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Title:
TIAL-BASED ALLOY, PROCESS FOR PRODUCTION OF THE SAME, AND ROTOR BLADE COMPRISING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/113335
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a hot-forged TiAl-based alloy having excellent oxidation resistance and high strength at higher temperatures. Also disclosed is a process for producing the alloy. Specifically disclosed is a TiAl-based alloy comprising (40+a) at.% of Al and b at.% of Nb, with the remainder being Ti and unavoidable impurities, wherein a and b meet the requirements represented by the following formulae (1) and (2). 0≤a≤2 (1) 3+a≤b≤7+a (2) Also specifically disclosed is a TiAl-based alloy comprising (40+a) at.% of Al, b at.% of Nb and at least one element selected from c at.% of V, d at.% of Cr and e at.% of Mo, with the remainder beingTi and unavoidable impurities, wherein a to e b meet the requirements represented by the following formulae (3)to (9). 0≤a≤2 (3) 3+a≤b+1.0c+1.8d+3.8e≤7+a (4) b≥2 (5) c≥0 (6) d≥0 (7) e≥0 (8) c+d+e>0 (9)

Inventors:
SHINDO KENTARO (JP)
TETSUI TOSHIMITSU (JP)
TAKEYAMA MASAO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/051539
Publication Date:
September 17, 2009
Filing Date:
January 30, 2009
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI HEAVY IND LTD (JP)
TOKYO INST TECH (JP)
SHINDO KENTARO (JP)
TETSUI TOSHIMITSU (JP)
TAKEYAMA MASAO (JP)
International Classes:
B21J5/00; C22C14/00; B21K3/04; C22F1/18; F01D5/28; F02C7/00; C22F1/00
Foreign References:
JPH06116691A1994-04-26
JPH0633172A1994-02-08
JPH05320791A1993-12-03
US5370839A1994-12-06
JP2001316743A2001-11-16
Other References:
See also references of EP 2251445A4
Attorney, Agent or Firm:
FUJITA, Takaharu et al. (JP)
Takaharu Fujita (JP)
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Claims:
 Al:(40+a)原子%と、
 Nb:b原子%とを含有し、
 残部がTi及び不可避的不純物からなるTiAl基合金であって、
 前記a及びbが以下の式(1)及び(2):
   0≦a≦2   (1)
   3+a≦b≦7+a   (2)
を満たすTiAl基合金。
 Al:(40+a)原子%と、
 Nb:b原子%とを含有し、更に
 V:c原子%、
 Cr:d原子%、及び
 Mo:e原子%
から選択される1種以上の元素を含有し、
 残部がTi及び不可避的不純物からなるTiAl基合金であって、
 前記a乃至eが以下の式(3)乃至(9):
   0≦a≦2   (3)
   3+a≦b+1.0c+1.8d+3.8e≦7+a   (4)
   b≧2   (5)
   c≧0   (6)
   d≧0   (7)
   e≧0   (8)
   c+d+e>0   (9)
を満たすTiAl基合金。
 α 2 相とγ相とが交互に積層されたラメラ粒が配列してなる金属組織を有する請求項1または請求項2に記載のTiAl基合金。
 Al:(40+a)原子%と、
 Nb:b原子%とを含有し、
 残部がTi及び不可避的不純物からなるTiAl基合金素材であって、
 前記a及びbが以下の式(1)及び(2):
   0≦a≦2   (1)
   3+a≦b≦7+a   (2)
を満たすTiAl基合金素材を、(α+β)相の平衡温度領域内の保持温度に保持する工程と、
 該保持温度に保持したTiAl基合金素材を、所定の最終加工温度まで冷却しながら高速塑性加工する工程とを備えるTiAl基合金の製造方法。
 Al:(40+a)原子%と、
 Nb:b原子%とを含有し、更に
 V:c原子%、
 Cr:d原子%、及び
 Mo:e原子%
から選択される1種以上の元素を含有し、
 残部がTi及び不可避的不純物からなるTiAl基合金素材であって、
 前記a乃至eが以下の式(3)乃至(9):
   0≦a≦2   (3)
   3+a≦b+1.0c+1.8d+3.8e≦7+a   (4)
   b≧2   (5)
   c≧0   (6)
   d≧0   (7)
   e≧0   (8)
   c+d+e>0   (9)
を満たすTiAl基合金素材を、(α+β)相の平衡温度領域内の保持温度に保持する工程と、
 該保持温度に保持したTiAl基合金素材を、所定の最終加工温度まで冷却しながら高速塑性加工する工程とを備えるTiAl基合金の製造方法。
 前記保持温度が、1150℃以上1350℃以下である請求項4または請求項5に記載のTiAl基合金の製造方法。
 前記最終加工温度が、1150℃以上である請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載のTiAl基合金の製造方法。
 前記高速塑性加工として鍛造法を用いる請求項4乃至請求項7のいずれか1項に記載のTiAl基合金の製造方法。
 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のTiAl基合金を用いた動翼。
Description:
TiAl基合金及びその製造方法並び にそれを用いた動翼

 本発明は、TiAl基合金及びその製造方法、 並びにそれを用いた動翼に関するものである 。

 ガスタービンや過給機の動翼などに用い 材料として、軽量(比重約4)で耐熱性に優れ TiAl基合金が注目されている。特に、大型の 回転動翼の場合、動翼の構成部材が軽量であ るほど遠心応力が少なくなるので、最高到達 回転数の向上や動翼の大面積化、さらにはデ ィスク部分への負荷応力の低減を図ることが できる。

 TiAl基合金は、高温強度に優れた金属間化合 物であるTiAlやTi 3 Alを主体とする合金であり、耐熱性に優れて る。しかし、TiAl基合金は鋳造性が悪く、鋳 造での大型部品の製造が困難であるため、鍛 造による成形が研究されている。鍛造方法に は、超塑性加工を利用した恒温鍛造と熱間鍛 造とがある。恒温鍛造は、鋳造合金のインゴ ットを高温で加熱しながら低速で加工する方 法である。熱間鍛造は、鋳造合金インゴット を高温で加熱した後、放冷しながら高速で加 工する方法である。この熱間鍛造では、TiAl 合金の鍛造性を向上させるために、高温で 変形能に優れるβ相が析出する成分組成とし 、第3元素としてCr,V,Mnなどのβ相安定化元素 添加される。

 特許文献1には、Alを43~47原子%含有し、第3 元素としてCrを添加したTiAl基合金を、超塑性 加工(恒温鍛造)することが開示されている。 記組成のTiAl基合金を、加熱保持装置を用い た塑性加工装置で、動的再結晶が起こる低歪 速度で変形し、γ相の結晶粒界にβ相を析出 せた微細構造を有するTiAl基合金を得ている

 特許文献2には、Alを40~48原子%含有し第3元素 としてCr及びVから選択される1種以上を添加 たTiAl基合金、及び、Alを38~48原子%含有し第3 素としてMnを添加したTiAl基合金が開示され いる。上記組成のTiAl基合金に対して高速塑 性加工(熱間鍛造)を施し、α 2 相とγ層とが交互に積層されたラメラ組織粒 形成させて、TiAl基合金の高温強度を向上さ せている。

米国特許第5370839号明細書

特開2001-316743号公報

 特許文献1に記載の超塑性加工は、高温に 保持しながらの低歪速度での塑性加工である ので、生産性が低く工業的な実用性は低い。

 一方、特許文献2に記載される熱間鍛造は、 汎用設備にて一般鋼材とほぼ同様の鍛造加工 が可能であるため、生産性が高く実用的であ る。
 しかし、特許文献2に記載されるTiAl基合金 、熱間鍛造によりラメラ組織粒を析出させ 高温強度を向上させているが、鋳造TiAl基合 に比べてクリープ強度が低く、耐酸化性も 十分であった。このため、TiAl基合金の適用 可能温度は650℃以下となっていた。

 本発明は、耐酸化性に優れ、且つ、高温 度の高い熱間鍛造TiAl基合金及びその製造方 法を提供することを目的とする。

 上記課題を解決するために、本発明は、Al:( 40+a)原子%と、Nb:b原子%とを含有し、残部がTi び不可避的不純物からなるTiAl基合金であっ 、前記a及びbが以下の式(1)及び(2):
   0≦a≦2   (1)
   3+a≦b≦7+a   (2)
を満たすTiAl基合金を提供する。

 また、本発明は、Al:(40+a)原子%と、Nb:b原子% を含有し、更にV:c原子%、Cr:d原子%、及びMo:e 原子%から選択される1種以上の元素を含有し 残部がTi及び不可避的不純物からなるTiAl基 金であって、前記a乃至eが以下の式(3)乃至(9 ):
   0≦a≦2   (3)
   3+a≦b+1.0c+1.8d+3.8e≦7+a   (4)
   b≧2   (5)
   c≧0   (6)
   d≧0   (7)
   e≧0   (8)
   c+d+e>0   (9)
を満たすTiAl基合金を提供する。

 Al含有量が高くなると高温強度は向上す 。しかし、Al含有量が高いと、高温での変形 能に優れるβ相が析出しない、あるいは、析 温度域が高いために、鍛造性が悪くなる。 発明のTiAl基合金は、汎用の鍛造設備で実現 可能な温度範囲の高温でα相とβ相の2相領域 なる温度領域を有し、この温度領域での熱 鍛造が可能である。本発明のTiAl基合金は、 β相安定化元素としてNbを上記範囲で含有し Al含有量が40原子%以上42原子%以下と従来のTiA l基合金よりも低くすることにより、鍛造性 維持しつつ高い高温強度を有する。また、Nb を添加することにより、従来の熱間鍛造TiAl 合金よりも耐酸化性を向上させることが可 となる。

 V,Cr及びMoは、Nbと同様にβ相を形成させや すく、TiAl基合金の鍛造性を向上させる効果 高い元素である。Nbの他にV,Cr及びMoから選択 される1種以上の元素を上記の割合で含有す ことで、鍛造性に優れたTiAl基合金となる。 に、Vは高温での引張強度向上に寄与する。 Crは、TiAl基合金の変形抵抗を低下させる。Mo クリープ強度向上に寄与する。V,Cr及びMoか 選択される1種以上の元素を含有することに より、合金性能を更に向上させることが可能 となる。

 上記発明において、TiAl基合金が、α 2 相とγ相とが交互に積層されたラメラ粒が配 してなる金属組織を有することが好ましい ラメラ粒が配列した金属組織を有すること 、高温強度の高いTiAl基合金となる。

 本発明は、Al:(40+a)原子%と、Nb:b原子%とを含 し、残部がTi及び不可避的不純物からなるTi Al基合金素材であって、前記a及びbが以下の (1)及び(2):
   0≦a≦2   (1)
   3+a≦b≦7+a   (2)
を満たすTiAl基合金素材を、(α+β)相の平衡温 領域内の保持温度に保持する工程と、該保 温度に保持したTiAl基合金素材を、所定の最 終加工温度まで冷却しながら高速塑性加工す る工程とを備えるTiAl基合金の製造方法を提 する。

 また、本発明は、Al:(40+a)原子%と、Nb:b原子% を含有し、更にV:c原子%、Cr:d原子%、及びMo:e 原子%から選択される1種以上の元素を含有し 残部がTi及び不可避的不純物からなるTiAl基 金素材であって、前記a乃至eが以下の式(3) 至(9):
   0≦a≦2   (3)
   3+a≦b+1.0c+1.8d+3.8e≦7+a   (4)
   b≧2   (5)
   c≧0   (6)
   d≧0   (7)
   e≧0   (8)
   c+d+e>0   (9)
を満たすTiAl基合金素材を、(α+β)相の平衡温 領域内の保持温度に保持する工程と、該保 温度に保持したTiAl基合金素材を、所定の最 終加工温度まで冷却しながら高速塑性加工す る工程とを備えるTiAl基合金の製造方法を提 する。

 上記組成のTiAl基合金は、高温において(α +β)相の平衡領域を有するとともに、V,Cr及びM oから選択される1種以上の元素及びNbを含有 るので、β相が安定して析出する。TiAl基合 素材を(α+β)相の平衡温度領域保持して、高 変形能の高いβ相が安定して存在する状態 、高速にて塑性加工を施すので、加工性が 好である。また、(α+β)相の平衡温度領域の 持温度から最終加工温度まで冷却する間に 速塑性加工を施すことにより、合金中に歪 が多数導入される。この歪みを起点として 的再結晶が誘起され、最終的に微細なラメ 粒が配列する金属組織が形成される。この メラ粒が存在する金属組織とすることで、T iAl基合金は高い高温強度を示す。

 上記発明において、前記保持温度が、1150 ℃以上1350℃以下であれば、金属組織内に(α+ )相が安定して析出させることができる。

 上記発明において、前記最終加工温度が 1150℃以上であれば、高速塑性加工が可能な 高い変形能を維持できる。1150℃未満である 、変形能が低下してTiAl基合金素材に割れが 生する恐れがある。

 上記発明において、前記高速塑性加工と て鍛造法を用いることができる。

 上記のTiAl基合金を用いた動翼は、高温強 度と耐酸化性に優れ、650℃以上での使用に耐 え得る動翼となる。

 本発明によれば、高温強度と耐酸化性が く、鍛造性に優れたTiAl基合金とすることが できる。本発明のTiAl基合金を用いた動翼は 高温強度と耐酸化性に優れるため、650℃以 の使用環境においても適用可能である。ま 、鍛造性が良好であるため、短時間での成 が可能である。

 本発明の第一実施形態に係るTiAl基合金は、 Al:(40+a)原子%と、Nb:b原子%とを含有し、残部が Ti及び不可避的不純物からなり、a及びbが以 の式(1)及び(2):
   0≦a≦2   (1)
   3+a≦b≦7+a   (2)
を満たす。

 上記組成のTiAl基合金は、Alを40原子%以上4 2原子%の割合で含有する。Al含有量が40原子% 満であると、高温強度が低下する。Al含有量 が42原子%を超えると、鍛造性が低下する。

 第一実施形態のTiAl基合金は、Nbを含有す ことにより耐酸化性に優れる。Nbはβ相を高 温領域で安定して析出させる効果もある。β は高温での変形能が大きいため、β相を安 して析出させることで鍛造性が向上する。 た、β相が析出することによって、冷却過程 でラメラ組織(例えば、平均粒径が1μmから50μ mの微細ラメラ組織)が形成されやすくなる。 のため、鍛造後の合金の高温強度、特にク ープ強度が向上する。Nb含有量が多くなる 逆にラメラ組織が析出しにくくなり、高温 度が低下する。Nb含有量を上記割合とするこ とで、高温強度に優れ鍛造性が良好なTiAl基 金となる。

 本発明の第二実施形態に係るTiAl基合金は、 Al:(40+a)原子%と、Nb:b原子%とを含有し、更にV:c 原子%、Cr:d原子%、及びMo:e原子%から選択され 1種以上の元素を含有し、残部がTi及び不可 的不純物からなり、a乃至eが以下の式(3)乃 (9):
   0≦a≦2   (3)
   3+a≦b+1.0c+1.8d+3.8e≦7+a   (4)
   b≧2   (5)
   c≧0   (6)
   d≧0   (7)
   e≧0   (8)
   c+d+e>0   (9)
を満たす。

 V,Cr及びMoは、Nbと同様にβ相を形成させやす い元素である。Nbのβ相析出効果をNb量:b(原子 %)に換算した値をNb当量とすると、各元素のNb 当量は以下のようになる。
 V:b=1.0c
 Cr:b=1.8d
 Mo:b=3.8e
すなわち、Vのβ相析出効果はNbの場合と同等 ある。Cr及びMoのβ相析出効果は、それぞれN bの1.8倍、3.8倍であり、Nbに比べて少量の添加 でβ相を安定して析出させることができる。

 β相を安定して析出させる効果の他に、V 高温での引張強度を更に向上させる効果が る。CrはTiAl基合金の変形抵抗を低下させる 果があり、鍛造性が更に向上する。Moはク ープ強度を更に向上させる効果がある。

 Nb,V,Cr及びMoの含有量は、鍛造性及び高温 度を考慮すると、上記割合の範囲内とする 良い。

 第一実施形態および第二実施形態のTiAl基合 金を熱間鍛造法で製造する方法を、以下に説 明する。
 上記組成で表される組成となるTiAl基合金素 材(例えばインゴット形状)を溶製する。

 TiAl基合金素材を重油炉などで加熱して、 (α+β)相の平衡温度領域内の保持温度で長時 保持する。この工程により、金属組織内にα 相及びβ相を析出させる。保持温度は、上記 成式のTiAl基合金の場合は、1150℃から1350℃ なる。

 保持後のTiAl基合金素材を炉から取り出し、 合金素材の温度が(α+β)相平衡温度領域であ 間に、汎用の油圧プレス機などを用いて、 速塑性加工を施す。冷却過程での高速塑性 工により、α相に歪みが導入される。歪みを 起点として動的再結晶が起こり、その結果、 α 2 相とγ相とが交互に積層された微細なラメラ が形成する。β相からは冷却過程でγ相が析 出して等軸的な微細組織が形成される。上記 組成のTiAl基合金の場合、最終加工温度は1150 以上とすれば、変形能が大きいβ相が析出 た状態で塑性加工を施すことができる。最 加工温度が1150℃未満であると、変形能が低 して材料割れが発生する。また、冷却速度 速すぎると、マッシブ変態を生じてラメラ 織が形成されず、冷却速度が遅すぎるとラ ラ間隔が広がり材料強度が低下する。冷却 度は、例えば50~700℃/分程度とすることが好 ましい。

 本実施形態のTiAl基合金を用いて製造された 動翼は、高温強度及び高温での耐酸化性に優 れる。動翼は以下の手順にて製造される。
 第一実施形態または第二実施形態の組成のT iAl基合金素材(インゴット形状など)を溶製す 。次に、TiAl基合金素材に熱間自由鍛造を施 し、後工程の型鍛造における鍛造性を向上さ せる。その後、合金素材を棒状に切断し、動 翼の型鍛造の荒地とする。荒地の製造は、コ ストを重視する場合には、棒状のTiAl基合金 材を溶製しても良い。棒材の形状は、最終 な翼形状を付与しやすいように、ドッグボ ン形状などに加工する。

 型鍛造工程では、棒状のTiAl基合金素材を 重油炉などで加熱し、(α+β)相平衡温度領域 の保持温度に保持する。合金素材を炉から り出した直後に、鍛造荒地を使用して、汎 のハンマープレスで型鍛造を施して成形す 。型鍛造後は、冷却過程での熱変形を防ぐ めに断熱材中あるいは600℃程度の低温炉中 除冷する。最後に、鍛造品を切削加工など 動翼形状に成形する。

 本実施形態のTiAl基合金は鍛造性に優れる ため、大型部材である動翼を簡略な工程にて 短時間で形成することが可能である。

 (実施例1)
 表1の実施例1-1乃至実施例1-4に示す成分から なるTiAl基合金インゴットを鋳造により製造 た。各インゴットを所定の寸法となるよう 切断して表面加工を施し、直径80mm、高さ60mm の柱状のTiAl基合金素材を得た。

 各TiAl基合金素材を重油炉内で1300℃に加 保持した。保持後、重油炉からTiAl基合金素 を取り出し、汎用の300トン油圧プレスを用 て、鍛造比3sの据え込み鍛造を行った。な 、TiAl基合金素材取出しから鍛造終了まで10 以内で実施した。鍛造後の冷却は、鉄製架 上にて大気放冷とした。鍛造後熱処理とし 、マッフル炉を使用して800℃、24時間の応力 除去焼鈍を実施した。

 (比較例)
 表1の比較例1-1乃至比較例1-9に示す成分から なるTiAl基合金インゴットを鋳造により製造 た。各インゴットを切断して表面加工を施 、直径80mm、高さ60mmの柱状のTiAl基合金素材 得た。実施例1と同様の方法で、各TiAl基合金 素材の鍛造及び鍛造後の応力除去焼鈍を実施 した。

 (実施例2~5)
 表1の実施例2乃至実施例5に示す成分からな TiAl基合金インゴットを鋳造により製造した 。インゴットを切断して表面加工を施し、直 径80mm、高さ60mmの柱状TiAl基合金素材を得た。 実施例1と同様の方法で、実施例2のTiAl基合金 素材の鍛造及び鍛造後の応力除去焼鈍を実施 した。

 各TiAl基合金の鍛造性評価、クリープ強度試 験及び耐酸化性試験を実施した。
 鍛造性評価は、鍛造後のインゴットの割れ 発生有無を目視で確認した。割れが発生し い場合は鍛造性良好(○)とし、割れが発生 る場合は鍛造性不良(×)とした。
 クリープ強度試験は、焼鈍後のインゴット ら試験片を切り出し、試験温度760度、負荷 力311MPaで実施した。クリープ破断時間が25 間以上で高温強度良好(○)とし、25時間未満 高温強度不足(×)とした。
 耐酸化性試験は、焼鈍後のインゴットから 辺が2.8mmの立方体試験片を切り出し、870℃ て50時間加熱し、単位面積当たりの酸化増量 で比較した。酸化増量が0.01g/mm 2 以下で耐酸化性良好(○)とし、0.01g/mm 2 を超えた場合に耐酸化性不足(×)とした。

 

 実施例1-1乃至実施例1-4のTiAl基合金は、い ずれもラメラ粒が析出した金属組織となり、 高い高温強度が得られた。また、Nbを含有し い比較例1-9のTiAl基合金と比較して、耐酸化 性が大幅に改善された。

 Alが40原子%(at%)未満の場合、クリープ破断時 間が低下した(比較例1-1、比較例1-3)。Alが42原 子%を超えると、クリープ破断時間が長く高 強度は良好だったが、鍛造割れが発生した( 較例1-5、比較例1-7)。
 Nbの含有量bが不等式b<3+aを満たす場合、 造割れが発生した(比較例1-2、比較例1-6)。Nb 有量bが不等式b>7+aとなる場合は、クリー 破断時間が低下した(比較例1-4、比較例1-8)

 実施例2乃至実施例5のTiAl基合金はいずれ 、鍛造性、高温強度及び耐酸化性は良好だ た。

 実施例1-1、及び、実施例2乃至実施例5のTi Al基合金について、変形抵抗測定、引張試験 クリープ強度試験、及び耐酸化性試験の評 結果を表2に示す。変形抵抗測定は、焼鈍後 のインゴットから直径7mm、長さ12mmの円柱試 片を切り出し、高周波加熱を用いて1250℃に 持し、変形速度100mm/秒で実施した。引張試 は、焼鈍後のインゴットから切り出した全 60mm、評定部直径4mm、評定部長さ20mmの試験 に対し、700℃大気中にて実施した。

 

 Vを含有する実施例2及び実施例3は、実施 1-1と比較し引張破断強度が向上した。Crを 有する実施例4は、変形抵抗が小さくなった すなわち、高温での変形能が増大した。Mo 含有する実施例5は、クリープ強度が大幅に 上した。