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Patent Searching and Data


Title:
SUN VISOR FOR VEHICLE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/054308
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] To provide a technology contributive to a measure against strange sound at the fitting portion between a pin and a hole during rotation of the sun visor body in a sun visor for a vehicle. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] In a sun visor for a vehicle where the sun visor body (103) is constituted by fitting a joint pin and a boss hole thereby joining two shell constituent bodies (103A, 103B) mutually, and then supported rotatably by an arm (105), the sun visor body (103) has a spring member (129) for imparting resistance to rotation for the arm (105). When the sun visor body (103) rotates about the longer axis of the arm, the two shell constituent bodies (103A, 103B) are moved in the direction separating from each other or in the direction approaching each other by bending of the shell constituent body based on the rotational resistance of the spring member (129) to cause relative movement of the joint pin (113A) and the boss hole (115aA), thus forming an irregular part on the contact surface which reduces resistance at the contact portion and suppresses generation of a strange sound.

Inventors:
SUZUKI HIROMOTO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/068739
Publication Date:
April 30, 2009
Filing Date:
October 16, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KYOWA SANGYO CO LTD (JP)
SUZUKI HIROMOTO (JP)
International Classes:
B60J3/02; F16B5/07
Foreign References:
JP2003260739A2003-09-16
JP2003205739A2003-07-22
US7152901B22006-12-26
US6634696B12003-10-21
JPH09203430A1997-08-05
JPS62102044U1987-06-29
JPS51137094U1976-11-05
Attorney, Agent or Firm:
IWATA, Tetsuyuki et al. (4-8-13 Masaki, Naka-k, Nagoya-shi Aichi 24, JP)
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Claims:
 サンバイザ本体と、
 前記サンバイザ本体を車体に取り付けるアームと、
 前記サンバイザ本体に設けられ、前記アームに対する前記サンバイザ本体の回動を許容する接続部と、を有し、
 前記サンバイザ本体は、互いに接合されて当該サンバイザ本体を形成する二つのシェル構成体と、前記二つのシェル構成体の一方に形成された第1及び第2のピンと、前記二つのシェル構成体の他方に形成され、前記第1のピンに嵌合する孔、及び前記第2のピンに嵌合する孔と、を有し、前記第1及び第2のピンがそれぞれ対応する孔に嵌合することで2つのシェル構成体が固定状に接合される構成とされており、
 前記第1のピン及び当該第1のピンに嵌合する孔は、前記接続部に隣接して配置され、前記第2のピン及び当該第2のピンに嵌合する孔は、前記接続部から見て前記第1のピン及び当該第1のピンに嵌合する孔よりも離れて配置されており、
 前記接続部には、前記サンバイザ本体が前記アームの長軸回りに回動する際に、当該回動動作に抵抗を与えるバネ部材が取り付けられた車両用サンバイザであって、
 前記第1のピンと当該第1のピンに嵌合する孔の接触面の少なくとも一方に複数の凹状部ないし凸状部を形成することで前記第1のピンと孔の接触面積を低減して接触部の抵抗を減らし、
 前記サンバイザ本体が前記アームに対し回動する際に、前記接続部に作用する前記バネ部材の回動抵抗に基づく前記シェル構成部材の撓みによって、前記二つのシェル構成体が互いに離れる方向へ移動する際、及び互いに接近する方向に移動する際の、前記第1のピンと当該第1のピンに嵌合する孔との相対移動時の異音の発生を抑える構成としたことを特徴とする車両用サンバイザ。
 請求項1に記載された車両用サンバイザであって、
 前記複数の凹状部ないし凸状部は、ブラスト処理によって形成されていることを特徴とする車両用サンバイザ。
 請求項1に記載の車両用サンバイザであって、
 前記複数の凹状部ないし凸状部は、前記シェル構成体を成形型によって成形する際、当該成形型を用いてのシボ付け処理によって成形されていることを特徴とする車両用サンバイザ。
  請求項1に記載された車両用サンバイザであって、
 前記複数の凸状部は、前記第1のピン外表面と孔壁面との少なくとも一方に形成されたピン長軸方向に延びる周方向に複数のリブによって構成されることを特徴とする車両用サンバイザ。
Description:
車両用サンバイザ

 この発明は、二つのシェル構成体が互い 接合されることによってシェル構造のサン イザ本体が構成される車両用サンバイザに する。

 二つのシェル構成体が互いに接合されるこ でシェル構造のサンバイザ本体が構成され 形式の車両用サンバイザは、例えば特開2003 -205739号公報(特許文献1)に記載されている。 記公報に記載の車両用サンバイザでは、一 のシェル構成体に縁部に沿って複数の接合 ンを立設し、他方のシェル構成体には接合 ンと嵌合する孔付きのボス部を設定し、こ ら接合ピンとボス孔との嵌め合いによって つのシェル構成体が固定状に接合される構 である。
 ところで、サンバイザ本体は、アームを介 て車体に装着される。サンバイザ本体は、 受部を介してアームに取り付けられ、格納 置と使用領域(射光位置)との間で回動可能 されている。また軸受部には、サンバイザ 体を格納位置、及び使用領域での任意の位 に保持するべく、アームに対し当該アーム 挟み込むように付勢力を作用することによ てサンバイザ本体のアームに対する回動動 に抵抗を与えるためのバネ部材が備えられ いる。

 二つのシェル構成体がピンとボス孔との嵌 合いによって接合されることでサンバイザ 体が構成される車両用サンバイザの場合、 ンバイザ本体が格納位置と使用領域間で回 される際、軸受部の周辺領域において、バ 部材の反力によって二つのシェル構成体が いに離れる方向、及び近づく方向に移動(弾 性変形)する現象が生ずることがある。この うなシェル構成体の移動現象は、バネ部材 隣接する領域に在る接合ピンとボス孔間で 対移動を発生させる。そして当該接合ピン ボス孔との相対移動は、異音の発生という 象を引き起こす可能性がある。
 上記の異音対策として、例えば接合ピンと ス孔との接触面に潤滑剤を塗布するといっ ことが考えられるが、シェル構成体の組付 時に潤滑剤の塗布作業を実施することは、 造コストのアップを招くことになり、この でなお改良の余地がある。

特開2003-205739号公報

 本発明は、上記に鑑み、車両用サンバイ において、サンバイザ本体の回動時におけ ピンと孔との嵌合部に関する異音対策に資 る技術を提供することをその目的とする。

 上記課題を達成するため、本発明に係る車 用サンバイザの好ましい形態は、サンバイ 本体と、サンバイザ本体を車体に取り付け アームと、サンバイザ本体に設けられ、ア ムに対するサンバイザ本体の回動を許容す 接続部と、を有する。なお、本発明におけ 「接続部」は、典型的には、アームに対し 方向に相対回動可能に嵌合する軸受部がこ に該当する。なお接続部については、サン イザ本体に一体に設けられる態様、あるい 別部材として設けたものをサンバイザ本体 固定状に止着する態様のいずれも好適に包 する。
 本発明のサンバイザ本体は、互いに接合さ て当該サンバイザ本体を形成する二つのシ ル構成体によって構成される。二つのシェ 構成体の一方には、第1及び第2のピンが形 され、二つのシェル構成体の他方には、第1 ピンに嵌合する孔、及び第2のピンに嵌合す る孔が形成される。そして、第1及び第2のピ がそれぞれ対応する孔に嵌合することで二 のシェル構成体が固定状に接合され、これ よってサンバイザ本体が構成される。
 また、第1のピン及び当該第1のピンに嵌合 る孔は、接続部に隣接して配置され、第2の ン及び当該第1のピンに嵌合する孔は、接続 部から見て第1のピン及び当該第1のピンに嵌 する孔よりも離れて配置される。なお、本 明における「第1のピンと当該第1のピンに 合する孔」の組み合わせは、単一あるいは 数のいずれも好適に包含する。同様に、本 明における「第2のピンと当該第2のピンに嵌 合する孔」の組み合わせは、単一あるいは複 数のいずれも好適に包含する。
 接続部には、サンバイザ本体がアームの長 回りに回動する際に、当該回動動作に抵抗 与えるバネ部材が取り付けられる。

 本発明に係る車両用サンバイザの好ましい 態によれば、第1のピンと当該第1のピンに 合する孔の接触面の少なくとも一方に複数 凹状部ないし凸状部を形成することで第1の ンと孔の接触面積を低減して接触部の抵抗 減らす。これによって、サンバイザ本体が ームに対し回動する際に、接続部に作用す バネ部材の回動抵抗に基づくシェル構成体 撓みによって、二つのシェル構成体が互い 離れる方向へ移動する際、及び互いに接近 る方向に移動する際の、第1のピンと当該第 1のピンに嵌合する孔との相対移動時の異音 発生を抑える構成とした。
 本発明によれば、サンバイザ本体の回動時 おけるピンと孔との嵌合部に関する異音対 を合理的にかつ低コストで実現できる。

 本発明に係る車両用サンバイザの更なる 態によれば、複数の凹状部ないし凸状部は ブラスト処理によって形成されている。な 、本発明における「ブラスト処理」とは、 付け手法を問わず、小さな粒状の研磨材と ての、例えば金属粒、砂粒、ガラス粒等を ン外表面あるいは孔壁面に衝突させて無数 凹状部ないし凸状部を形成する処理がこれ 該当する。本発明によれば、ピンの外表面 孔の壁面との少なくとも一方に梨地状の無 の凹凸を容易に形成することができる。

 本発明に係る車両用サンバイザの更なる 態によれば、複数の凹状部ないし凸状部は シェル構成体を成形型によって成形する際 当該成形型を用いてのシボ付け処理によっ 成形されている。なお、本発明における「 ボ付け処理」とは、成形型のピン成形部ま は孔成形部の表面に無数の凹凸を加工する すなわちシボ付けし、当該シボ付けされた 形型を用いて成形することがこれに該当す 。本発明によれば、シェル構成体を成形す 際、ピンの外表面と孔の壁面との少なくと 一方に無数の凹状部ないし凸状部を同時に 形できる。このため、生産性の向上を図る で有効となる。

 本発明に係る車両用サンバイザの更なる 態によれば、複数の凸状部は、第1のピン外 表面と孔壁面の少なくとも一方に形成された 、ピン長軸方向に延びる周方向に複数のリブ によって構成されている。本発明によれば、 成形型を用いてシェル構成体を成形する際に 複数のリブを同時に成形できる。このため、 生産性の向上を図る上で有効となる。

 本発明によれば、車両用サンバイザにお て、サンバイザ本体の回動時におけるピン 孔との嵌合部に関する異音対策に資する技 が提供されることとなった。

 以下、本発明の実施形態に係る車両用サ バイザにつき、図1~図8を参照しつつ説明す 。図1には本実施の形態に係る車両用サンバ イザの全体構成が示される。本実施の形態に 係る車両用サンバイザ101は、図1に示すよう 、概括的に見て、サンバイザ101の外形を構 するサンバイザ本体103、サンバイザ本体103 車両に装着するための円形断面の支軸105、 び便宜上図示を省略する取付ブラケットを 体として構成されている。サンバイザ本体10 3は、本発明における「サンバイザ本体」に 応し、支軸105は、本発明における「アーム に対応する。支軸105は、概ね鉛直方向に延 る縦軸部105aと、概ね水平方向に延びる横軸 105bを備えた略L字状に形成されるとともに 横軸部105bがサンバイザ本体103における上縁 の一方の隅部に相対回動自在に取り付けら る。支軸105の縦軸部105aは、取付ブラケット を介して車室天井面の前側隅部に回動自在に 装着される。

 サンバイザ本体103は、支軸105の横軸部105b に、軸受部127を介して当該横軸部105bの長軸 りに回動可能に装着される。軸受部127は、 発明における「接続部」に対応する。なお 説明の便宜上、図1において、横軸部105bの長 軸方向を左右方向、縦軸部105aの長軸方向を 下方向、横軸部105bの長軸方向と交差する水 方向(サンバイザ本体103の厚み方向)を前後 向という。

 サンバイザ本体103は、便宜上図示を省略 るが、支軸105の横軸部105bの長軸回りに回動 することで、車室の天井面に沿うように置か れる格納位置と、フロントガラス側へと回動 される使用領域(遮光領域)との間での位置変 が可能とされ、縦軸部105aの長軸回りに回動 することで、フロントガラス側のフロント位 置とサイドガラス側のサイド位置との間での 位置変更が可能とされる。

 サンバイザ本体103は、上縁部の自由端側 は、サポート軸109を有する。このサポート 109は、車室の前側天井面に装着される、便 上図示を省略するフックによって保持され 。これによって、サンバイザ本体103がフロ ト側位置に置かれた状態で、格納位置から 用領域へあるいは使用領域から格納位置へ 位置変更されるときの、サンバイザ本体103 回動動作の安定化が図られている。

 本実施の形態に係るサンバイザ本体103は 図2と図4に示す二つの本体構成部材103A,103B 前後方向(厚み方向)において互いに対向状に 接合することで中空状のシェル構造として構 成されるとともに、その外表面が表皮によっ て覆われる。そしてサンバイザ本体103の中空 状の内部空間には、支軸105の横軸部105bに対 るサンバイザ本体103の回動動作を許容する 受部127が設けられる。本体構成部材103A,103B 、本発明における「シェル構成体」に対応 る。なお、本体構成部材103A,103Bは、成型金 を用いての樹脂成形によって概ね横長矩形 所定形状に形成されている。

 図2はサンバイザ本体103が使用領域に置か れた状態での車両前方側に置かれる前側の本 体構成部材103Aを内側から見た図であり、図3 図2におけるA部を拡大して示す斜視図であ 。また、図4はサンバイザ本体103が使用領域 置かれた状態での車両後方側(乗員と対向す る側)に置かれる後側の本体構成部材103Bを内 から見た図であり、図5は図4におけるB部を 大して示す斜視図である。また、図6及び図 7は図1のC-C線に基づく断面図であり、図6はサ ンバイザ本体103が格納位置に置かれた状態を 示し、図7はサンバイザ本体の格納位置から 用領域に向っての回動時(途中状態)を示して いる。また、図8は図7におけるD部を拡大した 状態の模式図である。

 二つの本体構成部材103A,103Bは、一方(本実 施の形態では前側)の本体構成部材103Aに、当 本体構成部材103Aと一体に形成された複数の 接合ピン113と、他方(本実施の形態では後側) 本体構成部材103Bに、当該本体構成部材103B 一体に形成された複数のボス部115のボス孔11 5aとの嵌め合いによって接合される構成とさ る。複数の接合ピン113及びボス部115は、本 構成部材103A,103Bの周縁部に、互いに対応す ように適宜間隔で設定されており、接合ピ 113がボス部115のボス孔115aに嵌入されること によって二つの本体構成部材103A,103Bが固定状 に接合される。なお、接合ピン113及びボス部 115は、本体構成部材103A,103Bに形成された補強 用としてのリブ103a,103b上に形成されている。

 軸受部127は、図2及び図3に示す前側の本 構成部材103Aにおける上縁部の一方の隅部内 側に、当該本体構成部材103Aと一体に形成さ れた左右の円環部127aと、図4及び図5に示す後 側の本体構成部材103Bにおける上縁部の一方 隅部内面側に、当該本体構成部材103Bと一体 形成された左右の円環部127bとを主体として 構成される。各左右の円環部127a,127bは、円形 の貫通孔を有するとともに、左右方向(横軸 105bの長軸方向)に所定の間隔を置いて形成さ れている。そして、二つの本体構成部材103A,1 03Bが互いに接合された状態では、前側の本体 構成部材103A側の円環部127aと、後側の本体構 部材103B側の円環部127bは、横軸部105bの長軸 上で互いに隣接した状態で同心状に位置決 される。このように、同心状に位置決めさ た複数の円環部127a,127bの貫通孔に支軸105の 軸部105bが挿入されて相対回動自在に支持さ れる。この状態が図1に示される。

 また軸受部127は、横軸部105bに付勢力を作 用させるためのバネクリップ129(図6及び図7参 照)を装着するべく、一方(本実施の形態では 前側)の本体構成部材103A側にクリップ保持 128を備えている(図2,3及び図6,7参照)。バネク リップ129は、本発明における「バネ部材」に 対応する。クリップ保持部128は、上下方向に 貫通する略方向状の角孔を有する構成とされ 、前側の本体構成部材103Aにおける左右の円 部128b間の下方位置に、当該本体構成部材103A と一体に形成されている。

 バネクリップ129は、サンバイザ本体103が格 位置と使用領域間で回動される際に、当該 動動作に対して抵抗を与えるべく設けられ 。バネクリップ129は、図6及び図7に示すよ に、上下方向に長い略長円形状に曲げられ 板バネからなり、その上部側が、横軸部105b 径方向外側から挟み付けることで付勢力を 用する挟持部129aとされ、当該挟持部129aに って軸受部127(サンバイザ本体103)と横軸部105 b間の相対的な回動動作に対し所定の大きさ 抵抗を与えるように構成される。
 バネクリップ129は、左右の円環部127a,127bに いて、挟持部129aが横軸部105bに径方向(上方) から被さるように嵌め込まれるとともに、当 該挟持部129aから延びる脚部(下部側)129bがグ ップ保持部128の角孔に弾発状に挿入される そして、外側端部(板バネの一端)が角孔の段 差に対し挿入方向と反対方向から係止するこ とによって抜け止めされる。

 横軸部105bには、図6及び図7に示すように ネクリップ129の挟持部129aと接触する領域に は、周方向の一部に平坦状の切欠部105cが形 されている。切欠部105cは、サンバイザ本体1 03が使用領域から格納位置へと回動されて所 の中間位置に達したときに、バネクリップ1 29の挟持力が軸受部127(サンバイザ本体103)に して格納位置に向って強制的に回動させる ルクとして付与されるように設定されてい 。

 上記のように構成されるサンバイザ101にお ては、乗員がサンバイザ本体103における支 105と反対側の端部に手指を添えて当該サン イザ本体103を格納位置と使用領域との間で 動させるとき、バネクリップ129に対してク ップ保持部128から横軸部105bの軸線周りに回 動させようとする力、すなわち回動力が入力 される。バネクリップ129の挟持部129aは、横 部105bを挟み付けることで回動に対する抵抗( 付勢力)を付与しているため、当該回動力に づきサンバイザ本体103に撓みが生ずる可能 がある
。例えば、図6に示すように、格納位置に置 れたサンバイザ本体103が、当該格納位置か 使用領域へと(図示矢印方向に)回動される際 、上記のバネクリップ129の回動抵抗に基づき 前側の本体構成部材103Aが横軸部105bを支点に て撓み(弾性変形し)、これにより前側の本 構成部材103Aと後側の本体構成部材103Bが互い に近づく方向へと相対的に移動する。この状 態が図7に示される。そして乗員が回動動作 止めると、前側の本体構成部材103Aの撓みが 元して概ね図6に示す状態に戻る。すなわち 、前側の本体構成部材103Aと後側の本体構成 材103Bが互いに近づく方向へと相対的に移動 る。なお、サンバイザ本体103を使用領域か 格納位置へと回動させる場合には、後側の 体構成部材103Bが横軸部105bを支点にして撓 ことによって前側の本体構成部材103Aと後側 本体構成部材103Bとの間に相対移動が生ずる ことになる。

 そして上記のようにして、前側の本体構成 材103Aと後側の本体構成部材103Bが互いに近 く方向に相対移動した場合には、接合ピン11 3がボス部115のボス孔115aに挿入する方向に移 し、前側の本体構成部材103Aと後側の本体構 成部材103Bが互いに離れる方向に移動したと には、接合ピン113がボス孔115aから抜け出る 向に移動する。そしてこのような接合ピン1 13とボス孔115aの相対移動は、擦れによる異音 を発生する可能性がある。なお、この相対移 動については、接合ピン113Aとボス115との軸 向の隙間が、図6に示す隙間aよりも図7に示 隙間bが小さくなっていることで表わしてい 。
 このような現象は、本体構成部材103A,103Bに 定される接合ピン113とボス孔115aのうち、バ ネクリップ129に隣接して配置される接合ピン 113Aとボス孔115aAについて発生し、バネクリッ プ129から見て隣接する接合ピン113Aとボス孔11 5aAよりも離れた位置に配置される接合ピン113 とボス孔115aについては発生しない。すなわ 、バネクリップ129の回動抵抗に基づく前側 本体構成部材103Aあるいは後側の本体構成部 103Bの撓みによって前側と後側の本体構成部 材103A,103B間の生ずる相対的な移動は、バネク リップ129の周辺に発生していると考えられる 。

 そこで、本実施の形態においては、二つ 本体構成部材103A,103Bを接合する複数の接合 ン113と、当該接合ピン113が嵌合するボス孔1 15aのうち、バネクリップ129の周辺に位置する 複数(本実施の形態では2個)の接合ピン113Aと 当該接合ピン113Aが嵌合するボス孔115aAにつ て異音対策を実施した。

 本実施の形態では、異音対策のために、 3及び図5に示す軸受部127を挟んで左側と右 に配置される各一個の接合ピン113Aの外表面 、当該接合ピン113Aが嵌合するボス孔115aAの 面に無数の凹凸部を設定している。図8の模 式図において、凹部が符号A1によって示され 凸部が符号A2によって示される。凹部A1が本 発明における「凸状部」に対応し、凸部A2が 発明における「凸状部」に対応する。すな ち、本実施の形態においては、接合ピン113A の外表面と、当該接合ピン113Aが嵌合するボ 孔115aAの壁面に、それぞれ無数の凹凸部を設 定することによって、ピン外表面とボス孔壁 面相互間の接触面積を減らし、接触部の摩擦 係数を低下する構成とした。凹凸部が設定さ れた接合ピン113Aとボス孔115aAが、本発明にお ける「第1のピンと孔」に対応し、凹凸が設 されていない接合ピン113とボス孔115aが、本 明における「第2のピンと孔」に対応する。

 本実施の形態によれば、上記のように、 合ピン113Aの外表面とボス孔115aAの壁面の凹 部を設定し、接触部の摩擦係数を低下した 成としている。このため、サンバイザ本体1 03の回動時にバネクリップ129の周辺において 当該バネクリップ129の回動抵抗に基づく前 の本体構成部材103Aあるいは後側の本体構成 部材103Bの撓みによって前側と後側の本体構 部材103A,103Bが互いに離れる方向あるいは近 く方向に移動し、それに伴い接合ピン113Aと ス孔115aA間で軸方向に相対移動が生じたと ても、当該相対移動による異音の発生を抑 ることが可能となった。従って、例えば接 ピンとボス孔に潤滑剤を塗布することで異 の発生を抑える手法に比べて、異音の発生 止を合理的にかつ低コストで実現できる。

 なお、サンバイザ本体103を構成する前側 び後側の本体構成部材103A,103Bは、成型金型 用いての樹脂成形加工によって所定形状に 形され、当該成形時に接合ピン113及びボス 115a付きのボス部115が成形される。そして接 合ピン113Aの外表面及びボス孔115Aの壁面に設 される凹凸部については、例えばシボ付け れた成形金型を用いてシボ付け処理を施す とで構成される。このように、シボ付け処 によって凹凸部を形成する構成としたとき 、本体構成部材103A,103Bを成形する際、接合 ン113Aの外表面及びボス孔115Aの壁面に梨地 の無数の凹凸部を同時形成できるため、こ によって生産性の向上を図ることができる

 また、成形金型を用いてのシボ付け処理 、成形金型の構造上、シボ付けが困難な場 がある。このことに鑑み、シボ付け処理と 等の効果が見込まれるブラスト処理を施す いう手法を用いることにより、接合ピン113A の外表面及びボス孔115Aの壁面に梨地状の無 の凹凸部を設定することが可能である。な 、ブラスト処理とは、樹脂成形加工後にお て、小さな粒状の研磨材あるいは類似のも を接合ピン113A及びボス孔115aAの表面に吹き けて(打ち付けて)加工することをいう。例え ば、羽根車の遠心力により研磨材を吹き付け るショットブラスト、圧縮空気により研磨材 を吹き付けるエアブラスト、特に研磨材とし て砂を吹き付けるサンドブラスト等を適宜に 用いることが可能である。

 また、接合ピン113A及びボス孔115Aの表面 設定される凹状部あるいは凸状部について 、上記のような無数の凹凸部によって形成 る構成に限られない。例えば、図9に示す構 、すなわち接合ピン113Aの外表面(あるいは ス孔115aAの壁面)に軸方向に延びる周方向に 数のリブA3を設け、これによってピン外表面 とボス孔壁面に関する接触部の摩擦係数を低 下する構成としてもよい。このような構成を 採用したときは、成形金型を用いて本体構成 部材103A,103Bを成形する際に複数のリブA3を同 に成形できるため、生産性の向上を図る上 有効となる。

 なお、接合ピン113Aの外表面とボス孔115Aの 面に設定される凹凸部については、必ずし 両方である必要はなく、いずれか一方に設 すれば足りる。また、本実施の形態では、 受部127を挟んで左側と右側の各一個の接合 ン113Aと、これに嵌合するボス孔115aAにつき 接触部の摩擦係数を低下するための凹凸部 加工処理を施すとしたが、凹凸部の加工処 を施す対象個数は、これに限られない。
 また、本実施の形態では、サンバイザ本体1 03が格納位置と使用領域間で回動される際に 当該回動動作に対して抵抗を与えるべく設 られるバネクリップ129につき、上下方向に い略長円形状に曲げられた板バネからなり 横軸部105bを径方向外側から挟み付けること で付勢力を作用する挟持部129aを有する形式 場合で説明したが、この形式のバネクリッ に限定しない。すなわち、横軸部105bの外面 径方向から当接して所定の弾発力を作用す ことによって回動抵抗を付与する形式のバ クリップであっても構わない。

本発明の実施の形態に係る車両用サン イザの全体構成を示す正面図である。 前側の本体構成部材を内面側から見た 面図である。 図3におけるA部の拡大斜視図である。 後側の本体構成部材を内面側から見た 面図である。 図4におけるB部の拡大斜視図である。 図1におけるC-C線に基づく断面図であり 、サンバイザ本体が格納位置に置かれた状態 を示す。 図1におけるC-C線に基づく断面図であり 、サンバイザ本体の回動動作の途中状態を示 す。 図6のD部における凹凸部を示す模式図 ある。 凹状部あるいは凸状部に関する本発明 変更例を示す模式図である。

符号の説明

101 車両用サンバイザ
103 サンバイザ本体
103A 前側の本体構成部材(シェル構成体)
103B 後側の本体構成部材(シェル構成体)
103a リブ
103b リブ
105 支軸
105a 縦軸部
105b 横軸部
105c 切欠部
109 サポート軸
113 接合ピン(第2のピン)
113A 接合ピン(第1のピン)
115 ボス部
115a ボス孔(孔)
115aA ボス孔(孔)
127 軸受部
127a 円環部
127b 円環部
128 クリップ保持部
129 バネクリップ(バネ部材)
129a 挟持部
129b 脚部
A1 凹部(凹状部)
A2 凸部(凸状部)
A3 リブ(凸状部)