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Patent Searching and Data


Title:
SLIDING TYPE TRIPOD CONSTANT VELOCITY JOINT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/011243
Kind Code:
A1
Abstract:
A sliding type tripod constant velocity joint in which less thrust force is induced and that is reduced in size. The constant velocity joint (1) includes an outer ring (10), a tripod (20) having a boss section (21) and three tripod shafts (22) inserted into roller grooves (11), and rollers (30). In a torque transmission region of a tripod shaft (22), the width (bx), in the direction of the axis of a shaft, of the tripod shaft (22) decreases from the root side toward the top side of the tripod shaft (22). Further, defining the direction perpendicular to the shaft and the tripod shaft (22) as the torque transmission direction, in the torque transmission region, the width (ax) in the torque transmission direction of the tripod shaft (22) increases from the root side to the top side of the tripod shaft (22).

Inventors:
ICHIKAWA KAZUYUKI (JP)
KINOSHITA HIROMASA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/062275
Publication Date:
January 22, 2009
Filing Date:
July 07, 2008
Export Citation:
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Assignee:
JTEKT CORP (JP)
ICHIKAWA KAZUYUKI (JP)
KINOSHITA HIROMASA (JP)
International Classes:
F16D3/205
Foreign References:
JPH03172619A1991-07-26
JP2007010028A2007-01-18
JP2003074581A2003-03-12
JPS471974U1972-08-22
JPH03172619A1991-07-26
Other References:
See also references of EP 2169246A4
Attorney, Agent or Firm:
OHKAWA, Hiroshi (Nakamura-kuNagoya-shi, Aichi 02, JP)
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Claims:
筒状からなり、内周面にその軸方向に延びる3本のローラ溝が形成された外輪と、
 シャフトに連結されるボス部、および、前記ボス部の外周面からそれぞれ前記ボス部の径方向外方に延びるように立設されそれぞれの前記ローラ溝に挿入される3本のトリポード軸部を備えるトリポードと、
 環状からなり、前記トリポード軸部に対して回転可能に前記トリポード軸部に支持されるとともに、前記ローラ溝に転動可能に嵌挿されるローラと、
 を備える摺動式トリポード形等速ジョイントであって、
 前記トリポード軸部のトルク伝達領域において、前記トリポード軸部のシャフト軸方向幅は、根元側から先端側に行くに従って小さく形成され、
 前記シャフト軸および前記トリポード軸部に直交する方向をトルク伝達方向と規定した場合に、前記トルク伝達領域において、前記トリポード軸部のトルク伝達方向幅は、根元側から先端側に行くに従って大きく形成されていることを特徴とする摺動式トリポード形等速ジョイント。
 前記トリポード軸部の先端側と根元側における前記トルク伝達方向幅の差は、前記トリポード軸部の先端側と根元側における前記シャフト軸方向幅の差よりも小さい請求項1に記載の摺動式トリポード形等速ジョイント。
 前記トリポード軸部の前記トルク伝達方向幅の最大幅は、前記ローラの内径よりも大きい請求項1または2に記載の摺動式トリポード形等速ジョイント。
 前記トリポード軸部は、シャフト軸方向から見た前記トルク伝達領域における外周形状が前記トリポード軸部の軸心に対し外方に膨らむ曲線である請求項1~3の何れか一項に記載の摺動式トリポード形等速ジョイント。
前記トリポード軸部は、シャフト軸方向から見た前記トルク伝達領域における外周形状が直線である請求項1~3の何れか一項に記載の摺動式トリポード形等速ジョイント。
 前記トリポード軸部は、トルク伝達方向から見た前記トルク伝達領域における外周形状が前記トリポード軸部の軸心に対し外方に膨らむ曲線である請求項1~5の何れか一項に記載の摺動式トリポード形等速ジョイント。
Description:
摺動式トリポード形等速ジョイ ト

 本発明は、摺動式トリポード形等速ジョ ントに関するものである。

 従来のトリポード軸部は、円柱状をなし いた。このトリポード形等速ジョイントに いて、ジョイント角が0度でない場合に回転 力を伝達する際には、ローラがトリポード軸 部の軸回りに回転且つ軸方向に往復移動しな がら、外輪のローラ溝に沿って往復移動する 。このとき、トリポード軸部が円柱状である ため、ローラは、常にトリポード軸部に対し て同軸上に位置している。そのため、ローラ とローラ溝との間に滑りが発生し、その結果 、ジョイント軸方向に誘起スラスト力が発生 する。この誘起スラスト力は、車体の振動や 騒音の発生原因となり、車両のNVH性能に影響 を与える。

 そこで、誘起スラスト力を低減するため 、例えば、特開平3-172619号公報に開示され 摺動式トリポード形等速ジョイントがある この摺動式トリポード形等速ジョイントは トリポード軸部の外周面形状を球面状にし いる。これにより、ローラがトリポード軸 に対して揺動可能となり、ローラとローラ との間に滑りが発生しないとされている。

 ここで、特開平3-172619号公報に開示され 摺動式トリポード形等速ジョイントにおい は、トリポード軸部の根元部がくびれ形状 なしているため、根元部の断面係数が小さ なる。そのため、トリポード軸部の強度を 保するために、トリポード軸部の断面形状 大型化する必要がある。従って、摺動式ト ポード形等速ジョイントの外形が大型化す 。

 本発明は、このような事情に鑑みてなさ たものであり、誘起スラスト力を低減しつ 、小型化が可能な摺動式トリポード形等速 ョイントを提供することを目的とする。

 そこで、本発明者はこの課題を解決すべ 鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、誘起 ラスト力を低減するために、トリポード軸 に対するローラの必要揺動角度がトリポー 軸部に対するローラの相対位置に応じて異 ることを思いつき、本発明を完成するに至 た。

 まず、誘起スラスト力を低減するための トリポード軸部に対するローラの必要揺動 度について説明する。ジョイント角が0度の 場合には、トリポード軸部に対するローラの 相対位置は、常に一定である。この場合のロ ーラの位置は、トリポード軸部のトルク伝達 領域のうち、根元側である。

 ここで、トルク伝達領域とは、トリポー 軸部の外周面のうちトルク伝達に寄与する 位が含まれるトリポード軸部の軸方向領域 ある。トルク伝達に寄与する部位とは、ト ポード軸部とローラとの間でトルク伝達が われる際に、トリポード軸部のうちローラ 接触し得る部位である。

一方、ジョイント角が0度でない場合には ローラは、トリポード軸部に対してトリポ ド軸方向に往復移動する。そして、ローラ トリポード軸部のうち根元側に位置する場 に、誘起スラスト力を低減するためには、 ーラのローラ回転軸とトリポード軸部のト ポード軸とが一致するとよい。この場合に けるトリポード軸部に対するローラの位置 、ジョイント角が0度の場合におけるトリポ ド軸部に対するローラの位置に一致する。

また、ジョイント角が0度でない場合で、 ーラがトリポード軸部のうち先端側に位置 る場合に、誘起スラスト力を低減するため は、ローラがトリポード軸部に対して傾斜 た状態であるとよい。この傾斜角度は、ロ ラがトリポード軸部のうち先端側に行くほ 、大きくなるようにするとよい。

つまり、ローラがトリポード軸部のうち根 元側に位置する場合にローラのローラ回転軸 とトリポード軸部のトリポード軸とを一致さ せ、ローラがトリポード軸部のうち先端側に 行くほどトリポード軸部に対するローラの傾 斜角度が大きくなるようにするとよい。

ここで、トルク伝達方向から見たローラ回 転軸に対するトリポード軸部の傾斜角度をピ ッチング角度と称する。そうすると、許容さ れるピッチング角は、ローラの位置がトリポ ード軸部の先端側になるほど大きくなるほう がよい。例えば、ローラがトリポード軸部の 根元側に位置するときピッチング角を許容せ ず(0度)、ローラがトリポード軸部の先端側に 位置するときピッチング角を30度まで許容す 、などである。

また、シャフト軸方向から見たローラ回転 軸に対するトリポード軸部の傾斜角度(以下 をローリング角とも称する)も、若干ではあ が許容されるほうがよい。ローリング角が 容されることで、トリポードの偏心による 起スラスト力を軽減させることができる。

以上を鑑み、本発明の摺動式トリポード形等 速ジョイントは、以下のようにする。
すなわち、本発明の摺動式トリポード形等速 ジョイントは、
筒状からなり、内周面にその軸方向に延びる 3本のローラ溝が形成された外輪と、
シャフトに連結されるボス部、および、ボス 部の外周面からそれぞれボス部の径方向外方 に延びるように立設されそれぞれのローラ溝 に挿入される3本のトリポード軸部を備える リポードと、
環状からなり、トリポード軸部に対して回転 可能にトリポード軸部に支持されるとともに 、ローラ溝に転動可能に嵌挿されるローラと 、
を備える摺動式トリポード形等速ジョイント であって、
トリポード軸部のトルク伝達領域において、 トリポード軸部のシャフト軸方向幅は、根元 側から先端側に行くに従って小さく形成され 、
シャフト軸およびトリポード軸部に直交する 方向をトルク伝達方向と規定した場合に、ト ルク伝達領域において、トリポード軸部のト ルク伝達方向幅は、根元側から先端側に行く に従って大きく形成されていることを特徴と する。
なお、環状には、筒状も含まれる。

 本発明の摺動式トリポード形等速ジョイ トによれば、トルク伝達領域において、ト ポード軸部のシャフト軸方向幅が根元側か 先端側に行くに従って小さく形成されてい 。ここで、ローラの内径は、少なくとも、 リポード軸部の根元部におけるシャフト軸 向幅以上である。そうすると、トリポード 部の先端部においては、トルク伝達方向か 見た場合に、トリポード軸部とローラとの に隙間が形成される。従って、ローラは、 ルク伝達方向から見た場合に、トリポード 部の先端側では揺動することができる。さ に、ローラがトリポード軸部の根元側から 端側に行くに従って、ピッチング角を大き できる。これにより、誘起スラスト力が低 するように、ピッチング角を変えることが きる。

 そして、トルク伝達領域において、トリ ード軸部のトルク伝達方向幅は、根元側か 先端側に行くに従って大きく形成されてい 。ここで、ローラの内径は、ローラ内に存 するトリポード軸部の最大トルク伝達方向 以上である。つまり、ローラの内径は、ト ポード軸部の根元部におけるシャフト軸方 幅、および、ローラ内に存在するトリポー 軸部の最大トルク伝達方向幅のうち大きい うの幅以上である。

これにより、シャフト軸方向から見た場合 でも、トリポード軸部とローラとの間に隙間 が形成される。従って、ローラは、シャフト 伝達方向から見た場合でも揺動可能となる。 つまり、誘起スラスト力を低減させることが できる。

 さらに、本発明の摺動式トリポード形等 ジョイントによれば、トリポード軸部のシ フト軸方向幅が先端側に行くに従って小さ 形成されている。つまり、トリポード軸部 根元部のシャフト軸方向幅を大きくできる いうことである。

 一方、トリポード軸部のトルク伝達方向 は、先端側に行くに従って大きく形成され いる。つまり、トリポード軸部の根元部の ルク伝達方向幅は、先端部に比べて小さい しかし、本発明ではトルク伝達方向幅が先 側に行くに従って大きくなっていればよく 根元部のトルク伝達方向幅を、例えば特開 3-172619号公報に記載のトリポード軸部の根 部(くびれ部分)の直径R以上とすることがで る。

 これらより、例えば、本発明の摺動式ト ポード形等速ジョイントにおいて、トリポ ド軸部の根元部の軸直交断面形状を楕円状 し、その短径(トルク伝達方向幅)が上記直 Rと等しく、長径(シャフト軸方向幅)がロー 内径と等しくなるようにトリポード軸部を 成できる。これによれば、本発明のトリポ ド軸部の根元部の断面係数は、特開平3-172619 号公報のくびれ部分の断面係数より大きくな る。その結果、トリポード軸部の強度を高め ることができるので、摺動式トリポード形等 速ジョイントの外形を小型化することができ る。

 なお、上記例において、トリポード軸部 根元部の軸直交断面形状は、トルク伝達方 幅を長径(直径Rより大きくローラ内径より さい)、シャフト軸方向幅を短径(直径R)とす 楕円状ともできる。また、直径Rよりも大き くローラ内径よりも小さい直径からなる円と もできる。上記いずれも、トリポード軸部の 根元部の断面係数は大きくなる。本発明の摺 動式トリポード形等速ジョイントによれば、 くびれ形状を形成せずとも誘起スラスト力を 軽減でき、トリポード軸部の強度向上が可能 となる。

ここで、本発明の摺動式トリポード形等速 ジョイントにおいて、トリポード軸部の先端 側と根元側におけるトルク伝達方向幅の差d1 、トリポード軸部の先端側と根元側におけ シャフト軸方向幅の差d2よりも小さい(d1<d 2)ことが好ましい。

 差d1の値を小さくすれば、許容されるロ リング角は小さくなる。一方、差d1の値を小 さくすれば、その分、トリポード軸部の根元 部のトルク伝達方向幅を大きくすることがで きる。ここで、誘起スラスト力低減に必要な ローリング角は、ほんの僅かでよく、ピッチ ング角よりも遥かに小さい。つまり、d1<d2 することにより、誘起スラスト力を低減で る上、トリポード軸部の根元部の断面係数 さらに大きくすることができる。これによ 、摺動式トリポード形等速ジョイント外形 さらなる小型化が可能となる。

 ここで、本発明の摺動式トリポード形等 ジョイントにおいて、トリポード軸部のト ク伝達方向幅の最大幅は、ローラの内径よ も大きいことが好ましい。この場合、トリ ード軸部とローラとの組付けは、圧入によ て行われる。本発明において、トリポード 部のトルク伝達方向幅が最大となるのは、 リポード軸部の最も先端部である。この先 部が圧入によって、ローラ内周より外方に 置される。

 これにより、ローラがトリポード軸部か 抜け出ることを防止することができる。例 ば、組付け工程時や搬送時等においても、 ーラの脱落が防止される。これにより、組 け作業等の作業性を向上させることができ 。

 ここで、本発明の摺動式トリポード形等 ジョイントにおいて、トリポード軸部は、 ャフト軸方向から見たトルク伝達領域にお る外周形状がトリポード軸部の軸心に対し 方に膨らむ曲線(例えば、弧凸状)であるこ が好ましい。一方、当該外周形状が直線で ってもよい。

当該外周形状がトリポード軸部の軸心に対 し外方に膨らむ曲線である場合、当該外周形 状が直線である場合と比較して、その直線よ り外方に膨らむ分、トルク伝達領域における 各断面係数を大きくすることができる。つま り、トリポード軸部の強度を高めることがで き、さらなる小型化が可能となる。さらに、 当該外周形状が前記トリポード軸部の軸心に 対し外方に膨らむ曲線であることにより、ロ ーリング角をよりスムーズにとることができ る。また、トルク伝達時におけるガタを軽減 させることができる。一方、当該外周形状が 直線である場合、加工しやすく、生産性を向 上させることができる。

また、本発明の摺動式トリポード形等速ジ ョイントにおいて、トリポード軸部は、トル ク伝達方向から見たトルク伝達領域における 外周形状が前記トリポード軸部の軸心に対し 外方に膨らむ曲線であることが好ましい。こ れにより、上記同様、トルク伝達領域におけ る各断面係数を大きくすることができる。つ まり、トリポード軸部の強度を高めることが でき、さらなる小型化が可能となる。ただし 、当該外周形状が直線である場合、加工しや すく、生産性を向上させることができる。

 本発明の摺動式トリポード形等速ジョイ トによれば、誘起スラスト力を低減しつつ 小型化が可能となる。

等速ジョイント1の一部を径方向に切断 した断面図(径方向断面図)である。 等速ジョイント1の一部を軸方向に切断 した断面図(軸方向断面図)である。 トリポード20を、トリポード軸部22の先 端側から見た模式図である。 トリポード軸部22を、シャフト軸方向( ス部21軸方向)から見た図である。 図4におけるトリポード軸部22の各断面 (A-A断面図、B-B断面図、C-C断面図)である。

符号の説明

1:等速ジョイント、
10:外輪、 11:ローラ溝、 
20:トリポード、 21:ボス部、 21a:内周スプラ ン、
22:トリポード軸部、
30:ローラ、 31:外ローラ、 31a、31b:止め輪溝
32:内ローラ、 33:ニードルローラ、 34、35:止 め輪

 次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳 く説明する。ここで、本実施形態の摺動式 リポード形等速ジョイント(以下、単に「等 速ジョイント」と称する。)は、車両の動力 達シャフトの連結に用いる場合を例に挙げ 説明する。これは、例えば、ディファレン ャルギヤに連結された軸部とドライブシャ トなどのシャフトとの連結部位に用いる場 である。

この等速ジョイント1について、図1~図5を 照して説明する。図1は、等速ジョイント1の 一部を径方向に切断した断面図(径方向断面 )(以下、「シャフト軸方向視」ともいう)で る。図2は、等速ジョイント1の一部を軸方向 に切断した断面図(軸方向断面図)(以下、「ト ルク伝達方向視」ともいう)である。図3は、 リポード20を、トリポード軸部22の先端側か ら見た模式図である。すなわち、図3は、ト ポード20を図2の上側から見た模式図である 図4は、トリポード軸部22を、シャフト軸方 (ボス部21軸方向)から見た図である。図5は、 図4におけるトリポード軸部22の各断面図(A-A 面図、B-B断面図、C-C断面図)である。

この等速ジョイント1は、図1に示すように ディファレンシャルギヤ(図示せず)に連結 れる外輪10と、シャフト(図示せず)に連結さ るトリポード20と、外輪10とトリポード20と 間に介在するローラ30とから構成される。

外輪10は、筒状(例えば、有底筒状)に形成 れており、一端側がディファレンシャルギ に連結されている。そして、外輪10の筒状部 分の内周面には、外輪軸方向(図1の前後方向) に延びるローラ溝11が、外輪軸の周方向に等 隔に3本形成されている。このローラ溝11の 側面は、弧凹状に形成されている。

 トリポード20は、外輪10の筒状部分の内側 に配置されている。このトリポード20は、ボ 部21と、3本のトリポード軸部22とを備える ボス部21は、円筒状からなり、内周側には内 周スプライン21aが形成されている。この内周 スプライン21aは、ドライブシャフト(図示せ )の端部の外周スプラインに嵌合連結される

それぞれのトリポード軸部22は、ボス部21 外周面からそれぞれボス部21の径方向外方に 延びるように立設されている。これらのトリ ポード軸部22は、ボス部21の周方向に等間隔(1 20度間隔)に形成されている。そして、それぞ れのトリポード軸部22の先端部は、外輪10の れぞれのローラ溝11内に挿入されている。

トリポード軸部22は、楕円断面形状(円形断 面形状を含む)の柱状からなる。詳細には、 1および図3に示すように、トルク伝達領域に おいて、トリポード軸部22のトルク伝達方向 axは、トリポード軸部22の根元側から先端側 に行くに従って、僅かに大きくなっている。 すなわち、トリポード軸部22の先端部のトル 伝達方向幅a2は、トリポード軸部22の根元部 のトルク伝達方向幅a1より僅かに大きく形成 れている。そして、トルク伝達方向幅a1は 後述する内ローラ32の内径より僅かに大きく なっている(10μm程度)。つまり、トリポード 部22とローラ30との組付けは、圧入によって われる。

また、図2及び図3に示すように、トルク伝 領域において、トリポード軸部22のシャフ 軸方向幅bxは、トリポード軸部22の根元側か 先端側に行くに従って、小さく形成されて る。すなわち、トリポード軸部22の先端部 シャフト軸方向幅b2は、トリポード軸部22の 元部のシャフト軸方向幅b1より小さく形成 れている。そして、トリポード軸部22の先端 部と根元部におけるトルク伝達方向幅の差(d1 =a2-a1)は、トリポード軸部22の先端部と根元部 におけるシャフト軸方向幅の差(d2=b1-b2)より 小さくなっている(d1<d2)。

また、本実施形態においては、トルク伝達 方向幅a1に比べて、シャフト軸方向幅b1が若 大きくなっている(a1<b1)。つまり、図3に示 すように、トリポード軸部22の根元部の軸直 断面形状は、短径(a1)と長径(b1)を有する楕 状となっている。ただし、当該形状が、a1> ;b1の楕円、または、a1=b1の円であってもよい

なお、トルク伝達領域とは、図2に示す領 であって、トリポード軸部22の外周面のうち トルク伝達に寄与する部位が含まれるトリポ ード軸部22の軸方向領域である。トルク伝達 寄与する部位とは、トリポード軸部22とロ ラ30との間でトルク伝達が行われる際に、ト リポード軸部22のうちローラ30の内ローラ32に 接触し得る部位である。このトルク伝達に寄 与する部位は、図1において、トリポード軸 22の左右端側である。

トリポード軸部22の形状について、図4およ び図5を参照してさらに詳細に説明する。な 、図4において、A-A線とB-B線の間隔と、B-B線 C-C線の間隔とは等しい。図5に示すように、 A-A断面図におけるトルク伝達方向幅をa3、シ フト軸方向幅をb3とし、B-B断面図における ルク伝達方向幅をa4、シャフト軸方向幅をb4 し、C-C断面図におけるトルク伝達方向幅をa 5、シャフト軸方向幅をb5とする。

 図5に示すように、各幅の大小関係は、a1& lt;a5<a4<a3<a2、および、b1>b5>b4>b3&g t;b2となっている。さらに、a3とa4の差(a3-a4)と 、a4とa5の差(a4-a5)とは若干異なり、後者のほ が若干大きい。また、b3とb4の差(b4-b3)と、b4 とb5の差(b5-b4)とは異なり、前者のほうが大き い。つまり、トルク伝達方向幅axおよびシャ ト軸方向幅bxの軸方向における変化量は、 定(一次関数)になっていない。

そして、図1に示すように、シャフト軸方 から見たトルク伝達領域におけるトリポー 軸部22の外周形状は、緩やかな曲線からなり 、トリポード軸部の軸心に対し外方に膨らむ 曲線となっている。また、図2に示すように トルク伝達方向から見たトルク伝達領域に けるトリポード軸部22の外周形状は、緩やか な曲線からなり、トリポード軸部の軸心に対 し外方に膨らむ曲線となっている。これらの 形状は、トリポード軸部22の断面係数を大き し、トリポード軸部22の強度向上に寄与し いる。

 ローラ30は、全体形状として、環状から る。ローラ30は、トリポード軸部22の外周側 、トリポード軸回りに回転可能に、且つ、 リポード軸方向に摺動可能に、軸支されて る。さらに、ローラ30は、トリポード軸部22 に対して揺動可能である。さらに、ローラ30 、ローラ溝11に転動可能に嵌挿されている このローラ30は、外ローラ31と、内ローラ32 、ニードルローラ33と、止め輪34、35とから 成される。

外ローラ31は、円筒状に形成されている。 の外ローラ31の外周面は、ローラ溝11に対応 する形状、すなわちローラ溝11を反転した形 からなる。つまり、外ローラ31の外周面は 弧凸状に形成されている。そして、外ロー 31は、その軸心がローラ溝11の延伸方向に直 するように、ローラ溝11に嵌挿されている また、外ローラ31の内周面は、円筒状、すな わち、外ローラ31の軸方向に亘ってほぼ同径 形成されている。ただし、外ローラ31の内 面の両開口側には、全周に亘って止め輪溝31 a、31bが形成されている。

 内ローラ32は、円筒状に形成されている 内ローラ32の軸方向長さは、外ローラ31に形 された止め輪溝31a、31b間の離間距離に相当 る。この内ローラ32の軸方向長さは、トリ ード軸部22のトルク伝達領域の長さよりも僅 かに小さい。

内ローラ32の外周面は、円筒状、すなわち 内ローラ32の軸方向全体に亘って同径に形 されている。この内ローラ32の外径は、外ロ ーラ31の内径より小さな外径に形成されてい 。そして、内ローラ32は、外ローラ31の径方 向内方に離隔して配置されている。この内ロ ーラ32と外ローラ31との隙間には、全周に亘 て、複数のニードルローラ33が配置されてい る。そして、このニードルローラ33を介する とで、内ローラ32は、外ローラ31に対して相 対回転可能とされている。さらに、内ローラ 32は、外ローラ31に対して、径方向内方に同 的に配置されている。

内ローラ32の内周面は、円筒状、すなわち 内ローラ32の軸方向全体に亘って同径に形 されている。この内ローラ32の内径は、トリ ポード軸部22の根元部の長径(b1)より僅かに大 きく、先端部のトルク伝達方向幅(a2)より僅 に小さくなっている。そして、トリポード 部22の当該先端部(トルク伝達方向幅がa2)が ローラ32の外方(図1の上側)に位置している。

ここで、トリポード軸部22のシャフト軸方 幅bxは、根元側から先端側に行くに従って さく形成されている。従って、内ローラ32が トリポード軸部22の根元部に位置する場合に 、トルク伝達方向視(図2)において、ローラ3 0はトリポード軸部22に対してほとんど揺動で きない。これに対して、内ローラ32がトリポ ド軸部22の先端部に位置する場合には、ト ク伝達方向視(図2)において、ローラ30はトリ ポード軸部22に対して大きく揺動できる。つ り、許容されるピッチング角は、トリポー 軸部22に対する内ローラ32の位置が根元側か ら先端側に行くに従って、大きくなる。

一方、トリポード軸部22のトルク伝達方向 axは、根元側から先端側に行くに従って僅 に大きく形成されている。これにより、シ フト軸方向視(図1)において、ローラ30はトリ ポード軸部22に対して僅かに揺動可能となる なお、上記のように、トルク伝達方向幅の d1がシャフト軸方向幅の差d2よりも小さい(d1 <d2)ため、ローリング角はピッチング角よ 小さくなっている。つまり、必要なローリ グ角が許容されている。

止め輪34、35は、切り込み部分が形成され C字型状からなる。つまり、止め輪34、35は、 縮径可能な形状からなる。これらの止め輪34 35は、外ローラ31の止め輪溝31a、31bにそれぞ れ嵌め込まれる。そして、止め輪34、35は、 ローラ32およびニードルローラ33に対して、 ーラ30の軸心方向に係合するようにされて る。つまり、止め輪34、35は、内ローラ32お びニードルローラ33が、外ローラ31に対して 軸方向に相対的に移動することを規制して る。

なお、上記においては、ローラ30の内ロー 32は、円筒状としたが、内ローラ32の内周面 又は外周面は、球面状からなるようにしても よいし、ローラ30軸直交方向(径方向外側又は 径方向内側)にくぼみ、又は、ふくらみを有 るものでもよい。また、上記において、外 ーラ31についても、円筒状としたが、外ロー ラ31の外周面又は内周面は、球面状からなる うにしてもよいし、ローラ30軸直交方向(径 向外側又は径方向内側)にくぼみ、又は、ふ くらみを有するものでもよい。

次に、上述したトリポード型等速ジョイン トの動作について説明する。まず、ジョイン ト角が0度の場合、すなわち、シャフト軸と 輪10軸とが一致している場合には、ローラ30 トリポード軸部22の根元側に位置する。こ とき、ローラ30がローラ溝11に沿って滑らか 転動するためには、ローラ30のローラ回転 とトリポード軸部22のトリポード軸とが一致 しているとよい。そして、ローラ30がトリポ ド軸部22の根元側に位置するときには、ロ ラ30はトリポード軸部22に対してほとんど揺 せず、ローラ30の回転軸とトリポード軸部22 の軸とがほぼ一致した状態となる。従って、 ジョイント角が0度の場合には、ローラ30は、 ローラ溝11に沿って滑らかに転動することが きる。

一方、ジョイント角が0度でない場合、す わち、シャフト軸と外輪10軸とが傾斜してい る場合には、ローラ30は、トリポード軸部22 根元部と先端部との間を往復移動する。そ て、ジョイント角が0度でない場合において ローラ30がトリポード軸部22の根元部に位置 する場合に、ローラ30がローラ溝11に沿って らかに転動するためには、ローラ30の回転軸 とトリポード軸部22の軸とが一致していると い。そして、ローラ30がトリポード軸部22の 根元部に位置するときには、ローラ30はトリ ード軸部22に対してほとんど揺動せず、ロ ラ30のローラ回転軸とトリポード軸部22のト ポード軸とがほぼ一致した状態となる。

また、ジョイント角が0度でない場合にお て、ローラ30がトリポード軸部22の先端部に 置する場合に、ローラ30がローラ溝11に沿っ て滑らかに転動するためには、トルク伝達方 向視(図2)においてローラ30がトリポード軸部2 2に対して傾斜しているとよい。そして、ロ ラ30がトリポード軸部22の先端部に位置する きには、ローラ30は、ローラ溝11に沿うよう にトリポード軸部22に対して揺動する。これ 、ローラ30がトリポード軸部22に対して大き く揺動可能(すなわち、許容ピッチング角が きい)であるためである。従って、ジョイン 角が0度でない場合にも、ローラ30は、ロー 溝11に沿って滑らかに転動することができ 。

また、トリポード20の偏心に対しては、シ フト軸方向視(図1)において、ローラ30がト ポード軸部22に対して僅かに傾斜できればよ い。そして、本実施形態では、シャフト軸方 向視(図1)において、ローラ30とトリポード軸 22の根元側との間にローリング角を許容す 隙間が設けられるため、ローラ30が僅かに揺 動可能となっている。従って、トリポード20 偏心に対しても、ローラ30は、ローラ溝11に 沿って滑らかに転動することができる。

さらに、シャフト軸方向視(図1)で、トリポ ード軸部22のトルク伝達領域における外周形 がトリポード軸部の軸心に対し外方に膨ら 曲線であるため、ローリング角をよりスム ズにとることができ、且つ、トルク伝達時 おけるガタを軽減させることができる。

以上より、等速ジョイント1は、誘起スラ ト力の低減に必要なピッチング角およびロ リング角を許容する形状となっている。つ り、等速ジョイント1によれば、誘起スラス 力を低減させることができる。さらに、図1 ~図3に示すように、トリポード軸部22の根元 がくびれ形状となっておらず、特許文献1に 載されているようなトリポード軸部の根元 くびれ形状を有するものに比べて、トリポ ド軸部22の根元部の断面係数を大きくする とができる。また、トルク伝達方向幅の差d1 がシャフト軸方向幅の差d2よりも小さい(d1< d2)ため、トリポード軸部22の根元部の断面係 はさらに大きくなる。この結果、トリポー 軸部22の強度を高めることができるので、 速ジョイント1の小型化が可能となる。

また、トリポード軸部22のトルク伝達方向 の最大幅(a1)が内ローラ32の内径よりも大き ため、ローラ30がトリポード軸部22から抜け 出ることを防止することができる。例えば、 組付け工程時や搬送時等においても、ローラ 30の脱落が防止される。これにより、組付け 業等の作業性を向上させることができる。

なお、トリポード軸部22の根元部の軸直行 面形状が、b1を短径、a1を長径とする楕円で あってもよい(図3参照)。また、当該形状が、 a1=b1の円であってもよい。これらの場合であ ても、上記同様の効果を奏する。

また、シャフト軸方向視(図1)またはトルク伝 達方向視(図2)において、トリポード軸部22の ルク伝達領域における外周形状は、直線で ってもよい。この場合、トリポード軸部22 加工が容易となり、生産性を向上させるこ ができる。
 




 
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