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Title:
THIETANE COMPOUND, POLYMERIZABLE COMPOSITION COMPRISING THE COMPOUND, AND USE OF THE COMPOSITION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/102546
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a thietane compound represented by the general formula (1) [wherein M represents an element belonging to Group 14 on the super long format of the periodic table; X1's independently represent a sulfur or oxygen atom; p represents an integer ranging from 2 to (n-1) (inclusive); and n represents the number of valency of the metal atom M, provided that: when n-p is 1, then R2 represents a linear or branched alkyl group having 1 to 3 carbon atoms which may have a substituent; and when n-p is 2 or greater, then multiple R2's independently represent a linear or branched alkyl group having 1 to 3 carbon atoms which may have a substituent or multiple R2's may together form a ring containing M in which the alkyl chain forming the ring has 1 to 3 carbon atoms and the ring-constituting moiety has no sulfur atom].

Inventors:
MURAKAMI MASAKAZU (JP)
ANDO TOMOYUKI (JP)
KOBAYASHI SEIICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/000265
Publication Date:
August 28, 2008
Filing Date:
February 19, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MITSUI CHEMICALS INC (JP)
MURAKAMI MASAKAZU (JP)
ANDO TOMOYUKI (JP)
KOBAYASHI SEIICHI (JP)
International Classes:
C08G75/06; G02B1/04
Domestic Patent References:
WO2005095490A12005-10-13
WO2007099702A12007-09-07
WO2007125636A12007-11-08
WO2007148439A12007-12-27
Other References:
See also references of EP 2123696A4
Attorney, Agent or Firm:
HAYAMI, Shinji et al. (9-2 Nishi-Gotanda 7-chome,Shinagawa-k, Tokyo 31, JP)
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Claims:
 下記一般式(1)に示されるチエタン化合物。
(上記一般式(1)中、Mは長周期型周期表の14族元素を表す。X 1 は各々独立に硫黄原子または酸素原子を表す。pは2以上(n-1)以下の整数を表し、nは金属原子Mの価数を表す。
 n-pが1の場合、R 2 は、置換基を有してもよい炭素数1以上3以下の直鎖状もしくは分岐鎖を有するアルキル基を表す。
 n-pが2以上の場合、複数のR 2 は、各々独立に、置換基を有してもよい炭素数1以上3以下の直鎖状もしくは分岐鎖を有するアルキル基を表す。また、複数のR 2 が互いに結合してMを含む環を形成してもよく、この場合、環を形成するアルキル鎖は炭素数1以上3以下であり、環を構成する部分には、硫黄原子を含まない。)
 請求項1に記載のチエタン化合物において、前記一般式(1)において、X 1 が硫黄原子である、チエタン化合物。
 請求項2に記載のチエタン化合物において、前記MがSn原子である、チエタン化合物。
 請求項3に記載のチエタン化合物において、R 2 がメチル基またはメチレン基である、チエタン化合物。
 請求項1に記載のチエタン化合物を含む、重合性組成物。
 請求項5に記載の重合性組成物の光学部品としての使用。
 請求項5に記載の重合性組成物を重合させた樹脂の光学部品としての使用。
Description:
チエタン化合物、これを含む重 性組成物およびその使用

 本発明は、チエタン化合物、これを含む 合性組成物およびその使用に関する。

 近年、無機ガラスに代わる透明性材料と て、透明性有機高分子材料が使用され、た えば光学用樹脂等に用いられている。光学 樹脂においては、たとえば透明性、熱的特 、機械的特性などの一般的に求められる特 を有しつつ、かつ高屈折率とすることが求 られる。

 こうした樹脂に関する従来の技術として、 許文献1(国際公開第2005/095490号パンフレット )に記載のものがある。同文献には、金属含 チエタン化合物が記載されている。また、 折率(nd)1.7を超える高屈折率の光学用樹脂が 載されている。

国際公開第2005/095490号パンフレット

特開2003-327583号公報

 ところが、上述の特許文献1に記載の技術 においても、透明性樹脂の屈折率を向上させ る点で、なお改善の余地があった。

 本発明は、
[1]下記一般式(1)に示されるチエタン化合物;

(上記一般式(1)中、Mは長周期型周期表の14族 素を表す。X 1 は各々独立に硫黄原子または酸素原子を表す 。pは2以上(n-1)以下の整数を表し、nは金属原 Mの価数を表す。
 n-pが1の場合、R 2 は、置換基を有してもよい炭素数1以上3以下 直鎖状もしくは分岐鎖を有するアルキル基 表す。
 n-pが2以上の場合、複数のR 2 は、各々独立に、置換基を有してもよい炭素 数1以上3以下の直鎖状もしくは分岐鎖を有す アルキル基を表す。また、複数のR 2 が互いに結合してMを含む環を形成してもよ 、この場合、環を形成するアルキル鎖は炭 数1以上3以下であり、環を構成する部分には 、硫黄原子を含まない。)
[2][1]に記載のチエタン化合物において、前記 一般式(1)において、X 1 が硫黄原子である、チエタン化合物;
[3][2]に記載のチエタン化合物において、前記 MがSn原子である、チエタン化合物;
[4][3]に記載のチエタン化合物において、R 2 がメチル基またはメチレン基である、チエタ ン化合物;
[5][1]に記載のチエタン化合物を含む、重合性 組成物;
[6][5]に記載の重合性組成物の光学部品として の使用;
[7][5]に記載の重合性組成物を重合させた樹脂 の光学部品としての使用;
である。

 本発明によれば、チオアルキル基を含む 規なチエタン化合物が提供される。

 以下、本発明について、具体例を用いて 明するが、本発明は、これに限定されるも ではない。また、本発明において、各成分 たは基について、例示されたものを単独で いてもよいし、複数組み合わせて用いても い。

 はじめに、本発明のチエタン化合物につい 説明する。
 本発明のチエタン化合物は、分子内にチエ ン基および金属原子を含有する化合物であ 、下記一般式(1)で表される。

(上記一般式(1)中、Mは長周期型周期表の14族 素を表す。X 1 は各々独立に硫黄原子または酸素原子を表す 。pは2以上(n-1)以下の整数を表し、nは金属原 Mの価数を表す。
 n-pが1の場合、R 2 は、置換基を有してもよい炭素数1以上3以下 直鎖状もしくは分岐鎖を有するアルキル基 表す。
 n-pが2以上の場合、複数のR 2 は、各々独立に、置換基を有してもよい炭素 数1以上3以下の直鎖状もしくは分岐鎖を有す アルキル基を表す。また、複数のR 2 が互いに結合してMを含む環を形成してもよ 、この場合、環を形成するアルキル鎖は炭 数1以上3以下であり、環を構成する部分には 、硫黄原子を含まない。)

 上記一般式(1)において、Mは、Sn原子、Si原 、Ge原子、Pb原子等の長周期型周期表(以下、 同じ。)の14族の元素を表す。
 Mは、好ましくは、Sn原子、Pb原子等の高周 の14族の金属元素であり、さらに具体的には Sn原子である。

 上記一般式(1)において、X 1 は、各々独立に、硫黄原子または酸素原子で ある。上記一般式(1)に示したチエタン化合物 を含む重合性組成物を重合して得られる樹脂 の屈折率を向上させる観点では、X 1 が硫黄原子であることが好ましい。
 また、さらに具体的には、上記一般式(1)に いて、X 1 は硫黄原子であって、MがSn原子であってもよ い。

 上記一般式(1)において、nは金属原子Mの価 を表す。
 また、上記一般式(1)において、pは、(Mの価 -1)以下の正の整数である。つまり、pは2以 (n-1)以下の整数である。

 R 2 は、置換基を有してもよい炭素数1以上3以下 直鎖状もしくは分岐鎖を有するアルキル基 表す。
 n-pが2以上の場合、R 2 は、各々独立に置換基を有してもよい炭素数 1以上3以下の直鎖状もしくは分岐鎖を有する ルキル基を表す。複数のR 2 は、同じ基であってもよいし、全部または一 部が異なる基であってもよい。また、複数の R 2 が互いに結合し、Mを含む環を形成してもよ 。この場合、環を形成するアルキル鎖は炭 数1以上3以下であり、硫黄原子は、Mに直接 合しているもののみである。つまり、R 2 のうち、環を構成する部分には硫黄原子を含 まない。

 R 2 が環を形成しない場合、R 2 として、具体的には、メチル基、エチル基、 プロピル基、イソプロピル基、つまり炭素数 1以上3以下のアルキル基が挙げられる。また を形成した場合、環を形成するアルキル鎖 しては、メチレン基、エチレン基、プロピ ン基、つまり炭素数1以上3以下のアルキレ 基が挙げられる。Mを含む環は、具体的には 4員環から6員環である。なお、Mを含む環が4 員環のとき、環を構成する二つのR 2 のうちの一つは、具体的には単結合である。

 さらに具体的には、環を形成しない場合、R 2 はメチル基であり、また環を形成する場合は 環を形成するアルキル鎖はエチレン基である 。上記一般式(1)において、さらに具体的には 、X 1 は硫黄原子、MはSn原子、R 2 はメチル基またはメチレン基としてもよい。

 上記一般式(1)に示される化合物は、以下に 体的に例示されるが、これらに限定される のではない。
 メチルチオトリス(チエタニルチオ)スズ、 チルチオトリス(チエタニルチオ)スズ、プロ ピルチオトリス(チエタニルチオ)スズ、イソ ロピルチオトリス(チエタニルチオ)スズ等 アルキルチオ(チエタニルチオ)スズ;
ビス(メチルチオ)ビス(チエタニルチオ)スズ ビス(エチルチオ)ビス(チエタニルチオ)スズ ビス(プロピルチオ)ビス(チエタニルチオ)ス ズ、ビス(イソプロピルチオ)ビス(チエタニル チオ)スズ等のビス(アルキルチオ)ビス(チエ ニルチオ)スズ;
エチルチオ(メチルチオ)ビス(チエタニルチオ )スズ、メチルチオ(プロピルチオ)ビス(チエ ニルチオ)スズ、イソプロピルチオ(メチルチ オ)ビス(チエタニルチオ)スズ、エチルチオ( ロピルチオ)ビス(チエタニルチオ)スズ、エ ルチオ(イソプロピルチオ)ビス(チエタニル オ)スズ、イソプロピルチオ(プロピルチオ) ス(チエタニルチオ)スズ等のアルキルチオ( ルキルチオ)ビス(チエタニルチオ)スズ;およ
ビス(チエタニルチオ)ジチアスタンネタン、 ス(チエタニルチオ)ジチアスタンノラン、 ス(チエタニルチオ)ジチアスタンニナン等の ビス(チエタニルチオ)環状ジチオスズ化合物

 次に、上記一般式(1)に示したチエタン化合 の製造方法を説明する。
 上記一般式(1)に示したチエタン化合物の製 方法に特に制限はないが、たとえば、下記 般式(2)で示されるハロゲン化物と、下記一 式(3)で表されるチエタン基を有するヒドロ シ化合物またはチオール化合物との反応に り製造される。

(上記一般式(2)中、M、p、nおよびR 2 は、それぞれ、上記一般式(1)におけるM、p、n およびR 2 に同じであり、Zはハロゲン原子を表す。)

(上記一般式(3)中、X 1 は、上記一般式(1)におけるX 1 に同じである。)

 また、上記一般式(2)においてn=pであるハロ ン化物と、上記一般式(3)で表されるチエタ 基を有するヒドロキシ化合物またはチオー 化合物と、下記一般式(4)で示されるチオー 化合物とを同時に反応させても製造できる
R 2 -SH (4)
(上記一般式(4)中、R 2 は、上記一般式(1)におけるR 2 に同じである。)

 また、上記一般式(2)においてn=pであるハ ゲン化物と上記一般式(3)で表されるチエタ 基を有するヒドロキシ化合物またはチオー 化合物とをあらかじめ反応させて得られた 合物と、上記一般式(4)で表されるチオール 合物とを反応することによっても製造でき 。

 以上の製造方法例で用いる化合物のうち、 記一般式(2)および(4)に示した化合物は、工 用原料または研究用試薬として入手可能で る。
 また、上記一般式(3)で表される化合物は公 化合物であって、たとえば、特許文献2(特 2003-327583号公報)に記載の方法に準じて製造 きる。

 以上の製造方法例における各反応は、い れも無溶媒で行ってもよく、あるいは、反 に不活性な溶媒の存在下に行ってもよい。

 かかる溶媒としては、反応に不活性な溶媒 あれば特に限定するものではなく、石油エ テル、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キ レン、メシチレンなどの炭化水素系溶媒;
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ エチレングリコールジメチルエーテルなどの エーテル系溶媒;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ ブチルケトンなどのケトン系溶媒;
酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミルなどの エステル系溶媒;
塩化メチレン、クロロホルム、クロルベンゼ ン、ジクロルベンゼンなどの含塩素系溶媒;
N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセ アミド、N,N-ジメチルイミダゾリジノン、ジ メチルスルホキシドなどの非プロトン性極性 溶媒;
メタノール、エタノール、プロパノール、イ ソプロパノールなどのアルコール系溶媒;お び
水などが例示される。

 また、各製造方法例における各反応の反 温度は、特に制限するものではないが、通 、-78℃以上200℃以下の範囲であり、好まし は、-78℃以上100℃以下である。

 また、反応時間は反応温度により影響さ るが、通常、数分から100時間である。

 また、各製造方法例の反応における、上 一般式(2)で表される化合物と上記一般式(3) 表される化合物の使用量は、特に限定する のではないが、通常、上記一般式(2)で表さ る化合物中に含有されるハロゲン原子1モル に対して、上記一般式(3)で表される化合物の 使用量は、0.01モル以上100モル以下である。 ましくは、0.1モル以上50モル以下であり、よ り好ましくは、0.5モル以上20モル以下である

 また、各製造方法例において、反応を実施 るに際し、反応を効率よく行うために、生 するハロゲン化水素の捕捉剤として塩基性 合物を用いることは好ましい。
 かかる塩基性化合物として、たとえば、水 化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リ ウム、アンモニア水、炭酸ナトリウム、炭 カリウム、炭酸リチウム、重炭酸ナトリウ 、重炭酸カリウム、重炭酸リチウム、水酸 マグネシウム、水酸化カルシウムなどの無 塩基;および
ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアニ リン、ジエチルアニリン、1,8-ジアザビシク [5,4,0]-7-ウンデセン、ナトリウムメトキシド ナトリウムエトキシドなどの有機塩基が例 される。

 次に、本発明の重合性組成物について説明 る。
 本発明の重合性組成物は、上記一般式(1)に したチエタン化合物を含む。この重合性組 物は、たとえば光学部品の材料として用い れる。
 本発明において、重合性組成物中の上記一 式(1)に示したチエタン化合物の割合は特に 限はなく、所望の物性により適宜決められ 。

 本発明の重合性組成物は、上記一般式(1) 示したチエタン化合物として、一種類の化 物を含んでいてもよいし、異なる複数の化 物を含んでいてもよい。

 また、上記一般式(1)に示したチエタン化 物は、重合性化合物である。このため、本 明の重合性組成物中の重合性化合物が、上 一般式(1)に示したチエタン化合物から構成 れていてもよい。

 また、本発明の重合性組成物中の重合性 合物が、上記一般式(1)に示したチエタン化 物に加えて、他の重合性化合物を含んでい もよく、また、複数の重合性化合物を組み わせて使用してもよい。

 他の重合性化合物としては、公知の各種 合性モノマーまたは重合性オリゴマーが挙 られ、たとえば、(メタ)アクリル酸エステ 化合物、ビニル化合物、エポキシ化合物、 ピスルフィド化合物、オキセタン化合物、 エタン化合物、イソシアネート化合物とチ ール化合物からなるチオウレタン化合物な が挙げられる。

 また、本発明の重合性組成物は、必要に じて、重合速度等の調整のため公知公用の 合触媒をさらに含んでいてもよい。

 さらに、重合性組成物を硬化してなる樹 の屈折率、アッベ数等の光学物性のさらな 調整や、色相、耐光性や耐候性、耐熱性、 衝撃性、硬度、比重、線膨張係数、重合収 率、吸水性、吸湿性、耐薬品性、粘弾性等 諸物性を調整、透過率や透明性の調整、重 性組成物の粘度、その他保存や輸送方法の 扱い性を調整するためなど、樹脂の改良や り扱い性を改良する目的で、本発明の重合 組成物に精製や洗浄、保温、保冷、濾過、 圧処理などの有機化合物を合成する際に一 的に用いられる手法、操作を施したり、ま 、公知の化合物等を安定剤や樹脂改質剤と て加えたりすることは、良好な樹脂を得る 的で好ましい場合がある。長期の保存安定 や、重合安定性、熱安定性などの安定性向 のために加えられるものとしては、重合遅 剤や重合禁止剤、脱酸素剤、酸化防止剤な の化合物が挙げられる。

 重合性組成物を精製するのは、硬化して られる樹脂の透明性を改良したり、色相を 良するためや純度を上げるために用いられ 手法である。本発明の重合性組成物を精製 る際には、公知の方法、たとえば、再結晶 カラムクロマト法(シリカゲル法や活性炭法 、イオン交換樹脂法など)、抽出などのいか る手法をいかなるタイミングで行ってもよ 、一般に精製して得られる組成物を硬化さ て得られる樹脂の透明性や色相が改良され いればよい。

 重合性組成物を洗浄する方法は、硬化し 得られる樹脂の透明性を改良したり、色相 改良するのに用いられる手法であるが、重 性組成物を合成して取り出す際または合成 の取り出した後などのタイミングで極性お び/または非極性溶媒で洗浄し、樹脂の透明 性を阻害する物質、たとえば、重合性組成物 を合成する際に使用されるまたは副生する無 機塩、たとえば、アンモニウム塩などを取り 除く方法または減量する方法が挙げられる。 用いる溶媒は、洗浄される重合性組成物その ものや重合性組成物を含有する溶液の極性等 により一概に限定はできないが、取り除きた い成分を溶解可能で、かつ、洗浄される重合 性組成物そのものや重合性組成物を含有する 溶液と相溶しにくいものが好ましく、一種類 のみならず、二種類以上を混合して使用して もよい。ここで取り除く成分は目的や用途に 応じて異なるが、なるべく少なくしておくこ とが好ましく、通常5000ppm以下、より好まし は1000ppm以下とすると良い結果が得られる場 がある。

 重合性組成物を保温・保冷・濾過する方 は、硬化して得られる樹脂の透明性を改良 たり、色相を改良するのに用いられる手法 あるが、重合性組成物を合成して取り出す または合成後の取り出した後などのタイミ グで行うのが一般的である。保温方法とし は、たとえば、重合性組成物が保管中に結 化し、ハンドリングが悪くなった場合に、 合性組成物および重合性組成物を硬化させ なる樹脂の性能が低下しない範囲で加熱溶 する方法が挙げられる。加熱する温度範囲 加熱溶解する方法は、取り扱われる重合性 成物を構成する化合物の構造により一概に 定できないが、通常、凝固点+50℃以内の温 で行われ、好ましくは+20℃以内であり、攪 可能な装置で機械的に攪拌したり、組成物 不活性なガスでバブリングすることで内液 動かし溶解する方法などが挙げられる。保 とは重合性組成物の保存安定性を高める目 で通常行われるが、たとえば重合性組成物 融点が高い場合には、結晶化後の取り扱い を向上させるため、保管温度を考慮すると い。保冷温度は取り扱われる重合性組成物 構成する化合物の構造、保存安定性により 概に限定できないが、通常は、本発明の重 性組成物の安定性が維持できる温度以下で 存する必要がある。

 また、本発明の重合性組成物が、光学用 に用いる重合性組成物の場合、その非常に い透明性を要求されることから、通常重合 組成物を孔径の小さいフィルターで濾過す とよい。ここで用いるフィルターの孔径は 常0.05μm以上10μm以下で行われるが、操作性 性能を考慮すれば、好ましくは、0.05μm以上 5μm以下であり、より好ましくは0.1μm以上3μm 下である。本発明の重合性組成物も例外で く濾過すると良い結果が得られる場合が多 。濾過する温度については、凝固点付近の 温で行うとさらに好ましい結果が得られる 合があるが、濾過中に凝固が進行するよう 場合は、濾過作業に支障を来さない温度で うと良い場合がある。

 減圧処理は、一般的に重合性組成物を硬 させてなる樹脂の性能を低下させる溶媒や 存ガス、臭気を取り除くのに行われる手法 ある。溶存溶媒は一般に得られる樹脂の屈 率低下や耐熱性低下を招くことがあるため 可能な限り取り除くとよい。溶存溶媒の許 値は、取り扱われる重合性組成物を構成す 化合物の構造、溶存する溶媒の構造により 概に限定できないが、通常1%以下とするの 好ましく、より好ましくは、5000ppm以下であ 。溶存ガスは重合の阻害を抑制する観点お び得られる樹脂に気泡が混入するのを抑制 る観点から、取り除く方が好ましい。特に 水蒸気などの水分を意味するガスについて 、とりわけ乾燥ガスでバブリングするなど て除去した方が好ましい。溶存量について 、重合性組成物を構成する化合物の構造、 存するガスの物性および構造、種類に応じ 設定できる。

 本発明における重合性組成物の製造方法 して、代表的には、上記一般式(1)に示した 合物と、必要に応じて上記の他の各種重合 化合物とを併用して、さらに必要に応じて 合触媒を添加した後、混合、溶解させる方 などが挙げられる。

 得られた重合性組成物は、たとえば極め 高い屈折率を有する透明樹脂用の原料モノ ー組成物として有用である。

 また、得られた重合性組成物は、通常、公 のチエタン基含有化合物を重合する際の方 に準じて重合し、硬化させることができる
 硬化樹脂を得るための重合触媒等の種類や 、単量体の種類や割合は、重合性組成物を 成する化合物の構造により設定される。

 本発明の重合性組成物を硬化し成形する には、目的に応じて、公知の成形法と同様 、安定剤、樹脂改質剤、鎖延長剤、架橋剤 ヒンダードアミン(Hindered Amine Light Stabilize rs:HALS)系を代表とする光安定剤、ベンゾトリ ゾール系を代表とする紫外線吸収剤、ヒン ードフェノール系を代表とする酸化防止剤 着色防止剤、アントラキノン系分散染料を 表とする染料やブルーイング剤、充填剤、 リコーン系を代表とする外部離型剤または 性燐酸エステル、4級アンモニウム塩もしく は4級ホスホニウム塩等の界面活性剤を代表 する内部離型剤、密着性向上剤などの種々 物質を添加してもよい。ここで、内部離型 は、前述の各種触媒のうち離型効果を示す のをも含む。

 上記の添加可能な各種添加剤の添加量は それぞれの添加剤の種類、構造、効果によ 異なり一概に限定することはできないが、 常、重合性組成物の総重量に対して0.001重 %以上10重量%以下の範囲で用いられ、好まし は0.01重量%以上5重量%以下の範囲で使用され る。染料やブルーイング剤については、1ppb 上100ppm以下の範囲で使用すると好ましい。 れらの範囲内であれば、さらに良好に硬化 た樹脂の製造が可能であり、得られる樹脂 透明性、光学物性がさらに良好なものとな 場合がある。

 上記重合性組成物を重合することにより 樹脂が得られる。重合方法としては、プラ チックレンズを製造する際に用いられる公 の各種方法が挙げられるが、代表的には、 型重合が挙げられる。

 本発明の重合性組成物を注型重合する際 は、必要に応じて、重合性組成物に対して 圧下での脱法処理やフィルターろ過を行っ 後、成型用モールドに注入し、必要に応じ 加熱して重合を行う。この場合、低温から 温へ徐々に加熱して重合することが好まし 。

 上述の成型用モールドは、たとえば、ポ エチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、 ポリ塩化ビニル等からなるガスケットを介し た鏡面研磨した二枚の鋳型により構成される 。鋳型は、代表的には、ガラスとガラスの組 み合わせであり、他にガラスとプラスチック 板、ガラスと金属板等の組み合わせの鋳型が 挙げられるが、これらに限定されるものでは ない。また、成型用モールドは2枚の鋳型を リエステル粘着テープなどのテープ等で固 したものであってもよい。必要に応じて、 型に対して離型処理など公知の処理方法を ってもよい。

 注型重合を行う場合、重合温度は重合開 剤の種類など重合条件によって影響される で、限定されるものではないが、通常、-50 以上200℃以下であり、好ましくは、-20℃以 170℃以下であり、より好ましくは、0℃以上 150℃以下である。

 重合時間は、重合温度により影響される 、通常、0.01時間以上200時間以下であり、好 ましくは、0.05時間以上100時間以下である。 た必要に応じて、定温や昇温、降温などを っていくつかの温度を組み合わせて重合を うことも可能である。

 また、本発明の重合性組成物は、電子線 紫外線や可視光線などの活性エネルギー線 照射することによっても重合を行うことが きる場合がある。この際には、必要に応じ 、活性エネルギー線によって重合開始する ジカル重合触媒やカチオン重合触媒が用い れる。

 得られた樹脂は、硬化後、必要に応じて アニール処理を施されてもよい。さらに必 に応じて、反射防止、高硬度付与、耐摩耗 向上、防曇性付与あるいはファッション性 与の目的で、表面研磨、帯電防止処理、ハ ドコート処理、無反射コート処理、染色処 、調光処理(たとえば、フォトクロミックレ ンズ化処理など)など公知の各種物理的また 化学的処理を施されてもよい。

 本発明の重合性組成物を重合することに り得られる樹脂は、高い透明性、良好な耐 性と機械的強度を有しつつ、かつ、高屈折 を有しており、たとえば、プラスチックレ ズなどの光学部品に用いられる樹脂として 用である。

 光学部品としては、たとえば、視力矯正用 鏡レンズ、撮像機器用レンズ、液晶プロジ クター用フレネルレンズ、レンチキュラー ンズ、コンタクトレンズなどの各種プラス ックレンズ;
発光ダイオード(LED)用封止材;
光導波路;
光学レンズや光導波路の接合に用いる光学用 接着剤;
光学レンズなどに用いる反射防止膜;
基板、導光板、フィルム、シートなどの液晶 表示装置部材に用いる透明性コーティングま たは透明性基板などが挙げられる。

 以下、製造例および実施例により本発明 さらに具体的に説明するが、本発明はこれ の実施例に限定されるものではない。

 (参考製造例1)
 特許文献2(特開2003-327583号公報)に記載の方 に従って、3-チエタノールを合成した。さら に得られた3-チエタノールを用い、3-メルカ トチエタンを合成した。

 すなわち、攪拌装置と温度計を備えた反 器中に、チオ尿素190g、35重量%塩酸水253gお び水250gを装入して攪拌して反応液とした。 応液を攪拌しながら、反応液に3-チエタノ ル156gを1時間かけて適下した。滴下終了後、 30℃で24時間、攪拌して反応を行った後、24重 量%アンモニア水177gを1時間かけて適下した。 さらに30℃で15時間反応を行った後、静置し 有機層(下層)を取り出し、粗生成物134gを得 。得られた粗生成物を減圧下に蒸留して、 点40℃/106Paの留分を集め、無色透明液体の目 的物である3-メルカプトチエタンを得た。

 (参考製造例2)
 本例では、特許文献1(国際公開第2005-095490号 パンフレット)に記載の方法に従って、以下 化合物を製造した。

 具体的には、3-メルカプトチエタン5.42g(0. 051モル)およびメルカプトエチルスルフィド4. 01g(0.026モル)を純水50g中に装入し、続いて、 応液を30℃まで昇温し、10%四塩化スズの水溶 液65.2g(四塩化スズ0.025モルに相当)を同温度で 4時間かけて滴下装入した。

 滴下終了後、同温度でさらに2時間撹拌し た。この反応混合物にクロロホルム100mlを加 、有機層と水層に分液した。有機層を100ml 純水で2回洗浄した後、無水硫酸ナトリウム 用いて乾燥した。この抽出物から溶媒を留 して得られた粗生成物を、クロロホルムを 開液としてシリカゲルカラムクロマトグラ ィーにより精製して下記式に示す化合物8.42 g(収率70%)を得た。

 以下に、 1 H-NMRデータを示す(溶媒:CDCl 3 、内部標準物質:TMS);σ2.91(4H)、σ3.11(4H)、σ3.28~ 3.56(8H)、σ4.79(2H)。

 (参考製造例3)
 本例ではテトラキス(チエタニルチオ)スズ( 記式に示す化合物)を合成した。
 3-メルカプトチエタン11.2g(0.11モル)を純水50g 中に装入し、続いて、10%NaOH水溶液41.2g(0.10モ )を室温下、40分かけて滴下装入した。続い 、反応液を30℃まで昇温し、10%四塩化スズ 水溶液65.2g(四塩化スズ0.025モルに相当)を同 度で4時間かけて滴下挿入した。滴下終了後 同温度でさらに2時間攪拌した。この反応混 合物にクロロホルム100mlを加え、有機層と水 に分液した。有機層を100mlの純水で2回洗浄 た後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し 。この抽出物から溶媒を留去して、下記式 示される化合物13.4g(収率99%)を得た。

 (実施例1)
 3-メルカプトチエタン13.7g(0.13モル)を純水35. 1g中に装入し、続いて、31重量%NaOH水溶液16.5g( 0.13モル)を室温(20℃)下、45分かけて滴下装入 た。続いて、27.5重量%四塩化スズの水溶液58 .88g(四塩化スズ0.06モルに相当)と15重量%メチ メルカプタンナトリウム塩水溶液を同じ滴 速度で1.5時間かけて装入した。滴下終了後 らに2時間攪拌した。

 この反応混合物をジクロロメタン300gに溶 解し、有機層を100gの純水で3回洗浄した後、 フロン(登録商標)製フィルターで濾過をし 不溶物を除去した。こうして得られた抽出 から溶媒を留去して、下記式に示すメチル オトリス(チエタニルチオ)スズを23.4g得た(収 率64%)。

 以下に、化合物の同定データを示す。
1 H-NMR(溶媒:CDCl 3 、内部標準物質:TMS);σ2.37(3H)、3.44(12H)、4.71(3H) 。
13 C-NMR(溶媒:CDCl 3 );σ10.9、39.2、41.4。
IR(ユニバーサルATR法);2919、1425、1249、1164、946 cm -1
FDMS;m/e計算値C 10 H 18 S 7 Sn(M + )482、実測値482。

 (実施例2)
 3-メルカプトチエタン13.7g(0.13モル)を純水20. 5g中に装入し、続いて、31重量%NaOH水溶液16.5g( 0.13モル)を室温(20℃)下、45分かけて滴下装入 た。続いて、別の反応器にエタンジチオー 5.9g(0.06モル)と純水36.5gを装入し、31重量%NaOH 水溶液16.5g(0.13モル)を室温下、45分かけて滴 装入した。このエタンジチオールナトリウ 塩水溶液と27.5重量%四塩化スズの水溶液58.9g( 四塩化スズ0.06モルに相当)を先ほどの3-メル プトチエタンナトリウム塩水溶液中に同じ 下速度で1.5時間かけて滴下装入した。滴下 了後、さらに2時間攪拌した。

 この反応混合物の固体を濾取してジクロ メタン530gに溶解した。有機層を100gの純水 3回洗浄した後、テフロン(登録商標)製フィ ターで濾過をして不溶物を除去した。この 出物から溶媒を留去して、下記式に示すビ (チエタニルチオ)ジチアスタンノランをオイ ル状の粗体として24.8g得た(収率65%)。

 以下に化合物の同定データを示す。
1 H-NMR(溶媒:CDCl 3 、内部標準物質:TMS);σ3.23(4H)、3.27(4H)、3.67(4H) 4.64(2H)。
IR(ユニバーサルATR法);2931、1414、1262、1165cm -1
FDMS;m/e計算値C 8 H 14 S 6 Sn(M + )422、実測値422。

(実施例3)
 参考製造例3で得られたテトラキス(チエタ ルチオ)スズ107.9g(0.2モル)に1,2-エタンジチオ ル18.84g(0.2モル)を装入し、室温(20℃)で2時間 撹拌した。副生した3-メルカプトチエタンを 去するために1回あたり100gのメタノールを 入して撹拌洗浄し、デカンテーションによ 分離の操作を8回繰り返すと白色の固体が析 した。析出した固体をろ取、乾燥してビス( チエタニルチオ)ジチアスタンノランを白色 晶として70.6g得た(収率84%)。
 得られた化合物の分析値は実施例3で得られ た化合物の分析値と同じであった。

 (重合性組成物の調製とその重合による樹脂 硬化物の製造)
 参考製造例2ならびに実施例1および2におい 製造した樹脂の物性評価を下記の方法によ おこなった。
外観: 目視により透明性を確認した。
屈折率: プルフリッヒ屈折計を用いて20℃で 定した。

 (実施例4)
 室温(25℃)下、ガラスビーカーに実施例1で 造した化合物10.0gを秤取し、重合触媒を加え ずに50℃に加熱してテフロン(登録商標)製フ ルターで濾過した後、3.9kPa以下の減圧下に 泡が認められなくなるまで十分脱気させた 続いて、ガラスモールドとテープよりなる ールド中へ該重合性化合物を注入した後、 熱オーブン中へ入れ70℃で48時間重合を行っ 。

 得られた樹脂の成型片は透明性良好であり 歪みのない外観良好なものであった。
 また、得られた樹脂の屈折率を測定したと ろ、屈折率ne=1.793であり、後述する比較例1 比べて、高屈折率であった。

(実施例5)
 室温(25℃)下、ガラスビーカーに実施例2で 造した化合物10.0gを秤取し、重合触媒を加え ずに50℃に加熱してテフロン(登録商標)製フ ルターで濾過した後、3.9kPa以下の減圧下に 泡が認められなくなるまで十分脱気させた ガラスモールドとテープよりなるモールド へ該重合性組成物を注入した後、加熱オー ン中へ入れ70℃で48時間重合を行った。

 得られた樹脂の成型片は透明性良好であり 歪みのない外観良好なものであった。
 また、得られた樹脂の屈折率を測定したと ろ、屈折率ne=1.816であり、後述する比較例1 比べて、高屈折率であった。

 (比較例1)
 室温(25℃)下、ガラスビーカーに参考製造例 2で製造した化合物30gを秤取し、重合触媒を えずにテフロン(登録商標)製フィルターで濾 過した後、1.3kPa以下の減圧下、発泡が認めら れなくなるまで十分脱気させた。ガラスモー ルドとテープよりなるモールド中へ該重合性 組成物を注入した後、加熱オーブン中へ入れ て20時間重合を行った。重合中、オーブン内 85℃から120℃まで多段階で昇温した。

 得られた樹脂の成型片は透明性良好であり 歪みのない外観良好なものであった。
 また、得られた樹脂の屈折率を測定したと ろ、屈折率ne=1.782であった。