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Patent Searching and Data


Title:
SMOKING FILTER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/093736
Kind Code:
A1
Abstract:
A smoking filter that is high in the performance of removing unfavorable particulate phase components from tobacco smoke, producing mild fragrance smoking taste. The smoking filter is characterized by having a filtering material of 99% or below nicotine filtration rate at ordinary temperature and means for heating the filtering material.

Inventors:
INAGAKI MICHIHIRO (JP)
MOTODAMARI TETSUYA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/051417
Publication Date:
August 07, 2008
Filing Date:
January 30, 2008
Export Citation:
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Assignee:
JAPAN TOBACCO INC (JP)
INAGAKI MICHIHIRO (JP)
MOTODAMARI TETSUYA (JP)
International Classes:
A24D3/04; A24D3/14; A24F13/06
Domestic Patent References:
WO2004021810A12004-03-18
Foreign References:
JPS5948989B21984-11-30
JPH04262773A1992-09-18
Attorney, Agent or Firm:
SUZUYE, Takehiko et al. (1-12-9Toranomon, Minato-ku, Tokyo 01, JP)
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Claims:
 常温でのニコチンろ過率が99%以下であるろ過材と、前記ろ過材を加熱する加熱手段とを有することを特徴とする喫煙用フィルター。
 前記ろ過材の常温でのニコチンろ過率が70~99%であることを特徴とする請求項1に記載の喫煙用フィルター。
 前記ろ過材に有機酸を添着したことを特徴とする請求項1に記載の喫煙用フィルター。
 前記ろ過材よりも下流の煙流路に希釈空気を導入するための開孔を設けたことを特徴とする請求項1に記載の喫煙用フィルター。
 前記ろ過材よりも下流に、非加熱のシガレットフィルターを設けたことを特徴とする請求項1に記載の喫煙用フィルター。
 前記シガレットフィルターに有機酸を添着したことを特徴とする請求項5に記載の喫煙用フィルター。
Description:
喫煙用フィルター

 本発明は喫煙用フィルターに関する。

 従来、たばこ煙中の有害物質を除去する めに、フィルターに各種の吸着剤や改質剤 添加することが提案されている。しかし、 沸点粒子相成分(例えばベンツピレンなど) 粒子と同じ挙動をするため、従来のフィル ーでは高沸点粒子相成分を選択的に除去す ことが難しいという問題があった。

 これに対して、粒子をほぼ100%ろ過できるろ 過材と、ろ過材を加熱する手段とを備えた喫 煙用フィルターが提案されている(特許文献1) 。しかし、この喫煙用フィルターを用いて加 熱ろ過した後のたばこ煙を喫煙すると、刺激 感が強くなりすぎる傾向があることがわかっ てきた。

国際公開WO2004/021810

 本発明の目的は、たばこ煙中の好ましく い粒子相成分の除去性能が高く、かつ香喫 をマイルドにできる喫煙用フィルターを提 することにある。

 本発明の一態様に係る喫煙用フィルター 、常温でのニコチンろ過率が99%以下である 過材と、前記ろ過材を加熱する加熱手段と 有することを特徴とする。

 加熱手段としては、ヒーターや、化学反 熱などを利用する手段が挙げられる。加熱 段は、フィルターを100~200℃程度に加熱する ことが望ましい。

 本発明においては、前記ろ過材の常温で ニコチンろ過率が70~99%であることが好まし 。また、前記ろ過材に有機酸を添着しても い。有機酸としては、ステアリン酸、クエ 酸、酒石酸、パルミチン酸、フマル酸、コ ク酸、オレイン酸、乳酸、レブリン酸など 挙げられる。また、前記ろ過材よりも下流 煙流路に希釈空気を導入するための開孔を けてもよい。

 本発明においては、前記ろ過材よりも下 に、非加熱のシガレットフィルターを設け もよい。シガレットフィルターとしては、 セテートフィルター、ペーパーフィルター ネオフィルターなどが挙げられる。また、 記シガレットフィルターに有機酸を添着し もよい。

 本発明の喫煙用フィルターによれば、喫 時に加熱されるろ過材の常温でのニコチン 過率を99%以下としたことにより、たばこ煙 の好ましくない粒子相成分の除去性能が高 、かつ香喫味をマイルドできる。

図1は本発明の一実施例に係る喫煙フィ ルターを一部断面で示す構成図である。 図2はろ過材の種類およびEnicの値と、 ンツピレンのろ過率との関係を示す図であ 。 図3はろ過材の種類およびEnicの値と、 激感との関係を示す図である。 図4はろ過材に添加された酸の種類と、 刺激感との関係を示す図である。 図5はろ過材へのパルミチン酸の添加量 と、刺激感との関係を示す図である。 図6はろ過材の種類およびVfの値と、刺 感との関係を示す図である。 図7はアセテートフィルターの有無によ る刺激感の違いを示す図である。

 以下、本発明をより詳細に説明する。 
 まず、本発明において用いられる、喫煙時 加熱されるろ過材の常温でのニコチンろ過 (以下、簡単のためにEnicと記載する場合が る)について説明する。Enicは、シガレットを ISO条件下で燃焼させ、生成する煙をろ過材に 流通させたときに、ニコチンが低減する割合 を表す数値である。ろ過材は通常のTN(タール ・ニコチン)分析で用いられるホルダーなど 装填され、シガレットと接続して実験に使 する。この実験では、ろ過材に熱を加えな 。

 Enicは、以下のような方法で求めることが できる。たとえば、ろ過材に捕集されたニコ チン量とろ過材から流出するニコチン量とを 通常の方法で分析し、両者のニコチン量から ろ過材で捕集されたニコチン量の割合を算出 してEnicとする(直接法)。ろ過材から流出する ニコチン量は、通常のTN分析で使用されるケ ブリッジフィルターによる捕集分析法など よって評価することができる。

 また、Enicは、別の方法で求めることもで きる。すなわち、ろ過材を設けていないシガ レットからのニコチン流出量と、シガレット の下流にろ過材を設けたときのろ過材からの ニコチン流出量をそれぞれ分析し、両者のニ コチン流出量からろ過材により捕集されたニ コチン量の割合を算出してEnicとしてもよい( 接法)。

 本発明に係る喫煙用フィルターでは、喫 時にろ過材を加熱手段によって加熱する。 して、ろ過材の常温でのニコチンろ過率が9 9%以下であれば、たばこ煙中の好ましくない 子相成分(たとえばベンツピレン)の除去性 を保持したまま、加熱ろ過材から流出する ばこ煙の香喫味をマイルドにできることを 出した。

 実施例
 以下の実施例においては、シガレットとし 市販のマイルドセブンスーパーライトを用 、直接法でEnicを評価した。なお、市販され ているシガレットであれば、シガレットの種 類によってEnicが変化することはほとんどな 。また、測定法が直接法であっても間接法 あっても、Enicにほとんど差は見られない。

 図1は本発明の一実施例に係る喫煙フィル ターを示す断面図である。図1において、煙 路を形成する紙管1の途中にろ過材2が配置さ れている。ろ過材2の位置に対応する紙管1の 囲には加熱手段としてのヒーター3が設けら れ、ヒーター3の周囲は断熱材4で覆われてい 。紙管1の一端部(図1の右側)は吸口部となっ ており、シガレットフィルター5が装着され いる。紙管1のろ過材2よりも下流でシガレッ トフィルター5よりも上流の位置には、煙流 への希釈空気導入孔6が設けられている。紙 1の他端部(図1の左側)にはシガレット10が挿 される。

 なお、ろ過材2を保持するための紙管1の うな支持部材、ヒーター3および断熱材4の形 態および配置は図1に示したものに限らず、 々の変形が考えられる。また、シガレット ィルター5および希釈空気導入孔6は必ずしも 設ける必要はない。ろ過材2またはシガレッ フィルター5には、必要に応じて、有機酸を 加してもよい。さらに、ろ過材2はシガレッ ト10中に組み込んでもよい。

 本発明に係る喫煙フィルターを用いた以 のような評価を行った。

 (1)種々のEnicを有するろ過材による、喫煙時 の刺激感の評価
 図2は、ろ過材の種類およびEnicの値と、刺 感との関係を示す図である。刺激感は、喫 フィルターを用いて社内パネル10名が実際の 喫煙時に感じた刺激感を10段階評価した数値 平均値として算出した(以下においても同じ )。

 使用したろ過材は以下のとおりである。 
 GA200:Advantec社製ガラス繊維ろ紙GA200、
 CP-9、CP-6:近藤工業株式会社製のCPフィルタ に使用されているろ過材、
 SUS10、SUS5:富士フィルター工業株式会社製の フジ・メタルファイバーの10ミクロンタイプ よび5ミクロンタイプ。

 試験は、ヒーターによるろ過材の加熱温 を175℃、希釈空気の流入割合を0%、ろ過材 の添加物なし、シガレットフィルターへの 加物なしの条件で行った。図2から、以下の とがわかる。すなわち、ろ過材としてEnicが 100%であるGA200を用いた場合には刺激感が強い 。ところが、ろ過材のEnicが99%以下になると 激感が顕著に低減し、Enicが低くなるに伴っ 刺激感も低減することがわかる。

 (2)粒子相成分のろ過率
 図3は、ろ過材の種類およびEnicの値と、粒 相成分であるベンツピレン(BaP)のろ過率との 関係を示す図である。実験は、図2の場合と じ条件で行った。図3から、本実験の範囲内 は、BaPの60%以上がろ過されている。特に、E nicが70~99%であるろ過材を用いた場合には、BaP の75%以上がろ過されている。

 図2および図3の結果から、本発明に係る 煙フィルターを用いれば、刺激感を抑制す とともに、好ましくない成分を大幅に低減 きることがわかる。

 (3)種々の酸を添加したろ過材による、喫煙 の刺激感の評価
 図4および表1に、種々の酸を添加したろ過 を用い、喫煙時の刺激感を評価した結果を す。図4は、ろ過材に添加された酸の種類と 刺激感との関係を示す図である。表1には、 酸をろ過材に添加するための条件も示してい る。ろ過材としてはCP-9を用いた。

 表1に示した条件を説明する。常温で固体 の酸は水またはエタノールに溶解して、酸濃 度が1wt%である溶液を調製した。酸の原液ま は溶液を、表1の添加方法の欄に示す方法で 過材に添加した。添加方法の説明は以下の おりである。「シリンジ」と表記した方法 は、ハミルトン製マイクロシリンジを用い 必要量の酸の原液または溶液を分取し、ろ 材の中心部に添加した。「アトマイザー」 表記した方法では、TSI社製アトマイザー(mod el9302)を用いて酸の原液または溶液の微粒子 噴霧し、所定時間かけてろ過材に添加した 添加後、温度22℃、湿度60%の部屋内で十分調 和させた。

 試験は、ヒーターによるろ過材の加熱温 を175℃、希釈空気の流入割合を0%、シガレ トフィルターへの添加物なしの条件で行っ 。

 図4および表1の結果から、酸の種類に応じ ある程度の差が見られるものの、ろ過材に ずれの酸を添加した場合でも、無添加の場 と比較して、刺激感が緩和されていること わかる。

 (4)ろ過材へのパルミチン酸の添加量による 喫煙時の刺激感の評価
 図5は、ろ過材へのパルミチン酸の添加量と 、刺激感との関係を示す図である。パルミチ ン酸溶液の調製方法およびろ過材へのパルミ チン酸の添加方法は表1に示したとおりであ 。

 図5から、パルミチン酸の添加量の増加に 伴い、刺激感が緩和されることが認められる 。ただし、ろ過材にパルミチン酸を5mg以上添 加しても、刺激感を緩和する効果はほとんど 変化しないことがわかる。

 (4)希釈空気の導入による、喫煙時の刺激感 評価
 図6は、ろ過材の種類およびVfの値と、刺激 との関係を示す図である。Vfの値は、吸煙 量に対する希釈空気流入量の割合を示す。 釈空気を導入したことを除いては、図2の場 と同じ条件で実験を行った。

 図6から、いずれのろ過材を装着した喫煙 フィルターでも、希釈空気を導入すると刺激 感を顕著に低減できることがわかる。

 (5)シガレットフィルター(アセテートフィル ター)の使用による、喫煙時の刺激感の評価
 図7は、吸口にアセテートフィルターを装着 していない喫煙フィルター、および吸口に5mm のアセテートフィルターを装着した喫煙フィ ルターによる刺激感の違いを示す図である。 ろ過材にはCP-9を用い、図2の場合と同じ条件 実験を行った。

 図7から、吸口にシガレットフィルターを 装着することにより、刺激感を顕著に低減で きることがわかる。