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Patent Searching and Data


Title:
SURFACE MODIFIER AND ARTICLE HAVING COATING FILM CONTAINING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/078313
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a surface modifier which is capable of sufficiently modifying the surface of a base and forming a coating film having good adhesion to the base surface. Also disclosed is an article having a sufficiently modified surface, which is capable of maintaining the modified state for a long time. Specifically disclosed is a surface modifier containing a compound represented by formula (1). In the formula, R's represent Rf-X- and R's on the left and right sides represent the same group; Rf represents a perfluoroalkyl group having 1-20 carbon atoms; X represents a group wherein one or more of the following units: -(OC3F6)-, -(OC2F4)- and -(OCF2)- are repeated, and the total number of the units is not less than 1; Y represents a trivalent organic group having 2 or more carbon atoms; and n has an average of 2-100.

Inventors:
UENO KATSUYA (JP)
YAMADA KAZUHIKO (JP)
KAWAGUCHI YASUHIDE (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/072354
Publication Date:
June 25, 2009
Filing Date:
December 09, 2008
Export Citation:
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Assignee:
ASAHI GLASS CO LTD (JP)
UENO KATSUYA (JP)
YAMADA KAZUHIKO (JP)
KAWAGUCHI YASUHIDE (JP)
International Classes:
C09K3/00; B29C33/60; C09D5/16; C09D133/24; C09D171/00; C09D201/04; C09K3/18
Domestic Patent References:
WO2002077116A12002-10-03
Foreign References:
JP2007154020A2007-06-21
JP2000264923A2000-09-26
JPH01207311A1989-08-21
JP2000256302A2000-09-19
JPH04146917A1992-05-20
JPH0238383A1990-02-07
JPS5289630A1977-07-27
JPS63258992A1988-10-26
JPH02269737A1990-11-05
Attorney, Agent or Firm:
SENMYO, Kenji et al. (SIA Kanda Square 17, Kanda-konyacho, Chiyoda-k, Tokyo 35, JP)
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Claims:
 下式(1)で表される化合物を含むことを特徴とする表面改質剤。
 ただし、式(1)中、Rは、Rf-X-であり、かつ左右のRは同一の基であり、Rfは、炭素数1~20のパーフルオロアルキル基であり、Xは、下記の、式(u1)、式(u2)および(u3)からなる群から選ばれる1種以上の繰り返し単位であり、かつ該繰り返し単位の数の合計が1以上である基であり、Yは、炭素数2以上の3価の有機基であり、nの平均は、2~100である。
 -(OC 3 F 6 )- ・・・(u1)、
 -(OC 2 F 4 )- ・・・(u2)、
 -(OCF 2 )- ・・・(u3)。
 ただし、式(u1)および(u2)中、C 3 F 6 およびC 2 F 4 は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。
 式(1)で表される化合物が、式(11)で表される化合物である、請求項1に記載の表面改質剤。
 ただし、式(11)中、Rは、Rf-X-であり、かつ左右のRは同一の基であり、Rfは、炭素数1~20のパーフルオロアルキル基であり、Xは、下記の、式(u1)、式(u2)および(u3)からなる群から選ばれる1種以上の繰り返し単位であり、かつ該繰り返し単位の数の合計が1以上である基であり、Zは、単結合または2価の有機基であり、nの平均は、2~100である。
 -(OC 3 F 6 )- ・・・(u1)、
 -(OC 2 F 4 )- ・・・(u2)、
 -(OCF 2 )- ・・・(u3)。
 ただし、式(u1)および(u2)中、C 3 F 6 およびC 2 F 4 は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。
 Zが、メチレン基である請求項2に記載の表面改質剤。
 式(11)で表される化合物が、下記化合物(11-1)である請求項2又は3に記載の表面改質剤。
 請求項1~4のいずれかに記載の表面改質剤を含有することを特徴とする塗膜。
 水に対する接触角が、80~140度であり、n-ヘキサデカンに対する接触角が30~110度である請求項5に記載の塗膜。
 請求項5または6に記載の塗膜を離型剤として表面に有することを特徴とするインプリント用モールド。
 離型剤の水に対する接触角が、80~140度であり、n-ヘキサデカンに対する接触角が30~110度である請求項7に記載のインプリント用モールド。
 請求項5または6に記載の塗膜を表面に有することを特徴とする物品。
Description:
表面改質剤およびそれを含む塗 を有する物品

 本発明は、基材の表面に離型性、防汚性 撥水性、撥油性、滑り性等を付与する表面 質剤および該表面改質剤を含む塗膜を有す 物品に関する。

 基材の表面に離型性、防汚性、撥水性、撥 性、滑り性等を付与するために、表面処理 を塗布し、該表面処理剤を含む塗膜を形成 ることが行われている。
 該表面処理剤としては、下記のものが提案 れている。

 (1)下式(2-1)で表される化合物、または下式(2 -2)で表される化合物等を含む防汚剤(特許文 1)。
 C 3 F 7 (OCF 2 CF 2 CF 2 ) a OC 2 F 4 COOC 3 H 6 -Si(OCH 3 ) 3  ・・・(2-1)、
 (H 3 CO) 3 SiC 3 H 6 OCH 2 CH(OH)CH 2 OCH 2 CF 2 (OCF 2 CF 2 ) b (OCF 2 ) c OCF 2 CH 2 OCH 2 CH(OH)CH 2 OC 3 H 6 Si(OCH 3 ) 3  ・・・(2-2)。
 ただし、式(2-2)中、a、b、cは1以上の整数で る。

 (2)下式(2-3)で表される化合物等を含む防汚 (特許文献2)。
 C 3 F 7 (OCF 2 CF 2 CF 2 ) 24 OC 2 F 4 CH 2 OOCNHC 3 H 6 -Si(OC 2 H 5 ) 3  ・・・(2-3)。
 (3)ポリフルオロポリエーテル鎖および自己 橋性官能基(ビニル基、エポキシ基等。)を する含フッ素ポリマーを含む表面改質剤(特 文献3)。

 (4)下式(2-4)で表される化合物等を含む、イ プリント用モールドの離型剤(特許文献4)。
 C 3 F 7 (OCF 2 CF 2 CF 2 ) p OC 2 F 4 C 2 H 4 -Si(OCH 3 ) 3  ・・・(2-4)。
 ただし、式(2-4)中、pは1以上の整数である。

 しかし、(1)の防汚剤を含む塗膜は、該防汚 が式(2-1)で表される化合物等を含む場合、 材への接着性が不充分であり、基材の表面 ら剥離しやすい。一方、該防汚剤が式(2-2)で 表される化合物等を含む場合、基材への接着 性が比較的良好であるものの、防汚性が不充 分である。
 また、(2)の防汚剤を含む塗膜は、基材への 着性が不充分であり、基材の表面から剥離 やすい。
 さらに、(3)の表面改質剤を含む塗膜は、基 と結合し得る基を有さないため、基材への 着性が不充分であり、基材の表面から剥離 やすい。

 また、(4)の離型剤を含む塗膜(被覆層)は、 材(モールド本体)への接着性が不充分であり 、基材の表面から剥離しやすい。

国際公開第98/49218号パンフレット

特開2000-144097号公報

国際公開第2004/108772号パンフレット

特開2002-283354号公報

 本発明の目的は、基材の表面を充分に改 でき、かつ基材の表面への接着性が良好で る塗膜を形成できる表面改質剤、および表 が充分に改質され、かつ該状態を長期間保 できる物品を提供することである。

 すなわち、本発明は以下の要旨を有するも である。
(1)下式(1)で表される化合物を含むことを特徴 とする表面改質剤。

 ただし、式(1)中、Rは、Rf-X-であり、かつ左 のRは同一の基であり、Rfは、炭素数1~20のパ ーフルオロアルキル基であり、Xは、下記の 式(u1)、式(u2)および(u3)からなる群から選ば る1種以上の繰り返し単位であり、かつ該繰 返し単位の数の合計が1以上である基であり 、Yは、炭素数2以上の3価の有機基であり、n 平均は、2~100である。
 -(OC 3 F 6 )- ・・・(u1)、
 -(OC 2 F 4 )- ・・・(u2)、
 -(OCF 2 )- ・・・(u3)。
 ただし、式(u1)および(u2)中、C 3 F 6 およびC 2 F 4 は、直鎖状であってもよく、分岐状であって もよい。
(2)式(1)で表される化合物が、式(11)で表され 化合物である、上記(1)に記載の表面改質剤

ただし、式(11)中、Rは、Rf-X-であり、かつ左 のRは同一の基であり、Rfは、炭素数1~20のパ フルオロアルキル基であり、Xは、下記の、 式(u1)、式(u2)および(u3)からなる群から選ばれ る1種以上の繰り返し単位であり、かつ該繰 返し単位の数の合計が1以上である基であり Zは、単結合または2価の有機基であり、nの 均は、2~100である。
 -(OC 3 F 6 )- ・・・(u1)、
 -(OC 2 F 4 )- ・・・(u2)、
 -(OCF 2 )- ・・・(u3)。
 ただし、式(u1)および(u2)中、C 3 F 6 およびC 2 F 4 は、直鎖状であってもよく、分岐状であって もよい。
(3)Zが、メチレン基である上記(2)に記載の表 改質剤。
(4)式(11)で表される化合物が、下記化合物(11-1 )である上記(2)または(3)に記載の表面改質剤

(5)上記(1)~(4)のいずれかに記載の表面改質剤 含有することを特徴とする塗膜。
(6)水に対する接触角が、80~140度であり、n-ヘ サデカンに対する接触角が30~110度である上 (5)に記載の塗膜。
(7)上記(5)または(6)に記載の塗膜を離型剤とし て表面に有することを特徴とするインプリン ト用モールド。
(8)離型剤の水に対する接触角が、80~140度であ り、n-ヘキサデカンに対する接触角が30~110度 ある上記(7)に記載のインプリント用モール 。
(9)上記(5)または(6)に記載の塗膜を表面に有す ることを特徴とする物品。

 本発明の表面改質剤は、基材の表面を充分 改質でき、かつ基材の表面への接着性が良 である塗膜を形成できる。
 本発明の物品は、表面が充分に改質され、 つ該状態を長期間保持できる。

本発明の物品であるインプリント用モ ルドの一例を示す断面図である。 インプリント法による、微細構造を有 る部材の製造工程の1つを示す断面図である 。

符号の説明

 10 モールド(物品)
 12 モールド本体(基材)
 14 被覆層(塗膜)

 本明細書においては、式(1)で表される化 物を化合物(1)と記す。他の式で表される化 物も同様に記す。また、式(u1)で表される繰 り返し単位を単位(u1)と記す。他の式で表さ る繰り返し単位も同様に記す。また、式(g1) 表される基を基(g1)と記す。他の式で表され る基も同様に記す。

(表面改質剤)
 本発明の表面改質剤は、化合物(1)を含むも である。

 Rは、Rf-X-である。
 Rfは、炭素数1~20のパーフルオロアルキル基 あり、炭素数1~10のパーフルオロアルキル基 が好ましい。パーフルオロアルキル基を有す ることにより、基材の表面を充分に改質でき る。パーフルオロアルキル基の炭素数が20以 であれば、表面改質剤の希釈溶媒に対する 解性が向上するため、基材へ塗布しやすく る。パーフルオロアルキル基は、直鎖状で ってもよく、分岐状であってもよい。

 Rfとしては、下記の基が好ましい。
 CF 3 CF 2 -、
 CF 3 (CF 2 ) 2 -、
 CF 3 (CF 2 ) 3 -、
 CF 3 (CF 2 ) 4 -、
 CF 3 (CF 2 ) 5 -、
 CF 3 (CF 2 ) 6 -、
 CF 3 (CF 2 ) 7 -、
 CF 3 (CF 2 ) 8 -、
 CF 3 (CF 2 ) 9 -、
 CF 3 (CF 2 ) 10 -、
 CF 3 (CF 2 ) 11 -、
 CF 3 (CF 2 ) 12 -、
 CF 3 (CF 2 ) 13 -、
 CF 3 (CF 2 ) 14 -、
 CF 3 (CF 2 ) 15 -、
 CF 3 (CF 2 ) 16 -、
 CF 3 (CF 2 ) 17 -、
 CF 3 (CF 2 ) 18 -、
 CF 3 (CF 2 ) 19 -。

 Xは、下記の、式(u1)、式(u2)および(u3)からな る群から選ばれる1種以上の繰り返し単位で る。
 -(OC 3 F 6 )- ・・・(u1)、
 -(OC 2 F 4 )- ・・・(u2)、
 -(OCF 2 ) - ・・・(u3)。
 ただし、C 3 F 6 およびC 2 F 4 は、直鎖状であってもよく、分岐状であって もよい。
 単位(u1)の数と単位(u2)の数と単位(u3)の数と 合計は、1以上であり、2~20が好ましい。単 (u1)~(u3)の数の合計が1以上であれば、基材の 面を充分に改質できる。単位(u1)~(u3)の数の 計が20以下であれば、表面改質剤の希釈溶 に対する溶解性が向上するため、基材へ塗 しやすくなる。
 Xにおける単位(u1)~(u3)の存在順序は、任意で ある。

 左右のRは、同一の基である。同一の基とは 、Rfが同一であり、かつXを構成する単位(u1)~( u3)の種類、数および存在順序が同一であるこ とを意味する。たとえば、左側のRが、C 3 F 7 -(OCF(CF 3 )CF 2 )-(OCF(CF 3 )-の場合、右側のRは、-(CF(CF 3 )O)-(CF 2 CF(CF 3 )O)-C 3 F 7 となる。

 Rとしては、下記の基が好ましい。
 C 3 F 7 OCF(CF 3 )-
 C 3 F 7 OCF(CF 3 )CF 2 OCF(CF 3 )-、
 C 3 F 7 {OCF(CF 3 )CF 2 } 2 OCF(CF 3 )-、
 C 3 F 7 {OCF(CF 3 )CF 2 } 3 OCF(CF 3 )-、
 C 3 F 7 {OCF(CF 3 )CF 2 } 4 OCF(CF 3 )-、
 C 3 F 7 {OCF(CF 3 )CF 2 } 5 OCF(CF 3 )-、

 C 4 F 9 OCF(CF 3 )-
 C 4 F 9 OCF(CF 3 )CF 2 OCF(CF 3 )-、
 C 4 F 9 {OCF(CF 3 )CF 2 } 2 OCF(CF 3 )-、
 C 4 F 9 {OCF(CF 3 )CF 2 } 3 OCF(CF 3 )-、
 C 4 F 9 {OCF(CF 3 )CF 2 } 4 OCF(CF 3 )-、

 C 6 F 13 OCF(CF 3 )-
 C 6 F 13 OCF(CF 3 )CF 2 OCF(CF 3 )-、
 C 6 F 13 {OCF(CF 3 )CF 2 } 2 OCF(CF 3 )-、
 C 6 F 13 {OCF(CF 3 )CF 2 } 3 OCF(CF 3 )-、
 C 6 F 13 {OCF(CF 3 )CF 2 } 4 OCF(CF 3 )-、

 C 3 F 7 OCF 2 CF 2 CF 2 -、
 C 3 F 7 {OCF 2 CF 2 CF 2 } 2 -、
 C 3 F 7 {OCF 2 CF 2 CF 2 } 3 -、
 C 3 F 7 {OCF 2 CF 2 CF 2 } 4 -、
 C 3 F 7 {OCF 2 CF 2 CF 2 } 5 -、

 C 2 F 5 OCF 2 CF 2 -、
 C 2 F 5 {OCF 2 CF 2 } 2 -、
 C 2 F 5 {OCF 2 CF 2 } 3 -、
 C 2 F 5 {OCF 2 CF 2 } 4 -、
 C 2 F 5 {OCF 2 CF 2 } 5 -、
 C 2 F 5 {OCF 2 CF 2 } 6 -、
 C 2 F 5 {OCF 2 CF 2 } 7 -、
 C 2 F 5 {OCF 2 CF 2 } 8 -、
 C 2 F 5 {OCF 2 CF 2 } 9 -、

 C 3 F 7 OCF 2 CF 2 -、
 C 3 F 7 {OCF 2 CF 2 } 2 -、
 C 3 F 7 {OCF 2 CF 2 } 3 -、
 C 3 F 7 {OCF 2 CF 2 } 4 -、
 C 3 F 7 {OCF 2 CF 2 } 5 -、
 C 3 F 7 {OCF 2 CF 2 } 6 -、
 C 3 F 7 {OCF 2 CF 2 } 7 -。

 Yは、炭素数2以上の3価の有機基である。Y の炭素数は総計で500以下が好ましい。総炭素 数500超であると、分子量が大きくなりすぎ、 希釈溶媒への溶解性が低下するおそれがある ほか、分子内でのフッ素部分の分子内に占め る割合が低下し、基材の表面を充分に改質で きないおそれがある。

 Y-NH 2 としては、基(g1)~基(g20)が好ましく、化合物(1 )の製造が容易な点から、基(g3)がより好まし 。

 ただし、基(g14)~(g15)のpの平均は、0~5であ 、qの平均は0~20である。また、基(g16)~(g18)の Arは、芳香族環または複素環である。

 nの平均は、2~100であり、3~100が好ましい。
 nの平均が2以上であれば、基材の表面と結 しうるNH 2 の数が多くなり、基材の表面への接着性が良 好となる。nの平均が100以下であれば、基材 表面を充分に改質できる。

 化合物(1)は、通常、nの数が異なる複数種の 化合物(1)の混合物である。よって、化合物(1) が、nの数が異なる2種以上の化合物(1)の混合 である場合、nは平均として表される。2種 上の化合物(1)の混合物は、nの平均が2~100と る範囲で、nが1の化合物(1)を含んでいてもよ く、nが100を超える化合物(1)を含んでいても い。
 一方、化合物(1)が、nの数が同じ1種の化合 (1)のみからなる場合、該nの数がそのままnの 平均となる。

 nの平均は、下記方法にて求める。
 (i)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によっ 化合物(1)の数平均分子量(ポリスチレン換算) を求める。
 (ii)該数平均分子量からRf-Xの分子量を減じ (Y-NH 2 ) n の分子量を求める。
 (iii)(Y-NH 2 ) n の分子量をY-NH 2 の分子量で除し、nの平均を算出する。

 化合物(1)としては、化合物(11)が好ましい 。

 Zは、単結合または2価の有機基である。2価 有機基としては、アルキレン基(炭素原子- 素原子間にエーテル性酸素原子を有してい もよい。)、カルボニル基(-C(O)-)、オキシア キレン基、フェニレン基、カルボニルオキ 基(-C(O)O-)、アラルキレン基、2価のエポキシ 等が挙げられる。
 Zとしては、化合物(1)の製造が容易な点から 、メチレン基が好ましい。
 化合物(11)としては、特に以下の化合物(11-1) が好ましい。

 化合物(11)は、たとえば、窒素雰囲気下、 溶媒中にて化合物(3)と化合物(4)とを反応させ ることにより製造できる。

 溶媒としては、ハロゲン化脂肪族溶媒、ハ ゲン化芳香族溶媒が好ましい。
 ハロゲン化脂肪族溶媒としては、塩化メチ ン、クロロホルム、2-クロロ-1,2-ジブロモ-1, 1,2-トリフルオロエタン、1,2-ジブロモヘキサ ルオロプロパン、1,2-ジブロモテトラフルオ ロエタン、1,1-ジフルオロテトラクロロエタ 、1,2-ジフルオロテトラクロロエタン、フル ロトリクロロメタン、ヘプタフルオロ-2,3,3- トリクロロブタン、1,1,1,3-テトラクロロテト フルオロプロパン、1,1,2,3-テトラフルオロ-1 ,2,3-トリクロロプロパン、1,1,1-トリクロロペ タフルオロプロパン、1,1,2-トリクロロトリ ルオロエタン、1,1,1,2,2-ペンタフルオロ-3,3- クロロプロパン、1,1,2,2,3-ペンタフルオロ-1, 3-ジクロロプロパン、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6-ト デカフルオロヘキサン、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5-デカ フルオロペンタン、ノナフルオロブチルメチ ルエーテル、ノナフルオロブチルエチルエー テル、ヘプタフルオロシクロペンタン、1,1,2, 2-テトラフルオロエチル-2,2,2-トリフルオロエ チルエーテル、パーフルオロトリブチルアミ ン、(1-トリフルオロメチル)パーフルオロデ リン等が挙げられる。

 ハロゲン化芳香族溶媒としては、ベンゾト フルオリド、ヘキサフルオロキシレン、ペ タフルオロベンゼン等が挙げられる。
 溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以 を併用してもよい。

 溶媒としては、化合物(3)および化合物(4)の 解性が高い点、入手が容易である点、およ 得られる化合物(11)との反応性が低い点から 、化合物(5-1)~(5-7)が好ましい。
 1,1,2,2,3-ペンタフルオロ-1,3-ジクロロプロパ ・・・(5-1)、 1,1,2-トリクロロトリフルオロ エタン・・・(5-2)、
 1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6-トリデカフルオロヘキ ン・・・(5-3)、
 1,1,2,2-テトラフルオロエチル-2,2,2-トリフル ロエチルエーテル・・・(5-4)、
 パーフルオロトリブチルアミン・・・(5-5)
 (1-トリフルオロメチル)パーフルオロデカリ ン・・・(5-6)、
 1,1,2,3-テトラフルオロ-1,2,3-トリクロロプロ ン・・・(5-7)。

 反応温度は、5~80℃が好ましい。
 反応時間は、0.1~10時間が好ましい。
 nの平均を調整するためには、化合物(3)と化 合物(4)とのモル比を調整すればよい。

 本発明の表面改質剤は、例えば、表面改質 の全量(100質量%)に対して、化合物(1)を好ま くは0.001~10質量%、溶媒を好ましくは90~99.999 量%含むものである。
 本発明の表面改質剤は、必要に応じて、公 の添加剤を含んでいてもよい。該添加剤と ては、レベリング剤、粘度調整剤、光安定 、顔料、染料、帯電防止剤等が挙げられる 上記の各添加剤の表面改質剤中の含有量は 化合物(1)(100質量%)に対して好ましくは0.001~1 0質量%、より好ましくは0.01~10質量%である。

 以上説明した本発明の表面改質剤は、化 物(1)を含むため、基材の表面を充分に改質 きる塗膜を形成できる。すなわち、化合物( 1)がRf-X-基を有するため、従来の表面改質剤 ある化合物(2-2)に比べ、塗膜が充分に離型性 、防汚性、撥水性、撥油性、滑り性等を発揮 できる。

 また、以上説明した本発明の表面改質剤 、化合物(1)を含むため、基材の表面への接 性が良好である塗膜を形成できる。すなわ 、化合物(1)のnの平均が2以上であるため、 材の表面と結合し得る官能基の数が、従来 表面改質剤である化合物(2-1)または化合物(2- 3)に比べ多くなり、塗膜に含まれる化合物(1) 、化合物(2-1)または化合物(2-3)に比べ、基材 の表面に化学的に強固に結合できる。

(物品)
 本発明の物品は、基材の表面に本発明の表 改質剤を含む塗膜を有するものである。
 基材としては、化合物(1)のNH 2 と化学的に結合し得る表面を有するものが挙 げられる。

 基材としては、下記のものが挙げられる。
 金属(鉄、アルミニウム、銅、ニッケル等。 )を加工した製品、
 セラミックス製品(ガラス、コンクリート、 タイル等。)、石材、
 合成樹脂(ポリオレフィン(ポリエチレン、 リスチレン等。)、アクリル系樹脂(ポリメチ ルメタクリレート等。)、ポリエステル(ポリ チレンテレフタレート等。)、セルロース系 樹脂(トリアセチルセルロース等。)、ゴム、 リ塩化ビニル、ポリカーボネート、フェノ ル樹脂、キシレン樹脂、ユリア樹脂、メラ ン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フラン 脂、ポリアミド、ポリイミド、アルキド樹 、ポリウレタン、ビニルエステル樹脂、ポ スルホン、アイオノマー樹脂等。)を加工し た製品、
 木、紙、印刷物、印画紙、絵画等、
 ディスプレイ装置、または該表面に保護膜 反射防止膜、光吸収膜等を形成したディス レイ装置、
 ディスプレイ用部材(ディスプレイ装置の構 成部材、ディスプレイ装置用フィルタ等。
)、または該表面に保護膜、反射防止膜、光 収膜等を形成した部材、
 光学部品、または該表面に保護膜、帯電防 機能膜、反射防止膜等を形成した部材、
 記録媒体(光記録媒体、磁気記録媒体等。) または該表面に保護膜、反射防止膜、光吸 膜等を形成した記録媒体等。

 金属を加工した製品としては、インプリン 用モールド(ナノインプリント用モールド) 樹脂成形用モールド等が挙げられる。
 セラミックス製品としては、ショーウイン 、ショーケース、広告用カバー、フォトス ンド用カバー、自動車フロントガラス等が げられる。
 合成樹脂を加工した製品としては、各種成 品、プラスチック製建材等が挙げられる。
 ディスプレイ装置としては、CRT、液晶ディ プレイ、プラズマディスプレイパネル(PDP) 有機EL、無機薄膜ELドットマトリクスディス レイ、背面投射型ディスプレイ、蛍光表示 (VFD)、フィールドエミッションディスプレ (FED)等が挙げられる。
 ディスプレイ装置の構成部材としては、液 ディスプレイ構成部材(フロントライト、拡 散シート等。)が挙げられる。
 ディスプレイ装置用フィルタとしては、防 フィルタ、PDP用フィルタ、PDP用保護板、タ チパネル(タッチセンサー、タッチスクリー ン等。)等が挙げられる。
 光学部品としては、眼鏡レンズ、プリズム レンズシート、ペリクル膜、偏光板、光学 ィルタ、レンチキュラーレンズ、フレネル ンズ、背面投射型ディスプレイのスクリー 、光ファイバ、光カプラ等が挙げられる。
 光記録媒体としては、光磁気ディスク、光 ィスク(CD、LD、DVD等。)、相転移型光ディス (PD等。)、ホログラム記録媒体等が挙げられ る。
 磁気記録媒体としては、磁気テープ、磁気 ィスク、磁気ドラム、磁気フレキシブルデ スク等が挙げられる。

 塗膜の水に対する接触角は、80~140度が好ま く、90~130度がより好ましい。該塗膜の水に する接触角が80度以上であれば、基材の表 を充分に改質でき、特に基材の表面に離型 、防汚性、撥水性を充分に付与できる。
 塗膜のn-ヘキサデカンに対する接触角は、30 ~110度が好ましく、35~90度がより好ましい。該 塗膜のn-ヘキサデカンに対する接触角が30度 上であれば、基材の表面を充分に改質でき 特に基材の表面に離型性、防汚性、撥油性 充分に付与できる。
 接触角は、JIS R3257に準拠して測定する。

 本発明の物品は、下記の工程(a)~(d)を経て製 造される。
 (a)必要に応じて、基材を洗浄する工程。
 (b)該基材の表面に表面改質剤の膜を形成す 工程。
 (c)表面改質剤の膜を加熱して塗膜とし、本 明の物品を得る工程。
 (d)必要に応じて、物品を洗浄する工程。

工程(a):
 基材を洗浄する方法としては、下記方法が げられる。
 (a-1)有機溶媒中にて基材を超音波洗浄する 法。
 (a-2)酸または過酸化物の溶液中にて基材を 沸洗浄する方法。

 有機溶媒としては、アセトン、エタノール 化合物(5-7)等が挙げられる。
 酸としては、硫酸、塩酸、スルファミン酸 ギ酸、クエン酸、グリコール酸等が挙げら る。
 過酸化物としては、過酸化水素、過酸化ナ リウム、過酸化カリウム、過酸化バリウム 過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過炭 バリウム等の水溶液が挙げられる。
 該洗浄の後、精製水でさらに洗浄し、乾燥 た後、オゾン照射を行い、基材の表面を清 化してもよい。

工程(b):
 基材の表面に表面改質剤の膜を形成する方 としては、下記方法が挙げられる。
 (b-1)表面改質剤溶液を基材の表面に塗布す 方法。
 (b-2)表面改質剤溶液に基材を浸漬する方法

 表面改質剤溶液は、たとえば、化合物(1)お び溶媒を含む溶液を、必要に応じて希釈溶 で希釈し、必要に応じて添加剤を添加する とによって調製できる。表面改質剤溶液は 適宜必要に応じて、濃度を調節して使用す ことが好ましい。表面改質剤溶液中の表面 質剤の濃度は、0.001~10質量%が好ましい。
 また、希釈溶媒としては、1-ブタノール、 ソプロパノール、エタノール、1-プロパノー ル、t-ブタノール、化合物(5-7)等が挙げられ 。
 塗布方法としては、スピンコート法、キャ ト法、スプレーコート法、ディップコート 等が挙げられる。

工程(c):
 加熱温度は、50~180℃が好ましい。
 加熱時間は、0.1~24時間が好ましい。
 加熱の際の雰囲気としては、大気下が好ま い。

工程(d):
 物品を洗浄する方法としては、フッ素系溶 にて物品を超音波洗浄する方法が挙げられ 。
 フッ素系溶媒としては、化合物(5-1)~(5-7)が げられる。

 以上説明した本発明の物品にあっては、 膜を構成する表面改質剤が化合物(1)を含む め、表面が充分に改質される。すなわち、 合物(1)がRf-X-基を有するため、従来の表面 質剤である化合物(2-2)に比べ、塗膜が充分に 離型性、防汚性、撥水性、撥油性、滑り性等 を発揮できる。

 また、以上説明した本発明の物品にあっ は、塗膜を構成する表面改質剤が化合物(1) 含むため、基材から塗膜が剥離しにくい。 なわち、化合物(1)のnの平均が2以上である め、基材の表面と結合し得る官能基の数が 従来の表面改質剤である化合物(2-1)または化 合物(2-3)に比べ多くなり、塗膜に含まれる化 物(1)は、化合物(2-1)または化合物(2-3)に比べ 、基材の表面に化学的に強固に結合している 。その結果、基材から塗膜が剥離しにくく、 表面が充分に改質された状態を長期間保持で きる。

(インプリント用モールド)
 以下、本発明の表面改質剤を、インプリン 用モールド(ナノインプリント用モールド) 離型剤として用いた実施形態について説明 る。

 図1は、インプリント用モールド(以下、 ールドと記す。)の一例を示す断面図である モールド10(物品)は、モールド本体12(基材) 、モールド本体12の表面に設けられた被覆層 14(塗膜)とを有する。

 モールド本体12の形状としては、シート状 板状、円筒状、円柱状等が挙げられる。
 モールド本体12の材料としては、化合物(1) NH 2 と化学的に結合し得る材料が挙げられる。該 材料としては、石英、化学気相成長法による 炭化ケイ素膜が形成されたシリコン、単結晶 炭化ケイ素、タンタル、シリコン、酸化ケイ 素膜が形成されたシリコン、窒化ケイ素膜が 形成されたシリコン、ニッケル、銅、ステン レス、チタン等が挙げられ、電鋳めっきを行 うことができる、すなわち低コストでモール ド本体を作製できる点から、ニッケルまたは 銅が好ましい。

 モールド本体12は、表面に微細構造を有 る。該微細構造は、インプリント法(ナノイ プリント法)によって製造される部材(光学 子等。)の微細構造に対応した反転構造であ 。

 微細構造とは、微細な凸部および/または凹 部を意味する。
 凸部としては、モールド本体12の表面に延 する長尺の凸条、表面に点在する突起等が げられる。
 凹部としては、モールド本体12の表面に延 する長尺の溝、表面に点在する孔等が挙げ れる。

 凸条または溝の形状としては、直線、曲線 折れ曲がり形状等が挙げられる。凸条また 溝は、複数が平行に存在して縞状をなして てもよい。
 凸条または溝の、長手方向に直交する方向 断面形状としては、長方形、台形、三角形 半円形等が挙げられる。
 突起または孔の形状としては、三角柱、四 柱、六角柱、円柱、三角錐、四角錐、六角 、円錐半球、多面体等が挙げられる。

 凸条または溝の幅は、平均で1~400nmが好まし く、30~200nmが特に好ましい。凸条の幅とは、 手方向に直交する方向の断面における底辺 長さを意味する。溝の幅とは、長手方向に 交する方向の断面における上辺の長さを意 する。
 突起または孔の幅は、平均で1~400nmが好まし く、30~200nmが特に好ましい。突起の幅とは、 面が細長い場合、長手方向に直交する方向 断面における底辺の長さを意味し、そうで い場合、突起の底面における最大長さを意 する。孔の幅とは、開口部が細長い場合、 手方向に直交する方向の断面における上辺 長さを意味し、そうでない場合、孔の開口 における最大長さを意味する。

 凸部の高さは、平均で1nm~4μmが好ましく、1n m~1μmがより好ましく、1~400nmがさらに好まし 、10~400nmがさらに好ましく、30~200nmが特に好 しい。
 凹部の深さは、平均で1nm~4μmが好ましく、1n m~1μmがより好ましく、1~400nmがさらに好まし 、10~400nmがさらに好ましく、30~200nmが特に好 しい。

 微細構造が密集している領域において、 接する凸部(または凹部)間の間隔は、平均 1nm~10μmが好ましく、10nm~1μmがより好ましく 30~200nmが特に好ましい。隣接する凸部間の間 隔とは、凸部の断面の底辺の終端から、隣接 する凸部の断面の底辺の始端までの距離を意 味する。隣接する凹部間の間隔とは、凹部の 断面の上辺の終端から、隣接する凹部の断面 の上辺の始端までの距離を意味する。

 凸部の最小寸法は、1~400nmが好ましく、30~200 nmがより好ましい。最小寸法とは、凸部の幅 長さおよび高さのうち最小の寸法を意味す 。
 凹部の最小寸法は、1~400nmが好ましく、30~200 nmがより好ましい。最小寸法とは、凹部の幅 長さおよび深さのうち最小の寸法を意味す 。

 微細構造の形成方法としては、機械的切 法、リソグラフィー法、電鋳めっき法等が げられ、低コストでナノサイズの微細構造 形成できる点から、電鋳めっき法が好まし 。

 モールド10の被覆層14は、化合物(1)を含む 表面改質剤を離型剤として用いた層である。

 被覆層14の水に対する接触角は、80~140度が ましく、90~130度がより好ましい。被覆層14の 水に対する接触角が80度以上であれば、樹脂 料からの離型性が良好となる。
 被覆層14のn-ヘキサデカンに対する接触角は 、30~110度が好ましく、35~90度がより好ましい 被覆層14のn-ヘキサデカンに対する接触角が 30度以上であれば、樹脂材料からの離型性が 好となる。
 接触角は、JIS R3257に準拠し測定する。

 モールド10は、下記の工程(a’)~(d’)を経て 造される。
 (a’)モールド本体12を洗浄する工程。
 (b’)該モールド本体12の表面に離型剤の膜 形成する工程。
 (c’)離型剤の膜を加熱して被覆層14とし、 ールド10を得る工程。
 (d’)必要に応じて、モールド10を洗浄する 程。

 工程(a’)~(d’)は、上述の工程(a)~(d)と同 に行う。

 モールド10を用いた、微細構造を有する部 の製造方法としては、たとえば、下記の方 が挙げられる。
 (I)図2に示すように、基板20上に形成された 状の光硬化性樹脂を含む樹脂材料層22に、 ールド10を押しあて、ついで、モールド10を 脂材料層22に押しあてた状態で、またはモ ルド10を樹脂材料層22から分離した後に、樹 材料層22に光を照射し、光硬化性樹脂を硬 させ、樹脂材料層22の表面に所望の微細構造 を有する部材を得る方法。

 (II)図2に示すように、基板20上に形成され た熱可塑性樹脂を含む樹脂材料層22に、樹脂 料層22を熱可塑性樹脂のガラス転移温度以 に加熱した状態で、モールド10を押しあて、 ついで、モールド10を樹脂材料層22に押しあ た状態で、またはモールド10を樹脂材料層22 ら分離した後に、樹脂材料層22を冷却し、 可塑性樹脂を固体状にして、樹脂材料層22の 表面に所望の微細構造を有する部材を得る方 法。

 基板の形状としては、フィルムまたはシー 状、板状、円筒状、円柱状等が挙げられる
 基板の材料としては、樹脂、ガラス、金属 セルロース素材等が挙げられる。
 光硬化性樹脂としては、可視光線または紫 線によって硬化可能な、公知の光硬化性樹 が挙げられる。

 微細構造を有する部材としては、下記の部 が挙げられる。
 光学素子:マイクロレンズアレイ、光導波路 、光スイッチング、フレネルゾーンプレート 、ワイヤーグリッド、波長フィルタ、偏光板 、バイナリー素子、ブレーズ素子、フォトニ クス結晶、反射防止フィルム、反射防止構造 を具備する部材等。
 チップ類:バイオチップ、μ-TAS(Micro-Total Anal ysis Systems)用のチップ、マイクロリアクター ップ等。
 記録メディア:光ディスク等。
 ディスプレイ材料:リブ等。
 エネルギー関連:燃料電池、三次元電池、キ ャパシタ、ペルチェ素子、太陽電池等。
 半導体関連:MEMS(Micro-Electro-Mechanical-System)、 導体装置等。
 その他:触媒の担持体、フィルタ、センサ部 材、超撥水材料等。

 以上説明したモールド10にあっては、被 層14を構成する離型剤が化合物(1)を含むため 、離型性に優れる。すなわち、化合物(1)がRf- X-基を有するため、従来の表面改質剤である 合物(2-2)に比べ、被覆層14が充分に離型性を 発揮できる。

 また、以上説明したモールド10にあって 、被覆層14を構成する離型剤が化合物(1)を含 むため、モールド本体12から被覆層14が剥離 にくい。すなわち、化合物(1)のnの平均が2以 上であるため、モールド本体12の材料と結合 得る官能基の数が、従来の離型剤に比べ多 なり、被覆層14に含まれる化合物(1)は、化 物(2-1)、化合物(2-3)または化合物(2-4)に比べ モールド本体12の表面に化学的に強固に結合 している。その結果、モールド本体12から被 層14が剥離しにくい。よって、モールド10は 、寿命が長く、モールド10を用いた場合には 微細構造を有する部材を生産性よく製造で る。

 以下、実施例により本発明をさらに詳しく 明するが、本発明はこれらの実施例にのみ 定して解釈されるものではない。
 例1は、実施例であり、例2は、比較例であ 。

(接触角)
 被覆層の水に対する接触角は、JIS R3257に準 拠し、接触角計(CA-X150型、協和界面科学社製) を用い、4μLの水を被覆層の表面に着滴させ 測定した。

(耐久性)
 0.5kgの荷重をかけながら、JKワイパー(クレ ア社製、150-S)を被覆層の表面にて100往復さ る拭き取り試験を行った。該試験後の、被 層の水に対する接触角を測定し、該試験前 の接触角の変化から被覆層の耐久性を評価 た。

〔例1〕
 冷却管を備えた100mL丸底フラスコに、化合 (4-1)の0.30g(5.2mmol)を入れ、さらに該フラスコ 、化合物(5-7)中に化合物(3-1)の4.97g(5.0mmol)を む溶液の53.14gを入れ、窒素雰囲気下、50℃ て2時間反応を行った。

 反応終了後、反応粗液をフィルタでろ過 、化合物(5-7)中に化合物(11-1)を含む溶液の57 .0gを得た。

 該溶液中の化合物(11-1)の濃度は、3.4質量%で あった。GPCにより化合物(11-1)の数平均分子量 (ポリスチレン換算)を測定したところ7875であ った。また、nの平均を算出したところ、nの 均は47であった。
 該溶液の1.02gを、化合物(5-7)の2.41gに加え、 型剤溶液を調製した。

 モールド本体として、表面に微細構造を有 るニッケル基板を用意し、該ニッケル基板 アセトン中にて超音波洗浄した。
 次いで、該ニッケル基板の表面に、離型剤 液を、回転数700rpmで20秒間スピンコートし 離型剤の膜を形成した。
 離型剤の膜を、ニッケル基板ごと150℃で1時 間加熱し、ニッケル基板の表面に被覆層を形 成し、モールドを得た。

 該モールドを化合物(5-7)中にて超音波洗 した後、被覆層の水に対する接触角を測定 た。また、拭き取り試験後の、被覆層の水 対する接触角を測定した。結果を表1に示す 被覆層の剥離は見られなかった。

〔例2〕
 パーフルオロヘキサン中に化合物(2-4)の1質 %を含む溶液(ダイキン工業社製、オプツー DSX)を用意し、該溶液を離型剤溶液とした。

 モールド本体として、表面に微細構造を有 るニッケル基板を用意し、該ニッケル基板 アセトン中にて超音波洗浄した。
 次いで、該ニッケル基板の表面に、離型剤 液を、回転数500rpmで10秒間スピンコートし 離型剤の膜を形成した。
 離型剤の膜を、ニッケル基板ごと150℃で1時 間加熱し、ニッケル基板の表面に被覆層を形 成し、モールドを得た。

 該モールドを化合物(5-1)中にて超音波洗 した後、被覆層の水に対する接触角を測定 た。また、拭き取り試験後の、被覆層の水 対する接触角を測定した。結果を表1に示す 試験後の接触角が、ニッケル基板の水に対 る接触角(76度)に近くなっており、被覆層の 剥離が確認された。

 本発明の表面改質剤は、離型剤、防汚剤、 水剤、撥油剤等として有用であり、特に、 ンプリント用モールド(ナノインプリント用 モールド)の離型剤として有用である。

 なお、2007年12月18日に出願された日本特許 願2007-325954号の明細書、特許請求の範囲、図 面及び要約書の全内容をここに引用し、本発 明の明細書の開示として、取り入れるもので ある。