される。電荷蓄積層6は、電 蓄積層5上に電荷蓄積層5に接して形成され 。サイドウォール7は、SiO 2 膜を含む絶縁物からなり、電荷蓄積層5,6の一 方の側壁およびSiO 2 層4に接して形成される。また、サイドウォ ル8は、SiO 2 膜を含む絶縁物からなり、電荷蓄積層5,6の他 方の側壁およびSiO 2 層4に接して形成される。そして、サイドウ ール7,8は、電荷蓄積層5,6の膜厚の和に略等 い膜厚を有する。

 ゲート電極9は、たとえば、ニッケルシリサ イド等の金属シリサイド、窒化チタン(TiN)等 金属窒化物、金属カーバイドおよびジャー ナナイドのいずれかからなり、電荷蓄積層6 およびサイドウォール7,8上に電荷蓄積層6お びサイドウォール7,8に接して形成される。Si O 2 層11は、ゲート電極9を覆うように形成され、 電子がトンネル不可能な膜厚を有する。

 パッド12は、ゲート電極9の一方端の上側に 置し、SiO 2 層11に接して形成される。また、パッド13は ゲート電極9の他方端の上側に位置し、SiO 2 層11に接して形成される。そして、パッド12,1 3は、それぞれ、ゲート電極9の一方端および 方端と容量結合する。

 ゲート電極14は、SiO 2 層11上にSiO 2 層11に接して形成される。そして、ゲート電 14は、タンタル(Ta)、アルミニウム(Al)、タン グステン(W)およびモリブデン(Mo)等の純金属 るいはそれらの合金、窒化チタン(TiN)および 窒化タンタル(TaN)等の金属シリサイド、TiN/W/T iNのスタック構造、ITO(Indium Tin Oxide)およびIZ O(Indium Zinc Oxide)等の透明導電体または不純 を高濃度にドープして低抵抗化した半導体 からなる。

 電荷蓄積層5は、量子ドット51a~51cと、酸化 52とからなる。量子ドット51a~51cの各々は、 ンドープのSiからなり、SiO 2 層4に接して形成される。そして、量子ドッ 51a~51cのドット密度は、5×10 10 cm -2 ~1×10 13 cm -2 の範囲である。酸化層52は、SiO 2 からなり、量子ドット51a~51cを被覆するよう SiO 2 層4上に形成される。

 電荷蓄積層6は、量子ドット61a~61cと、酸化 62とからなる。量子ドット61a~61cの各々は、n + Siからなり、酸化層52上に形成される。この 合、量子ドット61a~61cは、それぞれ、量子ド ト51a~51c上に位置するように形成される。ま た、量子ドット61a~61cのドット密度は、5×10 10 cm -2 ~1×10 13 cm -2 の範囲であり、キャリア濃度は、1~100個/ドッ トの範囲である。

 なお、量子ドットとは、導電性材料によ 成る量子構造体を意味し、ドットへの1によ る静電エネルギーの増加が室温のエネルギー である26meVよりも大きくなる程度に小さなサ ズを有する半導体単結晶から構成された球 あるいは半球状の微細結晶である。そして 量子ドットがSiからなる場合、量子ドット サイズは、典型的には10nm以下である。

 したがって、量子ドット51a~51c,61a~61cの各 は、10nm以下の大きさを有する球状あるいは 半球状の微細結晶からなる。

 量子ドット51a~51cを被覆する酸化層52は、 子ドット51aと量子ドット61aとの距離、量子 ット51bと量子ドット61bとの距離および量子 ット51cと量子ドット61cとの距離が約1~3nmに る膜厚を有する。つまり、酸化層52は、量子 ドット51a,61a間、量子ドット51b,61b間および量 ドット51c,61c間で電子がトンネルする膜厚を 有する。

 また、量子ドット61a~61cを被覆する酸化層 62は、ゲート電極9と量子ドット61a~61cとの間 電子がトンネルしない3~6nmの膜厚、すなわち 、ゲート電極9が量子ドット61a~61cと容量結合 る膜厚を有する。

 このように、半導体素子10は、量子ドット51 a~51cを基板1と容量結合させるSiO 2 層4と、量子ドット61a~61cをゲート電極14と容 結合させるSiO 2 層11とによって挟まれた電荷蓄積層5,6を含む で、半導体素子10は、MOSFET上に形成された ローティングゲート構造を有する半導体素 である。

 なお、半導体素子10において、チャネル の量子ドット51a~51c,61a~61cの個数は、量子ド ト51a~51c,61a~61cのサイズおよび密度が決まれ 、MOSFETのチャネル長およびチャネル幅が任 の寸法を有していても、自ずと決定される

 次に、半導体素子10の製造方法について 明する。図2および図3は、それぞれ、図1に す半導体素子10の製造方法を示す第1および 2の工程図である。図2を参照して、一連の動 作が開始されると、素子分離(LOCOS:Local Oxidati on of Silicon)によって基板1の表面側に選択酸 領域21,22を形成する(図2の(a)参照)。

 その後、基板1の一主面を2%の酸素雰囲気中 おいて約1000℃で酸化することにより基板1 一主面の全面にSiO 2 膜を形成し、その形成したSiO 2 膜をフォトリソグラフィーによってパターン ニングしてSiO 2 層4を形成する(図2の(b)参照)。

 そして、SiO 2 層4の表面を0.1%のフッ酸で洗浄する。これに って、SiO 2 層4の表面がOHによって終端される。その後、 シラン(SiH 4 )ガスを原料として、575℃の基板温度、26.6Pa 反応圧力で60秒間、減圧化学気相堆積法(LPCVD :Low Pressure Chemical Vapour Deposition)によって量 子ドット51a~51cを自己組織的にSiO 2 層4上に形成する(図2の(c)参照)。

 そして、量子ドット51a~51cを2%の酸素雰囲 中において約850℃で酸化し、2nm程度の膜厚 有する酸化層52を形成する。これによって 電荷蓄積層5が形成される(図2の(d)参照)。

 その後、SiH 4 ガスおよびホスフィン(PH 3 )ガスを原料として、575℃の基板温度、26.6Pa 反応圧力で60秒間、LPCVD法によって量子ドッ 61a~61cを自己組織的に酸化層52上に形成する( 図2の(e)参照)。

 そして、量子ドット61a~61c上にアモルファス シリコン(a-Si)を堆積する。この場合、原料ガ スは、ジシラン(Si 2 H 6 )ガスであり、基板温度は、440℃であり、反 圧力は、26.6Paである。その後、a-Siを2%の酸 雰囲気中において1000℃の温度で酸化し、3~6n m程度の膜厚を有する酸化層62を形成する。こ れによって、電荷蓄積層6が形成される(図3の (f)参照)。

 引き続いて、フォトリソグラフィーによ て量子ドット51a~51c、酸化層52、量子ドット6 1a~61cおよび酸化層62を所定の寸法にパターン ングし、量子ドット51a~51c、酸化層52、量子 ット61a~61cおよび酸化層62の両側から基板1の 一主面にボロン(B)を高濃度にドープすること によってソース電極2およびドレイン電極3を 成する(図3の(g)参照)。

 そして、量子ドット51a~51c、酸化層52、量 ドット61a~61cおよび酸化層62の両側にサイド ォール7,8を形成するとともに、電荷蓄積層6 およびサイドウォール7,8上にゲート電極9を 成する(図3の(h)参照)。

 その後、ゲート電極9を覆うようにSiO 2 を形成し、その形成したSiO 2 をフォトリソグラフィーによって所定の寸法 にパターンニングしてSiO 2 層11を形成する。そして、ゲート電極9の一方 端上に位置するようにパッド12をSiO 2 層11に接して形成し、ゲート電極9の他方端上 に位置するようにパッド13をSiO 2 層11に接して形成するとともに、SiO 2 層11上にゲート電極14を形成する(図3の(i)参照 )。これによって、半導体素子10が完成する。

 図4は、図1に示す半導体素子10の電気回路 の模式図である。なお、図4においては、ゲ ト電極9の一方端と容量結合したパッド12を 号ゲートSG1とし、ゲート電極9の他方端と容 結合したパッド13を信号ゲートSG2とし、ゲ ト電極14をゲートGとして表している。

 図4を参照して、キャリアがトンネル不可能 な膜厚を有するSiO 2 層4が基板1と電荷蓄積層5との間に存在するた め、電荷蓄積層5の量子ドット51a~51cは、それ れ、キャパシタC1~C3によって基板1と容量結 する。

 また、電荷蓄積層5の酸化層52は、キャリ が量子ドット51a,61a間、量子ドット51b,61b間 よび量子ドット51c,61c間でトンネル可能な膜 を有するため、量子ドット51a~51cは、それぞ れ、トンネル接合TJ1~TJ3によって量子ドット61 a~61cと結合される。

 さらに、電荷蓄積層6の酸化層62は、キャ アがゲート電極9と量子ドット61a~61cとの間 トンネル不可能な膜厚を有するため、量子 ット61a~61cは、それぞれ、キャパシタC4~C6に ってゲート電極9中のノードN1~N3と容量結合 る。

 さらに、SiO 2 層11は、キャリアがトンネル不可能な膜厚を するため、ノードN2は、キャパシタC7によっ てゲートGと容量結合する。

 そして、量子ドット51a~51cは、アンドープSi らなり、量子ドット61a~61cは、n + Siからなるため、ノードN1~N3に電圧が印加さ ていない場合、キャリアは、量子ドット51a~5 1cではなく、量子ドット61a~61cのみに蓄積され る。この場合、量子ドット61a~61cの各々は、2 の電子を蓄積する。

 半導体素子10は、半導体メモリまたは比 器として用いられる。まず、半導体素子10を 半導体メモリとして用いる場合について説明 する。図5は、半導体メモリとして用いられ 半導体素子10の動作を説明するための図であ る。半導体素子10が半導体メモリとして用い れる場合、ゲート電極9は、1つの信号ゲー SG1からなる。すなわち、ノードN1~N3には、同 じ電圧が印加される。

 V1の電圧が信号ゲートSG1,SG2に印加された場 、V1の電圧がノードN1~N3に印加され、キャリ アは、量子ドット61a~61cのみに蓄積される。 して、この場合、ソース電極2とドレイン電 3との間には、電流I SD 1が流れる(図5の(a)参照)。

 また、V2(<V1)の電圧が信号ゲートSG1,SG2に 加された場合、V2(<V1)の電圧がノードN1~N3 印加され、量子ドット61a~61cに蓄積されたキ リアの一部は、トンネルによって量子ドッ 51a~51cへ移動する。そして、キャリアは、量 子ドット51a~51cおよび量子ドット61a~61cに蓄積 れる。この場合、ソース電極2とドレイン電 極3との間には、電流I SD 2(<I SD 1)が流れる(図5の(b)参照)。

 さらに、V3(<V2)の電圧が信号ゲートSG1,SG2 印加された場合、V3(<V2)の電圧がノードN1~N 3に印加され、量子ドット61a~61cに蓄積された ャリアは、トンネルによって更に量子ドッ 51a~51cへ移動する。そして、キャリアは、量 子ドット51a~51cのみに蓄積される。この場合 ソース電極2とドレイン電極3との間には、電 流I SD 3(<I SD 2)が流れる(図5の(c)参照)。

 したがって、ソース電極2とドレイン電極3 の間に流れる電流I SD を検出することによって、量子ドット51a~51c,6 1a~61cにおけるキャリアの分布状態を知ること ができる。その結果、キャリアの各分布状態 を数値に対応付けることによって半導体素子 10を半導体メモリとして用いることができる

 半導体素子10を半導体メモリとして用い 場合、各数値に対応して量子ドット51a~51c,61a ~61cに分布するキャリアは、量子ドット61a~61c ら供給されるので、半導体メモリの駆動電 を低くできる。すなわち、電荷蓄積層に分 するキャリアを基板またはゲート電極から 給する場合、容量結合を介してキャリアを 荷蓄積層へ供給するため、大きな駆動電圧 必要であるが、積層された2つの電荷蓄積層 5,6のうちの1つの電荷蓄積層6が量子ドット51a~ 51c,61a~61cに分布するキャリアを供給する場合 元来、量子ドット61a~61cに存在するキャリア を保持するか、量子ドット61a~61cに存在する ャリアをトンネルによって量子ドット51a~51c 移動させるだけであるので、駆動電圧を低 できる。

 次に、半導体素子10を比較器として用い 場合について説明する。図6Aから図6Dは、比 器として用いられる半導体素子10の動作を 明するための図である。半導体素子10が比較 器として用いられる場合、ゲート電極9は、2 の信号ゲートSG1,SG2からなる。そして、信号 ゲートSG1は、量子ドット51b,61bを中心にして 側の電荷蓄積層5,6上に配置され、信号ゲー SG2は、量子ドット51b,61bを中心にして右側の 荷蓄積層5,6上に配置される。

 そして、論理値である“1”を構成する電圧 V1が信号ゲートSG1,SG2の両方に印加されると、 ノードN1~N3は、全て、同じ電位になり、キャ アは、量子ドット61a~61cのみに蓄積される。 この場合、ソース電極2とドレイン電極3との には、電流I SD 1が流れる(図6A参照)。

 また、電圧V1が信号ゲートSG1に印加され、 理値である“0”を構成する電圧V3(<V1)が信 号ゲートSG2に印加された場合、量子ドット61a は、2個の電子を保持し、量子ドット61bは、2 の電子のうち、ノードN3側の電子をトンネ によって量子ドット51bへ移動させ、量子ド ト61cは、2個の電子をトンネルによって量子 ット51cへ移動させる。つまり、信号ゲートS G2の下側に存在する電子は、量子ドット61b,61c から量子ドット51b,51cへ移動する。その結果 量子ドット61a,51cは、2個の電子を蓄積し、量 子ドット61b,51bは、1個の電子を蓄積し、量子 ット51a,61cは、電子を蓄積しない。この場合 、ソース電極2とドレイン電極3との間には、 流I SD 4(<I SD 1)が流れる(図6B参照)。

 さらに、電圧V3が信号ゲートSG1に印加され 電圧V1が信号ゲートSG2に印加された場合、量 子ドット61aは、2個の電子をトンネルによっ 量子ドット51aへ移動させ、量子ドット61bは 2個の電子のうち、ノードN1側の電子をトン ルによって量子ドット51bへ移動させ、量子 ット61cは、2個の電子を保持する。つまり、 号ゲートSG1の下側に存在する電子は、量子 ット61a,61bから量子ドット51a,51bへ移動する その結果、量子ドット61c,51aは、2個の電子を 蓄積し、量子ドット61b,51bは、1個の電子を蓄 し、量子ドット51c,61aは、電子を蓄積しない 。この場合、ソース電極2とドレイン電極3と 間には、電流I SD 5(<I SD 4)が流れる(図6C参照)。

 さらに、電圧V3が2つの信号ゲートSG1,SG2に印 加された場合、量子ドット61a~61cは、2個の電 をトンネルによってそれぞれ量子ドット51a~ 51cへ移動させる。その結果、電子は、量子ド ット51a~51cのみに蓄積される。この場合、ソ ス電極2とドレイン電極3との間には、電流I SD 3(<I SD 5)が流れる(図6D参照)。

 このように、信号ゲートSG1に印加される 圧V1が信号ゲートSG2に印加される電圧V1と同 じ場合、量子ドット51a~51c,61a~61cにおけるキャ リア分布は、図6Aに示す分布状態となり、信 ゲートSG1に印加される電圧V1が信号ゲートSG 2に印加される電圧V3よりも高い場合、量子ド ット51a~51c,61a~61cにおけるキャリア分布は、図 6Bに示す分布状態となり、信号ゲートSG1に印 される電圧V3が信号ゲートSG2に印加される 圧V1よりも低い場合、量子ドット51a~51c,61a~61c におけるキャリア分布は、図6Cに示す分布状 となり、信号ゲートSG1に印加される電圧V3 信号ゲートSG2に印加される電圧V3と同じ場合 、量子ドット51a~51c,61a~61cにおけるキャリア分 布は、図6Dに示す分布状態となる。

 そして、図6A~6Dに示す分布状態においては それぞれ、電流I SD 1,I SD 4,I SD 5,I SD 3が流れる。つまり、2つの信号ゲートSG1,SG2に 印加される電圧の大小関係に応じて異なる電 流I SD がソース電極2とドレイン電極3との間に流れ 。したがって、ソース電極2とドレイン電極 3との間に流れる電流I SD を検出することによって、2つの信号ゲートSG 1,SG2に印加された電圧の大小関係を比較する とができる。すなわち、半導体素子10を比 器として用いることができる。

 この場合、2つの信号ゲートSG1,SG2に印加 れる電圧の大小関係に応じて、キャリアが 子ドット51a,61a間、量子ドット51b,61b間および 量子ドット51c,61c間でトンネルによって移動 るだけであるので、比較器の駆動電圧を低 できる。

 2つの信号ゲートSG1,SG2に印加される電圧を ィジタル値で表すと、信号ゲートSG1,SG2に印 される電圧と、電流I SD との関係は、表1のようになる。

 SG1=SG2=1である場合、量子ドット51a~51c,61a~61c おけるキャリア分布は、図6Aに示す分布状 となり、ソース電極2とドレイン電極3との間 に流れる電流I SD は、“大”となる。また、SG1=1,SG2=0である場 、量子ドット51a~51c,61a~61cにおけるキャリア 布は、図6Bに示す分布状態となり、電流I SD は、“中”となる。さらに、SG1=0,SG2=1である 合、量子ドット51a~51c,61a~61cにおけるキャリ 分布は、図6Cに示す分布状態となり、電流I SD は、“小”となる。さらに、SG1=SG2=0である場 合、量子ドット51a~51c,61a~61cにおけるキャリア 分布は、図6Dに示す分布状態となり、電流I SD は、“極小”となる。

 したがって、2つの信号ゲートSG1,SG2に印加 れる電圧がディジタル値である場合におい も、ソース電極2とドレイン電極3との間に流 れる電流I SD を検出することによって半導体素子10を比較 として用いることができる。

 なお、量子ドット51a~51c,61a~61cは、帯電電 が離散的であるため、量子ドット51a~51c,61a~6 1cを用いた比較器は、ディジタル信号の比較 作に有効である。

 図7は、図1に示す半導体素子10を用いた他 の比較器の斜視図である。図7を参照して、 較器100は、半導体素子10の電荷蓄積層5,6をそ れぞれ電荷蓄積層50,60に代え、ゲート電極9を ゲート電極91~98に代え、パッド12,13をそれぞ パッド121~128およびパッド131~138に代えたもの であり、その他は、半導体素子10と同じであ 。

 電荷蓄積層50は、SiO 2 層4上にSiO 2 層4に接して形成され、量子ドット51a~51cと酸 層52とからなる。そして、電荷蓄積層50にお いては、量子ドット51a~51cは、比較器100の幅 向DR1に配置され、量子ドット51a~51cの複数の が比較器100の長さ方向DR2に配置される。

 電荷蓄積層60は、電荷蓄積層50上に電荷蓄 積層50に接して形成され、量子ドット61a~61cと 酸化層62とからなる。そして、電荷蓄積層60 おいては、量子ドット61a~61cは、幅方向DR1に 置され、量子ドット61a~61cの複数の組が長さ 方向DR2に配置される。

 この場合、長さ方向DR2に配置される量子 ット51a~51c,61a~61cの間隔は、たとえば、5nmで る。

 また、複数のゲート電極91~98は、サイド ォール7,8および電荷蓄積層60上にサイドウォ ール7,8および電荷蓄積層60に接して形成され 所定の間隔を隔てて長さ方向DR2に配置され 。より具体的には、ゲート電極91~98の各々 、基板1の法線方向に配置された量子ドット6 1a~61c,51a~51c上に位置するように配置される。 して、複数のゲート電極91~98の各々は、ゲ ト電極9と同じ材料からなり、半円筒形状ま は逆台形形状の断面形状を有する。また、 数のゲート電極91~98の各々は、20nmまたはそ 以上の線幅および10nm以上の厚みを有する。 さらに、隣接する2つのゲート電極91,92;92,93;93 ,94;94,95;95,96;96,97;97,98の間隔は、ハーフピッチ で20nmまたはそれ以上である。その結果、2組 上の量子ドット51a~51c,61a~61cが1つのゲート電 極(ゲート電極91~98のいずれか)の幅方向に配 される。

 なお、ゲート電極91~98は、サイドウォー 7,8および電荷蓄積層60上に金属シリサイド等 を形成し、その形成した金属シリサイド等を フォトリソグラフィーによってパターンニン グすることによって形成される。

 パッド121~128は、それぞれ、ゲート電極91~98 一方端上に位置するように長さ方向DR2に配 され、SiO 2 層11に接して形成される。また、パッド131~138 は、それぞれ、ゲート電極91~98の他方端上に 置するように長さ方向DR2に配置され、SiO 2 層11に接して形成される。そして、パッド121~ 128は、それぞれ、ゲート電極91~98の一方端と 量結合によって結合し、パッド131~138は、そ れぞれ、ゲート電極91~98の他方端と容量結合 よって結合する。

 なお、比較器100においては、SiO 2 層11は、複数のゲート電極91~98を覆うように 成される。

 パッド121,131からそれぞれ電圧VA,VBが印加 れると、電圧VA,VBは、容量結合によってパ ド121,131からゲート電極91に印加され、ゲー 電極91の下側に配置された量子ドット61a~61c,5 1a~51cにおけるキャリア分布は、電圧VA,VBの比 結果に応じて図6A~6Dのいずれかの分布状態 なる。

 パッド122,132;123,133;124,134;125,135;126,136;127,13 7;128,138からそれぞれ電圧VA,VBが印加された場 も、同様である。

 そして、ソース電極2とドレイン電極3との に流れる電流I SD は、ゲート電極91~98の下側に配置された量子 ット61a~61c,51a~51cにおけるキャリア分布に応 て変化する。

 したがって、比較器100においては、電流I SD を計測することによって、8個のパッド121~128 ら印加される電圧パターンVPAを8個のパッド 131~138から印加される電圧パターンVPBと比較 ることができる。すなわち、電圧パターンVP A,VPBをそれぞれパッド121~128,131~138に同時に印 すると、パターン類似度(ハミング距離)に じた出力(=I SD )を得ることができる。

 このように、比較器100を多ビット一括コ パレータとして用いることができる。

 比較器100を用いると、次の確率的連想動作 行なうことができる。電圧パターンVPBを記 パターンデータとし、電圧パターンVPAを入 パターンとして電圧パターンVPA,VPBをそれぞ れパッド121~128,131~138に同時に印加し、“大” または“極小”となる電流I SD を検出することによって、入力パターン(電 パターンVPA)に類似した記憶パターン(電圧パ ターンVPB)を選ぶことができる。

 なお、比較器100は、8本のゲート電極91~98 備えると説明したが、この発明においては これに限らず、比較器100は、n(nは2以上の整 数)本のゲート電極を備えていればよい。

 上述したように、この発明においては、電 蓄積層6,60中に元来的に存在するキャリア(= 子)をゲート電極9,91~98に印加される電圧に じてトンネルによって電荷蓄積層5,50中へ移 させてキャリア(=電子)を電荷蓄積層5および /または電荷蓄積層6(または電荷蓄積層50およ /または電荷蓄積層60)に分布させ、電荷蓄積 層5,6(または電荷蓄積層50,60)中におけるキャ ア(=電子)の分布状態に応じた電流I SD を計測することによって、半導体素子10を半 体メモリまたは比較器として用いる。

 したがって、キャリアを外部(電極または 基板)からフローティングゲート中へ移動さ る半導体素子に比べ、駆動電圧を小さくで る。

 上記においては、電荷蓄積層5は、アンドー プのSiからなる量子ドット51a~51cを含み、電荷 蓄積層6は、n + Siからなる量子ドット61a~61cを含むと説明した が、この発明においては、これに限らず、電 荷蓄積層5がアンドープのSiからなる量子ドッ ト51a~51cを含み、電荷蓄積層6がp + Siからなる量子ドットを含んでいてもよい。 の場合、p + Siからなる量子ドットのドット密度は、5×10 10 cm -2 ~1×10 13 cm -2 の範囲であり、キャリア濃度は、1~100個/ドッ トの範囲である。

 また、電荷蓄積層6がN1 e のキャリア密度を有するn + Siからなる量子ドットを含み、電荷蓄積層5が N2 e (<N1 e )のキャリア密度を有するn型Siからなる量子 ットを含んでいてもよい。

 さらに、電荷蓄積層6がN1 h のキャリア密度を有するp + Siからなる量子ドットを含み、電荷蓄積層5が N2 h (<N1 h )のキャリア密度を有するp型Siからなる量子 ットを含んでいてもよい。

 また、上記においては、半導体素子10は 積層された2層の電荷蓄積層5,6を備えると説 したが、この発明においては、半導体素子1 0は、3層以上の電荷蓄積層を備えていてもよ 、一般的には、m(mは2以上の整数)層の電荷 積層を備えていればよい。この場合、半導 素子10に記憶する数値の桁数に応じて、積層 される電荷蓄積層の個数を決定してもよい。

 この発明においては、電荷蓄積層6または 電荷蓄積層60は、「第1の電荷蓄積層」を構成 し、電荷蓄積層5または電荷蓄積層50は、「第 2の電荷蓄積層」を構成する。

 また、この発明においては、量子ドット6 1a~61cは、「第1の量子ドット」を構成し、量 ドット51a~51cは、「第2の量子ドット」を構成 する。

 さらに、この発明においては、酸化層52 、量子ドット61a~61cを量子ドット51a~51cとトン ネル接合させるための「絶縁層」を構成する 。

 さらに、この発明においては、ソース電 2およびドレイン電極3は、ゲート電極9,91~98 よって第1および第2の電荷蓄積層5,6(または5 0,60)に印加される第1および第2の電圧の比較 果を第1および第2の量子ドット51a~51c,61a~61cに おけるキャリア分布に応じて流れる電流によ り検出する「検出部」を構成する。

 今回開示された実施の形態はすべての点 例示であって制限的なものではないと考え れるべきである。本発明の範囲は、上記し 実施の形態の説明ではなくて特許請求の範 によって示され、特許請求の範囲と均等の 味および範囲内でのすべての変更が含まれ ことが意図される。

 この発明は、フローティングゲート構造 有し、駆動電圧を低減可能な半導体素子に 用される。