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Patent Searching and Data


Title:
SUBSTRATE HEAT-TREATING APPARATUS, AND SUBSTRATE HEAT-TREATING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/031450
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a substrate heat-treating apparatus, in which a substrate holder unit having a substrate stage made of highly emissive carbon or carbon-coated material is so disposed in a vacuum chamber as can move up and down, and in which a heating unit having a radiation face to confront the substrate stage is disposed above the substrate holder unit in the vacuum chamber. The substrate stage is disposed close to the radiation face so that the substrate can be heated with the radiation heat from the radiation face while being out of contact with the substrate placed on the substrate stage. The substrate holder unit is equipped with a radiation plate and a reflection plate.

Inventors:
SHIBAGAKI MASAMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/065395
Publication Date:
March 12, 2009
Filing Date:
August 28, 2008
Export Citation:
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Assignee:
CANON ANELVA CORP (JP)
SHIBAGAKI MASAMI (JP)
International Classes:
H01L21/324; H01L21/26
Foreign References:
JPH10125690A1998-05-15
JPH07268627A1995-10-17
JP2000323487A2000-11-24
JP2005302936A2005-10-27
JPH05190464A1993-07-30
Attorney, Agent or Firm:
OHTSUKA, Yasunori (KIOICHO PARK BLDG. 3-6, KIOICHO, CHIYODA-K, Tokyo 94, JP)
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Claims:
 基板が載置される、カーボン又はカーボン被覆材料で構成された基板ステージを備えた基板ホルダユニットと、
 前記基板ステージの上方に設けられており、当該基板ステージと対向する放熱面を備え、前記基板ステージの上に載置された基板に対して非接触状態で、前記放熱面からの輻射熱で前記基板を加熱する加熱ユニットと、
 前記基板ホルダユニットと前記加熱ユニットとが設けられているチャンバと、
 前記チャンバ内において、前記基板ステージと前記加熱ユニットの放熱面とを、接近、または離間させるために、前記基板ホルダユニットと前記加熱ユニットとのうちの少なくともいずれか一方を昇降させる昇降装置と、を有する基板熱処理装置であって、
 前記基板ホルダユニットが、
 前記基板ステージの下側に間隔をあけて配置され、前記基板ステージの下面から放射される熱を捕らえ、捕らえた熱を前記基板ステージに対して輻射する輻射板と、
 前記輻射板の下側に間隔をあけて配置され、前記輻射板から放射される熱を反射する反射板と、を備えることを特徴とする基板熱処理装置。
 前記輻射板は、カーボン又はカーボン被覆材料で構成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の基板熱処理装置。
 前記輻射板が複数枚設けられており、前記反射板は前記複数枚の輻射板の最下部を構成する輻射板に対して間隔をあけて設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の基板熱処理装置。
 前記反射板は、高融点金属で構成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の基板熱処理装置。
 前記反射板の下側に間隔をあけて配置され、前記反射板、前記輻射板及び前記基板ステージのうち少なくともいずれか一つを冷却する冷却パネルを更に備え、
 前記反射板が複数枚設けられている場合、前記冷却パネルは、前記複数枚の反射板の最下部を構成する反射板に対して間隔をあけて配置されることを特徴とする請求項1に記載の基板熱処理装置。
 前記冷却パネルの周側面からの吸熱を抑制するために、前記反射板の周縁から前記冷却パネルの周囲に延出されているスカート部を更に備え、
 前記反射板が複数枚の場合、前記スカート部は、前記複数枚の反射板の最下部を構成する反射板の周縁から前記冷却パネルの周囲に延出されることを特徴とする請求項5に記載の基板熱処理装置。
 前記チャンバが、第一室と、当該第一室の上方に配置され当該第一室と連通している第二室と、を備えており、
 前記加熱ユニットが前記チャンバの第二室において、放熱面を下方に向けて設けられており、
 前記基板ホルダユニットが、前記昇降装置の動作により、前記第一室と前記第二室との間を昇降可能であり、
 前記基板ホルダユニットが前記第二室に上昇した時に、前記基板ステージと前記加熱ユニットの放熱面とが接近し、前記冷却パネルが前記第一室と前記第二室との連通を塞いだ状態にすることを特徴とする請求項5に記載の基板熱処理装置。
 前記基板ホルダユニットが前記第一室に降下して、前記基板ホルダユニットの前記基板ステージと前記加熱ユニットの放熱面とが離間された時に、前記基板ステージと前記放熱面との間にシャッタを進退させることができるシャッタ装置を更に有することを特徴とする請求項7に記載の基板熱処理装置。
 前記シャッタが前記基板ステージと前記放熱面との間に進出した時に、前記放熱面と対向する前記シャッタの面と、前記基板ステージと対向する前記シャッタの面とが、それぞれ反射面と吸熱面となっていることを特徴とする請求項8に記載の基板熱処理装置。
 前記シャッタ装置は、前記シャッタが前記基板ステージと前記放熱面との間に進出した時に、前記基板ステージ及び前記基板ステージ上に載置された基板を冷却することが可能な前記シャッタの冷却手段を有していることを特徴とする請求項8に記載の基板熱処理装置。
 前記チャンバの前記第一室には、前記基板を支持するための複数のピンが立設されており、
 前記基板ホルダユニットは、前記複数のピンが上下に貫通することが可能な複数の貫通孔を有しており、
 前記基板ホルダユニットが前記第二室から前記第一室に下降した状態で、前記貫通孔を介して前記複数のピンが前記基板ステージ上に突出し、前記基板ステージ上に載置された前記基板を支持することを特徴とする請求項7に記載の基板熱処理装置。
 前記基板ステージは、前記基板を載置するための基板載置部を有し、前記基板ステージの厚さは、前記基板載置部の厚さより大きいことを特徴とする請求項1に記載の基板熱処理装置。
 前記基板ステージは、前記基板載置部の周辺部に設けられており、前記基板ステージと前記加熱ユニットの放熱面とが接近した状態で、前記加熱ユニットの放熱面の周囲を覆い、前記放熱面からの輻射熱が周囲に逃げるのを抑制する環状壁部を有することを特徴とする請求項12に記載の基板熱処理装置。
 基板が載置される基板ステージを備えた基板ホルダユニットと、
 前記基板ステージの上方に設けられており、当該基板ステージと対向する放熱面を備え、前記基板ステージの上に載置された基板に対して非接触状態で、前記放熱面からの輻射熱で前記基板を加熱する加熱ユニットと、を有する基板熱処理装置を用いた基板の熱処理方法であって、
 表面に注入領域を有する基板を、当該注入領域側の面を前記加熱ユニットの放熱面側に向けて前記基板ステージ上に載置する載置工程と、
 請求項1に記載の基板熱処理装置を用いて前記基板の熱処理を行う熱処理工程と、
 を有することを特徴とする基板の熱処理方法。
 前記熱処理工程では、前記基板の加熱時に、前記基板ステージを冷却パネルで冷却する冷却工程を有することを特徴とする請求項14に記載の基板の熱処理方法。
Description:
基板熱処理装置及び基板の熱処 方法

 本発明は、例えば炭化ケイ素(SiC)基板の 処理などに用いられる基板熱処理装置に関 る。更に詳しくは、基板を真空中で均一且 急速に加熱することが可能な基板熱処理装 及び基板熱処理装置を用いた基板の熱処理 法に関する。

 基板熱処理装置としては、真空室の下部に 熱プレートを設け、上部に環状の冷却ユニ トを設け、この加熱プレートと冷却ユニッ の間に昇降可能に、熱伝導率のよい材料で 成した基板ホルダを設けたものが知られて る(例えば、特許文献1参照)。この基板熱処 装置による熱処理は、基板を載置した基板 ルダを下降させ、基板ホルダの下面を加熱 レートに接触させて、基板ホルダを介して 板を加熱した後、基板ホルダを上昇させ、 板ホルダの周縁を冷却ユニットに接触させ 、基板ホルダを介して基板を冷却すること 行われるものである。また、基板を加熱プ ートと非接触で加熱する基板加熱処理装置 して、基板を高温で加熱処理する機密状態 反応室と、冷却部とが設けられた基板加熱 理装置が知られている(例えば、特許文献2 照)。

特開2003-318076号公報

特開2005-299990号公報

 しかしながら、特許文献1に記載された基 板熱処理装置及び熱処理方法の場合、加熱が 基板ホルダを介して熱伝導により行われるも のとなっている。このため、基板と基板ホル ダの接触状態が一様でないと加熱にムラを生 じる問題がある。例えば、注入や熱工程など を経てきた基板に反りが生じていると、基板 が基板ホルダに接触する場所と接触しない場 所が生じ、加熱後のアニール特性の面内均一 性を劣化させるという問題を生じる。また、 冷却は基板ホルダの周縁から行われるので、 全体を均一に降温させることができないばか りか、中心部まで冷却するのに時間がかかる 問題もある。

 特許文献2の基板熱処理装置では、輻射熱 により基板を高温加熱するが、基板をより効 率的に均一に加熱することが望まれる。また 、基板を高温加熱する場合であっても、チャ ンバ壁まで温度が伝わらないことが必要であ るが、特許文献2の基板処理装置では、冷却 、冷却部の壁で行われるので、冷却部のス ースを大きくとる必要があり、装置が大型 してしまうという問題もある。

 本発明は、上記従来の問題点に鑑みてな れたもので、基板を真空中で均一且つ急速 加熱することができる基板熱処理装置及び 処理方法を提供することを第1の目的とする 。また、本発明は、加熱した基板全体を速や かに冷却することが可能な基板熱処理装置及 び熱処理方法を提供することを第2の目的と る。また、本発明は、小型化が可能な基板 処理装置及びそれを用いた熱処理方法を提 することを第3の目的とする。

 上記目的の少なくとも一つを解決する本発 にかかる基板熱処理装置は、基板が載置さ る、カーボン又はカーボン被覆材料で構成 れた基板ステージを備えた基板ホルダユニ トと、
 前記基板ステージの上方に設けられており 当該基板ステージと対向する放熱面を備え 前記基板ステージの上に載置された基板に して非接触状態で、前記放熱面からの輻射 で前記基板を加熱する加熱ユニットと、
 前記基板ホルダユニットと前記加熱ユニッ とが設けられているチャンバと、
 前記チャンバ内において、前記基板ステー と前記加熱ユニットの放熱面とを、接近、 たは離間させるために、前記基板ホルダユ ットと前記加熱ユニットとのうちの少なく もいずれか一方を昇降させる昇降装置と、 有する基板熱処理装置であって、
 前記基板ホルダユニットが、
 前記基板ステージの下側に間隔をあけて配 され、前記基板ステージの下面から放射さ る熱を捕らえ、捕らえた熱を前記基板ステ ジに対して輻射する輻射板と、
 前記輻射板の下側に間隔をあけて配置され 前記輻射板から放射される熱を反射する反 板と、を備えることを特徴とする。

 また、本発明にかかる基板の熱処理方法は 基板が載置される基板ステージを備えた基 ホルダユニットと、
 前記基板ステージの上方に設けられており 当該基板ステージと対向する放熱面を備え 前記基板ステージの上に載置された基板に して非接触状態で、前記放熱面からの輻射 で前記基板を加熱する加熱ユニットと、を する基板熱処理装置を用いた基板の熱処理 法であって、
 表面に注入領域を有する基板を、当該注入 域側の面を前記加熱ユニットの放熱面側に けて前記基板ステージ上に載置する載置工 と、
 上記の本発明にかかる基板熱処理装置を用 て前記基板の熱処理を行う熱処理工程と、 有することを特徴とする。

 本発明に係る基板熱処理装置及び熱処理 法での基板の加熱は、加熱ユニットの放熱 からの輻射熱により、基板とは非接触状態 行われる。加熱ユニットの放熱面は基板を 置する基板ステージと対向しており、その 射熱は、基板の反りの有無に拘わらず均一 照射することができるので、基板が多少反 ていても均一に加熱することができる。

 また、基板ステージがカーボン又はカー ン被覆材料で構成されており、基板ステー の少なくとも表面が輻射率の高いカーボン なっていることから、基板は、同時に輻射 熱される基板ステージからの輻射熱も受け ことになる。つまり、基板の加熱は、加熱 ニットの放熱面からの輻射熱が主となって われるが、基板ステージからの輻射熱も副 的に加えられることから、迅速な昇温が可 となる。

 また、基板ステージの少なくとも表面が 射率の高いカーボンとなっていることから 冷却時には輻射熱を吸収することで、基板 テージ全体を均一且つ迅速に温度降下させ ことができ、それに伴い、基板を迅速且つ 一に冷却することができる。

 添付図面は明細書に含まれ、その一部を構 し、本発明の実施の形態を示し、その記述 共に本発明の原理を説明するために用いら る。
本発明の一例に係る基板熱処理装置で って、基板の搬入又は搬出時の状態を示す 面模式図である。 基板の加熱時の状態を示す断面模式図 ある。 基板の冷却時の状態を示す断面模式図 ある。 図1における基板ホルダユニット周りの 拡大断面図である。 図2における基板ホルダユニット周りの 拡大断面図である。 基板ステージの説明図である。 基板ステージの説明図である。 基板ステージの説明図である。 実施例3で作製したp + -n接合ダイオードの断面図である。 実施例3で作製したp + n接合ダイオードの電流密度-電圧特性のアニ ル温度依存性を示す図である。 昇降軸12の内部構造を示す斜視図であ 。

 以下、本発明の実施形態について詳細に 明する。ただし、この実施形態に記載され いる構成要素はあくまで例示であり、本発 の技術的範囲は、請求の範囲によって確定 れるのであって、以下の個別の実施形態に って限定されるわけではない。

 図1は、本発明の一例に係る基板熱処理装 置である。図1は、基板の搬入又は搬出時の 態を示す断面模式図、図2は、基板の加熱時 状態を示す断面模式図、図3は、基板の冷却 時の状態を示す断面模式図である。また、図 4は、図1における基板ホルダユニット周りの 大断面図、図5は、図2における基板ホルダ ニット周りの拡大断面図、図6は、基板ステ ジの説明図である。なお、図1~図6A,B,Cにお て、同じ符号は同じ部材又は部位を示す。

 図1~図3にそれぞれ示されるように、本例 基板熱処理装置は、基板ホルダユニットAと 、加熱ユニットBと、シャッタ装置Cとを真空 ャンバD内に設けたものとなっている。

 基板ホルダユニットAは、最上段に基板ス テージ1を備えている。加熱ユニットBは、基 ステージ1の上方に設けられており、基板ス テージ1と対向する放熱面2を備えている。基 ホルダユニットAは、昇降装置Eにより昇降 能なもので、基板ステージ1と加熱ユニットB の放熱面2との近接と離間は、昇降装置Eの動 により制御することが可能である。加熱ユ ットBは、基板ホルダユニットAが図2に示さ るように上昇し、基板ステージ1上の基板3 放熱面2が近接された時に、基板3と非接触状 態で、放熱面2からの輻射熱で基板3を加熱す ものとなっている。

 図1の基板ホルダユニットAは下降位置に り、図2の基板ホルダユニットAは上昇位置に ある。図1の基板ホルダユニットA周りを拡大 たのが図4であり、図2の基板ホルダユニッ A周りを拡大したのが図5である。基板ホルダ ユニットAについては、主にこの図4及び図5で 説明し、図1~図3の基板ホルダユニットAにつ ては主な部材の符号のみを付す。

 図4及び図5に示されるように、基板ホル ユニットAは、最上部に基板ステージ1、基板 ステージの下に4枚の輻射板4、輻射板4の下に 2枚の反射板5、そして最下部に冷却パネル6を 備えたものとなっている。

 基板ステージ1は、基板3を載置するもの 、上面中央部が基板3が置かれる基板載置部7 となっている。図4に示される基板3は、後述 るリフトピン8で持ち上げ支持された状態と なっているが、基板ホルダユニットAの上昇 より基板ステージ1がリフトピン8より上方へ 移動すると、図5に示されるように基板載置 7上に移し取られて載置されることになる。

 基板ステージ1は、輻射率が高く、輻射熱 を効率良く吸収し、吸収した熱を効率良く放 射することができ、しかも高熱に耐えられる 材料で構成されている。具体的にはカーボン 又はカーボン被覆材料で構成された板状をな している。基板ステージ1を構成するカーボ としては、ガラス状カーボン、グラファイ 、熱分解カーボンを挙げることができる。 た、カーボン被覆材料としては、セラミッ スにこれらのカーボンの1種又は2種以上の被 覆を施した材料を挙げることができる。

 基板ステージ1は、熱容量を抑えて、冷却 時間を短縮するために薄いことが好ましい。 基板ステージ1の厚さは、構成材料や次に述 る基板載置部7の窪み量によっても相違する 、強度と冷却時間の短縮を両立させる観点 ら、2~7mmであることが好ましい。

 基板ステージ1の中央部に設けられている 基板載置部7は、凹部として設けられており 基板ステージ1の基板載置部7部分の厚さより その周辺部の厚さが大きくなっていることが 好ましい。このようにすると、後述する加熱 ユニットBによる基板3の加熱時に、放熱面2か らの輻射熱が基板3の外側へ拡散するのを抑 できると共に、基板ステージ1における基板 置部7の外周縁部の熱容量を大きくし、基板 3の外周縁部からの放熱を抑制することがで る。そして、弱くなりやすい基板3周縁部の 熱を補って、より均一に基板3全体を加熱す ることが可能となる。基板載置部7を凹部と て設け、基板ステージ1の基板載置部7部分の 厚さよりその周辺部の厚さが大きくする態様 としては、図6A~Cに示される態様がある。図6A は基板載置部7となる基板ステージ1の上面の に比較的深い凹部を形成した態様を示す図 ある。図6Bは基板載置部7となる基板ステー 1の上面と対応する下面の両者に凹部を形成 し、下面側の凹部を上面側の凹部より深くし た態様を示す図である。図6Cは、図6Bとは上 の凹部の深さを逆にした態様を示す図であ 。

 基板ステージ1の基板載置部7の周囲には 図5に示されるように基板ステージ1と加熱ユ ニットBの放熱面2とが接近した時に、内側に 熱ユニットBの放熱面2を受け入れる環状壁 9が突設されている。この環状壁部9は、基板 ステージ1と同様のカーボン又はカーボン被 材料で構成されていることが好ましい。環 壁部9を設けておくことにより、加熱ユニッ Bの放熱面2からの輻射熱が周囲に逃げるの 抑制することができ、放熱面2による基板3の 加熱効率を向上させることができる。

 基板ステージ1と冷却パネル6との間には それぞれ間隔をあけて、4枚の輻射板4と、2 の反射板5とが設けられている。

 輻射板4は、基板ステージ1と同様に、カ ボン又はカーボン被覆材料で構成された板 をなすもので、基板ステージ1の下側に間隔 あけて配置されている。この輻射板4は、基 板ステージ1の下面と対向して設けられてお 、基板3の加熱時に、基板ステージ1の下面か ら放射される熱を捕らえ、捕らえた熱を基板 ステージ1に対して輻射する。これによって 板ステージ1の熱放射による温度低下を抑制 ることができるので、急速加熱が行いやす なる。

 基板ステージ1の温度を効率よく高温にす るために輻射板4を設けることが好ましい。 射板4を設置する場合、その枚数は1枚でも、 図示される4枚以外の複数枚でもよい。輻射 を複数枚備えていると、比較的薄い輻射板4 、上記のように迅速な温度上昇を得ること できるため好ましい。また、比較的薄い輻 板を用いることができるため、各輻射板4の 熱容量を抑えて冷却時間を短縮することがで きる。輻射板4の厚さは、構成材料や枚数に っても相違するが、加熱時の迅速な温度上 と冷却時間の短縮を両立させる観点から、1~ 3mmであることが好ましい。

 輻射板4の下側(輻射板4が1枚の場合の当該 輻射板4又は輻射板4が複数枚の場合の最下部 輻射板4の下側)には、それぞれ間隔をあけ 、2枚の反射板5が設けられている。反射板5 、モリブテン、タングステンなどの高融点 属で構成されており、少なくとも輻射板4側 (上面)には鏡面仕上げが施されている。反 板5は基板ステージ1、輻射板4から放射され 熱を反射するものである。

 反射板5を輻射板4の下側に1枚又は複数枚 えていると、更に基板ステージ1、輻射板4 らの熱放射による温度低下を抑制しやすく り、一層急速加熱が行いやすくなる。また 反射板5を設けることにより、反射板5で基板 ステージ1、輻射板4の熱放射をさえぎること できるので、チャンバの温度上昇を防ぐこ ができて好ましい。

 上記反射板5を設ける場合、反射板5の下 (反射板5が1枚の場合の当該反射板5又は反射 5が複数枚の場合の最下部の反射板5の下側) 間隔をあけて冷却パネル6を設けることがで きる。この冷却パネル6は、例えば水冷機構 どの冷却手段で冷却されるパネル体で、基 ステージ1、輻射板4及び反射板5の下面に対 して設けることで、基板3の冷却時に、上方 位置するこれらの部材の均一且つ迅速な冷 を促すことができる。図9は、冷却パネル6 接続された昇降軸12の内部構造を示す斜視図 である。昇降軸12の内部には、温度測定器16 接続する温度測定孔15が設けられている。更 に、昇降軸12の内部には、冷却パネル6の冷却 手段に冷媒を供給し、冷却手段から冷媒を回 収する、冷媒循環用の流路29が複数設けられ いる。

 また、後でも述べるように、図5に示され る基板3の加熱時には、冷却パネル6で冷却す と、基板ホルダユニットAの温度を一定に制 御するができ、輻射加熱による基板ステージ の温度の再現性を向上させるのに役立つ。

 冷却パネル6を設ける場合、前記のように 、反射板5を設けて、基板3の加熱を阻害しな ようにすると共に、冷却パネル6の外壁を、 鏡面仕上げを施したステンレス鋼やアルミニ ウム合金などで構成し、熱吸収を抑制してお くことが好ましい。

 冷却パネル6を設ける場合、最下部の反射 板5(反射板5が1枚の場合の当該反射板5)の周縁 から、冷却パネル6の周囲にスカート部10を延 出させておくことが好ましい。このスカート 部10を設けることにより、冷却パネル6の周側 面からの吸熱を抑制し、基板3の加熱に影響 及ぼすことを防止することができる。

 基板ステージ1、輻射板4、反射板5は、そ ぞれアルミナセラミックスやジルコニウム キサイドセラミックスなどの耐熱・断熱性 料を介在させて、連結ネジ11で冷却パネル6 に支持されている。また、冷却パネル6は、 昇降装置E(図1参照)の昇降軸12の先端部に接続 されている(図9参照)。後述するように、昇降 装置Eは冷却パネル6を昇降軸12の軸方向に上 に昇降させるもので、冷却パネル6の上下動 伴い、冷却パネル6の上方に構成されている 基板ホルダユニットAが昇降されるものとな ている。

 基板ホルダユニットAには、基板ホルダユ ニットAを構成している基板ステージ1、輻射 4、反射板5及び冷却パネル6を貫通するリフ ピン用貫通孔13が複数箇所形成されている リフトピン用貫通孔13は、特に基板ステージ 1の基板載置部7内を通る位置に形成されてい 。また、リフトピン用貫通孔13の位置に対 して、真空チャンバDの底部に複数本のリフ ピン8が立設されている。

 図4においては、リフトピン用貫通孔13を して、真空チャンバDの底部に立設された複 数本のリフトピン8が基板ステージ1上に突出 ている。リフトピン8は、基板載置部7上の 板3を先端で持ち上げ支持可能な位置と本数 なっており、図4の状態から基板ホルダユニ ットAが上昇して基板ステージ1がリフトピン8 より上方へ移動すると、基板3は基板載置部7 に移行されることになる。また、基板載置 7上に基板3が載置された状態で基板ホルダ ニットAが下降し、リフトピン8がリフトピン 用貫通孔13を介して基板ステージ1上に突出す ると、基板載置部7上の基板3がリフトピン8の 先端で持ち上げ支持され、図4の状態となる

 基板ステージ1の基板載置部7の中央部直 には、輻射板4、反射板5及び冷却パネル6を 通して、測定孔14が形成されている。この測 定孔14は昇降軸12の中心に形成された測定孔15 と一連に連なっている。この測定孔14,15は、 1に示される温度測定器16により、石英製の 赤外線透過窓を介して基板ステージ1からの 放射熱を測定するためのものである。温度測 定器としては、放射温度計を用いることがで きる。

 加熱ユニットBは、放熱面2と、この放熱 2を加熱するためのヒーター28を備えたもの 、ヒーターとしては、電子衝撃加熱方式の ーター、高周波誘導加熱方式のヒーター、 抗加熱方式のヒーターなどを用いることが きる。放熱面2は、耐熱性黒色表面で、例え ガラス状カーボン、熱分解カーボン、アモ ファスカーボンなどのカーボンコーティン により得ることができる。放熱面2をこのよ うなカーボンコーティング面とすると、真空 中での脱ガスとパーティクルの発生も抑える ことができる。

 シャッタ装置Cは、図1~図3に示されるよう に、基板ホルダユニットAが降下し、基板ス ージ1と加熱ユニットBの放熱面2とが離間さ た時に、シャッタ17を基板ステージ1と放熱 2の間に進退させることができるものとなっ いる。シャッタ装置Cは、シャッタ17を進退 せるためのシャッタ駆動装置18を備えてい 。

 シャッタ17は、熱隔壁として機能する。 ャッタ17は、図1及び図3に示されるように、 板ホルダユニットAが下降し、基板ステージ 1と放熱面2とが離間されている時に、基板ス ージ1と放熱面2との間に進出し、放熱面2か 基板ステージ1側へ熱が照射されるのを遮る 。また、基板ホルダユニットAの上昇時には シャッタ駆動装置18で回転移動され、基板ス テージ1と放熱面2との間から図2に示される位 置(図1では破線で示す)へ後退される。シャッ タ17は、基板ホルダユニットAが上昇した後、 再びシャッタ17が邪魔にならない位置まで下 するまでの間、後退位置に維持される。

 シャッタ装置Cは、シャッタ17の進出時に 基板ステージ1及び基板ステージ1上の基板3 冷却を促進できるよう、例えば水冷機構な 、シャッタ17の冷却手段を有していること 好ましい。冷却手段で冷却する場合、シャ タ17は、ステンレス鋼やアルミニウム合金で 構成することができる。また、進出時に加熱 ユニットBの放熱面2と対向する側の面(上面) 、鏡面仕上げを施した反射面とし、放熱面2 らの熱を遮断しやすくしておくことが好ま い。進出時に基板ホルダユニットAの基板ス テージ1と対向する側の面(下面)は、耐熱性黒 色表面である吸熱面とし、基板ステージ1及 基板ステージ1上の基板3の冷却を迅速に行え るようにしておくことが好ましい。吸熱面は 、黒色アルマイトなどの黒色材料で壁面を構 成する他、ガラス状カーボン、熱分解カーボ ン、アモルファスカーボンなどのカーボンコ ーティングによっても得ることができる。

 シャッタ17で積極的に基板ステージ1及び 板ステージ1上の基板3を冷却する場合、基 ホルダユニットAの降下位置を2段階に設定し ておくことが好ましい。つまり、基板ステー ジ1及び基板3がシャッタ17の下面と近接する 却位置と、基板ステージ1及び基板3とシャッ タ17の下面との間に、基板3を出し入れするの に十分な間隔が得られる搬入出位置の二段階 とすることが好ましい。冷却位置は、図3に される基板ホルダユニットAの位置である。 た、搬入出位置は、図1に示される基板ホル ダユニットAの位置である。

 シャッタ17の冷却手段は、基板3の加熱温 領域によっては省略することもできる。こ 場合、シャッタ17はモリブテン、タングス ンなどの高融点金属で構成することが好ま い。また、冷却手段を設けない場合でも、 熱面2からの熱の遮断と、基板ステージ1及び 基板ステージ1上の基板3の冷却促進とを図る めに、放熱面3との対向面は反射面とし、基 板ステージ1との対向面は吸熱面としておく とが好ましい。

 真空チャンバDは、アルミニウム合金など で構成された筐体で、壁内に水冷機構の水冷 用流路19が設けられている。また、基板3の搬 入、搬出時に開閉されるスリットバルブ20と 内部を真空雰囲気に排気するために排気系 接続される排気口21を備えている。水冷用 路19に冷却水を流すことにより、真空チャン バDの筐体の温度が過度に上昇するのを防ぐ とができる。

 真空チャンバDは、下側の第一室22と、第 室22の上方に連なった第二室23を備えている 。加熱ユニットBは、上方に位置する第二室23 に放熱面2を下に向けて設けられている。基 ホルダユニットAは、第一室22と第二室23間を 昇降可能なもので、上昇時に、図2に示され ように、第一室22と第二室23間を冷却パネル6 部分で塞いだ状態で、基板ステージ1と加熱 ニットBの放熱面2とを接近させるものとなっ ている。このようにして基板3の加熱を行う 、第二室23で生じた熱がその下方の第一室22 漏れにくくなり、加熱後に基板ホルダユニ トAを第一室22へ降下させて行われる冷却を り迅速に行うことができる。また、真空チ ンバDの内面、特に第二室23の内面は、加熱 率を向上させることができるよう、鏡面仕 げを施しておくことが好ましい。

 昇降装置Eは、上端が基板ホルダユニット Aの冷却パネル6に接続された昇降軸12と、昇 軸12の下端部分に取り付けられた昇降アーム 24と、昇降アーム24が螺合するボールネジ25と を備えている。また、ボールネジ25を正逆両 向に回転させることができる回転駆動装置2 6と、昇降軸12と真空チャンバD間の摺動部を い、真空チャンバD内の気密性を高めると共 、昇降軸12の上下動に伴って伸縮する蛇腹 カバー27も備えている。この昇降装置Eは、 転駆動装置26でボールネジ25を正又は逆回転 せることで、このボールネジ25と螺合して る昇降アーム24を上昇又は下降させ、それに 伴って昇降軸12を上下にスライドさせて、基 ホルダユニットAを昇降させるものである。

 なお、上記では真空チャンバ説明したが 真空チャンバを用いない場合には、アルゴ ガスなどの不活性ガスでチャンバ内を充填 ておく必要がある。

 次に、上記基板熱処理装置の駆動状態に いて説明する。

 まず、図1に示されるように、スリットバ ルブ20を開放して、基板3を真空チャンバD内 搬入する。基板3の搬入は、例えば以下に述 るように、ロボットで基板3を真空チャンバ D内に持ち込み、図1及び図4に示されるように 、基板3をリフトピン8上に載せて支持させる とで行うことができる。

 真空チャンバDのスリットバルブ20部分は 通常、ロボットを収容したトランスファ室( 図示されていない)を介してロード/アンロー ロック室(図示されていない)に連結されて る。基板3は、まずロード/アンロードロック 室にセットされる。室内の荒引き排気後、ト ランスファ室との間が開放され、更に排気を 進めた後、スリットバルブ20が開放され、ト ンスファ室のロボットにより、ロード/アン ロードロック室から基板3をピック・アンド プレイスによりリフトピン8に載せる。

 このとき、ロボットのアームの先端部分 、高温でも耐え得るように、カーボン又は ラミック製が好ましい。また、ロボットの ームが、加熱ユニットBの放熱面2からの輻 熱により煽られることを防ぐために、シャ タ17は基板ステージ1と放熱面3の間に進出し いることが好ましい。

 ロボットのアームが逃げ、スリットバル 20が閉まり、真空チャンバD内を独立した真 室とした後、シャッタ17を後退させ、基板 ルダユニットAを上昇させる。基板3を基板ス テージ1の基板載置部7ですくい取った後、更 基板ホルダユニットAを上昇させて、図2及 図5に示されるように、基板ホルダユニットA の基板ステージ1と、加熱ユニットBの放熱面2 とを近接させる。この時、少なくとも基板3 放熱面2と非接触状態であることが必要であ 。基板ステージ1は放熱面2と接触状態にす ことも可能であるが、基板ステージ1と基板 テージ1上の基板3の両者とも放熱面2とは非 触状態であることが好ましい。放熱面2と基 板3の大きさ、加熱温度、加熱ユニットBの加 力などにもよるが、放熱面2と基板3の間隔 1~25mmとすることが好ましい。

 次いで加熱ユニットBのヒーター28をオン し、放熱面2からの輻射熱で基板3を加熱す 。例えば加熱温度が1900℃の場合、温度測定 16で測定される基板ステージ1の温度が1900℃ になるまで加熱を継続し、1900℃に達した後 所定のアニール時間(例えば1分程度)が経過 るまでこの温度を保持する。

 上記アニール時間経過後、加熱ユニットB のヒーター28をオフにし、自然冷却を開始す 。これと共に、基板ホルダユニットAを前記 した冷却位置まで降下させ、シャッタ17を、 板ホルダユニットAの基板ステージ1と、加 ユニットBの放熱面2との間に進出させ、冷却 を促進する。そして、基板3が取り出すのに 障のない温度(例えば200℃)にまで冷却された 後、基板ホルダユニットAを前記した搬入出 置まで降下させる。冷却位置から搬入出位 までの降下の間に、基板3はリフトピン8上に 移し取られ、取り出しやすい状態となる。基 板ホルダユニットAが搬入出位置まで降下し 後、スリットバルブ20を開き、トランスファ 室(図示されていない)のロボットで基板3を取 り出す。

 以上説明した例においては、基板ホルダ ニットAが昇降できるようになっているが、 基板ホルダユニットAと加熱ユニットBの両者 昇降可能としたり、その一方である加熱ユ ットBのみを昇降可能とすることもできる。 加熱ユニットBの昇降は、本例における昇降 置Eを真空チャンバD上に上下逆にして設け、 昇降軸12を加熱ユニットBに接続することで行 うことができる。

 基板ホルダユニットAと加熱ユニットBの 者を昇降可能とした場合、本例における第 室23を上下方向に拡大し、冷却時の両者の隔 離距離を大きくとれるようにすることができ る。つまり、図2で説明した位置で加熱を行 た後、基板ホルダユニットAを下降させると に、加熱ユニットBを上昇させ、基板3の冷 時に、基板ステージ1及びその上の基板3と放 熱面2とを距離を大きくし、冷却効率を向上 せることができる。加熱ユニットBのみを昇 可能とした場合、リフトピン8を省略するか 、別途これを上下動させるための機構が必要 となると共に、上述した冷却位置での冷却が 行いにくい不便はあるが、上述した例の基本 的な利益は得ることが可能である。

 本発明に係る基板熱処理装置は、表面にウ ル領域(不純物領域)を有する基板3の熱処理 最適である。このような基板3としては、犠 牲酸化、フッ酸処理を行ったバルクSiC基板上 にSiO 2 などを成膜し、リソグラフィとドライエッチ ングによりマスクを設け、イオン注入装置な どにより、不純物とするアルミニウムイオン を注入したものが挙げられる。ウエル領域は 、SiC基板内に選択的に形成することができる 。アルミニウムイオンの注入は、例えばTMA( トラメチルアルミニウム)をソースとして、 ラズマにて励起し、引き出し電極と分析管 、注入するAlイオンを引き出してイオン注 することで行うことができる。また、アル ニウムをソースとし、プラズマにて励起し 引き出し電極と分析管で、注入するアルミ ウムイオンを引き出してイオン注入するこ でも行うことができる。

 本発明に係る基板熱処理装置を用い、表 に注入領域を有する基板3を、注入領域側の 面を加熱ユニットBの放熱面2側に向けて基板 テージ1上に載置し、放熱面2からの輻射熱 基板2を加熱して熱処理を施す。このように て熱処理を行うと、非常に表面荒れの少な アニール処理が可能となる。注入領域とは トランジスタの形成や、コンタクトやチャ ネルなどの形成について行われる不純物の 入によって形成される領域をいう。

 (実施例1)
 4H-SiC(0001)基板上にCVDにてP型SiCエピタキシャ ル層を厚さ10μmで形成し、その上に窒素イオ を、室温で、ボックスプロファイルになる うに、多段で、注入量4×10 19 イオン/cm 3 、深さ220nmで注入した。このようにして得た 板サンプルに、図1~図5に示されるような本 明に係る基板熱処理装置を用いて熱処理を した。

 基板サンプルは、窒素イオンの注入面を上 (加熱ユニットBの放熱面2側)に向けて基板ス テージ1上に載置し、加熱ユニットBの放熱面2 と、基板サンプルの窒素イオンの注入面との 間隔を5mmとして、10 -4 Paの減圧雰囲気下1分間加熱してアニール処理 した。加熱時の放熱面2の温度は1900℃とした

 処理後の窒素イオンの注入面のシート抵 値と、AFMにより測定した、表面荒れの大き を示すRMS値とを表1に示す。

 (比較例1)
 実施例1と同じ基板サンプルを、加熱手段を 内蔵した、従来の板状の基板ホルダ上に、窒 素イオンの注入面を上側(基板ホルダとは反 側)にして載置し、実施例1と同様の減圧下で 1分間加熱して同様にアニール処理した。加 時の基板ホルダの温度は1900℃とした。

 処理後の窒素イオンの注入面のシート抵 値と、AFMを用いてダンピング方法により測 した(測定範囲:4μm×4μm)、表面荒れの大きさ を示すRMS値とを表1に示す。

 (比較例2)
 実施例1と同じ基板サンプルを、窒素イオン の注入面を下側(基板ホルダユニットAの基板 テージ1側)に向けて基板ステージ1上に載置 た。加熱ユニットBの放熱面2と、サンプル 窒素イオンの注入面との間隔は5mmとし、実 例1と同様の減圧下で1分間加熱して実施例1 同様にアニール処理した。加熱時の放熱面2 温度は1900℃とした。

 処理後の窒素イオンの注入面のシート抵 値と、AFMにより測定した、表面荒れの大き を示すRMS値とを表1に示す。

 表1から、本発明の基板加熱処理装置を用 いた熱処理によると、従来の一般的な装置に よる熱処理に比して、シート抵抗値、表面荒 れ共に改善されていることが分かる。また、 比較例2ではシート抵抗値が609ω/□と高くな 、窒素イオンの注入面の温度が充分に上昇 ていないことが分かる。

 (実施例2)
 4H-SiC(0001)基板上にCVDにてn型SiCエピタキシャ ル層を厚さ10μmで形成し、その上にアルミニ ムイオンを、500℃で、ボックスプロファイ になるように、多段で、注入量2×10 18 イオン/cm 3 、深さ800nmで注入した。このようにして得た3 インチSiC基板を基板サンプルとし、図1~図5に 示されるような本発明に係る基板熱処理装置 を用いて熱処理を施した。

 基板サンプルは、アルミニウムイオンの注 面を上側(加熱ユニットBの放熱面2側)に向け て基板ステージ1上に載置し、加熱ユニットB 放熱面2と、サンプルの窒素イオンの注入面 との間隔を5mmとして、10 -4 Paの減圧雰囲気下1分間加熱してアニール処理 した。加熱時の放熱面2の温度は1900℃とした

 処理後、CV法を用いてキャリアの活性化 を評価したところ、85%という理想的な高い を示し、基板サンプル面内での活性化率の らつきも5%以内と非常に小さいことが分った 。AFMを用いてダンピング方法により測定した (測定範囲:4μm×4μm)RMS値が0.6nmであり、1nm以下 でしかもステップバンチングもなく平坦なこ とが分った。また、アニール処理後の基板サ ンプルは、熱衝撃による割れやスリップなど の結晶性へのダメージも観測されなかった。 このときの1枚当りの処理時間は、載置から 熱、冷却、基板取り出しまでの時間を含め12 分であり、従来のロボット搬送を用いない装 置と比較して、スループットが約10倍に改善 れた。

 (実施例3)
 図1~図5に示されるような本発明に係る基板 処理装置を用いてアニール処理を行い、図7 に示すような断面形状を持つ、イオン注入に よるp n接合ダイオードを作製した。

 オフ角4°を持つn + 型4H-SiC(0001)基板上に5μmのnエピタキシャル層 犠牲酸化し、フッ酸処理した。その後、イ ン注入装置で、注入温度500℃、深さ350nmで 注入濃度3×10 20 /cm 3 となるように、注入エネルギー30keVから170keV 範囲で窒素を多段に注入した。このように て得たSiC基板を基板サンプルとし、図1~図5 示されるような本発明に係る基板熱処理装 を用いて熱処理を施した。

 基板サンプルは、イオン注入面を上側(加熱 ユニットBの放熱面2側)に向けて基板ステージ 1上に載置し、加熱ユニットBの放熱面2と、サ ンプルの窒素イオンの注入面との間隔を5mmと して、10 -4 Paの減圧雰囲気下1分間加熱してアニール処理 した。加熱時の放熱面2の温度は1700℃、1800℃ 及び1900℃とした。

 アニール処理を行った基板サンプルの表 平坦性を評価するために、アニール処理前 、上記各温度でのアニール処理後のサンプ について、AFMのダンピングモードにて、測 領域4μm×4μmの範囲でRMS値を測定した。測定 したRMS値を表2に示す。

 次いで、アニール処理を施した各サンプル ついて、犠牲酸化を行い、フッ酸洗浄を行 、表面変質層の除去を行った。更に、酸化 素のパターニングを行った後、CF 4 +Ar混合ガスにて、RIE(リアクティブイオンエ チング)装置を用い、SiC層を直径100μm、深さ1 μmエッチングすることで、メサを形成した。

 次に、真空蒸着装置を用いて、チタン(Ti) を20nm、アルミニウム(Al)を100nm成膜し、アル ン(Ar)ガス雰囲気中のアニール炉で、900℃に 3分間アニールすることでオーミック電極を 形成した。

 得られたダイオードの特性の評価のため 室温にて「Keithley社製の4200」を用いて、電 密度-電圧特性を測定した。

 表2に示す通り、各基板サンプルのアニー ル処理後の表面平坦性は、1900℃にて1分間の ニールを行った後でも、RMnmとほぼ同程度の 小さい値を示しており、非常に平坦であるこ とが分った。

 図8にアニール温度が1700℃、1800℃、1900℃の ときのp + nダイオードの電流密度-電圧特性を示す。

 順方向電圧0Vから2Vにおいて、アニール温度 が1700℃と1800℃では大きなリーク電流密度が 定された。また、逆方向電圧領域では、ア ール温度1700℃と1800℃では10 -4 アンペア台という大きなリーク電流密度が測 定された。

 一方、アニール温度1900℃においては、逆方 向電圧領域では、殆どリーク電流密度が測定 されず、順方向電圧領域でも10 -6 アンペア台という非常に小さなリーク電流密 度しか測定されなかった。これは、pn接合界 のイオン注入による結晶欠陥が、アニール 度1900℃という高温処理によって消失したも のと考えられる。

 このように、本発明の基板熱処理装置を用 ることで、非常に良好なp + -n接合ダイオードの製作が可能となった。こ ようなpn接合は、pn接合ダイオードばかりで はなく、電界効果型トランジスタ(MOS-FET)、接 合型トランジスタ(J-FET)、MES-FET、バイポーラ トランジスタ(BJT)にも利用されており、こ らSiCを用いた電子デバイスの特性を改善し 大幅な生産性の改善が図られることにつな る。

 このように本発明によれば、効率よく短 間で基板を均一に高温に加熱し、短時間で 却でき、ロボットアームへのダメージなく 板を搬送することができ、2000℃付近の超高 温プロセスにおいても、実用的なスループッ トを実現できるようなった。

 以上、本発明の好ましい実施形態を添付 面の参照により説明したが、本発明はかか 実施形態に限定されるものではなく、請求 範囲の記載から把握される技術的範囲にお て種々な形態に変更可能である。

 本発明は上記実施の形態に制限されるも ではなく、本発明の精神及び範囲から離脱 ることなく、様々な変更及び変形が可能で る。従って、本発明の範囲を公にするため 、以下の請求項を添付する。

 本願は、2007年9月3日提出の日本国特許出 特願2007-227449を基礎として優先権を主張す ものであり、その記載内容の全てを、ここ 援用する。