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Patent Searching and Data


Title:
TERMINAL CRIMPING METHOD, TERMINAL CRIMPING DEVICE, AND TERMINAL-CRIMPED ELECTRIC WIRE MANUFACTURING APPARATUS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/087938
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided are a method and a device for crimping a terminal onto the uncoated end portion of an electric wire so that the electric wire may not be ridged or folded when crimped. The terminal crimping device comprises an applicator (10) and a clamp device (50) for holding and moving an electric wire (E) upward and downward. The applicator (10) includes crimpers (13 and 15) and anvils (14 and 16) acting as crimping tools, a slide cutter (17) for cutting a connecting portion between a terminal and a band body, and a cut-off punch (18) for pushing down the slide cutter (17). At the terminal crimping time, the electric wire (E) is moved at first by the clamp device (50) downward to the height position (H2') of the upper face of the slide cutter. After this, the crimpers (13 and 15) are moved downward, while the electric wire (E) is being moved by the clamp device (50) downward to a crimping height position (H1), thereby to crimp the terminal onto the end portion of the electric wire, and the slide cutter (17) is moved downward to cut off the terminal from the band body. As a result, the electric wire (E) is crimped/cut while being substantially straight.

Inventors:
SUGITA KOZO (JP)
KUNITA MASAKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/050361
Publication Date:
July 24, 2008
Filing Date:
January 15, 2008
Export Citation:
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Assignee:
JAPAN AUTOMATIC MACHINE CO LTD (JP)
SUGITA KOZO (JP)
KUNITA MASAKI (JP)
International Classes:
H01R43/048; H01R43/05; H01R43/052; H01R43/055
Foreign References:
JPH08236255A1996-09-13
JPS61104577A1986-05-22
Attorney, Agent or Firm:
WATANABE, Atsushi (1-20-10-203 Takadanobaba, Shinjuku-k, Tokyo 75, JP)
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Claims:
 被覆の剥ぎ取られた電線の端部に、一連の帯体として供給される端子を一個ずつ圧着する方法であって、
 端子圧着工具である昇降側クリンパと固定側アンビルとの間の電線搬送高さ位置に前記電線の端部を送り込むA工程と、
 前記クリンパと前記アンビルとの間に前記端子を位置させるとともに、該端子と前記帯体との接続部をスライドカッターの切刃部に位置させるB工程と、
 前記電線を前記スライドカッター上面位置まで下降させるC工程と、
 該電線を圧着高さ位置まで下降させつつ前記クリンパを下降させて該端子を該電線の端部に圧着するとともに、前記スライドカッターを下降させて前記帯体から該端子を切り離すD工程と、
 前記クリンパを上昇させるとともに前記電線を上昇させるE工程と、を含み、
 前記C工程において前記電線を前記スライドカッター上に載置し、
 前記D工程において、前記スライドカッターの下降と同期させて前記電線を下降させることを特徴とする端子圧着方法。
 被覆の剥ぎ取られた電線の端部に、一連の帯体として供給される端子を一個ずつ圧着する方法であって、
 端子圧着工具である昇降側クリンパと固定側アンビルとの間の電線搬送高さ位置に前記電線の端部を送り込むA工程と、
 前記クリンパと前記アンビルとの間に前記端子を位置させるとともに、該端子と前記帯体との接続部をスライドカッターの切刃部に位置させるB工程と、
 前記電線を前記スライドカッター上面位置を経て圧着高さ位置まで下降させつつ前記クリンパを下降させて該端子を該電線の端部に圧着するとともに、前記スライドカッターを下降させて前記帯体から該端子を切り離すC´工程と、
 前記クリンパを上昇させるとともに前記電線を上昇させるE工程と、を含み、
 前記C´工程において、前記スライドカッターの下降と同期させて前記電線を下降させることを特徴とする端子圧着方法。
 前記スライドカッターが、前記端子帯体を受け入れる凹部及びその上側に切刃が形成されている刃部を有し、
 前記A及びB工程においては、該刃部の上面が前記アンビルの底面よりも上に位置し、
 前記D工程又はC´工程において、前記カットオフパンチ及びクリンパが下降して前記スライドカッターが下方駆動されて前記切刃が前記帯体を切断するとともに、前記端子が前記電線に圧着され、圧着完了状態では、前記電線は前記圧着高さ位置に位置し、
 この切断・圧着駆動時に前記電線が前記スライドカッターに同期して下降することにより、前記電線がほぼ直線状態のまま下降しつつ圧着及び切断を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の端子圧着方法。
 前記E工程において、前記スライドカッターの上昇と同期させて前記電線を上昇させることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の端子圧着方法。
 被覆の剥ぎ取られた電線端部に端子を圧着する装置であって、
 昇降ラムを有するプレスと、
 該ラムによって駆動され、圧着工具である昇降側クリンパ及び固定側アンビルを有するアプリケータと、
 前記電線を保持するクランプと、
 該クランプを昇降する昇降機構と、
を具備し、
 前記クランプ昇降機構が昇降距離・速度・加減速度を任意に設定可能であることを特徴とする端子圧着装置。
 被覆の剥ぎ取られた電線端部に端子を圧着する装置であって、
 昇降ラムを有するプレスと、
 該ラムによって駆動され、圧着工具である昇降側クリンパ及び固定側アンビルを有するアプリケータと、
 前記電線を保持するクランプと、
 該クランプを昇降する昇降機構と、
を具備し、
 前記クランプが前記クリンパに同期して下降することを特徴とする端子圧着装置。
 被覆の剥ぎ取られた電線端部に、一連の帯体として供給される端子を一個ずつ圧着する装置であって、
 昇降ラムを有するプレスと、
 該ラムによって駆動され、圧着工具である昇降側クリンパ及び固定側アンビル、並びに、前記端子と帯体との接続部を切断するスライドカッターを有するアプリケータと、
 前記電線を保持するクランプと、
 該クランプを昇降する昇降機構と、
を具備し、
 前記クランプ昇降機構が昇降距離・速度・加減速度を任意に設定可能であることを特徴とする端子圧着装置。
 被覆の剥ぎ取られた電線端部に、一連の帯体として供給される端子を一個ずつ圧着する装置であって、
 昇降ラムを有するプレスと、
 該ラムによって駆動され、圧着工具である昇降側クリンパ及び固定側アンビル、並びに、前記端子と帯体との接続部を切断するスライドカッターを有するアプリケータと、
 前記電線を保持するクランプと、
 該クランプを昇降する昇降機構と、
を具備し、
 前記クリンパが下降して前記スライドカッターが下方駆動されて前記切刃が前記帯体を切断し、この切断駆動時に前記クランプが前記スライドカッターに同期して下降することを特徴とする端子圧着装置。
 端子圧着・切断後、前記クランプが前記スライドカッターに同期して上昇することを特徴とする請求項7又は8記載の端子圧着装置。
 前記スライドカッターが、前記端子帯体を受け入れる凹部及びその上側に切刃が形成されている刃部を有し、
 前記電線端部が前記クリンパと前記アンビル間に導入される段階においては、前記スライドカッターの前記刃部の上面が前記アンビルの底面よりも上に位置し、
 前記クリンパを下降させ前記スライドカッターを下方駆動して前記切刃で前記接続部を切断するとともに前記端子を前記電線端部に圧着する際に、前記電線を前記スライドカッターに同期して下降させて、
 切断・圧着完了時に、前記電線を圧着高さ位置に位置させることを特徴とする請求項8記載の端子圧着装置。
 前記クランプの移動距離、移動時間、加速度、速度、減速度、待機時間などが任意に入力可能なことを特徴とする請求項5~10いずれか1項記載の端子圧着装置。
 前記クランプ昇降機構が、前記クランプの搬送テーブル又は装置本体に設けられ、
 該昇降機構が、サーボモータと、該モータで駆動されて、前記クランプを昇降させるためのボールネジ又は偏芯カムと、を有することを特徴とする請求項5~11いずれか1項記載の端子圧着装置。
 電線を送給する送給装置と、
 該電線の先端部の皮むき装置と、
 該先端部に端子を圧着する第一の端子圧着装置と、
 該電線の先端部を任意の長さに切断する切断装置と、
 切断された電線の後端部の皮むき装置と、
 該後端部に端子を圧着する第二の端子圧着装置と、
 両端に端子が圧着された電線の排出装置と、
を含み、
 前記端子圧着装置が請求項5~12いずれか1項に記載の端子圧着装置であることを特徴とする端子圧着電線製造装置。
Description:
端子圧着方法、端子圧着装置及 端子圧着電線製造装置

 本発明は、被覆の剥ぎ取られた電線端部 端子を圧着する方法及び装置に関する。特 は、複数の端子が並列して帯状のキャリア 接続されている帯体から、端子を一個ずつ 線端部に圧着する方法及び装置に関する。 らに、電線を所定の長さに切断し、その両 に端子を圧着する圧着端子付き電線製造装 に関する。

 まず、現在用いられている一般的な端子圧 装置について以下に説明する。
 端子圧着装置は、所望の長さの電線の両端 端子を圧着する端子圧着電線製造装置に装 されるものである。ここでは、多数の端子 並列してキャリアに接続されている帯体を 装置の側方から供給するサイドフィードア リケータを有するタイプについて説明する このアプリケータは、プレス加工の金型(材 料送り機構付き)に相当するものであって、 子の形状やサイズ、電線のサイズ等に応じ 個別に設計・製作される。端子圧着電線製 装置で処理する電線・端子のサイズや種類 応じて各種のアプリケータを交換して使用 る。

 最初に、多数の端子が並列にキャリアに接 されている端子の帯体について説明する。
 図12は、帯体及び端子が圧着された電線を 明する図であり、図12(A)は帯体の平面図、図 12(B)は帯体の側面図、図12(C)は電線の端部に 子が圧着された状態を示す平面図である。
 この帯体100は、並列に並んだ複数の圧着端 101と、各端子101の基端が接続するキャリア1 02とを有する。キャリア102は、細幅の金属薄 である。

 圧着端子101は、キャリア102に接続部103で 続している。図12(A)、(B)に示すように、圧 端子101は、先端側(図12(A)の上側、図12(B)の右 側)から、相手方コネクタピンとの接触部101a ワイヤ用バレル101b、インスレーション用バ レル101cを有する。両バレル101b、101cは、圧着 前には正面から見ると上開きのU字型をして り、そのU字の凹部に電線を受け入れる。そ て、図12(C)に示すように、ワイヤ用バレル10 1bは被覆の剥ぎ取られた電線端部Wに圧着され 、インスレーション用バレル101cは、被覆端 Cに圧着される。図12(A)に示すように、圧着 子101は、キャリア102に所定の間隔で並列に 続されている。また、キャリア102には、所 の間隔で穴102aが開けられている。この穴102a は、後述するように、アプリケータにおいて 、端子を一個ずつ間欠的に搬送する際のツメ 掛け部として使用される。

 次に、アプリケータの構造を説明する。
 図13は、アプリケータの構造の一例を示す 視図である。
 図14は、図13のアプリケータの側面断面図で ある。
 図15は、図13のアプリケータの圧着工具部分 の構造を示す分解斜視図である。
 図16は、図13のアプリケータのスライドカッ ターの構造を示す図であり、図16(A)は正面図 図16(B)は側面図である。

 この例のアプリケータ10は、図13、図14に示 ように、以下の主要部から構成されている
 ベース11:各部を搭載する基板である。
 ホルダー12:ベース11に立設された柱状の構 体である。
 昇降側クリンパ13、15と固定側アンビル14、1 6:ワイヤ用バレル101b及びインスレーション用 バレル101cを圧着するための圧着工具である ワイヤ用バレル101b圧着用のもの(図14の右側 もの)をワイヤクリンパ、ワイヤアンビルと いい、インスレーション用バレル101c圧着用 もの(図14の左側のもの)をインスクリンパ、 ンスアンビルという。なお、ワイヤクリン とインスクリンパを総称してクリンパ、ワ ヤアンビルとインスアンビルを総称してア ビルということもある。
 スライドカッター17:帯体100の接続部103を切 する。
 カットオフパンチ18:スライドカッター17を し下げる。

 端子フィード機構22:側方から供給される 体100が通る供給路21が設けられ、同供給路 の帯体100を所定のピッチずつ圧着位置(各ク ンパと各アンビルが係合する位置)に送り出 す。端子フィード機構22は、帯体100のキャリ 102に形成された穴102a(図12参照)に係合する り爪23を備える。

 図14に示すように、ホルダー12の上部には、 シャンク25が上下にスライド可能に取付けら ている。このシャンク25は、図示せぬプレ のラム31に連結されて昇降される。シャンク 25には、図14に示すように、カットオフパン 18、インスクリンパ15、ワイヤクリンパ13が 図の左右方向(帯体送り方向に直交する方向) に並ぶように備えられている。インスクリン パ15、ワイヤクリンパ13の圧着面15a、13aは、 ットオフパンチ18の当接面18aよりやや下方に 位置する。シャンク25が昇降駆動されると、 ットオフパンチ18、インスクリンパ15、ワイ ヤクリンパ13が一体で昇降運動する。
 また、図13に示す端子フィード機構22も、シ ャンク25の上下運動に伴って駆動され、送り 23が端子供給路21内で往復運動する。これに より、送り爪23に係合する帯体100が所定のピ チ毎に圧着位置に送り込まれる。

 図14に示すように、カットオフパンチ18、 インスクリンパ15、ワイヤクリンパ13の下方 ベース11上には、スライドカッター17、イン アンビル16、ワイヤアンビル14が、図の左右 方向に並ぶように固定されている。インスア ンビル16、ワイヤアンビル14の上面の圧着面16 a、14aはほぼ同じ高さであり(厳密にはワイヤ ンビル14の方がやや高い)、これらはベース1 1上に移動不能に固定されている。一方、ス イドカッター17は後述するように、ベース11 に下方に移動可能に取付けられている。

 図15に示すように、上下方向にみて、カ トオフパンチ18はスライドカッター17に対向 ている。また、インスクリンパ15はインス ンビル16に、ワイヤクリンパ13は、ワイヤア ビル14に対向している。カットオフパンチ18 の下隅は、下方に突出しており、同部分の下 面18aは平坦な当接面18aとなっている。インス クリンパ15の下端には、下方に向って広がる 部15bが設けられており、同凹部15bの最奥が 着面15aとなっている。ワイヤクリンパ13の 端にも、下方に向って広がる凹部13bが設け れており、同凹部13bの最奥が圧着面13aとな ている。シャンク25(図14参照)が下降すると カットオフパンチ18は、その隅の当接面18aで スライドカッター17を押し下げる。また、イ スクリンパ15、ワイヤクリンパ13の圧着面15a 、13aは、端子及びワイヤを介して、インスア ンビル16、ワイヤアンビル14の圧着面16a、14a 押し当てられ、後述するように各バレル101c 101bを圧着する。

 スライドカッター17の構造を詳細に説明す 。
 スライドカッター17は、幅広の直方体状の 材で、図14、図15に示すように、ベース11に ネ19により上方に付勢されて取付けられてお り、下方に移動可能である。同カッター17の 面には、図16に示すように、圧着時に電線 置かれる溝部17aが形成されている。スライ カッター17の上限にある状態では、この溝部 17aの底面(スライドカッター上面、後述する 部17dの上面ともいう)は、図15に示すインス ンビル圧着面16aやワイヤアンビル圧着面14a りやや高い位置にある。さらに、同カッタ 17の上面の隅(図16の左隅)にはカットオフパ チ18の当接面18aが当たる当接面17bが形成され ている。また、図16(B)に示すように、奥側(ア ンビル側)の側面には、送られた端子帯体100 一部を受け入れる、断面コの字状の凹部17c 形成されている。この凹部17cの上方の部分 刃部17dとなっており、凹部17cの入口の上側( 部17dの下側)のエッジ17eが、帯体100の接続部 103(図12参照)を切断する切刃となっている。 ライドカッター17の上限にある状態では、図 14に示すように、凹部17cの下面は、両アンビ 16、14の圧着面16a、14aとほぼ同一高さにある 。

 バネ19は、スライドカッター17の下面に形 成された穴17fに収容されている。さらに、同 カッター17の手前側の面(凹部17cと反対側の面 )には、スライドカッター17の上限位置を決め るストッパー(図17の符号25)が当接する段部17g が形成されている。

 次に、電線を供給・位置決めするクランプ 置について説明する。
 図17は、クランプ装置を含む端子圧着装置 説明するための側面図である。
 クランプ装置80は、アプリケータ10の正面に 配置され、電線Eが保持されるクランプ81、ク ランプ開閉用のカム機構や同カム機構を駆動 するシリンダ等が収容されているクランプ駆 動機構82、クランプ81やクランプ駆動機構82を 保持するクランプ搬送テーブル83等を有する クランプ81には、別工程にて端部が剥ぎ取 れた電線Eが保持される。クランプ駆動機構8 2は、搬送テーブル83にバネ84によってサポー されて移動可能に取付けられている。搬送 ーブル83上には、クランプ駆動機構82の下降 限位置を決定するストッパ85が設けられてい 。アプリケータ10を駆動するプレス30には、 電線Eを下降させるために、クランプ81を下方 に押し下げる押し棒33が設けられている。押 棒33はバネ34で付勢されて上方に移動可能と なっている。

 端子圧着のために、電線Eは、クランプ81 搬送テーブル83により、搬送高さH2において アプリケータ10内に搬送される。この搬送高 H2は、圧着高さH1(アンビル上面よりも、電 Eの半径プラス端子の肉厚だけ高い高さ)より 高い。次に、端子101を圧着する前に、電線E 、クランプ81で把持されている部分の高さ( 線中心高さ)が、圧着高さH1と同じとなるま 、電線Eを下降させる必要がある(詳細後述) そこで、プレス30を下降させ、押し棒33をク ンプ81の上面に当てて、押し棒33でクランプ 81を押し下げる。クランプ81が押し下げられ クランプ駆動機構82の下面がストッパ85に当 ったとき、電線Eの中心高さは圧着高さH1と ぼ等しくなる。さらにプレス30が下降して 、その下降分はバネ34の縮みで吸収されるた め、クランプ81、すなわち、電線Eは圧着高さ H1に維持されることになる。

 次に、この端子圧着装置を用いて端子を圧 する工程について詳しく説明する。
 圧着工程は主に以下の5つの工程からなる。
第1工程:クリンパとアンビル間の電線搬送高 位置H2に電線の端部を送り込む、
第2工程:アンビル上に端子を位置させる、
第3工程:電線を圧着高さH1まで下降させる、
第4工程:クリンパ及びカットオフパンチを下 させて端子を圧着するとともに、端子と帯 との間の接続部を切断する、
第5工程:クリンパ及びカットオフパンチを上 させるとともに電線を上昇させる。

 各工程について図17~図22を参照して説明す 。
 図17は既に説明した図であるが、上述の第1 程の終了状態を示す図である。
 図18は、第2工程を説明する図であり、図18(A )は側面図、図18(B)は送り込まれた端子周辺の 拡大側面図である。
 図19は、第3工程の初期段階を説明する側面 である。
 図20は、第3工程の最終段階を説明する図で り、図20(A)は側面図、図20(B)は電線端部及び 端子周辺の拡大側面図である。
 図21は、第4工程の初期段階を説明する図で り、図21(A)は側面図、図21(B)は電線端部及び 端子周辺の拡大側面図である。
 図22は、第4工程の最終段階を説明する図で り、図22(A)は側面図、図22(B)は電先端部及び 端子周辺の拡大側面図である。

<第1の工程>(図17参照)
 図17に示すように、クランプ81や搬送テーブ ル83により、電線Eを電線搬送高さH2に送り込 。このとき、被覆の剥ぎ取られた電線端部W がワイヤクリンパ13とワイヤアンビル14の間 、被覆端部Cがインスクリンパ15とインスア ビル16間に位置する。スライドカッター17は 段部17gがストッパー25に当接して上限位置 位置している。

<第2の工程>(図18参照)
 電線搬送後、プレス30(図17参照)が下降し始 る。すると、シャンク25が下方にスライド 、端子フィード機構22(図13参照)が作動して 端子100を圧着位置に送り込む。つまり、図18 (B)に分かりやすく示すように、キャリア102が スライドカッター17の凹部17c内に、インスレ ション用バレル101cがインスアンビル16上に ワイヤ用バレル101bがワイヤアンビル14上に かれる。そして、接続部103は、切刃17eの下 に位置する。

<第3の工程>(図19、図20参照)
 図19に示すように、プレス30がさらに下降し て押し棒33がクランプ81に当接し、クランプ81 をバネ84の付勢力に抗して押し下げ始め、電 Eが下降し始める。カットオフパンチ18、イ スクリンパ15、ワイヤクリンパ13も一体的に 下降し続ける。

 図20(A)に示すように、クランプ駆動機構82 の下面がストッパ85に当接するまでプレス30 下降すると、電線Eのクランプ81で把持され 部分は圧着高さH1に位置する。しかし、図20( B)に示すように、この状態ではスライドカッ ー17の溝部17aの底面の高さは圧着高さH1(ア ビル上面よりも、電線の半径プラス端子の 厚だけ高い高さ)よりも高いので、電線Eのク ランプ81で把持された部分から先の電線は、 ライドカッター17の溝部17a(高さH1´)に乗り げ、上方に傾斜する。そして、被覆端部Cは ンスレーション用バレル101cに途中まではま り込み、電線端部Wはワイヤ用バレル101bに途 まではまり込んでいる。

<第4の工程>(図21、図22参照)
 図21に示すように、プレス30がさらに下降し 、カットオフパンチ18の下隅の当接面18a(図15 照)がスライドカッター17の当接面17bに当接 て同カッター17を押し下げ始める。ほぼ同 に、インスクリンパ15の圧着面15aがインスレ ーション用バレル101cに当たり、ワイヤクリ パ13の圧着面13aがワイヤ用バレル101bに当た 始める。このとき、図21(B)に示すように、電 線Eのクランプ81で把持された部分から先の部 分はスライドカッター17の溝部17aに乗り上げ 上方に傾斜したままである。なお、押し棒3 3は、クランプ81を押し下げ続けているが、プ レス30の下降分がバネ34(図17参照)の縮みで吸 されるため、電線Eのクランプ81で把持され 部分は圧着高さH1に維持されている。

 プレス30が最後まで下降すると、図22に示 すように、カットオフパンチ18がスライドカ ター17を押し下げて、帯体100の接続部103が 刃17d(図16参照)とインスアンビル16との間で 断され、凹部17c内のキャリア102と、アンビ 16、14上の端子101に分かれる。ほぼ同時に、 クリンパ13、15が両アンビル14、16に押し当 られ、ワイヤ用バレル101bが丸く潰されるよ に電線端部Wに圧着され、インスレーション 用バレル101cも同様に被覆端部Cに圧着される この際、電線Eのクランプ81で把持された部 と電線端部W及び被覆端部Cは圧着高さH1にあ る。しかし、スライドカッター17の溝部17aに り上げていた部分は、クランプ81及びイン クリンパ15・インスアンビル16により両側を えられるため、変形が戻らす、最終的には 図22(B)に示すように、端子の根元の電線が 高に湾曲したような形状となる。

 このような電線の湾曲を避けるためには スライドカッター17の溝部17aの高さを圧着 さに近づければよい、つまり、刃部17d(図16 照)の厚さを薄くすればよいが、そうすれば 刃の強度が不足し、切断時に刃部が折れる うなことも起こり得る。

 このように電線が曲がってしまった場合 端子をコネクタに挿入するときに電線が座 したり、コネクタと接触部との位置がずれ りして問題となることがある。

 このような問題への対策として、クラン 81の下限位置を決定するストッパ85の高さを 調節して、クランプ81の下限高さをやや高く 、圧着時の電線の中心高さを、圧着高さH1 りやや高い位置とすることも考えられる。 かし、この場合は、電線が端子の根元で下 へ湾曲したような形状となってしまう。

 また、圧着される端子や電線の形状や寸 が変わると、ストッパの高さ位置を調整し ければならず、微妙で手間のかかる作業が えてしまう。

 本発明は上記の問題点に鑑みてなされた のであって、圧着時に電線が中高に曲がっ り折れたりしないように、被覆の剥ぎ取ら た電線端部に端子を圧着する方法及び装置 提供することを目的とする。さらには、そ ような良好な端子圧着状態の圧着端子付き 線製造装置を提供することを目的とする。

 本発明の態様に係る端子圧着方法は、  覆の剥ぎ取られた電線の端部に、一連の帯 として供給される端子を一個ずつ圧着する 法であって、 端子圧着工具である昇降側ク リンパと固定側アンビルとの間の電線搬送高 さ位置に前記電線の端部を送り込むA工程と  前記クリンパと前記アンビルとの間に前記 端子を位置させるとともに、該端子と前記帯 体との接続部をスライドカッターの切刃部に 位置させるB工程と、 前記電線を前記スライ ドカッター上面位置まで下降させるC工程と  該電線を圧着高さ位置まで下降させつつ前 記クリンパを下降させて該端子を該電線の端 部に圧着するとともに、前記スライドカッタ ーを下降させて前記帯体から該端子を切り離 すD工程と、 前記クリンパを上昇させるとと もに前記電線を上昇させるE工程と、を含み  前記C工程において前記電線を前記スライ カッター上に載置し、 前記D工程において 前記スライドカッターの下降と同期させて 記電線を下降させることを特徴とする。

 本発明によれば、電線をスライドカッタ 上面位置まで下降させた後、圧着高さ位置 でスライドカッターと同期下降させて端子 着及び切断を行うので、電線がほぼ直線状 のままで圧着作業が行われる。このため、 線が端子の根元で中高に曲がったり、先端 下方に曲がることがない。

 本発明の他の態様に係る端子圧着方法は  被覆の剥ぎ取られた電線の端部に、一連 帯体として供給される端子を一個ずつ圧着 る方法であって、 端子圧着工具である昇降 側クリンパと固定側アンビルとの間の電線搬 送高さ位置に前記電線の端部を送り込むA工 と、 前記クリンパと前記アンビルとの間に 前記端子を位置させるとともに、該端子と前 記帯体との接続部をスライドカッターの切刃 部に位置させるB工程と、 前記電線を前記ス ライドカッター上面位置を経て圧着高さ位置 まで下降させつつ前記クリンパを下降させて 該端子を該電線の端部に圧着するとともに、 前記スライドカッターを下降させて前記帯体 から該端子を切り離すC´工程と、 前記クリ パを上昇させるとともに前記電線を上昇さ るE工程と、を含み、 前記C´工程において 前記スライドカッターの下降と同期させて 記電線を下降させることを特徴とする。

 本発明によれば、電線をスライドカッタ 上面位置を経て圧着高さ位置までスライド ッターと同期下降させて端子圧着及び切断 行う。

 なお、以上の発明においては、上下・昇 方向は、重力方向及びその方向の動きに限 されるものではない。また、電線とスライ カッターが同期とは、厳密な速度・加速度 タイミングの一致を意味するものではなく 圧着後の形態に支障が出ない程度の動作の 一致は許容される。上記各工程A~Eは互いに ーバーラップ、あるいは支障のない範囲で 後していてもよい。

 本発明においては、 前記スライドカッ ーが、前記端子帯体を受け入れる凹部及び の上側に切刃が形成されている刃部を有し  前記A及びB工程においては、該刃部の上面 前記アンビルの底面よりも上に位置し、  記D工程又はC´工程において、前記カットオ パンチ及びクリンパが下降して前記スライ カッターが下方駆動されて前記切刃が前記 体を切断するとともに、前記端子が前記電 に圧着され、圧着完了状態では、前記電線 前記圧着高さ位置に位置し、 この切断・ 着駆動時に前記電線が前記スライドカッタ に同期して下降することにより、前記電線 ほぼ直線状態のまま下降しつつ圧着及び切 を行うこととできる。

 ここで、 前記E工程において、前記スライ カッターの上昇と同期させて前記電線を上 させることが好ましい。
 この場合、端子が圧着された後の電線をほ 直線状態のまま上昇させることができる。

 本発明の態様に係る端子圧着装置は、  覆の剥ぎ取られた電線端部に端子を圧着す 装置であって、 昇降ラムを有するプレスと 、 該ラムによって駆動され、圧着工具であ 昇降側クリンパ及び固定側アンビルを有す アプリケータと、 前記電線を保持するク ンプと、 該クランプを昇降する昇降機構と 、を具備し、 前記クランプ昇降機構が昇降 離・速度・加減速度を任意に設定可能であ ことを特徴とする。

 本発明の他の態様に係る端子圧着装置は  被覆の剥ぎ取られた電線端部に端子を圧 する装置であって、 昇降ラムを有するプレ スと、 該ラムによって駆動され、圧着工具 ある昇降側クリンパ及び固定側アンビルを するアプリケータと、 前記電線を保持す クランプと、 該クランプを昇降する昇降機 構と、を具備し、 前記クランプが前記クリ パに同期して下降することを特徴とする。

 本発明のさらに他の態様に係る端子圧着 置は、 被覆の剥ぎ取られた電線端部に、 連の帯体として供給される端子を一個ずつ 着する装置であって、 昇降ラムを有するプ レスと、 該ラムによって駆動され、圧着工 である昇降側クリンパ及び固定側アンビル 並びに、前記端子と帯体との接続部を切断 るスライドカッターを有するアプリケータ 、 前記電線を保持するクランプと、 該ク ランプを昇降する昇降機構と、を具備し、  記クランプ昇降機構が昇降距離・速度・加 速度を任意に設定可能であることを特徴と る。

 本発明のさらに他の態様に係る端子圧着 置は、 被覆の剥ぎ取られた電線端部に、 連の帯体として供給される端子を一個ずつ 着する装置であって、 昇降ラムを有するプ レスと、 該ラムによって駆動され、圧着工 である昇降側クリンパ及び固定側アンビル 並びに、前記端子と帯体との接続部を切断 るスライドカッターを有するアプリケータ 、 前記電線を保持するクランプと、 該ク ランプを昇降する昇降機構と、を具備し、  記クリンパが下降して前記スライドカッタ が下方駆動されて前記切刃が前記帯体を切 し、この切断駆動時に前記クランプが前記 ライドカッターに同期して下降することを 徴とする。

 これらの端子圧着装置においては、 端 圧着・切断後、前記クランプが前記スライ カッターに同期して上昇することが好まし 。

 さらに、 前記スライドカッターが、前 端子帯体を受け入れる凹部及びその上側に 刃が形成されている刃部を有し、 前記電線 端部が前記クリンパと前記アンビル間に導入 される段階においては、前記スライドカッタ ーの前記刃部の上面が前記アンビルの底面よ りも上に位置し、 前記クリンパを下降させ 記スライドカッターを下方駆動して前記切 で前記接続部を切断するとともに前記端子 前記電線端部に圧着する際に、前記電線を 記スライドカッターに同期して下降させて  切断・圧着完了時に、前記電線を前記圧 高さ位置に位置させることが好ましい。

 これらの端子圧着装置においては、 前記 ランプの移動距離、移動時間、加速度、速 、減速度、待機時間などが任意に入力可能 こととできる。
 この場合、端子の肉厚やバレルの寸法・形 、電線の径などに応じた電線の圧着・切断 業を行うことができる。

 また、 前記クランプ昇降機構が、前記 ランプの搬送テーブル又は装置本体に設け れ、 該昇降機構が、サーボモータと、該モ ータで駆動されて、前記クランプを昇降させ るためのボールネジ又は偏芯カムと、を有す ることとできる。

 本発明の態様に係る端子圧着電線製造装 は、 電線を送給する送給装置と、 電線の 先端部の皮むき装置と、 該先端部に端子を 着する第一の端子圧着装置と、 該電線の 端部を任意の長さに切断する切断装置と、  切断された電線の後端部の皮むき装置と、  後端部に端子を圧着する第二の端子圧着装 と、 両端に端子が圧着された電線の排出 置を含み、 前記端子圧着装置が上記に記載 の端子圧着装置であることを特徴とする。

 以上の説明から明らかなように、本発明 よれば、電線をスライドカッター上面位置 で下降させた後、圧着高さ位置までスライ カッターと同期下降させて端子を電線の端 に圧着するとともに端子の切断を行うので 電線をほぼ直線状態に保ったままで圧着作 を行うことができる。このため、電線が端 の根元で中高に曲がったり、先端が下方に がることがない。

発明を実施するための形態

 以下、本発明の実施の形態について、図面 参照しながら詳細に説明する。
 まず、端子圧着電線製造装置について説明 る
 図8は、端子圧着電線製造装置の構成の一例 を説明する図である。
 この例では、電線を所定の長さに切断し、 断した電線の両端の被覆を剥ぎ、両端の露 した電線に端子を圧着する装置について説 する。
 端子圧着電線製造装置1は、ロール状に巻か れた電線から所定の長さずつ電線を送り出す 電線送給装置2、電線を把持及び搬送する2個 クランプ装置50A、50B、電線切断装置3、基側 電線(電線送給装置2側の電線)の先端部の皮む き装置4A、先側電線(切断された電線)の後端 の皮むき装置4B、基側電線の先端部への端子 圧着装置(アプリケータ)10A、先側電線の後端 への端子圧着装置(アプリケータ)10B、両端 端子が圧着された電線の排出装置5、とを主 備える。これらの装置は、機台6上に配置さ れている。

 電線送給装置2、二個のクランプ装置50A、 50Bは、電線送り方向に直列に並んで配置され ている。ここで、電線送給装置2に近い側の ランプ装置50Aを基クランプ装置、もう一方 クランプ装置を先クランプ装置50Bという。

 基クランプ装置50Aは、電線送給装置2から繰 り出された電線の基側を把持するクランプ51A 、同クランプ51Aを開閉するカム機構や同カム 機構を駆動するシリンダ等が設けられたクラ ンプ駆動機構52A、クランプ51Aとクランプ開閉 機構52Aが載置された搬送テーブル53Aなどから 構成される。搬送テーブル53Aは、電線送り方 向に移動可能であるとともに、機台6上に旋 可能に設けられている。
 先クランプ装置50Aは、電線送給装置2から繰 り出された電線の先側を把持するクランプ51B 、同クランプ51Bを開閉するカム機構や同カム 機構を駆動するシリンダ等が設けられたクラ ンプ駆動機構52B、クランプ51Bとクランプ開閉 機構52Bが載置された搬送テーブル53Bなどから 構成される。搬送テーブル53Bは、電線送り方 向に移動可能であるとともに、機台6上に横 向に移動可能に設けられている。
 両クランプ装置50A、50B間には、電線を切断 る切断装置3が設けられている。

 基クランプ装置50Aの搬送テーブル53Aが電線 り方向から所定の角度旋回した先には、先 部端子圧着装置(アプリケータ)10Aが設けら ている。また、この旋回軌道の途中には、 むき装置4Aが設けられている。
 先クランプ装置50Bの搬送テーブル53Bが電線 り方向から所定の距離だけ横方向に移動し 先には、後端部端子圧着装置(アプリケータ )10Bが設けられている。この移動軌道の途中 は皮むき装置4Bが設けられている。

 この端子圧着電線製造装置1の動きを簡単に 説明する。
 まず、電線送給装置2から所定の長さだけ電 線がクランプ装置50A、50Bに向って送り込まれ て、2ヶ所で各クランプ装置50A、50Bのクラン 51A、51Bに把持される。ここで、この電線の 端には、前の工程において端子が予め圧着 れている。そして、切断装置3により、電線 切断される。電線送給装置2に残った電線( 側電線)は基クランプ装置50Aのクランプ51Aに 持され、切断された電線(先側電線)は先ク ンプ装置50Bのクランプ51Bに把持される。

 次に、基クランプ装置50Aの搬送テーブル5 3Aが皮むき装置4Aまで旋回して、同装置によ て基側電線の先端部の被覆が剥ぎ取られる 次に、同搬送テーブル53Aが先端部端子圧着 置10Aまで旋回して、剥ぎ取られた電線先端 に端子が圧着される。その後、搬送テーブ 53Aは元の位置に戻る。つまり、基側電線の 端に端子が圧着されていることになる。

 この作業と同時に、先クランプ装置50Bの 送テーブル53Bが皮むき装置4Bまで移動して 同装置によって先側電線の後端部の被覆が ぎ取られる。次に、同搬送テーブル53Bが後 部端子圧着装置10Bまで横移動して、剥ぎ取 れた電線後端部に端子が圧着される。これ より、所定の長さに切断された電線の両端 端子が圧着される。この電線は排出装置5に り排出され、搬送テーブル53Bは元の位置に る。

 次に、この端子圧着電線製造装置1のアプリ ケータ(端子圧着装置)10とクランプ装置50の構 成及び作用を説明する。
 図1は、本発明の実施の形態に係る端子圧着 装置とクランプ装置の構造を示す側面図であ る。
 このアプリケータ10は、図13、図14のアプリ ータ10とほぼ同一の構造である。ただし、 イヤクランプを昇降させる作業をプレス30で 行うか別の駆動源で行うかの点が異なる。な お、以降の図において、図13、図14のアプリ ータと同じ構成・作用を有する部分は図13と 同じ符号を付し、説明を省略する。

 以下、クランプ装置50について説明する。
 クランプ装置50は、前述のように、電線Eを 持するクランプ51、クランプ駆動機構52、搬 送テーブル53を有する。クランプ駆動機構52 、搬送テーブル53の上方に配置されて、ガイ ドバー54に沿って搬送テーブル53に対して昇 可能となっている。搬送テーブル53にはサー ボモータ55が取付けられている。サーボモー 55の出力軸は上方に延びており、同軸には ールネジ56が固定されている。このボールネ ジ56は、軸受57を介してクランプ駆動機構52に 取付けられている。サーボモータ55の回転に り、クランプ駆動機構52はガイド54に沿って 上下運動し、クランプ51に把持されている電 Eが昇降される。

 クランプ51の移動速度や加減速度、各高 での停止時間等は、後述するように任意に 定可能である。

 次に、この端子圧着装置10とクランプ装置50 を用いた端子圧着方法を説明する。
 図2は、端子圧着方法を説明するためのタイ ムチャートである。図の上半分は電線の動き を示し、下半分はアプリケータの動きを示す 。
 端子圧着方法は、主に以下の工程からなる
A工程:クリンパとアンビル間の電線搬送高さ 置に電線を送り込む、
B工程:アンビル上に端子を位置させるととも 、端子と帯体との接続部をスライドカッタ の切刃部に位置させる(端子フィード)、
C工程:電線をスライドカッター上面位置(スラ イドカッター17の溝部17aの底面(図15、図16(A) 照)の高さ)まで下降させ、電線を溝部17aに置 く、
D工程:電線を圧着高さ(アンビル上面よりも、 電線Eの半径プラス端子の肉厚だけ高い高さ) 置まで下降させつつクリンパを下降させて 端子を電線の端部に圧着するとともに、ス イドカッターを下降させてキャリアから端 を切り離す、
E工程:クリンパを上昇させるとともに電線を 昇させる。

 各工程について図1~図6を参照して説明する
 図1は、A工程の最終段階を説明する図であ 。
 図2は、端子圧着方法を説明するためのタイ ムチャートである。
 図3は、C工程の初期段階を説明する図であ 、図3(A)は側面図、図3(B)は電線端部や端子周 辺の拡大側面図である。
 図4は、C工程の最終段階を説明する図であ 、図4(A)は側面図、図4(B)は電線端部や端子周 辺の拡大側面図である。
 図5は、D工程の初期段階を説明する図であ 、図5(A)は側面図、図5(B)は電線端部や端子周 辺の拡大側面図である。
 図6は、D工程の最終段階を説明する図であ 、図6(A)は側面図、図6(B)は電線端部や端子周 辺の拡大側面図である。

 各工程について説明する。
<A工程>(図1参照)
 電線Eは、その先端部(図の右端部)を皮むき れた状態でクランプ51に保持されている。 のとき、クランプ51に把持された電線Eは、 送高さH2(圧着高さH1の上方)に位置決めされ いる。そして、クランプ搬送テーブル53を旋 回又は横移動させて、電線Eの先端部をクリ パ13・15とアンビル14・16の間に送り込む。詳 細には、電線Eの、先端の被覆が剥ぎ取られ 電線端部Wがワイヤクリンパ13とワイヤアン ル14との間に、被覆端部Cがインスクリンパ15 とインスアンビル16との間にくるように送り む。

<B工程>(図1→図3参照)
 電線搬送後、プレス30が下降し始める。こ によりシャンク25が下方にスライドし、端子 フィード機構22(図13参照)が作動して、端子100 を圧着位置に送り込む。このとき、図3(B)に すように、キャリア102がスライドカッター17 の凹部17c内に、インスレーション用バレル101 cがインスアンビル16上に、ワイヤ用バレル101 bがワイヤアンビル14上に置かれる。また、接 続部103は切刃17eの下方に位置する。

<C工程>(図3→図4参照)
 プレス30が所定の距離(例えば18mm)下降した 、サーボモータ55が駆動され、図3に示すよ に、クランプ51が下降し始める。クランプ51 把持された電線Eの先端では、図3(B)に示す うに、電線端部Wがワイヤクリンパ13の凹部13 b内にはまり込み、被覆端部Cがインスクリン 15の凹部15b内にはまり込む。この工程では 電線Eが、図4に示すように、最終的にスライ ドカッター17の溝部17aの底面の高さH2´に下降 する。このスライドカッター17の溝部17aの底 の高さH2´を、スライドカッター17の上面又 スライドカッター17の刃部17dの上面ともい 。

 この高さH2´は、図4(B)に示すように、ア ビル14、16の上面より、スライドカッター17 凹部17cの高さと、刃部17dの厚さと、電線Eの 径の分だけ高い。電線Eがスライドカッター 17の溝部17aに乗ると、被覆端部Cと電線端部W 、端子のバレル101c、101bの途中まではまり込 む。

<D工程>(図5→図6参照)
 プレス30がさらに下降し、図5に示すように 各クリンパ15、13が下降して、各圧着面15a、 13aがインスレーション用バレル101c、ワイヤ バレル101bを曲げて電線をくるみ始めるとと に、カットオフパンチ18の下隅の当接面18a( 15参照)がスライドカッター17の当接面17bに たり、スライドカッター17を押し下げ始める 。同時に、プレス30の下降と同期して、サー モータ55が駆動されてクランプ51を下降させ 始める。クランプ51は、両クリンパ15、13、ス ライドカッター17の下降と同期して下降し続 る。つまり、電線Eは、ほぼ直線状態で下降 する。

 そして、最終的にプレス30が下限位置まで 降すると、図6(B)に示すように、各クリンパ1 3、15が各アンビル14、16に押し当てられて(端 101と電線Eを介して)、各バレル101b、101cが電 線端部W、被覆端部Cに圧着される。同時に、 ライドカッター17が下降して、刃部17dに設 られた切刃17eが下降し、同切刃17eでキャリ 102と端子101の接続部103が切り離される。こ 際、サーボモータ55は、プレス30が下限位置 で下降したときにクランプ51に把持された 線Eの中心高さが圧着高さH1となるまで下降 るように駆動される。そのため、下降中、 線Eはほぼ直線の状態に保たれている。
 この圧着・切断完了後、図6(B)に示すように 、切刃17eは、圧着高さH1より低い位置に達し いる。

 従来の方法では、C工程からD工程の間、 線Eのクランプで把持された部分が圧着高さH 1に維持されて、その先の部分はスライドカ ター17の溝部17aに乗り上げていた。このため 、乗り上げていた部分は、クランプ51と、イ スクリンパ15・インスアンビル16間に、その 両側が押えられているため、変形が戻らない まま、帯体100の接続部103が切断されるととも にバレル101c、101bが圧着されていた。しかし 本発明では、クランプ51をスライドカッタ 17やクリンパ15、13と同期して下降させてい ため、電線Eを直線状に保持したまま各処理 行うことができる。

<E工程>
 圧着完了後、プレス30を上昇させて、クリ パ15、13、カットオフパンチ18を初期高さに 昇させるとともに、サーボモータ55を駆動し てクランプ51を上昇させ、電線を電線搬送高 H2に上昇させる。この際、クランプ51をクリ ンパ15、13やカットオフパンチ18(スライドカ ター17)と同期させて上昇させる。これによ 、電線Eは端部に端子101が圧着された状態で ほぼ直線状態のまま上昇する。

 次に、制御部について説明する。
 図7は、制御部の構成・作用を説明する図で あり、図7(A)はブロック図、図7(B)、(C)はクラ プ昇降速度のグラフである。
 図23は、制御部のパネルの一例を示す図で る。
 制御部は、図7(A)に示すように、入力手段や 表示手段が設けられたパネル40、パネル40に 続する制御手段41を有する。この制御手段41 サーボモータ55のサーボアンプ55aに接続し いる。

 この例では、図23に示すように、パネルの 力手段から以下の項目を入力することがで る(図2、図7(B)も参照)。
(1)目標値1:電線下降距離L1(mm)、電線搬送高さH 2からスライドカッター(刃部)上面高さH2´ま の距離、
(2)速度1:電線下降速度V1(mm/sec又はrpm):電線搬 高さH2からスライドカッター(刃部)上面高さH 2´まで下降する速度、
(3)加速度1:電線下降加減速度A1(mm/sec 2 ):電線搬送高さH2からスライドカッター(刃部) 上面高さH2´まで下降する加減速度(加速時間 もよい)、

(4)目標値2:電線下降距離L2(mm)、スライドカッ ー(刃部)上面高さH2´から圧着高さH1までの 離、
(5)速度2:電線下降速度V2(mm/sec又はrpm)、スライ ドカッター(刃部)上面高さH2´から圧着高さH1 で下降する速度、プレスの下降速度(クリン パ、カットオフパンチの下降速度)と同じ速 、
(6)加速度2:電線下降加減速度A2(mm/sec 2 ):スライドカッター(刃部)上面高さH2´から圧 高さH1まで下降する加減速度(加速時間でも い)、プレスの加減速度(クリンパ、カット フパンチの加減速度)と同じ加速度、

(7)目標値3:電線上昇距離L3(mm)、圧着高さH1か 電線搬送高さH2までの距離、
(8)速度3:電線上昇速度V3(mm/sec)、圧着高さH1か 電線搬送高さH2まで上昇する速度、
(9)加速度3:電線上昇加減速度A3(mm/sec 2 )、圧着高さH1から電線搬送高さH2まで上昇す 加減速度(加速時間でもよい)、
(10)ディレイタイムT1(mmsec):プレス(クリンパ) 降開始からクランプ(電線)下降開始までの時 間、
などを入力することができる。
 これらの項目は、端子の形状や寸法、電線 径等によって異なるので、随時入力する。

 次に、圧着方法の他の例について、図9、図 7(C)を参照して説明する。
 図9は、圧着方法の他の例を説明する図であ る。
 この例の端子圧着方法は、主に以下の工程 らなる。
A工程:クリンパとアンビル間の電線搬送高さ 置に電線を送り込む、
B工程:アンビル上に端子を位置させるととも 、端子と帯体との接続部をスライドカッタ の切刃部に位置させる、
C´工程:電線をスライドカッター上面高さ位 (スライドカッターの溝部の底面の高さ)を経 て、圧着高さまで下降させつつクリンパを下 降させて端子を電線の端部に圧着するととも に、スライドカッターを下降させてキャリア から端子を切り離す、
E工程:クリンパを上昇させるとともに電線を 昇させる。

 この方法では、前述の方法のC工程とD工程 を、一つのC´工程で行う。
 つまり、前述の方法では、電線Eをいったん スライドカッター上面高さ(スライドカッタ 17の溝部17aの底面高さH2´)まで下降させた(C 程)後、圧着高さH1に下降させていた(D工程) 、この方法では、電線Eをスライドカッター 面高さを経て一気に圧着高さH1まで下降さ る(C´工程)。この下降中の、スライドカッタ ー17の上面高さH2´から圧着高さH1までの下降 、クリンパ15、13及びスライドカッター17の 降(D工程)と同期させる。

 この場合、図7(C)に示すように、電線搬送 高さH2からスライドカッター上面高さH2´を経 て圧着高さH1まで速度V1で電線を下降させた (加減速度A1)、電線下降速度V3で圧着高さH1か ら搬送高さH2まで電線を上昇させる(加減速度 A3)。

 次に、クランプ昇降機構の他の例について 明する。
 図10は、本発明の他の実施の形態に係る端 圧着装置の構造を説明する図である。
 この例のクランプ装置60においては、サー モータ55が、搬送テーブル53ではなく端子圧 電線製造装置1の機台(図8の符号6参照)やプ ス装置のフレーム(図示されず)の側面又は前 面に取付けられている。ワイヤクランプ51は 前述と同様にクランプを開閉するカム機構 同カム機構を駆動するシリンダが設けられ クランプ駆動機構52上に設けられている。 ランプ駆動機構52は、搬送テーブル53の上方 配置されており、バネ61により上方に付勢 れて、電線Eを搬送高さに維持している。

 サーボモータ55の出力軸は下方に延びて り、同軸には、軸受57を介してスライダ62が 付けられている。このスライダ62は、上下 延びるリニアガイド63に沿ってスライドする 。スライダ62には、下方に延びる押し棒64が けられている。サーボモータ55の回転により 、スライダ62がリニアガイド63に沿って下方 スライドすると、押し棒64の先端はクランプ 51の上面に当接し、同クランプを下方に押す サーボモータ55を適宜に回転させることに り、クランプ51、つまり、電線Eを、スライ カッター上面高さや圧着高さに下降する。

 図11は、本発明のさらに他の実施の形態に る端子圧着装置の構造を説明する図である
 この例のクランプ昇降機構70においても、 ーボモータ55が搬送テーブル53ではなく、端 圧着電線製造装置1の機台(図8の符号6参照) プレス装置のフレーム(図示されず)の側面又 は前面に取付けられている。ワイヤクランプ 51は、前述と同様に、クランプを開閉するカ 機構や同カム機構を駆動するシリンダが設 られたクランプ駆動機構52上に設けられて る。クランプ駆動機構52は、搬送テーブル53 上方に配置されており、バネ61により上方 付勢されて、電線Eを搬送高さに維持してい 。

 サーボモータ55の出力軸55bは側方に延び おり、同軸には、偏芯カム71が固定されてい る。クランプ駆動機構52には、この偏芯カム7 1に係合するドッグ72が設けられている。サー ボモータ55の回転により、偏芯カム71がドッ 72を押し下げ、クランプ51を下降させる。サ ボモータ55を適宜に回転させることにより クランプ51、つまり、電線をスライドカッタ ー上面高さや圧着高さに下降させる。

本発明の実施の形態に係る端子圧着装 とクランプ装置の構造を示す側面図である 端子圧着方法を説明するためのタイム ャートである。図の上半分は電線の動きを し、下半分はアプリケータの動きを示す。 C工程の初期段階を説明する図であり、 図3(A)は側面図、図3(B)は電線端部や端子周辺 拡大側面図である。 C工程の最終段階を説明する図であり、 図4(A)は側面図、図4(B)は電線端部や端子周辺 拡大側面図である。 D工程の初期段階を説明する図であり、 図5(A)は側面図、図5(B)は電線端部や端子周辺 拡大側面図である。 D工程の最終段階を説明する図であり、 図6(A)は側面図、図6(B)は電線端部や端子周辺 拡大側面図である。 制御部の構成・作用を説明する図であ 、図7(A)はブロック図、図7(B)、(C)はクラン 昇降速度のグラフである。 端子圧着電線製造装置の構成の一例を 明する図である。 圧着方法の他の例を説明する図である 本発明の他の実施の形態に係る端子圧 着装置の構造を説明する図である。 本発明のさらに他の実施の形態に係る 端子圧着装置の構造を説明する図である。

帯体及び端子が圧着された電線を説明 する図であり、図12(A)は帯体の平面図、図12(B )は帯体の側面図、図12(C)は電線の端部に端子 が圧着された状態を示す平面図である。 アプリケータの構造の一例を示す斜視 図である。 図13のアプリケータの側面断面図であ 。 図13のアプリケータの圧着工具部分の 造を示す分解斜視図である。 図13のアプリケータのスライドカッタ の構造を示す図であり、図16(A)は正面図、 16(B)は側面図である。 クランプ装置を含む端子圧着装置を説 明するための側面図である。 第2工程を説明する図であり、図18(A)は 側面図、図18(B)は送り込まれた端子周辺の拡 側面図である。 第3工程の初期段階を説明する側面図 ある。 第3工程の最終段階を説明する図であ 、図20(A)は側面図、図20(B)は電線端部及び端 周辺の拡大側面図である。 第4工程の初期段階を説明する図であ 、図21(A)は側面図、図21(B)は電線端部及び端 周辺の拡大側面図である。 第4工程の最終段階を説明する図であ 、図22(A)は側面図、図22(B)は電先端部及び端 周辺の拡大側面図である。 制御部のパネルの一例を示す図である 。

符号の説明

  1 端子圧着電線製造装置        2 電 送給装置
  3 切断装置              4 皮むき 置
  6 機台
 10 端子圧着装置           11 ベース
 12 ホルダー             13 ワイヤク リンパ
 14 ワイヤアンビル          15 インス アンビル
 16 インスクリンパ          17 スライ ドカッター
 18 カットオフパンチ         19 バネ
 21 端子供給路            22 端子フ ード機構
 23 送り爪              25 ストッパ
 30 プレス              31 ラム
 50、60、70 クランプ装置     51 クランプ
 52 クランプ駆動手段         53 搬送 ーブル
 54 ガイドバー            55 サーボ ータ
 56 ボールネジ            57 軸受
 61 バネ               62 スライダ
 63 リニアガイド           64 押し棒
 71 偏芯カム             72 ドッグ