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Title:
SCATTERER INTERIOR OBSERVATION DEVICE AND SCATTERER INTERIOR OBSERVATION METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/157229
Kind Code:
A1
Abstract:
The scatterer interior observation device (1) is equipped with a light irradiation means (10) that irradiates the surface of a scatterer, which includes an object being observed inside a scattering medium, using light with different optical characteristics in the object being observed and the scattering medium, a detection means (11) that detects, as a two-dimensional image, the back-scattered light from optical irradiation means (10) with which any optical irradiation position on the surface of the aforementioned scatterer is irradiated, and an analysis means (12) that confirms whether the aforementioned object being observed is present in the two-dimensional image data collected by the detection means (11) and that finds position information, including the depth of the object being observed in the scatterer, based on the distance between the light irradiation position in the two-dimensional image and the position where the object being observed is confirmed.

Inventors:
NARITA TOSHIHARU (JP)
FUJINUMA KEN (JP)
ITO RYOSUKE (JP)
TAIRA KENJI (JP)
TAKAOKA HIDEYUKI (JP)
TAKIMOTO SHINICHI (JP)
NISHIDA HIROYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/055486
Publication Date:
December 30, 2009
Filing Date:
March 19, 2009
Export Citation:
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Assignee:
OLYMPUS CORP (JP)
NARITA TOSHIHARU (JP)
FUJINUMA KEN (JP)
ITO RYOSUKE (JP)
TAIRA KENJI (JP)
TAKAOKA HIDEYUKI (JP)
TAKIMOTO SHINICHI (JP)
NISHIDA HIROYUKI (JP)
International Classes:
G01N21/17; A61B10/00; G01B11/24
Domestic Patent References:
WO2007105495A12007-09-20
Foreign References:
JP2002515277A2002-05-28
JP2005538752A2005-12-22
JP2002531846A2002-09-24
JP2004528542A2004-09-16
JP2003010189A2003-01-14
JP2008510586A2008-04-10
JP2007330381A2007-12-27
JP2002502654A2002-01-29
JP2001324444A2001-11-22
JP2000105191A2000-04-11
Attorney, Agent or Firm:
SUZUYE, Takehiko et al. (JP)
Takehiko Suzue (JP)
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Claims:
 散乱体内部の観察対象の情報を取得する散乱体内部観察装置であって、
 散乱媒質の内部に観察対象を含んでなる散乱体の表面に、観察対象と散乱媒質とで光学特性の異なる光を照射する光照射手段と、
 前記光照射手段により前記散乱体表面の任意の光照射位置に照射された光の後方散乱光を2次元画像として検出する検出手段と、
 前記検出手段により取得された2次元画像データにおいて前記観察対象の存在の有無を確認し、前記2次元画像上における前記光照射位置と前記観察対象が確認された位置との距離から、前記散乱体における前記観察対象の深度を含めた位置情報を求める解析手段とを備えたことを特徴とする、散乱体内部観察装置。
 複数の照射位置において取得された複数の2次元画像データを記憶する記憶手段と、
 前記記憶手段により記憶された複数の2次元画像データを基に、所望の深度における断層画像を作成する画像構築手段と
 前記解析手段による解析結果および/または前記画像構築手段による断層画像を表示する表示手段と、
をさらに備えたことを特徴とする、請求項1に記載の散乱体内部観察装置。
 前記光照射手段が、一以上の点状又は線状の光を照射する手段である、請求項1に記載の散乱体内部観察装置。
 前記解析手段が、前記記憶手段により記憶された複数の2次元画像データ上で、所望の位置と前記光照射位置との間の距離と等しい距離だけ前記所望の位置から離れた位置におけるデータを解析することにより、前記所望の位置の任意の深度における情報を得ることを特徴とする、請求項2に記載の散乱体内部観察装置。
 散乱体内部の観察対象の情報を取得する散乱体内部観察装置であって、
 散乱媒質の内部に観察対象を含んでなる散乱体の表面に、観察対象と散乱媒質とで光学特性の異なる光を照射する光照射手段と、
 前記光照射手段により照射された光の後方散乱光を検出する複数の検出手段と、
 深度情報を得たい所望の位置を中心として、前記照射位置と対称となる位置にある検出手段によって取得されたデータを解析することにより、前記所望の位置の任意の深度における情報を得る解析手段とを備えることを特徴とする、散乱体内部観察装置。
 散乱体内部の観察対象の情報を取得する散乱体内部観察装置であって、
 散乱媒質の内部に観察対象を含んでなる散乱体の表面に、観察対象と散乱媒質とで光学特性の異なる光を照射する光照射手段と、
 前記光照射手段により照射された光の後方散乱光を検出する検出手段と、
 前記検出手段により取得された後方散乱光強度のデータから、所望の位置の任意の深度における情報を得る解析手段とを備え、
 前記光照射手段と前記検出手段とが、前記所望の位置を中心として等距離に配置されることを特徴とする、散乱体内部観察装置。
 請求項2に記載の装置において、前記検出手段は、前記散乱体表面の任意の光照射位置に照射された光の後方散乱光の光強度データを検出し、前記画像構築手段は、前記検出手段により取得した光強度データを基に、所望の深度における断層画像を作成することを特徴とする散乱体内部観察装置。
 前記観察対象が表示された断層画像が、所定のコントラスト条件を満たす断層画像である、請求項7に記載の散乱体内部観察装置。
 請求項7に記載の装置において、前記作成した断層画像の中から、観察対象が表示された断層画像を選択する選択手段をさらに備えたことを特徴とする散乱体内部観察装置。
 前記選択は所望の断層画像を選択して入力することにより行われる、請求項9に記載の散乱体内部観察装置。
 前記画像構築手段が、
 前記光照射手段によって光が照射される照射範囲の形状を認識する照射範囲認識手段と、
 前記照射範囲認識手段によって認識された照射範囲の形状に基づいて、断層画像を作成するための光強度データの抽出位置を決定する抽出位置決定手段と、
を備えることを特徴とする、請求項7に記載の散乱体内部観察装置。
 前記観察対象と散乱媒質とで光学特性の異なる光が、ヘモグロビンに吸収を持つ近赤外領域の波長を含む光である、請求項7に記載の散乱体内部観察装置。
 請求項7に記載の装置において、
 前記散乱体の表面において前記光照射位置から一定の位置関係にある後方散乱光検出領域から放出される後方散乱光を前記検出手段により検出するために、前記後方散乱光検出領域から放出された散乱光が入射する撮像面上の画素で構成される画素領域を、前記2次元画像において決定する画素領域決定手段をさらに備え、
 前記画像構築手段は、前記画素領域を構成する各画素からの光強度情報から、前記散乱体内部の断層画像を構築することを特徴とする散乱体内部観察装置。
 前記画素領域決定手段は、撮像素子先端から散乱体までの距離を測定する測距手段により測定された距離に基づいて画素領域を決定することを特徴とする、請求項13に記載の散乱体内部観察装置。
 前記画素領域決定手段は、前記検出手段で検出される範囲内に配置された指標の像の大きさに基づいて画素領域を決定することを特徴とする、請求項13に記載の散乱体内部観察装置。
 前記指標は処置具の一部である、請求項15に記載の散乱体内部観察装置。
 前記画素領域決定手段は、照射される光の画像内での強度分布の情報に基づいて前記画素領域を決定することを特徴とする、請求項13に記載の散乱体内部観察装置。
 請求項7に記載の装置において、
 前記検出手段は、前記散乱体を撮像する撮像素子と、該撮像素子が撮像する検出範囲を限定する撮像光学系と、該検出範囲に所望の領域が含まれるように調節する検出範囲可変機構を含み、
 前記検出範囲可変機構を制御する制御手段をさらに備えたことを特徴とする散乱体内部観察装置。
 前記検出手段がさらに、前記検出範囲を移動させ得るスキャンミラーを備えることを特徴とする、請求項18に記載の散乱体内部観察装置。
 前記光照射手段が照射用スキャンミラーを備え、
 前記検出手段が検出用スキャンミラーを備え、
 両スキャンミラーを制御して、前記光照射手段によって光が照射される照射範囲と前記検出範囲を散乱体表面上で走査させる走査制御手段をさらに備えることを特徴とする、請求項18に記載の散乱体内部観察装置。
 前記光照射手段及び前記検出手段が、それらの光路が同軸になるように配置され、
 前記光照射手段によって光が照射される照射範囲及び前記検出範囲を散乱体表面上で走査させるスキャンミラーを備えることを特徴とする請求項18に記載の散乱体内部観察装置。
 前記所望の領域を決定する検出領域決定手段をさらに含むことを特徴とする、請求項18に記載の散乱体内部観察装置。
 前記所望の領域を決定するための設定を入力する設定入力手段をさらに備える、請求項22に記載の散乱体内部観察装置。
 請求項2に記載の装置において、光の照射を走査により行う場合に、走査機能を実現する走査手段を、生体内へ挿入される挿入部ではない部位に配置したことを特徴とする散乱体内部観察装置。
 請求項24に記載の装置であって、更に、前記走査手段からの光を当該被写体に伝達する照明用イメージガイドと、前記被写体からの光を伝達する撮像用イメージガイドとを具備し、前記走査手段と前記検出手段とが走査ユニット内に配置され、前記走査ユニットに接続された挿入部内に前記照射用イメージガイドと撮像用イメージガイドとが配置され、
 前記検出手段は、前記撮像用イメージガイドからの光をイメージとして検出するための撮像素子を具備したことを特徴とする散乱体内部観察装置。
 請求項24に記載の装置であって、更に、前記走査手段からの光を当該被写体に伝達する照明用イメージガイドを具備し、前記走査手段が走査ユニット内に配置され、前記走査ユニットに接続された挿入部内に前記照射用イメージガイドと前記検出手段とが配置され、
 前記検出手段は、前記被写体からの光をイメージとして検出するための撮像素子を具備したことを特徴とする散乱体内部観察装置。
 更に、前記走査手段に光を供給するための照明光源を当該走査ユニット内に具備する請求項25に記載の散乱体内部観察装置。
 前記走査手段からの光がレーザー光であり、前記被写体からの光が散乱光であることを特徴とする請求項25に記載の散乱体内部観察装置。
 前記走査ユニットから前記挿入部が着脱可能である請求項25に記載の散乱体内部観察装置。
 請求項24に記載の装置であって、更に、前記走査手段からの光を当該被写体に伝達する照明用イメージガイドと、前記被写体からの光を伝達する撮像用イメージガイドとを具備し、前記走査手段が走査部内に配置され、前記走査部に接続された挿入部内に前記照射用イメージガイドと撮像用イメージガイドと検出手段とが配置され、
 前記検出手段は、前記撮像用イメージガイドからの光をイメージとして検出するための撮像素子を具備したことを特徴とする散乱体内部観察装置。
 請求項24に記載の装置であって、更に、前記走査手段からの光を当該被写体に伝達する照明用イメージガイドと、前記被写体からの光を伝達する撮像用イメージガイドとを具備し、前記走査手段が走査部内に配置され、前記検出手段が撮像部内に配置され、前記走査部および撮像部に接続された挿入部内に前記照射用イメージガイドと撮像用イメージガイドとが配置され、
 前記検出手段は、前記撮像用イメージガイドからの光をイメージとして検出するための撮像素子を具備したことを特徴とする散乱体内部観察装置。
 更に、前記走査手段に光を供給するための照明光源を当該走査部内に具備する請求項30に記載の散乱体内部観察装置。
 前記走査部が着脱可能であることを特徴とする請求項30に記載の散乱体内部観察装置。
 前記走査手段からの光がレーザー光であり、前記被写体からの光が散乱光であることを特徴とする請求項30に記載の散乱体内部観察装置。
 請求項2に記載の装置において、
 前記検出手段は、前記散乱体表面の任意の光照射位置に照射された光の後方散乱光の光強度データを検出し、前記記憶手段は、該検出された光強度データを記憶することを特徴とし、さらに、
 前記記憶手段に記憶された複数の光強度データの頻度分布情報を作成し、該情報に基づいて、前記散乱体の所望の位置における内部が散乱媒質であるか或いは観察対象であるかを判定する判定手段を具備したことを特徴とする散乱体内部観察装置。
 前記判定手段が、
 前記記憶手段に記憶された複数の光強度データから、散乱媒質又は観察対象の影響が支配的な光強度データの頻度分布図Btを作成し、
 前記散乱体表面上の任意の測定点において連続的に検出された光強度の検出データから頻度分布図Dtを作成し、
 前記頻度分布図Btと前記頻度分布図Dtを統計的な検定処理に基づいて比較し、
  前記頻度分布図Btが散乱媒質の影響が支配的な光強度データに基づくときに、一致する場合は前記検出データが散乱媒質の影響が支配的なデータであると判定し、不一致の場合は前記検出データが観察対象の影響が支配的なデータであると判定し、
  前記頻度分布図Btが観察対象の影響が支配的な光強度データに基づくときに、一致する場合は前記検出データが観察対象の影響が支配的なデータであると判定し、不一致の場合は前記検出データが散乱媒質の影響が支配的なデータであると判定することを特徴とする、請求項35に記載の散乱体内部観察装置。
 前記判定手段が、複数の光強度データから頻度分布図を作成して散乱媒質の影響が支配的なデータと観察対象の影響が支配的なデータを区分する閾値を設定し、該閾値に基づいて、前記複数の光強度データから散乱媒質又は観察対象の影響が支配的なデータのみを抽出することにより、散乱媒質又は観察対象の影響が支配的な光強度データの頻度分布図Btを作成することを特徴とする、請求項36に記載の散乱体内部観察装置。
 前記判定手段が、前記比較の結果として散乱媒質又は観察対象の影響が支配的なデータであると判定された検出データを組込んで頻度分布図Btを更新することを特徴とする、請求項36に記載の散乱体内部観察装置。
 請求項35に記載の散乱体内部観察装置であって、
 前記光照射手段は、前記散乱体表面を走査可能であり、
 前記検出手段は、複数の検出素子を具備し、
 前記光照射手段によって光が照射される照明領域が光照射手段の走査によって移動するのに伴い、前記照明領域から一定の距離の領域を検出できる検出素子によって検出が行われることを特徴とする散乱体内部観察装置。
 請求項35に記載の散乱体内部観察装置であって、
 前記検出手段は、複数の検出素子を具備し、
 前記記憶手段は、前記検出手段により検出された光強度データを、該光強度データが検出された検出領域と前記光照射手段によって光が照射された照明領域との相対位置と共に記憶し、
 前記判定手段による判定が、前記検出領域と前記照明領域との距離が同等な光強度データのグループ毎に行われることを特徴とする散乱体内部観察装置。
 請求項40に記載の装置であって、
 前記光照射手段は、前記散乱体表面を走査可能であることを特徴とする散乱体内部観察装置。
 請求項40に記載の散乱体内部観察装置であって、
 前記判定手段による判定結果を表示するモニターをさらに備え、
 前記グループ毎に行われた解析の結果が、前記記憶手段に記憶された前記検出領域と照明領域との相対位置に基づいて画像化されて前記モニターに提示されることを特徴とする散乱体内部観察装置。
 散乱体内部の観察対象の情報を取得する散乱体内部観察装置であって、
 散乱媒質の内部に観察対象を含んでなる散乱体の表面に、観察対象と散乱媒質とで光学特性の異なる光を照射する光照射手段と、
 前記散乱体表面の任意の光照射位置に照射された光の後方散乱光を検出し、該後方散乱光の光強度データを取得する検出手段と、
 前記取得された光強度データを解析し、それぞれ深度が異なる複数の断層画像を作製する画像構築手段と、
 前記作製された複数の断層画像から、前記観察対象が表示された断層画像を選択する選択手段と、
 前記選択された断層画像を表示する表示手段とを備えることを特徴とする、散乱体内部観察装置。
 前記観察対象が表示された断層画像が、所定のコントラスト条件を満たす断層画像である、請求項43に記載の散乱体内部観察装置。
 散乱体内部の観察対象の情報を取得する散乱体内部観察装置であって、
 散乱媒質の内部に観察対象を含んでなる散乱体の表面に、観察対象と散乱媒質とで光学特性の異なる光を照射する光照射手段と、
 前記散乱体表面の任意の光照射位置に照射された光の後方散乱光を検出し、該後方散乱光の光強度データを取得する検出手段と、
 前記取得された光強度データを解析し、それぞれ深度が異なる複数の断層画像を作製する画像構築手段と、
 前記作製された断層画像を表示する表示手段と、
 前記表示された複数の断層画像から、所望の断層画像を選択して表示させる入力手段とを備えることを特徴とする、散乱体内部観察装置。
 前記画像構築手段が、
 前記光照射手段によって光が照射される照射範囲の形状を認識する照射範囲認識手段と、
 前記照射範囲認識手段によって認識された照射範囲の形状に基づいて、断層画像を作製するための光強度データの抽出位置を決定する抽出位置決定手段と、
を備えることを特徴とする、請求項43に記載の散乱体内部観察装置。
 前記観察対象と散乱媒質とで光学特性の異なる光が、ヘモグロビンに吸収を持つ近赤外領域の波長を含む光である、請求項43に記載の散乱体内部観察装置。
 請求項43に記載の装置において、
 前記検出手段は、前記散乱体表面の任意の光照射位置に照射された光の後方散乱光を2次元画像として検出することを特徴とし、
 前記散乱体の表面において前記光照射位置から一定の位置関係にある後方散乱光検出領域から放出される後方散乱光を前記検出手段により検出するために、前記後方散乱光検出領域から放出された散乱光が入射する撮像面上の画素で構成される画素領域を、前記2次元画像において決定する画素領域決定手段をさらに備え、
 前記画像構築手段は、前記画素領域を構成する各画素からの光強度情報から、前記散乱体内部の断層画像を構築することを特徴とする散乱体内部観察装置。
 前記画素領域決定手段は、撮像素子先端から散乱体までの距離を測定する測距手段により測定された距離に基づいて画素領域を決定することを特徴とする、請求項48に記載の散乱体内部観察装置。
 前記画素領域決定手段は、前記検出手段で検出される範囲内に配置された指標の像の大きさに基づいて画素領域を決定することを特徴とする、請求項48に記載の散乱体内部観察装置。
 前記指標は処置具の一部である、請求項50に記載の散乱体内部観察装置。
 前記画素領域決定手段は、照射される光の画像内での強度分布の情報に基づいて前記画素領域を決定することを特徴とする、請求項48に記載の散乱体内部観察装置。
 請求項43に記載の装置において、
 前記検出手段は、前記散乱体を撮像する撮像素子と、該撮像素子が撮像する検出範囲を限定する撮像光学系と、該検出範囲に所望の領域が含まれるように調節する検出範囲可変機構を含み、
 前記検出範囲可変機構を制御する制御手段をさらに備えたことを特徴とする散乱体内部観察装置。
 前記検出手段がさらに、前記検出範囲を移動させ得るスキャンミラーを備えることを特徴とする、請求項53に記載の散乱体内部観察装置。
 前記光照射手段が照射用スキャンミラーを備え、
 前記検出手段が検出用スキャンミラーを備え、
 両スキャンミラーを制御して、前記光照射手段によって光が照射される照射範囲と前記検出範囲を散乱体表面上で走査させる走査制御手段をさらに備えることを特徴とする、請求項53に記載の散乱体内部観察装置。
 前記光照射手段及び前記検出手段が、それらの光路が同軸になるように配置され、
 前記光照射手段によって光が照射される照射範囲及び前記検出範囲を散乱体表面上で走査させるスキャンミラーを備えることを特徴とする請求項53に記載の散乱体内部観察装置。
 前記所望の領域を決定する検出領域決定手段をさらに含むことを特徴とする、請求項53に記載の散乱体内部観察装置。
 前記所望の領域を決定するための設定を入力する設定入力手段をさらに備える、請求項57に記載の散乱体内部観察装置。
 請求項43に記載の装置において、光の照射を走査により行う場合に、走査機能を実現する走査手段を、生体内へ挿入される挿入部ではない部位に配置したことを特徴とする散乱体内部観察装置。
 請求項59に記載の装置であって、更に、前記走査手段からの光を当該被写体に伝達する照明用イメージガイドと、前記被写体からの光を伝達する撮像用イメージガイドとを具備し、前記走査手段と前記検出手段とが走査ユニット内に配置され、前記走査ユニットに接続された挿入部内に前記照射用イメージガイドと撮像用イメージガイドとが配置され、
 前記検出手段は、前記撮像用イメージガイドからの光をイメージとして検出するための撮像素子を具備したことを特徴とする散乱体内部観察装置。
 請求項59に記載の装置であって、更に、前記走査手段からの光を当該被写体に伝達する照明用イメージガイドを具備し、前記走査手段が走査ユニット内に配置され、前記走査ユニットに接続された挿入部内に前記照射用イメージガイドと前記検出手段とが配置され、
 前記検出手段は、前記被写体からの光をイメージとして検出するための撮像素子を具備したことを特徴とする散乱体内部観察装置。
 更に、前記走査手段に光を供給するための照明光源を当該走査ユニット内に具備する請求項60に記載の散乱体内部観察装置。
 前記走査手段からの光がレーザー光であり、前記被写体からの光が散乱光であることを特徴とする請求項60に記載の散乱体内部観察装置。
 前記走査ユニットから前記挿入部が着脱可能である請求項60に記載の散乱体内部観察装置。
 請求項59に記載の装置であって、更に、前記走査手段からの光を当該被写体に伝達する照明用イメージガイドと、前記被写体からの光を伝達する撮像用イメージガイドとを具備し、前記走査手段が走査部内に配置され、前記走査部に接続された挿入部内に前記照射用イメージガイドと撮像用イメージガイドと検出手段とが配置され、
 前記検出手段は、前記撮像用イメージガイドからの光をイメージとして検出するための撮像素子を具備したことを特徴とする散乱体内部観察装置。
 請求項59に記載の装置であって、更に、前記走査手段からの光を当該被写体に伝達する照明用イメージガイドと、前記被写体からの光を伝達する撮像用イメージガイドとを具備し、前記走査手段が走査部内に配置され、前記検出手段が撮像部内に配置され、前記走査部および撮像部に接続された挿入部内に前記照射用イメージガイドと撮像用イメージガイドとが配置され、
 前記検出手段は、前記撮像用イメージガイドからの光をイメージとして検出するための撮像素子を具備したことを特徴とする散乱体内部観察装置。
 更に、前記走査手段に光を供給するための照明光源を当該走査部内に具備する請求項65に記載の散乱体内部観察装置。
 前記走査部が着脱可能であることを特徴とする請求項65に記載の散乱体内部観察装置。
 前記走査手段からの光がレーザー光であり、前記被写体からの光が散乱光であることを特徴とする請求項65に記載の散乱体内部観察装置。
 請求項43に記載の装置において、さらに、
 前記検出手段により検出された後方散乱光の光強度データを記憶する記憶手段と、
 前記記憶手段に記憶された複数の光強度データの頻度分布情報を作成し、該情報に基づいて、前記散乱体の所望の位置における内部が散乱媒質であるか或いは観察対象であるかを判定する判定手段と、
 前記判定手段による判定結果を表示する提示手段と
をさらに具備したことを特徴とする散乱体内部観察装置。
 前記判定手段が、
 前記記憶手段に記憶された複数の光強度データから、散乱媒質又は観察対象の影響が支配的な光強度データの頻度分布図Btを作成し、
 前記散乱体表面上の任意の測定点において連続的に検出された光強度の検出データから頻度分布図Dtを作成し、
 前記頻度分布図Btと前記頻度分布図Dtを統計的な検定処理に基づいて比較し、
  前記頻度分布図Btが散乱媒質の影響が支配的な光強度データに基づくときに、一致する場合は前記検出データが散乱媒質の影響が支配的なデータであると判定し、不一致の場合は前記検出データが観察対象の影響が支配的なデータであると判定し、
  前記頻度分布図Btが観察対象の影響が支配的な光強度データに基づくときに、一致する場合は前記検出データが観察対象の影響が支配的なデータであると判定し、不一致の場合は前記検出データが散乱媒質の影響が支配的なデータであると判定することを特徴とする、請求項70に記載の散乱体内部観察装置。
 前記判定手段が、複数の光強度データから頻度分布図を作成して散乱媒質の影響が支配的なデータと観察対象の影響が支配的なデータを区分する閾値を設定し、該閾値に基づいて、前記複数の光強度データから散乱媒質又は観察対象の影響が支配的なデータのみを抽出することにより、散乱媒質又は観察対象の影響が支配的な光強度データの頻度分布図Btを作成することを特徴とする、請求項71に記載の散乱体内部観察装置。
 前記判定手段が、前記比較の結果として散乱媒質又は観察対象の影響が支配的なデータであると判定された検出データを組込んで頻度分布図Btを更新することを特徴とする、請求項71に記載の散乱体内部観察装置。
 請求項70に記載の散乱体内部観察装置であって、
 前記光照射手段は、前記散乱体表面を走査可能であり、
 前記検出手段は、複数の検出素子を具備し、
 前記光照射手段によって光が照射される照明領域が光照射手段の走査によって移動するのに伴い、前記照明領域から一定の距離の領域を検出できる検出素子によって検出が行われることを特徴とする散乱体内部観察装置。
 請求項70に記載の散乱体内部観察装置であって、前記提示手段は、前記散乱体の所望の位置における判定結果を、前記散乱体の該位置上に表示することを特徴とする散乱体内部観察装置。
 請求項70に記載の散乱体内部観察装置であって、
 前記検出手段は、複数の検出素子を具備し、
 前記記憶手段は、前記検出手段により検出された光強度データを、該光強度データが検出された検出領域と前記光照射手段によって光が照射された照明領域との相対位置と共に記憶し、
 前記判定手段による判定が、前記検出領域と前記照明領域との距離が同等な光強度データのグループ毎に行われることを特徴とする散乱体内部観察装置。
 請求項76に記載の装置であって、
 前記光照射手段は、前記散乱体表面を走査可能であることを特徴とする散乱体内部観察装置。
 請求項76に記載の散乱体内部観察装置であって、
 前記判定手段による判定結果を表示するモニターをさらに備え、
 前記グループ毎に行われた解析の結果が、前記記憶手段に記憶された前記検出領域と照明領域との相対位置に基づいて画像化されて前記モニターに提示されることを特徴とする散乱体内部観察装置。
 散乱体内部の観察対象の情報を取得する散乱体内部観察方法であって、
 散乱媒質の内部に観察対象を含んでなる散乱体の表面に、観察対象と散乱媒質とで光学特性の異なる光を照射する工程と、
 前記光照射工程により前記散乱体表面の任意の光照射位置に照射された光の後方散乱光を2次元画像として検出する工程と、
 前記検出工程により取得された2次元画像データにおいて前記観察対象の存在の有無を確認し、前記2次元画像上における前記光照射位置と前記観察対象が確認された位置との距離から、前記散乱体における前記観察対象の深度を含めた位置情報を求める工程とを備えたことを特徴とする、散乱体内部観察方法。
 散乱体内部の観察対象の情報を取得する散乱体内部観察方法であって、
 散乱媒質の内部に観察対象を含んでなる散乱体の表面に、観察対象と散乱媒質とで光学特性の異なる光を照射する工程と、
 前記光照射工程により照射された光の後方散乱光を検出する工程と、
 深度情報を得たい所望の位置を中心として、前記照射位置と対称となる位置にある検出手段によって取得されたデータを解析することにより、前記所望の位置の任意の深度における情報を得る工程とを備えることを特徴とする、散乱体内部観察方法。
 散乱体内部の観察対象の情報を取得する散乱体内部観察方法であって、
 散乱媒質の内部に観察対象を含んでなる散乱体の表面に、観察対象と散乱媒質とで光学特性の異なる光を照射する工程と、
 前記光照射工程により照射された光の後方散乱光を検出する工程と、
 前記検出工程により取得された後方散乱光強度のデータから、所望の位置の任意の深度における情報を得る工程とを備え、
 前記光照射工程に使用される光照射手段と前記検出工程に使用される検出手段とが、前記所望の位置を中心として等距離に配置されることを特徴とする、散乱体内部観察方法。
 散乱体内部の観察対象の情報を取得する散乱体内部観察方法であって、
 散乱媒質の内部に観察対象を含んでなる散乱体の表面に、観察対象と散乱媒質とで光学特性の異なる光を照射する工程と、
 前記散乱体表面の任意の光照射位置に照射された光の後方散乱光を検出し、該後方散乱光の光強度データを取得する工程と、
 前記取得された光強度データを解析し、それぞれ深度が異なる複数の断層画像を作製する工程と、
 前記作製された複数の断層画像から、前記観察対象が表示された断層画像を選択する工程と、
 前記選択された断層画像を表示する工程とを備えることを特徴とする、散乱体内部観察方法。
 散乱体内部の観察対象の情報を取得する散乱体内部観察方法であって、
 散乱媒質の内部に観察対象を含んでなる散乱体の表面に、観察対象と散乱媒質とで光学特性の異なる光を照射する工程と、
 前記散乱体表面の任意の光照射位置に照射された光の後方散乱光を検出し、該後方散乱光の光強度データを取得する工程と、
 前記取得された光強度データを解析し、それぞれ深度が異なる複数の断層画像を作製する工程と、
 前記作製された断層画像を表示する工程と、
 前記表示された複数の断層画像から、所望の断層画像を選択して表示させる工程とを備えることを特徴とする、散乱体内部観察方法。
Description:
散乱体内部観察装置および散乱 内部観察方法

 本発明は、光を用いる非侵襲方法で散乱 内部を計測する散乱体内部計測装置(すなわ ち散乱体内部観察装置)及び計測方法(すなわ 観察方法)に関する。

 生体等の散乱体の内部を計測するには様 な手法がある。その一つである光を用いた 測は、用いる光の波長を選択することによ 特定の対象を計測できるという利点を有し いる。この手法では、測定対象に吸収され 波長の光を散乱体に照射し、その後方散乱 強度を計測することにより、散乱体内部に る測定対象の位置と深度情報が得られる。 方散乱光は、照射位置と計測位置との距離 大きくなるほど、散乱体のより深部を通っ きた光であることが知られている。

 特許文献1には、光照射手段の位置から順 次遠ざかる位置に複数の光検出手段を備えた 構成を有する生体光計測装置が開示されてい る。また、該装置による計測結果に基づいて 、生体の断層画像を再構成する手段も開示さ れている。

 特許文献2には、光照射部から同心円状等の ような所定の間隔で配置された複数の光検出 部を備えた構成を有する生体光計測装置が開 示されている。

特開2006-200943号公報

特開2007-20735号公報

〔発明が解決しようとする課題〕
 上記のような従来の装置では光照射手段と 検出手段が一体に構成されているために、 射位置と検出位置との距離が固定されてい 。従って、照射位置から任意の距離の位置 検出を行うことができないという問題があ 。

 また、所望の深度での断層画像を得るた には、多くの測定点で測定を行わなければ らず、断層画像を取得するのに多くの時間 要するという問題がある。

 また、より深部の情報を取得するために 照射位置と検出位置との距離をより大きく なければならないが、上記のような従来装 でそのような構成をとると、装置のサイズ 大きくなるという問題がある。

 またさらに、計測される後方散乱光は、 射位置と検出位置との間の中点の位置にお て最も深部を通る。即ち、観察される情報 うち最深部の情報は、照射位置と検出位置 の中点の位置におけるものである。そのた 、特許文献2のように検出部が光照射部から 順次離れた位置に配置された装置では、計測 される最深部のx、y方向の位置が、光照射部 検出部の距離が大きくなるにつれて、照射 置から遠くなってゆく。従って、ある特定 位置において、深度(z方向)を変化させた情 を得ることができないという問題がある。

〔課題を解決するための手段〕
 上記問題に鑑み、本発明は、散乱体内部の 定対象(すなわち観察対象)の情報を取得す 散乱体内部計測装置(すなわち散乱体内部観 装置)であって、前記測定対象と前記散乱体 とで光学特性の異なる光を前記散乱体に照射 する照明手段(すなわち光照射手段)と、前記 明手段により照射された光の後方散乱光を2 次元画像として検出する検出手段と、前記検 出手段により取得された2次元画像データに いて前記測定対象の存在の有無を確認し、 記2次元画像上における前記照射位置と前記 定対象が確認された位置との距離から、前 散乱体における前記測定対象の深度を含め 位置情報を求める解析手段とを備え、前記 明手段と前記検出手段が前記散乱体に非接 で計測が行われることを特徴とする散乱体 部計測装置並びに該装置を用いた計測方法 提供する。

〔発明の効果〕
 本発明によれば、後方散乱光を2次元画像と して検出することにより、照射位置から所望 の距離に位置するデータを任意に解析するこ とができる。よって、所望の位置及び深度の 情報を容易に取得することができる。

 さらに照射位置を移動させることにより 多くの情報を簡便且つ短時間で取得するこ ができ、容易に断層画像を作成することが きる。

図1は、第1の実施形態に係る散乱体内 計測装置のブロック構成図である。 図2は、本発明に係る散乱体内部計測装 置の動作を表したフローチャートである。 図3は、散乱体内部の光の伝搬の様子を 表す概念図である。 図4は、第1の実施形態に係る散乱体内 計測装置により得られる2次元画像データの 式図である。 図5は、照射位置を変えて測定したとき の2次元画像データの模式図である。 図6は、照射位置を変えて測定したとき の等深度データの軌跡を示す模式図である。 図7は、第1の実施形態に係る散乱体内 計測装置の変形例である。 図8は、第1の実施形態に係る散乱体内 計測装置の変形例である。 図9は、第1の実施形態に係る散乱体内 計測装置の変形例である。 図10は、第2の実施形態に係る散乱体内 部計測装置のブロック構成図である。 図11は、第3の実施形態に係る散乱体内 部計測装置のブロック構成図である。 図12は、散乱体内部観測装置のブロッ 構成図である。 図13は、側面1の散乱体内部観測装置を 適用した硬性鏡の模式図及び散乱体内部及び 表面における光の伝搬の様子を表す概念図で ある。 図14は、照明の走査の様子を表す概念 である。 図15は、照射位置の走査による等深度 域の軌跡を示す模式図である。 図16は、斜めに入射した場合の散乱体 部及び表面における光の伝搬の様子を表す 念図である。 側面2に係る散乱体内部観察装置のブ ック構成図 散乱体内部の光の伝播の様子を表す概 念図。 側面2の散乱体内部観察装置により検 される後方散乱光および得られる2次元画像 ータの模式図。 図20は、側面2の第1態様に係る散乱体 部観察装置のブロック構成図である。 図21は、側面2の第1態様に係る散乱体 部観察装置により得られる2次元画像を示す 念図である。 図22は、側面2の第1態様に係る散乱体 部観察装置の変形例のブロック構成図であ 。 図23は、光照射位置を変化させて測定 たときの2次元画像データの模式図である。 図24は、光照射位置を変えて測定した きの等深度データの奇跡を示す模式図であ 。 図25は、側面2の第2態様に係る散乱体 部観察装置のブロック構成図である。 図26は、側面2の第2態様に係る散乱体 部観察装置により得られる2次元画像を示す 念図である。 図27は、レーザービームの強度プロフ イルを示す図である。 図28は、側面2の散乱体内部観察装置の 変形例を示す図である。 図29は、側面2の散乱体内部観察装置の 変形例を示す図である。 図30は、側面2の散乱体内部観察装置の 変形例を示す図である。 図31は、第1実施形態に係る散乱体内部 観測装置のブロック構成図である。 図32は、散乱体表面の検出範囲を示す 式図である。 図33は、第2実施形態に係る散乱体内部 観測装置のブロック構成図である。 図34は、第3実施形態に係る散乱体内部 観測装置のブロック構成図である。 図35は、第4実施形態に係る散乱体内部 観測装置のブロック構成図である。 図36は、第4実施形態の変形例に係る散 乱体内部観測装置のブロック構成図である。 図37は、検出領域と検出範囲を示す模 図である。 図38は、検出範囲の決定方法を示す概 図である。 図39は、ノイズ除去方法の第1の方法を 示す概念図である。 図40は、ノイズ除去方法の第2の方法を 示す概念図である。 図41は、ノイズ除去方法の第3の方法を 示す概念図である。 図42は、側面4の1例を示すブロック図 ある。 図43は、側面4の1例を示すブロック図 ある。 図44は、側面4の1例を示すブロック図 ある。 図45は、側面4の1例を示すブロック図 ある。 図46は、側面4の1例を示すブロック図 ある。 図47は、側面4の1例を示すブロック図 ある。 図48は、側面4の装置を用いた測定の例 を示す図である。 図49は、内部に異質部分が存在する散 体の例を示す図である。 図50は、散乱媒質による後方散乱光を 出し、その光強度データを取得する様子を す模式図である。 図51は、第1の実施形態に係る散乱体内 部検出装置の概略機能ブロック図である。 図52は、提示手段によるマークの1実施 例を示す図である。 図53は、第1の実施形態の散乱体内部検 出装置の変形例の概略機能ブロック図である 。 図54は、第1の実施形態の散乱体内部検 出装置の提示手段の変形例を示す概略ブロッ ク図である。 図55は、第1の実施形態の散乱体内部検 出装置の概略動作フロー図である。 図56は、生体Sの表面上を走査して光強 度信号を検出する様子を示す模式図である。 図57は、光強度信号の頻度分布図であ 。 図58は、閾値の設定とデータの抽出を す模式図である。 図59は、散乱媒質検出信号データの抽 処理フロー図である。 図60は、第2の実施形態に係る散乱体内 部検出装置の概略機能ブロック図である。 図61は、第2の実施形態に係る散乱体内 部検出装置の検出体5212の実施例を示す図で る。 図62は、第2の実施形態において、照明 領域、検出素子(d1~d6)、各検出領域(e1~e6)の配 を表す模式図である。 図63は、第2の実施形態の散乱体内部検 出装置の概略動作フロー図である。 図64は、照明-検出距離が同等な4つの ループ(g1~g4)についての頻度分布図である。 図65は、図64の各グループについて作 された頻度分布図Btgである。 図66は、第2の実施形態における判定結 果の例を示す図である。 図67は、第2の実施形態における判定結 果の表示例を示す図である。

 以下、本発明の散乱体内部計測装置につ て説明する。本発明において、散乱体とは 散乱媒質で構成される任意のものを意味し その例として生体が挙げられる。本発明の 乱体内部計測装置は、散乱体内部の散乱媒 中に存在する測定対象について計測するも である。本発明における測定対象とは、例 ば血管などであってよいがこれに限定され い。

 以下、本発明の実施形態を図面に従って説 する。なお、以下の説明において、略同一 機能及び構成を有する構成要素については 同一符号を付し、重複説明は必要な場合に み行う。  
 (第1の実施形態)  
 図1は本発明の第1の実施形態に係る散乱体 部計測装置1のブロック構成図である。同図 示すように、散乱体内部計測装置1は、可動 性の光照射部10、検出部11、制御/解析部12、 モリ13、表示部14、入力部15を具備している

 光照射部10は、散乱体8内部の測定対象7と その周囲の散乱媒質6とで光学特性の異なる を照射する照明手段である。光照射部には えばLDなどを用いることができるがこれらに 限定されない。この光照射部10から照射され 光には、例えば、測定対象には吸収される 散乱媒質には吸収されない波長の光を使用 ることができる。光照射部10は、制御/解析 12からの制御信号に基づいて光を散乱体8に けて照射する。

 検出部11は、光照射部10によって照射され た光が、散乱体8の散乱媒質6と測定対象7によ り、反射、散乱、吸収され、散乱体表面から 出射された後方散乱光強度を検出するもので ある。本実施形態においては、検出部11に光 号を2次元画像データとして検出できる撮像 素子を用いる。例えばCCDを用いることができ るがこれに限定されない。検出部11は、制御/ 解析部12からの制御に基づいて後方散乱光を 出する。

 上記の光照射部10、検出部11、表示部14及 入力部15は、電気信号が伝送される信号回 によって制御/解析部12に接続される。

 制御/解析部12は、光照射部10、検出部11の 動作を制御すると共に、検出部11によって検 された2次元画像データを解析し、測定対象 7が散乱体8の内部に存在しているか否かを確 する。散乱体8の内部に測定対象7が存在し いる場合、2次元画像データ上での光の照射 置と測定対象7が確認された位置との距離な どから、散乱体8において測定対象7が実際に 在する位置や深度が解析される。また制御/ 解析部12は、検出されたデータを記憶するメ リ13を備える。

 本実施形態においては検出部11として2次 画像データを取得できる撮像素子を用いる 、撮像素子の光学系の画角の観点から、検 部11が散乱体8に接触せずに離れているほう 広い領域を計測できる。そこで、本実施形 における光照射部10及び検出部11は、散乱体 に接触せずに一定距離を隔てて照射及び検出 を行う。これにより、検出部11は散乱体の広 領域を一度に計測することができる。この 出部11により一度に検出される領域をここ は計測領域と称する。

 次に、本実施形態に係る散乱体内部計測 置1の作用を説明する。

 図2は本発明に係る散乱体内部計測装置1 動作を表したフローチャートである。S1にお いて、散乱体に光を照射する位置を決定する 。S2において、光照射部10により散乱体に光 照射する。S3において、検出部11により、散 体8内部の散乱媒質6により反射、散乱、吸 され、再度散乱体表面に戻ってきた後方散 光強度を2次元画像として検出する。検出さ たデータはS4においてメモリ13中に記憶され る。S5において、測定が終了か否か判断し、 了でなければS1に戻って測定を続ける。終 の場合はS6へ移行する。

 S6において、制御/解析部12がメモリ13に記 憶されたデータを解析する。解析結果はS7に いて表示部14に表示される。S8において計測 を終了するか否かを判断し、終了でなければ 、S1に戻って計測を続けるかS6に戻って解析 続ける。

 S6における解析は、以下のような解析手法 より行われる。  
 一つの解析方法として、得られた2次元画像 データから、測定対象の位置と深度が解析さ れる。  
 図3は散乱体内部の光の伝搬の様子を表す概 念図である。一般的に散乱体に照射された光 は、散乱体内部で散乱を繰り返すうちに散乱 の異方性が失われて等方散乱に近づく。この 結果、平均的な光経路の断面はバナナ状にな ることが知られている。

 図3において、光の照射位置から近い位置I 1 では散乱体の表面近くを伝搬してきた光が多 く検出される。一方、照射位置から離れた位 置I 2 では散乱体のより深部を伝搬してきた光が多 く検出される。このように、光の照射位置か ら検出位置までの距離に応じて、検出された 光が伝播してきた深度が変化する。この性質 を利用して、測定対象が散乱体内部のいずれ の深度に存在するかを解析する。

 例えば、図3(a)において測定対象は検出位置 I 1 とI 2 の間の表面近くにある。この場合、検出位置 I 1 とI 2 における検出光には変化が見られない。一方 、図3(b)において測定対象は検出位置I 1 とI 2 の間のより深い位置にある。このとき、検出 位置I 1 における検出光には変化が見られないが、検 出位置I 2 における検出光は減弱する。これによって、 測定対象の位置と深度が決定される。

 このように、2次元画像データ上で後方散 乱光強度の弱いポイントが見出された場合、 そのポイントと光照射位置との距離を基に解 析を行い、深度と位置を算出する。

 また他の解析方法として、得られた2次元画 像データから、一定深度での断層画像が作成 される(すなわち画像構築)。  
 図4に、計測領域で計測される後方散乱光の 模式図を示した。光照射部10から散乱体上に が照射された位置をバツ印で示し、検出部1 1によって撮像される計測領域40を点線で示し た。散乱体8によって反射、散乱、吸収され 散乱体表面から出射された後方散乱光は、 に示すように照射位置を中心とする同心円 になる。ここで、図4(a)に示すように、同心 の直径が大きくなるほど、散乱体のより深 を通ってきた光である。図4(b)においては同 心円領域41、42及び43は、それぞれが略同じ深 度の情報を有すると見なすことができる。ま たその深度は照射位置からその同心円までの 距離に対応するため、同心円領域41、42及び43 の順に深度が深い。よって、2次元画像デー から、同心円領域の画像データを抽出する とにより、一定の深度における画像データ 選択的に取り出すことができ、選択された ータから該深度での断層画像を作成するこ ができる。

 なお、上記の解析方法は、光照射部10の位 を変化させて計測を行うことにより、解析 使用できる情報を簡便により多く取得する とができる。  
 図5は、光照射部10による照射位置を変化さ て測定した様子を示す。検出部11は固定さ ており、計測領域50も移動しない。しかし、 光照射部10によって照射する位置を変動させ ことにより、上述したような同心円領域が 動する。この様子を図6に示す。

 図6(a)~(c)は、同心円領域51、52及び53のそ ぞれが移動した軌跡を示す模式図である。 れぞれの同心円領域は同じ深度の情報を有 ている。従って、複数の計測結果を図6に示 ように重ね合わせることにより、その深度 の断層画像を作成することができる。なお データを重ね合わせる際に重複する部分が じるが、重複するデータから任意のデータ 選択的に用いるか、重複するデータの平均 を用いればよい。

 このように、照射位置を移動させること より、より多くの情報を簡便に取得するこ ができる。なお、照射位置を移動させる場 、光照射部10が可動可能なように構成され 。光照射部10は、それ自体が自由に移動でき る構成であってもよく、また或いは光を照射 する角度を変動させて照射位置を移動させる 構成であってもよい。

 光照射部10のみを移動させることにより 散乱体内部計測装置自体を移動させること く、複数の2次元画像データを容易に取得す ことができ、断層画像作成に必要な検出デ タを効率よく取得することができる。これ より、測定時間を短縮することが出来る。

 さらに他の解析方法として、得られた2次 元画像データから、所望の位置の任意の深度 における情報を得ることができる。

 上述したように、光照射部10の位置を変 させて計測を行うことにより、解析に使用 きる多くの情報を容易に取得することがで る。さらに、検出されるデータが2次元画像 あるため、画像中の所望の位置におけるデ タを任意に使用することがきる。従って、 記のように得られた複数の2次元画像データ 上で、所望の位置と前記照射位置との間の距 離と等しい距離だけ前記所望の位置から離れ た位置におけるデータを解析することにより 、前記所望の位置の任意の深度における情報 を簡便に得ることができる。この場合、情報 を得たい深度に応じて、所望の位置と、照射 位置並びに解析するデータの位置との距離が 決定される。

 なお、上述した各解析方法においては、 2のデータ解析工程S6において、照射位置と 出位置との距離を求める際、検出部11の光 系の焦点距離や倍率などを考慮に入れる。 らに、内視鏡などの検出手段で用いられる 像系の場合、歪曲収差がおこることがある この場合は、あらかじめ格子チャートなど 歪曲収差の影響の大きさを求めておき、照 位置と検出位置との距離を求める際に考慮 入れる。

 図7~9は、本第1の実施形態に係る散乱体内 部計測装置1の変形例を表すブロック図であ 。図7は、スポット状の照明光を発する光照 部70が複数備えられた装置である。図8は、 イン状の照明光を発する光照射部80が備え れた装置である。図9は、ライン状の照明光 発する光照射部90が複数備えられた装置で る。これらの変形例によれば、一度の測定 多くのデータを検出することができ、測定 間をより短縮することが出来る。なお、ラ ン状の照明光は光強度が均一であることが ましい。或いは、光の強度に応じて補正を う手段を備えることが好ましい。また、光 射部が複数備えられる場合、各光照射部は それぞれの光によって得られる検出データ 互いに干渉しない程度離れた位置に配置さ る。

 以上説明したように、本実施形態では、 測されるデータが2次元画像データであるた め、照射位置から任意の距離だけ離れた位置 のデータを自由に選択することが出来る。そ れ故、照射位置及び検出位置を設定する際の 自由度が高い。また、2次元画像データであ ため一度の計測でより多くの情報を取得す ことができる。その上、散乱体と非接触で 測を行うため、より広い領域を一度に計測 ることができ、深部の情報も簡便に取得で る。そのため装置を大型化する必要がない さらに、照射位置及び検出位置の自由度が いため、所望の位置の任意の深度における 報を容易に得ることができる。

 (第2の実施形態)
 次に、本発明の第2の実施形態を説明する。 図10は、第2の実施形態に係る散乱体内部計測 装置100のブロック構成図である。本散乱体内 部計測装置100においては、光照明部109が可動 可能に備えられる。また、検出部101は光検出 素子107を複数具備する。光検出素子107は、散 乱体8の表面に沿って光照射部109から遠ざか 一方向に沿って配列されてもよく、或いは 散乱体8の表面に沿って二次元マトリックス に配列されてもよい。

 このような第2の実施形態に係る散乱体内 部計測装置100によれば、光照射部109を可動さ せ、所望の位置を中心として、照射位置と対 称となる位置にある光検出素子107によって取 得されたデータを解析することにより、所望 の位置における任意の深度の情報を容易に得 ることができる。

 (第3の実施形態)
 次に、本発明の第3の実施形態を説明する。 図11は、第3の実施形態に係る散乱体内部計測 装置110のブロック構成図である。本散乱体内 部計測装置110においては、光照明部119及び検 出部120が可動可能に備えられる。

 このような第3の実施形態に係る散乱体内 部計測装置110によれば、光照射部119と検出部 120を可動させ、所望の位置を中心として、等 距離となる位置にそれぞれを配置する。これ により、所望の位置における任意の深度の情 報を得ることができる。得られる情報の深度 は、所望の位置と光照射部119及び検出部120と の距離を適宜調節することによって容易に変 化させることができる。

 本発明は上記実施形態に限定されるもの はなく、その要旨を逸脱しない範囲におい 様々な変形や変更が可能である。また、上 実施形態に開示されている複数の構成要素 適宜組合せることも可能である。例えば、 施形態に示される全構成要素から幾つかの 成要素を削除してもよい。さらに、異なる 施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせ もよい。

 上述した発明の他の側面として、以下に す側面1~5が考えられる。

 <側面1>
 側面1は、散乱体による後方散乱光を計測す ることにより散乱体内部を観測する装置及び 方法に関する。

〔背景技術〕
 生体等の散乱体の内部を観測するには様々 手法がある。その一つである光を用いた観 は、用いる光の波長を選択することにより 定の対象を観測できるという利点を有して る。この手法では、特定の対象(すなわち異 質部分)に吸収される波長の光を散乱体に照 し、その後方散乱光強度を計測することに り、散乱体内部に存在する異質部分の位置 深度情報を得ることができる。後方散乱光 、照射位置と計測位置との距離が大きくな ほど、散乱体のより深部を通ってきた光で ることが知られている。

 またさらに、異質部分の位置と深度の情 を得るだけでなく、照射位置と計測位置と 距離が同じである後方散乱光のデータを集 ることにより、その深度での断層画像を作 することができる。

 特開2006-200943号公報には、光照射手段の 置から順次遠ざかる位置に複数の光検出手 を備えた構成を有する生体光観測装置が開 されている。また、該装置による計測結果 基づいて、生体の断層画像を再構成する手 も開示されている。

 特開2007-20735号公報には、光照射部から同 心円状等のような所定の間隔で配置された複 数の光検出部を備えた構成を有する生体光観 測装置が開示されている。

〔発明が解決しようとする課題〕
 上記のような従来の装置では光照射手段と 検出手段が一体に構成されているために、 射位置と検出位置との距離が固定されてい 。そのため、観測できる深度が決まってお 、一定の深度でしか断層画像を作製できな という問題がある。

 また、断層画像を得るためには、多くの 定点で測定を行わなければならず、断層画 を取得するのに多くの時間を要するという 題がある。

 上記問題に鑑み、側面1は、異質部分が存 在する深度における断層画像を効率的に取得 することが可能な散乱体内部観測装置を提供 することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕
 側面1によれば、散乱体内部の異質部分(す わち観察対象)の情報を取得する散乱体内部 測装置(すなわち散乱体内部観察装置)であ て、前記散乱体を構成する散乱媒質と前記 質部分とで光学特性の異なる波長を少なく も含む光を前記散乱体に照射する照明手段( なわち光照射手段)と、前記照明手段により 照射された光の後方散乱光を検出し、該後方 散乱光の光強度データを取得する検出手段と 、前記取得された光強度データを解析し、そ れぞれ深度が異なる複数の断層画像を作製す る画像化手段(すなわち画像構築手段)と、前 作製された複数の断層画像から、前記異質 分が表示された断層画像を選択する解析手 (すなわち選択手段)と、前記選択された断 画像を表示する表示手段を備えることを特 とする散乱体内部観測装置並びに該装置を いた散乱体内部観測方法が提供される。

 側面1の他の態様によれば、散乱体内部の 異質部分の情報を取得する散乱体内部観測装 置であって、前記散乱体を構成する散乱媒質 と前記異質部分とで光学特性の異なる波長を 少なくとも含む光を前記散乱体に照射する照 明手段と、前記照明手段により照射された光 の後方散乱光を検出し、該後方散乱光の光強 度データを取得する検出手段と、前記取得さ れた光強度データを解析し、それぞれ深度が 異なる複数の断層画像を作製する画像化手段 と、作製された断層画像を表示する表示手段 と、前記表示された複数の断層画像から、所 望の断層画像を選択して表示させる入力手段 とを備えることを特徴とする散乱体内部観測 装置並びに該装置を用いた散乱体内部観測方 法が提供される。

 一つの態様において、上記散乱体内部観 装置は、前記照明手段によって照射される 明範囲(すなわち照射範囲)の形状を認識す 照明範囲認識手段(すなわち照射範囲認識手 )と、前記照明範囲認識手段によって認識さ れた照明範囲の形状に基づいて、断層画像を 作製するための光強度データの抽出位置を決 定する抽出位置決定手段とを含む画像化手段 を具備する。

〔発明の効果〕
 側面1によれば、異質部分が存在する深度に おける断層画像を効率的に取得することが可 能な散乱体内部観測装置を提供するができる 。

〔発明を実施するための最良の形態〕
 側面1において、散乱体とは、主に散乱媒質 から構成される物体を指し、例として生体が 挙げられる。散乱媒質とは、少なくとも光を 散乱する性質を示し、吸収よりも散乱のほう が支配的であるものである。

 側面1の散乱体内部観測装置は、散乱体内 部の散乱媒質中に存在する異質部分を観測す るための装置である。側面1において異質部 とは、透過率、屈折率、反射率、散乱係数 吸収係数などの光学特性が散乱媒質と異な ものである。例として血管が挙げられるが これに限定されない。

 以下、側面1の実施形態を図面に従って説明 する。なお、以下の説明において、略同一の 機能及び構成を有する構成要素については、 同一符号を付し、重複説明は必要な場合にの み行う。  
 図12は側面1の一つの実施形態に係る散乱体 部観測装置1001のブロック構成図である。同 図に示すように、散乱体内部観測装置1001は 光照射部1010、検出部1011、制御部1012、表示 1014、入力部1015を具備している。

 光照射部1010は、散乱体1008内部の異質部 1007とその周囲の散乱媒質1006とで光学特性の 異なる波長を少なくとも含む光を照射する照 明手段である。光照射部には例えばLDなどを いることができるがこれらに限定されない この光照射部1010から照射される光には、例 えば、異質部分には吸収されるが散乱媒質に は吸収されない波長を少なくとも含む光を使 用することができる。光学特定の異なる波長 を少なくとも含む光は、例えば、生体中の散 乱特性が異なる異質物質が血管の場合、ヘモ グロビンに吸収を持つ近赤外領域の波長を含 む光が好適に用いられる。光照射部1010は、 御部1012からの制御信号に基づいて光を散乱 1008に向けて照射する。

 検出部1011は、光照射部1010によって照射 れた光が、散乱体1008の散乱媒質1006と異質部 分1007により、反射、散乱、吸収され、散乱 表面から出射された後方散乱光強度を検出 、該後方散乱光の光強度データを取得する のである。本実施形態においては、検出部10 11に光信号を2次元画像データとして検出でき る撮像素子を用いる。例えばCCDを用いること ができるがこれに限定されない。検出部1011 、制御部1012からの制御に基づいて後方散乱 を検出する。

 制御部1012は、光照射部1010、検出部1011の 作を制御すると共に、検出部1011によって検 出された2次元画像データを解析し、それぞ 深度が異なる複数の断層画像を作製する画 化手段1016と、作製された複数の断層画像か 、異質部分が表示された断層画像を選択す 解析手段1017とを含む。解析手段によって選 択された断層画像は、表示部1014によって表 されることができる。

 上記の光照射部1010、検出部1011、表示部10 14及び入力部1015は、電気信号が伝送される信 号回路によって制御部1012に接続される。

 次に、本実施形態に係る散乱体内部観測 置1001の作用を説明する。

 まず、光照射部1010により散乱体1008に光 照射される。次いで、散乱体1008内部の散乱 質1006により反射、散乱、吸収され、再度散 乱体表面に戻ってきた後方散乱光強度が、検 出部1011により2次元画像として検出される。

 次に、画像化手段1016において、得られた 2次元画像データが解析され、それぞれ深度 異なる断層画像が作製される。ここで、断 画像の作製原理について説明する。

 図13(a)は、側面1の散乱体内部観測装置を 用した硬性鏡1100の模式図である。硬性鏡110 0は、照明部1102及び検出部1101を備え、また図 示されない制御部及び表示部を備える。図13( b)は散乱体の断面模式図を示し、図13(c)は散 体の表面を上面から見た模式図である。図13 (c)では、光照射部1102から散乱体1008上に光が 射された位置をバツ印で示し、検出部1101に よって後方散乱光が検出される検出範囲1050 点線で示した。

 光照射部1102から散乱体1008に照射された の後方散乱光は、図13(b)に示すように伝播し 、これを散乱体表面上からみると図13(c)に示 ように照射位置を中心とした同心円状とな 。この同心円の直径が大きいほど、散乱体 より深部を通ってきた後方散乱光である。 えば符号1051、1052及び1053で示されるリング 領域のように、同心円領域はそれぞれが略 じ深度を通ってきた後方散乱光であり、そ 同心円領域での光強度データを抽出するこ により、その深度における断層画像を作製 ることができる。

 また、照射位置から同心円領域までの距 は、深度に対応するため、照射位置から同 円領域までの距離を変化させることにより 所望の深度の断層画像を得ることができる

 さらに、側面1の一つの態様における走査 可能な照明手段を具備する散乱体内部観測装 置の場合、図14に示すように、検出範囲1050中 で照明点が移動される。このとき、照明点の 移動に伴って同心円領域も移動する。そのた め、常に照明点から一定距離にある同心円領 域での光強度データを抽出することにより、 同じ深度の情報を得ることができる。これに ついて図15を参照して説明する。

 図15(a)は、各走査点における同心円領域10 51、1052及び1053を重ね合わせた図である。換 すれば、同心円領域1051、1052及び1053のそれ れが移動した軌跡を示す図である。それぞ の同心円領域は同じ深度の情報を有してい 。従って、複数の検出結果を図15(a)に示すよ うに重ね合わせることにより、図15(b)に示す うに、その深度での断層画像を作製するこ ができる。

 なお、データを重ね合わせる際に重複す 部分が生じるが、重複するデータから任意 データを選択的に用いるか、重複するデー の平均値を用いればよい。

 図14及び15に示すように、照明を走査して 検出を行うことにより、多くの光強度データ を取得することができ、より精度の高い断層 画像を得ることができる。

 上記で説明した原理に基づいて、深度の なる複数の断層画像が作製されると、次に 解析手段1017により、例えば図15(c)に示すよ に、異質部分が表示された断層画像が選択 れる。この選択は、所定のコントラスト条 を満たす断層画像を決定することにより行 れる。

 断層画像に異質部分が存在する場合、画 中の光強度に変化が生じる。即ち、画像が 質でなくなり、コントラストが生じる。こ とき、画面上にコントラストが生じたと判 する条件を「コントラスト条件」と称する 解析手段1017は、各断層画像がコントラスト 条件を満たすかどうかを判断し、コントラス ト条件を満たす断層画像を異質部分が存在す る断層画像であると決定する。

 断層画像がコントラスト条件を満たすか うかを判断する方法には、次の(1)~(4)の方法 を用いることができるが、これらに限定され ず、種々の方法を用いることができる。

(1)断層画像の画面をいくつかに分割し、そ れぞれの区分で平均強度を算出する。次いで 、この区分間の平均強度に一定以上の相違が あるかどうかを判断する。この場合、相違が あると見なす条件がコントラスト条件である 。

(2)断層画像の画面における各画像の光強度 を比較し、画素間で光強度に一定以上の相違 があるかどうかを判断する。この場合、相違 があると見なす条件がコントラスト条件であ る。

(3)深度の異なる断層画像同士を比較し、光 強度が異なる部分を検出する。各断層画像間 で強度変化が同じ箇所はノイズと見なすこと ができる。断層画像間で、光強度の変化に相 違がある場合は、異質部分が存在すると見な すことができる。この場合、断層画像間で光 強度の変化に相違があると見なす条件がコン トラスト条件である。

(4)取得された光強度データから、空間的な 光強度分布データ画像を作製し、光強度の変 化をみる。例えば、画像上の任意の点を通る ライン上において、光強度が大きく減少した 箇所は異質部分であるとみなすことができる 。また、光強度の減少の程度が小さければ、 ノイズであると判断できる。

 以上に説明した何れかの方法によって、 質部分が表示された断層画像が選択される 、その断層画像は表示部1014によって表示さ れる。このとき、選択された断層画像のみを 表示してもよく、選択された断層画像を他の 画像より大きく表示するなどして他の断層画 像とともに表示してもよい。

 なお、上記した一連の工程は、散乱体の 測の間、繰り返し連続的に行われ、表示さ る断層画像は逐次更新される。

 以上説明したように、側面1の態様によれ ば、2次元画像として光強度データを取得す ことにより、任意の深度の断層画像を容易 得ることができ、さらに、異質部分が存在 る深度における断層画像を自動で選択する とにより、簡便且つ効率的に、散乱体内部 観測することができる。

 次に、側面1の他の態様について説明する 。本態様における散乱体内部観測装置は、画 像化手段により作製された複数の断層画像を 表示し、使用者が所望の断層画像を選択する ことができる構成を有する。

 本態様における散乱体内部観測装置は、 記散乱体を構成する散乱媒質と前記異質部 とで光学特性の異なる波長を少なくとも含 光を前記散乱体に照射する照明手段と、前 照明手段により照射された光の後方散乱光 検出し、該後方散乱光の光強度データを取 する検出手段と、前記取得された光強度デ タを解析し、それぞれ深度が異なる複数の 層画像を作製する画像化手段と、作製され 断層画像を表示する表示手段と、前記表示 れた複数の断層画像から、所望の断層画像 選択して表示させる入力手段とを備える。 態様で用いられる照明手段及び検出手段は 上記の散乱体内部観測装置1001と同様である 。

 表示手段は、画像化手段により作製され 複数の断層画像を同時に表示することがで 、さらに、使用者によって選択された断層 像を拡大して表示するか、或いは選択され 断層画像のみを拡大して表示することがで る。例えばモニター画面などが好適に用い れるがこれに限定されない。

 入力手段は、表示された複数の断層画像 ら使用者が所望の断層画像を選択し、その 果を入力するためのものである。例えば、 択画像を指示するキーボードなどであって よく、或いは、表示された画像にタッチし り、入力ペンで囲むなどして指示したりす 、タッチパネルを用いたモニターなどであ てもよいが、これらに限定されず、種々の 力手段が用いられ得る。

 本態様における散乱体内部観測装置を用い 場合、
 照明手段によって、散乱体に光を照射し、 出手段によって該照射された光の後方散乱 を検出し、後方散乱光の光強度データを取 する。次いで、画像が手段によって、取得 れた光強度データが解析され、それぞれ深 が異なる複数の断層画像が作製される。

 次いで、表示手段によって、作製された 数の断層画像を表示される。複数の断層画 の全てを同時に表示してもよく、或いは幾 かを同時に表示してもよい。

 次いで、表示された複数の断層画像から 使用者が所望の画像を選択し、その結果を 力手段を用いて入力する。表示部は、入力 れた指示に基づいて、選択された断層画像 表示する。

 上記した一連の工程は、散乱体の観測の 、繰り返し連続的に行われ、表示される断 画像は逐次更新される。断層画像の選択は 用者が定期的に行ってもよいが、使用者に り選択された断層画像の条件を記憶し、そ 後の選択は該条件に従って自動で行っても い。ここで、断層画像の条件とは、例えば 度などである。

 以上に説明した各態様における散乱体内 観測装置は、さらに、画像化手段に、照明 段によって照射される照明範囲の形状を認 する照明範囲認識手段と、該照明範囲認識 段によって認識された照明範囲の形状に基 いて、断層画像を作製するための光強度デ タの抽出位置を決定する抽出位置決定手段 を含むことができる。

 図16に示すように、散乱体に斜めに光を 射した場合、散乱体から出射される後方散 光は、同心円状にならず、歪んだ円形状に る。このため、照明点から同心円上での光 度データを元に断層画像を作製することが きない。

 従って、断層画像の作製に先立って、光 度データを抽出する位置を検討する必要が る。そこで、まず、照明範囲認識手段によ て照明範囲の形状を認識する。まず、撮像 れた後方散乱光の2次元画像において、照明 点から近い場所で後方散乱光を検出する。こ こで照明範囲には、ごく浅い深度からの後方 散乱光と表面反射光の両方が含まれる。

 次いで、照明点を含むライン上で光強度 プロットしグラフを作成する。グラフ上に いて、照明点を挟んで強度が同じ2点が、同 じ深度からの後方散乱光が出射される位置と 見なすことができる。このプロットと解析を 繰り返し行うことにより、照明範囲の形状を 認識することができる。例えば、照明点を中 心としてプロットするラインの角度を変更し ながら行う。

 上記のように照明範囲の形状が認識され と、次いで、抽出位置決定手段により、そ 形状に基づいて断層画像を作製するために 強度データを抽出する位置が決定される。 れは例えば、照明範囲の形状を順次拡大す ことにより決定することができる。

 以上にように、画像化手段が照明範囲認 手段と抽出位置決定手段とを含み、照射範 の形状を認識し、光強度データを抽出する 置を決定した上で、断層画像を作製するこ により、精度が向上した断層画像を取得す ことができる。

 なお、上記の散乱体内部観測装置では、 明手段として、スポット状の照明光を発す 光照射部を単独で用いた例を説明したが、 れに限定されず、スポット状の照明光を発 る光照射部が複数備えられてもよい。或い 、ライン状の照明光を発する光照射部が備 られてもよい。これらの変形例によれば、 度の測定で多くのデータを検出することが き、測定時間をより短縮することが出来る なお、ライン状の照明光は光強度が均一で ることが好ましい。或いは、光の強度に応 て補正を行う手段を備えることが好ましい また、光照射部が複数備えられる場合、各 照射部は、それぞれの光によって得られる 出データが互いに干渉しない程度離れた位 に配置される。

 以上説明したように、側面1によれば、散 乱体の断層画像を効率的且つ高精度に取得す ることができる。また、異質部分が存在する 断層画像を簡便に選択、表示することができ 、実用の際の便宜を向上させることができる 。

 側面1は上記実施形態に限定されるもので はなく、その要旨を逸脱しない範囲において 様々な変形や変更が可能である。また、上記 実施形態に開示されている複数の構成要素を 適宜組合せることも可能である。例えば、実 施形態に示される全構成要素から幾つかの構 成要素を削除してもよい。さらに、異なる実 施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせて もよい。

 以上の説明によれば、側面1は以下に示す ように表現される発明であると理解できる。

 1.散乱体内部の異質部分の情報を取得する 乱体内部観測装置であって、
 前記散乱体を構成する散乱媒質と前記異質 分とで光学特性の異なる波長を少なくとも む光を前記散乱体に照射する照明手段と、
 前記照明手段により照射された光の後方散 光を検出し、該後方散乱光の光強度データ 取得する検出手段と、
 前記取得された光強度データを解析し、そ ぞれ深度が異なる複数の断層画像を作製す 画像化手段と、
 前記作製された複数の断層画像から、前記 質部分が表示された断層画像を選択する解 手段と、
 前記選択された断層画像を表示する表示手 を備えることを特徴とする、散乱体内部観 装置。

 2.前記異質部分が表示された断層画像が 所定のコントラスト条件を満たす断層画像 ある、前記1.に記載の散乱体内部観測装置。

 3.散乱体内部の異質部分の情報を取得する 乱体内部観測装置であって、
 前記散乱体を構成する散乱媒質と前記異質 分とで光学特性の異なる波長を少なくとも む光を前記散乱体に照射する照明手段と、
 前記照明手段により照射された光の後方散 光を検出し、該後方散乱光の光強度データ 取得する検出手段と、
 前記取得された光強度データを解析し、そ ぞれ深度が異なる複数の断層画像を作製す 画像化手段と、
 作製された断層画像を表示する表示手段と
 前記表示された複数の断層画像から、所望 断層画像を選択して表示させる入力手段と 備えることを特徴とする、散乱体内部観測 置。

 4.前記画像化手段が、
 前記照明手段によって照射される照明範囲 形状を認識する照明範囲認識手段と、
 前記照明範囲認識手段によって認識された 明範囲の形状に基づいて、断層画像を作製 るための光強度データの抽出位置を決定す 抽出位置決定手段と、
を備えることを特徴とする、前記1.~3.の何れ 一に記載の散乱体内部観測装置。

 5.前記光学特定の異なる波長を少なくと 含む光が、ヘモグロビンに吸収を持つ近赤 領域の波長を含む光である、前記1.~4.の何れ か一に記載の散乱体内部観測装置。

 6.散乱体内部の異質部分を観測する散乱体 部観測方法であって、
 (a) 前記散乱体を構成する散乱媒質と前記 質部分とで光学特性の異なる波長を少なく も含む光を前記散乱体に照射する工程と、
 (b) 前記照射された光の後方散乱光を検出 、該後方散乱光の光強度データを取得する 程と、
 (c) 前記工程により取得された光強度デー を解析し、それぞれ深度が異なる複数の断 画像を作製する工程と、
 (d) 前記作製された複数の断層画像から、 記異質部分が表示された断層画像を選択す 工程と、
 (e) 前記工程により選択された断層画像を 示する工程と、
を含むことを特徴とする方法。

 7.前記工程(d)が、作製された断層画像が 定のコントラスト条件を満たすかどうかを 定する工程を含み、所定のコントラスト条 を満たす断層画像を異質部分が表示された 層画像として選択することを特徴とする、 記6.に記載の方法。

 8.前記工程(a)~(e)が繰り返し行われ、表示 れる断層画像が更新されることを特徴とす 前記6.又は7.に記載の方法。

 9.散乱体内部の異質部分を観測する散乱体 部観測方法であって、
 (a) 前記散乱体を構成する散乱媒質と前記 質部分とで光学特性の異なる波長を少なく も含む光を前記散乱体に照射する工程と、
 (b) 前記照射された光の後方散乱光を検出 、該後方散乱光の光強度データを取得する 程と、
 (c) 前記工程により取得された光強度デー を解析し、それぞれ深度が異なる複数の断 画像を作製する工程と、
 (d) 前記作製された断層画像を表示する工 と、
 (e)前記表示された複数の断層画像から、所 の画像を選択して表示させる工程と、
を含むことを特徴とする方法。

 10.前記工程(a)~(d)が繰り返し行われ、
 前記工程(e)において選択された断層画像と じ条件の断層画像が選択されて表示が更新 れることを特徴とする前記9.に記載の方法

 11.(C1) 前記工程(b)において照射された光が 散乱体表面上で形成する照明範囲の形状を 識する工程と、
 (C2) 前記工程において認識された形状に基 いて、断層画像を作製するための光強度デ タの抽出位置を決定する工程と、
を含むことを特徴とする、前記6.~10.の何れか 一に記載の方法。

〔産業上の利用可能性〕
 側面1の散乱体内部観測装置は、例えば内視 鏡や硬性鏡などに好適に適用される。

<側面2>
 側面2は、光を用いる非侵襲方法で散乱体内 部を観察する散乱体内部観察装置および観察 方法に関する。

〔背景技術〕
 生体等の散乱体の内部を観察するには様々 手法がある。その1つである光を用いた観察 は、用いる光の波長を選択することにより特 定の対象を観察できるという利点を有してい る。この手法では、観察対象に吸収される波 長の光を散乱体に照射し、その後方散乱光強 度を計測することにより、散乱体内部にある 観察対象の位置と深度情報が得られる。後方 散乱光は、照射位置と検出位置との距離が大 きくなるほど、散乱体のより深部を通ってき た光を多く含むことが知られている。

 特開2006-200943号公報には、光照射手段の 置から順次遠ざかる位置に複数の光検出手 を備えた構成を有する生体光計測装置が開 されている。また、該装置による計測結果 基づいて、生体の断層画像を再構成する手 も開示されている。

 特開2007-20735号公報には、光照射部から同 心円状等のような所定の間隔で配置された複 数の光検出部を備えた構成を有する生体光計 測装置が開示されている。

 上記のような従来の装置では、光照射手 と光検出手段が一体に構成されているため 、照射位置と検出位置との距離が固定され いる。従って、照射位置から任意の距離の 置で検出を行うことができないという問題 ある。

 また、所望の深度での断層画像を得るた には、多くの測定点で測定を行わなければ らず、断層画像を取得するのに多くの時間 要するという問題点がある。

 また、より深部の情報を取得するために 照射位置と検出位置との距離をより大きく なければならないが、上記のような従来装 でそのような構成をとると、装置のサイズ 大きくなるという問題がある。

 またさらに、計測される後方散乱光は、 射位置と検出位置との間の中点の位置にお て最も深部を通る。即ち、観察される情報 うち最深部の情報は、照射位置と検出位置 の中点の位置におけるものである。そのた 、特開2007-20735号公報のように検出部が光照 射部から順次離れた位置に配置された装置で は、計測される最深部のx、y方向の位置が、 照射部と検出部の距離が大きくなるにつれ 、照射位置から遠くなってゆく。従って、 る特定の位置において、深度(z方向)を変化 せた情報を得ることができないという問題 ある。

 上記問題を解決する装置として、特願2008 -169459には、散乱体内部の観察対象の情報を 得するための散乱体内部計測装置が開示さ ている。特願2008-169459に記載の装置は、後方 散乱光を2次元画像として検出することによ 、照射位置から所望の距離に位置するデー を任意に解析できることを特徴とする。

 光走査および検出により深部情報画像を る場合には、所望の深度に対応する適切な 素領域を選択する必要がある。しかしなが 、特願2008-169459に記載の装置では、撮像さ ている範囲または散乱体までの距離が通常 画像からでは判断困難であり、常に最適な 素領域を用いて画像を構築することが難し という問題が新たに生じる。

〔発明が解決しようとする課題〕
 側面2の目的は、後方散乱光を利用して散乱 体内部の観察対象の情報を取得する際に複数 の画素で撮像される2次元画像において、所 の深度に対応する適切な画素領域を選択で るようにすることにある。

〔課題を解決するための手段〕
 側面2によると、散乱媒質の内部に観察対象 を含んでなる散乱体の表面に、観察対象と散 乱媒質とで光学特性の異なる光を照射する光 照射手段と、前記光照射手段により前記散乱 体表面の任意の光照射位置に照射された光の 後方散乱光を、複数の画素を含んでなる撮像 面を用いて2次元画像として撮像する撮像手 (すなわち検出手段)と、前記散乱体の表面に おいて前記光照射位置から一定の位置関係に ある後方散乱光検出領域から放出される後方 散乱光を前記撮像手段により検出するために 、前記後方散乱光検出領域から放出された散 乱光が入射する前記撮像面上の画素で構成さ れる画素領域を、前記2次元画像において決 する画素領域決定手段と、前記画素領域を 成する各画素からの光強度情報から、前記 乱体内部の断層画像を構築する画像構築手 とを備える散乱体内部観察装置が提供され 。

 側面2によると、散乱媒質の内部に観察対 象を含んでなる散乱体の表面に、観察対象と 散乱媒質とで光学特性の異なる光を照射する 工程と、前記光照射手段により前記散乱体表 面の任意の光照射位置に照射された光の後方 散乱光を、複数の画素を含んでなる撮像面を 用いて2次元画像として撮像する工程と、前 散乱体の表面において前記光照射位置から 定の位置関係にある後方散乱光検出領域か 放出される後方散乱光を前記撮像手段によ 検出するために、前記後方散乱光検出領域 ら放出された散乱光が入射する前記撮像面 の画素で構成される画素領域を、前記2次元 像において決定する工程と、前記画素領域 構成する各画素からの光強度情報から、前 散乱体内部の断層画像を構築する工程とを む散乱体内部観察方法が提供される。

〔発明の効果〕
 側面2によると、後方散乱光を利用して散乱 体内部の観察対象の情報を取得する際に複数 の画素で撮像される2次元画像において、所 の深度に対応する適切な画素領域を選択す ことが可能になる。

〔発明を実施するための最良の形態〕
 以下、側面2の散乱体内部観察装置について 説明する。側面2において、散乱体とは、散 媒質で構成される任意のものを意味し、そ 例として生体が挙げられる。散乱体は、散 媒質の内部に観察対象を含んでなる。側面2 散乱体内部観察装置は、散乱体の表面に光 照射することにより、散乱体内部に存在す 観察対象についての情報を得るためのもの ある。側面2における観察対象とは、観察装 置の観察領域に分布する光散乱成分について 異質の散乱特性を有するような成分から成る 物質を指し、特に生体においては例えば血管 などであってよいがこれに限定されない。こ こで、散乱特性が異質である、という用語は 、他の部分に対し光散乱度が有意に異なるこ とを意味するので、観察対象の光散乱度がそ の周囲の部分と有意に異なるような光を用い る。特に生体内部は光散乱度が高いので、観 察対象において光吸収度が大きい波長の光を 用いることにより、観察対象における光散乱 度を低くし、S/N比を向上することができる。 観察対象が血管の場合、ヘモグロビンに特異 的な光吸収を示す近赤外領域の波長の光を用 いるのが好ましい。

 以下、側面2の態様について、図面を参照 しながら詳細に説明する。なお、各図におい て、同様又は類似した機能を発揮する構成要 素には同一の参照符号を付し、重複する説明 は省略する。

 図17は、側面2に係る散乱体内部観察装置 ブロック構成図である。同図に示すように 散乱体内部観察装置2001は、光照射手段2010 検出部(すなわち検出手段)2011、制御/解析部2 012、メモリ2013、表示部2014、入力部2015を具備 している。

 光照射手段2010は、散乱体2008内部の観察 象2007とその周囲の散乱媒質2006とで光学特性 の異なる光を照射する照明手段である。前記 光照射手段2010には、例えばレーザーダイオ ド(LD)などを用いることができるが、これら 限定されない。この光照射手段2010から照射 される光には、例えば、観察対象には吸収さ れるが散乱媒質には吸収されない波長の光を 使用することができる。光照射手段2010は、 御/解析部2012からの制御信号に基づいて光を 散乱体2008に向けて照射する。光照射手段2010 、可動性であってよい。

 検出部2011は、光照射手段2010によって照 された光が、散乱体2008の散乱媒質2006と観察 対象2007により、反射、散乱、吸収され、散 体表面から出射された後方散乱光強度を検 するものである。検出部2011としては、光信 を2次元画像データとして検出できる撮像素 子を用いることができる。例えばCCDを用いる ことができるが、これに限定されない。検出 部2011は、制御/解析部2012からの制御に基づい て後方散乱光を検出する。検出部2011は、可 性であってよい。

 上記の光照射手段2010、検出部2011、表示 2014および入力部2015は、電気信号が伝送され る信号回路によって制御/解析部2012に接続さ る。

 制御/解析部2012は、光照射手段2010、検出 2011の動作を制御すると共に、検出部2011に って検出された2次元画像データを解析し、 察対象2007が散乱体2008の内部に存在してい か否かを確認する。また、制御/解析部2012は 、検出されたデータを記憶するメモリ2013を える。記憶された複数の2次元画像データを に、所望の深度における断層画像を作成す ことができる。

 側面2においては、検出部2011として2次元 像データを取得できる撮像素子を用いるこ ができるが、撮像素子の光学系の画角の観 から、検出部2011が散乱体2008に接触せずに れている方が広い領域を計測できる。そこ 、側面2における光照射手段2010および検出部 2011は、散乱体2008に接触せずに照射および検 を行う。これにより、検出部2011は散乱体200 8の広い領域を一度に計測することができる

 次に、側面2の散乱体内部観察装置の作用 を説明する。

 図18は、散乱体内部の光の伝播の様子を す概念図である。一般的には散乱体に照射 れた光は、散乱体内部で散乱を繰り返すう に散乱の異方性が失われて等方散乱に近づ 。この結果、平均的な光経路の断面はバナ 状になることが知られている。

 図18において、光の照射位置から近い位置I 1 では散乱体の表面近くを伝播してきた光が多 く検出される。一方、照射位置から離れた位 置I 2 では散乱体のより深部を伝播してきた光が多 く検出される。このように、光の照射位置か ら検出位置までの距離に応じて、検出された 光が伝播してきた深度が変化する。

 例えば、図18(a)において、観察対象は検出 置I 1 とI 2 の間の表面近くにある。この場合、検出位置 I 1 とI 2 における検出光にはほとんど変化が見られな い。一方、図18(b)においては、観察対象は検 位置I 1 とI 2 の間のより深い位置にある。このとき、検出 位置I 1 における検出光にはほとんど変化が見られな いが、検出位置I 2 における検出光は減弱する。

 この性質を利用して、2次元画像データ上 で後方散乱光強度の弱いポイントが見出され た場合、そのポイントと光照射位置との距離 から観察対象の深度と位置を算出することが できる。また、得られた2次元画像データか 、一定深度での断層画像を作成することも きる。

 図19は、側面2の散乱体内部観察装置によ 検出される後方散乱光および得られる2次元 画像データの模式図である。光照射手段2010 ら散乱体2008上に光が照射された位置をバツ で示し、撮像素子2110によって撮像される撮 像領域2030を点線で示した。ここで、撮像領 2030とは、撮像素子2110により一度に撮像され る散乱体2008上の領域を意味する。散乱体2008 よって反射、散乱、吸収され、散乱体表面 ら出射された後方散乱光は、通常、図に示 ように照射位置を中心とする同心円状にな 。本明細書において、光照射位置から一定 位置関係にある後方散乱光が検出される領 を後方散乱光検出領域と表す。前記領域は 必ずしも同心円状でなくてよい。

 ここで、図19(a)に示すように、後方散乱 検出領域の同心円の直径が大きくなるほど 散乱体2008のより深部を通ってきた光を多く 出する。図19(b)においては、後方散乱光検 領域2031、2032および2033で検出される光は、 れぞれの領域において略同じ深度の情報を するとみなすことができる。またその深度 照射位置からその後方散乱光検出領域まで 距離に対応するため、後方散乱光検出領域20 31、2032および2033の順に深度が深い。よって 2次元画像データから所定の後方散乱光検出 域の画像データを抽出することにより、一 の深度における画像データを選択的に取り すことができ、選択されたデータから該深 での断層画像を作成することができる。

 以下、側面2の具体的な態様について説明 する。

 図20は、側面2の第1態様に係る散乱体内部 観察装置のブロック構成図である。同図に示 すように、本散乱体内部観察装置2004は測距 段2041を具備することを特徴とする。

 測距手段2041は、撮像素子2110先端から散 体2008表面までの距離zを測定するためのもの である。撮像素子2110の画角θは一定であるた め、撮像素子2110先端から散乱体2008表面まで 距離zを測定することにより、前記画角θと 関係から撮像領域2040を算出することが可能 となる。

 測距手段2041としては、当該分野で使用さ れる種々の手段を用いることができるが、例 えば、三角法を用いる方法、超音波の反射を 用いる方法等が挙げられる。三角法を用いる 方法は、発光素子からの光を投射レンズ系に 通して散乱体に照射し、前記散乱体からの反 射光を受光レンズ系に通して前記受光素子に スポット状に集光させることにより測定する 方法である。前記集光位置と前記受光レンズ 系の光軸との間の距離をd、前記受光レンズ の焦点距離をf、前記受光レンズ系と前記投 レンズ系の光軸間距離をLとすると、距離z=L f/dである。超音波の反射を用いる方法は、散 乱体に超音波信号を照射し、戻ってくる超音 波信号を受信して距離を演算する方法である 。

 検出部としては、撮像素子2110を使用する 。撮像素子2110は、光照射手段により散乱体 面の任意の光照射位置に照射された光の後 散乱光を、複数の画素を含んでなる撮像面 用いて2次元画像として撮像する。

 撮像領域2040内で光を走査することにより 、多数の2次元画像データを一度に得ること できる。これらのデータはメモリ2013に記憶 れる。制御/解析部2012は、測距手段2041と協 することにより、所望の後方散乱光検出領 に対応する画素領域を2次元画像において決 定する。ここで、画素領域とは、散乱体の表 面において光照射位置から一定の位置関係に ある後方散乱光検出領域から放出される後方 散乱光が入射する撮像面上の画素で構成され る2次元画像上の領域をいう。前記画素領域 構成する各画素からの光強度情報に基づい 、散乱体内部の断層画像を構築することが きる。

 図21は、側面2の第1態様に係る散乱体内部 観察装置により得られる2次元画像を示す概 図である。2次元画像2050を解析するためには 、散乱体上の所望の後方散乱光検出領域に対 応する2次元画像2050上の画素領域2051を決定す る必要がある。上述したように、側面2の第1 様に係る散乱体内部観察装置は測距手段を 備するため、撮像領域を算出することが可 である。算出された撮像領域と得られた2次 元画像を比較することにより、散乱体上の所 望の後方散乱光検出領域に対応した適切な画 素領域2051を2次元画像において選択すること 可能になる。すなわち、撮像素子先端から 乱体表面までの距離zから散乱体上での撮像 領域を決定し、その撮像領域中の光照射位置 および所望の後方散乱光検出領域の位置に基 づいて、その後方散乱光検出領域に対応する 画素領域2051を2次元画像上で決定することが きる。図21において、前記画素領域2051はr1 よびr2により特定される。

 上記解析方法を利用することにより、撮 範囲内で光を走査して複数の2次元画像を得 た場合、異なる撮影距離で撮像された画像で あっても、一定の深度における画像データを それぞれ選択的に取り出すことが可能になる 。結果として、撮影距離に合わせた画像処理 が可能となる。従って、撮影距離が同一でな くても、一定深度における断層画像を作成す ることができる。

 上記方法を逆に利用することにより、着 した画素領域から散乱体における後方散乱 検出領域を決定することもできる。決定さ た後方散乱光検出領域と光照射位置との距 から、観察対象の深度を含めた位置情報を 析することができる。

 図22は、側面2の第1態様に係る散乱体内部 観察装置の変形例のブロック構成図である。 図22に示すように、撮像素子2110先端から散乱 体2008表面までの距離zを固定して光照射を行 てもよい。距離を固定する手段としては、 えば、側面2の第1態様に係る散乱体内部観 装置に棒部材2061を具備させることが考えら る。散乱体2008に棒部材2061の先端が接触す ようにして検出を行うことにより、撮像素 2110先端から散乱体2008表面までの距離zを固 して複数の画像データを得ることができる 棒部材2061を移動可能に設置することにより 目的に応じて距離zを調節することも可能で ある。

 このように撮像素子先端から散乱体表面 での距離zを固定した場合、所望の後方散乱 光検出領域に対応する画素領域の大きさも固 定される。すなわち、上述した解析方法によ り決定される撮像領域が常に一定の大きさに なるため、前記撮像領域中の光照射位置およ び後方散乱光検出領域から決定されるr1およ r2の大きさも固定される。r1およびr2が一度 定されれば、同一の手段で撮像する限り、 の画像においても同一のr1およびr2を利用し て同一深度の情報が得られるという利点を有 する。

 図23は、光照射位置を変化させて測定し ときの2次元画像データの模式図を示す。散 体内部の深さ方向の断層画像を得たい場合 光を走査して複数の2次元画像を得る必要が ある。図23の場合、撮像素子2110先端から散乱 体表面までの距離は固定されており、撮像領 域2070も移動しない。しかし、光照射手段2010 よって照射する位置を変動させることによ 、後方散乱光検出領域が移動する。この様 を図24に示す。

 図24は、光照射位置を変えて測定したと の等深度データの奇跡を示す模式図である 図24(a)~(c)は、後方散乱光検出領域2071、2072お よび2073のそれぞれが移動した軌跡を示す。 れぞれの後方散乱光検出領域は、同じ深度 情報を有している。従って、複数の検出結 を図24に示すように重ね合わせることにより 、その深度での断層画像を作成することがで きる。なお、データを重ね合わせる際に重複 する部分が生じるが、重複するデータから任 意のデータを選択的に用いるか、重複するデ ータの平均値を用いればよい。

 上述したように、側面2の第1態様に係る 乱体内部観察装置は測距手段を備えている 従って、撮像素子先端から散乱体表面まで 距離が固定されておらず、撮像領域が異な 場合であっても、複数の画像データの中か 同じ深度のデータを選択的に用いることが 能になる。得られたデータを図23および図24 示すように利用して、散乱体内の断層画像 構築することができる。

 このように、照射位置を移動させること より、より多くの情報を簡便に取得するこ ができる。なお、光照射手段2010は、移動可 能に設置されてよい。光照射手段2010は、そ 自体が自由に移動できる構成であってもよ 、あるいは光を照射する角度を変動させて 射位置を移動させる構成であってもよい。

 なお、上述した各解析方法においては、 射位置と検出位置との距離を求める際、検 部の光学系の焦点距離や倍率などを考慮に れる。さらに、内視鏡などの検出手段で用 られる撮像系の場合、歪曲収差が起こるこ がある。この場合は、予め格子チャートな で歪曲収差の影響の大きさを求めておき、 射位置と検出位置との距離を求める際に考 に入れる。

 図25は、側面2の第2態様に係る散乱体内部 観察装置のブロック構成図である。本態様で は、撮像領域内に指標2091を配置し、その像 大きさに基づいて画素領域が決定されるこ を特徴とする。

 指標2091は、実際の指標の大きさと撮像さ れた2次元画像中での指標の大きさとの関係 基づいて、散乱体2008上の所望の後方散乱光 出領域に対応した適切な画素領域を2次元画 像上で選択できるようにするために使用され る。従って、指標2091は、後方散乱光検出領 と共に同一の2次元画像に撮像される必要が り、そのためには撮像領域内に配置される 要がある。指標としては、例えば、予め大 さが測定された処置具の一部または測距用 治具を使用することができる。

 図26は、側面2の第2態様に係る散乱体内部 観察装置により得られる2次元画像を示す概 図である。図26(b)は、図26(a)よりも撮像素子 散乱体との距離が短く、撮像領域が狭い場 の図である。図26(b)のように撮像領域が狭 場合、指標は大きく写され、同一の後方散 光検出領域を示す画素領域も大きくなる。 のように撮像素子と散乱体との距離が一定 ない画像が得られた場合であっても、指標 実際の大きさと画像中の像の大きさとの関 に基づいて、所望の後方散乱光検出領域に 応する適切な画素領域を2次元画像上で選択 ることができる。また、画像間の指標の大 さを比較することにより、撮像領域が異な 複数の画像が得られた場合であっても、同 深度の情報を示す画素領域を選択すること できる。結果として、撮影距離に合わせた 像処理が可能となる。すなわち、異なる撮 距離で撮像された画像であっても、一定の 度における画像データをそれぞれ選択的に り出すことができ、一定深度における断層 像を作成することができる。

 また、予め大きさが測定された指標を使 することにより、2次元画像データ上の特定 の画素領域を基に、対応する散乱体上の後方 散乱光検出領域を解析することも可能である 。その後方散乱光検出領域と光照射位置との 距離から、観察対象の位置情報を解析するこ とができる。

 他の解析手段として、照射される光の画 内での強度分布の情報に基づいて画素領域 決定することもできる。

 例えば、レーザー光をある一定の対象に 射した場合、図27に示すような強度プロフ イルを示すことが既知である。図27において 、グラフの縦軸はレーザー光の強度を示す。 すなわち、光の強さはビーム中心で最も高く 、外側に移動するにつれて弱くなり、裾野が 広がった釣り鐘状の強度分布をなす。このよ うな分布は、ガウシアン分布と呼ばれ、レー ザーの空間強度分布として標準的なものであ る。

 本態様においては、図27のように、予め ーム強度が分かっている光源を利用して点 射画像の強度プロファイルを作成しておく i1/i0およびi2/i0が常に一定になるようにr1お びr2を決定して画素領域を定めることにより 、複数の画像を解析する場合であっても同じ 深度の画像を切り出すことができる。この手 法を用いることで、撮影距離が不明であって も適切な画素領域を選択することができ、一 定深度における断層画像を作成することが可 能になる。

 側面2の散乱体内部観察装置は、より効率 的に検出を行うために、以下のように変形す ることも可能である。図28~30においては省略 るが、いずれの装置も、測距手段を備える 、指標を使用するか、または光の強度分布 利用して解析を行うものとする。

 図28~30は、側面2に係る散乱体内部観察装 の変形例を表すブロック図である。図28は スポット状の照明光を発する光照射手段2120 複数備えられた装置である。図29は、ライ 状の照明光を発する光照射手段2130が備えら た装置である。図30は、ライン上の照明光 発する光照射手段2140が複数備えられた装置 ある。これらの変形例によれば、一度の測 で多くのデータを検出することができ、測 時間をより短縮することができる。なお、 イン状の照明光は光強度が均一であること 好ましい。あるいは、光の強度に応じて補 を行う手段を備えることが好ましい。また 光照射手段が複数備えられる場合、各光照 手段は、それぞれの光によって得られる検 データが互いに干渉しない程度離れた位置 配置される。

 以上説明したように、側面2では検出され るデータが2次元画像データであるため、照 位置から任意の距離だけ離れた位置のデー を自由に選択することができる。それ故、 射位置および検出位置を設定する際の自由 が高い。また、一度の計測でより多くの情 を取得することができる。測距手段を備え いる、指標を使用する、または光強度分布 利用することにより、得られた2次元画像デ タの中から、散乱体上の所望の後方散乱光 出領域に対応した適切な画素領域を選択す ことが可能である。その上、散乱体と非接 で計測を行うため、より広い領域を一度に 測することができ、深部の情報も簡便に取 することができる。そのため装置を大型化 る必要がない。さらに、照射位置および検 位置の自由度が高いため、所望の位置の任 の深度における情報を容易に得ることがで る。

 側面2は上記実施形態に限定されるもので はなく、その要旨を逸脱しない範囲において 様々な変形や変更が可能である。また、上記 実施形態に開示されている複数の構成要素を 適宜組合せることも可能である。例えば、実 施形態に示される全構成要素から幾つかの構 成要素を削除してもよい。さらに、異なる実 施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせて もよい。

 以上の説明によれば、側面2は以下に示す ように表現される発明であると理解できる。

 12.散乱媒質の内部に観察対象を含んでなる 乱体の表面に、観察対象と散乱媒質とで光 特性の異なる光を照射する光照射手段と、
 前記光照射手段により前記散乱体表面の任 の光照射位置に照射された光の後方散乱光 、複数の画素を含んでなる撮像面を用いて2 次元画像として撮像する撮像手段と、
 前記散乱体の表面において前記光照射位置 ら一定の位置関係にある後方散乱光検出領 から放出される後方散乱光を前記撮像手段 より検出するために、前記後方散乱光検出 域から放出された散乱光が入射する前記撮 面上の画素で構成される画素領域を、前記2 次元画像において決定する画素領域決定手段 と、
 前記画素領域を構成する各画素からの光強 情報から、前記散乱体内部の断層画像を構 する画像構築手段とを備える散乱体内部観 装置。

 13.前記画素領域決定手段は、撮像素子先 から散乱体までの距離を測定する測距手段 より測定された距離に基づいて画素領域が 定されることを特徴とする、前記12.に記載 散乱体内部観察装置。

 14.前記画素領域決定手段は、前記撮像手 で撮像される範囲内に配置された指標の像 大きさに基づいて画素領域が決定されるこ を特徴とする、前記12.に記載の散乱体内部 察装置。

 15.前記指標は処置具の一部である、前記1 4.に記載の散乱体内部観察装置。

 16.前記画素領域決定手段は、照射される の画像内での強度分布の情報に基づいて前 画素領域が決定されることを特徴とする、 記12.に記載の散乱体内部観察装置。

 17.散乱媒質の内部に観察対象を含んでなる 乱体の表面に、観察対象と散乱媒質とで光 特性の異なる光を照射する工程と、
 前記光照射手段により前記散乱体表面の任 の光照射位置に照射された光の後方散乱光 、複数の画素を含んでなる撮像面を用いて2 次元画像として撮像する工程と、
 前記散乱体の表面において前記光照射位置 ら一定の位置関係にある後方散乱光検出領 から放出される後方散乱光を前記撮像手段 より検出するために、前記後方散乱光検出 域から放出された散乱光が入射する前記撮 面上の画素で構成される画素領域を、前記2 次元画像において決定する工程と、
 前記画素領域を構成する各画素からの光強 情報から、前記散乱体内部の断層画像を構 する工程とを含む散乱体内部観察方法。

<側面3>
 側面3は、散乱体による後方散乱光を計測す ることにより散乱体内部を観測する装置及び 方法に関する。

〔背景技術〕
 生体等の散乱体の内部を観測するには様々 手法がある。その一つである光を用いた観 は、用いる光の波長を選択することにより 定の対象を観測できるという利点を有して る。この手法では、特定の対象(異質部分) 吸収される波長の光を散乱体に照射し、そ 後方散乱光強度を計測することにより、散 体内部に存在する異質部分の位置と深度情 を得ることができる。後方散乱光は、照射 置と計測位置との距離が大きくなるほど、 乱体のより深部を通ってきた光であること 知られている。

 特開2006-200943号公報には、光照射手段の 置から順次遠ざかる位置に複数の光検出手 を備えた構成を有する生体光観測装置が開 されている。また、該装置による計測結果 基づいて、生体の断層画像を再構成する手 も開示されている。

〔発明が解決しようとする課題〕
 上記のような従来の装置では光照射手段と 検出手段が一体に構成されているために、 射位置と検出位置との距離が固定されてい 。そのため、任意の深度で観測を行うこと できないという問題がある。また、従来は 必要な後方散乱光をも検出しており、検出 ータに無駄が多いという問題がある。

 上記問題に鑑み、側面3では、任意の深度 からの後方散乱光を効率的に取得することが 可能な散乱体内部観測装置及び方法を提供す ること目的とする。

〔課題を解決するための手段〕
 側面3によれば、散乱体内部の異質部分(す わち観察対象)の情報を取得する散乱体内部 測装置であって、前記散乱体を構成する散 媒質と前記異質部分とで光学特性の異なる 長を少なくとも含む光を前記散乱体に照射 る照明手段(すなわち光照射手段)と、前記 乱体を撮像する撮像素子と、該撮像素子が 像する検出範囲を限定する撮像光学系と、 検出範囲に所望の領域が含まれるように調 する検出範囲可変機構を含み、前記照明手 により照射された光の後方散乱光を検出し 該後方散乱光の光強度データを取得する検 手段と、前記検出手段により取得された光 度データを解析し、前記検出範囲可変機構 制御する解析/制御手段と、前記検出手段に り取得された光強度データから、前記散乱 内部の任意の深度における断層画像を作製 る画像処理手段(すなわち画像構築手段)と 具備することを特徴とする散乱体内部観測 置(すなわち散乱体内部観察装置)、並びに、 該装置を用いた散乱体内部観測方法(すなわ 散乱体内部観察方法)が提供される。

〔発明の効果〕
 側面3によれば、後方散乱光を2次元画像と て検出し、さらに、後方散乱光を検出する 囲を調節することにより、任意の深度の情 を簡便且つ効率良く取得することができる

〔発明を実施するための最良の形態〕
 以下、側面3の散乱体内部観測装置及び該装 置を用いた観測方法について説明する。側面 3において、散乱体とは、主に散乱媒質から 成される物体を指し、例として生体が挙げ れる。散乱媒質とは、少なくとも光を散乱 る性質を示し、吸収よりも散乱のほうが支 的であるものである。

 側面3の散乱体内部観測装置は、散乱体内 部の散乱媒質中に存在する異質部分を観測す るための装置である。側面3において異質部 とは、透過率、屈折率、反射率、散乱係数 吸収係数などの光学特性が散乱媒質と異な ものである。例として血管が挙げられるが これに限定されない。

 以下、側面3の実施形態を図面に従って説明 する。なお、以下の説明において、略同一の 機能及び構成を有する構成要素については、 同一符号を付し、重複説明は必要な場合にの み行う。  
 (第1実施形態)  
 図31は側面3の第1実施形態に係る散乱体内部 観測装置3100の概略機能ブロック図である。 図に示すように、散乱体内部観測装置3100は 照明手段3101、検出手段3102、解析/制御部3103 、画像処理部3107を備える。

 照明手段3101は、散乱媒質と異質部分とで 光学特性の異なる波長を少なくとも含む光を 発生し、散乱体に照射する手段である。本実 施形態の散乱体内部観測装置3100は、図31に示 すように、光源3101aと、発生された光を導光 るための光ファイバーを用いた導光体3101b 、光ファイバーにより伝播され射出される 散光を限定された領域に照射するために細 平行の光束に変換する集光体3101cによって構 成される照明手段3101を具備する。この時、 光体3101cにより、光束を細い平行状にするこ とに限らず、狭い範囲を照明するために集光 しても良いし、広い範囲を照明するための集 光体を用意しても良い。照明手段3101は解析/ 御部3103からの制御信号に基づいて光を散乱 体Sに向けて照射する。なお、集光体3101cによ って光が照射される散乱体表面上の領域を照 明範囲と称し、図31では符合3104の矢印で示さ れる範囲である。

 光源3101aには、散乱媒質と異質部分で光 特性の異なる波長の光を発生するものが用 られる。この時、散乱媒質や異質部分の光 特性が分かっており、上記特性を有する特 の波長が特定できている場合は、その波長 急峻なピークを持つような波長分布を取る 源3101aを選択することが最も望ましいが、こ れに限定されず、散乱媒質と異質部分で光学 特性が異なることが特定できた波長を含めば 、波長幅の広い光源を用いても良い。一方、 散乱媒質や異質部分の光学特性が分かってい ない場合には、散乱媒質と異質部分で光学特 性が異なる波長をなるべく含むようにより波 長幅の広い光源を選択すると良い。導光体310 1bには、光ファイバーが好適に用いられるが これに限定されず、リレーレンズによって 成することもできる。集光体3101cにはレン が好適に用いられるがこれに限定されず、 ラーによって構成してもよい。或いは、プ ズムや回折格子で構成してもよい。

 或いは、光源として予め光束を絞ったレ ザ光等を使用し、集光体3101cを用いなくと よい。また或いは、集光体3101cを用いる代わ りにマスク等により、照明範囲を限定しても よい。

 検出手段3102は、照明手段3101により発せ れる光の波長を含む波長帯に感度を有し、 乱体表面上から出射される後方散乱光を検 して、その光強度データを取得する手段で る。本実施形態の散乱体内部観測装置3100は 光源3101aより発せられる光の波長を含む波 帯域に感度を有し、散乱体の表面から出射 れる後方散乱光を撮像する撮像素子3102aと、 該撮像素子が撮像する検出範囲3105を限定す 撮像光学系3102bと、該検出範囲3105に所望の 域3106が含まれるように調節する検出範囲可 機構3102cによって構成される検出手段3102を 備する。

 所望の領域3106とは、所望の深度について の後方散乱光が出射される散乱体表面上の領 域を意味し、検出領域とも称する。その模式 図を図32に示す。図32は、散乱体Sの表面を上 から見た図である。照明手段3101から発せら れた光は散乱体Sの表面上の照明範囲3104を照 し、照明された光は散乱体内を伝播して散 体表面から射出する。照明手段に点照明が いられる場合、後方散乱光は一般に同心円 に伝播する。例えば、ある深度の断層画像 作製しようとする場合、照明位置からその 度と対応する距離を隔てた位置において後 散乱光を検出する必要がある。従って、後 散乱光を検出する領域は、図32符合3106で示 斜線領域のようにリング形状となる。

 そこで、側面3の観測装置に具備される検 出範囲可変機構3102cは、検出範囲3105が所望の 領域3106を無駄なく含むように調節する。検 範囲可変機構3102cは、例えば光学系であって よく、ズームレンズなどであってよいが、こ れらに限定されない。検出範囲可変機構3102c よって、検出範囲が調節されることにより 不要な後方散乱光の検出が減少され、検出 データ解析の効率を向上させることができ 。

 本実施形態の散乱体内部観測装置におい 、撮像素子3102aには、複数点を同時に検出 るCCD等のような撮像素子を用いることがで る。また、撮像光学系3102bには、例えばレン ズ等を用いることができる。

 解析/制御部3103は、検出手段3102により取 された光強度データを解析し、解析結果に づいて、撮像素子3102a及び検出範囲可変機 3102cを制御する手段である。解析/制御部3103 、解析のための適宜のソフトウェアが予め ンストールされているコンピュータ等の制 装置が好適に用いられる。なお、図31では 解析/制御部3103は、撮像素子3102a及び検出範 可変機構3102cの両者を制御するように構成 れているが、これに限定されず、検出範囲 変機構3102cを制御するための第2制御部を備 、解析/制御部3103からこの第2制御部に信号 伝達され、それに基づいて、第2制御部が検 範囲可変機構3102cを制御する構成であって よい。

 画像処理部3107は、検出手段3102により取 された光強度データに基づいて、散乱体内 の任意の深度における断層画像を作製する 段である。

 本実施形態に係る散乱体内部観測装置3100 はさらに、表示部3108及び入力部3109を備える とができる。表示部3108は、撮像素子3102aに って撮像された光強度データの2次元画像や 、画像処理部3107によって作製された断層画 を表示する手段であり、例えばモニターな を用いることができる。入力部3109は、照明 検出または表示方法などの指令を入力する 段であり、例えばキーボードなどが用いら るがこれに限定されない。

 上記の照明手段3101、検出手段3102、解析/ 御部3103、画像処理部3107、表示部3108及び入 部3109は、電気信号が伝送される信号回路に よって互いに接続されてよい。図31において 表示部3108は画像処理部3107と接続され、入 部3109は解析/制御部3103と接続されているが これに限定されず、接続関係は適宜変更可 である。

 本実施形態に係る散乱体内部観測装置3100 の作用を説明する。

 まず、照明手段3101から散乱体に光を照射 する。この照射光は散乱体S内部の散乱媒質 より反射、散乱、吸収され、後方散乱光と る。この後方散乱光を検出手段3102が2次元画 像として検出し、光強度データを取得する。

 次いで、取得された光強度データを解析 、散乱体表面上の所望の領域(検出領域)3106 決定する。検出領域の決定は、後述するよ に、予め解析/制御部3103に記憶された設定 基づいて自動で行われてもよく、或いは、 示部3108に光強度データの2次元画像を表示さ せ、使用者がその場で領域を決定してもよい 。検出領域3106は、観測したい深度や、得ら る断層画像の精度などによって決定される

 検出領域3106が決定されると、その結果に 基づいた信号が解析/制御部3103から検出範囲 変機構3102cに送信される。検出範囲可変機 3102cは信号に基づいて検出範囲3105を調節す 。その結果、検出領域3106は検出範囲3105を無 駄なく含むように調節される。

 次いで、決定された検出範囲内3105におい て、再び後方散乱光を検出し、光強度データ を取得する。これにより取得された光強度デ ータを解析し、画像処理部3107において、断 画像が作製される。作製された断層画像は 表示部3108により表示される。

 以上説明したように、側面3の散乱体内部 観測装置によれば、所望の検出領域を含む検 出範囲を決定し、その範囲内で検出を行うこ とにより、効率的にデータを取得することが できる。また、解析するデータ量が低減され るため、解析時間を短縮することもできる。

 (第2実施形態)  
 次に、側面3の第2実施形態を説明する。図33 は、第2実施形態に係る散乱体内部観測3110の 略機能ブロック図である。本実施形態に係 散乱体内部観測装置3110は、上記第1実施形 の散乱体内部観測装置3100と同様の構成に加 て、さらに、検出部3102にスキャンミラー311 1を備える。

 スキャンミラー3111は、解析/制御部3103か の信号に基づき、散乱体表面上の検出範囲3 105を移動させる。本実施形態に係る散乱体内 部観測装置3110は、スキャンミラー3111を備え ことにより、検出範囲3105を撮像素子の視野 内の任意の位置に移動させることができる。

 (第3実施形態)  
 次に、側面3の第3実施形態を説明する。図34 は、第3実施形態に係る散乱体内部観測3200の 略機能ブロック図である。第3実施形態に係 る散乱体内部観測3200は、上記第1実施形態に る散乱体内部観測装置と基本的に同様の構 を有し、照明手段3201、検出手段3202、解析/ 御部3203、画像処理部3207、表示部3208及び入 部3209を備える。

 本実施形態に係る散乱体内部観測装置3200 は上記構成に加えて、照明手段に照明用スキ ャンミラー(すなわち照射用スキャンミラー)3 212が備えられ、検出手段に検出用スキャンミ ラー3211が備えられる。

 さらに、本実施形態に係る散乱体内部観 装置3200は、スキャンミラー3211及び3212を制 するための走査制御部3213を備える。

 スキャンミラーは、ミラーの角度を変化 せることにより、検出範囲や照明範囲を散 体表面上で任意に移動させることができる 本実施形態に係る散乱体内部観測装置3200は 、スキャンミラーを備えることにより、検出 範囲3105が検出領域3106を含むように、検出範 3105を移動させることができると共に、照明 範囲3104や検出範囲3105を走査させることがで る。

 本実施形態に係る散乱体内部観測装置3200 は、照明範囲3104及び検出範囲3105が走査可能 あるため、観測装置本体を動かすことなく 多数の測定点で検出を行うことができる。 って、より簡便に多くの光強度データを取 することができ、簡便且つ短時間で断層画 を得ることができる。

 照明用スキャンミラー3212及び検出用スキ ャンミラー3211は、走査制御部3213によって制 される。走査制御部3213は、解析/制御部3103 らの信号に基づいて、それぞれのスキャン ラーを制御する。走査制御部3213は、好まし くは、照明範囲3104と検出範囲3105が散乱体表 上で一定の位置関係を維持したまま走査さ るように、両スキャンミラーを連動して制 する。両スキャンミラーを連動して制御す ことにより、走査の間、一定の条件で検出 行うことができる。

 スキャンミラーは、走査用に通常使用さ るミラーを用いればよく、例えば、ガルバ ミラー、ポリゴンミラー、MEMSミラーなどを 用いることができる。ガルバノミラーやポリ ゴンミラーのように2枚のミラーを用いるス ャンミラーは、安価であり、制御が容易で る。一方、MEMSミラーは制御が難しいが、構 を単純化できる。

 本実施形態に係る散乱体内部観測装置3200 の作用を説明する。

 まず、上記第1実施形態について説明した ように、検出領域を決定する。その結果に基 づき、解析/制御部3203がスキャンミラー3211及 び検出範囲可変機構3202cを制御し、該検出領 が含まれるように検出範囲を調節する。

 以上の工程によって、検出手段が検出範 3105を捉えると、照明用スキャンミラー3212 検出用スキャンミラー3211の角度を変化させ 走査しながら、後方散乱光の検出を行う。 査は、解析/制御部3203からの信号に従って 走査制御部3213がスキャンミラー3211及び3212 制御し、照明範囲3104と検出範囲3105を移動さ せることによって行われる。走査の際には、 照明範囲3104と検出範囲3105が散乱体表面で一 の位置関係を維持されように、照明用スキ ンミラー3212と検出用スキャンミラー3211が 動して制御される。

 次いで、画像処理部3207において、取得さ れた光強度データから散乱体内部の任意の深 度における断層画像が作製される。

 本実施形態にかかる散乱体内部観測装置3 200によれば、照明範囲及び検出範囲が走査さ れることにより、より簡便に多くの光強度デ ータを取得することができ、簡便且つ短時間 で断層画像を得ることができる。

 なお、照明用スキャンミラー3212と検出用 スキャンミラー3211を、必要であれば、それ れ独立して制御及び走査してもよい。

 (第4実施形態)  
 次に、側面3の第4実施形態を説明する。図35 は、第4実施形態に係る散乱体内部観測装置33 00の概略機能ブロック図である。同図に示す うに、散乱体内部観測装置3300は、照明手段 3301、検出手段3302、解析/制御部3303、画像処 部3307、さらに、ハーフミラー3314、スキャン ミラー3311、及び走査制御部3313を備える。ま 任意に、表示部3308及び入力部3309を備える とができる。検出手段3302は、撮像素子3302a 、撮像光学系3302bと、検出範囲可変機構3102c 含む。照明手段3301は、光源3301aと、光学系3 301bを含む。

 本実施形態に係る散乱体内部観測装置3300 は、照明手段と検出手段が、それらの光軸が 同軸となるように配置された構成を有する。 ハーフミラー3314は、照明手段と検出手段の 軸を同軸にするために備えられ、撮像素子33 02aと、撮像光学系3302bとの間に配置される。

 照明手段に含まれる光学系3301bは、光源33 01aとハーフミラー3314の間に備えられ、撮像 学系3302bと相俟って、照明光を照明範囲3104 照射する光束に変換する役割を果たすもの ある。光学系3301bには、例えばレンズなどが 用いられる。

 スキャンミラー3311は、照明範囲と検出範 囲の両方を走査するために備えられ、ハーフ ミラー3311と撮像光学系3302bとの間に配置され る。

 本実施形態に係る散乱体内部観測装置3300 は、上記構成を有することにより、照明範囲 と検出範囲の走査を同じスキャンミラーで行 うことができる。即ち、散乱体内部観測装置 に備えられるスキャンミラーを一組にするこ とができる。

 上記第3実施形態のように、二組のスキャ ンミラーを連動させて制御することは困難で ある。本実施形態に係る散乱体内部観測装置 3300では、照明範囲と検出範囲を一つのスキ ンミラーで走査可能であり、スキャンミラ の制御を容易にすることができると共に、 置の構成を単純化することもできる。

 図36は、第4実施形態の変形例に係る散乱 内部観測装置3310の概略機能ブロック図であ る。この散乱体内部観測装置3310では、スキ ンミラー3318を備える。本変形例では、1枚の ミラーでスキャンを行うMEMSミラーを用いる MEMSミラーを用いる場合、例えば図36に示す うに、光源3301a、光学系3301b、ハーフミラー3 314及びスキャンミラー3318までが、撮像光学 3302bと直角に配置され、ハーフミラー3314か 、照明手段3301と直角方向に撮像素子3302aが 置されるが、これに限定されず、種々の配 をとることができる。本変形例では、MEMSミ ーを用いることにより、装置の構成を単純 することができる。

 以上に説明した各実施形態における散乱 内部観測装置は、さらに、所望の領域を決 する検出領域決定手段を含むことができる 該検出領域決定手段は、例えば、解析/制御 手段に含まれることができるが、これに限定 されない。

 検出領域決定手段は、取得された光強度 ータを解析し、散乱体表面上の所望の領域( 検出領域)3106を決定する手段である。検出領 の決定は、予め解析/制御部などに記憶され た設定に基づいて自動で行われてもよく、或 いは、表示部に光強度データの2次元画像を 示させ、使用者がその場で領域を決定して よい。

 またさらに、散乱体内部観測装置は、所 の領域を決定するための設定を入力する入 手段(すなわち設定入力手段)を備えること できる。入力手段は、例えば、予め解析/制 部などに設定を入力するためのキーボード どであってもよく、或いは、表示部に表示 れた2次元画像上で領域を指示するタッチパ ネル形式の操作盤などであってもよい。

 ここで、検出領域の例を図37を参照して 明する。

 図37に、照明範囲3104と検出領域3105の関係 を例示する。図37(a)及び(b)に示すように、照 が点照明の場合、後方散乱光は同心円状に 播する。検出領域は、観測したい深度に基 いて決定される。よって、観測したい深度 決定すると、照明範囲3104と検出領域3106と 距離が決定される。このとき、後方散乱光 リング形状であるので、検出領域3106の幅も 定する必要がある。検出領域3106の幅は、観 測情報の所望の精度に依存して適宜決定する ことができる。これによって、検出領域3106 決定される。

 次に、検出範囲3105が検出領域3106のどの 分を含むかが決定される。図37(a)に示すよう に、リング形状の検出領域3106の一部を含め 場合と、図37(b)に示すように、リング形状の 検出領域3106の全体を含める方法がある。

 図37(a)のように、一部を含める場合は、 出工程の際に走査点が多くなるが、撮像す 範囲が小さいため、拡大して撮像すること でき、高画素数で撮像することができる。 って、細かい領域が観察でき、分解能が高 という利点がある。一方、図37(b)のように、 全体を設定する場合は、解像度は低いが、走 査点が少なくてすみ、簡便且つ短時間で断層 画像を作製することができるという利点があ る。

 なお、図37(a)及び(b)に示したような点照 以外の照明を用いることもできる。図37(c)は ライン状の照明の例である。また、図37(d)に すように、複数の点照明を用いることもで る。これらの場合も、検出領域は適宜決定 ることができる。ライン照明や多点照明を いることにより、一度の測定で多くのデー を検出することができ、測定時間をより短 することが出来る。なお、ライン状の照明 は光強度が均一であることが好ましい。或 は、光の強度に応じて補正を行う手段を備 ることが好ましい。また、複数の点照明を いる場合、各照明は、それぞれの光によっ 得られる検出データが互いに干渉しない程 離れた位置に配置されることが好ましい。

 検出領域の決定と、検出領域の何れの部 を検出範囲に含めるかは、種々の条件を鑑 て、技術者が適宜設定することができる。

 上記のような検出領域及び検出範囲の設 は、使用者が手動で行うこともできるが、 動で決定することもできる。次に、検出領 を自動で決定する実施形態を説明する。

 まず、後方散乱光を検出して光強度デー を取得する。取得された光強度データを、 析/制御手段により解析し、図38(a)に示すよ な空間的な光強度分布データを作製する。

 次に、図38(a)に示したような空間的な光 度分布データ画像において、光の強度情報 位置情報を得る。そして、最大強度点、即 、照明点のX,Y座標を決定する。照明点の決 に続いて、該照明点を通るライン上におけ 光強度の変化をプロットすると、図38(b)に示 すようなグラフが得られる。例えば検出領域 の全体を検出範囲に含める場合、このグラフ において、立ち上がり点と収束点を決定し、 その座標を求めることにより、図38(a)に示す 間的な光強度分布データ画像において範囲 決定することができる。或いは、図38(b)に すようなグラフにおいて中心点を決定し、 計的処理によってグラフの裾野部分を切り てることにより、範囲を定めることもでき 。また或いは、図38(b)に示すようなグラフを 基に光強度の累積グラフを作製し、その傾き から立ち上がり点と収束点を算出して座標を 求めてもよい。

 照明点を通るラインをX,Y座標上の角度を えながら、この工程を繰り返し行うことに り、検出領域を決定することができる。検 領域が決定されると、図38(c)に示すように 不要な部分が排除され、検出範囲がほぼ所 の領域のみを含むようにすることができる

 なお、上記の説明では、照明点を通るラ ン上における光強度の変化をプロットした 、これに限定されず、例えば、X,Y座標軸に 行なライン上でプロットしてもよい。その 合、図38(a)に示す空間的な光強度分布デー 画像において、ラインを少しずつ移動させ がらプロットを行う。また、リング状の検 領域の一部を検出範囲とする場合は、観測 たい深度と精度から算定した照明-検出間距 と幅に基づいて、図38(b)のグラフ上の該当 分を決定する。

 以上の実施形態によれば、検出領域を自 で設定することができ、散乱体内部の観測 より簡便、迅速且つ効率的に行うことがで る。

 次に、側面3の他の態様に従って提供され る、散乱体の表層付近から生じるノイズを除 去する機能を備えた散乱体内部観測装置を説 明する。

 本態様における散乱体内部観測装置は、 乱体の表面や表層付近によるノイズを除去 た、深部処理画像を作製するものである。 出手段によって検出される後方散乱光には 散乱体の表面からの反射光も含まれている 散乱体の表面には、微小な凹凸が存在する め、反射光が散乱して強弱を生じ、断層画 を作製する際のノイズとなり得る。また、 出される後方散乱光には比較的浅い深度か の後方散乱光も含まれており、深部からの 方散乱光によって断層画像を作製する際に これもノイズとなる。

 そこで、本態様における散乱体内部観測 置は、ノイズが除去された断層画像を提供 ることを可能にするものである。

 ノイズが除去された断層画像は、以下の( 1)~(3)のいずれかの方法によって作製すること ができる。

 (1)表層断層画像と深部断層画像を別々に 製し、深部断層画像から表層断層画像を減 する。ここで、表層断層画像とは、散乱体 比較的浅い部分からの後方散乱光と、散乱 の表面からの反射光とから作製される断層 像である。一方、深部断層画像とは、所望 深度の断層画像であるが、これには表層か の後方散乱光も含まれている。

 表層断層画像と深部断層画像を別々に作 するために、本方法では、図39に示すよう 、照明手段と検出手段の距離を変化させる 表層断層画像を作製する際には、図39(a)に示 すように、αの位置で検出する。すると、図3 9(b)に示すような表層断層画像Xが得られる。 た、深部断層画像を作製する際には、図39(c )に示すように、βの位置で検出する。すると 、図39(d)に示すような深部断層画像Yが得られ る。

 なお、図39(a)及び(c)では、説明のために 照明手段と検出手段の距離を変化させたが これに限定されず、検出手段によって取得 れた光強度データを解析する際、表層画像 作製するためにデータを抽出する点の距離 、深部断層画像を作製するためにデータを 出する点の距離よりも短くすることにより 便にそれぞれの断層画像を得ることができ 。

 次に、図39(e)に示すように、深部断層画 Yから表層断層画像Xを減算する。これにより 、表層のノイズが除去された深部処理画像Z 得ることができる。なお、表層断層画像Xは 深部断層画像Yよりも光強度が大きいため、 表層断層画像Xに定数nを掛けて光強度を調節 る。定数nは、表層断層画像Xと深部断層画 Yの光強度の平均が同程度になるように決定 ればよい。

 演算方法は、例えば作製された画像上の 素毎に、光強度を演算することにより行う とができる。或いは、撮像素子上の画素毎 、光強度を演算することにより行うことが きる。また複数の画素の光強度の平均を算 し、その平均値を用いて演算してもよいが これらに限定されず、適切な方法を選択す ことができる。

 (2)上記(1)の方法と同様に、表層断層画像 深部断層画像を別々に作製する。本方法で 、各断層画像を作製するために、異なる波 の光を照明として用いる。例えば、図40(a) 示すように、表層断層画像を作製する場合 、波長λ1の光を照射する光源1を用いる。す と、図40(b)に示すような表層断層画像Xが得 れる。また、深部断層画像を作製する際に 、図40(c)に示すように、波長λ2の光を照射 る光源2を用いる。すると、図40(d)に示すよ な深部断層画像Yが得られる。表層断層画像 作製する際には、より散乱の強い光、即ち 波長の短い光を用いる。反対に、深部断層 像を作製する際には、より散乱の弱い光を いる。

 次いで、図40(e)に示すように、深部断層 像Yから表層断層画像Xを減算する。断層画像 の演算方法は上記方法(1)と同様である。これ により、表層のノイズが除去された断層画像 Zを得ることができる。

 (3)図41(a)に示すように、通常の通りに後 散乱光の検出を行い、図41(b)に示すような深 部断層画像Yを作製する。この深部断層画像Y 2次元フーリエ変換すると、図41(c)に示すよ な、横軸に深部断層画像Yの水平方向周波数 、縦軸に深部断層画像Yの垂直方向周波数を り、フーリエ変換後の振幅スペクトルを輝 値として表した画像が得られる。なお、こ での周波数とは、画像上の周波数であり、 れは空間周波数とも称する。

 図41(c)に示す画像において、深部断層画 Yの空間周波数の低周波成分は図41(c)に示す 像の中心部に対応し、高周波成分は図41(c)に 示す画像の周辺部に対応する。画像において 、高周波数部分は、散乱体の表面及び表層か ら得られるノイズ成分に対応する。反対に、 低周波数部分は、散乱体の深部から得られる 成分に対応する。

 このフーリエ変換後の画像において、低 波数部分のみを選択し、逆フーリエ変換す ことにより、ノイズが除去された深部処理 像Zを得ることができる。

 また或いは、図41(d)に示すように、深部 層画像Yから、高周波数成分を逆フーリエ変 して得られた表層断層画像Xを減算すること によって、深部処理画像Zを得ることもでき 。

 なお、高周波数と低周波数を区切る閾値 、観察対象の異質部分のサイズや位置によ て、適宜設定することができる。

 以上に説明した方法は、上記第1~4実施形 にかかる散乱体内部観測装置によって実施 ることができる。例えば、深部断層画像と 層断層画像は、画像処理手段によって行い 演算は解析/処理手段によって行うことがで きる。

 或いは、画像化手段、演算手段を含む制 手段を備えてもよく、構成は適宜選択する とができる。

 側面3は上記実施形態に限定されるもので はなく、その要旨を逸脱しない範囲において 様々な変形や変更が可能である。また、上記 実施形態に開示されている複数の構成要素を 適宜組合せることも可能である。例えば、実 施形態に示される全構成要素から幾つかの構 成要素を削除してもよい。さらに、異なる実 施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせて もよい。

 以上の説明によれば、側面3は以下に示す ように表現される発明であると理解できる。

 18.散乱体内部の異質部分の情報を取得する 乱体内部観測装置であって、
 前記散乱体を構成する散乱媒質と前記異質 分とで光学特性の異なる波長を少なくとも む光を前記散乱体に照射する照明手段と、
 前記散乱体を撮像する撮像素子と、該撮像 子が撮像する検出範囲を限定する撮像光学 と、該検出範囲に所望の領域が含まれるよ に調節する検出範囲可変機構を含み、前記 明手段により照射された光の後方散乱光を 出し、該後方散乱光の光強度データを取得 る検出手段と、
 前記検出手段により取得された光強度デー を解析し、前記検出範囲可変機構を制御す 解析/制御手段と、
 前記検出手段により取得された光強度デー から、前記散乱体内部の任意の深度におけ 断層画像を作製する画像処理手段とを具備 ることを特徴とする散乱体内部観測装置。

 19.前記検出手段がさらに、前記検出範囲 移動させ得るスキャンミラーを備えること 特徴とする、前記18.に記載の散乱体内部観 装置。

 20.前記照明手段が照明用スキャンミラーを え、
 前記検出手段が検出用スキャンミラーを備 、
 両スキャンミラーを制御して、前記照明手 によって照明される照明範囲と前記検出範 を散乱体表面上で走査させる走査制御手段 さらに備えることを特徴とする前記18.に記 の散乱体内部観測装置。

 21.前記照明手段及び前記検出手段が、それ の光路が同軸になるように配置され、
 前記照明手段によって照明される照明範囲 び前記検出範囲を散乱体表面上で走査させ スキャンミラーを備えることを特徴とする 記18.に記載の散乱体内部観測装置。

 22.前記所望の領域を決定する検出領域決 手段をさらに含むことを特徴とする、前記1 8.~21.の何れか一に記載の散乱体内部観測装置 。

 23.前記所望の領域を決定するための設定 入力する入力手段をさらに備える、前記22. 記載の散乱体内部観測装置。

 24.散乱体内部の異質部分を観測する散乱体 部観測方法であって、
 前記散乱体を構成する散乱媒質と前記異質 分とで光学特性の異なる波長を少なくとも む光を前記散乱体に照射する工程と、
 前記照射された光の後方散乱光を検出し、 後方散乱光の光強度データを取得する工程 、
 前記工程により取得された光強度データを 析し、散乱体表面における検出領域を決定 る工程と、
 前記工程により決定された検出領域の後方 乱光を検出し、光強度データを取得する工 と、
 前記工程により取得された光強度データか 、前記散乱体の断層画像を作製する画像処 工程を含むことを特徴とする方法。

 25.前記後方散乱光の検出が行われる検出 囲に、前記決定された検出領域が含まれる うに調節する工程を含む、前記24.に記載の 法。

 26.前記散乱体に光が照射される照明範囲 、前記検出範囲を、散乱体表面上で一定の 置関係を維持したまま走査させて後方散乱 を検出し、光強度データを取得する工程を らに含む、前記25.に記載の方法。

 27.前記検出領域を決定する工程が自動で われることを特徴とする、前記24.~26.の何れ か一に記載の方法。

〔産業上の利用可能性〕
 側面3は、生体を観測する装置として利用す ることができ、特に内視鏡や硬性鏡などにお いて利用することができる。

<側面4>
 側面4は、生体内を観測するための装置に関 する。

〔背景技術〕
 近年、医療用内視鏡分野において、様々な 殊観察手法が提案されている。例えば、特 2007-525248号公報に開示される関節強検査装 は深部散乱光を収集することにより、血管 内における不安定性プラークを検出するた の装置である。

 また、走査機能を持たせた内視鏡として 内視鏡先端部に走査機構を設けているもの ある。例えば、特開2008-116922号公報は、電 石コイルと磁石によりファイバを振動させ ことにより走査する走査機構を具備する内 鏡を開示する。

 外科用内視鏡は1症例毎に滅菌を行う必要 があるために、先端の走査機構は密閉するな ど、滅菌器環境下に耐えられる構成としなく てはならない。また、従来においては、走査 観察専用内視鏡として、通常観察用と別途に 用意する必要がある。

〔発明が解決しようとする課題〕
 上記の状況に鑑み、側面4の目的は、効率的 な観察が可能な走査観察用の生体内観測装置 を提供することである。更なる側面4の目的 、容易に洗浄や滅菌処理を行うことが可能 構成の走査観察用の生体内観測装置を提供 ることである。側面4の更なる目的は、特殊 察と通常観察とが1つの装置において可能な 生体内観測装置を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕
 上記目的を解決するための手段は、
 照明光を走査する機能を有する生体内観測 置(すなわち生体内観察装置)において、走 機能を実現する走査手段を、生体内へ挿入 れる挿入部ではない部位に配置することを 徴とする生体内観測装置
である。

〔発明の効果〕
 側面4によれば、効率的な観察が可能な走査 観察用の生体内観測装置が提供される。また 、容易に洗浄や滅菌処理を行うことが可能な 構成の走査観察用の生体内観測装置が提供さ れる。更に、特殊観察と通常観察とが1つの 置において可能な生体内観測装置が提供さ る。

〔発明を実施するための最良の形態〕
 以下、側面4の態様および実施形態を図面に 従って説明する。なお、以下の説明において 、ほぼ同一の機能及び構成を有する構成要素 については、同一符号を付し、重複説明は必 要な場合にのみ行う。

 側面4の一態様に従う生体内観測装置4010 図42に示す。当該生体内観測装置4010は、少 くとも、供給される光を走査しながら伝達 る走査手段4002と、前記走査手段4002からの光 を当該被写体に伝達する照明用イメージガイ ド4003と、前記被写体からの光を伝達する撮 用イメージガイド4004と、前記撮像用イメー ガイド4004からの光をイメージとして検出す るための撮像素子(すなわち検出手段)4005とを 具備する。

 側面4における「生体内観測装置」とは、 内視鏡、例えば、外科用硬性鏡、消化器内視 鏡、耳鼻科用内視鏡、泌尿器科用内視鏡、手 術用顕微鏡、医療用撮像機器など、生体内を 観測するための装置であればよい。

 走査手段4002に光を供給する照明光源4001 、当該生体内観測装置4010内に具備されても く、或いは、生体内観測装置4010外に配置さ れて所望の光を供給してもよい。照明光源400 1は、使用する光を供給することが可能なそ 自身公知の何れかの光源であればよい。例 ば、散乱光を用いて血管の観測をする場合 どには、近赤外線を照射可能なレーザーで ることが好ましい。

 また、走査される照明光の入射時の形状 大きさも任意であってよく、例えば、点状 も線状(即ち、ラインスキャン)であっても い。

 当該性体内観測装置4010は、更に、更なる 光学系を具備してもよい。即ち、走査手段400 2と照明用イメージガイド4003との間に光学系4 006aを、照明用イメージガイド4003の被写体側 隣接して光学系4006bを、撮像用イメージガ ド4004の被写体側に隣接して光学系4006cを、 像用イメージガイド4004と撮像素子4005との間 に光学系4006dを具備してもよい。光学系4006a~4 006dは、少なくとも1のレンズおよび/またはミ ラーであればよい。

 走査手段4002は、光を走査しながら伝達す ることが可能なそれ自身公知の何れかの走査 手段であればよい。例えば、ガルバノミラー スキャナーなどのスキャンミラー系、ポリゴ ンミラー、回転ミラー、振動ミラーを用いた スキャンミラー系、ニポウディスクを用いた スキャン系および光ファイバを振動させるス キャン系などを使用してよい。

 照明用イメージガイド4003は、走査手段400 2から出た光を被写体に伝達する。被写体に 達された光は、撮像用イメージガイド4004に り伝達され、撮像素子4005によりイメージと して検出される。照明用イメージガイド4003 よび撮像用イメージガイド4004は、リレーレ ズであっても光ファイバであってもよい。

 撮像素子4005は、それ自身公知の何れかの イメージセンサであればよく、例えば、CCDイ メージセンサまたはCMOSイメージセンサであ てよい。

 当該生体内観測装置4010は、更に、照明光 源4001、走査手段4002、撮像素子4005を制御する ための制御ユニット4007を具備してもよい。 御ユニット4007は、プロセッサと記憶手段に 憶されたソフトウェアで構築されればよく 所望の制御を行うためのソフトウェアが予 インストールされているコンピュータなど 制御装置であってもよい。また、制御ユニ ト4007に、更に、表示部(図示せず)および/ま たは入力部(図示せず)が機能可能に接続され いてもよい。

 側面4に従うと、以上説明した構成要素は 、ユニット毎に纏まって配置され、当該生体 内観測装置4010に具備される。更に具体的に 面4の装置について説明する。

 <第1の実施形態>
 図43(A)~図44(B)に第1の実施形態を示す。図43(A )を参照されたい。第1の実施形態において、 体内観測装置4010は、照射された光を走査し ながら伝達する走査部4031と、生体内に挿入 れて当該光を伝達する挿入部4022と、被写体 らの光を検出する撮像部4032を具備する。走 査部4031は、照明光源4001および操作手段2を具 備する。挿入部4022は、光学系4006a、照明用イ メージガイド4003、光学系4006b、光学系4006c、 像用イメージガイド4004および光学系4006dを 備する。撮像部4032は、撮像素子4005を具備 る。更に、照明光源4001、走査手段4002および 撮像素子4005は、当該生体内観測装置4010の外 に設けられた制御ユニット4007により制御さ れる。また、図示はしないが、更に表示部お よび/または入力部が制御ユニット4007に機能 能に接続されてもよい。

 図43(A)に示す生体内観測装置4010をユニッ 毎に表すと図47(B)に示すような構成となる この場合の観測は次のように行われる。

 (1)オペレータの指示に従い、制御ユニッ 4007が照射光源4001に照射を指示し、照射が 始される。(2)照射光源4001からの光は、走査 4031において走査手段4002により走査され、 入部4022の照明用イメージガイド4003に伝達さ れる。(3)照明用イメージガイド4003に伝達さ た光は、挿入部4022の先端から照射光として 連続する点または不連続の点として被写体 スキャン範囲に照射される。(4)挿入部4022の 先端から所望の撮影範囲についての光情報が 取り込まれ、挿入部4022内の撮像用イメージ イド4004を通り撮像部4032の撮像素子4005によ 検出される。(5)検出されたイメージは、必 に応じて制御ユニット4007において処理され 表示部24に表示される。

 このような生体内観測装置4010は、走査部 4031と挿入部4022および撮像部4032とが着脱可能 に接続されてもよい。その場合、走査部4031 挿入部4022および撮像部4032との接続は、それ 自身公知の嵌合機構により達成されればよい 。着脱可能な構成により、当該生体内観測装 置4010は、使用後に挿入部4022および撮像部4032 のみを洗浄および/または滅菌することが可 である。これにより走査ユニットについて 、滅菌操作などにおいて要求される密閉性 必要とされない。また、走査部4031を他の所 の光源系、例えば、白色光源照射部36など 交換可能としてもよい。そのような構成と ることにより、観測中または観測毎に、光 を交換することが可能である。それにより 数種類の観測および/または観察を1つの装置 により行うことが可能である。

 また、当該生体内観測装置4010によれば、 走査手段4002により走査され、被写体に照射 れた点状または線状の光情報は、撮像素子40 05により所望のエリアについてのイメージと て検出される。これにより、効率的に走査 察を行うことが可能である。

 図47(B)に示す生体内観測装置4010は、走査 4031と共に、撮像部4032と挿入部4022が着脱可 に接続されてもよい。その場合、走査部4031 と撮像部4032は、着脱可能に接続されてもよ 、或いは着脱不可能であってもよい。

  図43(A)に示す生体内観測装置4010は、図43 (B)に示すように変更されてもよい。図43(B)に す生体内観測装置4010は、光学系4006aが、走 部4031に具備され、光学系4006dが、撮像部4032 に具備されること以外は図43(A)に示す装置と 様であってよい。

 また、図43(A)に示す生体内観測装置4010は 図44(A)に示すように、走査ユニット21に、走 査部4031と撮像部4032が具備される構成であっ もよい。

 図44(A)に示すような構造は、図47(A)に示す ような構成と解されてよい。この場合、生体 内観測装置4010における観測は、次のように われる。(1)オペレータの指示に従い、制御 ニット4007が照射光源4001に照射を指示し、照 射が開始される。(2)照射光源4001からの光は 走査ユニット21内の走査手段4002により走査 れ、挿入部4022内の照明用イメージガイド4003 に伝達される。(3)照明用イメージガイド4003 伝達された光は、挿入部4022の先端から照射 4025、例えば、照射用レーザー光4025として 連続する点または不連続の点として被写体 スキャン範囲4027に照射される。(4)挿入部4022 の先端から、所望の撮影範囲4028についての 情報が取り込まれ、挿入部4022内の撮像用イ ージガイド4004を通り走査ユニット21に具備 れる撮像素子4005により検出される。(5)検出 されたイメージは、必要に応じて制御ユニッ ト4007において処理され、表示部24に表示され る。

 このような生体内観測装置4010は、走査ユ ニット21と挿入部4022が着脱可能に接続されて もよい。その場合、走査ユニット21と挿入部4 022の接続は、それ自身公知の嵌合機構により 達成されればよい。着脱可能な構成により、 当該生体内観測装置4010は、使用後に挿入部40 22のみを洗浄および/または滅菌することが可 能である。従って、走査ユニットについては 、滅菌操作などにおいて要求される密閉性を 必要とされない。

 また、当該生体内観測装置4010によれば、 走査手段4002により走査され、被写体に照射 れた点状または線状の光情報は、撮像素子40 05により所望のエリアについてのイメージと て検出される。これにより、効率的に走査 察を行うことが可能である。

 図44(A)に示す生体内観測装置4010は、図44(B )に示すように変更してもよい。図44(B)に示す 生体内観測装置4010は、光学系4006aおよび4006d 、走査ユニット21に具備されること以外は 44(A)に示す装置と同様であってよい。

 <第2の実施形態>
 第2の実施形態を図45(A)および(B)に示す。図4 5(A)を参照されたい。当該生体内観測装置4010 、走査ユニット21と、挿入部4022とを具備す 。走査ユニット21は、照明光源4001と走査手 4002を具備する。従って、この態様において は、走査ユニット21は走査部と解されてもよ 。挿入部4022は、光学系4006aと、照射用イメ ジガイド3と、光学系4006bと、光学系4006cと 像用イメージガイド4004と撮像素子4005を具備 する。

 照明光源4001、走査手段4002および撮像素 4005は、当該生体内観測装置4010の外部に設置 された制御ユニット4007により制御される。

 このような生体内観測装置4010は、走査ユ ニット21と挿入部4022が着脱可能に接続されて もよい。当該接続は、それ自身公知の嵌合機 構により達成される。

 当該生体内観測装置4010における観測は、 次のように行われる。(1)オペレータの指示に 従い、制御ユニット4007が走査ユニット21の照 射光源4001に照射を指示し、照射が開始され 。(2)照射光源4001からの光は、走査ユニット2 1において走査手段4002により走査され、挿入 4022の照明用イメージガイド4003に伝達され 。(3)照明用イメージガイド4003に伝達された は、挿入部4022の先端から照射光として、連 続する点または不連続の点として被写体のス キャン範囲に照射される。(4)挿入部4022の先 から、所望の撮影範囲についての光情報が り込まれ、挿入部4022内の撮像用イメージガ ド4004を通り、撮像素子4005に送られて検出 れる。(5)検出されたイメージは、必要に応 て制御ユニット4007において処理され、表示 24に表示される。

 図45(A)に示される生体内観測装置4010は、 45(B)に示すように変更してもよい。図45(B)に 示される生体内観測装置4010は、光学系4006aが 、走査ユニット21に具備されること以外は図4 5(A)に示す装置と同様である。

 当該生体内観測装置4010によれば、走査手 段4002により走査され、被写体に照射された 状または線状の光情報は、撮像素子4005によ 所望のエリアについてのイメージとして検 される。これにより、効率的に走査観察を うことが可能である。

 また、当該生体内観測装置4010は、使用後 に挿入部4022のみを洗浄および/または滅菌す ことが可能である。これにより走査ユニッ については、滅菌走査などにおいて要求さ る密閉性を必要とされない。また、走査ユ ット21を、他の所望の光源系と交換可能と ることにより、観測中または観測毎に、光 を交換することが可能である。それにより 複数の観測および/または観察を1つの装置に より行うことが可能である。

 <第3の実施形態>
 第2の実施形態を図46(A)および(B)に示す。図4 6(A)を参照されたい。当該生体観測装置4010は 走査ユニット21と、挿入部4022とを具備する 走査ユニット21は、照明光源4001と走査手段4 002を具備する。従って、この態様においては 、走査ユニット21は走査部と解されてもよい 挿入部4022は、光学系4006aと、照射用イメー ガイド3と、光学系4006bと光学系4006cと撮像 子4005を具備する。

 照明光源4001、走査手段4002および撮像素 4005は、当該生体内観測装置4010の外部に設置 された制御ユニット4007により制御される。

 このような生体内観測装置4010は、走査ユ ニット21と挿入部4022が着脱可能に接続されて もよい。当該接続は、それ自身公知の嵌合機 構により達成される。

 当該生体内観測装置4010における観察は、 次のように行われる。(1)オペレータの指示に 従い、制御ユニット4007が走査ユニット21の照 射光源4001に照射を指示し、照射が開始され 。(2)照射光源4001からの光は、走査ユニット2 1において走査手段4002により走査され、挿入 4022の照明用イメージガイド4003に伝達され 。(3)照明用イメージガイド4003に伝達された は、挿入部4022の先端から照射光として、連 続する点または不連続の点として被写体のス キャン範囲に照射される。(4)挿入部4022の先 から所望の撮影範囲についての光情報が取 込まれ、撮像素子4005に送られ検出される。( 5)検出されたイメージは、必要に応じて制御 ニット4007において処理され、表示部(図示 ず)に表示される。

 当該生体内観測装置4010によれば、走査手 段4002により走査され、被写体に照射され点 または線状の光情報は、撮像素子4005により 望のエリアについてのイメージとして検出 れる。これにより、効率的に走査観察を行 ことが可能である。

 また、当該生体内観測装置4010は、走査ユ ニット21と挿入部4022とが着脱可能に接続され てもよい。その場合、走査ユニット21と挿入 4022との接続は、それ自身公知の嵌合機構に より達成されればよい。着脱可能な構成によ り、当該生体内観測装置4010は、使用後に挿 部4022のみを洗浄および/または滅菌すること が可能である。これにより走査ユニットにつ いては、滅菌走査などにおいて要求される密 閉性を必要とされない。また、走査ユニット 21を他の所望の光源系と交換可能としてもよ 。このような構成により、観測中または観 毎に光源を交換することが可能である。そ により複数種類の観測および/または観察を 1つの装置で行うことができる。

 更に、図46(A)に示す装置を、図46(B)に示す ように変更してもよい。図46(B)に示す生体内 測装置4010は、光学系4006aが、走査ユニット2 1に具備されること以外は、図46(A)に示す装置 と同様であってよい。

 <第4の実施形態>
 第4の実施形態を以下に説明する。この実施 形態は、第1の実施形態に示した生体内観測 置4010を用いて、特殊観測のための特殊光、 えば、近赤外線を使用し、散乱画像を撮像 て観測を行う装置である。

 図48は、散乱媒質を介した後方散乱光を 出し、その光強度データを取得する様子を す模式図である。図48(a)は、散乱体Sの内部 散乱媒質101よりも吸収が大きい異質部分(す わち観察対象)102が存在する場合を示す。照 射光源4201により照射された光は、異質部分10 2の影響で減衰し、減衰された後方散乱光4401 検出手段4204により検出され、その光強度デ ータが取得される。ここにおいては、図48(a) 示すような場合に検出される光強度データ 異質部分の影響が支配的なデータ、又は異 部分検出信号と称する。一方、図48(b)は、 乱体Sの内部に異質部分102が存在しない場合 示す図である。この場合、照射光源4201によ り照射された光は減衰せず、散乱媒質101で散 乱された後方散乱光4402が検出手段4204により 出され、その光強度データが取得される。 こでは、図48(b)に示すような場合に検出さ る光強度データを、散乱媒質の影響が支配 なデータ、又は散乱媒質検出信号と称する

 例えば、図48(a)および(b)のような散乱体S 連続して検出する場合、図48(c)で示すよう 光強度のグラフが得られる。このグラフで 、散乱媒質101の影響が支配的な光強度デー 4402と、異質部分の影響が支配的な光強度デ タ4401とが存在するので、強度の異なるデー タが検出される。このような強度の違いを利 用して、散乱体S中の異質部分102の存在を検 することが可能である。

 特に散乱光による検出を行う場合には、 射光を走査した際に被写体の入射点から放 状に浸透して広がった散乱光が、撮像素子 受光面によって被写体内の深さに応じた広 りのある受光データを走査点毎に一度に検 することになるので、検出効率を非常に高 することができる。また、被写体において 射光が入射する位置から離れた位置から出 される光を検出することとなるが、被写体 部の異質物質(102)の位置が未知の場合や、 視鏡のように挿入部と被写体の距離が変わ 易い場合では、同じ入射位置から入射した 射光であっても撮像素子における受光位置 変わってしまうので、撮像素子のような2次 的に広がりを持った面で受光することは検 ミスを防止できる点でも非常に都合がよい

 以上のような後方散乱光を利用した特殊 測により、例えば、散乱体Sとしての筋また は脂肪などの組織中の血管やリンパ管や神経 を異質部分として検出することが可能である 。

 側面3は上記実施形態に限定されるもので はなく、その要旨を逸脱しない範囲において 様々な変形や変更が可能である。また、上記 実施形態に開示されている複数の構成要素を 適宜組合せることも可能である。例えば、実 施形態に示される全構成要素から幾つかの構 成要素を削除してもよい。さらに、異なる実 施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせて もよい。

 以上の説明によれば、側面4は以下に示す ように表現される発明であると理解できる。

 28.照明光を走査する機能を有する生体内 測装置において、走査機能を実現する走査 段を、生体内へ挿入される挿入部ではない 位に配置することを特徴とする生体内観測 置。

 29.前記28.に記載の生体内観測装置であっ 、更に、前記走査手段からの光を当該被写 に伝達する照明用イメージガイドと、前記 写体からの光を伝達する撮像用イメージガ ドと、前記撮像用イメージガイドからの光 イメージとして検出するための撮像素子と 具備し、前記走査手段と撮像素子とが走査 ニット内に配置され、前記走査ユニットに 続された挿入部内に前記照射用イメージガ ドと撮像用イメージガイドとが配置される とを特徴とする生体内観測装置。

 30.前記28.に記載の生体内観測装置であっ 、更に、前記走査手段からの光を当該被写 に伝達する照明用イメージガイドと、前記 写体からの光をイメージとして検出するた の撮像素子とを具備し、前記走査手段が走 ユニット内に配置され、前記走査ユニット 接続された挿入部内に前記照射用イメージ イドと撮像素子とが配置されることを特徴 する生体内観測装置。

 31.更に、前記走査手段に光を供給するた の照明光源を当該走査ユニット内に具備す 前記28.~30.の何れか1に記載の生体内観測装 。

 32.前記供給される光がレーザー光であり 前記被写体からの光が散乱光であることを 徴とする前記28.から31.の何れか1に記載の生 体内観測装置。

 33.前記走査ユニットから前記挿入部が着 可能である前記28.から32.の何れか1に記載の 生体内観測装置。

 34.前記28.に記載の生体内観測装置であっ 、更に、前記走査手段からの光を当該被写 に伝達する照明用イメージガイドと、前記 写体からの光を伝達する撮像用イメージガ ドと、前記撮像用イメージガイドからの光 イメージとして検出するための撮像素子と 具備し、前記走査手段が走査部内に配置さ 、前記走査部に接続された挿入部内に前記 射用イメージガイドと撮像用イメージガイ と撮像素子とが配置されることを特徴とす 生体内観測装置。

 35.前記28.に記載の生体内観測装置であっ 、更に、前記走査手段からの光を当該被写 に伝達する照明用イメージガイドと、前記 写体からの光を伝達する撮像用イメージガ ドと、前記撮像用イメージガイドからの光 イメージとして検出するための撮像素子と 具備し、前記走査手段が走査部内に配置さ 、前記撮像素子が撮像部内に配置され、前 走査部および撮像部に接続された挿入部内 前記照射用イメージガイドと撮像用イメー ガイドとが配置されることを特徴とする生 内観測装置。

 36.更に、前記走査手段に光を供給するた の照明光源を当該走査部内に具備する前記3 4.または35.の何れか1に記載の生体内観測装置 。

 37.前記走査部が着脱可能であることを特 とする前記34.から36.の何れか1に記載の生体 内観測装置。

 38.供給される光がレーザー光であり、前 被写体からの光が散乱光であることを特徴 する前記34.から37.の何れか1に記載の生体内 観測装置。

<側面5>
 側面5は、散乱体からの後方散乱光を計測す ることにより、散乱体内部の異質部分の位置 を正確かつ迅速に検出できる装置及び方法に 関する。

〔背景技術〕
 生体内部の異質部分、例えば血管などの位 を正確に知ることは困難である。そのため 特開2006-102029号公報に示されるような、生 組織内部の血管の位置を認識する装置が開 されている。特開2006-102029号公報に開示され た装置は、医師又は看護師が患者の腕等に対 して静脈注射や点滴を行うための血管位置提 示装置である。

 その概要を説明すると、血管内血液によ 吸収が顕著な740~950nmの光を生体に照射する とにより、血管と脂肪部位で異なる強度の 号を得ている。特開2006-102029号公報では、 管識別のために検出信号強度の閾値を設定 、信号が所定の閾値より大きいか小さいか 血管を識別している。

 また特開2006-102029号公報には、生体表面 ライン状に走査することにより、血管を識 する第一ステップSと、識別結果に基づいて 度ライン状に走査しながら血管位置をマー する第二ステップSとを具備する方法が開示 されている。

〔発明が解決しようとする課題〕
 しかし、上記特開2006-102029号公報に記載の 置を用いて散乱体内部の異質部分の位置を 出する場合、次のような問題がある。第一 、閾値の設定基準があいまいである。第二 、散乱体内部の異質部分の位置が深部にな ばなるほど、異質部分による光の減衰が顕 になり、ノイズの影響が大きくなる。その め、閾値を一意に与える方法では正確な判 が困難である。第三に、閾値を一意で与え ために散乱媒質及び異質部分の不均質性に 応できない。第四に、照明部と検出部が固 されているため、装置を静止した状態で観 したい場合には適用できない。このため、 用範囲が限られる。第五に、血管を検出す 工程と血管位置をマークする工程が別工程 あるため、操作に時間がかかる。さらに、1 インスキャンに対して1点しかマークできず 、広範囲の観察には適さない。第六に、点検 出であるために異質部分の形状が確認できな い。

〔課題を解決するための手段〕
 上記問題に鑑み、側面5は、散乱体内部の異 質部分(すなわち観察対象)を検出する散乱体 部検出装置(すなわち散乱体内部観察装置) あって、前記散乱体を構成する散乱媒質と 記異質部分とで光学特性の異なる光を前記 乱体に照射する照明手段(すなわち光照射手 )と、前記照明手段により照射された光の後 方散乱光を検出する検出手段と、前記検出手 段により検出された後方散乱光の光強度デー タを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記 憶された複数の光強度データの頻度分布情報 を作成し、該情報に基づいて、前記散乱体の 所望の位置における内部が散乱媒質であるか 或いは異質部分であるかを判定する解析手段 (すなわち判定手段)と、前記解析手段による 定結果を表示する提示手段とを具備するこ を特徴とする散乱体内部検出装置を提供す 。

〔発明の効果〕
 側面5によれば、検出された光強度データの 頻度分布情報を作成し、該情報に基づいて判 定を行うために、散乱媒質と異質部分とを正 確に判定することが可能であり、さらに不均 質な部分でも正確に判定することができる。

〔発明を実施するための最良の形態〕
 以下、側面5の散乱体内部検出装置及び該装 置を用いた検出方法について説明する。側面 5において、散乱体とは、主に散乱媒質から 成される物体を指し、例として生体が挙げ れる。散乱媒質とは、少なくとも光を散乱 る性質を示し、吸収よりも散乱のほうが支 的であるものである。

 側面5の散乱体内部検出装置は、散乱体内 部の散乱媒質中に存在する異質部分を検出す るための装置である。側面5において異質部 とは、透過率、屈折率、反射率、散乱係数 吸収係数などの光学特性が散乱媒質と異な ものである。例として血管が挙げられるが これに限定されない。

 内部に異質部分が存在する散乱体の例を 49に示す。図49(a)では観察範囲となる領域を 観測領域5103として示している。

散乱体の大部分を構成する散乱媒質5101の 部に異質部分5102が存在している。この異質 分5102は散乱体の表面からは見えない。図49( b)は、図49(a)の一点鎖線における断面図であ 。図49の例では、紐状の異質部分が走行する ような形状を示したが、これに限定されず、 塊状やループ状の異質部分も存在する。

 側面5の散乱体内部検出装置では、散乱媒 質と異質部分とで光学特性の異なる光を散乱 体に照射する。散乱媒質と異質部分とで光学 特性の異なる光とは、透過率、屈折率、反射 率、散乱係数、吸収係数などの光学特性が、 散乱媒質中と異質部分中とで異なる波長の光 を意味する。

 図50は散乱媒質による後方散乱光を検出 、その光強度データを取得する様子を示す 式図である。図50(a)は、散乱体Sの内部に散 媒質5101よりも吸収が大きい異質部分5102が存 在する場合である。照明手段5201により照明 れた光は異質部分5102の影響で減衰し、減衰 れた後方散乱光5401が検出手段5204により検 され、その光強度データが取得される。側 5においては、このような場合に検出される 強度データを、異質部分の影響が支配的な ータ、又は異質部分検出信号と称する。一 、図50(b)は、散乱体Sの内部に異質部分5102が 存在しない場合である。この場合、照明手段 5201により照明された光は減衰せず、散乱媒 5101で散乱された後方散乱光5402が検出手段520 4により検出され、その光強度データが取得 れる。側面5においては、このような場合に 出される光強度データを、散乱媒質の影響 支配的なデータ、又は散乱媒質検出信号と する。

 例えば図49(b)のような散乱体を図49(a)の一 点鎖線に沿って検出する場合、図50(c)で示す うな光強度のグラフが得られる。このグラ では、散乱媒質の影響が支配的な光強度デ タ5402と異質部分の影響が支配的な光強度デ ータ5401として、強度の異なるデータが検出 れる。側面5では、このように得られたデー を後述するように解析することにより、散 媒質と異質部分を判定する。

 なお、図50(c)の例では、異質部分5102の影 が支配的な光強度は、散乱媒質5101の影響が 支配的な光強度よりも小さくなっているが、 この関係が逆転している場合でも側面5を適 することができる。

 (第1実施形態)
 以下、側面5の実施形態を図面に従って説明 する。なお、以下の説明において、略同一の 機能及び構成を有する構成要素については、 同一符号を付し、重複説明は必要な場合にの み行う。

 図51は側面5の第1の実施形態に係る散乱体 内部検出装置5100の概略機能ブロック図であ 。同図に示すように、散乱体内部検出装置51 00は、照明手段5201、検出手段5204、記憶手段52 07、解析手段5208、及び提示手段5209を備える

 照明手段5201は、散乱媒質中と異質部分中 とで光学特性の異なる光を発生し、散乱体に 照射する手段である。本実施形態の散乱体内 部検出装置5100は、図51(a)に示すように、光源 5201aと、発生された光を導光するための光フ イバーを用いた導光体5201bと、光ファイバ により伝播され射出される発散光を限定さ た検出領域に照射するため、細い平行の光 に変換する集光体5201cによって構成される照 明手段5201を具備する。

 光源5201aには、散乱媒質と異質部分で光 特性の異なる波長の光を発生するものが用 られる。導光体5201bには、光ファイバーが好 適に用いられるが、これに限定されず、リレ ーレンズによって構成することもできる。集 光体5201cにはレンズが好適に用いられるがこ に限定されず、ミラーによって構成しても い。或いは、プリズムや回折格子で構成し もよい。

 或いは、光源として予め光束を絞ったレ ザ光等を使用し、集光体5201cを用いなくと よい。また或いは、集光体5201cを用いる代わ りにマスク等により、照明光が当たる検出領 域を限定してもよい。検出領域とは、照明手 段5201によって光が照射される散乱体表面上 領域を意味し、図51(a)では符号a1で示される

 検出手段5204は、照明手段5201により発せ れる光の波長を含む波長帯に感度を有し、 乱体表面上から出射される後方散乱光を検 して電気信号に変える手段である。本実施 態の散乱体内部検出装置5100は、光源5201aよ 発せられる光の波長を含む波長帯域に感度 有する少なくとも一つの検出素子5204aと、検 出素子5204aが検出した光強度信号を伝播する 号伝達部5204bと、光強度信号を光データに 換する処理部5204cによって構成される検出手 段5204を具備する。

 検出素子5204aには、一般的な光検出素子 用いられる。フォトディテクター、光電子 倍管等を用いることができるがこれに限定 れない。また或いは、複数点を同時に検出 るCCD等のような撮像素子を用いてもよい。 号伝達部5204bには電線を用いてもよく、処理 部5204cには受光電流を電圧に変換するフォト ィテクターアンプを用いることができるが れらに限定されない。

 図51(b)は、散乱体内部検出装置5100によっ 光が照射及び検出される散乱体の表面部分 上面から見た図である。図に示すように、 明手段5201から発せられた光(a1)は散乱体Sの 面上の照明領域a2を照射し、照明された光 散乱体内を伝播して散乱体表面の検出領域a3 から射出する。射出された光(a4)は検出手段52 04により検出され、光強度データに変換され 。ここで検出領域とは検出手段、特に検出 子によって後方散乱光が検出される領域で り、照明領域とは照明手段によって光が照 される領域を指す。

 記憶手段5207は、検出手段5204により検出 れて変換された光強度データを記憶する手 であり、メモリが好適に用いられる。

 解析手段5208は、記憶手段5207に記憶され 光強度データを解析する手段であり、解析 ための適宜のソフトウェアが予めインスト ルされているコンピュータ等の制御装置が 適に用いられる。

 提示手段5209は、解析手段5208によって解 された結果を表示する手段である。提示手 5209は、例えば、観測領域内の検出領域と検 領域を含むように散乱体表面上をマークす 可視光を照射し、判別結果に基づいてマー を切り替える手段を用いる。可視光を用い 方法であれば、マークの方法の自由度が高 、また切り替えも光源のオンオフで実現で 容易であるため、迅速に判別結果の通知を うことができる。また、散乱体表面を走査 に、その検出位置において結果を提示でき ので迅速に結果を提示することができる。 た、照明手段と同じ導光体を利用すれば小 化した構成を実現することもできる。

 本実施形態の散乱体内部検出装置5100は、 可視光を発生する光源5209aと、発生された光 導光するものとして光ファイバーを用いた 光体5209bと、光ファイバーにより伝播され 出される発散光を、照明領域(a2)と検出領域( a3)を含む測定領域(a5)に集光する表示用集光 5209cによって構成される提示手段5209を具備 る。解析結果の表示は、散乱媒質検出時と 質部分検出時で異なるマークを照射するこ により行う。図52に示すように円状マーク180 1をオンとオフとで切り替えてもよく、或い 、丸印とバツ印を切り替えるなど、様々な ークの切り替え方法を取ることができる。

 本実施形態の散乱体内部検出装置5100では 、導光体5201b、集光体5201c、検出素子5204a及び 信号伝達部5204bがホルダー5210の内部に配置さ れる。集光体5201cと検出素子5204aがホルダー52 10に固定されることによって、照明領域a2と 出領域a3が特定の距離に保持される。本実施 形態では、このホルダー5210を移動させるこ によって観測領域内を走査することができ 。

 さらに、ホルダー5210の先端には、集光体 5201c及び検出素子5204aを保護するための保護 5211を取り付けることができる。保護部5211を 介してホルダー5210を散乱体表面に押し当て 検出することにより、散乱体表面から照明 段5201及び検出手段5204までの距離を一定に保 つことができる。保護部5211は、照明手段5201 より照射される光の波長に吸収の少ない材 から作製されることが好ましい。

 図51cは、ホルダー5210を先端部から見た正 面模式図である。提示手段の表示用集光部520 9cは、集光部5201c及び検出部5204aからずらして 配置する。なお、図51cでは集光部5201c、検出 5204a及び表示用集光部5209cが三角形の配置に 示されているが、側面5の提示手段5209が検出 置をマークする趣旨を逸脱しない限りいか うにも配置させることが可能である。

 次に、上記第1の実施形態における散乱体 内部検出装置5100の変形例を図53に示す。本変 形例では、散乱体表面を走査可能な照明手段 と複数の検出素子を具備する検出手段を備え る。図53(b)に示すように、検出部5204a'は複数 検出素子5206を有する。説明のため複数の検 出素子5206を順にd1~dnとして表す。

 本変形例では、図53cに示すように、集光 5201cのみを移動させることにより、ホルダ 5210を動かすことなく照明領域を移動させる このとき、集光部5201cの移動に伴って、光 検出に用いる検出素子5206を変更させ、照明 域と検出領域の距離を一定に維持する。こ により、照明領域と検出領域が特定の距離 保たれ、同じ深度の情報を得ることができ 。なお、図53には提示手段5209は図示してい いが、図51と同様の構成で提示手段を備え ことができる。

 図54は、上記第1の実施形態の散乱体内部 出装置5100における提示手段5209の変形例を す図である。図54(a)は、照明手段5201が、解 結果を表示するための可視光を散乱体表面 照射する機能をさらに備える変形例である 提示手段5209の他の変形例として、モニター 用いて表示する形態(図54(b))や、音によって 解析結果を提示する形態(図54(c))を用いるこ もできる。

 次に、図51に示す散乱体内部検出装置5100 用いて、散乱体の内部の異質部分を検出す 動作について説明する。図55に、第1の実施 態の散乱体内部検出装置5100の概略動作フロ ーを示す。

 図55のステップS801で処理フローを開始す 。ステップS802では、処理のスウィッチがオ ンであるか否かを判定し、オンであるときス テップS804以降の処理を実行し、オフである きステップS803において処理フロー動作を中 又は終了する。なお、スウィッチがオフか うかの判断は随時行われており、オフの場 は終了する。

 処理スウィッチがオンである場合は、ス ップS804で生体表面を走査し光強度信号を取 得する。図56に示すように、照明手段5201と検 出手段5204を有するホルダー5210を用いて、生 Sの表面上(観測領域内)をランダムに走査し 観測領域5103内の様々な位置で後方散乱光の 光強度信号を検出する。検出された光強度信 号は光強度データに変換されて、一定時間間 隔で記憶手段5207に記憶される。

 次に、ステップS805において、取得された 光強度データが頻度分布情報を作成するのに 十分か否かを判定する。十分ではない場合、 ステップS806で再び光強度データを取得し、 分である場合はステップS807へ進む。ステッ S806では、取得した光強度データをスウィッ チがオンである限り、ステップS804において 憶手段に記憶する。

 ステップS807では、記憶手段に記憶された 光強度データを用いて頻度分布情報を作成す る。光強度データの頻度分布情報とは、光強 度の頻度をとったヒストグラムのことである 。

 ここで、側面5における解析方法の原理に ついて説明する。検出した光強度に基づいた 頻度分布は、散乱媒質の影響が支配的な光強 度データの分布と、異質部分の影響が支配的 な光強度データの分布の足し合わせになる。 それぞれノイズによる幅を持った分布である ために、足し合わせると分布の裾の重なった 多峰の分布となる。この例を図57に示す。

 図57は、散乱媒質を検出した信号の頻度 異質部分を検出した信号の頻度よりも高い 合の頻度分布の例である。分布5602が散乱媒 検出信号、分布5601が異質部分検出信号であ る。図57に示すように、散乱媒質検出信号5602 と異質部分検出信号5601に由来する分布は、 れぞれピークと幅を持つ二峰性の頻度分布 示す。よって、頻度分布情報に基づいて、 者の分布を区別することができる。

 図49に示したように散乱媒質の部位が異 部分の部位よりも大部分を占める場合、観 領域内をランダムに走査すると、散乱媒質 検出される頻度が高くなる。この性質を利 することにより、頻度分布情報から、どち の分布が散乱媒質検出信号であるかを区別 きる。即ち、散乱媒質が観測領域内の大部 を占める場合、頻度の高い信号を散乱媒質 影響が支配的な信号とみなすことが出来る 反対に、異質部分が大部分を占める場合は 頻度の高い信号を異質部分の影響が支配的 信号とみなすことが出来る。

 図55に戻って、ステップS807で頻度分布情 が作成されると、ステップS808では、該頻度 分布情報に基づいて閾値を設定する。ここで 閾値とは、図58に示したように、散乱媒質信 と異質部分検出信号を区分する値である。 値は、ステップS807で作成された頻度分布情 報から、散乱媒質検出信号分布と異質部分検 出信号分布の間の谷の部位から設定する。

 閾値が設定されると、ステップS809では、 設定された閾値に基づいて、図58に斜線で示 た領域に該当する散乱媒質検出信号のデー のみを選択的に抽出する。そして、抽出さ たデータに基づいて、散乱媒質検出信号の 度分布データセットBtを作成する。

 図59に、散乱媒質検出信号データの抽出 理フローを示す。図59(a)は、分布に正規分布 をフィッティングさせる方法の処理フローで ある。この方法では、ステップS901で生体表 Sを走査して取得した後方散乱光強度を記憶 、ステップS902で頻度分布情報を作成する。 ステップS903で、この頻度分布を二つの正規 線でフィッティングする。これにより、二 の正規曲線の交点が明確になり、この交点 閾値とすることができる(S904)。続いて、ス ップS905において、この閾値より強度の大き データを散乱媒質検出信号として抽出する

 図59(b)は、分布の山と谷を抽出して谷の 分を閾値とする方法の処理フローである。 の方法では、ステップS901で生体表面Sを走査 して取得した後方散乱光強度を記憶し、ステ ップS902で頻度分布情報を作成する。ステッ S906で頻度分布の山のピーク値2点とそれには さまれる谷のピーク値1点を抽出し、ステッ S907で谷のピーク値を閾値とする。続いて、 テップS907において、この閾値より強度の大 きいデータを散乱媒質検出信号として抽出す る。

 図55に戻って、ステップS809では、上記の うに抽出された散乱媒質検出信号から、頻 分布データセットBtを作成する。

 続いて、ステップS810では、散乱体表面上 の任意の測定点において連続的に光強度を検 出し、光強度データセットDtを作成する。こ とき検出した光強度データを検出データと することとする。任意の測定点において連 的に光強度を検出するとは、同一の位置で 数回(n回)検出を行い、nの光強度データを得 ることを意味する。検出するデータ数nは次 工程でt検定を行うために、n=4以上が望まし 、n=10以下で十分である。

 続いて、ステップS811において、上記ステ ップS810で作成した光強度データセットDtと、 上記ステップS809で作成した頻度分布データ ットBtとが、同じ分布に基づくものか否かを 統計的な検定処理に基づいて比較する。

 このとき、統計的な検定処理としてt検定 (分布の平均値の差の検定)を行う。t検定を実 行すると、DtがBtの分布と同一母集団から生 された分布である確率を、p値というパラメ タで表すことができる。p値は0~1の値を取り 、p値が1に近いほど、DtとBtは同一母集団に由 来する分布である確率が高いことを示し、p が0に近いほど、DtとBtは別の母集団に由来す る分布である確率が高いことを意味する。本 実施形態の例では、p値が0に近いほど、Dtは 乱媒質検出信号データBtとは異なる集合、つ まり異質部分検出信号であることを示す。

 次に、ステップS812において、上記の統計 的性質により算出されたp値が所定の閾値thp りも小さいときに、現在のデータDtが異質部 分検出信号であると判定する。閾値thpは判定 の信頼性に影響し、所望する信頼性に依存し て適宜設定することができる。閾値thpを高く 設定すると、信頼性は低いが高ノイズデータ でも判定結果を出すことができる。閾値thpを 低く設定すると、信頼性は高いが高ノイズデ ータで平均値の差が顕著に見えないときには 判定結果を出すことができない場合もある。 閾値Thpは0.1以下且つ0.01以上の値が望ましく 例えば0.05、0.1などを設定することができる

 ステップS812で、p値が閾値thpよりも小さ った場合は、異質部分が検出されたと判定 、ステップS813で提示手段によりその旨を通 する。また、p値が閾値thpよりも大きかった 場合は、散乱媒質が検出されたと判定し、ス テップS814で提示手段によりその旨を通知す 。

 判定結果を表示した後は、ステップS802に 戻り、スウィッチがオフでない限り、S804~S814 の処理を繰り返す。

 なお、以上の処理フローでは、データの 得と頻度分布の作成は随時行われる。特に 本実施形態では、散乱媒質検出信号である 判定されたデータを、ステップS809での頻度 分布データセットBtを作成するためのデータ 組込み、頻度分布図Btを適宜更新する。

 これにより、観測領域内の散乱媒質又は 質部分の光学特性が位置によって変化して 、散乱媒質と異質部分とで後方散乱光強度 与える影響の力関係が変わらなければ、観 領域内の走査される位置により適切な閾値 設定できる。ここで、散乱媒質と異質部分 後方散乱光強度に与える影響の力関係が変 らないとは、散乱媒質により光が減衰され 度合いと異質部分により光が減衰される度 いの大小関係が維持されるということであ 。

 次に、図53に示した散乱体内部検出装置5100 変形例を用いて、散乱体の内部の異質部分 検出する動作について説明する。  
 図53に示す散乱体内部検出装置5100を用いる 合、照明を走査させて後方散乱光を検出す 。そして、照明領域の移動に伴って、異な 検出素子により検出を行う。即ち、照明領 と一定の距離だけ離れた検出領域を有する 出素子により検出された信号データを解析 用いる。

 照明領域-検出領域の距離が等しい光強度 データを取得することにより、異なる検出素 子によって取得されたデータ同士を比較する ことができ、頻度分布情報に基づいた処理を 行うことができる。

 なお、照明の走査は、少なくとも検出領 が観測領域内を走査できればよく、ホルダ 内で集光体5201cのみを移動させて行っても く、また集光体5201cの角度を変化させて照明 領域を移動させてもよい。

 以上説明したように、本実施形態では、 度分布情報を利用し統計的処理に基づいて 定を行うために、散乱媒質と異質部分を区 する閾値を、設定基準が曖昧なままで予め 定しておく必要がなく、検出された光強度 ータに基づいて適切な閾値が設定される。

 また、散乱媒質の影響が支配的な光強度 ータと検出データとを統計的な検定処理に づいて比較することにより、ノイズを含む 出データであっても正確な判定を行うこと 可能である。

 また、判定を継続しながら頻度分布情報 更新し、その都度閾値が更新されるため、 乱媒質や異質部分の不均質性に対応するこ ができ、より正確且つ適応性の高い検出を うことが可能である。

 また、照明手段のみを移動させて検出を うことができるため、装置を静止した状態 の検出にも適用できる。また、検出及び判 と判定結果の提示を同時に行うことができ ため、操作が簡便且つ短時間であり、広範 の観察にも適用できるとともに、異質部分 形状を容易に確認することができる。

 なお、上記実施形態では異質部分が散乱 質よりも吸収が大きい場合を例にして説明 たが、異質部分が散乱媒質よりも散乱係数 十分に大きい場合や反射が大きい場合等で っても、側面5を適用できることは明らかで ある。

 また、散乱媒質との光学特性がそれぞれ なる複数の異質部分を内在する散乱媒質に しても頻度分布情報に基づいた閾値の決定 び検定処理が適用できる。

 本実施形態ではt検定を用いたが、他の統 計的手法を用いることも可能である。また、 上記の実施形態では、予め散乱媒質の影響が 支配的なデータを抽出し、その情報と検出デ ータを比較する場合を示したが、異質部分の 影響が支配的なデータを予め抽出し、その情 報と検出データを比較する方法であってもよ いことは理解されるであろう。

 (第2実施形態)
 次に、側面5の第2実施形態を説明する。図60 は、第2の実施形態に係る散乱体内部検出装 5200の概略機能ブロック図である。同図に示 ように、散乱体内部検出装置5200は、照明手 段5201、検出手段5204、記憶手段5207、解析手段 5208、及び提示手段5209を備える。

 本実施形態に係る散乱体内部検出装置5200 では、照明手段5201、記憶手段5207及び解析手 5208は、上記第1実施形態と同様である。一 、検出手段5204は、散乱体表面Sから射出され る後方散乱光を撮像するための撮像光学系521 4と、光源5201aより発せられる光の波長を含む 波長帯域に感度を持つ複数の検出素子5206(図 せず)から構成される検出体5212と、検出素 5206が検出した光強度信号を伝播する信号伝 部5204bと、光強度信号を光データに変換す 処理部5204cを備える。

 さらに、本実施形態に係る散乱体内部検 装置5200は、解析手段5208によって解析され 結果を画像化して表示する提示手段5213を備 る。

 本実施形態に係る散乱体内部検出装置5200 では、導光体5201b、集光体5201c、撮像光学系52 14、検出体5212、及び信号伝達部5204bは、ホル ー5210の内部に固定されて配置される。但し 、集光体5201cはその角度を適宜変更すること でき、照射する光の角度を変えることで検 領域を走査することができる。撮像光学系5 214にはマイクロレンズアレイを含むレンズを 用いることができるがこれに限定されない。

 本実施形態の散乱体内部検出装置5200にお ける検出体5212は、複数の検出素子5206を備え ため、検出手体5212を動かすことなく観測領 域全域を検出することができる。よって、ホ ルダー5210を走査せずとも観測領域内を走査 きる。

 図61は検出体5212の実施例を示す正面図で る。図のように検出素子5206が平面に複数配 置される。図61(a)のような正方形形状や図61(b )のような円形状など、任意に適切な形状の 出体5212を用いることができる。側面5の要旨 を逸脱しない範囲において様々な変形が施さ れてよい。

 次に、図60に示す散乱体内部検出装置5200 用いて、散乱体の内部の異質部分を検出す 動作について説明する。

 まず初めに、本実施形態におけるデータ 理方法について説明する。図62は、集光体52 01cとその照明領域(c1)、検出体5212を構成する 出素子(d1~d6)とそれぞれの検出領域(e1~e6)の 置を表す模式図である。便宜的に、検出体52 12内に配置される検出素子5206を6つとし、そ ぞれd1~d6とする。

 集光体5201cから発せられた光は散乱体表 上の検出領域c1を照明する。検出部d1~d6はそ ぞれ対応する検出領域e1~e6から射出する後 散乱光を検出する。ここで、照明領域と検 領域の距離を照明-検出距離と称することと 、図中に両矢印で示してある。

 図62(a)に示すように、集光体5201cが真直ぐ に射出する場合、照明-検出距離が同等であ ものを分類すると、[(c1-e1)(c1-e3)]のグループ [(c1-e4)(c1-e6)]のグループ、及びそれ以外に分 けることができる。

 次に、図62(b)に示すように、集光体5201cを 斜めにした場合、検出領域c1が走査され、検 領域c2となる。このとき、照明-検出距離が 等であるものを分類すると、[(c1-e1)(c1-e3)(c2- e4)(c2-e6)]のグループ、[(c1-e2)(c2-e5)]のグループ 、[(c1-e4)(c1-e6)]のグループ、[(c1-e5)]、[(c2-e1)(c2 -e3)]のグループ、[(c2-e2)]となる。

 本実施形態ではこのように、照明領域を 査するとともに複数の検出素子を用いて検 することにより、観測領域内の異なる位置 おける光強度データを多く取得することが きる。さらに、得られたデータは照明-検出 距離が同等であるデータにグループ化するこ とにより、解析を容易にすることができる。 これは検出素子を6つ以上備える検出体であ ても同様である。

 なお、図62(b)に示すように、集光体5201cか ら射出する光の角度を変えた時、散乱体表面 上に光束が斜めに入るために散乱体表面上の 検出領域のサイズが変わるが、集光レンズを 動かす等して照明領域のサイズを変え、検出 領域の大きさが常に維持されるようにするこ ともできる。これにより、照明の角度が変わ っても照明-検出距離が同等となるように調 することができる。

 次に、図60に示す散乱体内部検出装置5200 用いて、散乱体の内部の異質部分を検出す 動作について説明する。図63に、第2の実施 態の散乱体内部検出装置5200の概略動作フロ ーを示す。

 ステップS1701で処理フローを開始する。 テップS1702では、処理のスウィッチがオンで あるか否かを判定し、オンであるときステッ プS1704以降の処理を実行し、オフであるとき テップS1703で処理フロー動作を中断又は終 する。

 処理スウィッチがオンである場合は、ス ップS1706で生体表面を走査し光強度信号を 得する。本実施例では、照明手段5201が射出 る光の角度を変化させることにより照明領 を移動させ、観測領域の全領域の光強度信 を取得する。得られた光強度信号は光強度 ータに変換されて、一定時間間隔で記憶手 5207に記憶される。このとき、各光強度デー タが得られた検出領域と照明領域との距離も 同時に記憶しておく。

 次に、ステップS1705において、取得され 光強度データが頻度分布情報を作成するの 十分か否かを判定する。十分ではない場合 ステップS1706で再び光強度データを取得し、 十分である場合はステップS1707へ進む。ステ プS1706では、取得した光強度データをスウ ッチがオンである限り、ステップS1704におい て記憶手段に記憶する。

 続いて、ステップS1707において、記憶手 に記憶された光強度データを、照明-検出距 によって分類し、照明-検出距離が同じデー タをグループ化する。以下の工程では、この グループ毎に解析を行うこととなる。照明- 出距離が異なる光強度データ同士は、異な 深さの光強度データであるため比較できな 。よって、照明-検出間距離が同等である光 度データを用いて比較を行う。グループの は検出素子の数より少なく、一つのグルー 内の照明-検出距離が略同等となるように設 定することができる。

 次に、ステップS1708において、ステップS1 707でグループ化したグループ毎に光強度デー タの頻度分布情報を作成する。頻度分布情報 の作成手順は、上記第1実施形態と同様に行 。図64に、照明-検出距離が同等な4つのグル プ(g1~g4)について、光強度データの頻度分布 を作成した様子を示す。図64に示すように、 ループによって頻度分布は異なる。

 図63に戻って、ステップS1708で頻度分布情 報が作成されると、ステップS1709では、該頻 分布情報に基づいて、グループ毎に閾値を 定する。閾値の設定は、上記第1実施形態と 同様に行う。設定された閾値の位置を図64で 一点鎖線により表している。

 閾値が設定されると、ステップS1710では 設定された閾値に基づいて、散乱媒質検出 号のデータのみを選択的に抽出する。そし 、抽出されたデータに基づいて、散乱媒質 出信号の頻度分布データセットBtgを作成す 。この工程はグループ毎に行う。作成され 頻度分布データセットBtgは記憶手段5207に記 する。図65に、各グループについて作成さ た頻度分布図Btgを示す。散乱媒質検出信号 ータの抽出処理と頻度分布図Btgの作成は、 記第1実施形態と同様に行う。

 続いて図63のステップS1711において、観測 領域全域の光強度を検出する。このとき検出 した光強度データを検出データDtgと称するこ ととする。

 次に、ステップS1712において、ステップS1 711で取得した検出データDtgと、上記ステップ S1710で作成した頻度分布図Btgとが、同じ分布 基づくものか否かを統計的な検定処理に基 いて比較する。ここで比較に用いられる頻 分布図Btgは、その検出データの照明-検出距 離と同等の照明-検出距離を有するグループ ついてのものである。

 ステップS1712における統計的な検定はt検 により行う。t検定を実行すると、DtgがBtgの 分布と同一母集団から生成された分布である 確率をp値というパラメータで表すことがで る。p値は0~1の値を取り、p値が1に近いほど DtgとBtgは同一母集団に由来する分布である 率が高いことを示し、p値が0に近いほど、Dtg とBtgは別の母集団に由来する分布である確率 が高いことを意味する。p値が0に近いほど、D tgは散乱媒質検出信号データBtgとは異なる集 、つまり異質部分検出信号であることを示 。

 上記検定の結果、算出されたp値が所定の 閾値thpよりも小さいときに、その検出データ Dtgが異質部分検出信号であると判定する。p が閾値thpよりも大きかった場合は、散乱媒 検出信号であると判定する。閾値thpは、所 する信頼性に依存して適宜設定することが き、例えば0.1以下且つ0.01以上の値が望まし 、より好ましくは0.05、0.1などである。

 図66に判定結果の例を示す。例えば、図62 (a)の照明範囲で観測領域全域の光強度データ を取得し、検出素子d1~d6によりそれぞれ光強 データf1~f6を得たとする。これらの光強度 ータf1~f6は、それぞれの照明-検出距離に応 て検定処理され、散乱媒質検出信号か異質 分検出信号かを判定される。この判定によ 、図66に示すような結果が得られ、ここでは f3、f5は異質部分検出信号であり、f1、f2、f4 f6は散乱媒質検出信号である。

 図63に戻って、ステップS1713では、上記判 定結果に対し、情報量を落とした値を対応付 ける。そして、光強度データが検出された領 域と前記光が照射された領域との距離に従っ て、その対応値をモニター上に画像化して表 示する。

 より詳細に説明すると、例えば、散乱媒 検出信号に0、異質部分検出信号に1を割り てる。図66の例ではf1、f2、f4、f6が0に相当し 、f3、f5が1に相当する。

 続いて、S1714では、各検出データの検出 域の位置関係に応じて、割り当てた値に基 いて画像化し表示手段により表示する。例 ば、図67に示すように、値0は白で表示し、 1は黒で表示し、各光強度データ(例えばf1~f6) の表示を、対応する検出領域(例えばe1~e6)の 置関係に対応するように配置する。

 このように、判定結果を、情報量を落と た値に対応付け、さらに検出領域の配置と 応付けて配置して表示することにより、異 部分の形状を強調表示することができる。

 なお、本実施形態では、散乱媒質検出信 に0、異質部分検出信号に1を割り当てたが 他の値を割り当てても良いし、散乱媒質検 信号に0~1、異質部分検出信号に1~2のように を持たせて値を与えても良い。

 また、散乱体内部に光学特性の異なる複 の異質部分が存在する場合は、それぞれの 質部分に対して値を割り当てることができ 。これにより、各異質部分を色分けして表 することもできる。

 図63のステップS1714で判定結果を表示した 後は、ステップS1702に戻り、スウィッチがオ でない限り、S1704~S1714の処理を繰り返す。

 以上説明したように、本実施形態では、 数の検出素子から構成される検出体で検出 行うことにより、簡便且つ短時間で多くの 強度データを得ることができる。ここにお て、得られた光強度データを、各検出素子 検出領域と照明領域との距離によってグル プ化して統計処理を行うことにより、多く データを簡便に効率よく解析することがで る。さらに、判定結果を画像表示すること より、異質部分の形状が一見して確認でき という利点を有する。

 側面5は上記実施形態に限定されるもので はなく、その要旨を逸脱しない範囲において 様々な変形や変更が可能である。また、上記 実施形態に開示されている複数の構成要素を 適宜組合せることも可能である。例えば、実 施形態に示される全構成要素から幾つかの構 成要素を削除してもよい。さらに、異なる実 施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせて もよい。

 以上の説明によれば、側面5は以下に示す ように表現される発明であると理解できる。

 39.散乱体内部の異質部分を検出する散乱体 部検出装置であって、
 前記散乱体を構成する散乱媒質と前記異質 分とで光学特性の異なる光を前記散乱体に 射する照明手段と、
 前記照明手段により照射された光の後方散 光を検出し、該後方散乱光の光強度データ 取得する検出手段と、
 前記検出手段により検出された後方散乱光 光強度データを記憶する記憶手段と、
 前記記憶手段に記憶された複数の光強度デ タの頻度分布情報を作成し、該情報に基づ て、前記散乱体の所望の位置における内部 散乱媒質であるか或いは異質部分であるか 判定する解析手段と、
 前記解析手段による判定結果を表示する提 手段と、
を具備することを特徴とする散乱体内部検出 装置。

 40.前記解析手段が、
 前記記憶手段に記憶された複数の光強度デ タから、散乱媒質又は異質部分の影響が支 的な光強度データの頻度分布図Btを作成し
 前記散乱体表面上の任意の測定点において 続的に検出された光強度の検出データから 度分布図Dtを作成し、
 前記頻度分布図Btと前記頻度分布図Dtを統計 的な検定処理に基づいて比較し、
  前記頻度分布図Btが散乱媒質の影響が支配 的な光強度データに基づくときに、一致する 場合は前記検出データが散乱媒質の影響が支 配的なデータであると判定し、不一致の場合 は前記検出データが異質部分の影響が支配的 なデータであると判定し、
  前記頻度分布図Btが異質部分の影響が支配 的な光強度データに基づくときに、一致する 場合は前記検出データが異質部分の影響が支 配的なデータであると判定し、不一致の場合 は前記検出データが散乱媒質の影響が支配的 なデータであると判定することを特徴とする 、前記39.に記載の散乱体内部検出装置。

 41.前記解析手段が、複数の光強度データ ら頻度分布図を作成して散乱媒質の影響が 配的なデータと異質部分の影響が支配的な ータを区分する閾値を設定し、該閾値に基 いて、前記複数の光強度データから散乱媒 又は異質部分の影響が支配的なデータのみ 抽出することにより、散乱媒質又は異質部 の影響が支配的な光強度データの頻度分布 Btを作成することを特徴とする、前記40.に 載の散乱体内部検出装置。

 42.前記解析手段が、前記比較の結果とし 散乱媒質又は異質部分の影響が支配的なデ タであると判定された検出データを組込ん 頻度分布図Btを更新することを特徴とする 前記40.又は41.に記載の散乱体内部検出装置

 43.前記39.~42.の何れか一に記載の散乱体内部 検出装置であって、
 前記散乱体表面を走査可能な照明手段と、
 複数の検出素子を具備する検出手段を備え
 前記照明手段によって光が照射される照明 域が照明手段の走査によって移動するのに い、前記照明領域から一定の距離の領域を 出できる検出素子によって検出が行われる とを特徴とする散乱体内部検出装置。

 44.前記39.~43.の何れか一に記載の散乱体内部 検出装置であって、
 前記散乱体の所望の位置における判定結果 、前記散乱体の該位置上に表示する提示手 を備えることを特徴とする散乱体内部検出 置。

 45.前記39.~42.の何れか一に記載の散乱体内部 検出装置であって、
 複数の検出素子を具備する検出手段と、
 前記検出手段により検出された光強度デー を、該光強度データが検出された検出領域 前記照明手段によって光が照射された照明 域との相対位置と共に記憶する記憶手段を え、
 前記解析手段による解析が、前記検出領域 前記照明領域との距離が同等な光強度デー のグループ毎に行われることを特徴とする 乱体内部検出装置。

 46.前記45.に記載の散乱体内部検出装置であ て、
 前記散乱体表面を走査可能な照明手段を備 ることを特徴とする散乱体内部検出装置。

 47.前記45.又は46.に記載の散乱体内部検出装 であって、
 前記解析手段による判定結果を表示するモ ターを備え、
 前記グループ毎に行われた解析の結果が、 記記憶手段に記憶された前記検出領域と照 領域との相対位置に基づいて画像化されて 記モニターに提示されることを特徴とする 乱体内部検出装置。

 48.散乱体内部の異質部分を検出する散乱体 部検出方法であって、
 前記散乱体を構成する散乱媒質と前記異質 分とで光学特性の異なる光を前記散乱体に 射する工程と、
 前記照射された光の後方散乱光を検出する 程と、
 前記検出された後方散乱光の光強度データ 記憶する工程と、
 複数の前記記憶された光強度データから頻 分布情報を作成し、該情報に基づいて、前 散乱体の所望の位置における内部が散乱媒 であるか或いは異質部分であるかを判定す 工程と、
 前記判定結果を表示する工程と、
を具備することを特徴とする方法。

 49.前記判定する工程が、
 複数の光強度データから、散乱媒質又は異 部分の影響が支配的な光強度データの頻度 布図Btを作成する工程と、
 前記散乱体表面上の任意の測定点において 続的に光強度データを検出し、得られた検 データから頻度分布図Dtを作成する工程と
 前記頻度分布図Btと前記頻度分布図Dtを統計 的な検定処理に基づいて比較し、
  前記頻度分布図Btが散乱媒質の影響が支配 的な光強度データに基づくときに、一致する 場合は前記検出データが散乱媒質の影響が支 配的なデータであると判定し、不一致の場合 は前記検出データが異質部分の影響が支配的 なデータであると判定し、
  前記頻度分布図Btが異質部分の影響が支配 的な光強度データに基づくときに、一致する 場合は前記検出データが異質部分の影響が支 配的なデータであると判定し、不一致の場合 は前記検出データが散乱媒質の影響が支配的 なデータであると判定する工程と、
を具備することを特徴とする、前記48.に記載 の散乱体内部検出方法。

 50.前記頻度分布図Btを作成する工程が、
 複数の光強度データから頻度分布図を作成 て散乱媒質の影響が支配的なデータと異質 分の影響が支配的なデータを区分する閾値 設定する工程と、
 該閾値に基づいて、前記複数の光強度デー から散乱媒質又は異質部分の影響が支配的 データのみを抽出して頻度分布図を作成す 工程と
を具備することを特徴とする、前記49.に記載 の散乱体内部検出方法。

 51.前記頻度分布図Btが、前記判定する工 において、散乱媒質又は異質部分の影響が 配的なデータであると判定された検出デー を組込んで更新されることを特徴とする、 記49.又は50.に記載の散乱体内部検出方法。

 52.前記48.~51.の何れか一に記載の散乱体内部 検出方法であって、
 前記照射された光の後方散乱光を検出する 程において、
 前記散乱体に照射する光を移動させ、前記 射された光が移動するのに伴い、該光が照 する領域から一定の距離の領域において後 散乱光を検出することを特徴とする方法。

 53.前記48.~52.の何れか一に記載の散乱体内部 検出方法であって、
 前記照射された光の後方散乱光を複数の検 素子によって検出し、
 前記複数の検出素子のそれぞれによって得 れた光強度データを、それぞれの検出素子 検出した領域と前記光が照射された領域と 距離が同じデータ毎にグループ化し、
 前記判定する工程が、前記グループ毎に行 れることを特徴とする方法。

 54.前記53.に記載の散乱体内部検出方法であ て、
 前記グループ毎に行われた判定の結果を、 報量を落とした値に対応付け、光強度デー が検出された領域と前記光が照射された領 との距離に従って、前記値をモニター上に 像化して表示することを特徴とする方法。

〔符号の説明〕
 1…散乱体内部計測装置、6…散乱媒質、7… 定対象、8…散乱体、10…光照射部、11…検 部、12…制御/解析部、13…メモリ、14…表示 、15…入力部、40…計測領域、41…同心円領 、42…同心円領域、43…同心円領域、50…計 領域、51…同心円領域、52…同心円領域、53 同心円領域、70…光照射部、71…検出部、72 制御/解析部、73…メモリ、80…光照射部、81 …検出部、82…制御/解析部、83…メモリ、90 光照射部、91…検出部、92…制御/解析部、93 メモリ、100…散乱体内部計測装置、101…検 部、102…制御/解析部、103…メモリ、104…表 示部、105…入力部、107…光検出素子、109…光 照射部、110…散乱体内部計測装置、112…制御 /解析部、113…メモリ、114…表示部、115…入 部、119…光照射部、120…検出部
 1001…散乱体内部観測装置、1006…散乱媒質 1007…異質部分、1008…散乱体、1010…光照射 、1011…検出部、1012…制御部、1014…表示部 1015…入力部、1016…画像化手段、1017…解析 段、1050…検出範囲、1051…同心円領域、1052 同心円領域、1053…同心円領域、1100…硬性鏡 、1101…検出部、1102…照明部、
 2001…散乱体内部観察装置、2004…散乱体内 観察装置、2006…散乱媒質、2007…観察対象、 2008…散乱体、2009…散乱体内部観察装置、2010 …光照射手段、2011…検出部、2012…制御/解析 部、2013…メモリ、2014…表示部、2015…入力部 、2030…撮像領域、2031…後方散乱光検出領域 2032…後方散乱光検出領域、2033…後方散乱 検出領域、2040…撮像領域、2041…測距手段、 2050…2次元画像、2051…画素領域、2052…光照 位置、2060…散乱体内部観察装置、2061…棒部 材、2070…撮像領域、2071…後方散乱光検出領 、2072…後方散乱光検出領域、2073…後方散 光検出領域、2091…指標、2110…撮像素子、212 0…光照射手段、2130…光照射手段、2140…光照 射手段
 3100…散乱体内部観測装置、3101…照明手段 3102…検出手段、3103…解析/制御部、3104…照 範囲、3105…検出範囲、3106…検出領域、3107 画像処理部、3108…表示部、3109…入力部、31 10…散乱体内部観測装置、3111、3211、3212…ス ャンミラー、3200…散乱体内部観測装置、320 1…照明手段、3202…検出手段、3203…制御/解 部、3207…画像処理部、3208…表示部、3209… 力部、3213…走査制御部、3300…散乱体内部観 測装置、3301…照明手段、3302…検出手段、3303 …解析/制御部、3307…画像処理部、3308…表示 部、3309…入力部、3311…スキャンミラー、3313 …走査制御部、3314…ハーフミラー。

 4001…照明光源、4002…走査手段、4003…照明 イメージガイド、4004…撮像用イメージガイ ド、4005…撮像素子、4006…光学系、4007…制御 ユニット、4010…生体内観測装置、4021…走査 ニット、4022…挿入部、4024…表示部、4026… 写体、4027…スキャン範囲、4028…撮影範囲 4031…走査部、4032…撮像部、4036…白色光源 射部
 S…散乱体、5100…散乱体内部検出装置、5103 観測領域、5101…散乱媒質、5102…異質部分 5201…照明手段、5204…検出手段、5206…検出 子、5207…記憶手段、5208…解析手段、5209… 示手段、5210…ホルダー、5211…保護部、5212 検出体、5213…提示手段、5214…撮像光学系、 1801…円状マーク。