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Patent Searching and Data


Title:
SPUTTERING APPARATUS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/028552
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a sputtering apparatus which substantially uniformly supplies a reaction gas to the entire surface of a substrate, makes film qualities, such as film thickness distribution and specific resistance value, substantially uniform over the entire surface of the substrate and has a simple constitution. The sputtering apparatus is provided with a plurality of targets (41) arranged in parallel at prescribed intervals in a sputter chamber (11a), a sputter power supply (E) for supplying each target with power, and a gas introducing means (8) for introducing a sputter gas and the reaction gas into the sputter chamber. The gas introducing means for introducing the reaction gas has at lest one gas supply tube (84). The gas supply tube is arranged on the rear side of targets arranged in parallel, by being separated from the targets, and is provided with a jetting port (84a) for jetting the reaction gas. The sputtering apparatus has an adjusting means (9) for adjusting the flow quantity of the reaction gas which flows through gaps between the targets.

Inventors:
OISHI YUICHI (JP)
AKAMATSU YASUHIKO (JP)
ARAI MAKOTO (JP)
KOBAYASHI MOTOSHI (JP)
KIYOTA JUNYA (JP)
ISHIBASHI SATORU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/065298
Publication Date:
March 05, 2009
Filing Date:
August 27, 2008
Export Citation:
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Assignee:
ULVAC INC (JP)
OISHI YUICHI (JP)
AKAMATSU YASUHIKO (JP)
ARAI MAKOTO (JP)
KOBAYASHI MOTOSHI (JP)
KIYOTA JUNYA (JP)
ISHIBASHI SATORU (JP)
International Classes:
C23C14/34; C23C14/35
Foreign References:
JP2005290550A2005-10-20
JP2005298966A2005-10-27
JPH11193458A1999-07-21
JP2002129317A2002-05-09
JP2004027277A2004-01-29
Attorney, Agent or Firm:
Exeo Patent & Trademark Company (Ebisu Lite Bldg.1-19, Ebisuminami 3-chome, Shibuya-ku Tokyo 22, JP)
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Claims:

 スパッタ室内に所定の間隔を置いて並設した複数枚のターゲットと、各ターゲットへの電力投入を可能とするスパッタ電源と、スパッタ室へのスパッタガス及び反応ガスの導入を可能とするガス導入手段とを備え、

 前記反応ガスをスパッタ室に導入するガス導入手段は、少なくとも1本のガス供給管を有し、このガス供給管は、並設した各ターゲットの背面側で各ターゲットから離間させて配置されると共に、反応ガスを噴射する噴射口が形成されているスパッタリング装置であって、

 前記ターゲット相互間の各間隙を通って流れる前記反応ガス流量の調整を可能とする調節手段を設けたことを特徴とするスパッタリング装置。

 前記調整手段は、ターゲットの背面側に配置された凸の山角状の先端部を有するコンダクタンス調整部材と、当該コンダクタンス調整部材を前記間隙に対し進退自在に駆動する駆動手段とを備えることを特徴とする請求項1記載のスパッタリング装置。

 前記コンダクタンス調整部材は、前記間隙の全長に亘って設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のスパッタリング装置。

 前記コンダクタンス調整部材はその長手方向に沿う所定の長さで複数個に分割され、当該分割された部分にそれぞれ駆動手段が連結されていることを特徴とする請求項2または請求項3記載のスパッタリング装置。

 前記スパッタ電源は、並設された複数枚のターゲットのうち一対のターゲット毎に所定の周波数で交互に極性をかえて電圧を印加する交流電源であり、各ターゲットをアノード電極、カソード電極に交互に切替え、アノード電極及びカソード電極間にグロー放電を生じさせてプラズマ雰囲気を形成し、各ターゲットをスパッタリングすることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のスパッタリング装置。

 前記並設したターゲットとガス管との間に、各ターゲットの前方にトンネル状の磁束を形成する磁石組立体を設けると共に、当該各磁石組立体を一体で、かつ、ターゲット裏面に沿って平行に往復動させる他の駆動手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のスパッタリング装置。
Description:
スパッタリング装置


 本発明は、反応性スパッタリング法により 理すべき基板表面に所定の薄膜を形成する めのスパッタリング装置に関する。


 ガラスやシリコンウェハなどの基板表面に 定の薄膜を形成する方法の一つとしてスパ タリング(以下、「スパッタ」という)法が る。このスパッタ法は、プラズマ雰囲気中 イオンを、基板表面に形成しようする薄膜 組成に応じて作製したターゲットに向けて 速させて衝撃させ、スパッタ粒子(ターゲッ 原子)を飛散させ、基板表面に付着、堆積さ せて所定の薄膜を形成するものである。その 際、酸素や窒素などの反応ガスを同時に導入 し、反応性スパッタにより当該薄膜を得るこ とがある。


 このようなスパッタ法による薄膜形成方法 、近年、TFT(薄膜トランジスタ)を用いた液 ディスプレイ(FPD)の製造工程において、大面 積のガラス基板表面にITOなどの透明電導膜や ゲート電極として電気伝導特性のよいCuなど 金属膜及び当該金属膜との密着性を高める 化物膜を形成することにも利用されている


 従来、大面積の基板に対して効率よく薄膜 成するスパッタリング装置として、真空チ ンバ内で処理基板に対向させて複数枚のタ ゲットを並設し、並設したターゲットのう 対をなすターゲット毎に所定の周波数で交 に極性をかえて電圧を印加する交流電源を け、各ターゲットをアノード電極、カソー 電極に交互に切替え、アノード電極及びカ ード電極間にグロー放電を生じさせてプラ マ雰囲気を形成し、各ターゲットをスパッ リングするものが特許文献1で知られている 。


 ここで、上記構成のスパッタリング装置を い、反応性スパッタにより薄膜形成を行う 合、基板全面に亘って均一な膜厚で成膜で るだけではなく、反応ガスが偏ってスパッ 室に導入され、基板面内での反応性にむら 生じて基板面内で比抵抗値などの膜質が不 一になることを防止する必要がある。この とから、並設した各ターゲット相互間の各 隙に、ターゲットの長手側面に沿ってスパ タガスや反応ガスを導入するガス管を設け ガス管によって各ターゲット相互間の各間 から基板に向かってガスを噴出することが 許文献2で知られている。


 ところで、特許文献1記載のように基板に対 向させて複数枚のターゲットを並設した場合 、薄膜形成の際には、各ターゲット相互間の 各間隙からはスパッタ粒子が放出されない。 このため、基板全面に亘る均一な膜厚分布を 得るには、スパッタ粒子が放出されないこの 空間を可能な限り小さくすることが望ましい ものの、特許文献2のようにガス管を設けた では、この空間を小さくすることに限界が る。また、この小さな空間に、所定の外径 有するガス管を配置するのは困難であり、 置構成が複雑になってその組付作業が困難 なる。


 そこで、各ターゲットの並設方向に延びる なくとも1本のガス供給管を、各ターゲット の裏面から離間して設け、このガス供給管に 形成した噴射口から反応ガスを噴射すること で、反応ガスを、並設された各ターゲットの スパッタ面と背向する側(背面側)の空間で一 拡散させ、そして、ターゲット相互間の各 隙を通って基板に向かって供給されるよう 構成を採用することが本出願人(特願2007-1207 08号)により提案されている。

特開2005-290550号公報

特開2004-91927号公報


 ここで、この種のスパッタ装置においては ターゲットの背面側の空間に、各ターゲッ の前方にトンネル状の磁束を形成する磁石 立体及び当該各磁石組立体を一体で往復動 せる駆動手段やターゲットに接合されたバ キングプレートに冷媒を供給する冷媒供給 など複数の部品が通常収納されており、そ に加えて、スパッタ室を真空排気するため 真空排気手段に通じる排気口が、ターゲッ 背面側で真空チャンバの壁面に形成されて る。


 このため、上記のように、ガス供給管に形 した噴射口から反応ガスを噴射することで 反応ガスをターゲットの背面側の空間で一 拡散させても、装置構成によっては、ガス まりが局所的に発生し、各ターゲット相互 の間隙のうちいずれかの隙間を通して反応 スが偏って導入されて基板に供給される虞 ある。


 そこで、本発明の課題は、上記点に鑑み、 板全面に亘って反応ガスを略均等に供給し 膜厚分布や比抵抗値などの膜質を基板全面 略均一にできる簡単な構成のスパッタリン 装置を提供することにある。


 上記課題を解決するために、請求項1記載の スパッタリング装置は、スパッタ室内に所定 の間隔を置いて並設した複数枚のターゲット と、各ターゲットへの電力投入を可能とする スパッタ電源と、スパッタ室へのスパッタガ ス及び反応ガスの導入を可能とするガス導入 手段とを備え、前記反応ガスをスパッタ室に 導入するガス導入手段は、少なくとも1本の ス供給管を有し、このガス供給管は、並設 た各ターゲットの背面側で各ターゲットか 離間させて配置されると共に、反応ガスを 射する噴射口が形成されているスパッタリ グ装置であって、前記ターゲット相互間の 間隙を通って流れる前記反応ガス流量の調 を可能とする調節手段を設けたことを特徴 する。


 本発明によれば、各ターゲット背面側に設 た少なくとも1本のガス供給管に形成した噴 射口から反応ガスを噴射すると、この反応ガ スが、並設された各ターゲットの背面側の空 間で一旦拡散される。そして、ターゲット相 互間の各間隙を通って処理基板に向かって供 給される。ここで、ターゲットの背面側に配 置された部品や排気口の位置などの装置構成 によっては、ターゲット背面側の空間でガス 溜まりが局所的に発生し、各ターゲット相互 間の間隙のうちいずれかの隙間を通して反応 ガスが偏って導入されて基板に供給される場 合がある。然し、本発明においては調整手段 を設けたため、この調整手段によりいずれか の間隙からの反応ガスの流れを遮断する等、 当該間隙を通って流れる反応ガスのガス流量 を適宜調整できる。これにより、処理すべき 基板に対して反応ガスが偏って導入されるこ とを確実に防止でき、基板面内で反応性にむ らが生じて基板面内で比抵抗値などの膜質が 不均一になることを防止できる。


 本発明においては、前記調整手段は、ター ットの背面側に配置された凸の山角状の先 部を有するコンダクタンス調整部材と、当 コンダクタンス調整部材を前記間隙に対し 退自在に駆動する駆動手段とを備える構成 採用すれば、簡単な構成でコンダクタンス 整部材の前記間隙の侵入量に応じて、当該 隙を通って流れるガスのコンダクタンスを 節できる。


 この場合、装置構成に応じて間隙を通って れる反応ガスのコンダクタンスを適宜調整 るためには、前記コンダクタンス調整部材 、前記間隙の全長に亘って設けられている とが好ましい。


 また、装置構成に応じてきめ細やかな膜質 布の調節ができるように、前記コンダクタ ス調整部材はその長手方向に沿う所定の長 で複数個に分割され、当該分割された部分 それぞれ駆動手段が連結されている構成を 用することができる。


 さらに、本発明においては、前記スパッタ 源は、並設された複数枚のターゲットのう 一対のターゲット毎に所定の周波数で交互 極性をかえて電圧を印加する交流電源であ 、各ターゲットをアノード電極、カソード 極に交互に切替え、アノード電極及びカソ ド電極間にグロー放電を生じさせてプラズ 雰囲気を形成し、各ターゲットをスパッタ ングするものとすれば、各ターゲット相互 の空間にアノードやシールドなどの構成部 を何ら設ける必要がないため、スパッタ粒 が放出されないこの空間を可能な限り小さ できてよい。


 各ターゲット利用効率を高めるために、前 並設したターゲットとガス管との間に、各 ーゲットの前方にトンネル状の磁束を形成 る磁石組立体を設けると共に、当該各磁石 立体を一体で、かつ、ターゲット裏面に沿 て平行に往復動させる他の駆動手段を備え 構成を採用してもよい。


 図1を参照して説明すれば、1は、本発明の グネトロン方式のスパッタリング装置(以下 「スパッタ装置」という)である。スパッタ 装置1は、インライン式のものであり、ロー リーポンプ、ターボ分子ポンプなどの真空 気手段(図示せず)を介して所定の真空度に保 持できる真空チャンバ11を有する。真空チャ バ11の上部には基板搬送手段2が設けられて る。この基板搬送手段2は、公知の構造を有 し、ガラス基板などの処理すべき基板Sが装 されるキャリア21を有し、図示しない駆動手 段を間欠駆動させて、後述するターゲットに 対向した位置に基板Sを順次搬送できる。


 真空チャンバ11内には、ターゲットに対向 た位置に搬送されてきた基板Sに対しスパッ により所定の薄膜を形成する際に、キャリ 21表面や真空チャンバ11側壁などにスパッタ 粒子が付着することを防止するため、基板搬 送手段2とターゲットとの間に位置させて基 Sが臨む開口31aが形成された第1のシールド31 設けられ、第1のシールド31の下端は、後述 る第2のシールドの近傍まで延出している。 そして、真空チャンバ11の下側には、カソー 電極Cが配置されている。


 カソード電極Cは、大面積の基板Sに対し効 よく薄膜形成ができるように、基板Sに対向 せて等間隔で配置した複数枚(本実施の形態 では8枚)のターゲット41a乃至41hを有する。各 ーゲット41a乃至41hは、Cu、Al、Ti、Moまたは れらの合金やインジウム及び錫の酸化物(ITO) など、基板S表面に形成しようとする薄膜の 成に応じて公知の方法で作製され、例えば 直方体(上面視において長方形)など同形状に 形成されている。各ターゲット41a乃至41hは、 スパッタ中、ターゲット41a乃至41hを冷却する バッキングプレート42に、インジウムやスズ どのボンディング材を介して接合されてい 。


 各ターゲット41a乃至41hは、未使用時のスパ タ面411が基板Sに平行な同一平面上に位置す るように、絶縁部材を介してカソード電極C フレーム(図示せず)に取付けられている。ま た、並設したターゲット41a乃至41hの周囲には 、第2のシールド32が配置され、真空チャンバ 11内で第1及び第2のシールド31、32で囲繞され 空間がスパッタ室11aを構成する。


 また、カソード電極Cは、ターゲット41a乃至 41hの後方(スパッタ面411と背向する側)にそれ れ位置させて磁石組立体5を有する。同一構 造の各磁石組立体5は、各ターゲット41a乃至41 hに平行に設けられた支持板(ヨーク)51を有す 。ターゲット41a乃至41hが正面視で長方形で るとき、支持板51は、各ターゲット41a乃至41 hの横幅より小さく、ターゲット41a乃至41hの 手方向に沿ってその両側に延出するように 成した長方形の平板から構成され、磁石の 着力を増幅する磁性材料製である。支持板51 上には、その中央部で長手方向に沿って線状 に配置した中央磁石52と、中央磁石52の周囲 囲うように支持板51の外周に沿って配置した 周辺磁石53とがスパッタ面411側の極性を変え 設けられている。


 中央磁石52の同磁化に換算したときの体積 、例えば周辺磁石53の同磁化に換算したとき の体積の和(周辺磁石:中心磁石:周辺磁石=1:2:1 )に等しくなるように設計され、各ターゲッ 41a乃至41hのスパッタ面411の前方に、釣り合 た閉ループのトンネル状の磁束がそれぞれ 成される。これにより、各ターゲット41a乃 41hの前方(スパッタ面411)側で電離した電子及 びスパッタリングによって生じた二次電子を 捕捉することで、各ターゲット41a乃至41h前方 での電子密度を高くしてプラズマ密度が高ま り、スパッタレートを高くできる。


 各磁石組立体5は、モータやエアーシリンダ などから構成される駆動手段Dに連結された 動板D1にそれぞれ取付けられ、ターゲット41a 乃至41hの並設方向に沿った2箇所の位置の間 平行かつ等速で一体に往復動できる。これ より、スパッタレートが高くなる領域をか て各ターゲット41a乃至41hの全面に亘って均 に侵食領域が得られる。


 各ターゲット41a乃至41hは、隣り合う2枚で一 対のターゲット(41aと41b、41cと41d、41eと41f、41 gと41h)を構成し、一対のターゲット毎に割当 て交流電源E1乃至E4が設けられている。そし て、交流電源E1乃至E4からの出力ケーブルK1、 K2が一対のターゲット41a、41b(41c及び41d、41e及 び41f、41g及び41h)に接続され、交流電源E1乃至 E4によって、各一対のターゲット41a乃至41hに し交互に極性をかえて任意の波形(例えば、 略正弦波)で交流電圧が印加される。


 交流電源E1乃至E4には、電力の供給を可能と する電力供給部と、所定の周波数で交互に極 性をかえて交流電圧を一対のターゲット41a、 41b(41c及び41d、41e及び41f、41g及び41h)に出力す 発振部とから構成された公知の構造を有す 同一のものが用いられる。なお、各交流電 E1乃至E4は相互に通信自在に接続され、いず れか1個の交流電源E1からの出力信号で、各交 流電源E1乃至E4が同期して運転できるように っている。


 また、真空チャンバ11には、Ar等の希ガスか らなるスパッタガスと、基板S表面に形成し うとする薄膜の組成に応じて適宜選択され 酸素や窒素などの反応ガスとをスパッタ室 に導入するガス導入手段8が設けられている( 図1参照)。スパッタガスの供給に用いられる ス導入手段8は、真空チャンバ11の側壁に取 けられたガス管81aを有し、ガス管81aは、マ フローコントローラ82aを介してスパッタガ 及び反応ガスのガス源83aにそれぞれ連通し いる。


 また、反応ガスの供給に用いられるガス導 手段8は、ガス管81bを有し、ガス管81bの一端 は、マスフローコントローラ82bを介してスパ ッタガス及び反応ガスのガス源83bにそれぞれ 連通している。他方で、その他端は、ターゲ ット41a乃至41hの並設方向であって各ターゲッ トの中心を通って延びる1本のガス供給管84に 接続されている。ガス供給管84は、例えばφ3~ 10mmの径を有するステンレス製であり、並設 たターゲット41a乃至41hの全幅の略1/3より長 なるように定寸され、そのターゲット41a乃 41h側の面には、例えば、各ターゲット41a乃 41h相互間の間隙の下方に位置させて複数個 噴射口84aが形成されている。


 そして、マスフローコントローラ82a、82bを 動させると、スパッタガスは、第1及び第2 各シールド13、43間並びに第1のシールド13及 基板搬送手段2の間の間隙を通ってスパッタ 室11aに導入される。反応ガスは、各ターゲッ ト41a乃至41hの背面側(ターゲットのスパッタ 411と背向する側)の空間で一旦拡散され、各 ーゲット41a乃至41h相互間の各間隙412を通っ 基板Sに向かって供給されるようになる。


 ここで、本実施の形態のスパッタ装置1にお いては、各ターゲット41a乃至41hの背面側の空 間には、磁石組立体5及び駆動板D1やバッキン グプレートに冷媒を循環させる冷媒循環路な どの部品が設けられており、また、真空排気 手段に通じる排気口11bも、真空チャンバ11の 心からオフセットして当該真空チャンバ11 底面に形成されている(図1参照)。このため 上記のように反応ガスを各ターゲット41a乃 41hの背面側の空間で一旦拡散させたときに ガス溜まりが局所的に発生し、各ターゲッ 相互間の間隙のうちいずれかの隙間を通し 基板に反応ガスが偏って導入される虞があ 。


 本実施の形態においては、ターゲット41a乃 41h相互間の各間隙412を通って流れる反応ガ の流量がそれぞれ調整できるように調節手 9を設けた。調整手段9は、ターゲット41a乃 41hの背面側であって、各間隙412の真下に位 させて側に配置した凸の山角状(断面略三角 )の先端部を有するコンダクタンス調整部材 91と、コンダクタンス調整部材91に操作軸92を 介して連結されたモータやエアシリンダー等 の駆動手段93とから構成されている。コンダ タンス調整部材91は、例えばフッ素樹脂製 あり、駆動手段93を作動させてコンダクタン ス調整部材91が各間隙412に対し進退自在にな ている(図2及び図3参照)。


 図3に示すように、駆動手段93によりコンダ タンス調整部材91を下降させ、その先端が 相互に隣接するバッキングプレート42の下面 より下方に位置すると(下降位置)、ガスの流 が阻害されず、ガス流量が最大になる。そ て、駆動手段93の作動を制御してコンダク ンス調整部材91を上昇させたとき、コンダク タンス調整部材91の先端部の間隙412の侵入量 応じて、当該間隙を通って流れるガスのコ ダクタンスが適宜調整される。他方で、駆 手段93によりコンダクタンス調整部材91を上 昇させ、当該コンダクタンス調整部材91の先 部の斜面が、相互に隣接するバッキングプ ート42それぞれ当接すると(上昇位置)、ガス の流れが遮断されてガス流量がゼロになる。 なお、コンダクタンス調整部材91は、間隙412 全長に亘って設けられていると共に、きめ やかな反応ガス流量の調節ができるように 均等な長さで三分割され、当該分割された 分にそれぞれ駆動手段93が連結されている


 これにより、各間隙412に対し進退自在なコ ダクタンス調整部材91の各部分の位置を適 調整することで、各間隙412を通って基板Sへ 流れる反応ガス流量を調節することで、基 Sに対して反応ガスが偏って供給されること が防止される。このため、基板Sのターゲッ 41a乃至41h側の空間で反応ガスが略均等に存 し、この反応ガスが基板Sに向かってターゲ ト41a乃至41hから飛散し、プラズマによって 性化されたスパッタ粒子と反応して基板表 に付着、堆積する。その結果、基板面S内で 反応性にむらが生じて基板S面内で比抵抗値 どの膜質が不均一になることが防止できる


 尚、本実施の形態では、コンダクタンス調 部材91として、凸の山角状の先端部を有し 各コンダクタンス調整部材91を三分割してい るものを例として説明したが、各間隙412を通 って基板Sへと流れる反応ガス流量が、装置 成に応じて調節できるものであれば、その 態や分割数はこれに限定されるものではな 。また、コンダクタンス調整部材91からなる 調整手段9について説明したが、これに限定 れるものではなく、相互に隣接するバッキ グプレート42間を架渡すように、所定厚さの 樹脂フィルムまたは板状の部材を取付け、各 間隙412を介した反応ガスの流れを遮断しても よく、その際、当該フィルムや板状部材に開 口を設けてガス流量を調節するようにして調 整手段を構成してもよい。


 また、本実施の形態では、ターゲット41a乃 41hの中心を通って延びる1本のガス供給管84 設けたものを例として説明したが、装置の 成上(磁石組立体の駆動手段等があるため) 上記のようにガス供給管84を配置できない場 合がある。このような場合、ターゲット41a乃 至41hの並設方向と直交する方向にオフセット して配置してもよい。他方で、ターゲット41a 乃至41hの並設方向と直交する方向で所定の間 隔を置いて複数本のガス供給管84を配置し、 設した各ターゲット41a乃至41h相互間の各間 412を通って基板Sに向かって供給される反応 ガスの量を調節するようにしてもよい。


 さらに、本実施の形態では、複数枚のター ット41a乃至41hを並設し、各ターゲット41a乃 41hに交流電源E1乃至E4を介して電力投入する ものについて説明したが、これに限定される ものではなく、並設した各ターゲットに対し 、直流電源により電力投入するようにしても よい。直流電源により電力投入する場合、各 ターゲット41a、41b相互間にアースシールド100 が配置されることになる。このような場合に は、アースシールド100の断面形状を逆T字状 し、その水平部と、バッキングプレート42裏 面とにそれぞれ密着させて所定厚さの樹脂板 100を設け、アースシールド100とターゲット41a または42bとの間を通って流れる反応ガスの流 れを遮断する調整手段を構成してよい。この とき、樹脂板100のバッキングプレート42との の密着面に、所定の間隔を置いて凹状の溝1 01aを形成することで、アースシールド100とタ ーゲット41aまたは42bとの間を通って基板Sに かって供給される反応ガスの量を調節する とができる。また、上記の構成の樹脂板を の長手方向で複数個に分割し、所定の間隔 存して水平部とバッキングプレート42裏面と の間の間隙全長に亘って設けることもできる 。


 本実施例1では、図1に示すスパッタ装置1を い、反応ガスとして酸素ガスを用い、反応 スパッタリングによってガラス基板SにCuMgO を形成した。この場合、ターゲットとして 組成が0.7wt%のCuMgを用い、公知の方法で成形 してバッキングプレートに接合した。また、 2400×2000mmのガラス基板に対しCuMgO膜を形成す ために、14枚のターゲットを並設すること した。さらに、ターゲットの並設方向と直 する方向で所定の間隔を存して2本のガス供 管84を配置し、当該ガス供給管84の両端から のみターゲットに向かって反応ガスを噴射す るようにした。


 反応性スパッタの条件として、マスフロー ントローラを制御してArガスのガス流量を89 0sccm、酸素ガスの流量を240sccmに設定し、真空 チャンバ内に導入した。そして、高電力時の 投入電力を5kW、300Åの膜厚が得られるように スパッタ時間(約30秒)を設定した。


 ここで、試料#1では、並設したターゲット うち中央に位置するターゲット相互間の間 412gと、その両側の間隙412f、412h及びさらに の両側の間隙412e、412iと、基板Sの外周縁部 側にそれぞれ位置する間隙412b、412l及びその 両外側に位置する間隙412a、412mとの全長に亘 て、コンダクタンス調整部材91先端部の斜 が、相互に隣接するバッキングプレート42そ れぞれ当接まで上昇させてガスの流れを遮断 した状態で、CuMgO膜を形成した。


 また、試料#2は、並設したターゲットのう 中央に位置するターゲット相互間の間隙412g その両側の間隙412f、412h及びさらにその両 の間隙412e、412iのうちその中央部を除く箇所 と、基板Sの外周縁部下側にそれぞれ位置す 間隙412a、412m全長に亘る箇所に、コンダクタ ンス調整部材91先端部の斜面が、相互に隣接 るバッキングプレート42それぞれ当接まで 昇させてガスの流れを遮断した状態で、CuMgO 膜を形成した。


 さらに、試料#3では、コンダクタンス調整 材91の全てを下降させ、その先端が相互に隣 接するバッキングプレート42の下面より下方 位置させた状態でCuMgO膜を形成した。


 図5乃至図7は、上記により作製した試料#1乃 至#3のCuMgO膜の比抵抗値の分布を示すグラフ ある。これによれば、試料#3では、基板の中 央部であって、ターゲットの長手方向両端部 に対向した箇所及びターゲットの並設方向に 沿った基板の両側の箇所において、比抵抗値 が局所的に高くなっており、その比抵抗値の 面内分布は、±99.7%であった。このことから 反応ガスたる酸素ガスが偏って供給されて ることが判る。 


 それに対し、試料#1及び試料#2では、調整手 段9により各間隙412を通して流れる反応ガス 適宜遮断することで、比抵抗値の面内分布 、±86.1%(試料#1)及び80.6(試料#2)となり、酸素 スが偏って供給されることが改善できたこ が判る。


本発明のスパッタ装置の模式的断面図 本発明のコンダクタンス調整手段の配 を説明する平面図。 本発明のコンダクタンス調整手段の配 を拡大して説明する断面図。 (a)は、変形例に係る調整手段の配置を 明する部分断面図。(b)は、B―B線に沿った 分断面図。 実施例1で作成した試料#1の比抵抗値の 質分布を説明するグラフ。 実施例1で作成した試料#2の比抵抗値の 質分布を説明するグラフ。 実施例1で作成した試料#3の比抵抗値の 質分布を説明するグラフ。

符号の説明


1 スパッタリング装置                            

11a スパッタ室                              

31、32 シールド                            

41a乃至41h ターゲット                        

8 ガス導入手段                              

84 ガス供給管                              

9 調整手段                                

91 コンダクタンス調整部材                        

93 駆動手段                                

E1乃至E4 交流電源                            

S 基板