Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
STRUCTURE FOR TAPPET ROLLER BEARING
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/013977
Kind Code:
A1
Abstract:
A structure for a tappet roller bearing has a support shaft (6), a circular tube-shaped inner diameter-side roller (12) fitted on the outer diameter surface of the support shaft (6), and a circular tube-shaped outer diameter-side roller (13) fitted on the outer diameter surface of the inner diameter-side roller (12). The structure satisfies the relationship of A > B, with A a radial gap between the outer diameter surface of the support shaft (6) and the inner diameter surface of the inner diameter-side roller (12), B a radial gap between the outer diameter surface of the inner diameter-side roller (12) and the inner diameter surface of the outer diameter-side roller (13).

Inventors:
KASAHARA NOBUHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/061977
Publication Date:
January 29, 2009
Filing Date:
July 02, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
NTN TOYO BEARING CO LTD (JP)
KASAHARA NOBUHIRO (JP)
International Classes:
F01L1/18
Foreign References:
JP2004257287A2004-09-16
JP2002031212A2002-01-31
JP2005172111A2005-06-30
JP2004278528A2004-10-07
JP2000034907A2000-02-02
JP2004278322A2004-10-07
JP2005256656A2005-09-22
JP2006052707A2006-02-23
Attorney, Agent or Firm:
ITOH, Hidehiko et al. (Oriental Sakaisuji Bldg.21-19, Shimanouchi 1-chome,Chuo-ku, Osaka-shi, Osaka, JP)
Download PDF:
Claims:
 軸と、
 前記軸の外径面に嵌合する円筒形状の内径側ローラと、
 前記内径側ローラの外径面に嵌合する円筒形状の外径側ローラとを備え、
 前記軸の外径面と前記内径側ローラの内径面との間の径方向隙間をA、前記内径側ローラの外径面と前記外径側ローラの内径面との間の径方向隙間をBとすると、
 A>Bを満たす、タペットローラ軸受構造。
 前記内径側ローラの表面には、リン酸亜鉛およびリン酸マンガンのうちのいずれか一方で構成されるリン酸塩化合物層が形成されている、請求項1に記載のタペットローラ軸受構造。
 前記リン酸塩化合物層のさらに外側には、二硫化モリブデンおよびポリテトラフルオロエチレンのうちの少なくともいずれか一方と、常温硬化性合成樹脂とで構成される固体潤滑層がさらに形成されている、請求項2に記載のタペットローラ軸受構造。
 前記外径側ローラの内径面の表面粗さRaは、0.21μm~0.50μmの範囲内である、請求項1に記載のタペットローラ軸受構造。
 前記外径側ローラの外径面には、フルクラウニング加工が施されている、請求項1に記載のタペットローラ軸受構造。
 前記内径側ローラは、浸炭窒化処理を施した軸受鋼によって形成されている、請求項1に記載のタペットローラ軸受構造。
Description:
タペットローラ軸受構造

 この発明は、タペットローラ軸受構造、 に内燃機関の可動弁機構に使用されるタペ トローラ軸受構造に関するものである。

 自動車用エンジン等において、カムシャ トの回転を吸排気弁の往復運動に変換する 分には、エンジン内部での摩擦低減、およ 燃料消費率の低減を目的として、例えば、 登2590701号公報に記載されているようなタペ ットローラ軸受が採用されている。

 従来のタペットローラ軸受は、1つのロー ラで構成されるシングルローラタイプと、2 のローラで構成されるダブルローラタイプ 大別される。シングルローラタイプの場合 、軸の負荷域とローラとが常に接触回転し おり接触部分の摩耗が促進されやすい。一 、ダブルローラタイプの場合は、軸と内径 ローラの接触回数がシングルローラタイプ 場合と比較して少なく、軸の摩耗量を抑制 ることができる。

 上記構成のタペットローラ軸受には、エ ジンの回転によってエンジンオイルが供給 れる。そして、このエンジンオイルを潤滑 として、軸とローラとの間、およびローラ 士の接触部分を潤滑する。しかし、エンジ の始動直後等はタペットローラ軸受に十分 潤滑油が供給されていないので、軸やロー に著しい摩耗や焼き付き等を生じるおそれ あった。

 そこで、この発明の目的は、軸とローラ の間、およびローラ同士の間に生じる摩耗 焼き付きを効果的に抑制したタペットロー 軸受構造を提供することである。

 この発明に係るタペットローラ軸受構造 、軸と、軸の外径面に嵌合する円筒形状の 径側ローラと、内径側ローラの外径面に嵌 する円筒形状の外径側ローラとを備える。 して、軸の外径面と内径側ローラの内径面 の間の径方向隙間をA、内径側ローラの外径 面と外径側ローラの内径面との間の径方向隙 間をBとすると、A>Bを満たす。

 軸と内径側ローラとの間、および内径側 ーラと外径側ローラとの間の径方向隙間を 記のように設定することにより、それぞれ 接触部分における摩耗や焼き付きを効果的 抑制することができる。

 好ましくは、内径側ローラの表面には、 ン酸亜鉛およびリン酸マンガンのうちのい れか一方で構成されるリン酸塩化合物層が 成されている。内径側ローラの表面にリン 塩被膜を形成することにより、ローラの発 を防止することができる。また、このリン 塩被膜は、防錆効果の他に摺動部分の耐摩 性や潤滑性を向上させるので、ローラの回 がスムーズとなる。これにより、耐久性に れ信頼性の高いタペットローラ軸受構造を ることができる。

 さらに好ましくは、リン酸塩化合物層の らに外側には、二硫化モリブデンおよびポ テトラフルオロエチレンのうちの少なくと いずれか一方と、常温硬化性合成樹脂とで 成される固体潤滑層がさらに形成されてい 。

 これにより、軸と内径側ローラとの間、 よび内径側ローラと外径側ローラとの間の 耗や焼き付きを有効に防止することができ 。この固体潤滑層は、エンジン始動直後等 おける接触面の潤滑に特に大きな効果を発 する。さらに、固体潤滑剤は、液体の潤滑 と比較して潤滑寿命が極めて長いので、長 命で信頼性の高いタペットローラ軸受構造 得ることができる。

 好ましくは、外径側ローラの内径面の表 粗さRaは、0.21μm~0.50μmの範囲内である。外 側ローラの内径面の表面粗さを上記の範囲 とすることにより、これに接触する内径側 ーラの外径面の摩耗および焼き付きを有効 防止することができる。なお、本明細書中 表面粗さRa」とは、算術平均粗さであって、 粗さ曲線から平均線の方向に基準長さだけ抜 き取り、この抜き取り部分の平均線から測定 曲線までの偏差の絶対値を合計し平均した値 とする。

 好ましくは、外径側ローラの外径面には フルクラウニング加工が施されている。こ により、ミスアライメントの発生時に外径 ローラと相手面との当接部分にエッジロー が発生するのを防止することができる。

 一実施形態として、内径側ローラは、浸 窒化処理を施した軸受鋼によって形成され いる。軸受鋼としては、例えば、SUJ2等を採 用することができる。

 この発明によれば、軸の外径面と内径側 ーラの内径面との間、および内径側ローラ 外径面と外径側ローラの内径面との間の隙 を上記の範囲内とすることにより、接触部 の摩耗や焼き付きを効果的に抑制したタペ トローラ軸受構造を得ることができる。

この発明の一実施形態に係るタペット ーラ軸受構造の断面図である。 自動車用内燃機関の可動弁機構を示す である。

 図1および図2を参照して、この発明の一 施形態に係るタペットローラ軸受構造を説 する。なお、図1はタペットローラ軸受構造 断面図、図2はタペットローラ軸受11を組み んだ可動弁機構1を示す図である。

 まず、図2を参照して、自動車の内燃機関 等の可動弁機構1は、軸5に揺動可能に支持さ たロッカーアーム2と、ロッカーアーム2の 端に連結され、エンジン内部の吸排気を行 弁3と、ロッカーアーム2の他端の左右一対の 支持壁2a,2bの間に配置される支持軸6と、支持 軸6に嵌合するタペットローラ軸受11と、カム シャフト(図示省略)に固定され偏心部4aを有 るカム4とを備える。

 上記構成の可動弁機構1は、内燃機関のク ランクシャフト(図示省略)の回転がタイミン ベルト(図示省略)を経由してカムシャフト( 示省略)に伝達され、カム4を回転させる。 して、カム4の偏心部4aがタペットローラ軸 11に当接したときに、ロッカーアーム2が軸5 中心として揺動して弁3を押し下げる。これ により、内燃機関内の給排気を行うことがで きる。このとき、タペットローラ軸受11はカ 4の回転に伴って回転するので、タペットロ ーラ軸受11とカム4との当接部分のフリクショ ンロスを低減することが可能となる。

 次に、図1を参照して、上記構成の可動弁 機構1に採用されるタペットローラ軸受構造 、支持壁2a,2bに固定された支持軸6と、支持 6に嵌合する円筒形状の内径側ローラ12、お び内径側ローラ12に嵌合する円筒形状の外径 側ローラ13を備えるダブルローラタイプのタ ットローラ軸受11とを備える。なお、支持 6と内径側ローラ12の内径面との間、および 径側ローラ12の外径面と外径側ローラ13の内 面との間には所定のラジアル隙間が設けら ており、相互に回転可能となっている。ま 、外径側ローラ13の外径面はカム(図示省略) に当接している。

 上記構成のタペットローラ軸受11におい 、内径側ローラ12と外径側ローラ13とが一体 転すると、シングルローラタイプのタペッ ローラ軸受のように、支持軸6と内径側ロー ラ12との接触部分の摩耗が促進されやすい。

 一方、外径側ローラ13のみが回転すると 支持軸6の外径面と内径間側ローラ12の内径 との接触部分にフレッティング摩耗を生じ り、内径側ローラ12の外径面と外径側ローラ 13の内径面との接触部分に異常摩耗を生じた する。したがって、タペットローラ軸受11 理想的な回転としては、内径側ローラ12が外 径側ローラ13の2分の1程度の回転数であるこ が望ましい。

 そこで、支持軸6の外径面と内径側ローラ 12の内径面との間の径方向隙間をA、内径側ロ ーラの外径面と外径側ローラの内径面との間 の径方向隙間をBとすると、A>Bを満たすよ に各種寸法を設定する。

 外径側ローラ13は、外径面に当接するカ 4の回転に伴って回転する。そして、外径側 ーラ13の回転力は内径側ローラ12に伝達され る。ここで、外径側ローラ13から内径側ロー 12に伝達される回転力は両者の間の径方向 間Bが小さい程大きくなる。一方、内径側ロ ラ12の回転抵抗は支持軸6との間の径方向隙 Aが大きい程小さくなる。すなわち、A>Bと すれば、内径側ローラ12は回転しやすくなる

 ただし、AとBの差が大きすぎると、内径 ローラ12と外径側ローラ13とが一体回転して まうおそれがある。したがって、内径側ロ ラ12が、外径側ローラ13の回転数に対して一 定の割合(例えば、外径側ローラ13の回転数: 径側ローラ12の回転数=2:1)で回転するようにA およびBを決定するのが望ましい。

 これにより、内径側ローラ12と外径側ロ ラ13とが完全に一体として回転したり、外径 側ローラ13のみが回転したりするのを防止し 内径側ローラ12および外径側ローラ13の回転 を理想的な状態に近づけることができる。そ の結果、各接触部分の摩耗を抑制したタペッ トローラ軸受構造を得ることができる。

 上記構成のタペットローラ軸受構造にお て、支持軸6、内径側ローラ12、および外径 ローラ13は、例えば、浸炭窒化処理を施し 軸受鋼(SUJ2)によって形成することができる また、内径側ローラ12の表面には表面処理層 12aを形成するのが望ましい。具体的には、リ ン酸塩化合物層および固体潤滑層のうちの少 なくともいずれか一方を形成する。

 例えば、下地処理としてリン酸塩化合物 を形成する。リン酸塩化合物としては、リ 酸マンガンやリン酸亜鉛を採用することが きる。これにより、内径側ローラ12の発錆 防止することができる。また、このリン酸 化合物層は、防錆効果の他に摺動部分の耐 耗性や潤滑性を向上させるので、内径側ロ ラ12の回転がスムーズとなる。これにより、 耐久性に優れ信頼性の高いタペットローラ軸 受構造を得ることができる。

 さらに、リン酸塩化合物層のさらに外側に 体潤滑層を形成する。固体潤滑層は、二硫 モリブデン(MoS 2 )およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の ちの少なくともいずれか一方を常温硬化性 成樹脂と共に硬化させることによって得る とができる。なお、常温硬化性合成樹脂に えて熱硬化性合成樹脂を採用することもで るが、潤滑耐久性が高く、処理コストの安 な常温硬化性合成樹脂がより適している。

 これにより、支持軸6と内径側ローラ12と 間、および内径側ローラ12と外径側ローラ13 との間の摩耗や焼き付きを有効に防止するこ とができる。この固体潤滑層は、エンジン始 動直後等の潤滑油がタペットローラ軸受11に 給される前における接触面の潤滑に特に大 な効果を発揮する。さらに、固体潤滑剤は 液体の潤滑剤と比較して潤滑寿命が極めて いので、長寿命で信頼性の高いタペットロ ラ軸受構造を得ることができる。

 なお、表面処理層12aは内径側ローラ12の 面全域に形成してもよいし、選択的に形成 てもよい。例えば、支持軸6に接触する内径 、および外径側ローラ13に接触する外径面 表面処理層12aを形成すれば、この発明の効 を得ることができる。

 また、潤滑性の観点からは、リン酸塩化 物層を省略して、固体潤滑層のみを形成し も、一定の効果を得ることはできる。ただ 、下地としてリン酸塩化合物層を設けるこ によって、固体潤滑層単体の場合と比較し 潤滑性能はさらに向上する。また、リン酸 化合物層、および/または、固体潤滑層は、 内径側ローラ12だけでなく、支持軸6や外径側 ローラ13にも形成することができる。

 また、外径側ローラ13の内径面の表面粗 Raは、0.21μm~0.50μmの範囲内とするのが望まし い。表面粗さが0.50μmを超えると、内径側ロ ラ12と外径側ローラ13との接触部分の摩擦が きくなる。一方、表面粗さが0.21μmを下回る と、外径側ローラ13の回転が内径側ローラ12 適切に伝達されにくくなる。

 さらに、外径側ローラ13の外径面にはフ クラウニング加工を施すのが望ましい。こ により、ミスアライメントの発生時に外径 ローラ13と相手面との当接部分にエッジロー ドが発生するのを防止することができる。

 次に、表1および表2を参照して、この発 の効果を確認するための試験について説明 る。なお、表1は効果確認試験に用いた試験 受(実施例1~8)を示し、表2は試験結果を示し いる。また、試験は、各試験軸受を所定の 件で回転させたときの、支持軸6の外径面、 内径側ローラ12の内径面、内径側ローラ12の 径面、および外径側ローラ13の内径面の摩耗 量を測定した。

 まず、表1を参照して、径方向隙間Aおよ Bの大小関係、外径側ローラ13の内径面の表 粗さ、内径側ローラ12に施した熱処理、およ び内径側ローラ12の表面に形成したリン酸塩 合物層や固体潤滑層の組成を異ならせた8種 類(実施例1~8)の試験軸受を用意した。なお、 験の信頼性を向上させるため、各試験軸受 2個(No.1,No.2)ずつ作成し、それぞれについて 験を行った。

 表2を参照して、径方向隙間をA>Bとした 試験軸受(実施例1~4)は、A<Bとした試験軸受( 実施例5~8)と比較して、各部分の摩耗量、特 内径側ローラ12の外径面の摩耗量が少なくな っている。さらに、この発明の特徴を最も多 く備えた実施例1は、実施例8と比較して全て 部分で摩耗量が少なくなっている。上記の 果により、この発明によって各接触部分の 耗や焼き付きを有効に防止できることが確 された。

 以上、図面を参照してこの発明の実施形 を説明したが、この発明は、図示した実施 態のものに限定されない。図示した実施形 に対して、この発明と同一の範囲内におい 、あるいは均等の範囲内において、種々の 正や変形を加えることが可能である。

 この発明は、内燃機関の可動弁機構等に採 されるタペットローラ軸受に有利に利用さ る。