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Title:
SINGLE-SCREW COMPRESSOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/019880
Kind Code:
A1
Abstract:
In a single-screw compressor, gates (51) of a gate rotor (50) engage with helical grooves (41) of a screw rotor (40). In a helical groove (41) of the screw rotor (40), a region from the start point of the groove (41) to the middle of a compression stroke functions as a suction-side portion (45), and the remaining portion (portion up to the end point) functions as a discharge-side portion (46). In the discharge-side portion (46), clearances between a gate (51) and wall surfaces (42, 43, 44) of the discharge-side portion (46) are substantially zero. Clearances between the gate (51) and wall surfaces (42, 43, 44) of the suction-side portion (45) are greater than those between the gate (51) and the wall surfaces (42, 43, 44) of the discharge-side portion (46) and gradually become smaller from the start point to the end point of the helical groove (41).

Inventors:
MIYAMURA HARUNORI (JP)
OKADA TADASHI (JP)
TAKAHASHI TAKAYUKI (JP)
OHTSUKA KANAME (JP)
SUSA TOSHIHIRO (JP)
UENO HIROMICHI (JP)
MURONO TAKANORI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/002154
Publication Date:
February 12, 2009
Filing Date:
August 07, 2008
Export Citation:
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Assignee:
DAIKIN IND LTD (JP)
MIYAMURA HARUNORI (JP)
OKADA TADASHI (JP)
TAKAHASHI TAKAYUKI (JP)
OHTSUKA KANAME (JP)
SUSA TOSHIHIRO (JP)
UENO HIROMICHI (JP)
MURONO TAKANORI (JP)
International Classes:
F04C18/16; F04C29/00; F04C18/52
Foreign References:
JPS6017284A1985-01-29
JPH03164591A1991-07-16
JPH11336681A1999-12-07
JPH06317273A1994-11-15
JP2002202080A2002-07-19
Other References:
See also references of EP 2182216A4
Attorney, Agent or Firm:
MAEDA, Hiroshi et al. (5-7 Hommachi 2-chome, Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 53, JP)
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Claims:
 外周部に螺旋状の螺旋溝(41)が形成されたスクリューロータ(40)と、該スクリューロータ(40)を収容するケーシング(10)と、該スクリューロータ(40)の螺旋溝(41)と噛み合わされる複数のゲート(51)が放射状に形成されたゲートロータ(50)とを備え、
 上記スクリューロータ(40)と上記ケーシング(10)と上記ゲート(51)とで区画された圧縮室(23)内の流体を、上記ゲート(51)が上記螺旋溝(41)の始端から終端へ向かって相対的に移動することによって圧縮するシングルスクリュー圧縮機であって、
 上記螺旋溝(41)のうち圧縮行程途中の所定位置から終端に亘る部分である吐出側部分(46)の壁面と上記ゲート(51)とのクリアランスよりも、上記螺旋溝(41)のうち上記吐出側部分(46)以外の部分である吸入側部分(45)の壁面と上記ゲート(51)とのクリアランスの方が広くなっている
ことを特徴とするシングルスクリュー圧縮機。
 外周部に螺旋状の螺旋溝(41)が形成されたスクリューロータ(40)と、該スクリューロータ(40)を収容するケーシング(10)と、該スクリューロータ(40)の螺旋溝(41)と噛み合わされる複数のゲート(51)が放射状に形成されたゲートロータ(50)とを備え、
 上記スクリューロータ(40)と上記ケーシング(10)と上記ゲート(51)とで区画された圧縮室(23)内の流体を、上記ゲート(51)が上記螺旋溝(41)の始端から終端へ向かって相対的に移動することによって圧縮するシングルスクリュー圧縮機であって、
 上記螺旋溝(41)のうち圧縮行程途中の所定位置から終端に亘る部分である吐出側部分(46)の壁面が上記ゲート(51)の両側の側面及び先端面と接する一方、
 上記螺旋溝(41)のうち上記吐出側部分(46)以外の部分である吸入側部分(45)の壁面と上記ゲート(51)とのクリアランスが、上記吐出側部分(46)の壁面と上記ゲート(51)とのクリアランスよりも広くなっている
ことを特徴とするシングルスクリュー圧縮機。
 請求項1又は2において、
 上記螺旋溝(41)の吸入側部分(45)の壁面と上記ゲート(51)とのクリアランスは、該ゲート(51)が該螺旋溝(41)の終端へ近付くにつれて次第に狭くなっている
ことを特徴とするシングルスクリュー圧縮機。
 請求項1又は2において、
 上記螺旋溝(41)の吸入側部分(45)の側壁面(42,43)と上記ゲート(51)の側面とのクリアランスが、該螺旋溝(41)の吐出側部分(46)の側壁面(42,43)と上記ゲート(51)の側面とのクリアランスよりも広くなっている
ことを特徴とするシングルスクリュー圧縮機。
 請求項1又は2において、
 上記螺旋溝(41)の吸入側部分(45)の底壁面(44)と上記ゲート(51)の先端面とのクリアランスが、該螺旋溝(41)の吐出側部分(46)の底壁面(44)と上記ゲート(51)の先端面とのクリアランスよりも広くなっている
ことを特徴とするシングルスクリュー圧縮機。
 請求項4において、
 上記スクリューロータ(40)は、上記吸入側部分(45)の側壁面(42,43)と上記ゲート(51)とのクリアランスが上記吐出側部分(46)の側壁面(42,43)と上記ゲート(51)とのクリアランスよりも広くなるように、上記螺旋溝(41)の一対の側壁面のうち上記ゲート(51)の移動方向の前側に位置する側壁面(42)だけが掘り下げられている
ことを特徴とするシングルスクリュー圧縮機。
 請求項1又は2において、
 シングルスクリュー圧縮機の運転中にだけ上記ゲート(51)の先端面が上記吐出側部分(46)の底壁面(44)と接するように、上記ゲートロータ(50)の回転中心軸から該吐出側部分(46)の底壁面(44)までの距離が、該ゲートロータ(50)の回転中心軸から上記ゲート(51)の先端面までの距離よりも長くなっている
ことを特徴とするシングルスクリュー圧縮機。
 請求項1又は2において、
 上記スクリューロータ(40)の回転中心軸周りに複数の上記ゲートロータ(50)が等角度間隔で配置されている
ことを特徴とするシングルスクリュー圧縮機。
Description:
シングルスクリュー圧縮機

 本発明は、シングルスクリュー圧縮機の 率向上策に関するものである。

 従来より、冷媒や空気を圧縮する圧縮機 して、シングルスクリュー圧縮機が用いら ている。例えば、特許文献1には、1つのス リューロータと2つのゲートロータとを備え シングルスクリュー圧縮機が開示されてい 。

 このシングルスクリュー圧縮機について 明する。スクリューロータは、概ね円柱状 形成されており、その外周部に複数条の螺 溝が刻まれている。ゲートロータは、概ね 板状に形成されており、スクリューロータ 側方に配置されている。このゲートロータ は、複数の長方形板状のゲートが放射状に けられている。ゲートロータは、その回転 がスクリューロータの回転軸と直交する姿 で設置され、ゲートがスクリューロータの 旋溝と噛み合わされる。

 このシングルスクリュー圧縮機では、スク ューロータとゲートロータがケーシングに 容されており、スクリューロータの螺旋溝 、ゲートロータのゲートと、ケーシングの 壁面とによって圧縮室が形成される。スク ューロータを電動機等で回転駆動すると、 クリューロータの回転に伴ってゲートロー が回転する。そして、ゲートロータのゲー が、噛み合った螺旋溝の始端(吸入側の端部 )から終端(吐出側の端部)へ向かって相対的に 移動し、閉じきり状態となった圧縮室の容積 が次第に縮小する。その結果、圧縮室内の流 体が圧縮される。

特開2002-202080号公報

 シングルスクリュー圧縮機において、圧 室が閉じきり状態となった後は、螺旋溝を ートが移動してゆくにつれて圧縮室の内圧 次第に上昇してゆく。その際、圧縮室の気 性が保たれていないと、圧縮室から冷媒等 ガスが漏れだしてしまい、シングルスクリ ー圧縮機からの流体の吐出量が減少してし う。圧縮室の気密性を高める手法としては スクリューロータにおける螺旋溝の壁面と ートロータのゲートとの隙間を可能な限り めることが考えられる。しかしながら、両 の隙間を狭くし過ぎると、スクリューロー とゲートの摺動によって消費される動力が 加し、シングルスクリュー圧縮機の運転に する電力等のエネルギが嵩んでしまう。

 本発明は、かかる点に鑑みてなされたも であり、その目的は、シングルスクリュー 縮機からの流体の吐出量を充分に確保しつ 、その運転に要するエネルギを削減するこ にある。

 第1及び第2の各発明は、外周部に螺旋状 螺旋溝(41)が形成されたスクリューロータ(40) と、該スクリューロータ(40)を収容するケー ング(10)と、該スクリューロータ(40)の螺旋溝 (41)と噛み合わされる複数のゲート(51)が放射 に形成されたゲートロータ(50)とを備え、上 記スクリューロータ(40)と上記ケーシング(10) 上記ゲート(51)とで区画された圧縮室(23)内 流体を、上記ゲート(51)が上記螺旋溝(41)の始 端から終端へ向かって相対的に移動すること によって圧縮するシングルスクリュー圧縮機 を対象とする。

 そして、上記第1の発明では、上記螺旋溝 (41)のうち圧縮行程途中の所定位置から終端 亘る部分である吐出側部分(46)の壁面と上記 ート(51)とのクリアランスよりも、上記螺旋 溝(41)のうち上記吐出側部分(46)以外の部分で る吸入側部分(45)の壁面と上記ゲート(51)と クリアランスの方が広くなっている。

 また、上記第2の発明では、上記螺旋溝(41 )のうち圧縮行程途中の所定位置から終端に る部分である吐出側部分(46)の壁面が上記ゲ ト(51)の両側の側面及び先端面と接する一方 、上記螺旋溝(41)のうち上記吐出側部分(46)以 の部分である吸入側部分(45)の壁面と上記ゲ ート(51)とのクリアランスが、上記吐出側部 (46)の壁面と上記ゲート(51)とのクリアランス よりも広くなっている。

 第1及び第2の各発明では、スクリューロ タ(40)の螺旋溝(41)にゲートロータ(50)のゲー (51)が噛み合わされる。スクリューロータ(40) とゲートロータ(50)が回転すると、螺旋溝(41) 始端から終端へ向かってゲート(51)が相対移 動し、圧縮室(23)内の流体が圧縮される。ス リューロータ(40)の螺旋溝(41)では、圧縮行程 途中の所定位置から終端に亘る部分が吐出側 部分(46)となり、残りの部分が吸入側部分(45) なる。ゲート(51)は、螺旋溝(41)の始端から 端へ向かって相対移動する過程において、 ず吸入側部分(45)の壁面に沿って移動し、そ 後に吐出側部分(46)の壁面に沿って移動する 。また、ゲート(51)が螺旋溝(41)の始端から終 へ向かって相対移動する間には、圧縮室(23) の内圧が次第に上昇してゆく。

 ところで、ゲート(51)が螺旋溝(41)の吐出 部分(46)に到達した時点では、圧縮室(23)の内 圧がある程度高くなっており、ゲート(51)の 面側と裏面側の圧力差が比較的大きくなっ いる。このため、圧縮室(23)の気密性が不充 だと、圧縮室(23)内から漏れ出す流体の量が 過多となる。

 それに対し、第1の発明では、螺旋溝(41) 吐出側部分(46)の壁面とゲート(51)とのクリア ランスが、その吸入側部分(45)の壁面とゲー (51)とのクリアランスに比べて狭くなってい 。従って、第1の発明では、ゲート(51)が螺 溝(41)の吐出側部分(46)に位置する状態での圧 縮室(23)の気密性が比較的高くなる。また、 2の発明では、螺旋溝(41)の吐出側部分(46)の 面がゲート(51)の両側の側面及び先端面と接 ている。従って、第2の発明では、ゲート(51 )が螺旋溝(41)の吐出側部分(46)に位置する状態 での圧縮室(23)の気密性が充分に確保される

 一方、ゲート(51)が螺旋溝(41)の吸入側部 (45)に位置する状態では、圧縮室(23)の内圧が それ程度高くなく、ゲート(51)の表面側と裏 側の圧力差が比較的小さくなっている。こ ため、圧縮室(23)の気密性がそれほど高くな ても、圧縮室(23)内から漏れ出す流体の量は 少なく抑えられる。

 そこで、第1及び第2の各発明では、螺旋 (41)の吸入側部分(45)の壁面とゲート(51)との リアランスを、吐出側部分(46)の壁面とゲー (51)とのクリアランスよりも広くしている。 従って、これらの発明では、螺旋溝(41)の吸 側部分(45)の壁面とゲート(51)との間の摺動抵 抗が低く抑えられ、その結果、スクリューロ ータ(40)とゲート(51)の摺動によって消費され 動力が減少する。

 第3の発明は、上記第1又は第2の発明にお て、上記螺旋溝(41)の吸入側部分(45)の壁面 上記ゲート(51)とのクリアランスは、該ゲー (51)が該螺旋溝(41)の終端へ近付くにつれて 第に狭くなっているものである。

 第3の発明では、吸入側部分(45)に位置す ゲート(51)が吐出側部分(46)へ近付くにつれて 、圧縮室(23)の気密性が次第に上昇してゆく 上述したように、ゲート(51)が螺旋溝(41)の始 端から終端へ向かって相対移動する過程では 、圧縮室(23)の内圧が次第に上昇し、それに って圧縮室(23)に求められる気密性も高くな てゆく。そこで、この発明では、螺旋溝(41) の吸入側部分(45)の壁面とゲート(51)とのクリ ランスを徐々に変化させることによって、 縮室(23)に求められる気密性を確保しつつ、 スクリューロータ(40)とゲートロータ(50)の間 摺動抵抗を抑えるようにしている。

 第4の発明は、上記第1又は第2の発明にお て、上記螺旋溝(41)の吸入側部分(45)の側壁 (42,43)と上記ゲート(51)の側面とのクリアラン スが、該螺旋溝(41)の吐出側部分(46)の側壁面( 42,43)と上記ゲート(51)の側面とのクリアラン よりも広くなっているものである。

 第4の発明では、螺旋溝(41)の吸入側部分(4 5)において、その側壁面(42,43)とゲート(51)の 面とのクリアランスが確保される。このた 、螺旋溝(41)の側壁面(42,43)とゲート(51)の側 との摺動によって消費される動力が減少す 。

 第5の発明は、上記第1又は第2の発明にお て、上記螺旋溝(41)の吸入側部分(45)の底壁 (44)と上記ゲート(51)の先端面とのクリアラン スが、該螺旋溝(41)の吐出側部分(46)の底壁面( 44)と上記ゲート(51)の先端面とのクリアラン よりも広くなっているものである。

 第5の発明では、螺旋溝(41)の吸入側部分(4 5)において、その底壁面(44)とゲート(51)の先 面とのクリアランスが確保される。このた 、螺旋溝(41)の側壁面(42,43)とゲート(51)の側 との摺動によって消費される動力だけでな 、螺旋溝(41)の底壁面(44)とゲート(51)の先端 との摺動によって消費される動力も削減さ る。

 第6の発明は、上記第4の発明において、 記スクリューロータ(40)は、上記吸入側部分( 45)の側壁面(42,43)と上記ゲート(51)とのクリア ンスが上記吐出側部分(46)の側壁面(42,43)と 記ゲート(51)とのクリアランスよりも広くな ように、上記螺旋溝(41)の一対の側壁面のう ち上記ゲート(51)の移動方向の前側に位置す 側壁面(42)だけが掘り下げられるものである

 第6の発明では、螺旋溝(41)の一対の側壁 のうちゲート(51)の移動方向の前側に位置す 側壁面(42)だけを掘り下げることによって、 吸入側部分(45)の側壁面(42,43)とゲート(51)との クリアランスが吐出側部分(46)の側壁面(42,43) ゲート(51)とのクリアランスよりも広げられ る。

 第7の発明は、上記第1又は第2の発明にお て、シングルスクリュー圧縮機の運転中に け上記ゲート(51)の先端面が上記吐出側部分 (46)の底壁面(44)と接するように、上記ゲート ータ(50)の回転中心軸から該吐出側部分(46) 底壁面(44)までの距離が、該ゲートロータ(50) の回転中心軸から上記ゲート(51)の先端面ま の距離よりも長くなっているものである。

 第7の発明では、ゲートロータ(50)の回転 心軸から吐出側部分(46)の底壁面(44)までの距 離が、ゲートロータ(50)の回転中心軸からゲ ト(51)の先端面までの距離よりも長くなって る。この発明のスクリューロータ(40)におい て、螺旋溝(41)の深さは、シングルスクリュ 圧縮機(1)の運転中にだけ螺旋溝(41)の底壁面( 44)がゲート(51)の先端面と接するような値に 定される。

 第8の発明は、上記第1~第7の発明のうちの 何れか一つにおいて、上記スクリューロータ (40)の回転中心軸周りに複数の上記ゲートロ タ(50)が等角度間隔で配置されるものである

 第8の発明では、一つのスクリューロータ (40)に複数のゲートロータ(50)が噛み合わされ 。

 上記第1の発明では、螺旋溝(41)の吸入側 分(45)の壁面とゲート(51)とのクリアランスが 、その吐出側部分(46)の壁面とゲート(51)との リアランスに比べて広くなっている。また 上記第2の発明において、螺旋溝(41)の吐出 部分(46)ではゲート(51)の両側の側面及び先端 面が螺旋溝(41)の壁面と接する一方、螺旋溝(4 1)の吸入側部分(45)では螺旋溝(41)の壁面とゲ ト(51)の間にある程度の隙間が確保されてい 。つまり、これらの発明によれば、圧縮室( 23)の内圧がある程度高い状態では、圧縮室(23 )の気密性を確保して圧縮室(23)からの流体の 洩が抑えられる一方、圧縮室(23)の内圧がそ れほど高くない状態では、螺旋溝(41)の壁面 ゲート(51)のクリアランスを広げることで両 の間における摺動抵抗が低減される。

 従って、本発明によれば、圧縮室(23)から 漏れ出す流体の量を少なく抑えてシングルス クリュー圧縮機から吐出される流体の流量を 充分に確保することができると同時に、スク リューロータ(40)とゲートロータ(50)の摺動に って消費される動力を削減してシングルス リュー圧縮機の消費エネルギを低減するこ ができる。

 上記第3の発明では、ゲート(51)が螺旋溝(4 1)を相対移動するのにつれて圧縮室(23)に求め られる気密性が高くなる点を考慮し、螺旋溝 (41)の吸入側部分(45)の壁面とゲート(51)とのク リアランスを徐々に変化させている。従って 、この発明によれば、圧縮室(23)からの流体 漏れ量の低減と、スクリューロータ(40)とゲ トロータ(50)の摺動抵抗の低減とを、より高 いレベルで両立させることができる。

 ところで、シングルスクリュー圧縮機(1) 運転中には、シングルスクリュー圧縮機(1) 内部を圧縮前の低温の流体や圧縮後の高温 流体が流れる。このため、シングルスクリ ー圧縮機(1)では、その各部分の温度が互い 相違することとなり、その各部分の熱変形 が互いに相違した状態になる。従って、シ グルスクリュー圧縮機(1)が停止していてそ 各部分の温度が概ね等しくなっている状態( 以下では「常温状態」という)と、シングル クリュー圧縮機(1)が稼働していてその各部 の温度が互いに相違する状態(以下では「稼 温度状態」という)とでは、スクリューロー タ(40)及びゲートロータ(50)自体の形状や、ス リューロータ(40)とゲートロータ(50)の相対 な位置が変化する。そして、場合によって 、ゲート(51)の先端面がスクリューロータ(40) の螺旋溝(41)の底壁面(44)に強く押し付けられ 状態となることがあり、その状態では両者 の摩擦抵抗が大きくなってしまう。

 それに対し、上記第7の発明では、常温状 態においてはゲート(51)の先端面がスクリュ ロータ(40)と接触せず、稼働温度状態となる ングルスクリュー圧縮機(1)の運転中にだけ ート(51)の先端面がスクリューロータ(40)と 触するように、ゲートロータ(50)の回転中心 から吐出側部分(46)の底壁面(44)までの距離 、ゲートロータ(50)の回転中心軸からゲート( 51)の先端面までの距離よりも長くなっている 。

 従って、上記第7の発明によれば、シング ルスクリュー圧縮機(1)の運転中に“スクリュ ーロータ(40)及びゲートロータ(50)自体の形状 や“スクリューロータ(40)とゲートロータ(50 )の相対的な位置”が常温状態から変化し、 の結果、スクリューロータ(40)の螺旋溝(41)の 底壁面(44)からゲート(51)の先端面までの距離 縮まってしまった場合でも、スクリューロ タ(40)とゲートロータ(50)の間の摩擦抵抗を く抑えることができる。

図1は、シングルスクリュー圧縮機の要 部の構成を示す縦断面図である。 図2は、図1のII-II線における横断面図で ある。 図3は、シングルスクリュー圧縮機の要 部を抜き出して示す斜視図である。 図4は、シングルスクリュー圧縮機のス クリューロータ示す斜視図である。 図5は、スクリューロータの回転中心軸 を通る平面におけるシングルスクリュー圧縮 機の要部の断面を示す断面図である。 図6は、図4に示したスクリューロータ 展開図である。 図7は、シングルスクリュー圧縮機の圧 縮機構の動作を示す平面図であり、(A)は吸入 行程を示し、(B)は圧縮行程を示し、(C)は吐出 行程示す。 図8は、スクリューロータの加工に用い る5軸マシニングセンタの全体構成を示す概 の斜視図である。 図9は、スクリューロータの加工に用い る5軸マシニングセンタの要部を示す概略の 視図である。 図10は、スクリューロータの回転中心 を通る平面における変形例2のシングルスク リュー圧縮機の要部の断面を示す断面図であ る。 図11は、変形例2のスクリューロータの 回転中心軸を通る断面を示す断面図である。 図12は、螺旋溝の第1側壁面とゲートの 側面とのクリアランスCの変化を示すクリア ンスCと角度θの関係図である。 図13は、スクリューロータの回転中心 を通る平面における変形例3のシングルスク リュー圧縮機の要部の断面を示す断面図であ って、(A)は常温状態を示す、(B)は稼働温度状 態を示す。

符号の説明

  1  シングルスクリュー圧縮機
 10  ケーシング
 23  圧縮室
 40  スクリューロータ
 41  螺旋溝
 42  第1側壁面
 43  第2側壁面
 44  底壁面
 45  吸入側部分
 46  吐出側部分
 50  ゲートロータ
 51  ゲート

 以下、本発明の実施形態を図面に基づい 詳細に説明する。

 本実施形態のシングルスクリュー圧縮機( 1)(以下、単にスクリュー圧縮機と言う。)は 冷凍サイクルを行う冷媒回路に設けられて 媒を圧縮するためのものである。

 図1,図2に示すように、スクリュー圧縮機( 1)は、半密閉型に構成されている。このスク ュー圧縮機(1)では、圧縮機構(20)とそれを駆 動する電動機とが1つのケーシング(10)に収容 れている。圧縮機構(20)は、駆動軸(21)を介 て電動機と連結されている。図1において、 動機は省略されている。また、ケーシング( 10)内には、冷媒回路の蒸発器から低圧のガス 冷媒が導入されると共に該低圧ガスを圧縮機 構(20)へ案内する低圧空間(S1)と、圧縮機構(20) から吐出された高圧のガス冷媒が流入する高 圧空間(S2)とが区画形成されている。

 圧縮機構(20)は、ケーシング(10)内に形成 れた円筒壁(30)と、該円筒壁(30)の中に配置さ れた1つのスクリューロータ(40)と、該スクリ ーロータ(40)に噛み合う2つのゲートロータ(5 0)とを備えている。スクリューロータ(40)には 、駆動軸(21)が挿通されている。スクリュー ータ(40)と駆動軸(21)は、キー(22)によって連 されている。駆動軸(21)は、スクリューロー (40)と同軸上に配置されている。駆動軸(21) 先端部は、圧縮機構(20)の高圧側(図1におけ 駆動軸(21)の軸方向を左右方向とした場合の 側)に位置する軸受ホルダ(60)に回転自在に 持されている。この軸受ホルダ(60)は、玉軸 (61)を介して駆動軸(21)を支持している。

 図3,図4に示すように、スクリューロータ( 40)は、概ね円柱状に形成された金属製の部材 である。スクリューロータ(40)は、円筒壁(30) 回転可能に嵌合しており、その外周面が円 壁(30)の内周面と摺接する。スクリューロー タ(40)の外周部には、スクリューロータ(40)の 端から他端へ向かって螺旋状に延びる螺旋 (41)が複数(本実施形態では、6本)形成されて いる。

 スクリューロータ(40)の各螺旋溝(41)は、 4における左端が始端となり、同図における 端が終端となっている。また、スクリュー ータ(40)は、同図における左端部(吸入側の 部)がテーパー状に形成されている。図4に示 すスクリューロータ(40)では、テーパー面状 形成されたその左端面に螺旋溝(41)の始端が 口する一方、その右端面に螺旋溝(41)の終端 は開口していない。

 螺旋溝(41)では、両側の側壁面(42,43)のう 、ゲート(51)の進行方向の前側(図4における 側)に位置するものが第1側壁面(42)となり、 ート(51)の進行方向の後側(同図における左側 )に位置するものが第2側壁面(43)となっている 。各螺旋溝(41)には、吸入側部分(45)と吐出側 分(46)とが形成されている。この点について は後述する。

 各ゲートロータ(50)は、長方形板状に形成 された複数(本実施形態では、11枚)のゲート(5 1)が放射状に設けられた樹脂製の部材である 各ゲートロータ(50)は、円筒壁(30)の外側に スクリューロータ(40)の回転軸に対して軸対 となるように配置されている。つまり、本 施形態のスクリュー圧縮機(1)では、二つの ートロータ(50)が、スクリューロータ(40)の 転中心軸周りに等角度間隔(本実施形態では1 80°間隔)で配置されている。各ゲートロータ( 50)の軸心は、スクリューロータ(40)の軸心と 交している。各ゲートロータ(50)は、ゲート( 51)が円筒壁(30)の一部を貫通してスクリュー ータ(40)の螺旋溝(41)に噛み合うように配置さ れている。

 ゲートロータ(50)は、金属製のロータ支持 部材(55)に取り付けられている(図3を参照)。 ータ支持部材(55)は、基部(56)とアーム部(57) 軸部(58)とを備えている。基部(56)は、やや肉 厚の円板状に形成されている。アーム部(57) 、ゲートロータ(50)のゲート(51)と同数だけ設 けられており、基部(56)の外周面から外側へ かって放射状に延びている。軸部(58)は、棒 に形成されて基部(56)に立設されている。軸 部(58)の中心軸は、基部(56)の中心軸と一致し いる。ゲートロータ(50)は、基部(56)及びア ム部(57)における軸部(58)とは反対側の面に取 り付けられている。各アーム部(57)は、ゲー (51)の裏面に当接している。

 ゲートロータ(50)が取り付けられたロータ 支持部材(55)は、円筒壁(30)に隣接してケーシ グ(10)内に区画形成されたゲートロータ室(90 )に収容されている(図2を参照)。図2における クリューロータ(40)の右側に配置されたロー タ支持部材(55)は、ゲートロータ(50)が下端側 なる姿勢で設置されている。一方、同図に けるスクリューロータ(40)の左側に配置され たロータ支持部材(55)は、ゲートロータ(50)が 端側となる姿勢で設置されている。各ロー 支持部材(55)の軸部(58)は、ゲートロータ室(9 0)内の軸受ハウジング(91)に玉軸受(92,93)を介 て回転自在に支持されている。なお、各ゲ トロータ室(90)は、低圧空間(S1)に連通してい る。

 圧縮機構(20)では、円筒壁(30)の内周面と スクリューロータ(40)の螺旋溝(41)と、ゲート ロータ(50)のゲート(51)とによって囲まれた空 が圧縮室(23)になる。スクリューロータ(40) 螺旋溝(41)は、吸入側端部において低圧空間( S1)に開放しており、この開放部分が圧縮機構 (20)の吸入口(24)になっている。

 スクリュー圧縮機(1)には、容量制御機構 してスライドバルブ(70)が設けられている。 このスライドバルブ(70)は、円筒壁(30)がその 方向の2カ所において径方向外側に膨出した スライドバルブ収納部(31)内に設けられてい 。スライドバルブ(70)は、内面が円筒壁(30)の 内周面の一部を構成すると共に、円筒壁(30) 軸方向にスライド可能に構成されている。

 スライドバルブ(70)が高圧空間(S2)寄り(図1 における駆動軸(21)の軸方向を左右方向とし 場合の右側寄り)へスライドすると、スライ バルブ収納部(31)の端面(P1)とスライドバル (70)の端面(P2)との間に軸方向隙間が形成され る。この軸方向隙間は、圧縮室(23)から低圧 間(S1)へ冷媒を戻すためのバイパス通路(33)と なっている。スライドバルブ(70)を移動させ バイパス通路(33)の開度を変更すると、圧縮 構(20)の容量が変化する。また、スライドバ ルブ(70)には、圧縮室(23)と高圧空間(S2)とを連 通させるための吐出口(25)が形成されている

 上記スクリュー圧縮機(1)には、スライド ルブ(70)をスライド駆動させるためのスライ ドバルブ駆動機構(80)が設けられている。こ スライドバルブ駆動機構(80)は、軸受ホルダ( 60)に固定されたシリンダ(81)と、該シリンダ(8 1)内に装填されたピストン(82)と、該ピストン (82)のピストンロッド(83)に連結されたアーム( 84)と、該アーム(84)とスライドバルブ(70)とを 結する連結ロッド(85)と、アーム(84)を図1の 方向(アーム(84)をケーシング(10)から引き離 方向)に付勢するスプリング(86)とを備えて る。

 図1に示すスライドバルブ駆動機構(80)で 、ピストン(82)の左側空間(ピストン(82)のス リューロータ(40)側の空間)の内圧が、ピスト ン(82)の右側空間(ピストン(82)のアーム(84)側 空間)の内圧よりも高くなっている。そして スライドバルブ駆動機構(80)は、ピストン(82 )の右側空間の内圧(即ち、右側空間内のガス )を調節することによって、スライドバルブ (70)の位置を調整するように構成されている

 スクリュー圧縮機(1)の運転中において、 ライドバルブ(70)では、その軸方向の端面の 一方に圧縮機構(20)の吸入圧が、他方に圧縮 構(20)の吐出圧がそれぞれ作用する。このた 、スクリュー圧縮機(1)の運転中において、 ライドバルブ(70)には、常にスライドバルブ (70)を低圧空間(S1)側へ押す方向の力が作用す 。従って、スライドバルブ駆動機構(80)にお けるピストン(82)の左側空間及び右側空間の 圧を変更すると、スライドバルブ(70)を高圧 間(S2)側へ引き戻す方向の力の大きさが変化 し、その結果、スライドバルブ(70)の位置が 化する。

 上述したように、スクリューロータ(40)の 各螺旋溝(41)には、吸入側部分(45)と吐出側部 (46)とが形成されている。吸入側部分(45)と 出側部分(46)について、図4~図6を参照しなが 説明する。なお、図5は、螺旋溝(41)の吸入 部分(45)にゲート(51a)が位置すると共に、螺 溝(41)の吐出側部分(46)にゲート(51b)が位置す 状態を示している。また、図6は、スクリュ ーロータ(40)の展開図である。

 なお、図6における角度θは、スクリューロ タ(40)の回転中心軸周りの角度である。この 角度θは、“螺旋溝(41)内を相対移動するゲー ト(51)の幅方向の中心とゲートロータ(50)の回 中心Oを結んだ直線L 1 ”と、“スクリューロータ(40)の回転中心軸L 2 ”とが互いに直交する位置(図10を参照)にお て0(ゼロ)°となる。また、この角度θは、ス リューロータ(40)の回転方向が正(+)となり、 その回転方向と逆方向が負(-)となっている。

 図4及び図6に示すように、各螺旋溝(41)で 、その始端から圧縮行程の途中に対応する 置に亘る部分が吸入側部分(45)となり、残り の部分(即ち、圧縮行程の途中に対応する位 からその終端に亘る部分)が吐出側部分(46)と なっている。つまり、各螺旋溝(41)では、圧 室(23)が閉じきり状態になるまでの領域と圧 行程の一部に対応する領域とが吸入側部分( 45)となり、圧縮行程の残りと吐出行程の全て とに対応する領域が吐出側部分(46)となって る。

 なお、各螺旋溝(41)において、圧縮行程に 対応する部分とは、圧縮室(23)がゲート(51)に って低圧空間(S1)から遮断された閉じきり状 態となった時点におけるゲート(51)の位置か 、圧縮室(23)が吐出口(25)と連通し始める直前 におけるゲート(51)の位置までの部分を意味 る。また、各螺旋溝(41)において、吐出行程 対応する部分とは、圧縮室(23)が吐出口(25) 連通し始めた時点におけるゲート(51)の位置 ら、螺旋溝(41)の終端までの部分を意味する 。

 図5に示すように、各螺旋溝(41)の吐出側 分(46)では、その両側の側壁面(42,43)及び底壁 面(44)とゲート(51)とのクリアランスが殆どゼ となっている。つまり、この吐出側部分(46) では、螺旋溝(41)の壁面(42,43,44)とゲート(51)が 実質的に接している。具体的に、螺旋溝(41) 吐出側部分(46)において、スクリューロータ( 40)の回転軸を通る断面(図5に示す断面)におけ る螺旋溝(41)の幅は、ゲート(51)の幅とほぼ一 している。また、この吐出側部分(46)におい て、ゲートロータ(50)の回転軸から螺旋溝(41) 底壁面(44)までの距離は、ゲートロータ(50) 回転軸からゲート(51)の先端面までの距離と ぼ一致している。

 ただし、螺旋溝(41)の吐出側部分(46)にお て、螺旋溝(41)の壁面(42,43,44)とゲート(51)は 理的に擦れ合っている必要はなく、両者の に微小な隙間があっても差し支えない。両 の間の隙間が潤滑油からなる油膜でシール きる程度のものであれば、両者が物理的に れ合っていなくても、圧縮室(23)の気密性は たれる。

 各螺旋溝(41)の吸入側部分(45)において、 の両側の側壁面(42,43)とゲート(51)のクリアラ ンスは、吐出側部分(46)の側壁面(42,43)とゲー (51)のクリアランスに比べて広くなっている 。また、吸入側部分(45)の側壁面(42,43)とゲー (51)のクリアランスは、ゲート(51)が螺旋溝(4 1)の始端から終端へ進むにつれて次第に狭ま てゆく。具体的に、螺旋溝(41)の吸入側部分 (45)において、スクリューロータ(40)の回転軸 通る断面(図5に示す断面)における螺旋溝(41) の幅は、ゲート(51)の幅よりも幾分広くなる 共に、螺旋溝(41)の始端から終端へ向かって 第に狭くなっている。

 各螺旋溝(41)の吸入側部分(45)において、 の底壁面(44)とゲート(51)のクリアランスは、 吐出側部分(46)の底壁面(44)とゲート(51)のクリ アランスに比べて広くなっている。また、吸 入側部分(45)の底壁面(44)とゲート(51)のクリア ランスは、ゲート(51)が螺旋溝(41)の始端から 端へ進むにつれて次第に狭まってゆく。具 的に、螺旋溝(41)の吸入側部分(45)において ゲートロータ(50)の回転軸から螺旋溝(41)の底 壁面(44)までの距離は、ゲートロータ(50)の回 軸からゲート(51)の先端面までの距離よりも 幾分長くなると共に、螺旋溝(41)の始端から 端へ向かって次第に短くなっている。

 なお、螺旋溝(41)の吸入側部分(45)におい 、螺旋溝(41)の壁面(42,43,44)とゲート(51)の隙 は、潤滑油からなる油膜である程度シール れている。また、吸入側部分(45)に位置する ート(51)の表面側と裏面側の圧力差は、吐出 側部分(46)に位置するゲート(51)の表面側と裏 側の圧力差に比べて小さくなる。そのため 螺旋溝(41)の吸入側部分(45)では、螺旋溝(41) 壁面(42,43,44)とゲート(51)の隙間がある程度 くても、圧縮室(23)の気密性は保たれる。

 また、螺旋溝(41)の吸入側部分(45)におい 、螺旋溝(41)の始端から圧縮室(23)が閉じきり 状態となった時点におけるゲート(51)の位置 での領域における螺旋溝(41)の壁面(42,43,44)と ゲート(51)のクリアランスは、残りの領域に ける両者のクリアランスよりも更に広くな ている。この螺旋溝(41)のうち始端から圧縮 (23)が閉じきり状態となった時点におけるゲ ート(51)の位置までの領域において、螺旋溝(4 1)の壁面(42,43,44)とゲート(51)のクリアランス 、変化している必要はなく、一定でもよい

  -運転動作-
 シングルスクリュー圧縮機(1)の運転動作に いて説明する。

 シングルスクリュー圧縮機(1)において電 機を起動すると、駆動軸(21)が回転するのに 伴ってスクリューロータ(40)が回転する。こ スクリューロータ(40)の回転に伴ってゲート ータ(50)も回転し、圧縮機構(20)が吸入行程 圧縮行程および吐出行程を繰り返す。ここ は、図7において網掛けを付した圧縮室(23)に 着目して説明する。

 図7(A)において、網掛けを付した圧縮室(23 )は、低圧空間(S1)に連通している。また、こ 圧縮室(23)が形成されている螺旋溝(41)は、 図の下側に位置するゲートロータ(50)のゲー (51)と噛み合わされている。スクリューロー タ(40)が回転すると、このゲート(51)が螺旋溝( 41)の終端へ向かって相対的に移動し、それに 伴って圧縮室(23)の容積が拡大する。その結 、低圧空間(S1)の低圧ガス冷媒が吸入口(24)を 通じて圧縮室(23)へ吸い込まれる。

 スクリューロータ(40)が更に回転すると、 図7(B)の状態となる。同図において、網掛け 付した圧縮室(23)は、閉じきり状態となって る。つまり、この圧縮室(23)が形成されてい る螺旋溝(41)は、同図の上側に位置するゲー ロータ(50)のゲート(51)と噛み合わされ、この ゲート(51)によって低圧空間(S1)から仕切られ いる。そして、スクリューロータ(40)の回転 に伴ってゲート(51)が螺旋溝(41)の終端へ向か て相対的に移動すると、圧縮室(23)の容積が 次第に縮小する。その結果、圧縮室(23)内の ス冷媒が圧縮される。

 スクリューロータ(40)が更に回転すると、 図7(C)の状態となる。同図において、網掛け 付した圧縮室(23)は、吐出口(25)を介して高圧 空間(S2)と連通した状態となっている。そし 、スクリューロータ(40)の回転に伴ってゲー (51)が螺旋溝(41)の終端へ向かって相対的に 動すると、圧縮された冷媒ガスが圧縮室(23) ら高圧空間(S2)へ押し出されてゆく。

 ここで、圧縮機構(20)において、スクリュ ーロータ(40)の螺旋溝(41)とケーシング(10)の円 筒壁(30)とで囲まれた圧縮室(23)は、ゲート(51) によって2つの部分に仕切られている。ゲー (51)によって仕切られた圧縮室(23)は、その一 方が低圧空間(S1)に連通し、他方が閉空間と るか或いは高圧空間(S2)と連通している。圧 機構(20)の圧縮行程では、閉空間となった圧 縮室(23)の内圧が次第に上昇し、ゲート(51)の 面側と裏面側の圧力差が拡大してゆく。一 、圧縮機構(20)の吐出行程において、ゲート (51)で2つに仕切られた圧縮室(23)は、その一方 の内圧が高圧空間(S2)の内圧と概ね等しくな 、他方の内圧が低圧空間(S1)の内圧と概ね等 くなる。

 このように、圧縮機構(20)において、その 圧縮行程ではゲート(51)の表面側と裏面側の 力差が次第に拡大してゆき、その吐出行程 はゲート(51)の表面側と裏面側の圧力差が最 値に保たれる。つまり、圧縮機構(20)の圧縮 行程では圧縮室(23)に求められる気密性が次 に高くなってゆき、その吐出行程では圧縮 (23)に求められる気密性が最高となる。

 それに対し、本実施形態のスクリューロ タ(40)の螺旋溝(41)では、吸入側部分(45)にお る壁面(42,43,44)とゲート(51)のクリアランス 螺旋溝(41)の終端に近付くにつれて次第に狭 ってゆき、吐出側部分(46)における壁面(42,43 ,44)とゲート(51)のクリアランスが吸入側部分( 45)における両者のクリアランスに比べて狭く なっている。このため、ゲート(51)が螺旋溝(4 1)の始端から終端へ向かって相対移動してゆ 過程において、圧縮室(23)の気密性がそれほ ど高くなくてもよい間は、螺旋溝(41)の壁面(4 2,43,44)とゲート(51)のクリアランスを広くする ことでスクリューロータ(40)とゲート(51)の摺 抵抗の低減が図られる一方、圧縮室(23)に高 い気密性が要求される間は、螺旋溝(41)の壁 (42,43,44)とゲート(51)のクリアランスを狭める ことで必要な気密性が確保される。

  -スクリューロータの加工方法-
 本実施形態のスクリューロータ(40)は、5軸 工機である5軸マシニングセンタ(100)を用い 加工される。

 図8に示すように、5軸マシニングセンタ(1 00)は、エンドミル等の切削工具(110)が取り付 られる主軸(101)と、主軸(101)が取り付けられ るコラム(102)とを備えている。また、5軸マシ ニングセンタ(100)は、ベーステーブル(103)に して回転自在に取り付けられた回転テーブ (104)と、回転テーブル(104)上に設置されて被 物であるワーク(120)をクランプするクラン 部(105)とを備えている。

 図9に示すように、この5軸マシニングセ タ(100)では、ツール側に3つの自由度が割り てられ、ワーク(120)側に2つの自由度が割り てられている。具体的に、主軸(101)は、その 回転軸と直交するX軸方向と、その回転軸及 X軸方向と直交するY軸方向と、回転軸方向で あるZ軸方向とに移動自在となっている。ク ンプ部(105)は、その中心軸周り(A軸周り)に回 転自在となっている。また、クランプ部(105) 取り付けられた回転テーブル(104)は、クラ プ部(105)の軸方向と直交する軸周り(B軸周り) に回転自在となっている。つまり、この5軸 シニングセンタ(100)では、切削工具(110)がX軸 方向、Y軸方向、及びZ軸方向へ平行移動自在 なる一方、ワーク(120)がA軸周りとB軸周りに 回転自在となっている。

 5軸マシニングセンタ(100)では、予め数値 ータとして与えられた工具経路に基づいて 削工具(110)を移動させることによって、ス リューロータ(40)となるワーク(120)の加工が われる。5軸マシニングセンタ(100)は、複数 類の切削工具(110)を用いて、荒削りから仕上 げまでの複数の工程を順次行う。

 仕上げ加工工程における工具経路は、ス リューロータ(40)となるワーク(120)の螺旋溝( 41)において、吸入側部分(45)と吐出側部分(46) 壁面(42,43,44)が所定の形状となるように設定 されている。つまり、仕上げ加工工程では、 吸入側部分(45)における切削量が吐出側部分(4 6)における切削量よりも大きくなると共に、 入側部分(45)における切削量が螺旋溝(41)の 端へ向かって次第に減少するように、工具 路が設定される。

  -実施形態の効果-
 本実施形態において、螺旋溝(41)の吐出側部 分(46)ではゲート(51)の両側の側面及び先端面 螺旋溝(41)の壁面(42,43,44)と接する一方、螺 溝(41)の吸入側部分(45)では螺旋溝(41)の壁面(4 2,43,44)とゲート(51)の間にある程度の隙間が確 保されている。つまり、圧縮室(23)の内圧が る程度高くてゲート(51)の表面側と裏面側の 力差が比較的大きい状態では、圧縮室(23)の 気密性を確保して圧縮室(23)からのガス冷媒 漏洩を抑える一方、圧縮室(23)の内圧がそれ ど高くなくてゲート(51)の表面側と裏面側の 圧力差が比較的小さい状態では、螺旋溝(41) 壁面とゲート(51)のクリアランスを広げるこ で両者の間における摺動抵抗を低減してい 。

 従って、本実施形態によれば、圧縮室(23) から漏れ出す冷媒の量を削減してシングルス クリュー圧縮機(1)から吐出される冷媒の流量 を充分に確保することができると同時に、ス クリューロータ(40)とゲートロータ(50)の摺動 よって消費される動力を削減してシングル クリュー圧縮機(1)の消費電力を低減するこ ができる。

 また、本実施形態では、ゲート(51)が螺旋 溝(41)を相対移動するのにつれて圧縮室(23)に められる気密性が高くなる点を考慮し、螺 溝(41)の吸入側部分(45)の壁面(42,43,44)とゲー (51)とのクリアランスを徐々に変化させてい る。従って、本実施形態によれば、圧縮室(23 )からの流体の漏れ量の低減と、スクリュー ータ(40)とゲートロータ(50)の摺動抵抗の低減 とを、高いレベルで両立させることができる 。

  -実施形態の変形例1-
 上記実施形態のスクリューロータ(40)では、 螺旋溝(41)の吸入側部分(45)の側壁面(42,43)とゲ ート(51)の側面との間に隙間を形成すると共 、その吸入側部分(45)の底壁面(44)とゲート(51 )の先端面との間にも隙間を形成している。 れに対し、螺旋溝(41)の吸入側部分(45)の側壁 面(42,43)とゲート(51)の側面との間に隙間を形 する一方、その吸入側部分(45)の底壁面(44) ゲート(51)の先端面とのクリアランスを実質 にゼロに設定してもよい。この場合も、螺 溝(41)の側壁面(42,43)とゲート(51)の側面との 動抵抗により消費される動力は減少するた 、従来に比べればスクリュー圧縮機(1)の消 電力を削減できる。

  -実施形態の変形例2-
 図10に示すように、上記実施形態のスクリ ー圧縮機(1)では、スクリューロータ(40)の螺 溝(41)の第1側壁面(42)(即ち、螺旋溝(41)の側 面のうちゲート(51)の進行方向の前方に位置 るもの)とゲート(51)の側面との間にだけ隙 が形成されていてもよい。

 図10に示すスクリューロータ(40)では、第1 側壁面(42)のうち吸入側部分(45)に位置する部 とゲート(51)の側面との間に隙間が形成され る一方、第1側壁面(42)のうち吐出側部分(46)に 位置する部分とゲート(51)の側面とのクリア ンスが実質的に0(ゼロ)となっている。また このスクリューロータ(40)では、螺旋溝(41)の 始端から終端に亘って、第2側壁面(43)とゲー (51)の側面とのクリアランスが実質的に0(ゼ )となり、更には底壁面(44)とゲート(51)の先 面とクリアランスが実質的に0(ゼロ)となっ いる。

 図11に示すように、本変形例のスクリュ ロータ(40)では、螺旋溝(41)の第1側壁面(42)の ち吸入側部分(45)に位置する部分が掘り下げ られており、その結果、螺旋溝(41)の吸入側 分(45)の溝幅がゲート(51)の幅よりも広くなっ ている。同図には、螺旋溝(41)の溝幅がゲー (51)の幅と一致している場合の仮想の側壁面( 42')が二点鎖線で示されている。5軸マシニン センタ(100)における切削工具(110)の工具経路 を設定する際には、先ず仮想の側壁面(42')の 標を算出し、算出した仮想の側壁面(42')の 標をδWだけ移動させることによって、第1側 面(42)のうち吸入側部分(45)に位置する部分 座標を設定する。

 図12に示すように、本変形例のスクリュー 縮機(1)において、螺旋溝(41)の第1側壁面(42) ゲート(51)の側面とのクリアランスCは、吸入 側部分(45)の終端(即ち、吸入側部分(45)と吐出 側部分(46)の境界)において実質的に0(ゼロ)と る一方、吸入側部分(45)の終端から始端へ向 かって次第に大きくなる。つまり、第1側壁 (42)のうち吸入側部分(45)に位置する部分とゲ ート(51)の側面とのクリアランスは、吸入側 分(45)の終端に近付くにつれて次第に狭くな ている。従って、図10において、螺旋溝(41c) の第1側壁面(42)とゲート(51c)の側面とのクリ ランスC 1 は、螺旋溝(41d)の第1側壁面(42)とゲート(51d)の 側面とのクリアランスC 2 よりも小さくなる。

 また、図12に示すように、第1側壁面(42)の うち吐出側部分(46)に位置する部分とゲート(5 1)の側面とのクリアランスは、吐出側部分(46) の始端(即ち、吸入側部分(45)と吐出側部分(46) の境界)からその終端に亘って、実質的に0(ゼ ロ)となっている。

 なお、本変形例のスクリューロータ(40)に おいて、螺旋溝(41)の第1側壁面(42)とゲート(51 )の側面とのクリアランスCは、図12に実線で すように吸入側部分(45)の終端から始端へ向 って直線的に増加していてもよいし、図12 破線で示すように吸入側部分(45)の終端から 端へ向かって二次曲線的に増加していても い。

  -実施形態の変形例3-
 上記実施形態のスクリュー圧縮機(1)におい 、スクリューロータ(40)は、螺旋溝(41)の全 に亘って底壁面(44)とゲート(51)の先端面との 間に隙間ができるような形状に形成されてい てもよい。その際、底壁面(44)のうち吐出側 分(46)に位置する部分とゲート(51)の先端面と のクリアランスは、スクリュー圧縮機(1)の運 転中に底壁面(44)とゲート(51)が接するような に設定されるのが望ましい。

 ここで、スクリュー圧縮機(1)の運転中に 、スクリュー圧縮機(1)の内部を圧縮前の低 の冷媒や圧縮後の高温の冷媒が流れる。こ ため、シングルスクリュー圧縮機(1)では、 の各部分の温度が互いに相違することとな 、その各部分における熱変形量が互いに相 した状態になる。従って、スクリュー圧縮 (1)が停止していてその各部分の温度が概ね しくなっている常温状態と、スクリュー圧 機(1)が稼働していてその各部分の温度が互 に相違する稼働温度状態とでは、スクリュ ロータ(40)及びゲートロータ(50)自体の形状 、スクリューロータ(40)とゲートロータ(50)の 相対的な位置が互いに相違する。そして、場 合によっては、ゲート(51)の先端面がスクリ ーロータ(40)の螺旋溝(41)の底壁面(44)に強く し付けられた状態となることがあり、その 態では両者間の摩擦抵抗が大きくなってし う。

 それに対し、本変形例では、図13に示すよ に、常温状態では螺旋溝(41)の全長に亘って ート(51)の先端面がスクリューロータ(40)と 触せず(同図(A)を参照)、稼働温度状態では螺 旋溝(41)の全長に亘ってゲート(51)の先端面が クリューロータ(40)と接触するように(同図(B )を参照)、ゲートロータ(50)の回転中心軸Oか 吐出側部分(46)の底壁面(44)までの距離D 1 が、ゲートロータ(50)の回転中心軸OSからゲー ト(51)の先端面までの距離D 2 よりも長くなっている。なお、図13に図示さ ているのは、上記変形例3のスクリュー圧縮 機(1)に本変形例を適用したものである。

 従って、本変形例によれば、スクリュー 縮機(1)の運転中に“スクリューロータ(40)及 びゲートロータ(50)自体の形状”や“スクリ ーロータ(40)とゲートロータ(50)の相対的な位 置”が常温状態から変化し、その結果、スク リューロータ(40)の螺旋溝(41)の底壁面(44)とゲ ート(51)の先端面との間隔が縮まってしまっ 場合でも、スクリューロータ(40)とゲートロ タ(50)の間の摩擦抵抗を低く抑えることがで きる。

 ところで、スクリュー圧縮機には、スク ューロータとゲートロータを一つずつ備え ものもある。この種のスクリュー圧縮機で 、稼働温度状態において螺旋溝の底壁面に ートの先端面が当たっても、スクリューロ タがその回転中心軸と直交する方向へ僅か 移動できるため、スクリューロータとゲー ロータの間の摩擦抵抗はそれほど大きくな ない。

 ところが、上記実施形態のスクリュー圧 機(1)では、二つのゲートロータ(50)がスクリ ューロータ(40)の回転中心軸に対して軸対称 配置されている。つまり、このスクリュー 縮機(1)では、スクリューロータ(40)の回転中 軸と直交する方向の両側にゲートロータ(50) が配置されている。このため、稼働温度状態 において螺旋溝(41)の底壁面(44)にゲート(51)が 強く押し付けられる状態になると、スクリュ ーロータ(40)は、その回転中心軸と直交する 向の両側からゲート(51)よって拘束されてし い、スクリューロータ(40)とゲートロータ(50 )の間の摩擦抵抗が過大となる可能性が高い

 それに対し、本変形例のスクリュー圧縮機( 1)では、常温状態において、ゲートロータ(50) の回転中心軸Oから該吐出側部分(46)の底壁面( 44)までの距離D 1 が、該ゲートロータ(50)の回転中心軸Oから上 ゲート(51)の先端面までの距離D 2 よりも長くなっている。このため、稼働温度 状態において螺旋溝(41)の底壁面(44)とゲート( 51)との間隔が狭まった場合でも、スクリュー ロータ(40)とゲートロータ(50)の間の摩擦抵抗 低く抑えることができる。

  -実施形態の変形例4-
 上記実施形態のスクリュー圧縮機(1)では、 ータ支持部材(55)の軸部(58)がゲートロータ(5 0)の裏面側だけに配置され、この軸部(58)を支 持する玉軸受(92,93)もゲートロータ(50)の裏面 だけに配置されている。それに対し、ゲー ロータ(50)を貫通するようにロータ支持部材 (55)の軸部(58)を配置し、軸部(58)を支持する玉 軸受(あるいはころ軸受)をゲートロータ(50)の 表面側と裏面側に一つずつ配置してもよい。

 なお、以上の実施形態は、本質的に好ま い例示であって、本発明、その適用物、あ いはその用途の範囲を制限することを意図 るものではない。

 以上説明したように、本発明は、シング スクリュー圧縮機について有用である。