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Patent Searching and Data


Title:
SKIN-COVERING SHEET FOR IMPREGNATION WITH COSMETIC PREPARATION AND FACE MASK
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/148048
Kind Code:
A1
Abstract:
A skin-covering sheet for impregnation with a cosmetic preparation is provided which comprises a nonwoven fabric obtained by mixing composite fibers which can be split and have a section comprising at least two components, i.e., a polyethylene component and another polymer component, with hydrophilic fibers and hydro-entangling the resultant mixture, wherein the composite fibers have been partly split to include ultrafine polyethylene fibers having a fineness of 0.6 dtex or less.  Also provided is a face mask which comprises: the skin-covering sheet for impregnation with a cosmetic preparation; and a liquid comprising a cosmetic preparation, the liquid having been infiltrated into the mask in an amount of 500-2,000 mass% of the sheet.  The skin-covering sheet for impregnation with a cosmetic preparation and the face mask have satisfactory suitability for impregnation of the sheet layer with a cosmetic liquid, are less irritative to the skin, and have a soft texture.

Inventors:
KAWANAKA AKIHIKO
Application Number:
PCT/JP2009/060053
Publication Date:
December 10, 2009
Filing Date:
June 02, 2009
Export Citation:
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Assignee:
DAIWABO HOLDINGS CO LTD (JP)
DAIWABO POLYTEC CO LTD (JP)
KAWANAKA AKIHIKO
International Classes:
A45D44/22; A61K8/02; D04H1/42; D04H1/4382; D04H1/46
Domestic Patent References:
WO2006016601A12006-02-16
Foreign References:
JP2006057211A2006-03-02
JP2006110796A2006-04-27
JP3944526B22007-07-11
JP2006316002A2006-11-24
Other References:
See also references of EP 2301380A4
Attorney, Agent or Firm:
IKEUCHI SATO & PARTNER PATENT ATTORNEYS (JP)
Patent business corporation Ikeuchi and Sato and partners (JP)
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Claims:
 繊維断面から見てポリエチレン成分とその他のポリマー成分の少なくとも2成分を含む分割可能な複合繊維と、親水性繊維が混綿され水流交絡された不織布からなる化粧料含浸用皮膚被覆シートであって、
 前記複合繊維は部分的に分割され、繊度0.6dtex以下のポリエチレン極細繊維を含むことを特徴とする化粧料含浸用皮膚被覆シート。
 前記複合繊維及びこれが分割された繊維を100質量%としたとき、前記繊度0.6dtex以下のポリエチレン極細繊維が、10~90質量%の範囲である請求項1に記載の化粧料含浸用皮膚被覆シート。
 前記ポリエチレン極細繊維の繊度は、0.5dtex以下である請求項1又は2に記載の化粧料含浸用皮膚被覆シート。
 前記ポリエチレン極細繊維は、その他の繊維成分と一対で貼り合わされた繊維を含む請求項1~3のいずれかに記載の化粧料含浸用皮膚被覆シート。
 前記その他の成分が、ポリエステルである請求項1~4のいずれかに記載の化粧料含浸用皮膚被覆シート。
 前記親水性繊維は、繊度0.5~2dtexのセルロース繊維であり、前記ポリエチレン極細繊維との繊度比(親水性繊維/ポリエチレン極細繊維)が2.5~8である請求項1~5のいずれかに記載の化粧料含浸用皮膚被覆シート。
 前記分割可能な複合繊維と親水性繊維との混綿割合は、前記分割可能な複合繊維が30~90質量%、前記親水性繊維10~70質量%の範囲である請求項1~6のいずれかに記載の化粧料含浸用皮膚被覆シート。
 前記不織布は、ドライ状態におけるシートの長さ方向の10%伸長時応力が2~20N/5cm、同幅方向が0.1~1N/5cm、かつウェット状態におけるシートの長さ方向の10%伸長時応力が1~15N/5cm、同幅方向が0.08~0.9N/5cmの範囲である請求項1~7のいずれかに記載の化粧料含浸用皮膚被覆シート。
 前記不織布は、ASTM F 316(バブルポイント法)によって測定される最小孔径(smallest detected pore diameter)が15μm以上であり、平均孔径(mean flow pore diameter)が30~60μmの範囲である請求項1~8のいずれかに記載の化粧料含浸用皮膚被覆シート。
 請求項1~9のいずれかに記載の化粧料含浸用皮膚被覆シートに対して、化粧料を含む液体が500~2000質量%含浸されているフェイスマスク。
Description:
化粧料含浸用皮膚被覆シート及 フェイスマスク

 本発明は、特定の不織布からなる化粧料 浸用皮膚被覆シート及びフェイスマスクに する。

 従来から、化粧料を含浸したフェイスマ ク等の顔面被覆化粧料シートは知られてい 。例えば特許文献1には、内層に親水性繊維 層を配置し、少なくとも一方の表面に分割型 複合繊維層を配置し、両者を一体化して極細 繊維層を皮膚との接触面とする積層不織布か らなるフェイスマスクが提案されている。

 また、特許文献2には、エチレン-ビニル ルコール共重合体ポリマーを鞘成分とした 鞘型複合繊維を構成繊維として含む不織布 、水溶性高分子を配合した化粧料組成物を 浸させることが提案されている。

特許第3944526号公報

特開2006-316002号公報

 しかし、特許文献1の発明は、疎水性の分 割型複合繊維が割繊され形成された極細繊維 層が表層に配置されているため、化粧液が不 織布の中に入りにくいという問題があった。 また、特許文献2は、段落[0018]に明記されて るように、分割型繊維はエチレン-ビニルア コール共重合体ポリマーが繊維表面の一部 しか存在しないため、親水性・非吸水性・ 伝導性に基づく生体適合性を発現できない め、好ましくないとされている。

 本発明は、前記従来の問題を改善するた 、シート層内への化粧液の含浸性が良好で 肌への刺激が少なく、風合いの軟らかい化 料含浸用皮膚被覆シート及びフェイスマス を提供する。

 本発明の化粧料含浸用皮膚被覆シートは 繊維断面から見てポリエチレン成分とその のポリマー成分の少なくとも2成分を含む分 割可能な複合繊維と、親水性繊維が混綿され 水流交絡された不織布からなる化粧料含浸用 皮膚被覆シートであって、前記複合繊維は部 分的に分割され、繊度0.6dtex以下のポリエチ ン極細繊維を含むことを特徴とする。

 本発明のフェイスマスクは、前記の化粧 含浸用皮膚被覆シートに対して、化粧料を む液体が500~2000質量%含浸されている。

 本発明の化粧料含浸用皮膚被覆シート及 フェイスマスクは、分割可能な複合繊維と 親水性繊維が混綿されているので、シート 内への化粧液の含浸性が良好である。また 水流交絡されて、複合繊維は部分的に分割 れ、繊度0.6dtex以下のポリエチレン極細繊維 を含むことにより、取り扱い性がよく、肌へ の密着感も良好であり、肌への刺激が少ない 。

図1は本発明の実施例2で得られた不織 の電子顕微鏡写真(倍率300倍)。 図2は本発明の実施例3で得られた不織 の電子顕微鏡写真(倍率300倍)。 図3は比較例1で得られた不織布の電子 微鏡写真(倍率300倍)。 図4は本発明の実施例6で得られた不織 の電子顕微鏡写真(倍率80倍)。 図5は本発明の実施例7で得られた不織 の電子顕微鏡写真(倍率120倍)。

 本発明は、繊維断面から見てポリエチレ 成分とその他のポリマー成分の少なくとも2 成分を含む分割可能な複合繊維と、親水性繊 維を混綿している。混綿は、開繊機(カード) 開繊と混綿を同時に行うのが均一に混綿で ることから一般的である。別の方法として 湿式抄造法、エアーブレンダー法、エアレ 法等の他の方法により混綿することもでき 。開繊機(カード)を通過させるとウェブ(繊 集合体)が形成される。このウェブに対して 加圧水を噴射し、水流交絡させて構成繊維を 一体化し、不織布とする。水流交絡により前 記複合繊維は部分的に分割され、繊度0.6dtex 下のポリエチレン極細繊維が形成される。 のようにして得られた単層の不織布を化粧 含浸用皮膚被覆シートとして用いる。本発 の被覆シートが肌への密着感も良好であり 肌への刺激が少ない理由は定かではないが 分割可能な複合繊維が部分的に分割されて 現する繊度0.6dtex以下のポリエチレン極細繊 は、他の樹脂で構成される繊維に比べて繊 同士が交絡しにくい性質があり、それによ て繊維間の適度な空隙を確保しやすく、不 布を伸ばしたときにポリエチレン極細繊維 滑りやすく、不織布が弱い力でも伸びるこ ができるためと推定される。

 前記ポリエチレンとしては、例えば、チ グラー・ナッタ触媒やメタロセン触媒等に り重合された高密度ポリエチレン、中密度 リエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状 密度ポリエチレンなどの重合体、及びその 重合体が挙げられる。

 前記ポリエチレン極細繊維の繊度は、0.5d tex以下であることが好ましく、0.3dtex以下で ることがより好ましい。また、ポリエチレ 極細繊維の繊度の下限は、0.1dtex以上である とが好ましく、0.2dtex以上であることがより 好ましい。ポリエチレン極細繊維の繊度は、 不織布の柔軟性、密着性、および初期伸長性 (不織布を伸ばし始めて10%伸長させるまでの 力)に影響を与える因子であり、上記範囲と ることにより、柔軟であり、初期伸長時に びやすいシートが得られる。

 前記分割可能な複合繊維は、繊維断面に いて構成成分のうち少なくとも1成分が2個 上に区分されてなり、構成成分の少なくと 一部が繊維表面に露出し、その露出部分が 維の長さ方向に連続的に形成されている繊 断面構造を有するものが好ましい。分割可 な複合繊維の断面形状は、例えば、円形ま は異形の中実、中空の断面を有している。 維断面における分割形状としては、例えば 放射状、層状などが挙げられる。

 前記分割可能な複合繊維の繊度は、繊度0 .6dtex以下のポリエチレン極細繊維を発現させ るものであれば、特に限定されないが、1~9dte xであることが好ましい。より好ましくは、1. 5~4.5dtexである。また、分割可能な複合繊維に おける各々の成分への分割数は、例えば、4~3 2分割であることが好ましい。より好ましい 割数は、4~20分割である。特に、分割数が6~10 分割であると、放射状の分割可能な複合繊維 の分割後の繊維断面形状が略三角断面形状を 有するので、不織布に適度な空隙を確保する ことができ、ひいては初期伸長時に伸びやす くなる傾向にある。一方、層状の分割可能な 複合繊維、あるいは放射状でも分割数が比較 的多い複合繊維であると、ポリエチレン極細 繊維の繊維断面が扁平状に近くなるので、不 織布の空隙が確保しにくい傾向にある。また 、複合繊維の分割度合いが大きくなると、交 絡度合いも大きくなるため、不織布の空隙が 確保しにくい傾向にある。

 前記分割可能な複合繊維を構成する成分 容積比は、ポリエチレン:他の樹脂が2:8~8:2 あることが好ましい。上記範囲内にあると 複合繊維の生産性、複合繊維の分割性が高 なる傾向にある。より好ましいポリエチレ :他の樹脂の容積比は、4:6~6:4である。

 本発明において、複合繊維及びこれが分 された繊維を100質量%としたとき、繊度0.6dte x以下のポリエチレン極細繊維は、10~90質量% 範囲であることが好ましい。より好ましい リエチレン極細繊維の範囲は、10~40質量%で り、さらにより好ましくは、10~30質量%であ 。前記の範囲であれば、肌への刺激が少な 。ポリエチレン極細繊維が10質量%未満では への密着性が不足し、90質量%を越えると交 が強くなり、シートの伸びが低下する傾向 なる。

 ここでいう繊度0.6dtex以下のポリエチレン 極細繊維とは、ポリエチレン樹脂成分を少な くとも一部に含む繊維であり、かつ繊度0.6dte x以下を満たすものをいい、例えば、分割可 な複合繊維から各々の成分に完全に分割し 単成分のポリエチレン極細繊維、分割可能 複合繊維から各々の成分には分割されず一 が分割されてポリエチレン成分と他の繊維 分とが1又は2以上に貼り合わされたポリエチ レン極細複合繊維を含む。繊度0.5dtex以下の リエチレン極細繊維は、分割可能な複合繊 の分割度合いを調整することにより得るこ ができる。例えば、0.05~0.3mmの孔径を有する リフィスから加圧水を2~10MPa、より好ましく は3~8MPaで噴射して水流交絡させる際に、加圧 水により複合繊維は分割され、ポリエチレン 極細繊維を効率よく形成できる。

 前記ポリエチレン極細繊維は、その他の 維成分と一対で貼り合わされている繊維(以 下、ポリエチレン極細複合繊維ともいう)を むことが好ましい。この場合、ポリエチレ 極細繊維は、ポリエチレン極細単一繊維と リエチレン極細複合繊維を含むこととなる ポリエチレン極細単一繊維の好ましい繊度 、0.4dtex以下であり、より好ましくは0.3dtex以 下である。ポリエチレン極細単一繊維の好ま しい繊度の下限は、0.06dtex以上であり、より ましくは0.1dtex以上であり、さらにより好ま しくは0.15dtex以上である。また、ポリエチレ 極細複合繊維の好ましい繊度は、0.6dtex以下 である。ポリエチレン極細複合繊維の好まし い繊度の下限は、0.12dtex以上であり、より好 しくは0.2dtex以上である。

 ポリエチレン極細複合繊維は、前記ポリ チレン極細繊維のうち、10~30質量%含まれて ることが好ましい。ポリエチレン極細複合 維が含まれていると、不織布に適度の厚み 強度が保持されるからである。

 前記分割可能な複合繊維の分割率は、20~8 0%であることが好ましい。より好ましくは、3 0~60%である。分割率が20%未満であると、例え 、風合いが硬くなる傾向にある。分割率が8 0%を超えると、例えば、繊度0.6dtex以下の極細 繊維の含有量が多くなり、不織布自体が緻密 になるため、初期伸長性が大きくなり皮膚被 覆シートとして取り扱いにくくなる傾向にあ る。

 前記その他の成分は、前記ポリエチレン 外の樹脂が用いられ、ポリエステル、ポリ レフィン、ポリアミド、ポリ乳酸、及びエ レン-ビニルアルコール共重合体から選ばれ る少なくとも一つであることが好ましい。さ らに好ましくはポリエステルである。ポリエ チレンとポリエステルは加圧水により容易に 剥離し分割される。ポリエステルとしては、 例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ ブチレンテレフタレート、ポリトリメチレン テレフタレートなどの芳香族ポリエステル、 ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネートなどの 脂肪族ポリエステル、芳香族-脂肪族ポリエ テルなどの共重合ポリエステル等が挙げら る。ポリエステルは、嵩高性が大きく、風 いがソフトであり、疎水性を示すので、不 布に適度な空隙を確保しつつ適度な濡れ性 与えることができるからである。

 前記ポリエステルにおいて、酸化チタン 酸化亜鉛等の無機物を樹脂に対して0.5~10質 %含有させると、不織布がより柔軟となり、 且つ初期伸長時に伸びやすくなる点で好まし い。より好ましい無機物の含有量は、1~8質量 %であり、さらにより好ましくは4~7質量%であ 。

 前記ポリエステルとして、ポリトリメチ ンテレフタレートを用いると、不織布がよ 柔軟となり、且つ初期伸長時に伸びやすく る点で好ましい。また、ポリトリメチレン レフタレートは、復元力が高いので、肌に てたときのフィット性が高い。

 分割可能な複合繊維と親水性繊維との混 割合は、前記分割可能な複合繊維が30~90質 %、前記親水性繊維10~70質量%の範囲が好まし 、より好ましくは複合繊維が40~75質量%、前 親水性繊維25~60質量%の範囲であり、さらに り好ましくは複合繊維が50~70質量%、前記親 性繊維30~50質量%の範囲である。前記の範囲 あれば肌への刺激が少なく、かつ残余の親 性繊維が均一に混綿されているので、シー 層内への化粧液の含浸性が良好である。

 本発明において、前記分割可能な複合繊 と親水性繊維は、混綿状態となっていれば く、本発明の効果を損なわない範囲におい 、二層以上のウェブを積層していてもよい この場合、各層は混綿割合が異なっていて 、得られる不織布全体の混綿割合が上記範 を満足していればよい。このように、ウェ が積層されても水流交絡処理により不織布 体が混綿状態の単層構造を有するものは、 発明に含まれる。

 親水性繊維は、水分を含む液体、化粧料 対して濡れ性(親水性)がある素材であれば 特に限定されないが、例えば、コットン、 ーヨン(溶剤紡糸セルロースを含む)、パルプ (紙)、アクリル、及び親水化処理されたポリ ステルから選ばれる少なくとも一つである とが好ましい。なかでも、コットン、レー ン(溶剤紡糸セルロースを含む)、パルプ(紙) は、セルロース繊維で構成され、自己で吸水 保持するので吸水性が高く、肌にやさしいこ とから好ましい。また、本発明は、親水性繊 維が混綿された単層の不織布なので、親水性 繊維が表面に露出しており、液体(化粧料)の れ性が常に一定であるのに対し、疎水性極 繊維を表面層、親水性繊維を中間層に配置 た積層不織布では、表面に液体(化粧料)の 膜が形成されるので肌触りは良好であるが 経時的に蒸発する可能性がある。特に、ビ コースレーヨン、銅アンモニアレーヨン(キ プラ)、溶剤紡糸セルロース(例えば、レン ィング「リヨセル」、「テンセル」など)は 繊度が均一であり、吸水膨潤性が高いので 濡れ性の均一であり、柔軟性が高い点で好 しい。

 前記親水性繊維は、繊度0.1~4.4dtexのセル ース繊維であることが好ましい。より好ま い繊度は、0.3~3dtexであり、さらにより好ま くは0.5~2dtexである。セルロース繊維の繊度 上記範囲であると、水流交絡性に良好な素 であるため、分割可能な複合繊維やポリエ レン極細繊維とも適度に絡み合うので、空 を確保しつつ、初期伸長時に伸ばしやすく 不織布表面の繊維脱落(毛羽抜け)を抑えるこ とができ、好ましい。また、風合いが柔らか く、保水性も高いので好ましい。

 前記親水性繊維と前記ポリエチレン極細 維との繊度比(親水性繊維/ポリエチレン極 繊維)は、0.3~40であることが好ましい。より ましい範囲は、1~15であり、さらにより好ま しくは、2.5~8である。繊度比が上記範囲内に ると、不織布に適度な空隙を確保すること でき、初期伸長時に伸ばしやすい。また、 割可能な複合繊維とセルロース繊維を上記 囲で混綿すると、セルロース繊維が自己で 水膨潤するので不織布の緻密性が増大し、 織布表面の肌触りを良好にする。

 前記不織布の目付は、30~150g/m 2 であることが好ましい。より好ましい目付の 範囲は、40~120g/m 2 であり、さらにより好ましくは、45~110g/m 2 である。不織布の目付は、液体の含浸量、肌 への密着感等により適宜調整される。

 本発明の被覆シートは、ドライ状態にお るシートの長さ方向の10%伸長時応力が2~20N/5 cm、同幅方向が0.1~1N/5cm、かつウェット状態に おけるシートの長さ方向の10%伸長時応力が1~1 5N/5cm、同幅方向が0.08~0.9N/5cmの範囲であるこ が好ましい。より好ましい被覆シートのド イ状態におけるシートの長さ方向の10%伸長 応力が2.5~17N/5cm、同幅方向が0.15~0.85N/5cmであ 、さらにより好ましくは、長さ方向の10%伸 時応力が2.5~15N/5cm、同幅方向が0.15~0.7N/5cmで る。一方、より好ましい被覆シートのウェ ト状態におけるシートの長さ方向の10%伸長 応力が2~13N/5cm、同幅方向が0.1~0.8N/5cmの範囲 あり、さらにより好ましくは、長さ方向の1 0%伸長時応力が2.5~10N/5cm、同幅方向が0.15~0.7N/5 cmである。不織布の10%伸長時応力は、不織布 ハンドリング性、例えば、製品パックから 取り出す操作、皮膚へフィットさせる操作 ど人が手で不織布を取り扱うときの操作性 示す指標として用いられる。前記の範囲で れば、製品パックから取り出す際に多少伸 るが破れることは無く、取り扱い性に優れ 。また、化粧料含浸用皮膚被覆シートをフ イスマスクに適用した場合には、皮膚へ貼 付ける際に適度な力で両方向に引き伸ばさ るので、貼付性が良好であり、また皮膚へ フィット感(密着性)に優れたものとなる。

 前記不織布は、ASTM F 316(バブルポイント 法)によって測定される平均孔径(mean flow pore  diameter)が30~60μmであることが好ましい。よ 好ましくは、40~55μmである。不織布の平均孔 径は、分割可能な複合繊維の分割度合い、分 割可能な複合繊維と親水性繊維の混綿度合い 、及び繊維同士の交絡度合い等によって決定 される空隙径を示す指標である。平均孔径が 上記範囲を満足することにより、適度な繊維 同士の交絡を実現でき、風合いの柔らかさ、 シートの伸長性,特に初期伸長性、化粧料の 浸性・保液性を良好なものとすることがで る。

 前記不織布は、ASTM F 316(バブルポイント 法)によって測定される最小孔径(smallest detect ed pore diameter)が15μm以上であることが好まし い。より好ましくは、20~35μmである。不織布 最小孔径は、平均孔径と同様に、分割可能 複合繊維の分割度合い、分割可能な複合繊 と親水性繊維の混綿度合い、及び繊維同士 交絡度合い等によって決定される空隙径を す指標である。最小孔径が上記範囲を満足 ることにより、液体(化粧料)がシート内部 入りやすく、且つシートから浸み出しやす なるので、シートへの液体(化粧料)含浸性が 良く製造工程における生産性が高く、また濡 れ性が常に一定となる傾向にある。なお、最 小孔径は、平均孔径の数値よりも小さい値を 採る。

 以下、実施例を用いて本発明をさらに具 的に説明する。なお、本発明は下記の実施 に限定されるものではない。

1.分割可能な複合繊維
 分割可能な複合繊維は、下記のものを用い 。
(1)複合繊維A:高密度ポリエチレン(PE)とポリエ チレンテレフタレート(PET)の放射状8分割型複 合繊維、繊度2.2dtex、繊維長51mm
(2)複合繊維B:ポリプロピレン(PP)と高密度ポリ エチレン(PE)の放射状16分割型複合繊維、繊度 2.2dtex、繊維長51mm
(3)複合繊維C:ポリプロピレン(PP)とポリエチレ ンテレフタレート(PET)の放射状16分割型複合 維、繊度3.3dtex、繊維長45mm
(4)複合繊維D:ポリプロピレン(PP)とエチレンビ ニルアルコール(EVOH)の放射状16分割型複合繊 、繊度3.3dtex、繊維長45mm
(5)複合繊維E:高密度ポリエチレン(PE)と、酸化 チタンを6質量%含有するポリエチレンテレフ レート(PET)の放射状8分割型複合繊維、繊度2 .2dtex、繊維長51mm
(6)複合繊維F:高密度ポリエチレン(PE)とポリト リメチレンテレフタレート(PTT)の放射状8分割 型複合繊維、繊度2.2dtex、繊維長51mm

2.親水性繊維
(1)親水性繊維A:ビスコースレーヨン(ダイワボ ウレーヨン社製商品名“コロナ”、繊度1.7dte x、繊維長40mm)を使用した。
(2)親水性繊維B:ビスコースレーヨン(ダイワボ ウレーヨン社製商品名“コロナ”、繊度3.3dte x、繊維長40mm)を使用した。
(3)親水性繊維C:コットン(丸三産業社製商品名 “MSDコットン”、平均繊度2.5dtex、平均繊維 35mm)を使用した。

3.各物性の測定方法
(1)強力、10%伸長時応力、伸度
 JIS-L1096に準じて測定した。
(2)風合い
 JIS-L1096のハンドオメーター法に準じて測定 た。
(3)液含浸性
 不織布表面に活性剤(ファミリーフレッシュ (花王(株)製)0.1%)入りの水滴を1滴落下させて い込む速さを測定した。
A:1秒未満
B:1秒以上3秒未満
C:3秒以上
(4)フィット性
 不織布に水を含浸して手で絞った状態で顔 当てて官能評価した。
A:皮膚が動いてもぴったりと貼り付き、フィ ト感が極めて良好
B:Aほどではないが実用上は問題ない
C:皮膚を動かすと部分的に離れフィット感は まりよくない
D:皮膚を動かすと大きく離れる
(5)肌刺激性
 前記フィット性試験の際に同時に肌刺激性 官能評価した。
A:皮膚への刺激性はまったく無い
B:僅かな刺激がある
C:明らかな刺激がある
(6)分割率
 不織布を空間がないように束ねて切断した 面を、電子顕微鏡倍率300倍で撮影し、視野 にある複合繊維及び複合繊維が分割した繊 の数を数え次式により算出した。
分割率(%)=[0.5dtex以下の繊維の本数/複合繊維 び複合繊維が分割した繊維の本数]×100
(7)細孔径分布
 ASTM F 316-86(バブルポイント法)に準じ、ポ ラス・マテリアルズ社製「パーム・ポロメ ター」を用いて、最小孔径(smallest detected po re diameter)、最大孔径(bubble point pore diameter) および平均孔径(mean flow pore diameter)を測定 した。

 (実施例1~5)
 表1に示す分割可能型複合繊維と親水性繊維 をカード機により開繊すると同時に混綿し、 パラレルカードウェブを作製した。次に、孔 径0.1mmのオリフィスが0.6mm間隔で設けられた ズルから、カードウェブの表側から水圧2MPa び3MPa(表側計2回処理)と、裏側から3MPaの柱 水流を噴射し、構成繊維の交絡と、複合繊 を部分的に分割した。得られた不織布の目 は70g/m 2 であった。条件と結果を表1にまとめた。ま 、実施例2の不織布を束ねた状態での断面写 を図1に示し,実施例3の不織布を束ねた状態 の断面写真を図2に示す。実施例1~5の不織布 は、繊度0.6dtex以下で楔形形状の単一成分の リエチレン極細繊維、及びポリエチレン成 と他の繊維成分とが貼り合わされたポリエ レン極細複合繊維を含んでいた。なお、ポ エチレン極細繊維の含有量は、分割可能な 合繊維の含有率と分割率から算出すること できる。

 (実施例6~7)
 表1に示す分割可能型複合繊維と親水性繊維 をカード機により開繊すると同時に混綿し、 セミランダムカードウェブを作製した。次に 、孔径0.1mmのオリフィスが0.6mm間隔で設けら たノズルから、カードウェブの表側から水 4MPa及び6MPa(表側計2回処理)と、裏側から4MPa 柱状水流を噴射し、構成繊維の交絡と、複 繊維を部分的に分割した。条件と結果を表1 まとめた。実施例6~7の不織布は、繊度0.6dtex 以下で楔形形状の単成分のポリエチレン極細 繊維、及びポリエチレン成分と他の繊維成分 とが貼り合わされたポリエチレン極細複合繊 維を含んでいた。実施例6の不織布の断面写 を図4に示し、実施例7の不織布の表面写真を 図5に示す。

 (実施例8)
 表1に示す分割可能型複合繊維と親水性繊維 をカード機により開繊すると同時に混綿し、 セミランダムカードウェブを作製した。次に 、孔径0.1mmのオリフィスが0.6mm間隔で設けら たノズルから、カードウェブの表側から水 4MPa及び8MPa(表側計2回処理)と、裏側から8MPa 柱状水流を噴射し、構成繊維の交絡と、複 繊維を部分的に分割した。条件と結果を表1 まとめた。実施例8の不織布は、繊度0.6dtex 下で楔形形状の単一成分のポリエチレン極 繊維、及びポリエチレン成分と他の繊維成 とが貼り合わされたポリエチレン極細複合 維を含んでいた。

 (実施例9~12)
 表2に示す分割可能型複合繊維と親水性繊維 を混綿した以外は、実施例1と同様の方法で 不織布を得た。実施例9~12の不織布は、繊度0 .6dtex以下で楔形形状の単一成分のポリエチレ ン極細繊維、及びポリエチレン成分と他の繊 維成分とが貼り合わされたポリエチレン極細 複合繊維を含んでいた。

 本実施例1~12の不織布に対して、市販の化 粧乳液を不織布質量に対して700質量%含浸さ たところ、シート層内への化粧液の含浸性 良好であり、化粧料含浸用皮膚被覆シート して好適であることか確認できた。また、 られた被覆シートをフェイスマスクに打ち いたところ、取り扱い性がよく、肌への密 感も良好であり、肌への刺激が少ないこと 確認できた。

 (比較例1~4)
 比較例1はDF-1(PPとPETの16分割楔形分割繊維) 使用したこと、比較例2は積層品としたこと 比較例3~4は複合繊維の繊維成分にポリエチ ンを含まないこと、が各々実施例1~5と異な 。条件と結果を表2にまとめた。比較例1の 織布を束ねた状態での断面写真を図3に示す

 実施例1~12の不織布は、ポリエチレン極細 繊維を含み、適度な分割性及び交絡性を有し ているので、10%伸長時応力が低く、肌への貼 り付き感があり、フィット性及び肌刺激性が 良好であった。実施例1、2、6、7、9、10の不 布は、他の実施例に比べて10%伸長時応力が く、貼付性、フィット性、及び肌刺激性が に良好であった。また、実施例9、10の不織 は、柔軟性が高く、肌への刺激が小さく、 好であった。実施例6、11、12を比較すると、 実施例6は2dtex以下のレーヨン繊維を用いるこ とにより、実施例11、12に比べてより柔軟で った。

 一方、比較例1の不織布は、本発明の実施 例に比べ、水流交絡処理による分割性および 交絡性が低いため、不織布の強力および10%伸 長時応力が低く、実用に耐え得るものではな かった。比較例3の不織布は、比較例1に用い 分割可能な複合繊維に加えてレーヨン繊維 混綿したことにより、交絡性が高くなって 織布強力および10%伸長時応力が高くなり過 て、フィット性、肌刺激性に劣っていた。 較例4の不織布は、分割可能な複合繊維の分 割性が高く、繊維同士の交絡が進んだため、 10%伸長時応力が高くなり過ぎて、フィット性 に劣っていた。

 実施例1~8の不織布は、細孔径分布にもあ ように適度な空隙径を有しているので、液 浸性、フィット性、および肌刺激性が良好 あった。実施例1、2、6、7、8の不織布は、 均孔径及び最小孔径が所定の範囲の値を満 していたので、特に良好であった。

 本発明の化粧料含浸用皮膚被覆シートは 顔全体、目元・口元などの顔を部分的に被 するフェイスマスク、手,首,肘,足,腹など身 体の一部を被覆する貼付剤として用いること ができる。