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Patent Searching and Data


Title:
SOLDER STRUCTURE, METHOD FOR FORMING SOLDER STRUCTURE, SEMICONDUCTOR MODULE COMPRISING SOLDER STRUCTURE, AND PORTABLE DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/122912
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a solder structure which suppresses formation of Sn whiskers in an Sn alloy solder. A method for forming the solder structure is also disclosed. A solder structure (2) is composed of an Sn alloy (4) which can be in a solid-liquid coexisting state, and an Au (or Au alloy) coating film (6) covering at least a part of the surface of the Sn alloy (4). Namely, the Au coating film (6) is a film covering at least a part of the surface of the Sn alloy (4). Preferably, the Au coating film (6) forms a network structure on the surface of the Sn alloy (4). The Au coating film (6) has, for example, a thickness of 1-5 μm.

Inventors:
MIZUHARA HIDEKI (JP)
KOBAYASHI HAJIME (JP)
SHIMIZU TOSHIYA (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/055318
Publication Date:
October 08, 2009
Filing Date:
March 18, 2009
Export Citation:
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Assignee:
SANYO ELECTRIC CO (JP)
MIZUHARA HIDEKI (JP)
KOBAYASHI HAJIME (JP)
SHIMIZU TOSHIYA (JP)
International Classes:
H01L21/60; B23K1/00; B23K31/02; B23K35/26; C22C13/00; C22C13/02; C22C28/00; B23K101/40
Foreign References:
JP2007100148A2007-04-19
JP2003297873A2003-10-17
JP2004342861A2004-12-02
JP2007157795A2007-06-21
JP2006037227A2006-02-09
JP2008021501A2008-01-31
JP2008031550A2008-02-14
JPS63285943A1988-11-22
Attorney, Agent or Firm:
Hiroshi Sumiya (JP)
KADOYA, HIROSHI (JP)
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Claims:
 固液共存状態になりうるSn合金と、
 前記Sn合金の表面の少なくとも一部を覆うAuまたはAu合金被膜と、
 を備えることを特徴とするはんだ構造体。
 前記AuまたはAu合金被膜が網目構造を形成していることを特徴とする請求項1に記載のはんだ構造体。
 配線基板と、
 前記配線基板に搭載された半導体素子と、
 前記配線基板に設けられた電極と、
 前記配線基板に搭載された電子部品と、
 前記電子部品と前記電極とを電気的に接続する請求項1または2に記載のはんだ構造体と、
 を備えることを特徴とする半導体モジュール。
 絶縁層と、
 前記絶縁層の一方の主表面に設けられた配線層と、
 前記配線層と電気的に接続されるとともに、前記配線層から前記絶縁層側に突出した突起電極と、を有する素子搭載用基板と、
 素子電極が設けられた半導体素子と、
 前記素子電極と前記突起電極とを電気的に接続する請求項1または2に記載のはんだ構造体と、
 を備えることを特徴とする半導体モジュール。
 請求項3または4に記載の半導体モジュールを備えることを特徴とする携帯機器。
 Au層の上に固液共存状態になりうるSn合金を載置する工程と、
 前記Sn合金を固相線温度より高く液相線温度より低い温度に加熱し、前記Sn合金を固液共存状態として、前記Au層からAuを固液共存状態の前記Sn合金に溶解させる工程と、
 前記Sn合金を冷却し、Snを結晶成長させるとともに、固化した前記Sn合金の表面の少なくとも一部にAuまたはAu合金被膜を形成する工程と、
 を備えることを特徴とするはんだ構造体の形成方法。
 前記Sn合金の冷却を前記Au層側から進行させることを特徴とする請求項6に記載のはんだ構造体の形成方法。
Description:
はんだ構造体、はんだ構造体の 成方法、はんだ構造体を含む半導体モジュ ル、および携帯機器

 本発明は、Snを含むはんだ構造体に関す 。

 従来、電子部品や半導体素子を基板上の 線に接合するためのろう材、あるいは半導 素子がパッケージ化された半導体モジュー を実装基板に接続するためのろう材としてS n(錫)を含有するはんだ合金が用いられてきた 。半導体モジュールを実装基板に接続する際 に、半導体モジュール内の電子部品や半導体 素子のろう付け部分のろう材が溶融して脱落 しないように、半導体モジュール内のはんだ 合金として、半導体モジュールを実装基板に 接続するためのろう材より溶融温度が高い、 いわゆる高温はんだ(高融点はんだ)が用いら ている。

 また、環境や人体に与える影響を低減する 点から、SnPb合金の使用が敬遠され、Pb(鉛) 含まないPbフリーのSn合金はんだの開発が進 られている。

特開2000-138334号公報

 Sn合金はんだが抱える問題として、Sn合金 はんだから長さ数μmから数mmにおよぶSnのウ スカー(針状単結晶)が発生し、短絡の原因に なることが挙げられる。

 本発明はこうした課題に鑑みてなされた のであり、その目的は、Snのウイスカーの 生が抑制されたSn合金はんだおよびその形成 方法の提供にある。また、本発明の他の目的 は、Sn合金はんだをろう材として用いる半導 モジュールおよび携帯機器の信頼性を向上 せる技術の提供にある。

 本発明のある態様は、はんだ構造体であ 。固液共存状態になりうるSn合金と、Sn合金 の表面の少なくとも一部を覆うAuまたはAu合 被膜とを備えることを特徴とする。

 この態様によれば、Sn合金の表面を被覆 るAuまたはAu合金被膜がバリアとなるため、S nのウイスカーの発生が抑制される。ひいて 、当該はんだ構造体により電子部品等が配 に接合された場合に、短絡が生じることが 制される。

 上記態様において、AuまたはAu合金被膜が 網目構造を形成していてもよい。

 本発明の他の態様は、半導体モジュール ある。当該半導体モジュールは、配線基板 、配線基板に搭載された半導体素子と、配 基板に設けられた電極と、配線基板に搭載 れた電子部品と、電子部品と電極とを電気 に接続する上述の構成のはんだ構造体と、 備えることを特徴とする。

 本発明の他の態様は、半導体モジュールで る。当該半導体モジュールは、絶縁層と、 縁層の一方の主表面に設けられた配線層と 配線層と電気的に接続されるとともに、配 層から絶縁層側に突出した突起電極と、を する素子搭載用基板と、素子電極が設けら た半導体素子と、素子電極と突起電極とを 気的に接続する上述の構成のはんだ構造体
と、を備えることを特徴とする。

 本発明のさらに他の態様は、携帯機器で る。当該携帯機器は、上述したいずれかの 成の半導体モジュールを備えることを特徴 する。

 本発明のさらに他の態様は、はんだ構造 の形成方法である。当該はんだ構造体の形 方法は、Au層の上に固液共存状態になりう Sn合金を載置する工程と、Sn合金を固相線温 より高く液相線温度より低い温度に加熱し Sn合金を固液共存状態として、Au層からAuを 液共存状態のSn合金に溶解させる工程と、Sn 合金を冷却し、Snを結晶成長させるとともに 固化したSn合金の表面の少なくとも一部にAu またはAu合金被膜を形成する工程と、を備え ことを特徴とする。

 この態様において、Sn合金の冷却をAu層側 から進行させてもよい。

 本発明によれば、Sn合金はんだにおいて Snのウイスカーの発生が抑制される。

 以下、本発明の実施の形態を図面を参照 て説明する。なお、すべての図面において 同様な構成要素には同様の符号を付し、適 説明を省略する。

 図1(A)は、実施の形態1に係るはんだ構造 の表面状態を示す模式図である。図1(B)は、 (A)のA-A線に沿った断面図である。はんだ構 体2は、固液共存状態、すなわち固相の状態 と液相の状態とが共存した状態になりうるSn 金4とSn合金4の表面の少なくとも一部を覆う AuまたはAu合金被膜6(以下、「Au被膜6」と表記 するが、Au被膜またはAu合金被膜を意味する )とで構成されている。Au被膜6がSn合金4の表 の少なくとも一部を覆う被膜となっている 望ましい形態として、Au被膜6はSn合金4の表 に網目構造を形成している。Au被膜6の厚さ 、たとえば、1~5μmである。また、Au合金の としては、例えば Au-Sn,Au-Sn-Sb,Au-Sb,Au-Sn-Sb-Ag どが挙げられる。

 Sn合金は、固液共存状態を形成しうる合 であればよく、特に限定されないが、たと ば、Sn-Sb系合金、Sn-Cu系合金、Sn-In系合金、Sn -Ag系合金、Sn-Ag-Cu系合金、Sn-Ag-Bi系合金、Sn-Sb -Ag-Cu系合金が挙げられる。表1に各合金系の 体的な組成と、各組成における固相線の温 、液相線の温度を示す。なお、Sn合金にAuが まれていてもよい。また、Sn合金に適量の ラックスが含まれていてもよい。

 本実施の形態のはんだ構造体2によれば、 Sn合金4の表面を被覆するAu層がバリアとして 役目を果たすことにより、Snのウイスカー 発生が抑制される。

 (はんだ構造体の形成方法)
 実施の形態1に係るはんだ構造体の形成方法 について図2を参照して説明する。

 まず、図2(A)に示すように、Au層8の上にSn 金4を載置する。Au層8は、たとえば、無電解 めっき法または電解めっき法により形成され る。Sn合金4として、上述した表1に記載され いるような、固液共存状態になりうるSn合金 を用いる。

 次に、図2(B)に示すように、Sn合金4および Au層8を固相線温度より高く液相線温度より低 い温度に加熱し、Sn合金4を固液共存状態にす る。このとき、Au層8を構成するAuの一部を固 共存状態のSn合金4に溶解させる。

 次に、図2(C)に示すように、Sn合金4および Au層8を冷却し、Sn合金4に含まれるSnを結晶成 させるとともに、Sn合金4を固化させる。Sn 結晶成長にともなって、固化したSn合金4の 面の少なくとも一部にAu被膜6を形成させる

 以上の工程により、実施の形態1に係るは んだ構造体を形成することができる。なお、 図2(C)で示した冷却過程において、Sn合金の冷 却をAu層8側から進行させることが望ましい。 これによれば、Snの結晶核の成長がAu層8側(下 側)から進行し、Snの結晶核の成長にともない 、固液共存状態のSn合金4に溶解したAuがSn合 4の表面側に押しのけられ、Sn合金4の表面にA u被膜6が形成されやすくなる。

 (実施例)
 実施例に係るはんだ構造体を構成するSn合 として、Sn84.5Sb14Ag1.0Cu0.5(固相線温度:233℃、 相線温度:288℃)を用いた。Au層の上にこのSn 金を載置した状態でリフローを行い、実施 に係るはんだ構造体を形成した。図3は、実 施例に係るはんだ構造体を形成する際に適用 したリフロー温度プロファイルを示す。図3 示すように、約100秒間かけて180℃から230℃ 温度を上昇させた(プレヒート)後、固相線温 度以上に温度を上昇させ、250℃以上の温度を 約40秒間維持させた後、冷却した。250℃以上 温度を維持する際のピーク温度は約275℃で る。

 (比較例)
 比較例に係るはんだ構造体を構成するSn合 として、固液共存状態を有さないSn96.5Ag3Cu0.5 (共晶点:218℃)を用いた。Au層の上にこのSn合 を載置した状態でリフローを行い、比較例 係るはんだ構造体を形成した。図4は、比較 に係るはんだ構造体を形成する際に適用し リフロー温度プロファイルを示す。このリ ロー温度プロファイルは、Sn96.5Ag3Cu0.5のリ ロー用に一般的に用いられている温度プロ ァイルである。図4に示すように、約80秒間 けて180℃から200℃に温度を上昇させた(プレ ート)後、共晶点温度218℃以上に温度を上昇 させ、265℃以上の温度を約50秒間維持させた 、冷却した。265℃以上の温度を維持する際 ピーク温度は約285℃である。なお、冷却方 として、たとえば、基板裏側に冷却された 気を吹きかけて冷却したり、冷却された固 (たとえばステージ)に接触させて冷却させ 方法が挙げられる。このように、比較例に いては、はんだ構造体を構成するSn合金は、 共晶点を有するが固液共存状態を有さないも のであるため、リフロー温度を上昇させるこ とによりSn合金が溶融するものの、その表面 Au被膜もAu合金被膜も析出することはない。

 実施例および比較例に係るはんだ構造体に いて、それぞれEPMA(Electron Probe
 MicroAnalyzer)を用いて元素マッピングを行っ 。

 図5(A)は、実施例に係るはんだ構造体の表 面における反射電子像(BEI)であり、図5(B)~(I) 、実施例に係るはんだ構造体の表面におけ 元素マッピング像である。

 [EPMAにより検出された特性X線]図5(B):Au Mα線 、図5(C):Ag
 Lα線、図5(D):C Kα線、図5(E):Cu Kα線、図5(F): Ni Kα線、図5(G):P Kα線、図5(H):Sb Lα線、図5(I ):Sn Lα線。

 図6(A)は、実施例に係るはんだ構造体の断 面における反射電子像(BEI)であり、図6(B)~(I) 、実施例に係るはんだ構造体の断面におけ 元素マッピング像である。

 [EPMAにより検出された特性X線]図6(B):Au Mα線 、図6(C):Ag
 Lα線、図6(D):C Kα線、図6(E):Cu Kα線、図6(F): Ni Kα線、図6(G):P Kα線、図6(H):Sb Lα線、図6(I ):Sn Lα線。

 また、図7(A)は、比較例に係るはんだ構造 体の表面における反射電子像(BEI)であり、図7 (B)~(H)は、比較例に係るはんだ構造体の表面 おける元素マッピング像である。

 [EPMAにより検出された特性X線]図7(B):Au Mα線 、図7(C):Ag
 Lα線、図7(D):C Kα線、図7(E):Cu Kα線、図7(F): Ni Kα線、図7(G):P Kα線、図7(H):Sn Lα線。

 図8(A)は、比較例に係るはんだ構造体の断 面における反射電子像(BEI)であり、図8(B)~(H) 、比較例に係るはんだ構造体の断面におけ 元素マッピング像である。

 [EPMAにより検出された特性X線]図8(B):Au Mα線 、図8(C):Ag
 Lα線、図8(D):C Kα線、図8(E):Cu Kα線、図8(F): Ni Kα線、図8(G):P Kα線、図8(H):Sn Lα線。

 図5および図6に示すように、実施例に係 はんだ構造体では、Sn合金の表面に網目構造 状(ネットワーク構造状)のAuの被膜が形成さ ていることがわかる。また、Sn合金の内部に おいては、Snが数μm~数十μmの結晶粒を形成し 、Snの結晶粒の隙間部分にAuが偏析している とがわかる。なお、元素分析の結果、Auを含 むSn合金全体に対するAuの含有量は10~20at%であ った。これに対して、図7および図8に示すよ に、比較例に係るはんだ構造体では、Auは にSn合金の内部に存在し、Snの結晶粒の隙間 偏在している。実施例に係るはんだ構造体 は、冷却過程においてSnが核成長しやすく り、固液共存状態のSn合金に溶解したAuがSn 結晶に押しのけられた結果、Sn合金の表面に AuまたはAu合金被膜が形成される。

 (実施の形態2)
 図9は、実施の形態2に係る半導体モジュー の構造を示す断面図である。半導体モジュ ル10は、素子搭載用基板20、半導体素子30お び受動素子40を含む。半導体素子30および受 素子40は、「電子部品」の一例である。

 素子搭載用基板20は、絶縁層22、配線層24 配線層26を含む。図9に示すように、絶縁層2 2の上に配線層24がパターニングされている。 配線層24の所定箇所に電極パッド25a、25bが設 られている。電極パッド25a、25bには、それ れ、金めっき層(電解Au/Niめっき膜)29a、29bが 形成されている。また、絶縁層22および配線 24を覆い、電極パッド25a、25bに対応した開 部を有する絶縁樹脂層35が形成されている。

 絶縁層22の下面側に、所定パターンの配 層26が設けられている。配線層26は、絶縁層2 2を貫通するビア28を介して配線層24と電気的 接続されている。配線層26の下面側の所定 置に金めっき層(電解Au/Niめっき膜)27が形成 れている。さらに、金めっき層27にはんだボ ール50が形成されている。絶縁層22および配 層26の下面側には、はんだボール50が露出す ように、絶縁樹脂層(フォトソルダーレジス ト)52が形成されている。はんだボール50は、 温Pbフリーはんだであり、たとえば、融点 220℃のSnAgCu系の鉛フリーはんだを用いるこ ができる。

 半導体素子30は、IC(集積回路)、LSI(大規模 集積回路)などの能動素子である。半導体素 30は、接着層31を介して、素子搭載用基板20 上面に実装されている。半導体素子30の上面 の周縁部には、電極パッド32が設けられてい 。電極パッド32と電極パッド25bとが金線な のワイヤ33により電気的に接続されている。

 受動素子40として、抵抗、キャパシタな が挙げられる。受動素子40は、はんだ構造体 100を介して、電極パッド25aと電気的に接続さ れている。はんだ構造体100として、実施の形 態1で説明したような、Sn合金の表面にAu被膜 形成された高温はんだ合金を用いる。

 素子搭載用基板20に実装された半導体素 30および受動素子40は、封止樹脂60により封 されている。

 以上説明した半導体モジュール10によれ 、リフローにより、はんだボール50を溶融、 固化させて半導体モジュール10をプリント基 などに実装する場合に、高温はんだである んだ構造体100が固体状態を保ち、溶融しな 。このため、受動素子40の脱落が抑制され 半導体モジュール10の接続信頼性が向上する 。

 また、はんだ構造体100として、実施の形 1で説明した、Sn合金の表面にAu被膜が形成 れた高温はんだ合金が用いられているため Au被膜のバリア効果によりSnのウイスカー発 が抑制される。このため、半導体モジュー 10の接続信頼性が向上する。

 なお、本実施の形態では、半導体素子30 電極パッド25bとワイヤボンディング接続さ ているが、半導体素子30がフリップチップ接 続されていてもよい。この場合には、半導体 素子30をフリップチップ接続するためのろう として、実施の形態1で説明したような、Sn 金の表面にAu被膜が形成された高温はんだ 金を用いればよい。

 (実施の形態3)
 図10は、実施の形態3に係る半導体モジュー の構造を示す断面図である。本実施の形態 半導体モジュール10は、素子搭載用基板210 よびこれに搭載された半導体素子250を含む

 素子搭載用基板210は、絶縁樹脂層212と、 縁樹脂層212の一方の主表面S1に設けられた 線層214と、配線層214と電気的に接続され、 線層214から絶縁樹脂層212側に突出している 起電極216とを備える。

 絶縁樹脂層212は、絶縁性の樹脂からなり たとえば加圧したときに塑性流動を引き起 す材料で形成されている。加圧したときに 性流動を引き起こす材料としては、エポキ 系熱硬化型樹脂が挙げられる。絶縁樹脂層2 12に用いられるエポキシ系熱硬化型樹脂は、 とえば、温度160℃、圧力8MPaの条件下で、粘 度が1kPa・sの特性を有する材料であればよい また、このエポキシ系熱硬化型樹脂は、た えば温度160℃の条件下で、5~15MPaで加圧した 場合に、加圧しない場合と比較して、樹脂の 粘度が約1/8に低下する。これに対して、熱硬 化前のBステージのエポキシ樹脂は、ガラス 移温度Tg以下の条件下では、樹脂を加圧しな い場合と同程度に、粘性がなく、加圧しても 粘性は生じない。また、このエポキシ系熱硬 化型樹脂は、約3~4の誘電率を有する誘電体で ある。

 配線層214は、絶縁樹脂層212の一方の主表 S1に設けられており、導電材料、好ましく 圧延金属、さらには圧延銅により形成され 。あるいは電解銅などで形成してもよい。 線層214には、絶縁樹脂層212側に突起電極216 突設されている。本実施の形態においては 配線層214と突起電極216とは一体的に形成さ ているが、特にこれに限定されない。

 配線層214の絶縁樹脂層212と反対側の主表 には、配線層214の酸化などを防ぐための保 層218が設けられている。保護層218としては ソルダーレジスト層などが挙げられる。保 層218の所定の領域には開口部218aが形成され ており、開口部218aによって配線層214の一部 露出している。開口部218a内には外部接続電 としてのはんだボール50が形成され、はん ボール50と配線層214とが電気的に接続されて いる。はんだボール50を形成する位置、すな ち開口部218aの形成領域は、たとえば再配線 で引き回した先の端部である。はんだボール 50は、低温Pbフリーはんだであり、たとえば 融点が220℃のSnAgCu系の鉛フリーはんだを用 ることができる。

 突起電極216はその全体的な形状が、先端に づくにつれて径が細くなっている。言い換 ると、突起電極216の側面はテーパ状となっ いる。突起電極216の頂部面217にAu層222が設 られている。Au層222として、Ni/Auめっき層が 適
である。

 上述の構成を備えた素子搭載用基板210に 導体素子250が搭載されて半導体モジュール1 0が形成されている。本実施の形態の半導体 ジュール10は、素子搭載用基板210の突起電極 216と、半導体素子250の素子電極252とが電気的 に接続された構造である。

 半導体素子250は、半導体基板251と突起電 216のそれぞれに対向する素子電極252とを有 る。絶縁樹脂層212に接する側の半導体素子2 50の主表面には、素子電極252が露出するよう 開口が設けられた絶縁層253および保護層254 積層されている。素子電極252の表面には、 起電極216と素子電極252とを電気的に接続す はんだ構造体101が設けられている。

 また、半導体基板251の所定箇所にアライ ントマーク257が設けられている。アライメ トマーク257は光学的に視認可能であれば、 実施の形態のように絶縁層253に被覆されて てもよく、別の形態では、絶縁層253および 護層254の開口部に設けられていてもよい。 た、半導体基板251の裏面には、絶縁層256が けられている。

 半導体素子250の具体例としては、集積回 (IC)、大規模集積回路(LSI)などの半導体チッ が挙げられる。絶縁層253の具体例としては エポキシ樹脂膜が挙げられる。保護層254の 体例としては、ポリイミド層が挙げられる また、素子電極252には、たとえばアルミニ ム(Al)が用いられる。絶縁層256の具体例とし ては、エポキシ樹脂膜が挙げられる。

 (半導体モジュールの製造方法)
 ここで、実施の形態3に係る半導体モジュー ルの製造方法について説明する。

 図11(A)~(C)は、半導体素子の形成方法を示 工程断面図である。

 まず、図11(A)に示すように、素子電極の 部を構成する素子電極252が設けられた半導 基板251を用意する。半導体基板251はたとえ 、Si基板であり、集積回路(IC)、大規模集積 路(LSI)などが形成されている。素子電極252は 、たとえばAlをパターニングすることにより 成することができる。また、半導体基板251 所定位置にアライメントマーク257が設けら ている。アライメントマーク257は、たとえ 、素子電極252用のAlをパターニングする際 同時に形成することができる。すなわち、 の場合のアライメントマーク257はAlで形成さ れる。ただし、アライメントマーク257は光学 的に視認できればよく、他の材料または工程 によって形成されてもよい。

 次に、図11(B)に示すように、素子電極252 周囲の半導体基板251の表面を被覆するよう 、フォトレジスト法を用いて絶縁層253およ 保護層254を形成する。絶縁層253として、た えばエポキシ樹脂を用いることができる。 た、保護層254として、たとえばポリイミド 用いることができる。なお、図11(B)に示すよ うな素子電極252、絶縁層253および保護層254が 設けられた半導体基板251を用意しても良い。

 次に、図11(C)に示すように、スクリーン印 法により素子電極252の上にSn合金101を形成す る。Sn合金101は、表1に示した合金から選択さ れる材料を用いる。ここで、Sn合金101の表面 保護層254の表面と同一平面上となるか、あ い
は、Sn合金101の表面が保護層254の表面に対し 凸となるようにSn合金101の厚さを調整する 以上の工程により、半導体素子250が形成さ る。

 図12(A)~(D)は、突起電極の形成方法を示す 程断面図である。

 図12(A)に示すように、図10に示したような 突起電極216の高さと配線層214の厚さとの和よ り少なくとも大きい厚さを有する金属板とし ての銅板213を用意する。銅板213の厚さは、た とえば125μmである。

 次に、図12(B)に示すように、リソグラフ 法により、突起電極216のパターンに合わせ レジスト270を選択的に形成する。具体的に 、ラミネーター装置を用いて銅板213に所定 厚のレジスト膜を貼り付け、突起電極216の ターンを有するフォトマスクを用いて露光 た後、現像することによって、銅板213の上 レジスト270が選択的に形成される。なお、 ジストとの密着性向上のために、レジスト のラミネート前に、銅板213の表面に研磨、 浄等の前処理を必要に応じて施すことが望 しい。

 次に、図12(C)に示すように、レジスト270 マスクとして、銅板213に所定のパターンの 起電極216を形成する。

 次に、図12(D)に示すように、レジスト270 剥離剤を用いて剥離する。以上説明した工 により、銅板213に突起電極216が形成される 本実施の形態の突起電極216における基底部 径、頂部の径、高さは、たとえばそれぞれ 100~140μmφ、50μmφ、20~25μmである。

 図13(A)~(D)は、突起電極の頂部面に金属層 形成する方法を示す工程断面図である。

 図13(A)に示すように、ラミネート装置を いて、突起電極216が設けられた側の銅板213 表面に耐金レジスト260を積層する。

 次に、図13(B)に示すように、O 2 プラズマエッチングを用いて、突起電極216の 頂部面217が露出するように耐金レジスト260を 薄膜化する。

 次に、図13(C)に示すように、無電解めっ 法を用いて、突起電極216の頂部面217にNi/Au層 からなるAu層222を形成した後、耐金レジスト2 60を除去する。

 次に、図13(D)に示すように、突起電極216 設けられた側と反対側の銅板213の表面をエ チバックすることにより銅板213を薄膜化し 後、レジスト(図示せず)を用いて銅板213の所 定領域をエッチングすることによりアライメ ントマークとなる凹部262を形成する。

 図14(A)~(B)は、突起電極の頭出し方法を示 工程断面図である。

 図14(A)に示すように、真空ラミネート法 用いて、突起電極216が設けられた側の銅板21 3の表面に絶縁樹脂層212を積層する。絶縁樹 層212としては、たとえば、エポキシ系熱硬 型樹脂を用いることができる。

 次に、図14(B)に示すように、O 2 プラズマエッチングを用いて、突起電極216の 頂部面217に設けられたAu層222が露出するよう 絶縁樹脂層212を薄膜化す
る。本実施の形態では、Au層222の表面としてA uが露出する。

 図15(A)~(C)は、半導体素子と突起電極が設 られた基板(素子搭載用基板)との接合方法 示す工程断面図である。

 図15(A)に示すように、アライメント装置 どを用いて、銅板213に設けられた凹部262と 導体基板251に設けられたアライメントマー 257とを位置合わせする。

 次に、図15(B)に示すように、銅板213の中 部分(凹部262が設けられた領域)において、絶 縁樹脂層212と半導体素子250とを仮接着する。

 次に、図15(C)に示すように、半導体素子25 0の裏面に銅箔272付きの絶縁層256を貼り合わ た後、絶縁樹脂層12と半導体素子250と圧着し 、さらにリフローによりAu層222と素子電極252 をろう付する。リフローの温度プロファイ は、上述したSn合金101として用いる合金に よるが、Sn合金101としてSn84.5Sb14Ag1.0Cu0.5を用 た場合には、図3に示したリフロー温度プロ ファイルを用いる。

 リフローにより、Au層222のAuの一部が上述 したSn合金101に拡散し、実施の形態1で説明し たようなSn合金の表面にAu被膜が形成された んだ構造体100が形成される。

 また、半導体素子250の裏面に銅箔72付き 絶縁層56を貼り合わせておくことにより、リ フローの加熱およびその後の冷却によって生 じる銅板213による反りが銅箔272の反りによっ て相殺されるため、全体として反りの発生を 抑制することができる。銅箔272の厚さは、銅 板213の厚さと同等であることが望ましい。

 図16(A)~(B)は、再配線加工を示す工程断面 である。

 図16(A)に示すように、フォトリソグラフ 法およびエッチング法を用いて銅板213を選 的に除去することにより、配線層214(再配線 ともいう)を形成する。

 次に、図16(B)に示すように、配線層214お び絶縁樹脂層212の上に保護層(フォトソルダ レジスト層)218を積層した後、フォトリソグ ラフィ法により保護層218の所定領域(はんだ ール搭載領域)に開口を設け、この開口部分 スクリーン印刷法によりはんだボール50を 載する。

 以上の工程により、実施の形態3に係る半 導体モジュール10を製造することができる。 お、以上の工程をウエハレベルで行う場合 は、ダイシングにより個片化を行う。

 本実施の形態によれば、リフローにより はんだボール50を溶融、固化させてプリン 基板などに半導体モジュール10を実装する場 合に、高温はんだであるはんだ構造体101が固 体状態を保ち、溶融しない。このため、Au層2 22と素子電極252との接続状態が良好に保たれ ひいては、半導体モジュール10の接続信頼 が向上する。

 また、はんだ構造体101として、実施の形 1で説明した、Sn合金の表面にAu被膜が形成 れた高温はんだ合金が用いられているため Au被膜のバリア効果によりSnのウイスカー発 が抑制される。このため、半導体モジュー 10の接続信頼性が向上する。

 (実施の形態4)
 次に、本発明の半導体モジュールを備えた 帯機器について説明する。なお、携帯機器 して携帯電話に搭載する例を示すが、たと ば、個人用携帯情報端末(PDA)、デジタルビ オカメラ(DVC)、及びデジタルスチルカメラ(DS C)といった電子機器であってもよい。

 図17は本発明の実施の形態に係る半導体 ジュール10を備えた携帯電話の構成を示す図 である。携帯電話111は、第1の筐体112と第2の 体114が可動部120によって連結される構造に っている。第1の筐体112と第2の筐体114は可 部120を軸として回動可能である。第1の筐体1 12には文字や画像等の情報を表示する表示部1 18やスピーカ部124が設けられている。第2の筐 体114には操作用ボタンなどの操作部122やマイ ク部126が設けられている。なお、本発明の各 実施形態に係る半導体モジュール10はこうし 携帯電話111の内部に搭載されている。

 図18は図17に示した携帯電話の部分断面図 (第1の筐体112の断面図)である。本発明の各実 施形態に係る半導体モジュール10は、はんだ ール50を介してプリント基板128に搭載され こうしたプリント基板128を介して表示部118 どと電気的に接続されている。また、半導 モジュール10の裏面側(はんだボール50とは反 対側の面)には金属基板などの放熱基板116が けられ、たとえば、半導体モジュール10から 発生する熱を第1の筐体112内部に篭もらせる となく、効率的に第1の筐体112の外部に放熱 ることができるようになっている。

 本発明の実施形態に係る半導体モジュー 10によれば、半導体モジュール10のプリント 配線基板への実装信頼性が向上する。そのた め、こうした半導体モジュール10を搭載した 実施形態に係る携帯機器については、その 頼性が向上する。

 本発明は、上述の各実施の形態に限定さ るものではなく、当業者の知識に基づいて 種の設計変更等の変形を加えることも可能 あり、そのような変形が加えられた実施の 態も本発明の範囲に含まれうるものである

図1(A)は、実施の形態1に係るはんだ構 体の表面状態を示す模式図である。図1(B)は 図(A)のA-A線に沿った断面図である。 はんだ構造体の形成方法を示す工程図 ある。 実施例に係るはんだ構造体を形成する に適用したリフロー温度プロファイルを示 。 比較例に係るはんだ構造体を形成する に適用したリフロー温度プロファイルを示 。 図5(A)は、実施例に係るはんだ構造体の 表面における反射電子像(BEI)であり、図5(B)~(I )は、実施例に係るはんだ構造体の表面にお る元素マッピング像である。 図6(A)は、実施例に係るはんだ構造体の 断面における反射電子像(BEI)であり、図6(B)~(I )は、実施例に係るはんだ構造体の断面にお る元素マッピング像である。 図7(A)は、比較例に係るはんだ構造体の 表面における反射電子像(BEI)であり、図7(B)~(H )は、比較例に係るはんだ構造体の表面にお る元素マッピング像である。 図8(A)は、比較例に係るはんだ構造体の 断面における反射電子像(BEI)であり、図8(B)~(H )は、比較例に係るはんだ構造体の断面にお る元素マッピング像である。 実施の形態2に係る半導体モジュールの 構造を示す断面図である。 実施の形態3に係る半導体モジュール 構造を示す断面図である。 半導体素子の形成方法を示す工程断面 図である。 突起電極の形成方法を示す工程断面図 である。 突起電極の頂部面に金属層を形成する 方法を示す工程断面図である。 突起電極の頭出し方法を示す工程断面 図である。 半導体素子と突起電極が設けられた基 板(素子搭載用基板)との接合方法を示す工程 面図である。 再配線加工を示す工程断面図である。 実施の形態に係る半導体モジュールを 備えた携帯電話の構成を示す図である。 図17に示した携帯電話の部分断面図で る。

符号の説明

2 はんだ構造体、4 Sn合金、6 Au被膜、8 Au 層、10 半導体モジュール、20 素子搭載用基 、30 半導体素子、40 受動素子、50 はんだ ール