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Patent Searching and Data


Title:
SURFACE ACOUSTIC WAVE ATOMIZER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2010/047110
Kind Code:
A1
Abstract:
With the surface acoustic wave atomizer, a liquid is fed reliably at a constant quantity each time to an atomizing area on a substrate surface while distribution of the liquid on the substrate surface is also limited, and reliable, efficient atomizing and limited degradation such as of interdigital electrodes are realized using a simple configuration. The atomizer (1) is provided with a piezoelectric substrate (3) that has a pattern electrode (2) on the surface (S) and a liquid feed member (4) that feeds a liquid (M) to the surface (S), and the liquid (M) fed to the surface (S) is atomized by an surface acoustic wave (W). A tiny gap (11) is provided in an area (A1) intended to hold and guide the liquid (M) between the liquid feed member (4) and the surface (S) of the piezoelectric substrate (3), a large gap (12) is provided in an area (A2) not intended to feed the liquid (M). The liquid (M) is fed to an atomizing area (30) in an area away from the pattern electrode (2) on the surface (S) of the piezoelectric substrate (3) using the difference in surface tension produced by the gap sizes. The liquid (M) can be fed reliably by the tiny gap (11), and the distribution of the liquid (M) can be limited by the large gap (12).

Inventors:
ISHIGAMI YOUHEI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/005534
Publication Date:
April 29, 2010
Filing Date:
October 22, 2009
Export Citation:
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Assignee:
PANASONIC ELEC WORKS CO LTD (JP)
ISHIGAMI YOUHEI (JP)
International Classes:
B05B17/06; F24F6/12
Domestic Patent References:
WO1997005960A11997-02-20
Foreign References:
JP2004190537A2004-07-08
JP2003136005A2003-05-13
JPH11207224A1999-08-03
JPH07232114A1995-09-05
JP2003071343A2003-03-11
JP2008104966A2008-05-08
Other References:
See also references of EP 2338609A4
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Claims:
 高周波電圧の印加によって弾性表面波を励振するパターン電極を表面に有する圧電基板と、前記圧電基板の表面に液体を供給する液体供給手段と、を備え、前記液体供給手段によって前記圧電基板の表面に供給される液体を前記表面に生成される弾性表面波によって霧化する弾性表面波霧化装置において、
 前記液体供給手段は、前記圧電基板の表面に対向して配置された液供給部材を有し、前記液供給部材と前記圧電基板の表面との部材間にあって、液体を保持して誘導したい領域には微小ギャップを設け、液体を供給したくない領域には前記微小ギャップよりも大きいギャップを設け、前記部材間ギャップの大小による液体の表面張力差を利用して液体を前記圧電基板の表面における前記パターン電極から離間した領域にある霧化領域に供給することを特徴とする弾性表面波霧化装置。
 前記微小ギャップは、前記圧電基板の表面に対向する前記液供給部材の表面を粗化して成る凹凸によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の弾性表面波霧化装置。
 前記微小ギャップは、前記圧電基板の表面であって前記弾性表面波が励振されない領域に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の弾性表面波霧化装置。
 前記圧電基板を裏面から支持する支持プレートを備え、
 前記支持プレートは、前記圧電基板の表面における前記パターン電極が形成されている領域と前記部材間ギャップが形成されている領域とを互いに離間させる領域の裏面に間隙を形成するように設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の弾性表面波霧化装置。
 前記パターン電極に電圧を印加するための電極ピンを有して前記圧電基板上に装着される接点治具を備え、
 前記接点治具は、前記圧電基板の表面に対して前記パターン電極側から見て該パターン電極に近い側に大きいギャップ、遠い側にこの大きいギャップよりも小さいギャップが形成されるように構成され、前記パターン電極と霧化領域とを離間させていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の弾性表面波霧化装置。
Description:
弾性表面波霧化装置

 本発明は、弾性表面波を用いた霧化装置 関する。

 従来、弾性表面波が伝搬している圧電材 などの基板表面に液体を供給すると、液体 弾性表面波のエネルギを受け取って流動し り振動したりして微小粒子となって飛翔す 現象が知られている。この現象を利用して 体を霧化する装置が種々提案されている。 化の原理として、例えば、基板表面を伝搬 ている弾性表面波(レイリー波)が、液体内 に進入してその表面を伝搬する表面張力波( ャピラリ波)となり、その結果、液体の表面 から霧が発生する、などの説明がなされてい る。

 このような霧化装置における弾性表面波 、圧電基板の表面に形成した交差指電極に 周波電力を投入して励振される。交差指電 は電気部品であり、交差指電極が液体によ て短絡したり錆びて劣化したりする不具合 ら保護する必要がある。また、エネルギ効 良く安定に霧化させるには、液体を所定の 化領域に一定量ずつ安定に誘導(搬送)して 給することが必要である。このような液体 給の一手法として、液体の表面張力や毛細 現象を利用することが考えられる。

 例えば、弾性表面波を用いるものではな が、縦振動モードの超音波振動をする円板 の振動板の表面に液体を供給して霧化する 霧ヘッドが知られている(例えば、特許文献 1参照)。この噴霧ヘッドにおける液体は振動 の周辺部に円筒管の折り曲げ部を近接配置 て形成した円環隙間から供給され、液体の 面張力によって液膜厚さが保持される。

 また、弾性表面波を励振する交差指電極 表面に有する圧電基板と、前記圧電基板の 面周縁部に配設されたスペーサと、霧の吐 口を有し前記スペーサを挟んで前記圧電基 の表面に対向して配設された液体供給板と よって、液体を保持する空間を形成して成 霧化装置が知られている(例えば、特許文献 2参照)。この霧化装置は、前記空間に連通す 液体導通路における毛細管現象によって液 を前記空間に供給する。

特開2003-71343号公報

特開2008-104966号公報

 しかしながら、上述した特許文献1に示さ れるような構成の噴霧ヘッドは、液体との接 触から保護すべき交差指電極などを備えてお らず、弾性表面波霧化装置における交差指電 極保護などの問題解決を示唆するものではな い。また、上述した特許文献2に示されるよ な霧化装置においては、液体を保持する空 が交差指電極の存在する表面位置に存在し おり、交差指電極の全面が、絶縁性の保護 または絶縁性の親液性膜を介して常に液体 隣接した構成となっている。つまり、交差 電極の保護は、ひとえに絶縁膜の信頼性に 存しており、好ましい構造とはいえない。

 本発明は、上記課題を解消するものであ て、簡単な構成により、液体を基板表面の 化領域まで一定量ずつ安定に誘導すると共 基板表面における液体の分布を制限するこ ができ、安定で効率の良い霧化および交差 電極等の劣化抑制を実現できる弾性表面波 化装置を提供することを目的とする。

 上記課題を達成するために、本発明は、 周波電圧の印加によって弾性表面波を励振 るパターン電極を表面に有する圧電基板と 前記圧電基板の表面に液体を供給する液体 給手段と、を備え、前記液体供給手段によ て前記圧電基板の表面に供給される液体を 記表面に生成される弾性表面波によって霧 する弾性表面波霧化装置において、前記液 供給手段は、前記圧電基板の表面に対向し 配置された液供給部材を有し、前記液供給 材と前記圧電基板の表面との部材間にあっ 、液体を保持して誘導したい領域には微小 ャップを設け、液体を供給したくない領域 は前記微小ギャップよりも大きいギャップ 設け、前記部材間ギャップの大小による液 の表面張力差を利用して液体を前記圧電基 の表面における前記パターン電極から離間 た領域にある霧化領域に供給するものであ 。

 ある好適な態様では、前記微小ギャップ 、前記圧電基板の表面に対向する前記液供 部材の表面を粗化して成る凹凸によって形 されている。

 ある好適な態様では、前記微小ギャップ 、前記圧電基板の表面であって前記弾性表 波が励振されない領域に形成されている。

 ある好適な態様では、前記圧電基板を裏 から支持する支持プレートを備え、前記支 プレートは、前記圧電基板の表面における 記パターン電極が形成されている領域と前 部材間ギャップが形成されている領域とを いに離間させる領域の裏面に間隙を形成す ように設けられている。

 ある好適な態様では、前記パターン電極 電圧を印加するための電極ピンを有して前 圧電基板上に装着される接点治具を備え、 記接点治具は、前記圧電基板の表面に対し 前記パターン電極側から見て該パターン電 に近い側に大きいギャップ、遠い側にこの きいギャップよりも小さいギャップが形成 れるように構成され、前記パターン電極と 化領域とを離間させている。

 本発明によれば、微小ギャップにおける 面張力によるほぼ一定の保持力によって液 を圧電基板表面の霧化領域まで一定量ずつ 定に搬送すると共に、大きいギャップによ て圧電基板表面における液体の分布を制限 ることができ、安定で効率の良い霧化およ 交差指電極等の劣化抑制を実現できる。

 前記微小ギャップが前記圧電基板の表面 対向する前記液供給部材の表面を粗化して る凹凸によって形成されている場合、微小 ャップの形成は液供給部材の表面を粗化す ばよく、大きいギャップは十分大きくすれ よいので、液供給部材の加工に要求される 法精度が緩和される。

 前記微小ギャップが前記圧電基板の表面 あって前記弾性表面波が励振されない領域 形成されている場合、液体を押し戻そうと る弾性表面波からの抵抗を受けることなく 算どおりに液体を霧化領域に誘導すること できる。

 前記支持プレートが前記圧電基板の表面 おける前記パターン電極が形成されている 域と前記部材間ギャップが形成されている 域とを互いに離間させる領域の裏面に間隙 形成するように設けられている場合、裏面 間隙が毛細管現象による液体の誘導を遮断 るので、圧電基板の裏面に液体が漏れ込ん としても、液体が裏面を伝ってパターン電 が形成されている領域に達するということ なく、パターン電極のショートや劣化など 不具合を防止できる。

 前記接点治具が前記圧電基板の表面に対 て前記パターン電極側から見て該パターン 極に近い側に大きいギャップ、遠い側に前 大きいギャップよりも小さいギャップが形 されるように構成され、前記パターン電極 霧化領域とを離間させている場合、パター 電極前の大小のギャップによって、パター 電極への液体の接近を防止できるので、パ ーン電極のショートや劣化などの不具合を 止できる。

(a)は本発明の第1の実施形態に係る弾性 表面波霧化装置の斜視図、(b    )は(a)の断 図。 同上装置の一部破断した分解斜視図。 同上装置の変形例を示す斜視図。 第2の実施形態に係る弾性表面波霧化装 置の断面分解図。 第3の実施形態に係る弾性表面波霧化装 置の一部分解斜視図。 (a)は同上装置の平面図、(b)は(a)のB-B線 面図。 第4の実施形態に係る弾性表面波霧化装 置の一部分解斜視図。 (a)は同上装置の断面図、(b)は同平面。 第5の実施形態に係る弾性表面波霧化装 置の斜視図。 同上装置の断面図。

 (第1の実施形態)
 以下、本発明の実施形態に係る弾性表面波 化装置について図面を参照して説明する。 1(a)(b)、図2は第1の実施形態に係る弾性表面 霧化装置を示す。弾性表面波霧化装置1は、 高周波電圧の印加によって弾性表面波Wを励 するパターン電極2を表面Sに有する圧電基板 3と、圧電基板3の表面Sにおける霧化領域30に 体Mを供給するための液供給部材4と、パタ ン電極2に電圧を印加するための電極ピン51 有してパターン電極2の上方から圧電基板3上 に装着される接点治具5と、圧電基板3を下方 ら支持する基礎部材である支持プレート6と 、を備え、液供給部材4によって圧電基板3の 面Sに供給される液体Mを表面Sに生成される 性表面波Wによって霧化する。液供給部材4 、不図示の液体容器などと共に液体供給手 を構成する。液供給部材4は、毛細管現象に って液体Mを保持して誘導する部材間ギャッ プを圧電基板3の表面Sに形成して液体Mを霧化 領域30に供給する。以下、各構成を詳細説明 る。

 パターン電極2は、圧電基板3の表面Sに2つ の櫛形の電極を互いに噛み合わせて形成した 電極(交差指電極、IDT:インター・ディジタル トランスジューサ)である。パターン電極2 互いに隣り合う櫛の歯は互いに異なる電極 属し、励振する弾性表面波Wの波長の半分の さのピッチで配列されている。パターン電 2の2つの櫛形電極に高周波電圧印加用の電 回路Eから高周波(例えば、MHz帯)電圧を印加 ることにより、櫛形電極によって電気的エ ルギが波の機械的エネルギに変換されて、 電基板3の表面Sにレイリー波と呼ばれる弾性 表面波Wが励振される。励振された弾性表面 Wの振幅は、パターン電極2に印加する電圧の 大きさで決まる。励振された弾性表面波Wの 束の長さは、電圧の印加時間の長さに対応 る。パターン電極2によって励振された弾性 面波Wは、一対の櫛形電極の歯が交差した幅 に対応する幅の波となって、櫛の歯に垂直な 方向xに伝搬する。このような弾性表面波Wは 表面Sに存在する液体に対して、弾性表面波 Wの伝搬方向に移動させるような力を及ぼす 質がある。また、櫛形電極は、方向xの正負 方向に伝搬する弾性表面波を生成するので 負方向に向かう弾性表面波を全反射させて 効利用する反射器を備えてもよい。

 圧電基板3は、例えば、LiNbO3(ニオブ酸リ ウム)のような圧電体そのものからなる基板 ある。また、圧電基板3は、非圧電基板の表 面に圧電薄膜、例えば、PZT薄膜(鉛、ジルコ ューム、チタン合金薄膜)を形成したもので よい。その表面の圧電体薄膜の表面部分に いて、弾性表面波Wが励振される。従って、 圧電基板3は、弾性表面波が励振される圧電 部分を表面に備えた基板であればよい。

 本実施形態における圧電基板3は、長方形 の板状に形成されている。圧電基板3の長手 向の一端側(図の右方側)にパターン電極2が 成され、他端側から方向yに沿って中央に向 て液体Mが誘導される。圧電基板3の中央部 近に液体Mが微粒子となって飛散する霧化領 30が設定されている。つまり、圧電基板3上 おける液体Mの供給位置および霧化領域30は 弾性表面波Wを励振するパターン電極2の位 から弾性表面波Wの伝搬方向(方向x)側に離間 た位置に設定されている。また、圧電基板3 は、支持プレート6に形成された凹部に、互 の表面が面一となるように載置されている 載置された圧電基板3は、2本のネジ(不図示) 用いて支持プレート6に固定された接点治具 5によって、支持プレート6に固定されている 接点治具5の圧電基板3との対向面には、弾 表面波Wの励振と伝搬を妨げないように凹部5 0が形成されている。

 液供給部材4は、略直方体の部材であって 、圧電基板3の上方から圧電基板3の表面Sに対 向して配置され、2本のネジ(不図示)を用いて 支持プレート6に固定されている。液供給部 4の下面40(圧電基板3に対する対向面)には、 電基板3の長手方向(方向y)に沿った2本の溝部 42が形成され、その溝部42に挟まれた領域の 41は、下面40よりも後退した面とされている このような液供給部材4が支持プレート6に 置されることにより、面41と圧電基板3の表 Sとによって微小ギャップ11が形成され、溝 42と圧電基板3の表面Sとによって大きいギャ プ12が形成される。圧電基板3の表面Sにおけ る微小ギャップ11が形成される領域A1(図2)は 液体Mを保持して誘導する領域であり、大き ギャップ12が形成される領域A2は、液体Mを 導させない領域である。微小ギャップ11は、 例えば、0.1~0.3μm程度の間隙である。また、 きいギャップ12は、例えば、300~500μm程度の 隙である。

 領域A1に対する液体Mの供給は、領域A1の 向y側とは反対側の端部Pから行われる。端部 Pへの液体Mの供給は、液体Mの滴下や、別途の 部材により形成した微小隙間や多孔質材材料 や繊維材料などによる毛細管現象により行う ことができる。

 上述の液供給部材4は、言い換えると、液 体Mを保持して誘導したい領域には微小ギャ プ11を設け、液体Mを供給したくない領域に 大きいギャップ12を設け、部材間ギャップの 大小による液体Mの表面張力差を利用して液 Mを圧電基板3の表面Sにおけるパターン電極2 ら離間した領域にある霧化領域30に供給す ものである。領域A1の方向y側の端部に液体M 出てくることになり、その方向yの前方領域 が霧化領域30となる。液体Mは、領域A1の前周 に表面張力によって形を保持して液面を露 させるが、霧化領域30側においては霧化に って消費されるので、次々と液体Mが供給さ ることになる。

 本実施形態の弾性表面波霧化装置1によれ ば、微小ギャップ11における表面張力による ぼ一定の保持力によって液体を圧電基板表 Sの霧化領域30まで一定量ずつ安定に搬送す と共に、大きいギャップ12によって圧電基 表面Sにおける液体Mの分布を制限することが でき、安定で効率の良い霧化および交差指電 極等の劣化抑制を実現できる。なお、圧電基 板表面Sに霧化されない液体Mが液滴などのよ に存在すると、大電力による霧化の場合は もかく、低電力による霧化の場合に、液滴 よって弾性表面波Wのエネルギが吸収されて 霧化が停止するか不安定な動作となる。本実 施形態の弾性表面波霧化装置1は、微小ギャ プ11の効果により液滴発生が防止され、低電 力であっても安定に霧化することができる。 微小ギャップ11による液体Mの保持と誘導は、 高周波電気回路におけるマイクロストリップ 線路による導波路の概念に通じるものがある 。つまり、圧電基板3の表面Sに微小ギャップ1 1による線路(領域A1による線路)を所望の形状 形成することにより、液体Mを線路から漏洩 させることなく所望の位置に誘導することが できる。

 図3は、本実施形態の弾性表面波霧化装置 1の変形例を示す。この変形例においては、 電基板3は、そのパターン電極2側の部分が支 持プレート6における凹部に載置して固定さ 、微小ギャップ11が形成されている側の端部 が支持プレート6から片持ち梁状に突出され 状態とされている。従って、微小ギャップ11 が形成されている領域(不図示、後述する図8( b)における領域A1参照)には、部材間の接合線( 部材間隙間)が存在しない構造となっている ここで、部材間の接合線とは、例えば、図2 おける圧電基板3の領域A1側端部面と支持プ ート6における凹部の開口壁面との接合面が 露出して成る線である。図2の構造では、領 A1がこの接合線を通過しており、この接合線 における部材間の間隙に液体Mが入り込むこ になる。その点、本変形例の弾性表面波霧 装置1では、液体Mを誘導する領域に接合線が なく、圧電基板3の裏面に液体が回り込むこ が抑制されている。

 また、このような部材間隙間における液 Mの回り込み(入り込み)の防止は、例えば、 1(a)や図3に示されている大きなギャップ12に よっても行われている。ここで、一般的な部 材間隙間における液体の入り込みとの関連に ついて説明する。一般に、部材間には隙間が あり、その隙間に液体が接触すると、隙間へ の液体の入り込みが顕著に発生する。この液 体の入り込みを構造によって防止するには、 「隙間をゼロにする」か、「液体に発生する 表面張力を小さくする」という手段がある。 しかしながら、隙間をゼロにすることは、寸 法精度や構造上の観点から困難である。そこ で、本実施形態においては、液体Mを誘導す 領域A1と入り込みを防止したい部分との間に 溝部42によって大きなギャップ12を設けて、 面張力が小さくなる部分を配置し、部材間 接合線(部材間隙間)に液体が入り込まないよ うにしている。また、この図3の変形例にお ては、液供給部材4の霧化領域30側の端面に 面が形成されている。この斜面は、霧化領 30において霧化された液体粒子の飛行や付着 を妨げないように設けられている。

 弾性表面波霧化装置1は、例えば、小電力 の乾電池によって駆動する医療用の吸霧器と して用いられる。この場合、霧化される液体 Mは、水や、水に薬品を溶かした薬液などで る。また、弾性表面波霧化装置1を比較的大 力で駆動する場合は、例えば、乾燥防止用 湿度調整装置として用いられる。

 (第2の実施形態)
 図4により第2の実施形態に係る弾性表面波 化装置を説明する。本実施形態の弾性表
面波霧化装置1は、第1の実施形態とは、微小 ャップ11の形成方法が相違し、他の点は同 である。すなわち、液供給部材4の下面40に ける2本の溝部42に挟まれた領域の面41は、下 面40よりも後退した面が形成される代わりに 下面40を粗化して成る凹凸が形成されてい 。このような粗化による凹凸が形成された 41は、圧電基板3の表面Sに接面することによ 、上述の微小ギャップ11と同等の効果を奏 る。

 上述した第1の実施形態における微小ギャ ップ11は、0.1~0.3μm程度と微細であるため、加 工精度や取り付け誤差の影響を受けることが ある。また、2つの部材をネジによって固定 た場合に、部材の対向面の表面粗さの存在 より部材間の隙間に液体が入り込むことが られている。本実施形態の液供給部材4は、 のような背景に基づいて構成されている。

 本実施形態の弾性表面波霧化装置1によれ ば、微小ギャップ11の形成は液供給部材4の表 面を粗化すればよく、大きいギャップは十分 大きくすればよいので、液供給部材4の加工 要求される寸法精度が緩和される。すなわ 、液体Mを誘導するにあたり、精度の高い加 を行って微小ギャップ11を形成する必要は く、表面粗さを利用して誘導したい場所に 体Mを誘導することができる。この場合、液 Mを誘導する線路の両側には、液体Mを誘導 せないための溝部42を形成しておく。また、 粗化による凹凸は、面41だけに限らず、下面4 0の全面に形成してもよく、誘導用の線路は 部42によって設定することができる。

 (第3の実施形態)
 図5、図6は第3の実施形態に係る弾性表面波 化装置を示す。本実施形態の弾性表面波霧 装置1は、第1および第2の実施形態とは、圧 基板3上における微小ギャップ11の形成場所 相違し、他の点は同様である。すなわち、 小ギャップ11は、圧電基板3の表面であって 性表面波Wが励振されない領域に形成されて いる。圧電基板3の長手方向に沿った中央の 域31は、弾性表面波Wが伝搬する領域であり 領域31の両側の領域には弾性表面波Wは存在 ない。この弾性表面波Wが存在しない片側の 域に、液体Mを保持して誘導する領域A1が形 されている。また、液供給部材4における霧 化領域30側の端部には、圧電基板3の中心線に 向かう突出部が形成されており、その突出部 の下面に微小ギャップ11が連続して形成され いる。つまり、微小ギャップ11は、霧化領 30の近傍においてのみ、弾性表面波Wが伝搬 る領域に形成されている。なお、図6(a)には 液体容器7が図示されている。液供給部材4 端部P側から垂下する部材によって、液体容 7から領域A1に液体Mが供給される。

 本実施形態の弾性表面波霧化装置1によれ ば、液体Mを押し戻そうとする弾性表面波Wか の抵抗を受けることなく計算どおりに液体M を霧化領域30に誘導できる。前述したように 弾性表面波Wは、表面に存在する液体に対し て、弾性表面波Wの伝搬方向に移動させるよ な力を及ぼすところ、本実施形態の微小ギ ップ11によれば、効率良く液体Mを霧化領域30 に誘導でき、また、霧化領域30を局在させる とができる。逆に、液供給部材4における圧 電基板3の中心線に向かう突出部を、圧電基 3の長手方向に複数設けることにより、霧化 域30を複数、分布させることもできる。ま 、本実施形態においては、液供給部材4を圧 基板3の片側に配置した例を示したが、液供 給部材4を圧電基板3の両側に配置するように てもよい。

 (第4の実施形態)
 図7、図8は第4の実施形態に係る弾性表面波 化装置を示す。本実施形態の弾性表面波霧 装置1は、第1乃至第3の実施形態とは、支持 レート6の構造が相違し、他の点は同様であ る。すなわち、本実施形態の支持プレート6 、圧電基板3の表面におけるパターン電極2が 形成されている領域と部材間ギャップが形成 されている領域A1,A2とを互いに離間させる領 の裏面に間隙60を形成するように設けられ いる。間隙60は、支持プレート6に形成した 61によって形成される。

 本実施形態の弾性表面波霧化装置1によれ ば、圧電基板3の裏面の間隙60が毛細管現象に よる液体の誘導を遮断するので、圧電基板3 裏面に液体Mが漏れ込んだとしても、液体Mが 裏面を伝ってパターン電極2が形成されてい 領域に達するということがなく、パターン 極2のショートや劣化などの不具合を防止で る。

 (第5の実施形態)
 図9、図10は第5の実施形態に係る弾性表面波 霧化装置を示す。本実施形態の弾性表面波霧 化装置1は、第1乃至第4の実施形態とは、接点 治具5の構造が相違し、他の点は同様である すなわち、本実施形態の接点治具5は、圧電 板3の表面に対してパターン電極2側から見 パターン電極2に近い側に大きいギャップ53 遠い側に小さいギャップ52が形成されるよう に構成され、これらのギャップ52,53によって ターン電極2と霧化領域30とを離間させてい 。

 本実施形態の弾性表面波霧化装置1によれ ば、パターン電極2の霧化領域30側の大小のギ ャップ52,53によって、パターン電極2への液体 の接近を防止できるので、パターン電極2の ョートや劣化などの不具合を防止できる。

 以上、各実施形態を説明したが、本発明 、上記構成に限られることなく種々の変形 可能である。例えば、上述した各実施形態 構成を互いに組み合わせた構成とすること できる。

 1  弾性表面波霧化装置
 2  パターン電極
 3  圧電基板
 4  液供給部材
 5  接点治具
 6  支持プレート
 11  微小ギャップ
 12  大きいギャップ
 30  霧化領域
 51  電極ピン
 60  間隙
 S  表面
 M  液体
 W  弾性表面波