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Patent Searching and Data


Title:
SLIDE FASTENER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/087851
Kind Code:
A1
Abstract:
A slide fastener in which fragments of coupling elements of the fastener are less likely to separate from the fastener when the fastener is forcibly split when an airbag is inflated and which has good appearance. The slide fastener (110) has coupling elements (12, 113) sewn to fastener tapes (16, 17), and the coupling elements (12, 113) each have first and second legs (72, 73) bifurcated and extending from a coupling head (70). A V-shaped cutout is formed in one part in an area extending from a sewing line (84) in a first sewing section (74) of the first leg (72) through the mating head (70) to a sewing line (85) in a second sewing section (75). This forms a weakened section (80) having intentionally reduced breaking strength. When excessive lateral force is applied to the slide fastener (110) to break the coupling elements (12) at the weakened sections (80), fragments of the coupling elements (12) are kept retained on the fastener tapes (16, 17).

Inventors:
DONO KENJI (JP)
AKASHI SHUNJI (JP)
ISHISAKA HIROSHI (JP)
HIMI NAOYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/072505
Publication Date:
July 16, 2009
Filing Date:
December 11, 2008
Export Citation:
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Assignee:
YKK CORP (JP)
DONO KENJI (JP)
AKASHI SHUNJI (JP)
ISHISAKA HIROSHI (JP)
HIMI NAOYUKI (JP)
International Classes:
A44B19/08; A44B19/12; A44B19/14
Foreign References:
JP2004298641A2004-10-28
JP2006015158A2006-01-19
JPH02177902A1990-07-11
JP2006015158A2006-01-19
JPH10155524A1998-06-16
Other References:
See also references of EP 2238854A4
Attorney, Agent or Firm:
NOGUCHI, Takeo (BandaiBld., 10-14, Kandaawajicho 2-chome,Chiyoda-k, Tokyo 63, JP)
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Claims:
 左右一対のファスナーテープ(16,516,616,17)の務歯取付部において、噛合頭部(70,470)から二股に分かれて延出する第1及び第2脚部(72,472,672;73,473,673)が形成された務歯(12,112,212,312,412,512,612,13,113)の前記第1及び第2脚部(72,472,672;73,473,673)を、縫工糸(15)を用いてテープ長さ方向に沿って複数縫着することにより、縫工線(84,85,86)が形成されるスライドファスナーであって、
 前記第1脚部(72,472,672)における前記縫工線(84,86)から前記噛合頭部(70,470,670)を経由して、前記第2脚部(73,473,673)における前記縫工線(85,86)に至る範囲の一ヶ所に、破断強度を弱めた脆弱部(80)を有してなることを特徴とするスライドファスナー。
 前記脆弱部(80)は、前記噛合頭部(70,470,670)に形成されてなることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のスライドファスナー。
 前記脆弱部(80)は、前記縫工線(84,85,86)から前記噛合頭部(70,470,670)に至る範囲の一ヶ所に形成されてなることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のスライドファスナー。
 前記ファスナーテープ(16,17)の噛合側がU字状に内側に折り曲げられた屈曲端縁が形成され、当該屈曲端縁から前記務歯(12,112,212,312,13,113)の噛合頭部(70)が外方に向けて突出するように折り曲げられた務歯取付部に、前記務歯(12,112,212,312,13,113)が縫着されていることを特徴とする請求の範囲第1~3項のいずれかに記載のスライドファスナー。
 前記複数の隣接する務歯(12,112,212,312,512,13,113)を、前記第1及び第2の脚部(72;73)において連結する連結糸(76)を有してなることを特徴とする請求の範囲第1~3項のいずれかに記載のスライドファスナー。
 前記複数の務歯(412,612)は、前記第1及び第2の脚部(472,672;473,673)の端部において反転連結部(476,676)を介してそれぞれが連結された、コイル状又はジグザグ状の連続した務歯(412,612)であることを特徴とする請求の範囲第1~3項のいずれかに記載のスライドファスナー。
Description:
スライドファスナー

 本発明は、所定の耐横引力を有するとと に、開裂横引力以上の横引力が加わった際 は開裂するスライドファスナーに関し、特 、自動車が衝突した際にエアバッグを膨出 せるエアバッグ膨出用開口部に用いること 可能なスライドファスナーに関する。

 近年では、自動車のシートバック側部や ア上方のルーフ室内部等に、自動車が衝突 た際に乗員の頭部を保護するサイドエアバ グが搭載されている。このサイドエアバッ 装置は、自動車が衝突して大きな衝撃を受 た後に膨張用ガスを発生させるインフレー と、インフレータからガスが供給されて膨 展開するエアバッグとを有している。サイ エアバッグ装置が作動する前のエアバッグ 納状態では、エアバッグが所定の手順で折 畳まれて自動車用シートのシートバック側 等に収納されており、サイドエアバッグ装 自体はシートカバー等で覆われている。

 通常、自動車用シートの表面には、シー のクッション材を覆うためのファブリック 革などのシートカバーが被せられており、 イドエアバッグ装置が装着されているシー バック側部のシートカバーには、エアバッ を膨出させるための膨出用開口が形成され いる。従来、この膨出用開口は、所定の力 引っ張ると切断する脆弱な縫合糸によって 合されていた。

 このサイドエアバッグ装置は、自動車が 突して大きな衝撃を受けたときにその衝撃 感知し、インフレータから高圧ガスを発生 せてエアバッグ内に導入し、エアバッグを 時に膨張させる。エアバッグ膨出の際には 膨出用開口を縫合している縫合糸に過大な っ張りの力が加わるので、この力により縫 糸が切断して、閉鎖されていた膨出用開口 開口して、そこからエアバッグが膨出する このエアバッグは、乗員の側方側に展開し 乗員の頭部、胸部、腰部などを緩衝支持す 。これにより、衝突時に人体に加わる衝撃 を大幅に緩和して、乗員の安全を確保する とができる。

 ところが、エアバッグの膨出用開口部を 合糸により閉鎖する構造を採用すると、シ トにエアバッグ装置を装着してからシート バーを被せなければならず、製造工程が限 されてしまうという不具合を生じていた。 近の自動車用シートは、ヒーターや座面調 用のアクチュエータ等多彩な補機類が装着 れているものが多く、製造工程における自 度が望まれている。また従来は、納車後に アバッグ装置の点検が必要になった場合に 、シートカバーを取り外さないとエアバッ 装置の点検を行うことができないなど、作 工程が煩雑であった。

 更に、縫合糸の破断強度は、その縫合状態 よっても大きく変化する上に、自動車室内 温度上昇や経年劣化によっても大きく変化 るという不具合を生じていた。縫合糸が切 しにくい場合には、緊急時にエアバッグが 出しなくなるという重大な不具合が発生す 。縫合糸の強度が低い場合には、乗員がシ トに着座した際にシートカバーに働く引っ りの力によって縫合糸が破断してしまい、 出用開口部が開裂してシートクッションな が露出してしまうというみっともない事態 発生する。
 また、エアバッグ膨張展開時には、縫合糸 一本一本順次破断させてゆくことになるの 、エアバッグの展開速度が低下するという 具合を生じていた。

 このように、種々の不具合を有する縫合 を用いて膨出用開口部を閉鎖する構造に代 て、スライドファスナーを用いた膨出用開 部の閉鎖構造が注目されている。スライド ァスナーは、シートカバーに縫着した後で ってもスライダーを上下させることにより 出用開口部の開閉が自在である。したがっ 、組立工程の自由度が増して複雑な構造の ートの組立を容易に行うことができるから ある。また、エアバッグ装置の点検を行う においても、スライドファスナーを開閉す ことによって容易に配線や取り付け部分の 検を行うことができる。

 また、務歯同士が噛合しているスライド ァスナーの一部において務歯同士の噛合を し、この状態で横引力を印加し続けると、 ライダーを動かすことなく弱い力で順次務 列の噛合を外してゆくことができる。した って、一本一本の縫合糸を順次破断させて く状況とは異なり、開裂速度が速いので、 アバッグの膨張展開を素早く行って乗員を 果的に保護することができる。特に乗員の 部と自動車のサイドガラスとの間隔は狭い で、衝突後短時間にサイドエアバッグを膨 展開させる必要がある。

 例えば、特許文献1(特開2006-15158号公報)に は、エアバッグの膨出用開口に用いるために 、開裂容易な構造を有する緊急開口手段付ス ライドファスナーが開示されている。

 特許文献1に記載されている緊急開口手段 付スライドファスナーは、務歯を成形する際 に同時にファスナーテープの務歯取付部に固 着するインサート成形法を用いるものである 。このスライドファスナーにおける務歯の形 状は、ファスナーテープ側縁部の務歯取付部 を跨ぐように固着する二つの脚部と、二つの 脚部を繋ぐ胴体部と、左右一対の務歯同士を 横引き方向に噛合させるため外端部に形成し た噛合頭部と、当該噛合頭部と前記胴体部と を接続する括れた首部とを有している。また 、前記噛合頭部の頂部には、噛合軸線に沿っ て溝が形成されている。更にこの溝に嵌合さ せるための肩部が、務歯の幅方向中央部にお いて、胴体部と首部から張り出す形で形成さ れている。

 前記噛合頭部は、噛合された務歯列が横 き方向に開裂するのを防止するために、対 して配された他方のファスナーテープに固 されている二つの隣接する務歯の首部の間 嵌入させて使用する。務歯の首部と胴体部 ら張り出す形で形成れている肩部は、対向 る噛合頭部に設けられた溝部と嵌合するの 、左右のファスナーストリンガー同士が剪 方向にずれて噛合が外れることを防止して る。

 更に、特許文献1に記載されているスライ ドファスナーでは、この務歯の肩部に対して 嵌合する噛合頭部の裏面側を切除することに より、表裏非対称な鼻部形状とした務歯をス ライドファスナーの中央部に2個配置してあ 。この部分は、スライドファスナーの裏面 からの突上力に対して開裂しやすい部分と り、エアバッグ膨出時におけるスライドフ スナーにおける開裂起点となる。

 また、特許文献2(特開平10-155524号公報)には 2本の連結糸を同時成形することで縄梯子状 に定間隔で務歯を配置したスライドファスナ ーが開示されている。この特許文献2に記載 れているスライドファスナーは、この連結 た務歯列をU字状に屈曲させてファスナーテ プ側縁部の務歯取付部を挟み込んだ後に、 歯の脚部に縫工糸を跨がせてファスナーテ プに縫着して、務歯の噛合頭部をファスナ テープ側縁部の務歯取付部から外方に向け 突出させている。

特開2006-15158号公報

特開平10-155524号公報

 特許文献1に記載されている緊急開口手段 付スライドファスナーでは、エアバッグの膨 張などにより裏側から力が加わった際に、噛 合している務歯同士を外れやすくするために 、スライドファスナーの中央部に開裂起点を 形成してある。エアバッグ膨張時には、最初 に表裏非対称な噛合頭部を有する開裂起点に おいて噛合が外れ、以降エアバッグの膨出に 伴って、スライドファスナーの端部に向けて 順次噛合が外れるように構成されている。

 このように、エアバッグの膨出用開口の 鎖用として種々の利点を備えたスライドフ スナーではあるが、特許文献1に記載されて いる務歯の形状では、何らかの要因により過 大な横引力が印加された際に、務歯の首部、 又は脚部における薄肉部分において破断が発 生し、務歯の噛合頭部がファスナーテープか ら離間する可能性がある。

 また、特許文献1に記載されているスライ ドファスナーは、表から務歯が直接見えるス ライドファスナーであるために、自動車のシ ートカバーにおける膨出用開口部の閉鎖用と して用いる場合には、スライドファスナーの 表側に、別途フラップなどの覆いを付ける必 要があった。スライドファスナーの表面に覆 いを取り付けると、その場所にスライドファ スナーが存在していることが一目瞭然であり 、外観から生地の接合部が見えるという不具 合を生ずる。

 特許文献2に記載されているスライドファ スナーの務歯は、噛合頭部から二股に分かれ て延出する二つの脚部を備えているが、双方 の脚部の形状は噛合頭部をはさんで対称な形 状に成形してあるので、エアバッグ膨出時に おいて過大な横引力が印加された場合には、 脚部の双方が一時に破断して、務歯の噛合頭 部がファスナーテープから離間する可能性が ある。また、特許文献1に記載されているス イドファスナーと同様に、表から務歯が直 見えるスライドファスナーであるために、 動車のシートカバーに用いると見栄えが悪 という不具合を生じていた。

 本発明は上記従来の課題に鑑みてなされ ものであって、エアバッグ膨出時などの強 開裂時においても務歯の破断片が離間しに いスライドファスナーを提供することを目 としている。更に、スライドファスナーの 歯が外観上見えないようなコンシール性を めたスライドファスナーを提供することを 的としている。

 上記目的を達成するために、本発明に係 スライドファスナーは、左右一対のファス ーテープの務歯取付部において、噛合頭部 ら二股に分かれて延出する第1及び第2脚部 形成された務歯の前記第1及び第2脚部を、縫 工糸を用いてテープ長さ方向に沿って複数縫 着することにより、縫工線が形成されるスラ イドファスナーであって、前記第1脚部にお る前記縫工線から前記噛合頭部を経由して 記第2脚部における縫工線に至る範囲の一ヶ に、破断強度を弱めた脆弱部を有してなる とを特徴としている。

 また、前記脆弱部を前記噛合頭部に形成 ることが好ましく、前記脆弱部を前記縫工 から前記噛合頭部に至る範囲の一ヶ所に形 することもできる。

 また、前記第1及び第2の脚部の端部にお て隣接する務歯同士を連結糸により連結し おくことが好ましい。また、前記複数の務 は、前記第1及び第2の脚部の端部において反 転連結部を介してそれぞれを連結した、コイ ル状又はジグザグ状の連続した務歯とするこ ともできる。

 本発明に係るスライドファスナーによれ 、務歯の第1脚部における縫工線から噛合頭 部を経由して、第2脚部における縫工線に至 範囲の一ヶ所に、破断強度を弱めた脆弱部 形成したので、何らかの影響により過大な 引力がスライドファスナーに加わって務歯 破断する場合であっても、破断強度が弱い 弱部においてのみ破断が発生する。この脆 部の両側はそれぞれ縫工糸によってファス ーテープと縫着されているので、破断した 歯の破断片が離間する不具合を低減するこ ができる。

 また、第1及び第2の脚部において、隣接 る複数の務歯同士を連結糸を用いて連結し おくことによって、過大な横引力がスライ ファスナーに加わって務歯の一ヶ所と縫工 との双方が破断した場合であっても、破断 た務歯の破断片が離間する不具合を低減す ことができる。

 また、務歯列にコイル状又はジグザグ状 連続した務歯を用いることにより、過大な 引力がスライドファスナーに加わって、務 の一ヶ所と縫工糸との双方が破断した場合 あっても、破断した務歯の破断片が離間す 不具合を低減することができる。

本発明に係るスライドファスナーを自 車用シートのシートバック側部に適用した 用例を示す図である。 本発明に係るスライドファスナーの外 図であり、スライドファスナーの噛合軸線 対して直角な断面をとって示した図である 図2に示したスライドファスナーにおけ る左務歯列の拡大図である。 左務歯列の成形直後の状態を示す平面 である。 成形した左務歯列を左ファスナーテー に縫着する工程を示す図である。 スライダーを引き上げて、左務歯と右 歯とを噛合させた状態を示す務歯列単体の 面図である。 スライドファスナーの噛合軸線に直角 断面図であり、図6のVII-VII矢視断面図であ 。 左務歯及び右務歯が左右方向に開裂し その際に左務歯が脆弱部において破断した 態を示す図である。 破断強度を弱めた脆弱部を、左務歯及 右務歯の双方の噛合頭部に形成した実施例 示す図である。 破断強度を弱めた脆弱部を、縫工部の 一ヶ所に形成した実施例を示す図である。 破断強度を弱めた脆弱部を、噛合頭部 から縫工部に至る範囲の一ヶ所に形成した実 施例を示す図である。 破断強度を弱めた脆弱部を、噛合頭部 の開口部の両側に形成した実施例を示す図で ある。 ファスナーテープ側端縁の務歯取付部 に、本発明に係る脆弱部を形成した務歯をU 状に屈曲させて縫着した実施例を示す図で る。 破断強度を弱めた脆弱部を、ジグザグ 状の務歯の一部に形成した実施例を示す図で ある。 破断強度を弱めた脆弱部を、コイル状 の務歯の一部に形成した実施例を示す図であ る。

符号の説明

 1,110 スライドファスナー
 12,112 左務歯
 12a 左務歯列
 13,113 右務歯
 13a 右務歯列
 14 芯紐
 15 縫工糸
 16,616 左ファスナーテープ
 17 右ファスナーテープ
 50 スライダー
 70,470,670 噛合頭部
 72,472,672,572 第1脚部
 73,473,673,573 第2脚部
 74,75,574,575,674,675 縫工部
 76 連結糸
 80 脆弱部
 82 開口
 84、85、86 縫工線
 212,312,412,512,612 務歯
 476,676 反転連結部
 516 ファスナーテープ
 C 務歯幅
 D 首幅
 H 山高さ

 以下、本発明に係る務歯とその務歯を用い スライドファスナーの代表的な実施形態に いて、図面を参照しながら具体的に説明す 。
 図1は、本発明に係るスライドファスナーを 自動車用シートのシートバック側部に適用し た使用例を示す図である。

 例えば、本発明に係るスライドファスナ は、サイドエアバッグ装置92が内部に装着 れた自動車用シート91のシートカバー開口部 に使用することができる。図1に示した自動 用シート91は、座部を形成するシートクッシ ョン93と、背もたれ部を形成するシートバッ 94とを有している。これらのシートクッシ ン93やシートバック94の内部には、自動車用 ート91の全体形状を形成するシートフレー や、乗員が自動車用シート91に着座した際の 荷重を平均して受圧するシートスプリング、 発泡性合成樹脂を所定形状に成形したクッシ ョン部材等を有している。同クッション部材 の表面は、ファブリックや革などのシートカ バー93a,94aにて被覆してある。

 シートバック94の側部には、自動車が衝 して大きな衝撃を受けたときに乗員の側方 に展開させることにより、乗員の頭部側方 加わる衝撃を大幅に緩和するサイドエアバ グ装置92が内蔵されている。このサイドエア バッグ装置92の膨出用開口は、前述のスライ ファスナー1にて閉鎖されている。なお、自 動車用シート91の内部には、サイドエアバッ 装置92の他、座面調節用のアクチュエータ その作動機構、座面において暖房を行うヒ ター、その他補機類が装着されているもの ある。

 このシートカバー94aは、サイドエアバッ 装置92その他の補機類を組付けた後に背も れ部に被せ、スライドファスナー1のスライ ーを摺動させることにより、スライドファ ナー1を用いて閉鎖している。なお、スライ ドファスナー1として裏面側に務歯列を配置 た隠しスライドファスナーを用いることに って、シートバック94側部の見栄えを良くす ることができる。また、隠しスライドファス ナーを用いない場合には、スライドファスナ ー1の表面にフラップを配置して、務歯列を 部から隠すようにすることもできる。

 自動車用シート91に乗員が着座すると、 ートバック94の背もたれ中央部が乗員の荷重 により凹むので、シートバック94側部を覆っ いるスライドファスナー1には横引き力が加 わる。スライドファスナー1は、この通常使 時に加わる横引力に対して十分耐える能力 必要である。その一方、自動車が衝突した には、スライドファスナー1を開裂させてエ バッグを膨出させなければならない。した って、スライドファスナー1は、10N/cm程度の 通常加わる横引力には十分耐え、エアバッグ の膨張により150~350N/cmの横引力が加わった場 には、20/1000秒以内に開裂してエアバッグを 膨出させる必要がある。

 この要求を満たすために、例えば特許文 1に記載されているように、スライドファス ナーにおいて噛合頭部の形状を表裏非対称に 形成した開裂起点を設けることにより、エア バッグ膨張時には、先ずこの開裂起点におい て噛合が外れ、以降エアバッグの膨出に伴っ て、スライドファスナーの端部に向けて順次 噛合が外れるように構成することで、この相 反する要求を満足することができる。

 エアバッグ膨張時において、スライドフ スナー1の一部にて噛合が外れると、その後 エアバッグの膨出に伴って務歯列の噛合がス ライドファスナーの端部に向けて順次外れて ゆき、このスライドファスナー1の開裂部か エアバッグが膨出して、衝突時に人体に加 る衝撃力を大幅に緩和し、乗員の安全を確 することができる。しかるに、エアバッグ 出時などの強制開裂時には、スライドファ ナー1の噛合頭部に加わる強い横引力により 務歯の一部が破断する可能性がある。

 そこで本発明に係るスライドファスナー1 では、噛合頭部から二股に分かれて延出する 第1及び第2の脚部が形成された務歯を用いる ともに、第1脚部における第1縫工部の縫着 から噛合頭部を経由して第2脚部の第2縫工部 の縫着線に至る範囲の一ヶ所に、破断強度を 弱めた脆弱部を形成した。この務歯の構成に ついて、図2を用いて説明する。

 図2は、本発明に係るスライドファスナー 1の外観図であり、務歯の形状を説明するた に、スライドファスナー1の噛合軸線に対し 直角な断面をとって示してある。図3は、図 2に示したスライドファスナー1における左務 列12aのみを拡大して説明する図である。

 図2及び図3に示すように、スライドファ ナー1は、左ファスナーテープ16及び右ファ ナーテープ17と、左ファスナーテープ16及び ファスナーテープ17の対向する務歯取付部 沿って配した左務歯列12a及び右務歯列13aと 左務歯列12a及び右務歯列13aを挿通させなが 上下に動かすことにより左務歯列12a及び右 歯列13a同士を噛合させたり離したりするス イダー50とを備えている。

 図2に示すスライドファスナー1の務歯取 部は、裏側に向けてU字状に反転した形状を ており、U字状に反転した左ファスナーテー プ16及右ファスナーテープ17の務歯取付部に 、左務歯列12a及び右務歯列13aが縫工糸15によ り縫着されている。なお、図2に示すスライ ファスナー1はコンシール性を備えた隠しス イドファスナーであるが、本発明は隠しス イドファスナーのみに限定するものではな 、後段にて説明する図13や図15に示すスライ ドファスナーに適用することができる。また 、図2に示すスライドファスナー1の左務歯列1 2a及び右務歯列13aは、射出成形により成形し 務歯列であるが、本発明は射出成形により 形した務歯に限定するものではなく、ジグ グ状のモノフィラメントによる務歯列(後段 にて説明する図14参照。)や、コイル状のモノ フィラメントによる務歯列(後段にて説明す 図15参照。)を用いることも可能である。

 図2に示すように、左務歯列12a及び右務歯 列13aを構成する左務歯12及び右務歯13は、左 双方の務歯同士を噛合させるための噛合頭 70と、この噛合頭部70から表裏方向に二股に かれて延出する第1脚部72及び第2脚部73とを している。左務歯12における噛合頭部70の中 央には、噛合頭部70の断面積を減少させた切 き形状の脆弱部80を形成してある。この脆 部80は、左務歯12及び右務歯13のいずれか一 の噛合頭部70のみに形成してもよいし、左務 歯12及び右務歯13の双方の噛合頭部70に形成し てもよい。また、図2に示す実施例では、噛 頭部70の外側からV字状に切欠いた脆弱部80を 形成してあるが、噛合頭部70の内側から切欠 を形成することもできる。

 噛合頭部70から延出する第1脚部72の端部 噛合頭部70との間の部分における第2脚部73側 の部分には、左ファスナーテープ16又は右フ スナーテープ17に対して縫着するための縫 糸15が跨ぐ縫工部74(凹条溝)が予め形成され いる。更に、第2脚部73の端部と前記噛合頭 70との間の部分における外周側の部分にも、 縫工糸15が跨ぐ縫工部75(凹条溝)が予め形成さ れている。なお、この縫工部74及び縫工部75 、第1脚部72及び第2脚部73に予め形成した凹 溝に限定されるものではない。例えば、合 樹脂製のモノフィラメントによる連続した 歯のように、縫工糸15によって縫着した後に 、縫着により脚部が撓んで形成される縫工部 も含まれる。

 図2に示すように、第1脚部72の縫工部74に いて縫工糸15が跨いでいる部分であって、 ファスナーテープ16に垂直な直線を縫工線84 定義する。また、第2脚部73の縫工部75にお て縫工糸15が跨いでいる部分であって、左フ ァスナーテープ16に垂直な直線を縫工線85と 義する。破断強度を弱めた脆弱部80は、第1 部72における縫工線84から噛合頭部70を経由 て、第2脚部73における縫工線85に至る範囲の 一ヶ所に形成されている。

 また、第1脚部72及び第2脚部73の端部(基部 )には、左務歯列12a及び右務歯列13aを形成す にあたって左務歯12及び右務歯13の間隔を均 に設定して連結する連結糸76を挿通してあ 。連結糸76は、左務歯列12a及び右務歯列13aを 成形する際に、図4に示すようにインサート 形法により一体成形したものである。

 図4は、左務歯列12aを成形した直後の状態を 示す平面図である。
 図4に示すように、成形直後の左務歯列12aは 、第1脚部72と、噛合頭部70と、第2脚部73とが 直線上に対称に形成された状態となってい 。各左務歯12同士の間隔は、右務歯列13aと 合させる際に必要となる所定の間隔が得ら るように、第1脚部72及び第2脚部73の端部が 結糸76にて連結されている。なお、噛合頭部 70の中央部には、噛合軸線に沿ってV字状に切 り欠いた脆弱部80が形成されている。

 図5に、成形した左務歯列12aの左務歯12を左 ァスナーテープ16に縫着した状態を示す。
 図4に示した成形後の左務歯列12aを左ファス ナーテープ16の務歯取付部に配置し、縫工糸1 5を第1脚部72の縫工部74に跨がせて縫着する。 その後、図5に示す状態から第2脚部73を噛合 部70の中央部分を中心に時計回りに回転させ て、第1脚部72に下側から重ね合わせる。

 次に、縫工部75に縫工糸15を跨がせて、左 ファスナーテープ16に縫着し、左務歯列12aの 端において末端処理を行う。最後に、左フ スナーテープ16の務歯取付部がU字状になる うに反時計回りに反転させて、務歯取付部 ら左務歯列12aの噛合頭部70を外方に向けて 出させる。なお、右務歯列13aも同様に成形 、右ファスナーテープ17に縫着して、左右の ファスナーストリンガーが完成する。

 図6は、スライダー50を引き上げて、左務歯1 2と右務歯13とを噛合させた状態を示す務歯列 単体の平面図である。図7は、スライドファ ナー1の噛合軸線に直角な断面図であり、図6 のVII-VII矢視断面を示している。
 図6にすように、左務歯12と右務歯13とを噛 させた状態では、左務歯12と右務歯13とにお る山高さHの噛合頭部70が、右務歯13と左務 12とにおける首幅Dの脚部同士の隙間に入り んでいる。

 次に、図7に示した左務歯12及び右務歯13 噛合させた状態において過大な横引力が印 され、左務歯12及び右務歯13が左右方向に開 し、その際に左務歯12が脆弱部80において破 断した状態を、図8に示す。

 図7に示したスライドファスナー1では、 務歯12及び右務歯13の噛合頭部70の山高さHと 幅Dと段差を少なめに設定してあるので、ス ライドファスナー1が開裂することにより、 えば130N/cm以上の横引力は加わらない。しか 、何らかの要因によりスライドファスナー1 がねじれながら横引力が加わったり、スライ ドファスナー1の左右のファスナーストリン ーに突き上げ方向の力と横引力とが同時に わったような場合には、噛合状態にある務 が破断する可能性がある。

 本発明によれば、左務歯12の縫工部74にお ける縫工線84から、噛合頭部70を経由して縫 部75における縫工線85に至る範囲の一ヶ所に 破断強度を弱めた脆弱部80を形成したので 務歯が横引力によって破断する際には、こ 脆弱部80において破断が発生する。脆弱部80 おいて左務歯12が破断した場合であっても 第1脚部72側の破断片は、縫工部74において左 ファスナーテープ16に縫着されているために 第1脚部72の破断片が左ファスナーテープ16 ら離間する不具合を低減することができる

 また、図8に示す実施例では、第1脚部72の 端部は連結糸76によって隣接する他の左務歯1 2と連結してあるので、強い横引力により縫 糸15が破断した場合であっても、第1脚部72が 左ファスナーテープ16から離間する不具合を 減することができる。

 他方、第2脚部73側の破断片は、縫工部75 おいて左ファスナーテープ16に縫着されてい るために、第2脚部73の破断片が左ファスナー テープ16から離間する不具合を低減すること できる。同様に、第2脚部73の端部も、連結 76によって隣接する他の左務歯12と連結して あるので、縫工糸15が破断した場合であって 第2脚部73が左ファスナーテープ16から離間 る不具合を低減することができる。

 図2及び図7に示した実施例では、左務歯12 の噛合頭部70のみに脆弱部80を形成し、右務 13の噛合頭部70には脆弱部80を形成していな 構成を示したが、図9に示すように、スライ ファスナー110の左務歯12及び右務歯113にお る双方の噛合頭部70に脆弱部80を形成しても い。スライドファスナー110に過大な横引力 加わり、左務歯12及び右務歯113の双方の脆 部80にて破断が発生した場合であっても、左 務歯12又は右務歯113の破断片は縫工糸15や連 糸76によって保持されているので、左ファス ナーテープ16又は右ファスナーテープ17から 間する不具合を低減することができる。

 次に、務歯に形成した脆弱部の他の実施例 ついて、図10を用いて説明する。
 図10は、務歯112をファスナーテープに縫着 るための縫工糸が跨ぐ脚部の一ヶ所に、破 強度を弱めた務歯幅Cの脆弱部80を形成した 施例を示す図である。務歯幅Cの部分は、務 112の第2脚部73における両側面に、ファスナ テープの表裏方向に向かって延びる略V字状 の切欠きを形成して、務歯112における他の部 分よりも務歯幅が狭くなるようにしてある。 これにより、務歯112の第2脚部73における断面 積が他の部分よりも減少するので、この務歯 幅Cの部分における破断強度は、他の部分と 較よりも低くなっている。したがって、務 112が横引力によって破断する際には、この 弱部80において破断が発生することになる。

 務歯112に過大な横引力が加わって脆弱部8 0にて破断が発生した場合であっても、務歯11 2の破断片は縫工糸(図示せず。)や連結糸76に って保持されているために、務歯112の破断 がファスナーテープから離間する不具合を 減することができる。

 次に、務歯に形成した脆弱部の他の実施例 ついて、図11を用いて説明する。
 図11は、務歯212における噛合頭部70から縫工 部75の縫工線85に至る範囲の一ヶ所に、破断 度を弱めた脆弱部80を形成した実施例を示す 図である。脆弱部80は、務歯212の脚部におけ 縫工線84から噛合頭部70を経由して縫工線85 至る範囲において、最も断面積が少なくな ように、務歯212の外周部から内側に向けて り込むとともに、ファスナーテープの長手 向に延びる略V字状の切欠きを形成してある 。これにより、務歯212が横引力によって破断 する際には、この脆弱部80において破断が発 することになる。

 務歯212に過大な横引力が加わって脆弱部8 0にて務歯212が破断が発生した場合であって 、務歯212の破断片は縫工糸15や連結糸76によ て保持されているために、ファスナーテー から離間する不具合を低減することができ 。

 なお、図11に示す実施例では、噛合頭部70 から縫工部75の縫工線85に至る範囲の一ヶ所 、破断強度を弱めた脆弱部80を形成した実施 例を示してあるが、務歯212の縫工部74におけ 縫工線84から噛合頭部70に至る範囲の一ヶ所 に、破断強度を弱めた脆弱部80を形成しても 本発明の目的を達成することができる。

 次に、務歯に形成した脆弱部の他の実施例 ついて、図12を用いて説明する。
 図12は、務歯312における噛合頭部70に開口82 形成し、この開口82の両側部に脆弱部80を形 成した実施例を示す図である。脆弱部80の断 積は、務歯312の脚部における縫工線84から 合頭部70を経由して縫工線85に至る範囲にお て、最も断面積が少なくなるように開口82 両側部に立設して形成してある。このため 務歯312が横引力によって破断する際には、 の開口82の両側に立設した脆弱部80において 断が発生することになる。

 務歯312に過大な横引力が加わって脆弱部8 0にて務歯312が破断が発生した場合であって 、務歯312の破断片は縫工糸15や連結糸76によ て保持されているために、ファスナーテー から離間する不具合を低減することができ 。

 次に、務歯に形成した脆弱部の他の実施例 ついて、図13を用いて説明する。
 上記の各実施例では、コンシール性に優れ 隠しスライドファスナーの務歯の一ヶ所に 弱部を形成した実施例を示したが、本発明 隠しスライドファスナーに限定するもので なく、ファスナーストリンガーの端縁がU字 状に屈曲していない平面形状のスライドファ スナーにも適用することができる。図13は、 出成形により成形した務歯512をU字状に屈曲 させてファスナーテープ516の務歯取付部に縫 着した状態を示す図であり、スライドファス ナーの噛合軸線に対して直角な断面図である 。

 図13に示すスライドファスナーは、射出 形により成形した務歯512をU字状に屈曲させ ファスナーテープ516側縁部の務歯取付部を み込んだ後に、務歯512における第1脚部572の 縫工部574と、第2脚部573の縫工部575とに縫工 15を跨がせてファスナーテープ516に縫着して ある。これにより、務歯512の噛合頭部70をフ スナーテープ516の務歯取付部から外方に向 て突出させている。

 務歯512における噛合頭部70には、破断強 を弱めた脆弱部80を形成してある。脆弱部80 断面積は、務歯512の第1脚部572における縫工 線86から噛合頭部70を経由して第2脚部573の縫 線86に至る範囲において、最も断面積が少 くなるように、噛合頭部70の外側からファス ナーテープ516の端縁に向けて掘り込むととも に、ファスナーテープ516の長手方向に延びる 略V字状の切欠きを形成してある。このため 務歯512が横引力によって破断する際には、 の脆弱部80のV字状の底の部分において破断 発生することになる。務歯512に過大な横引 が加わって脆弱部80にて務歯512が破断が発生 した場合であっても、務歯512の破断片は縫工 糸15や連結糸76によって保持されているため 、破断片がファスナーテープから離間する 具合を低減することができる。

 次に、務歯に形成した脆弱部の他の実施例 ついて、図14を用いて説明する。
 上記の各実施例では、射出成形により成形 た務歯の一部に脆弱部を形成したスライド ァスナーの実施例を示したが、本発明はジ ザグ状又はコイル状の連続した務歯(合成樹 脂製のモノフィラメント)を用いたスライド ァスナーにも適用することができる。図14は 、一部に脆弱部80を形成したジグザグ状の務 412単体の斜視図である。

 図14に示すように、ジグザグ状の務歯412 一側縁には噛合頭部470が形成されている。 合頭部470の両端からは、第1脚部472及び第2脚 部473が二股に分かれて延出している。ジグザ グ状の務歯412をファスナーテープに縫着する 際には、ジグザグ状の務歯412の連通する中央 部に芯紐(図示せず。)を挿通し、第1脚部472の 縫工部及び第2脚部473の縫工部に縫工糸(図示 ず。)を跨がせて縫着する。なお、各務歯の 第1脚部472及び第2脚部473は、反転連結部476を して隣接する務歯の第1脚部472及び第2脚部47 3に接続されている。第1脚部472の縫工部及び 2脚部473の縫工部は、予め凹条の溝を形成し たものではなく、縫着後に定義される部分で ある。また、その両縫工部を結ぶ直線であっ て、ファスナーテープに垂直な縫工線も、務 歯412をファスナーテープに縫着した後に定義 される線である。

 ジグザグ状の務歯412における第1脚部472の 一部には、断面積を減少させることにり破断 強度を弱めた脆弱部80を形成してある。この 弱部80は、合成樹脂製のモノフィラメント よる務歯412の成形後に、カッターで略V字状 スライドファスナーの長手方向に切削する とにより溝を形成したり、ヒーターや超音 を用いた溶融加工により形成した溝である

 このように、ジグザグ状の務歯412の縫工 よりも噛合頭部470側の一部に、略V字状に切 欠いた脆弱部80を形成することによって、務 412に過大な横引力が加わって脆弱部80にて 歯412が破断が発生した場合であっても、務 412の破断片は縫工糸や反転連結部476によっ 保持されているために、ファスナーテープ ら離間する不具合を低減することができる

 次に、務歯に形成した脆弱部の他の実施例 ついて、図15を用いて説明する。
 図15は、コイル状の務歯612をファスナーテ プ616の務歯取付部に縫着した状態を示す図 あり、スライドファスナーの噛合軸線に対 て直角な断面図である。

 図15に示すように、コイル状の務歯612の 側縁には噛合頭部670が形成されている。噛 頭部670の両端からは、第1脚部672及び第2脚部 673が二股に分かれて延出している。コイル状 の務歯612をファスナーテープ616に縫着する際 には、コイル状の務歯612の連通する中央部に 芯紐14を挿通し、第1脚部672の縫工部674に縫工 糸15を跨がせて縫着する。このとき、第1脚部 672のファスナーテープ616側に第2脚部673の縫 部675を挟み込み、第1脚部672のみに縫工糸15 跨がせて、芯紐14を介して第2脚部673の縫工 675をファスナーテープ616に圧接させて、第1 部672と第2脚部673とをファスナーテープ616に 縫着している。なお、各務歯の第1脚部672及 第2脚部673は、反転連結部676を介して隣接す 務歯の第2脚部673及び第1脚部672に接続され いる。なお、その縫工部674及び縫工部675と 結ぶ直線であって、ファスナーテープ616に 直な直線を、縫工線86と定義することにする 。

 コイル状の務歯612における第1脚部672の縫 工部674から、噛合頭部670を経由して第2脚部67 3の縫工部675に至る範囲(すなわち、縫工線86 りも噛合頭部670側。)の一ヶ所に、断面積を 少させることにより破断強度を弱めた脆弱 80を形成してある。この脆弱部80は、合成樹 脂製のモノフィラメントによる務歯612の成形 後に、カッターで略V字状にスライドファス ーの長手方向に切削することにより溝を形 したり、ヒーターや超音波を用いた溶融加 により形成した溝である。

 このように、コイル状の務歯612に脆弱部8 0を形成することによって、務歯612に過大な 引力が加わって脆弱部80にて務歯612が破断が 発生した場合であっても、務歯612の破断片は 縫工糸15や反転連結部676によって保持されて るために、破断片がファスナーテープ616か 離間する不具合を低減することができる。

 本発明に係るスライドファスナーは、エ バッグの膨出用開口部に用いることができ 他、膨張用ガスにより膨らむライフジャケ トの膨出用開口部に適用することも可能で る。