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Patent Searching and Data


Title:
SILICON SUBSTRATE AND METHOD FOR MANUFACTURING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/075257
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a silicon substrate for a solid-state imaging element. In the silicon substrate, on a B-doped p-type silicon substrate, an epitaxial layer containing B at a concentration lower than that in the p-type silicon substrate is formed so as to ensure and improve gettering performance. The p-type silicon substrate has a B concentration equivalent to a resistivity of 1-30mΩcm, a C concentration of 0.1Œ1016 to 15Œ1016atoms/cm3, and an oxygen concentration of 6.0Œ1017 to18.0Œ1017atoms/cm3.

Inventors:
OMOTE SHUICHI (JP)
KURITA KAZUNARI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/072311
Publication Date:
June 18, 2009
Filing Date:
December 09, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SUMCO CORP (JP)
OMOTE SHUICHI (JP)
KURITA KAZUNARI (JP)
International Classes:
C30B29/06; C23C16/24; C30B15/04; H01L21/322; H01L27/148
Foreign References:
JP2007273959A2007-10-18
JP2007001847A2007-01-11
JP2001322893A2001-11-20
JP2002353146A2002-12-06
JP2007149799A2007-06-14
Attorney, Agent or Firm:
SHIGA, Masatake et al. (Marunouchi Chiyoda-k, Tokyo 20, JP)
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Claims:
 Bがドープされたp型シリコン基板上に該p型シリコン基板よりも低濃度のBを有するシリコンエピタキシャル層を成膜した固体撮像素子用のシリコン基板であって、
 前記p型シリコン基板のB濃度が抵抗率1~30mωcmに相当する濃度、C濃度が0.1×10 16 ~15×10 16 atoms/cm 3 、酸素濃度が6.0×10 17 ~18.0×10 17 atoms/cm 3 とされたことを特徴とするシリコン基板。
 固体撮像素子の埋め込み型フォトダイオードの直下となる位置に大きさ0.5~100nmのBMDが密度1.0×10 10 ~6.0×10 14 個/cm 3 で存在することを特徴とする請求項1記載のシリコン基板。
 CZ法によりB濃度が抵抗率1~30mωcmに相当する濃度、C濃度が0.1×10 16 ~15×10 16 atoms/cm 3 、酸素濃度が6.0×10 17 ~18.0×10 17 atoms/cm 3 を有するシリコン単結晶を引き上げる工程と、
 前記シリコン単結晶からスライスしたp型シリコン基板表面に該p型シリコン基板よりも低濃度のBを有するシリコンエピタキシャル層を成膜する工程を有することを特徴とするシリコン基板の製造方法。
 前記シリコン単結晶を育成する際の不活性雰囲気ガス中に水素を添加することを特徴とする請求項3記載のシリコン基板の製造方法。
Description:
シリコン基板とその製造方法

 本発明は、ゲッタリング能を向上する固体 像素子用シリコン基板に関し、特に、ゲッ リング能を向上するとともに、デバイスの 工精度を向上し、固体撮像素子の製造に供 れる固体撮像素子用シリコン基板に用いて 適な技術に関する。
 本願は、2007年12月11日に、日本に出願され 特願2007-320094号に基づき優先権を主張し、そ の内容をここに援用する。

 固体撮像素子は、CZ(チョクラルスキー)法 等により引き上げられたシリコン単結晶から スライスしたシリコン基板に回路を形成する ことにより製造されるものである。シリコン 基板に重金属などの不純物が混入した場合、 白傷欠陥の発生等、固体撮像素子の電気特性 が著しく劣化することになる。

 シリコン基板に重金属が不純物混入する 因としては、第一に、単結晶引き上げ、ス イス、面取り、および、研磨・研削・エッ ング等の表面処理からなるシリコン基板の 造工程における金属汚染、第二にシリコン 板に回路を形成する等のデバイス工程であ 固体撮像素子の製造工程における重金属汚 があげられる。

 前者であるシリコン基板の製造工程にお る金属汚染は、シリコン単結晶基板にエピ キシャル層を成長する際にエピ炉(エピタキ シャル成長炉)部材からの重金属パーティク あるいは塩素系ガスを用いることから配管 料の金属腐食による重金属パーティクル汚 が考えられる。エピタキシャル工程におけ 金属汚染は近年、エピ炉部材を腐食性のな 材料に交換するなどの努力により改善され きているが完全にエピタキシャル工程にお る金属汚染を回避することは困難である。

 そのため、従来からシリコン基板の内部 ゲッタリング層を形成あるいは高濃度ボロ 基板などの重金属のゲッタリング能力が高 基板を用い、エピタキシャル工程での金属 染を回避している。

 また、後者である固体撮像素子の製造工 における重金属汚染においては、デバイス 造工程におけるイオン注入工程、拡散、酸 熱処理工程においてシリコン基板への重金 汚染が懸念される。デバイス活性層近傍に ける重金属汚染を回避するために、従来か シリコン基板に酸素析出物(BMD)を形成するIG (イントリンシックゲッタリング)法、シリコ 基板の裏面にバックサイドダメージなどの ッタリングサイトを形成するEG(エキシント ックゲッタリング)法が利用されている。

 特許文献1には、固体撮像素子の電気特性に 影響を与える、暗電流により発生する白傷欠 陥の低減を目指して、シリコン基板の一表面 に例えば炭素を所定のドーズ量でイオン注入 し、その表面にシリコンのエピタキシャル層 を形成する技術が提案されている。
 特許文献2には、炭素イオン注入された基板 を固体撮像素子基板に用いた場合、白傷欠陥 はCCD製造プロセスの最高到達温度に顕著に依 存することが記載されている。
 また特許文献3には、0005段にEG法の例が、ま た、炭素イオン注入に関する技術も記載され ている。

特開平6-338507号公報

特開2002-353434号公報

特開2006-313922号公報

 このように、固体撮像素子に用いられる リコン基板として、エピタキシャル成長前 酸素析出熱処理を実施し酸素析出物を形成 るイントリンシックゲッタリング法あるい シリコン基板に炭素イオンなどのイオンを オン注入するイオン注入法が用いられてい 。

 しかしながら、上記従来の方法で形成し ゲッタリング法、例えば、イントリンシッ ゲッタリング法の場合はシリコン基板にあ かじめ酸素析出物を形成する必要があるた 多段階の熱処理工程が必要であることから 造コストの増加が懸念される。さらに高温 時間の熱処理が必要であることから、この 処理工程中や工程間におけるシリコン基板 の金属汚染の増加も懸念される。また、エ シントリックゲッタリング法の場合は、裏 にバックサイドダメージなどを形成するこ からこのような加工工程中に金属汚染が発 しデバイスの不良要因を形成するなどの短 がある。

 また、特許文献2のように高温の熱処理が 炭素注入基板に施された場合、炭素注入で形 成された結晶欠陥(結晶格子歪みなど)が緩和 れゲッタリングシンクとしての機能が低下 ることが懸念される。そのため、ゲッタリ グシンクの形成はCCDプロセス工程でナチュ ルに進行することが期待される。

 固体撮像素子に用いられるシリコン基板 して、エピタキシャル成長前に酸素析出熱 理を実施し酸素析出物を形成するイントリ シックゲッタリング法、あるいは、シリコ 基板に炭素イオンなどのイオンをイオン注 するイオン注入法では、両者ともにシリコ 基板の作製工程中に重金属汚染が懸念され ことからシリコン基板作製工程での金属汚 を抑制する必要があった。

 本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも で、以下の目的を達成しようとするもので る。
1.製造コストの削減を図ること。
2.デバイス工程におけるゲッタリング能の低 を防止すること。
3.ゲッタリング能力の確実性とその向上を図 こと。
4.金属汚染の低減を図ること。
5.デバイス工程における加工精度の向上を図 こと。
6.エピタキシャル層における2次転位の発生を 防止すること。

 本発明の第1の様態である固体撮像素子用の シリコン基板は、砒素(B)がドープされたp型 リコン基板上に該p型シリコン基板よりも低 度の砒素を有するシリコンエピタキシャル を成膜した固体撮像素子用のシリコン基板 あって、
前記p型シリコン基板の砒素濃度が抵抗率1~30m ωcmに相当する濃度、炭素(C)濃度が0.1×10 16 ~15×10 16 atoms/cm 3 、酸素濃度が6.0×10 17 ~18.0×10 17 atoms/cm 3 とされたことにより上記課題を解決した。
 また、他の本発明は、固体撮像素子の埋め み型フォトダイオードの直下となる位置に きさ0.5~100nmのBMDが密度1.0×10 10 ~6.0×10 14 個/cm 3 で存在することができる。
 本発明の固体撮像素子用のシリコン基板の 造方法は、CZ法によりB濃度が抵抗率1~30mωcm 相当する濃度、C濃度が0.1×10 16 ~15×10 16 atoms/cm 3 、酸素濃度が6.0×10 17 ~18.0×10 17 atoms/cm 3 を有するシリコン単結晶を引き上げる工程と 、
 前記シリコン単結晶からスライスしたp型シ リコン基板表面に該p型シリコン基板よりも 濃度のBを有するシリコンエピタキシャル層 成膜する工程を有することにより上記課題 解決した。

 さらに、本発明の固体撮像素子用のシリコ 基板は、Bがドープされたp型シリコン基板 に該p型シリコン基板よりも低濃度のBを有す るシリコンエピタキシャル層を成膜した固体 撮像素子用シリコン基板であって、
前記p型シリコン基板のB濃度が抵抗率10~20mωcm に相当する濃度、C濃度が0.5×10 16 ~10×10 16 atoms/cm 3 、酸素濃度が13.5×10 17 ~16.0×10 17 atoms/cm 3 とされたことにより上記課題を解決した。
 また、他の本発明は、固体撮像素子の埋め み型フォトダイオードの直下となる位置に きさ0.5~100nmのBMDが密度1.0×10 11 ~1.0×10 13 個/cm 3 で存在することができる。
 本発明の固体撮像素子用シリコン基板の製 方法は、CZ法によりB濃度が抵抗率10~20mωcmに 相当する濃度、C濃度が0.5×10 16 ~10×10 16 atoms/cm 3 、酸素濃度が13.5×10 17 ~16.0×10 17 atoms/cm 3 を有するシリコン単結晶を引き上げる工程と 、
 前記シリコン単結晶からスライスしたp型シ リコン基板表面に該p型シリコン基板よりも 濃度のBを有するシリコンエピタキシャル層 成膜する工程を有することにより上記課題 解決した。
 本発明は、前記シリコン単結晶を育成する の不活性雰囲気ガス中に水素を添加するこ が可能である。

 また、本発明の固体撮像素子用のシリコン 板は、Bがドープされたp型シリコン基板上 該p型シリコン基板よりも低濃度のBを有する シリコンエピタキシャル層を成膜した固体撮 像素子用のシリコン基板であって、
前記p型シリコン基板のB濃度が抵抗率8~20mωcm 相当する濃度、C濃度が0.1×10 16 ~10×10 16 atoms/cm 3 、酸素濃度が8.0×10 17 ~17.0×10 17 atoms/cm 3 とされたことが可能である。
 本発明の固体撮像素子用のシリコン基板の 造方法は、CZ法によりB濃度が抵抗率8~20mωcm 相当する濃度、C濃度が0.1×10 16 ~10×10 16 atoms/cm 3 、酸素濃度が8.0×10 17 ~17.0×10 17 atoms/cm 3 を有するシリコン単結晶を引き上げる工程と 、
 前記シリコン単結晶からスライスしたp型シ リコン基板表面に該p型シリコン基板よりも 濃度のBを有するシリコンエピタキシャル層 成膜する工程を有することができる。

 また、本発明の固体撮像素子用のシリコン 板は、Bがドープされたp型シリコン基板上 該p型シリコン基板よりも低濃度のBを有する シリコンエピタキシャル層を成膜した固体撮 像素子用のシリコン基板であって、
 前記p型シリコン基板のB濃度が抵抗率10~20mω cmに相当する濃度、C濃度が0.5×10 16 ~10×10 16 atoms/cm 3 、酸素濃度が12.0×10 16 ~10.0×10 17 atoms/cm 3 とされたことが可能である。
 本発明の固体撮像素子用シリコン基板の製 方法は、CZ法によりB濃度が抵抗率10~20mωcmに 相当する濃度、C濃度が0.5×10 16 ~10×10 16 atoms/cm 3 、酸素濃度が12.0×10 16 ~10.0×10 17 atoms/cm 3 を有するシリコン単結晶を引き上げる工程と 、
 前記シリコン単結晶からスライスしたp型シ リコン基板表面に該p型シリコン基板よりも 濃度のBを有するシリコンエピタキシャル層 成膜する工程を有することができる。

 本発明に係わる固体撮像素子の製造に適し シリコン基板は、炭素添加による析出物の (重金属のゲッタリングシンク)を成長し直 にシリコンエピタキシャル層を形成した状 で、ゲッタリングシンクとなる析出を促進 せる熱処理をおこなうことなく埋め込みフ トダイオードへの重金属拡散を抑制するこ ができるものである。
 このようなシリコン基板を固体撮像素子の 造に用いることにより、PBS(ポリバックシー ル)等のEG処理をおこなうことなく基板のゲッ タリング能を向上して、固体撮像素子を構成 するトランジスターおよび埋め込み型フォト ダイオードに重金属汚染起因の欠陥が生じる ことを防止でき固体撮像素子の白傷欠陥(ホ イトスポット)の発生を未然に防ぐことがで 、固体撮像素子の歩留まりを向上させるこ ができるものである。

 したがって、本発明によれば、炭素、ホ 素により酸素析出物の生成を促進すること より、高いゲッタリング能を有し、金属汚 の影響を低減可能なシリコン基板を提供で 、これにより、歩留まりの向上、製造工程 の削減、製造コストの削減、デバイス工程 おけるパーティクル増加、デフォーカスな の問題点を解決できるという効果を奏する とができる。

 本発明に係わる固体撮像素子の製造に適 たシリコン基板は、炭素添加による析出物 核(重金属のゲッタリングシンク)を成長さ 、その直上にシリコンエピタキシャル層を 成したものである。したがって、析出物の がシリコン基板中に形成されているので、 体撮像素子を構成するトランジスタおよび め込み型フォトダイオードに拡散しようと る重金属を捕捉できるので、これら金属汚 による欠陥が生じることを防止でき固体撮 素子の白傷欠陥(ホワイトスポット)の発生を 未然に防ぐことができ、固体撮像素子の歩留 まりを向上させることができるものである。

本発明に係る固体撮像素子用シリコン 基板の製造方法の一実施形態を示す正断面図 である。 本発明に係る固体撮像素子用シリコン 基板の製造方法の一実施形態を示す正断面図 である。 本発明に係る固体撮像素子用シリコン 基板の製造方法の一実施形態を示す正断面図 である。 固体撮像素子の製造手順を示す図であ る。 固体撮像素子の製造手順を示す図であ る。 固体撮像素子の製造手順を示す図であ る。 固体撮像素子の製造手順を示す図であ る。 固体撮像素子の製造手順を示す図であ る。 固体撮像素子の製造手順を示す図であ る。 本発明の実施例における熱処理を説明 る図である。 CZ引上げ炉の縦断面図である。 水素添加による引き上げ速度領域の変 を示す模式図である。 本発明の実施例に係るシリコン基板の 学顕微鏡観察結果を示す画像である。 本発明の実施例に係るゲッタリング能 評価結果を示す図である。 本発明の実施例に係るゲッタリング能 評価結果を示す図である。 本発明の実施例に係るゲッタリング能 評価方法を示すフローである。 本発明の実施例に係るシリコン基板の TEM観察結果を示す画像である。 本発明の実施例におけるPN接合リーク 流測定の結果を示すグラフである。 本発明の実施例に係るシリコン基板の 炭素濃度とリーク電流との関係を示すグラフ である。 本発明の実施例に係るシリコン基板の TEM観察結果を示す画像である。 本発明に係る析出核を説明するため 概念を示す図である。 本発明に係る析出核を説明するため 概念を示す図である。

符号の説明

W0,W1…シリコン基板
W0a…エピタキシャル層

 また、本発明における製造方法は、CZ法に りB濃度が抵抗率10~20mωcmに相当する濃度、C 度が0.5×10 16 ~10×10 16 atoms/cm 3 、酸素濃度が13.5×10 17 ~16.0×10 17 atoms/cm 3 、の炭素添加高濃度ボロンCZシリコン単結晶 引き上げる工程と、
 引き上げた炭素添加高濃度ボロンCZシリコ 単結晶からスライスしたシリコン基板に酸 析出物の生成を促進する熱処理をおこなう 処理工程とを有することができる。
 本発明において、前記スライスしたシリコ 基板表面にB濃度が抵抗率0.1~100ωcmとされた ピタキシャル層を成膜する工程を有するこ がより好ましい。
 本発明は、前記シリコン単結晶を育成する の不活性雰囲気ガス中に水素を添加するこ が可能である。
 また、本発明のシリコン基板において、上 のいずれか記載の製造方法により製造され シリコン基板であって、
 イントリンシックゲッタリングシンクとな BMDのうち、大きさ0.5~100nmのものが密度1.0×10 10 ~1.0×10 13 /cm 3 で存在する手段を採用することもできる。
 本発明の固体撮像素子のシリコン基板は、 体撮像素子の埋め込み型フォトダイオード 直下となる位置に大きさ10~100nmのBMDが密度1. 0×10 10 ~1.0×10 13 個/cm 3 で存在するゲッタリング層が形成されたシリ コン基板であって、
 上記の製造方法により製造されたシリコン 板の直上にボロン濃度が抵抗率0.1~100ωcmと れたシリコンエピタキシャル層が形成され
 前記エピタキシャル層の直下には、炭素、 素およびボロンにより形成された複合体に り重金属の捕獲効率の高いゲッタリングシ クを形成可能とされたな前記ゲッタリング が設けられてなることが可能となる。

 ここで、上記の酸素濃度はASTM F121-1979によ ものである。
 なお、この場合のBMDサイズとは、シリコン 板の厚み方向断面のTEM観察像における析出 の対角線長を意味し、該観察視野内の析出 の平均値で示すこととする。

 発明者らは、シリコン基板への重金属汚 を、製造コストの上昇なしに回避する手段 ついて、鋭意検討を行った。まず、炭素イ ン注入によるゲッタリング法について検討 たところ、炭素イオン注入によるゲッタリ グ作用は、主に高エネルギーを介したイオ 注入によるシリコン格子の乱れ(歪み)を起 として析出する酸化物に負うものであり、 ような格子の乱れはイオン注入した狭い領 に集中している上、例えばデバイス工程の 温熱処理において酸化物回りの歪みが開放 れ易いことから、特にデバイス熱処理工程 おけるゲッタリング効果に乏しいことが判 した。

 そこで、シリコン基板中においてゲッタ ングシンクの形成に携わる炭素の作用を詳 に検討した結果、イオン注入によって炭素 強制的に導入するのでなく、シリコン格子 に炭素をシリコンと置換する形で固溶させ ことによって、この置換位置炭素を起点に 例えばデバイス工程において、転位を伴う 素・酸素系析出物(炭素・酸素複合体)が高 度で発現し、この炭素・酸素系析出物が高 ゲッタリング効果をもたらすことを知見し 。さらに、かような置換炭素は、シリコン 結晶中に固溶状態で含有させることで初め 導入されることを見出した。

 さらに、高濃度B(ボロン)ドープしたシリコ 単結晶では、他のドーパントに比べて熱処 による酸素析出物の凝集が起こりやすい。 れは、高濃度ボロンおよび酸素などの不純 がクラスタリングし酸素析出物の核として 用する複合欠陥を形成しやすいためと考え れる。
 さらに、このようなボロン起因の熱処理に る酸素析出物の凝集は、高酸素濃度のシリ ン結晶中において顕著であることがわかっ 。

 発明者らは、炭素、酸素およびボロンによ 形成された複合体(酸素系析出物)の状態・ る舞いを分析・検討した結果、上記のB濃度 C濃度、酸素濃度という条件で引き上げたシ リコン単結晶において、ウェーハに加工して エピタキシャル層を成膜し、600~800℃とする 素、酸素およびボロンにより形成された複 体の析出を促進する低温前熱処理という熱 理工程を経れば、BMDの大きさ・密度として 重金属のゲッタリングに必要なゲッタリン シンクを形成可能で、充分なゲッタリング を有するためのシリコン基板を製造可能で ることを見出した。
 なお、本発明のようなp+基板とされるさら る高濃度ボロンを含有する基板の場合は前 低温前熱処理を実施することなく析出を促 できる。

 以下、本発明において、高いゲッタリン 能を呈すると考えられるモデルについて説 する。

 ドーパント(B)濃度が、1×10 15 atoms/cm 3 程度(0.5~5×10 15 atoms/cm 3 )とされて、抵抗率が10ωcm程度となっているp- 基板においては、C濃度を1×10 17 atoms/cm 3 程度(0.5~5×10 17 atoms/cm 3 )として、B濃度よりも多く存在するようにCを ドープした場合において、酸素濃度[Oi]を1~10 10 18 atoms/cm 3 程度とする。すると、B濃度に比べて、CとOの 濃度が高く、また同程度であるため、このよ うな基板で、ペアリングしやすいのはC-Oであ ると考えられる。したがって、Si結晶中にお てゲッタリングシンクに関係する結合状態 しては、C-Oペアが形成されることになると えられる。

 ここで、CはSiよりも原子半径は小さいの 、図14Aに示すように、Siの格子点に入ると その付近がひずみ、歪み場が形成されるこ になる。この状態の基板にDK(ドナーキラー) るいはデバイス製造工程での熱処理等をお なうことで、C-Oペア付近の歪み場に格子間 酸素が集まり、BMDが形成されることになる このように、デバイス領域あるいは重金属 染が起こりやすいウェーハ表面に近い位置 、Cがシリコン基板中にドープされており、 その付近がひずんでいるため、重金属が拡散 してゲッタリングされることで、その結果、 ゲッタリング効果が得られる。つまり、C-Oペ アがあることによって、酸素析出物の核生成 中心(ニュークリエーションセンター)になる

 これに対し、ドーパント(B)濃度が、1×10 18 atoms/cm 3 程度(0.5~5×10 18 atoms/cm 3 )のハイドープのp+基板あるいはp++基板とされ た場合、上記のp-基板よりも、B濃度が3桁程 以上多くなる。このため、上記のp-基板に比 べて、C濃度とO濃度と同程度に高くなったB濃 度の影響により、C-Oに対して、B-O、C-Bがペア リングしやすくなると考えられる。さらに、 これらC-O、B-O、C-Bの複合体や、これ以外にも 、C-B-Oや、これらがSiと関連した多くの複合 が形成され、これらもC-Oペア同様に歪み場 持っているのでこれらすべてのペアおよび 合体が析出核となる。つまり、ハイドープ 基板中では、図14Bに示すように多くの歪み を形成することができるため、p-程度のB濃 を有する基板に比べて、圧倒的に多くの析 核が存在し、ゲッタリングシンクとなり得 析出密度も圧倒的に高くなる。
 なお、上記の複合体形成には、シリコン結 中の空孔(Vacancy)と格子間型シリコン(Interstit ial-Si)も関与していることが予想される。
 また、本発明では、これらの析出核をボロ ・炭素・酸素による複合欠陥とする。

 また、固体撮像素子の製造においては、 金属汚染を防止することが非常に重要であ ため、上記のB、OによるIGに、さらに、EGと てのPBS(ポリバックシール)を基板裏面に形 する場合が考えられるが、このように、ポ シリコン膜を基板裏面に形成した場合には 固体撮像素子までの製造工程における両面 磨工程において、平坦度が要求されるレベ まで到達することが困難となるため好まし ない。このため、固体撮像素子の製造にお ては、PBSを形成することができない場合が り、結果的に充分なゲッタリング能を得る とができていなかった。

 さらに、p/p+タイプのPBS付与基板はその強 力なゲッタリング特性のため、重金属汚染に 敏感な撮像素子用のシリコン基板として有効 である。また、電子デバイス製造工程におい ては配線ルールの微細化が進展するほどシリ コン基板の平坦度がデバイス歩留に影響する ため、高平坦度が求められる。シリコン基板 にPBSを付与することによりゲッタリング特性 は向上するが、シリコン基板製造時の平坦度 悪化、歩留低下、コスト上昇が問題となる。

 これに対して、本発明のように、Cドープ した高B濃度のp+基板であれば、PBSを形成する ことなしに、充分なゲッタリング能を有する ことが可能となる。

 つまり、本発明のシリコン基板のようにP BSを付与しないことで、シリコンウェーハ製 時の平坦度悪化、歩留低下、コスト上昇防 ことができ、同時に、炭素を添加すること よってPBS付与基板と同等のゲッタリング能 を付与したシリコン基板を製造することが 能となる。

 さらに、固体撮像素子製造では、このデバ ス工程開始前までに充分なゲッタリング効 を発現し、デバイス工程中にこれを維持す ことが必要であるため、p型シリコン基板の 製造工程においては、Cをドープしない場合 、析出エンハンスを上げるために酸素濃度[O i]を10~20×10 18 atoms/cm 3 程度と高くすることが好ましい。しかし、こ のように基板中の酸素濃度を高くすると、エ ピタキシャル層にまで転位が伸展したエピ欠 陥の発生が懸念される。これに対し、本発明 のように、上記の濃度としてCをドープする とで、0.5μm程度以上の大きなスタッキング ォールト(SF)の発生を抑制する効果がある。

 さらに、本発明のように、上記の濃度とし Cをドープすることで、析出核からの2次欠 の伸展を抑制することもできる。これは、 きさ0.5~5μmの析出物では発生した歪みを解放 するために、この歪み場の付近に2次転位が 生するが、上記のようにCをドープすること 、大きさ0.5~100nmの析出物を多数形成するこ ができるため、歪みを解放したとしても、 さな2次転位しか発生せず、結果的に、エピ タキシャル層まで転位が伸展することがない ためである。しかも、このように小さな析出 核を密度1.0×10 10 ~1.0×10 13 /cm 3 程度に多数存在させることができるので、充 分なゲッタリング能を発現することが可能と なる。

 また、B濃度が抵抗率10m~20mωcmに相当する濃 、C濃度が0.5×10 16 ~10×10 16 atoms/cm 3 、酸素濃度が1.0×10 18 ~10.0×10 18 atoms/cm 3 、とすることができる。
 さらに、本発明は、酸素、炭素、ボロン、 処理条件というすべての要件を上記のよう 満たして初めて達成されるものである。こ は、高濃度ボロン添加シリコン結晶に炭素 0.5×10 16 ~10×10 16 atoms/cm 3 の範囲で添加した場合、結晶成長過程におい て炭素・ボロン・酸素複合体が形成され、こ れらの複合体は高温熱処理でも安定に存在し エピタキシャル成長後においても存在しうる 。したがって、エピタキシャル成長直後から 酸素析出の核として作用しデバイス熱処理工 程で成長しデバイス熱処理工程での重金属汚 染に対してゲッタリングシンクとして有効に 働く。

 さらに、本願発明者らは、前記p型シリコン 基板のB濃度が抵抗率1~30mωcmに相当する濃度 C濃度が0.1×10 16 ~15×10 16 atoms/cm 3 、酸素濃度が6.0×10 17 ~18.0×10 17 atoms/cm 3 とすること、または、前記p型シリコン基板 B濃度が抵抗率10~20mωcmに相当する濃度、C濃 が0.5×10 16 ~10×10 16 atoms/cm 3 、酸素濃度が13.5×10 17 ~16.0×10 17 atoms/cm 3 とされたこと、または、前記p型シリコン基 のB濃度が抵抗率8~20mωcmに相当する濃度、C濃 度が0.1×10 16 ~10×10 16 atoms/cm 3 、酸素濃度が8.0×10 17 ~17.0×10 17 atoms/cm 3 とされたことまたは、前記p型シリコン基板 B濃度が抵抗率10~20mωcmに相当する濃度、C濃 が0.5×10 16 ~10×10 16 atoms/cm 3 、酸素濃度が12.0×10 16 ~10.0×10 17 atoms/cm 3 とされたことにより、固体撮像素子の埋め込 み型フォトダイオードの直下となる位置に大 きさ0.5~100nmのBMDを密度1.0×10 10 ~1.0×10 11 ~6.0×10 14 個/cm 3 で存在させることが可能なことを検証した。

 なお、本発明のシリコン基板は固体撮像 子用のシリコン基板に用いて好適であるが これ以外の高ゲッタリング能を必要とするp 型シリコン基板としても適用可能である。

 さらに、本発明は、固体撮像素子の埋め込 型フォトダイオードの直下にゲッタリング が形成され重金属の捕獲効率の高い固体撮 素子のシリコン基板であって、炭素を添加 た高濃度ボロンCZ結晶およびその直上に形 したシリコンエピタキシャル層を形成し、 ピタキシャル層の直下に炭素、酸素および ロンによる複合体を形成し、ゲッタリング ンクを形成することを特徴とする固体撮像 子シリコン基板の製造方法とすることがで る。
 この本発明では、高濃度ボロンCZ結晶に炭 を添加することによって固体撮像素子の製 プロセス(熱処理プロセス)を利用してエピタ キシャル層の直下に酸素析出物、すなわちゲ ッタリングシンクを形成しデバイス工程での 重金属汚染を除去できるため電気特性などの 品質を向上させることができる。

 本発明は、固体撮像素子の埋め込み型フォ ダイオードの直下にゲッタリング層が形成 れ重金属の捕獲効率の高い固体撮像素子の リコン基板であって、炭素が0.5×10 16 ~10.0×10 16 atoms/cm 3 添加された高濃度ボロン(抵抗率<0.01ωcm)CZ 晶を基板とした炭素、酸素およびボロンか なる複合体、酸素析出物によるゲッタリン シンクを形成することを特徴とする固体撮 素子シリコン基板の製造方法とすることが きる。
 また、この本発明では、撮像素子デバイス 程においてエピタキシャル層の直下に高密 かつ2次転位をともなう微小な酸素析出物を 形成し低温化した熱処理工程においても十分 なゲッタリング能力を保持できる。

 固体撮像素子の埋め込み型フォトダイオー の直下にゲッタリング層が形成され重金属 捕獲効率の高い固体撮像素子のシリコン基 であって、炭素を添加した高濃度ボロンCZ 晶である。ここで炭素濃度が0.5×10 16 ~10.0×10 16 atoms/cm 3 および酸素濃度が1. 0×10 18 ~10.0×10 18 atoms/cm 3 からなる複合体、酸素析出物によるゲッタリ ングシンクを形成することを特徴とする固体 撮像素子シリコン基板の製造方法とすること ができる。
 この本発明においても特に熱処理工程の温 帯域が600℃~700℃である場合、エピタキシャ ル層直下に高密度な酸素析出物の形成を実現 でき高ゲッタリング能力を期待できるため、 これらの基板を用いて固体撮像素子を作製し た場合は、電気特性を向上させることができ る。これにより固体撮像素子の歩留まりを向 上させることができる。

(1)シリコン基板中に、濃度が0.5×10 16 ~10×10 16 atoms/cm 3 の固溶炭素および濃度が13.5×10 17 ~16.0×10 17 atoms/cm 3 の固溶酸素を有することができる。
(2)前記シリコン基板上に、シリコンのエピタ キシャル層を有することができる。
(3)前記エピタキシャル層の上に、酸化膜を有 することができる。
(4)前記酸化膜の上に、窒化膜を有することが できる。

(5)単結晶シリコン基板を製造するに際し、シ リコン結晶中に、予め炭素を固溶濃度で0.5×1 0 16 ~10×10 16 atoms/cm 3 及び酸素を固溶濃度で13.5×10 17 ~16.0×10 17 atoms/cm 3 含有させることができる。
(6)前記単結晶シリコン基板は、CZ(チョクラル スキー)法またはMCZ(磁場印加)法を用いて製造 することができる。
(7)シリコン基板上に埋め込み型フォトダイオ ードを形成した固体撮像素子であって、前記 シリコン基板中に、サイズが10nm以上の炭素 酸素系析出物が1×10 10 ~1×10 13 個/cm 3 の密度で存在することができる。
(8)前記熱処理が、デバイスの製造プロセス( バイス工程)における熱処理であることがで る。

 本発明の固体撮像素子用シリコン基板は、 定のボロン濃度・酸素濃度としたCZ結晶、MC Z結晶中に固溶炭素を含有させ、このシリコ 基板上にデバイスを載せる製造工程の熱処 工程を利用可能な熱処理条件を設定するこ によって、ゲッタリング能力の高いボロン 炭素・酸素の複合体としての酸素析出物を 成することができる。
 従って、埋め込みフォトダイオードの直下 らシリコン基板の全厚にわたって拡がるゲ タリングシンクを形成できるから、特にデ イス工程における重金属拡散が抑制されて バイスでの欠陥が回避される結果、電気特 の良好な高品質の固体撮像素子を低コスト 提供することが可能になる。

 さらに、本発明の実施の形態として、Bがド ープされたp型シリコン基板上に該p型シリコ 基板よりも低濃度のBを有するシリコンエピ タキシャル層を成膜した固体撮像素子用シリ コン基板であって、
前記p型シリコン基板のB濃度が抵抗率10~20mωcm に相当する濃度、C濃度が0.5×10 16 ~10×10 16 atoms/cm 3 、酸素濃度が13.5×10 18 ~16.0×10 18 atoms/cm 3 とされたこと固体撮像素子用シリコン基板で ある。

 一般に固体撮像素子製造では、デバイス工 開始前までに充分なゲッタリング効果を発 し、デバイス工程中にこれを維持すること 必要であるため、p型シリコン基板の製造工 程においては、Cをドープしない場合に、析 エンハンスを上げるために酸素濃度[Oi]を10~2 0×10 18 atoms/cm 3 程度と高くすることが好ましい。しかし、こ のように基板中の酸素濃度を高くすると、エ ピタキシャル層にまで転位が伸展したエピ欠 陥の発生が懸念される。これに対し、本発明 のように、上記の濃度としてCをドープする とで、0.5μm程度以上の大きなスタッキング ォールト(SF)の発生を抑制する効果がある。

 さらに、本発明は、上記の濃度としてCをド ープすることで、析出核からの2次欠陥の伸 を抑制することもできる。これは、大きさ0. 5~5μmの析出物では発生した歪みを解放するた めに、この歪み場の付近に2次転位が発生す が、上記のようにCをドープすることで、大 さ0.5~100nmの析出物を多数形成することがで るため、歪みを解放したとしても、小さな2 次転位しか発生せず、結果的に、エピタキシ ャル層まで転位が伸展することがないためで ある。しかも、このように小さな析出核を密 度1.0×10 10 ~1.0×10 13 /cm 3 程度に多数存在させることができるので、充 分なゲッタリング能を発現することが可能と なる。

 なお、本発明のシリコン基板は固体撮像 子用のシリコン基板に用いて好適であるが これ以外の高ゲッタリング能を必要とするp 型シリコン基板としても適用可能である。

 さらに、本発明は、 固体撮像素子の埋め み型フォトダイオードの直下となる位置に きさ0.5~100nmのBMDが密度1.0×10 10 ~1.0×10 13 個/cm 3 で存在することによりいっそうのゲッタリン グ能力をえるものである。

 本発明の固体撮像素子用シリコン基板は 所定のボロン濃度・酸素濃度としたCZ結晶 MCZ結晶中に炭素を含有させ、ゲッタリング 力の高いボロン・炭素・酸素の複合体とし の析出物を形成することができる。

 以下、本発明に係るシリコン基板(固体撮像 素子用シリコン基板)の一実施形態を、図面 基づいて説明する。
 図1Aから図1Cは、本実施形態におけるシリコ ン基板の製造方法を示す正断面図であり、図 において、符号W0はシリコン基板(p型シリコ 基板)である。

 図に示す例では、まず、例えば石英ルツボ にシリコン結晶の原料であるポリシリコン 積層配置し、さらにこのポリシリコン表面 にグラファイト粉を適量塗布し、同時にド パントとしてB(ボロン)を投入して、例えば ョクラルスキー法(CZ法)に従って、炭素を添 加したCZ結晶を後述するように水素雰囲気と て引き上げる。また、水素とArの混合雰囲 、または、水素雰囲気でないAr雰囲気とする ことも可能である。
 なお、CZ結晶とは、磁場印加CZ結晶も含めた チョクラルスキー法で製造された結晶の呼称 である。

 ここで、ボロンを含むP型のシリコン単結 晶としては、原料段階で炭素を添加し、炭素 添加原料からシリコン単結晶を作製するとと もに、その酸素濃度Oiを制御して引き上げら る。この炭素添加高濃度ボロンCZシリコン 結晶から、図1Aに示すように、固溶状態で炭 素を含むシリコン基板W0が得られる。

 シリコン基板(ウェーハ)W0の加工方法は通 常に従い、IDソーまたはワイヤソー等の切断 置によってスライスし、得られたシリコン ェーハ表面を研磨・洗浄等の表面処理工程 おこなう。なお、これらの工程の他にもラ ピング、洗浄、研削等種々の工程があり、 程順の変更、省略等目的に応じ適宜工程は 更使用される。

 かようにして得られたシリコン基板1は、ボ ロン(B)濃度が抵抗率10~20mωcmに相当する濃度 あり、濃度が0.5×10 16 ~10×10 16 atoms/cm 3 の固溶炭素および濃度が13.5×10 17 ~16.0×10 17 atoms/cm 3 の固溶酸素を含有する。

 炭素を固溶形態で含有させるのは、上述 たように、シリコン格子中に炭素をシリコ と置換する形で導入するためである。すな ち、炭素の原子半径はシリコン原子と比較 て小さいため置換位置に炭素が配位した場 、結晶の応力場は圧縮応力場となり格子間 酸素および不純物が圧縮応力場に捕獲され すくなる。この置換位置炭素を起点に、例 ばデバイス工程において、転位を伴う酸素 の析出物が高密度で発現しやすくなり、シ コン基板W0に高いゲッタリング効果を付与 ることができる。

 このような固溶炭素の添加濃度は、上述の 囲に規制する必要がある。なぜなら、固溶 素濃度が上記の範囲未満では、析出物の形 促進が活発にならないためである。
 一方、上記の範囲を超えると、炭素・酸素 析出物の形成が促進され高密度な炭素・酸 系析出物を得られるが、析出物のサイズが 制される結果、析出物周りの歪みが弱くな 傾向が強くなる。従って、歪みの効果が弱 ことから不純物を捕獲するための効果が減 する。

 さらに、高ボロン濃度とすることで、こ 炭素による析出物への影響として、炭素、 素、ボロンの複合欠陥形成が促進される。

 さらに、シリコン基板W0中の固溶酸素濃度 、上記の範囲に規制する必要がある。なぜ ら、固溶酸素濃度が上記の範囲未満では、 素系析出物の形成が促進されないために、 記した高密度な析出物が得られない。
 一方、上記の範囲を超えると、酸素析出物 サイズが減少し母体シリコン原子と析出物 面における歪みの効果が緩和され歪みによ ゲッタリング効果が低下することが懸念さ るからである。

 さらに、高ボロン濃度とすることで、こ 酸素析出物への影響として、ボロン、炭素 酸素による複合欠陥形成が促進される。

 次に、炭素添加CZ結晶である上記シリコン 板W0の表面を鏡面加工してから、エピタキシ ャル層を成長するために、例えばSC1およびSC2 を組み合わせたRCA洗浄を行う。その後、エピ タキシャル成長炉に装入し、各種CVD法(化学 相成長法)を用いて、図1Bに示すように、p-で あるB濃度が抵抗率0.1~100ωcmのエピタキシャル 層W0aを成長させる。
 ここで、エピタキシャル層W0aの厚さは、固 撮像素子の分光感度特性を向上させる理由 ら、2~10μmの範囲とすることが好ましい。

 エピタキシャル層W0aを形成したP/P+ タイプ シリコン基板W1は、図1Cに示すように、該エ ピタキシャル層W0a上に、必要に応じて酸化膜 W0b、さらに窒化膜W0cを形成してから、後述す るデバイス工程に供され、この工程において エピタキシャル層W0aに埋め込み型フォトダイ オードを形成することによって、固体撮像素 子W2となる。
 なお、酸化膜W0bおよび窒化膜W0cの厚みは、 送トランジスタの駆動電圧を設計する際の 約から、それぞれ酸化膜W0bを50~100nm、およ 、窒化膜W0c、具体的には固体撮像素子にお るポリシリコンゲート膜W0cを1.0~2.0μmとする とが好ましい。

 ここで、デバイス工程に供されるシリコン 板W1のシリコン基板W0は、ボロン並びに固溶 炭素を含むCZ結晶であるが、該結晶成長中に 成された酸素析出核、あるいは酸素析出物 エピタキシャル成長時の熱処理によりシュ ンクするため、シリコン基板W1段階のシリ ン基板W0には、顕在化された酸素析出物は光 学的顕微鏡では観察できない。
 なお、エピタキシャル後サンプルのライト ッチング後の顕微鏡評価では、光学顕微鏡 は観察できないか低密度のBMDしか観察でき かったが、TEM観察すると微小サイズ(30nm前 )の析出物が観察できた。

 シリコン基板W1は固溶炭素を含有するた 、このシリコン基板W1を出発材とすれば、デ バイス工程の初期段階における熱処理を経る 過程でシリコン基板W0の全体にわたって酸素 出物W7が自然発生的に析出するため、デバ ス工程での金属汚染に対するゲッタリング 力の高いゲッタリングシンクを、エピタキ ャル層の直下からシリコン基板W0の全厚にわ たって形成することができる。従って、エピ タキシャル層の近接領域におけるゲッタリン グが実現される。デバイス工程の熱処理とし ては、析出促進が期待できる温度条件として 、好ましくは600~800℃程度で0.25~3時間の低温 処理を含むことが好ましい。

 なお、本発明においてボロン、炭素、酸 系析出物とは、ボロン、炭素、または酸素 含有した複合体(クラスター)である析出物 意味する。

 このゲッタリングを実現するには、ボロン 炭素、酸素系の複合体である析出物W7は、 イズが0.5~100nmあり、かつシリコン基板W0中に 1.0×10 10 ~1.0×10 13 個/cm 3 で存在することが好ましい。

 析出物W7のサイズを上記の範囲のうち下限 上にするのは、母体シリコン原子と析出物 界面に生じる歪みの効果を用いて格子間不 物(例えば重金属など)を捕獲(ゲッタリング) る確率を増加するためである。また、析出 W7のサイズが上記の範囲以上であると、基 強度が低下する、あるいは、エピタキシャ 層での転位発生等の影響が出るため、好ま くない。
 また、析出物W7のシリコン基板中における 度は、シリコン結晶中における重金属の捕 (ゲッタリング)は、母体シリコン原子と析出 物との界面に生じる歪みおよび界面準位密度 (体積密度)に依存するために、上記の範囲と ることが好ましい。

 なお、上記したデバイス工程としては、固 撮像素子の一般的な製造工程を採用するこ ができる。その一例としてCCDデバイスにつ て図2Aから図2Fに示すが、特にこれらの図の 工程に限定する必要はない。
 すなわち、デバイス工程は、まず、図2Aに すように、図1Bに示したp+型シリコン基板1の 上にp型のエピタキシャル層2を形成したシリ ン基板3を用意し、図2Bに示すように、この ピタキシャル層2の所定位置に第1のn型ウエ 領域11を形成する。その後、図2Cに示すよう に、表面にゲート絶縁膜12を形成するととも 、第1のn型ウエル領域11の内部にイオン注入 によってp型及びn型の不純物を選択的に注入 て、垂直転送レジスタを構成するp型の転送 チャネル領域13、n型のチャネルストップ領域 14および第2のn型ウエル領域15をそれぞれ形成 する。
 次に、図2Dに示すように、ゲート絶縁膜12の 表面の所定位置に転送電極16を形成する。そ 後、図2Eに示すように、p型の転送チャネル 域13と第2のn型ウエル領域15との間にp型及び n型の不純物を選択的に注入することによっ 、n型の正電荷蓄積領域17とp型の不純物拡散 域18とを積層させたフォトダイオード19を形 成する。
 さらに、図2Fに示すように、表面に層間絶 膜20を形成した後、フォトダイオード19の直 方を除いた層間絶縁膜20の表面に遮光膜21を 形成することによって、固体撮像素子10を製 することができる。

 上記のデバイス工程においては、例えば ゲート酸化膜形成工程、素子分離工程およ ポリシリコンゲート電極形成において、600 ~1000℃程度の熱処理が行われるのが通例で り、この熱処理において、上述した析出物( 素析出物)W7の析出を図ることができ、以降 工程においてゲッタリングシンクとして作 させることができる。

 なお、これらのデバイス工程における熱処 条件は、図3に示す各条件に対応するもので ある。
 具体的には、エピタキシャル層W0aを成膜し シリコン基板W1に対して、図3に示すinitialか ら、step1、step2、step3、step4、step5のそれぞれ 、フォトダイオードおよび転送用のトラン スタ形成工程の各工程が終了した時点に対 するといえる。

 なお上記の熱処理は、600~800℃で0.25~3時間、 酸素と、アルゴン、窒素等の不活性ガスとの 混合雰囲気中とすることができる。これによ り、シリコン基板にIG(ゲッタリング)効果を たせることができる。
 なお、IG効果発現化可能な熱処理としての 件が上記の温度範囲より低いとボロン・炭 ・酸素の複合体形成が不足し、基板の金属 染が生じた場合に充分なゲッタリング能を 現できないため好ましくなく、また上記の 度範囲より高いと、酸素析出物の凝集が過 におこり、結果的に、ゲッタリングシンク 密度が足りなくなるため、好ましくない。
 また、この熱処理においては、600℃、30分 条件と同等な析出の発現が可能な熱処理温 ・時間以上であれば、温度の上下および処 時間の増減は異なる条件に設定することも 能であり、また、800℃、4時間の条件と同等 析出の発現が可能な熱処理温度・時間以下 あれば、温度の上下および処理時間の増減 異なる条件に設定することも可能である。
 本発明においては、このようなIG効果を発 化させるための熱処理をシリコンウェーハ 製造工程としておこなうことが必要ない。

 次に、炭素添加高濃度ボロンCZシリコン 結晶の引き上げについて説明する。

 図4は、本実施形態におけるシリコン単結 晶の製造を説明するのに適したCZ炉の縦断面 である。CZ炉は、チャンバー内の中心部に 置されたルツボ1と、ルツボ1の外側に配置さ れたヒータ2とを備えている。ルツボ1は、内 に原料融液3を収容する石英ルツボ1aを外側 黒鉛ルツボ1bで保持する二重構造であり、 ディスタルと呼ばれる支持軸により回転お び昇降駆動される。ルツボ1の上方には、円 形状の熱遮蔽体7が設けられている。熱遮蔽 体7は、黒鉛で外殻を作り、内部に黒鉛フェ トを充填した構造である。熱遮蔽体7の内面 、上端部から下端部にかけて内径が漸減す テーパー面になっている。熱遮蔽体7の上部 外面は内面に対応するテーパー面であり、下 部外面は、熱遮蔽体7の厚みを下方に向かっ 漸増させるようにほぼストレート面に形成 れている。

 このCZ炉は、例えば、目標直径が310mm、ボデ ィ長が例えば1200mmの300mmの単結晶育成が可能 ものとされる。
 熱遮蔽体7の仕様例を挙げると次のとおりで ある。ルツボに入る部分の外径は例えば570mm 最下端における最小内径Sは例えば370mm、半 方向の幅Wは例えば100mm、逆円錐台面である 面の垂直方向に対する傾きは例えば21°とす る。また、ルツボ1の内径は例えば650mmであり 、熱遮蔽体7の下端の融液面からの高さHは例 ば60mmである。

 次に、炭素添加高濃度ボロンCZシリコン単 晶を育成するための操業条件の設定方法に いて説明する。
 まず、ルツボ内に高純度シリコンの多結晶 例えば250kg装入し、結晶中の抵抗率が8mωcm~1 0mωcmとなるようにp型のドーパント(B)を添加 る。

 シリコン基板として、p+型が望ましい理 は、デバイス設計上の理由として、デバイ が動作する場合に生じる浮遊電荷が意図し かった寄生トランジスタを動作させてしま 、いわゆるラッチアップ現象をp+ウェーハ( リコン基板)を用いることで防止でき、デバ スの設計が容易になることがある。また、 レンチ構造のキャパシタを用いる場合にト ンチ周辺の電圧印加時の空乏層広がりがp+ 場合は防止できる利点がある。

 本実施形態においては、炭素濃度が上述し 範囲となるようにシリコン溶融液にドーパ ドを添加する。
 また、上述した酸素濃度となるように、結 回転速度、ルツボ回転速度、加熱条件、印 磁場条件等を制御する。

 そして、装置内を不活性ガス雰囲気で、 圧の1.33~26.7kPa(10~200torr)とし、不活性ガス(Ar ス等)中に水素ガスを3~20体積%となるように 合して炉内に流入させる。圧力は、1.33kPa(10 torr)以上、好ましくは4~26.7kPa(30~200torr)、さら 、好ましくは、4~9.3kPa(30~70torr)が望ましい。 圧力の下限は、水素の分圧が低くなると、融 液および結晶中の水素濃度が低くなるため、 これを防止するために上記の下限の圧力を規 定した。圧力の上限は、炉内の圧力が増大す るとAr等の不活性ガスの融液上でのガス流速 低下することにより、カーボンヒーターや ーボン部材から脱ガスした炭素や、融液か 蒸発したSiO等の反応物ガスが排気しにくく ることにより、結晶中の炭素濃度が所望値 り高くなり、また、SiOが炉内の融液上部の1 100℃程度またはより低温の部分に凝集するこ とで、ダストを発生させ融液に落下すること で結晶の有転位化を引き起こすため、これら を防止するために上記の上限の圧力を規定し た。

 次いで、ヒータ2により加熱してシリコン を溶融させ融液3とする。次に、シードチャ ク5に取り付けた種結晶を融液3に浸漬し、ル ツボ1および引き上げ軸4を回転させつつ結晶 き上げを行う。結晶方位は{100}、{111}または {110}のいずれかとし、結晶無転位化のための ード絞りを行った後、ショルダー部を形成 せ、肩変えして例えば310mmの目標ボディ径 する。

 その後は一定の引き上げ速度で例えば1200 mmまでボディ部を育成し、通常条件で縮径し イル絞りを行った後、結晶成長を終了する ここで、引き上げ速度は、抵抗率、シリコ 単結晶径サイズ、使用する単結晶引き上げ 置のホットゾーン構造(熱環境)などに応じ 適宜選定されるが、例えば、定性的には単 晶面内でOSFリングが発生する領域が含まれ 引き上げ速度を採用することができ、その 限は単結晶面内にOSFリング領域が発生しか 転位クラスタが発生しない引き上げ速度以 とすることができる。

 また、前記不活性雰囲気中における水素 度を、炉内圧は、4.0~9.33kPa(30~70torr)に対して 3%以上20%以下の範囲に設定することができる 炉内圧は、1.33kPa(10torr)以上、好ましくは4.0~ 26.7kPa(30torr~200torr)、さらに、好ましくは、4.0~ 9.3kPa(30torr~70torr)が望ましい。この下限値は、 水素の分圧が低くなると、融液および結晶中 の水素濃度が低くなるため、これを防止する ために上記の下限の圧力を規定した。上限値 は、炉内の圧力が増大するとAr等の不活性ガ の融液上でのガス流速が低下することによ 、カーボンヒーターやカーボン部材から脱 スした炭素や、融液から蒸発したSiO等の反 物ガスが排気しにくくなることにより、結 中の炭素濃度が所望値より高くなり、また SiOが炉内の融液上部の1100℃程度またはより 低温の部分に凝集することで、ダストを発生 させ融液に落下することで結晶の有転位化を 引き起こすため、これらを防止するために上 記の上限の圧力を規定した。水素分圧として 、40pa以上、400Pa以下となることが好ましい。  

 水素を含む不活性雰囲気中で育成時のシリ ン単結晶中の水素濃度は、雰囲気中の水素 圧によって制御できる。水素の結晶への導 は、雰囲気中の水素がシリコン融液に溶解 て定常(平衡)状態となり、さらに、結晶へ 凝固時に濃度偏析によって液相と固相中の 度が分配される。
 融液中の水素濃度は、ヘンリーの法則から 相中の水素分圧に依存して決まり、凝固直 の結晶中水素濃度は雰囲気中の水素分圧を 御することで結晶の軸方向に一定に所望す 濃度で制御できる。

 このようなシリコン単結晶育成方法によれ 、水素を含む不活性雰囲気中でシリコン単 晶を引き上げることにより、結晶径方向全 にCOPおよび転位クラスタを含まず、かつ、 子間シリコン優勢領域(PI領域)の単結晶を引 き上げ可能なPI領域引き上げ速度の範囲を拡 して引き上げて、単結晶直胴部を転位クラ タを含まない格子間シリコン優勢領域(PI領 )とすることができ、同時にOSFリングの幅が 縮小していることにより、従来、Grown-in欠陥 リー単結晶を引き上げる際には、非常に狭 範囲に設定しなくてはならなかったPI領域 き上げ速度を広げて、極めて容易に、かつ 来よりもはやい引き上げ速度でGrown-in欠陥フ リー単結晶を育成することが可能となるとと もに、結晶面内にOSFリング領域が発生する条 件でシリコン単結晶を引き上げた場合には、 OSFリングの幅を縮小してその影響を低減する ことが可能となる。
 なお、ここで、PI領域引き上げ速度範囲は 素雰囲気中と水素のない不活性雰囲気中と 比較する際に、上述した凝固直後の結晶内 軸方向温度勾配Gの値が一定で変化しない状 で比較するものとする。

 具体的には、格子間シリコン型のGrown-in欠 フリー領域(PI領域)からなるGrown-in欠陥フリ 単結晶を引き上げ可能なPI領域引き上げ速度 範囲を、水素雰囲気とすることによって、水 素のない時に比べて4倍以上、さらには、図5 示すように、4.5倍のマージンに拡大して引 上げをおこなうことができ、このような範 の引き上げ速度によって所望の単結晶を引 上げることが可能となる。
 このとき、OSFリングの発生領域を小さくす ことができる。なお、PV領域(空孔型のGrown-i n欠陥フリー領域)の大きさは水素添加によっ 変化しない。

 本実施形態においては、上述したように 素添加をおこなうことで、Grown-in欠陥フリ 単結晶を引き上げ容易とするとともに、炭 を添加することによって、OSFリングの影響 低減することができるため、これら相乗効 により、このウェーハ上にエピタキシャル を成長させた際にOSFリングに起因する欠陥 低減することができ、前述した所望の品質 有する単結晶の引き上げをおこなうことが き、作業効率を向上して、シリコン単結晶 あるいはこのシリコン単結晶から製造する リコン基板の製造コストを大幅に削減する とが可能となる。

 以下、本発明に係る実施例について説明 る。

<実施例1>
 図7,8は、本発明における炭素添加高濃度ボ ンCZシリコン単結晶からスライスされたシ コン基板を用いてのゲッタリング能力評価 果を示すグラフである。
 ゲッタリング能力評価実験のフローは、図9 に示すように、エピタキシャルウェーハ準備 工程S1、強制金属汚染工程S2、強制金属汚染 定工程S3、金属汚染拡散熱処理工程S4、ゲッ リング能測定工程S5によるものとした。

 エピタキシャルウェーハ準備工程S1におい は、石英ルツボ内にシリコン結晶の原料で るポリシリコンを積層配置し、このポリシ コンの表面上にグラファイト粉を適量塗布 てボロンを添加し、チョクラルスキー法(CZ )に従って、炭素を添加し酸素濃度を制御し 炭素添加高濃度ボロンCZ結晶を作製した。 の際、上述したB濃度が抵抗率8mωcm~10mωcmに 当する濃度、C濃度が0.5×10 16 ~10×10 16 atoms/cm 3  、酸素濃度が1.0×10 18 ~10.0×10 18 atoms/cm 3 とした。

 次いで、図1(b)に示したように、上記の炭 素添加高濃度ボロンCZ結晶をシリコン基板W0 した。

 その表面を鏡面加工してから、SC1およびSC2 組み合わせたRCA洗浄を行い、
 その後、エピタキシャル成長炉に装入し、 れにB濃度が抵抗率0.1~100ωcmとされたシリコ エピタキシャル層を膜厚2.5μmとしてCVD法に 形成した。なお、CVD法は、SiHCl 3 (トリクロロシラン)およびSiH 4 (モノシラン)を原料ガスとして行った。
 次いで、本発明における炭素、酸素および ロンにより形成された複合体の析出を促進 る熱処理としてDK処理(熱処理)をおこなった 。

 また、比較のために、この条件とは、ボ ン濃度、炭素濃度、DK処理条件、EG処理の有 無等において、条件の異なるシリコンエピタ キシャルウェーハを用意した。

 強制金属汚染工程S2においては、Ni、または 、Cuを汚染源として、ウェーハ表面に強制的 金属汚染させた。汚染レベルは、Ni、Cuのい ずれにおいても、7.5×10 11 atoms/cm 2 程度と、1.5×10 13 atoms/cm 2 程度の2種類のものを用意した。

 強制金属汚染測定工程S3では、原子吸光 析法で汚染を測定した。

 金属汚染拡散熱処理工程S4においては、図3 示すように、5段階のステップで熱処理を行 った。
 図3に示す熱処理は、それぞれ以下のとおり である。
図中のinitialから、図中のstep1までのステップ 1の熱処理
 昇温速度10℃/min、
 保持温度900℃で45分、
 降温速度5℃/min、
図中のstep2までのステップ2の熱処理
 昇温速度10℃/min  、
 保持温度800℃で90分、
 降温速度3℃/min、
図中のstep3までのステップ3の熱処理
 昇温速度5℃/min、
 保持温度900℃で30分、
 降温速度10℃/min、
図中のstep4までのステップ4の熱処理
 昇温速度5℃/min、
 保持温度950℃で50分、
 降温速度3℃/min、
図中のstep5までのステップ5の熱処理
 昇温速度10℃/min、
 保持温度1050℃で30分、
 降温速度 3℃/min、
である。

 ゲッタリング能測定工程S5においては、図3 示すstep1およびstep5の時点におけるウェーハ を抜き出し、これらの時点での表面汚染レベ ルを強制金属汚染測定工程S3と同様に、原子 光分析法で表面から深さ2μmの汚染を測定し 、表面汚染レベルが検出限界(Niでは1×10 10 atoms/cm 2  または5×10 9 atoms/cm 2 、Cuでは1×10 atoms/cm )にまで低減しているかでゲッタリング能を 定した。

 ここで、実験例1~24は、Niによる金属汚染と 、また、実験例25~49は、Cuによる金属汚染を 強制的に行ったものである。
 また、これらの実験例における、シリコン 板のボロン濃度、炭素濃度、酸素濃度、お び、エピタキシャル層ボロン濃度、EG処理 法、金属汚染拡散熱処理工程S4の処理条件、 および、図7,8に示した検出汚染レベル数値を 、表1、表2に示す。

 表1,2において、基板種類(B濃度)におけるp/p+ とは、p+タイプのシリコン基板表面にpタイプ のエピタキシャル層を積層したシリコンウェ ーハを用意したとの意味である。同様にp/p― とは、p-タイプのシリコン基板表面にpタイプ のエピタキシャル層を積層したシリコンウェ ーハ、p/p++とは、p++タイプのシリコン基板表 に抵抗率が10ωcm程度のpタイプのエピタキシ ャル層を成長させたシリコンウェーハを意味 するものとする。
 ここで、ボロン(B)濃度がp+タイプとは、抵 率0.01ωcm程度、つまり、抵抗率10mωcm~100mωcm 度に相当する濃度であり、pタイプとは、抵 率が10ωcm程度、つまり、抵抗率0.1~100ωcm程 に相当する濃度であり、p++タイプとは、抵 率0.001ωcm程度、つまり、抵抗率0.5mωcm~10mωcm 度に相当する濃度であり、p-タイプとは、 抗率100ωcm程度、つまり、抵抗率>100cm程度 相当する濃度である。
 また、エピタキシャル層の膜厚はいずれも 2.5μmとした。
 シリコン基板の酸素濃度Oiとしては、低は Oiであり、25ppma(12.5×10 17 atoms/cm 3 、中は中Oiであり、27.5ppma(13.75×10 17 atoms/cm 3 、高は高Oiであり、30ppma(15×10 17 atoms/cm 3 )を示している。
 シリコン基板の炭素濃度としては、無は検 限界(5×10 15  atoms/cm 3 )以下を意味し、有りは、1.5×10 16  atoms/cm を意味する。
 熱処理とは、本発明における炭素、酸素お びボロンにより形成された複合体の析出を 進する熱処理となるDK処理の条件を示すも であり、無は、エピタキシャル層成膜以外 熱処理をおこなわなかったものであり、ま 、おこなった場合にはそれぞれの熱処理温 、時間を記載した。なお、実験例7他で、900 30min、または、875℃45minの熱処理をIG強化熱 理として施した。

 EG等表面処理とは、ウェーハ裏面における キシントリックゲッタリングの方法を示し 無は、鏡面研磨後ウェーハ裏面にEG処理をお こなわなかったことを意味し、PBSはポリバッ クシールとしてウェーハ裏面に厚さ0.8μmのポ リシリコン層を形成したものを意味している 。この際、PBS形成条件としては、650℃とした 。
 また、BSDは、バックサイドダメージとして ウェーハ裏面の面粗さをRa0.5μm程度に処理 たものである。
 また、ステップとは、図3に示すinitial、step1 およびstep5のうち、どの段階のウェーハにお て測定をおこなったかを示すものである。
 また、実験例37に示す例では、比較のため 低酸素、無炭素ドープとしたウェーハとし エピタキシャル層を成膜しなかった。

 これらの結果から、本発明の範囲で炭素を 加した実験例では、step1程度の熱処理でも 染金属が検出限界以下となり、充分なゲッ リング能力を発揮することがわかり、さら 、step5まで熱処理をおこなっても充分なゲッ タリング能力を発揮できることがわかる。つ まり、本発明の範囲で炭素を添加した実験例 では、600℃、0.5時間程度の熱処理を経れば、 充分なゲッタリング能力を有し、NiおよびCu いった、固体撮像素子等のデバイス製造中 問題となる金属汚染を効果的にゲッタリン できることがわかる。
 また、従来技術であるポリバックシール処 された試料のゲッタリング能力と比較して 素添加された試料はゲッタリング能力が高 ことが示された。

<実施例2>
 上記の実施例1において、図3に示すinitialの に、DK(ドナーキラー)として熱処理をおこな い、その後、実施例1と同様の熱処理を行っ 。
 図6に、図3に示すinitial、step1およびstep5にお いて抜き出したウェーハの100nm以上の複合体 、2次転位を伴う欠陥をライトエッチ処理後 に観察したものである。それぞれの実験例の 番号は、表1,2および図7,8に示したものに対応 している。
 また、図6で、Rampとは、Cドープ有りと無し ウェーハで、P/P+のシリコンウェーハとして もので、それぞれ熱処理条件として、700℃か ら5℃/秒で昇温し、900℃で30min保持した後、3 /秒で700℃まで降温したものであることを意 味する。
 ライトエッチの条件は、180秒間、SC1等の通 使用されるクロム酸を含むエッチング液に 漬し表面から2μmエッチングして光学顕微鏡 観察を実施した。
 また、表面観察は、光学顕微鏡観察により 施した。

<実施例3>
 上記の実験例1において、実験例2と同様に 抜き出したウェーハの断面を観察したTEM写 を示す。

  これらにおいて、写真内で、IGシンクとな る複合体である析出物を囲って示すとともに 、それぞれの画像内における析出物の個数を その写真の下部に記載する。
  この囲った部分の個数・分布から、C-dope たウェーハは30nm程度の微小析出物が多いこ がわかる。

 これらの結果から、従来技術であるポリバ クシール処理された試料のゲッタリング能 と比較して炭素添加された試料はゲッタリ グ能力が高いことが示された。
 固体撮像素子の製造工程において上述のエ 基板を用いることによりデバイス製造工程 利用してナチュラルに酸素析出物の成長、 成が可能である。デバイス工程でナチュラ に析出するためデバイス工程での金属汚染 対するゲッタリング能力が高く、エピ層直 に酸素析出物が形成されることから近接ゲ タリングを実現可能である。
 以上のようにしてエピ基板を作製すること より重金属に耐性のある固体撮像素子を形 することができる。

<実施例4>
 本発明のエピタキシャル層を形成したシリ ン基板に対して、図2Fに示したCMOSデバイス 作製し、固体撮像素子を製造した。このデ イス工程のゲート酸化膜形成の工程(図2C)に おいて、700℃の熱処理を経たことによって、 シリコン基板1中には、径が100nm程度のボロン ・炭素・酸素系析出物が1×10 6 個/cm 2 の密度で存在していた。

 得られた固体撮像素子について、PN接合 イオードの暗時、逆方向リーク電流を調査 たところ、図11に示すように、本発明のシリ コン基板を用いた固体撮像素子は、従来の高 Oiの基板、或いは、高OiにPBSのみ施した基板 比べて、3桁のオーダーでリーク電流の抑制 可能であることがわかった。この結果、プ セス工程での重金属汚染に対して十分な耐 があることが示された。

<実施例4>
 本発明のシリコン基板におけるC濃度の変化 に対するホワイトスポット発生の関係を調べ た。
 図12は、本実施例を示すグラフで、縦軸が ワイトスポット発生を示すリーク電流、横 がカーボン濃度を示すものである。
 図において、破線および三角で示すデータ 、酸素濃度が13.5×10 16 atoms/cm 3 のp+型基板にp型のエピタキシャルシリコン層 を積層したもの、二点鎖線および丸で示すデ ータは、酸素濃度が16.0×10 17 atoms/cm 3 のp+型基板にp型のエピタキシャルシリコン層 を積層したもの、実線および四角で示すデー タは、酸素濃度が14~16×10 17 atoms/cm 3 のn-型基板にn型のエピタキシャルシリコン層 を積層したものである。

 この結果から、本発明のように、p型基板に Cドープをおこなうと、炭素濃度3~5~7×10 16 atoms/cm 3 程度でリーク電流が減少するn型基板とは異 り、炭素濃度0.5~1~5~7~10×10 16 atoms/cm 3 程度と広い範囲で重金属汚染に起因するリー ク電流が減少する、すなわち、充分なゲッタ リング能を有する基板であることがわかる。

 さらに、このp型基板断面を実施例3と同様 、TEM観察したものが、図13である。図13に示 ように、ここで、炭素濃度Csが1.5×10 16 atoms/cm 3 、酸素濃度Oiが13.5~15.5×10 18 atoms/cm 3 とした。TEM映像において、円で囲った部分に ある黒い点は、大きさ50nm以下の析出物であ 、また、映像中、四角で囲った部分にある きな黒い部分は、大きさ0.25μmの積層欠陥で る。

 この結果から、本発明のように、ボロンを イドープしたp型基板にCドープをおこなう ともに、酸素濃度を上述した範囲としてエ タキシャル層を成膜すると、析出のための 処理をおこなうことなく、大きさ1~50nm程度 析出核が1.0×10 10 ~6.0×10 14 個/cm 3 と多数発生していることがわかる。

 Bがドープされたp型シリコン基板上に該p型 リコン基板よりも低濃度のBを有するシリコ ンエピタキシャル層を成膜した固体撮像素子 用シリコン基板であって、
 前記p型シリコン基板のB濃度が抵抗率10~20mω cmに相当する濃度、C濃度が0.5×10 16 ~10×10 16 atoms/cm 3 、酸素濃度が13.5×10 17 ~16.0×10 17 atoms/cm 3 とされたシリコン基板を固体撮像素子の製造 に用いることにより、PBS(ポリバックシール) のEG処理をおこなうことなく基板のゲッタ ング能を向上して、固体撮像素子を構成す トランジスターおよび埋め込み型フォトダ オードに重金属汚染起因の欠陥が生じるこ を防止でき固体撮像素子の白傷欠陥(ホワイ スポット)の発生を未然に防ぐことができ、 固体撮像素子の歩留まりを向上させることが できるものである。