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Patent Searching and Data


Title:
SPUTTERING APPARATUS, SPUTTERING METHOD AND LIGHT EMITTING ELEMENT MANUFACTURING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/157228
Kind Code:
A1
Abstract:
A sputtering apparatus is provided with a vacuum container (1) which can be in a vacuum state by having air released therefrom; a substrate holder (40), which is arranged inside the vacuum container (1) and provided with holding mechanisms (30, 31) for holding a substrate (8) by making a surface to be treated face downward; a target supporting section (15), which is arranged directly below the substrate holder (40) to face the substrate (8) and supports a target (16); and heating mechanisms (60, 61) for heating at least a part of the surface of a region of the substrate holder (40) exposed to a film forming material generated from the target (16) to the decomposition temperature or the evaporation temperature of the film forming material or more.

Inventors:
ISHIBASHI KEIJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/055409
Publication Date:
December 30, 2009
Filing Date:
March 19, 2009
Export Citation:
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Assignee:
CANON ANELVA CORP (JP)
ISHIBASHI KEIJI (JP)
International Classes:
C23C14/34; C23C14/50; H01L21/203
Foreign References:
JPH0299961U1990-08-09
JPH05275385A1993-10-22
JPH11106916A1999-04-20
JP2007173828A2007-07-05
JPH11172424A1999-06-29
Attorney, Agent or Firm:
OHTSUKA, YASUNORI (JP)
Yasunari Otsuka (JP)
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Claims:
 真空排気することが可能な真空容器と、前記真空容器の内部に配設され、その処理されるべき面を下方へ臨ませて基板を保持する保持機構を備えた基板ホルダと、前記基板ホルダの直下に前記基板に対向させて配置され、ターゲットを支持するターゲット支持部と、を備えたスパッタリング装置であって、
 前記基板ホルダの、前記ターゲットから生成される成膜材料に曝される領域の少なくとも一部の表面温度を前記成膜材料の分解温度または蒸発温度以上に加熱する加熱機構を有することを特徴とするスパッタリング装置。
 前記保持機構は機械的な保持機構を含み、前記加熱機構は前記機械的な保持機構に沿って配設されていることを特徴とする請求項1に記載のスパッタリング装置。
 前記保持機構は機械的な保持機構を含み、前記加熱機構は前記機械的な保持機構に内蔵されていることを特徴とする請求項1に記載のスパッタリング装置。
 前記保持機構は、静電吸着用電極を含むことを特徴とする請求項1に記載のスパッタリング装置。
 前記加熱装置は、前記基板ホルダ及び基板を囲むように配置されていることを特徴とする請求項4に記載のスパッタリング装置。
 前記基板ホルダのホルダ本体は前記ターゲットの表面以上の大きさに形成され、前記加熱機構は前記基板ホルダの表面全体を加熱することを特徴とする請求項4に記載のスパッタリング装置。
 前記基板ホルダに、前記基板の処理されるべき面を加熱する加熱機構と、前記ターゲットから生成される成膜材料に曝される領域の少なくとも一部の表面を加熱する加熱機構と、が内蔵され、各加熱機構は別個に温度制御可能であることを特徴とする請求項4または請求項6に記載のスパッタリング装置。
 前記基板の処理されるべき面を加熱する加熱機構は、前記基板上に成膜される成膜材料の分解温度または蒸発温度未満の温度に加熱し、前記ターゲットから生成される成膜材料に曝される領域の少なくとも一部の表面を加熱する加熱機構は、前記成膜材料の分解温度または蒸発温度以上の温度に加熱することを特徴とする請求項7に記載のスパッタリング装置。
 前記基板の処理されるべき面の加熱温度と、前記ターゲットから生成される成膜材料に曝される領域の少なくとも一部の表面の加熱温度と、を別個に制御可能な制御装置を備えることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のスパッタリング装置。
 前記基板ホルダの前記ターゲットから生成される成膜材料に曝される領域の少なくとも一部の表面に窒化アルミニウムが被覆されていることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のスパッタリング装置。
 前記成膜材料は窒化ガリウムを含むことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のスパッタリング装置。
 その処理されるべき面を下方へ臨ませて基板を基板ホルダに保持する工程と、前記基板ホルダの直下に前記基板に対向させて配置されたターゲット支持部にターゲットを支持する工程と、イオン化された不活性ガスあるいは不活性ガスと窒素ガスを前記ターゲットに衝突させて前記ターゲット物質をスパッタし、前記基板上に成膜する工程と、を含むスパッタリング方法であって、
 前記成膜工程において、前記基板の表面温度は前記基板上に成膜する成膜材料の分解温度または蒸発温度未満に制御され、前記基板ホルダの前記ターゲットから生成される成膜材料に曝される領域の少なくとも一部の表面温度は前記成膜材料の分解温度または蒸発温度以上に制御されることを特徴とするスパッタリング方法。
 前記成膜材料は、窒化ガリウムを含むことを特徴とする請求項12に記載のスパッタリング方法。
 基板上と、前記基板上に配置されたIII族元素の窒化物半導体層とを含む発光素子の製造方法であって、
 その処理されるべき面を下方へ臨ませて基板を基板ホルダに保持する工程と、
 前記基板ホルダの直下に前記基板に対向させて配置されたターゲット支持部にIII族元素を含むターゲットを支持する工程と、
 イオン化された不活性ガスあるいは不活性ガスと窒素ガスを前記ターゲットに衝突させて前記ターゲット物質をスパッタし、前記基板上にIII族元素の窒化物半導体を成膜する工程と、を含み、
 前記成膜工程において、前記基板の表面温度はIII族元素の窒化物半導体の分解温度または蒸発温度未満に制御され、前記基板ホルダの前記ターゲットから生成される成膜材料に曝される領域の少なくとも一部の表面温度はIII族元素の窒化物半導体の分解温度または蒸発温度以上に制御されることを特徴とする発光素子の製造方法。
Description:
スパッタリング装置、スパッタ ング方法及び発光素子の製造方法

 本発明は、ターゲット物質をスパッタし 基板上に成膜するスパッタリング装置及び パッタリング方法、並びに、前記スパッタ ング装置を使用する発光素子の製造方法に する。詳しくは、基板の処理されるべき面 下方に臨ませて基板を保持する基板ホルダ 備えたフェイスダウン型のスパッタリング 置及びスパッタリング方法、並びに、前記 ェイスダウン型のスパッタリング装置を使 する発光素子の製造方法に関する。

 スパッタリング装置は、基板とターゲッ との配置関係から、フェイスアップ型とフ イスダウン型とに大別される。

 フェイスアップ型のスパッタリング装置 、真空容器内の下部に基板ホルダを備え、 板ホルダに基板をその処理されるべき面を 直方向上方へ臨ませて保持し、基板ホルダ 直上に基板に対向させてターゲット支持部 配置し、ターゲット支持部の下面にターゲ トを支持している。

 他方、フェイスダウン型のスパッタリン 装置は、真空容器内の上部に基板ホルダを え、基板ホルダに基板をその処理されるべ 面を鉛直方向下方へ臨ませて保持し、基板 ルダの直下に基板に対向させてターゲット 持部を配置し、ターゲット支持部の上面に ーゲットを支持している(特許文献1参照)。 のフェイスダウン型のスパッタリング装置 、フェイスアップ型のスパッタリング装置 比較して、基板の処理されるべき面に付着 るパーティクルが少ない等の利点がある。

 しかし、フェイスダウン型のスパッタリ グ装置では、基板ホルダに基板を設置する 合に、基板あるいは基板を搭載したトレイ 重力で落下しないように、基板ホルダの下 (設置面)に基板を固定または保持する必要 ある。基板の保持構造には、基板あるいは 板を搭載したトレイの周辺部の全周をプレ トで押さえて固定または保持する機構や、 板等の周辺部の2点以上の任意の箇所をチャ クピンで押さえて固定する機構等が一般に いられる。その他、基板ホルダの基板を保 する側に静電吸着用電極を配設し、静電吸 により基板を保持する構造が採用されてい 。

 特に、ターゲットとしてガリウム(Ga)を用い た窒素(N 2 )リアクティブスパッタリング法による窒化 リウム(GaN)の成膜では、Gaの融点が低い。し がって、Gaを固体のままでターゲットとし 使用することが困難であり、液体ターゲッ として収容しなければならないため、フェ スダウン型のスパッタリング装置を用いて 膜を行う必要がある。この場合、チャック レートあるいはチャックピンを用いて、基 あるいは基板を搭載したトレイを基板ホル の下面に保持した状態で、スパッタリング 膜が行われている。

 ところで、従来のスパッタリング装置で 、成膜にともないチャックプレートやチャ クピンにも成膜材料が付着する。この付着 た膜は、厚みが増加するにつれて膜自身の 力が増大して剥離し、下方に位置するター ット上に落下して、異常放電を誘発する。

 異常放電が発生すると、基板上に成膜され 膜の品質が低下するため成膜工程が維持で なくなる。そのため、付着膜が剥離する前 チャックプレートやチャックピンを交換す 等のメンテナンスを行う必要があった。こ 交換作業は、基板上への積算膜厚が数μm程 になる毎に頻繁に行う必要があり、生産性 低下させる要因となっていた。

特開2003-13219号公報

 本発明は、基板ホルダの、基板が存在せ 、ターゲットから生成される成膜材料に曝 れる領域の少なくとも一部の表面に成膜材 が付着するのを防止することができ、基板 に成膜される膜の品質及び生産性を向上さ ることができるスパッタリング装置、スパ タリング方法、及び、発光素子の製造方法 提供することを目的とする。

 本発明の第1の側面は、真空排気すること が可能な真空容器と、前記真空容器の内部に 配設され、その処理されるべき面を下方へ臨 ませて基板を保持する保持機構を備えた基板 ホルダと、前記基板ホルダの直下に前記基板 に対向させて配置され、ターゲットを支持す るターゲット支持部と、を備えたスパッタリ ング装置であって、前記基板ホルダの、前記 ターゲットから生成される成膜材料に曝され る領域の少なくとも一部の表面温度を前記成 膜材料の分解温度または蒸発温度以上に加熱 する加熱機構を有することを特徴とする。

 本発明の第2の側面は、その処理されるべ き面を下方へ臨ませて基板を基板ホルダに保 持する工程と、前記基板ホルダの直下に前記 基板に対向させて配置されたターゲット支持 部にターゲットを支持する工程と、イオン化 された不活性ガスあるいは不活性ガスと窒素 ガスを前記ターゲットに衝突させて前記ター ゲット物質をスパッタし、前記基板上に成膜 する工程と、を含むスパッタリング方法であ って、前記成膜工程において、前記基板の表 面温度は前記基板上に成膜する成膜材料の分 解温度または蒸発温度未満に制御され、前記 基板ホルダの前記ターゲットから生成される 成膜材料に曝される領域の少なくとも一部の 表面温度は前記成膜材料の分解温度または蒸 発温度以上に制御されることを特徴とする。

 本発明の第3の側面は、基板と、前記基板 上に配置されたIII族元素の窒化物半導体層と を含む発光素子の製造方法であって、その処 理されるべき面を下方へ臨ませて基板を基板 ホルダに保持する工程と、前記基板ホルダの 直下に前記基板に対向させて配置されたター ゲット支持部にIII族元素を含むターゲットを 支持する工程と、イオン化された不活性ガス あるいは不活性ガスと窒素ガスを前記ターゲ ットに衝突させて前記ターゲット物質をスパ ッタし、前記基板上にIII族元素の窒化物半導 体を成膜する工程と、を含み、前記成膜工程 において、前記基板の表面温度はIII族元素の 窒化物半導体の分解温度または蒸発温度未満 に制御され、前記基板ホルダの前記ターゲッ トから生成される成膜材料に曝される領域の 少なくとも一部の表面温度はIII族元素の窒化 物半導体の分解温度または蒸発温度以上に制 御されることを特徴とする。

 本発明によれば、基板ホルダの、基板が 在せず、ターゲットから生成される成膜材 に曝される領域の少なくとも一部の表面温 を基板上に成膜する成膜材料の分解温度ま は蒸発温度以上に加熱するので、基板ホル の基板が存在しない領域の表面に成膜材料 付着するのを防止することができる。した って、基板上に成膜される膜の品質を向上 せることができ、メンテナンスの頻度が減 するので、生産性を向上させることができ 。

 添付図面は明細書に含まれ、その一部を構 し、本発明の実施の形態を示し、その記述 共に本発明の原理を説明するために用いら る。
本発明に係るフェイスダウン型スパッ リング装置の第1の実施形態の構成を示す模 式図である。 チャックプレートを下方から見た模式 である。 第2の実施形態のフェイスダウン型スパ ッタリング装置の構成を示す模式図である。 第3の実施形態のフェイスダウン型スパ ッタリング装置の構成を示す模式図である。 第4の実施形態のフェイスダウン型スパ ッタリング装置の構成を示す模式図である。 第5の実施形態のフェイスダウン型スパ ッタリング装置の構成を示す模式図である。 第6の実施形態のフェイスダウン型スパ ッタリング装置の構成を示す模式図である。 チャックピンを下方から見た模式図で る。 発光素子の一例を示す模式図である。

 以下、本発明の実施形態について詳細に 明する。ただし、この実施形態に記載され いる構成要素はあくまで例示であり、本発 の技術的範囲は、請求の範囲によって確定 れるのであって、以下の個別の実施形態に って限定されるわけではない。

 〔第1の実施形態〕
 図1は、本発明に係るフェイスダウン型スパ ッタリング装置の第1の実施形態の構成を示 模式図である。

 図1に示すように、第1の実施形態のスパッ リング装置は、処理室として真空排気する とが可能な真空容器(チャンバ)1を備えてい 。この真空容器1には、不図示のコンダクタ スバルブを介して排気ポンプ等を備えた排 系2が接続されている。また、真空容器1に 、スパッタリングガスの導入手段として、 スフローコントローラ等の自動流量制御器( 図示)を介して、ガスボンベ等のガス導入系 3が接続され、このガス導入系3からスパッタ ングガスが所定の流量で導入される。本実 形態では、スパッタリングガスとして、例 ば、アルゴン(Ar)、や窒素(N 2 )、あるいはこれらの混合ガス等を使用する

 本実施形態のスパッタリング装置は、所 フェイスダウン型のマグネトロンスパッタ ング装置であって、真空容器1の上部に基板 8を保持する基板ホルダ40を配置し、その直下 にカソード電極10及びターゲット16を配置し いる。

 基板ホルダ40は、ターゲット16の直上に位 置し、ターゲット16と互いに対向するように 設されている。基板ホルダ40は、例えば、 板8を保持する円板状の保持機構を備えてい 。基板ホルダ40は、その基板を保持する面 鉛直方向下方へ臨ませて配設されている。 ち、基板ホルダ40は、保持機構により基板ホ ルダ40の下面(表面)にその処理すべき面を鉛 方向下方へ臨ませて基板8を保持する。

 基板8としては、例えば、半導体ウエハが 挙げられ、基板のみの状態もしくはトレイに 搭載された状態で、基板ホルダ40に保持され 。

 本実施形態の基板ホルダ40は、基板ホル 40の下面に基板8を保持するために、基板8の 辺部を下方から支持する機械的な保持機構 備えている。機械的な保持機構としては、 えば、チャックプレート30、31が採用されて いる。チャックプレート30、31により基板ホ ダ40の下面に保持された基板8は、その処理 べき面を直下(鉛直方向下方)のターゲット16 臨ませて配置される。なお、チャックプレ ト30、31の詳細構造については、後述する。

 また、基板ホルダ40は、基板表面を加熱 る加熱機構50を内蔵している。本実施形態で は、加熱機構50として、電熱ヒータが採用さ ているが、これに限定されず、例えば、熱 体の流通経路として構成してもよい。この 熱機構50は、例えば、基板ホルダ40を1100℃ 設定温度で加熱し、基板8の表面温度を950℃ 維持する。なお、基板上に均一な成膜を行 ため、基板ホルダ40に不図示の回転機構を えてもよい。

 カソード電極10には、直流電力または高周 電力を供給する不図示の放電用の電源が接 されている。カソード電極10の表面側(上面 )には、裏板15を介して、ターゲット16が支持 されている。本実施形態では、ターゲット16 してガリウム(Ga)を採用し、窒素(N 2 )リアクティブスパッタリング法による窒化 リウム(GaN)を成膜する。前述したように、Ga 、融点が低く液体ターゲットとして収容し ければならないため、裏板15を容器状に形 し、その内部に液体ターゲット16を収容する 。本実施形態では、カソード電極10の容器状 裏板15をターゲット支持部としたが、ター ット支持部をカソード電極10とは別に設ける ことも可能である。

 カソード電極10の本体内には、マグネト ン放電用の磁石ユニット11が配置されている 。磁石ユニット11は、例えば、ヨーク12上に れぞれ逆方向に磁化された中央磁石13と外側 磁石14とが固定された構造を有している。磁 ユニット11は、不図示の回転機構に接続さ 、カソード電極10の面内方向に沿って回転可 能と成っており、カソード表面にマグネトロ ン放電用の磁場を形成する。不活性ガスの導 入下において、回転機構によって磁石ユニッ ト11を回転させながらカソード電極10に放電 の電力を投入して高電圧を印可することで 基板ホルダ40との間でマグネトロン放電が行 われ、ターゲット物質がスパッタされる。

 ターゲット16の周囲は、ターゲット以外 部分がスパッタされるのを防止するため、 縁材7を介して、真空容器1と同電位に接地さ れたカソードシールド6で覆われている。

 また、本実施形態のスパッタリング装置 は、基板ホルダ40とカソード10との間の空間 を取り囲むように、略筒体状の開閉可能な防 着シールド20、21が配されている。防着シー ド20、21は、基板ホルダ40とカソード電極10と の間の空間を覆って、スパッタされた粒子が 真空容器1の内壁に付着するのを防止する。 定側の防着シールド20は、真空容器1の底部 カソード電極10の周囲に固定されて、上方へ と起立している。他方、可動側の防着シール ド21は、真空容器1の上部の不図示の駆動機構 に接続された操作ロッド24の下部に固定され いる。この操作ロッド24は、伸縮可能なベ ーズ22内に挿通され、矢印23に示す上下方向 操作されて、可動側の防着シールド21を開 させる。

 可動側の防着シールド21の一側方の真空 器1の側壁にはゲートバルブ4が配設され、基 板ホルダ40に保持される基板8が矢印5に示す 板搬送経路で搬入または搬出される。

 次に、チャックプレート30、31の構造につ いて説明する。図2は、チャックプレート30,31 を下方から見た模式図である。

 図2に示すように、基板(ウエハ)8を保持す るチャックプレート30、31は、角度(円弧長さ) の異なる円弧状の帯板であって、不図示の駆 動機構に接続された操作ロッド51、52の下部 固定されている。これらの操作ロッド51、52 、伸縮可能なベローズ35、37内に挿通され、 矢印36、38に示す上下方向に操作されて、チ ックプレート30、31を昇降動作させる。操作 ッド51、52によってチャックプレート30、31 上昇したときに、基板8の周辺部の全周を下 から支持(チャック)して基板ホルダ40の下面 に押し付けるようになっている。

 また、基板ホルダ40は、基板8が存在せず ターゲット16から生成される成膜材料に曝 れる領域の少なくとも一部の表面温度を、 板8上に成膜する成膜材料の分解温度または 発温度以上に加熱する加熱機構60、61を有す る。第1の実施形態では、加熱機構60、61は、 械的な保持機構であるチャックプレート30 31に沿って配設されている。具体的には、加 熱機構60、61は、チャックプレート30、31の直 (前面側)に配置され、チャックプレート30、 31に沿ってリング状に形成された電熱ヒータ よって構成されている。したがって、基板 ルダ40の基板8が存在しない領域の表面(ター ゲット16の対向面)が加熱される。

 本実施形態では、ヒータ50で基板8の表面 950℃に加熱し、ヒータ60、61で基板ホルダ40 基板8が存在しない領域の表面を1000℃以上 加熱する。なお、ここにいう基板ホルダ40と は、機械的な保持機構であるチャックプレー ト30、31を含む概念である。GaNが分解または 発する温度は、1Pa程度の圧力では約1000℃で る。

 したがって、基板8上にはGaNが成膜される が、ヒータ60、61及びこれによって加熱され 基板ホルダ40の基板8が存在しない領域の表 には成膜されない。これにより、基板8上へ 成膜を繰り返し行っても、ヒータ60、61及び 基板ホルダ40からの膜剥れが発生することは い。よって、チャックプレート30、31やヒー タ60、61の交換作業を行う必要がなく、メン ナンスの頻度が減少して、生産性を従来よ も大幅に向上させることができる。

 さらに、本実施形態のスパッタリング装 には、上記した加熱機構50の温度、加熱機 60、61の温度、排気ポンプ、磁石ユニット11 回転機構、カソード10の給電、防着シールド 21の駆動機構、チャックプレート30、31の駆動 機構等の各構成要素の動作を制御する不図示 の制御装置が備えられている。制御装置は、 CPUやROM、RAM等の記憶部等からなるコンピュー タを備えて構成されている。CPUは、プログラ ムにしたがって上記各部の制御や各種の演算 処理等を行う。記憶部は、予め各種プログラ ムやパラメータを格納しておくROM、作業領域 として一時的にプログラムやデータを記憶す るRAM等からなる。この制御装置は、不図示の 温度センサ、ダイアフラムゲージやB-A(Bayarad- Alpert)ゲージ等の各種センサに接続され、各 ンサの検出信号に基づいて、制御指令を出 する。特に、制御装置は、ヒータ50に制御指 令を出力して基板8の処理されるべき面の加 温度を制御し、ヒータ60、61に制御指令を出 して基板ホルダ40の基板が存在しない領域 表面(ターゲット16の対向面)の加熱温度を制 する。

 次に、第1の実施形態のスパッタリング装 置の作用と共に、本発明に係るスパッタリン グ方法について説明する。本実施形態のスパ ッタリング方法は、準備工程、基板の搬入工 程、成膜工程及び基板の搬出工程の順に行わ れる。

 以下、各工程の順に説明するが、成膜条件 次の通りである。ターゲット16はGaであって 、ターゲットサイズはφ9.3インチとする。基 8はサファイア基板であって、基板サイズは φ4インチとする。ヒータ50による基板ホルダ4 0の設定温度は約1100℃であり、基板8の表面温 度は950℃である。Ar流量は25sccmで、N 2 流量は12sccmである。スパッタリング圧力は1Pa であり、放電用の電力はパルス(DC)2kW(周波数: 35kHz,duty:82.5%)とする。

 <準備工程>
 真空容器1内を排気系2により所定の圧力ま 排気する。基板ホルダ40に内蔵されたヒータ 50に不図示の電源より電力を供給し、基板ホ ダ40を設定温度に加熱する。

 <基板の搬入工程>
 次に、真空容器1の側壁に配設されたゲート バルブ4を開ける。そして、不図示の駆動機 の操作ロッド24により、可動側の防着シール ド21を矢印23の上方向へ動作させ、矢印5に示 基板の搬送経路を開放する。

 さらに、不図示の駆動機構の操作ロッド5 1、52を介して、チャックプレート30、31を矢 36、38の下方向へ動作させ、基板の搬送経路 下方(アンチャック位置)まで降下させる。

 この状態で、ロボットアーム等の不図示 搬送アームを用いて、基板8を基板ホルダ40 下面(前面)へと搬送する。そして、駆動機 の操作ロッド52により、チャックプレート31 図1に示した位置まで矢印38の上方向へと動 させ、基板8の周辺部を保持する。さらに、 上記搬送アームを後退させた後、駆動機構の 操作ロッド51により、チャックプレート30を 1に示した位置まで矢印36の上方向へ動作さ 、基板8を保持する。

 そして、駆動機構の操作ロッド24により 可動側の防着シールド21を矢印23の下方向へ 動作させ、図1に示す位置に戻す。その後、 ゲートバルブ4を閉じる。

 <成膜工程>
 基板8の表面温度が所定の温度(950℃)に到達 るまで加熱時間をおいた後、ガス導入系3よ り所定の流量のArとN 2 を導入する。また、排気系2のコンダクタン バルブにより真空容器1の内部を任意の圧力 調整する。

 この不活性ガスの導入下において、不図 の回転機構によって磁石ユニット11を回転 せながら、カソード電極10に放電用の電力を 投入する。カソード電極10に高電圧を印可す と、カソード10と基板ホルダ40との間でマグ ネトロン放電が行われ、ターゲット物質がス パッタされ、ターゲット16に対向配置された 板8の処理されるべき面に薄膜(GaN膜)が堆積 れる。

 その際、ヒータ50で基板8の表面温度は基 8上に成膜する成膜材料の分解温度または蒸 発温度未満に制御され、ヒータ60、61で基板 ルダ40の基板8が存在しない領域の表面温度 上記成膜材料の分解温度または蒸発温度以 に制御される。具体的には、ヒータ50で基板 表面を950℃に加熱し、ヒータ60、61で基板ホ ダ40の基板8が存在せず、ターゲット16から生 成される成膜材料に曝される領域の少なくと も一部の表面を1000℃以上に加熱する。なお ここにいう基板ホルダ40とは、機械的な保持 機構であるチャックプレート30、31を含む概 である。GaNが分解または蒸発する温度は、1P a程度の圧力では約1000℃である。

 基板8上に所定の膜厚を堆積後、放電用の電 源からの電力供給を停止する。さらに、ガス 導入系3からのAr及びN 2 の導入を停止し、排気系2のコンダクタンス ルブを開放して真空容器1の内部を排気する

 <基板の搬出工程>
 次に、ゲートバルブ4を開けた後、駆動機構 の操作ロッド24により、可動側の防着シール 21を矢印23の上方向へ動作させ、矢印5に示 基板の搬送経路を開放する。

 さらに、駆動機構の操作ロッド51により、 ャックプレート30を矢印36の下方向へ動作さ 、矢印5に示す基板の搬送経路の下(アンチ ック位置)まで下降させる。
  不図示の搬送アームを挿入し、駆動機構 操作ロッド52により、チャックプレート31を 印38の下方向へと動作させ、上記アンチャ ク位置まで下降させて、搬送アームに基板8 載置する。

 次に、搬送アームを後退させ、真空容器1 から基板8を搬出する。また、駆動機構の操 ロッド24により、可動側の防着シールド21を 印23の下方向へ動作させ、図1の位置に戻す さらに、駆動機構の操作ロッド51、52により 、チャックプレート30、31を矢印36、38の上方 へ動作させ、チャック位置に戻す。最後に ゲートバルブ4を閉じて、全工程を終了する 。

 本実施形態のスパッタリング装置を用い スパッタリング方法の成膜工程では、ヒー 60、61によって、基板ホルダ40の基板8が存在 しない領域の表面を成膜材料の分解温度また は蒸発温度以上の温度に加熱するので、ター ゲット16に対向する基板8が存在しない領域の 表面(前面)に成膜材料が付着しなくなる。そ ため、ターゲット16上へ付着された膜が落 することがなく、この付着された膜の落下 よる異常放電の発生を抑制して、基板8上に 積される膜の品質を向上させることができ 。また、チャックプレート30、31やヒータ60 61の交換作業を行う必要がなく、メンテナ スの頻度が減少して、生産性を従来よりも 幅に向上させることができる。

 〔第2の実施形態〕
 図3は、第2の実施形態のフェイスダウン型 パッタリング装置の構成を示す模式図であ 。なお、第1の実施形態と同一の構成要素に いては、同一の符号を付して説明を省略す 。

 第2の実施形態では、基板ホルダ40に備え れた保持機構は機械的な保持機構であって 加熱機構62、63は機械的な保持機構に内蔵さ れている。具体的には、チャックプレートを チャックプレート形状(円弧状)のヒータ62、63 で形成し、これらのヒータ62、63で基板ホル 40の基板8が存在しない領域の表面(ターゲッ 16の対向面)を加熱するように構成されてい 。即ち、ヒータ50で基板8の表面を950℃に加 し、チャックプレート形状のヒータ62、63で 基板ホルダ40の基板8が存在しない領域の表面 (ターゲット16の対向面)を1000℃以上に加熱す 。これにより、基板ホルダ40の基板8が存在 ない領域の表面には成膜材料が付着しない

 第2の実施形態のスパッタリング装置は、 基本的に第1の実施形態のスパッタリング装 と同様の作用効果を奏する。特に第2の実施 態によれば、機械的な保持機構に加熱機構5 0を内蔵しているので、部品点数が少なくし 装置構造を簡略化できるという特有の効果 奏する。

 〔第3の実施形態〕
 図4は、第3の実施形態のフェイスダウン型 パッタリング装置の構成を示す模式図であ 。なお、第1の実施形態と同一の構成要素に いては、同一の符号を付して説明を省略す 。

 第3の実施形態では、第1の実施形態と同 に、保持機構は機械的な保持機構であって 加熱機構64、65は機械的な保持機構に沿って 設されている。具体的には、機械的な保持 構であるチャックプレート30、31の上部(背 )にヒータ64、65を配置し、ヒータ64、65によ て、チャックプレート30、31を加熱するよう 構成されている。これにより、基板ホルダ4 0の基板8が存在しない領域の表面(ターゲット 16の対向面)が加熱される。即ち、ヒータ50で 板8の表面を950℃に加熱し、ヒータ64、65で 板ホルダ40の基板8が存在しない領域の表面 1000℃以上に加熱する。これにより、基板ホ ダ40の基板8が存在しない領域の表面には成 材料が付着しない。

 第3の実施形態のスパッタリング装置は、 基本的に第1の実施形態のスパッタリング装 と同様の作用効果を奏する。

 〔第4の実施形態〕
 図5は、第4の実施形態のフェイスダウン型 パッタリング装置の構成を示す模式図であ 。なお、第1の実施形態と同一の構成要素に いては、同一の符号を付して説明を省略す 。

 第4の実施形態では、基板ホルダ51に基板8 を保持する保持機構が、静電吸着により基板 8を保持する静電吸着用電極(ESC電極)70、71に って構成されている。静電吸着用電極70、71 、基板ホルダ41の基板を保持する側(下面側) に配設されている。この基板ホルダ41は、基 8の表面を加熱する加熱機構(電熱ヒータ)51 内蔵している。

 且つ、基板ホルダ41は、基板8が存在しな 領域の表面温度を基板8上に成膜する成膜材 料の分解温度または蒸発温度以上に加熱する 加熱機構66を有する。加熱機構66は、基板ホ ダ41及び基板8を囲繞するリング状の電熱ヒ タであり、基板8が存在しない領域の表面(タ ーゲット16の対向面)を加熱する。即ち、ヒー タ51で基板8の表面を950℃に加熱し、ヒータ66 基板8が存在しない領域の表面を1000℃以上 加熱する。これにより、基板ホルダ41の基板 8が存在しない領域の表面には成膜材料が付 しない。

 第4の実施形態のスパッタリング装置は、 基本的に第1の実施形態のスパッタリング装 と同様の作用効果を奏する。特に第4の実施 態によれば、保持機構を静電吸着用電極70 71により構成しているので、機械的な保持機 構を採用する場合に比して、装置構造を簡略 化できるという特有の効果を奏する。

 〔第5の実施形態〕
 図6は、第5の実施形態のフェイスダウン型 パッタリング装置の構成を示す模式図であ 。なお、第1の実施形態と同一の構成要素に いては、同一の符号を付して説明を省略す 。

 第5の実施形態では、基板ホルダ41に基板8 を保持する保持機構が、静電吸着により基板 8を保持する静電吸着用電極(ESC電極)70、71に って構成されている。静電吸着用電極70、71 、基板ホルダ41の基板を保持する側(下面側) に配設されている。基板ホルダ42のホルダ本 がターゲット16の表面以上(上面以上)の大き さに形成され、基板ホルダ42に内蔵された加 機構52は基板ホルダ42の表面全体(下面全体) 加熱するように構成されている。これによ 、基板ホルダ42の基板8が存在しない領域の 面には成膜材料が付着し難くなる。

 なお、加熱機構52は、例えば、電熱ヒー により構成され、基板8の処理すべき面を加 するヒータ部分に電力供給する不図示の閉 路と、基板8が存在しない領域の表面(ター ット16の対向面)を加熱するヒータ部分に電 供給する不図示の閉回路と、を備えていて よい。この場合、各閉回路は不図示の制御 置に接続され、基板8の処理すべき面の加熱 度と、基板8が存在しない領域の表面の加熱 温度と、を別個に制御可能に構成されている 。即ち、基板8の表面(処理されるべき面)を950 ℃に加熱し、基板8が存在しない領域の表面 1000℃以上に加熱制御する。これにより、基 ホルダ42の基板8が存在しない領域の表面に 成膜材料が付着しない。

 第5の実施形態のスパッタリング装置は、 基本的に第1の実施形態のスパッタリング装 と同様の作用効果を奏する。特に第5の実施 態によれば、保持機構を静電吸着用電極70 71で構成し、基板ホルダ42のホルダ本体をタ ゲット16の表面以上の大きさに形成してい ので、装置構造を大幅に簡略化できるとい 特有の効果を奏する。

 〔第6の実施形態〕
 図7は、第6の実施形態のフェイスダウン型 パッタリング装置の構成を示す模式図であ 。なお、第1の実施形態と同一の構成要素に いては、同一の符号を付して説明を省略す 。

 第6の実施形態では、基板ホルダ43のホル 本体がターゲット16の表面以上の大きさに 成されている。この基板ホルダ43には、基板 8の処理すべき面を加熱する加熱機構53と、基 板ホルダ43の基板8が存在しない領域の表面( ーゲット対向面)を加熱する加熱機構54と、 内蔵されている。

 各加熱機構53、54は、例えば、電熱ヒータ であって、各ヒータ53、54は別個に温度制御 能に構成されている。具体的には、各ヒー 53、54は、それぞれ基板8の処理すべき面の加 熱温度と、基板8が存在しない領域の表面の 熱温度と、を別個に制御可能な不図示の制 装置に接続されている。上記基板8の処理す き面を加熱する加熱機構53は、基板8上に成 する成膜材料の分解温度または蒸発温度未 の温度に加熱し、基板以8が存在しない領域 の表面を加熱する加熱機構54は上記成膜材料 分解温度または蒸発温度以上の温度に加熱 る。即ち、基板8の表面(処理すべき面)を950 に加熱し、基板8が存在しない領域の表面を 1000℃以上に加熱制御する。これにより、基 ホルダ43の基板8が存在しない領域の表面に 成膜材料が付着しない。

 第6の実施形態のスパッタリング装置は、 基本的に第1の実施形態のスパッタリング装 と同様の作用効果を奏する。特に第6の実施 態によれば、保持機構を静電吸着用電極70 71で構成し、基板ホルダ42のホルダ本体をタ ゲット16の表面以上の大きさに形成し、基 ホルダ42に各ヒータ53、54を内蔵する構造で るので、装置構造を簡略化できるという特 の効果を奏する。また、第5の実施形態に比 、静電吸着型基板ホルダ43の基板8が存在し い領域の表面温度を基板8の温度と別個に制 御することができ、これらの温度の差をより 大きくしたい場合に好適である。

 〔第7の実施形態〕
 第7の実施形態のスパッタリング装置は、第 1から第6の実施形態における基板ホルダ40~43 少なくとも基板8が存在しない領域の表面(タ ーゲット対向面)に窒化アルミニウム(AlN)が被 覆されている。

 スパッタリング装置では、スパッタリン 圧力が一般に1Paより低い場合、ターゲット 対向面で高エネルギー粒子の衝撃によるス ッタが生じる。そのため、ターゲットに対 する基板8が存在しない領域の表面がスパッ タリングされ、その構成元素が不純物として 基板上に堆積する膜中に直接混入したり、タ ーゲット上に付着してターゲット物質と共に 再スパッタリングされて混入したりする。し たがって、これらの不純物元素の混入により 膜の特性が劣化してしまう。

 GaNの場合、Alが混入しても膜の特性を劣 させる不純物とはならない。また、AlNの分 温度は、GaNのそれよりも若干高い。これら ことから、例え低いスパッタリング圧力で パッタリングして基板ホルダ40~43の基板8が 在しない表面がスパッタリングされ、その 成元素が基板8上に堆積される膜中に混入し も、その元素がAl及びNであるため膜の特性 劣化させる不純物とはならない。

 したがって、第7の実施形態によれば、基 板8上に成膜される膜の品質特性を積極的に 上させることができるという特有の効果を する。

 以上の実施形態では、GaNの成膜について べたが、本発明の要旨は、基板ホルダ40~43 基板8が存在しない表面(ターゲット16の対向 )を成膜材料の分解温度または蒸発温度以上 の温度に加熱して、成膜材料が付着しないよ うにすることである。したがって、成膜材料 は上記の実施形態で述べたGaNに限るものでは なく、金属や合金、GaNと同様の窒化物である AlNやInN等、色々な材料を使用可能である。

 なお、GaN等の窒化物の分解温度は、N 2 の分圧に依存し、低圧ほど低温度で分解する 。したがって、1000℃という加熱温度は例示 過ぎず、1000℃に限定されない。

 また、上記の実施形態では、機械的な保 機構としてチャックプレートを例示したが これに限定されない。図8に示すように、機 械的な保持機構として、例えば、基板8また 基板8を搭載したトレイの周辺部を2点以上の 任意の箇所で支持(チャック)するチャックピ 32を採用しても構わない。この図示例では 基板8を3本のチャックピン32でチャックした 態が表されている。

 本発明は、スパッタリング装置のみなら 、ドライエッチング装置、プラズマアッシ 装置、CVD装置及び液晶ディスプレイ製造装 等の基板ホルダを備えた処理装置に応用し 適用可能である。

 [発光素子の製造方法]
 以下に、本発明に係る発光素子の製造方法 一実施形態について、上述した実施形態の パッタリング装置によって得られる発光素 の積層構造を示す図9を用いて説明する。発 光素子の積層半導体100は、基板8上にIII族窒 物化合物からなるバッファ層112が積層され 該バッファ層112上に、n型半導体層114、発光 115及びp型半導体層116が順次形成されている 。n型半導体層114は、下地層114a、n型コンタク ト層114b、n型クラッド層114cから構成される。 発光層115は、障壁層115a、井戸層115bとが交互 繰り返して積層され、p型半導体層116は、p クラッド層116a、p型コンタクト層116bから構 されている。なお、n型コンタクト層114bはn クラッド層114cを、p型コンタクト層116aはp型 ラッド層116bを兼ねることが可能である。

 本発明に係る発光素子の製造方法は、前 したスパッタリング装置を用い、例えば基 8上に積層半導体100を構成する層を成膜する 方法であり、本実施形態では、積層半導体100 の内、n型半導体層114を構成する下地層114a及 n型クラッド層114cを兼ねるn型コンタクト層1 14bを成膜している。その他の層は、例えばバ ッファ層112はスパッタリング法によって成膜 したAlNであり、発光層115及びp型半導体層116 、現在量産工程で使用されているMOCVD(有機 属化学気相成長法)により形成した。

 本実施形態の製造方法では、パルス的にパ ーを印加するパルス式DCスパッタリング法 用い、スパッタリングガスとしてArにN 2 を添加するリアクティブスパッタリング法を 用いている。

 成膜条件は、前記第1の実施形態で述べた通 りである。ただし、n型コンタクト層114bを形 する際のターゲット16は、n型のドーパント なるシリコン(Si)をGaに1×10 18 /cm 3 混合したターゲットを用いた。n型のドーパ トとしては、Si以外にゲルマニウム(Ge)や錫(S n)等を用いてもよく、ドープ量は所望の膜特 が得られる濃度に混合されていればよく、 ましくは膜中で1×10 17 /cm 3 ~1×10 20 /cm 3 の範囲になるように混合されていればよい。 下地層114aは、基板8にサファイア基板を用い 場合、ドープしない方が結晶性が良好にな ため、前記第1の実施形態で述べたGaをター ットとした。

 上述のn型半導体層114を構成する下地層114 a及びn型コンタクト層114bの形成において、前 述したスパッタリング装置を用い、その処理 されるべき面を下方へ臨ませて基板8を基板 ルダ40~43に保持する工程と、前記基板ホルダ 40~43の直下に基板8に対向させて配置されたタ ーゲット支持部にIII族元素を含むターゲット 16を支持する工程と、イオン化された不活性 スあるいは不活性ガスと窒素ガスをターゲ ト16に衝突させてターゲットをスパッタし 基板8上にIII族窒化物を主体とする半導体を 膜する工程と、を含み、成膜工程において 基板8の表面温度はIII族元素の窒化物半導体 の分解温度または蒸発温度未満に制御され、 基板ホルダ40~43のターゲットから生成される 膜材料に曝される領域の少なくとも一部の 面温度はIII族元素の窒化物半導体の分解温 または蒸発温度以上に制御されることによ 、n型半導体層114を構成する下地層114a及びn コンタクト層114bを成膜する際に、異常放電 が起きることがなく、所定の条件のn型半導 層114を構成する下地層114a及びn型コンタクト 層114bを形成することができ、結晶性の良い 層半導体100を有する発光素子が形成可能と る。

 以上の発光素子の製造方法に係る実施形 では、前述したスパッタリング装置を用い 積層半導体100の内、n型半導体層114を構成す る下地層114a及びn型コンタクト層114bを成膜し た場合について述べたが、積層半導体100のそ の他の層も、ターゲット16に各層を構成する 素からなるターゲットを適用することによ 形成することが可能である。例えば、発光 115の障壁層115aの成膜には40%以下のInを含有 たGa、井戸層115bの成膜には30%以下のAlを含 したGa、p型半導体層116のp型クラッド層116aや p型コンタクト層116bの成膜にはマグネシウム( Mg)を含有したGaをターゲット16として用いれ よい。本発明の要旨は、基板上に配置され III族元素の窒化物半導体層とを含む発光素 を製造する方法であって、基板ホルダ40~43の 基板8が存在しない表面(ターゲット16の対向 )を成膜材料の分解温度または蒸発温度以上 温度に加熱して、成膜材料が付着しないよ にすることであり、何れの層の成膜にも適 可能である。

 以上、本発明の好ましい実施形態を添付 面の参照により説明したが、本発明はかか 実施形態に限定されるものではなく、請求 範囲の記載から把握される技術的範囲にお て種々な形態に変更可能である。

 本願は、2008年6月26日提出の日本国特許出 願特願2008-166756を基礎として優先権を主張す ものであり、その記載内容の全てを、ここ 援用する。